JP4028232B2 - 渋滞分布を推測する経路探査システム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、交通量を推定する方法に関し、特に、交差点毎の分流率と進入率を推定し、当該推定値と交通量感知器の測定値を用いて感知器が設置されていない道路も含めた対象領域の交通量を推定する方法に関するものである。本発明はまた、上記の方法を実行するためのコンピュータソフトウェアを収容したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体にも関するものである。
【0003】
【従来の技術】
特に都市部における道路ネットワークの渋滞状況を把握し、経路毎の通過時間を推定することは、車両の移動時間の短縮や燃費の削減を通じて、効率的な経済活動の実現や環境汚染の低減に寄与するものである。さらに、火災等の緊急時には、消防や警察等の緊急車両のうち最も速く現場に到着できるのはどの車両であるかを決定して指示を出すことが必要であるが、そのためには複数の出発点から1つの到着点まで最短時間で移動できる車両、および、当該車両が通るべき経路を決定することが必要である。
【0004】
上述の要請にこたえるためには、まず、対象地域内の交通量を正確に把握することが必要である。そのため、近年では、幹線道路の要所に交通量感知器が設置されている。交通量感知器は、基本的には単位時間あたりに対象点を通過した車両の台数、通過速度と車両による道路占有率を測定して中央制御室に送信するものである。中央制御室では、各所に設けた交通量感知器からの測定交通量を把握することで、どの地域の交通が円滑に流れているか、逆にどの地域に渋滞が生じているかを概略把握することができる。当該感知器の測定結果は、ラジオの交通情報やカーナビへの送信を通じて一般のドライバーに公開される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、交通量感知器の数には限界があるために、特定の交通量感知器付近で渋滞が発生したことを知らされると、当該地域のドライバーはいっせいに迂回路にまわり、結果的には迂回路の方が交通量感知器を設置した道路よりも一層混雑するというような不都合も生じる場合がある。
【0006】
さらには、渋滞情報に基づいて緊急配備したパトカー等が感知器設置場所以外の渋滞に巻き込まれた結果、到着が遅れてしまうという不具合がおきる可能性もあり、現実の道路状況の正確な把握に基づいた緊急車両配備が必要である。
【0007】
この問題は、交通量感知器の数を飛躍的に増やすことができれば、ある程度解消可能ではあろうが、そのためには莫大な設備投資と長期間の設置工事が必要になるので、必ずしも現実的な解決策とはいえない。
【0008】
そこで、本発明では、限られた数の交通量感知器からの交通量情報に基づいて、信頼性の高い、かつ、刻々変化する道路状況に動的に対応することのできる交通量を推定する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の交差点で交差する複数の道路を含む地域の経路ごとの交通量を推定する方法であって、交通量感知器が測定した交通量を取得する過程と、交差点毎の分流率と進入率を道路種別および車線数を考慮して推定する過程と、測定交通量、分流率および進入率を用いて感知器が設置されていない道路の交通量を推定する過程とを含み、前記交差点毎の分流率と進入率の推定は、交差点で交差する道路の属性と交差点の形状とを用いてあらかじめ設定された値を参照することによって行うことを特徴とする交通量を推定する方法を提案する。
【0010】
上記の方法において、交通量とは、一般に該当道路の単位時間毎に対象点を通過する車両の台数、車両の通過速度、車両の道路占有率の内の少なくとも1つを含む情報であるが、現実の道路の交通量あるいは渋滞の程度を表示することができる変数であればこれらの数値に限定されるわけではない。また、分流率とは、例えば十字路状の交差点で、直進、左折、右折する車両の交差点に進入してきた車に対する比率であり、交差点を終端とする1つの道路の当該交差点に関する分流率は、合計すれば原則として1になる値である。反対に、進入率とは、1つの交差点を通って1つの道路に車両が流入する場合において、直進で流入してきた車両と、左折で流入してきた車両と、右折で流入してきた車両の、当該道路(交差点を通過した後に通る特定の道路)を通行中の車両に対する比率であり、交差点を始端とする道路の当該交差点に関する進入率の合計は原則として1になる。
【0011】
上記の分流率と進入率を適切に設定することによって、交通量感知器を設置した位置での測定交通量に基づいて当該位置の近傍での交通量、さらにはより広い地域の交通量を精度良く推定することができるようになり、比較的少ない交通量感知器の情報に基づいて広い領域の交通量を高精度に推定することができる。
【0012】
本発明においては、前記交差点毎の分流率と進入率の推定は、交差点で交差する道路の属性と交差点の形状とを用いてあらかじめ設定された値を参照することによって行う。
【0013】
道路の属性とは、国道、都道、一般道等のような道路種別や車線数等交通量に関連する特性を言う。道路の規模および交差点の形状、あるいは過去の観測データに基づいて交差点毎の分流率と進入率をあらかじめ適切に設定することによって演算量を削減し、かつ、高精度の交通量推定を行うことができる。また、蓄積された観測データを利用して分流率や進入率を補正することによって推定精度を向上させることができる。
【0014】
本発明の他の実施態様では、特定の時刻に、多数の車両が大型店舗やスタジアム等の駐車場に入っていく、あるいは多数の車両が出てくることによって交通量に与える影響を仮想交差点として考慮する。すなわち、仮想交差点は、現実に交差点が存在するか否かにかかわらず、この種の駐車場が道路と接続された位置に想定するもので、たとえば、大型駐車場にもっぱら多数の車両が入っていく状況では、当該駐車場と接続道路の位置に設定した仮想交差点では、当該駐車場方向に右左折して進入していく車両の比率を高く設定する。
【0015】
図7は、仮想交差点の概念を簡単に説明したものである。大型店舗等への出入り口位置に仮想交差点を想定し、大型店舗等に車両が吸収される現象を、右左折(道路形状よっては直進を含む)によって当該大型店舗等の方向に車両が進むものと考えて、右左折直進率によって表現する。大型店舗等から車両が出てくる現象も、同様に右左折直進率によって表現することができる。ただし、駐車場方向に侵入した車両は、他のどの道路または交差点へもつながって行かないことは当然である。
【0016】
仮想交差点における車両の動きは時間帯や、イベント開催時間等の時間に依存するのが特徴である。図8は、この現象を概念的に示したものであり、大型店舗等に入った車両が出てくるまでの時間については一定のピークがあることがわかる。したがって、仮想交差点における右左折直進率を設定するに際しては、大型店舗等に入っていった車両の台数と出てきた少量の台数との関係に特に着目せずに、単に時間毎の右左折直進率として設定してもよいし、入庫台数の時間分布に対して経過時間と出庫率との関係を用いて出庫台数を推定してもよい。
【0017】
上記のような仮想交差点を考慮することによって、本発明にかかる交通量推定の方法やシステムの基本構成を変更することなく、大規模店舗や大規模施設が含まれる領域の交通量を精度よく推定することが可能になる。
【0018】
本発明の他の実施態様では、前記感知器が設置されていない道路の交通量推定は、測定交通量に分流率を積算することによって交通量感知器よりも下流側の交通量を推定し、測定交通量に進入率を積算することによって交通量感知器よりも上流側の交通量を推定することによって行う。
【0019】
ここで下流側とは、車両の動きに従って車両が対象感知器を通った後に通過する位置の意味であり、上流側とは、車両が対象感知器を通る前に通過する位置を意味することにする。全ての交差点について分流率と進入率の推定が行われれば、その後は、交通量感知器設置位置から始めて、次第にその上流側と下流側方向に交通量推定を行っていくことができる。したがって、当該感知器の位置を通過した車両および当該感知器を通過することになる車両が、対象領域全域にどのように分布しているかを推定することが可能である。
【0020】
本発明の他の1つの実施態様では、前記地域には複数の交通量感知機が設置されており、
複数の交通量感知器が測定した交通量を取得し、
それぞれの交通量感知器が測定した交通量に基づいて、感知器が設置されていない道路の交通量を推定し、
それぞれの交通量感知器の測定交通量に基づいて推定した交通量に、交通量感知器から推定する道路までの間に存在する交差点の数に基づいて設定された重み付け係数を積算して重み付けて、複数の交通量感知器に基づく結果を足し合わせることによって交通量の推定を行う。
【0021】
つまり、上記の実施態様によれば、前記地域に複数の交通量感知機が設置されていることを前提に、複数の交通量感知器が測定した交通量を合計して、感知器が設置されていない道路の交通量を推定する。この時、それぞれの感知器の測定値に基づいて推定した交通量に、感知器から推定地点までの距離(具体的には、その間に存在する交差点の数)に基づいて設定された重み付け係数を積算した上で加算する。
【0022】
本発明による方法で交通量を推定した場合、交通量感知器が設置されている地点から遠ざかるに従って交通量の推定精度は低下する。これは、交通量感知器設置点から遠いほど分流率と進入率を何度も掛け算して推定交通量を算出することに起因する。また、複数の交通量感知器が存在すると、それぞれの交通量感知器の測定交通量に基づく特定地点の交通量推定値が独立に存在することになる。当該特定地点の交通量は、近似的にはそれぞれの推定値の合計であるが、加算を行うに当たって交通量感知器から当該地点までの距離、すなわち、上述のように推定値の信頼度を考慮した重み付けを行うことによって推定交通量の信頼度を向上させることができる。
【0023】
本発明の他の1つの実施態様では、前記交差点毎の分流率と進入率の推定値を、交通量感知器が測定した交通量と、同地点に関する推定交通量との差に基づいて補正する。
【0024】
複数の感知器が設置されている場合、感知器が測定した交通量は当該地点の現実の測定交通量であるのに対して、他の感知器の測定値に基づいて当該地点の交通量推定値が得られる。現実の測定交通量と交通量推定値との誤差が小さくなるように分流率と進入率を補正することによって当該地域全体の交通量推定精度を向上させることができる。
【0025】
本発明の他の1つの実施態様では、複数の交差点で交差する複数の道路を含む地域の経路ごとの通過時間を推定する方法であって、
上述のいずれかに記載の方法によって交通量を推定する過程と、
交通量と交差点間距離とを用いて、交差点間道路の通過時間を推定する過程と、
右左折直進車両それぞれが交差点を通過するために必要な時間を推定する過程と、
交差点間道路通過時間と交差点通過時間とに基づいて経路毎の地域の通過時間を推定する方法を提案する。
【0026】
既に述べた方法によって地域内の各道路の交通量が推定された後は、交差点間の道路を通過するために必要な時間と、交差点そのものを通過するために必要な時間とをそれぞれ求めて、それらを合計することによって当該地域を通過するために必要な時間を適切に推定することができる。
【0027】
本発明の他の1つの実施態様では、前記交差点間道路の通過時間の推定は、交通量を変数としてグリーンシルズ・オルコットの式によって算出した車両の平均移動速度に基づいて行う。また、本発明の他の1つの実施態様では、前記右左折直進車両が交差点を通過するために必要な時間は、交差点信号のサイクル長および青スプリットを用いて、右折、左折および直進それぞれに対して個別に推定する。
【0028】
特定地域の通過時間を推定するために、車両が交差点間(リンクとも称する)を通過するために必要な時間と交差点そのものを通過するために必要な時間を推定する必要があり、そのためには種々の方法がある。上述の実施態様では、交差点間の平均移動速度をグリーンシルズ・オルコットの式によって算出し、このようにして求めた平均移動速度で交差点間距離を割ることによって交差点間通過時間を算出する。さらに、交差点信号のスプリット当たりに通過することができる車両台数をあらかじめ推定しておくことによって、交差点信号のスプリット時間から当該交差点を通過するために要する時間を精度よく推定することができる。この場合、右左折直進それぞれにサイクル時間とスプリットを変数とした推定式を用いることが好ましい。
【0029】
本発明はさらに、上述の交通量推定方法によって推定した経路毎の地域の通過時間を用いて、出発点から到着点まで移動する車両の最短移動時間とその経路を推定する方法を提案する。
【0030】
当該方法によれば、限られた数の交通量感知器からの交通量測定値から、所定地域の通過経路毎の通過時間を求め、当該推定値に基づいて最短移動時間とその経路を精度よく推定することができる。
【0031】
本発明の1つの実施態様によれば、さらに、交通量感知器から得られる交通量の測定値を、例えば5分毎のように一定時間毎に更新することによって、刻々変化する道路事情を交通量推定に反映させることができる。
【0032】
本発明はさらに、複数の交差点で交差する複数の道路を含む地域の経路ごとの通過時間を推定し、推定結果を表示する手段を具備する渋滞分布推定システムを提案するものである。さらに、本発明は、上記交通量の推定方法を用いて、出発点から到着点まで移動する車両の最短移動時間とその経路を推定し、推定結果を表示する手段を具備する最短時間と経路推定システムを提案する。複数の出発点から到着点までの経路と所要時間を推定することによって、複数の出発点のうちで、所定の到着点に最短時間で到達する出発点と、当該出発点から所定の到着点までの最短移動時間とその経路を推定する最速出発点推定システムが提案される。さらに、本発明は、コンピュータに上記いずれかに記載の方法を実行させるためのソフトウェアプログラムを格納した、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0033】
以下に、添付の図面を参照しつつ本発明の具体的な実施例に従って本発明についてより詳細に述べる。ただし、添付の図面および以下に述べる実施例は発明概念の理解を容易にするために記載するものであって、本発明の技術的思想は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成およびその均等物を包含するものであることに留意する必要がある。
【0034】
【発明の実施の形態】
1.右左折直進率の設定
まず、交差点に接続する道路の属性等から交差点毎の右左折直進率を求める。
【0035】
交差点における右左折直進率は、第一次近似としては、例えば、直進率0.7、左折率0.2、右折率0.1のように、道路の属性等に関わらず一律に設定することも可能である。しかし、この右左折直進率の推定は、道路の属性、例えば、高速道路、国道、地方道のような道路種別と、両側1車線、片側1車線、片側2車線のような車線数を考慮することによって大幅に向上させることができる。また、道路種別によって高速道路をレベル1の道路、片側2車線の国道および地方道をレベル2の道路とするなど、ある程度包括的に取り扱うことも可能である。
【0036】
このように道路レベルを考慮して右左折直進率を設定すると、例えば、レベル1の道路からレベル2の道路2への左折率は0.25、レベル1の道路から直交するレベル2の道路を突っ切って直進する直進率は0.7のように設定することができる。
【0037】
さらに、このようにして得られた右左折直進率に道路形状による補正を行うことができる。当該補正は、例えば、T字路に突き当たる際の右左折率補正係数や、道路が直角に交わらない交差点の補正係数によって行うことができる。例えば、75度の角度で鋭角に右折する際の補正係数を0.8とすれば、通常の右折率0.2に補正係数0.8を掛けて、当該交差点の右折率を0.16とする等である。
【0038】
当該右左折直進率には、さらに曜日や時刻の影響、さらには季節的影響や特定の祝日等の影響を考慮することも可能であり、これらの要素を考慮することで交通量推定の精度を一層向上させることができる。また、現実の右左折直進率を交差点において測定しておくことによっても推定精度を向上させることができることは当然である。
【0039】
2.交通量の推計
次に、原則として全ての交差点の右左折直進率が求められたら、それに基づいて以下の手順で対象領域全体の交通量を推計する。
【0040】
図1は、交通量感知器100を設置した道路近傍の交通量を推計する方法を説明するための図面である。図1において中央に示された道路には紙面の左から右に進む車線に交通量感知器が設置されており、現実の交通量Qxが逐次把握されていると仮定する。当該交通量は、感知器の右側にある、つまり下流側の交差点120で直進および右左折に分岐する。このとき、当該交差点120における右左折直進率をRf(Rfr,Rfl,Rfs)とすると、当該交差点120から先のそれぞれの道路122、124、126の交通量Qf(Qfr,Qfl,Qfs)は、
【数1】
によって表される。
ここで、増減率とは、大型店舗等が存在して、その駐車場に多くの車両が吸収される、あるいは駐車場から多くの車両が出てくる等の現象を考慮するために設けた修正係数である。
【0041】
上述のような処理によって、交通量感知器によって測定された車両が交差点120を通過した後に下流側の道路にどのように配分されるかに基づいて、これらの下流側の道路の交通量を求めることができる。同様の演算を、さらに下流側の交差点について行うことによって、次の交差点を通過した後に交通量がその次の道路にどのように配分されるかを求めることができ、順次さらに下流側の道路の交通量を推定することができる。
【0042】
このような手順を繰り返して、最終的に対象地域にある全ての道路の交通量の推定値を求めても良いし、あるいは、このようにして得られた推定交通量(の誤差)が一定量より小さくなった時点で演算を打ち切るようにして演算量を削減しても良い。
【0043】
さらに、図1の左側に示されているように、交通量感知器が測定した交通量に基づいて交通量感知器の上流側の交通量を推定する。この場合、感知器100の上流側の交差点140で合流する3つの道路142、144、146の交通量Qrは、進入率Rr(Rrr,Rrl,Rrs)を用いて以下のように計算することができる。
【数2】
【0044】
上述の処理によって、交通量感知器によって測定された車両が交差点140に到達する前に上流側の道路にどのように配分されていたかに基づいて、これらの上流側の道路の交通量を求めることができる。同様の演算を、さらに上流側の交差点について行うことによって、さらに前の交差点を通過する前に交通量がその前の道路にどのように配分されていかを求めることができ、順次さらに上流側の道路の交通量を推定することができる。
【0045】
このような手順を繰り返して、最終的に対象地域にある全ての道路の交通量の推定値を求めても良いし、あるいは、このようにして得られた推定交通量が一定量より小さくなった時点で演算を打ち切るようにして演算量を削減しても良い点は下流側の交通量推定と同様である。
【0046】
図2には、上述の手法によって、交通量感知器の設置位置から始まって次第に遠くに交通量推定が波及していく様子を模式的に示したものである。
【0047】
対象地域内に感知器が複数設けられていれば、それぞれの感知器の測定量に基づいて、原則として対象地域全域の交通量が独立に推定されることになる。図3はこのようにして、1つの地点の交通量が複数の感知器の測定に基づいて独立に推定された様子を模式的に示したものである。これらの推定値に基づいて当該地点の交通量を推定するに際しては、感知器から当該地点までの交差点間リンク(道路)の数に基づく推定信頼度を考慮した後に加算するのが好ましい。つまり、感知器から遠い地点の交通量推定値は信頼度が低いので、当該地点に近い感知器に基づく推定値を重視すべきだからである。
【0048】
実際には、例えば、以下に記載する式によって重み付け加算を行う。
【数3】
ここで、Sfは、進行方向が正である(下流側の)各推計交通量の感知器までの平均道路数(リンク数)、Srは、進行方向が負である(上流側の)各推計交通量の感知器までの平均道路数(リンク数)である。以上の計算によって、原則として(つまり、推定交通量が閾値よりも小さくなったために演算を打ち切った地域を除いて)全ての道路についての推定交通量が求まったことになる。
【0049】
3.通過時間の推定
交通量が求められたら、この交通量と道路毎に予め設定された制限速度(道路交通法に規定する制限速度とは意味が異なる)や飽和交通量を用いて、当該道路の平均走行速度を求め、当該平均走行速度を用いて交差点間の移動に必要な時間を推定する。次に、交差点そのものを通過するために必要な時間を、信号のサイクル長やスプリット等に基づいて推定することによって当該領域の通過時間を推定する。
【0050】
?交差点間の車両の走行平均速度は、グリーンシルズ・オルコットの式として知られている以下の式を用いて推定することができる。
【数4】
ここで、変数の定義は以下のとおりである。
Vi:交差点間における車両の走行平均速度
Vfi:道路毎に予め設定された制限速度
Qi:交通量(例えば、台/分の単位)
QiMax:同路毎に予め設定された飽和交通量(例えば、台/m)
【0051】
上式によって交差点間の平均速度を算出した後は、交差点間距離DをViで割ることによって、つまり、D/Viによって交差点間の通過時間を算出することができる。
【0052】
次に、交差点そのものの通過時間を、例えば、下記の式によって推定する。
【数5】
ここで、変数の定義は以下のとおりである。
T:交差点通過時間
t:信号待ちが無い場合に交差点の通過に必要な時間
C:サイクル長(信号の1サイクルに要する時間)
S:スプリット(信号の1サイクル中の青信号の率)
【0053】
直進および左折については上記の式を直接使用することができるが、右折の場合の交差点通過時間は、さらに、対面交通量に応じて設定した待ち時間を加算することで推定精度をさらに向上させることができる。当該待ち時間は、必ずしも対面交通量の線形関数にはならず、図4に示すように、バイリニアカーブによって近似するのが良い。
【0054】
以下の式は、右左折それぞれについて個別の式を用いて交差点通過時間を推定する際の推定式の一例である。
【数6】
【数7】
【0055】
以上の演算によって交差点間の通過時間と交差点そのものの通過時間が推定されれば、この演算をすべての交差点と交差点間道路について行うことによって、当該領域を通過するために必要な時間が、経路毎に求められる。
【0056】
4.最短時間経路の決定
上述の方法によって道路と交差点間の通過時間が推定された後は、必要に応じて種々の方法によって最短時間経路と必要時間を算出することができるが、その一例として、ダイクストラ法に基づく経路探査を挙げることができる。図5は、経路探査エンジンの概念を示すものであり、図に示されているように、通過時間が推定されたらこれを管理するデータ管理部において、マルチスレッドを利用して複数のアプリケーションに対して同時処理を行って、要求された最短経路や必要時間を提供することも可能である。
【0057】
さらに、交通量感知器の測定データを例えば5分毎のように一定時間毎に更新する場合には、当該更新のタイミングに合わせて経路探査を繰り返すことによって刻々と変化する道路事情に即応した動的経路探査を提供することができる。
【0058】
5.観測データに基づくパラメータの補正
上述の方法でも従来の手法に比較して格段に優れた交通量推定を行うことができるが、本発明の方法の場合には、交通量推定を行いながらかつ現実の観測データに基づいてパラメータを補正することによって推定精度をさらに向上させることができる。以下に、右左折直進率の補正を例にとってこの点について述べる。
【0059】
上述の記載から明らかなように本発明による交通量の推定には、右左折直進率の推定が大きな役割を果たしている。一方、観測データは、交通量感知器による測定値と道路の長さである。
【0060】
1つの交通量感知器の測定に基づいて対象領域全域の交通量が推定されるので、同一領域に複数の交通量感知器が設置されている場合には(通常は、この場合に該当する)、交通量感知器の数だけ全域の交通量推定値が存在し、これらを重み付けた後に合算して対象領域の交通量を推定することは既に述べたとおりである。これを特定の点について見ると、例えば、検知器A、B、Cによる交通量測定値に基づいて推定された交通量感知器Dの位置の推定交通量(X)と、交通量感知器Dによって測定された当該位置での現実の交通量(X’)が存在することになる。
【0061】
X=X’であれば本方法による交通量推定が(少なくとも、感知器A、B、CによるD地点の交通量推定に関しては)正しいことを示しているが、一般にはX≠X’であり、推定に誤差が存在することを示している。従って、誤差の存在が示された場合には、E=|X−X’|がゼロになるように右左折直進率を一律に補正することによって推定精度を向上させることができる。当該補正は右左折直進率に限られるわけではなく、交通量の推定のために設定したどのパラメータを補正しても良いことは自明である。
【0062】
発明者らは種々の補正方法を行った結果、測定された交通量に合わせて道路の合流率と分流率を増加/減少させ、当該補正を順次交通量検知器の設定位置の近傍から次第に遠ざかる方向に補正を行うことによって効果的でかつ収束の早い補正を行うことができることを見出した。この際、一旦補正を行った右左折直進率は再度補正を行わないことや、複数の感知器からの交通量は、進行方向と感知器からの距離を考慮して重み付けを行った上で合算することによって補正演算を確実に収束させることができる。
【0063】
図6は、本発明に基づく交通量の推定および経路探査の手順を示すフローチャートである。図では、道路をリンクと表現してある。
【0064】
【発明の効果】
本発明によった場合には、少ない交通量検知器からの測定データに基づいて信頼性の高い交通量推定を行うことができ、当該推定値に基づいて最短到達経路や最短到達時間を推定することができる。また、上述の方法を実施するためのシステムおよびコンピュータに上記の方法を実行させるためのプログラムを格納した媒体が提供される。
【0065】
本発明の方法を、出発地点から到達地点まで車両が移動するために実際に要した時間にを移動時間推定に利用する形式の従来方法と比較した場合、本発明による方法は、対象地域全体についての交通量推定に基づいているために、出発地点と到着地点がどこにあっても十分な推定を提供できる点も特徴の1つである。
【0066】
本発明の方法は、現実の観測結果を常フィードバックすることが可能なので、フィードバックに年間、月間、週間、時間毎の固有の特性を反映させることも可能であり、継続的に使用することによって一層信頼性を向上させることができる点も特徴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 交通量感知器を設置した道路の近傍における交通量の推計方法を概説した図である。
【図2】 交通量の推定が交通量感知器から次第に遠くに波及していく様子を模式的に示す図である。
【図3】 1つの地点の交通量が複数の感知器からそれぞれ独立に推定された様子を模式的に示した図である。
【図4】 対面交通量と右折待ち時間の関係を示す概念図。
【図5】 経路探査エンジンの概念を示す図である。
【図6】 本発明に基づく交通量推定方法の全体を示すフロー図。
【図7】 大型店舗等を表す仮想交差点の概念を示す図。
【図8】 大型店舗等における車の出庫率と滞在時間との関係を示す図。
Claims (7)
- 複数の交差点で交差する複数の道路を含む地域の経路ごとの交通量を推定する方法であって、
交通量感知器が測定した交通量を取得する過程と、
交差点毎の分流率と進入率を道路種別および車線数を考慮して推定する過程と、
測定交通量、分流率および進入率を用いて感知器が設置されていない道路の交通量を推定する過程とを含み、
前記交差点毎の分流率と進入率の推定は、交差点で交差する道路の属性と交差点の形状とを用いてあらかじめ設定された値を参照することによって行うことを特徴とする交通量を推定する方法。 - 複数の交差点で交差する複数の道路を含む地域の経路ごとの交通量を推定する方法であって、
交差点毎の分流率と進入率を推定する過程と、
複数の交通量感知器が測定した交通量を取得する過程と、
測定交通量、分流率および進入率を用いて感知器が設置されていない道路の交通量を、交通量感知器から当該推定地点までの平均道路数を考慮して推定する過程とを含み、
前記交差点毎の分流率と進入率の推定は、交差点で交差する道路の属性と交差点の形状とを用いてあらかじめ設定された値を参照することによって行うことを特徴とする交通量を推定する方法。 - 前記感知器が設置されていない道路の交通量推定は、測定交通量に分流率を積算することによって交通量感知器よりも下流側の交通量を推定し、測定交通量に進入率を積算することによって交通量感知器よりも上流側の交通量を推定することによって行う請求項1または2に記載の交通量を推定する方法。
- 前記交差点は、道路網に接続された駐車場、大型店舗、工場のような交通量に影響を与える施設を仮想交差点として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の交通量を推定する方法。
- 感知器が設置されていない道路の交通量を推定する過程では、前記測定交通量、分流率および進入率に加えて、大型店舗等が存在して、その駐車場に多くの車両が吸収される、あるいは駐車場から多くの車両が出てくる等の現象を考慮するために設けた修正係数である増減率を考慮する請求項1〜3に記載の交通量を推定する方法。
- 前記地域には複数の交通量感知機が設置されており、複数の交通量感知器が測定した交通量を取得し、それぞれの交通量感知器が測定した交通量に基づいて、感知器が設置されていない道路の交通量を推定し、それぞれの交通量感知器の測定交通量に基づいて推定した交通量に、交通量感知器から推定する道路までの間に存在する交差点の数に基づいて設定された重み付け係数を積算して重み付けて、複数の交通量感知器に基づく結果を足し合わせることによって交通量の推定を行う請求項1に記載の交通量を推定する方法。
- 前記交差点毎の分流率と進入率の推定値を、交通量感知器が測定した交通量と、同地点に関する推定交通量との差に基づいて補正する過程を含む請求項1〜6に記載の交通量を推定する方法。
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