JP4028148B2 - 水力機械の封水装置およびその水力機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水車あるいはポンプ水車などの水力機器において、回転軸の外周に配置し封水を行う水力機械の封水装置およびその水力機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16から図18は、従来の封水装置の例を示す図である。
【0003】
図16は、封水装置および周辺部品の縦断面図である。一般に、水車あるいはポンプ水車などの水力機器に対し、回転主軸1の外周に配置し封水を行う封水装置のパッキン20は、回転主軸1と上カバー4との間に組み込まれたパッキン箱5の中に納められ、河川水がランナ3と上カバー4で囲まれたランナ背圧室14を通って外部へ漏水したり、揚水起動時あるいは調相運転時にランナ室内に押し込まれた圧縮空気が外部に漏出しないようにパッキン20を主軸スリーブ2に押圧して封水している。
【0004】
従来この種の封水装置に納められるパッキン20は、図16に示されるように回転主軸1と上カバ4ーとの間に設けられたパッキン箱5の内部に納められ、このパッキン箱5は軸方向に隣り合った複数段のパッキン室10を形成している。パッキン20はそれぞれのパッキン室10に組み込まれ、通常その背部にはパッキンアダプタ−21があてがわれ、パッキンアダプタ−21の外周に取り付けてあるガータスプリング9のばね力を利用して主軸スリーブ2の外周面に押し付けられると共に、運転時にはパッキン背部の圧力によって主軸スリーブ2に押圧され接触摺動するようになっている。
【0005】
なお、この従来型のパッキン20は、通常、摺動性の良いカーボン等の脆性材料で作られ周方向に複数個分割されている。このため、隣接するパッキン20との間に隙間が出来ないように相互に嵌め合う構造となっている。
【0006】
最下段とその上段との間のパッキン箱5には、圧力水供給管11が放射状に複数個設けられ、主軸スリーブ2とパッキン20との間の封水領域、特に摺動面7Aに圧力水が給水路12を通して供給される。この給水圧力は、通常封水装置下部室13の圧力よりも高圧に維持されるため、圧力水の一部は封水装置下部室13へ流出し残りの圧力水は上方のパッキン箱5へ流れ、最上段のパッキン箱5から外部へ流出する。これにより主軸スリーブ2とパッキン摺動面7Aとの間に高水圧の水膜が形成されることにより、封水装置下部室13から封水装置外部への河川水の流出防止や、揚水起動時及び調相運転時におけるランナ室内の圧縮空気の封水装置外部への漏出防止ならびに水膜切れによる摺動面7Aの焼き付きを効果的に防いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような封水装置は、地下式発電所のようにランナ中心位置が下池水位より低い場合は、封水装置下部室13の圧力もそれに応じて高くなり、また封水装置下部室13より高圧な圧力水を圧力水供給管11により供給しているために、パッキン室10は非常に高い圧力となる。特にポンプ水車などの揚水運転時に入力遮断が発生した際には通常の封水装置下部室圧力の2倍近い圧力となることもある。このような過渡状態の場合、パッキン20には非常に大きな背圧がかかり主軸1との摺動面7Aの圧力が上昇するため摺動面7Aの発熱量が増大し苛酷な条件で封水を行うこととなる。
【0008】
さらに、パッキン室内が高圧となるためパッキン箱5の内径側が軸方向上方に変形し、パッキン箱5に組み込まれているパッキン20がパッキン箱5に片当たりをおこしてパッキン20に周方向の曲げ荷重が加わることになり、隣接パッキン20との嵌合部のような形状急変部には大きな曲げ応力が発生する。
【0009】
また、揚水起動時、調相運転時などの運転条件によっては高周波数の振動が発生しパッキン20とパッキン箱5及び主軸1がこの振動により互いに擦れ合い叩き合いフレッティングなどの損傷を受けたりする恐れがある。
【0010】
特に摺動部材7であるパッキン20はカーボンなどの脆性材料のため変形、衝撃に弱く、上記のような応力集中や振動により割れ、欠けなどがおこる可能性が高いものとなる。また、このため脆性材料であるパッキン20はその強度を高めるために摺動特性上必要な寸法以上に径方向、軸方向ともに大きな寸法で製作されている。
【0011】
本発明の目的は、上記のようなパッキン箱の変形や振動による摺動部材の損傷を防止し、信頼性の高い水力機械の封水装置およびその水力機械を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、回転主軸の外周に、この回転主軸に向かって開口するパッキン箱が設けられ、このパッキン箱内に、押圧手段によって回転主軸に向かって押圧されるとともに回転主軸と摺動し封水を行う複数のパッキンを配設した水力機械の封水装置において、前記パッキンは、台座と、この台座に嵌合された摺動部材とを有し、この摺動部材の周方向の両端面が回転主軸の中心線に対して平行になされているとともに、前記回転主軸の軸方向に対して窪み部を有する凹型に形成されていることである。
【0013】
この第1の特徴によれば、摺動部材を台座に嵌合固定とし、剛性の高い台座を使用した場合は台座でパッキン全体にかかる力を受け持たせ、脆性材料で消耗品である摺動部材を摺動特性上および嵌め合い形状上での必要最小限の寸法とすることができる。また、台座に弾性特性に優れた材料を使用した場合は、上記のパッキン箱の変形や振動による摺動部材への荷重や衝撃を低減できる。また、摺動部材の両端面を回転軸の中心線に対して平行とすることで、形状急変部を無くし応力集中を低減でき、隣接パッキンとの嵌合部を無くすことで摺動部材の形状が簡素になり製作を容易にすることができる。さらに、摺動面の摩耗により内径方向にパッキンが移動しても隣接パッキン間で形成される漏水ポートの面積が不変となり漏水量を一定に保つことができる。
【0014】
本発明の第2の特徴は、上記パッキンの台座は摺動部材よりも熱伝導率が大きいことである。この第2の特徴によれば、より熱伝導率が大きい台座を使用することで摺動面での発熱を速やかに台座に伝え摺動面の冷却効果を向上させることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴は、台座の一部に突起を設け、この突起に前記摺動部材の凹型の窪み部を嵌合させてパッキンを構成することである。このようにすれば、摺動部材と台座を嵌合構造とすることで摺動部材の周方向の動きを固定できる。特にポンプ水車のように回転主軸1が正・逆両方向に回転する場合にも有効に動きを固定できる。さらに、摺動部材と台座の接触面積が増加するので、台座に請求項2記載の熱伝導率が大きい材料を使用すれば、摺動部材の冷却効果をより向上させることができる。
【0016】
本発明の第4の特徴は、凹型に形成された摺動部材を周方向に2つ配置し、これに対応する1つの台座に突起部を周方向に2ヶ所設け、これら2カ所の突起部に前記2つの摺動部材を嵌合するとともに、2つの摺動部材間に微少隙間を設けたことである。このようにすれば、摺動部材に周方向の曲げ荷重がかかった場合でも最大曲げ応力が発生する中央部が分離しているため応力が解放され、摺動部材に発生する曲げ応力を低減することができる。また、摺動部材間に微少隙間を設けたことで、高圧水との接触面積が増し摺動部材の冷却効果を向上させることができる。さらに、摺動面の発熱による摺動部材の膨張に対応できる。
【0017】
本発明の第5の特徴は、パッキンを周方向に均等に配置し、回転主軸と摺動する最内周面での隣接するパッキンとの間の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間にできる楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置したことである。このようにすれば、隣接パッキンとのギャップを設け楔状の廻り止めを設置することでパッキンの周方向に拘束し、隣接パッキンの挙動に影響を受けることがなく主軸の偏心や振れまわりなどの径方向に対する追従性を向上することできる。摺動面の摩耗により内径方向にパッキンが移動しても隣接パッキン間で形成される漏水ポートの面積が不変となり漏水量を一定に保つことができる。
【0018】
本発明の第6の特徴は、パッキンを周方向に均等に配置し、回転主軸と摺動する最内周面での隣接するパッキンとの間の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置し、摺動部材を台座の突起部に嵌合した際に常時摺動部材のみで回転主軸と摺動するように、摺動部材内周面より突起部が外径側に位置するように摩耗代を設け、さらに台座側面の外周側に周方向に突出する周方向突起を設け、摺動部材が摩耗により内径に移動した場合には摩耗代分が摩耗してしまう前に、周方向突起が廻り止めに係合し、台座がそれ以上内径側に移動できないようにしたことである。このようにすれば、隣接パッキンとのギャップを設け楔状の廻り止めを設置することでパッキンの周方向に拘束し、隣接パッキンの挙動に影響を受けることがなく主軸の偏心や振れまわりなどの径方向に対する追従性を向上することできる。さらに、摺動部材が決められた摩耗代分摩耗すると台座に設けられた径方向のストッパーによりパッキンがそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0019】
本発明の第7の特徴は、パッキンの前記台座の高圧側に半径方向に2列の並行する溝を設け、この溝に係合するピンを相対するパッキン箱内面に設けたことである。このようにすれば、パッキンはピンにより周方向の動きを拘束され、径方向の動きに対してはピンがガイドとなって摺動面の摩耗により内径方向にパッキンが移動しても隣接パッキン間で形成される漏水ポートの面積が不変となり漏水量を一定に保つことができる。
【0020】
本発明の第8の特徴は、パッキンの前記台座の高圧側に半径方向に2列の並行する溝を設け、この溝に係合するピンを相対するパッキン箱内面に設け、このピンをその頭部がパッキン箱に植設される根部に対して偏心しているように形成したことである。このようにすれば、パッキン台座の2列の溝に製作誤差があっても、相対するピンの頭部の偏心方向を変えることでピン間の距離をパッキン台座の溝に合わせて調整することができる。また、隣接するパッキンとの間隙を調整することができる。
【0021】
本発明の第9の特徴は、摺動部材を台座の突起部に嵌合した際に常時摺動部材のみで回転主軸と摺動するように、摺動部材内周面より突起部が外径側に位置するように摩耗代を設け、さらに台座にこの台座の内径側端部から半径外方に所定の位置まで溝を形成し、この溝に契合するピンを相対するパッキン箱に設置し、摺動部材の摩耗代よりピンから台座の溝終端部までの距離が短くなるようにし、摺動部材が経年摩耗により内径に移動した場合には上記摩耗代分が摩耗してしまう前にピンが前記溝終端部達し、それ以上摺動部材が内径側に移動できないようになされたことである。このようにすれば、摺動部材が決められた摩耗代分摩耗するとパッキン箱に設けられた径方向のストッパーによりパッキンがそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0022】
本発明の第10の特徴は、パッキンを周方向に均等に配置し、摺動する最内周面での隣接するパッキンとの隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置し、台座にこの台座の内径側端部から半径外方に所定の位置まで溝を形成し、この溝に契合するピンを相対するパッキン箱に設置し、摺動部材が経年摩耗により内径に移動しても所定位置以上内径側に移動できないようになされたことである。このようにすれば、隣接パッキンとの間隙に設けられた楔状の廻り止めによりパッキンの周方向の動きを拘束し、パッキン箱に設けられたピンがパッキンの径方向の動きに対してのガイドとなり、さらに摺動部材が決められた摩耗代分摩耗するとピンがストッパーとなりパッキンがそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0023】
本発明の第11の特徴は、摺動部材を台座の突起部に嵌合させた際、摺動部材の高圧側の面が台座よりも僅かに軸方向に突出しているようにパッキンを構成したことである。このようにすれば、台座底面とパッキン箱の間に間隙が出来るために台座が下から高圧水により上向きの圧力を受けパッキン箱に押圧される。これによりパッキン上面からの漏水を無くすことができる。また、台座底面とパッキン箱の接触面積を減らし主に摺動部材でパッキン箱上を滑らせることで、摺動材の摩耗や回転主軸の径方向振動などに対するパッキンの径方向の追従性を高めることができる。
【0024】
本発明の第12の特徴は、パッキンの低圧側の面とパッキン箱の内面との間に緩衝材を挿入したことである。このようにすれば、パッキン箱の変形や振動による摺動部材への荷重や衝撃を低減できる。
本発明の第13の特徴は、上記水力機械の封水装置を備えた水力機械を提供することである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水力機械の封水装置およびその水力機械の実施の形態について、図1から図15を参照して説明する。
【0026】
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態である。この図において、パッキン6は、回転主軸1と上カバー4との間に設けられたパッキン箱5の内部に納められ、このパッキン箱5は軸方向に隣り合った複数段のパッキン室10を形成している。パッキン6は、図2及び図3に示すように摺動性の良いカーボン等の脆性材料で作られた摺動部材7と台座8とから構成され、凹型に形成された摺動部材7は台座8の凸型の突起部に嵌合されており、これらは周方向に複数個分割されてパッキン室10に組み込まれ、台座8の背面に設けられた半円形の溝に通常複数個のガータスプリング9があてがわれている。これらガータスプリング9は、円周状に接続され、そのばね力を利用してパッキン6を主軸スリーブ2の外周面に押し付けている。また、運転時にはパッキン背部の圧力によってパッキン6は主軸スリーブ2に押圧され接触摺動するようになっている。
【0027】
最下段とその上段との間のパッキン箱5には、圧力水供給管11が放射状に複数個設けられ、主軸スリーブ2とパッキン6との間の封水領域、特に摺動面7Aに給水路12を通して圧力水を供給する。この給水圧力は通常封水装置下部室13の圧力よりも高圧に維持されるため、圧力水の一部は封水装置下部室13へ流出し残りの圧力水は上方のパッキン箱5へ流れ最上段のパッキン箱5から外部へ流出する。これにより主軸スリーブ2とパッキン摺動面7Aとの間に高水圧の水膜が形成されることにより、封水装置下部室13から封水装置外部への河川水の流出防止や、揚水起動時及び調相運転時におけるランナ室内の圧縮空気の封水装置外部への漏出防止ならびに水膜切れによる摺動面7Aの焼き付きを効果的に防いでいる。
【0028】
尚、図6に示すように、各段のパッキン6は、周方向に均等に配置され摺動部材7と台座8はその両端面が回転軸の中心線に対して平行となっており、摺動する最内周面での隣接するパッキン6の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の隙間部に合う周方向の廻り止め16を配置している。この廻り止め16によりパッキン6は周方向の動きを拘束されるが、隣接するパッキン間の間隙を一定に保ちながら径方向に移動することができる。
【0029】
上記構成の本実施の形態に係る封水装置において、摺動部材7より剛性の高い台座8を使用した場合は、パッキン箱5の変形やパッキン箱5、主軸の振動によりパッキン全体にかかる力を台座8で受け持たせ、脆性材料で消耗品である摺動部材7を摺動特性上および嵌め合い形状上での必要最小限の寸法とすることができる。
【0030】
また、台座8に弾性特性に優れた材料を使用した場合は、上記のパッキン箱5の変形や振動による摺動部材7への荷重や衝撃を低減できる。
【0031】
また、摺動部材7の両端面を回転軸の中心線に対して平行とすることで、形状急変部を無くし応力集中を低減でき、隣接パッキン6との嵌合部を無くすことで摺動部材7の形状が簡素になり製作を容易にすることができる。さらに、隣接パッキン6とのギャップを設け楔状の廻り止め16を設置することでパッキン6の周方向に拘束し、隣接パッキン6の挙動に影響を受けることがなく主軸の偏心や振れまわりなどの径方向に対する追従性を向上することができる。摺動面7Aの摩耗により内径方向にパッキン6が移動しても隣接パッキン間で形成される漏水ポートの面積が不変となり漏水量を一定に保つことができる。
【0032】
また、上記パッキン6の摺動部材7を凹型に形成し台座8の突起部に嵌合させることで、摺動部材7の周方向の動きを固定でき、摺動部材7と台座8の接触面積が増加するので、摺動面7Aでの発熱を速やかに台座8に伝え摺動部材7の冷却効果を向上させることができる。さらに、上記パッキン6の台座8を摺動部材7よりも熱伝導率が大きい材料とした場合には、摺動面7Aの冷却効果をより向上させることができる。
【0033】
また、図4及び図5に示す第2の実施の形態によれば、上記パッキン6の凹型摺動部材7をパッキン中央に対し左右2ヶ所配置しこれに見合う台座8の突起部も2ヶ所設け嵌合すると共に、摺動部材間に微少隙間を設けている。これにより摺動部材7に周方向の曲げ荷重がかかった場合でも最大曲げ応力が発生する中央部が分離しているため応力が解放され、摺動部材7に発生する曲げ応力を低減することができる。
【0034】
また、摺動部材間に微少隙間を設けたことで、高圧水との接触面積が増し摺動部材7の冷却効果を向上させることができる。さらに、摺動面7Aの発熱による摺動部材7の膨張に対応できる。
【0035】
また、図7に示す第3の実施の形態によれば、上記摺動部材7を台座8の突起部に嵌合した際に、常時摺動部材7のみで回転主軸1と摺動するように摺動部材内周面より台座8の突起部が外径側になるように長さの差を設けこれを摩耗代とし、更に台座側面の外周側に周方向に突出する周方向突起部17を設け、この突起部の回転主軸1に向かった面からパッキン間の楔状廻り止め16までの距離は上記摩耗代より若干短くなるように設定されている。摺動部材7が摩耗により内径に移動した場合には上記摩耗代分が摩耗してしまう前に台座8に設けられた径方向の周方向突起部17が楔状廻り止め16に当たり、パッキン6がそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座8が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0036】
また、図8および図9に示す第4の実施の形態によれば、上記摺動部材7を台座8の突起部に嵌合した際に、常時摺動部材7のみで回転主軸1と摺動するように摺動部材内周面より突起部が外径側になるように長さの差を設けこれを摩耗代とし、更に台座8の底面に径方向のストッパー用として2列の並行する溝8Aとこの溝8Aに一致するピン18を相対するパッキン箱5に設置し、摺動部材7の摩耗代に対してピン18から台座8の溝終端部までの距離が短くなるようにし設置されている。これによりパッキン6はピン18により周方向の動きを拘束され、径方向の動きに対してはピン18がガイドとなって摺動面7Aの摩耗により内径方向にパッキン6が移動しても隣接パッキン間で形成される漏水ポートの面積が不変となり漏水量を一定に保つことができる。また、摺動部材7が経年摩耗により内径に移動した場合には上記摩耗代分が摩耗してしまう前にパッキン箱5に設置されたピン18が台座底面の溝端面に当たり、パッキン6がそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座8が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0037】
また、図10及び図11に示す第5の実施の形態によれば、上記パッキン箱5に設けられたピン18Aの頭部がパッキン箱に植設されるピン軸の根部に対して偏芯している。これにより、パッキン台座8の2列の溝8Aに製作誤差があっても、相対する偏芯ピン18Aの頭部の偏芯方向を変えることで偏芯ピン18A間の距離をパッキン台座8の溝8Aに合わせて調整することができる。また、隣接するパッキン6との間隙を調整することができる。
【0038】
また、図12に示す第6の実施の形態によれば、上記パッキン6を周方向に均等に配置し、摺動する最内周面での隣接するパッキン6の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の隙間部に周方向の廻り止め16を配置し、台座8の中央部に径方向のストッパー用の溝8Aと相対するパッキン箱5にこの溝8Aに対応するピン18を設けている。これにより隣接パッキン6との間隙に設けられた楔状の廻り止め16によりパッキン6の周方向の動きを拘束し、パッキン箱5に設けられたピン18がパッキン6の径方向の動きに対してのガイドとなり、さらに摺動部材7が決められた摩耗代分摩耗するとピン18がストッパーとなりパッキン6がそれ以上内径側に移動するのを妨げ、台座8が主軸と接触することを防ぐことができる。
【0039】
また、図13および図14に示す第7の実施の形態によれば、上記パッキン6の摺動部材7を台座の突起部に嵌合させた際、ランナ側の摺動部材7の高さが台座よりも僅かに高くなるようにパッキン6が構成されており、パッキン6をパッキン箱5内に設置した際に台座底面とパッキン箱5との間に間隙Tができる。これにより上記間隙T内に侵入した高圧水により台座が上向きの圧力を受けパッキン箱5に押圧される。これによりパッキン上面からの漏水を無くすことができる。また、台座底面とパッキン箱5の接触面積を減らし主に摺動部材7でパッキン箱5上を滑らせることで、摺動材の摩耗や回転主軸1の径方向振動などに対するパッキン6の径方向の追従性を高めることができる。
【0040】
また、図15に示す第8の実施の形態によれば、上記パッキン6のランナと反対の側の面と相対するパッキン箱5との間にゴム等でできた緩衝材19を挿入されている。これによりパッキン箱5の変形や振動による摺動部材7への荷重や衝撃を低減できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パッキンを摺動部材と台座の嵌合構造とし、摺動部材形状を摺動特性上および嵌合構造上必要最小限の寸法とし形状を簡素化することで、摺動部材に発生する応力を低減することができる。また、パッキンに対して周方向の廻り止めにより漏水特性を一定に保ち、径方向ストッパーにより摩耗代以上に摺動部材が摩耗するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水力機械の封水装置およびその水力機械の第1の実施の形態を示す縦断面図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態におけるパッキンを示す斜視図
【図3】 本発明の第1の実施の形態におけるパッキンの摺動部材と台座との組立を示す斜視図。
【図4】 本発明の水力機械の封水装置の第2の実施の形態におけるパッキンを示す斜視図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態におけるパッキンの摺動部材と台座との組立を示す斜視図。
【図6】 本発明の第1の実施の形態におけるパッキンを示す平面配置図。
【図7】 本発明の第3の実施の形態におけるパッキンを示す平面配置図。
【図8】 本発明の第4の実施の形態におけるパッキンを示す平面配置図。
【図9】 図8中IX−IX線に沿う断面図。
【図10】 本発明の第5の実施の形態におけるピンを示す平面図。
【図11】 図10中XI−XI線に沿う断面図。
【図12】 本発明の第6の実施の形態におけるパッキンを示す平面配置図。
【図13】 本発明の第7の実施の形態における台座を示す斜視図。
【図14】 本発明の第7の実施の形態におけるパッキン等を示す断面図。
【図15】 本発明の第8の実施の形態におけるパッキン等を示す断面図。
【図16】 従来の例を示す封水装置および周辺部品の縦断面図。
【図17】 従来の例を示すパッキンの斜視配置図。
【図18】 従来の例を示すパッキンの斜視図。
【符号の説明】
1 回転主軸
5 パッキン箱
6 パッキン
7 摺動部材
7A 摺動面
8 台座
8A 溝
9 ガータスプリング
10 パッキン室
16 廻り止め
17 周方向突起部
18 ピン
18A 偏芯ピン
19 緩衝材
Claims (13)
- 回転主軸の外周に、この回転主軸に向かって開口するパッキン箱が設けられ、このパッキン箱内に、押圧手段によって回転主軸に向かって押圧されるとともに回転主軸と摺動し封水を行う複数のパッキンを配設した水力機械の封水装置において、
前記パッキンは、台座と、この台座に嵌合された摺動部材とを有し、この摺動部材の周方向の両端面が回転主軸の中心線に対して平行になされているとともに、前記回転主軸の軸方向に対して窪み部を有する凹型に形成されていることを特徴とする水力機械の封水装置。 - 前記パッキンの前記台座は、前記摺動部材よりも熱伝導率が大きいことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記台座の一部に突起を設け、この突起に前記摺動部材の凹型の窪み部を嵌合させてパッキンを構成することを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記凹型に形成された摺動部材を周方向に2つ配置し、これに対応する1つの台座に突起部を周方向に2ヶ所設け、これら2カ所の突起部に前記2つの摺動部材を嵌合するとともに、前記2つの摺動部材間に微少隙間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンを周方向に均等に配置し、前記回転主軸と摺動する最内周面での隣接するパッキンとの間の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間にできる楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置したことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンを周方向に均等に配置し、前記回転主軸と摺動する最内周面での隣接するパッキンとの間の隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置し、前記摺動部材を前記台座の突起部に嵌合した際に常時摺動部材のみで回転主軸と摺動するように、摺動部材内周面より突起部が外径側に位置するように摩耗代を設け、さらに前記台座側面の外周側に周方向に突出する周方向突起を設け、前記摺動部材が摩耗により内径に移動した場合には前記摩耗代分が摩耗してしまう前に、前記周方向突起が前記廻り止めに係合し、前記台座がそれ以上内径側に移動できないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンの前記台座の高圧側に半径方向に2列の並行する溝を設け、この溝に係合するピンを相対するパッキン箱内面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンの前記台座の高圧側に半径方向に2列の並行する溝を設け、この溝に係合するピンを相対するパッキン箱内面に設け、このピンをその頭部が前記パッキン箱に植設される根部に対して偏心しているように形成したことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記摺動部材を前記台座の突起部に嵌合した際に常時摺動部材のみで回転主軸と摺動するように、前記摺動部材内周面より突起部が外径側に位置するように摩耗代を設け、さらに前記台座にこの台座の内径側端部から半径外方に所定の位置まで溝を形成し、この溝に契合するピンを相対するパッキン箱に設置し、前記摺動部材の摩耗代より前記ピンから前記台座の溝終端部までの距離が短くなるようにし、前記摺動部材が経年摩耗により内径に移動した場合には上記摩耗代分が摩耗してしまう前に前記ピンが前記溝終端部達し、それ以上前記摺動部材が内径側に移動できないようになされたことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンを周方向に均等に配置し、摺動する最内周面での隣接するパッキンとの隙間を僅かに設けると共に、パッキン間に出来る楔状の空間にパッキンの周方向移動を阻止する廻り止めを配置し、前記台座にこの台座の内径側端部から半径外方に所定の位置まで溝を形成し、この溝に契合するピンを相対するパッキン箱に設置し、前記摺動部材が経年摩耗により内径に移動しても所定位置以上内径側に移動できないようになされたことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記摺動部材を前記台座の突起部に嵌合させた際、前記摺動部材の高圧側の面が前記台座よりも僅かに軸方向に突出しているようにパッキンを構成したことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 前記パッキンの低圧側の面とパッキン箱の内面との間に緩衝材を挿入したことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の封水装置。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の水力機械の封水装置を備えた水力機械。
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