JP4027522B2 - 双眼観察用モニタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の観察対象物について得られた二つの映像をディスプレイの左右に並べて表示するとともに、このディスプレイ上に表示された映像を左右の眼用に夫々用意された接眼光学系を介して観察可能にする双眼観察用モニタに、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来におけるこの種の双眼観察用モニタは、一般に、例えば特許掲載公報第2607828号の第3図に開示されているように、ディスプレイを内蔵したモニタ部と左右の接眼光学系及び輻輳角補正用楔プリズムを格納した接眼部とを箱めがね型の接続部を介して接続した構成を、有している。この接続部内には、ディスプレイにおける左右の映像の境界線と接眼部における左右の光学系(楔プリズム及び接眼光学系)の境との間で左右の光路を区切る隔壁が、固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接眼部における左右の接眼光学系の光軸同士の間隔は、各接眼光学系の射出瞳の位置を観察者の眼の位置に合わせる必要から、観察者としての人間(大人)の平均的眼幅に合わせて設定される。その一方、観察をより容易にするためには、各接眼光学系の径を大きくすることによって、各接眼光学系の射出瞳の径を大きくしてアイポイントを長くする必要がある。
【0004】
しかしながら、両接眼光学系の光軸同士の間隔を一定に定めてしまうと、各接眼光学系の径は、光軸同士の間隔の半分までしか大きくすることができない。そのため、接眼光学系を介して観察される映像がケラれてしまう問題や、映像の拡大倍率が低下してしまって画像が暗くなるという問題が、生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、両接眼光学系の光軸同士の間隔を一定に定めた場合であっても各接眼光学系の径がそれによって制限されない双眼観察用モニタの提供を、課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、本発明の双眼観察用モニタは、以下の構成を採用した。即ち、請求項1記載の発明は、同一の観察対象物について得られた二つの映像を左右に並べて表示するディスプレイと、このディスプレイに夫々表示された各映像を個別に観察させるための左右の接眼光学系と、前記ディスプレイに表示された各映像の境界線と前記左右の接眼光学系の境との間で光線を遮る隔壁とを有する双眼観察用モニタであって、前記左右の接眼光学系は、夫々、円筒状のコバの一部を光軸と平行に切り欠いた形状の切欠状面を有しており、この切欠状面同士を互いに対向させた状態で配置されていることで、特定したものである。
【0007】
このように構成されると、夫々の切欠状面同士を対向させた状態で左右の接眼光学系同士が配置されるので、各接眼光学系の半径を2倍した距離よりも、両接眼光学系の光軸同士の間隔を狭くすることが可能になる。その結果、各接眼光学系の光軸同士の間隔を一定に定めた場合であっても、それに制限されずに、各接眼光学系の径を大きくすることができる。従って、各接眼光学系の射出瞳の径を大きくしてアイポイントを長く確保することが、可能となる。
【0008】
ディスプレイは、LCDパネルでも良いし、CRTであっても良い。また、このディスプレイに表示される映像は、実際の物体を撮像して得られたものであっても良いし、コンピュータグラフィックやアニメーション技術によって作成されたものであっても良い。また、一定の基線長を隔てて設定された二つの視点から夫々観察対象物を撮像(又は描画)して得られた画像としても良い。このような映像とした場合には、この双眼観察用モニタを用いて立体観察を行うことが可能となる。
【0009】
また、請求項2記載の双眼観察用モニタは、請求項1において、各接眼光学系を夫々保持するとともに保持している前記接眼光学系の切欠状面と同一な面にて切り欠かれて開口した形状の鏡筒を更に有することで、特定したものである。
【0010】
また、請求項3記載の双眼観察用モニタは、請求項2の鏡筒に、前記開口を閉じる補強板が固定されていることで、特定したものである。このように構成されると、補強板によって鏡筒の強度が保たれ、その径の変化が防止される。
【0011】
また、請求項4記載の双眼観察用モニタは、請求項2の接眼光学系が複数のレンズによって構成されており、前記鏡筒によって保持されている各レンズ同士の間に介在するとともにこれら各レンズの切欠状面と平行な面にて切り欠かれて開口した形状の間隔環を更に有することで、特定したものである。
【0012】
また、請求項5記載の双眼観察用モニタは、請求項4の間隔環に、前記開口を閉じる補強板が固定されていることで、特定したものである。このように構成されると、補強板によって間隔環の強度が保たれ、その径の変化が防止される。
【0013】
また、請求項6記載の双眼観察用モニタは、請求項2において、前記鏡筒に挿入された前記接眼光学系の端面に接することによってこの接眼光学系を前記鏡筒に固定するとともに、この接眼光学系の切欠状面と同一な面にて切り欠かれている固定リングを更に有することで、特定したものである。
また、請求項7記載の双眼観察用モニタは、請求項6の固定リングに、前記切り欠きによって開いた開口を閉じる補強板が固定されていることで、特定したものである。このように構成されると、補強板によって固定リングの強度が保たれ、その径の変化が防止される。
【0014】
また、請求項8記載の双眼観察用モニタは、請求項3の左右の接眼光学系が、前記補強板同士を接触させた状態で配置されていることで、特定したものである。このように構成されると、左右の接眼光学系の光軸同士の間隔を正確に出すことができるので、接眼光学系の性能が向上する。また、両接眼光学系同士の相対位位置を安定させて固定することが可能になる。
【0015】
また、請求項9記載の双眼観察用モニタは、請求項8の補強板が、一方の接眼光学系から他方の接眼光学系への光の入射を遮光することで、特定したものである。このように構成されると、各接眼光学系をその切欠状面同士を近接させた状態で配置した場合においても、一方の接眼光学系の切欠状面から漏れた光が他方の接眼光学系へ迷光として入射してしまうことが、防止される。
【0016】
また、請求項10記載の双眼観察用モニタは、請求項9のディスプレイと前記各接眼光学系との間に、前記ディスプレイから射出された光を観察者の眼幅に合う方向へ屈折させて夫々の接眼光学系に入射させる一対の楔プリズムが配置されているとともに、前記補強板がこれら一対のプリズム同士の間まで延びていることで、特定したものである。このように構成されると、観察者の眼の輻輳角が有限距離に存在する物体を観察する際における自然な角度になるので、疲労すること無く観察を行うことができる。また、各楔プリズムから各接眼光学系に至る空間を介して、一方の楔プリズムから他方の接眼光学系へ光が入射することが、防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
【実施形態1】
以下に説明する本第1実施形態による双眼観察用モニタは、例えば双眼顕微鏡システムの観察部として組み込まれるものである。この双眼顕微鏡システムは、微小な被検物を立体的に拡大して観察させるための装置であり、双眼観察用モニタの他、撮像部を有している。この撮像部は、所定の基線長を隔てて並べて配置された一対の顕微鏡光学系と、これら各顕微鏡光学系によって夫々形成された被検物の拡大像を互いに隣接する位置に導くリレー光学系と、このリレー光学系によって並べられた左右の拡大像を同一の撮像面にて撮像するビデオカメラとから、構成されており、ビデオカメラから出力した画像データを、双眼観察用モニタに入力する。
(双眼観察用モニタの概略光学構成)
図14は、この双眼観察用モニタ1を示す概略光学構成図である。この図14に示されるように、この双眼観察用モニタ1は、画像データに従って映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)パネル2と、このLCDパネル2上に表示された左右の映像の境界線にその一辺を近接させてこのLCDパネル2に対して垂直に固定された隔壁3と、この隔壁3の両側においてその楔の頂角を互いの方に向けて固定された一対の楔プリズム4と、隔壁3の両側において夫々楔プリズム4を挟んでLCDパネル2に対向して配置された一対の接眼光学系5とを、主要な光学構成部品として有している。なお、以下においては、LCDパネル2が位置する側(図14における左側)を前方といい、接眼光学系5が位置する側(図14における右側)を後方という。
【0019】
上述したLCDパネル2は、縦横比が略1:2の表示画面を有しており、その表示画面は、便宜上、右側映像(撮像部における右側の顕微鏡光学系によって形成された像)を表示している領域(以下、「右側像表示領域2a」という)と、左側映像(撮像部における左側の顕微鏡光学系によって形成された像)を表示している領域(以下、「左側像表示領域2b」という)とに、区分けされる。但し、撮像部内における各部の機械誤差や、双眼観察用モニタ1内における図示せぬ表示回路における同期タイミングのズレ等に因り、LCDパネル2に表示された左右の映像の境界線は、水平方向(走査線の方向)にずれ得る。従って、上記右側像表示領域2a及び左側像表示領域2bは、固定的なものではなく、映像の状態に応じて不可避的に変動するものとなっている。
【0020】
また、上述した隔壁3は、LCDパネル2の右側像表示領域2aから射出された光の光路と左側像表示領域2bから射出された光の光路とを区分けして、双方の光が互いに混合してしまうことを防ぐ。
【0021】
各接眼光学系5は、LCDパネル2の各表示領域2a,2bに表示された映像の虚像を、夫々、LCDパネル2の更に前方における有限距離(例えば1m)の位置に、拡大して形成する。これら接眼光学系5の光軸同士の間隔は、大人の標準的な眼幅に合わせて設定されている。一方、射出瞳の径を大きくしてアイポイントを長くとることによって観察をし易くするために、各接眼光学系5の外径は、可能な限り大きくしなければならない。従って、各接眼光学系5を構成する各レンズの円筒状のコバは、図10に示されるように、隔壁3に近接した部分において光軸と平行に平面状に切り欠かれた形状となっており、この平面状の切欠面(切欠状面)Pが、夫々隔壁3に接するように配置されているのである。その結果、各接眼光学系5の光軸同士の間隔を一定に保ちつつその外径を大きく確保することが、可能になっているのである。なお、図10(a)は、接眼光学系5を構成するレンズ5aの正面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるX−X線に沿った縦断面図である。
【0022】
これら各接眼光学系5とLCDパネル2との間に夫々配置されている楔プリズム4の形状を、図9に示す。図9(a)は、この楔プリズム4におけるLCDパネル2側の面(以下、「第1面4a」という)を示し、同図(c)は、楔プリズム4における接眼光学系5側の面(以下、「第2面4b」という)を示し、同図(b)は、同図(a)及び(c)におけるIX−IX線に沿った横断面を示す。これら各図に示されるように、楔プリズム4は、略正方形の正面形状を有している。そして、その第1面4aは、LCDパネル2の表示面と平行な平面であり、その第2面4bは、第1面4aに対して斜めに傾斜した斜面となっている。但し、第2面4bにおける隔壁3から離反した側の外縁近傍は、所定幅に亘って、第1面4aと平行な固定面4cとなっている。各楔プリズム4は、その第1面4aと第2面4bとが接近する側の側面4dを隔壁3に近接させて、固定されている。従って、図14に示すように、例えばLCDパネル2の各表示領域2a,2bの中央を観察する場合の光束Dは、一旦隔壁3の方に向かった後に、各楔プリズム4により屈折されて隔壁3から離れる方向に向かい、接眼光学系5を透過して観察者の眼Iに入射する光路を辿る。このような構成を採用したのは、以下の理由による。
【0023】
いま、楔プリズム4及び接眼光学系5がない状態で、直接、有限距離に配置されたLCDパネル2を両眼で観察しようとした場合、図16に示すように、左右の視線がLCDパネル表示面で交わるように内側を向いてしまうのが普通である。つまり、左右の視線は観察しようとしている物体上で交差するように調節され、同時に水晶体が変形することによって、その物体の像が網膜上に結像するようにピント調節が行われるのである。
【0024】
しかし、LCDパネル2の異なる表示領域2a,2bを左右の眼で夫々観察しようとすると、例えば、各表示領域の中心間の距離と眼幅とがほぼ同じ場合には、図15に示すように、左右の視線をほぼ平行にしなくてはならない。即ち、視線は、無限遠の物体を観察している状態にしながら、有限距離に配置されたLCDパネル2の表示面の像が網膜上に結像するように水晶体を変形し、ピント調整することは、特別な訓練が必要であり、また、たとえ訓練によってそれを体得したとしても、その状態を長時間続けると精神的、肉体的に大変な苦痛を伴う場合がある。また、そのような不自然な状態では、物体に対して安定した距離感をつかみにくいといった問題点もある。
【0025】
そこで、上述したように楔プリズム4及び接眼光学系5を介在させることにより、図14の点線に示す如く有限距離位置に視点をおく場合と等価な輻輳角が得られるようにして、安定した距離感で楽にLCDパネル2の各表示領域2a,2bを夫々観察できるようにしているのである。なお、水晶体の変形量が常に一定であるのに対して、輻輳角は注目される像に依って異なる(これにより立体感が得られる)ので、輻輳角に基づいて認識される距離と水晶体の変形量に基づいて認識される距離とは常に一致するわけではないが、多少のズレであれば、観察者の距離感を狂わすことはない。
(立体観察装置の詳細な機械構成)
次に、上述した概略構成を有する光学系を組み込んだ双眼観察用モニタ1の詳細な機械構成を、図1乃至図13に基づいて説明する。図1は、この双眼観察用モニタ1を接眼光学系3側から見た状態を示す正面図であり、図2は、図1における矢印II方向から見た状態を示す平面図であり、図3は、図1における矢印III方向から見た状態を示す側面図である。また、図4は、図1及び図3(並びに、図5乃至図8)における二点鎖線IV−IVに沿った横断面図であり、図5は、図1,図2、及び図4(並びに、図6乃至図8)に示す一点鎖線V−Vに沿った縦断面図である。さらに、図6,図7,図8は、夫々、図4に示すVI−VI線,VII−VII線,VIII−VIII線に沿った縦断面図である。
【0026】
図4に示されるように、双眼観察用モニタ1の内部は、LCDパネル2を内蔵したモニタ部A,一対の楔プリズム4,4及び接眼光学系5,5を内蔵した接眼部C,及び、これらモニタ部A及び接眼部Cを連結する接続部Bに、区分することができる。また、双眼観察用モニタ1は、その前後方向(図2及び図4の左右方向)に沿った中心線(即ち、隔壁3)を介して、左右対称な形状を有している。従って、以下において、左右対称な箇所に関する説明は、特に断りが無い限り、接眼光学系5を覗く観察者から見て左側の構成について、行うものとする。また、1乃至図3に示すように、双眼観察用モニタ1の外観形状は、略正方形状の平面と四隅にアールを付けた長方形状の正面とを有する扁平な箱形となっている。この箱型の外観形状を形作る部材は、接眼部Cの最外筒をなす接眼部本体6,接続部B及びモニタ部Aの底面と両側壁面の下側略3/4とをなす筐体部材としての板状の下側接続板7,接続部B及びモニタ部Aの上面と両側壁面の上側1/4をなす蓋部材としての板状の上側接続板8,並びに、下側接続接続板7及び上側接続板8の前端を閉じることによってモニタ部Aの裏面をなす板状の背板9である。
【0027】
次に、接眼部Cの構造を説明する。上述した接眼部本体6は、金属ブロックを削り出すことによって形成されている。その正面及び外周面は、上述したように双眼観察用モニタ1の外観をなすが、この外周面における前端縁(図4及び図5における左側)における一定幅の領域は、上述した下側接続板7及び上側接続板8の取付代6aとして、これら下側接続板7及び上側接続板8の厚さ分だけ平行に掘り下げられている。
【0028】
また、この接眼部本体6の前端面(図4及び図5における左側端面)からは、両楔プリズム4,4を収容するためのプリズム収容空間6bが、穿たれている。一方、接眼部本体6の正面からは、各接眼光学系5を直接保持する左右のレンズ枠13,13を収容するためのレンズ収容空間6cが、穿たれている。そして、これらプリズム収容空間6b及びレンズ収容空間6cは、互いに連通している。
【0029】
これらのうち、プリズム収容空間6bは、上述したように略正方形の正面形状を有する両楔プリズム4,4を並べて収容するため、図7に示すような縦断面矩形の内面形状を、有している。但し、このプリズム収容空間6bの上下方向における幅は、各楔プリズム4,4の高さよりも若干大きくなっている。これによって、楔プリズム4の上面とプリズム収容空間6bの天井面との間に形成された隙間には、この楔プリズム4の前後幅と略同幅の矩形板であるプリズム押え板10が、挿し込まれている。そして、プリズム収容空間6bの天井面と取付代6aとの間には、固定ビス11用のネジ穴6dが、計4箇所において貫通している。従って、各プリズム押え板10は、夫々、これら各ネジ穴6dにねじ込まれた2本の固定ビス11の先端によって、楔プリズム4に押し付けられ、これによって、各楔プリズム4は、プリズム収容空間6bの底面に当て付けられて、固定されている。
【0030】
また、プリズム収容空間6bの前後方向における深さは、各楔プリズム4の最大前後幅よりも若干小さくなっており、その最深端には、左右の壁面からこのプリズム収容空間6bを狭めるフランジ6e,6eが、一体に設けられている。これら各フランジ6e,6eの内縁は、レンズ収容空間6cの壁面と平行になっており、その幅は、楔プリズム4における固定面4cの幅と一致している。そして、各フランジ6eには、プリズム収容空間6bに収容された楔プリズム4の固定面4cが当て付けられる。そして、接眼部本体6における内端面には、各フランジ6e,6eとの間で楔プリズム4を挟み込む長板状の2枚のプリズム押え部材12,12が、夫々プリズム収容空間6bを跨いでネジ止め固定されている。これら各プリズム押え部材12,12によって、各楔プリズム4は、各フランジ6e,6eに当て付けられて、固定されている。
【0031】
なお、プリズム収容空間6bの左右方向における幅は、楔プリズム4,4の幅を2倍した値よりも若干大きくなっている。そして、各楔プリズム4,4は、左右方向においてプリズム収容空間6bの内面に当て付けられて固定されている。なお、このとき、両楔プリズム4,4の間には、隔壁3の厚さよりも僅かに広い隙間が空く。この隙間を通った光が迷光として各接眼光学系5,5に入射することを防止するために、この隙間よりも若干広い幅を有する第3隔壁3cが、これら両楔プリズム4,4同士の間に重ねられるとともにプリズム収容空間6bに掛け渡されて、ネジ止め固定されている。また、各楔プリズム4の側面4dには、光の透過及び反射を防ぐために、ツヤ消しの黒色塗装が施されている。
【0032】
一方、レンズ収容空間6cは、上述したようにコバの一部が平面状に切り欠かれた3枚のレンズ5a〜5cからなる左右の接眼光学系5,5を、隔壁3を挟んでその切欠面P,P同士を対向させた状態で収容するため、図1及び図8に示すように、2つの同曲率の円筒面をその軸同士を平行に並べて重ねた内面形状を、有している。このレンズ収容空間6cに収容される各レンズ枠13に組まれた接眼ユニットLの構造を、図13に示す。図13(a)は、この接眼ユニットLを、楔プリズム4側から見た端面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるXIII−XIII線に沿った縦断面図である。これら各図に示されるように、接眼ユニットLに含まれる接眼光学系5は、LCDパネル2側から順に、両凸レンズである第1レンズ5a,この第1レンズ5aに貼り合わされた負メニカスレンズである第2レンズ5b,凸面をLCDパネル2側に向けた若干小径な平凸レンズである第3レンズ5cから、構成されている。これら各レンズ5a〜5cには、その光軸と平行な同一面内に、夫々、ツヤ消し黒色塗装が施された上述の切欠面Pを、有している。
【0033】
上述したレンズ枠13は、第1レンズ5a及び第2レンズ5bのコバをその内周面にて直接保持するとともに、間隔環14を介して第3レンズ5cを保持する。具体的には、このレンズ枠13は、レンズ収容空間6cの曲率半径と同じ外径と、第1レンズ5a及び第2レンズ5bの外径と同じ内径とを有している。また、このレンズ枠13の後端(図4,5及び図13(b)の右側端)における外縁と内縁には、夫々、外縁フランジ13a,内縁フランジ13bが設けられている。なお、内縁フランジ13bの内径は、間隔環14の内径よりも十分小径であり、その張り出し量は、外縁フランジ13aの張り出し量よりも十分に大きい。一方、間隔環14は、レンズ枠13の約半分の軸方向長さと、レンズ枠13の内径と同じ外径と、第3レンズ5cの外径と同じ内径とを、有する。また、間隔環14の内周面には、環状の内方フランジ14aが突出形成されている。このような形状に形成された間隔環14は、その後端がレンズ枠13の内縁フランジ13bに接するように、レンズ枠13内に挿入されている。これによってレンズ枠13の内縁フランジ13bと間隔環14の内方フランジ14aとの間に形成された隙間に、第3レンズ5cが固定されている。また、レンズ枠13と間隔環14との前端(図4,5及び図13(b)の左側端)同士のズレ量は、第1レンズ5a及び第2レンズ5bのコバ幅の和と同じである。このレンズ枠13の前端には、レンズ13枠の内径(内縁フランジ13b以外における内径)よりも若干小径な内径を有する環状のレンズ押えリング15が、ネジ止め固定されている。これによって間隔環14の前端とレンズ押えリング15との間に形成された隙間に、第1レンズ5a及び第2レンズ5bが固定されている。
【0034】
なお、図12及び図13に示すように、上述したレンズ枠13及びレンズ押えリング15は、それらによって保持されている第1レンズ5a乃至第3レンズ5bの切欠面Pと同一平面にて、切り欠かれた形状となっている。同様に、間隔環14は、レンズ枠13及びレンズ押えリング15の切欠面から光軸寄りに平行にシフトした切欠面にて、切り欠かれた形状となっている。従って、これらレンズ枠13,間隔環14及びレンズ押えリング15を正面から見ると、図11(a),図12(a),図13(a)に示すように略C字状となっている。そして、各部材13,14,15において、この切り欠きによって生じた略C字状の開口端同士の間には、夫々、ツヤ消し黒色塗装が施された長板状の補強板16,17,3aが固定されており、これにより、各部材13,14,15の変形(径の変化)が防止されている。具体的には、間隔環14の開口端同士の間には、図11(a),(b),図13(b)に示すように、切欠面に密着して、補強板16がネジ止め固定されている。また、固定環15の開口端同士の間には、光軸に直交する前端面に密着して、補強板17がネジ止め固定されている。また、レンズ枠13の開口端同士の間には、切欠面に密着して、補強板3aがネジ止め固定されている。この補強板3aは、上述した隔壁3の機能を兼ねるものである。従って、以下においては、この補強板3aを「第1隔壁3a」と称するものとする。
【0035】
この第1隔壁3aは、図8に示すように、レンズ収容空間6cにおける二つの円柱面の境をなすくびれの間隔と略同じ幅を有しており、このくびれ部の間に配置されている。また、この第1隔壁3aの前端縁は、図4及び図5に示すように、プリズム収容部6b内にまで延びており、僅かの隙間を介して第3隔壁3cに近接している。このような構成を可能にするため、プリズム収容部6bは、第1隔壁3bの上下方向幅及びレンズ収容空間6cのくびれ部における間隔よりも、僅かに広い幅を有している。そして、この第1隔壁3aにより、楔プリズム4から第3レンズ5cに至る左右の光路が、他方の光路から遮光されている。
【0036】
上述したレンズ収容空間6cの開口端の内縁には、レンズ枠13の外縁フランジ13aがはまり込む段差が形成されている。また、接眼部本体6における4隅と、レンズ収容空間6cの曲率中心を中心した4隅と対象な位置には、夫々、外面からレンズ収容空間6cの曲率中心に向いた雌ねじ孔6fが、貫通して形成されている。上記したように構成された左右の接眼ユニットL,Lは、互いの第1隔壁3a同士を密着させ且つレンズ枠13の外縁フランジ13aをレンズ収容空間6cの開口端の段差に填めた状態でレンズ収容空間6cに挿入され、各雌ねじ孔6fにねじ込まれた固定ネジ18によってネジ止め固定されている。なお、接眼部本体6における上面の中央には、検査室に設置された図示せぬフリーアームの先端Fに固定されるマウント部材29が、ネジ止め固定されている。
【0037】
次に、モニタ部A及び接続部Bの説明を、まとめて行う。上述した下側接続板7は、その後端(図2,図3及び図5の右側端)を接眼部本体6の取付代6aにはめ合わせた状態で、取付代6aの下面における2箇所,各側面における1箇所に夫々形成されている雌ねじ孔に向けてねじ込まれた固定ネジ19により、ネジ止め固定されている。更に、接眼部本体6の前端面におけるプリズム収容空間6bと下面との間に固定された二つのアングル部材24により、接眼部本体6と下側接続板7との間が強固に固定されている。この下側接続板7におけるモニタ部Aに相当する部分は、信号ケーブルCを介して入力された画像信号に基づいてLCDパネルを駆動して映像を表示させるための図示せぬ表示回路を収容するために、下方へ箱状に突出し、下側接続板7の下面に対して垂直な段差壁7aを、形成している。この段差壁7aの外面には、図1及び図8に示すように、図示せぬ表示回路を操作するための複数のスイッチSが設けられている。また、この下側接続板7の両側壁における接続部Bに相当する部分の内面には、接続部Bの全長と略同じ長さを有する長板状の連結板20,20が、下側接続板7の上縁(上側接続板8と接する縁)から一定量だけ突出した状態で、溶接固定されている。なお、各連結板20,20の下縁は、歪み防止のためのリブとして、90度折り曲げられている。
【0038】
また、上述した上側接続板8は、その後端(図2,図3及び図5の右側端)を接眼部本体6の取付代6aにはめ合わせた状態で、接眼部本体6の上面2箇所に夫々設けられた貫通孔に貫通された固定ネジ21により、ネジ止め固定されている。このように固定された状態においては、上側接続板8の両側壁は各連結板20と重なり、その下縁は下側接続板7の両側壁の上縁と接している。このように重なっている上側接続板8の各側壁と各連結板20との間には固定ネジ22がねじ込まれており、これにより、下側接続板7と上側接続板8とが連結されている。
【0039】
以上のようにして接続部本体6に固定された下側接続板7と上側接続板8との間には、モニタ部Aと接続部Bとを区切る枠部材としてのパネル枠23が、下側接続板7における段差壁7aの内面に密着して固定されている。このパネル枠23の両側縁は、図4に示されるように、モニタ部A側へ直角に折り曲げられている。そして、この折り曲げられた部分が、下側接続板7及び上側接続板8に密着(下側接続板7には固定)されている。このパネル枠23における接続部Bに面した部分の中央には、図6に示すように、縦横比略1:2の矩形の窓23aが開けられている。そして、この窓23aにその表示画面を露出させた状態で、LCDパネル2が、パネル枠23のモニタ部A側の面に固定されている。
【0040】
以上説明した接眼部本体6,下側接続板7,上側接続板8,並びにパネル枠23及びLCDパネル2によって囲まれた空間(接続部B)は、左右の第1隔壁3a,3a及び第3隔壁3cとともに隔壁3を構成する板状の第2隔壁3bによって、左右の光路に区切られている。この第2隔壁3bの上下縁は、夫々、直線状であり、下側接続板7及び上側接続板8に接している。また、第2隔壁3bの前端縁(図4及び図5における左側縁)は、パネル枠23の窓23aとLCDパネル2とがなす断面凹形状に沿って矩形に突出しており、この突出部分がパネル枠23の窓23aに填り込んでいる。但し、この突出部の突出量はパネル枠23の厚さよりも小さいので、第2隔壁3bの前端縁は、パネル枠23の表面にのみ当接し、LCDパネル2の表面からは僅かに離間している。一方、第2隔壁3bの後端縁は、直線状であり、第3隔壁3cとの間にパネル枠23の厚さ分の隙間を開けている。
【0041】
このような形状を有する第2隔壁3bにおける上下縁近傍には、夫々、L字状の断面を有する二つのステー25,25がネジ止め固定されている。各ステー25における屈曲された先の端部は、第2隔壁3bの上下縁と平行に配置されているので、下側接続板7及び上側接続板8の内面に夫々接している。また、下側接続板7及び上側接続板8における各ステー25の端部と接している箇所には、夫々、その長軸をLCDパネル2と平行な方向に向けて、長孔7b,8bが穿たれている。これら長孔7b,8bには、夫々、各接続板7,8の外側から、固定ビス26が貫通されている。そして、各固定ビス26の先端が各ステー25の端部にねじ込まれることによって、第2隔壁3が下側接続板7及び上側接続板8に対して固定されているのである。なお、第2隔壁3bは、各長孔7b,8bのストロークの範囲で、LCDパネル2と平行な方向に平行移動可能であるとともに、下側接続板8の内面上で若干量回動可能である。
【0042】
一方、下側接続板7及び上側接続板8の前端には、上述した背板9が隙間無く填め込まれている。この背板9は、固定ネジ28によってその4隅にネジ止め固定された断面L字状のステー27を介して、下側接続板7及び上側接続板8に対して固定されている。これら下側接続板7,上側接続板8,パネル枠23及びLCDパネル2,並びに、背板9によって囲まれた空間(モニタ部A)には、上述した表示回路の他、LCDパネル2の背後から透過光を照射する図示せぬバックライトが、内蔵されている。
(双眼観察用モニタの組立手順)
次に、上述した構成の双眼観察用モニタ1の組立手順を、以下に説明する。
【0043】
最初に、作業者は、左右の各接眼ユニットL,Lを組立を行う。即ち、作業者は、夫々金属ブロックから削り出したレンズ枠13,間隔環14及びレンズ固定リング15に、夫々切欠面を形成する。そして、その切欠によって形成された開口端に、夫々補強板3a,16,17をネジ止め固定する。そして、第3レンズ5cを間隔環14に填め込んだ後に、前端側開口からレンズ枠13内に挿入し、この間隔環14の前端に接するように、第1レンズ5a及び第2レンズ5bからなる接合レンズを、レンズ枠13内に挿入する。最後に、第1レンズ5aをレンズ固定リング15にて固定することによって、接眼ユニットLを完成させる。
【0044】
次に、作業者は、金属ブロックから削り出した接眼部本体6の接眼レンズ収容空間6c内に、夫々の第1隔壁3a,3a同士を密着させた状態で、左右の接眼ユニットL,Lを挿入する。そして、レンズ枠13の外縁フランジを接眼レンズ収容空間6cの開口端に形成された段部に填め込むことによって各接眼ユニットL,Lの位置決めを行った状態で、各雌ネジ穴6fにねじ込んだ固定ビス18をレンズ枠13の外周面に食い込ませることによって、両接眼ユニットL,Lの固定を完了する。このとき、両第1隔壁3a,3aの先端は、上述したように、プリズム収容空間6bの中心に挿入されている。
【0045】
次に、作業者は、両第1隔壁3a,3aによって区切られたプリズム収容空間6bにおける左右のスペース内に、夫々、楔プリズム4,4を挿入する。このとき、各楔プリズム4は、その固定面4cをフランジ6eに当て付けるとともに、固定面4cに隣接する側面をプリズム収容空間6bの内面に当て付けた状態で配置される。そして、接眼部本体6の内端面に各プリズム押さえ部材12,12をネジ止め固定することにより、各楔プリズム4の光軸方向における位置決めを行う。このように、前端側より各楔プリズム4,4の固定を行うために、その組立が容易となるのである。
【0046】
作業者は、更に、各楔プリズム4の上側面とプリズム収容空間6bの内壁との間に形成された隙間に、夫々プリズム押え板10,10を挿入する。そして、接眼部本体の各ネジ孔6dにねじ込んだ固定ビス11の先端にて、各プリズム押え板10,10を介して、各楔プリズム4,4をプリズム収容空間6bの底面に押し付けることにより、各楔プリズム4,4の光軸に直交する方向における位置決めを完了する。このように、各楔プリズム4,4の固定が計3面での当て付けによって行われるので、その第2面4bにおける傾斜面が正確に設置される。その結果、左右の視線が有限距離の位置にある物体の方向を向くので、観察者の眼の疲れや立体観察の障害が生じない。
【0047】
以上のような楔プリズム4,4の位置決めを完了した時点においては、両楔プリズム4,4と第1隔壁3aとの間に隙間が生じる。従って、この隙間からの迷光の侵入を防止するために、作業者は、この隙間を閉じるための第3隔壁3cを、接眼部本体6の前端面にネジ止め固定する。
【0048】
次に、作業者は、金属板をプレスすることによって下側接続板7を形成し、その内面における後端縁に2つのアングル部材24,24を溶接固定し、また、その内面における前端縁に2つのステー27を溶接固定し、さらに、その両側壁の上縁の内側に夫々連結板20,20を溶接固定する。そして、この下側接続板7を、接眼部本体6の取付代6aに嵌合させた後、下側接続板7を貫通させた各固定ネジ19を取付代6aに夫々ねじ込むとともに、各アングル部材24,24を夫々接眼部本体6の前端面にネジ止め固定することにより、この下側接続板7を接眼部本体6に固定する。そして、作業者は、この下側接続板7に、LCDパネル2を固定したパネル枠23,各スイッチS,ケーブルK,並びに、図示せぬバックライトや表示回路を組み込むことによって、モニタ部Aの内部構成を完成させる。
【0049】
次に、作業者は、予めその上下両縁に夫々2個づつステー25をネジ止め固定しておいた板状の第2隔壁3bを、下側接続板7における接眼部本体6とパネル枠23との間に挿入する。このとき、第2隔壁3bの後端縁を第3隔壁3cに摺接させるようにすると、第2隔壁3bの前端縁の突出部分がパネル枠23に引掛かることなく、第2隔壁3bを挿入させることができる。そして、第2隔壁3bの下側縁が下側接続板7に接触する位置まで第2隔壁3bを挿入した時点で、作業者は、この第2隔壁3bを前方(LCDパネル2側)にずらし、その前端縁の突出部分をパネル枠23の窓23aに填め込む。そして、下側接続板7の下面側から各長孔7b,7bに夫々固定ビス26を挿入して各ステー25,25にねじ込んで、第2隔壁3bの仮止めを行う。
【0050】
次に、作業者は、既にその内部構成を完成してあるモニタ部A及び図示せぬ撮像部を動作させ、LCDパネル2の表示画面上に、映像(左右の像が境界線を介して隣接して表示されている映像)をテスト表示させる。そして、第2隔壁3bの先端縁をずらして、表示画面上に表示された左右の映像の境界線に合致させる。同様に、第2隔壁3bの後端縁をずらして、第3隔壁3cの中心に合致させる。このようにして、第2隔壁3bの位置決めが完了すると、作業者は、両固定ビス26,26を更に締め込んで、第2隔壁3bの固定を完了する。このように、第2隔壁3bは、第1隔壁3aから分離されているので、LCDパネル2の表示画面に表示された左右の映像の境界線の位置に応じて移動調整することができる。これにより、左右の各映像からの光を夫々に対応する眼Iに入射させることができるので、より、立体像の観察がし易くなる。なお、このような第2隔壁3bの移動を可能にするために、第1隔壁3aと第2隔壁3bとの間は離間しているが、この隙間には、第1隔壁3aに対して直交する方向を向いた第3隔壁3cが配置されているので、この隙間を通った光が、各楔プリズム4,4を透過して接眼光学系5内に入射する可能性は殆どない。
【0051】
次に、作業者は、金属板をプレスすることによって上側接続板8を形成し、その外側開口端に2つのステー27を溶接固定する。そして、この上側接続板8を、接眼部本体6の取付代6aに嵌合させた後、上側接続板8を貫通させた各固定ネジ21を取付代6aに夫々ねじ込むとともに、上側接続板8を貫通させた各固定ネジ22を夫々各連結板20,20にねじ込むことにより、この上側接続板8を接眼部本体6及び下側接続板7に対して固定する。そして、作業者は、この上側接続板8の上面側から各長孔8b,8bに夫々固定ビス26を挿入して各ステー25,25にねじ込むことにより、第2隔壁3bを固定する。
【0052】
以上の後に、作業者は、下側接続板8及び上側接続板7の前端に、背板9をはめ込み、この背板9を貫通させた各固定ネジ28を夫々各ステー27にねじ込むことにより、この背板9を固定する。以上により、双眼観察用モニタ1が完成する。
(双眼観察用モニタの作用)
以上のように組み立てられた双眼観察用モニタ1に対して、図示せぬ撮像部によって観察対象物を撮像して得られた画像信号を入力すると、LCDパネル2の表示画面における右側像表示領域(接眼部C側から見て第2隔壁3bに接している箇所よりも右側の領域)2aには、図示せぬ撮像部における右側の撮影光学系によって撮像された映像が表示され、左側像表示領域(接眼部C側から見て第2隔壁3bに接している箇所よりも左側の領域)2bには、図示せぬ撮像部における左側の撮影光学系によって撮像された映像が表示される。これら各表示領域2a,2bから射出された光は、隔壁3(第2隔壁3b)の両側において夫々、発散しつつ各楔プリズム4に入射し、これら各楔プリズム4によって隔壁3(第1隔壁3a)から離れて行く方向へ屈折され、各接眼光学系5へ入射する。
【0053】
各楔プリズム4は、第2隔壁3bとは逆側に位置する端部にて、接眼部本体6のプリズム収容空間6bに固定されている。従って、各楔プリズム4における第2隔壁3bに近接した端部は、その全ての領域において光を透過することができる。その結果、各表示領域2a,2bにおける隔壁3(第2隔壁3b)に近接した部位から射出された光であっても、楔プリズム4の不透過領域によってケられることなく、効率良く各接眼光学系5に入射することができる。
【0054】
このように各接眼光学系5に入射した光は、各接眼光学系5によって屈折されて、各表示領域2a,2bに表示された映像の虚像を、拡大して、例えば前方1mの位置に形成する。このとき、各表示領域2a,2bに表示された映像の虚像の外縁同士は、互いに重なっている。従って、その中心と観察者の左右の眼Iとを結ぶ線は、観察者の眉間の前方にて交差するので、自然な輻輳角(眼の水晶体の変形量に基づく距離感と同じ有限の距離感が得られる輻輳角)にて、観察者はこれら虚像を観察することができるのである。但し、これら各虚像に含まれる個々の像は、立体視用であるが故に、少しづつずれている。従って、これら個々の像に対する輻輳角の相違に基づいて、立体感を観察者に与えることができるのである。
【0055】
なお、各接眼光学系5は、そのコバの一部が平面状に切り欠かれており、その切欠面P,P同士を近接して、両接眼光学系5,5を接眼部本体6内に固定してあるので、各接眼光学系5の光軸同士の間隔よりも各接眼光学系5の径を大きく確保することができる。その結果、射出瞳を大きくすることができるとともに、アイポイントを長く取ることができるので、双眼観察用モニタ1による観察がより容易になる。また、各接眼光学系5の光軸間の距離を正確に出すことができるので、その光学性能の向上につながる。
【0056】
本実施形態による双眼観察用モニタ1は、接眼部本体6に取り付けられたマウント部材29のみを介して、図示せぬ可動アームの先端Fに固定されている。従って、双眼観察用モニタ1全体の荷重がこの接眼部本体6に掛かることになるが、この接眼部本体6は、金属ブロックから削り出されることによって形成されており、この接眼部本体6内に各楔プリズム4,4及び各接眼光学系5,5が固定されているので、これら各光学部材同士の位置が狂うことはない。また、モニタ部Aの重量に因るモーメントが下側接続板7及び上側接続板8に掛かるが、モニタ部Aは軽いので、板状部材からなるこれら下側接続板7及び上側接続板8であっても、強度上の問題は生じない。
【0057】
また、本実施形態による双眼観察用モニタ1では、モニタ部A内に内蔵された図示せぬ表示回路を操作するための各スイッチSが、下側接続板7の段差壁7aにおける観察者側を向いた外面に取り付けられている。従って、接眼光学系5を覗きながら各スイッチSを操作することができるので、操作が容易になるという利点を有する。
【0058】
さらに、本実施形態による双眼観察用モニタ1では、モニタ部Aと接続部Bの筐体が、共通の部材(下側接続板7及び上側接続板8)により構成されている。従って、部品点数及び接合箇所の数が少なくて済むので、全体としての軽量化が可能になるとともに、強度上も有利である。また、接眼部本体6とLCDパネル2のパネル枠23との間に介在してそれらの間の距離を規定する部材が、下側接続板7(上側接続板8)のみであるので、その距離が設計値からずれてしまうおそれが殆どない。
【0059】
また、本実施形態による双眼観察用モニタ1では、接続部Bの筐体が上下に分割可能な構成(下側接続板7及び上側接続板8)であるので、例えば、撮像部における機械的なズレや水平同期タイミングのズレ等によってLCDパネル2の表示画面における右側像表示領域2aと左側像表示領域2bの境界線がずれた場合であっても、上側接続板8のみを外して第2隔壁3bの位置を調整して、その前側縁を両表示領域2a,2bの境界線に合致させ直すことができる。このとき、第2隔壁3bの前端縁の突出部分はLCDパネル2の表示画面に接触していないので、この調整時において第2隔壁3bがLCDパネル2の表示画面を傷つけてしまうことがない。但し、第2隔壁3bの前端縁の突出部分は限りなくLCDパネル2の表面に近接しているので、左右の各表示領域2a,2bからの光が混合してしまうことはない。また、この第2隔壁3bは薄板から構成されているので、LCDパネル2上の映像を隠してしまうことがない。
【0060】
【実施形態2】
図17は、本発明の第2の実施の形態である双眼観察用モニタ1の縦断面図である。本第2実施形態は、上述した第1実施形態と比較し、下側接続板7に段差壁7aが形成されておらず、その下面が平面状となっている。本第2実施形態では、その代わりに、モニタ部A内の図示せぬ表示回路を操作するための各スイッチSが、接眼部本体6の下面に固定された箱状の操作パネル30における後端面(観察者側の面)に設けられている。本第2実施形態におけるその他の構成及び作用は、上述した第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の双眼観察用モニタによると、両接眼光学系の光軸同士の間隔を一定に定めた場合であっても、各接眼光学系の径がそれによって制限されない。従って、各接眼光学系の径を大きくすることによって、各接眼光学系の射出瞳の径を大きくしてアイポイントを長く確保することが、可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による双眼観察用モニタの正面図
【図2】 図1の矢印II方向から見た平面図
【図3】 図1の矢印III方向から見た側面図
【図4】 図1,図3,図5〜図8のIV−IV線に沿った横断面図
【図5】 図1,図2,図4,図6〜図8のV−V線に沿った縦断面図
【図6】 図5のVI−VI線に沿った縦断面図
【図7】 図5のVII−VII線に沿った縦断面図
【図8】 図5のVIII−VIII線に沿った縦断面図
【図9】 楔プリズムの形状を示す図であり、(a)は第1面の端面図,(b)は(a)のIX−IX線に沿った横断面図であり、(c)は第2面の端面図
【図10】 接眼光学系を構成するレンズの形状を示す図であり、(a)はその端面図,(b)は(a)のX−X線に沿った横断面図
【図11】 間隔環の形状を示す図であり、(a)はその一部断面端面図,(b)はその一部断面側面図
【図12】 レンズ固定リングの形状を示す図であり、(a)はその端面図,(b)は(a)のXII−XII線に沿った横断面図
【図13】 接眼ユニットの構成を示す図であり、(a)はその端面図,(b)は(a)のXIII−XIII線に沿った横断面図
【図14】 本発明の第1実施形態による双眼観察用モニタの光学構成の概略説明図
【図15】 楔プリズムがない場合における視線を示す図
【図16】 有限距離に存する物体を見る場合における視線を示す図
【図17】 本発明の第2実施形態による双眼観察用モニタの縦断面図
【符号の説明】
2 LCDパネル
3 隔壁
3a 第1隔壁
3b 第2隔壁
4 楔プリズム
5 接眼光学系
13 レンズ枠
14 間隔環
15 レンズ固定リング
16 補強板
17 補強板
P 切欠面

Claims (10)

  1. 同一の観察対象物について得られた二つの映像を左右に並べて表示するディスプレイと、このディスプレイに夫々表示された各映像を個別に観察させるための左右の接眼光学系と、前記ディスプレイに表示された各映像の境界線と前記左右の接眼光学系の境との間で光線を遮る隔壁とを有する双眼観察用モニタであって、
    前記左右の接眼光学系は、夫々、円筒状のコバの一部を光軸と平行に切り欠いた形状の切欠状面を有しており、この切欠状面同士を互いに対向させた状態で配置されている
    ことを特徴とする双眼観察用モニタ。
  2. 前記各接眼光学系を夫々保持するとともに、保持している前記接眼光学系の切欠状面と同一な面にて切り欠かれて開口した形状の鏡筒を
    更に有することを特徴とする請求項1記載の双眼観察用モニタ。
  3. 前記鏡筒には、前記開口を閉じる補強板が固定されている
    ことを特徴とする請求項2記載の双眼観察用モニタ。
  4. 前記接眼光学系は複数のレンズによって構成されており、
    前記鏡筒によって保持されている各レンズ同士の間に介在するとともに、これら各レンズの切欠状面と平行な面にて切り欠かれて開口した形状の間隔環を更に有する
    ことを特徴とする請求項2記載の双眼観察用モニタ。
  5. 前記間隔環には、前記開口を閉じる補強板が固定されている
    ことを特徴とする請求項4記載の双眼観察用モニタ。
  6. 前記鏡筒に挿入された前記接眼光学系の端面に接することによってこの接眼光学系を前記鏡筒に固定するとともに、この接眼光学系の切欠状面と同一な面にて切り欠かれて開口した形状の固定リングを
    更に有することを特徴とする請求項2記載の双眼観察用モニタ。
  7. 前記固定リングには、前記開口を閉じる補強板が固定されている
    ことを特徴とする請求項6記載の双眼観察用モニタ。
  8. 前記左右の接眼光学系は、前記補強板同士を接触させた状態で配置されていることを特徴とする請求項3記載の双眼観察用モニタ。
  9. 前記補強板は、一方の接眼光学系から他方の接眼光学系への光の入射を遮光する
    ことを特徴とする請求項8記載の双眼観察用モニタ。
  10. 前記ディスプレイと前記各接眼光学系との間に、前記ディスプレイから射出された光を観察者の眼幅に合う方向へ屈折させて夫々の接眼光学系に入射させる一対の楔プリズムが配置されているとともに、
    前記補強板は、これら一対のプリズム同士の間まで延びている
    ことを特徴とする請求項9記載の双眼観察用モニタ。
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