JP4026854B2 - 腸栄養性glp―2ペプチドのアンタゴニスト - Google Patents
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Description
本発明は、グルカゴン様ペプチド-2の機能的アンタゴニストであるグルカゴン関連ペプチド、および特に腸組織における過形成の阻止または低形成の誘導のためのそれらの治療的用途に関する。
II.発明の背景
グルカゴン遺伝子の発現は、160残基のプログルカゴン産物からプロセシングされ組織によって決定される種々のペプチド産物を与える。プログルカゴン前駆体内でのこれらのペプチドの編成は、アンコウ、ラット、ハムスターおよびウシの膵臓からのプレプログルカゴンcDNAの分子クローニングにより明らかにされた。これらの分析は、プレプログルカゴンが、グルカゴンおよびグリセンチンの配列だけでなく、2つの追加的なグルカゴン様ペプチド(GLP-1およびGLP-2)も含有し、これらが、グルカゴンおよびお互いから、2つのスペーサーまたは介在ペプチド(IP-1およびIP-II)により分離されていることを明らかにした。これらのペプチドは、古典的なプロホルモン切断部位に特徴的な塩基性アミノ酸対に隣接し、このことは、それらが、プログルカゴンの翻訳後プロセシング後に遊離されうることを示唆している(Drucker,Pancreas,1990,5(4):484)。膵ランゲルハンス島中のプログルカゴンから遊離されたペプチドの分析は、例えば、遊離される一次膵ペプチドが29-merグルカゴンであり、一方、グリセンチン、オキシントモジュリン、IP-IIおよびグルカゴン様ペプチドは小腸および大腸内に、より優勢であると示唆している。これらのグルカゴン様ペプチドが腸内に存在することがこのように証明されたことは、これらの新たに見出された腸ペプチドの厳密な構造および推定機能に関する研究を促すこととなった。いくつかの証拠が、GLP-1が重要な新規調節ペプチドかもしれないことを示唆しているため、ほとんどの研究はGLP-1に集中している。実際のところ、GLP-1が、膵β細胞上の受容体との相互作用を介してグルコース依存的に媒介される作用であるインスリン遊離のための公知の最も強力なペプチド作動性刺激物質であることが確認されている。GLP-1およびその誘導体は、糖尿病の治療用に開発中である。
GLP-2の生物学的役割に関して、同時係属米国特許出願第08/422,540号(PCT公開第WO 96/32414号)(その全体を参考として本明細書に組入れることとする)は、哺乳動物GLP-2が栄養因子として作用して、腸組織の増殖を促進すると開示している。GLP-2の効果は、特に、小腸の成長の増強により特徴づけられる。さらに、同時係属米国特許出願第08/631,273号およびPCT出願第PCT/CA 97/00252号(それらを共にその全体を参考として本明細書に組入れることとする)は、脊椎動物GLP-2の類似体が、増強された腸栄養活性を有し得ると開示している。
III.発明の概要
GLP-2の腸栄養活性を抑制しうるペプチドがGLP-2ペプチドの構造の改変により得られることを、本発明で見出した。より詳しくは、本発明の1つの態様において、最初の4個のN末端残基の任意の1〜4個が欠失するように突然変異している第1参照哺乳動物GLP-2のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含んでなることを特徴とするアンタゴニストを提供する。本発明のもう1つの態様において、該アンタゴニストは、ヒトGLP-2のAsp15、Phe22、Thr29、Thr32およびAsp33のアミノ酸位置に対応するアミノ酸位置から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸が、参照哺乳動物GLP-2のその位置に天然には存在しないアミノ酸で置換されるように突然変異した参照哺乳動物GLP-2に対応する。本発明のもう1つの態様においては、Ala2位が、Leu、Cys、Glu、Arg、TrpおよびPO3-Tyr2よりなる群から選ばれるアミノ酸で置換されている。本発明のさらにもう1つの態様においては、該アンタゴニストは、参照哺乳動物GLP-2から突然変異して前記の置換および欠失の任意の組合せを有するポリペプチドに対応する。
また、本発明の1つの態様として、GLP-2アンタゴニストの製造法および同定方法を提供する。
さらに、本発明は、医学的または獣医学的治療における用途として、GLP-2活性をin vivoで拮抗するのに有効な量のGLP-2アンタゴニストと医薬上または獣医学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物または獣医学組成物を提供する。
本発明のGLP-2アンタゴニストのGLP-2アンタゴニスト活性は、小腸組織の質量の減少として、あるいはGLP-2またはその腸栄養性類似体の腸栄養活性を抑制する能力として、in vivoで明らかである。したがって、本発明のもう1つの態様において、動物またはヒトを含む被検体において小腸組織の質量を減少させるか又は小腸組織の増殖を抑制する方法であって、小腸組織の質量の減少を引き起こすのに有効な量の本発明のGLP-2アンタゴニストをその被検体に運搬する工程を含んでなる方法を提供する。
そのような治療が有用と考えられる被検体には、例えば、GLP-2の過剰投与による又はGLP-2を過剰産生する腫瘍による小腸の過形成状態に罹患した被検体、および、例えば、臨床的肥満の治療において小腸の切除に代わる非外科的手段としての小腸の低形成の予防的誘導が有用と考えられる状態に罹患した被検体が含まれる。
IV.発明の詳細な説明
本発明は、新規クラスのGLP-2アンタゴニストの治療用途および関連用途、特に、胃腸組織(特に小腸)の増殖速度を減少させるための用途に関する。本発明のGLP-2アンタゴニストの生物学的効果は、模擬治療対照に対する小腸の重量の減少として、あるいはGLP-2またはGLP-2の腸栄養性類似体の腸栄養活性を、GLP-2またはGLP-2の腸栄養性類似体のいずれかを単独で与えた対照動物に対して抑制する能力として現れる。
本発明のGLP-2アンタゴニストは、腸栄養性GLP-2ペプチドの構造類似体である。GLP-2ペプチドは、GLP-2の種々の脊椎動物形態、および腸栄養活性を依然として保有するGLP-2類似体の修飾形態(保護基を有するアミノ酸残基の少なくとも1つの付加、欠失、置換および/または取込みにより特徴づけられるもの)の総称である。しかしながら、本明細書に記載するように、これらの腸栄養性GLP-2ペプチドの或る部位特異的改変が、その部位特異的に改変された類似体にアンタゴニスト活性を付与することがある。
以下の説明に限定されるものではないが、アンタゴニスト活性を付与する部位特異的改変は、GLP-2ホルモンペプチドの機能的活性の1つ(すべての機能的活性という訳ではない)を阻害すると考えられる。例えば、GLP-2類似体にアンタゴニスト活性を付与する改変は、その類似受容体に対するホルモン結合は阻害しないが該結合受容体を介する後続のシグナル伝達を妨げるものであってもよい。例えば、該ホルモンの部位特異的改変は、細胞の内部にシグナルを伝達するのに必要なホルモン受容体の二量化を妨げるものであってもよい。アンタゴニスト活性のそのような作用は、例えばヒト成長ホルモンなどの他のホルモンで認められている(Fuhら,Science,1992,256:1677-1680を参照されたい)。
一般には、哺乳動物GLP-2間で高度に保存されている部位が、アンタゴニストを得るための修飾の候補となる。哺乳動物間では、少なくとも残基1〜5、7、15および22、29および32〜33が高度に保存されている。したがって、これらの部位の残基の欠失または置換により、GLP-2アンタゴニストが得られる可能性がある。さらに、これらの保存部位の近くの部位の或る修飾が、局所的三次アミノ酸構造または隣接保存残基の配置を損なうことにより、アンタゴニスト活性を与えることもある。
本発明のGLP-2アンタゴニストには、ヒトGLP-2の配列と比べて最初の4個のN末端アミノ酸の任意の1以上が欠失している、脊椎動物GLP-2由来の配列を有するペプチド誘導体が含まれる。本発明では、これらの類似体を、GLP-2アンタゴニストの欠失クラスと称することにする。GLP-2拮抗作用は最初の4個のアミノ酸内のGLP-2のN末端構造の破壊から生じうることが、GLP-2アンタゴニストの欠失クラスから理解されるであろう。したがって、GLP-2アンタゴニストの欠失クラスには、GLP-2(2-33)、GLP-2(3-33)、GLP-2(4-33)およびGLP-2(5-33)、[デスAla2]GLP-2、[デスAsp3]GLP-2および[デスGly4]GLP-2が含まれる。
また、本発明のGLP-2アンタゴニストには、脊椎動物GLP-2の置換誘導体が含まれる。GLP-2アンタゴニストの置換クラスには、以下の位置(ヒトGLP-2の配列に基づく)の以下のアミノ酸の1つが別のアミノ酸で置換されたアンタゴニストが含まれる:残基15、22、29、32および33。また、該置換クラスには、あるAla2置換を含むものが含まれる。
本発明の実施態様において、GLP-2アンタゴニストは、欠失および置換の任意の組合せを含むことが可能であり、また、記載されている部位における2以上の置換を含むことが可能であると理解されるべきである。
A.GLP-2アンタゴニスト
したがって、GLP-2アンタゴニストは、配列:
を有するヒトGLP-2の類似体であってもよい。特に示さない限り、「GLP-2」なる語は、ヒトGLP-2の配列を意味する。
本発明のアンタゴニストは、第1参照哺乳動物GLP-2のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドであって、該ポリペプチドが突然変異していることにより、
(i)最初の4個のN末端残基の任意の1〜4個が欠失している、または
(ii)ヒトGLP-2のAsp15、Phe22、Thr29、Thr32およびAsp33のアミノ酸位置に対応するアミノ酸位置から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸が、該参照GLP-2のその位置に天然には存在しないアミノ酸で置換されている、または
(iii)Ala2位が、Leu、Cys、Glu、Arg、TrpおよびPO3-Tyr2よりなる群から選ばれるアミノ酸で置換されている、または
(iv)(i)および(ii)、または(ii)および(iii)の組合せが突然変異していることを特徴とするポリペプチドである。
本発明の特定の実施態様では、例えば、1、2、3、4、22、29、32および/または33位の残基で改変している本発明のGLP-2アンタゴニストは、ヒトGLP-2のAla15変異体であるラットGLP-2;デグー(degu)GLP-2、ウシGLP-2、ブタGLP-2、モルモットGLP-2およびハムスターGLP-2(それらの配列は、Buhlら(J.Biol.Chem.,1988,263(18):8621)を含む多数の著者により報告されている)の誘導体であってもよい。
ある特定の位置に存在するGLP-2残基は、種々の脊椎動物種から単離されたGLP-2の配列を整列し、該配列を、前記のヒト配列と比較することにより決定する。
さらに、1、2、3、4、22、29、32および/または33位の残基で改変している本発明のGLP-2アンタゴニストは、例えば同時係属米国特許出願第08/632,533号および08/631,273号ならびにPCT公開第WO 96/32414号およびPCT出願第PCT/CA 97/00252号に記載のGLP-2アゴニストの誘導体であってもよい。
アンタゴニストを与えるこれらの部位における適当なアミノ酸置換は、本明細書に記載のGLP-2拮抗作用のマウスモデルを用いて容易に決定することができる。すなわち、構造的改変を含むGLP-2化合物を得、ついで本明細書中に例示するマウスモデルにおいてGLP-2拮抗作用に関してスクリーニングする。腸の成長の減少を惹起し、および/または、GLP-2またはGLP-2アゴニストの腸栄養活性を抑制するGLP-2化合物は、このスクリーニングにおいてGLP-2アンタゴニストと同定される。
本発明のGLP-2アンタゴニストが、本明細書中に例示するマウスモデルでの評価において、(1)ビヒクルのみを与えた対照動物に対する小腸重量の測定可能な減少を一貫してもたらす、および/または、(2)前記マウスモデルにおいてGLP-2またはGLP-2アゴニスト(好ましくは、アゴニストに対して10:1、より好ましくは4:1のモル過剰比)との共投与により評価した場合、GLP-2またはGLP-2アゴニストの腸栄養効果の測定可能な抑制(これは、GLP-2の単独投与により誘導される小腸重量の増加の減少により示される)を一貫して招くならば、該アンタゴニストはGLP-2の機能的アンタゴニストと考えられる。
治療的用途に特に適しているのは、ビヒクルのみを与えた対照動物に対して少なくとも約10%の腸重量の減少をもたらすGLP-2の機能的アンタゴニストである。治療的用途に好ましいのは、少なくとも15%以上の小腸重量の減少をもたらすものである。
本発明のGLP-2アンタゴニストの、小腸の質量を減少させる活性は、空腸、特に近位空腸に関して最も顕著に認められ、遠位回腸でも認められる。さらに、GLP-2アンタゴニストの活性は、小腸の陰窩/絨毛の高さの減少として認められることもある。
あるいは、GLP-2アンタゴニストは、前記で詳しく説明した共投与モデルを用いて評価することができる。この場合、アンタゴニストをGLP-2または腸栄養性類似体と約10:1のモル比、より好ましくは約4:1のモル比で共投与した場合に、それらが、GLP-2またはその腸栄養性類似体の活性を少なくとも10%減少させるならば(これは、GLP-2またはGLP-2アゴニストのみで処理した対照動物に対する、小腸の重量の増加の減少により示される)、該アンタゴニストはGLP-2の有用なアンタゴニストであると考えられる。
本発明のもう1つの態様においては、GLP-2のアンタゴニスト(例えば前記のもの)を同定するのに有用な方法であって、
1)該ペプチド配列内に改変を含むGLP-2類似体を得、
2)腸の質量の測定可能な減少を惹起しうる治療方式を用いて該類似体で哺乳動物を処理し、
3)小腸の重量に対する及び/又は小腸の陰窩細胞の陰窩/絨毛の高さに対する該類似体の効果を、模擬処理した対照動物との比較により判定し、それにより、機能的GLP-2アンタゴニストを、前記重量および/または前記高さの減少を惹起するGLP-2類似体と同定する工程を含んでなる方法を提供する。
本発明の関連態様においては、機能的GLP-2アンタゴニストを同定するのに有用なもう1つの方法であって、
1)該ペプチド配列内に改変を含むGLP-2類似体を得、
2)GLP-2またはGLP-2アゴニストの腸栄養活性を抑制しうる治療方式を用いて該類似体で哺乳動物を処理し、
3)小腸の重量に対する及び/又は小腸の陰窩細胞の陰窩/絨毛の高さに対する該類似体の効果を、GLP-2またはGLP-2アゴニストを与えた対照動物との比較により判定し、それにより、機能的GLP-2アンタゴニストを、GLP-2の腸栄養活性および/またはGLP-2アゴニストの腸栄養活性を抑制するGLP-2類似体と同定する工程を含んでなる方法を提供する。
機能的GLP-2アンタゴニストを同定するのに有用な前記方法の好ましい変法においては、該GLP-2類似体を、本明細書に記載のGLP-2アンタゴニストから選択する。
B.置換アミノ酸の選択
置換アミノ酸は、ペプチド化学者に利用可能な多種多様なアミノ酸から選択することができ、D-アミノ酸およびL-アミノ酸ならびにそれらの多数の誘導体を含む。最も実用的には、選択したアミノ酸は、固相または液相合成により、あるいは組換えDNA製造手段により容易に取込ませることができるであろう。
第1スクリーニングにおいて、アンタゴニスト活性に関する候補類似体を、アラニンスキャニング(alanine scanning)突然変異誘発または他の体系的な突然変異誘発方法により同定する。本明細書で詳しく説明する方法を用いて、これらのアラニン置換をアンタゴニスト活性に関して試験する。
本発明のもう1つの態様においては、GLP-2ホルモンとその標的分子(例えば、受容体)との構造的相互作用(水素結合、塩橋、疎水性相互作用、残基の配置)を引き起こすのに重要な天然に存在するアミノ酸残基を劇的に変化させることにより、より有効なGLP-2アンタゴニストを製造することが可能である。これを意図する場合には、通常、残りの天然に存在する全18個の残基による置換で各部位をスクリーニングする必要はない。実際には、残基群の代表的なメンバーを選択する。一般には、これらの群は、
a.正に荷電した残基:His、ArgおよびLys
b.負に荷電した残基:AspおよびGlu
c.アミド:AsnおよびGln
d.芳香族残基:Phe、Tyr、Trp
e.疎水性残基:Ala、Pro、Gly、Val、Leu、IleおよびMet
f.非荷電親水性残基:SerおよびThr
である。これらのアンタゴニスト候補を調製する場合には、その位置に天然に存在する残基型以外の群から残基を選択することになろう。極端な置換は、逆の特性の組合せの群から残基を選択することにより得られる。例えば、負に荷電した残基を、正に荷電した残基で置換することができる。
Ala2置換の場合には、GLP-2活性のアンタゴニストが得られるように該置換アミノ酸を注意深く選択する。2位での置換が、GLP-2の腸栄養活性を増強する効果を与えうることに注意すべきである。例えば、Ala2をGlyで置換すると、劇的に増強された腸栄養活性と、DPP-IV酵素によるGLP-2ペプチドの消化に対する抵抗性とが得られる。驚くべきことに、本発明のGLP-2アンタゴニストは、Ala2を置換することによっても得ることができる。本発明の実施態様においては、GLP-2アンタゴニストを得るのに有用な、2位の置換アミノ酸は、Leu、Cys、Glu、Arg、TrpおよびPO3-Tyrから選択する。これらの置換を含むGLP-2アンタゴニストは、DPP-IV酵素による消化に対して該ペプチドを抵抗性にするという追加的な利点を有する。好ましくは、Ala2置換アミノ酸は、Cys、Glu、LeuおよびArgから選択する。
Asp24、Phe22、Thr29、Thr32およびAsp33と置換するアミノ酸は、望ましくは、小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸(例えば、Ala、GlyおよびVal)から選択する。
本発明の実施態様においては、GLP-2アンタゴニストの置換クラスには、[Gly2,Ala15]GLP-2、[Ala22]GLP-2、[Ala15]GLP-2(2-33)、[Ala15]GLP-2(3-33)、[Ala33]GLP-2(4-33)、[Ala15]GLP-2(5-33)、[Gly2,Ala22]GLP-2、[Gly7,Ala27]GLP-2、[Gly2,Ala32]GLP-2、[Gly2,Ala33]GLP-2、[Leu2]GLP-2、[Glu2]GLP-2、[Arg2]GLP-2、[Trp2]GLP-2、[PO3-Tyr2]GLP-2、[Cys2]GLP-2、[Ala15]GLP-2、[Ala29]GLP-2、[Ala32]GLP-2および[Ala33]GLP-2が含まれる。
C.本発明の類似体の特性を改善するための追加的な修飾
本発明のGLP-2アンタゴニストは、記載されているタイプの構造的改変を含む一方で、GLP-2自体またはGLP-2アゴニストの配列と一致した種々のアミノ酸配列を有することが可能である。また、GLP-2アンタゴニストは、脊椎動物GLP-2アゴニストの類似体であって、該ペプチドの他の生化学的、生物学的または生理的特性を向上させるために付随的な修飾が施されているものであってもよい。そのような修飾には、例えば(2位以外の位置での置換により拮抗作用が付与されるペプチドにおいて)、酵素DPP-IVによる消化に対してGLP-2アンタゴニストを抵抗性にするアミノ酸による天然のAla2の置換が含まれる。この目的に適したアミノ酸には、特に、Glyが含まれる。また、Met10残基を、より酸化的に安定なアミノ酸(例えば、Leu、Nle、IleまたはAla)で置換することができる。したがって、Met10が置換されたそのような類似体は、合成、後処理および保存中に、より安定である。これに関連したもう1つの修飾は、Arg以外のアミノ酸による20位アミノ酸の置換である。ある適用(特に、医薬上または獣医学上許容されるペプチドの合成的製造)においては、TFAなどの溶媒からの対イオンがArg残基により保持されるのを避けるために、この修飾が望ましい。
また、望ましくない生化学的攻撃およびin vivoでの破壊からペプチド末端を保護するためにペプチド化学の分野において通常使用する型の保護基を含むようにN末端またはC末端が修飾された分子も、本発明の範囲内に含まれる。
適当なN末端保護基には、例えば、アセチルなどのC1-5アルカノイル基が含まれる。また、アミノ機能を欠くアミノ酸類似体も、N末端保護基として適している。適当なC末端保護基には、C末端カルボキシルの炭素原子においてケトンまたはアミドを形成する基、または該カルボキシルの酸素原子においてエステルを形成する基が含まれる。ケトンおよびエステルを形成する基には、アルキル基、特に、分枝状または非分枝状のC1-5アルキル基、例えばメチル、エチルおよびプロピル基が含まれ、アミド形成基には、アミノ官能基、例えば第一級アミン、またはアルキルアミノ官能基、例えばモノ-C1-5アルキルアミノおよびジ-C1-5アルキルアミノ基、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノなどが含まれる。また、例えば脱カルボキシル化アミノ酸類似体(例えば、アグマチン)などのアミノ酸類似体も、この化合物のC末端を保護するのに適している。
本発明の実施態様は、特に、N末端保護基がアセチルであるそのような類似体、およびC末端保護基がアミン(例えば、-NH2-)である類似体を含む。
D.GLP-2アンタゴニストの合成
本発明のGLP-2アンタゴニストは、ペプチド化学の標準的な技術を用いて合成することができ、すべて本明細書に記載の教示に従いGLP-2アンタゴニスト活性に関して評価することができる。L-アミノ酸のみを含むGLP-2アンタゴニストは、組換えDNA技術を適用することにより商業的な量で製造することができる。この目的には、所望のGLP-2アンタゴニストをコードするDNAを、発現ベクター中に導入し、微生物、例えば酵母または他の細胞性宿主中に形質転換し、ついで、それを、GLP-2アンタゴニストの発現に適した条件下で培養する。種々の遺伝子発現系が、この目的に応用されており、典型的には、選択した宿主が天然で用いる発現調節要素から所望の遺伝子の発現を駆動する。GLP-2は、その活性に翻訳後グリコシル化を必ずしも必要としないため、その産生は、大腸菌(E.coli)などの細菌宿主内で簡便に行なうことができる。そのような産生のためには、選択されたGLP-2アンタゴニストをコードするDNAを、大腸菌(E.coli)のlac、trpまたはPL遺伝子の発現制御下に配置するのが有効である。GLP-2アンタゴニスト自体をコードするDNAの発現に代わる手段として、該発現産物の単離および安定性を改善する担体タンパク質にGLP-2アンタゴニストが遊離可能に結合した融合タンパク質としてGLP-2アンタゴニストが発現されるように、該宿主を改変することができる。
選択されたGLP-2アンタゴニストの製造に普遍的に適用可能なアプローチにおいて、また、非遺伝的にコードされるアミノ酸を含むGLP-2アンタゴニスト形態ならびにN末端およびC末端が誘導体化された形態を製造するために必然的に用いるアプローチにおいては、自動ペプチド合成の十分に確立された技術を用いる。その一般的な説明は、例えば、J.M.StewartおよびJ.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis,第2版,1984,Pierce Chemical Company,Rockford,IllinoisおよびM.BodanszkyおよびA.Bodanszky,The Practice of Peptide Synthesis,1984,Springer-Verlag,New York;Applied Biosystems 430A Users Manual,1987,ABI Inc.,Foster City,Californiaに記載されている。これらの技術においては、例えばOrskovら,1989,前掲に記載のとおり、FmocまたはtBocプロトコールを用いて適当に保護されたアミノ酸の逐次的な付加により、GLP-2アンタゴニストをそのC末端の樹脂結合残基から成長させる。
また、Nおよび/またはC保護基の導入には、固相ペプチド合成法に一般的なプロトコールを適用することができる。C末端保護基の導入には、典型的には例えば、支持樹脂(これは、該樹脂からの切断により、所望のC末端保護基を有するペプチドが得られるように化学的に修飾されている)を固相として用いて、所望のペプチドの合成を行なう。C末端に第一級アミノ保護基を有するペプチドを得るためには、例えば、p-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂を用いて合成を行ない、ペプチド合成の完了時に、フッ化水素酸での処理により、C末端がアミノ化された所望のペプチドを遊離させる。同様に、C末端のN-メチルアミン保護基の導入は、N-メチルアミノエチルで誘導体化されたDVB樹脂を用いて行ない、それをHFで処理して、N-メチルアミド化C末端を有するペプチドを遊離させる。また、エステル化によるC末端の保護を、常法により行なうことができる。この場合、引き続いてエステル官能基を形成するための所望のアルコールとの反応が可能となるように、側鎖が保護されたペプチドが樹脂から遊離されうる樹脂/保護基の組合せを用いる。メトキシアルコキシベンジルアルコールまたは同等のリンカーで誘導体化されたDVB樹脂とFMOC保護基との組合せを、この目的に用いることができ、この場合、該支持体からの切断は、ジクロロメタン中TFAにより行なう。ついで、所望のアルコールを加えることにより、適当に活性化(例えば、DCCによるもの)されたカルボキシル官能基のエステル化を進行させ、ついで該エステル化ペプチド産物の脱保護および単離を行なうことができる。
N末端保護基の導入は、合成されたペプチドが樹脂にまだ結合している間に、例えば、適当な無水物およびニトリルでの処理により行なうことができる。N末端にアセチル保護基を導入するためには、例えば、樹脂に結合したペプチドを、アセトニトリル中20%無水酢酸で処理することができる。ついで該N保護ペプチド産物を樹脂から切断し、脱保護し、ついで単離する。
所望のペプチド配列を合成し、樹脂から切断し、完全に脱保護したら、ついで選択したアミノ酸配列を有する単一のオリゴペプチドの回収が保証されるように該ペプチドを精製する。アルキル化シリカカラム(例えば、C4-、C6-またはC16-シリカ)上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)などの標準的な任意のアプローチを用いて、精製を行なうことができる。そのようなカラム分画は、一般には、通常は少量(例えば、0.1%)の対形成剤(pairing agent、例えば、TFAまたはTEA)を含有する水性緩衝液中の有機溶媒(例えば、アセトニトリル)の割合(%)を次第に増加させてゆく直線勾配(例えば、10〜90%)を用いて行なう。あるいは、ペプチド種の荷電特性に基づいてペプチド種を分離するために、イオン交換HPLCを使用することができる。カラム画分を集め、所望の/必要な純度のペプチドを含有する画分を所望によりプールする。本発明の1つの実施態様においては、ついで、切断用の酸(例えば、TFA)を医薬上または獣医学上許容される酸(例えば、酢酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸など)と交換すための確立された方法で該ペプチドを処理して、該ペプチドの水溶性塩を得る。
E.本発明のGLP-2アンタゴニストの用途
本発明では、胃腸組織増殖速度の減少から利益を受けると考えられる患者(動物およびヒトを含む)を治療するために、GLP-2アンタゴニストを投与する。1つの態様では、候補となる患者は、小腸組織の質量の減少から利益を受けると考えられる患者である。本明細書に例示する結果により示されるとおり、この組織に対するGLP-2アンタゴニストの効果は劇的であり、小腸管粘膜における過形成により特徴づけられる疾患または状態(GLP-2を産生する腫瘍を含む)に罹患した患者にとって有益であることは明らかである。GLP-2アンタゴニストの効果から利益を受けることが明らかと考えられるもう1つの患者群は、小腸組織の低形成を誘導するのが有用と考えられる患者、例えば、例えば、近い将来、放射線療法または化学療法を受ける予定の患者、あるいは放射線療法または化学療法を受けている患者である。小腸上皮細胞は、迅速な細胞分裂により特徴づけられ、したがって、放射線療法または化学療法による損傷を特に受けやすい。実際のところ、小腸上皮細胞に対する細胞損傷は、治療を受けている癌患者における有意な死亡原因および罹患原因となる。したがって、これらの療法の開始直前および治療の経過中に、これらの細胞の増殖速度を減少させるのが望ましいであろう。これらの患者における小腸細胞の増殖速度を減少させて、化学療法または放射線療法での治療前に腸休止を達成することができれば、より高用量の放射線療法剤および化学療法剤の投与を可能にするという追加的な利点が得られるであろう。
GLP-2の機能的アンタゴニストが臨床的に有用であると考えられるもう1つの臨床場面は、慢性的または急性的にGLP-2またはGLP-2アゴニストを過剰投与されている患者(動物またはヒトを含む)の治療である。GLP-2の機能的アゴニストの更にもう1つの可能な用途は、毒素または他の薬物が粘膜層を越えて輸送されるのを阻止することである。いくつかの疾患における病理的効果は、腸上皮を介した毒素または薬物の吸収の結果として生じる。腸上皮を減少させることにより小腸の吸収能を取り除くことが有益かもしれない。例えば、コレラなどのいくつかの疾患は、コレラ毒素が腸上皮自体における受容体に結合し、脱水および死を招くことにより、致命的となる。GLP-2アンタゴニストは腸の休止を引き起こし、毒素の標的組織(腸上皮)を除去し、それにより、コレラに対する病理的応答を排除する。
小腸の質量の減少から利益を受ける考えられる更にもう1つの患者群は、肥満に罹患した患者であり、この場合、小腸の切除などの外科的介入に代わる手段として有用である。
したがって、1つの態様において、本発明は、小腸組織の増殖の減少をそれを要する患者において引き起こすための方法であって、GLP-2を拮抗するのに有効な量の本発明のGLP-2アンタゴニストを該患者に運搬する工程を含んでなる方法を提供する。GLP-2アンタゴニストでの治療の治療効力は、絨毛形態を調べるための腸生検により、あるいは栄養吸収の生化学的評価によりモニターすることができる。また、治療した個々の状態に関する臨床的エンドポイント(例えば、体重減少)を用いて、有効性を評価することができる。関連態様においては、本発明は、胃腸疾患の病理的症状を軽減するために、治療的に有効な量の本発明の機能的アンタゴニストを医薬上または獣医学上許容される担体と共に投与することにより、胃腸疾患に罹患した患者を治療する方法を提供する。例えば、腫瘍サイズを減少させるために、小腸癌の患者にGLP-2アンタゴニストを投与することができる。あるいは、腸運動障害、過敏性腸および慢性下痢の患者は、運動性を増強し及び/又は下痢を軽減するGLP-2アンタゴニストから利益を受けるかもしれない。
その態様のもう1つの点において、本発明は、放射線療法または化学療法を含む治療方式の一部として胃腸組織の質量を減少させるための患者の治療方法であって、小腸の質量を減少させる量のGLP-2アンタゴニストを患者に投与することを特徴とする方法を提供する。本発明は、GLP-2アンタゴニストと放射線療法剤または化学療法剤との共投与、あるいは放射線療法または化学療法の開始前に小腸組織の増殖を減少させるためのGLP-2アンタゴニストの投与の両方を含む。GLP-2アンタゴニストの適当な投与方式は、腸損傷が後に軽減することおよび/または放射線療法または化学療法後の回復時間をモニターすることにより決定することができる。
さらに別の態様においては、本発明は、GLP-2の効果に拮抗する能力(これは、管理された食事摂取条件下での体重減少により示される)を有するGLP-2アンタゴニストの有効量を肥満患者に投与することを含んでなる、肥満の治療方法を提供する。
もう1つの態様においては、本発明は、GLP-2を産生する腫瘍に罹患した患者の治療方法であって、GLP-2の効果に拮抗する能力(治療期間にわたる腸上皮のサイズおよび小腸の質量の減少により示される)を有するGLP-2アンタゴニストの有効量を該治療を要する患者に投与することを含んでなる方法を提供する。
GLP-2のアンタゴニストのもう1つの用途は、小腸の吸収不全の問題による流体不均衡を矯正するための療法としての用途である。GLP-2アンタゴニストでの治療の有効性は、糞便の容量、ICFおよびECF容量、尿容量および重量モル浸透圧濃度、血圧、および血漿電解質を評価することによりモニターする。
本発明で用いる「患者」なる語は、ヒトまたは他の哺乳動物(家畜およびペットを含む)を含む。
F.GLP-2アンタゴニストの製剤
ヒトおよび動物を含む患者に対する投与のために、本発明の1つの態様において、発熱物質を実質的に含まない医薬上または獣医学上許容される形態で(例えば、0.22μのフィルターで滅菌濾過した製剤として)GLP-2アンタゴニストを提供する。望ましくは、製剤化するGLP-2アンタゴニストは、HPLC上の単一の又は個別化されたピークとして移動し、その分析に際して均一かつ真正なアミノ酸組成および配列を示し、また、医薬または獣医学製品の品質を規制する種々の国家団体により制定された基準を満足する。
治療に使用する場合には、選択したGLP-2アンタゴニストを、選択した投与経路により該ペプチドを運搬するのに適した医薬上または獣医学上許容される担体と共に製剤化する。適当な医薬上または獣医学上許容される担体としては、ペプチドに基づく薬物と共に通常用いる担体(例えば、希釈剤、賦形剤など)が挙げられる。一般的な薬物の製剤化に関する手引書として、Remington's Pharmaceutical Sciences”、第17版,Mack Publishing Company,Easton,Penn.,1985を参照することができる。本発明の1つの実施態様においては、該化合物を、皮下または静脈内への注入または注射による投与用に製剤化して、発熱物質を含まない無菌形態の水溶液として用い、所望により、弱酸性または生理的pHに緩衝化する。したがって、該化合物は、蒸留水、より望ましくは食塩水、緩衝化食塩水または5%ブドウ糖溶液中で投与することができる。必要に応じて、溶解増強剤(例えば、酢酸)を加えることにより、水溶性を増加させることができる。
注射剤として使用するためには、注射部位またはその付近にGLP-2アンタゴニストを貯留するように働くゼラチンで水性担体またはビヒクルを補足して、それが所望の作用部位へ徐々に放出されるようにする。貯留効果を得るのに有効なゼラチンの濃度は、10〜20%の範囲内にあると考えられる。また、ヒアルロン酸などの代替的なゲル化剤も貯留剤として有用かもしれない。
また、本発明のGLP-2アンタゴニストは、GLP-2アンタゴニストの長期徐放投与のための徐放性埋め込み装置として製剤化することができる。そのような徐放製剤には、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの生体適合性重合体の複合材が含まれる。薬物運搬ビヒクル中の分解性重合体の構造、選択および用途は、Dombら,Polymers for Advanced Technologies 3:279-292(1992)などのいくつかの刊行物において検討されている。医薬製剤または獣医学製剤中の重合体の選択および使用に関する追加的な教示は、M.ChasinおよびR.Langer(編),“Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems”,Vol.45,“Drugs and the Pharmacetical Sciences”,M.Dekker,New York,1990に記載されている。また、GLP-2アンタゴニストの徐放性を得るためにリポソームを使用することができる。関心のある薬物のリポソーム製剤の使用方法および製造法に関する詳細は、とりわけ、米国特許第4,944,948号、米国特許第5,008,050号、米国特許第4,921,706号、米国特許第4,927,637号、米国特許第4,452,747号、米国特許第4,016,100号、米国特許第4,311,712号、米国特許第4,370,349号、米国特許第4,372,949号、米国特許第4,529,561号、米国特許第5,009,956号、米国特許第4,725,442号、米国特許第4,737,323号、米国特許第4,920,016号に記載されている。GLP-2アンタゴニストの局所的高濃度または持続性循環レベルを得るのが望ましい場合には、徐放製剤に特に関心が持たれる。
GLP-2アンタゴニストは、内因性GLP-2活性に拮抗するのに有効な量の該ペプチドを単位量または複数投与量で含有する無菌充填バイアルまたはアンプルの形態で用いることができる。該バイアルまたはアンプルは、そのまま投与できる製剤として、GLP-2アンタゴニストおよび所望の担体を含有することが可能である。あるいは、該バイアルまたはアンプルは、適当な担体(例えば、リン酸緩衝食塩水)中での再構成に適した形態(例えば、凍結乾燥形態)中にGLP-2ペプチドを含有することが可能である。
注射剤の代わりに、他の投与経路用にGLP-2アンタゴニストを製剤化することができる。錠剤、カプセル剤などの経口投与形態は、標準的な医薬的または獣医学的慣例に従い製剤化することができる。
最後に、体重の減少または他の治療適応症のためのGLP-2アンタゴニストの長期的運搬は、遺伝子治療技術により行なうことができる。例えば、高レベルのGLP-2アンタゴニストを発現するようにex vivoで細胞を操作し、ついで、治療効果を得るためにそのような細胞を対象動物またはヒトに移植することができる。
G.本発明のGLP-2アンタゴニストの投与
治療に最も適した治療的投与および方式は、勿論、治療する疾患または状態、患者の体重および他のパラメーターによって異なる。本明細書において以下に記載する結果は、約1mg/kg〜100μg/kg(またはそれ未満)と同等のGLP-2アンタゴニストの用量を1日2回、10日間にわたり投与すると、小腸の質量の非常に有意な減少が得られることを示している。それよりはるかに少ない用量(例えば、μg/kgの範囲)およびより短いか又はより長い持続期間あるいは治療頻度であっても、治療的に有用な結果(すなわち、特に小腸の質量の統計的に有意な減少)が得られると考えられる。ヒトでの使用に最も適した用量の大きさおよび投与方式は、本明細書に記載の結果から導かれ、適切に計画された臨床試験で確認することができる。
有効量および治療プロトコールは、通常の手段で決定することができる。すなわち、実験動物において低用量で開始し、ついで効果をモニターしながら投与量を増加させる。また、投与方式も体系的に変化させることができる。所定の患者に対する最適投与量の決定の際には、臨床家が多数の要因を考慮することができる。これらのうち最も重要なのは、血漿中を通常循環しているGLP-2の量であり、これは、健康な成人では、安静状態においては151pmol/mlのオーダーであり、栄養摂取後には225pmol/mlまで上昇する(Orskov,C.およびHolst,J.J.,1987,Scand.J.Clin.Lav.Invest.47:165)。追加的な要因には、患者の大きさ、患者の年齢、患者の全身状態、治療する個々の疾患、疾患の重症度、患者中の他の薬物の存在、GLP-2アンタゴニストのin vivo活性などが含まれる。動物研究の結果および臨床文献を考慮した後、試験投与量を選択することとなる。in vitro結合競合アッセイから導かれる結合定数およびKiなどの情報を、in vivoでのGLP-2アンタゴニストの算出半減期と同様に、投与量の計算において使用することができると、当業者に理解されるであろう。
ヒトにおける典型的なGLP-2アンタゴニストの用量は、約10μg/kg体重/日〜約10mg/kg/日、好ましくは、約50μg/kg/日〜約5mg/kg/日、最も好ましくは、約100μg/kg/日〜1mg/kg/日であろう。本発明のGLP-2アンタゴニストはGLP-2より10〜100倍も強力であると考えられるため、そのようなGLP-2アンタゴニストの典型的な用量は、より少なくてもよく、例えば、約100ng/kg体重/日〜1mg/kg/日、好ましくは、1μg/kg/日〜500μg/kg/日、より好ましくは、1μg/kg/日〜100μg/kg/日とすることができる。
実施例1:GLP-2アンタゴニストの合成
以下のGLP-2アンタゴニストペプチドを合成した:
[Gly2,Ala19]GLP-2、[Gly2,Ala22]GLP-2、[Gly2,Ala29]GLP-2、[Gly2,Ala32]GLP-2、[Gly2,Ala33]GLP-2、ラットGLP-2(2-33)、ラットGLP-2(3-33)、ラットGLP-2(4-33)、ラットGLP-2(5-33)、[Leu2]GLP-2、[Glu2]GLP-2、[Arg2]GLP-2、[Trp2]GLP-2、[Cys2]GLP-2、[PO3-Tyr2]GLP-2および[Phg2]GLP-2。
1グラム当たり0.5ミリ当量(meq)の置換を有する6グラム(g)のクロロメチル(Merrifield)樹脂(C末端が遊離した酸ペプチドの場合)を使用して、3ミリモル(mmol)のスケールで、300ミリリットル(ml)容器中、手動で固相ペプチド合成(SPPS)を行なった。アミノ酸を、アミノ末端においてt-ブチルオキシカルボニル(tBoc)基で保護した。三官能性アミノ酸の側鎖を、ベンジル(Bz、セリンおよびトレオニンの場合)、ベンジルオキシメチル(BOM、ヒスチジンの場合)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(2-BrZ、チロシンの場合)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-ClZ、リジンの場合)、シクロヘキシル(cHex、アスパラギン酸およびグルタミン酸の場合)およびトシル(Tos、アルギニンの場合)基で保護した。第1アミノ酸を、保護された該アミノ酸のエステル化により、フッ化カリウム(KF)の存在下、クロロメチル樹脂に結合させた。0.5meq/gの置換を有する6gの樹脂を使用して、4-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂上、3mmolのスケールでC末端アミドペプチドを合成した。文献記載のペプチド伸長法に従い、第1アミノ酸をMBHA樹脂に結合させた。
ジクロロメタン(CH2Cl2)中の50%トリフルオロ酢酸(TFA)を使用してアミノ基の脱保護を行ない、ついでCH2Cl2中の10%トリエチルアミン(Et3N)での2回の洗浄により中和した。CH2Cl2/ジメチルホルムアミド(DMF)中、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド/1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(DCC/HOBt)で活性化することにより、ペプチドの伸長を行なった。各伸長工程の後、成長中のペプチド鎖をCH2Cl2中の20%Ac2Oでキャッピングした。それぞれの伸長、キャッピングおよび脱保護工程の後、該ペプチド−樹脂をイソプロパノール(iPrOH)およびメタノール(MeOH)で洗浄した。それらの洗浄を1回繰返した。記載されているとおりの脱保護および中和の後、CH2Cl2中の20%Ac2Oでの末端アミノ基のアセチル化により、N末端アセチルペプチドを調製した。ジメチルスルフィド(DMS)とスカベンジャーとしてのp-クレーゾールとを含有するフッ化水素(HF)を使用する低−高(low-high)法により、樹脂結合産物を常套的に切断した。
アセトニトリルで修飾される水中の0.1%TFAでの勾配溶出を用いるVydac C18、15〜20μm幅の孔、2インチ×12インチの逆相シリカカラムを使用する分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、粗製ペプチドを精製した。溶出を220ナノメートル(nm)でモニターした。アセトニトリルで修飾される水中の0.1%TFAを用いる勾配溶出によるVydac C18、5μm、4.6×254ミリメートル(mm)の逆相シリカカラムを使用する分析HPLCにより、集めた各画分を純度に関して分析し、215nmでモニターした。95%を超える純度を示す画分を合わせ、凍結乾燥した。凍結乾燥粉末の水中溶解により(溶解を助けるために必要に応じてアセトニトリルを加える)、該ペプチドの酢酸塩をTFA塩から調製した。該溶液を、プロトン化したBio-Rex-70陽イオン交換樹脂に通した。ベッド容量の5倍量の水で該樹脂を洗浄し、樹脂に結合したペプチドを水中の50%酢酸で溶出した。該溶出物を水で希釈し、凍結乾燥した。
Vydac C18、5μm、4.6×254mmの逆相シリカカラムを使用する2つの分析用逆相HPLC方法により、最終的な凍結乾燥粉末を純度に関して分析した。2つの溶媒系(アセトニトリルで修飾した、トリエチルアミンホスファートでpH2.25に調整した水の勾配;およびアセトニトリルで修飾される水中の0.1%TFAの勾配)を使用した。該カラム溶出物を215nmでモニターした。各産物が何であるかは、アミノ酸分析および電子分光(electrocopy)−質量分析により確認した。
つぎにGLP-2アンタゴニストを、以下の実施例2に記載のとおりに製剤化した。特に示さない限り、GLP-2アンタゴニストのそれぞれは、室温で完全に水溶性であった。
実施例2:GLP-2アンタゴニストの製剤化
GLP-2アンタゴニストを、リン酸緩衝生理食塩水中またはゼラチン含有デポー製剤として注射用に製剤化した。PBSで製剤化するGLP-2アンタゴニスト製剤の場合には、まず、80gのNaCl(BDH ACS 783)、2gのKCl(BDH ACS 645)、11.5gのNa2HPO4(Anachemia AC-8460)および2gのKH2PO4(Malinckrodt AR7100)を使用して10×ストックPBS溶液を調製し、これを無菌蒸留水で1リットルの合計容量にした。該ストック溶液を無菌蒸留水で10:1希釈することにより最終的なワーキング溶液を得、必要に応じて、十分な容量の10N NaOHを使用してこれをpH7.3〜7.4に調整した。ついで該ワーキング溶液を30分間、高圧滅菌した。最終的なワーキングPBS溶液において、濃度は、137mM NaCl、2.7mM KCl、4.3mM Na2HPO4・7H2Oおよび1.4mM KH2PO4であった。
所望のペプチド濃度を有する製剤を得るのに要求されるとおりに、粉末化ペプチドとしてのGLP-2アンタゴニストを該ワーキングPBS溶液に加えた。例えば、130mg/lのGLP-2アンタゴニストのPBS溶液を得るために、5.2mgのGLP-2アンタゴニストを40mlのPBSに溶解して130μg/mlの濃度のGLP-2アンタゴニストを得、濾過滅菌した。0.5mlのGLP-2アンタゴニスト溶液を毎日2回注射した。
ゼラチンをベースとしたGLP-2アンタゴニスト製剤を得るためには、まず、12グラムのゼラチン(Sigma,ブタの皮膚からのG-8150 Lot #54HO7241 Type A[9000-70-8]〜300ブルーム(Bloom))を100mlの蒸留水に溶解することにより、ゼラチン溶液を調製した。ついで該ゼラチン溶液を高圧滅菌し、37℃で加温し、前記のとおりにリン酸緩衝生理食塩水に予め溶解したGLP-2アンタゴニストを加えて、特定の所望のペプチド濃度を得た。例えば、130mg/lの濃度のGLP-2アンタゴニストの、ゼラチンをベースとしたPBS溶液を得るためには、5.2mgのGLP-2アンタゴニストで調製した10mlのPBS溶液を、前記で最初に説明した30mlの20%ワーキングゼラチン溶液で希釈した。穏やかにピペッティングすることにより該溶液を混合して、PBS/15%ゼラチン中の130mg/l GLP-2アンタゴニストの最終溶液を得た。
実施例3:ジペプチジルペプチダーゼIVに対する抵抗性に関するアッセイ
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)に対する抵抗性に関して、以下のペプチドを試験した:対照ペプチドであるラットGLP-2、[D-Ala2]ラットGLP-2アゴニスト、および[Gly2]ラットGLP-2アゴニスト。また、DPP-IV抵抗性に関して、以下のペプチドも試験した:[Gly2,Ala15]GLP-2、[Gly2,Ala22]GLP-2、[Gly3,Ala29]GLP-2、[Gly2,Ala32]GLP-2、[Gly2,Ala33]GLP-2、[Leu2]GLP-2、[Glu2]GLP-2、[Arg2]GLP-2、[Trp2]GLP-2、[PO3-Tyr2]GLP-2および[Cys2]GLP-2。該アッセイを行なうために、50%グリセロール、10mM Tris(pH7.8)、EDTAおよび0.02%NaN3中に0.125ミリ単位(mU)の酵素を含有するヒト胎盤DPP-IV(Calbiochem,La Jolla,CA,cat.#317624)の溶液2.5マイクロリットル(μl)を、pH7.4のPBS中0.2mg/mlの濃度で調製した試験ペプチドの溶液50μlに加えた。該混合物を循環水浴中37℃で24時間インキュベートした。PBS中4mg/mlの濃度で調製したジプロチンAの溶液50μlを加えることにより、該インキュベーションをクエンチした。各ペプチドは、二連で試験した。
逆相(RP)HPLCにより各サンプルを以下のとおりに分析した。クエンチしたインキュベーション混合物90μlをRainin Dynamax 300Å、C18、5ミクロン、4.6×250ミリメートルのカラム上に注入した。直線勾配および1ml/分の流速により、0.1%アセトニトリルで修飾される水中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)で該サンプルを溶出した。サンプル成分を214ナノメートル(nm)で検出した。切断産物に対応するピークの相対積分により(残りの未消化親ペプチドのものと比較した)、切断の度合を測定した。対照ペプチドであるラットGLP-2(1-33)の切断産物(これは、ラットGLP-2(3-33)であるはずである)が残基Ala2とAsp3との間の切断から生じたことが、この成分の保持時間を合成ペプチド標準(ラットGLP-2(3-33))の保持時間と比較し、HPLCから該産物を集め、質量分析により分析することにより確認した。
24時間のインキュベーション後、対照ペプチドであるラットGLP-2の22%をDPP-IVにより切断した。ペプチド[D-Ala2]ラットGLP-2、[Gly2]ラットGLP-2、[Gly2,Ala15]GLP-2、[Gly2,Ala22]GLP-2、[Gly2,Ala29]GLP-2、[Gly2,Ala32]GLP-2、[Gly2,Ala33]GLP-2、[Leu7]GLP-2、[Glu2]GLP-2、[Arg2]GLP-2、[Trp2]GLP-2、[PO3-Tyr2]GLP-2および[Cys2]GLP-2に関しては、24時間後、切断産物は検出されなかった。
実施例4:マウスへの投与によるGLP-2アンタゴニストの評価
投与対象は、Charles River Laboratory(Ontario,Canada)から入手したCD1マウスであった。特に示さない限り、これらのCD1マウスは、注射時の齢を6週齢に一致させた雌であった(1群当たりn=3〜4)。各実験の開始前に該動物を、最低24時間、実験施設に順応させた。動物を耳パンチにより標識した。実験中、該マウスには餌や行動に制限を課さなかった。明期/暗期の周期は、午後6から午前6時までの12時間であった。対照は齢および性別を一致させた動物であった(n=3〜4)。PBSの合計容量0.5cc中のペプチド2.5μgを、マウスに1日2回(b.i.d)皮下注射し、該マウスを実験施設内で毎日モニターした。動物を、注射の10日または14日後に屠殺した。屠殺する前に少なくとも20時間、絶食させた。
該マウスをCO2で麻酔し、心臓穿刺により採血した。血液を75μlのTED(Trasysol;EDTA(5000KIU/ml:1.2mg/ml;ジプロチン-A))中に集め、該血液を14k×gで5分間遠心分離し、分析前に血漿を−70℃で保存した。腹膜腔から小腸(幽門から盲腸まで)を摘出し、洗浄し、秤量し、測定した。比較のために、各動物からの切片を、同じ解剖学的位置から得た。近位空腸、遠位空腸および遠位回腸を表す組織形態計測のために幽門から8±2cm、18±2cm、32±2cmの位置から、それぞれ1.5〜2.0cmの長さの断片を得た。各小腸断片を、組織ブロック中、その腸間膜対側縁上で縦方向に開き、ついで10%ホルマリン(vol./vol.)上に一晩配置し、ついで70%ETOHに移した。
ビヒクルのみで処理したマウスに対する、アンタゴニストで処理したマウスの腸重量の平均変化を、ビヒクルのみで処理したマウスの平均腸重量で割り、この数字に100を掛けることにより、小腸の重量の変化率(%)を計算した。
これらの結果は、アラニン残基による15、29、32または33位の保存残基の置換を含有するヒトGLP-2のアンタゴニストをマウスに注射すると、実際に、小腸の重量が減少することを証明している。これに対して、これらの位置に野生型残基を含有する(しかし、Gly2置換を含有している)ヒトGLP-2の類似体を同じ実験プロトコールでマウスに注射すると、小腸の重量は増加するであろう(データは示していない)。したがって、本発明者らは、15、29、32または33位の残基の置換が、GLP-2の機能的活性を部分的に損ない、GLP-2アンタゴニストを与えると結論する。
さらに、このデータはまた、Gly以外のアミノ酸残基(特に、Leu、Glu、Arg、Trp、Cys、PO3-TyrおよびPhg)によるAla2位の置換がアンタゴニスト活性を与えるという非常に驚くべき結果を示している。
実施例5:GLP-2とのマウスへの共投与によるGLP-2アンタゴニストの評価
候補ペプチドアンタゴニストおよびラットGLP-2を、示されているとおりにアンタゴニスト25μg/GLP-2 2.5μg(リン酸緩衝生理食塩水0.5ml当たり)(10:1の比の場合)またはアンタゴニスト12.5μg/GLP-2 2.5μg(リン酸緩衝生理食塩水0.5ml当たり)(4:1の比の場合)の最終比率が得られるようにPBSに溶解した。該アンタゴニスト/GLP-2混合物を6〜8週齢のCD1雌マウスに皮下投与した。この場合、注射したペプチドの量は、アンタゴニスト25μg/GLP-2 2.5μg(0.5ml中、1日2回)またはアンタゴニスト12.5μg/GLP-2 2.5μg(0.5ml中、1日2回)であった。10〜14日後、ペプチドを注射したマウスおよび対照マウス(生理食塩水を注射したマウス)を屠殺し、小腸の重量を測定した。
これらの結果は、GLP-2の最初の1〜4個の残基の欠失が、実験マウスへの同時注射の際にラットGLP-2の腸栄養活性に拮抗するアンタゴニストを与えることを示している。これらの結果は、少なくとも2つの理由で有意義なものである。まず第1に、このデータは、GLP-2ペプチドの最も遠方の(extreme)アミノ末端が、GLP-2の腸栄養効果に関与していることを示している。したがって、欠失の代わりに、この末端を破壊する他の改変、例えば、逆の特性を有するアミノ酸での置換もまた、得られる類似体にアンタゴニスト活性を伝える可能性があるであろう。第2に、アンタゴニストおよびGLP-2の共投与は、GLP-2の腸栄養効果を減少させ、または更には除去するように作用するであろう。したがって、GLP-2の過剰の産生が生じた状態にある患者、例えば、GLP-2を分泌する及び/又はGLP-2ペプチドに栄養的に応答する腫瘍を有する患者に、GLP-2のアンタゴニストを投与することができる。
文献の援用
引用したすべての特許、特許出願および刊行物を、参考として本明細書に組入れることとする。
均等物
以上の明細書の記載は、当業者が本発明を実施するのに十分なものである。実際には、分子生物学、タンパク質化学、医学の分野または関連分野の当業者に明らかな、本発明の実施のための前記手段の種々の改変が、以下の請求の範囲の範囲内に含まれると意図される。
Claims (18)
- 第1参照哺乳動物GLP-2のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドであって、該ポリペプチドが、GLP-2(2-33)、GLP-2(3-33)、GLP-2(5-33)、[Gly 2 ,Ala 15 ]GLP-2、[Gly 2 ,Ala 22 ]GLP-2、[Gly 2 ,Ala 29 ]GLP-2、[Gly 2 ,Ala 32 ]GLP-2、[Gly 2 ,Ala 33 ]GLP-2、[Trp 2 ]GLP-2、[PO 3 -Try 2 ]GLP-2および[Cys 2 ]GLP-2よりなる群から選ばれ、GLP-2アンタゴニスト活性を示す、前記ポリペプチド。
- 前記参照哺乳動物GLP-2が、ヒトGLP-2、デグーGLP-2、ウシGLP-2、ブタGLP-2、モルモットGLP-2およびハムスターGLP-2よりなる群から選ばれる、請求項1に記載のポリペプチド。
- 前記参照哺乳動物GLP-2がヒトGLP-2である、請求項1または2に記載のポリペプチド。
- Asp 15 、Phe 22 、Thr 29 およびThr 32 よりなる群から選ばれる位置に置換を有する、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- GLP-2(2-33)である、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- GLP-2(3-33)である、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- GLP-2(5-33)である、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- (i)アミノ末端保護基、および(ii)カルボキシ末端保護基よりなる群から選ばれる1以上の置換を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- [Gly2,Ala15]GLP-2、[Gly2,Ala22]GLP-2、[Gly2,Ala29]GLP-2、[Gly2,Ala32]GLP-2および[Gly2,Ala33]GLP-2よりなる群から選ばれる、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- 治療的に有効な量のペプチド及び医薬上許容される担体を含んでなる、患者の小腸組織の増殖を抑制するための医薬組成物であって、前記ペプチドが、ラットGLP-2(2-33)、ラットGLP-2(3-33)、ラットGLP-2(5-33)、ヒト[Gly 2 ,Ala 15 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 22 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 29 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 32 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 33 ]GLP-2、ヒト[Leu 2 ]GLP-2、ヒト[Glu 2 ]GLP-2、ヒト[Arg 2 ]GLP-2、ヒト[Trp 2 ]GLP-2、ヒト[Cys 2 ]GLP-2、ヒト[PO 3 -Tyr 2 ]GLP-2およびヒト[Phg 2 ]GLP-2よりなる群から選ばれる、前記医薬組成物。
- 患者の小腸組織の増殖を抑制するための医薬の製造における、ラットGLP-2(2-33)、ラットGLP-2(3-33)、ラットGLP-2(5-33)、ヒト[Gly 2 ,Ala 15 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 22 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 29 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 32 ]GLP-2、ヒト[Gly 2 ,Ala 33 ]GLP-2、ヒト[Leu 2 ]GLP-2、ヒト[Glu 2 ]GLP-2、ヒト[Arg 2 ]GLP-2、ヒト[Trp 2 ]GLP-2、ヒト[Cys 2 ]GLP-2、ヒト[PO 3 -Tyr 2 ]GLP-2およびヒト[Phg 2 ]GLP-2よりなる群から選ばれるGLP-2の機能的アンタゴニストの使用。
- 前記医薬が、患者の小腸組織の過形成を減少させるか又は低形成を誘導するためのものである、請求項11に記載の使用。
- 前記医薬が、肥満に罹患している患者か、または化学療法または放射線療法での治療前に腸の休止を要する患者のためのものである、請求項11に記載の使用。
- 前記医薬が、胃腸疾患の病理的効果または症状を治療または改善するためのものである、請求項11に記載の使用。
- (1)(i)少なくとも1つのアミノ酸の欠失、および(ii)少なくとも1つのアミノ酸位置の、その位置に天然には存在しないアミノ酸による置換、および(iii)(i)及び(ii)の組合わせから選ばれる構造的改変を有するGLP-2類似体を得る工程、
(2)前記類似体の投与により非ヒト哺乳動物を処理する工程、および
(3)小腸の重量に対する該類似体の効果を、ビヒクルのみを与えた対照非ヒト哺乳動物との比較により判定し、それにより、GLP-2の機能的アンタゴニストを、前記小腸の重量の減少を惹起する類似体と同定する工程
を含んでなる、GLP-2アンタゴニストの同定方法。 - (1)(i)少なくとも1つのアミノ酸の欠失、および(ii)少なくとも1つのアミノ酸位置の、その位置に天然には存在しないアミノ酸による置換、および(iii)(i)および(ii)の組合わせから選ばれる構造的改変を有するGLP-2類似体を得る工程、
(2)前記類似体と、GLP-2またはGLP-2の腸栄養性類似体を共投与することにより、非ヒト哺乳動物を処理する工程、および
(3)小腸の重量に対する前記類似体の効果を、GLP-2のみ又はGLP-2の腸栄養性類似体のみを与えた非ヒト哺乳動物との比較により判定し、それにより、機能的アンタゴニストを、前記小腸の重量の増加の減少を惹起する類似体と同定する工程
を含んでなる、GLP-2アンタゴニストの同定方法。 - 前記GLP-2類似体の構造的改変が、最初の4個のN末端残基の任意の1〜4個の欠失である、請求項15または16に記載の方法。
- 前記GLP-2類似体の構造的改変が、Asp15、Phe22、Thr29、Thr32およびAsp33から選ばれる位置の置換である、請求項15または16に記載の方法。
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