JP4025516B2 - マウス代替方法、マウス代替プログラム、および同プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

マウス代替方法、マウス代替プログラム、および同プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マウス代替方法、マウス代替プログラム、および同プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(PC)を用いた各種情報処理においてユーザとの連携が必要となるプログラムでは、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を媒介としてユーザの入力を処理することが多い。例えばプログラムの起動や終了をはじめ、多くの機能がアイコンやメニュー等のオブジェクトの指示、選択や移動といった直感的に理解しやすいGUI操作によって実現させるという特徴がある。
【0003】
これらの操作の多くは、オブジェクトの選択を行うためのマウスや、文字を入力するためのキーボードといった、手の運動機能を用いた入力デバイスを必要とするため、市販のアプリケーションプログラムを含むこれらプログラムを両手の機能に障害を持つユーザがそのままの形で利用するためには専用の手段が必要となる。特に、肢体不自由者を対象としたパソコンの入力手段としては各種装置が開発されており、体の残存機能を利用してマウス操作を代替する方法、例えば随意に頭部を動かすことのできる障害者に対しては、その動きを用いて画面上のボタンやアイコンを指示する方法が開発されている。
【0004】
頭部の動きを用いたマウスの代替方法では、頭部に各種センサを装着し、その上下、左右の動きを検知する機構を具備したヘッドスペースポインターやヘッド・マスター・プラスのような製品や、ヘッドマウスのように反射マーカを頭部に添付し、CCDカメラ等によって撮影された動画像から画像処理によってマーカの領域に抽出する方法等の製品がある。
【0005】
他にも特開平10−320108や特開平7−141098のようにセンサやマーカを身体の可動部位に装着してポインティングを行う方法がある。
【0006】
なお、これらの製品や発明におけるセンサやマーカの装着位置は、原理的には身体の可動位置であればよく、例えば手や足等に装着しても操作は可能である。
【0007】
いずれの方法も抽出されたセンサの位置、あるいはマーカの座標位置は、適宜座標変換された後にパソコンのモニタ上にポインタとして表示される。これにより、マーカやセンサの上下、左右の動きによって画面上のアイコンやボタン等のオブジェクトを指示することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の方法によるPCの操作では、各種センサやヘッドセット、マーカ等の装着が必要である。これらは改良され、軽量コンパクトなものが開発されているものの、PCの操作時にのみ必要なものであるため、装着、固定を利用の都度行う必要があり、特に肢体不自由者の使用において操作者および介助者の負担となる。
【0009】
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、両手の不自由な障害者に対して装着物の必要がなくGUIを媒介としたプログラムの操作を可能にするマウス代替方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、目、口等の顔器官が持つ画像的特徴を利用し、ビデオカメラ等で顔を撮影した画像から特定の顔器官を追跡することで得られる座標を元にマウスポインタを移動させ、さらに意図的に目を閉じる、口を開ける等の表情の変化を検出することによってアイコン等のオブジェクトの選択、および当該オブジェクトに対する命令指示等を発行することでマウスの代替機能を実現するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のマウス代替方法は、
コンピュータの操作者の顔部位を撮影した入力画像の1フレームから顔器官を切り出した画像を第1のテンプレートとして登録し、
同時に入力画像における前記画像の位置を、ポインタの移動量および移動方向計算の基準となる点である操作基準点として登録し、
撮像機器を経由しフレーム単位で入力される入力画像内で前記第1のテンプレートが最も良く一致する領域の座標であるテンプレート位置座標検出し、
前記撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、該テンプレート位置座標と操作基準点との距離が一定値を越えた場合、予め記録された画像情報のかわりに現在のフレームで第1のテンプレートと最もよく一致する領域を切り出し、次のフレームにおける第1のテンプレートとして登録し、以降のフレームではテンプレートを随時更新しながら前記テンプレート位置座標の検索を行う一方、操作基準点からの距離が一定値以内に復帰した場合、予め記録された画像情報を再度第1のテンプレートとして登録し、以降のフレームにおいて前記テンプレート位置座標の検索を行い、
前記テンプレート位置座標と前記操作基準点の座標とから次フレームにおけるマウスポインタの位置座標を算出し、
該座標にマウスポインタを移動させる。
【0012】
この構成によれば、第1のテンプレート画像として操作者の顔器官の画像情報を用い、これを追跡することにより、操作者が顔を上下左右に動かすことに連動してPCのマウスポインタを移動させることが可能になる。
また、この構成によれば、操作者の顔の移動範囲が所定の領域内であった場合、同一の画像情報をテンプレートとして用いることにより処理の高速化を図る一方、操作者の顔の移動量が所定の範囲を越えた場合については、現在のフレーム内でテンプレートと最も一致する領域を次回のテンプレートとして登録し、テンプレートとする画像情報を逐次変更していくことによって、マッチングの精度を高めることができる。
【0013】
以上が、課題を解決するために講じた主要な手法である。
【0014】
さらに、本願では、以下に説明する手法を講ずる。
【0015】
本発明の他の実施態様では、前記操作者を撮影した入力画像から第1のテンプレートと同一の顔器官の異なる表情における画像情報を切り出して第2のテンプレートとして登録しておき、予め登録された指示命令を一定の規則で操作者に順次提示し、所望の指示命令が提示された時、操作者が一定時間にわたって表情を変化させることにより第2のテンプレートが一定時間あるいは一定数のフレームにわたって継続的に観測されたことを契機にして提示されている指示命令をOSに対して発行する。
【0016】
この構成によれば、シングルクリック、ダブルクリック等のマウスボタンに係る複数の指示命令が操作者に対して周期的に提示される一方、所望の指示命令が提示されたことに合わせて操作者が所定の動作を1回行うことにより、複数の指示命令から所望の1つを選択し、そのときにマウスポインタによって指示されているアイコン、ボタン等のオブジェクトに対して指示命令を発行することができる。
【0017】
本発明の他の実施態様によれば、撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、操作基準点を原点とするテンプレート位置座標の位置をPC画面の中央を原点とする座標に変換し、該座標にマウスポインタを表示する。
【0018】
この構成によれば、PC画面の中央を基準とし、マウスポインタを操作者が顔を動かす向きに、顔の移動量の大きさに比例した量だけ移動させるため、操作者が顔を動かすだけで画面上の任意の座標にマウスポインタを移動させることができる。
【0019】
本発明の他の実施態様によれば、撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、テンプレート位置座標の操作基準点からの方向および距離からマウスポインタの移動方向およびフレーム当りの移動量を決定する。
【0020】
この構成によれば、操作者が顔を動かす向きによってマウスポインタの移動方向を設定し、顔の移動量の大きさによって、マウスポインタの移動速度を設定するため、操作者が顔を動かすだけで画面上の任意の座標にマウスポインタを移動させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
第1の実施形態
第1の実施形態は、操作者の特定の顔器官を追跡し、マウスポインタを画面の中央から顔の移動量の大きさに比例した量だけ移動させ、同時に操作者の同一顔器官における表情変化を検出することを契機に指示命令をOSに対して発行する。
【0025】
図1は本発明の第1の実施形態のマウス代替方法を実施する装置のブロック図である。
【0026】
情報処理装置1は主制御装置11と記憶装置12と表示装置13と動画取得装置14とバス15を含み、動画取得装置14にはカメラ2が接続されている。
【0027】
主制御装置1はMPU,RAM等から構成され、情報処理装置1を統括的に管理している。このため、主制御装置1はマウス代替プログラム20としてのテンプレート画像登録部21、テンプレートマッチング部22、ポインタ座標算出部23、命令送出判定部24と、OS26が起動している。また、主制御装置11にはワープロソフト等のアプリケーションプログラム27も動作している。なお、OS26はマウスポインタの移動、およびマウスボタンのシングルクリック、ダブルクリック等のマウスに係る各種命令を実行する機能を有する。
【0028】
記憶装置12はハードディスク装置等から構成されている。記憶装置12にはマウス代替プログラム20、OS26、アプリケーションプログラム27等が格納されている。
【0029】
表示装置13は液晶モニタ等から構成され、ポインタの動きを含めた主制御装置11における処理結果を表示する。
【0030】
動画像取得装置14はカメラ2から得られた動画像を主制御装置11が具備するRAM内にフレーム単位で逐次取り込む機能を有する。なお、動画像取得装置14としては市販のビデオキャプチャボードが利用でき、カメラ2としては市販のCCDカメラ等が利用できる。
【0031】
次に、顔器官のテンプレートおよび操作基準点、テンプレート位置座標を図2により説明する。
【0032】
カメラ2によって操作者の頭部が撮影され、動画像取得装置14によって主制御装置11には図2に示すように顔の各器官を含む画像が入力画像として取り込まれている。なお、カメラ2は固定された状態で操作者の頭部を撮影しているものとする。
【0033】
図2(a)は操作者がカメラ2に対して正面を向いた状態の入力画像であり、この状態で眼、口等の顔器官部分の画像情報を切り出し、画像AとしてテンプレートToに登録する。以降の図は目部位をテンプレートとしたものである。同時に登録時の入力画像における画像Aの位置を操作基準点として登録する。操作基準点はポインタの移動量および移動方向計算の基準となる点であり、その座標は後述するテンプレート位置座標の初期値に等しい。
【0034】
なお、図2(a)では具体的な操作基準点として、画像Aの右下の座標を用いているが、切り出した画像中の特定の位置を基準にした座標であればこの限りではなく、例えば画像の中心が位置する座標を用いてもよい。
【0035】
ここで、図2(b)に示すように、操作者が顔を上下左右に動かせば、操作者の眼、口、鼻等の顔器官も移動する。そのため、入力画像にテンプレートToを重ねてテンプレートマッチングを行った場合、入力画像内でテンプレートToが最も良く一致する領域は顔器官の移動に伴って変化する。以降の説明では入力画像上でテンプレート画像Aが最も良く一致する領域の座標をテンプレート位置座標とする。なお、テンプレート位置座標の具体的な位置は、テンプレート画像において前述の操作基準点の定義で用いた基準座標と同様の位置を基準とした座標を用いる。また、テンプレート位置座標は、後述するポインタ座標算出部23で具体的なマウスポインタの移動量に変換される。
【0036】
また、図2(c)に示すように画像Aの撮影時とは異なる表情(目を閉じる、口を開ける等)における同一顔器官部分の画像情報を画像Aと同サイズで切り出し、画像BとしてテンプレートTcに登録する。図2(c)は目を閉じた状態である。
【0037】
次に、マウス代替プログラム20の機能を説明する。
【0038】
マウス代替プログラム20は前述したようにテンプレート画像登録部21、テンプレートマッチング部22、ポインタ座標算出部23、および命令送出判定部24から構成される。
【0039】
まず、テンプレート画像登録部21は、操作者の顔部位を撮影した動画像の1フレームから眼、口等の顔器官を切り出した画像AをテンプレートToとして登録する。同時に入力画像における画像Aの位置を操作基準点として登録する。さらに、画像Aの撮影時と同一顔器官における異なる表情の画像情報を切り出した画像BをテンプレートTcとして登録する。
【0040】
テンプレートマッチング部22は、与えられたテンプレート画像を用いて入力画像内でテンプレートマッチングを行う。テンプレートマッチングの結果、入力画像内におけるテンプレート位置座標を算出する。具体的には、逐次更新される動画像の1フレームにおいて、テンプレート画像を微小距離づつ移動させながらテンプレート画像と入力画像内で当該テンプレートが重なる領域との一致度を順次計算し、テンプレートが最もよく一致する領域の座標を出力する。
【0041】
一致度の尺度としては、テンプレート画像と入力画像との対応する画素間において濃度の残差を求める方法や相互相関係数を求める方法等がある。残差を用いた場合はその値が最小となる位置で最もよく一致したことを意味し、相互相関係数を用いた場合、その値が最大となる位置で最もよく一致したことを表す。
【0042】
なお、テンプレートのサイズをM×Nとし、テンプレートToおよびテンプレートToが重なる入力画像上の領域をそれぞれT(m,n),I(m,n)とすると、残差Rおよび相互相関係数Cは以下の式で与えられる。
【0043】
【数1】
Figure 0004025516
使用する一致度の尺度によって値の大小の意味付けが異なるが、以降の説明では一致度の値が大きいほど良く一致しているものとする。また、一致度を算出する際、カメラ2から得られた画像をそのまま用いることもできるが、一旦得られた画像に対し、濃淡画像化や抽出等の前処理を施した後に一致度を計算してもよい。
【0044】
テンプレートマッチング部22によって1フレームの走査を終了した後、テンプレートとの一致度が最大となった入力画像内の座標を新たなテンプレート位置座標として記録する。
【0045】
ポインタ座標算出部23は、テンプレートマッチング部22で得られたテンプレート位置座標を操作基準点の座標と比較し、テンプレートの移動量および移動方向をもとに次のフレームにおけるマウスポインタの位置座標を算出し、OS26に通知する。
【0046】
なお、操作基準点とテンプレート位置座標との距離が一定値を超えた場合、現在の入力画像においてテンプレートToと最もよく一致する領域を切り出し、予め記録された画像情報Aに代わり、次のフレームにおけるテンプレートToとして登録する。以降のフレームではテンプレートToを随時更新しながら検索を行う。一方、操作基準点からの距離が一定値以内に復帰した場合、予め記録された画像情報Aを再度テンプレートToとして登録し、以降のフレームにおける検索処理を行う。
【0047】
命令送出判定部24は、テンプレート位置座標の近傍で予め登録されたテンプレートTcを検索する。検索の手法は上記したテンプレートマッチングを用いる。命令送出判定部24は、操作者が一定時間にわたって表情を変化させることによりテンプレートTcが所定の時間あるいはフレーム数にわたって継続的に検出された場合、これを1単位として計数し、一定の時間内に計数された値に応じて予め登録された指示命令をOS26に対して発行する。ここで、指示命令とはマウスボタンの押し下げ、開放等に相当する命令であり、OS26に通知されることにより、現在マウスポインタが指示しているアイコン等のオブジェクトの選択、および当該オブジェクトに対する命令の指示を行うものである。
【0048】
なお、テンプレートToに対応するテンプレート位置座標と操作基準点との距離が一定値を超えた場合、該テンプレート位置座標の近傍でテンプレートTcに対し、最もよく一致する領域を切り出し、予め記録された画像情報Bに代わって次のフレームにおけるテンプレートTcとして登録し、以降のフレームではテンプレートTcを随時更新しながら検索を行う。一方、テンプレート位置座標と操作基準点との距離が一定値以内に復帰した場合、予め記録された画像情報Bを再度テンプレートTcとして登録し、以降のフレームにおける検索処理を行う。
【0049】
上記した動作をフレーム毎に繰り返し実行する。
【0050】
したがって、操作者が顔を動かせば、その向きに応じて表示装置3上のマウスポインタが移動し、表情を予め登録した表情に一定時間変化させればマウスポインタが指しているアイコン等のオブジェクトに対して所定の命令を発行することができる。これにより、顔の向きと表情によってPCの操作においてマウスを代替させることが可能になる。
【0051】
次に、第1の実施形態のマウス代替方法における処理を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
なお、以降の処理ではカメラ2は固定であり、操作者の顔部分を撮影しているものとする。
【0053】
まず、PCの操作者がカメラ2に対し静止した状態で眼、口、鼻等の顔器官を撮影した画像情報を画像Aとして記録するとともに画像AをテンプレートToに登録し、続いて異なる表情で同一操作者の顔器官を撮影し、得られた画像情報を画像Bとして記録するとともに画像BをテンプレートTcに登録する(ステップ101)。
【0054】
テンプレートToの入力画像内での位置座標を基準点(XO,YO)として記録し、また、操作者が顔を上下左右に動かした際の入力画像内でのテンプレートToの移動の上限Xmax,Ymaxおよび下限Xmin,Yminを記録する(ステップ102)。
【0055】
操作者が顔を動かした際に基準点からの距離が一定値を越えたか否かを示す距離フラグの初期値を"OFF"に設定し、同時にテンプレートTcとマッチする領域の有無を示す表情フラグの初期値を"OFF"に設定する(ステップ103)。
【0056】
なお、以降のステップ104〜134はフレームが更新される間、一定周期で連続的に実行される。
【0057】
フレームが更新されたか否かを判定する(ステップ104)。フレームが更新されない場合は処理を終了する(ステップ105)。
【0058】
一方、フレームが更新された場合には距離フラグの判定を行う(ステップ106)。距離フラグが“OFF”の場合、顔器官が基準点から一定の距離内にあるとみなし、テンプレートToに画像Aを登録し、テンプレートTcに画像Bを登録する(ステップ107)。距離フラグが“ON”の場合、顔器官が基準点から一定の距離以上離れているとみなし、テンプレートToに画像Anを登録し、テンプレートTcに画像Bnを登録する(ステップ108)。ここで、画像Anおよび画像Bnは過去のフレームで、それぞれテンプレートToおよびテンプレートTcと最もよくマッチした領域の画像情報であり、t番目のフレーム処理の際にはt-1番目のフレーム処理における画像情報がテンプレートとして用いられる。
【0059】
操作者の正面を撮影してテンプレートを作成した場合、顔を微小範囲だけ動かしても入力画像における顔領域の歪みは小さいため、一致度の高い領域が抽出されやすい。一方、顔を大きく動かした場合、個々の器官部分における画像の歪みが大きくなるため、単一のテンプレートによるテンプレートマッチングでは検出が困難になる。そのため、一定範囲より大きく移動した場合には、過去のフレームでテンプレートと最もよく一致した領域の画像情報を新たなテンプレートとして用いる。
【0060】
一致度Pを計算する(ステップ109)。具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。
【0061】
一致度Pの大小を比較し、入力画像内においてテンプレートToとの一致度が最も高かった領域の座標(x,y)をテンプレート位置座標として記録する(ステップ110)。
【0062】
テンプレート位置座標(x,y )と基準点(XO,YO)との距離Dを計算する(ステップ111)。
【0063】
x軸方向、y軸方向のテンプレート移動量をそれぞれdx,dyとすれば、
dx=x−XO
dy=y−YO
であり、距離Dは次式で求めれれる。
【0064】
【数2】
Figure 0004025516
距離Dと距離しきい値Thとを比較する(ステップ112)。もし、D≧Thであれば距離フラグを“ON”に設定する(ステップ113)。さらに、入力画像内においてテンプレートToとの一致度Pが最も高かった領域を新たなテンプレート用画像Anとして登録する(ステップ114)。一方、D<Thであれば距離フラグを“OFF”に設定する(ステップ115)。
【0065】
以降のフローチャートでは、OS26に対する命令の送出判定を行う。
【0066】
テンプレート位置座標(x,y)の近傍でテンプレートTcとの一致度Qを計算する(ステップ116)。一致度Qの具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。
【0067】
一致度Qをしきい値Tと比較する(ステップ117)。なお、一致度QをテンプレートToとの一致度Pと比較してもよい。
【0068】
ここで、Q≧Tの場合、表情フラグの判定を行う(ステップ118)。
【0069】
表情フラグが"ON"の場合、ステップ121に移行する。一方、表情フラグが"OFF"の場合は表情フラグを"ON"に設定し(ステップ119)、同時にこのときの時刻t1を記録する(ステップ120)。
【0070】
テンプレートTcを更新するか否かを距離フラグによって判定する(ステップ121)。距離フラグが"ON"の場合、テンプレートTcと最もよく一致する領域を切り出し、新たなテンプレート用の画像Bnとして登録する(ステップ122)。
【0071】
一方、Q<Tの場合、ステップ118と同様に表情フラグの判定を行う(ステップ123)。
【0072】
表情フラグが"OFF"であればステップ129に移行する。
【0073】
表情フラグがすでに"ON"であれば表情フラグを"OFF"に設定する(ステップ124)。同時にこのときの時刻t2を記録する(ステップ125)。
【0074】
時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にあるか否かを判定する(ステップ126)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にない場合、ステップ129に移行する。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にある場合、タイマを起動し"ON"にする(ステップ127)。表情カウンタをインクリメントする(ステップ128)。
【0075】
タイマの起動有無を判定する(ステップ129)。タイマが起動していない場合はステップ133に移行する。タイマが起動している場合、タイマの値を判定する(ステップ130)。
【0076】
タイマの値が一定値Kを超えていればOS26に対し所定の命令を発行し(ステップ131)、表情カウンタをリセットする(ステップ132)。
【0077】
タイマの値が一定値Kを超えていない場合、ステップ133に移行する。表情の変化が検出される時間、つまり表情フラグが“ON”である状態が一定の時間継続して検出されることを契機にして操作者が意図的に表情を変化させたことを検知し、表情カウンタをインクリメントする。表情の変化を繰り返し実行すること(例えば、目を複数回閉じる)により表情カウンタの値が増加する。その後、表情の変化が検出されない時間、つまり表情フラグがOFFの状態が継続して検出されることを契機にして表情カウンタの値に対応した命令を送出する。
【0078】
以上がOS26に対する命令の送出判定のフローである。
【0079】
次に、ポインタの移動量Px,Pyを算出する(ステップ133)。表示装置13の縦横の画面サイズをそれぞれH,Wとする。また、操作者が顔を上下左右に動かした際の入力画像内でのテンプレート移動の上限および下限はそれぞれ(Xmin,Ymin),(Xmax,Ymax)であり、前述したように、x軸方向,y軸方向のテンプレート移動量はそれぞれdx,dyである。
【0080】
テンプレートの移動範囲と表示装置13の縦横の画面サイズとの関係を定数Cx,Cyを用いて以下のように表す。
【0081】
W=Cx(Xmax−Xmin)
H=Cy(Ymax−Ymin)
定数Cx,Cyは、テンプレートの移動範囲と表示装置13の縦横の画面サイズとの比を表しており、表示装置13上のポインタ位置の座標をCx,Cyおよびテンプレート移動量(dx,dy)を用いて以下のように定義する。
【0082】
Px=Cx×dx
Py=Cy×dy
個々のフレームにおけるテンプレート位置座標を上記の式によって求める。これはテンプレートの移動量を拡大あるいは縮小し、表示装置13上に射影することを意味し、これにより、操作者が正面を向いて顔を静止させると、ポインタが画面中央で静止する一方、顔をいっぱいに移動させ、ステップ102におけるテンプレートToの移動の上限Xmax,Ymaxおよび下限Xmin,Yminに達すると顔を移動させた方向の画面の端にポインタが移動する。
【0083】
表示装置13上の座標Px,Pyにポインタを移動させる(ステップ134)。
【0084】
一定時間の経過をタイマで計測する以外にカメラ2から得られる動画像のフレーム数をカウントし、カウント数が一定の値を超えた場合に意図的な表情の変化があったとみなすことができる。
【0085】
第2の実施の形態
第2の実施の形態は、操作者の特定の顔器官を追跡し、操作者が顔を向けた方向にマウスポインタを移動させる。その際、顔の移動量の大きさに対応してマウスポインタの移動速度を制御する。また、正面方向を向いているときの操作者の表情変化を検出することを契機に指示命令をOS26に対して発行するものである。
【0086】
図4は第2の実施形態のマウスの代替方法が実施される情報処理装置のハードウェア構成図で、図1に示す第1の実施形態とはポインタ座標算出部23Aと命令送出判定部24Aのみが異なっている。
【0087】
第2の実施形態のマウスの代替方法における処理を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
なお、以降の処理ではカメラ2は固定であり、操作者の顔部分を撮影しているものとする。
【0089】
まず、PCの操作者がカメラ2に対し静止した状態で眼、口、鼻等の顔器官を撮影した画像情報を画像Aとして記録し、続いて異なる表情で同一操作者の顔器官を撮影し、得られた画像情報を画像Bとして記録し、テンプレートTcに当該画像Bを登録する(ステップ201)。
【0090】
テンプレートToの入力画像内での位置座標を基準点(XO,YO)として記録する(ステップ202)。
【0091】
操作者が顔を動かした際に基準点からの距離が一定値を超えたか否かを示す距離フラグの初期値を“OFF”に設定し、同時にテンプレートTcとマッチする領域の有無を示す表情フラグの初期値を“OFF”に設定する(ステップ203)。
【0092】
なお、以降のステップ204〜236はフレームが更新される間、一定周期で連続的に実行される。
【0093】
フレームが更新されたか否かを判定する(ステップ204)。
【0094】
フレームが更新されない場合は処理を終了する(ステップ205)。
【0095】
一方、フレームが更新された場合には距離フラグの判定を行う(ステップ206)。距離フラグが“OFF”の場合、顔器官が基準点から一定の距離内にあるとみなし、テンプレートToに画像Aを登録する(ステップ207)。距離フラグが“ON”の場合、顔器官が基準点から一定の距離以上離れているとみなし、テンプレートToに画像Anを登録する(ステップ208)。ここで、画像Anは過去のフレームでテンプレートと最もよくマッチした領域の画像情報であり、t番目のフレーム処理の際にはt―1番目のフレーム処理における画像情報がテンプレートとして用いられる。
【0096】
正面を撮影してテンプレートを作成した場合、顔の微小範囲だけ動かしても撮像された画像における当該顔領域の歪みは小さいため、一致度の高い領域が抽出されやすい。一方、顔を大きく動かした場合、器官部分における画像の歪みが大きくなるため、単一のテンプレートでは検出が困難になる。そのため、一定範囲より大きく移動した場合には、過去のフレームでテンプレートToと最もよくマッチした領域の画像情報を新たなテンプレートToとして用いる。
【0097】
一致度Pの計算を行う(ステップ209)。具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。一致度Pの大小を比較してテンプレートToと最もよく一致する領域の入力画像内での座標(x, y)をテンプレート位置座標として記録する(ステップ210)。
【0098】
テンプレート位置座標(x, y)と操作基準点(X0, Y0)との距離Dおよびテンプレート位置座標の操作基準点からの方向θを計算する(ステップ211)。
【0099】
x軸方向、y軸方向のテンプレート移動量をそれぞれdx, dyとすれば
dx=x―X0
dy=y―Y0
であり、距離Dは以下の式で求められる。
【0100】
【数3】
Figure 0004025516
方向θは以下の式で求められる
θ=tan-1 (dy/dx)
距離Dと予め定義したしきい値T1とを比較する(ステップ212)。0≦D<T1であった場合、マウスポインタの移動量VをV1にセットする(ステップ213)。0≦D<T1でなかった場合、ステップ214に移行し、予め定義したしきい値T1およびT2(T1<T2)と距離Dとを比較する(ステップ214)。
T1≦D<T2であった場合、マウスポインタの移動量VをV2にセットする(ステップ215)。T1≦D<T2でなかった場合、マウスポインタの移動量VをV3にセットする(ステップ216)。
【0101】
距離Dと距離しきい値Thとを比較する(ステップ217)。もし、D≦Thであれば距離フラグを“ON”に設定する(ステップ218)。さらに、入力画像内においてテンプレートToとの一致度Pが最も高かった領域を新たなテンプレート画像Anとして登録する(ステップ219)。一方、D<Thであれば距離フラグを“OFF”に設定する(ステップ220)。
【0102】
以降のフローチャートでは、OS26に対する命令の送出判定を行う。
【0103】
テンプレート位置座標(x, y)の近傍でテンプレートTcとの一致度Qを計算する(ステップ221)。一致度Qの具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。
【0104】
一致度Qをしきい値Tと比較する(ステップ222)。なお、一致度QをテンプレートToとの一致度Pと比較してもよい。
【0105】
ここで、Q≧Tの場合、表情フラグの判定を行う(ステップ223)。表情フラグが“ON”の場合、ステップ236に移行する。一方、表情フラグが“OFF”の場合は表情フラグを“ON”に設定し(ステップ224)、同時にこのときの時刻t1を記録する(ステップ225)。
【0106】
一方、Q<Tの場合、ステップ223と同様の表情フラグの判定を行う(ステップ226)。表情フラグが“OFF”であればステップ232に移行する。表情フラグが既に“ON”であれば表情フラグを“OFF”に設定する(ステップ227)。同時にこのときの時刻t2を記録する(ステップ228)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にあるか否かを判定する(ステップ229)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にある場合、タイマを起動し“ON”にする(ステップ230)。さらに、表情カウンタをインクリメントする(ステップ231)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にない場合、ステップ232に移行し、タイマの起動有無を判定する(ステップ232)。タイマが起動していない場合はステップ236に移行する。タイマが起動している場合、タイマの値を判定する(ステップ233)。タイマの値が一定値Kを超えていればOS26に対し所定の命令を発行し(ステップ234)、表情カウンタをリセットする(ステップ235)。タイマの値が一定値Kを超えていない場合、ステップ236に移行する。
【0107】
表情の変化が検出される時間、つまり表情フラグが“ON”である状態が一定の時間継続して検出されることを契機にして操作者が意図的に表情を変化させたことを検知し、表情カウンタをインクリメントする。
【0108】
表情が変化した回数を用いて種々の命令をOS26に送出する場合には、連続した入力と個別の入力とを区別する必要がある。そのため、表情カウンタを用いる。
【0109】
表情の変化を繰り返し実行すること(例えば、目を複数回閉じる)により表情カウンタの値が増加する。その後、表情の変化検出されない時間、つまり表情フラグが“OFF”の状態が継続して検出されることを契機にして表情カウンタの値に対応した命令を送出する。
【0110】
以上がOS26に対する命令の送出判定のフローである。
【0111】
ステップ211で求められた方向θに、ステップ212〜216で求められた移動量Vだけマウスポインタを移動させる(ステップ236)。
【0112】
ステップ212〜216においてV1=停止、V2=移動量小、V3=移動量大とすれば、しきい値が一定値より大きいとき、意図的に顔を動かしたとみなしてマウスポインタを顔の向きの方向に、顔の向きの量に応じた距離だけ移動させ、しきい値が一定値より小さいとき、すなわち顔の移動量が非常に小さい場合にはマウスポインタを移動させないようにすることができる。これにより意図しない顔の動きによって、マウスポインタが勝手に移動することを防ぐことができる。
【0113】
また、本実施形態ではマウスポインタの移動量を距離Dと2つのしきい値T1、T2(T1<T2)との大小関係に応じて決定するが、しきい値を多数用意し、距離Dとの大小関係に応じてマウスポインタの移動量を細かく設定することで、マウスポインタの速度制御がより細かく行えることは言うまでもない。
【0114】
さらに、本実施形態では顔の向きによって、任意の方向にマウスポインタを移動させるが、操作者の運動能力によっては顔の向きの微調整が困難な場合がある。そのような場合には、上下左右および斜め方向を含む8方向あるいは16方向を予め決めておき、θの値と最も近い方向にマウスポインタを移動させることにより、操作者は大まかな動きだけを組み合わせて所望の位置にマウスポインタを移動させることもできる。
【0115】
第3の実施の形態
第3の実施形態は、操作者の特定の顔器官を追跡し、操作者が顔を向けた方向にマウスポインタを移動させる。その際、顔の移動量の大きさに対応してマウスポインタの移動速度を制御する。また、正面方向に向いているときの操作者の表情変化を検出することを契機に指示命令をOSに対して発行するものである。
【0116】
図6は第3の実施形態のマウスの代替方法が実施される情報処理装置のハードウェア構成図で、図1の第1実施形態のものに、マウス代替プログラム20として、さらに入力補助領域表示部25を有し、命令送出判定部24Bが異なっている。
【0117】
入力補助領域表示部25を図7を用いて説明する。
【0118】
図7(a)は入力補助領域表示部25が提示する指示命令の一覧であり、シングルクリック、ダブルクリック等のマウスボタンに係る複数の指示命令を操作者に対して周期的に提示する。図7(b)は補助表示の例であり、シングルクリック、ダブルクリック等の動作名を一定の時間間隔で順次ハイライト表示するものである。図7(b)において、ハッチ表示されている矩形は現在有効な指示命令を表す。個々の指示命令は、所定の周期で繰り返し提示され、操作者は所望の指示命令が提示されたことに合わせて所定の動作を1回行うことにより、そのときに提示されている指示命令をOS26に通知する。
【0119】
第3の実施形態のマウスの代替方法における動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
なお、以降の処理ではカメラ2は固定であり、操作者の顔部分を撮影しているものとする。
【0121】
まず、PCの操作者がカメラに対し静止した状態で目、口、鼻等の顔器官を撮影した画像情報を画像Aとして記録し、続いて異なる表情で同一操作者の顔器官を撮影し、得られた画像情報を画像Bとして記録し、テンプレートTcに画像Bを登録する(ステップ301)。
【0122】
テンプレートToの入力画像内での位置座標を基準点(X0, Y0)として記録する(ステップ302)。
【0123】
操作者が顔を動かした際に基準点からの距離が一定値を超えたか否かを示
す距離フラグの初期値を“OFF”に設定し、同時にテンプレートTcとマッチする領域の有無を示す表情フラグの初期値を“OFF”に設定する(ステップ303)。
【0124】
なお、以降のステップ304〜332はフレームが更新される間、一定周期で連続的に実行される。
【0125】
フレームが更新されたか否かを判定する(ステップ304)。
【0126】
フレームが更新されない場合は処理を終了する(ステップ305)。
【0127】
一方、フレームが更新された場合には距離フラグの判定を行う(ステップ306)。距離フラグが“OFF”の場合、顔器官が基準点から一定の距離内にあるとみなし、テンプレートToに画像Aを登録する(ステップ307)。距離フラグが“ON”の場合、顔器官が基準点から一定の距離以上離れているとみなし、テンプレートToに画像Anを登録する(ステップ308)。ここで、画像Anは過去のフレームでテンプレートToと最もよくマッチした領域の画像情報であり、t番目のフレーム処理の際にはt―1番目のフレーム処理における画像情報がテンプレートToとして用いられる。
【0128】
一致度Pの計算を行う(ステップ309)。具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。
【0129】
一致度Pの大小を比較してテンプレートToと最もよく一致する領域の入力画像内での座標(x, y)をテンプレート位置座標として記録する(ステップ310)。
【0130】
テンプレート位置座標(x, y)と操作基準点(X0, Y0)との距離Dおよびテンプレート位置座標の操作基準点からの方向θを計算する(ステップ311)。
【0131】
x軸方向、y軸方向のテンプレート移動量をそれぞれdx, dyとすれば
dx=x―X0
dy=y―Y0
であり、距離Dは以下の式で求められる。
【0132】
方向θは以下の式で求められる
【0133】
【数4】
Figure 0004025516
θ=tan-1 (dy/dx)
距離Dと予め定義したしきい値T1とを比較する(ステップ312)。0≦D<T1であった場合、マウスポインタの移動量VをV1にセットする(ステップ313)。0≦D<T1でなかった場合、ステップ314に移行し、定義したしきい値T1および距離しきい値T2(T1<T2)と距離Dとを比較する(ステップ314)。T1≦D<T2であった場合、マウスポインタの移動量VをV2にセットする(ステップ315)。T1≦D<T2でなかった場合、マウスポインタの移動量VをV3にセットする(ステップ316)。
【0134】
距離Dと距離しきい値Thとを比較する(ステップ317)。もし、D≦Thであれば距離フラグを“ON”に設定する(ステップ318)。さらに、入力画像内においてテンプレートToとの一致度Pが最も高かった領域を新たなテンプレート画像Anとして登録する(ステップ319)。一方、D<Thであれば距離フラグを“OFF”に設定する(ステップ320)。
【0135】
以降のフローチャートでは、OS26に対する命令の送出判定を行う。
【0136】
テンプレート位置座標(x, y)の近傍でテンプレートTcとの一致度Qを計算する(ステップ321)。一致度Qの具体的な計算は前述した残差や相互相関係数を用いる。
【0137】
一致度Qをしきい値Tと比較する(ステップ322)。なお、一致度QをテンプレートToとの一致度Pと比較してもよい。
【0138】
ここで、Q≧Tの場合、表情フラグの判定を行う(ステップ323)。表情フラグが“ON”の場合、ステップ332に移行する。一方、表情フラグが“OFF”の場合は表情フラグを“ON”に設定し(ステップ324)、同時にこのときの時刻t1を記録する(ステップ325)。また、このとき提示されている指示命令を保持する(ステップ326)。
【0139】
一方、Q<Tの場合、ステップ323と同様の表情フラグの判定を行う(ステップ327)。表情フラグが“OFF”であればステップ332に移行する。表情フラグが既に“ON”であれば表情フラグを“OFF”に設定する(ステップ328)。同時にこのときの時刻t2を記録する(ステップ329)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にあるか否かを判定する(ステップ330)。時刻t2と時刻t1の差分が一定値以内にない場合、ステップ332に移行する。時刻t2と時刻t1の差分が一致値以上であった場合、ステップ326で保持された指示命令をOS26に通知する(ステップ331)
表情の変化が検出される時間、つまり表情フラグが“ON”である状態が一定の時間継続して検出されることを契機にして操作者が意図的に表情を変化させたことを検知し、そのときに提示されている指示命令をOSに通知する。
【0140】
以上がOS26に対する命令の送出判定のフローである。
【0141】
ステップ311で求められた方向θに、ステップ312〜316で求められた移動量Vだけマウスポインタを移動させる(ステップ332)。
【0142】
ステップ312〜316においてV1=停止、V2=移動量小、V3=移動量大とすれば、しきい値が一定値より大きいとき、意図的に顔を動かしたとみなしてマウスポインタを顔の向きの方向に、顔の向きの量に応じた距離だけ移動させ、しきい値が一定値より小さいとき、すなわち顔器官の移動量が非常に小さい場合にはマウスポインタを移動させないようにすることができる。これにより意図しない顔の動きによって、マウスポインタが勝手に移動することを防ぐことができる。
【0143】
また、本実施形態ではマウスポインタの移動量を距離Dと2つのしきい値T1、T2(T1<T2)との大小関係に応じて決定するが、しきい値を多数用意し、距離Dとの大小関係に応じてマウスポインタの移動量を細かく設定することで、マウスポインタの速度制御がより細かく行えることは言うまでもない。
【0144】
さらに、本実施形態では顔の向きによって、任意の方向にマウスポインタを移動させるが、操作者の運動能力によっては顔の向きの微調整が困難な場合がある。そのような場合には、上下左右および斜め方向を含む8方向あるいは16方向を予め決めておき、θの値と最も近い方向にマウスポインタを移動させることにより、操作者は大まかな動きだけを組み合わせて所望の位置にマウスポインタを移動させることもできる。
【0145】
なお、マウス代替プログラム20は、フロッピーディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD等の可搬性の記録媒体に記録してもよい。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は下記のような効果がある。
【0147】
第1のテンプレート画像としてPCの操作者の目、口、鼻等の顔器官の画像情報を用い、これを追跡することにより、当該操作者が顔を上下左右に動かすことによってPCのマウスポインタを上下左右に移動させることが可能であり、頭を上下左右に動かすことにより、ポインタをディスプレイ上で移動/静止させ、従来のマウスポインタに代わるポインティングデバイスとしての機能を果たすことができる。
【0148】
目を閉じる、口を開ける等、意図的に表情を変化させた際の目、口、鼻等の顔器官の画像情報を第2のテンプレート画像として予め登録しておくことで、操作者が一定時間にわたって意図的に目を閉じる、口を開ける等の意図的な動作を行った場合、これを検出してマウスのクリックに相当する指示指令をOSに発行することができる。
【0149】
目を閉じる、口を開ける等の予め登録した動作を所定の時間行うことによって、周期的に提示されるマウスコマンドの中から1つを選択することができる。
【0150】
操作者が顔を上下左右に動かすことによってPC画面の中央を原点として上下左右にマウスポインタを移動させることができる。
【0151】
操作者が顔を動かす向きによってマウスポインタを移動方向を制御でき、顔の移動量の大きさによって、マウスポインタの移動速度を制御することができる。
【0152】
操作者が顔を動かし、基準点から微小距離だけ顔を動かした場合には、同一の画像情報をテンプレートとして用いることにより処理の高速化を図る一方、顔を一定値以上動かした場合については、現在のフレーム内でテンプレートと最も一致する領域を時間のテンプレートとして逐次登録し、テンプレートとする画像情報を変更していくことによって、マッチングの精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のマウス代替方法が実施される情報処理装置のブロック図である。
【図2】テンプレート登録の模式図である。
【図3】第1の実施形態における処理のフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態のマウス代替方法が実施される情報処理装置のブロック図である。
【図5】第2の実施形態における処理のフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態のマウス代替方法が実施される情報処理装置のブロック図である。
【図7】補助表示による命令選択の模式図である。
【図8】第3の実施形態における処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 情報処理装置
2 カメラ
11 主制御装置
12 記憶装置
13 表示装置
14 動画像取得装置
15 バス
20 マウス代替プログラム
21 テンプレート画像登録部
22 テンプレートマッチング部
23,23A,23B ポインタ座標算出部
24,24A,24B 命令送出判定部
25 入力補助領域表示部
26 OS
27 アプリケーションプログラム
101〜134、201〜236、301〜332 ステップ

Claims (6)

  1. コンピュータの操作者の顔部位を撮影した入力画像の1フレームから顔器官を切り出した画像を第1のテンプレートとして登録し、
    同時に入力画像における前記画像の位置を、ポインタの移動量および移動方向計算の基準となる点である操作基準点として登録し、
    撮像機器を経由しフレーム単位で入力される入力画像内で前記第1のテンプレートが最も良く一致する領域の座標であるテンプレート位置座標を検出し、
    前記撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、該テンプレート位置座標と操作基準点との距離が一定値を越えた場合、予め記録された画像情報のかわりに現在のフレームで第1のテンプレートと最もよく一致する領域を切り出し、次のフレームにおける第1のテンプレートとして登録し、以降のフレームではテンプレートを随時更新しながら前記テンプレート位置座標の検索を行う一方、操作基準点からの距離が一定値以内に復帰した場合、予め記録された画像情報を再度第1のテンプレートとして登録し、以降のフレームにおいて前記テンプレート位置座標の検索を行い、
    前記テンプレート位置座標と前記操作基準点の座標とから次フレームにおけるマウスポインタの位置座標を算出し、
    該座標にマウスポインタを移動させる、マウス代替方法。
  2. 前記操作者を撮影した入力画像から第1のテンプレートと同一の顔器官の異なる表情における画像情報を切り出して第2のテンプレートとして登録しておき
    予め登録された指示命令を一定の規則で操作者に順次提示する一方、所望の指示命令が提示された時、操作者が一定時間にわたって表情を変化させ、第2のテンプレートが一定時間あるいは一定数のフレームにわたって継続的に観測されたことを契機に前記の提示されている指示命令をOSに対して発行する、請求項1に記載のマウス代替方法。
  3. 前記撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、操作基準点を原点とする該テンプレート位置座標の位置をコンピュータ画面の中央を原点とする座標に変換し、該座標にマウスポインタを表示する、請求項1に記載のマウス代替方法。
  4. 前記撮像機器からの入力画像に対し、第1のテンプレートに関するテンプレート位置座標と操作基準点とを比較し、該テンプレート位置座標の操作基準点からの方向および距離からマウスポインタの移動方向およびフレーム当りの移動量を決定する、請求項1に記載のマウス代替方法。
  5. コンピュータに請求項1から請求項4のいずれか1項記載のマウス代替方法を実行するマウス代替プログラム。
  6. コンピュータに請求項1から請求項4のいずれか1項記載のマウス代替方法を実行するマウス代替プログラムを記録した記録媒体。
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