JP4024678B2 - トランスクリプト情報のシンタックスに基づく番組分類方法および装置 - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の背景）
（発明の分野）
本発明は、番組の分類に関し、より詳細には、トランスクリプト（ｔｒａｎｓｃｒｉｐｔ）情報に存するシンタックスに基づく番組分類に関する。
【０００２】
（従来技術の説明）
テレビ番組の分類が知られており、テレビ放送信号を解析する多くの装置および方法で使用されている。伝統的に、番組の分類は、テレビ放送信号に含まれるＥＰＧ（電子的番組案内）データによって決定される。しかし、ＥＰＧデータが入手不能またはテレビ放送信号に含まれないとき、番組分類を容易に識別することは不可能である。
【０００３】
（発明の課題および概要）
したがって本発明の一目的は、トランスクリプト情報に基づいて番組のタイプを分類する装置および方法を提供することにある。
【０００４】
本発明の他の一目的は、トランスクリプト情報のシンタックスに基づいて番組を分類する装置および方法を提供することにある。
【０００５】
本発明の更なる一目的は、既知の番組分類方法につきものの諸欠点を克服する番組分類装置および方法を提供することにある。
【０００６】
本発明の一態様によれば、トランスクリプト情報のシンタックスに基づいて番組を分類する方法は、前記番組と関連する、複数の文を含むトランスクリプト情報を受け取るステップ、前記トランスクリプト情報の前記複数の文の少なくとも一文の特性を割り出すステップ、前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性を、関連する複数の番組タイプを有する文特性の一覧表と比較するステップ、および、前記比較ステップに基づき前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性に最も密接に関連する番組分類を選択するステップ、を含む。
【０００７】
本発明の上記の及びその他の目的、特徴および利点は、以下に示すように添付の図面と共に読まれるべきその詳細な説明から直ちに明らかになろう。
【０００８】
（好ましい実施形態の詳細な説明）
まず、図面のうち図１を参照し、本発明の装置の好ましい一実施形態を説明する。装置１００は、好ましくはトランスクリプト情報を含むオーディオ／データ／ビデオ信号を受け取るためのビデオ入力ポート１０２を含む。ビデオ入力ポート１０２には、前記オーディオ／データ／ビデオ入力信号からトランスクリプト情報を抽出するトランスクリプト情報抽出部１０４が接続される。前記オーディオ／データ／ビデオ入力信号がトランスクリプト情報（例えばクローズドキャプションのテキスト）を含まない場合、トランスクリプト情報は、音声からテキストを生成する既知技術を使用して生成する（あるいは第三者ソースから取得する）ことが可能である。前記入力信号のトランスクリプト情報部分は、いったん抽出され、それからすぐ、解析のためにキュー抽出部１０６に供給される。
【０００９】
キュー抽出部１０６は、複数組のキュー（ｃｕｅ）を含む知識データベース１０８に接続される。キューの各組は、特定の分類の番組タイプに関連する。前記キュー抽出部は、前記知識データベース内に存在するシンタックス・キューが出現するかどうか前記トランスクリプト情報を監視する。キューは、概ね、文のタイプ（疑問文、感嘆文、命令文、平叙文）および他の文特性（一人称、二人称、三人称）に関する。比較部（ｃｏｍｐａｒｉｔｏｒ）１１０が、前記キュー抽出部により識別されたキューを、前記知識データベースに含まれる情報と比較し、どの番組タイプが前記キュー抽出部により識別された文特性を有するかを調べる。トランスクリプト情報の解析のための所定の時間がいったん経過すると、トランスクリプト情報から抽出された前記キューとの一致を最も多く有するのはどの番組タイプかを調べるための比較が、選択部１１２によって行われる。識別されたキューを最も多く有する番組タイプが、選択部によって、番組分類として選択され、その結果が、出力される。
【００１０】
トランスクリプト情報のシンタックスに基づく番組分類のための方法が、図２に示される。トランスクリプト情報（ｔｒａｎｓｃｒｉｐｔ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）という用語は、テキスト、例えば、ビデオ（テレビ）番組の伝送（オーディオ／データ／ビデオ）信号と共に供給され、ビデオ番組の会話および会話にならない出来事に対応するクローズドキャプションのテキスト、または、ＥＰＧデータのような他のテキスト情報を指す意図である。トランスクリプト情報は、ビデオ・テキストまたはスクリーン・テキストから取得可能（例えば、ビデオの字幕を検知することによる）である。それには、抽出されたテキストについて光学文字認識（ＯＣＲ）を適用する。そうしたものは、例えば、１９９９年１１月１７日出願の「Ｖｉｄｅｏ Ｓｔｒｅａｍ Ｃｌａｓｓｉｆｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｍｂｏｌ Ｉｓｏｌａｔｉｏｎ Ｍｅｔｈｏｄ ａｎｄ Ｓｙｓｔｅｍ」と題する米国特許出願（ＵＳＳＮ０９／４４１９４３）及び１９９９年１１月１７日出願の「Ｓｙｍｂｏｌ Ｃｌａｓｓｉｆｉｃａｔｉｏｎ ｗｉｔｈ Ｓｈａｐｅ Ｆｅａｔｕｒｅｓ Ａｐｐｌｉｅｄ ｔｏ ａ Ｎｅｕｒａｌ Ｎｅｔｗｏｒｋ」と題する米国特許出願（ＵＳＳＮ０９／４４１９４９）に詳細に記載してあり、これらの文献の開示全体は、ここに参照として組み入れる（ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄ ｈｅｒｅｉｎ ｂｙ ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ）。前記オーディオ／データ／ビデオ信号がテキスト部分を含まない（すなわち、トランスクリプト情報を含まない）場合、トランスクリプト情報は、当該技術分野に知られている音声−テキスト変換のような既知技術を使用して生成可能である。また、トランスクリプト情報は、インターネット（ｔｈｅ ｉｎｔｅｒｎｅｔ）を利用して例えば『ＴＶガイド』（ＴＶ Ｇｕｉｄｅ）のような第三者ソース、から取得することも可能である。
【００１１】
本発明は、番組に関連するトランスクリプト情報は、既知のサーチ技術、例えばキーワード・サーチや統計学的なテキスト索引作成および検索、を使用して解析およびサーチが可能であるという知見に基づいている。概して、本方法は、各文ごとに、文のタイプおよび各文の主部、すなわち本質的には、文の文法的構造、を割り出すためにトランスクリプト情報の文を解析することを含む。この情報と、既知の傾向、すなわち特定の番組のタイプが特定の文のタイプ及び特定の主語、目的語を有しまた特定の話法の形式を各文に有すること（そのような情報は知識データベースに格納される）に基づいて、番組の分類（タイプ）に関する決定がなされる。
【００１２】
本方法は、番組に対応する放送信号がトランスクリプト情報を含むか否かを判定すること（ステップ１０）を含む。前記放送信号がトランスクリプト情報を含まない場合（ステップ１０でＮＯ）、トランスクリプト情報は上述したように既知技術を使用して生成可能であり、或いは、第三者ソースから取得することも可能である（ステップ１２）。
【００１３】
いったん取得されたトランスクリプト情報は、（以下に更に詳述されるように）トランスクリプト情報の文を類別するために、キーワード・サーチや統計学的なテキスト索引作成および検索をはじめとする、既知の自然言語処理方法を使用して解析される。ここで重要なことがある。番組のタイプを分類するためには特定の番組の全ての文を解析する必要はない、と留意されたい。番組のタイプを比較的高精度に分類するためでも、３０秒のトランスクリプト情報（または約５文〜１０文）の解析で充分なことが見出されている。また、テキスト情報の解析は、番組の開始時点から始める必要はなく、番組のどの部分から始めることも可能である、と留意されたい。
【００１４】
好ましい実施形態では、トランスクリプト情報を監視し、よって、文のタイプ（例えば、平叙文、疑問文、命令文および感嘆文）を割り出し（ステップ１４）、各文の主部（例えば、一人称、二人称、三人称）を割り出す（ステップ１６）。文のタイプおよび文の主部は、文脈自由文法および文脈感応文法をはじめとする、自然言語処理における周知の方法／モジュールを使用して割り出される。
【００１５】
文のタイプおよび文の主部に関する情報は、データベース（知識データベース）に格納された情報と比較される（ステップ１８）。データベースは、番組のタイプ（例えば、トークショー、ニュース番組、ホームコメディ、等々）のリストおよび、各番組に対応する既知の文特性を含む。解析された文の大多数の特性と最も緊密に一致する番組のタイプが、番組の分類として選択される。前記類別された文と比較される、データベースに格納されたいくつかの典型的な番組の文特性の一例には、以下のものが含まれる。
【００１６】
ホームコメディ： 一人称／二人称の主部、疑問文、感嘆文、「呼び鈴」「笑い」「声援」および「拍手」のようなトランスクリプト・テキストにおける追加的な脚注；
ニュース番組： 三人称の文、「Ｔｈｅ」で始まる多くの文。話法の形式は、典型的に、間接話法（ｉｎｄｉｒｅｃｔ）／間接話法（ｒｅｐｏｒｔｅｄ）。口語表現は多くない。；
インタビュー： ほとんどの文が「Ｙｏｕ」で開始する。文は通常は「対話基調」である。
【００１７】
番組を分類するために、各文について文のタイプおよび主部が割り出されるだけでなく、典型的には非言語的音声を識別するトランスクリプト情報中の追加的脚注の解析もなされる、ということも予見される。これらの追加的非言語的脚注は、例えば、呼び鈴、ノック、笑い声、クスクス笑い、声援および拍手を含む。
【００１８】
ホームコメディ、ニュース番組およびインタビュータイプの番組のみを上述してきたが、いかなるタイプの番組、例えば、スポーツ、演劇、スピーチ、等々も、それらのシンタックス・キューがデータベースに存在すれば、識別可能だろうと予見される。
【００１９】
添付の図面を参照しつつ本発明の好ましい特定の実施形態を説明してきたが、本発明はそうした厳密な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲により定義される発明の範囲および精神から逸脱することなしに当業者によって種々の変更および修正を加えることが可能なことが、理解されよう。例えば、本発明は、テレビ放送信号についての用途に照らして説明してされてきたが、本発明に係るシステムは、本発明に従ってサーチおよび処理可能なテキスト情報を作成するためのいかなる蓄積コンテンツ（ｓｔｏｒｅｄ ｃｏｎｔｅｎｔ）またはインターネットをベースにした信号を読み取るためのインターネット・アクセス可能なコンピュータや、オーディオ・プロセッサ（すなわちラジオ）とともに活用することも可能と予見される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明によるトランスクリプト情報のシンタックスに基づく番組分類のための装置のブロック図である。
【図２】 図２は、本発明に従う、トランスクリプト情報のシンタックスに基づく番組分類のための方法の流れ図である。

Claims (12)

1. トランスクリプト情報のシンタックスに基づいて番組を分類する方法であって、
   前記番組と関連する、複数の文を含むトランスクリプト情報を受け取るステップと、
   前記トランスクリプト情報を解析して前記トランスクリプト情報の前記複数の文の少なくとも一文の特性を割り出すステップと、
   前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性を、関連する複数の番組タイプを有する文特性の一覧表と比較するステップと、
   前記比較ステップに基づき、前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性に最も密接に関連する番組分類を選択するステップとを有し、
   前記特性は少なくとも文の種類を含み、前記文の種類は平叙文、疑問文、命令文及び感嘆文のうちの一つであることを特徴とする方法。
2. 前記特性は文の人称を含む、請求項１に記載の番組分類方法。
3. 前記文の人称は一人称、二人称および三人称のうちの一つである、請求項２に記載の番組分類方法。
4. 前記番組の前記分類は、ニュース番組、インタビュー番組およびホームコメディ番組のうちの一つである、請求項１に記載の番組分類方法。
5. 前記解析は自然言語処理を含む、請求項１に記載の番組分類方法。
6. 前記トランスクリプト情報は、クローズドキャプションのテキストを備えてなる、請求項１に記載の番組分類方法。
7. トランスクリプト情報のシンタックスに基づいて番組を分類する装置であって、
   前記番組と関連する、複数の文を含むトランスクリプト情報を受け取るためのトランスクリプト情報抽出部と、
   前記トランスクリプト情報を解析して前記トランスクリプト情報の前記複数の文の少なくとも一文の特性を割り出すためのキュー抽出部と、
   前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性を、知識データベースに格納された関連する複数の番組タイプを有する文特性の一覧表と比較するための比較部と、
   前記比較に基づき、前記複数の文の前記少なくとも一文の前記特性に最も密接に関連する番組分類を選択するための選択部とを有し、
   前記特性は少なくとも文の種類を含み、前記文の種類は平叙文、疑問文、命令文及び感嘆文のうちの一つであることを特徴とする装置。
8. 前記特性は文の人称を含む、請求項７に記載の番組分類装置。
9. 前記文の人称は、一人称、二人称および三人称のうちの一つである、請求項８に記載の番組分類装置。
10. 前記番組の前記分類は、ニュース番組、インタビュー番組およびホームコメディ番組のうちの一つである、請求項７に記載の番組分類装置。
11. 前記キュー抽出部によって実行される前記解析は自然言語処理を含む、請求項７に記載の番組分類装置。
12. 前記トランスクリプト情報は、クローズドキャプションのテキストを含む、請求項７に記載の番組分類装置。

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