JP4024427B2 - 線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力ディジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法および記録媒体に関し、特に、雑音のみの区間を抽出する処理を必要とせず、得られた係数が安定なものとして、雑音が付加された音声から高品質な線形予測係数を効率良く取得することができる線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に普及してきたパーソナルセルラフォン(PDC)やパーソナルハンディフォンシステム(PHS)などの各種携帯電話では、通話音声をディジタル化した後、このディジタル信号を所定の符号化方式で符号化して伝送する。たとえば、PDCのフルレート方式ではVSELP方式でディジタル信号を符号化し、ハーフレート方式ではPSI−CELP方式でディジタル信号を符号化する。また、音声入力を自動認識して相手番号をダイヤルするいわゆる音声ダイヤル機能を備えた携帯電話機も普及しつつある。
【0003】
かかる携帯電話は、周囲に多くの雑音源が点在する都市部で使用されることが多く、背景雑音が通話品質に与える影響が大きな問題となっているため、音声の背景雑音耐性を高める従来技術が知られている。
【0004】
たとえば、入力音声から背景雑音を抑圧し、伝送対象または認識対象となる音声を強調する従来技術として、S.F.Boll,”Suppression of Acoustic Noise in Speech Using Spectral Subtraction”,IEEE Trans. on ASSP ,Vol.27,No.2,pp.113-120(1979)に開示されるいわゆるSS法や、J.D.Gibson,B.Koo ,S.D.Gray,”Filtering of Colored Noise for Speech Enhancement and Coding”,IEEE Trans. on SP ,Vol.39,No.8,pp.1732-1741(1991)に開示されるいわゆるカルマンフィルタ法や、池田,板倉,”直交櫛形フィルタを用いた音声中の雑音抑圧”,信学技報,DSP96-70,SP96-45 ,pp.23-30(1996)に開示されるいわゆる直交櫛形フィルタ法などが知られている。また、特開平7−74709号公報には、VSELP分析パラメータを用いて精度良く雑音レベルを推定する技術が開示されている。
【0005】
ところが、これらの従来技術によれば、背景雑音をある程度は抑圧できるものの、背景雑音を完全に雑音を除去することはできず、たとえば上記SS法によれば、人工的な雑音が重畳される。また、これらの従来技術の多くは、雑音のみの区間の推定などのようなそれ自体をおこなうことが困難な処理を伴う。
【0006】
このため、CELP系の音声符号化方式における各種パラメータの抽出を背景雑音が付加された音声に対して頑強にする従来技術も提案されており、特に、音質に強く係わる線形予測係数を背景雑音が付加された音声に対して頑強にする従来技術が注目されている。なお、この線形予測係数は、少ないパラメータで音声のフォルマント情報を表すことができるため、CELP系の音声符号化方式だけではなく、いくつかの音声認識手法にも適用されている。
【0007】
たとえば、趙,島村,鈴木,”雑音補正による音声のLPC分析の改善”,信学論,Vol.81-A,No.11 ,pp.1583-1591(1998)(従来技術1)には、一連の音声から背景雑音のみの区間を抽出し、その区間の自己相関関数から雑音の自己相関関数を推定し、これを雑音が付加された音声から差し引くことによって、音声のみの自己相関関数を求め、求めた自己相関関数を用いて線形予測係数を求める技術が開示されている。
【0008】
また、國枝,島村,鈴木,”品質劣化音声のためのLPC分析の一改良法”,信学論,Vol.j80-A ,No.9,pp.1564-1566(1997)(従来技術2)には、有声音の自己相関関数が周期性を持つという性質と、ランダム性を持つ雑音の自己相関関数が0次付近の低次に集まる(高次の自己相関関数は無視できるぐらい小さい)という性質とを利用して、音声からピッチ周期Tを求め、T,T+1,…,T+N次の自己相関関数を、0,1,…N次の自己相関関数として、線形予測係数を求める技術が開示されている。
【0009】
【発明が解消しようとする課題】
しかしながら、この従来技術1によれば、簡易に線形予測係数を正しい線形予測係数に近づけることができる反面、雑音のみの区間を抽出するという極めて困難な処理を要する。
【0010】
また、上記従来技術2によれば、かかる従来技術1のように雑音のみの区間を抽出する処理を要せず、高品質な線形予測係数が得られる反面、得られた係数が不安定になりやすいという問題がある。
【0011】
このように、音質に強く係わる線形予測係数を背景雑音が付加された音声に対して頑強にし、音声の背景雑音耐性を高める上記従来技術1および2は、極めて有効な技術ではあるものの、雑音のみの区間を抽出するという極めて困難な処理を伴ったり、得られた係数が不安定になりやすいという問題があった。
【0012】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、雑音のみの区間を抽出する処理を必要とせず、得られた係数が安定なものとして、雑音が付加された音声から高品質な線形予測係数を効率良く取得することができる線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明に係る線形予測係数抽出装置は、入力ディジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出装置において、前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出する自己相関関数抽出手段と、前記自己相関関数抽出手段により抽出された自己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係数算出手段と、前記入力ディジタル音声信号のピッチを抽出するピッチ抽出手段とを備え、前記線形予測係数算出手段は、前記ピッチ抽出手段が抽出したピッチがTである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出する自己相関関数補正手段を有することを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明によれば背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数をより簡便に求めることができる。
【0019】
また、請求項の発明に係る線形予測係数抽出装置は、請求項の発明において、前記自己相関関数補正手段は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする。
【0020】
この請求項4の発明によれば、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求めることができる。
【0021】
また、請求項の発明に係る線形予測係数抽出装置は、請求項1又は2の発明において、前記線形予測係数算出手段は、前記線形予測係数の安定性を判定する予測係数安定性判定手段をさらに備え、該予測係数安定性判定手段の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することを特徴とする。
【0022】
この請求項5の発明によれば、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した安定な線形予測係数を求めることができる。
【0023】
また、請求項の発明に係る線形予測係数抽出方法は、入力ディジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出方法において、前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出する自己相関関数抽出工程と、前記自己相関関数抽出工程により抽出された自己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係数算出工程とを含み、前記線形予測係数算出工程は、前記入力ディジタル音声信号のピッチがTである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする。
【0024】
この請求項の発明によれば背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数をより簡便に求めることができる。
【0029】
また、請求項の発明に係る線形予測係数抽出方法は、請求項の発明において、前記線形予測係数算出工程は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする。
【0030】
この請求項の発明によれば、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求めることができる。
【0031】
また、請求項の発明に係る線形予測係数抽出方法は、請求項4又は5に記載の発明において、前記線形予測係数算出工程は、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することを特徴とする。
【0032】
この請求項の発明によれば、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した安定な線形予測係数を求めることができる。
【0033】
また、請求項の発明に係る記憶媒体は請求項の動作をコンピュータによって実現することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
まず最初に、この実施の形態に係る線形予測係数抽出装置の構成について図1および図2を用いて説明する。図1は、この実施の形態に係る線形予測係数抽出装置100の構成を示す機能ブロック図であり、図2は、図1に示す線形予測係数抽出装置100の各部が抽出または算出する自己相関関数および線形予測係数の次数を示す図である。
【0036】
図1および図2に示すように、この線形予測係数抽出装置100は、自己相関関数抽出部101と、ピッチ抽出部102と、自己相関関数補正処理部103と、線形予測係数算出部104と、予測係数安定性判定部105とからなる。
【0037】
同図に示す線形予測係数抽出装置100には、音声信号をディジタル化したフレームが入力され、具体的には、図1に示すようにマイクなどの音声入力装置110によって音声のアナログ信号を入力したならば、このアナログ信号を所定のサンプリング周波数や量子化ビットに基づいてA/D変換装置120でディジタル信号に変換し、このディジタル信号をフレーム構成装置130を用いて所定のサンプル数Lのフレームとして線形予測係数抽出装置100に入力する。
【0038】
このA/D変換装置120としては、サウンドボード、A/D変換器、サウンドコーディックなどを使用することができ、また、サンプル数Lは、人間の声の定常性からそのサンプリング周波数を8kHzとし240前後の値とすることができる。ただし、このサンプル数Lは他の値を用いても良く、また、ディジタル信号はフレーム構成装置に入力する前後に、図示しない高域フィルタ装置で直流付近の周波数成分を抑圧することもできる。
【0039】
自己相関関数抽出部101は、入力フレームの自己相関関数C(r)(r=0,1,…,M)を抽出する処理部である。この自己相関関数C(r)は、図2に示すように0〜M次のものであり、このMの値としては、人間の声の定常性からサンプリング周波数8kHzの場合で160前後の値が望ましいが、必ずしもこの値に限定されるものではない。なお、この自己相関関数抽出部101は、かかる入力フレームにハミング窓、ハニング窓または方形窓などの窓関数を適用した後に自己相関関数を抽出することもできる。
【0040】
ピッチ抽出部102は、入力フレームのピッチTを抽出する処理部であり、具体的には、このピッチ抽出部102では、ケプストラム法や自己相関法などを用いて入力フレームのピッチを抽出する。なお、自己相関法を用いる場合には、自己相関関数抽出部101によって抽出された自己相関関数C(r)を用いることができる。
【0041】
自己相関関数補正処理部103は、自己相関関数抽出部101により抽出された自己相関関数C(r)と、ピッチ抽出部102によって抽出された入力フレームのピッチTとを受け取り、C(r)およびC(r+T)(r=0,1,…,N)から、補正後の自己相関関数Ci(r)(r=0,1,…,N)を算出する処理部である。なお、このNの値としては、人間の声のホルマント特性から見て、サンプリング周波数8kHzで10の値が望ましいが、これに限定されるものではない。
【0042】
具体的には、パラメータである補間係数をα(0≦α≦1)としたときに、
Ci(r)=α・C(r)+(1−α)・C(r+T)
とする線形補間により、補正後の自己相関関数Ci(r)(r=0,1,…,N)を求める。なお、この自己相関関数Ci(r)は0〜N次であり、図2に示すように自己相関関数C(r)の次数Mよりも小さい。
【0043】
線形予測係数算出部104は、自己相関関数補正処理部103によって補正された自己相関関数Ci(r)を受け取り、線形予測係数a(r)(r=0,1,…,N)を算出する処理部であり、たとえばLevinson-Durbin の再帰解法などを用いる。なお、この線形予測係数a(r)の次数も、図2に示すように0〜N次である。
【0044】
予測係数安定性判定部105は、線形予測係数算出部104によって算出された線形予測係数a(r)を受け取り、安定性を判定する処理部である。具体的には、この線形予測係数a(r)から反射係数k(r)(r=0,1,…,N)を算出し、すべてのrについて、
−1<k(r)<1
を満たすか否かを調べ、すべてのrについてこの条件式が成立すれば安定であると判定し、ひとつでもrについてこの条件式を満たさないrが存在すれば不安定であると判定する。
【0045】
なお、かかる反射係数k(r)は、Levinson-Durbin の再帰解法の算出途中で逐次的に求められる値であるため、この予測係数安定性判定部105を線形予測係数算出部104に含め、線形予測係数a(r)を算出しながら安定性を判定して演算量を低減することもできる。
【0046】
この予測係数安定性判定部105は、線形予測係数a(r)に基づく安定性の判定結果が安定である場合には、この時点における線形予測係数a(r)を最終的に抽出された線形予測係数として出力する。なお、この線形予測係数a(r)の次数も0〜N次である。
【0047】
これに対し、判定結果が安定でない場合には、自己相関関数の補正方法を変更するよう自己相関関数補正処理103に指示をおこなう。かかる指示を受け付けた自己相関関数補正処理103は、この指示にしたがって補正方法を変更する。具体的には、この自己相関関数補正処理103が補正方法として線形補間を用いた場合には、補間係数αの初期値を所定の値(たとえば「0」)とし、このときの判定結果が不安定であれば、補間係数αの値を所定量(たとえば「0.1」)増加して、再度自己相関関数を再計算する処理を繰り返す。なお、補間係数αが1の場合には、安定性が保証されているため、最終的にα=1となるように初期値および増加値を設定すれば、必ず安定な値が得られる。
【0048】
上記構成を有する線形予測係数抽出装置100を用いることにより、低次な自己相関関数と高次な自己相関関数とを線形補間して安定な補間係数αを求め、背景雑音の影響を抑圧し、安定性の保証された線形予測係数を抽出することができる。
【0049】
次に、図1および図2に示した線形予測係数抽出装置100の処理手順について具体的に説明する。図3は、図1および図2に示した線形予測係数抽出装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
同図に示すように、この線形予測係数抽出装置100では、まず最初に自己相関関数抽出部101が入力フレームの自己相関関数C(r)(r=0,1,…,M)を抽出した後(ステップS301)、ピッチ抽出部102が入力フレームのピッチTを抽出する(ステップS302)。
【0051】
その後、自己相関関数補正処理部103が、自己相関関数C(r)および入力フレームのピッチTから、N次の自己相関関数Ci(r)(r=0,1,…,N)を算出し(ステップS303)、線形予測係数算出部104が、自己相関関数Ci(r)に基づいて線形予測係数a(r)(r=0,1,…,N)を算出する(ステップS304)。
【0052】
そして、予測係数安定性判定部105が、この線形予測係数a(r)に基づいて予測係数の安定性を判定し(ステップS305)、安定でない場合には(ステップS306否定)、補正方式を変更した後(ステップS307)、ステップS303に移行して、ステップS303〜S306の処理を繰り返す。
【0053】
これに対して、予測係数が安定となった場合には(ステップS306肯定)、この線形予測係数a(r)を最終的に抽出された線形予測係数として出力して(ステップS308)処理を終了する。
【0054】
上述してきたように、本実施の形態では、自己相関関数抽出部101が抽出した高次(M次)の自己相関関数C(r)とピッチ抽出部102が抽出したピッチTとに基づいて、自己相関関数補正処理部103が低次(N次)の自己相関関数Ci(r)を算出し、その後線形予測係数算出部104が線形予測係数a(r)を求め、予測係数安定性判定部105が予測係数の安定性を判定するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧し、安定性の保証された線形予測係数を抽出することができる。
【0055】
特に、高次の自己相関関数C(r)(r=0,1,…,M)を用いて低次の線形予測係数a(r)(r=0,1,…,N)を求めるよう構成しているため、背景雑音の自己相関関数が集中する低次の影響を小さくした線形予測係数、すなわち背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数を求めることができる。
【0056】
なお、かかる線形予測係数抽出装置100によって抽出された線形予測係数は、音声認識装置や音声符号化装置などの所定の装置に入力して、音声の認識または符号化に用いることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数をより簡便に求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0060】
また、請求項の発明によれば、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項の発明によれば、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧した安定な線形予測係数を求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0062】
また、請求項の発明によれば背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数をより簡便に求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0065】
また、請求項の発明によれば、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0066】
また、請求項の発明によれば、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧した安定な線形予測係数を求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0067】
また、請求項の発明によれば、請求項の動作をコンピュータによって実現することが可能な記録媒体が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施の形態に係る線形予測係数抽出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示す線形予測係数抽出装置の各部が抽出または算出する自己相関関数および線形予測係数の次数を示す図である。
【図3】図1および図2に示した線形予測係数抽出装置の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 線形予測係数抽出装置
101 自己相関関数抽出部
102 ピッチ抽出部
103 自己相関関数補正処理部
104 線形予測係数算出部
105 予測係数安定性判定部
110 音声入力装置
120 A/D変換装置
130 フレーム構成装置

Claims (7)

  1. 入力ディジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出装置において、
    前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出する自己相関関数抽出手段と、
    前記自己相関関数抽出手段により抽出された自己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係数算出手段と、
    前記入力ディジタル音声信号のピッチを抽出するピッチ抽出手段とを備え、
    前記線形予測係数算出手段は、前記ピッチ抽出手段が抽出したピッチがTである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出する自己相関関数補正手段を有することを特徴とする線形予測係数抽出装置。
  2. 前記自己相関関数補正手段は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする請求項に記載の線形予測係数抽出装置。
  3. 前記線形予測係数算出手段は、前記線形予測係数の安定性を判定する予測係数安定性判定手段をさらに備え、該予測係数安定性判定手段の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の線形予測係数抽出装置。
  4. 入力ディジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出方法において、
    前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出する自己相関関数抽出工程と、
    前記自己相関関数抽出工程により抽出された自己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係数算出工程とを含み、
    前記線形予測係数算出工程は、前記入力ディジタル音声信号のピッチがTである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする線形予測係数抽出方法。
  5. 前記線形予測係数算出工程は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出することを特徴とする請求項に記載の線形予測係数抽出方法。
  6. 前記線形予測係数算出工程は、予測係数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算出することを特徴とする請求項4又は5に記載の線形予測係数抽出方法。
  7. 前記請求項のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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