JP4024162B2 - Manufacturing method of casing for sausage - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、２本またはそれ以上の本数の天然腸ケーシングを特定の接着成分により接合して長尺のソーセージ用ケーシングを製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ソーセージ用の天然腸ケーシングは、従来から、羊腸、山羊腸、子羊腸のごとき羊由来のもの、豚小腸、豚大腸、豚胃のごとき豚由来のものや、牛大腸、牛小腸、牛膀胱、牛盲腸のごとき牛由来のものが用いられている。これらは上記動物の内蔵を原料とし、その内容物を取り去り、さらに内粘膜を除去し、洗浄した後、塩漬け保存される。
【０００３】
ソーセージ用の天然腸ケーシングとしては、これらのうちでも、サイズが均一で長さが長いものが、ソーセージ製造工程（特に充填工程）の生産性の観点から望まれているが、天然腸は、長いものでも太さが均一でなく、太い部分から細い部分までを含むため、天然腸を幾つかに切断して、太さ別に分けてユーザであるソーセージ製造工場に供給されている。また、該ケーシングに、天然腸から内容物、粘膜、脂肪等を取り除く工程で発生した傷やピンホールがあったり、洗浄不充分な部分や雑菌の発生等があったりすると、悪臭や着色が生じるばかりでなく、ケーシング自体が脆くなってソーセージ用としての使用に適さなくなる場合もある。したがって、このような場合は、問題の部分を除去した複数の短いケーシングとしてユーザに給せざるを得ない。さらに、ソーセージの製造工程における使用上の便宜を考慮して天然腸ケーシングを一定長に切り揃えて供給することもあるが、この場合は、どうしても天然腸ケーシングの切り端が発生する。
【０００４】
上述のように、天然腸ケーシングは、長さが短くしかも不揃いのため、コラーゲン、セルロース、プラスチック等からなる人工ケーシングのようにソーセージ製造工程で高速充填機により効率的にソーセージエマルジョンの充填作業を行うことが困難である。このため、上記充填作業の効率が劣るばかりでなく、ソーセージの竿掛け作業における端末処理作業にも多大の労力を必要としている。
【０００５】
このような問題を解決する方法として、２本またはそれ以上の本数の天然腸の端部同士をコラーゲン等のタンパク質やカルボキシメチルセルロース等の多糖類の粉末または水性分散液のような形態の接着剤成分と凝集架橋剤成分とを用いて接合することで繋ぎ合わせ、長尺のソーセージ用ケーシングを製造する方法が提案されている（特許文献１参照）。
しかし、従来提案されている方法では、接着剤成分で処理したケーシングを接合した後、さらに凝集架橋剤成分を反応させる処理が必要であるばかりでなく、接合した部分の接着強さが不十分なため、ソーセージ製造工程で接合部分が外れたりするトラブルが発生しやすく、かかる従来の方法は、実用性において十分なものとは言い難い。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００１−１２８６１３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、天然腸ケーシング同士を安定に接合して長尺のケーシングを製造する方法を提供することにある。さらに詳細には、従来知られた接着成分とは全く異なる新規な接着成分を使用して、凝集架橋剤の反応なしで、天然腸ケーシング同士を強固に繋ぎ合わせ、ソーセージ製造工程の効率化に寄与し得る長尺のケーシングを製造する方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意研究の結果、天然腸ケーシングの末端部分同士を接合する際、接着成分として、絹フィブロイン、特に、絹フィブロインを塩化カルシウム水溶液に溶解した溶液が有効であり、かかる接着成分の使用によって凝集架橋剤による処理を行うことなく良好に接合することでき、上述の課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】
すなわち、上述のごとき本発明の課題は、下記の方法により長尺の天然腸ケーシングを製造する方法により達成される。
（１） 予め飽和食塩水に浸漬してケーシングに含まれる遊離水分を除去した少なくとも２本の天然腸ケーシングをそれぞれの内腔が連通するよう接着成分により接合して長尺のケーシングを製造するに際し、接着成分として絹フィブロインを使用することを特徴とする製造方法。
（２） 絹フィブロインを塩化カルシウム水溶液に溶解した溶液として使用することを特徴とする上記（１）の製造方法。
（３） 絹フィブロインにより接合した後、酸性液に浸漬する上記（１）〜（２）の製造方法。
（４） 酸性液がクエン酸水溶液であることを特徴とする上記（３）の製造方法。
（５） 酸性液に浸漬した後、さらに脂肪族アルコール水溶液中に浸漬することを特徴とする上記（３）〜（４）の製造方法。
（６） 少なくとも２本の天然腸ケーシングを、それぞれパイプに通した状態で、飽和食塩水に浸漬して該ケーシングに含まれる遊離水分を除去した後、少なくとも一方のケーシングの端部に絹フィブロイン水溶液を塗布し、その部分の外周にもう一方のケーシングの端部を被せて、その状態を固定し、次いで、酸性液に浸漬した後、脂肪族アルコール水溶液に浸漬し、アルコール浸漬処理後に接合した長尺のケーシングをパイプから取り外すことを特徴とする上記（１）〜（５）の製造方法。
【００１０】
本発明の最大の特徴は、少なくとも２本の天然腸ケーシングをそれぞれの内腔が連通するよう接着成分により長さ方向に接合し（繋ぎ合わせ）て長尺のケーシングを製造する方法において、接着成分として絹フィブロインを使用することにある。絹フィブロイン（“繭フィブロイン”とも言われる）は、カイコの繭からセリシンを取り除いた残りの部分である。絹の原料となる繭は、芯となるタンパク質繊維のフィブロインが約７０重量％を占め、セリシンが約３０重量％を占めている。セリシンは水に溶けやすいため、繭を温水またはアルカリ性水溶液で処理することによって容易に除去される。残る絹フィブロインそれ自体は、水に難溶性であるが、本発明方法では、これをナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物やカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属のハロゲン化物の水溶液、あるいは、さらにこれらに脂肪族アルコールを加えて溶解性を向上させた溶媒系に溶解した絹フィブロインの水溶液として使用する。
【００１１】
従来の接合方法は、上述したように、ケーシングの接合部分に、ゼリー状になる水溶性食用成分、例えばタンパク質や多糖類等、を塗布し、その後、これらの成分を凝固させる種々の架橋剤中に浸して、上記成分がゼリー状に固まる性質を利用してケーシング同士を接着させるものである。
これに対し、本発明方法で接着成分として使用する絹フィブロインは、次のような特異な性質を有する。
ａ）絹フィブロインは、天然腸ケーシングの成分であるコラーゲンと同様、グリシンが全アミノ酸のうちモル比で１／３以上を占め、アミノ酸配列にグリシン−アラニンの構造を多数含んでいるため、絹フィブロインが水に溶けなくなる（膜形成あるいは不溶化する）際に、それらの配列を持ったペプチドが互いに水素結合を形成し易く、強固な接着を実現する。
ｂ）絹フィブロイン以外の動物性タンパク質は、凝固剤で処理して不溶化した後も、水に漬けると膨潤して再溶解し易くなり、接着能力が落ちるが、絹フィブロインは他のタンパク質と異なり、接着後に水に浸しても膨潤しない。すなわち、絹フィブロインは水と接触しても接着能力の低下が起こらない。
ところが、従来は、このような絹フィブロイン特有の接着力に関する知見が存在せず、天然腸の接着成分としては専ら他の成分の使用が検討されていたため、天然腸ケーシング間の十分な接着が実現できず、そのためソーセージ製造工程で繋ぎ合わせた部分が外れるというトラブルが避け難かった。
【００１２】
本発明方法では、 前述したａ）ｂ）の絹フィブロインの特性を最大限に生かすため、前処理として、接合すべきケーシングを飽和食塩水に浸して、該ケーシング内部に存在する遊離水分を除去（脱水）するのが適当である。このように飽和食塩水処理を終えたケーシングは、遊離の水分が失われることで、膨潤性がなくなり、絹フィブロインによる接着効果が促進される。
【００１３】
本発明方法において、少なくとも２本の天然腸ケーシングを、各内腔が連通するように互いに接合するには、例えば、接合すべき少なくとも２本の天然腸ケーシングをパイプに通し、接合する部分の周面に上述の絹フィブロイン溶液からなる接着液を塗布した後、その端部外周に他方のケーシングの端部の内径を拡げて被せることで重ね合わせ、その外側を糸、テープ、バンド等で緊縛して固定する。接着液中の塩化カルシウムの作用により、絹フィブロインを塗布した部分は強く収縮するため、このままでも接合が可能であるが、さらに、絹フィブロインのゲル化を完成させて接着力を高めるため、緊縛して重ね合わせ部を固定した状態にて酸性液に浸漬し、さらに、アルコール溶液に浸漬処理した後、接合した長尺のケーシングをパイプから取り外す方法を採用することが好ましい。
すなわち、本発明方法では、前述した１）と２）の絹フィブロインの特性を最大限に生かすため、接合前処理として、ケーシングを飽和食塩水に浸して、ケーシング内部の遊離水分を除去し、かつ接合後処理として、酸処理および脂肪族アルコール処理をこの順序で実施して絹フィブロインの接着力を高めることが推奨される。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい態様についてさらに具体的に説明する。
（接着成分の水溶液の調製）
本発明方法で接着成分となる絹フィブロインは、カイコの繭から得られるものである。カイコの種類は問わず、家蚕、野蚕のいずれでもよい。繭は必ずしも良質の繭である必要はなく、クズ繭でも有効に使用できる。これらの繭を重炭酸ナトリウム等のアルカリ性水溶液または熱湯で処理することによりセリシンが溶解除去され絹フィブロインが得られる。セリシンの除去作業は浴温度５０〜１００℃で行うのが効率的である。また、絹紡屑を精製（精錬）して得た絹フィブロインを使用することもできる。
【００１５】
この絹フィブロインは、本質的に水に難溶性であるため、本発明方法では、好適には、塩化カルシウム濃度４５〜５５重量％の水溶液に溶解した溶液として使用する。塩化カルシウム水溶液への絹フィブロインの溶解操作は常温で行ってもよいが、８０〜１００℃で攪拌下に１〜１２時間加熱を行うと良好に溶解を行うことができる。さらに、エタノール等の低級脂肪酸アルコールを適量添加混合して絹フィブロイン溶液中の低級脂肪酸アルコール濃度が５〜２０重量％となるように調製された塩化カルシウム濃度４５〜５５重量％の塩化カルシウム水溶液は、絹フィブロインの溶解性を著しく高めるので、本発明では特に好適である。なお、低級脂肪酸アルコールを含む塩化カルシウム溶液を使用する場合は、密栓または冷却管等を装着し、溶解操作中に低級脂肪酸アルコールの蒸発が抑えられるような条件を選ぶのが好ましい。
【００１６】
いずれの場合も、塩化カルシウム水溶液中の絹フィブロイン濃度は１〜２０重量％が好ましい。このように調製した絹フィブロイン溶液は、冷蔵庫中にて１０℃以下の温度で保存するのが適当である。
この絹フィブロイン溶液は、必要に応じてさらに別の添加剤を含んでも差し支えない。ただし、本発明ではこの溶液をソーセージケーシングの接合に使用するものであるから、食品加工用として不適当な成分は含有しない方が好ましい。
【００１７】
（天然腸ケーシングの前処理）
本発明方法では、材料となる天然腸のうちから、太さがほぼ同じものを選び、それぞれの端部同士を内径が連通するように接合して長尺のケーシングとするが、接合する各ケーシングの長さに制限はなく、接合後の長尺ケーシングに望まれる長さを考慮して適宜選定すればよい。ケーシングの太さも制限はないが、通常のソーセージ用ケーシングとしては一般に直径１．６〜２．８ｃｍのものが好ましい。
本発明方法では、接合すべき天然腸ケーシングは、予め飽和食塩水に浸して該ケーシング中の遊離水分を除去することが好ましい。この飽和食塩水による処理は、通常、室温中で、３０秒〜１０分間行うのがよい。飽和食塩水処理後、接合に供せられる。
本発明では上記の飽和食塩水処理によって接合すべき天然腸ケーシングに含まれる遊離水分を除去することが、絹フィブロインによる接着効果を十分に発現させる上で好ましい。
【００１８】
（接合操作）
２本の天然腸ケーシングを、各内腔が連通するように互いに接合するには、接合すべき少なくとも２本の天然腸ケーシングをそれぞれパイプに通し、一方の天然腸ケーシングにおける接合部分の外周面に、上述の接着成分すなわち絹フィブロイン水溶液を塗布する。絹フィブロイン水溶液の塗布は、刷毛やローラ等により接合すべき部分に直接塗布してもよく、天然腸の端部を絹フィブロイン水溶液中に浸漬することにより実施してもよい。
次いで、他方の天然腸ケーシングの端部をパイプから引き出し、該ケーシングの内径を拡げて絹フィブロイン水溶液を塗布したケーシングの外周上に被せるように重ね合わせ、該重ね合わせ部の外側を、糸、テープ、バンド等で緊縛して、重ね合わせた状態を固定する。
接着成分を塗布して重ね合わせる部分の長さは、天然腸ケーシングの末端から０．５ｃｍ〜２０ｃｍが適当である。重ね合わせる部分の長さが０．５ｃｍ未満では接合が弱く、２０ｃｍを超えるとその上にもう一方の天然腸ケーシングを被せるように重ね合わせる作業に困難が伴うばかりでなく、天然腸ケーシングの無駄が増えるからである。
【００１９】
なお、天然腸ケーシングの末端部を拡張は、手作業で行ってもよいが、適当な器具を用いてもよい、例えば、一定形状の器具としては、例えば、テーパーまたは逆テーパーのついたパイプが使用可能であり、膨張性のものとしては、例えば、細長いゴム風船、プラスチックやセルロース製のソーセージケーシング等内側から圧力等により膨らませることが可能な器具が使用可能である。また、通気性のある内管と通気性のない外管とからなる二重管内を減圧に保ち、この内管に天然腸の末端部分を入れてチューブ状に広げる等の方法を採用することもできる。
【００２０】
（後処理）
本発明方法では、さらに、上記の緊縛状態を保持したままで、酸性液に浸漬するのが好適である。酸性液としては、クエン酸、酢酸等の食用となり得る各種有機酸が適当であるが、特にカルシウム塩に対する脱塩効果に優れているクエン酸水溶液を使用すると絹フィブロインの接着増強効果が顕著であるので、好ましい。
上記酸性液における酸濃度は、ｐＨにして２．５〜５．５の範囲に調整するが好ましく、そのため、クエン酸ナトリウム等の塩類を添加して、酸性液のｐＨを調整するのがよい。また、酸性液への浸漬時間は５秒〜３０分程度がよい。
上記酸性液による処理（以下“酸処理”という）の後、さらに脂肪族アルコール水溶液処理を行うと一段と効果的である。ここで使用する脂肪族アルコールとしては、エタノールが好ましい。該脂肪族アルコール水溶液におけるアルコール濃度は２５〜９９．５重量％程度が適当である。アルコール水溶液の浸漬時間は５秒〜１時間程度がよい。
【００２１】
これらの酸処理およびアルコール処理は、接合した天然腸ケーシング全体を浸漬してもよく、接合部分のみを浸漬してもよいが、いずれもケーシングをパイプに通した状態で行うのが適当である。
酸処理およびアルコール処理後、緊縛を解除して、接合したケーシングをパイプから抜きとって長尺ケーシングの製品とする。
【００２２】
かくして本発明方法によれば、絹フィブロイン中に多数含まれるグリシン−アラニンが膜形成あるいは不溶化する際に、それらの配列を持ったペプチドがお互いに水素結合を形成しやすいため、接合部分において強固な接着を実現する。そして、絹フィブロインは、接着後、水に浸しても膨潤しない、すなわち水と接触しても接着能力の低下が起こらないため、接合部の接着が安定しており、当該ケーシングを用いてソーセージを製造する際に接合が外れる恐れがない。
【００２３】
本発明方法は2本の天然腸ケーシングの接合に限定されず、３本以上の天然腸を繋ぎ合わせて長尺のケーシングを製造する場合にも適用可能であり、必要に応じ１０本以上を順次接合して数十ｍに及ぶ長尺のケーシングを得ることができる。
【００２４】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【００２５】
［実施例１］
（絹フィブロイン溶液の調製）
家蚕の屑繭５０ｇを１〜２ｍｍ幅に切断し、中性洗剤でよく洗浄した後、濃度０．５重量％の重炭酸ナトリウム水溶液に投入し１００℃に３０分間加熱して、繭からセリシンを除去した。この操作を２回繰り返した。その後、室温に冷却した。
次に、このようにして得た絹フィブロインを流水で洗浄し、脱水した後、大気中で乾燥させた。その後、これをミキサーに入れて攪拌粉砕して綿状とした。そして、この綿状物を、濃度４５重量％の塩化カルシウム水溶液に入れて１００℃にて３時間加熱して溶解した。
得られた絹フィブロイン濃度１０重量％の溶液を室温まで冷却することで接着液（絹フィブロイン溶液）を調製し、これを使用時まで冷蔵保存した。
【００２６】
（接合する羊腸の準備）
塩漬けの羊腸を数本用意し、水洗して、塩抜きを行った。これとは別に、天然腸ケーシングをパイピングする場合に用いる直径が１ｃｍのパイプ２本を用意した。
塩抜きを行った天然腸の中から、２本の長さの合計が約１０ｍになるような２本の天然腸の組み合わせを選択し、それぞれのパイプに各々の天然腸をパイピングした。次に、パイプに通した両方の天然腸ケーシングの接着すべき部分を室温の飽和食塩水に５分間浸漬することで各ケーシング中の遊離した水分を除去した。
【００２７】
（接合作業）
パイピングされた天然腸ケーシングの一方の端部約５ｃｍを、冷蔵庫から取り出した上述の絹フィブロイン溶液に漬け、該天然腸ケーシングの端部約５ｃｍにわたり絹フィブロイン溶液を付着させた。その部分に、もう一方の天然腸ケーシングの端部約５ｃｍを拡げて被せ、被せて重なった部分の外周に糸を巻き付けて縛り２本の天然腸ケーシング同士を繋ぎ合わせた。そして、その部分を室温の濃度２重量％のクエン酸水溶液（ｐＨ４）中に５分間浸漬した。その後、さらに濃度９５重量％のエタノール水溶液に5秒間浸した後、巻き付けた糸を取り除き、パイプから取り外した。
【００２８】
（充填機によるテスト）
このように長さ１０ｍに繋ぎ合わせた天然腸ケーシング各１０本を作成し、充填機に供給して豚肉からなるソーセージエマルジョンの充填を行った。充填作業は順調に行われ、１０本の充填完了までにケーシング接合部の剥離や接合外れは全く認められず、充填機に十分対応できる接着力を有することが確認された。
以上の結果から分かるように、本発明方法で製造されたソーセージケーシングは、従来の人工ソーセージケーシングと同様に効率の良い充填作業を行うことが可能であることが確認できた。
【００２９】
［比較例１］
比較のため、実施例１と同様の天然腸を用意し、これらの２本ずつを、カルボキシメチルセルロース５重量％水性分散液を接着成分に用いて接合した後、接合部を糸で縛って、アンモニウム明礬水溶液中に浸して凝固させて、長さ１０ｍの長尺ケーシングを製造した。このようにして得られた長尺ケーシングを１０本用意し、実施例１と同様に充填を行った。この場合は、接合した長尺１０本のケーシングは、いずれも接合部分が外れて充填物がはみ出すトラブルが発生した。
【００３０】
［実施例２］
家蚕の屑繭５０ｇより実施例１と同様の方法で製造した絹フィブロインの綿状物を、エタノールを濃度１６重量％で含有する塩化カルシウム濃度５３重量％の、エタノール含有塩化カルシウム水溶液に入れて８０℃にて２時間加熱することで、接着液（絹フィブロイン濃度８重量％の溶液）を調製し、接合作業では、濃度５重量％のクエン酸水溶液（ｐＨ５．５）中に１０分間浸漬し、その後、濃度５０重量％のエタノール水溶液に３０分間浸した以外は、実施例１に従い、長さ１０ｍに繋ぎ合わせた天然腸ケーシング各１０本を充填機によるテストを行った。その結果、１０本の充填完了までにケーシング接合部の剥離や接合外れは全く認められず、実施例１と同等の効果が確認された。
【００３１】
【発明の効果】
以上のごとき本発明方法によれば、架橋剤処理なしに、長さが短くかつ不揃いの天然腸を適宜選び出して良好に繋ぎ合わせることが可能となり、長さのほぼ均等なソーセージ用ケーシングを製造することができる。しかも、繋ぎ合わせ部の接着は強固で充填作業中に接着部分が外れることはない。したがって、このケーシングを用いることによって、ソーセージ充填作業が途切れることが無く、さらに、竿掛け作業に於ける端末処理作業も少なくなり、ソーセージ製造を効率良く行うことが可能となる。
さらに、本発明方法では、従来廃棄されていた、クズ繭の有効活用が可能となり、省資源・環境面でも有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a long sausage casing by joining two or more natural intestine casings with a specific adhesive component.
[0002]
[Prior art]
Natural intestine casings for sausages have traditionally been derived from sheep such as sheep intestine, goat intestine, lamb intestine, those derived from pigs such as pig small intestine, pig large intestine, pig stomach, cow large intestine, cow small intestine, cow bladder, The thing derived from cattle such as cow cecum is used. These are made from the above animals, and the contents are removed, the inner mucous membrane is removed, washed, and then preserved in salt.
[0003]
Among these, as a natural intestine casing for sausage, those having a uniform size and a long length are desired from the viewpoint of the productivity of the sausage production process (particularly the filling process), but the natural intestine is long. Even the thing is not uniform in thickness and includes from a thick part to a thin part, so the natural intestine is cut into several parts and divided into different thicknesses and supplied to the sausage manufacturing factory which is a user. Also, if the casing has scratches or pinholes generated in the process of removing contents, mucous membranes, fats, etc. from the natural intestine, or if there are insufficiently washed parts or germs, bad odor or coloration will occur. In addition, the casing itself becomes brittle and may not be suitable for use as sausage. Accordingly, in such a case, the user has to supply the user as a plurality of short casings from which the problem portion has been removed. Furthermore, the natural intestine casing may be cut and supplied in a certain length in consideration of convenience in use in the sausage manufacturing process, but in this case, a cut end of the natural intestine casing is inevitably generated.
[0004]
As described above, natural intestine casings are short and uneven, so that sausage emulsion is efficiently filled by a high-speed filling machine in a sausage manufacturing process like an artificial casing made of collagen, cellulose, plastic, or the like. Is difficult. For this reason, not only the efficiency of the filling operation is inferior, but also a great deal of labor is required for the terminal processing operation in the sausage hanging operation.
[0005]
As a method for solving such a problem, an adhesive component in the form of a powder or aqueous dispersion of two or more natural intestine ends, such as a protein such as collagen, a polysaccharide such as carboxymethylcellulose, or the like. A method for producing a long sausage casing has been proposed (see Patent Document 1).
However, in the conventionally proposed method, not only a treatment for reacting the coagulation crosslinking agent component after the casing treated with the adhesive component is necessary, but also the bonding strength of the joined portion is insufficient. For this reason, troubles such as the joining part coming off in the sausage manufacturing process are likely to occur, and it is difficult to say that this conventional method is sufficient in practicality.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2001-128613 A
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for producing a long casing by stably joining natural intestine casings together. More specifically, using a new adhesive component that is completely different from the conventionally known adhesive components, the natural intestine casings are firmly connected to each other without the reaction of an aggregating crosslinking agent, contributing to the efficiency of the sausage production process. Another object of the present invention is to provide a method for manufacturing a long casing that can be used.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that when fibrin in the natural intestine casing is joined together, as a bonding component, silk fibroin, in particular, a solution of silk fibroin dissolved in an aqueous calcium chloride solution is used. It has been found that it is effective and can be satisfactorily bonded without using a cohesive cross-linking agent by using such an adhesive component, and the above-mentioned problems can be achieved.
[0009]
That is, the object of the present invention as described above is achieved by a method for producing a long natural intestine casing by the following method.
(1) When manufacturing a long casing by joining at least two natural intestine casings that have been previously immersed in a saturated saline solution to remove free water contained in the casing, with adhesive components so that the respective lumens communicate with each other. A production method characterized by using silk fibroin as an adhesive component.
(2) The method according to (1) above, wherein silk fibroin is used as a solution in which calcium chloride aqueous solution is dissolved.
(3) The manufacturing method of said (1)-(2) immersed in an acidic liquid, after joining by silk fibroin.
(4) The production method of (3) above, wherein the acidic solution is an aqueous citric acid solution.
(5) The method according to (3) to (4) above, wherein the method is further immersed in an aqueous aliphatic alcohol solution after being immersed in an acidic solution.
(6) After at least two natural intestine casings are respectively passed through pipes and immersed in a saturated saline solution to remove free water contained in the casing, an aqueous silk fibroin solution is provided at the end of at least one of the casings. The other end of the casing is put on the outer periphery of the part to fix the state, and then immersed in an acidic solution, then immersed in an aqueous aliphatic alcohol solution, and joined after the alcohol immersion treatment. The method according to (1) to (5) above, wherein the casing of the scale is removed from the pipe.
[0010]
The most important feature of the present invention is that in the method of manufacturing a long casing by joining (joining) at least two natural intestine casings in the length direction with an adhesive component so that the respective lumens communicate with each other, the adhesive component There is to use silk fibroin as. Silk fibroin (also called “cocoon fibroin”) is the rest of the silkworm cocoons with sericin removed. In silkworms which are raw materials for silk, fibroin, which is a protein fiber as a core, accounts for about 70% by weight, and sericin accounts for about 30% by weight. Since sericin is soluble in water, it can be easily removed by treating soot with warm water or an alkaline aqueous solution. The remaining silk fibroin itself is sparingly soluble in water, but in the method of the present invention, this is treated with an aqueous solution of an alkali metal halide such as sodium, potassium or lithium, or an alkaline earth metal halide such as calcium or magnesium, Alternatively, it is used as an aqueous solution of silk fibroin dissolved in a solvent system in which an aliphatic alcohol is further added to improve the solubility.
[0011]
As described above, the conventional joining method involves applying various water-soluble edible ingredients such as proteins and polysaccharides to the joining parts of the casing, and then coagulating these ingredients in various crosslinking agents. The casings are bonded to each other by utilizing the property that the above components harden in a jelly shape.
In contrast, silk fibroin used as an adhesive component in the method of the present invention has the following unique properties.
a) Silk fibroin, like collagen, which is a component of natural intestine casing, glycine occupies 1/3 or more of all amino acids in molar ratio and contains many glycine-alanine structures in the amino acid sequence. When they become insoluble in water (film formation or insolubilization), peptides having these sequences can easily form hydrogen bonds with each other, thereby realizing strong adhesion.
b) Animal proteins other than silk fibroin are treated with a coagulant and insolubilized, but when soaked in water, they become swollen and easily redissolved, resulting in a decrease in adhesive ability. However, silk fibroin is different from other proteins, It does not swell when immersed in water after bonding. That is, even if silk fibroin comes into contact with water, the adhesive ability does not decrease.
However, in the past, there was no knowledge of the adhesive strength unique to silk fibroin, and the use of other ingredients was considered exclusively as a natural intestine adhesive component, thus achieving sufficient adhesion between natural intestine casings. Because of this, it was difficult to avoid the trouble that the parts that were joined in the sausage manufacturing process were disconnected.
[0012]
In the method of the present invention, in order to make the best use of the properties of the silk fibroin of a) and b) described above, as a pretreatment, the casings to be joined are immersed in saturated saline to remove free moisture present in the casing ( It is appropriate to dehydrate). As described above, the casing that has been subjected to the saturated saline treatment loses free moisture, so that the swellability is lost, and the adhesion effect by silk fibroin is promoted.
[0013]
In the method of the present invention, in order to join at least two natural intestine casings to each other such that the respective lumens communicate with each other, for example, at least two natural intestine casings to be joined are passed through a pipe, After applying the adhesive solution consisting of the above-mentioned silk fibroin solution on the surface, it is overlapped by covering the outer periphery of the end with the inner diameter of the end of the other casing expanded, and the outside is bound with a thread, tape, band, etc. And fix. Due to the action of calcium chloride in the adhesive solution, the silk fibroin-coated part is strongly shrunk and can be joined as it is.However, in order to complete the gelation of silk fibroin and increase the adhesive strength, it is tightly bound. It is preferable to employ a method of immersing in an acidic solution in a state where the overlapping portion is fixed and further immersing in an alcohol solution and then removing the joined long casing from the pipe.
That is, in the method of the present invention, in order to make the best use of the properties of the silk fibroin of 1) and 2) described above, as a pretreatment for joining, the casing is immersed in saturated saline to remove free moisture inside the casing, and As post-bonding treatment, it is recommended to perform acid treatment and aliphatic alcohol treatment in this order to increase the adhesion of silk fibroin.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described more specifically.
(Preparation of aqueous solution of adhesive component)
Silk fibroin, which is an adhesive component in the method of the present invention, is obtained from silkworm cocoons. Any kind of silkworm may be used. The cocoon does not necessarily need to be a high quality cocoon, and can be effectively used even with a cocoon. By treating these straws with an alkaline aqueous solution such as sodium bicarbonate or hot water, sericin is dissolved and removed to obtain silk fibroin. It is efficient to remove sericin at a bath temperature of 50 to 100 ° C. Silk fibroin obtained by refining (smelting) silk spinning waste can also be used.
[0015]
Since this silk fibroin is essentially poorly soluble in water, it is preferably used in the method of the present invention as a solution dissolved in an aqueous solution having a calcium chloride concentration of 45 to 55% by weight. The silk fibroin dissolving operation in the calcium chloride aqueous solution may be performed at room temperature, but can be satisfactorily dissolved by heating at 80 to 100 ° C. with stirring for 1 to 12 hours. Furthermore, a calcium chloride aqueous solution having a calcium chloride concentration of 45 to 55% by weight prepared by adding an appropriate amount of a lower fatty acid alcohol such as ethanol and mixing so that the lower fatty acid alcohol concentration in the silk fibroin solution is 5 to 20% by weight, Since the solubility of silk fibroin is remarkably enhanced, it is particularly suitable in the present invention. In the case of using a calcium chloride solution containing a lower fatty acid alcohol, it is preferable to select a condition that a tight stopper or a cooling pipe is attached and the evaporation of the lower fatty acid alcohol is suppressed during the dissolving operation.
[0016]
In any case, the silk fibroin concentration in the calcium chloride aqueous solution is preferably 1 to 20% by weight. The silk fibroin solution thus prepared is suitably stored at a temperature of 10 ° C. or lower in a refrigerator.
This silk fibroin solution may contain further additives as required. However, in the present invention, since this solution is used for joining sausage casings, it is preferable not to contain components inappropriate for food processing.
[0017]
(Pretreatment of natural intestine casing)
In the method of the present invention, materials having the same thickness are selected from the natural intestines used as materials, and the end portions are joined so that the inner diameters communicate with each other to form a long casing. There is no restriction | limiting in length, What is necessary is just to select suitably considering the length desired for the elongate casing after joining. The thickness of the casing is not limited, but a typical sausage casing is generally preferably 1.6 to 2.8 cm in diameter.
In the method of the present invention, it is preferable that the natural intestine casing to be joined is previously immersed in a saturated saline solution to remove free moisture in the casing. The treatment with the saturated saline solution is usually preferably performed at room temperature for 30 seconds to 10 minutes. After the saturated saline treatment, it is used for bonding.
In the present invention, it is preferable to remove the free water contained in the natural intestine casing to be joined by the saturated saline treatment in order to sufficiently develop the adhesive effect by silk fibroin.
[0018]
(Joining operation)
In order to join the two natural intestine casings to each other so that the respective lumens communicate with each other, at least two natural intestine casings to be joined are respectively passed through the pipes, and on the outer peripheral surface of the joint portion in one natural intestine casing. The above-mentioned adhesive component, that is, silk fibroin aqueous solution is applied. The application of the silk fibroin aqueous solution may be directly applied to the portions to be joined by a brush, a roller, or the like, or may be performed by immersing the end of the natural intestine in the silk fibroin aqueous solution.
Next, the end of the other natural intestine casing is pulled out from the pipe, and the inner diameter of the casing is expanded so as to cover the outer periphery of the casing coated with the silk fibroin aqueous solution. Bind with a band or the like to fix the overlapped state.
The length of the portion where the adhesive component is applied and overlapped is suitably 0.5 cm to 20 cm from the end of the natural intestine casing. If the length of the overlapped part is less than 0.5 cm, the joining is weak, and if it exceeds 20 cm, not only is it difficult to overlay the other natural intestine casing on it, but also the waste of the natural intestine casing is lost. Because it increases.
[0019]
The end of the natural intestine casing may be expanded manually, but an appropriate instrument may be used. For example, as a fixed-shaped instrument, for example, a pipe with a taper or a reverse taper is used. Usable and expansible devices include, for example, elongated rubber balloons, plastic and cellulose sausage casings, and the like that can be inflated by pressure from the inside. It is also possible to adopt a method such as keeping the inside of the double tube consisting of a breathable inner tube and a non-breathable outer tube at a reduced pressure, and inserting the end portion of the natural intestine into this inner tube and expanding it into a tube shape. it can.
[0020]
(Post-processing)
In the method of the present invention, it is further preferable to immerse in an acidic solution while maintaining the above-mentioned tightly bound state. As the acidic solution, various edible organic acids such as citric acid and acetic acid are suitable, but when using an aqueous citric acid solution that is particularly excellent in the desalting effect on calcium salts, the effect of enhancing silk fibroin adhesion is remarkable. Therefore, it is preferable.
The acid concentration in the acidic solution is preferably adjusted to a pH in the range of 2.5 to 5.5. Therefore, it is preferable to adjust the pH of the acidic solution by adding a salt such as sodium citrate. The immersion time in the acidic solution is preferably about 5 seconds to 30 minutes.
After the treatment with the acidic solution (hereinafter referred to as “acid treatment”), the treatment with an aqueous aliphatic alcohol solution is further effective. As the aliphatic alcohol used here, ethanol is preferable. The alcohol concentration in the aliphatic alcohol aqueous solution is suitably about 25 to 99.5% by weight. The immersion time of the aqueous alcohol solution is preferably about 5 seconds to 1 hour.
[0021]
These acid treatment and alcohol treatment may immerse the joined natural intestine casing as a whole, or may immerse only the joined portion, but it is appropriate to carry out the treatment while the casing is passed through a pipe.
After the acid treatment and the alcohol treatment, the binding is released, and the joined casing is removed from the pipe to obtain a long casing product.
[0022]
Thus, according to the method of the present invention, when glycine-alanine contained in a large amount in silk fibroin is formed into a film or insolubilized, peptides having these sequences are likely to form hydrogen bonds with each other, and thus are strong at the junction. Realize adhesion. And since silk fibroin does not swell even if it is immersed in water after bonding, that is, even if it comes in contact with water, the bonding ability does not decrease, so the bonding at the joint is stable. There is no risk of disconnection during manufacturing.
[0023]
The method of the present invention is not limited to the joining of two natural intestine casings, but can also be applied to the production of a long casing by joining three or more natural intestines. A long casing of several tens of meters can be obtained by joining.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples. However, this invention is not limited at all by this.
[0025]
[Example 1]
(Preparation of silk fibroin solution)
Cut 50g of household waste scraps into 1-2mm width, wash well with neutral detergent, put into 0.5wt% sodium bicarbonate aqueous solution and heat to 100 ° C for 30 minutes to remove sericin from straw Removed. This operation was repeated twice. Then, it cooled to room temperature.
Next, the silk fibroin thus obtained was washed with running water, dehydrated, and dried in the air. Then, this was put into a mixer and stirred and pulverized to form a cotton. The cotton-like product was dissolved in an aqueous solution of calcium chloride having a concentration of 45% by weight at 100 ° C. for 3 hours.
The resulting solution having a silk fibroin concentration of 10% by weight was cooled to room temperature to prepare an adhesive solution (silk fibroin solution), which was stored refrigerated until use.
[0026]
(Preparation of the sheep intestine to be joined)
Several salted sheep intestines were prepared, washed with water, and salted. Separately, two pipes with a diameter of 1 cm were prepared for piping natural intestine casings.
A combination of two natural intestines was selected from the natural intestines from which salt had been removed so that the total length of the two was about 10 m, and each natural intestine was piped to each pipe. Next, the parts to be bonded of both natural intestine casings passed through the pipes were immersed in a saturated saline solution at room temperature for 5 minutes to remove free moisture in each casing.
[0027]
(Joining work)
About 5 cm of one end of the piped natural intestine casing was dipped in the above-mentioned silk fibroin solution taken out from the refrigerator, and the silk fibroin solution was allowed to adhere over the end of about 5 cm of the natural intestine casing. The part of the other natural intestine casing was spread over and covered with that part, and the two natural intestine casings were joined by tying a thread around the outer periphery of the overlapped part. Then, the portion was immersed in a citric acid aqueous solution (pH 4) having a concentration of 2% by weight at room temperature for 5 minutes. Then, after further immersing in an aqueous ethanol solution having a concentration of 95% by weight for 5 seconds, the wound yarn was removed and removed from the pipe.
[0028]
(Testing with filling machine)
Thus, 10 natural intestine casings connected to each other with a length of 10 m were prepared and supplied to a filling machine to be filled with sausage emulsion made of pork. The filling operation was performed smoothly, and no peeling or unbonding of the casing joints was observed until the filling of the ten pieces was completed, and it was confirmed that they had an adhesive force sufficient for the filling machine.
As can be seen from the above results, it was confirmed that the sausage casing manufactured by the method of the present invention can perform an efficient filling operation in the same manner as the conventional artificial sausage casing.
[0029]
[Comparative Example 1]
For comparison, a natural intestine similar to that of Example 1 was prepared, and two of these were joined using a 5% by weight aqueous dispersion of carboxymethylcellulose as an adhesive component, and then the joint was tied with a thread to prepare ammonium. A long casing having a length of 10 m was manufactured by dipping in an alum aqueous solution and solidifying. Ten long casings thus obtained were prepared and filled in the same manner as in Example 1. In this case, there was a problem that the joined portions of the ten long casings were detached and the filling material protruded.
[0030]
[Example 2]
A silk fibroin cotton-like product produced in the same manner as in Example 1 from 50 g of household waste scraps was placed in an ethanol-containing calcium chloride aqueous solution containing ethanol at a concentration of 16% by weight and having a calcium chloride concentration of 53% by weight. An adhesive solution (silk fibroin concentration 8 wt% solution) was prepared by heating at 2 ° C. for 2 hours, and immersed in a citric acid aqueous solution (pH 5.5) having a concentration of 5 wt% in the joining operation, Thereafter, 10 natural intestine casings connected to a length of 10 m were tested with a filling machine according to Example 1 except that they were immersed in an aqueous ethanol solution having a concentration of 50% by weight for 30 minutes. As a result, no peeling or unbonding of the casing joints was observed by the completion of the 10 fillings, and the same effect as in Example 1 was confirmed.
[0031]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention as described above, it is possible to appropriately select the natural intestines having a short length and unevenness without treatment with the crosslinking agent, and to satisfactorily connect them, and to manufacture a casing for sausage having almost the same length. be able to. In addition, the bonding portion is firmly bonded, and the bonded portion does not come off during the filling operation. Therefore, by using this casing, the sausage filling operation is not interrupted, and the terminal processing operation in the hanging operation is reduced, so that sausage can be manufactured efficiently.
Furthermore, in the method of the present invention, it is possible to effectively use the waste that has been disposed of in the past, which is also useful in terms of resource saving and environment.
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