以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施形態である無線基地局1と無線端末局2との間で無線通信を行う無線通信システム3の概念図である。図1に示すように、無線基地局1は、1以上の無線端末局2との間で、同一の周波数チャネルを利用して無線通信を行う。また、無線基地局1を介さずに、無線端末局2同士で直接無線通信を行ってもよい。図1では、3台の無線端末局2を図示したが、無線端末局2の数には特に制限はない。さらに、無線通信システム3は、無線基地局、無線端末局の区別がない無線端末局2のみにより構成されてもよい。
図2は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図2のパケット11は、ヘッダー12と、ペイロード13とから構成され、ヘッダー12にパケット受信時間を示すフィールド14が含まれている。パケット受信時間を示すフィールド14には、該パケットの受信に要する時間が書かれており、該フィールドを読むことにより該パケットの受信に要する時間を知ることができる。
図3は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図3の無線端末局2は、アンテナ21と、ヘッダー復号部22と、受信時間測定部23と、受信時間比較部24とを有する。
図4は図3の無線端末局2の、受信時間測定部23の内部構成の一例を示すブロック図である。図4の受信時間測定部23は、入力端子31、電力測定部32、受信レベル比較部33、電力値微分計算部34、微分値比較部35、判定部36、受信時間計算部37、出力端子38を有する。
図5は図4の受信時間測定部23がパケットの受信時間を測定する処理の一例を示すフローチャートである。電力測定部32は受信電力を測定し(ステップ41)、受信レベル比較部33へ出力する。電力値微分計算部34は測定した受信電力の微分値を計算し(ステップ42)、微分値比較部35へ出力する。受信レベル比較部33は、電力測定部32から入力された受信電力と予め与えられたしきい値とを比較し(ステップ43)、比較結果を判定部36へ出力する。微分値比較部35は、電力値微分計算部34から入力された電力値の微分結果と予め与えられたしきい値とを比較し(ステップ44)、比較結果を判定部36へ出力する。判定部36は、受信レベル比較部33から入力された結果と微分値比較部35から入力された結果を基に、パケットの受信がいつ開始されたかを判断する。受信レベル比較部33から受信電力がしきい値を超えた結果が入力され、かつ微分値比較部35から電力の微分値がしきい値を超えた結果が入力された場合に、パケットの受信が開始されたと判断し(ステップ45)、パケット受信開始信号を受信時間計算部37へ出力する。パケットの受信が開始された後も、電力測定部32は受信電力を測定し(ステップ46)、受信レベル比較部33へ出力する。電力値微分計算部34は測定した受信電力の微分値を計算し(ステップ47)、微分値比較部35へ出力する。微分値比較部35は、電力値微分計算部34から入力された電力値の微分結果と予め与えられたしきい値とを比較し(ステップ48)、比較結果を判定部36へ出力する。受信レベル比較部33は、電力測定部32から入力された受信電力と予め与えられたしきい値とを比較し(ステップ49)、比較結果を判定部36へ出力する。判定部36は、受信レベル比較部33から入力された結果と微分値比較部35から入力された結果を基に、パケットの受信がいつ終了したかを判断する。受信レベル比較部33から受信電力がしきい値を下回った結果が入力され、かつ微分値比較部35から電力の微分値がしきい値を下回った結果が入力された場合に、パケットの受信が終了したと判断し(ステップ50)、パケット受信終了信号を受信時間計算部37へ出力する。受信時間計算部37は、判定部36からのパケット受信開始信号の入力時刻とパケット受信終了信号の入力時刻とから、パケットの受信に要した時間を計算する(ステップ51)。以後は、図5の初期状態からの処理を繰り返す。
図6は図4の受信時間測定部23がパケットの受信時間を測定する図5に示した処理を説明するための図である。61は電力測定部32が測定した受信電力、62は電力値微分計算部34が計算した電力の微分値、63は電力の微分値を判定するためのしきい値2、64は電力の微分値を判定するためのしきい値3、65は受信電力を判定するためのしきい値1、66は雑音レベルである。図6に示す時刻t0は、上記図5において受信レベル比較部33が受信電力がしきい値1を超えたと判断した時刻であり、時刻t1は微分値比較部35が電力の微分値がしきい値2を超えたと判断した時刻である。判定部36は、受信電力がしきい値1を超え、かつ電力の微分値がしきい値2を超えた時刻t1に、パケットの受信が開始されたと判断する。また、図6に示す時刻t2は、微分値比較部35が電力の微分値がしきい値3を下回ったと判断した時刻であり、時刻t3は受信レベル比較部33が受信電力がしきい値1を下回ったと判断した時刻である。判定部36は、受信電力がしきい値1を下回り、かつ電力の微分値がしきい値3を下回った時刻t3に、パケットの受信が終了したと判断する。受信時間計算部37は、時刻t3と時刻t1との差分の時間を計算し、パケット受信時間とする。
図7は図3の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23に入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ71)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、ヘッダーの復号を開始する(ステップ72)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると復号して得られたパケット受信時間を受信時間比較部24へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部24へ出力する(ステップ73)。受信時間比較部24は、ヘッダー復号部22から入力された復号により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間を比較し(ステップ74、75)、測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長い場合には干渉ありと判定し(ステップ77)、そうでない場合には干渉なしと判定する(ステップ76)。後述するように受信時間の比較の際にはマージンを考慮してもよい。
図8は図3の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する図7に示した処理を説明するための図である。図8には、受信パケット81、干渉82、ヘッダー復号部22がヘッダーを復号して得られたパケット受信時間d0、受信時間測定部23が測定して得られたパケット受信時間d1を示している。図8において、受信時間比較部24は受信時間測定部23が測定して得られたパケット受信時間d1が、ヘッダー復号部22がヘッダーを復号して得られたパケット受信時間d0よりも長いため、干渉ありと判定する。
図9は、図8において干渉波が、同一の無線通信規格に基づいた無線通信ネットワークから送信された場合であり、かつ干渉波の方が所望パケットよりも早い時間に受信された場合の例を示している。図9には、干渉波91、所望パケット92、ヘッダー復号部22がヘッダーを復号して得られたパケット受信時間d2、受信時間測定部23が測定して得られたパケット受信時間d3を示している。図9に示す干渉波91は、本無線通信ネットワークと同一の規格に基づいた無線通信ネットワークからの干渉波であるため、パケットフォーマットは所望パケット92と同一である。このような場合、所望パケット92よりも干渉波91の方が早いタイミングで受信されたとしても、干渉波91のヘッダーのパケット受信時間を示すフィールドを正しく復号できれば、図7に示した処理と同一の処理によって干渉を検出することができる。図9において、受信時間比較部24は受信時間測定部23が測定して得られたパケット受信時間d3が、ヘッダー復号部22がヘッダーを復号して得られたパケット受信時間d2よりも長いため、干渉ありと判定する。
このように、パケットのヘッダーに記載されたパケット受信時間と、測定したパケットの受信時間を比較することにより、干渉波を検出することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、パケットのヘッダーに該パケットのサイズが記載されている場合に干渉波を検出するものである。
図10は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図10のパケット11は、ヘッダー12と、ペイロード13から構成され、ヘッダー12にパケットサイズを示すフィールド101が含まれている。パケットサイズを示すフィールド101には、該パケットのサイズが書かれており、パケットサイズは例えばパケット11或いはペイロード13のビット数やバイト数である。
図11は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図11の無線端末局2は、アンテナ21と、ヘッダー復号部22と、受信時間計算部113と、受信時間測定部23と、受信時間比較部115とを有する。
図12は図11の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ121)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、ヘッダーの復号を開始する(ステップ122)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号して得られたパケットサイズを受信時間計算部113へ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダー復号部22から入力されたパケットサイズ及び伝送方式等から、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ123)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する(ステップ124)。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間を比較し(ステップ125、126)、測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長い場合には干渉ありと判定し(ステップ128)、そうでない場合には干渉なしと判定する(ステップ127)。
上記の説明では、ヘッダー12にパケット全体のサイズが記載されている例について説明したが、ヘッダー12に記載されるサイズはペイロード13のサイズである場合でも同様に干渉を検出することができる。
このように、パケットのヘッダーに該パケットのサイズが記載されている場合においても、パケットサイズから計算により求めた受信時間と、測定したパケットの受信時間とを比較することにより、干渉波を検出することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、パケットのヘッダーに該パケットのサイズと伝送レートが記載されている場合に干渉波を検出するものである。
図13は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図13のパケット11は、ヘッダー12と、ペイロード13とから構成され、ヘッダー12にパケットサイズを示すフィールド131と伝送レートを示すフィールド132とが含まれている。パケットサイズを示すフィールド131には、該パケットのサイズが書かれており、パケットサイズは例えばパケット11或いはペイロード13のビット数やバイト数である。伝送レートを示すフィールド132には該パケットが送信された伝送レートを示す識別子が書かれており、例えば、6Mbpsであれば“0000”、12Mbpsであれば“0001”等である。
本実施形態における無線端末局2は、図11に示す内部構成と同一の構成を用いる。
図14は図11の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23に入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ151)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、ヘッダーの復号を開始する(ステップ152)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号して得られたパケットサイズと伝送レートとを受信時間計算部113へ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダー復号部22から入力されたパケットサイズと伝送レートとから、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ153)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する(ステップ154)。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間とを比較し(ステップ155、156)、測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長い場合には干渉ありと判定し(ステップ158)、そうでない場合には干渉なしと判定する(ステップ157)。
上記の説明では、ヘッダー12にパケット全体のサイズおよび伝送レートが記載されている例について説明したが、ヘッダー12に記載されるサイズおよび伝送レートはペイロード13のサイズおよび伝送レートである場合でも同様に干渉を検出することができる。
また、ヘッダー12に含まれる伝送レートは、伝送レートを示す識別子であってもよいし、変調方式を示す識別子、符号化率(例えば畳み込み符号の符号化率)を示す識別子のいずれかであってもよい。
このように、パケットのヘッダーに該パケットのサイズと伝送レートとが記載されている場合においても、パケットサイズと伝送レートとから計算により求めた受信時間と、測定したパケットの受信時間とを比較することにより、干渉波を検出することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第3の実施形態で用いたパケットに、さらにエラー検出シーケンスが付加されたパケットを用いた場合に干渉波を検出するものである。
図15は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図15のパケット11は、ヘッダー12、ペイロード13、およびエラー検出シーケンス15から構成され、ヘッダー12にパケットサイズを示すフィールド131と伝送レートを示すフィールド132が含まれている。エラー検出シーケンス15は、例えばCRC符号のような誤り検出符号であり、ペイロード13に対するエラー検出シーケンスであってもよいし、ヘッダー12およびペイロード13に対するエラー検出シーケンスであってもよい。また、パケットサイズを示すフィールド131には該パケットのサイズが書かれており、伝送レートを示すフィールド132には該パケットが送信された伝送レートを示す識別子が書かれている。
図16は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図3の無線端末局2は、アンテナ21と、ヘッダー復号部22と、受信時間計算部113と、受信時間測定部23と、受信時間比較部115と、パケット復号部161と、エラー検出部162と、干渉検出判定部163とを有する。
図17は図16の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23とパケット復号部161とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ171)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、該パケット受信開始信号をパケット復号部161へ出力し、ヘッダーの復号を開始する(ステップ172)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号して得られたパケットサイズと伝送レートとを受信時間計算部113とパケット復号部161とへ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダー復号部22から入力されたパケットサイズと伝送レートとから、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ173)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間とを比較し(ステップ174、175)、比較結果を干渉検出判定部163へ出力する。パケット復号部161は、ヘッダー復号部22からパケットサイズと伝送レートとが入力されると、パケット受信開始信号の入力に基づいたタイミングで、入力された伝送レートに対応する変調方式と符号化率とに基づいて、入力されたパケットサイズ分のデータを復号する(ステップ176)。パケット復号部161は、データの復号が終了すると、復号したデータをエラー検出部162へ出力する(ステップ177)。エラー検出部162は、パケット復号部161から入力されたデータのエラー検出処理を行い(ステップ178)、復号されたデータにエラーがあるか否かを判定する。エラー検出部162は、判定が終了すると、判定結果を干渉検出判定部163へ出力する。干渉検出判定部163は、エラー検出部162から入力された判定結果がパケットエラーを示す結果であり、かつ、受信時間比較部115から入力された比較結果が測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長いという結果である場合に(ステップ179のYes)、干渉ありと判定し(ステップ180)、そうでない場合には(ステップ179のNo)干渉なしと判定する(ステップ181)。
このように、パケットに該パケットのエラー検出シーケンスが付加されるような場合には、該エラー検出シーケンスによるパケット受信エラー検出と、パケット受信時間の比較とを組み合わせることにより、干渉波によりパケットデータのエラーが生じたことを検出することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第4の実施形態で用いたパケットのパケットヘッダーに、さらにエラー検出シーケンスが付加されたパケットを用いた場合に干渉波を検出するものである。
図18は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図18のパケット11は、ヘッダー12、ペイロード13、およびペイロード用エラー検出シーケンス192から構成され、ヘッダー12にパケットサイズを示すフィールド131と伝送レートを示すフィールド132とヘッダー用エラー検出シーケンス191が含まれている。ヘッダー用エラー検出シーケンス191とペイロード用エラー検出シーケンス192は、例えばCRC符号のような誤り検出符号でもよいし、パリティチェックビットのような誤り検出符号であってもよい。
図19は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図19の無線端末局2は、アンテナ21と、ヘッダー復号部22と、ヘッダーエラー検出部201と、受信時間計算部113と、受信時間測定部23と、受信時間比較部115と、ペイロード復号部202と、ペイロードエラー検出部203と、干渉検出判定部163とを有する。
図20は図19の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23とペイロード復号部202とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ211)、パケット受信開始信号(受信タイミング情報)をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、該パケット受信開始信号をペイロード復号部202へ出力し、ヘッダーの復号を開始する(ステップ212)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号したヘッダーをヘッダーエラー検出部201へ出力する。ヘッダーエラー検出部201は、ヘッダー復号部22から入力された復号されたヘッダーのエラー検出処理を行い(ステップ213)、エラーがないと判断された場合にヘッダーに記載されたパケットサイズと伝送レート情報とを、ペイロード復号部202と受信時間計算部113とへ出力する(ステップ214)。復号されたヘッダーにエラーを検出した場合には、受信処理を終了する(ステップ215)。ペイロード復号部202は、ヘッダーエラー検出部201から入力されたパケットサイズと伝送レート情報と、ヘッダー復号部22から入力された受信タイミング情報とからペイロードの復号を行い(ステップ216)、ペイロードの復号が終了すると復号したペイロードをペイロードエラー検出部203へ出力する。ペイロードエラー検出部203は、ペイロード復号部202から入力されたペイロードのエラー検出処理を行い(ステップ217)、エラー検出結果を干渉検出判定部163へ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダーエラー検出部201から入力されたパケットサイズと伝送レート情報とから、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ218)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する(ステップ219)。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間とを比較し(ステップ220)、比較結果を干渉検出判定部163へ出力する。干渉検出判定部163は、ペイロードエラー検出部203から入力された判定結果がパケットエラーを示す結果であり(ステップ221)、かつ、受信時間比較部115から入力された比較結果が測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長いという結果である場合に(ステップ222)、干渉ありと判定し(ステップ223)、そうでない場合には干渉なしと判定する(ステップ224)。
このように、パケットのヘッダーに該ヘッダに対するエラー検出シーケンスが付加されるような場合には、該パケットヘッダーのエラー検出処理を行い、ヘッダーにエラーがないと判断した後に、エラーのない信頼度の高いヘッダー情報を用いてパケット受信時間を計算することができるため、干渉検出の精度を上げることができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、パケットのヘッダー情報から計算されたパケット受信時間と測定されたパケット受信時間を比較する際に、しきい値を用いる。
本実施形態におけるパケットフォーマットは、図18に示すパケットフォーマットと同一の構成を用い、また、無線端末局2は、図19に示す内部構成と同一の構成を用いる。
図21は図19の無線端末局2がパケット受信時に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23とペイロード復号部202とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ231)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、該パケット受信開始信号をペイロード復号部202へ出力し、ヘッダーの復号を開始する(ステップ232)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号したヘッダーをヘッダーエラー検出部201へ出力する。ヘッダーエラー検出部201は、ヘッダー復号部22から入力された復号されたヘッダーのエラー検出処理を行い(ステップ233)、エラーがないと判断された場合にヘッダーに記載されたパケットサイズと伝送レート情報とを、ペイロード復号部202と受信時間計算部113とへ出力する(ステップ234)。復号されたヘッダーにエラーを検出した場合には、受信処理を終了する(ステップ235)。ペイロード復号部202は、ヘッダーエラー検出部201から入力されたパケットサイズと伝送レート情報と、ヘッダー復号部22から入力された受信タイミング情報とからペイロードの復号を行い(ステップ236)、ペイロードの復号が終了すると復号したペイロードをペイロードエラー検出部203へ出力する。ペイロードエラー検出部203は、ペイロード復号部202から入力されたペイロードのエラー検出処理を行い(ステップ237)、エラー検出結果を干渉検出判定部163へ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダーエラー検出部201から入力されたパケットサイズと伝送レート情報とから、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ238)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する(ステップ239)。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間とを比較し、測定により得られたパケット受信時間が計算により得られたパケット受信時間より長い場合には、それらの受信時間の差が予め与えられたしきい値よりも長いか否かを判定し、判定結果を干渉検出判定部163へ出力する(ステップ240)。干渉検出判定部163は、ペイロードエラー検出部183から入力された判定結果がパケットエラーを示す結果であり(ステップ241)、かつ、受信時間比較部115から入力された判定結果が測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長く(ステップ242)、その差がしきい値より大きいという結果である場合に(ステップ243)、干渉ありと判定し(ステップ244)、そうでない場合には干渉なしと判定する(ステップ245)。
このように、ヘッダー情報から計算により得られたパケット受信時間と測定により得られたパケット受信時間を比較する際にしきい値を用いることにより、パケットの受信時間の測定誤差(例えばパケットの受信時にフィルタ等により徐々に受信電力が増加することに起因する測定誤差。図6参照)を考慮に入れた干渉検出を行うことができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、パケット受信開始後に受信中のパケットの電力を測定し、測定した電力の微分値に基づきパケット衝突を検出する。
図22は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図22の無線端末局2は、アンテナ21と、受信時間測定部23と、干渉検出部251とを有する。
図23は受信時間測定部23の内部構成の一例を示すブロック図であり、図4に示す受信時間測定部23のブロック図に出力端子261と出力端子262とを追加したものである。
図24は図22の無線端末局2がパケット受信開始後に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。図23の判定部36はパケット受信開始を判断すると、パケット受信開始信号を出力端子262から図22の干渉検出部251へ出力する。パケット受信開始後においても電力測定部32は受信中のパケットの電力を測定し(ステップ46)、測定結果を電力値微分計算部34へ出力する。電力値微分計算部34は、電力測定部32から入力された電力の微分値を計算し(ステップ47)、微分値比較部35へ出力する。微分値比較部35は、電力値微分計算部34から入力された電力値の微分結果と予め与えられたしきい値とを比較し、比較結果を判定部36と、出力端子261を介して図22の干渉検出部251とへ出力する。判定部36は、受信レベル比較部33から入力された結果と微分値比較部35から入力された結果とを基に、パケットの受信が終了したか否かを判断する(ステップ271)。判定部36は、パケットの受信が終了したと判断すると、パケット受信終了信号を受信時間計算部37と、出力端子262を介して図22の干渉検出部251とへ出力し(ステップ50)、一方パケットの受信が継続中であると判断した場合には、パケット受信中信号を図22の干渉検出部251へ出力端子262から出力する。図22の干渉検出部251は、判定部36からパケット受信中信号が入力されると微分値比較部35から出力端子261を介して入力された比較結果を参照し、電力の微分値がしきい値を超えたか否かを判定し(ステップ272)、電力の微分値がしきい値を超えていれば干渉ありと判定する(ステップ273)。電力の微分値がしきい値を超えていない場合はステップ46以降の処理を繰り返す。
図25は図22の無線端末局2が干渉波を検出する図24に示した処理を説明するための図である。281は電力測定部32が測定した受信電力、282は電力値微分計算部34が計算した電力の微分値、63は電力の微分値を判定するためのしきい値2、64は電力の微分値を判定するためのしきい値3、283は電力の微分値を判定するためのしきい値4、65は受信電力を判定するためのしきい値1、66は雑音レベルである。時刻t0は受信レベル比較部33が受信電力がしきい値1を超えたと判断した時刻であり、時刻t1は微分値比較部35が電力の微分値がしきい値2を超えたと判断した時刻である。判定部36は、受信電力がしきい値を超え、かつ電力の微分値がしきい値を超えた時刻t1に、パケットの受信が開始されたと判断する。また、時刻t2は、微分値比較部35が電力の微分値がしきい値3を下回ったと判断した時刻であり、時刻t3は受信レベル比較部33が受信電力がしきい値1を下回ったと判断した時刻である。判定部36は、受信電力がしきい値を下回り、かつ電力の微分値がしきい値を下回った時刻t3に、パケットの受信が終了したと判断する。時刻t4は、微分値比較部35が電力の微分値がしきい値4を超えたと判断した時刻である。判定部36がパケット受信開始を判定した時刻t1より後で、かつ、判定部36がパケット受信終了を判定した時刻t3よりも前の時刻t4に、電力の微分値がしきい値4を超えたと判定しているので、干渉検出部251は干渉ありと判断する。
図26は図25に示した状態の例を説明するための図である。図26には、受信パケット291、干渉波292、パケット受信開始時刻t1、パケット受信終了時刻t3、干渉波検出時刻t4を示している。図25に示した状態は、パケットを受信した後に該パケットよりも受信時間の短い干渉波が発生するような場合に生じるものである。
このように、パケット受信中に電力を測定し、その微分値から電力の急激な増加を判定することにより、パケットに衝突した干渉波を検出することができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、パケット受信開始後に受信中のパケットの電力を測定し、測定した電力の平均化処理を行い、平均化処理を行った電力の微分値を用いてパケット衝突を検出するものである。
図27は図22に示す無線端末局2の受信時間測定部23の内部構成を変形したブロック図である。図27の受信時間測定部23は、図23に示す受信時間測定部23にさらに電力平均化処理部301を追加したものである。
図28は図27に示す受信時間測定部23を有する無線端末局2がパケット受信開始後に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。図27の判定部36はパケット受信開始を判断すると、パケット受信開始信号を出力端子262から図22の干渉検出部251へ出力する。パケット受信開始後においても電力測定部32は受信中のパケットの電力を測定し(ステップ46)、測定結果を電力平均化処理部301へ出力する。電力平均化処理部301は、電力測定部32から入力された電力を予め与えられた時間幅で平均化処理し(ステップ311)、電力値微分計算部34へ出力する。電力値微分計算部34は、電力平均化処理部301から入力された電力の微分値を計算し(ステップ47)、微分値比較部35へ出力する。微分値比較部35は、電力値微分計算部34から入力された電力値の微分結果と予め与えられたしきい値とを比較し、比較結果を判定部36と、出力端子261を介して図22の干渉検出部251とへ出力する。判定部36は、受信レベル比較部33から入力された結果と微分値比較部35から入力された結果とを基に、パケットの受信が終了したか否かを判断する(ステップ271)。判定部36は、パケットの受信が終了したと判断すると、パケット受信終了信号を受信時間計算部37と、出力端子262を介して図22の干渉検出部251とへ出力し(ステップ50)、一方、パケットの受信が継続中であると判断した場合には、パケット受信中信号を図22の干渉検出部251へ出力端子262から出力する。図22の干渉検出部251は、判定部36からパケット受信中信号が入力されると微分値比較部35から出力端子261を介して入力された比較結果を参照し、電力の微分値がしきい値を超えたか否かを判定し(ステップ272)、電力の微分値がしきい値を超えていれば干渉を検出したと判断する(ステップ273)。電力の微分値がしきい値を超えていない場合はステップ46以降の処理を繰り返す。
このように、パケットに衝突する干渉波を検出するために、パケット受信中の電力を平均化処理した値の微分値を用いることにより、ノイズ等による受信信号の急激な瞬時変動による影響を受けず、精度よく干渉波を検出することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、パケットにエラー検出シーケンスが付加された場合に干渉波を検出するものである。
図29は本実施形態で用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。図29のパケット11は、データ321、エラー検出シーケンス322から構成される。エラー検出シーケンス322は、例えばCRC符号のような誤り検出符号でもよいし、パリティチェックビットのような誤り検出符号であってもよい。
図30は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図30の無線端末局2は、アンテナ21と、受信時間測定部23と、パケット復号部161と、エラー検出部162と、干渉検出部251とを有する。
図31は図30の無線端末局2がパケット受信開始後に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、受信時間測定部23とパケット復号部161とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると、パケット受信開始信号を干渉検出部251へ出力する。パケット受信開始後においても受信時間測定部23は受信中のパケットの電力を測定し(ステップ46)、測定した電力の微分値を計算して(ステップ47)、パケット受信終了判定と電力の微分値がしきい値を超えたか否かの判定とを行う。パケット受信終了と判断されれば、パケット受信終了信号をパケット復号部161と干渉検出部251とへ出力、電力の微分値がしきい値を超えれば電力微分しきい値超過信号を干渉検出部251へ出力する。パケット復号部161は、受信時間測定部23からパケット受信終了信号が入力されると、所定のタイミングでパケットの復号を終了し、復号したパケットをエラー検出部162へ出力する。エラー検出部162は、パケット復号部161から入力されたパケットのエラー検出処理を行い(ステップ331)、検出結果を干渉検出部251へ出力する。干渉検出部251は、受信時間測定部23からパケット受信終了信号が入力されるまでに電力微分しきい値超過信号が入力されなければ、エラー検出処理の結果の如何に関わらず干渉なしと判定する(ステップ332)。受信時間測定部23は、測定した電力の微分値がしきい値を超え、干渉検出部251へ電力微分しきい値超過信号を出力した後も電力測定と(ステップ333)、電力の微分値を計算し(ステップ334)、パケット受信終了判定を行う(ステップ335)。パケット受信終了と判断されなければ、ステップ333以降の処理を繰り返し、パケット受信終了と判断されれば、パケット受信終了信号をパケット復号部161と干渉検出部251とへ出力する。パケット復号部161は、受信時間測定部23からパケット受信終了信号が入力されると、所定のタイミングでパケットの復号を終了し、復号したパケットをエラー検出部162へ出力する。エラー検出部162は、パケット復号部161から入力されたパケットのエラー検出処理を行い(ステップ336)、検出結果を干渉検出部251へ出力する。干渉検出部251は、受信時間測定部23からパケット受信終了信号が入力されるまでに電力微分しきい値超過信号が入力され、かつ、エラー検出部162のエラー検出処理結果がパケットエラーであった場合に干渉ありと判断し(ステップ338)、受信時間測定部23からパケット受信終了信号が入力されるまでに電力微分しきい値超過信号が入力されたが、パケットが正常受信されたと判断された場合には干渉なしと判定する(ステップ332)。
このように、パケットに該パケットのエラー検出シーケンスが付加される場合には、該エラー検出シーケンスによるパケット受信エラー検出と、パケット受信中における電力の微分値のしきい値との比較とを組み合わせることにより、受信パケットにエラーを引き起こすレベルの干渉波を検出することができる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、パケットにエラー検出シーケンスが付加された場合に、計算受信時間及び測定受信時間の比較による干渉波検出と、パケット受信中における電力微分値のしきい値との比較による干渉波検出との両方を行い、干渉波を検出する。
本実施形態で用いるパケットフォーマットは、図15に示すパケットフォーマットと同一の構成である。
図32は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図であり、図16に示すブロック図に変形を加えたものである。図32の無線端末局2は、アンテナ21と、ヘッダー復号部22と、受信時間計算部113と、受信時間測定部23と、受信時間比較部115と、パケット復号部161と、エラー検出部162と、干渉検出最終判定部341を有する。また、受信時間測定部23の内部構成は、例えば、図23に示すブロック図であるとする。
図33は、図32の無線端末局2がパケット受信開始後に干渉を検出する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、ヘッダー復号部22と受信時間測定部23とパケット復号部161とに入力される。受信時間測定部23はアンテナ21から入力されたパケットの受信開始を判断すると(ステップ3001)、パケット受信時間の測定を開始し(ステップ3002)、パケット受信開始信号をヘッダー復号部22へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信開始判断後においても受信中のパケットの電力を測定し(ステップ3003)、その微分値を計算して(ステップ3004)しきい値との比較を行い(ステップ3005)、パケット受信終了判定(ステップ3010)と電力の微分値がしきい値を超えたか否かの判定とを行う。パケット受信終了と判断されれば、パケット受信終了信号をパケット復号部161と干渉検出最終判定部341とへ出力、電力の微分値がしきい値を超えれば電力微分しきい値超過信号を干渉検出最終判定部341へ出力する。ヘッダー復号部22は受信時間測定部23からパケット受信開始信号が入力されると、該パケット受信開始信号をパケット復号部161へ出力し、ヘッダーの復号を開始する(ステップ3006)。ヘッダー復号部22はヘッダーの復号が終了すると、復号して得られたパケットサイズと伝送レートとを受信時間計算部113とパケット復号部161とへ出力する。受信時間計算部113は、ヘッダー復号部22から入力されたパケットサイズと伝送レートとから、該パケットの受信に要する時間を計算する(ステップ3007)。受信時間計算部113は、パケットの受信に要する時間の計算を終了すると、計算されたパケット受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間測定部23はパケットの受信終了を判断すると、パケット受信時間の測定を終了し(ステップ3011)、測定したパケットの受信時間を受信時間比較部115へ出力する。受信時間比較部115は、受信時間計算部113から入力された計算により得られたパケット受信時間と、受信時間測定部23から入力された測定により得られたパケット受信時間を比較し(ステップ3012)、比較結果を干渉検出最終判定部341へ出力する。パケット復号部161は、ヘッダー復号部22からパケットサイズと伝送レートとが入力されると、パケット受信開始信号の入力に基づいたタイミングで、入力された伝送レートに対応する変調方式と符号化率とに基づいて、入力されたパケットサイズ分のデータを復号する(ステップ3008)。パケット復号部161は、データの復号が終了すると、復号したデータをエラー検出部162へ出力する。エラー検出部162は、パケット復号部161から入力されたデータのエラー検出処理を行い(ステップ3009)、復号されたデータにエラーがあるか否かを判定する(ステップ3013)。エラー検出部162は、判定が終了すると、判定結果を干渉検出最終判定部341へ出力する。干渉検出最終判定部341は、エラー検出部162から入力された判定結果がパケットエラーを示す結果であり(ステップ3013)、かつ、受信時間比較部115から入力された比較結果が測定された受信時間がヘッダーに記載された受信時間よりも長いという結果である場合に(ステップ3014)、干渉ありと判定し(ステップ3016)、そうでない場合には受信中の電力微分値がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップ3015)。パケット受信中の電力微分値がしきい値を超えていれば干渉ありと判定し(ステップ3016)、超えていなければ干渉なしと判定する(ステップ3017)。
このように、パケットのヘッダー情報から計算したパケット受信時間と測定したパケットの受信時間との比較と、パケットの受信中における電力微分値のしきい値との比較とを行うことにより、遅延して到着する干渉パケットの長さによらず、干渉を検出することができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、無線端末局において干渉波検出手段により干渉波を検出した場合に、無線基地局へ干渉波検出を示す内容を含んだパケットを送信する。
図34は無線端末局2の内部構成の一例を示すブロック図である。図34の無線端末局2は、アンテナ21と、干渉波検出部351と、送信部352とを有する。
図35は図34の無線端末局2が干渉波検出後に干渉波検出を示す内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、干渉波検出部351へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理(ステップ362)ならびに干渉波検出処理(ステップ363)を行う。干渉波検出部351は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と干渉波を検出したか否かを判定する(ステップ365)。干渉波を検出しなければそのまま終了し、干渉波を検出した場合は、送信部352が、干渉波検出を示す内容を含んだパケットを無線基地局へ送信し(ステップ366)、終了する。
このように、無線通信ネットワークを管理、運営する無線基地局へ、干渉を検出したことを報告することにより、チャネル切り替え(周波数帯域切替)等の干渉回避のための処理に繋げることができる。
前記干渉波を検出した回数にしきい値を設け、干渉波を検出した回数がしきい値を越えた場合に、干渉波検出を示す内容を含んだパケットを無線基地局へ送信してもよい。
図36は図34の無線端末局2が干渉波検出回数がしきい値回数を越えた後に干渉波検出を示す内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、干渉波検出部351へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理(ステップ362)ならびに干渉波検出処理(ステップ363)を行う。干渉波検出部351は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と干渉波を検出したか否かを判定する(ステップ365)。干渉波を検出しなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波を検出した場合は干渉波検出回数がしきい値回数を越えたか否かを判定する(ステップ367)。干渉波を検出した回数がしきい値回数を超えていなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波を検出した回数がしきい値回数を超えていれば、干渉波検出を示す内容を含んだパケットを無線基地局へ送信し(ステップ366)、終了する。上記干渉波検出を示す内容を含んだパケットには、干渉波の検出回数、干渉波の検出レベル、干渉波の検出時刻等の情報が含まれていてもよい。
このように、1回の干渉波検出では誤検出の可能性もあるので、干渉波検出回数にしきい値を設けることによって、より正確な干渉波検出を行うことができる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、無線基地局において干渉波検出手段により干渉波を検出した場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える。
図37は無線基地局1の内部構成の一例を示すブロック図である。図37の無線基地局1は、アンテナ21と、干渉波検出部351と、送信部371とを有する。
図38は図37の無線基地局1が干渉波検出後に無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、干渉波検出部351へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理(ステップ362)ならびに干渉波検出処理(ステップ363)を行う。干渉波検出部351は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と干渉波を検出したか否かを判定する(ステップ365)。干渉波を検出しなければそのまま終了し、干渉波を検出した場合は、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信し(ステップ381)、終了する。無線基地局1が送信するチャネル切り替えを示すパケットには、チャネルを切り替えるタイミング情報、切り替え先のチャネル番号、等の情報が含まれていてもよい。
このように、干渉波を検出した場合に、干渉の存在しない周波数チャネルに切り替えることにより、干渉により伝送特性が劣化しないスムーズな通信を行うことができる。
前記干渉波を検出した回数にしきい値を設け、干渉波を検出した回数がしきい値を越えた場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信してもよい。
図39は図37の無線基地局1が干渉波検出回数がしきい値回数を越えた後に無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、干渉波検出部351へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理(ステップ362)ならびに干渉波検出処理(ステップ363)を行う。干渉波検出部351は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と干渉波を検出したか否かを判定する(ステップ365)。干渉波を検出しなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波を検出した場合は干渉波検出回数がしきい値回数を越えたか否かを判定する(ステップ367)。干渉波を検出した回数がしきい値回数を超えていなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波を検出した回数がしきい値回数を超えていれば、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信し(ステップ381)、終了する。無線基地局1が送信するチャネル切り替えを示すパケットには、チャネルを切り替えるタイミング情報、切り替え先のチャネル番号、等の情報が含まれていてもよい。
このように、1回の干渉波検出では誤検出の可能性もあるので、干渉波検出回数にしきい値を設け、干渉波検出回数がしきい値回数を超えた場合に、干渉の存在しない周波数チャネルに切り替え、干渉により伝送特性が劣化しないスムーズな通信を行うことができる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、無線基地局1において無線端末局2から干渉波を検出した内容を示すパケットを受信した場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える。
図40は無線基地局1の内部構成の一例を示すブロック図である。図40の無線基地局1は、アンテナ21と、受信部391と、送信部371とを有する。
図41は図40の無線基地局1が無線端末局2から干渉波を検出した内容を示すパケットを受信した場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、受信部391へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理を行う(ステップ362)。受信部391は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と無線端末局2からの干渉波を検出した内容を含んだパケットを受信したか否かを判定する(ステップ401)。干渉波を検出した内容を含んだパケット受信しなければそのまま終了し、干渉波を検出した内容を含んだパケットを受信した場合は、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信し(ステップ381)、終了する。無線基地局1が送信するチャネル切り替えを示すパケットには、チャネルを切り替えるタイミング情報、切り替え先のチャネル番号、等の情報が含まれていてもよい。
このように、無線端末局2から干渉波検出を示すパケットを受信した場合に、干渉の存在しない周波数チャネルに切り替えることにより、無線通信ネットワーク全体が干渉により伝送特性が劣化しないスムーズな通信を行うことができる。
前記無線端末局2からの干渉波検出を示すパケットを受信した回数にしきい値を設け、干渉波検出を示すパケットを受信した回数がしきい値回数を越えた場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信してもよい。
図42は図40の無線基地局1が無線端末局2からの干渉波検出を示すパケットを受信した回数がしきい値回数を越えた後に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを送信する処理の一例を示すフローチャートである。アンテナ21から入力されたパケットは、受信部391へ入力され、パケット受信開始を判断すると(ステップ361)、パケット受信処理を行う(ステップ362)。受信部391は、パケット受信終了を判断するまではステップ362以降の処理を繰り返し、パケット受信終了を判断する(ステップ364)と端末局からの干渉波を検出した内容を含んだパケットを受信したか否かを判定する(ステップ401)。干渉波を検出した内容を含んだパケットを受信しなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波を検出した内容を含んだパケットを受信した場合は、干渉波検出の内容を含んだパケットの受信回数がしきい値回数を越えたか否かを判定する(ステップ411)。干渉波検出の内容を含んだパケットの受信回数がしきい値回数を超えていなければステップ361以降の処理を繰り返し、干渉波検出の内容を含んだパケットの受信回数がしきい値回数を超えていれば、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える内容を含んだパケットを無線端末局2へ送信し(ステップ381)、終了する。無線端末局2からの干渉波を検出した内容を示す複数回のパケットの受信は、同一の無線端末局2からの受信であってもよいし、異なる複数の無線端末局2からの受信であってもよい。また、無線基地局1が送信するチャネル切り替えを示すパケットには、チャネルを切り替えるタイミング情報、切り替え先のチャネル番号、等の情報が含まれていてもよい。
このように、無線端末局2からの1回の干渉波検出報告では、誤検出による報告の可能性もあるので、干渉波検出報告受信回数にしきい値を設け、干渉波検出報告回数がしきい値回数を超えた場合に、干渉の存在しない周波数チャネルに切り替えることにより、無線通信ネットワーク全体が干渉により伝送特性が劣化しないスムーズな通信を行うことができる。
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、パケット受信中に干渉波を検出した場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える通信方法および無線通信ネットワークについて説明する。
図43は図1の無線通信ネットワーク3において、無線端末局2が干渉波を検出した場合に、無線通信ネットワークが動作する周波数チャネルを切り替える処理の一例を示すフローチャートである。図1の無線端末局2は、パケット受信開始を判断すると(ステップ421)、パケット受信が終了するまでパケット受信処理を行い(ステップ422、ステップ423)、パケット受信が終了すると受信したパケットに誤りがあるか否かを判断する(ステップ424)。受信したパケットに誤りがなければ周波数チャネルは切り替えず、そのまま終了する。受信したパケットに誤りが検出されれば、測定したパケット受信時間と計算により求めたパケット受信時間とを比較する(ステップ425)。測定したパケット受信時間が計算したパケット受信時間よりも長ければ周波数チャネルを切り替え(ステップ427)、そうでなければパケット受信中に電力の微分値がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップ426)。パケット受信中に電力の微分値がしきい値を超えていれば周波数チャネルを切り替え(ステップ427)、そうでなければ周波数チャネルは切り替えず、そのまま終了する。
このように、干渉を検出した場合、ネットワーク全体を干渉の存在しない周波数チャネルに切り替えることにより、干渉により伝送特性が劣化しないネットワークを運営することができる。