JP4019372B2 - 液体試料注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体試料を高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置の測定系に注入するのに用いる液体試料注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業分析や臨床分析等において、液体に溶解した測定対象物質の分析手段として、高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置が広く採用されている。しかして、これら機器による分析方法では、送液機構、分離もしくは反応機構、検出機構と並んで、試料の注入方法が非常に重要である。
【0003】
例えば、高速液体クロマトグラフィーによる分析法においては、試料に一定量の内部標準物質を添加して測定対象物質と内部標準物質の検出値を比較する相対検量線法が用いられることもあるが、この相対検量線法では内部標準物質の添加精度により分析精度が左右されるため、標準物質を単独で注入して予め物質量と検出値の関係を求め、この関係に基づいて未知試料中の濃度を求める絶対検量線法が多用される。また、フローインジェクション分析法では、分離機能を有さないために原則として絶対検量線法が用いられる。そして、これらの分析法においては、当然ながら、測定系に大量の試料を注入すると検出値は大きくなって感度が一般的に高くなるが、逆に微量を注入することによって高濃度まで定量を実施したいという要望も多い。また、大量に試料を注入した場合、高速液体クロマトグラフでは分離能が低下する一方、フローインジェクション分析法では試料の流出までの時間が長くなって分析速度の低下を招くという問題もある。従って、これら分析速度や分析精度を向上させるためには、可能な限り微量の試料注入による方法が望ましい。
【0004】
液体試料を分析系に注入する装置としては、すでに多くのものが提案され、また利用されている。例えば、最も汎用される装置として、連続して流れる配管の一部をシリコンゴムなどの柔らかい樹脂で構成し、そこに注射針を差し込んで試料を導入するいわゆるセプタム型インジェクターがある。しかるに、この装置は簡単な構造で安価ではあるが、液漏れを起こしやすく、試料を注入した際に分析系の内部圧力を変動させることが多く、分析精度の低下を招きやすいうえ、注射器にかかる配管内の圧力によって注入操作が難しく、さらに注射器で試料を計量するために個人的誤差が入り込みやすいという欠点がある。
【0005】
次に多用されるのが、6方バルブである。これは、外部に繋がる複数の流路を有するステーター部、ステーター部の流路接続を変えるローターシール部、およびステーター部とローターシール部をつなぐステーターフェイス部からなり、一般的には、ステーター部の2ポートにサンプルループとしてステンレスなどからなる一定容積の管の両端を接続し、この管内に試料液を充填してローターシール部を回転させることにより、該管内の試料液を分析系に導入するようになっている。この6方バルブ方式では、比較的高圧力に耐える装置を小型に構成できるという利点があるが、試料注入量がサンプルループの内容積で定まるから、注入量を少なくするために細い管を用いた場合、試料中の微細な汚れによって閉塞が起きやすいという難点があった。例えば、サンプルループとして外付けする管の長さを10cmとすると、内容積は管内径0.5mmの場合に約20μLとなるが、この内容積を1μLとするには管内径を0.1mm近くまで細くする必要があり、このような細い管では試料中から沈殿物等を徹底的に除いても閉塞を防止することは困難である。
【0006】
そこで、近年において、前記のローターシール部のステーターフェイス部に対する摺接面に、試料を計量するインナーキャビティとしての溝部を形成し、この溝部を満たす微量の液体試料をローターシール部の回転変位に伴う流路切替えによって分析系に注入する方式が試みられている。しかるに、この方式では、ローターシール部を回転変位させる際、ステーターフェイス部との摺接部に大きな摩擦抵抗が発生するため、その回転に大きな力を必要として装置が大型になることに加え、ローターシール部が早期に摩滅して交換を余儀なくされ、それだけ保全コストが嵩むと共に交換のための手間と時間を費やすという難点があった。
【0007】
すなわち、この種の注入バルブでは、試料や分析に用いる緩衝液などによる侵食を防止して且つ液漏れを防止する上で、ステーター部側をステンレス鋼製として、これに対する密着性を高めるためにローターシール部側をフッ素樹脂などの比較的柔らかい樹脂製とする場合が多いが、前記のようにサンプルループとして計量用の管を外付けする通常の方式ではあまり問題を生じないのに対し、ステーター部側に計量用の溝を設ける方式では流路切替えに伴う抵抗が大きい上にローターシール部の損耗が著しい。これは、前者の方式では相互の摺接界面部に微小な孔が開いているだけであるのに対し、後者の方式では摺接界面部に長い溝が存在するため、ローターシール部が回転変位する際に該溝の両側縁で大きな摩擦抵抗を生じることに加え、これら両側縁が長いエッジとして摺接するローターシール部を削り込むように作用することが原因であると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置に用いる液体試料注入装置として、微量の液体試料を高精度で計量して測定系へ注入でき、試料中の懸濁物質などによる流路の詰まりを生じにくく、しかも小型に構成できる上、耐久性に非常に優れ、保全に要するコストと手間および時間を軽減でき、もって汎用性の高いものを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る液体試料注入装置は、図1,図8,図9の参照符号を付して示せば、外部に繋がる複数の流路A〜Dを有するステーター1と、該ステーター1に軸方向で対向して密着状態で摺接するローターシール2とを備え、ステーター1側の摺接面部1aに各流路A〜Dの接続孔A1〜D1および計量凹部(計量溝4)が形成される一方、ローターシール2側の摺接面部2aに前記接続孔A1〜D1と計量凹部(計量溝4)ならびに接続孔A1〜D1同士を連通させる複数の連通用凹部22が設けられ、これらステーター1とローターシール2の相互の摺接面部1a,2aが同種の樹脂を主成分とする樹脂材料からなると共に、両摺接面部1a,2aのいずれか一方のみの樹脂材料に少なくとも一種のフィラーが含有され、計量凹部(計量溝4)に供給した一定量の液体試料をローターシール2の周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系Sへ注入するように構成されてなるものとしている。
【0010】
そして、請求項2の発明は、上記請求項1の液体試料注入装置において、前記ステーター1側の摺接面部1aがフィラーを含有する樹脂材料からなる構成としている。
【0011】
また、請求項3の発明に係る液体試料注入装置は、図1〜図7の参照符号を付して示せば、外部に繋がる複数の流路A〜Dを有するステーター本体11と、このステーター本体11に一端面(中央凹面部5a)を密着して固定されたフェイス部材5と、該フェイス部材5の他端面(摺接面部5b)に軸方向で対向して密着状態で摺接するローターシール2とを備え、ステーター本体11とフェイス部材5との密着した界面部の間に計量空間(計量溝3)が形成されると共に、該界面部のステーター本体11側に前記各流路A〜Dの接続孔A1〜D1が開口し、フェイス部材5には、前記接続孔A1〜D1および計量空間(計量溝3)の各々に一端を連通し、且つ他端をローターシール2との摺接面部5bに開口した複数の貫通孔50…が設けられ、ローターシール2側の摺接面部(2a)に前記貫通孔50,50同士を連通させる複数の連通用凹部22が設けられ、これらフェイス部材5とローターシール2の相互の摺接面部5b,2aが同種の樹脂を主成分とするる樹脂材料からなると共に、両摺接面部5b,2aのいずれか一方のみの樹脂材料に少なくとも一種のフィラーが含有され、計量空間(計量溝3)に供給した一定量の液体試料をローターシール2の周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系へ注入するように構成されてなるものとしている。
【0012】
そして、請求項4の発明は、上記請求項3の液体試料注入装置において、前記フェイス部材5側の摺接面部5bがフィラーを含有する樹脂材料からなる構成としている。
【0013】
更に、請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの液体試料注入装置において、前記フィラーが炭素系フィラーである構成としている。また、請求項6の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの液体試料注入装置において、前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の一方もしくは両者の混合物である構成としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液体試料注入装置を4ポート流路切替えバルブに適用した実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図7は第一実施形態、図8および図9は第二実施形態のそれぞれ液体試料注入装置を示す。
【0015】
第一実施形態の液体試料注入装置は、図1および図2に示すように、円盤状のステーター1と、リング状のケーススペーサー6と、円筒状のバルブボディ7とを、ステーター1側から周方向3箇所に螺挿したボルト8で連結してバルブケーシング10を構成しており、このケーシング10内にステーター1側から順次、円板状のローターシール2、支持シャフト9、複数枚の皿ばね13、スラストベアリング14が同心状に配置している。そして、ステーター1は、バルブヘッドをなすステーター本体11と、このステーター本体11の内端側に固定された円板状のフェイス部材5とで構成されている。
【0016】
しかして、ステーター本体11は、ステンレス鋼製であり、その内部には試料導入流路A、排出流路B、測定系注入流路C、圧送流路Dの互いに分離した4本の流路が設けられ、これら流路A〜Dの接続ポートA1〜D1が前面中央側に開口している。なお、接続ポートA1は液体試料の導入手段Iに、同B1は排液タンクTに、同C2には高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置の測定系Mに、同D2には送液ポンプPの吐出側に、それぞれ繋がる配管Lを接続するようになっている。
【0017】
図3および図4に示すように、ステーター本体11の内端側には、合成ゴム等よりなるシールリング15を嵌装した環状溝11aを有しており、この環状溝11aで囲まれた円形の内端凸面部11bに、径方向に沿う計量溝3が設けられると共に、この計量溝3の両側に各2つずつの配置で流路A〜Dの接続孔A2〜D2が開口している。しかして、これら接続孔A2〜D2と計量溝3の両端部とは、ステーター本体11と同心の円周上に60度の位相差で配置するように設定されている。また、環状溝11aの内底には各3個のピン孔11cとねじ孔11dが交互に配置する形で周方向に等配形成されており、これらピン孔11cおよびねじ孔11dの各々に、シールリング15に設けた透孔15a,15bが臨んでいる。なお、ステーター本体11の周縁部には、ボルト部材8を通す3つのボルト挿通孔11eと、ケーススペーサー6に突設された位置決めピン6a(図1参照)を挿嵌させる1つのピン孔11fとが穿設されている。
【0018】
フェイス部材5は、フィラーを含有する合成樹脂の成形物からなり、図3および図5に示すように、中央側にステーター本体11の接続孔A2〜D2および計量溝3の両端部の計6箇所に対応した6本の貫通孔50a〜50f(以下、総称して貫通孔50という)を有しており、周辺側に埋め込み形成した3本の位置決めピン51を、それぞれシールリング15の透孔15aを通してステーター本体11のピン孔11cに挿嵌すると共に、位置決めピン51と交互の配置で設けた3つのねじ挿通孔52に挿通した固定ねじ16を、それぞれシールリング15の透孔15bを通してステーター本体11のねじ孔11cに螺挿して締め付けることにより、一端側の中央凹面部5aがステーター本体11の内端凸面部11bに密着し、且つ6本の貫通孔50がステーター本体11の接続孔A1〜D1および計量溝3の両端部に各々連通した状態として、当該ステーター本体11に固定されている。
【0019】
ローターシール2は、図3および図6に示すように、ステンレス鋼製リングからなる金属外周部20の内側に、フェイス部材5と同種の樹脂を主成分として且つフィラーを含まない樹脂材料からなる中央樹脂部21が一体化され、一端側で中央樹脂部21が金属外周部20よりも突出した摺接面部2aを構成しており、この摺接面部2aに、同一円周に沿う弧状の3つの連通用凹部22a〜22c(以下、総称して連通用凹部22という)が等配形成されている。また、金属外周部20には、2つのピン孔23と2つのねじ孔24とが穿設されるとともに、周面の一箇所に回転操作用ピン25が突設されている。
【0020】
このローターシール2は、支持シャフト9の前端円板部9aに突設された2つの位置決めピン91,91をそれぞれ各ピン孔23に挿通した状態で、該支持シャフト9の軸部9bに外嵌させた皿ばね13の付勢により、ステーター1のフェイス部材5に対して同心状態で押接され、その摺接面部2aがフェイス部材5の凹面状をなす摺接面部5bに密着しており、バルブボディ7の前縁に設けた切欠部7aに配置する回転操作用ピン25を介して、外部の駆動機構(図示省略)によって周方向に60度の角度範囲を自動的に回転変位できるようになっている。しかして、このローターシール2の停止状態において、各連通用凹部22が両端部でフェイス部材5の隣接する2つの貫通孔50,50に連通するように設定されており、もって該ローターシール2の角度60度の回転変位によって連通用凹部22を介して連通する貫通孔50,50が切り換わることになる。
【0021】
上記構成の液体試料注入装置において、内部へ液体試料を導入する際には、例えば図7(A)で示すように、試料導入流路Aがフェイス部材5の貫通孔50a,50bとローターシール2の連通用凹部22aを介して計量溝3の一端に連通排出流路Dに接続すると共に、該計量溝3の他端が同様に貫通孔50e,50fと連通用凹部22cを介して排出流路Bに接続する一方、圧送流路Dが同様に貫通孔50c,50dと連通用凹部22bを介して測定系注入流路Cに接続している。従って、接続ポートA1より試料導入流路Aに導入された液体試料は、前記貫通孔50a,50bと連通用凹部22aを通って計量溝3に流入し、この計量溝3を満たして余剰の一部が貫通孔50e,50fと連通用凹部22cを通って排出流路Bに入り込む。しかして、この間、送液ポンプPを介して連続的に送られる緩衝液が、圧送流路Dから貫通孔50c,50dは連通用凹部22bを経て測定系注入流路Cへ継続的に送出されている。
【0022】
しかして、液体試料が計量溝3を完全に満たした段階でローターシール2を例えば反時計回り方向に60度回転変位させると、図7(B)で示すように、試料導入流路Aおよび排出流路Bが計量溝3から遮断されて貫通孔50a,50fと連通用凹部22cを介して直接に接続する一方、圧送流路Dが貫通孔50b,50cと連通用凹部22aを介して計量溝3の一端に接続すると共に、測定系注入流路Cも貫通孔50d,50eと連通用凹部22bを介して計量溝3の他端に接続する。従って、計量溝3を満たす液体試料と、先に計量溝3の両端に接続していた2本の貫通孔50b,50cを満たす液体試料とが、圧送流路Dから流入する緩衝液の圧力によって測定系注入流路Cへ送られ、高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置の測定系Mへ注入されて所定の測定が行われる。なお、この間、計量溝3を経ずに連通している試料導入流路Aおよび排出流路Bと貫通孔50a,50fとに残る余剰の液体試料は、排出流路Bに接続する外部配管L側からの吸引によって排液タンクTへ排出される。また、次の測定を行う前に、ローターシール2は逆方向に60度回転変位して図7(A)に示す元の状態に復帰させることになる。
【0023】
第二実施形態の液体試料注入装置は、図8および図9に示すように、ステーター1側に前記第一実施形態におけるフェイス部材5を用いない代わりに、ステーター本体11の内端側に設けた円形凹部11gにフィラーを含有する樹脂成形物からなる円形樹脂板17を嵌め込み、その周辺3箇所を固定ねじ18によりステーター本体11のねじ孔11hに螺挿して固定している。また、ケーシング10は、前記第一実施形態におけるケーススペーサー6を用いず、ステーター1とバルブボディ7とをボルト8によって直接に連結して構成している。他の部材構成は第一実施形態と同様である。
【0024】
しかして、ステーター1は、内部に前記第一実施形態と同様の4つの流路A〜Dがステーター本体11および円形樹脂板17を連通して設けてあり、これら流路A〜Dの接続ポートA1〜D1が前面中央側に開口すると共に、内端面つまり円形樹脂板17の端面の中央部には円形の凹面状をなす摺接面部1aを有している。そして、この摺接面部1aに流路A〜Dの接続孔A2〜D2が開口すると共に、径方向に沿う計量溝4が設けられており、これら接続孔A2〜D2と計量溝4の両端部とは、ステーター本体11と同心の円周上に60度の位相差で配置するように設定されている。なお、図9における17aは円形樹脂板17に設けた3箇所のボルト挿通孔である。
【0025】
ローターシール2は、前記第一実施形態のものと同一構成であり、その中央樹脂部21が円形樹脂板17と同種の樹脂を主成分として且つフィラーを含まない樹脂材料からなっており、支持シャフト9の軸部9bに外嵌させた皿ばね13の付勢により、3つの連通用凹部22a〜22c(図6参照)を設けた摺接面部2aがステーター1側の摺接面部1aに対して同心状態で押接密着し、外部の駆動機構によって周方向に60度の角度範囲を自動的に回転変位できるようになっている。そして、ローターシール2の停止状態において、各連通用凹部22はステーター1側の接続孔A2〜D2の二つ同士、もしくはこれら接続孔A2〜D2の一つと計量溝4の一端とを連通している。
【0026】
この第二実施形態の液体試料注入装置では、内部へ液体試料を導入する際には、例えば、試料導入流路Aがローターシール2の連通用凹部22aを介して計量溝3の一端に連通排出流路Dに接続すると共に、該計量溝3の他端が同様に連通用凹部22cを介して排出流路Bに接続する一方、圧送流路Dが同様に連通用凹部22bを介して測定系注入流路Cに接続している。従って、接続ポートA1より試料導入流路Aに導入された液体試料は、前記連通用凹部22aを通って計量溝3に流入し、この計量溝4を満たして余剰の一部が連通用凹部22cを通って排出流路Bに入り込む。また、送液ポンプPを介して連続的に送られる緩衝液が、圧送流路Dから連通用凹部22bを経て測定系注入流路Cへ継続的に送出されている。しかして、液体試料が計量溝4を完全に満たした段階でローターシール2を例えば反時計回り方向に60度回転変位させると、試料導入流路Aおよび排出流路Bが計量溝4から遮断されて連通用凹部22cを介して直接に接続する一方、圧送流路Dが連通用凹部22aを介して計量溝3の一端に接続すると共に、測定系注入流路Cも連通用凹部22bを介して計量溝3の他端に接続するから、計量溝4を満たす液体試料が圧送流路Dから流入する緩衝液の圧力によって測定系注入流路Cへ送られ、高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置の測定系Mへ注入されて所定の測定が行われる。
【0027】
これら第一および第二実施形態の液体試料注入装置にあっては、ローターシール2の回転変位による流路切換えの都度に、当該ローターシール2の摺接面部2aがステーター1側の摺接面部5b(第一実施形態)あるいは1a(第二実施形態)と摺接するため、この摺接部での液密封止性および対摩滅特性と摩擦抵抗が問題になる。しかるに、これら実施形態の構成では、ステーター1側の摺接面部5bあるいは1aとローターシール2の摺接面部2aとを同種の樹脂を主成分とする樹脂材料にて形成し、且つステーター1側の摺接面部5b,1aをフィラー含有樹脂として、ローターシール2側の摺接面部2a側をフィラー不含樹脂としていることから、摺接部が樹脂材料同士の密着によって高い液密封止性を示す上、摺接部の対摩滅特性が非常に良好であり、それだけローターシール2とステーター1側のフェイス部材5あるいは円形樹脂板17が長寿命となり、保全のためのコストと手間および労力が軽減され、しかも摺接部での摩擦抵抗が小さく、該ローターシール2を小さい力で回転変位できるから、その駆動機構を含めた装置全体を小型化できる。
【0028】
これに対し、ステーター1側の摺接面部5b,1aをステンレス鋼製として、これに対する密着性を高めるためにローターシール2側の摺接面部2aをフッ素樹脂などの比較的柔らかい樹脂製とした場合や、逆に摺接面部5b,1aをフッ素樹脂などの樹脂製として摺接面部2aをステンレス鋼製とした場合は、摺接部で大きな摩擦抵抗が発生すると共に、樹脂製とした側が早期に摩滅して交換を余儀なくされる。一方、ステーター1側の摺接面部5b,1aとローターシール2側の摺接面部2aとが共に同種の樹脂を主成分とする樹脂材料であっても、どちらの側もフィラーを含まない樹脂材料の場合は摺接部での摩擦抵抗が極めて大きくなり、逆にどちらの側もフィラーを含む樹脂材料からなる場合は摺接部でのシール性が不充分になって液漏れを生じることになる。なお、ステーター1側の摺接面部5b,1aとローターシール2側の摺接面部2aをアルミナセラミックにて構成して密着状態とすれば、摺接部での損耗を僅少にできるが、アルミナセラミックは高価である上に切削加工が困難で、形状を変更するには金型を変更する必要があるため、製造コスト上の問題がある。
【0029】
ここで、前記第一および第二実施形態のように、ステーター1側の摺接面部5bあるいは1aとローターシール2の摺接面部2aに同種の樹脂を主成分とする樹脂材料を用い、且つステーター1側をフィラー含有樹脂材料、ローターシール2側をフィラー不含樹脂材料とした場合に、既述のように摺接部の対摩滅特性が非常に良好になることは非常に特異な現象であると言える。
【0030】
すなわち、摺接部の一方がフィラー含有樹脂材料で他方がフィラー不含樹脂材料であれば、常識的には摺接によってフィラー不含樹脂材料の側で摩耗が激しくなるから、ローターシール2は早期に摩滅して頻繁な交換が必要になると想定されるが、実際にはそうならず、後述する液漏れ試験で示すようにローターシール2は往復1万回以上の回転変位、ステーター1側との樹脂材料の組み合わせによっては5万回以上の回転変位にも耐えるという結果が得られている。その理由については、明確ではないが、樹脂材料同士の摺接面では摩耗によって分離した樹脂成分が界面間で相互に転移して付着し、相手側が異種の樹脂を主成分とする場合には更に付着物が剥がれて傷となるが、同じ樹脂を主成分とする場合は転移した樹脂成分が欠損部を埋めて補完する形になる結果、常に摺接に伴う傷が補修されて摺接界面の密着性を維持するものと考えられる。
【0031】
なお、上記の第一及び第二実施形態とは逆に、ステーター1側の摺接面部5b,1aをフィラー不含樹脂材料、ローターシール2側をフィラー含有樹脂材料としても、同様に摺接部での良好な耐摩滅特性と低い摺接抵抗が得られる。しかるに、フィラー不含樹脂材料の方が先に摩滅して寿命に達することを考慮すれば、厳密な寸法設定を要する計量溝3,4のあるステーター1側よりもローターシール2側の交換頻度を高くする方が経済的であり、もってローターシール2側をフィラー不含樹脂材料とすることが望ましい。
【0032】
ステーター1側の摺接面部5b,1aおよびローターシール2の摺接面部2aの樹脂材料の主成分となる樹脂としては、ポリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、高密度ポリエチレン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。中でもフッ素樹脂は摩擦抵抗が低い点で有利であるし、ポリエーテルエーテルケトンは対摩擦耐性が大きいために好適である。同様にポリアセタールおよびポリフェニレンサルファイドも対摩擦耐性が大きいが、フィラーを混合する際に高温を必要とするため、製造の容易さではポリエーテルエーテルケトンの方が優れている。
【0033】
さらにポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂を混合した樹脂も両者の特性を併せ持つという利点から好適に用いられる。なお、この混合樹脂では、ポリエーテルエーテルケトンの配合比率を多くするのがよく、フッ素樹脂の配合比率を0.5〜45重量%の範囲に設定することが望ましく、特にフッ素樹脂を1 〜10重量%とすることが推奨される。また、このようなポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の混合樹脂は、ステーター1側とローターシール2側の両方に用い得るが、特にフィラーを含有させないローターシール2側の樹脂に用いることが好ましい。これは、より耐摩擦耐性が低い側の摩擦抵抗を下げるためと、製造上で混合が簡単になるためである。
【0034】
また、このような樹脂に含有させるフィラーとしては、特に制約はないが、ガラス繊維やガラスビーズの如きガラス材、酸化チタンの如き金属酸化物、グラファイト粉末、非晶質カーボン粉末、炭素繊維の如き炭素系フィラーなどが挙げられる。中でも炭素系フィラーは樹脂との混合が比較的容易であるという利点があり、とりわけ繊維状のものは樹脂材料の強度を向上させる点で好適である。なお、炭素繊維は各種原材料から製造されたものを用いることができる。
【0035】
また、フィラーの配合量は、樹脂材料中の1〜40重量%を占める範囲がよく、より望ましくは同2〜30重量%の範囲であり、少な過ぎては充分な効果が得られず、逆に多過ぎては樹脂としての本来の性状が損なわれて密着性の低下やフィラーの脱落などを生じ易くなる。なお、これらのフィラーを樹脂に含有させるには、成形用の樹脂組成物にフィラーを均一に混合する方法のほか、成形後の樹脂表面にフィラーを圧入する方法も採用できる。
【0036】
なお、第一および第二実施形態では液体試料を計量する部分を計量溝3,4としているが、この計量部分は溝形に限らず、楕円形や菱形その他の種々の形状に設定できる。また、ステーター1をステーター本体1とフェイス部材5とで形成する場合、その両者の界面部間に設ける計量空間は、前記第一実施形態のようにステーター1側を凹形にするのとは逆にフェイス部材5側を凹形にして構成してもよいし、ステーター1側とフェイス部材5側の両側に設けた凹形部分にて構成してもよい。一方、第二実施形態の円形樹脂板17のように、液体試料の計量部をステーター本体11から独立した部材に形成すれば、計量部の大きさが異なる該部材をステーター本体11に対して着脱交換することにより、試料液体の種類や性状、分析目的、分析精度等に応じて分析に供する液体試料の設定量を変更できるという利点がある。
【0037】
さらに、ローターシール2は、前記の第一および第二実施形態では金属外周部20と中央樹脂部21とで構成されるものを例示したが、全体が樹脂成形物からなるものや、摺接面部2aを含む領域のみが樹脂層からなるものなども使用可能である。その他、本発明の液体試料注入装置の細部構成については、例示した第一および第二実施形態以外に種々設計変更可能である。
【0038】
〔液漏れ試験〕
前記第一実施形態と同様の装置構造において、ステーター側(フェイス部材21)の材質とローターシール側(中央樹脂部21)の樹脂材料とが種々異なる液体試料注入装置を用い、各装置の圧送流路Dと測定系注入流路Cを通して100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を1.0mL/分の流速で測定系へ連続的に供給しながら、5秒に1回ローターシール2を60度の角度範囲で往復回転させ、液漏れの有無を確認しつつ、5000回、10000回、20000回、50000回の各往復回転後にそれぞれ装置を2.0kg/cm2 の背圧がかかった状態で12時間停止し、その間に漏れた液量を計測した。この漏れた液量を1時間あたりの漏れ量(μL/時間)に換算した結果を後記表1に示す。なお、試験に用いた各装置は次のとおりである。
【0039】
装置1・・・ステーター側が全量中20重量%の炭素繊維を分散させたポリエーテルエーテルケトン、ローターシール側が全量中5重量%のフッ素樹脂を分散させたポリエーテルエーテルケトンからなる。
装置2・・・ステーター側が全量中20重量%の炭素繊維を分散させたポリテトラフルオロエチレン、ローターシール側がポリテトラフルオロエチレン単独からなる。
装置3・・・ステーター側がステンレス鋼、ローターシール側が装置1と同じフッ素樹脂含有ポリエーテルエーテルケトンからなる。
装置4・・・ステーター側とローターシール側とが共に、全量中5重量%のフッ素樹脂を分散させたポリエーテルエーテルケトンからなる。
装置5・・・ステーター側がステンレス鋼、ローターシール側がポリイミド樹脂単独からなる。
装置6・・・ステーター側がステンレス鋼、ローターシール側が全量中20重量%の炭素繊維を分散させたポリエーテルエーテルケトンからなる。
【0040】
【表1】
Figure 0004019372
【0041】
上表に示すように、本発明を適用した装置1,2ではローターシールの往復回転を1万回行っても殆ど液漏れを生じず、特にステーター側に炭素繊維含有ポリエーテルエーテルケトン、ローターシール2側にフッ素樹脂含有ポリエーテルエーテルケトンを用いた装置1では、5万回以上の往復回転にも充分に耐えることが明らかである。これに対し、ステーター側をステンレス鋼としてローターシール側を樹脂材料とした装置3,5,6、ならびにステーター側及びローターシール側を共に樹脂材料とした装置4は、いずれも5千回の往復回転でかなりの液漏れを生じ、20000回の往復回転で液漏れが1mL/時間以上に達することが判る。なお、装置3については、5千回以降の往復回転で外部まで液が漏れ出したため、1万回以降の液漏れ試験を中止した。
【0042】
また、装置3については、試験後に分解してステーター側及びローターシール側の摺接面部を観察したところ、両方の表面に傷が認められた。この結果から、ステーター側及びローターシール側が共に柔らかい樹脂材料では不適であることが判る。更に、装置6の結果から、フィラーにより強化された樹脂が性能向上に直接作用するのではなく、ローターシール側とステーター側の両者の材質の組み合わせが重要であることが示唆される。
【0043】
なお、上記の例示した装置1〜6以外に、前記第一実施形態と同様の装置構造においてステーター側がステンレス鋼でローターシール側がポリフルオロエチレンやポリオキシメチレンなどの樹脂単独とした装置、ならびに前記第一実施形態と同様の装置構造においてステーター側がステンレス鋼でローターシール側が種々の樹脂単独とした装置についても、同様の液漏れ試験を行ったが、全てローターシールの1千回から1万回程度の往復回転でかなりの液漏れが認められている。しかるに、例えば通常1 日に100検体の試料を分析すると仮定すると、年間2万〜3万回の往復回転を行うことになるから、装置のメンテナンスの手間を考慮して少なくとも2万回程度の往復回転に耐える性能が望ましいが、このような性能は本発明以外の構成では得られないことが明らかである。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、液体試料を高速液体クロマトグラフやフローインジェクション装置等の分析装置の測定系に注入する装置として、外部に繋がる複数の流路を有するステーターと、該ステーターに密着状態で摺接するローターシールとを備え、ステーター側の摺接面部に各流路の接続孔および計量凹部が形成され、ローターシール側の摺接面部に前記接続孔と計量凹部ならびに接続孔同士を連通させる複数の連通用凹部が設けられ、計量凹部に供給した一定量の液体試料をローターシールの周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系へ注入する構成において、ステーターとローターシールの相互の摺接面部が同種の樹脂を主成分とする樹脂材料からなると共に、両摺接面部のいずれか一方のみの樹脂材料にフィラーが含有されることから、微量の液体試料を高精度で計量して測定系へ注入でき、試料中の懸濁物質などによる流路の詰まりを生じにくく、しかも小型に構成できる上、耐久性に非常に優れ、保全に要するコストと手間および時間を軽減でき、もって汎用性の高いものが提供される。
【0045】
請求項2の発明によれば、上記の液体試料注入装置において、ステーター側の摺接面部がフィラーを含有する樹脂材料からなる構成としているから、安価に製作できるローターシール側がステーター側よりも早く寿命に達し、このローターシール側の交換によって保全コストを低く抑えることができる。
【0046】
請求項3の発明によれば、上記同様の液体試料注入装置として、複数の流路を有するステーター本体と、このステーター本体に一端面を密着して固定されたフェイス部材と、該フェイス部材の他端面に軸方向で対向して密着状態で摺接するローターシールとを備え、ステーター本体とフェイス部材との密着した界面部の間に計量空間が形成されると共に、該界面部のステーター本体側に前記各流路の接続孔が開口し、フェイス部材には、前記接続孔および計量空間の各々に一端を連通し、且つ他端をローターシールとの摺接面部に開口した複数の貫通孔が設けられ、ローターシール側の摺接面部に前記貫通孔同士を連通させる複数の連通用凹部が設けられ、計量空間に供給した一定量の液体試料をローターシールの周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系へ注入する構成において、フェイス部材とローターシールの相互の摺接面部が同種の樹脂を主成分とする樹脂材料からなると共に、両摺接面部のいずれか一方のみの樹脂材料に少なくとも一種のフィラーが含有されることから、微量の液体試料を高精度で計量して測定系へ注入でき、試料中の懸濁物質などによる流路の詰まりを生じにくく、しかも小型に構成できる上、耐久性に非常に優れ、保全に要するコストと手間および時間を軽減でき、もって汎用性の高いものが提供される。
【0047】
請求項4の発明によれば、上記のフェイス部材を備える液体試料注入装置において、フェイス部材側の摺接面部がフィラーを含有する樹脂材料からなる構成としているから、安価に製作できてステーター側よりも早く寿命に達するローターシール側の交換によって保全コストを低く抑えることができる。
【0048】
請求項5の発明によれば、前記フィラーとして炭素系フィラーを用いることから、耐久性がより向上するという利点がある。
【0049】
請求項6の発明によれば、前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の一方もしくは両者の混合物であることから、耐久性がより向上すると共に、ローターシールの回転変位に要する力をより小さくできるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態に係る液体試料注入装置の全体の斜視図である。
【図2】 同注入装置の分解斜視図である。
【図3】 同注入装置の要部の縦断面図である。
【図4】 同注入装置のステーター本体の底面図である。
【図5】 同注入装置のフェイス部材の底面図である。
【図6】 同注入装置のローターシールの平面図である。
【図7】 同注入装置におけるステーター側の摺接面部を示し、(A)は試料導入時の流路接続を表す正面図、(B)は測定系への試料注入時の流路接続を表す正面図である。
【図8】 本発明の第二実施形態に係る液体試料注入装置の要部の縦断面図である。
【図9】 同同注入装置のステーターの底面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ステーター
1a ・・・摺接面部
11 ・・・ステーター本体
11b・・・内端凸面部(界面部のステーター本体側)
2 ・・・ローターシール
2a ・・・摺接面部
22,22a〜22c・・・連通用凹部
3 ・・・計量溝(計量空間)
4 ・・・計量溝(計量凹部)
5 ・・・フェイス部材
5a ・・・中央凹面部(一端面)
5b ・・・摺接面部
50 ・・・貫通孔
A ・・・試料導入流路
B ・・・排出流路
C ・・・測定系注入流路
D ・・・圧送流路
A2〜D2・・・接続口

Claims (6)

  1. 外部に繋がる複数の流路を有するステーターと、該ステーターに軸方向で対向して密着状態で摺接するローターシールとを備え、
    ステーター側の摺接面部に各流路の接続孔および計量凹部が形成される一方、ローターシール側の摺接面部に前記接続孔と計量凹部ならびに接続孔同士を連通させる複数の連通用凹部が設けられ、
    これらステーターとローターシールの相互の摺接面部が同種の樹脂を主成分とする樹脂材料からなると共に、両摺接面部のいずれか一方のみの樹脂材料に少なくとも一種のフィラーが含有され、
    計量凹部に供給した一定量の液体試料をローターシールの周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系へ注入するように構成されてなる液体試料注入装置。
  2. 前記ステーター側の摺接面部がフィラーを含有する樹脂材料からなる請求項1記載の液体試料注入装置。
  3. 外部に繋がる複数の流路を有するステーター本体と、このステーター本体に一端面を密着して固定されたフェイス部材と、該フェイス部材の他端面に軸方向で対向して密着状態で摺接するローターシールとを備え、
    ステーター本体とフェイス部材との密着した界面部の間に計量空間が形成されると共に、該界面部のステーター本体側に前記各流路の接続孔が開口し、
    フェイス部材には、前記接続孔および計量空間の各々に一端を連通し、且つ他端をローターシールとの摺接面部に開口した複数の貫通孔が設けられ、
    ローターシール側の摺接面部に前記貫通孔同士を連通させる複数の連通用凹部が設けられ、
    これらフェイス部材とローターシールの相互の摺接面部が同種の樹脂を主成分とする樹脂材料からなると共に、両摺接面部のいずれか一方のみの樹脂材料に少なくとも一種のフィラーが含有され、
    計量空間に供給した一定量の液体試料をローターシールの周方向回転変位に伴う流路接続の切替えによって測定系へ注入するように構成されてなる液体試料注入装置。
  4. 前記フェイス部材側の摺接面部がフィラーを含有する樹脂材料からなる請求項3記載の液体試料注入装置。
  5. 前記フィラーが炭素系フィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の液体試料注入装置。
  6. 前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の一方もしくは両方の混合物である請求項1〜5のいずれかに記載の液体試料注入装置。
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