JP4018349B2 - Shaft seal device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、攪拌機器等の流体機器の貫通軸部分での漏洩を防止するための軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば攪拌機器、混合機器、反応機器等の流体機器の貫通軸部分での漏洩を防止するために、図5に示すような軸封装置が一般的に用いられている。この軸封装置41は、図5に示すようにパッキンボックス42にグランドパッキン43が内装されており、このグランドパッキン43をパッキン押え44で押圧している。このパッキン押え44は、パッキンボックス42に設けられた締め付けボルト45と、この締め付けボルト45に装着される締め付けナット46とにより締め付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のような軸封装置では、図6に示すようにパッキンボックス42の底部42aの内周と軸47とが接触しないようにそれぞれの間にクリアランスSが設けてあるため、このクリアランスSに機器内部の流体の成分が堆積する(図6、網目部分)。このため、後に異種の流体を使用して流体機器を運転する時に、堆積物が異種の流体に混入するという問題があった。特に、流体が食品や医薬品等の場合には、同種の流体であっても古い堆積物が流体に混入することは回避する必要がある。なお、この流体の堆積は、例えば食品等の粘性の高い流体の場合に起こりやすい。
本発明は上記の事情に鑑みて提案されたものであって、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに機器内部の流体の成分が堆積するのを防止することができる軸封装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、少なくとも1本のグランドパッキンを内装したパッキンボックスを備えた軸封装置において、上記パッキンボックス内のグランドパッキンより封液側に位置し、一対の環状部材の端面同士を軸方向に互いに当接させて構成され、その当接面の少なくとも一方に、外周側と内周側とに連通し、グランドパッキン摺動面へガスを吹き付けるための溝が、軸方向から見て外周側から内周側へ縮径する螺旋状に形成された環状のブッシュと、上記パッキンボックスを貫通し、上記ブッシュの溝へガスを導入するためのガス封入口と、上記ガス封入口へ上記ガスを供給するガス供給手段とを備えるという手段を採用している(請求項1)。
このように構成することにより、ガス供給手段よりガス封入口へ供給されたガスは、ブッシュの溝へ導入され、この溝の外周側から内周側へ流れてパッキン摺動面に吹き付けられる。このガスにより、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた機器内部の流体を機器内部に向かって吹き飛ばすことができる。これによって、流体の成分の堆積を防止することができ、さらにパッキン摺動面への流体の侵入を防止することができる。しかも、このガスによって、グランドパッキンと軸との間で発生する熱により温度上昇するパッキン摺動面付近を冷却することができる。また、上記ブッシュは一対の環状部材の端面同士を軸方向に互いに当接させて構成され、その当接面の少なくとも一方に溝が形成されるので、溝を簡単に形成することができる。
【0005】
また、軸方向から見て外周側から内周側へ縮径する螺旋状に形成された溝に導入されたガスは、溝を通過することにより軸の周方向へ慣性が付与されるので、軸の全周にわたって供給されることになる。これによって、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた内部流体を効果的に吹き飛ばすことができる。
また、上記ブッシュの溝は、外周側から内周側に向かうに従って溝断面積が減少することが好ましい(請求項2)。この場合、溝に導入されたガスは、外周側から内周側へ流速を増加させながら流れてパッキン摺動面に供給されるので、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた内部流体をより効果的に吹き飛ばすことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る軸封装置の一実施の形態を示す概略断面図であり、以下、図に基づいてこの軸封装置の構成について説明する。
図1に示すように軸封装置1は、主に、機器本体に固定されているフランジ2、グランドパッキン7等が内装されるパッキンボックス3、グランドパッキン7等を固定するためのパッキン押え4、摺動リング5、ガスを供給するガス供給手段16等を備えている。
パッキンボックス3には、複数の上記グランドパッキン7、これらグランドパッキン7の内で最封液側のグランドパッキン7dの封液側にブッシュ8、グランドパッキン7b、7cの間にランタンリング9、および最大気側のグランドパッキン7aの大気側にスペーサリング15がそれぞれ内装されている。また、パッキンボックス3には、ブッシュ8へガスを導入するためのガス封入口12が貫通形成されている。
【0007】
上記グランドパッキン7、ブッシュ8、ランタンリング9およびスペーサリング15は、押圧機構11によってパッキン押え4を介して所定の圧力で弾性的に押圧されている。この圧力によって、グランドパッキン7を軸10の長手方向へ押し潰すように変形させて、このグランドパッキン7と軸10との間に押圧力を生じさせている。押圧機構11は、パッキンボックス3にねじ込まれたパッキン押え4を挿通させた締め付けボルト11aと、この締め付けボルト11aに装着された圧縮コイルスプリング11b、スプリングカラー11cおよび締め付けナット11dとにより構成されており、上記圧縮コイルスプリング11bの付勢力によりパッキン押え4を図において左方向に付勢している。
【0008】
また、上記パッキンボックス3は、押圧機構13によって摺動リング5介してフランジ2に所定の圧力で押圧されており、この摺動リング5の両端面には、Oリング6が設けられている。この押圧機構13は、押圧機構11と同様にフランジ2にねじ込まれた締め付けボルト13aと、この締め付けボルト13aに装着された圧縮コイルスプリング13b、スプリングカラー13cおよび締め付けナット13dとにより構成されている。
【0009】
摺動リング5は、フランジ2側端面が軸10の軸線上に中心Qを有する球面凸形状に、パッキンボックス3側端面が平面形状に形成されている。また、この摺動リング5の球面凸形状端面に当接されるフランジ2の端面は、この球面凸形状に対応した球面凹形状に形成されている。そして、摺動リング5の球面凸形状端面と、フランジ2の球面凹形状端面とが球面に沿う全ての方向(図1に示す断面図上においてはL方向)に対して摺動可能である。一方、摺動リング5の平面形状端面に当接されるパッキンボックス3の端面は、平面形状に形成されている。そして、摺動リング5の平面形状端面に対して、パッキンボックス3の平面形状端面が軸の径方向(図1上においてはM方向)へ摺動することが可能である。
このように、軸の傾斜方向および径方向への軸振れに対しては摺動リング5と、フランジ2およびパッキンボックス3との摺動によって、また軸の長手方向(図1上においてはN方向)への軸振れに対しては押圧機構13によって、それぞれパッキンボックス3が追随できる。これによって、3次元的な変位の軸振れに対してもパッキンボックス3が追随でき、内部流体の漏洩を防止することができる。
【0010】
パッキンボックス3に内装される環状のブッシュ8は、図2(a)に示すように対を成すパッキン側部材8aと封液側部材8bとにより構成されている。このパッキン側部材8aは、図2(a)、(b)に示すようにパッキン側の端面が平面状に、封液側部材8b側の端面がテーパ状に形成され、このテーパ状端面にパッキン摺動面(内周面)へガスを供給するための外周側と内周側とに連通する螺旋状の溝14が、軸方向から見て外周側から内周側へ縮径する螺旋状に形成されている。この溝14は、溝断面積が外周側から内周側に向かうに従って減少するように形成されており、外周端がガス封入口12に連通されている。なお、溝14の断面形状は、図2(a)に示すような円弧状に限られるものではなく、例えば凹形状であっても構わない。一方、封液側部材8bは、図2(a)に示すように封液側の端面が平面状に、パッキン側部材8a側の端面が、パッキン側部材8aのテーパ状端面と当接するようにテーパ状に形成されている。
【0011】
ガス供給手段16によりガス封入口12へ供給されたガスは、ブッシュ8の溝14の外周端より溝14へ導入される。そして、溝14へ導入されたガスは、溝14の外周側から内周側へ流速を増加させながら流れてパッキン摺動面近傍に吹き付けられ、パッキンボックス3の底部3aの内周と軸10との間のクリアランスSに侵入してきた内部流体を機器内部に向かって吹き飛ばす。ここで、ガスは、螺旋状の溝14を通過することによって軸の周方向へ慣性が付与されるので、軸の全周にわたって供給されることになる。これによって、パッキンボックス3の底部3aの内周と軸10との間のクリアランスSに内部流体の成分が堆積するのを防止することができ、さらにパッキン摺動面に内部流体が侵入するのを防止することができる。
【0012】
(実施の形態2)
図3は本発明に係る軸封装置の他の実施の形態を示す概略断面図であり、以下、図に基づいてこの軸封装置の構成について説明する。
図3に示すように軸封装置21は、主に、封液側に1次シール部A、大気側に2次シール部B、この1次シール部Aと2次シール部Bとの間に摺動リング28、ガスを供給するガス供給手段40等を備えている。
1次シール部Aは、グランドパッキン23等が内装されるパッキンボックス22、グランドパッキン23等を固定するためのパッキン押え25等を備えている。パッキンボックス22には、複数のグランドパッキン23、これらグランドパッキン23の内で最封液側のグランドパッキン23cの封液側にブッシュ24がそれぞれ内装されている。また、パッキンボックス22には、ブッシュ24へガスを導入するためのガス封入口27が、パッキン押え25には、1次シール部Aと2次シール部Bとの間に窒素等のパージガスを封入するためのガス封入口29がそれぞれ貫通形成されている。
【0013】
上記グランドパッキン23およびブッシュ24は、パッキン押え25を介して押圧機構26によって所定の圧力で弾性的に押圧されている。この圧力によって、1次シール部Aではグランドパッキン23を軸39の長手方向へ押し潰すように変形させて、このグランドパッキン23と軸39との間に押圧力を生じさせている。押圧機構26は、パッキンボックス22にねじ込まれたパッキン押え25を挿通させた締め付けボルト26aと、この締め付けボルト26aに装着された圧縮コイルスプリング26b、スプリングカラー26cおよび締め付けナット26dとにより構成されており、上記圧縮コイルスプリング26bの付勢力によりパッキン押え25を図において左方向に付勢している。
【0014】
2次シール部Bは、グランドパッキン31等が内装されるパッキンボックス30、グランドパッキン31等を固定するためのパッキン押え34等を備えている。パッキンボックス30には、複数のグランドパッキン31、これらグランドパッキン31の内で最封液側のグランドパッキン31dの封液側および最大気側のグランドパッキン31aの大気側にスペーサリング32、グランドパッキン31b,31cの間にランタンリング33がそれぞれ内装されている。また、パッキンボックス30には、1次シール部Aと2次シール部Bとの間に封入されたパージガスを抜くためのガスリーク口38が設けられている。
【0015】
上記グランドパッキン31、スペーサリング32およびランタンリング33は、パッキン押え34を介して押圧機構35によって所定の圧力で押圧されている。この圧力によって、2次シール部Bではグランドパッキン31を軸39の長手方向へ押し潰すように変形させて、このグランドパッキン31と軸39との隙間を小さくすることによって流体を封止している。押圧機構35は、押圧機構26と同様にパッキンボックス30にねじ込まれたパッキン押え34を挿通させた締め付けボルト35aと、この締め付けボルト35aに装着された圧縮コイルスプリング35b、スプリングカラー35cおよび締め付けナット35dとにより構成されており、上記圧縮コイルスプリング35bの付勢力によりパッキン押え34を図において左方向に付勢している。
【0016】
2次シール部Bのパッキンボックス30は、押圧機構36によって摺動リング28介して1次シール部Aのパッキン押え25に所定の圧力で押圧されており、この摺動リング28の両端面には、Oリング37が設けられている。この押圧機構36は、パッキン押え25にねじ込まれた締め付けボルト36aと、この締め付けボルト36aに装着された圧縮コイルスプリング36bおよび締め付けナット36cとにより構成されている。
【0017】
摺動リング28は、1次シール部A側端面が軸39の軸線上に中心Qを有する球面凸形状に、2次シール部B側端面が平面形状に形成されている。また、この摺動リング28の球面凸形状端面に当接される1次シール部Aのパッキン押え25の端面は、この球面凸形状に対応した球面凹形状に形成されている。そして、摺動リング28の球面凸形状端面と、パッキン押え25の球面凹形状端面とが球面に沿う全ての方向(図3に示す断面図上においてはL方向)に対して摺動可能である。一方、摺動リング28の平面形状端面に当接される2次シール部Bのパッキンボックス30の端面は、平面形状に形成されている。そして、摺動リング28の平面形状端面に対して、パッキンボックス30の平面形状端面が軸の径方向(図3上においてはM方向)へ摺動することが可能である。
このように、軸の傾斜方向および径方向への軸振れに対しては摺動リング28と、パッキン押え25およびパッキンボックス30との摺動によって、また軸の長手方向(図3上においてはN方向)への軸振れに対しては押圧機構36によって、それぞれパッキンボックス30が追随できる。これによって、3次元的な変位の軸振れに対してもパッキンボックス30が追随でき、内部流体の漏洩を防止することができる。
【0018】
1次シール部Aと2次シール部Bとの間には、ガス封入口29からパージガスを供給しており、1次シール部Aのパッキン摺動面に内部流体が侵入しないようにしている。また、このパージガスや機器内部から漏出したガスを、大気側に漏洩させないためにランタンリング33を介してガスリーク口38より回収している。なお、このパージガスのパージ圧は、機器内部圧力より0.05〜0.1MPa程度高くすることが好ましい。例えば、パージ圧が機器内部圧力より0.05MPa以下しか高くない場合には、パージガスの封入による内部流体の侵入防止効果が低くなる。一方、パージ圧が機器内部圧力より0.1MPa以上高い場合には、パッキンの締付圧以外に過剰な圧力がパッキンに作用するため、パッキン内周と軸外周との間の面圧が高くなりすぎて異常摺動を引き起こし、内部流体の漏洩の原因となるとともに、摺動リング28と1次シール部Aおよび2次シール部Bとの間からパージガスが漏洩することになる。
【0019】
1次シール部Aのパッキンボックス22に内装される環状のブッシュ24は、図4(a)に示すように対を成すパッキン側部材24aと封液側部材24bとにより構成されている。このパッキン側部材24aの封液側部材24b側の端面には、図4(a)、(c)に示すようにパッキン摺動面へガスを供給するための溝241が円周等配に複数形成されている。この溝241は、図4(b)に示すように底面がテーパ状に形成され、外周側と内周側とに連通している。また、溝241は、溝断面積が外周側から内周側に向かうに従って減少するように形成されている。また、パッキン側部材24aの円周面には溝241に連通する溝242が形成されており、ガス封入口27に連通されている。一方、封液側部材24bは両端面が平面な環状に形成されている。
【0020】
ガス供給手段40によりガス封入口27へ供給されたガスは、ブッシュ24の溝242へ導入される。そして、溝242に導入されたガスは、この溝242を通って溝241の外周側から内周側へ流速を増加させながら流れてパッキン摺動面近傍に吹き付けられ、パッキンボックス22の底部22aの内周と軸39との間のクリアランスSに侵入してきた内部流体を機器内部に向かって吹き飛ばす。これによって、パッキンボックス22の底部22aの内周と軸39との間のクリアランスSに内部流体の成分が堆積するのを防止することができ、さらにパッキン摺動面に内部流体が侵入するのを防止することができる。
【0021】
なお、上記実施の形態1では、摺動リング5は、フランジ2側端面を球面凸形状に、パッキンボックス3側端面を平面形状に形成しているが、これに限られるものではなく、パッキンボックス3側端面を球面凸形状に、フランジ2側端面を平面形状に形成しても構わない。また、摺動リング5側を球面凸形状に、フランジ2側を球面凹形状に形成しているが、これに限られるものではなく、摺動リング5側を球面凹形状に、フランジ2側を球面凸形状に形成しても構わない。また、摺動リング5は、軸振れに対して摺動しやすいように摩擦係数の低い材質、例えばフッ素樹脂系等の材質が望ましい。これらの点に関しては、上記実施の形態2での摺動リング28等についても同様である。
【0022】
また、上記実施の形態1では、ブッシュ8は上記のように螺旋状の溝14を形成した構成であるが、これに限られるものではなく、実施の形態2でのブッシュ24のような構成とすることも可能である。同様に、実施の形態2でのブッシュ24の構成を、実施の形態1でのブッシュ8のような構成とすることも可能である。なお、ブッシュ8またはブッシュ24からパッキン摺動面に供給されるガスの流速は、クリアランスSに侵入してきた内部流体を機器内部に吹き飛ばすために5m/s以上であることが好ましい。
【0023】
さらに、上記実施の形態1における溝14、および上記実施の形態2における溝241は、それぞれ上記のように溝断面積が外周側から内周側に向かうに従って減少するように形成することが好ましいが、これに限られるものではない。
また、上記各実施の形態では、パッキンボックスに複数のグランドパッキンを内装した構成であるが、これに限られるものではなく、少なくとも1本のグランドパッキンが内装されていればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る軸封装置では、ガス供給手段よりガス封入口へ供給されたガスを、ブッシュの溝へ導入してこの溝の外周側から内周側へと流し、パッキン摺動面に吹き付けているので、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた機器内部の流体をガスによって、機器内部に向かって吹き飛ばすことができる。これによって、流体の成分の堆積を防止することができ、さらにパッキン摺動面への流体の侵入を防止することができる。しかも、このガスによって、グランドパッキンと軸との間で発生する熱により温度上昇するパッキン摺動面付近を冷却することができる。また、ブッシュは一対の環状部材の端面同士を軸方向に互いに当接させて構成され、その当接面の少なくとも一方に溝が形成されるので、溝を簡単に形成することができる。
【0025】
また、ブッシュの溝が軸方向から見て外周側から内周側へ縮径する螺旋状に形成されていることにより、溝に導入されたガスは、溝を通過することにより軸の周方向へ慣性が付与されるので、軸の全周にわたって供給されることになる。これによって、パッキンボックスの底部の内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた内部流体を効果的に吹き飛ばすことができる。
また、ブッシュの溝を、外周側から内周側に向かうに従って溝断面積が減少するようにした場合、溝に導入されたガスは、外周側から内周側へ流速を増加させながら流れてパッキン摺動面に供給される。これによって、パッキンボックスの内周と軸との間のクリアランスに侵入してきた内部流体をより効果的に吹き飛ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸封装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る軸封装置の一実施の形態に用いるブッシュを示す図であり、(a)はその断面図、(b)はその正面図である。
【図3】本発明に係る軸封装置の他の実施の形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係る軸封装置の他の実施の形態に用いるブッシュを示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその断面図、(c)はその正面図である。
【図5】従来の軸封装置を示す概略断面図である。
【図6】従来の軸封装置でクリアランスに流体が堆積した状況を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
A 1次シール部
B 2次シール部
1 軸封装置
2 フランジ
3、22、30 パッキンボックス
4、25、34 パッキン押え
5、28 摺動リング
7、23、31 グランドパッキン
8、24 ブッシュ
12、27、29 ガス封入口
14、241、242 溝
16、40 ガス供給手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a shaft seal device for preventing leakage at a through shaft portion of a fluid device such as a stirring device.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a shaft seal device as shown in FIG. 5 is generally used in order to prevent leakage at a through shaft portion of a fluid device such as a stirring device, a mixing device, and a reaction device. As shown in FIG. 5, the
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional shaft seal device, as shown in FIG. 6, a clearance S is provided between the inner periphery of the
The present invention has been proposed in view of the above circumstances, and is a shaft seal that can prevent the accumulation of fluid components inside the device in the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft. An object is to provide an apparatus.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following means in order to achieve the above object. That is, in a shaft sealing device including a packing box having at least one gland packing, the end surfaces of the pair of annular members are in contact with each other in the axial direction, positioned closer to the liquid sealing side than the gland packing in the packing box. And a groove for blowing gas to the gland packing sliding surface from the outer peripheral side to the inner peripheral side when viewed in the axial direction is connected to at least one of the contact surfaces on the outer peripheral side and the inner peripheral side A ring-shaped bush that is formed to have a reduced diameter, a gas filling port that passes through the packing box and introduces gas into the groove of the bush, and a gas supply that supplies the gas to the gas filling port Means is provided (claim 1).
With this configuration, the gas supplied from the gas supply means to the gas filling port is introduced into the groove of the bush, flows from the outer peripheral side of the groove to the inner peripheral side, and is blown onto the packing sliding surface. With this gas, the fluid inside the device that has entered the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft can be blown out toward the inside of the device. As a result, accumulation of fluid components can be prevented, and further, fluid can be prevented from entering the packing sliding surface. In addition, the gas can cool the vicinity of the packing sliding surface whose temperature rises due to heat generated between the gland packing and the shaft. Further, the bush is configured by abutting the end faces of the pair of annular members in the axial direction, and a groove is formed on at least one of the abutting surfaces. Therefore, the groove can be easily formed.
[0005]
In addition, the gas introduced into the spirally formed groove whose diameter is reduced from the outer peripheral side to the inner peripheral side when viewed from the axial direction is given inertia in the circumferential direction of the shaft by passing through the groove. Will be supplied over the entire circumference. As a result, the internal fluid that has entered the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft can be effectively blown away.
The groove of the bush, it is preferable that groove cross-sectional area decreases toward the inner peripheral side from the outer side (claim 2). In this case, the gas introduced into the groove flows while increasing the flow velocity from the outer peripheral side to the inner peripheral side, and is supplied to the packing sliding surface. Therefore, the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft is reduced. The invading internal fluid can be blown off more effectively.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an embodiment of a shaft seal device according to the present invention. Hereinafter, the configuration of the shaft seal device will be described with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, the
The
[0007]
The gland packing 7, the
[0008]
The
[0009]
The sliding ring 5 has a
Thus, the shaft runout in the inclination direction and the radial direction of the shaft is caused by sliding between the sliding ring 5, the
[0010]
The
[0011]
The gas supplied to the
[0012]
(Embodiment 2)
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing another embodiment of the shaft seal device according to the present invention, and the configuration of this shaft seal device will be described below based on the drawings.
As shown in FIG. 3, the
The primary seal portion A includes a packing box 22 in which the gland packing 23 and the like are installed, a
[0013]
The gland packing 23 and the
[0014]
The secondary seal portion B includes a
[0015]
The gland packing 31, the
[0016]
The
[0017]
The sliding
Thus, the shaft runout in the inclination direction and the radial direction of the shaft is caused by sliding between the sliding
[0018]
A purge gas is supplied between the primary seal portion A and the secondary seal portion B from the
[0019]
The
[0020]
The gas supplied to the
[0021]
In the first embodiment, the sliding ring 5 has the
[0022]
Further, in the first embodiment, the
[0023]
Furthermore, the
In each of the above embodiments, the packing box includes a plurality of gland packings. However, the present invention is not limited to this, and it is sufficient that at least one gland packing is provided.
[0024]
【The invention's effect】
As described above, in the shaft seal device according to the present invention, the gas supplied from the gas supply means to the gas filling port is introduced into the groove of the bush and flows from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the groove, and the packing slide Since it is sprayed on the moving surface, the fluid inside the device that has entered the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft can be blown out toward the inside of the device by the gas. As a result, accumulation of fluid components can be prevented, and further, fluid can be prevented from entering the packing sliding surface. In addition, the gas can cool the vicinity of the packing sliding surface whose temperature rises due to heat generated between the gland packing and the shaft. Further, the bush is configured by abutting the end surfaces of the pair of annular members in the axial direction, and a groove is formed on at least one of the contact surfaces, so that the groove can be easily formed.
[0025]
Further, since the groove of the bush is formed in a spiral shape whose diameter is reduced from the outer peripheral side to the inner peripheral side when viewed from the axial direction , the gas introduced into the groove passes through the groove and moves in the circumferential direction of the shaft. Since inertia is imparted, it is supplied over the entire circumference of the shaft. As a result, the internal fluid that has entered the clearance between the inner periphery of the bottom of the packing box and the shaft can be effectively blown away.
In addition, when the groove cross section of the bush groove decreases from the outer peripheral side toward the inner peripheral side, the gas introduced into the groove flows while increasing the flow velocity from the outer peripheral side to the inner peripheral side, and packing is performed. Supplied to the sliding surface. Thereby, the internal fluid that has entered the clearance between the inner periphery of the packing box and the shaft can be blown off more effectively.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a shaft seal device according to the present invention.
FIG. 2 is a view showing a bush used in an embodiment of a shaft seal device according to the present invention, in which (a) is a cross-sectional view thereof and (b) is a front view thereof.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing another embodiment of the shaft seal device according to the present invention.
FIG. 4 is a view showing a bush used in another embodiment of the shaft seal device according to the present invention, (a) is a side view thereof, (b) is a sectional view thereof, and (c) is a front view thereof. is there.
FIG. 5 is a schematic sectional view showing a conventional shaft seal device.
FIG. 6 is an enlarged view of a main part showing a state in which fluid is accumulated in the clearance in a conventional shaft seal device.
[Explanation of symbols]
A Primary seal portion B
Claims (2)
上記パッキンボックス内のグランドパッキンより封液側に位置し、一対の環状部材の端面同士を軸方向に互いに当接させて構成され、その当接面の少なくとも一方に、外周側と内周側とに連通し、グランドパッキン摺動面へガスを吹き付けるための溝が、軸方向から見て外周側から内周側へ縮径する螺旋状に形成された環状のブッシュと、
上記パッキンボックスを貫通し、上記ブッシュの溝へガスを導入するためのガス封入口と、
上記ガス封入口へ上記ガスを供給するガス供給手段とを備えたことを特徴とする軸封装置。In a shaft seal device provided with a packing box having at least one gland packing,
Positioned on the liquid sealing side from the gland packing in the packing box, the end surfaces of the pair of annular members are configured to contact each other in the axial direction, and at least one of the contact surfaces includes an outer peripheral side and an inner peripheral side. A groove for blowing gas to the gland packing sliding surface, and an annular bush formed in a spiral shape whose diameter is reduced from the outer peripheral side to the inner peripheral side when viewed from the axial direction ;
A gas filling port for introducing gas into the groove of the bush through the packing box;
A shaft seal device comprising gas supply means for supplying the gas to the gas sealing port.
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