JP4018301B2 - 表面張力測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡単な構成の装置によって正確な表面張力値を測定することのできる表面張力測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、板状部材を紐で吊して水面に接触させると、水面に接触した瞬間に板状部材が界面張力により引き込まれる。ここで、界面張力のうち測定媒体の一方が水の場合を特に表面張力と呼んでいる。
【0003】
表面張力の測定に際しては、ウィルヘルミの原理を利用した測定方法が広く利用されている。この原理について、図5にしたがって説明する。
【0004】
図5の(a)に示すように、シャーレ10内部に測定媒体(水)11を満たし、検出子12を水面11aに接触させる。すると、水面11aに接触した瞬間に検出子12が表面張力により水中へと引き込まれる。この表面張力を求めるに際して、検出子12の釣り合い状態から水中に引き込まれたときの力をPとすると、ウィルヘルミの原理より以下の式が成り立つ。なお、s:検出子断面積、L:検出子周囲長、m:検出子重量、h:沈み変位量、ρ:液体の密度、g:重力加速度(約9.8m/s2 )である。
【0005】
P=mg+Lγ−shρg 〜(式3)
しかしながら、引き込まれたときの力Pには、浮力shρgも作用しているので、図5の(b)に示すように、hをゼロに設定し、それによって浮力をゼロにする調整が為されている。すなわち、図5の(b)に示すように検出子12を引き上げてhをゼロとし、それによりhをゼロにした場合の力P1 を計測して、以下の(式4)より浮力γを求めている。
【0006】
P1 =mg+Lγ
γ=(P1 −mg)/L 〜(式4)
このような、検出子12を引き上げてh=0にする測定方法は、いわゆるゼロメソッドの考え方として知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法は正確な電子天秤の使用を前提とする測定方法のため、測定装置自体が高額となる。すなわち、電子技術を用いて微小な力を求める構成である。
【0008】
また、表面張力の概念を把握し難く、またその具体的な値をイメージし難いという欠点があった。このため学校関係における教材としての普及度が低く、結果として表面張力の概念の教育に困難が伴っていた。
【0009】
本発明は上記事情に基づき為されたもので、その目的とするところは、簡易な構成でありながら精度が良好に得られ、視覚的に表面張力の値の理解を得ることが可能な表面張力測定方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、一端側に検出子を吊るし、支点を挟んで釣り合いをとることが可能であってその釣り合い状態を検出する指標部材が設けられた天秤部材と、液体が満たされる容器体を載置可能であり、この容器体を昇降自在とする昇降手段と、上記昇降手段の昇降量を測定する測定手段とを用いて液面に検出子を接触させたときに作用する表面張力を求める表面張力測定方法において、所定の力で吊り下げられた検出子を液面に接触させる接触工程と、上記接触工程により、液面に検出子が接触したときの第1液面高さを記録する第1の液面高さ記録工程と、上記検出子が液中に引き込まれた後に、液面高さを引き上げて上記天秤が釣り合う位置での第2液面高さを記録する第2の液面高さ記録工程と、上記第1液面高さと上記第2液面高さとの差をh、上記液体の密度をρ、上記検出子断面積をs、上記検出子の周囲長をL、重力加速度をgとしたときに、表面張力γを、
γ=shρg/L 〜(式1)
により求める表面張力算出工程とを具備することを特徴とする表面張力測定方法である。
【0014】
請求項2記載の発明は、一端側に検出子、他端側にバランス用液体が補充可能なバランス容器体を吊るし、支点を挟んで釣り合いをとることが可能な天秤部材と、液体が満たされる容器体を載置可能であり、この容器体を昇降自在とする昇降手段と、上記昇降手段の昇降量を測定する測定手段とを用いて液面に検出子を接触させたときに作用する表面張力を求める表面張力測定方法において、所定の力で吊り下げられた検出子を液面に接触させる接触工程と、上記検出子が液中に引き込まれた後に、上記バランス容器体に上記バランス用液体を補充し上記天秤部材が水平とする液体補充工程と、上記バランス用液体及び上記バランス容器の重量をw、上記検出子の周囲長をL、重力加速度をgとしたときに、表面張力γを、
γ=wg/L 〜(式2)
により求める表面張力算出工程とを具備することを特徴とする表面張力測定方法である。
【0020】
上記手段を講じた結果、次のような作用が生じる。請求項1の発明によると、天秤部材の一端側に検出子を吊るし、容器体内部に注がれている液体の液面に検出子を接触させれば、検出子が液中に引き込まれる。この時の液面高さを記録する。さらに、昇降手段を作動させて容器体を上昇させ、天秤部材を釣り合わせる。すなわち、このとき、検出子の重量と、表面張力総和と、検出子の浮力が釣り合った状態となる。そして、このときの液面高さを記録する。そして、これらの液面高さの差を求めることにより、ウィルヘルミの原理から表面張力を求めることが可能となる。また、天秤部材には、この天秤部材の釣り合い状態を検出する指標部材が設けられているので、天秤部材が釣り合い状態にあるか否かの検出を容易に行うことが可能となる。
このようにして、検出子を液面に接触させ、接触時の液面高さを記録すると共に、液面高さを引き上げて天秤が釣り合う状態での液面高さを記録し、これらの液面高さの差から上述の式を用いて表面張力γを求めるので、簡易な方法で表面張力を求めることができる。
【0021】
また、液面高さを引き上げることにより、表面張力による検出子の沈み込み量から視覚的に表面張力を認識できる。
【0022】
請求項2の発明によると、天秤部材の一端側に検出子を吊るし、容器体内部に注がれている液体の液面に検出子を接触させれば、検出子が液中に引き込まれる。天秤部材が水平となるまでバランス容器体にバランス用液体を補充することで、表面張力によって検出子が液体に引き込まれる力を簡単な構成で測定することができる。
このようにして、検出子を液面に接触させ、検出子が液中に引き込まれた後に、バランス容器体にバランス用液体を補充し天秤部材が水平とし、このときのバランス用液体及び上記バランス容器の重量から上述の式を用いて表面張力γを求めるので、簡易な方法で表面張力を求めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。図1は表面張力測定装置20の構成を示す図であり、図2は表面張力測定装置20の側面図である。
【0024】
表面張力測定装置20は、基台21を有している。この基台21は平板上に形成されており、その四隅に基台21の水平維持のための調整ネジ22が設けられている。
【0025】
この基台21に天秤部材23が取り付けられている。天秤部材23は、基台21の端部に立設された支柱24と、この支柱24でバランスを取って支持部25に支持されている竿26より構成されている。
【0026】
上記竿26は、検出子27を取り付ける側(以下、一端側とする)が長くなるように支持されている。そして、検出子27と反対の他端側は、一端側よりも短く設けられており、ここに微調整可能なバランサ28を取り付け可能としている。なお、バランサ28は、その取り付け位置や質量の異なる他のバランサ28に取り替えることにより、検出子27の質量に応じて適宜バランスを取ることが可能となっている。
【0027】
竿26の一端側には、吊り下げフック29が取り付けられており、ここに細線30が吊り下げられている。そして、この細線30の下端側には検出子27が吊り下げられている。検出子27は、ガラスや白金を材質とするプレートであり、この検出子27の長手方向が鉛直方向と一致するように吊り下げられている。すなわち、検出子27の下端面が液面と平行を為すように吊り下げられる。
【0028】
なお、検出子27を後述するシャーレ41の液体42内部に沈めた場合、液体42の液面が僅かに上昇するが、検出子27の厚さを1mm以下に抑えることにより、液面の上昇量は水量と比較すると微小となり、測定誤差以下となる。このため、表面張力の測定には影響を与えず、無視することが可能となる。
【0029】
上記支持部25には、クランク31を介して指標部材としての指標32が取り付けられている。指標32は、下端側の先端部分が尖形部32aとなっており、この尖形部32aによって水平移動装置付目盛板33に形成された基準線33aが指標される。
【0030】
また、基台21には、昇降手段としての昇降台34が設けられている。昇降台34は、基台21に固定されたガイド体35を有している。このガイド体35には、調整ダイヤル36を回転させることにより上下方向に移動するアーム37が摺動自在に設けられている。さらに、アーム37には指標38が設けられている。
【0031】
一方、ガイド体35には、側面に目盛りが刻まれた測定手段としての昇降目盛39がガイド体35に対して上下動調整可能に設けられている。
【0032】
アーム37は水平方向に延設されており、その先端には、皿部40が取り付けられている。皿部40は、上面に容器体としてのシャーレ41を載置可能としている。このため、皿部40にシャーレ41を載置し、調整ダイヤル36を回転させれば、シャーレ41を昇降させることを可能としている。なお、シャーレ41には、エタノール等の液体42が適量分注がれる。
【0033】
以上のような構成を有する表面張力測定装置20を用いた表面張力測定方法について、以下に説明する。なお、以下の説明の概念として、図3にしたがって説明する。
【0034】
検出子27を上述の吊り下げフック29及び細線30を介して吊り下げる。この後に、竿26がほぼ水平になるように、竿26の反対側に設けられているバランサ28を調整する。そして、その時の指標32が指し示した位置に水平移動装置付目盛板33の基準線33aを合わせる。
【0035】
また、検出子27の下方位置には、液体42が適宜の分量だけ注がれたシャーレ41が昇降台34の皿部40上に載置されている。
【0036】
この状態で、昇降台34の皿部40を徐々に上昇させる。そして、液体42の水面に検出子27を接触させる(接触工程)。
【0037】
すると、液体42の表面張力によって検出子27が液中に引き込まれる。ここで、検出子27を液中に引き込む力は、検出子27の浮力よりも大きいため、図3の(a)に示すように検出子27は液中に引き込まれてしまい、天秤部材23の竿26は、ゼロ点を外れてその一端側が下方に向かって大きく傾く。
【0038】
この時の、表面張力による検出子27を液体中へ引き込む力は、検出子27に働く表面張力による力(Lγ)と検出子27の浮力(shρg)の差となる。
【0039】
ここで、検出子27が液面に接触した時点で、指標38が昇降目盛39のゼロ点を指すように、昇降目盛39を上下方向に調節する(第1の液面高さ記録工程)。
【0040】
次に、図3の(b)に示すように昇降台34の皿部40に載置されたシャーレ41を上昇させ、尖形部32aが基準線33aを指すように調整ダイヤル36を回転させる。これにより竿26が水平状態となる。このとき、検出子27がより深く液中に沈むようになる。
【0041】
そして、尖形部32aが基準線33aを指した後に、指標38の指す昇降目盛39の値hを記録しておく(第2の液面高さ記録工程)。これにより液面の変化量hが与えられる。
【0042】
このようにして、竿26を水平に戻すことにより、P=0となり、変化量hを求めることにより、ウィルヘルミの原理から、
0=mg+Lγ−shρg 〜(式5)
となる。この(式5)を変形すれば、
γ=(shρg−mg)/L 〜(式6)
さらに、竿26が水平となり、mgは相殺されているので、
γ=shρg/L 〜(式7)
となる。この式より、表面張力γが算出される(表面張力算出工程)。したがって、表面張力の作用だけにより検出子27が液中に引き込まれた深さを求めることができる。すなわち、視覚的に表面張力を捉えることが可能となる。
【0043】
ここで、表面張力測定の実験を行った結果を、以下に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
なお、この実験に際しては、検出子27の周囲長さをa=26.55,b=0.92cm、液体としてエタノールρ=0.789としたとき、s=ab,L=2(a+b)として、(式7)より、
γ=abρgh/2(a+b)=3.438h 〜(式8)
が成り立つ。この(式8)より、表面張力γを求めている。
【0046】
この実験結果より、hの平均は6.56mm、表面張力γの平均は22.6mN/mとなっている。
【0047】
この測定精度は、従来のウィルヘルミの原理を用いて測定した場合と比較しても、遜色のない結果を得ることが可能となっている。
【0048】
このような構成の表面張力測定装置20及び表面張力測定方法によれば、液面変化量hを求め、この値をウィルヘルミの原理に代入することにより、表面張力γを簡易に求めることが可能となる。すなわち、天秤部材23が釣り合っているため力Pがゼロとなりmgの項をキャンセルできるので、hを代入すれば(式8)より簡易に表面張力γを求めることが可能となる。また、指標32を取り付けることにより、天秤部材23が釣り合いにあるか否かを容易に認識することが可能となる。
【0049】
すなわち、液面高さを引き上げることにより、力Pをゼロとする方法を採用するので、装置自体が高額になる電子天秤を使用する必要がなくなり、また精度もさほど悪くならずに表面張力の検出を行うことが可能となる。
【0050】
このため、表面張力測定装置20を簡易な構成とすることが可能となり、表面張力測定装置20自体の価格を安価なものにすることができるとともに、保守点検等を容易なものとすることができる。
【0051】
また、測定精度は精密な電子天秤を使用した場合とほぼ同程度の精度が得られるため、事業所、研究機関での使用が可能である。
【0052】
一方、hの値を求める方法を採用することにより、表面張力を視覚的に捉えることが可能となる。このため、従来の表面張力測定装置では抽象的で理解し難かった表面張力の概念を容易に捉えることが可能となり、教育現場における一般教材として導入し易いという利点も有している。
【0053】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る表面張力測定装置50を示す図である。なお、図4において図1と同一機能部分には同一符号を付した。
【0054】
表面張力測定装置50は、基台21を有している。この基台21は平板上に形成されており、その四隅に基台21の水平維持のための調整ネジ22が設けられている。
【0055】
この基台21に天秤部材23が取り付けられている。天秤部材23は、基台21の端部に立設された支柱24と、この支柱24でバランスを取って支持部25に支持されている竿26より構成されている。
【0056】
上記竿26は、検出子27を取り付ける側(以下、一端側とする)が長くなるように支持されている。そして、検出子27と反対の他端側は、一端側よりも短く設けられており、ここに微調整可能なバランサ28を取り付け可能としている。なお、バランサ28は、その取り付け位置や質量の異なる他のバランサ28に取り替えることにより、検出子27の質量に応じて適宜バランスを取ることが可能となっている。さらに、バランサ28にはシリンダ(バランス容器体)51が吊り下げられている。シリンダ51には、目盛が設けられており、内部に水(バランス用液体)を収容可能となっている。
【0057】
竿26の一端側には、吊り下げフック29が取り付けられており、ここに細線30が吊り下げられている。そして、この細線30の下端側には検出子27が吊り下げられている。
【0058】
上記支持部25には、クランク31を介して指標部材としての指標32が取り付けられている。指標32は、下端側の先端部分が尖形部32aとなっており、この尖形部32aによって水平移動装置付目盛板33に形成された基準線33aが指標される。
【0059】
また、基台21には、昇降手段としての昇降台34が設けられている。昇降台34は、基台21に固定されたガイド体35を有している。このガイド体35には、調子ダイヤル36を回転させることにより上下方向に移動するアーム37が摺動自在に設けられている。
【0060】
アーム37は水平方向に延設されており、その先端には、皿部40が取り付けられている。皿部40は、上面に容器体としてのシャーレ41を載置可能としている。このため、皿部40にシャーレ41を載置し、調整ダイヤル36を回転させれば、シャーレ41を昇降させることを可能としている。なお、シャーレ41には、液体42が適量分注がれる。
【0061】
以上のような構成を有する表面張力測定装置50を用いた表面張力測定方法について、以下に説明する。
【0062】
検出子27を上述の吊り下げフック29及び細線30を介して吊り下げる。この後に、竿26がほぼ水平になるように、竿26の反対側に設けられているバランサ28を調整する。そして、その時の尖形部32aが指し示した位置に水平移動装置付目盛板33の基準線33aを合わせる。
【0063】
また、検出子27の下方位置には、液体42が適宜の分量だけ注がれたシャーレ41が昇降台34の皿部40上に載置されている。
【0064】
この状態で、昇降台34の皿部40を徐々に上昇させる。そして、液体42の水面に検出子27を接触させる(接触工程)。
【0065】
すると、液体42の表面張力によって検出子27が液中に引き込まれる。ここで、検出子27を液中に引き込む力は、検出子27の浮力よりも大きいため、検出子27は液中に引き込まれてしまい、天秤部材23の竿26は、ゼロ点を外れてその一端側が下方に向かって大きく傾く。
【0066】
次に、シリンダ51に水52を少量ずつ加えてゆく(液体補充工程)。これにより他端側が少しずつ下方に向かって傾き始める。竿26が水平になった時点でのシリンダ51の目盛を読み取る。
【0067】
この時の、表面張力による検出子27を液体中へ引き込む力は、検出子27に働く表面張力による力(Lγ)と検出子27の浮力(shρg)の差となる。
【0068】
このようにして、竿26を水平に戻すように他端側に荷重を加えることにより、液体の重量をwとすればP=wgとなり、変化量hを求めることにより、ウィルヘルミの原理から、
wg=mg+Lγ−shρg 〜(式9)
となる。
【0069】
さらに、竿26が水平となり、mgは相殺され、浮力の影響をゼロとすることができるので、
wg=Lγ 〜(式10)
γ=wg/L 〜(式11)
となる。一方、液体の重量wは、シリンダ51の内径をd、液体の高さをtとすれば、
w=tπd2 μ 〜(式12)
であることから、
γ=tπd2 μg/L 〜(式13)
この式より、表面張力γが算出される(表面張力算出工程)。
【0070】
このような構成の表面張力測定装置50によれば、竿26の他端側に荷重を加えることで、表面張力γを簡易に求めることが可能となる。すなわち、天秤部材23が釣り合っているため力Pがゼロとなりmgの項がキャンセルできるとともに、検出子27を元の位置に戻しているため浮力の影響がゼロとなりshρgの項をキャンセルできるので、wgを代入すれば(式13)より簡易に表面張力γを求めることが可能となる。また、指標32を取り付けることにより、天秤部材23が釣り合いにあるか否かを容易に認識することが可能となる。
【0071】
このため、表面張力測定装置50を簡易な構成とすることが可能となり、表面張力測定装置50自体の価格を安価なものにすることができるとともに、保守点検等を容易なものとすることができる。
【0072】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。すなわち、上記した実施の形態では、液体としてエタノールを用いた場合について説明したが、液体はこれに限られず、水やその他の種々の液体を用いることが可能である。
【0073】
また、シャーレ41を持ち上げて、その変位量を測定する方法及び装置を採用するものであれば、表面張力測定装置や表面張力測定方法に変更を加えても、本発明の技術的思想を具備したものとなる。このほか、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々変形可能となっている。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によると、簡易な方法で表面張力を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる表面張力測定装置の構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係わる表面張力測定装置の構成を示す側面図。
【図3】同実施の形態に係わる表面張力測定方法を示す説明図であり、(a)はシャーレを持ち上げる前、(b)はシャーレを持ち上げた後の状態を示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる表面張力測定装置の構成を示す斜視図。
【図5】従来の表面張力測定の方法を示す図であり、(a)は検出子が沈み込んだ状態、(b)は検出子を液面高さまで引き上げた状態を示す。
【符号の説明】
20,50…表面張力測定装置
23…天秤部材
26…竿
27…検出子
32…指標
33…水平移動装置付目盛
34…昇降台
37…アーム
39…昇降目盛
40…皿部
41…シャーレ
42…液体
51…シリンダ(バランス用容器体)
52…水(バランス用液体)
Claims (2)
- 一端側に検出子を吊るし、支点を挟んで釣り合いをとることが可能であってその釣り合い状態を検出する指標部材が設けられた天秤部材と、液体が満たされる容器体を載置可能であり、この容器体を昇降自在とする昇降手段と、上記昇降手段の昇降量を測定する測定手段とを用いて液面に検出子を接触させたときに作用する表面張力を求める表面張力測定方法において、
所定の力で吊り下げられた検出子を液面に接触させる接触工程と、
上記接触工程により、液面に検出子が接触したときの第1液面高さを記録する第1の液面高さ記録工程と、
上記検出子が液中に引き込まれた後に、液面高さを引き上げて上記天秤が釣り合う位置での第2液面高さを記録する第2の液面高さ記録工程と、
上記第1液面高さと上記第2液面高さとの差をh、上記液体の密度をρ、上記検出子断面積をs、上記検出子の周囲長をL、重力加速度をgとしたときに、
表面張力γを、
γ=shρg/L 〜(式1)
により求める表面張力算出工程とを具備することを特徴とする表面張力測定方法。 - 一端側に検出子、他端側にバランス用液体が補充可能な容器体を吊るし、支点を挟んで釣り合いをとることが可能な天秤部材と、液体が満たされる容器体を載置可能であり、この容器体を昇降自在とする昇降手段と、上記昇降手段の昇降量を測定する測定手段とを用いて液面に検出子を接触させたときに作用する表面張力を求める表面張力測定方法において、
所定の力で吊り下げられた検出子を液面に接触させる接触工程と、
上記検出子が液中に引き込まれた後に、上記容器体に上記バランス用液体を補充し上記天秤部材が水平とする液体補充工程と、
上記バランス用液体及び上記バランス容器の重量をw、上記検出子の周囲長をL、重力加速度をgとしたときに、
表面張力γを、
γ=wg/L 〜(式2)
により求める表面張力算出工程とを具備することを特徴とする表面張力測定方法。
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