JP4015738B2 - 服の床上り裾線を指示するためのレーザ光照射装置 - Google Patents

服の床上り裾線を指示するためのレーザ光照射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋服、特にスカートやドレス等の裾直しの際に必要とされる床上り裾線の位置を、着用した状態の服の上にレーザ光によって示すことができる構造を有したレーザ光照射装置(床上り裾線指示装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、洋服、特にスカートやドレス等の婦人服を身に着けた際の、服の裾と床までの距離(床からの上り寸法)が一定となるようにするために、メジャーや物差しで裾部分を複数箇所、時には数十箇所も測定し、床上り裾線を補正していたが、このような方法は、正確さに欠け、床面から裾までの距離にバラツキが生じ易いので、見た目に美しい裾線(裾ライン)を得ることが非常に困難であり、大変面倒な作業を必要とするという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、着用した状態における服の裾の適正位置を、簡単に、かつ安定して決定することができる構造を有した装置を提供することにある。
そこで、本発明者は、従来技術における上記問題点を解決するために種々検討を行った結果、床面と平行に、一定幅の直線を描くようにしてレーザ光を放射し得るレーザ照射部を、床面に対して垂直な方向に上下動可能とし、着用した状態の服の裾部分に上記レーザ光を照射して床上り裾線を指示することで、見た目に非常に美しい裾線が簡単に得られることを見い出して、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の、服の床上り裾線を指示するためのレーザ光照射装置は、着用した状態における服の裾の適正位置を決定する目的に使用され、床面から裾までの距離が等しくなるように、該服上に床上り裾線をレーザ光にて指示する装置であって、上記装置が、床面に対して垂直な方向に延びて位置する柱状体部と、上記柱状体部を床面に対して垂直な方向に安定して保持可能な基台部とを具備し、上記柱状体部には、床面に対して平行な方向に向かって一定の放射角度で、直線が描かれるようにしてレーザ光を照射することが可能なレーザ光照射体が、上記柱状体部の長手方向に沿って上下動可能な状態で取り付けられており、上記柱状体部には、長手方向に沿って、床面からレーザ光の照射位置までの距離を表示するための手段が設けられていることを特徴とする。
又、本発明は、上記装置が更に、駆動モータと、該駆動モータの作動を制御可能なコントローラと、上記駆動モータから発生した駆動力を上記レーザ光照射体に伝達することにより該レーザ光照射体を上下動させるための駆動手段とを具備していることを特徴とするものでもある。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のレーザ光照射装置の好ましい一例を図面に示し、本発明を説明する。図1(a)は、本発明のレーザ光照射装置(レーザ光照射体3が電動で昇降する構造を有するもの)の好ましい一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の装置の内部構造を示す断面側面図であり、(c)は、(a)の装置におけるレーザ光照射体の柱状体部への取り付け状態の一例を示す断面構造図である。
図1(a)に示したように、本発明の装置は、床面に対して垂直な方向に延びて位置する柱状体部1と、この柱状体部1を床面に対して垂直な方向に安定して保持可能な基台部2とを具備しており、図1の装置における柱状体部1の形状は四角柱であるがこれに限定されるものではなく、他の多角柱状であっても円柱状であっても良い。尚、柱状体部1と基台部2とは一体化されても良い。そして、この柱状体部1には、該柱状体部1の長手方向に沿って設けられた直線状の溝に沿って上下動可能な状態で、レーザ光照射体3が取り付けられている。本発明におけるレーザ光照射体3は、着用された状態の服上にレーザ光によって所望の床上り裾線が示されるように、床面から間隔をあけて、床面に対して平行な方向に一定の放射角度(α)で、一定幅の直線が描かれるようにしてレーザ光を照射可能なものであれば良く(図1(c)参照)、市販の半導体レーザ等が利用できる。例えば、半導体レーザを使用する場合には、扇状に90〜170°の放射角度でレーザ光を照射することが可能なものが適している。
【0006】
更に、本発明の装置においては、柱状体部1に、床面からレーザ光の照射位置までの距離を表示するための距離表示手段4が長手方向に沿って設けられており、これによって、床からの上り寸法が表示されるようになっており、この距離表示手段4の設置位置については、図面のような柱状体部1の外壁面に限定されるものではない。尚、本発明における距離表示手段4は、図面に示されるようなスケールが一般的であるが、レーザ光照射体の位置を検知して、この位置から、床面からの距離がデジタル表示されるものであっても良い。
尚、本発明の装置における柱状体部1の高さ(長手方向の大きさ)は、着用した服の裾部分にレーザ光が照射可能な長さ、即ち、少なくとも床面から起立した状態の人間の肩部分までの距離に相当する長さであれば良く、上着の袖の寸法直しやスカートの裾の寸法直しなどに幅広く対応可能とするには、柱状体部1の高さは100〜200cm程度が適している。
【0007】
本発明では、レーザ光照射体3を上下動(昇降)させるための機構については特に限定されるものではなく、手動によるものでも電動によるものでも良い。ただし、本発明では、使用に便利なように、レーザ光照射体3が電動により昇降可能な構造とすることが最も好ましく、この場合、図1(a)〜(c)に示されるようにして、レーザ光照射体3を昇降させるための力を発生させる駆動モータ5と、この駆動モータ5の作動を制御可能なコントローラ6と、駆動モータ5からの力を伝達するための伝達手段7とを設ける。この図の装置では、駆動モータ5が柱状体部1の上部に設けられているが(図1(b)参照)、駆動モータ5の設置位置はこれに限定されるものではなく、又、コントローラ6についても、レーザ光照射体3を柱状体部1の長手方向に沿って上下動させることができ、レーザ光照射口からのレーザ光照射を制御(オン−オフ)可能なものであれば良い。
【0008】
この図1の本発明の装置では、駆動モータ5からの力をレーザ光照射体3に伝達して、該レーザ光照射体3を上下動させるための駆動手段として、内部空洞を有する柱状体部1内に該柱状体部1の長手方向と一致する回転軸を有し、外周壁にねじが刻設された棒状体7が設けられており、レーザ光照射体3の後端部に形成されたねじが、棒状体7の外周壁のねじと螺合されていて、駆動モータ5により棒状体7が回転すると、柱状体部1の長手方向に沿ってレーザ光照射体3が昇降するようになっている。レーザ光照射体3の昇降は、駆動モータ5の回転方向(正回転であるか逆回転であるか)を変えることによって達成できる。この際、駆動モータ5を作動させるための電源は、レーザ光照射装置の外部に設けられても装置の内部に設けられても良く、図1の装置では、プラグ8により装置外部から電源が供給されるが、装置内部に電源を有する装置とした場合には、電源のない場所でも使用できるので特に好ましい。
尚、本発明において、レーザ光照射体3の昇降が手動により行われる場合、種々の昇降方式がいずれも使用でき、例えばレーザ光照射体3の後端側に取り付けたワイヤ等を軸体上に巻き付けることによりレーザ光照射体3を昇降させる手巻上げ式や、手動回転式、スライド式、ツルベ式等が挙げられる。
【0009】
図2は、本発明のレーザ光照射装置の使用状態を示す図であり、スカート等を着用して起立した人物(被照射体)の横に、本発明の装置を設置し、レーザ光照射体3から床面に対して平行に、一定幅の線状にレーザ光を照射し、レーザ光照射体3を昇降させて所望の床上り裾線位置を決定し、スカート上にレーザ光により示された床上り裾線9に沿ってピン(シルクピン)等で印を付けるだけで、簡単に美しい床上り裾線が得られる。
【0010】
【実施例】
市販の半導体レーザを利用して、図1(b)及び(c)に示される内部構造を有し、かつ、図1(a)に示される外観を有した本発明の、服の床上り裾線を指示するためのレーザ光照射装置(柱状体部の高さ約150cm)を作製した。
【0011】
【発明の効果】
このようにして製造した本発明のレーザ光照射装置を用いた場合、洋服を着用した状態で最も好ましい床上り裾線の位置を知ることができ、レーザ光により視覚的に明確に床上り裾線を指し示すことができた。又、本発明の装置は特に、洋服等のデザイン補正や修正(例えば、上着の袖の寸法直しやスカートの裾の寸法直し)などに好適であり、簡単かつ安定して床上り裾線を決めることができるという利点を有している。
尚、本発明の装置では、レーザ光が利用されているので、螢光灯などが点いた明るい部屋の中でも床上り裾線を明瞭に指示され、使用時に部屋を暗くする必要がないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のレーザ光照射装置の好ましい一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の装置の内部構造を示す断面側面図であり、(c)は、(a)の装置におけるレーザ光照射体の柱状体部への取り付け状態を示す図である。
【図2】本発明のレーザ光照射装置の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 柱状体部
2 基台部
3 レーザ光照射体
4 床面からレーザ光照射位置までの距離表示手段(スケール)
5 駆動モータ
6 コントローラ
7 外周壁にねじが刻設された棒状体(駆動手段)
8 プラグ
9 レーザ光により示された床上り裾線

Claims (2)

  1. 着用した状態における服の裾の適正位置を決定する目的に使用され、床面から裾までの距離が等しくなるように、該服上に床上り裾線をレーザ光にて指示する装置であって、上記装置が、床面に対して垂直な方向に延びて位置する柱状体部と、上記柱状体部を床面に対して垂直な方向に安定して保持可能な基台部とを具備し、上記柱状体部には、床面に対して平行な方向に向かって一定の放射角度で、直線が描かれるようにしてレーザ光を照射することが可能なレーザ光照射体が、上記柱状体部の長手方向に沿って上下動可能な状態で取り付けられており、上記柱状体部には、長手方向に沿って、床面からレーザ光の照射位置までの距離を表示するための手段が設けられていることを特徴とする、服の床上り裾線を指示するためのレーザ光照射装置。
  2. 上記装置が更に、駆動モータと、該駆動モータの作動を制御可能なコントローラと、上記駆動モータから発生した駆動力を上記レーザ光照射体に伝達することにより該レーザ光照射体を上下動させるための駆動手段とを具備していることを特徴とする請求項1記載のレーザ光照射装置。
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