JP4012251B6 - 脈管内ステント - Google Patents

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発明の背景
発明の分野
本発明は、脈管内ステントに関するものであり、さらに詳細には、血管の蛇行した部分を通って、容易に導入することのできる脈管内ステントに関するものである。
関連技術の説明
冠状動脈ないし一般の血管の血管形成術が発展し、狭窄した血管の血管再生のための最も効果的な手段となっている。1980年代の初めに、血管形成術はまず、冠状動脈の臨床実務に利用されるようになり、それ以来、従来のバイパス移植手術に代わる効果的な方法であることが証明されている。血管形成術に用いられるバルーンカテーテルも、これにともなって、最も信頼ができ、実用的なインターベンション方法であることが証明されている。レーザに基づく治療や方向性又は回転性冠状動脈粥腫切除術などの他の補助的技術は、効果に限界があるか、あるいは、意図する手法を実現するためのバルーン血管形成術次第であることがわかっている。バルーンに基づく血管形成後の再狭窄は、最も深刻な欠陥であり、冠状動脈システムにおいて、とくによく発生する。
再狭窄を抑制するために、レーザに基づく治療や方向性又は回転性冠状動脈粥腫切除術などを含む数多くの養生法が工夫されたが、限定的な成功を収めるの留まっている。しかしながら、脈管内にステントを設けることは、血管形成後の再狭窄の割合を顕著に減少させる。脈管内にステントを位置させる手法は、典型的に、ステントの設置に先立って、バルーン血管形成術を用いて、目的血管をあらかじめ拡張させ、ステントを拡張させて、拡張された血管壁を内部から支持させることを必要とする。
脈管内ステントは、血管の内腔のための骨格結合の機能を果たす。ステントによる血管壁の骨格結合は、(a)拡張された血管壁が弾性的に反動することを防止し、(b)バルーン血管形成術で一般的に起こる血管の残留する狭窄症をなくし、(c)ステントが設けられた血管部分の直径を、ステントが設けられた部分の近位および遠位の塞がれていない本来の血管部分の直径よりもわずかに大きく保ち、(d)最近の臨床データに示されるように、再狭窄の割合を低下させるのに役立つ。血管形成術に続いて、ステントが設けられた血管の再狭窄の割合が、ステントが設けられていない血管や薬物治療および既述の他の方法を含む治療などの他の方法により治療された血管に比べ、大幅に低下することが判明している。
血管にステントを設ける別の利点は、血管形成術から生じるバイパス手術の緊急性を潜在的に低下させることである。ステントを設けることは、血管形成術中に、血管の差し迫った閉鎖を処置するために、ある場合に効果的であることがわかっている。ステントを設けることは、血管形成術中に、通常の処置によって生ずる血管の不安定な局所的な内膜の裂け目を制御し安定化させることができる。ある場合には、バルーン血管形成術による血管の病巣組織の不完全ないし最善ではない拡張を、ステント移植片を用いて、成功裡に開くことができる。
開発の初期においては、ステント、とくに、冠状動脈内におけるステントの実用化は深刻な抗凝固性の問題を有していた。しかしながら、それ以来、抗凝固性技術が発展し、現在は、簡易にかつ効果的になっている。患者外抗凝固性治療を含むより良く、より容易な養生法が絶えず導入され、ステント患者の入院期間が短くなっている。
従来のステントの特許の例は、米国特許第5102417号(以下、Palmaz特許)である。このPalmaz特許に記載されているステントは直列の細長い管状部材よりなり、管状部材はその長手軸線にほぼ平行に配置された複数のスロットを有している。管状部材は少なくとも1つの可撓性連結部材によって連結されている。
Palmaz特許の拡張しない管状部材は、過度に剛性があり、その結果、実用的な応用範囲は短い長さに限定される。直列の管状部材を連結する可撓性連結部材を備えたマルチリンク設計にした場合でさえ、長いステントは、蛇行した血管を通ることができない。さらに、拡張しない管状部材は剛性が高いため、挿入の際に、血管を損傷する虞が大きい。挿入時において、ステントが短くなると、ステントの正確な位置決めを困難にし、拡張したステントが覆うことのできる面積が減少する。さらに、ステントの長手軸線に沿った直径をテーパーが付けられた拡張ステントが得られるようにプログラムする方法はなく、ステントの端部または他の領域を強化する方法も提供されていない。
従来のステントの特許の別の例は、WO96/03092、すなわち、Brun特許である。Brun特許に記載されたステントは、第1および第2の曲がりくねったパターンを有するパターン化された形状の管により形成されている。偶数と奇数の第1のパターンは、その位相が180度ずれ、奇数パターンは、2つずつの偶数パターンの間に生じる。第2の曲がりくねったパターンは、管の軸線に沿って、第1の曲がりくねったパターンに垂直に走っている。
隣接する第1の曲がりくねったパターンは、第2の曲がりくねったパターンによって連結され、ほぼ均一に分布されたパターンを形成している。鋭い直角の屈曲部を有する第1および第2の曲がりくねったパターンを対称的に配置することは、デリバリー時における血管の壁上での捕捉および障害を見込んでいる。さらに、第2の曲がりくねったパターンにおける大きな旋回は拡張時に十分真っ直ぐにはならず、拡張したステントの剛性および構造強度を低下させる。さらに、ステントの長手軸線に沿った直径をテーパーが付けられた拡張ステントが得られるようにプログラムする方法はなく、ステントの端部または他の領域を強化する方法も提供されていない。
これらおよび他の従来のステントの設計は、種々の程度で、(a)拡張しないステントのコラム剛性のため、血管内の屈曲部を通ることが不可能であること、(b)拡張しないステントの半径方向および軸線横方向の構造強度の欠如、(c)拡張時におけるステントの大きな短縮、(d)制限されたステントの長さ、(e)拡張したステントの一定の直径、(f)低いクリンプ特性ならびに(g)拡張しないステントの粗い表面状態を含んだ種々の欠点を有している。
拡張していない状態において、十分な長手方向可撓性を有し、蛇行した血管を通ることのできるステントが要求されている。さらに、拡張していない状態において、構造的な強度が高く、デリバリー時における損傷やねじれの虞が最小なステントが要求されている。さらにまた、拡張時においても、長手方向長さがほぼ一定に保たれ、目的部位を大きく覆うことができ、簡易に、ステントを適切な位置させることができるステントが要求されている。さらに、100mmまでの長いステントを蛇行した血管を通して、安全にデリバリーすることのできる長手方向に十分な可撓性を有するステントを設計することが要求されている。その長さに沿って、種々の直径に拡張して、目的血管の自然のテーパーと調和するテーパーを生成することのできるように構成されたステントが要求されている。(i)低い輪郭と可撓性を維持しつつ、膨張したバルーン上に強固にクリンプされ、(ii)デリバリーバルーン上にクリンプされた時に、滑らかな表面状態を有し、あるいは、(iii)端部もしくたは中央部またはその双方に、ステントの端部を目的血管の血管壁に対して、確実に位置するように保つ補強リングを有するステントが要求されている。
発明の要約
したがって、本発明の目的は、血管の内腔に骨組を提供することにある。
本発明の別の目的は、血管形成後における血管の反動を防止するステントを提供することにある。
本発明の他の目的は、バルーン血管形成術のみにより得られる結果に比して、大きい血管内腔を維持するステントを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、拡張したときに、ステント長さの短縮を減少させたステントを提供することにある。
本発明の別の目的は、血管内の選択された部位にデリバリーされたときに、可撓性が増大するステントを提供することにある。
本発明の他の目的は、ステントアセンブリのデリバリーバルーン上にクリンプされたときに、ロープロフィールを有するステントを提供することにある。
本発明の更なる目的は、チューリッピング(tuliping)が少ないステントフレームをを提供することである。
本発明の他の目的は、蛇行した血管又は湾曲した血管に、血管の”ハングアップ(はまりこんで動かなくなること)”が少ないチェーンメッシュステントを提供することにある。
更に、本発明の目的は、拡張されたステントの径方向およびアクシオラテラル強度(axio-lateral strength)が大きいチェーンメッシュステントを提供することにある。
本発明のこれらおよび他の目的は、非拡張状態のステントにおいて達成される。第1の拡張コラムは、複数の第1の拡張コラムストラット対のを含む。第1の拡張ストラット対は、第2の拡張ストラットに隣接する第1の拡張ストラットと、第1の拡張ストラット対の近位端で第1の拡張ストラットおよび第2の拡張ストラットと連結する第1の結合ストラットとを含む。第2の拡張ストラット対は、第2の拡張ストラットに隣接する第3の拡張ストラットと、第2の拡張ストラット対の遠位端で第2の拡張ストラットおよび第3の拡張ストラットと連結する第2の結合ストラットとを有する。第3の拡張ストラット対は、第3の拡張ストラットに隣接した第4の拡張ストラットと、第3の拡張ストラット対の近位端で第3の拡張ストラットおよび第4の拡張ストラットと連結する第3の結合ストラットとを有する。第4の拡張ストラット対は、第4の拡張ストラットに隣接する第5の拡張ストラットと、第4の拡張ストラット対の遠位端で第4の拡張ストラットおよび第5の拡張ストラットと連結される第4の結合ストラットとを有する。
第1の拡張ストラット対第1の角は、第1の結合ストラットが第1の拡張ストラットに連結されているところに形成されており、また、第1の拡張ストラット対第2の角は、第1の結合ストラットが第2の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第2の拡張ストラット対第1の角は、第2の結合ストラットが第2の拡張ストラットに連結されたところに形成されており、また、第2の拡張ストラット対第2の角は、第2の結合ストラットが第3の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第3の拡張ストラット対第1の角は、第3の結合ストラットが第3の拡張ストラットに連結されているところに形成されており、また、第3の拡張ストラット対第2の角は、第3の結合ストラットが第4の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第4の拡張ストラット対第1の角は、第4の結合ストラットが第4の拡張ストラットに連結されているところに形成されており、また、第4の拡張ストラット対第2の角は、第4の結合ストラットが第5の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。
第2の拡張コラムは、複数の第2の拡張コラムストラット対を含む。第1の拡張ストラット対は、第2の拡張ストラットに隣接した第1の拡張ストラットと、第1の拡張ストラット対の近位端で、第1の拡張ストラットおよび第2の拡張ストラットと連結する第1の結合ストラットとを有する。第2の拡張ストラット対は、第2の拡張ストラットに隣接する第3の拡張ストラットと、第2の拡張ストラット対の遠位端で、第2の拡張ストラットおよび第3の拡張ストラットに連結する第2の結合ストラットとを有する。第3の拡張ストラット対は、第3の拡張ストラットに隣接する第4の拡張ストラットと、第3の拡張ストラット対の近位端で、第3の拡張ストラットおよび第4の拡張ストラットと連結する第3の結合ストラットとを有する。第4の拡張ストラット対は、第4の拡張ストラットに隣接する第5の拡張ストラットと、第4の拡張ストラット対の遠位端で、第4の拡張ストラットおよび第5の拡張ストラットと連結する第4の結合ストラットとを有する。
第1の拡張ストラット対第1の角は、第1の結合ストラットが第1の拡張ストラットに連結されているところに形成されており、また、第1の拡張ストラット対第2の角は、第1の結合ストラットが第2の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第2の拡張ストラット対第1の角は、第2の結合ストラットが第2の拡張ストラットに連結されたところに形成されており、また、第2の拡張ストラット対第2の角は、第2の結合ストラットが第3の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第3の拡張ストラット対第1の角は、第3の結合ストラットが第3の拡張ストラットに連結されたところに形成されており、また、第3の拡張ストラット対第2の角は、第3の結合ストラットが第4の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。第4の拡張ストラット対第1の角は、第4の結合ストラットが第4の拡張ストラットに連結されたところに形成されており、また、第4の拡張ストラット対第2の角は、第4の結合ストラットが第5の拡張ストラットに連結されているところに形成されている。
第1の連結ストラットコラムは、複数の第1の連結ストラットで形成されており、第1の連結ストラットコラムの各連結ストラットは、連結ストラット近位部分と、連結ストラット遠位部分と、連結ストラット中間部分とを含む。第1の連結ストラット近位部分は、第1の拡張ストラットコラムの第2の拡張ストラット対の第1の角に連結され、また、第1の連結ストラット遠位部分は、第1の拡張ストラット対第1の角および第1の拡張ストラット対第2の角の中間で、第2の拡張ストラットコラムの第1の拡張ストラット対の第1の結合ストラットに連結されている。第2の連結ストラット近位部分は、第1の拡張ストラットコラムの第4の拡張ストラット対の第1の角に連結され、また、第2の連結ストラット遠位部分は、第3の拡張ストラット対第1の角および第3の拡張ストラット対第2の角の中間で、第2の拡張ストラットコラムの第3の拡張ストラット対の第3の結合ストラットに連結されている。
【図面の簡単な説明】
図1Aは、本発明のステントの実施態様の拡張前モードの側面図である。
図1Bは、本発明のステントの実施態様の断面図である。
図1Cは、本発明のステントの実施態様の縦断面図である。
図2Aは、本発明のステントの実施態様のストラットパターンのスケール図である。
図2Bは、図2Aのパターン部分の拡大図である。
図3Aは、本発明のステントの実施態様の拡張前モードの概略図である。
図3Bは、本発明のステントの実施態様の拡張後モードの概略図である。
図4Aは、本発明のステントの実施態様の寸法を含むスケール図である。
図4Bは、図4Aのスケール図の拡大部分である。
図5は、拡張後モードにおけるテーパーがつけられた直径を有する本発明のステントの実施態様のスケール図である。
図6Aは、補強拡張コラムを備えた本発明のステントの実施態様のスケール図である。
図6Bは、図6Aの実施態様の斜視図である。
図7Aは、接合部の可撓性を増大させるため、ストラット接合部に設けたリリーフノッチを含む本発明のステントの実施態様のスケール図である。
図7Bは、図7Aの実施態様の拡大領域である。
図7Cは、図7Aの実施態様にしたがった2つの拡張ストラット対を結合する単一の連結ストラットの拡大図である。
図8Aは、本発明のステントの1実施形態の側面図である。
図8Bは、本発明のステントの1実施形態の側面図であり、ステントストラットとストラット間の空間とが透明であるかのように示されている。
図8Cは、本発明のストラットの1実施形態のスケール図である。
図8Dは、図8Cのストラットの実施形態の変形例である。
図8Eは、図8Dの実施形態の斜視図である。
図8Fは、本発明の図8Dの実施形態のストラットの拡張後の状態を示す図面である。
図8Gは、本発明の実施形態による、2つの拡張ストラット対を結合する単一連結ストラットの拡大図である。
図9Aは、本発明の1実施形態の側面図である。
図9Bは、図9Aの実施形態の斜視図である。
図9Cは、図9Aの実施形態のスケール図である。
図9Dは、図9Cの拡大領域である。
図9Eは、本発明のストラットの1実施形態のスケール図である。
図9Fは、本発明のストラットの1実施形態のスケール図である。
図9Gは、本発明の1実施形態による、2つの拡張ストラット対を結合する単一連結ストラットの拡大図である。
図10Aは、本発明にしたがった連結ストラットと結合ストラットの別の幾何学的配置の図面である。
図10Bは、本発明にしたがった連結ストラットと結合ストラットの他の幾何学的配置の図面である。
図10Cは、本発明にしたがった連結ストラットと結合ストラットの他の幾何学的配置の図面である。
図10Dは、本発明にしたがった連結ストラットと結合ストラットの他の幾何学的配置の図面である。
図10Eは、本発明にしたがった連結ストラットと結合ストラットの他の幾何学的配置の図面である。
図10Fは、本発明による、連結ストラットと結合ストラットとの他のジメオトリ(幾何学的配置)の図面である。
図11は、本発明にしたがったステントのデリバリー方法を示すデリバリーバルーンカテーテルである。
詳細な説明
本発明の第1の実施態様が、図1A、図1B、図1C、図2Aおよび図2Bに示されている。図1Aを参照すると、拡張していない状態における細長く、中空の管状ステント10が図示されている。近位端12と遠位端14がステント10の長手方向長さを決定している。ステント10の長手方向長さは100mm以上とすることができる。近位開口18と遠位開口20がステント10の内腔22に接続する。ステント10は、シームまたは溶接継ぎ手のない単一ピースでも、複数のピースを含んでいてもよい。
ステント10は、介在連結ストラットコラム26により、互いに連結された2ないし50の拡張コラムすなわちリング24よって作られている。近位端12上の第1のコラムおよび遠位端14上の最後のコラムは拡張コラム24である。
拡張コラム24は一連の拡張ストラット28および結合ストラット30から形成されている。拡張ストラット28は、ステント10の長手軸線の方向に、少なくとも一部が延びるように配置された薄く、細長い部材である。膨張バルーンあるいは他の手段により、内部から、ステント10に外向きの外力が加わると、拡張ストラット28は、さらに周方向に延びるように、すなわち、円筒状ステント10の表面に沿い、その長手軸線に直行して、延びるように、再指向される。拡張ストラット28が再指向されることにより、ステント10は拡張した周囲と直径を有することになる。図1Aにおいて、拡張していないステント10の拡張ストラット28は、ステント10の長手軸線にほぼ平行に延びるように見える。
拡張ストラット28は、結合ストラット30により、互いに結合され、複数の拡張ストラット対32を形成する。拡張ストラット対は、閉じた端部34と開放された端部36を有している。別の結合ストラット30は、隣接する拡張ストラット対32の拡張ストラット28を、拡張ストラット28が隣接する拡張ストラット28に、近位端と遠位端で、交互に結合されて、拡張コラム24を形成するように、互いに結合する。各拡張コラム24は複数、典型的には、8ないし12、12ないし16あるいはそれ以上の拡張ストラット28を有している。拡張コラムは、ステント10の円周の周りに延びる、連続的な途切れていないリング構造であるのが好ましいが、個々のストラットまたはストラットピースが、連続拡張コラム24から取り除かれた途切れた構造を使用してもよい。
連結ストラット38は、隣接する拡張コラム24を連結し、それぞれステント10の周囲に延びている一連の介在連結ストラットコラム26を形成する。各連結ストラット38は、拡張コラム24内の一対の拡張ストラット28を、隣接する拡張コラム24内の隣接する一対の拡張ストラット28に結合する。図1Aのステント10については、拡張コラム24内の拡張ストラット28の連結ストラットコラム26内の連結ストラット38に対する比は2対1である。しかしながら、この比は一般にx対1とすることができる。ここに、xは2より大きくまたは小さい数である。さらに、図1Aのステント10は、近位端の拡張コラム24で始まり、遠位端の拡張コラム24で終わるので、コラム当たり、mの拡張ストラット28を有するnの拡張コラム24があるとき、m−1の連結ストラットコラム26とn×(m−1)/2の連結ストラット38があることになる。
各拡張コラム24内の拡張ストラット28に比べて、各連結ストラットコラム26内の連結ストラット38の数が少ないため、ステント10は長手方向に可撓性を有することになる。長手方向の可撓性は、幅の狭い連結ストラットを用い、自然の血管の湾曲部を回って、通るときに、ステント10に、さらに可撓性と柔軟性を与えることにより、さらに増大させることができる。
ステント10内のストラット間のオープンスペースの少なくとも一部は非対称セルスペース40を形成している。セルスペースは、拡張ストラット28、連結ストラット38あるいは結合ストラット30を含むステントストラットの1つまたはこれらの組み合わせによって囲まれたステント10の表面上の空の領域である。非対称セルスペース40は、幾何学的な対称性を有さない、すなわち、回転、反転、回転と反転の組み合わせあるいはその他の対称性を有していないセルスペースである。非対称なセルスペース40は、非対称な幾何学的形状を有している。
図1Aの非対称セルスペース40は、第1の拡張コラム24内の拡張ストラット対32、第1の連結ストラット38、隣接する拡張コラム24内の第2の拡張ストラット対32、第1の結合ストラット30、第2の連結ストラット38および第2の結合ストラット30により取り囲まれている。さらに、非対称セルスペース40の拡張ストラット対32は周方向のオフセットしていてもよく、すなわち、同一直線状にない長手軸線を有し、対向する開放端部36を有していてもよい。拡張ストラット対32の2つの拡張ストラット間のスペースは、ループスロット42として知られている。
図1Bは、ステント10の内腔22、半径44およびステント壁46を示している。ステント壁46は、拡張ストラット28、連結ストラット38および結合ストラット30を含むステントストラットからなっている。
図1Cは、近位端12、遠位端14、長手方向長さ16、内腔22、ステント10のステント壁46を示している。内腔22は、ステント10の円筒表面を形成するステント壁46により取り囲まれている。
図2Aおよび図2Bを参照すると、ステント10の結合ストラット30が、拡張ストラット28と角度をなして延び、拡張ストラット対32の一方の拡張ストラット28との間に狭い角度48を、拡張ストラット対32の他方の拡張ストラット28との間に広い角度50をなしていることがわかる。狭い角度48は90度未満であり、広い角度50は90度を越えている。結合ストラット30は、ステント10の長手軸線に沿って、長手方向に、また、長手軸線に垂直なステント10の表面に沿って、周方向に、延びている。
ある拡張コラム24内の隣接する拡張ストラット28の間の拡張ストラットスペース52は、図2Aおよび図2Bのステント10内では均一である。しかしながら、均一でないスペースもまた使用することができる。拡張ストラットスペース52は変化させることができ、たとえば、拡張コラム24内の隣接する拡張ストラット28の間のスペースは狭いスペースと広いスペースとの間で変えることができる。さらに、単一の拡張コラム24内のスペース52は、他の拡張コラム24内の他のスペース52と異なっていてもよい。
ループスロット42を形成する拡張ストラットスペース52を変化させることは、ループスロット幅を可変にする。さらに、ループスロット42の長手軸線は、隣接する拡張コラム24内のループスロット42の長手軸線と同一直線上になくてもよく、平行である必要さえない。図2Aおよび図2Bは、共線的で平行なループスロット42が隣接して形成されるように、拡張ストラット28が配置されている場合を図示しているが、非共線的で平行でないループスロット42もまた使用可能である。
さらに、ループスロット42の形状は、単一あるいは複数の拡張コラム24のループスロットの間で同一である必要はない。ループスロット42の形状は、拡張ストラット28および/またはループスロット42の境界を画定している拡張ストラット対32の拡張ストラット28を連結している結合ストラット30の向きおよび物理的な寸法を変化させることにより、変えることができる。
連結ストラット38は、ある拡張コラム24内の拡張ストラット対の遠位端を第2の拡張コラム24内の隣接する拡張ストラット対32の近位端に連結することにより、隣接する拡張コラム24を結合する。図2Aおよび図2Bの連結ストラット38は、2つの直線部分により形成され、第1の直線部分54は、その遠位端で、第2の直線部分56の近位端に結合され、第1の傾斜角58を形成している。
連結ストラット38の第1の直線部分54は、結合ストラット30が拡張ストラット28と狭い角度48をなしている点で、拡張ストラット28に結合される。第1の直線部分54は、はぼ共線的に結合ストラット30に延び、結合ストラット30の線は拡張コラム24間のスペースに続いている。第1の直線部分54の遠位端は、第2の直線部分56の近位端に結合され、傾斜角を形成している。第2の直線部分56は、その遠位端で、隣接する拡張コラム24内の結合ストラット30に連結する拡張ストラット28にほぼ平行に延びている。第2の直線部分56の遠位端は、結合ストラット30が拡張ストラット28と狭い角度48をなしている点で、拡張ストラット28に付着している。結合ストラット30は、さらに、第1の傾斜角の幅と同じでも異なっていてもよいような幅を有する第2の傾斜角を有していてもよい。
図2A及び図2Bは、ステント10の長手方向軸に関して傾斜している連結ストラット38と結合ストラット30を示しており、これらのストラットは、周方向にコラムから隣りのコラムに交番している。周方向は、傾斜したストラットがステント10の表面の周りを曲がるときの硬さに関係している。連結ストラットコラム26の連結ストラット第1直線部54の傾斜の円周方向は、隣接する連結ストラットコラム26の連結ストラット第1の直線部分54の傾斜の周方向と反対である。同様に、拡張コラム24の結合ストラット30の傾斜の周方向は、隣接する拡張コラム24の結合ストラット30の傾斜の周方向と反対である。連結ストラット38と結合ストラット30の周傾斜方向が交番しているため、デリバリ時と拡張時にステント10の軸方向のねじれまたはそり(warp)が防止される。他の交番でない傾斜方向パターンが、連結ストラット38又は結合ストラット30若しくは両者に使用可能である。
図3A及び図3Bは、本発明による非拡張時及び拡張時のステントのデザインをそれぞれ概略的に示している。このデザインは、ステント10がその長手方向軸と平行に切断されて広げら、平面に投影されて示されている。連結ストラット38は、枢軸点60で傾斜角58を形成する第1の直線部分54と第2直線部56とから構成されている。不対称なセルスペース40が、拡張ストラット対32、連結ストラット38及び結合ストラット30により形成されている。マルチインターロックの非対称セルスペース40がデザインパターンを構成している。
ストラットが拡張されたとき、図3Bに示すように、拡張ストラット対32は、円筒状ステントの長手方向軸に沿う拡張ストラット28の長さを短くさせながら、それらの開口端部36で離れるように広がる。拡張時に拡張ストラット28が長手方向に短くなるのは、結合ストラット38が長手方向に長くなるのと逆である。拡張時に傾斜角58が広がることにより、連結ストラット38は真っ直ぐになり結合された拡張ストラット対32の間の距離は長くなる。この結合された拡張ストラット対32の間の距離が長くなることにより、拡張ストラット28が長手方向に短くなることが実質的に補償されている。このように、ステントは、非拡張時及び拡張時の両方でそれぞれほぼ一定の軸方向長さを有する。
ステントが拡張されたとき、各拡張コラム24は、ストラット間のスペースを広げながら、円周方向に伸びる。拡張プロセス中に真っ直ぐになった連結ストラット38により拡張コラム24がインタロックされることにより、ステント10に大きな径方向の支持力が与えられる。拡張されたときには、ステント10の全体が、伸びた拡張コラム24及び連結ストラットコラム26の連続するチェーンメッシュとして一体となり、これが、軸方向及び径方向の両方のつぶれに耐える非対称のインターロックのセルジオメトリを形成する。ステントが拡張されたとき、ステントの剛性と疲労限度は増大する。
更に、枢軸点60での連結ストラット38が効率的に曲り且つ伸びるため、それにより、ステントの長手方向の可撓性が増大する。ステントが長手方向に曲がるためには、少なくともいくらかの連結ストラット38がそれらの接平面で強制的に曲げられる。特定の連結ストラット38の接平面は、その連結ストラット38でステントの円筒表面にほぼ接する面である。連結ストラット38の幅は、一般的には厚みの2から4倍又はそれ以上であり、それにより、連結ストラット38が接平面で曲がるとき比較的に可撓性が小さくなる。しかしながら、連結ストラット38の枢軸点60により、連結ストラット38がその周りで容易に曲がるための可撓性のある結合点となり、これによりステントの長手方向の可撓性が増大する。
図4A及び図4Bには、本発明のステント10の第1実施形態の変形例が示されている。この変形例においては、ステント10は、33.25mmの長さ16及びクリンプされず且つ拡張されていない5.26mmの円周88を有する。15個の拡張コラム24は、連結ストラットコラム26とともに散在している。各拡張コラム24は、6個のストラット対32を形成する結合ストラット30によりそれらの近位端と遠位端とで交番して結合されている12個の拡張ストラット28により構成されている。拡張ストラット28は、円筒状のステント10の長手方向軸に対して平行に配列されている。結合ストラット30は、拡張ストラット対32の各々と狭い角度48と広い角度50を形成する。隣接する拡張コラム24は、周方向の傾斜方向が交番する結合ストラット30を使用している。
この第1実施形態の変形例では、拡張ストラットの幅62は20mmであり、拡張ストラットの長さ64は1.51mmであり、さらに、連結ストラットの幅66は0.13mmである。同じ拡張コラム24の第1拡張ストラット28の外側端から第2の隣接する拡張ストラット28の外側端までの距離68は064mmであり、024mmであるループスロットの幅70を残している。
第1実施形態の変形例では、連結ストラット38は、傾斜角58で第2直線部56に結合されている傾斜した第1直線部54から構成されている。第1直線部54は、第2直線部56より少し長く、さらに、拡張コラム24の拡張ストラット28に対してその近位端で取り付けられている。第1直線部54の近位端の拡張ストラット28への取付点は、結合ストラット30と拡張ストラット28との角度48が狭くなる部分である。第1直線部54は結合ストラット30に対してほぼ同一直線上で延びており、傾斜角58を形成するようにその遠位点が第2直線部56の近位端に取り付けられている。第2直線部56は拡張ストラット28に対してほぼ同一直線上で延びており、その遠位点が隣接の拡張コラム24の拡張ストラット28に取り付けられている。この取り付けは、拡張ストラット28が結合ストラット30と狭い角度48を形成する部分で行われる。結合ストラット30及び連結ストラット第1直線部54は、コラムから隣接するコラムまで交番する周方向に傾斜している。
狭い角度48が形成されている点で連結ストラット38と拡張ストラット28が結合されているので、拡張していないステントの表面を流線形にすると共に当たる可能性のある点を少なくすることにより、ステント10のスムーズなデリバリがし易くなる。血管の目標損傷部にステント10を裸でデリバリすることにより、血管中の曲り部分を通るときに突き刺さったり当たったりすることが最小限となる。ステント10は、デリバリ用カテーテル上で血管内で前後方向に移動するとき、可撓性のあるチューブ状のそりのように挙動し、蛇行した血管内及び血管膣の内側のアステローム硬化症のプラークにより生じた不規則な出っ張り上を滑る。
図4A及び図4Bに示す十分に拡張されたステント10は最大5.0mmまでの初期直径を有し、一方、許容できる半径方向強さ及び疲労限度を保持している。クリンプ(crimped)されたステントの外径は、下にあるデリバリ用バルーンプロフィールの状態により1.0mm程度に小さいか又はそれ以下である。クリンプされたステントの外径が小さいということは、目標部位を予め拡張することなしにステントをデリバリする場合には重要である。ステントがオプションとしてデリバリ用バルーン上でクリンプされたときには、クリンプされたステントの表面は、血管内を前後に移動するときステントストラットが突き刺さったりすることがないように、滑らかである。
図5は本発明の第2実施形態を示し、この第2実施形態では、拡張された形態のステント10では、近位端12から遠位端14まで徐々に傾斜している。拡張ストラット28の影が付けられたセグメント72,74,76,78,80,82,84は、取り外されるべき拡張ストラット28の領域を示している。影が付けられたセグメント72,74,76,78,80,82,84を取り外すことにより、ステント10は、近位端12よりも小さな拡張された直径を持つ遠位端とと共に拡張されてときには、徐々に傾斜する。所定の拡張コラム24でステント10の拡張された直径を短くする程度は、拡張コラム24の取り外されたセグメント72,74,76,78,80,82,84の長さに比例する。拡張されたステント10において、短くなった拡張ストラット28は、円周と直径が短くなるようなステントの環境に沿って短くなったコンポーネントを有する。傾斜した直径部分は、ステント10の長さに沿ってどこでも配置可能であり、さらに、所定の拡張コラム24の拡張ストラット28の適当に大きいか又は小さい部分を取り除くことによりほぼ徐々に傾斜する。血管の傾斜は長くなるほど明らかになるため、12mmより長いステントにおいて特に重要である。均一なステント直径を持つ長いステントは、短い領域上でのみ目標血管直径に対して一致させることができる。近位の血管寸法がステント直径と一致する場合には、ステントの拡張された直径は、自然な血管には大きすぎることになり、さらに、ステントの拡張により遠位血管の初期切開が必要となる可能性がある。一方、遠位血管の寸法がステントの直径と一致すれば、拡張されたステントの近位端は、血管壁の内側にセットするには小さすぎることになる。
テーパ拡張ステントを達成する別の仕方は、ストラットの剛性がステントの長さに沿って変化するように、ステントストラット、拡張ストラット、連結ストラット又は結合ストラットの剛性を変えることにある。ストラットの剛性は、長さ、幅、厚さを変更すること、追加の剛性材料を追加すること、化学的又は機械的手段を用いてステント材料の物理的特性を変更すること、または、ステントに一つ又は一連のエラスティック要素をつけることによって変えることができる。
テーパ直径ステントの使用に加え、かかるテーパ直径ステントをデリバリ及び配置することができるように、適合したテーパバルーンカテーテルを作るのが理想である。テーパ直径ステントに関してテーパ適合バルーンカテーテルを使用する方法は本発明の範囲内にある。
テーパバルーンを使用して非テーパステントを拡張させることもまた、テーパ拡張ステントを達成することになる。しかしながら、金属をステントから取り除くことはできないので、ステントは不完全な拡張の結果としてテーパする。従って、ステントはテーパ端において金属の割合を増大させることになり、このことは、急性血栓症の危険を高めてしまうことになる。金属の割合は、ステントストラット材料によって被覆された拡張ステントの表面の比率である。図5に示すように拡張ストラットを短縮することにより、テーパステントはその長さに沿って金属の割合を実質的に一定にすることができる。
図6A及び図6Bに示す本発明の第3実施形態が、ステント10の長さに沿って配置された多式強化拡張コラム86を有する。これらの強化コラム86は、ステント10に追加の局部的な半径方向強度及び剛性を与えるため、ステントの長さに沿って配置される。追加の強度及び剛性は、ステントの変形をデリバリ中及び配置後の両方において防止するため、ステントの端において特に重要である。デリバリ中、ステントの端は血管壁をひっかけてしまうことがあり、拡張されていないステントを変形させ、ステントの拡張特性を変えてしまうかもしれない。ステントを配置した後には、ステントの端が血管壁に堅固に当接して配置されるようにステントの端を固定することが重要である。さもなければ、引き続くカテーテル作業中、カテーテル又はガイドワイヤがステントの端をひっかけて、ステントを血管壁から離れるように引っ張り、血管を傷つけてしまい、及び又は、血管を遮断してしまうことがある。
図6A及び図6Bに示すステント10の第3実施形態の特定例は、20.70mmの長さ16と、5.26mmの、クリンプされても、拡張されてもいない円周88とを有する。ステント10は、6つの拡張コラム24と、3つの強化拡張コラム86とを有し、各コラムは、夫々、12の拡張ストラット28、強化拡張ストラット90を有する。強化拡張コラム86は、ステント10の各端に1つ、ステント10の長さに沿って1つ位置決めされている。
拡張ストラットの幅62は0.15mmであり、強化拡張ストラットの幅92は0.20mmであり、連結ストラットの幅66は0.10mmである。結合ストラット30及び拡張ストラット28によって形成された狭角48は75°であり、強化結合ストラット96及び強化拡張ストラット90によって形成された狭角94は60°である。
ステントの両端にのみ、或いは、ステントの一方端にのみ、或いは、ステントの長さ全体を通じて複数箇所に強化拡張コラム86を提供することのような強化拡張コラム86のその他の構造を用いることができ、この構造も本発明の範囲内にある。また、適当な拡張コラム24、86の拡張ストラット28、強化拡張ストラット90を短縮することによって、テーパを強化ステント10に組み込むことができる。
図7A、図7B及び図7Cに示す本発明の第4実施形態は、第3実施形態に似ているけれども、追加の特徴のリリースノッチ98、100を有する。リリースノッチは、金属がストラットから取り除かれた場所、通常、複数のストラットが連結される結合部にあるノッチである。リリースノッチ98は、連結ストラット38の第1直線部分54と、拡張ストラット28との間に形成された結合部に形成されている。リリースノッチ100は、連結ストラット38の第2直線部分56と、拡張ストラット28との間に形成された結合部に形成されている。リリースノッチの位置決めは、拡張されていないステントに追加の可撓性を与える。リリースノッチは、その他の結合部に設けることができ、上述したいずれの実施形態にも含めることができる。
図8A及び図8Bは、本発明のステントの第5の実施形態の変形例の側面図である。この実施形態では、4ピース傾斜連結ストラット38が使用され、一つの拡張コラム24の拡張ストラット対32の角を、隣接する拡張コラム24の円周方向のオフセットされた拡張ストラット対32の結合ストラット30に連結している。拡張ストラット28と、結合ストラット30と、拡張コラム24と、補強拡張ストラット90と、補強結合ストラット96と、補強拡張コラム86は、図6Aの第4の実施形態とほぼ同じである。しかしながら、連結ストラットコラム26の連結ストラット38は、後述するように、ジオメトリ(幾何学的配置)と連結とが変更されている。
図8Aは、ステント表面の前半分のステントストラットのみを示している。ステント表面の裏半分は図示しない。ステントは、ステントストラットとその間の空間とが不透明であるかのように、表わされている。図8Bは、前半分および後半分の両方から全てのステントストラットを示している。ステントは、ストラットとその間の空間とが透明であるかのように、表されている。
図8Cに示されている本発明の第5の実施形態の第1の変形例は、12の拡張コラム24と、4つの補強拡張コラム86と、15の連結ストラットコラム26とを備えたステント10からなっている。この変形例では、ステント10は、長さ16が、31.96mmであり、非拡張状態の円周88が5.26mmである。
図8Gに拡大して示されている連結ストラット38は、4つの直線部分、すなわち、3つの傾斜角170、172、174をなしている、近位端部分162と、第1の中間部分164と、第2の中間部分166と、遠位端部分168とを備えている。近位端部分162の近位端は、拡張コラム24の拡張ストラット対32の角176に取付けられている。角176は、結合ストラット30が拡張ストラット28と狭い角度48をなしているところに形成されている。拡張ストラット32の第2の角178は、結合ストラット30が拡張ストラット28と広い角度50をなしているところに形成されている。角176、178は、直線拡張ストラット28と結合ストラット30を結合することにより形成される傾斜形状を有することができ、または、角176、178を丸めて、鋭い角を取り除き大きな可撓性を提供するのが好ましい。さらに、丸められた角により、ステント10は、より大きく拡張でき、かつ、拡張したとき、角のステントストラット材料の応力を減少させる。
連結ストラット38の近位端部分162は、角176から延び、その遠位端が、傾斜角170をなして、第1の中間部分164に取付けられている。第1の中間部分164は、第1の中間部分164が拡張ストラット28と平行であるように、近位端部分162から延び、その遠位端が、傾斜角172をなして第2の中間部分166の近位端に連結されている。
第2の中間部分166は、ステント10の長手方向軸線に対して傾斜して延びて、ステント10に沿って長手方向に且つステント10を中心に円周方向に延びている。第2の中間部分166は、隣接する拡張コラム24の円周方向にオフセットした拡張ステント対23の結合ステント30と平行であるのが好ましい。
第2の中間部分166は、遠位端が、傾斜角174をなして、遠位端部分168の近位端に取付けられている。遠位端部分168は、第2の中間部分166から延び、その遠位端が、隣接する拡張コラム24の円周方向にオフセットした拡張ストラット対32の結合ストラット30に取付けられている。取付けは、角176、178の間の点であり、結合ストラット30は、拡張ストラット28と、狭い角度48と広い角度50を、それぞれ、なしている。
遠位端部分168の結合ストラット30への連結点は、角178より角176に近い。連結点は、角176から、1ないし2またはそれより大きい拡張ストラット幅であるのが好ましい。遠位端部分168の結合ストラット30への連結点を、角176から角176と角178の間へオフセットさせることにより、拡張ステント10のそりまたはねじれ(warp)が減少し、滑らかな表面変動(modulation)が得られ、血栓症の危険が減少する。加えて、この設計により、連結ストラット38のより長い総直線長が得られ、これにより、拡張中にステント10の短縮が、減少する。
図8D、図8Eに非拡張形態が、図8Fに拡張形態が示されている、本発明の第5の実施形態の第2の変形例は、6つの拡張コラム24と、2つの補強拡張コラム86と、7つの連結コラム26とを備えたステント10からなる。この変形例では、ステント10は、長さ16は、15.04mmであり、非拡張の円周88が5.26mmである。ステント10の設計は、拡張コラム、補強拡張コラムおよび連結ストラットコラムの数が少ない図8Cの第5の実施形態の第1の変形例の設計とほぼ同じである。
図8Fは、第5の実施形態の第2の変形例の拡張したステント10の一部分を示している。バルーンまたは他の手段でステント10を拡張した後には、拡張ストラット28は、円周方向に離れて拡げられており、拡張ストラット対32の開放端36での分離が増加し、その結果、ステント10の円周が増大している。拡張ストラット28を拡げると、拡張コラム24の長手方向収縮がおこり、これが、連結ストラット38が真っ直ぐになること(直線化)によって、補償される。拡張工程の間に、傾斜角170、172および174が広くなり、連結ストラット38を真っ直ぐにし、隣接する拡張コラム24の間の分離距離を大きくする。拡張ストラットの非対称連結セルの幾何学的配置を図8Fに示す。
図9A、図9B、図9C、図9D、図9E、図9F、および、図9Gは、本発明のステントの第6の実施形態を示す。この実施形態では、3ピース傾斜連結ストラット38が、一つの拡張コラム24の拡張ストラット対32の結合ストラット30を隣接する拡張コラム24の円周方向にオフセットした拡張ストラット対32の結合ストラット30に連結するために、使用されている。連結ストラット38の各部分間の接合部は、滑らかな丸められた形状をなして、湾曲している。拡張ストラット28と、結合ストラット30と、拡張コラム24と、補強拡張ストラット90と、補強結合ストラット96と、補強拡張コラム86は、図8Aの第4の実施形態とほぼ同じである。しかしながら、連結ストラットコラム26の連結ストラット38は、後述するように、ジオメトリ(幾何学的配置)と連結とが変更されている。
図9A、図9B、および、図9Cに示される本発明の第6の実施形態の第1の変形例は、8つの拡張コラム24と、3つの補強拡張コラム86と、10の連結ストラットコラム26とを備えたステント10からなる。この変形例では、ステント10は、長さ10が20.32mmである。
リリーフノッチ204が、ステントの近位端12と遠位端14の補強拡張コラム86の補強拡張ストラット90と補強結合ストラット96との間の接合部に、利用されている。リリーフノッチ204は、補強拡張ストラット90と補強結合ストラット96との間の接合部の幅を減少させ、ストラット拡張中および拡張後の接合部での金属の応力を減少させる。ステントの端は拡張中および拡張後に特にそり又はねじれ(warp)を受けやすいので、リリーフノッチ204はステントの端で特に重要である。リリーフノッチ204は、接合幅を減少させ、接合幅は、ステント壁46の厚さとほぼ同じである(図1B、図1C参照)。
図9Dに拡大して示されている連結ストラット38は3つの直線部分、即ち、傾斜角200、202をなしている遠位端部分194と中間部分196と近位端部分198と備えている。連結ストラット38は、連結ストラットの各部分194、196、198の間に、広い半径の湾曲を有している。したがって、連結ストラット38の形状は、鋭い角度で折り曲げられているのでなく、湾曲あるいは波打っている。傾斜角200、202は、図9Dに示されているように、直線的に延びている近位端部分194、中間部分196、および、遠位端部分198によって、形成されている。
図9Eは、本発明の第6の実施形態の連結ストラットの設計の変形例を示している。図9Eに示されている連結ストラット38は、近位端部分194、中間部分196および遠位端部分198の間の接合部で、小さな半径の湾曲を有している。従って、図9Eの連結ストラット38は、図9Dの連結ストラットより、鋭い角度で折り曲げられている。
図9Dおよび図9Eの連結ストラット38を参照すると、近位端部分194の近位端は、角176、178の間で、拡張ストラット対32の結合ストラット30に取付けられている。連結ストラット38の近位端部分194は、結合ストラット30から延び、その遠位端が、傾斜角200をなして、中間部分196に取付けられている。中間部分196は、ステント10の長手方向軸線に対して傾斜した向きで、近位端部分194から延び、ステント10に沿って長手方向に且つステント10を中心に円周方向に延びている。中間部分196は、連結された拡張ステント対32の結合ストラット30と平行であるのが好ましい。
中間部分196は、その遠位端が、傾斜角202をなして、遠位端部分198の近位端に連結されている。遠位端部分198は、第2の中間部分196から延び、その遠位端が、隣接する拡張コラム24の円周方向にオフセットした拡張ストラット対32の結合ストラット30に取付けられている。取付けは、角176、178の間であり、そこで、結合ストラット30は、拡張ストラット28に対して、狭い角度48と広い角度50を、それぞれ、なしている。
近位端部分194および遠位端部分198の、結合ストラット30への連結点は、角178より角176に近い。連結点は、角176から、1ないし2又はそれより大きい拡張ストラット幅であるのが好ましい。遠位端部分198の結合ストラット30への連結点を、角176から角176と角178の間にオフセットさせることにより、ステント10のそり又はねじれ(warp)が減少し、滑らかな表面変動(modulation)が得られ、血栓症の危険が減少する。加えて、この設計により、連結ストラット38のより長い総直線長が得られ、これにより、拡張中にストラットの短縮が、減少する。
第6の実施形態の連結ストラット38は、その中心の周りで、180度の回転対称である。しかしながら、各セルスペースで連結されたループスロット42が異なっているので、ストラット38の対称性は対称的なセルスペースをもたらさない。各拡張コラムの隣接するスープスロット42が、交互に狭い幅と広い幅とを有し、セルスペースが対称にならないようにしている。1または多くの対称セルスースを導入することは、この設計では、例えば、同じセルスペースに収容された隣接する拡張コラム24のループスロットに、均一なループスロット幅を提供することによって、達成される。加えて、対称または非対称なセルスペースを利用する完全に不均一なセルスペースは、例えば、ループスロット42の幅の不均一に変化させることによって、達成される。
図9Fに非拡張形態で示されている本発明の第6の実施形態の第2の変形例は、6つの拡張コラム24と、3つの補強拡張コラム86と、8つの連結ストラットコラム26とを備えているステント10からなっている。この変形例では、ステント10は、長さ16が、16.00mmであり、非拡張状態の円周88が5.26mmである。このステント10は、拡張コラム24と連結ストラットコラム26の数が少ない図9A、図9Bおよび図9Cの第6の実施形態の第1の変形例の設計とほぼ同じである。
図9Fに非拡張状態で示されている、本発明の第6の実施形態の第3の変形例は、12の拡張コラム24と、4つの補強拡張コラム86と、15の連結ストラットコラム26とを備えているステント10からなる。この変形例では、ステント10は、長さ16が、30.01mmであり、非拡張状態の円周88が5.26mmである。このステント10は、拡張コラム24と補強拡張コラム86と連結ストラットコラム26の数が多い図9A、図9Bおよび図9Cの第6の実施形態の第1の変形例の設計とほぼ同じである。
図10A、図10B及び図10Cは、変形例の連結ストラットの設計の幾つかの例を示し、これらの設計は、上述したいずれの実施形態にも使用することができる。図10Aは丸みのついたループ状の連結ストラット38を示し、このストラット38は、隣接した拡張コラムの円周方向にオフセットした、又は、ずれた2つの拡張ストラット対32を結合する。各拡張ストラット対32の拡張ストラット28が結合ストラット30によって結合される。結合ストラット30は、これらの結合ストラット30が連結する拡張ストラット28と共に狭角48及び広角50を形成するように、傾斜されている。丸みのついたループ状の連結ストラット38は、拡張ストラット28と結合ストラット30との間に狭角が形成されている個所で拡張ストラット28を連結する。近位端102及び遠位端104の丸みのついた連結ストラット38の傾斜は、対の拡張ストラット28を連結する結合ストラット30の傾斜に実質的に合致する。かくして、丸みのついたループ状の連結ストラット38は、結合ストラット30に滑らかに移行する。更に、丸みのついたループ状の連結ストラット38は、第1の曲率半径106と、第2の曲率半径108とを有する。
図10Bの設計では、丸みのついたループ状の連結ストラット38が、隣接した拡張コラムの円周方向にオフセットした2つの拡張ストラット対32を結合する。各拡張ストラット対32の拡張ストラット28は結合ストラット30によって結合される。結合ストラット30は、これらの結合ストラット30が連結する拡張ストラット28に対して直角である。丸みのついたループ状の連結ストラット38は、結合ストラット30と同じ個所で拡張ストラット28に連結する。丸みのついたループ状の連結ストラット38は、第1の曲率半径106と、第2の曲率半径108とを有し、連結ストラット38は、円周方向にオフセットした拡張ストラット対32を連結する。
図10Cの設計では、連結ストラット38は、隣接した拡張コラムの円周方向にオフセットした2つの拡張ストラット対32を結合する。各拡張ストラット対32の拡張ストラット28は結合ストラット30によって結合される。結合ストラット30は、これらの結合ストラット30が連結する拡張ストラット28と共に狭角48及び広角50を形成するように、傾斜されている。連結ストラット38は、拡張ストラット28と結合ストラット30との間に狭角48が形成される個所で拡張ストラット28を連結する。
連結ストラット38は3つの直線部分110,112,114で作られ、これらの直線部分110、112、114は2つの傾斜角116、118を形成する。部分110の近位端は、結合ストラット30が拡張ストラット28と共に狭角48を形成する個所で拡張ストラット28に取り付けられる。連結する部分110は、結合ストラット30と実質的に同一線上に延び、遠位端が部分112に取り付けられて、傾斜角116を形成する。部分112は、該部分112が拡張ストラット28と実質的に平行になるように部分110に対して或る角度に延び、遠位端が部分114の近位端に連結されて傾斜角118を形成する。部分114は、該部分114が隣接した拡張ストラット対32の結合ストラット30と実質的に同一線上にあるように、或る角度に延びる。部分114は、結合ストラット30が拡張ストラット28と共に狭角48を形成する個所で、部分114の遠位端が隣接した拡張ストラット対32の拡張ストラット28につく。
図10D及び図10Eの設計では、連結ストラット38は、隣接した拡張コラムの円周方向にオフセットした2つの拡張ストラット対32を結合する。各拡張ストラット対32の拡張ストラット28は結合ストラット30によって結合される。結合ストラット30は、これらの結合ストラット30が連結する拡張ストラット28に対して直角である。連結ストラット38は、結合ストラット30と同じ個所で拡張ストラット28に連結する。
図10D及び図10Eの連結ストラット38は端と端とが連結された複連結ストラット部分で作られて、拡張ストラット対32を隣接した拡張ストラット対32に連結する複傾斜角度を持ったギザギザの連結ストラット38を形成する。図10Dの連結ストラット38は、2つの傾斜角126,128を備えた3つの連結ストラット部分120、122、124で作られているのに対して、図10Eの連結ストラットは、3つの傾斜角138、140、142を備えた4つの連結ストラット部分130、132、134、136で作られている。更に、連結ストラット部分136を点線又は破線がつけられた連結ストラット部分144と置換することによって連結ストラット部分134を改良し、別の可能な幾何学形状の連結ストラット38を与えることができる。
図10Fの設計では、連結ストラット38が、2つの円周方向にオフセットした拡張ストラット対32を、隣接する拡張コラム内で、結合している。各拡張ストラット対32の拡張ストラット28は、結合ストラット30によって、結合されている。結合ストラット30は、接触している拡張ストラット28と狭い角度48と広い角度50をなすように傾斜させられている。
結合ストラット38は、4つの直線部分、すなわち、3つの傾斜角188、190および192を形成している、近位端部分180と、第1の中間部分182、第2の中間部分184と、遠位端部分186とを備えている。部分180の近位端は、結合ストラット30が拡張ストラット28と狭い角度48をなしている点で、角(曲がり角)176に取付けられている。近位端部分180は、ある角度で、結合ストラット30まで延びており、その遠位端が、傾斜角188を形成する第1の中間部分182に取付けられている。第1の中間部分182は、第1の中間部分182が拡張ストラット28とほぼ平行になるように、ある角度で近位端部分180まで延び、その遠位端が、傾斜角190を形成する第2の中間部分184の近位端に連結されている。第2の中間部分184は、第1の中間部分182より、かなり長い。第2の中間部分184は、隣接するストラット対32の結合ストラット30とほぼ平行であるように、ある角度で延びている。第2の中間部分184は、その遠位端が、傾斜角192を形成する遠位端部分186の近位端に取付けられている。遠位端部分186は、拡張ストラット28に対して僅かに傾斜した配向で延びており、結合ストラット30が拡張ストラット28と狭い角度48を形成している拡張ストラット対32の角176に取付けられている。リリーフノッチ206が、連結ストラット38の遠位端部分186と拡張ストラット対32の角176との間の接合部に、形成され、非膨張ステントの可撓性を増大させ、ステントが拡張させられたときに、反らないようにしている。
当業者は、本発明による連結ストラット及び結合ストラットについて多くの構成を取ることができることを理解するであろう。上述した例は網羅的なリストとして意図されてはいない。特に、(a)連結ストラット部分は直線である必要はなく、1または2以上の湾曲の半径を含んでいるものでもよく、(b)連結ストラット部分は、各々が、異なった長手方向軸線を有していてもよく、(c)連結ストラット部分間の接合部は、切れ込みを入れられ又は鋭い必要はなく、1または2以上の湾曲の半径を含んで滑らかであってもよく、(d)リリーフノッチが、いずれのストラット接合部にあってもよいことに留意すべきである。
本発明のステントは原則的には冠状血管への適用に適しているけれども、このステントの多機能性により非冠状血管、大動脈及び非脈管の管状の身体器官に適用することができる。
代表的な冠状脈管ステントは、2.5mm乃至5.0mmの拡張径を有する。しかしながら、高い半径方向強度及び疲労耐久性を備えた、5.0mmまで拡張するステントは、より小さな直径の血管に用いられるときに、許容することができないステントの高い金属割合を有してしまうかもしれない。ステントの金属割合が高いときには、急性血栓症の恐れ及び再狭窄の潜在性が高まることになる。同じ金属割合の場合でさえ、管腔直径の小さな血管は、管腔直径の大きな血管よりも、血栓症の率が高くなりそうである。従って、冠状への適用のため、少なくとも2つの異なる種類のステント、例えば、2.5mm乃至3.0mmの直径の血管用の小血管ステントと、3.0mm乃至5.0mmの直径の血管用の大血管ステントとを有することが好ましい。かくして、小血管及び大血管の両方は、適当な寸法のステントで処理されたときに、同様に理想化された金属割合のステントを収容することになる。
本発明のステントは、ステンレス鋼管からステントパターンを切断するCAM駆動レーザ切断システムを用いて作ることができる。荒切りステントを電解研磨して表面の凹凸や鋭いエッジを除去するのが好ましい。EMD、光電エッチング技術、或いはその他の方法のようなステントを作る他の方法を用いることもできる。必要な構造強度、可撓性、生体適合性および拡張性を提供するかぎり、その他の金属およびポリマーを含むステントのための任意の材料を使用することができる。
スレントは代表的には、金、プラチナ、或いはその他の適当な金属のようなX線不透過性の金属で少なくとも部分的にめっきされている。局所的めっき加工によってステントの両端だけをめっきすることが好ましい。しかしながら、ステント全体、或いはその他の領域もめっきしてよい。両端をめっきするときには、ステントの各端上の1つから3つまたはそれ以上の拡張コラムをめっきしステントの両端をマーキングして、ステントの両端が、ステント設置手順中X線透視により同定されることができるようにする。両端においてのみステントをめっきすることによって、X線不透過性めっき材料とステントの性能特性または表面変調との干渉が最小にされる。さらに、必要とされるめっき材料の量が減らされ、それによって、ステントの材料費が安くされる。
めっき加工後、ステントを、代表的には当業界でよく知られた洗剤、塩水および超音波装置で洗浄する。次いで、ステントを、品質管理のために検査し、デリバリバルーンカテーテルに組み付け、正しく包装し、ラベル付けし、殺菌する。
ステントは、単独で、或いは、図9に示されているように予め取り付けられたデリバリバルーンカテーテル組立体として市場に出すことができる。図9を参照すると、ステント10は、デリバリバルーンカテーテル150の遠位端148の折り畳まれたバルーン146上にクリンプされている。組立体150は、近位端アダプタ152と、カテーテルシャフト154と、バルーンチャンネル156と、ガイドワイヤチャンネン158と、ガイドワイヤ160と、を含む。バルーン146は、膨張された状態において近位端から先細にされているか、湾曲されているか、或いは先細にされかつ湾曲されているのがよい。さらに、ステント10は、拡張された状態において先細にされていなくて先細にされていてもよい。
代表的には、ガイドワイヤ160を静脈または動脈に挿入し、目的部位まで前進させる。所定位置に置いたならば、バルーンチャンネル156を通じてバルーン146を膨張させて、ステント10をクリンプされた状態から拡張された状態に拡張する。拡張された状態では、ステント10は、所望の骨格結合支持を血管に提供する。ステント10を拡張した後は、バルーン146を萎ませ、カテーテルシャフト154、バルーン146およびガイドワイヤ160を患者から引っ込める。
本発明のステントは、長さが10mmよりも短く、或いは、100mm以上に作ることができる。しかしながら、長いステントを使用しようとする場合には、ステントをその配置位置に拡張するためには、適合した長さのデリバリカテーテルバルーンが代表的には必要とされる。長いステントは、目的血管によっては、配置のために湾曲した長いバルーンを必要とすることがある。血管の自然の湾曲に適合した湾曲されたバルーンは、ステント配置中血管へのストレスを減少させる。これは、湾曲された冠状血管におけるステント配置が必要となる多くの冠状血管への適用において特に重要である。かかる湾曲されたバルーンの使用は、本発明の範囲内にある。
本発明の好ましい実施形態のこれまでの説明は、例示と説明の目的でなされてきた。それは、用尽的なものを意図したものではなく、本発明を、開示した正確な形態に限定することを意図したものでもない。明らかに、当業者には、多くの変形および変更が明らかであろう。本発明の範囲は、以下の請求の範囲およびそれらの均等物によって画されるものである。

Claims (22)

  1. 長手方向に延びる軸線を備えた非拡張状態の管状のステントであって、
    長手方向において互いに隣接して配置された第1の拡張コラム及び第2の拡張コラムと、第1の拡張コラムを第2の拡張コラムに連結する第1の連結ストラットコラムとを有し、
    第1の拡張コラム及び第2の拡張コラムのそれぞれは、周方向において互いに隣接して配置された第1の拡張ストラット対、第2の拡張ストラット対、第3の拡張ストラット対、及び第4の拡張ストラット対を含む複数の拡張ストラット対で構成され、
    第1の拡張ストラット対は、周方向において互いに隣接して配置された第1の拡張ストラットおよび第2の拡張ストラットと、前記第1の拡張ストラット対の近位端において前記第1の拡張ストラットおよび第2の拡張ストラットを結合する第1の結合ストラットとを含み、
    第2の拡張ストラット対は、周方向において第2の拡張ストラットに隣接して配置された第3の拡張ストラットと、前記第2の拡張ストラット対の遠位端において前記第2の拡張ストラットおよび第3の拡張ストラットを結合する第2の結合ストラットとを含み、
    第3の拡張ストラット対は、周方向において第3の拡張ストラットに隣接して配置された第4の拡張ストラットと、前記第3の拡張ストラット対の近位端において前記第3の拡張ストラットおよび第4の拡張ストラットを結合する第3の結合ストラットとを含み、
    第4の拡張ストラット対は、周方向において第4の拡張ストラットに隣接して配置された第5の拡張ストラットと、前記第4の拡張スラット対の遠位端において前記第4の拡張ストラットおよび第5の拡張ストラットを結合する第4の結合ストラットとを含み、
    前記第1の結合ストラットが前記第1の拡張ストラットに結合される箇所に第1の拡張ストラット対の第1の角が形成され、前記第1の結合ストラットが前記第2の拡張ストラットに結合される箇所に第1の拡張ストラット対の第2の角が形成され、
    前記第2の結合ストラットが前記第2の拡張ストラットに結合される箇所に第2の拡張ストラット対の第1の角が形成され、前記第2の結合ストラットが前記第3の拡張ストラットに結合される箇所に第2の拡張ストラット対の第2の角が形成され、
    前記第3の結合ストラットが前記第3の拡張ストラットに結合される箇所に第3の拡張ストラット対の第1の角が形成され、前記第3の結合ストラットが前記第4の拡張ストラットに結合される箇所に第3の拡張ストラット対の第2の角が形成され、
    前記第4の結合ストラットが前記第4の拡張ストラットに結合される箇所に第4の拡張ストラット対の第1の角が形成され、前記第4の結合ストラットが前記第5の拡張ストラットに結合される箇所に第4の拡張ストラット対の第2の角が形成されており、
    前記第1の連結ストラットコラムは複数の連結ストラットで形成されており、それぞれの連結ストラットは、連結ストラット近位セクション、連結ストラット遠位セクションおよび連結ストラット中間セクションを含んでおり、第1の連結ストラットの近位セクションは、第2の拡張コラムにおける第2の拡張ストラット対第1の角に結合されており、
    前記連結ストラットの連結ストラット中間セクションは第1の中間部分と第2の中間部分と有し、前記第1の中間部分は連結ストラット近位セクションに対して鈍角をなし、対向する拡張コラムに向かって、同拡張コラムにおける第1,3,5の拡張ストラットと平行に延びて、前記第2の中間部分は第1の中間部分に対して鈍角をなし、対向する拡張コラムに向かって、同拡張コラムにおける第2,4の拡張ストラットと平行に延びており、
    第1の連結ストラットの遠位セクションは、第1の拡張コラムにおける第1拡張ストラット対の第1結合ストラットの、前記第1の拡張ストラット対第1の角と前記第1の拡張ストラット対第2の角との中間に連結されており、前記第1の連結ストラットの遠位セクションの第1結合ストラットにおける連結点は、第1の拡張ストラット対第2の角よりも第1の拡張ストラット対第1の角に近く、
    前記第2の連結ストラット近位セクションは、前記第2の拡張コラムにおける第4の拡張ストラット対第1の角に結合されており、第2の連結ストラットの遠位セクションは、前記第1の拡張コラムにおける第3拡張ストラット対の第3結合ストラットの、前記第3の拡張ストラット対第1の角と前記第3の拡張ストラット対第2の角との中間に連結されており、前記第1拡張コラム、第2拡張コラムおよび第1連結ストラットコラムは、非対称な幾何学的形状を有している、ことを特徴とする非拡張状態のステント。
  2. 前記それぞれの連結ストラット近位セクションがの線形の外形を有することを特徴とする請求項1に記載のステント。
  3. 前記それぞれの連結ストラットの遠位セクションが線形の外形を有することを特徴とする請求項24に記載のステント。
  4. 前記それぞれの連結ストラットの中間セクションが線形の外形を有することを特徴とする請求項3に記載のステント。
  5. 前記それぞれの連結ストラットの中間セクションの第1の部分は第2の部分よりも短いことを特徴とする請求項4に記載のステント。
  6. 連結ストラットの近位セクション、遠位セクション、中間セクションの第1の部分、および中間セクションの第2の部分がそれぞれ異なった長手軸を有していることを特徴とする請求項5に記載のステント。
  7. 前記第1の連結ストラット中間セクションの第1の部分と、前記第1の連結ストラット中間セクションの第2の部分との間に、第1の傾斜角が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステント。
  8. 前記第1の連結ストラット中間セクションの第2の部分と前記第1の連結ストラットの遠位セクションとの間に、第2の傾斜角が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステント。
  9. 前記第1の連結ストラットの近位セクションと前記第1の連結ストラット中間セクションの第1の部分との間に、第3の傾斜角が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステント。
  10. 一つの拡張コラムにおける拡張ストラットの数の、一つの連結ストラットコラムにおける連結ストラットの数に対する比が2対1であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  11. 前記第1および第2の拡張コフムは、それぞれが途切れのない連続的な構造であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  12. 前記第1または第2の拡張コラムの一つが断続的なコラム構造であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  13. 複数の第1の拡張コラムと、複数の第2の拡張コラムと、複数の第1の連結ストラットコラムとを有し、第1の連結ストラットコラムのそれぞれが、第1の拡張コラムを第2の拡張コラムに結合している、ことを特徴とする請求項1に記載のステント。
  14. 複数の前記第1の拡張コラム、複数の前記第2の拡張コラムおよび複数の前記第1の連結ストラットコラムが、細長い構造を形成していることを特徴とする請求項13に記載のステント。
  15. ステントが、第1の補強拡張コラムを備えた近位端と、第2の補強拡張コラムを備えた遠位端とを有することを特徴とする請求項1に記載のステント。
  16. ステントの近位端と遠位端との間に補強拡張コラムを有することを特徴とする請求項1に記載のステント。
  17. 前記第1の連結ストラットコラムの連結ストラットの幅は、前記第1また第2の拡張コラムにおける第1の拡張ストラットの幅より小さいことを特徴とする請求項1の記載のステント。
  18. 前記第1の連結ストラットコラムの連結ストラットの幅は、第1または第2の拡張コラムにおける第1の拡張ストラットの幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のステント。
  19. 前記第1または第2の拡張コラムにおける第2の拡張ストラットの幅が、前記第1または第2の拡張コラムにおける第1の拡張ストラットの幅とほぼ同一であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  20. 前記第1の拡張コラムにおける第1および第2の拡張ストラット間のスペースが、前記第1の拡張コラムにおける第2および第3の拡張ストラット問のスペースと同一であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
  21. 前記第1の拡張コラムにおける第1および第2の拡張ストラット間のスペースが、第1の拡張コラムにおける第2および第3の拡張ストラット間のスペースよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のステント。
  22. 前記第1の拡張コラムにおける第1および第2の拡張ストラット間のスペースが、前記第1の拡張コラムにおける第2および第3の拡張ストラット間のスペースよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のステント。
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