JP4011620B2 - フィルター - Google Patents

Description

本発明は、一端において開放し得る実質的に円筒状のケーシングと、該ケーシング内に取り付けられた交換可能なフィルター手段と、該フィルター手段のマントル（mantle）を通過するために設けられている、ろ過されるべき流体と、カラーとからなる、流体のためのフィルターであって、該カラーがフィルターとデバイス構造体とを連結するためのカラーであり、該デバイス構造体がろ過されるべき流体のための入口および出口ダクトを含んでなるフィルターに関する。
覆われた円筒状のフィルターの適用の１つは、作動中に不純物のない油を維持し得るように、燃焼機関中の潤滑油をろ過することである。この種のフィルターの適用の典型的な分野は油圧システムにおける油圧液体をろ過することである。当該フィルターは作動中に汚され、間欠的に交換しなければならないので、フィルターケーシングはデバイス構造体から取り除かれなければならない。該ケーシングはデバイス構造体に取り付けられている。
フィルター手段および取り囲んでいるケーシングが、交換可能な一体のユニットとして構成された油フィルターが以前から知られている。しかしながら、かかる構成は材料の浪費であり、多大の浪費をもたらす。エコロジーの観点から、デバイスには開放することができ、その結果、閉塞したフィルター手段だけが交換することができるケーシングであって、交換手段を含む当該ケーシングがデバイス構造体の所定の位置に戻されるケーシングが好ましい。フィンランド特許出願公開第９５５１２７号公報はかかる構成の一例として引用される。当該公報に記載された組み立てられた油フィルターは、円筒状の交換し得るフィルター手段と、該手段の内部の有孔支持パイプと、このパイプの延長としてのカラー（collar）と、該手段を取り囲むケーシングと、該ケーシングの口部における締付リングとからなる。当該カラーはねじを有しており、組み立てられたフィルターとデバイス構造体とを連結し、同時にジョイントリングとデバイス構造体とのあいだにシールを設けている。
叙上のタイプの従来のフィルターの場合、ケーシングは、油、油圧液体などろ過されるべき物質の高圧力によって引き起こされる軸方向の応力に抗しなければならず、このため、ケーシングはリジッドなシート材料から製造しなければならない。有孔支持パイプも、ケーシング内部の軸方向の応力に耐えるに充分なこわさがなければならない。しかしながら、かかる有孔パイプの製造は製造技術の点から厄介である。
本発明の目的は、ろ過されるべき物質によって引き起こされるフィルターケーシング内の圧力に対して充分な抵抗を備え、従来のフィルターより製造コストが低いフィルターを提供することである。本発明のフィルターは、カラーの一体的な延長部を形成している支持部材を含み、フィルター手段の内部に軸方向のスピンドルを備え、該カラーに対向する端部にエンドフランジを備えており、支持部材が内圧をケーシング内で軸方向に受けるように、該エンドフランジの周辺がケーシングの内壁にしっかりとシールされるという事実によって特徴づけられる。
本発明のフィルターの場合、圧力に起因する軸方向の引張力がまったくケーシングに作用せず、支持部材のスピンドルおよびエンドフランジに作用するにすぎず、このため、ケーシングの壁に薄い材料の肉厚を許している。もしフィルターに、フィルター手段に取り付けられた有孔支持パイプが設けられている場合、従来よりも薄くできるため、製造技術の点で著しく有利である。ケーシングに対してシールされたエンドフランジが、ろ過されるべき物質が充填される押圧されたケーシングの内部をシールするので、ケーシングの端部は従来のフィルターのようにシールされる必要がなく、その代わりに、ケーシングはいずれかの端部で開放されているスリーブ状の管状ピースから形成してもよい。
本発明のフィルターの場合、スピンドルと、フィルターとデバイス構造体とを連結しているカラーとを含む支持部材は、ネジ締めによって互いに連結された別個の要素であってもよい。このようにすれば、これらの要素は高い機械的強度と引張力に対する抵抗とを有するジョイントによって結合され、たとえばカラーを交換するために、開放するのが容易である。カラーの容易な交換によって、フィルターはデバイス構造体内のフィルターのために設けられた種々のサイズのネジに適用され得る。
本発明のフィルターは、開放自在のケーシング端部とデバイス構造体とのあいだのジョイントリングであって、１または２以上の開口を備え、該開口を介してケーシングの内部がデバイス構造体内でろ過されるべき流体（flow）のための１または２以上の入口ダクトと連通してなるジョイントリングを含んでなることが好ましい。
この場合、流体は円筒状のフィルター手段のマントルの外側ケーシング内に導入され、そこからマントルの内側で流体がろ過され、デバイス構造体内のろ過された流体のための出口ダクト内にカラーの内側を経由して除去され得る。この場合、フィルター手段の内側表面は有孔支持パイプを圧してもよい。該有孔支持パイプは、叙上のように、従来より薄い材料から製造することができるので有利である。
添付図面を参照しながら実施例により、本発明を以下に詳細に説明する。すなわち、
図１はスリーブ状のケーシングを備えた本発明の油フィルターと、該フィルターがネジによって取り付けられるデバイス構造体とを示しており、
図２はスリーブ状のケーシングを備えた本発明の第２の油フィルターを示しており、
図３は図１のフィルターのIII−III線断面図を示しており、
図４は図１のフィルターのIV−IV線断面図を示している。
図１は本発明の「スピンオンフィルター（spin-on-filter）」１を示しており、該フィルターは燃焼機関の交換自在の油フィルターにとくに適している。該フィルターは、図１のように組み立てられ、ネジジョイント２、３によってデバイス構造体６と連結され得る。該デバイス構造体はろ過されるべき流体のための入口および出口ダクトを備えている。
図１におけるフィルターは、金属または合成樹脂から適切に製造されたスリーブ状のケーシング７を備えており、該ケーシングは円筒状の閉塞されたマントル８とエンド９とを有している。該ケーシングはデバイス構造体６に面した該エンドの反対側のエンドで開放している。ケーシング７の内側に支持部材１０が設けられており、該支持部材はクロス状の断面形状を有する軸方向のスピンドル１１と、該スピンドルに設けられ、Ｏリングジョイント１２によってケーシングマントル８の内面に対してシールされたフランジ１３と、該スピンドルの反対側の、ケーシングの口部に面するエンドのリング要素１４とを備えており、該支持部材はネジジョイント１５によって、デバイス構造体６に取りつけらているカラー１６に取りつけられている。クロス形状のスピンドル１１は有孔支持パイプ１７によって取り囲まれており、該有孔支持パイプはカラー１６から軸方向に支持部材のエンドフランジ１３まで延びている。支持パイプ１７とケーシングマントル８とのあいだの空間１８には、円筒状の交換自在のフィルター手段１９が設けられており、該フィルター手段のろ過層は、ひだつきの紙または不織繊維パルプ（non-woven fibre pulp）などからなることが好ましい。ケーシングとデバイス構造体とのあいだには、ジョイントリング２０がケーシング７の開放端に設けられており、該ジョイントリングは、デバイス構造体内でろ過されるべき流体のための入口ダクトとケーシングの内部１８とを連結するために流体開口２１を有している。ジョイントリング２０には、デバイス構造体６の所定の位置に捩じ込まれたときにフィルター１をシールするためのＯリングシール２２が設けられている。ケーシング７とジョイントリング２０とのあいだのシールが、ケーシング口部の外表面に設けられたＯリングシール２４のようにフィルター手段１９のエンドフランジ２３の外側エッジをモールドすることによって設けられる。シールのように作用するエッジ２４の内部で、フランジ２３はろ過されるべき物質の流入流れのための開口２５を有している。
図１のように組み立てられたフィルター１は、カラー１６のめねじ２をデバイス構造体の調和するおねじと螺合することによってデバイス構造体６に取り付けられる。動作中のフィルター１の場合、ろ過されるべき流体は入口ダクト４からフィルター手段のジョイントリング２０および流体入口２１、２５を経てケーシング７によって境界が定められた空間１８内に向けられる。流体は該空間からフィルター手段１９のフィルター材料層と有孔支持パイプ１７とを経て当該パイプ内部の空間２６内にろ過される。ろ過された流体は当該空間から支持部材１０およびカラー１６のエンドリング１４の開口２７を経てデバイス構造体内の出口ダクト５内に除去される。流れの方向は図１において矢印で示される。
目詰まりした（clogged）フィルター手段１９は、デバイス構造体６からフィルター１を取り外し、ケーシング７およびカラー１６からジョイントリング２０を引き取り、そしてケーシングと支持パイプとのあいだ空間１８からフィルター手段１９を除去することによって交換される。こののち、ケーシング７の周りのシールとして設けられたエンドフランジ２４の外側エッジ２４と共に新しいフィルター手段１９が空間１８内に設けられ、しかるのち、ジョイントリング２０が所定の位置に圧入され、このように組み立てられたフィルターがユニットとして構造体と螺合することによってデバイス構造体６に固定される。
図２に示された本発明の他の実施例は、ケーシング７が円筒状のスリーブを備えている点で図１の実施例と異なっている。該スリーブは、支持部材１０のエンドフランジ１３によってデバイス構造体と反対側の端部がしっかりとシールされている。他の点においては、図１のフィルターの構成および動作の叙上の説明は図２におけるフィルターに適用される。
本発明の種々の実施例が叙上の例に限られず、添付の請求の範囲範囲内で変更し得ることは当業者には自明である。したがって、フィルター１とデバイス構造体６とのネジジョイントは、フィルターカラー１６におねじが設けられ、デバイス構造体にめねじが設けられる点で図１および２と相違してもよい。さらに、油フィルターを潤滑すると、本発明のフィルターは油圧液体、液体燃料または水フィルターとして機能することもできる。

Claims (10)

1. 一端において開放し得る実質的に円筒状のケーシング７と、該ケーシング内に取り付けられた交換可能なフィルター手段１９と、カラー１６とからなり、該カラーがフィルターとデバイス構造体６とを連結するためのカラーであり、該デバイス構造体がろ過されるべき流体のための入口および出口ダクト４，５を含んでなる流体のためのフィルター１であって、
   前記フィルター１が、ケーシング７とは別個であり、カラー１６の延長部を形成する支持部材１０を備えており、該支持部材がフィルター手段１９内で軸方向のスピンドル１１と、該カラーと反対側の端部のエンドフランジ１３とから形成され、該エンドフランジの周辺が、該支持部材がケーシング内の内圧を軸方向に受け得るように、ケーシング７の内壁にしっかりとシールされてなり、前記フィルター手段１９が、ろ過されるべき流体がフィルター手段１９のマントル８を通過するように配列されることを特徴とするフィルター。
2. 前記支持部材１０およびカラー１６がネジジョイント１５によって接合される別個の要素であることを特徴とする請求の範囲第１項記載のフィルター。
3. 前記カラー１６がデバイス構造体６と連結するためのねじを備えてなることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項記載のフィルター。
4. 前記支持部材のスピンドル１１が実質的にクロス状の断面形状を呈してなることを特徴とする請求の範囲第１項、第２項または第３項記載のフィルター。
5. 前記支持部材１０とケーシング７とが別個の要素であり、該支持部材のエンドフランジ１３を取り囲むＯリングシールによって互いにシールされてなることを特徴とする請求の範囲第１項、第２項、第３項または第４項記載のフィルター。
6. ろ過されるべき流体が前記フィルター手段１９のマントルの外側から内側に通過するように設けられ、前記フィルター手段１９がカラー１６の内側を介してろ過された流体のためのデバイス構造体６内の出口ダクト５と連結することができ、前記支持部材のスピンドル１１が有孔パイプ１７によって取り囲まれ、該有孔支持パイプが該マントルの内面でフィルター手段を支持することを特徴とする請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項または第５項記載のフィルター。
7. 前記ケーシング７が円筒状スリーブの形状を有し、前記デバイス構造体６に面する一端で開放しており、他端でシールされてなることを特徴とする請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項または第６項記載のフィルター。
8. 前記ケーシング７が円筒状スリーブを備えており、該スリーブが前記デバイス構造体６と反対側の端部で支持部材のエンドフランジ１３によってシールされてなることを特徴とする請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項または第６項記載のフィルター。
9. 前記フィルターがケーシング７の開放自在の端部とデバイス構造体とのあいだにジョイントリング２０を備えており、該ジョイントリングが１または２以上の開口を有してケーシングの内部をろ過されるべき流体のためのデバイス構造体内で入り口ダクトと連通させてなることを特徴とする請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６項、第７項または第８項記載のフィルター。
10. 前記ケーシング７の口部とジョイントリング２０とのあいだのシール２４が前記ケーシング７の口部の外面上に設けられてなることを特徴とする請求の範囲第９項記載のフィルター。

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