JP4011328B2 - 水道メータ保温カバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道メータ保温カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水道メータは、検針時に読み取り可能なように地表付近に埋設することが一般に行われていたが、土砂や落ち葉等で埋設位置が不明になることがあり、最近では水道メータを立ち上げた立ち上がり方式の水道メータが一般に使用されている。
【0003】
特に、マンション等の中高層ビルの水道メータは地階若しくは1階から上階に水道水を供給するため、ビルの吹きさらしの場所に設置されている。そのため冬季、特に厳寒時には凍結破壊する欠点があった。
【0004】
水道メータの凍結破壊は量水器のガラスが破壊されるので、凍結破壊防止のため、意匠第559149号、意匠第580621号等には量水器のみを保護する保温カバーが提案されている。
【0005】
しかし、量水器のガラスが破壊されるまでの過程を観察すると、凍結は量水器の上流側及び下流側に接続されている止水栓及び逆止弁から始まり、量水器の凍結は最後になっている。
【0006】
これは止水栓及び逆止弁は内容積が小さく、熱伝導率の大きい青銅鋳物で製造されており、且つ冷却効果の増進される凹凸形状になっており表面積が大きいからであり、止水栓及び逆止弁内の水道水が最初に凍結し、凍結による体積膨張分が両者の中央にある量水器に圧力を負荷し、その圧力上昇により量水器のガラスが破壊されているのである。
【0007】
従って、水道メータの凍結破壊防止のためには止水栓、量水器及び逆止弁の全てを保温するのが好ましく、例えば実公平3−42336号公報には量水器と止水栓を収納しうる嵌合部を有し、長手方向に2分割された内側保護カバーと、内側保護カバーを緊締して一体化する箱型外側保護カバーと蓋よりなる水道メータ保護カバーが提案されている。
【0008】
一方、水道メータの口径は16mm、20mm、25mmと種々あり、使用水量、水道蛇口の数、中高層ビルの場合は損失水頭等を考慮して決定される。そして水道メータは口径が異なっても止水栓、量水器及び逆止弁の大きさは略同一であるが、口径の違いにより止水栓と量水器及び逆止弁との距離が異なっている。即ち、口径が大きくなるほど止水栓から量水器及び逆止弁への距離が長くなっている。
【0009】
従って、実公平3−42336号公報に記載の水道メータ保護カバーでは、水道メータの口径毎に保護カバーを製造しなければならず、多くの金型が必要で経済的でなく、保管やデリバリーも面倒であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、水道メータの止水栓、量水器及び逆止弁を同時に保温でき、且つ口径の異なる水道メータにも適用しうる水道メータ保温カバーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の水道メータ保温カバーは、止水栓、量水器及び逆止弁をそれぞれ収納しうる収納部を有し、量水器の表示部を見うるように切欠部が形成され、長手方向に垂直に2分割されてなる内側保温材、該内側保温材を嵌入し固定しうる筒状の外側保温材、及び該外側保温材の蓋体よりなる、止水栓と量水器と逆止弁が順次連結されている水道メータの保温カバーであって、止水栓収納部は止水栓と略同一形状であり、量水器収納部は、短径が量水器の幅と略同一であり、長径が量水器の長さより長い略長円形の横断面形状であり、逆止弁収納部は、短径が逆止弁の幅と略同一であり、長径が逆止弁の長さより長い略長円形又は略長方形の横断面形状であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の水道メータ保温カバー及びその施工方法を図面を参照して説明する。図1は内側保温材を水道メータに嵌合する施工方法の一例を示す説明図である。
【0013】
図中1は水道メータである。水道メータ1は、上流側配管11と下流側配管12の間に止水栓13と量水器14と逆止弁15がユニオン継手16・・と配管17・・を介して順次連結されている。止水栓13には止水栓13を開閉するためのハンドル18が上方に接続されており、量水器14は表示部19が上方になるように連結されている。
【0014】
内側保温材は、長手方向に垂直に2分割された形状の左内側保温材2と右内側保温材3よりなる。左内側保温材2と右内側保温材3は略対称形であるが、左内側保温材2の右内側保温材3に接する面の下部に凸条21が形成され、右内側保温材3の左内側保温材2に接する面の下部に凸条21が嵌合される凹溝(図示せず)が形成されている点が異なっており、凸条21を凹溝に嵌合することにより左内側保温材2と右内側保温材3は一体となり、内側保温材となる。
【0015】
内側保温材(左内側保温材2と右内側保温材3)には、止水栓13を収納しうる止水栓収納部22、量水器14を収納しうる量水器収納部23及び逆止弁15を収納しうる逆止弁収納部24が形成されている。
【0016】
止水栓収納部22は止水栓13と略同一形状であり、上方にハンドル18が挿通される開口部25が形成されている。即ち、止水栓13は止水栓収納部22に密着した状態で収納されるようになされている。
【0017】
量水器収納部23は、量水器14の表示部19が上方から見えるように上方に切欠部26が形成され、その横断面形状は短径が量水器14の幅と略同一であり、長径が量水器14の長さより長い略長円形になされている。即ち、止水栓13と量水器14の距離が近い場合は、量水器14は量水器収納部23の止水栓収納部22側で収納され、止水栓13と量水器14の距離が遠い場合は、量水器14は量水器収納部23の逆止弁収納部24側で収納される。
【0018】
逆止弁収納部24は、その横断面形状が、短径が逆止弁の幅と略同一であり、長径が逆止弁の長さより長い略長円形又は略長方形になされている。即ち、量水器14と逆止弁15との距離が近い場合は、逆止弁15は逆止弁収納部24の量水器収納部23側で収納され、量水器14と逆止弁15との距離が遠い場合は、逆止弁15は逆止弁収納部24の下流側配管12側で収納される。
【0019】
左内側保温材2及び右内側保温材3には、止水栓収納部22と量水器収納部23の間と量水器収納部23及び逆止弁収納部24の間に、内側保温材の幅方向の凹溝27、28が形成されている。又、左内側保温材2及び右内側保温材3の外周下部付近に外方に向かう段部29が形成されている。
【0020】
内側保温材を水道メータ1に嵌合するには、左内側保温材2及び右内側保温材3を水道メータ1の左右から、止水栓13が止水栓収納部22に収納され、量水器14が量水器収納部23に収納され、逆止弁15が逆止弁収納部24に収納されるように押圧し、左内側保温材2の凸条21を右内側保温材3の凹溝に嵌合する。
【0021】
図2は内側保温材に外側保温材を嵌入する施工方法の一例を示す説明図である。図中4は水道メータ1が左内側保温材2及び右内側保温材3で嵌合された状態を示しており、量水器14の表示部19は上方から見えるように、又、止水栓13のハンドル18は内側保温材より上方に突出して、左内側保温材2及び右内側保温材3でカバーされている。
【0022】
5は内部保温材を嵌入し、段部29に載置することにより内部保温材を固定しうる筒状の外側保温材である。
【0023】
外側保温材5の内部には、内側保温材の凹溝27及び28に対応する位置に、それぞれ凹溝27及び28に嵌入しうる形状で、凹溝27及び28の深さと略同一の厚みの桟51及び52が形成されている。又、外側保温材5の上部には蓋体が着脱自在に嵌合できるように段差53が形成されている。
【0024】
外側保温材5を内側保温材に嵌入するには、図2に示したように、内部保温材の上から下端部が内部保温材の段部29に載置されるまで押圧すればよい。
【0025】
図3は蓋体7を嵌合する施工方法の一例を示す説明図である。図中6は外側保温材5が内側保温材に嵌入された状態を示しており、内側保温材の上面と桟51及び52の上面は略同一高さで略平面になっている。又、量水器14の表示部19は桟51、52の間で上方から見え、止水栓13のハンドル18は内側保温材より上方に突出して上方から操作できるようになされている。
【0026】
蓋体7は下面に外側保温材5の段部53に嵌合しうる段部(図示せず)が形成されており、外側保温材5に着脱自在に載置され、量水器14の表示部19及び止水栓13のハンドル18が外方から見えないようにカバーできるようになされている。
【0027】
上記内部保温材、外部保温材及び蓋体は任意の材料で製造されてよいが、保温効果の高い材料で製造されるのが好ましく、例えば、スチレン樹脂、スチレン−エチレン共重合体、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ゴム等の樹脂の発泡体が好ましい。又、各部材の製造方法も任意の方法が採用されてよいが、精度のよい部材を得るには上記樹脂を型内発泡成形して製造するのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の水道メータ保温カバーの構成は上述の通りであるから、止水栓と量水器と逆止弁が順次連結されている水道メータの口径が異なっていても、即ち、止水栓と量水器と逆止弁との距離が異なっていても、同一の水道メータ保温カバーで止水栓と量水器と逆止弁を同時に容易にカバーでき、保温することができるので、冬季における水道メータの凍結破壊を防止できる。
【0029】
又、厳寒時に最初に凍結を始める止水栓は、内側保温材が密着した状態で保温されているので保温効果が優れていて凍結しにくく、例え逆止弁が凍結しても止水栓は凍結しないので量水器に圧力が負荷されず、量水器が破壊されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】内側保温材を水道メータに嵌合する施工方法の一例を示す説明図である。
【図2】内側保温材に外側保温材を嵌入する施工方法の一例を示す説明図である。
【図3】蓋体を嵌合する施工方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水道メータ
13 止水栓
14 量水器
15 逆止弁
2 左内側保温材
22 止水栓収納部
23 量水器収納部
24 逆止弁収納部
3 右内側保温材
5 外側保温材
7 蓋体

Claims (1)

  1. 止水栓、量水器及び逆止弁をそれぞれ収納しうる収納部を有し、量水器の表示部を見うるように切欠部が形成され、長手方向に垂直に2分割されてなる内側保温材、該内側保温材を嵌入し固定しうる略筒状の外側保温材、及び該外側保温材の蓋体よりなる、止水栓と量水器と逆止弁が順次連結されている水道メータの保温カバーであって、止水栓収納部は止水栓と略同一形状であり、量水器収納部は、短径が量水器の幅と略同一であり、長径が量水器の長さより長い略長円形の横断面形状であり、逆止弁収納部は、短径が逆止弁の幅と略同一であり、長径が逆止弁の長さより長い略長円形又は略長方形の横断面形状であることを特徴とする水道メータ保温カバー。
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