JP4010451B2 - 高濃度ガス測定用のアダプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、高濃度の被検ガスが長時間存在する環境下での被検ガスの積算濃度を測定するためのアダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
被検ガスが高濃度で長時間存在する環境、例えばリン化アルミニウム(クン蒸剤)を使用して食物を燻蒸を行う場合、高濃度(数十〜200ppm程度)の燻蒸ガス(ホスフィン)が存在する環境下で食物を20〜70時間程度の長時間放置することが行われている。
このような燻蒸は、通常、燻蒸室に規定濃度のクン蒸剤を充填した後、密閉し、放置する方法で行われるため、現実に規定の濃度が維持されているか否かを監視する必要がある。
【0003】
そのひとつとして特許文献1に見られるように、センサのガス流入口に細孔を穿設したガス供給制御板と、この細孔を塞ぐように多孔質膜を配置して、センサへのガスの流入量を制限し、センサからの出力を信号処理装置によりリアルタイムで監視することが行われている。
しかし、燻蒸室に信号処理装置を持ち込む必要があり、燻蒸剤による信号処理装置が劣化を受ける恐れがある。また、これを避けようとして信号線を介してセンサの信号を外部に取り出そうとすると、信号線と燻蒸室との間のシールを確保する必要があり、燻蒸室の改造が必要になるなどの問題がある。
一方、特許文献2に見られるような被検ガスとの反応により反応痕を生じる呈色反応剤を担体に含侵させた検知材は、ガスの濃度と、検知材がガスに晒されている時間との積に相関する光学的濃度の反応痕を生じるため、測定環境下に放置すれば濃度の時間積を簡便に検知することができる。
【特許文献1】
特開2000-9681号公報
【特許文献2】
特開平06-18509号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような検知材は、もともとTLV管理を目的として開発されているため、濃度0.9ppmのガスに15秒程度晒すだけで、飽和状態となり、燻蒸のような高濃度のガスが長時間存在する環境を測定するには、感度が高すぎるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであってその目的とするところは、呈色反応剤を含侵させた検知材を用いて被燻蒸物の暴露量を監視することができるアダプタを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために本発明においては、検知材を収容可能な密封容器が容器本体と、蓋体とにより構成され、前記蓋体にはガス流入制限孔を形成する貫通孔が穿設され、前記貫通孔の流入口側には防塵用フィルタが、また出口側には被検ガスの透過が可能なガス流入制限膜がそれぞれ配置されている。
これによれば、ガス流入制限孔により被検ガスの流入速度を1/10程度に制限でき、またガス流入制限膜によりさらに数十万分の1に制限でき、燻蒸などの高濃度のガスの積算濃度を長時間にわたって測定できる。
また、請求項2の発明によればシリコン系ゴムのガス流入制限膜により水分が検知材に到達するのを防止して、燻蒸環境のような多湿環境でも高い精度でガスの積算濃度を測定することができる。
【0006】
【発明の実施の態様】
図1は、本発明の一実施例を示すものであって、検知材を収容できる容積を備えた有底筒状容器本体1と、容器本体1の開口を気密に封止することができる蓋体2とからなり、いずれか一方、この実施例では蓋体2に被検ガス制限機構21が形成されている。
【0007】
図2は、被検ガス制限機構21の構造を示す断面図であって、上面に多孔質シリコン膜からなる防塵フィルタ22を固定する凹部2aと、被検ガスの流入を制限するガス流入制限孔23が設けられている。このガス流入制限孔23は、この実施例では、直径1mmで、長さ10mm程度の貫通孔をドリルで穿設することにより形成されている。
【0008】
蓋体2の容器本体側となる裏面には凹部2bが形成され、ここにガス通過制限膜24を装填し、貫通孔25が穿設された板材26で挟みつけるようにしてネジ27により固定されている。なお、図中符号12は、気密保持用の環状パッキンを、また図中符号28、29は、それぞれ環状シール材、板材26を蓋体2に固定するためのネジ孔を示す。
【0009】
ところで、ガス通過制限膜24は、基本的には高分子材料で形成されていて、被検ガスに応じて材料が選択される。この実施例ではシリコン系ゴムのシートが用いられている。
【0010】
図3は、上述のアダプタに適した検知手段の一実施例を示すものであって、この実施例ではタブに構成されている。タブ31は、枠体32は、貫通孔33aを備えた上枠33と基台34とにより構成され、これら枠体33と基台34との間に呈色反応により反応痕を生じる検知材35を装填し、上枠33の爪33bを基台34の凹部34aに嵌合させて構成されている。
【0011】
この検知材35のガス濃度時間積特性は、図4(イ)に示したように略1000ppm*秒で飽和となる極めて高い検出感度を有している。
【0012】
一方、上述したタブ31を本発明のアダプタに収容すると、図4(ロ)に示したように濃度時間積の検出能力が300万倍以上に拡大される。すなわち、環境のガスは、その流入速度をガス流入制限孔23により第一次的に約1/10に制限される。ついでガス通過制限膜24により1/30万の制限を受け、結果として環境中のガスの1/300万だけが検知材35に到達することになる。
【0013】
ところで、呈色反応を利用する検知材は、化学反応を利用する関係上、一般的に感度が湿度に大きく影響を受ける。しかし、本発明のアダプタのシリコン系ゴムは、水蒸気に対して透過性が極めて低いため、植物の燻蒸の環境のように多湿状態であっても、検知材は、環境の湿度の影響を受けることがほとんどなく、高い精度で濃度時間積を検出することができる。
【0014】
このように構成されたアダプタの容器本体1にタブ31を装填して蓋体2を装着し、燻蒸環境に放置する。
燻蒸ガスは、防塵フィルタ22を通過してガス流入制限孔23により1/10に制限されてガス通過制限膜24に到達する。燻蒸ガスは、ガス通過制限膜24によりさらに1/30万に制限されてからタブ35に到達する。以下、燻蒸期間中、燻蒸ガスは、上述の制限を受けながらその濃度に比例した量が検知材35に到達する。
燻蒸作業が終了した段階でアダプタの蓋2を開けてタブ31を取り出し、検知材35の光学的濃度を測定装置で検出することにより、被燻蒸体が受けた燻蒸ガスの暴露量を知ることができる。
このように、検知材をアダプタに収容して放置することにより暴露量を測定できるから、燻蒸環境の複数の領域にアダプタを配置するだけで、燻蒸環境でのガスの分布を容易に知ることも出来る。
【0015】
なお、上述の実施例においてはガス通過制限孔を、蓋体を所定径の穿孔を施すことにより形成しているが、銅、又はステンレス等の金属製細孔チューブを蓋体に埋め込んで形成することもできる。
この実施例によれば、高分子材料を機械加工で穿孔する場合よりも孔壁を滑らかに形成できるため、気体の通過量を正確に制御することができ、またチューブの長さを調整することにより、容易に通過量の制限率を調整することができる。
【0016】
なお、上述の実施例においては、蓋体2に被検ガスの流入制限孔23を形成しているが、容器本体1の側面や、底面に形成しても同様の作用を奏することは明らかである。
【0017】
また、上述の実施例のおいては、アダプタへの装填、取り出しの便を考慮して検知材をタブに構成しているが、検知材そのものを装填しても同様の作用を奏することは明らかである。
さらには、蓋体を二重構造として、それぞれを貫通する貫通孔を形成しておくことにより、蓋体の装着数により制限率を容易に変更することが可能となる。同様に、厚みが異なる蓋体を用意し、それぞれに貫通孔を形成しておくことにより、蓋体を選択することにより制限率を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高濃度ガス測定用アダプタの一実施例を示す概観図である。
【図2】 図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上アダプタの被検ガス取り入れ口の一実施例を示す断面図と、組立斜視図である。
【図3】 図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上アダプタに適したガス検知材の一実施例を示す組立斜視図と断面図である。
【図4】 ガス検知材自体の濃度時間積を示す線図と、同上アダプタに収容した場合の濃度時間積を示す線図である。
【符号の説明】
1 有底筒状容器本体
2 蓋体
21 被検ガス制限機構
22 防塵フィルタ
23 ガス流入制限孔
24 ガス通過制限膜
31 タブ
35 検知材
Claims (2)
- 検知材を収容可能な密封容器が容器本体と、蓋体とにより構成され、前記蓋体にはガス流入制限孔を形成する貫通孔が穿設され、前記貫通孔の流入口側には防塵用フィルタが、また出口側には被検ガスの透過が可能なガス流入制限膜がそれぞれ配置されている高濃度ガス測定用のアダプタ。
- 前記ガス流入制限膜が、シリコン系ゴムにより構成されている請求項1に記載の高濃度ガス測定用のアダプタ。
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