JP4010051B2 - Lock-up clutch failure detection device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動変速機のトルクコンバータに設けられるロックアップクラッチの故障検出装置に関し、車両用自動変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車等の車両に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素を選択的に締結して切り換えることにより、運転状態に応じてギヤ段を自動的に設定するように構成されたもので、上記トルクコンバータには、そのトルク増大作用を必要としない運転領域で入力側と出力側とを直結することにより燃費性能を向上させる等の目的で、ロックアップクラッチが備えられることがある。
【0003】
この場合、油圧制御回路により、上記各摩擦要素とロックアップクラッチとに供給される作動圧を制御してギヤ段の制御およびロックアップクラッチの締結、解放の制御を行うように構成されるが、この油圧制御回路には、上記作動圧の生成、給排、調圧等を行う各種のソレノイドバルブが備えられ、電気的な制御信号によってこれらのソレノイドバルブの作動を制御することにより、上記摩擦要素やロックアップクラッチに供給される作動圧を制御するようになっている。
【0004】
ところで、上記のような構成の場合、ソレノイドバルブが故障すると、運転状態に応じて出力される変速指令に対して所定の摩擦要素が締結されず或は解放されないため指令通りのギヤ段が得られず、或はロックアップクラッチの締結、解放が指令通りに行われないことになる。
【0005】
そこで、従来においては、当該車両の運転開始時に各ソレノイドバルブに対して故障検出信号を出力し、各ソレノイドバルブにおける断線や短絡等の電気的故障の有無を予め検出することが行われているが、ソレノイドバルブは、上記のような電気的故障が発生していない場合においても、プランジャのスティックや異物の噛み込みによるシール不良等の所謂機能故障により正しく作動しなくなる場合があり、この場合、電気的には故障は検出されないのに、ギヤ段が指令とは異なるギヤ段になったり、ロックアップクラッチが指令とは異なる状態になる等、変速制御やロックアップ制御が正しく行えないことになる。
【0006】
この問題に対しては、運転状態に応じて出力される変速指令およびロックアップ指令に対し、実際のギヤ段やロックアップクラッチの状態がどのようになっているかを検出し、その検出結果に基づいてソレノイドバルブの機能故障を判定して、所定のフェールセーフ制御を実行することが考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように例えばソレノイドバルブの機能故障の判定等に際し、ロックアップクラッチの異状の有無を検出する場合、特にロックアップクラッチのON故障、即ち解放(OFF)指令が出力されているにも拘らず、締結(ON)状態に固定される故障に関しては、トルクコンバータの入、出力回転数の差であるスリップ回転数に基づいて判定する考え方がある。
【0008】
例えば、特開平5−172237号公報には、流体継手の入力回転検出値と出力回転検出値とに基づいて該流体継手の滑り比を演算し、この滑り比演算値がフェイル判断滑り比以下となった場合にフェイルであると判断するものが開示されており、これをトルクコンバータにおけるロックアップクラッチに適用すれば、該ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数が所定回転数以下のときに、ON故障が発生したものと判定することになる。
【0009】
しかし、上記公報に開示されている方法では、スリップ回転数が所定回転数以下になったときに直ちにフェイル、即ちON故障が発生したものと判定するので誤判定を生じ易く、高い判定精度が得られないおそれがある。
【0010】
つまり、当該車両ないし自動変速機の運転状態が変化する場合、例えばエンジンのスロットル開度が頻繁に変化する場合等に、例えばあるスロットル開度のもとで一時的もしくは過渡的にスリップ回転数が所定回転数以下になることがあっても、これはロックアップクラッチが正しく解放されている状態のもとでも起こりうるものであるから、このような場合に、上記の判定方法を用いると、ロックアップON故障が発生したものと誤って判定することになるのである。
【0011】
そこで、本発明は、判定結果が得られるまでの時間をいたずらに長引かせることなく、ロックアップON故障を精度よく判定することができるようにすることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明に係るロックアップクラッチの故障検出装置は次のように構成したことを特徴とする。
【0013】
まず、本願の請求項1に記載の発明(以下「第1発明」と記す)は、トルクコンバータと、該トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される変速歯車機構と、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを締結もしくは解放するロックアップクラッチと、上記変速歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素と、上記ロックアップクラッチおよび摩擦要素に供給される作動圧を制御してロックアップクラッチの状態と変速歯車機構のギヤ段とを制御する油圧制御回路とを有する自動変速機において、上記トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、上記ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを備えるとともに、この故障判定手段は、エンジンの高負荷領域と低負荷領域とにおける上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間のそれぞれの積算値が、高負荷領域側が低負荷領域側より短い時間に設定された所定時間にそれぞれ達したときに、ロックアップON故障が発生したものと判定するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明(以下「第2発明」と記す)は、上記第1発明と同様の自動変速機において、トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを備えるとともに、この故障判定手段は、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、かつ、上記所定スロットル開度より低開度側の第2領域で、上記第1所定時間より長い時間に設定された第2所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明(以下「第3発明」と記す)は、上記第1発明と同様の自動変速機において、トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを備えるとともに、この故障判定手段は、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、上記所定スロットル開度より低開度側であって全閉領域を含まない第2領域で第2所定時間となり、かつ、全閉領域で、上記第1所定時間および第2所定時間より長い時間に設定された第3所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定するようにしたことを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項4に記載の発明(以下「第4発明」と記す)は、上記第1〜第3発明において、故障判定手段は、スリップ回転数が所定回転数以下である時間の積算中に、該スリップ回転数が上記所定回転数より大きくなったときに、ロックアップON故障の判定動作を中止するようにしたことを特徴とする。
【0019】
そして、請求項5に記載の発明(以下「第5発明」と記す)は、同じく第1〜第3発明において、故障判定手段は、変速歯車機構がニュートラル状態で固定されるニュートラル故障が発生したときに、ロックアップON故障の判定動作を中止するようにしたことを特徴とする。
【0020】
上記のように構成することにより、本願の各発明によれば次の作用が得られる。
【0021】
まず、第1発明によれば、故障判定手段により、トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数に基づいてロックアップON故障の有無を判定するに際し、エンジンの高負荷領域と低負荷領域とにおいて、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値がそれそれ所定時間に達したときに、ロックアップON故障が発生したものと判定されることになる。
【0022】
したがって、スロットル開度が頻繁に変化するような場合において、一時的もしくは過渡的にスリップ回転数が所定回転数以下になる状態が生じても、これだけではロックアップON故障が発生したとは判定されず、高負荷領域と低負荷領域とでそれぞれある程度の時間ずつ、スリップ回転数が所定回転数以下の状態が継続して初めてロックアップON故障が発生したものと判定されることになり、高い判定精度が得られる。
【0023】
そして、特に、スリップ回転数が所定回転数以下の状態の積算時間の閾値として高負荷領域と低負荷領域とでそれぞれ用いられる所定時間が、高負荷領域側の時間が低負荷領域側の時間よりも短く設定されているので、ロックアップ解放状態でもスリップ回転数が所定回転数以下になり易い低負荷領域では、比較的長い時間を掛けてこの状態が検出され、逆にロックアップ解放状態ではスリップ回転数が所定回転数以下になることが少なく、換言すれば所定回転数以下になった場合にはロックアップON故障が発生している確率が高い高負荷領域では、所定回転数以下の状態が比較的短い時間だけ検出されることになる。したがって、判定結果が得られるのに要する時間をいたずらに長引かせることなく、ロックアップON故障を精度よく、かつ速やかに判定することが可能となる。
【0024】
また、低負荷領域では、運転頻度が多いので、上記のように所定時間を長くしても積算時間がこの所定時間に達するのが遅れることはなく、逆に高負荷領域は運転頻度は少ないが、所定時間も短いので、同じく積算時間が所定時間に達するのが遅れることはなく、これによっても判定結果が比較的速やかに得られることになる。
【0025】
また、第2発明によれば、故障判定手段により、スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、かつ上記所定スロットル開度より低開度側の第2領域で第2所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定されるので、上記第1発明と同様に、スロットル開度が頻繁に変化するような場合において、一時的もしくは過渡的にスリップ回転数が所定回転数以下になる状態が生じても、これだけではロックアップON故障が発生したとは判定されず、誤判定が防止されることになる。
【0026】
そして、この第2発明によれば、高スロットル開度側の第1領域における第1所定時間は、低スロットル開度側の第2領域における第2所定時間より短い時間に設定されるので、上記第1発明と同様に、判定結果が得られるまでの時間を抑制しながら、ロックアップON故障を精度よく判定することが可能となる。
【0027】
また、第3発明によれば、スロットル開度の領域として、所定スロットル開度より高開度側の第1領域と、低開度側であって全閉領域を含まない第2領域と、全閉領域とを設定し、スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、第1領域で第1所定時間となり、第2領域で第2所定時間となり、かつ全閉領域で第3所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定するようにしたので、スロットル開度が頻繁に変化するような場合にも、一層確実にロックアップON故障の誤判定が防止されることになる。
【0028】
その場合に、この第3発明によれば、運転頻度が最も多い反面、エンジン回転数が低下するためロックアップ解放状態でもスリップ回転数が所定回転数以下になり易い全閉領域における第3所定時間が、第1所定時間および第2所定時間より長い時間に設定されるので、判定結果が得られるのに要する時間を抑制しながら、ロックアップON故障を一層精度よく判定することが可能となる。
【0029】
さらに、第4発明によれば、上記第1〜第3発明において、いずれかの領域でスリップ回転数が所定回転数以下の時間を積算している途中であっても、該スリップ回転数が上記所定回転数より大きくなったときには、このロックアップON故障の判定動作が中止されるので、何らかの原因で一時的もしくはごく短時間だけスリップ回転数が所定回転数以下になったような場合に、これをロックアップON故障と誤って判定することが防止される。
【0030】
また、第5発明によれば、変速歯車機構がニュートラル状態で固定されるニュートラル故障が発生したときには、ロックアップON故障の判定動作が中止されるので、ロックアップクラッチが解放状態にあっても、トルクコンバータの出力側の負荷が低下するためにスリップ回転数が所定回転数以下になることがある変速歯車機構のニュートラル故障時に、これをロックアップON故障と誤って判定することが防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
まず、図1により、この実施の形態に係る自動変速機10の機械的構成を説明する。
【0033】
この自動変速機10は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、該トルクコンバータ20の出力により駆動される変速歯車機構30と、該機構30の動力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素41〜45およびワンウェイクラッチ46とを有し、これらによりD,S,Lレンジ等の前進レンジにおける1〜4速と、Rレンジにおける後退速とが得られるようになっている。
【0034】
上記トルクコンバータ20は、エンジン出力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ22と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポンプ22とタービン23との間に介設され、かつ変速機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロックアップクラッチ26とで構成されている。そして、上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して変速歯車機構30側に出力されるようになっている。
【0035】
ここで、このトルクコンバータ20の反エンジン側には、該トルクコンバータ20のケース21を介してエンジン出力軸1に駆動されるオイルポンプ12が配置されている。
【0036】
一方、上記歯車変速機構30は、それぞれ、サンギヤ31a,32aと、これらのサンギヤ31a,32aに噛み合った複数のピニオン31b,32bと、これらのピニオン31b,32bを支持するピニオンキャリヤ31c,32cと、ピニオン31b,32bに噛み合ったインターナルギヤ31d,32dとを有する第1、第2遊星歯車機構31,32で構成されている。
【0037】
そして、上記タービンシャフト27と第1遊星歯車機構31のサンギヤ31aとの間にフォワードクラッチ41が、同じくタービンシャフト27と第2遊星歯車機構32のサンギヤ32aとの間にリバースクラッチ42が、また、タービンシャフト27と第2遊星歯車機構32のピニオンキャリヤ32cとの間に3−4クラッチ43がそれぞれ介設されているとともに、第2遊星歯車機構32のサンギヤ32aを固定する2−4ブレーキ44が配置されている。
【0038】
さらに、第1遊星歯車機構31のインターナルギヤ31dと第2遊星歯車機構32のピニオンキャリヤ32cとが連結されて、これらと変速機ケース11との間にローリバースブレーキ45とワンウェイクラッチ46とが並列に配置されているとともに、第1遊星歯車機構31のピニオンキャリヤ31cと第2遊星歯車機構32のインターナルギヤ32dとが連結されて、これらに出力ギヤ13が接続されている。そして、この出力ギヤ13の回転が伝動ギヤ2,3,4および差動機構5を介して左右の車軸6,7に伝達されるようになっている。
【0039】
ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩擦要素41〜45およびワンウェイクラッチ46の作動状態とギヤ段との関係をまとめると、次の表1に示すようになる。なお、この表1において、(◯)は当該摩擦要素が締結される場合を示す。また、ローリバースブレーキ45の欄における(◎)はLレンジでのみ締結されることを示す。
【0040】
【表1】

Figure 0004010051
次に、上記各摩擦要素41〜45に設けられた油圧室に対して作動圧を給排する油圧制御回路100について説明する。
【0041】
ここで、上記摩擦要素のうち、バンドブレーキでなる2速および4速用の2−4ブレーキ44は、作動圧が供給される油圧室としてアプライ室44aとリリース室44bとを有し、アプライ室44aのみに作動圧が供給されているときに該2−4ブレーキ44が締結され、リリース室44bのみに作動圧が供給されているとき、両室44a,44bとも作動圧が供給されていないとき、および両室44a,44bとも作動圧が供給されているときに、2−4ブレーキ44が解放されるようになっている。また、その他の摩擦要素41〜43,45は単一の油圧室を有し、その油圧室に作動圧が供給されているときに、当該摩擦要素が締結されるようになっている。
【0042】
図2に示すように、この油圧制御回路100には、主たる構成要素として、ライン圧を生成するレギュレータバルブ101と、手動操作によってレンジの切り換えを行うためのマニュアルバルブ102と、変速時に作動して各摩擦要素41〜45に通じる油路を切り換えるローリバースバルブ103、バイパスバルブ104、3−4シフトバルブ105およびロックアップシフトバルブ106と、これらのバルブ103〜106を作動させるための第1、第2オンオフソレノイドバルブ(以下「オンオフSV」と記す)111,112と、これらのオンオフSV111,112に供給される元圧を生成するソレノイドレデューシングバルブ(以下「レデューシングバルブ」と記す)107と、第1オンオフSV111からの作動圧の供給先を切り換えるソレノイドリレーバルブ(以下「リレーバルブ」と記す)108と、各摩擦要素41〜45の油圧室に供給される作動圧の生成、調整、排出等の制御を行う第1〜第3デューティソレノイドバルブ(以下「デューティSV」と記す)121,122,123等が備えられている。
【0043】
ここで、上記オンオフSV111,112およびデューティSV121〜123はいずれも3方弁であって、上、下流側の油路を連通させた状態と、下流側の油路をドレンさせた状態とが得られるようになっている。そして、後者の場合、上流側の油路が遮断されるので、ドレン状態で上流側からの作動油を徒に排出することがなく、オイルポンプ12の駆動ロスが低減される。
【0044】
なお、オンオフSV111,112はONのときに上、下流側の油路を連通させる。また、デューティSV121〜123はOFFのとき、即ちデューティ率(1ON−OFF周期におけるON時間の比率)が0%のときに全開となって、上、下流側の油路を完全に連通させ、ONのとき、即ちデューティ率が100%のときに、上流側の油路を遮断して下流側の油路をドレン状態とするとともに、その中間のデューティ率では、上流側の油圧を元圧として、下流側にそのデューティ率に応じた値に調整した油圧を生成するようになっている。
【0045】
上記レギュレータバルブ101は、オイルポンプ12から吐出された作動油の圧力を所定のライン圧に調整する。そして、このライン圧は、メインライン200を介して上記マニュアルバルブ102に供給されるとともに、上記レデューシングバルブ107と3−4シフトバルブ105とに供給される。
【0046】
このレデューシングバルブ107に供給されたライン圧は、該バルブ107によって減圧されて一定圧とされた上で、ライン201,202を介して第1、第2オンオフSV111,112に供給される。
【0047】
そして、この一定圧は、第1オンオフSV111がONのときには、ライン203を介して上記リレーバルブ108に供給されるとともに、該リレーバルブ108のスプールが図面上(以下同様)右側に位置するときは、さらにライン204を介してバイパスバルブ104の一端の制御ポート104aにパイロット圧として供給され、該バイパスバルブ104のスプールを左側に付勢する。また、この一定圧は、リレーバルブ108のスプールが左側に位置するときは、ライン205を介して3−4シフトバルブ105の一端の制御ポート105aにパイロット圧として供給され、該3−4シフトバルブ105のスプールを右側に付勢する。
【0048】
また、第2オンオフSV112がONのときには、上記レデューシングバルブ107からの一定圧は、ライン206を介してバイパスバルブ104に供給されるとともに、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置するときは、さらにライン207を介してロックアップコントロールバルブ106の一端の制御ポート106aにパイロット圧として供給され、該コントロールバルブ106のスプールを左側に付勢する。また、バイパスバルブ104のスプールが左側に位置するときは、ライン208を介してローリバースバルブ103の一端の制御ポート103aにパイロット圧として供給され、該ローリバースバルブ103のスプールを左側に付勢する。
【0049】
さらに、レデューシングバルブ107からの一定圧は、ライン209を介して上記レギュレータバルブ101の調圧ポート101aにも供給される。その場合に、この一定圧は、上記ライン209に備えられたリニアソレノイドバルブ(以下「リニアSV」と記す)131により例えばエンジン負荷等に応じて調整され、したがって、レギュレータバルブ101によってライン圧がエンジン負荷等に応じて調整されることになる。
【0050】
なお、上記3−4シフトバルブ105に導かれたメインライン200は、該バルブ105のスプールが右側に位置するときに、ライン210を介して第1アキュムレータ141に通じ、該アキュムレータ141にライン圧を導入する。
【0051】
一方、上記メインライン200からマニュアルバルブ102に供給されるライン圧は、D,S,Lの各前進レンジでは第1出力ライン211および第2出力ライン212に、Rレンジでは第1出力ライン211および第3出力ライン213に、また、Nレンジでは第3出力ライン213にそれぞれ導入される。
【0052】
そして、上記第1出力ライン211は第1デューティSV121に導かれ、該第1デューティSV121に制御元圧としてライン圧を供給する。この第1デューティSV121の下流側は、ライン214を介してローリバースバルブ103に導かれているとともに、該バルブ103のスプールが右側に位置するときには、さらにライン215を介して2−4ブレーキ44のアプライ室44aに導かれ、また、上記ローリバースバルブ103のスプールが左側に位置するときには、さらにライン216を介してローリバースブレーキ45の油圧室に導かれる。ここで、上記ライン214からはライン217が分岐され、第2アキュムレータ142に導かれている。
【0053】
また、上記第2出力ライン212は、第2デューティSV122および第3デューティSV123に導かれ、これらのデューティSV122,123に制御元圧としてライン圧をそれぞれ供給するとともに、3−4シフトバルブ105にも導かれている。この3−4シフトバルブ105に導かれたライン212は、該バルブ105のスプールが左側に位置するときに、ライン218を介してロックアップシフトバルブ106に導かれ、該バルブ106のスプールが左側に位置するときに、さらにライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室に導かれる。
【0054】
ここで、上記フォワードクラッチライン219から分岐されたライン220は3−4シフトバルブ105に導かれ、該バルブ105のスプールが左側に位置するときに、前述のライン210を介して第1アキュムレータ141に通じるとともに、該バルブ105のスプールが右側に位置するときには、ライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bに通じる。
【0055】
また、第2出力ライン212から制御元圧が供給される上記第2デューティSV122の下流側は、ライン222を介して上記リレーバルブ108の一端の制御ポート108aに導かれてパイロット圧を供給し、該リレーバルブ108のスプールを左側に付勢するとともに、上記ライン222から分岐されたライン223はローリバースバルブ103に導かれ、該バルブ103のスプールが右側に位置するときに、さらにライン224に通じる。
【0056】
このライン224からは、オリフィス151を介してライン225が分岐されているとともに、この分岐されたライン225は3−4シフトバルブ105に導かれ、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位置するときに、ライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bに導かれる。
【0057】
また、上記ライン224からオリフィス151を介して分岐されたライン225からは、さらにライン226が分岐されているとともに、このライン226はバイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが右側に位置するときに、ライン227を介して3−4クラッチ43の油圧室に導かれる。
【0058】
さらに、上記ライン224は直接バイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが左側に位置するときに、上記ライン226を介してライン225に通じる。つまり、ライン224とライン225とが上記オリフィス151をバイパスして通じることになる。
【0059】
また、第2出力ライン212から制御元圧が供給される第3デューティSV123の下流側は、ライン228を介してロックアップシフトバルブ106に導かれ、該バルブ106のスプールが右側に位置するときに、上記フォワードクラッチライン219に連通する。また、該ロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に位置するときには、ライン229を介してロックアップクラッチ26のフロント室26aに通じる。
【0060】
さらに、マニュアルバルブ102からの第3出力ライン213はローリバースバルブ103に導かれ、該バルブ103にライン圧を供給する。そして、該バルブ103のスプールが左側に位置するときに、ライン230を介してリバースクラッチ42の油圧室に導かれる。
【0061】
また、同じく第3出力ライン213から分岐されたライン231はバイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが右側に位置するときに、前述のライン208を介してローリバースバルブ103の制御ポート103aにパイロット圧としてライン圧を供給し、該ローリバースバルブ103のスプールを左側に付勢する。
【0062】
以上の構成に加え、この油圧制御回路100には、コンバータリリーフバルブ109が備えられている。このバルブ109は、レギュレータバルブ101からライン232を介して供給される作動圧を一定圧に調圧した上で、これをライン233を介してロックアップシフトバルブ106に供給する。そして、この一定圧は、ロックアップシフトバルブ106のスプールが右側に位置するときには、前述のライン229を介してロックアップクラッチ26のフロント室26aに供給され、また、上記ロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に位置するときには、ライン234を介してロックアップクラッチ26のリヤ室26bに供給されるようになっている。
【0063】
ここで、ロックアップクラッチ26は、フロント室26aに上記一定圧が供給されることにより解放されるとともに、リヤ室26bに一定圧が供給されたときに締結されるようになっているが、この締結時において、ロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に位置するときは、上記第3デューティSV123で生成された作動圧がフロント室26aに供給されることにより、この作動圧に応じた締結力が得られるようになっている。
【0064】
また、この油圧制御回路100においては、前述のように、レギュレータバルブ101によって調整されるライン圧を、リニアSV131からの制御圧により、例えばエンジン負荷に応じた油圧に制御されるが、レンジに応じたライン圧の制御も行われるようになっている。つまり、上記マニュアルバルブ102から導かれて、D,S,LおよびNレンジでメインライン200に通じるライン235が、レギュレータバルブ101の減圧ポート101bに接続されており、上記D,S,LおよびNレンジでは、Rレンジよりライン圧の調圧値を低くするようになっている。
【0065】
一方、図3に示すように、この油圧制御回路100における上記第1、第2オンオフSV111,112、第1〜第3デューティSV121〜123およびリニアSV131を制御するコントローラ300が備えられている。
【0066】
このコントローラ300には、当該車両の車速を検出する車速センサ301、エンジン負荷としてのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ302、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ303、運転者によって選択されたレンジを検出するインヒビタスイッチ304、変速歯車機構30への入力回転数であるタービンシャフト27の回転数を検出するタービン回転数センサ305、変速歯車機構30の出力回転数を検出する出力回転数センサ306、作動油の油温を検出する油温センサ307等からの信号が入力され、これらのセンサおよびスイッチ301〜307からの信号が示す当該車両ないしエンジンの運転状態等に応じて、上記オンオフSV111,112、デューティSV121〜123およびリニアSV131の作動を制御するようになっている。
【0067】
次に、この第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123の作動状態と各摩擦要素41〜45の油圧室に対する作動圧の給排状態の関係を各ギヤ段ごとに説明する。
【0068】
ここで、第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123の各変速段ごとの作動状態の組み合せ(ソレノイドパターン)は、次の表2に示すように設定されている。
【0069】
この表2中、(○)は、オンオフSV111,112についてはON、デューティSV121〜123についてはOFFであって、いずれも、上流側の油路を下流側の油路に連通させて元圧をそのまま下流側に供給する状態を示す。また、(×)は、オンオフSV111,112についてはOFF、デューティSV121〜123についてはONであって、いずれも、上流側の油路を遮断して、下流側の油路をドレンさせた状態を示す。さらに、第3デューティSV123についての(×(デューティ))は、下流側をドレンし、または下流側にデューティ制御で作動圧を生成させることを示す。
【0070】
【表2】
Figure 0004010051
まず、1速(Lレンジの1速を除く)においては、表2および図4に示すように、第3デューティSV123のみが作動して、第2出力ライン212からのライン圧を元圧として作動圧を生成しており、この作動圧がライン228を介してロックアップシフトバルブ106に供給される。そして、1速では該ロックアップシフトバルブ106のスプールが右側に位置することにより、上記作動圧は、さらにライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室にフォワードクラッチ圧として供給され、これにより該フォワードクラッチ41が締結される。
【0071】
ここで、上記ライン219から分岐されたライン220が3−4シフトバルブ105およびライン210を介して第1アキュムレータ141に通じていることにより、上記フォワードクラッチ圧の供給が緩やかに行われる。
【0072】
次に、2速の状態では、表2および図5に示すように、上記の1速の状態に加え、第1デューティSV121も作動し、第1出力ライン211からのライン圧を元圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライン214を介してローリバースバルブ103に供給されるが、この時点では該ローリバースバルブ103のスプールが右側に位置することにより、さらにライン215に導入され、2−4ブレーキ44のアプライ室44aにサーボアプライ圧として供給される。これにより、上記フォワードクラッチ41に加えて2−4ブレーキ44が締結される。
【0073】
なお、上記ライン214はライン217を介して第2アキュムレータ142に通じているから、上記サーボアプライ圧の供給ないし2−4ブレーキ44の締結が緩やかに行われる。そして、このアキュムレータ142に蓄えられた作動油は、後述するLレンジの1速への変速に際してローリバースバルブ103のスプールが左側に移動したときに、ライン216からローリバースブレーキ45の油圧室にプリチャージされる。
【0074】
また、3速の状態では、表2および図6に示すように、上記の2速の状態に加えて第2デューティSV122も作動し、第2出力ライン212からのライン圧を元圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライン222およびライン223を介してローリバースバルブ103に供給されるが、この時点では該バルブ103のスプールが右側に位置することにより、さらにライン224に導入される。
【0075】
そして、この第2デューティSV122で生成された作動圧は、上記ライン224からオリフィス151を介してライン225に導入されて3−4シフトバルブ105に導かれるが、この時点では該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位置することにより、さらにライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bにサーボリリース圧として供給される。これにより、2−4ブレーキ44が解放される。
【0076】
また、上記ライン224からオリフィス151を介して分岐されたライン225からはさらにライン226が分岐されているから、上記作動圧は該ライン226によりバイパスバルブ104に導かれるとともに、この時点では該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置することにより、さらにライン227を介して3−4クラッチ43の油圧室に3−4クラッチ圧として供給される。したがって、3速では、フォワードクラッチ41と3−4クラッチ43とが締結される一方、2−4ブレーキ44が解放されることになる。
【0077】
なお、この3速の状態では、上記のように第2デューティSV122が作動圧を生成し、これがライン222を介してリレーバルブ108の制御ポート108aに供給されることにより、該リレーバルブ108のスプールが左側に移動する。
【0078】
また、この3速の状態でロックアップクラッチ26が締結される場合は、表2および図7に示すように、上記3速の状態に対して、まず第2オンオフSV112が作動することにより、レデューシングバルブ107(図2参照)からの一定圧が該第2オンオフSV112、ライン206、バイパスバルブ104およびライン207を介してロックアップシフトバルブ106の制御ポート106aに供給され、該ロックアップシフトバルブ106のスプールを左側に移動させる。このとき、フォワードクラッチ41の油圧室には、ライン212からの作動圧が3−4シフトバルブ105およびライン218等を介して供給され、該フォワードクラッチ41が締結状態に保持される。
【0079】
また、このとき、ロックアップクラッチ26においては、リヤ室26bにライン233,234を介してコンバータリリーフバルブ109(図2参照)からの一定圧が供給された状態で、第3デューティSV123により、フロント室26a内の作動圧が排出もしくはデューティ制御により調整される。これにより、該ロックアップクラッチ26が締結状態もしくはスリップ状態に制御される。
【0080】
さらに、4速の状態では、表2および図8に示すように、3速の状態に対して、第3デューティSV123が作動圧の生成を停止する一方、第1オンオフSV111が作動する。
【0081】
この第1オンオフSV111の作動により、ライン201からの一定圧がライン203を介してリレーバルブ108に供給されることになるが、上記のように、このリレーバルブ108のスプールは3速時に左側に移動しているから、上記一定圧がライン205を介して3−4シフトバルブ105の制御ポート105aに供給されることになり、該バルブ105のスプールが右側に移動する。
【0082】
そのため、2−4ブレーキ44のリリース室44bに通じるライン221と、フォワードクラッチ41に通じるライン219から分岐されたライン220とが該3−4シフトバルブ105を介して接続され、2−4ブレーキ44のリリース室44bとフォワードクラッチ41の油圧室とが連通する。
【0083】
そして、上記のように第3デューティSV123が作動圧の生成を停止して下流側をドレン状態とすることにより、上記2−4ブレーキ44のリリース室44bとフォワードクラッチ41の油圧室内の作動圧が、ロックアップシフトバルブ106およびライン228を介して該第3デューティSV123でドレンされることになる。これにより、2−4ブレーキ44が再び締結されるとともに、フォワードクラッチ41が解放される。
【0084】
また、この4速の状態でロックアップクラッチ26が締結される場合は、表2および図9に示すように、3速の場合と同様に、第2オンオフSV112が作動することによりロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に移動する。そして、これに伴って、ロックアップクラッチ26においては、リヤ室26bにライン233,234を介して一定圧が供給された状態で、フロント室26a内の作動圧が上記第3デューティSV123によって排出もしくはデューティ制御され、該ロックアップクラッチ26が締結状態もしくはスリップ状態に制御される。
【0085】
そして、この4速の状態では、3−4シフトバルブ105のスプールが右側に位置していることにより、フォワードクラッチ41に通じるライン219と、2−4ブレーキ44のリリース室44bに通じるライン221とがライン220を介して連通した状態で、上記ロックアップシフトバルブ106に導かれるが、これらのライン219,221は、上記のように該ロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に位置することにより、さらにライン218を介して上記3−4シフトバルブ105に導かれ、該バルブ105のドレンポート105bに連通する。
【0086】
したがって、4速の状態でロックアップクラッチ26が締結されるときには、フォワードクラッチ圧およびサーボリリース圧は第3デューティSV123によって排圧されている状態から、3−4シフトバルブ105のドレンポート105bからドレンされる状態に切り換わることになり、これにより、フォワードクラッチ41の解放状態および2−4ブレーキ44の締結状態が保持されることになる。
【0087】
一方、Lレンジの1速では、表2および図10に示すように、第1、第2オンオフSV111,112および第1、第3デューティSV121,123が作動し、この第3デューティSV123によって生成された作動圧が、Dレンジ等の1速と同様に、ライン228、ロックアップシフトバルブ106およびライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室にフォワードクラッチ圧として供給され、該フォワードクラッチ41が締結される。また、このとき、ライン220、3−4シフトバルブ105およびライン210を介して第1アキュムレータ141に作動圧が導入されることにより、上記フォワードクラッチ41の締結が緩やかに行われるようになっている点も、Dレンジ等の1速と同様である。
【0088】
また、第1オンオフSV111の作動により、ライン203、リレーバルブ108、ライン204を介してバイパスバルブ104の制御ポート104aにパイロット圧が供給され、該バルブ104のスプールが左側に移動する。そして、これに伴って、第2オンオフSV112からの作動圧が、ライン206、バイパスバルブ104およびライン208を介してローリバースバルブ103の制御ポート103aに供給され、該バルブ103のスプールが左側に移動する。
【0089】
したがって、第1デューティSV121で生成された作動圧がライン214、ローリバースバルブ103およびライン216を介してローリバースブレーキ45の油圧室にローリバースブレーキ圧として供給され、これにより、フォワードクラッチ41に加えてローリバースブレーキ45が締結され、エンジンブレーキが作動する1速が得られる。
【0090】
さらに、Rレンジでは、表2および図11に示すように、第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123が作動する。ただし、第2、第3デューティSV122,123については、マニュアルバルブ102によって第2出力ライン212からの元圧の供給が停止されているから、作動圧を生成することはない。
【0091】
このRレンジでは、上記のように、第1、第2オンオフSV111,112が作動するから、前述のLレンジの1速の場合と同様に、バイパスバルブ104のスプールが左側に移動し、これに伴ってローリバースバルブ103のスプールも左側に移動する。そして、この状態で第1デューティSV121で作動圧が生成され、これがローリバースブレーキ圧としてローリバースブレーキ45の油圧室に供給される。
【0092】
一方、Rレンジでは、マニュアルバルブ102から第3出力ライン213にライン圧が導入され、このライン圧が、上記のようにスプールが左側に移動したローリバースバルブ103、およびライン230を介してリバースクラッチ42の油圧室にリバースクラッチ圧として供給される。したがって、上記リバースクラッチ42とローリバースブレーキ45とが締結されることになる。
【0093】
次に、図3に示すコントローラ300によるフェールセーフ制御、特に上記第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123の機能故障に対するフェールセーフ制御について説明する。
【0094】
まず、上記各ソレノイドバルブの構成を説明すると、オンオフSV111(オンオフSV112も同様)は、図12に示すように、本体111aの端面に上流側(油圧源側)ポート111bが、周面に下流側(摩擦要素側)ポート111cとドレンポート111dとがそれぞれ設けられているとともに、上記上流側ポート111bと下流側ポート111cとの間を遮断して該下流側ポート111cをドレンポート111dに連通させる状態と、上流側ポート111bと下流側ポート111cとを連通させてドレンポート111dを遮断する状態とに、ボール部材111eを介して切り換えるプランジャ111fが備えられている。さらに、このプランジャ111fを、上記上流側ポート111bと下流側ポート111cとを遮断する方向(a方向)に付勢するスプリング111gと、通電時にプランジャ111fに上記スプリング111gの付勢力と反対方向(b方向)の電磁力を作用させるコイル111hとが備えられ、このコイル111hに、前述のコントローラ300から制御信号としてオンオフ信号が供給されるようになっている。
【0095】
したがって、このオンオフSV111(112)によれば、上記オンオフ信号がOFFのとき(通電されていないとき)には、図示のように、スプリング111gの付勢力によりプランジャ111fが上流側ポート111bと下流側ポート111cとの間を遮断する位置に保持されて、油圧源側から摩擦要素側への作動油の供給が停止されるとともに摩擦要素側がドレンされ、また、オンオフ信号がONとなってコイル111hが通電されたときには、該コイル111hで発生する電磁力によりプランジャ111fが上記スプリング111gの付勢力に抗してb方向に移動して、上流側ポート111bと下流側ポート111cとが連通することにより、油圧源側からの作動油が摩擦要素側へ供給されることになる。
【0096】
また、デューティSV121(デューティSV122,123も同様)は、図13に示すように、本体121aの周面に、上流側(油圧源側)ポート121bと、下流側(摩擦要素側)ポート121cと、ドレンポート121dとが設けられているとともに、c方向に移動したときに下流側ポート121cに対して上流側ポート121bを連通させてドレンポート121dを遮断し、これとは反対のd方向に移動したときには、下流側ポート121cに対してドレンポート121dを連通させて上流側ポート121bを遮断するプランジャ121eが備えられている。さらに、このプランジャ121eを上記c方向に付勢するスプリング121fと、通電時にプランジャ121eに上記スプリング121fの付勢力と反対方向のd方向に電磁力を作用させるコイル121gとが備えられ、このコイル121gに前述のコントローラ300から一定周期でON,OFFを繰り返すデューティ信号が制御信号として供給されるようになっている。
【0097】
そして、このデューティ信号のうちのOFF信号の供給時には、上記プランジャ121eがc方向に移動して下流側ポート121cに対して上流側ポート121bが連通することにより、摩擦要素側へ供給される作動油の圧力が増圧され、また、ON信号の供給時には、該プランジャ121eがd方向に移動して上記下流側ポート121cに対してドレンポート121dが連通することにより、摩擦要素側へ供給される作動油の圧力が減圧されるようになっている。
【0098】
したがって、このデューティSV121(122,123)によれば、前述のように、デューティ率(1ON−OFFサイクル中のON時間の比率)が小さいほど摩擦要素側に供給される作動圧が高くなり、デューティ率0%、即ち完全にOFFの状態で元圧がそのまま摩擦要素側へ供給されることになる。
【0099】
ところで、この種のソレノイドバルブ111,112,121〜123は、コントローラ300から上記のようなオンオフ信号やデューティ信号が正常に供給されているにも拘らず、機能故障、即ち異物の噛み込み等によるプランジャのスティックやリーク、或はスプリングの折損によるプランジャの作動不良等の機械的な故障により、摩擦要素に対する油圧の給排動作や調圧動作が制御信号通りに行われないことがあり、この場合、運転状態等に応じて出力される指令通りのギヤ段が得られず、或はロックアップクラッチのON(締結)、OFF(解放)の状態が指令通りにならず、或はNレンジ等の非走行レンジからDレンジ等の走行レンジへの切り換え操作時における摩擦要素のエンゲージ動作が指令通りに行われなくなるおそれが生じる。
【0100】
そこで、コントローラ300は、ギヤ段が指令と一致しているか否か、或はロックアップクラッチ26の状態が指令と一致しているか否か、或はエンゲージ動作が指令通りに行われているか否か等を判別し、指令通りでない場合に、その異常の態様から、各ソレノイドバルブ111,112,121〜123のうち、どのソレノイドバルブについて、どのような機能故障を生じているかを判定するとともに、その判定結果に応じて適切なフェールセーフ制御を行うようになっているのである。
【0101】
ここで、ソレノイドバルブの機能故障と、これによって生じるギヤ段およびロックアップクラッチ26の異常との関係をまとめると、次の表3に示すようになる。
【0102】
なお、この表3中、各ソレノイドバルブについての「OFF故障」とは、信号がONであるのにOFFの状態となる機能故障であって、オンオフSV111,112については、油圧源側から摩擦要素側へ作動圧が供給されない状態になることであり、デューティSV121〜123については、油圧源側から摩擦要素側へ作動圧が供給される状態になることである。また、「ON故障」とは、信号がOFFであるのにONの状態となる機能故障であって、オンオフSV111,112については、油圧源側から摩擦要素側へ作動圧が供給される状態になることであり、デューティSV121〜123については、油圧源側から摩擦要素側へ作動圧が供給されない状態になることである。
【0103】
また、以下の説明では、例えばギヤ段を4速、ロックアップクラッチ26をOFFとする指令を「4速指令」、ギヤ段を4速、ロックアップクラッチ26をONとする指令を「4速ロックアップ指令」等といい、また、実際のギヤ段が指令と異なるギヤ段になったりニュートラルになったりする異常を「ギヤ故障」、ロックアップクラッチ26がONの指令に対してOFFとなる異常を「ロックアップOFF故障」、OFFの指令に対してONとなる異常を「ロックアップON故障」といい、さらに、エンゲージ動作が指令通りに行われない異常を「エンゲージ故障」という。
【0104】
そして、各ソレノイドバルブの「OFF故障」および「ON故障」に対し、「ギヤ故障」、「ロックアップOFF故障」、「ロックアップON故障」または「エンゲージ故障」が生じていない場合を(○)、いずれかの故障が生じている場合を(×)として、表3の内容を書き直すと、表4に示すようになる。
【0105】
【表3】
Figure 0004010051
【0106】
【表4】
Figure 0004010051
ここで、上記表3、表4の内容について具体的に説明すると、まず、第1オンオフSV111のOFF故障時には、4速指令時にギヤ段がニュートラルになるギヤ故障と、4速ロックアップ指令時にギヤ段が3速となるギヤ故障とが発生する。
【0107】
つまり、図8に示す4速の状態において、第1オンオフSV111がOFFとなると、ライン203,205から3−4シフトバルブ105の制御ポート105aへのパイロット圧の供給が停止されて、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位置することになり、そのため、第2デューティSV122で生成されている3−4クラッチ圧がライン225から該3−4シフトバルブ105およびライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bに供給される。その結果、該2−4ブレーキ44が解放され、ギヤ段がニュートラルとなるのである。
【0108】
また、図9に示す4速ロックアップの状態において、第1オンオフSV111がOFFとなり、上記の場合と同様に、3−4シフトバルブ105の制御ポート105aへのパイロット圧の供給が停止されて、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位置すると、第2デューティSV122で生成されている3−4クラッチ圧が2−4ブレーキ44のリリース室44bに供給されて該2−4ブレーキ44が解放されるとともに、第2出力ライン212からのライン圧が該3−4シフトバルブ105、ライン218、ロックアップシフトバルブ106およびライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室に供給され、該フォワードクラッチ41が締結されることになる。その結果、ギヤ段は指令とは異なる3速となるのである。
【0109】
また、第1オンオフSV111のON故障時には、3速ロックアップ指令時にギヤ段が4速となるギヤ故障が発生する。
【0110】
つまり、図7に示す3速ロックアップの状態において、第1オンオフSV111がONとなると、ライン203、リレーバルブ108およびライン205を介して3−4シフトバルブ105の制御ポート105aにパイロット圧が供給されて、該3−4シフトバルブ105のスプールが右側に位置する。そのため、2−4ブレーキ44のリリース室44bとフォワードクラッチ41の油圧室とが、ライン221、3−4シフトバルブ105、ライン220およびライン219を介して連通するとともに、これら両室内の作動圧がロックアップシフトバルブ106およびライン218を介して該3−4シフトバルブ105のドレンポート105bからドレンされ、その結果、2−4ブレーキ44が締結されると同時にフォワードクラッチ41が解放され、これによりギヤ段が指令とは異なる4速となるのである。
【0111】
また、第2オンオフSV112のOFF故障時には、3速ロックアップ指令時にギヤ段がニュートラルとなるギヤ故障と、4速ロックアップ指令時にロックアップクラッチ26が締結されないロックアップOFF故障とが発生する。
【0112】
つまり、図7に示す3速ロックアップの状態において、第2オンオフSV112がOFFとなると、ライン206、バイパスバルブ104およびライン207からロックアップシフトバルブ106の制御ポート106aへのパイロット圧の供給が停止されて、該ロックアップシフトバルブ106のスプールが右側に位置することになり、そのため、フォワードクラッチ41の油圧室内の作動圧が、ライン219、ロックアップシフトバルブ106およびライン228を介して第3デューティSV123でドレンされることになる。その結果、フォワードクラッチ41が解放され、ギヤ段がニュートラルとなるのである。
【0113】
また、図9に示す4速ロックアップの状態において、第2オンオフSV112がOFFとなり、上記の場合と同様に、ロックアップシフトバルブ106の制御ポート106aへのパイロット圧の供給が停止されて、該ロックアップシフトバルブ106のスプールが右側に位置すると、ライン233からの一定圧が該ロックアップシフトバルブ106およびライン229を介してロックアップクラッチ26のフロント室26aに供給されることになる。その結果、ロックアップクラッチ26がON指令であるにも拘らず、解放されることになるのである。
【0114】
また、第2オンオフSV112のON故障時には、4速指令時にロックアップクラッチ26が締結されるロックアップON故障が発生する。
【0115】
つまり、図8に示す4速の状態において、第2オンオフSV112がONとなると、ライン206、バイパスバルブ104およびライン207を介してロックアップシフトバルブ106の制御ポート106aにパイロット圧が供給され、該ロックアップシフトバルブ106のスプールが左側に位置することになる。そのため、ライン233からの一定圧が該ロックアップシフトバルブ106およびライン234を介してロックアップクラッチ26のリヤ室26bに供給されると同時に、フロント室26aの作動圧は、ライン229、ロックアップシフトバルブ106およびライン228を介して第3デューティSV123からドレンされることになる。その結果、ロックアップクラッチ26は、指令とは異なる締結状態となるのである。
【0116】
一方、第1デューティSV121のOFF故障時には、1速指令時にギヤ段が2速になるギヤ故障が発生する。
【0117】
つまり、図4に示す1速の状態において、第1デューティSV121がOFF(デューティ率0%)となると、該第1デューティSV121からライン214にライン圧がそのまま出力され、これがローリバースバルブ103およびライン215を介して2−4ブレーキ44のアプライ室44aに供給されることになる。その結果、2−4ブレーキ44が締結されて、ギヤ段が2速になるのである。
【0118】
また、この第1デューティSV121のON故障時には、2速指令時にギヤ段が1速になるギヤ故障と、4速指令時および4速ロックアップ指令時にギヤ段がニュートラルになるギヤ故障とが発生する。
【0119】
つまり、図5に示す2速の状態において、第1デューティSV121がON(デューティ率100%)となると、上記のOFF故障時の場合と反対に、該第1デューティSV121からライン214、ローリバースバルブ103およびライン215を介して2−4ブレーキ44のアプライ室44aに供給されていた作動圧が該第1デューティSV121からドレンされ、そのため、2−4ブレーキ44が解放されてギヤ段が1速になるのである。
【0120】
また、図8に示す4速の状態および図9に示す4速ロックアップの状態において、第1デューティSV121がONとなると、上記の場合と同様にして、2−4ブレーキ44のアプライ室44aに供給されていた作動圧がドレンされるため、2−4ブレーキ44が解放されることになるが、この場合は、フォワードクラッチ41が締結されていないので、ギヤ段はニュートラルになるのである。
【0121】
また、第2デューティSV122のOFF故障時には、1速指令時および2速指令時にギヤ段が3速になるギヤ故障が発生する。
【0122】
つまり、図4に示す1速の状態において、第2デューティSV122がOFFとなると、該第2デューティSV122からライン222にライン圧が出力され、これがローリバースバルブ103、ライン224、ライン226、バイパスバルブ104およびライン227を介して3−4クラッチ43の油圧室に供給されることになり、その結果、該3−4クラッチ43が締結され、ギヤ段が3速になるのである。
【0123】
また、図5に示す2速の状態おいて、第2デューティSV122がOFFとなると、同様にして、該第2デューティSV122から出力されるライン圧が3−4クラッチ43に供給されて、該3−4クラッチ43が締結されると同時に、さらにライン225から3−4シフトバルブ105およびライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bにライン圧が供給されて2−4ブレーキ44が解放され、その結果、この場合もギヤ段が3速になるのである。
【0124】
また、第2デューティSV122のON故障時には、3速指令時および3速ロックアップ指令時にギヤ段が2速になるギヤ故障と、4速指令時および4速ロックアップ指令時にギヤ段がニュートラルになるギヤ故障とが発生する。
【0125】
つまり、図6に示す3速の状態および図7に示す3速ロックアップの状態において、第2デューティSV122がONとなると、上記のOFF故障時の場合と反対に、該第2デューティSV122からライン222、ローリバースバルブ103ライン224、ライン226、バイパスバルブ104およびライン227を介して3−4クラッチ43の油圧室に供給されていた3−4クラッチ圧と、上記ライン224からライン225、3−4シフトバルブ105およびライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bに供給されていたサーボリリース圧とが該第2デューティSV122からドレンされる。その結果、3−4クラッチ43が解放されると同時に2−4ブレーキ44が締結され、ギヤ段が2速になるのである。
【0126】
また、図8に示す4速の状態および図9に示す4速ロックアップの状態において、第2デューティSV122がONとなると、上記の場合と同様にして、3−4クラッチ圧がドレンされることになるが、この場合は、フォワードクラッチ41が締結されていないので、ギヤ段はニュートラルになるのである。
【0127】
さらに、第3デューティSV121のOFF故障時には、4速指令時にギヤ段が3速になるギヤ故障と、4速ロックアップ指令時にロックアップクラッチ26が締結されないロックアップOFF故障とが発生する。
【0128】
つまり、図8に示す4速の状態において、第3デューティSV123がOFFとなると、該第3デューティSV123からライン228にライン圧がそのまま出力され、これがロックアップシフトバルブ106およびライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室に供給されると同時に、上記ライン219からライン220、3−4シフトバルブ105およびライン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44bにも供給されることになる。その結果、フォワードクラッチ41が締結されると同時に2−4ブレーキ44が解放され、ギヤ段が3速になるのである。
【0129】
また、図9に示す4速ロックアップの状態において、第3デューティSV123がOFFとなると、該第3デューティSV123からライン228、ロックアップシフトバルブ106おおよびライン229を介してロックアップクラッチ26のフロント室26aにライン圧が供給され、その結果、該ロックアップクラッチ26が指令とは異なる解放状態となるのである。
【0130】
さらに、この第3デューティSV123のON故障時には、1速指令時、2速指令時および3速指令時にギヤ段がニュートラルになるニュートラル故障が発生するとともに、停車状態でのエンゲージ動作時においては、摩擦要素が締結されないエンゲージ故障が発生する。
【0131】
つまり、図4に示す1速の状態、図5に示す2速の状態および図6に示す3速の状態において、第3デューティSV123がONとなると、該第3デューティSV123からライン228、ロックアップシフトバルブ106およびライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室に供給されていた作動圧が該第3デューティSV123からドレンされ、或はこの作動圧がフォワードクラッチ41の油圧室に供給されないことになる。そのため、フォワードクラッチ41が解放され或は締結されず、ギヤ段がニュートラルになり、或はエンゲージ故障により1〜3速での発進が不能となるのである。
【0132】
以上のようにして、各ソレノイドバルブの機能故障時に、故障したソレノイドバルブの種類およびその態様に応じて、各指令時にギヤ故障、ロックアップOFF故障、ロックアップON故障およびエンゲージ故障が発生することになるが、このことから、ギヤ故障、ロックアップOFF故障、ロックアップON故障およびエンゲージ故障の有無を、そのときの指令の種類に関連付けて検出することにより、どのソレノイドバルブがどのような態様の機能故障を生じているかが判別できることになる。
【0133】
そこで、前述のコントローラ300は、各指令の出力時におけるギヤ故障、ロックアップOFF故障、ロックアップON故障およびエンゲージ故障の有無を検出することにより、機能故障を生じているソレノイドバルブとその故障の態様とを特定し、その特定した結果に応じたフェールセーフ制御を行うようになっているのである。
【0134】
その場合に、機能故障を生じているソレノイドバルブを特定するためには、上記のギヤ故障等の有無を、表4に示す全ての指令時についてそれぞれ検出する必要はない。
【0135】
例えば、1速指令時にギヤ段が1速以外の状態になるギヤ故障が発生した場合、その原因としては、第1デューティSV121のOFF故障、第2デューティSV122のOFF故障、および第3デューティSV123のON故障が挙げられるので、この1速指令時におけるギヤ故障の検出だけでは、機能故障を生じているソレノイドバルブを特定することはできないが、2速指令時にギヤ故障が発生しなければ、上記の1速ギヤ故障の原因は第1デューティSV121のOFF故障に特定でき、また、2速指令時にもギヤ故障が発生したが、3速指令時には発生しなければ、この1速ギヤ故障の原因を第2デューティSV122のOFF故障に特定できるのである。
【0136】
このようにして、一部の指令時におけるギヤ故障やロックアップOFF,ON故障、或はエンゲージ故障の有無を検出するだけで、どのソレノイドバルブがどのような機能故障を生じているかを特定することができるのであり、そこで、前述のコントローラ300は、機能故障を生じているソレノイドバルブを特定するための条件としてのギヤ故障等の有無を、できるだけ少ない種類の指令時に絞って検出し、既に故障したソレノイドバルブが特定されている状態で、不必要にギヤ故障等の検出を行う無駄を回避するようになっている。
【0137】
特に、高車速時にしか出力されないため、その出力頻度が少ない4速ロックアップ指令の出力時におけるギヤ故障等の有無は、機能故障を生じているソレノイドバルブを特定するための条件として必要不可欠な場合に限って検出するようになっており、これにより、正確でしかも迅速なソレノイドバルブの故障判定を行うように図られている。
【0138】
そして、以上のような観点から、この実施の形態においては、表4に示す各指令時におけるギヤ故障等の有無のうち、表5に示すもののみをソレノイドバルブの故障判定のための条件として用いるように設定されている。
【0139】
なお、4速指令時におけるギヤ故障については、ニュートラルになるギヤ故障か3速になるギヤ故障かを判別するようになっている。これは、第1オンオフSV111のOFF故障と第3デューティSV123のOFF故障とを識別するためには、この4速ギヤ故障がニュートラルになるギヤ故障か、3速になるギヤ故障かを区別する必要があるからである。
【0140】
また、第3デューティSV123のON故障による1〜3速指令時のギヤ故障はニュートラルになるものであるが、これには、前述のように、ギヤ故障としての場合と、エンゲージ故障としての場合とがある。
【0141】
なお、表5に示す他のギヤ故障については、実際のギヤ段が指令と一致するか異なるかのみが判別される。また、3速指令時および3速ロックアップ指令時には、いずれのソレノイドバルブが故障しても、ロックアップON故障及びロックアップOFF故障は生じないので、これらの指令のもとでのロックアップON故障及びロックアップOFF故障の判定は行わない。
【0142】
【表5】
Figure 0004010051
以下、上記のようなソレノイドバルブの機能故障判定制御およびその結果に応じたフェールセーフ制御について、コントローラ300の動作を示すフローチャートに従って具体的に説明する。
【0143】
まず、故障判定制御のメインプログラムを図14に示すフローチャートに従って説明すると、コントローラ300は、まず、このプログラムのステップS1で、バッテリ電源がONになった直後か否かを判定し、直後であれば、ステップS2で以下の制御で用いる全てのKAM(キープ・アライブ・メモリ)フラグをリセットする。
【0144】
ここで、KAMフラグは、イグニッションスイッチがOFFとなっても記憶内容が保持されるフラグであって、上記のようにバッテリ電源がONとなった直後にのみリセットされるようになっている。
【0145】
そして、このKAMフラグとして、以下の制御では、第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123のOFF故障用の第1DCKAMフラグXOS1OF1k、XOS2OF1k、XDS1OF1k〜XDS3OF1k、同じくON故障用の第1DCKAMフラグXOS1ON1k、XOS2ON1k、XDS1ON1k〜XDS3ON1k、同じくOFF故障用の第2DCKAMフラグXOS1OF2k、XOS2OF2k、XDS1OF2k〜XDS3OF2k、同じくON故障用の第2DCKAMフラグXOS1ON2k、XOS2ON2k、XDS1ON2k〜XDS3ON2kが用いられ、これらのフラグが全てリセットされる。
【0146】
なお、「DC」とは「ドライビングサイクル」の略で、イグニッションスイッチのON後、該スイッチのOFFまでの期間を意味し、上記各フラグ名称の末尾の「1k」は1回目のドライビングサイクルでセットされるKAMフラグを、「2k」は2回目のドライビングサイクルでセットされるKAMフラグを示す。
【0147】
次に、ステップS3で、イグニッションスイッチがONになった直後か否かを判定し、直後のとき、即ち上記のドライビングサイクルが新たに開始された直後であればステップS4を実行し、以下の制御で用いる全故障、正常フラグをリセットする。
【0148】
ここで、このステップS4でリセットされるフラグとしては、各ギヤ段毎のギヤ故障フラグXGR1f〜XGR3f、XGR4Nf、XGR43f、ロックアップOFF故障フラグXLOFf、ロックアップON故障フラグXLONf、エンゲージ故障フラグXENf、各ギヤ段毎のギヤ正常フラグXGR1s〜XGR4s、ロックアップOFF正常フラグXLOFs、ロックアップON正常フラグXLONs、エンゲージ正常フラグXENs、並びに第1、第2オンオフSV111,112および第1〜第3デューティSV121〜123のOFF故障フラグXOS1OFf、XOS2OFf、XDS1OFf〜XDS3OFf、同じくON故障フラグXOS1ONf、XOS2ONf、XDS1ONf〜XDS3ONfがある。
【0149】
なお、上記各フラグ名称の末尾の「f」は故障フラグであることを示し、「s」は正常フラグであることを示す。
【0150】
そして、ステップS5で、図3に示す各センサおよびスイッチ301〜307からの信号に基づき、車速VEL、スロットル開度TVO、エンジン回転数ESPD、シフトレバーにより選択されたレンジ、変速歯車機構30への入力回転数であるタービン回転数TREV、変速歯車機構30の出力回転数OREV、作動油の油温TMP等の運転状態に関する各種の値を読み込む入力処理を行うとともに、ステップS6,S7で、これらの値のうちの例えば車速VELとスロットル開度TVO等に基づき、レンジごとに予め設定されたプログラムに従ってギヤ段を切り換える変速制御と、ロックアップクラッチ26のON,OFFの制御とを行う。
【0151】
次に、コントローラ300は、ステップS8で、上記の各正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsの全てがセットされているか否かを判定する。
【0152】
そして、これらの正常フラグの全てがセットされたとき、即ち、以下の故障、正常判定制御において全て正常であると判定されたときは、以後の制御を実行することなく、プログラムのステップS1にリターンするが、これらの正常フラグは上記ステップS4でイグニッションスイッチのON直後にリセットされているから、各ドライビングサイクルごとに、以下の判定制御で全ての正常フラグがセットされるまでは、次にステップS9を実行することになる。
【0153】
このステップS9では、上記の各ソレノイド故障フラグXOS1OFf、XOS2OFf、XDS1OFf〜XDS3OFf、XOS1ONf、XOS2ONf、XDS1ONf〜XDS3ONfのいずれかがセットされているか否かを判定する。
【0154】
そして、これらの故障フラグのうちの少なくとも1つがセットされているときは、後述するフェールセーフ制御を実行することになるが、これらの故障フラグも上記ステップS4でイグニッションスイッチのON直後にリセットされているから、後述するソレノイド機能故障判定制御でいずれかのソレノイドバルブの故障が判定されるまでは全てリセットされた状態にあり、したがって、次にステップS10以下を実行することになる。
【0155】
つまり、ステップS10では、油温TMPが所定油温KTP1より低いか否か、ステップS11では、当該変速機が変速動作中か、或は例えばNレンジからDレンジへの操作に伴ってニュートラル状態から走行状態へ移行するエンゲージ動作中か否かを判定し、油温TMPが所定油温KTP1以上であり、かつ、変速機が変速動作中でもエンゲージ動作中でもないとき、換言すれば、変速機が安定した状態にあるときに、ステップS12で車速VELが所定車速KVL1以上か否かを判定する。
【0156】
そして、VEL≧KVL1のとき、即ち以下のギヤ故障、正常判定等の制御を正確に行うのに必要な最低限の車速以上で走行しているときには、ステップS13,S14,S15で、ギヤ段が指令されたギヤ段であるか否かを判定するギヤ故障、正常判定制御、ロックアップクラッチ26がON指令に対してOFFの状態となるロックアップOFF故障を生じているか否かを判定するロックアップOFF故障、正常判定制御、および同じくロックアップクラッチ26がOFF指令に対してONの状態となるロックアップON故障を生じているか否かを判定するロックアップON故障、正常判定制御を行う。
【0157】
一方、車速VELが上記所定車速KVL1より低い停車時或は低車速時には、ステップS16で、エンゲージ正常フラグXENsがセットされているか否かを判定する。このフラグは、イグニッションスイッチのON直後に上記ステップS4でリセットされているから、当初はステップS16からステップS17を実行し、エンゲージ動作の異常が発生しているか否かを判定するエンゲージ故障、正常判定制御を行う。
【0158】
そして、以上の各故障、正常判定制御の結果に基づき、ステップS18でソレノイドバルブの機能故障の有無を判定するソレノイド機能故障判定制御を行い、さらにステップS19で、その結果に応じたフェールセーフ制御を行う。
【0159】
また、上記ステップS16で、エンゲージ正常フラグXENsがセットされていることを判定すれば、次にステップS20を実行し、図3に示す車速センサ301の故障の有無を判定する車速センサ故障判定制御を行う。
【0160】
つまり、この車速センサ故障判定制御は、当該車両が走行しているのに車速センサ301の出力が0であるときに故障と判定するものであるから、車両の停止時に行っても正しい結果は得られないのであり、そこで、エンゲージ故障、正常判定制御において、エンゲージ動作が正しく行われず、車両が走行できないと判定されたときには、この車速センサ故障判定制御を行わないようにし、このような状態で判定することによる誤判定を防止するようになっているのである。これにより、車速センサ301の出力を用いる以下に説明する各制御や当該自動変速機の変速制御、ロックアップ制御等が良好に行われることになる。
【0161】
なお、ステップS13〜S15およびステップS17による各故障、正常判定制御において全て正常と判定とされ、全正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsがセットされたときには、上記のように、そのドライビングサイクルではステップS8で動作を終了し、以後、故障、正常判定の制御を行わないことになるが、これは、その後、故障、正常判定制御を行った場合の誤判定を防止するためである。
【0162】
つまり、全正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsがセットされた後、例えば1速でギヤ故障が発生し、ギヤ故障、正常判定制御により1速ギヤ故障フラグXGR1fがセットされると、表5から明らかなように、そのギヤ故障は、第1デューティSV121のOFF故障による場合と、第2デューティSV122のOFF故障による場合と、第3デューティSV123のON故障による場合とがあるにも拘らず、正常フラグXGR2s〜XGR4sがセットされたままであるから、直ちに第1デューティSV121のOFF故障の発生と判定してしまうことになり、誤判定のおそれが生じるのである。そこで、全正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsが一旦セットされると、以後、そのドライビングサイクルでは故障、正常判定制御を禁止し、上記のような誤判定を防止するようになっているのである。
【0163】
また、上記のように、正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsの全てがセットされる前においても、ステップS13〜S15およびステップS17による各故障、正常判定制御の結果に基づき、ステップS18でソレノイド故障フラグXOS1OFf、XOS2OFf、XDS1OFf〜XDS3OFf、XOS1ONf、XOS2ONf、XDS1ONf〜XDS3ONfのいずれか1つがセットされると、以後、そのドライビングサイクルでは故障、正常判定制御を禁止し、前述のように、ステップS9から直ちにステップS19のフェールセーフ制御を行うことになる。
【0164】
これは、いずれかのソレノイドバルブの機能故障が発生すれば、その後、その状態のまま他のソレノイドバルブの故障を判定しても正しい判定は期待できないからであり、そこで、いずれか1つのソレノイドバルブについての故障判定フラグがセットされれば、そのドライビングサイクルでは、それ以後、故障、正常判定制御を行わず、誤判定を防止するようにしているのである。
【0165】
次に、このメインプログラムにおける各判定制御の具体的動作を順次説明する。
【0166】
まず、メインプログラムのステップS13のギヤ故障、正常判定制御は、図15、図16にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、このプログラムで、コントローラ300は、ステップS31で、タービン回転数TREVと出力回転数OREVとから現時点のギヤ比GR(=TREV/OREV)を算出し、その上で、まずギヤ故障判定を行う。
【0167】
即ち、ステップS32〜S34で、現在出力している変速指令が1〜4速のいずれであるかを判定する。そして、1速指令時にはステップS32からステップS35〜S39を実行し、まずステップS35でスロットル開度TVOが比較的小さな所定開度KTV0より大きく、タービン回転数TREV等が安定していることを確認した上で、ステップS36でギヤ比GRが1速のギヤ比G1と2速のギヤ比G2の中間の値に設定された第1所定ギヤ比KG1より小さいか否かを判定する。
【0168】
ここで、図17に示すように、ギヤ比GRがこの第1所定ギヤ比KG1より小さくなる(高変速段側)のは、変速指令が1速であるにも拘らず、実際のギヤ比GRが2〜4速に相当するギヤ比になっている場合であり、ギヤ故障が発生したことになる。
【0169】
そして、この場合は、ステップS37でギヤ故障タイマTGfの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS38でその値が所定値TG1以上となったことを判定したとき、即ち上記のようなギヤ比の異常が所定時間継続したときに、ステップS39で1速故障フラグXGR1fをセットし、同時に1速正常フラグXGR1sをリセットする。
【0170】
なお、スロットル開度TVOが所定開度KTV0以下のとき、およびギヤ比GRが上記第1所定ギヤ比KG1より小さくないときは、上記ステップS35またはS36からステップS40を実行してギヤ故障タイマTGfをリセットし、その上で後述するギヤ正常判定制御を行う。また、ギヤ比GRが上記第1所定ギヤ比KG1より小さい場合において、ギヤ故障タイマTGfの値が所定値TG1に達するまでの間は、上記ステップS40によるタイマTGfのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0171】
また、2速指令時には、ステップS33からステップS41〜S44を実行し、まずステップS41で、ギヤ比GRが上記第1所定ギヤ比KG1より大きいか否か、或は2速のギヤ比G2と3速のギヤ比G3の中間の値に設定された第2所定ギヤ比KG2より小さいか否かを判定する。
【0172】
ここで、図18に示すように、ギヤ比GRが第1所定ギヤ比KG1より大きくなる(低変速段側)のは、変速指令が2速であるにも拘らず、実際のギヤ比GRが1速に相当するギヤ比になっている場合であり、また、第2所定ギヤ比KG2より小さくなる(高変速段側)のは、実際のギヤ比GRが3〜4速に相当するギヤ比になっている場合であり、いずれの場合にもギヤ故障が発生したことになる。
【0173】
そして、この場合は、ステップS42でギヤ故障タイマTGfの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS43でその値が所定値TG2以上となったことを判定したとき、即ち上記のようなギヤ比の異常が所定時間継続したときに、ステップS44で2速故障フラグXGR2fをセットし、同時に2速正常フラグXGR2sをリセットする。
【0174】
なお、ギヤ比GRが上記第1所定ギヤ比KG1より大きくなく、かつ、第2所定ギヤ比KG2より小さくないときは、上記ステップS41からステップS40を実行してギヤ故障タイマTGfをリセットし、その上で後述するギヤ正常判定制御を行う。また、ギヤ比GRが上記第1所定ギヤ比KG1より大きくまたは第2所定ギヤ比KG2より小さい場合において、ギヤ故障タイマTGfの値が所定値TG2に達するまでの間は、上記ステップS40によるタイマTGfのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0175】
また、3速指令時には、ステップS34からステップS45〜S48を実行し、まずステップS45で、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きいか否か、或は3速のギヤ比G3と4速のギヤ比G4の中間の値に設定された第3所定ギヤ比KG3より小さいか否かを判定する。
【0176】
ここで、図19に示すように、ギヤ比GRが第2所定ギヤ比KG2より大きくなる(低変速段側)のは、変速指令が3速であるにも拘らず、実際のギヤ比GRが1〜2速に相当するギヤ比になっている場合であり、また、第3所定ギヤ比KG3より小さくなる(高変速段側)のは、実際のギヤ比GRが4速に相当するギヤ比になっている場合であり、いずれの場合にもギヤ故障が発生したことになる。
【0177】
そして、この場合も、2速指令時の場合と同様に、ステップS46でギヤ故障タイマTGfの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS47でその値が所定値TG3以上となったことを判定したとき、即ち上記のようなギヤ比の異常が所定時間継続したときに、ステップS48で3速故障フラグXGR3fをセットし、同時に3速正常フラグXGR3sをリセットする。
【0178】
なお、この場合も、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きくなく、かつ、第3所定ギヤ比KG3より小さくないときは、上記ステップS45からステップS40を実行してギヤ故障タイマTGfをリセットし、その上で後述するギヤ正常判定制御を行う。また、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きくまたは第3所定ギヤ比KG3より小さい場合において、ギヤ故障タイマTGfの値が所定値TG3に達するまでの間は、上記ステップS40によるタイマTGfのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0179】
さらに、4速指令時には、ステップS34からステップS49を実行し、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きいか否か、或は4速のギヤ比より小さな値に設定された第4所定ギヤ比KG4より小さいか否かを判定する。
【0180】
ここで、4速指令時におけるギヤ故障としては、前述のように、ギヤ段がニュートラルの状態になる場合と、3速のギヤ比になる場合とがあり、図20に示すように、ギヤ比GRが第2所定ギヤ比KG2より大きくなる(低変速段側)場合、或は第4所定ギヤ比KG4より小さくなる(高変速段側)場合は、ギヤ段がニュートラル状態になる4速ニュートラル故障が発生している場合である。
【0181】
この場合、ステップS50でギヤ故障タイマTGfの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS51でその値が所定値TG4以上となったことを判定したとき、即ち上記のようなギヤ比の異常が所定時間継続したときに、ステップS52で4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfをセットし、同時に4速正常フラグXGR4sをリセットする。
【0182】
一方、上記ステップS49で、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きくなく、かつ、第4所定ギヤ比KG4より小さくないことを判定したときは、次にステップS53を実行して、ギヤ比GRが、3速のギヤ比G3の低変速段側および高変速段側にそれぞれ所定偏差α3L,α3Hで設定した3速ギヤ比上限値KG3L(G3+α3L)と3速ギヤ比下限値KG3H(G3−α3H)の間にあるか否かを判定する。ここで、これらの所定偏差α3L,α3Hは、後述するギヤ正常判定の制御において、3速指令時の正常判定のために用いられるものである。
【0183】
そして、ギヤ比GRが、上記上限値KG3Lと下限値KG3Hの間にあるとき、即ち変速指令が4速であるにも拘らず、ギヤ比GRが3速に相当する値となる4速3速故障が発生した場合には、ステップS54でギヤ故障タイマTGfの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS55でその値が所定値TG5以上となったことを判定したとき、即ち上記のようなギヤ比の異常が所定時間継続したときに、ステップS56で4速3速故障フラグXGR43fをセットすると同時に、4速正常フラグXGR4sをリセットする。
【0184】
なお、これらの場合も、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きくなく、かつ第4所定ギヤ比KG4より小さくなく、しかも、3速ギヤ比の上限値KG3Lと下限値KG3Hの間にもないときは、上記ステップS53からステップS40を実行してギヤ故障タイマTGfをリセットし、その上で後述するギヤ正常判定制御を行う。また、ギヤ比GRが上記第2所定ギヤ比KG2より大きくまたは第4所定ギヤ比KG4より小さい場合、或は3速ギヤ比上限値KG3Lと3速ギヤ比下限値KG3Hの間にある場合において、ギヤ故障タイマTGfの値が所定値TG4またはTG5に達するまでの間は、上記ステップS40によるタイマTGfのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0185】
ここで、上記ギヤ故障タイマTGfは、カウントアップの途中であっても、変速指令が切り換わったときにリセットされるようになっている。
【0186】
以上のようにして、ギヤ比が指令されたギヤ段のギヤ比に一致しているか否かによりギヤ故障の有無を判定するとともに、ギヤ故障が発生すれば、そのギヤ段についてのギヤ故障フラグをセットするとともに、ギヤ故障フラグをリセットする。そして、コントローラ300は、次にステップS57で、そのギヤ故障がイグニッションスイッチのON後、最初に発生したものであるか否かを判定し、最初のものである場合には、ステップS58で全ての正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsを一旦リセットした後、ステップS59以下のギヤ正常判定を行う。
【0187】
なお、上記ステップS57,S58の処理を行う理由については、後に詳しく説明する。
【0188】
ギヤ正常判定においては、まず、ステップS59,S60,S61で、現在出力している変速指令が1〜4速のいずれであるかを判定する。そして、1速指令時には、ステップS59からステップS62〜S66を実行し、まずステップS62で、スロットル開度TVOが所定開度KTV0より大きく、タービン回転数TREV等が安定していることを確認した上で、ステップS63で、ギヤ比GRが、図17に示すように、1速のギヤ比G1の低変速段側および高変速段側にそれぞれ所定偏差α1L,α1Hで設定した1速ギヤ比上限値KG1L(G1+α1L)と1速ギヤ比下限値KG1H(G1−α1H)の間にあるか否かを判定する。
【0189】
そして、この上限値KG1Lと下限値KG1Hの間にあるときには、ギヤ比GRは正常であると判定し、ステップS64でギヤ正常タイマTGsの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS65でその値が所定値TG6以上となったことを判定したとき、即ちギヤ比の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS66で1速正常フラグXGR1sをセットする。
【0190】
ここで、上記の高変速段側の偏差α1Hは、1速のギヤ比G1とギヤ故障判定のための第1所定ギヤ比KG1との差(偏差β1H)よりも小さく、したがって、1速のギヤ比G1の高変速段側に、故障判定および正常判定のいずれもが行われない不感帯が設定されていることになる。
【0191】
なお、スロットル開度TVOが上記所定開度KTV0以下のとき、およびギヤ比GRが上記の上限値KG1Lと下限値KG1Hの間にないときには、上記ステップS62またはS63からステップS67を実行してギヤ正常タイマTGsをリセットする。また、ギヤ比GRが上限値KG1Lと下限値KG1Hの間にある場合において、ギヤ正常タイマTGsの値が所定値TG6に達するまでの間は、上記ステップS67によるタイマTGsのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0192】
また、2速指令時には、ステップS60からステップS68〜S71を実行し、まずステップS68で、ギヤ比GRが、図18に示すように、2速のギヤ比G2の低変速段側および高変速段側にそれぞれ所定偏差α2L,α2Hで設定した2速ギヤ比上限値KG2L(G2+α2L)と2速ギヤ比下限値KG2H(G2−α2H)の間にあるか否かを判定する。
【0193】
そして、この上限値KG2Lと下限値KG2Hの間にあるときにはギヤ比GRは正常であると判定し、ステップS69でギヤ正常タイマTGsの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS70でその値が所定値TG7以上となったことを判定したとき、即ちギヤ比の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS71で2速正常フラグXGR2sをセットする。
【0194】
ここで、上記の低変速段側および高変速段側の偏差α2L,α2Hは、2速のギヤ比G2とギヤ故障判定のための第1所定ギヤ比KG1および第2所定ギヤ比KG2との差(偏差β2L,β2H)よりも小さく、したがって、2速のギヤ比G2の低変速段側および高変速段側に、故障判定および正常判定のいずれもが行われない不感帯が設定されていることになる。
【0195】
なお、ギヤ比GRが上記の上限値KG2Lと下限値KG2Hの間にないときには、上記ステップS68からステップS67を実行してギヤ正常タイマTGsをリセットする。また、ギヤ比GRが上限値KG2Lと下限値KG2Hの間にある場合において、ギヤ正常タイマTGsの値が所定値TG7に達するまでの間は、上記ステップS67によるタイマTGsのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0196】
また、3速指令時には、ステップS61からステップS72〜S75を実行し、まずステップS72で、ギヤ比GRが、図19に示すように、3速のギヤ比G3の低変速段側および高変速段側にそれぞれ所定偏差α3L,α3Hで設定した3速ギヤ比上限値KG3L(G3+α3L)と3速ギヤ比下限値KG3H(G3−α3H)の間にあるか否かを判定する。
【0197】
そして、この上限値KG3Lと下限値KG3Hの間にあるときにはギヤ比GRは正常であると判定し、ステップS73でギヤ正常タイマTGsの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS74でその値が所定値TG8以上となったことを判定したとき、即ちギヤ比の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS71で2速正常フラグXGR2sをセットする。
【0198】
ここで、この3速の場合も、上記の低変速段側および高変速段側の偏差α3L,α3Hは、3速のギヤ比G3とギヤ故障判定のための第2所定ギヤ比KG2および第3所定ギヤ比KG3との差(偏差β3L,β3H)よりも小さく、したがって、3速のギヤ比G3の低変速段側および高変速段側に、故障判定および正常判定のいずれもが行われない不感帯が設定されていることになる。
【0199】
なお、ギヤ比GRが上記の上限値KG3Lと下限値KG3Hの間にないときには、上記ステップS72からステップS67を実行してギヤ正常タイマTGsをリセットする。また、ギヤ比GRが上限値KG3Lと下限値KG3Hの間にある場合において、ギヤ正常タイマTGsの値が所定値TG8に達するまでの間は、上記ステップS67によるタイマTGsのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0200】
さらに、4速指令時には、ステップS61からステップS76〜S79を実行し、まずステップS76で、ギヤ比GRが、図20に示すように、4速のギヤ比G4の低変速段側および高変速段側にそれぞれ所定偏差α4L,α4Hで設定した4速ギヤ比上限値KG4L(G4+α4L)と4速ギヤ比下限値KG4H(G4−α4H)の間にあるか否かを判定する。
【0201】
そして、この上限値KG4Lと下限値KG4Hの間にあるときにはギヤ比GRは正常であると判定し、ステップS77でギヤ正常タイマTGsの値を1づつカウントアップするとともに、ステップS78でその値が所定値TG9以上となったことを判定したとき、即ちギヤ比の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS79で4速正常フラグXGR4sをセットする。
【0202】
ここで、この4速の場合は、上記の高変速段側の偏差α4Hは、4速のギヤ比G4と4速ニュートラル故障判定のための第4所定ギヤ比KG4との差(偏差β4H)よりも小さく、したがって、4速のギヤ比G4の高変速段側に、故障判定および正常判定のいずれもが行われない不感帯が設定されていることになる。また、低変速段側の偏差α4Lは、4速のギヤ比G4と4速3速故障判定のための3速ギヤ比下限値KG3H(G3−α3H)との差(偏差β4L)よりも小さく、したがって、4速のギヤ比G4の低変速段側に、故障判定および正常判定のいずれもが行われない不感帯が設定されていることになる。その結果、4速については、4速ニュートラル故障、4速3速故障および正常の各判定領域間にそれぞれ不感帯が設定されることになる。
【0203】
なお、この場合も、ギヤ比GRが上記の上限値KG4Lと下限値KG4Hの間にないときには、上記ステップS76からステップS67を実行してギヤ正常タイマTGsをリセットする。また、ギヤ比GRが上限値KG4Lと下限値KG4Hの間にある場合において、ギヤ正常タイマTGsの値が所定値TG9に達するまでの間は、上記ステップS67によるタイマTGsのリセットを行うことなく、上記の制御を繰り返す。
【0204】
ここで、上記ギヤ正常タイマTGsは、カウントアップの途中であっても、変速指令が切り換わったときにリセットされるようになっている。
【0205】
以上のようにして、1〜4速の各ギヤ段について、それぞれギヤ故障、正常の判定が行われ、各ギヤ故障フラグXGR1f〜XGR3f、XGR4Nf、XGR43f、および各ギヤ正常フラグXGR1s〜XGR4sの全てがセットもしくはリセットされることになる。
【0206】
その場合に、1〜3速指令時におけるギヤ故障、正常判定については、故障判定のためのギヤ比の領域と正常判定のためのギヤ比の領域との間に不感帯が設けられており、また、4速指令時におけるギヤ故障、正常判定については、4速ニュートラル故障判定のためのギヤ比の領域と、4速3速故障判定のためのギヤ比の領域と、正常判定のためのギヤ比の領域との間にそれぞれ不感帯が設けられており、したがって、ギヤ比GRの値によっては、故障判定と正常判定の両者とも行われない場合がある。
【0207】
つまり、故障判定は、実ギヤ比(GR)の目標ギヤ比に対する偏差が相当大きく、或はそのときの変速指令とは異なるギヤ段のギヤ比に近い場合に限り行われ、また、正常判定は、実ギヤ比の目標ギヤ比に対する偏差がかなり小さい場合に限って行われるのであり、これにより、例えば摩擦要素のスリップ等によりギヤ比がいずれのギヤ段のギヤ比であるかが判別できないような状態と、ソレノイドバルブの機能故障によりギヤ段が指令とは異なるギヤ段となるギヤ故障とが区別され、ギヤ故障の誤判定が確実に防止されることになる。そして、これに伴い、後述するプログラムによるソレノイドバルブの機能故障の誤判定が回避されるとともに、フェールセーフ制御が正しく行われることになる。
【0208】
また、この実施の形態では、前述のように、4速指令時における4速3速故障判定のための3速ギヤ比G3に対する所定偏差α3L,α3Hが、3速指令時における正常判定のための所定偏差としても用いられるので、異なる判定のための偏差が共通化されることになって、メモリ容量の削減や制御動作の簡素化が図られることになる。
【0209】
ここで、上記ステップS57,S58の処理を実行する理由を説明すると、前述のように、全ての正常フラグXGR1s〜XGR3s、XLOFs、XLONs、XENsがセットされると、メインプログラムのステップS8で制御は終了することになるが、それ以前において、いくつかの正常フラグがセットされている状態で、例えば1速でギヤ故障が発生した場合、前述のように、そのギヤ故障の原因としては、第1デューティSV121のOFF故障、第2デューティSV122のOFF故障、および第3デューティSV123のON故障の可能性があるが、例えばこの故障判定の前に2〜4速についての正常フラグXGR2s〜XGR4sがセットされていると、1速でのギヤ故障の発生だけで第1デューティSV121のOFF故障の発生と判定することになり、誤判定のおそれが生じる。
【0210】
したがって、このような場合、既にセットされている正常フラグを一旦リセットし、改めてギヤ故障、正常判定等の制御を行った上で、どのソレノイドバルブの機能故障が発生したかを判定しなければならないのであり、そのために、上記ステップS57,S58により、最初のギヤ故障を判定したときに全ての正常フラグを一旦リセットするのである。
【0211】
次に、図14に示すメインプログラムのステップS14のロックアップOFF故障、正常判定制御について説明する.
この制御は、図21にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まず、コントローラ300は、ステップS81で現在運転者によって選択されているレンジがDレンジであるか否かを判定し、Dレンジであるときは、ステップS82で、エンジン回転数ESPDとタービン回転数TREVとからロックアップクラッチ26のスリップ回転数SLP(=ESPD−TREV)を算出する。
【0212】
次に、ステップS83で、ロックアップクラッチ26を締結すべきことを指示するロックアップON指令が出力されているか否かを判定し、このON指令が出力されているときは、ステップS84で上記スリップ回転数SLPが第1所定回転数KSP1より大きいか否かを判定する。
【0213】
そして、図22に示すように、SLP>KSP1の場合、即ちロックアップクラッチ26のスリップ回転数SLPが比較的大きな場合には、該ロックアップクラッチ26がON指令に反して解放状態となるロックアップOFF故障が発生しているものと判定し、ステップS85でロックアップOFF故障タイマTLOFfを1づつカウントアップするとともに、ステップS86でその値が所定値TLF1以上となったことを判定したとき、即ちロックアップOFF故障の状態が所定時間継続したときに、ステップS87でロックアップOFF故障フラグXLOFfをセットする。
【0214】
一方、上記ステップS84でスリップ回転数SLPが第1所定回転数KSP1以下であると判定された場合は、ステップS88で上記ロックアップOFF故障タイマTLOFfをリセットした上で、ステップS89でスリップ回転数SLPが、上記ロックアップOFF故障判定のための第1所定回転数KSP1より小さな値の第2所定回転数KSP2より小さいか否かを判定する。
【0215】
そして、図22に示すように、SLP<KSP2のとき、即ちスリップ回転数SPLが十分小さいときは、ロックアップON指令の通りにロックアップクラッチ26は締結状態にあると判定し、次にステップS90でロックアップOFF正常タイマTLOFsを1づつカウントアップするとともに、ステップS91でその値が所定値TLF2以上となったことを判定したとき、即ちロックアップクラッチ26の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS92で、ロックアップOFF故障フラグXLOFfをリセットし、同時にロックアップOFF正常フラグXLOFsをセットする。
【0216】
ここで、「ロックアップOFF正常」とは、ロックアップON指令時にOFF故障を生じることなく、正しくON状態となっていることを意味する。
【0217】
さらに、上記ステップS89で、スリップ回転数SLPが第2所定回転数KSP2以上であると判定したときは、ステップS93でロックアップOFF正常タイマTLOFsをリセットする。この場合、ロックアップOFF故障タイマTLOFfおよび正常タイマTLOFsがともにリセットされることになる。
【0218】
つまり、図22に示すように、スリップ回転数SLPの領域において、ロックアップOFF故障判定のための第1所定回転数KSP1とロックアップOFF正常判定のための第2所定回転数KSP2との間には、ロックアップOFF故障タイマTLOFfおよび正常タイマTLOFsがともにカウントアップされない不感帯が設けられており、スリップ回転数SLPがこの不感帯を超えて大きくなったときに初めて故障判定がなされ、また、該スリップ回転数SLPがこの不感帯より小さくなったときに初めて正常判定が行われるようになっているのである。
【0219】
これにより、ロックアップOFF故障判定および正常判定がともに精度よく行われるとともに、故障、正常をスリップ回転数SLPの1つの所定値の前後で判定する場合のように、その所定値近辺で正常判定と故障判定とが繰り返し行われるといった制御のハンチングが防止され、その結果、この判定結果に基づくソレノイドバルブの機能故障の判定ないしこれに対処するためのフェールセーフ制御が良好に行われることになる。
【0220】
次に、図14に示すメインプログラムのステップS15のロックアップON故障、正常判定制御について説明する。
【0221】
この制御は、図23にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まず、コントローラ300は、ステップS101,S102で、4速の変速指令が出力されているか否か、および4速ギヤ正常フラグXGR4sがセットされているか否かを判定し、4速指令が出力されており、かつ、4速ギヤ故障が生じていないとき、即ち4速の状態でギヤ段の異常が生じていないときに、次に、ステップS103でロックアップOFF指令が出力されているか否かを判定し、この指令が出力されていれば、以下のロックアップON故障、正常判定制御を実行する。
【0222】
ここで、このロックアップON故障、正常の判定制御を4速指令時にのみ行うのは、ソレノイドバルブの機能故障によっては、他のギヤ段でロックアップON故障が発生しないからである。
【0223】
また、4速ギヤ正常フラグXGR4sがセットされている場合にのみ行うのは、4速ギヤ故障、特に4速ニュートラル故障が発生している場合には、ロックアップクラッチ26の解放時にもスリップ量が余り大きくならないため、ON故障が発生しているものと誤判定する可能性があるからである。
【0224】
そして、4速指令が出力されており、かつ4速ギヤ正常フラグXGR4sがセットされている場合において、ロックアップOFF指令が出力されている場合、コントローラ300は、次にステップS104で、エンジン回転数ESPDとタービン回転数TREVとからロックアップクラッチ26のスリップ回転数SLP(=ESPD−TREV)を算出し、ステップS105でこのスリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3より小さいか否かを判定する。
【0225】
この所定回転数KSP3は、ロックアップクラッチ26のスリップ回転数SLPがこれより小さいときには該クラッチ26が締結されているものと考えられる回転数であり、したがって、図24に示すように、ロックアップOFF指令時において、|SLP|<KSP3のときは、原則としてロックアップON故障が発生しているものと判定する。そして、次にステップS106で、ロックアップON正常タイマTLONsをリセットした上で、ロックアップON故障時の制御を実行する。
【0226】
つまり、ステップS107,S108,S109で、スロットル開度TVOが第1所定開度KTV1より大きいか否かを判定し、この第1所定開度KTV1以下のときは、これより小さい第2所定開度KTV2より大きいか否かを判定し、さらに、この第2所定開度KTV2以下のときは、全閉(TVO=0)か否かを判定する。
【0227】
ここで、図25に示すように、上記第2所定開度KTV2は、ノーロードライン、即ちエンジン回転数ESPDをその時点の値に保持するのに必要なスロットル開度TVOの特性を示すラインの高負荷側に設定されており、したがって、上記ステップS107〜S109は、スロットル開度TVOの領域を、ノーロードラインを含む領域Z0を除いた上で、該ラインより高負荷側の領域を高負荷領域Z1と中負荷領域Z2とに分割し、さらに該ノーロードラインより低負荷側の全閉領域Z3を設定するものとなる。
【0228】
そして、スロットル開度TVOがこれらの領域Z1〜Z3のうちのいずれの領域に属するかを判定し、高負荷領域Z1(TVO>KTV1)に属するときは、ステップS110で第1ロックアップON故障タイマTLON1fを1づつカウントアップし、中負荷領域Z2(KTV1≧TVO>KTV2)に属するときは、ステップS111で第2ロックアップON故障タイマTLON2fを1づつカウントアップし、さらに全閉領域Z3(TVO=0)に属するときは、ステップS112で第3ロックアップON故障タイマTLON3fを1づつカウントアップする。
【0229】
なお、ノーロードラインを含む領域Z0に属するときは、いずれのON故障タイマもカウントアップせず、以下の故障判定を行わない。
【0230】
一方、上記ステップS105で、スリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3以上であると判定されたときは、ロックアップクラッチ26はOFF指令通りに解放された状態にあると判定し、ステップS113で上記第1〜第3ロックアップON故障タイマTLON1f〜TLON3fをリセットするとともに、ステップS114でロックアップON正常タイマTLONsを1づつカウントアップする。
【0231】
その後、コントローラ300は、ステップS115,S116,S117で、上記第1、第2、第3ロックアップON故障タイマTLON1f、TLON2f、TLON3fの値が第1、第2、第3所定値TLN1、TLN2、TLN3よりそれぞれ大きくなったか否かを判定し、第1ロックアップON故障タイマTLON1fの値が第1所定値TLN1より大きくなり、第2ロックアップON故障タイマTLON2fの値が第2所定値TLN2より大きくなり、かつ、第3ロックアップON故障タイマTLON3fの値が第3所定値TLN3より大きくなったときに、ステップS118で、ロックアップON故障フラグXLONfをセットし、同時にロックアップON正常フラグXLONsをリセットする。
【0232】
ここで、「ロックアップON正常」とは、ロックアップOFF指令時にON故障を生じることなく、正しくOFF状態となっていることを意味する。
【0233】
また、上記ステップS115〜S117で、第1〜第3ロックアップON故障タイマTLON1f〜TLON3fの値の少なくとも1つが、第1〜第3所定値TLN1〜TLN3のうちの対応するものより大きくなっていないと判定されたときは、ステップS119でロックアップON正常タイマTLONsの値が所定値TLN4より大きくなったか否かを判定し、大きくなったと判定されたときに、ステップS120でロックアップON正常フラグXLONsをセットする。
【0234】
このようにして、ロックアップOFF指令の出力時において、ロックアップクラッチ26のスリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3より小さいことを判定したときに、直ちにロックアップON故障が発生しているとは判定せず、スロットル開度TVOの各領域Z1〜Z3のそれぞれにおいて、スリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3より小さい状態が継続した時間を各ロックアップON故障タイマTLON1f〜TLON3fによりそれぞれ積算し、いずれの領域においても、スリップ回転数SLPが小さな状態が所定時間以上継続した時点で初めてロックアップON故障の判定を行うようになっているのである。これにより、スロットル開度TVOが頻繁に変化する場合でも、ロックアップON故障の判定が精度よく行われることになる。
【0235】
また、上記各タイマTLON1f〜TLON3fの積算中であっても、スリップ回転数SLPが所定回転数KSP3以上となれば、ステップS113でこれらのタイマTLON1f〜TLON3fを直ちにリセットし、ロックアップON故障判定動作を終了するので、このロックアップON故障の判定が行われた場合、その判定の精度はきわめて高いものとなる。
【0236】
さらに、ロックアップON故障のためのスロットル開度TVOの領域として、ノーロードラインを含む領域Z0を除いているので、この故障判定が一層正確に行われることになる。
【0237】
つまり、上記のノーロードラインを含む領域Z0は、エンジンにより変速機側を駆動している状態と変速機側からエンジンを駆動している状態との移行領域であって、ロックアップクラッチ26が解放されている状態においても、その入、出力側間に回転差が余り生じない領域である。したがって、この領域でスリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3より小さくなることがあっても、それがロックアップON故障によるものとは限らないのである。
【0238】
そこで、スリップ回転数SLPの絶対値が所定回転数KSP3より小さい場合でも、上記領域Z0においてはロックアップON故障タイマのカウントアップを行わないようにしているのであり、これにより、ロックアップクラッチ26が解放されているのにロックアップON故障が発生しているとの誤判定が防止され、このロックアップON故障の判定が一層正確に行われることになるのである。
【0239】
ここで、上記各タイマTLON1f〜TLON3fについてそれぞれ設定された所定値TLN1〜TLN3は、高負荷領域Z1についての所定値TLN1が最も短い値に、全閉領域Z3についての所定値TLN3が最も長い値に設定されている。これは、判定のための時間を、運転頻度の少ない高負荷領域Z1では短くし、運転頻度の多い全閉領域Z3では長くすることにより、高い判定精度を確保しながら、全体としての判定時間を抑制するためである。つまり、運転頻度の少ない領域での判定時間を長くすると、判定結果が得られるまでに長時間を要することになるのである。
【0240】
なお、図25の例では、スロットル開度TVOの領域をロックアップON故障の判定を行う高負荷領域Z1、中負荷領域Z2、および故障判定を行わないノーロードラインを含む領域Z0に画成する第1、第2所定開度KTV1,KTV2を一定の値としたが、図26に示す例のように、ノーロードラインの所定量高負荷側で該ラインに沿って設定されて車速が高くなるほど大きくなる特性を有する第2所定開度KTV2′と、さらにその高負荷側に設定されて該第2所定開度KTV2′と同様の特性を有する第1所定開度KTV1′とにより、スロットル開度TVOの領域を、全閉領域Z3′の他に、故障の判定を行う高負荷領域Z1′、中負荷領域Z2′と故障判定を行わないノーロードラインを含む領域Z0′とに画成してもよい。
【0241】
これによれば、ロックアップON故障が発生したものと誤判定されるおそれがあるため、この判定が行われない領域が必要最小限に制限されることになり、したがって、図25の例よりも広い領域でロックアップON故障の判定が行われることになって、判定精度が向上することになる。
【0242】
また、いずれの例によっても、ノーロードラインを含む領域Z0,Z0′では、不要な判定動作が回避されるので、それだけ判定結果が速やかに得られることになる。
【0243】
次に、メインプログラムのステップS17によるエンゲージ故障、正常判定制御について説明する。
【0244】
この制御は、図27にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、コントローラ300は、まずステップS131で、作動油の油温TMPが、摩擦要素の締結が良好に行われないようなごく低温の所定温度KTP2より低いか否かを判定し、この温度KTP2より低いときは、このエンゲージ故障、正常判定制御を中止する。
【0245】
一方、油温TMPが上記所定温度KTP2以上のときは、ステップS132で現在運転者によって選択されているレンジが1〜4速の自動変速が行われるDレンジであるか否かを判定し、Dレンジであるときは、ステップS133で、そのレンジに切り換えられてから所定時間TIMが経過したか否かを判定する。
【0246】
その場合に、この所定時間TIMはレンジの切り換えに伴う過渡的な状態が終了するまでの時間として設定されており、図28に示すように、油温TMPが低いほど長い時間に設定される。これは、作動油は油温TMPが低いほど粘性が高くなり、エンゲージ操作後、摩擦要素の油圧室に導入されるまでの時間が長くなることに対応させるためである。
【0247】
そして、上記所定時間TIMが経過すれば、次にステップS134によりブレーキペダルが踏み込まれているか否か、即ち当該車両が停車しているか否かを判定し、停車しているときは、ステップS135でタービン回転数TREVが所定回転数KTR1より大きいか否かを判定する。
【0248】
この所定回転数KTR1はゼロに近い回転数であって、Dレンジでの停車状態でタービン回転数TREVがこの所定回転数KTR1より大きい場合、変速歯車機構30はニュートラル状態のままで、フォワードクラッチ41のエンゲージに異常があるものと判断され、次にステップS136,S137で、エンゲージ正常タイマTENsをリセットするとともに、エンゲージ故障タイマTENfを1づつカウントアップする。
【0249】
そして、この故障タイマTENfの値が所定値TE1より大きくなったとき、即ち上記フォワードクラッチ41のエンゲージ異常が検出されてから所定時間が経過したときに、ステップS139,S140,S141で、その時点の変速指令が1速、2速、3速のいずれであるかを判定し、1速の場合には、ステップS142で1速エンゲージ故障仮フラグXEN1tをセットし、2速の場合には、ステップS143で2速エンゲージ故障仮フラグXEN2tをセットし、3速の場合には、ステップS144で3速エンゲージ故障仮フラグXEN3tをセットする。
【0250】
ここで、エンゲージ故障は、停車中に検出されるものであるから、まず変速指令が1速のときに検出され、このとき、上記のように1速エンゲージ故障仮フラグXEN1tがセットされる。そして、後述するエンゲージ故障時のフェールセーフ制御としてのギヤ段選択制御により、フォワードクラッチ41が締結されなくても達成される4速が選択され、この4速て発進した後、次に停車したときには上記ギヤ段選択制御により今度は2速指令が出力される。そして、この2速指令のもとでもタービン回転数TREVが上記所定回転数KTR1より大きい等のエンゲージ故障が検出されれば、次に2速エンゲージ故障仮フラグXEN2tがセットされるとともに、同じく4速が選択されて発進する。そして、次の停車時には3速指令が出力されるが、この3速指令のもとでの発進時にもエンゲージ故障が検出されれば、さらに3速エンゲージ故障仮フラグXEN3tがセットされ、同じく4速が選択されて発進する。
【0251】
そして、このようにして、1〜3速エンゲージ故障仮フラグXEN1t〜XEN3tが全てセットされれば、ステップS145からステップS146を実行し、エンゲージ故障を確定するためのエンゲージ故障フラグXENfをセットする。なお、このとき、上記ギヤ段選択制御においては1〜3速指令の出力が禁止され、4速発進が確定される。
【0252】
一方、以上のような停車状態でのエンゲージ故障判定動作において、ステップS135で、タービン回転数TREVが所定回転数KTR1以下であると判定すれば、コントローラ300は、ステップS147で上記エンゲージ故障タイマTENfをリセットするとともに、ステップS148で変速指令が4速であるか否かを判定する。
【0253】
そして、4速以外の場合、即ちフォワードクラッチ41が締結されるギヤ段である1速〜3速のいずれかであって、タービン回転数TREVが上記所定回転数KTR1以下のときは、該フォワードクラッチ41のエンゲージが正常に行われたものと判定し、次にステップS149でエンゲージ正常タイマTENsを1づつカウントアップするとともに、その値が所定値TE2より大きくなったとき、即ち正常なエンゲージ動作が検出されてから所定時間が経過したときに、ステップS150からステップS151を実行し、エンゲージ正常フラグXENsをセットすると同時に、上記の1〜3速エンゲージ故障仮フラグXEN1t〜XEN3tをリセットする。
【0254】
ここで、上記のように、1速指令のもとでエンゲージ故障が判定されたときに、2速および3速指令のもとでのエンゲージ故障の判定を行うことなく、直ちに4速で発進するようにしたのは、この2速、3速指令のもとでの判定も行っていると、最終的に4速で発進する場合に、その発進までにかなり長い時間がかかることになり、運転者に違和感を与えるからである。
【0255】
なお、各変速指令のもとでのエンゲージ故障の判定にあまり時間を要しない場合や、その時間があまり問題とならない場合には、1速指令のもとで故障が判定されたときに直ちに4速発進をさせず、発進前に2速、3速指令のもとでの故障判定を連続的に行うようにしてもよい。
【0256】
以上のようにして、コントローラ300は、ギヤ故障、正常判定、ロックアップOFF故障、正常判定、ロックアップON故障、正常判定およびエンゲージ故障、正常判定の各制御を実行しながら、その判定結果を用いて、メインプログラムのステップS18のソレノイドバルブの機能故障判定制御を行う。
【0257】
この制御は図29〜図31にフローチャートを示すプログラムに従って次のように行われる。
【0258】
まず、ステップS161で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速正常フラグXGR3sおよび4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第1オンオフSV111のOFF故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、コントローラ300は、上記第1オンオフSV111のOFF故障が発生したものと判断する。そして、ステップS162で第1オンオフSV−OFF故障フラグXOS1OFfをセットするとともに、この時点では第1オンオフSV−OFF故障第1DCKAMフラグXOS1OF1kはセットされていないから、ステップS163からステップS164を実行し、これをセットする。
【0259】
この第1DCKAMフラグXOS1OF1kの値は、イグニッションスイッチのOFF後も保持されるから、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS161で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS163からステップS165を実行することになり、第1オンオフSV−OFF故障第2DCKAMフラグXOS1OF2kをセットする。このようにして、第1オンオフSV111のOFF故障が第1、第2ドライビングサイクルにおいて連続して判定され、第1、第2DCKAMフラグXOS1OF1k、XOS1OF2kがともにセットされたときに、該第1オンオフSV111のOFF故障が確定される。
【0260】
次に、ステップS166で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速故障フラグXGR3f、4速正常フラグXGR4sおよびロックアップOFF正常フラグXLOFsがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段およびロックアップクラッチ26についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第1オンオフSV111のON故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第1オンオフSV111のON故障が発生したものと判断する。そして、ステップS167で第1オンオフSV−ON故障フラグXOS1ONfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS168からステップS169を実行し、第1オンオフSV−ON故障第1DCKAMフラグXOS1ON1kをセットする。
【0261】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS166で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS168からステップS170を実行し、第1オンオフSV−ON故障第2DCKAMフラグXOS1ON2kをセットする。これにより、該第1オンオフSV111のON故障を確定する。
【0262】
次に、ステップS171で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速正常フラグXGR3s、4速正常フラグXGR4sおよびロックアップOFF故障フラグXLOFfがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段およびロックアップクラッチ26についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第2オンオフSV112のOFF故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第2オンオフSV111のOFF故障が発生したものと判断する。そして、ステップS172で第2オンオフSV−OFF故障フラグXOS2OFfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS173からステップS174を実行し、第2オンオフSV−OFF故障第1DCKAMフラグXOS2OF1kをセットする。
【0263】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS171で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS173からステップS175を実行し、第2オンオフSV−OFF故障第2DCKAMフラグXOS2OF2kをセットする。これにより、該第2オンオフSV112のOFF故障を確定する。
【0264】
次に、ステップS176で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速正常フラグXGR3s、4速正常フラグXGR4sおよびロックアップON故障フラグXLONfがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段およびロックアップクラッチ26についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第2オンオフSV112のON故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第2オンオフSV112のON故障が発生したものと判断する。そして、ステップS177で第2オンオフSV−ON故障フラグXOS2ONfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS178からステップS179を実行し、第2オンオフSV−ON故障第1DCKAMフラグXOS2ON1kをセットする。
【0265】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS176で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS178からステップS180を実行し、第2オンオフSV−ON故障第2DCKAMフラグXOS2ON2kをセットする。これにより、該第2オンオフSV112のON故障を確定する。
【0266】
次に、ステップS181で、1速故障フラグXGR1f、2速正常フラグXGR2s、3速正常フラグXGR3sおよび4速正常フラグXGR4sがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第1デューティSV121のOFF故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第1デューティSV121のOFF故障が発生したものと判断する。そして、ステップS182で第1デューティSV−OFF故障フラグXDS1OFfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS183からステップS184を実行し、第1デューティSV−OFF故障第1DCKAMフラグXDS1OF1kをセットする。
【0267】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS181で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS183からステップS185を実行し、第1デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS1OF2kをセットする。これにより、該第1デューティSV121のOFF故障を確定する。
【0268】
次に、ステップS186で、1速正常フラグXGR1s、2速故障フラグXGR2f、3速正常フラグXGR3sおよび4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第1デューティSV121のON故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第1デューティSV121のON故障が発生したものと判断する。そして、ステップS187で第1デューティSV−ON故障フラグXDS1ONfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS188からステップS189を実行し、第1デューティSV−ON故障第1DCKAMフラグXDS1ON1kをセットする。
【0269】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS186で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS188からステップS190を実行し、第1デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS1ON2kをセットする。これにより、該第1デューティSV121のON故障を確定する。
【0270】
次に、ステップS191で、1速故障フラグXGR1f、2速故障フラグXGR2f、3速正常フラグXGR3sおよび4速正常フラグXGR4sがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第2デューティSV122のOFF故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第2デューティSV122のOFF故障が発生したものと判断する。そして、ステップS192で第2デューティSV−OFF故障フラグXDS2OFfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS193からステップS194を実行し、第2デューティSV−OFF故障第1DCKAMフラグXDS2OF1kをセットする。
【0271】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS191で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS193からステップS195を実行し、第2デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS2OF2kをセットする。これにより、該第2デューティSV122のOFF故障を確定する。
【0272】
次に、ステップS196で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速故障フラグXGR3fおよび4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第2デューティSV122のON故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第2デューティSV122のON故障が発生したものと判断する。そして、ステップS197で第2デューティSV−ON故障フラグXDS2ONfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS198からステップS199を実行し、第2デューティSV−ON故障第1DCKAMフラグXDS2ON1kをセットする。
【0273】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS196で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS198からステップS200を実行し、第2デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS2ON2kをセットする。これにより、該第2デューティSV122のON故障を確定する。
【0274】
次に、ステップS201で、1速正常フラグXGR1s、2速正常フラグXGR2s、3速正常フラグXGR3sおよび4速3速故障フラグXGR43fがいずれもセットされているか否かを判定する。この各ギヤ段についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第3デューティSV123のOFF故障の場合の組み合わせであるから、この組み合わせが成立している場合、上記第3デューティSV123のOFF故障が発生したものと判断する。そして、ステップS202で第3デューティSV−OFF故障フラグXDS3OFfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS203からステップS204を実行し、第3デューティSV−OFF故障第1DCKAMフラグXDS3OF1kをセットする。
【0275】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS201で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS203からステップS205を実行し、第3デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS3OF2kをセットする。これにより、該第3デューティSV123のOFF故障を確定する。
【0276】
次に、ステップS206で、エンゲージ故障フラグXENfおよび4速正常フラグXGR4sがいずれもセットされているか否かを判定する。上記エンゲージ故障フラグXENfは、前述のように1速〜3速指令のいずれのもとでもエンゲージ故障が発生した場合にセットされるものであるから、上記のギヤ段およびエンゲージ動作についての故障、正常の組み合わせは、表5から明らかなように、第3デューティSV123のON故障の場合の組み合わせとなり、この組み合わせが成立している場合、上記第3デューティSV123のON故障が発生したものと判断する。そして、ステップS207で第3デューティSV−ON故障フラグXDS3ONfをセットするとともに、上記の場合と同様に、ステップS208からステップS209を実行し、第3デューティSV−ON故障第1DCKAMフラグXDS3ON1kをセットする。
【0277】
また、次のドライビングサイクルにおいて、上記ステップS206で、再び上記の故障、正常の組み合わせが成立していると判定したときには、今度はステップS208からステップS210を実行し、第3デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS3ON2kをセットする。これにより、該第3デューティSV123のON故障を確定する。
【0278】
そして、コントローラ300は、次にステップS211で、ギヤ、ロックアップOFF、ロックアップONおよびエンゲージの各正常フラグXGR1s〜XGR4s、XLOFs、XLONs、XENsの全てがセットされているか否かを判定する。そして、これらの正常フラグの全てがセットされている場合、ステップS212で、上記の各第1DCKAMフラグXOS1OF1k、XOS2OF1k、XDS1OF1k〜XDS3OF1k、XOS1ON1k、XOS2ON1k、XDS1ON1k〜XDS3ON1kをリセットする。
【0279】
これにより、最初のドライビングサイクルでいずれかのソレノイドバルブについて故障判定が行われ、対応する第1DCKAMフラグがセットされても、次のドライビングサイクルで、その故障が判定されなかった場合は、当該第1DCKAMフラグがリセットされることになる。
【0280】
したがって、さらに次のドライビングサイクルで再び同じソレノイドバルブについての故障判定が行われても、改めて第1DCKAMフラグがセットされるだけで第2DCKAMフラグはセットされず、その時点では、当該ソレノイドバルブの故障判定が確定しないことになる。つまり、同じソレノイドバルブについての故障判定が2回のドライビングサイクルで連続して判定されない限りその故障判定が確定されず、これにより、この故障判定の高い信頼性が確保されることになるのである。
【0281】
次に、故障判定制御として、メインプログラムのステップS20の車速センサ故障判定制御について説明する。
【0282】
この制御は図32にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、コントローラ300は、まずステップS221で車速センサ301の出力信号が示す車速VELがゼロであるか否かを判定し、ゼロの場合に、ステップS222で車速センサ正常タイマTVSsをリセットする。次に、ステップS223で、運転者によって選択されているレンジがDレンジ等の走行レンジであるか否かを判定し、走行レンジであれば、さらにステップS224でタービン回転数TREVが所定回転数KTR2より大きいか否かを判定する。
【0283】
そして、上記のように車速センサ301の出力信号が車速ゼロを示している状態において、走行レンジが選択されており、かつタービン回転数TREVが所定回転数KTR2より大きく、当該車両が走行していると考えられる場合には、コントローラ300は車速センサ301に異常が発生しているものと判定する。そして、次にステップS225で車速センサ故障タイマTVSfを1づつカウントアップするとともに、その値が所定値TS1より大きくなったとき、即ち車速センサ301の異常状態が初手時間継続したときに、ステップS226からステップS227を実行し、車速センサ故障フラグXVSfをセットする。
【0284】
一方、車速センサ301の出力信号が車速ゼロを示している状態において、走行レンジが選択されていないとき、またはタービン回転数TREVが所定回転数KTR2より大きくないときは、当該車両が停止していると考えられるから、車速センサ301の車速ゼロの出力信号は正常な信号であると判定する。そして、上記ステップS223またはステップS224からステップS228を実行し、上記車速センサ故障タイマTVSfをリセットする。
【0285】
また、車速センサ301の出力信号が示す車速VELがゼロでない場合には該車速センサ301は正常であると判断し、コントローラ300は、ステップS221からステップS229を実行して車速センサ故障タイマTVSfをリセットするとともに、ステップS230で車速センサ正常タイマTVSsを1づつカウントアップする。そして、その値が所定値TS2より大きくなったとき、即ち車速センサ301の正常状態が所定時間継続したときに、ステップS231からステップS232を実行し、車速センサ故障フラグXVSfをリセットする。
【0286】
このようにして車速センサ301の故障判定が行われ、その結果に応じて変速制御やロックアップ制御が行われることになるが、この車速センサ故障判定制御は、図14のメインプログラムの説明で述べたように、エンゲージ故障、正常判定制御によりエンゲージ正常が判定されている場合(XENs=1)、即ち当該車両が走行可能なときにのみ行われる。したがって、エンゲージ故障が発生している状態でこの車速センサ故障判定制御を行うことによる誤判定が回避される。
【0287】
つまり、エンゲージ故障が発生している場合、選択されているレンジが走行レンジであり、かつタービン回転数TREVが所定回転数KTR2より大きくても、当該車両は停止していることになり、したがって、この状態で車速センサ301の出力信号が示す車速VELがゼロであるか否かにより、該車速センサ301の故障、正常を判定すると、誤判定を招くことになるのである。そこで、エンゲージ故障が生じている場合には車速センサ301の故障判定を禁止し、このような誤判定を防止するようになっているのである。
【0288】
以上のような各種の故障判定制御によって得られた結果に基づき、コントローラ300は、メインプログラムのステップS19として所定のフェールセーフ制御を行うようになっており、次にこのフェールセーフ制御について説明する。
【0289】
このフェールセーフ制御は図33にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、ステップS241でギヤ故障時のギヤ段選択制御を、ステップS242でエンゲージ故障時のギヤ段選択制御を、ステップS243でソレノイド機能故障時のギヤ段選択制御を、ステップS244でギヤ故障時のライン圧制御を、ステップS245でソレノイド機能故障時の変速制御を、さらにステップS246で警告ランプ制御を行う。
【0290】
上記ステップS241のギヤ故障時のギヤ段選択制御は、図34にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まずステップS251,S252,S253で、1速故障フラグXGR1f、2速故障フラグXGR2f、3速故障フラグXGR3fがセットされているか否かを判定する。
【0291】
そして、まず1速故障フラグXGR1fがセットされている場合には、ステップS254で1速指令の出力を禁止するとともに、1速に代わるギヤ段として2速を採用し、2〜4速間での変速制御を行わせる。また、2速故障フラグXGR2fがセットされている場合には、ステップS255で2速指令の出力を禁止するとともに、2速に代わるギヤ段として3速を採用し、1,3,4速間での変速制御を行わせる。さらに、3速故障フラグXGR3fがセットされている場合には、ステップS256で3速指令の出力を禁止するとともに、3速に代わるギヤ段として4速を採用し、1,2,4速間での変速制御を行わせる。
【0292】
また、ステップS257で、4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfまたは4速3速故障フラグXGR43fがセットされているか否かを判定し、いずれか一方のフラグがセットされている場合には、ステップS258で車速VELが所定車速KVL2以下か否かを判定する。そして、所定車速KVL2以下のときは、ステップS259で4速を禁止するともに、4速に代わるギヤ段として3速を採用し、1〜3速間での変速制御を行わせる。
【0293】
ここで、上記所定車速KVL2は、図35に示すようにスロットル開度TVOが大きくなるほど高車速となるように設定されているが、この所定車速KVL2の特性は、変速制御で用いられる変速マップの3,4速間の変速ラインに対応する。
【0294】
そして、所定車速KVL2以下の場合に4速が禁止されると、上記のようにギヤ段は3速に設定されることになるが、この場合は車速VELが所定車速KVL2より低く、もともと変速マップの3速の領域に属する場合であるから、4速を禁止して3速に設定することによるエンジン回転数ESPDの異常な上昇や駆動力の急激な増大等が問題となることはなく、通常通りの3速での走行が可能となる。
【0295】
また、上記のように、所定車速KVL2は、3,4速間の変速ラインに対応させて高スロットル開度側ほど高車速側の値となるように設定されているから、車速VELがこの所定車速KVL2より高い高車速時であって、4速が禁止されない(3速に設定されない)場合でも、アクセルペダルの踏み込みに伴うスロットル開度TVOの増大時には、図35に矢印アで示すように、車速VELが所定車速KVL2以下になって3速に設定されることになり、したがって、運転者の加速要求に応答可能となる。
【0296】
一方、4速ギヤ故障が発生し、上記4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfまたは4速3速故障フラグXGR43fがセットされた場合において、車速VELが上記所定車速KVL2より高い高車速時の場合は、直ちには4速指令の出力を禁止せず、車速VELが上記所定車速KVL2以下に低下した後に、或はステップS260でブレーキペダルの踏み込みを判定したときに、ステップS259を実行して4速指令の出力を禁止する。
【0297】
つまり、高車速時に直ちに4速を禁止してギヤ段を強制的に3速に設定すると、エンジンのオーバーランが発生したり、加速中においては駆動力の急激な増大による車輪のスリップが発生したりするおそれがあるので、車速VELが十分低下した後に4速を禁止し、3速に設定するのである。
【0298】
そして、特にブレーキの作動により車速の低下や駆動力の減少が予測される状態となったときには、実際に車速VELが上記所定車速KVL2以下に低下していなくても4速を禁止して3速に設定する。これにより、エンジンのオーバーラン等のおそれがない場合に、いたずらに車速VELの低下を待つことなく、速やかに3速に設定して通常の走行を可能とするとともに、ブレーキペダルの踏み込みによって示される運転者の減速要求に対し、ギヤ段を3速に設定してエンジンブレーキを作動させるようにしているのである。
【0299】
なお、車速VELが所定車速KVL2以下に低下するまで或はブレーキペダルが踏み込まれるまでの間において、4速指令を出力している間は、ギヤ段は3速になるかニュートラルになるかのいずれかであるが、ニュートラルになった場合でも、車速VELが所定車速KVL2以下に低下して4速が禁止されれば3速に設定されることになり、この状態で走行することになる。
【0300】
そして、この場合、3速になった後、車速VELが上昇して所定車速KVL2より高くなったときに4速指令を再び出力するとギヤ段は再びニュートラルになり、その結果、ニュートラルと3速とを繰り返すことになる。しかし、車速VELが一旦所定車速KVL2以下に低下して4速指令の出力が禁止されると、再び所定車速KVL2より高くなってもその禁止は解除されず、再度4速指令が出力されることはない。したがって、上記のようなニュートラルと3速とを繰り返すといった事態は生じない。
【0301】
ここで、上記の例では、所定車速KVL2より高い高車速時でも、ブレーキペダルが踏み込まれれば、4速指令の出力を禁止してギヤ段を3速に設定するようにしたが、これに代え、図35に鎖線で示すように、所定車速KVL2の高車速側に第2の所定車速KVL2′を設定し、ブレーキペダルを踏み込んでいない場合には低車速側の所定車速KVL2を、ブレーキペダルを踏み込んだときには高車速側の第2の所定車速KVL2′を採用するようにしてもよい。
【0302】
これによれば、ブレーキペダルを踏み込んでいないときには、車速VELが低車速側の所定車速KVL2以下に低下するまで4速指令の出力禁止(3速の設定)が実行されないが、車速の低下が予測されるブレーキペダルの踏み込み時には、高車速側の第2の所定車速KVL2′まで低下した時点で4速指令の出力禁止(3速の設定)が実行され、上記の場合と同様に、エンジンのオーバーラン等を回避しながら、いたずらに車速VELが低車速まで低下するのを待つことなく、速やかに3速での走行が可能となり、また、運転者の減速要求に対して速やかにエンジンブレーキが作動することになる。
【0303】
なお、このギヤ故障時におけるギヤ段選択制御における各変速指令の出力禁止の措置は、各ギヤ故障フラグとともに次のドライビングサイクルの開始時にはリセットされるので、次のドライビングサイクルでは改めてギヤ故障、正常判定制御およびその結果に基づくギヤ段選択制御が行われることになる。これにより、ソレノイドバルブの機能故障の判定に際し、ギヤ故障等が2回のドライビングサイクルで連続的に発生するか否かを判定することが可能となるのである。
【0304】
また、各ギヤ段を禁止したときには、その代わりのギヤ段として禁止したギヤ段に隣接したギヤ段を採用しているが、これは運転者に与える違和感をできるだけ少なくするためであり、特に、2,3速を禁止したときに、そのシフトアップ側のギヤ段である3,4速をそれぞれ採用するのは、シフトダウン側のギヤ段を採用すると、運転者の予期しないエンジン回転数の上昇や駆動力の増大が起こりうるからである。
【0305】
次に、図33のフローチャートのステップS242のエンゲージ故障時のギヤ段選択制御について説明する。
【0306】
この制御は図36にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まず、ステップS271,S272,S273で、1〜3速エンゲージ故障仮フラグXEN1t〜XEN3tの全てがセットされているか否か、1速エンゲージ故障仮フラグXEN1tと2速エンゲージ故障仮フラグXEN2tとがセットされているか否か、および1速エンゲージ故障仮フラグXEN1tのみがセットされているか否かを判定する。
【0307】
これらの仮フラグXEN1t〜XEN3tは、図27にフローチャートを示す前述のエンゲージ故障、正常判定制御において、1〜3速の各変速指令のもとでフォワードクラッチ41のエンゲージ故障が判定されたときにそれぞれセットされるもので、最初は1速エンゲージ故障フラグXEN1tのみがセットされる。
【0308】
したがって、図36のプログラムでは、ステップS271〜S273から、まずステップS274を実行し、前回の制御ループにおいても1速エンゲージ故障仮フラグXEN1tがセットされていたか否かを判定する。そして、最初にエンゲージ故障が判定されたときには、前回の制御ループではこのフラグXEN1tはセットされていなかったからステップS275,S276を実行し、4速発進フラグX4STをセットするとともに、1〜3速指令の出力を禁止する。これにより、当該車両は4速で発進することになる。
【0309】
そして、次回以降の制御ループでは、上記ステップS274からステップS277を実行し、4速で発進して所定車速(例えば20Km/h)以上で走行した後、停車したとき、即ち4速での発進が確実に行われたと判定したときには、ステップS278,S279で上記の4速発進フラグX4STをリセットするとともに、1速指令の出力を禁止する。
【0310】
これにより、停車した直後に2速の変速指令が出力される状態となり、次の発進時には、2速で発進することになるが、この場合もエンゲージ故障が判定されると、図27のプログラムで2速エンゲージ故障仮フラグXEN2tがセットされるため、今度は上記ステップS272からステップS280を実行することになる。
【0311】
そして、上記の場合と同様にして、前回の制御ループにおいて2速エンゲージ故障仮フラグXEN2tがセットされていたか否かを判定し、最初の判定時には前回の制御ループではこのフラグXEN2tはセットされていなかったから次にステップS281,S282を実行し、4速発進フラグX4STをセットするとともに、1〜3速指令の出力を禁止する。したがって、この場合も、車両は4速で発進することになる。そして、次回以降の制御ループでは、上記ステップS280からステップS283を実行し、4速で発進して所定車速以上で走行した後、停車したときには、ステップS284,S285で上記の4速発進フラグX4STをリセットするとともに、今度は1速指令および2速指令の出力を禁止する。したがって、この時点で3速指令が出力される状態となり、次の発進時には3速で発進することになる。
【0312】
そして、この3速での発進時にもエンゲージ故障が判定されると、図27のプログラムで3速エンゲージ故障仮フラグXEN3tがセットされるため、今度は上記ステップS271からステップS286,S287を実行し、4速発進フラグX4STをセットするとともに、1〜3速指令の出力を禁止する。したがって、この場合は4速指令のみが出力可能となる。
【0313】
このようにして、通常の1速指令のもとでエンゲージ故障が発生した場合は、フォワードクラッチ41が締結されなくても達成される4速で一旦発進した後、次の発進は2速指令のもとで行い、また、この場合もエンゲージ故障が発生すれば、同じく一旦4速で発進した後、次の発進は3速指令のもとで行う。そして、この場合もエンゲージ故障が発生すれば、4速指令のみを出力可能とし、その後は4速で、発進、走行することになる。そして、1〜3速指令のいずれのもとでもエンゲージ故障が発生したときにエンゲージ故障が確定され、その結果が他のフェールセーフ制御で用いられる。
【0314】
次に、図33のフローチャートのステップS243のソレノイドバルブの機能故障時のギヤ段選択制御について説明する。
【0315】
この制御は図37にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まずステップS291で、1速指令に対してギヤ段が1速にならないギヤ故障の原因となるソレノイドバルブの機能故障、具体的には、表3、表4から明らかなように、第1デューティSV121のOFF故障、第2デューティSV122のOFF故障、および第3デューティSV123のON故障のいずれかが確定しているか否か、つまり第1デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS1OF2k、第2デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS2OF2k、第3デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS3ON2kのいずれか1つがセットされているか否かを判定する。
【0316】
これらのKAMフラグはイグニッションスイッチのOFF後も保持されるから、上記各第2DCKAMフラグのいずれか1つがセットされたときには、次のドライビングサイクル以降ではその開始直後にステップS292を実行することになり、したがって、1速が達成できないときには、1速指令の出力が運転開始当初から禁止されることになる。そして、この場合、前述のギヤ故障時のギヤ段選択制御の場合と同様に、1速の代わりに2速が採用される。
【0317】
次に、ステップS293で、2速指令に対してギヤ段が2速にならないギヤ故障の原因となるソレノイドバルブの機能故障、具体的には、第1デューティSV121のON故障、第2デューティSV122のOFF故障、および第3デューティSV123のON故障のいずれかが確定しているか否か、つまり第1デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS1ON2k、第2デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS2OF2k、第3デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS3ON2kのいずれか1つがセットされているか否かを判定する。
【0318】
そして、上記各第2DCKAMフラグのいずれか1つがセットされたときには、次のドライビングサイクル以降ではその開始直後にステップS294を実行し、2速指令の出力を運転開始当初から禁止するとともに、2速の代わりに3速を採用する。
【0319】
また、ステップS295で、3速指令に対してギヤ段が3速にならないギヤ故障の原因となるソレノイドバルブの機能故障、具体的には、第2デューティSV122のON故障、および第3デューティSV123のON故障のいずれかが確定しているか否か、つまり第2デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS2ON2k、第3デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS3ON2kのいずれか1つがセットされているか否かを判定する。
【0320】
そして、上記各第2DCKAMフラグのいずれか1つがセットされたときには、次のドライビングサイクル以降ではその開始直後にステップS296を実行し、3速指令の出力を運転開始当初から禁止するとともに、3速の代わりに4速を採用する。
【0321】
また、ステップS297で、4速指令に対してギヤ段が4速にならないギヤ故障の原因となるソレノイドバルブの機能故障、具体的には、第1オンオフSV111のOFF故障、第1デューティSV121のON故障、第2デューティSV122のON故障、および第3デューティSV123のOFF故障のいずれかが確定しているか否か、つまり第1オンオフSV−OFF故障第2DCKAMフラグXOS1OF2k、第1デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS1ON2k、第2デューティSV−ON故障第2DCKAMフラグXDS2ON2k、第3デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS3OF2kのいずれか1つがセットされているか否かを判定する。
【0322】
そして、上記各第2DCKAMフラグのいずれか1つがセットされたときには、次のドライビングサイクル以降ではその開始直後にステップS298を実行し、4速指令の出力を運転開始当初から禁止するとともに、4速の代わりに3速を採用する。
【0323】
このようにして、いずれかの第2DCKAMフラグがセットされて、対応するソレノイドバルブの機能故障が確定した場合には、以後のドライビングサイクルでは、改めて故障判定動作を行うことなく、達成できないギヤ段の指令の出力を禁止した状態での変速制御を行う。
【0324】
これにより、各ドライビングサイクルの開始ごとにソレノイドバルブの機能故障を判定する無駄が省かれるとともに、運転開始直後からフェールセーフ制御が実行されて良好な走行性が確保されることになる。なお、この状態は、例えば当該ソレノイドバルブが修理或は交換された後、バッテリ電源がONされたときに解消される。
【0325】
次に、図33のフローチャートのステップS244のギヤ故障時のライン圧制御について説明する。
【0326】
この制御は図38にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、ステップS301で4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfまたは4速3速故障フラグXGR43fがセットされているか否か、ステップS302で3速故障フラグXGR3fがセットされているか否か、ステップS303で2速故障フラグXGR2fがセットされているか否か、ステップS304で1速故障フラグXGR1fがセットされているか否かをそれぞれ判定する。
【0327】
そして、4速ニュートラル故障フラグXGR4Nfまたは4速3速故障フラグXGR43fがセットされているとき、3速故障フラグXGR3fがセットされているとき、および2速故障フラグXGR2fがセットされているときは、ステップS305でライン圧が最大になるように油圧制御を行う。具体的には、図2に示すリニアSV131によってレギュレータバルブ101の調圧ポート101aに供給される制御圧を調整することにより、ライン圧を最大とする。
【0328】
これらのライン圧を最大にする制御は、ギヤ故障状態での発進時に、トルク伝達に関与する摩擦要素のトルク伝達容量が十分に確保されるようにするためである。
【0329】
つまり、前述のエンゲージ故障により4速発進する場合(図36のステップS276,S282,S287)等において、さらに4速ギヤ故障等のために3速で発進する場合、フォワードクラッチ41と3−4クラッチ43とがトルクを伝達することになるが、その場合に、3−4クラッチ43は通例は発進時には用いられないのでトルク伝達容量の設定があまり大きくなく、そのため、3速発進時にトルク伝達容量が不足することになるのである。そこで、4速ギヤ故障時における3速発進に際し、3−4クラッチ43のトルク伝達容量確保のためにライン圧を最大とするのである。
【0330】
また、3速発進する場合において3速ギヤ故障が生じているときは、3速の代わりに4速が採用されるので4速で発進することになり、このとき、2−4ブレーキ44と3−4クラッチ43とがトルクを伝達することになるが、この場合も3−4クラッチ43のトルク伝達容量が不足するので、ライン圧を最大とする。
【0331】
さらに、2速発進する場合において2速ギヤ故障が生じているときは、2速の代わりに3速が採用されるので、上記の4速ギヤ故障の場合と同様に3速で発進することになり、この場合も3−4クラッチ43のトルク伝達容量が不足することになるので、ライン圧を最大とする。
【0332】
一方、1速故障フラグXGR1fがセットされている場合には、上記のようなライン圧を最大にする制御は行われず、正常時のライン圧に保持される。
【0333】
つまり、1速ギヤ故障時は2速で発進することになるが、この2速発進は正常時においても行われるものであって、2速発進時にトルクを伝達するフォワードクラッチ41と2−4ブレーキ44とは予め2速発進に必要なトルク伝達容量が得られるように設定されている。したがって、この場合は、ライン圧を上昇させる制御は行われず、正常時のライン圧を保持する。これにより、不必要なライン圧の上昇によるポンプ駆動損失の増大が回避され、ひいてはギヤ故障時に常にライン圧を高くする場合に比較して、燃費性能が向上することになる。
【0334】
次に、図33のフローチャートのステップS245のソレノイド機能故障時の変速制御について説明する。
【0335】
この制御は第1デューティSV121のOFF故障時における変速制御に関するもので、図39にフローチャートを示すプログラムに従って次のように行われる。
【0336】
まず、ステップS311で第1デューティSV−OFF故障フラグXDS1OFfまたは第1デューティSV−OFF故障第2DCKAMフラグXDS1OF2kのいずれかがセットされているか否かを判定し、セットされている場合に、ステップS312で、変速制御で用いられる変速マップの3−2シフトダウン変速ラインを、図40に実線で示すように変速点がスロットル開度TVOが大きくなるほど高車速側となる通常のラインから、鎖線で示すように、変速点がスロットル開度TVOに拘らず常に所定車速KVL3となる直線状の変速ラインに変更する。
【0337】
これは、第1デューティSV121のOFF故障時における3−2トルクディマンドのシフトダウン変速時の変速ショックの問題に対処するものである。
【0338】
つまり、3−2変速は、第2デューティSV122をOFFからONに切り換えて3−4クラッチ圧およびサーボリリース圧を排出することにより、3−4クラッチ43を解放し、かつ2−4ブレーキ44を締結することにより行われるが(図5、図6参照)、アクセルペダルの踏み込みによるトルクディマンドの3−2シフトダウン変速の場合、図41に実線で示すように、第1デューティSV121のデューティ制御によってサーボアプライ圧を一時的に低下させる制御が行われる。
【0339】
これは、2−4ブレーキ44の締結力を低減させることにより、3−4クラッチ43の解放動作によるタービン回転数の上昇を円滑に行わせるためであり、その後、3−4クラッチ43がほぼ完全に解放された時点でサーボアプライ圧を再び上昇させることにより、2−4ブレーキ44を完全に締結する。
【0340】
しかし、第1デューティSV121のOFF故障が発生すると、上記のようなサーボアプライ圧を一時的に低下させる制御を行うことができなくなり、図41に鎖線イで示すように、サーボアプライ圧が高い状態で3−4クラッチ圧およびサーボリリース圧が排出されることになる。そのため、サーボリリース圧の排出開始により、3−4クラッチ43の解放に先立って2−4ブレーキ44が締結されることになり、その結果、3−4クラッチ43と2−4ブレーキ44とが共に締結されたインターロック状態が発生し、このとき大きな変速ショックが発生するのである。
【0341】
そこで、上記のように第1デューティSV121のOFF故障の発生時には、変速マップの3−2シフトダウン変速ラインを、変速点がスロットル開度TVOに拘らず常に所定車速KVL3となる変速ラインに変更することにより、アクセルペダルの踏み込み(スロットル開度TVOの増大)による3−2トルクディマンドのシフトダウン変速が発生しないようにしているのであり、これにより、上記のような不具合が回避されることになる。
【0342】
なお、上記のように3−2シフトダウン変速ラインを直線状の変速ラインに変更する場合に、図40に示す例では、低スロットル開度側では、変速点が高車速側に移行し、高スロットル開度側では変速点が低車速側に移行するように変更されている。
【0343】
これにより、低スロットル開度側では、例えば登坂路への進入により、図40に矢印ウで示すように、車速VELが低下して3−2シフトダウン変速が行われるときに、この変速が早期に行われることになり、これに伴う駆動力の増大により登坂路への進入による車速の低下が抑制されることになる。
【0344】
また、高スロットル開度側では、矢印エで示すように、同じく車速VELの低下により3−2シフトダウン変速が行われるときに、この変速が遅延されて3速の状態が長く維持されることになる。したがって、エンジン騒音が問題になり易い高スロットル開度領域でエンジン回転数の上昇が抑制されることになり、エンジン騒音の問題が低減されることになる。
【0345】
また、第1デューティSV121のOFF故障が発生している場合、図39のステップS313で現在2−3変速中か否かを判定し、この変速中であるときには、ステップS314で第2デューティSV122をOFFにし、このデューティSV122の2−3変速中における油圧制御を禁止する。
【0346】
つまり、2−3変速は、第2デューティSV122をONからOFFに切り換えることにより3−4クラッチ圧およびサーボリリース圧を供給して、3−4クラッチ43を締結し、かつ2−4ブレーキ44を解放することにより行うのであるが(図5、図6参照)、このとき、図42に実線で示すように、第1デューティSV121のデューティ制御によってサーボアプライ圧を一時的に低下させて2−4ブレーキ44の締結力を低減させるとともに、第2デューティSV122をデューティ制御して3−4クラッチ圧(およびサーボリリース圧)を棚圧状に制御する(符号オ参照)ことが行われる。
【0347】
これは、2−3変速時に、2−4ブレーキ44と3−4クラッチ43とが同時に締結状態になることによる変速ショックの発生を回避しながら、該3−4クラッチ43を円滑に締結するためであるが、その場合に、上記第1デューティSV121のOFF故障によりサーボアプライ圧が低下しないと、2−4ブレーキ44が完全に締結された状態で、3−4クラッチ圧を棚圧状態に制御することになり、このとき、3−4クラッチ43が所謂半クラッチ状態で激しく滑ることになって摩耗が促進されるとともに、いつまでもタービン回転数が低下しないため、バックアップタイマによって強制的に終了されるまで変速動作が終了せず、変速時間が著しく長くなるのである。
【0348】
そこで、第1デューティSV121のOFF故障が発生したときには、図42に符号カで示すように、2−3変速時における第2デューティSV122による3−4クラッチ圧の棚圧制御を禁止し、該第2デューティSV122をONから直接OFFにして、3−4クラッチ43を速やかに締結するようにしているのであり、これにより、上記のような不具合が防止されることになる。
【0349】
次に、図33のフローチャートのステップS246の警告ランプ制御について説明する。
【0350】
この制御は、図43にフローチャートを示すプログラムに従って行われ、まずステップS321で、1速故障フラグXGR1f、2速故障フラグXGR2f、3速故障フラグXGR3f、4速ニュートラル速故障フラグXGR4Nfまたは4速3速故障フラグXGR43fのいずれかがセットされているか否かを判定する。そして、ギヤ故障が発生し、上記の故障フラグのいずれかがセットされているときには、ステップS322で運転席前面のインスツルメントパネル等に備えられているOD−OFFランプを点滅させる。
【0351】
また、ステップS323で、ロックアップOFF故障フラグXLOFf、またはロックアップON故障フラグXLONfのいずれかがセットされているか否かを判定し、いずれかのフラグがセットされているときには、上記のギヤ故障の場合と同様に、ステップS322でOD−OFFランプを点滅させる。
【0352】
さらに、ステップS324で、エンゲージ故障フラグXENfがセットされているか否かを判定し、セットされているときは、同じく上記ステップS322でOD−OFFランプを点滅させる。
【0353】
このOD−OFFランプは、運転者がDレンジにおけるオーバードライブギヤ段(4速)を禁止するためにOD−OFFスイッチを操作したときに点灯するものであるが、ギヤ故障、ロックアップOFF故障、ロックアップON故障、またはエンゲージ故障が発生したときに上記のようにして点滅することにより、ギヤ故障等の発生が運転者に告知されることになる。
【0354】
ここで、このOD−OFFスイッチおよびOD−OFFランプに代え、同様の機能を有するホールドスイッチおよびホールドランプが備えられている場合があり、この場合は、ギヤ故障等の発生時に、このホールドランプを点滅させることになる。
【0355】
また、この警告ランプ制御においては、ステップS325で、各ソレノイドOFF故障第2DCKAMフラグXOS1OF2k、XOS2OF2k、XDS1OF2k〜XDS3OF2k、および各ソレノイドON故障第2DCKAMフラグXOS1ON2k、XOS2ON2k、XDS1ON2k〜XDS3ON2kのいずれかがセットされているか否かを判定する。そして、いずれかのフラグがセットされているときは、ステップS326でMILランプを点灯させる。
【0356】
このMILランプは、エンジンの排気浄化システムの異常時に点灯するもので、運転席前面のインスツルメントパネル等に備えられることがあるものであるが、いずれかのソレノイドバルブの故障時において上記第2DCKAMフラグの1つがセットされたときには、排気浄化システムの異常を招くものとしてこのMILランプを点灯させるのであり、これにより、運転者に排気浄化システムに異常が発生したことが告知されることになる。
【0357】
なお、図38にフローチャートを示すギヤ故障時のライン圧制御において、ライン圧を最大に上昇させる制御を行ったとき、変速時に摩擦要素を締結させる作動圧が高くなって変速ショックが発生し易くなり、運転者に違和感を与える可能性がある。そこで、図38のステップS305によるライン圧を最大にする制御を行ったときには、これをランプの点灯もしくは点滅により運転者に告知するようにしてもよい。
【0358】
【発明の効果】
以上のように本願の第1発明によれば、故障判定手段により、トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数に基づいてロックアップON故障の有無を判定するに際し、エンジンの高負荷領域と低負荷領域とにおいて、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値がそれそれ所定時間に達したときに、ロックアップON故障が発生したものと判定されることになる。
【0359】
したがって、スロットル開度が頻繁に変化するような場合において、一時的もしくは過渡的にスリップ回転数が所定回転数以下になる状態が生じても、これだけではロックアップON故障が発生したとは判定されず、高負荷領域と低負荷領域とでそれぞれある程度の時間ずつ、スリップ回転数が所定回転数以下の状態が継続して初めてロックアップON故障が発生したものと判定されることになり、高い判定精度が得られる。
【0360】
そして、特に、スリップ回転数が所定回転以下の状態の積算時間の閾値として高負荷領域と低負荷領域とでそれぞれ用いられる所定時間が、高負荷領域側の時間が低負荷領域側の時間よりも短く設定されているので、ロックアップ解放状態でもスリップ回転数が所定回転数以下になり易い低負荷領域では、比較的長い時間を掛けてこの状態が検出され、逆にロックアップ解放状態ではスリップ回転数が所定回転数以下になることが少なく、換言すれば所定回転数以下になった場合にはロックアップON故障が発生している確率が高い高負荷領域では、所定回転数以下の状態が比較的短い時間だけ検出されることになる。したがって、判定結果が得られるのに要する時間をいたずらに長引かせることなく、ロックアップON故障を精度よく、かつ速やかに判定することが可能となる。
【0361】
また、低負荷領域では、運転頻度が多いので、上記のように所定時間を長くしても積算時間がこの所定時間に達するのが遅れることはなく、逆に高負荷領域は運転頻度は少ないが、所定時間も短いので、同じく積算時間が所定時間に達するのが遅れることはなく、これによっても判定結果が比較的速やかに得られることになる。
【0362】
また、第2発明によれば、故障判定手段により、スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、かつ上記所定スロットル開度より低開度側の第2領域で第2所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定されるので、上記第1発明と同様に、スロットル開度が頻繁に変化するような場合において、一時的もしくは過渡的にスリップ回転数が所定回転数以下になる状態が生じても、これだけではロックアップON故障が発生したとは判定されず、誤判定が防止されることになる。
【0363】
そして、この第2発明によれば、高スロットル開度側の第1領域における第1所定時間は、低スロットル開度側の第2領域における第2所定時間より短い時間に設定されるので、上記第1発明と同様に、判定結果が得られるまでの時間を抑制しながら、ロックアップON故障を精度よく判定することが可能となる。
【0364】
また、第3発明によれば、スロットル開度の領域として、所定スロットル開度より高開度側の第1領域と、低開度側であって全閉領域を含まない第2領域と、全閉領域とを設定し、スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、第1領域で第1所定時間となり、第2領域で第2所定時間となり、かつ全閉領域で第3所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定するようにしたので、スロットル開度が頻繁に変化するような場合にも、一層確実にロックアップON故障の誤判定が防止されることになる。
【0365】
その場合に、この第3発明によれば、運転頻度が最も多い反面、エンジン回転数が低下するためロックアップ解放状態でもスリップ回転数が所定回転数以下になり易い全閉領域における第3所定時間が、第1所定時間および第2所定時間より長い時間に設定されるので、判定結果が得られるのに要する時間を抑制しながら、ロックアップON故障を一層精度よく判定することが可能となる。
【0366】
さらに、第4発明によれば、上記第1〜第3発明において、いずれかの領域でスリップ回転数が所定回転数以下の時間を積算している途中であっても、該スリップ回転数が上記所定回転数より大きくなったときには、このロックアップON故障の判定動作が中止されるので、何らかの原因で一時的もしくはごく短時間だけスリップ回転数が所定回転数以下になったような場合に、これをロックアップON故障と誤って判定することが防止される。
【0367】
また、第5発明によれば、変速歯車機構がニュートラル状態で固定されるニュートラル故障が発生したときには、ロックアップON故障の判定動作が中止されるので、ロックアップクラッチが解放状態にあっても、トルクコンバータの出力側の負荷が低下するためにスリップ回転数が所定回転数以下になることがある変速歯車機構のニュートラル故障時に、これをロックアップON故障と誤って判定することが防止される。
【0368】
このようにして、本願各発明によれば、ロックアップON故障の誤判定が防止されて故障の有無が精度よく、かつ速やかに判定されることになる。したがって、その判定結果を用いて例えばソレノイドバルブの機能故障判定の制御や、それに対するフェールセーフ制御等を行う場合に、これらの制御が良好に行われることになり、当該自動変速機の信頼性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施の形態に係る自動変速機の機械的構成を示すスケルトン図である。
【図2】 同自動変速機の油圧制御回路図である。
【図3】 同油圧制御回路に備えられた各ソレノイドバルブに対する制御システム図である。
【図4】 1速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図5】 2速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図6】 3速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図7】 3速ロックアップの状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図8】 4速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図9】 4速ロックアップの状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図10】 Lレンジ1速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図11】 後退速の状態を示す油圧制御回路の要部拡大図である。
【図12】 オンオフソレノイドバルブの構造を示す断面図である。
【図13】 デューティソレノイドバルブの構造を示す断面図である。
【図14】 故障判定制御のメインプログラムを示すフローチャートである。
【図15】 ギヤ故障、正常判定制御のプログラムの前半部を示すフローチャートである。
【図16】 同プログラムの後半部を示すフローチャートである。
【図17】 同プログラムで用いられる1速ギヤ故障、正常判定のためのギヤ比の領域図である。
【図18】 2速ギヤ故障、正常判定のためのギヤ比の領域図である。
【図19】 3速ギヤ故障、正常判定のためのギヤ比の領域図である。
【図20】 4速ギヤ故障、正常判定のためのギヤ比の領域図である。
【図21】 ロックアップOFF故障、正常判定制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図22】 同プログラムで用いられるロックアップOFF故障、正常判定のためのスリップ回転数の領域図である。
【図23】 ロックアップON故障、正常判定制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図24】 同プログラムで用いられるロックアップON故障、正常判定のためのスリップ回転数の領域図である。
【図25】 同プログラムで用いられるスロットル開度の領域図である。
【図26】 同じく他の例を示す領域図である。
【図27】 エンゲージ故障、正常判定制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図28】 同プログラムで用いられる油温に対する所定時間の特性図である。
【図29】 ソレノイド機能故障判定制御のプログラムの前部を示すフローチャートである。
【図30】 同プログラムの中間部をを示すフローチャートである。
【図31】 同プログラムの後部を示すフローチャートである。
【図32】 車速センサ故障判定制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図33】 フェールセーフ制御のメインプログラムを示すフローチャートである。
【図34】 ギヤ故障時のギヤ段選択制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図35】 同プログラムで用いられる所定車速の特性図である。
【図36】 エンゲージ故障時のギヤ段選択制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図37】 ソレノイド機能故障時のギヤ段選択制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図38】 ギヤ故障時のライン圧制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図39】 ソレノイド機能故障時の変速制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図40】 同プログラムで用いられる3−2変速ラインの特性図でる。
【図41】 同制御による3−2変速時の油圧特性図である。
【図42】 同制御による2−3変速時の油圧特性図である。
【図43】 警告ランプ制御のプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 自動変速機
20 トルクコンバータ
26 ロックアップクラッチ
30 変速歯車機構
41〜45 摩擦要素
100 油圧制御回路
111,112 オンオフソレノイドバルブ
121〜123 デューティソレノイドバルブ
300 コントローラ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a failure detection device for a lockup clutch provided in a torque converter of an automatic transmission, and belongs to the technical field of an automatic transmission for a vehicle.
[0002]
[Prior art]
As is well known, an automatic transmission mounted on a vehicle such as an automobile combines a torque converter and a transmission gear mechanism, and selectively transmits a plurality of friction elements such as a clutch and a brake on a power transmission path of the transmission gear mechanism. It is configured to automatically set the gear stage according to the operating state by fastening and switching, and the torque converter has an input side and an output side in the operating region where the torque increasing action is not required. In some cases, a lock-up clutch is provided for the purpose of improving the fuel efficiency by directly connecting the two.
[0003]
In this case, the hydraulic pressure control circuit is configured to control the operating pressure supplied to each of the friction elements and the lock-up clutch to control the gear and the lock-up clutch. The hydraulic control circuit is provided with various solenoid valves for generating, supplying and discharging, adjusting pressure, and the like. The friction element is controlled by controlling the operation of these solenoid valves by an electric control signal. And operating pressure supplied to the lockup clutch.
[0004]
By the way, in the case of the above configuration, when the solenoid valve fails, a predetermined friction element is not fastened or released with respect to the shift command output according to the operation state, and thus the gear stage according to the command is obtained. Or the lock-up clutch is not engaged or released as commanded.
[0005]
Therefore, conventionally, a failure detection signal is output to each solenoid valve at the start of operation of the vehicle, and the presence or absence of an electrical failure such as disconnection or short circuit in each solenoid valve is detected in advance. The solenoid valve may not operate correctly due to a so-called functional failure such as a seal failure due to the sticking of a plunger or a foreign object even in the absence of an electrical failure as described above. Although the failure is not detected, the gear shift control and the lock-up control cannot be performed correctly, for example, the gear shifts to a gear different from the command or the lock-up clutch is different from the command.
[0006]
To solve this problem, detect the actual gear position and lockup clutch status in response to the shift command and lockup command output according to the driving conditions, and based on the detection results. Thus, it is considered to perform a predetermined fail-safe control by determining a malfunction of the solenoid valve.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as described above, for example, when determining whether or not there is a malfunction in the solenoid valve, when detecting whether or not the lock-up clutch is abnormal, especially when the lock-up clutch is ON, that is, a release (OFF) command is output. Regardless, there is a concept of determining a failure fixed in the engaged (ON) state based on the slip rotation speed that is the difference between the input and output rotation speeds of the torque converter.
[0008]
For example, in Japanese Patent Laid-Open No. 5-172237, the slip ratio of the fluid coupling is calculated based on the input rotation detection value and the output rotation detection value of the fluid coupling, and the slip ratio calculation value is equal to or less than the fail determination slip ratio. If this is applied to a lock-up clutch in a torque converter, a release command is output to the lock-up clutch. When the slip rotation speed between the input member and the output member is equal to or less than the predetermined rotation speed, it is determined that an ON failure has occurred.
[0009]
However, in the method disclosed in the above publication, it is determined that a failure, that is, an ON failure has occurred immediately when the slip rotation speed becomes equal to or lower than the predetermined rotation speed, so that erroneous determination is likely to occur, and high determination accuracy is obtained. There is a risk of not being able to.
[0010]
In other words, when the operating state of the vehicle or the automatic transmission changes, for example, when the throttle opening of the engine changes frequently, for example, the slip rotational speed is temporarily or transiently under a certain throttle opening. Even if the rotational speed may be less than the predetermined number of revolutions, this can occur even when the lockup clutch is correctly released. It is erroneously determined that an up-on failure has occurred.
[0011]
Therefore, an object of the present invention is to make it possible to accurately determine a lockup ON failure without unnecessarily prolonging the time until a determination result is obtained.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the lock-up clutch failure detection apparatus according to the present invention is configured as follows.
[0013]
An invention according to claim 1 of the present application (hereinafter referred to as “first invention”) includes a torque converter, a transmission gear mechanism to which power from an engine is input via the torque converter, and the torque converter. A lock-up clutch for fastening or releasing the input member and the output member, a plurality of friction elements for switching the power transmission path of the transmission gear mechanism, and a lock by controlling the operating pressure supplied to the lock-up clutch and the friction element In an automatic transmission having a hydraulic control circuit for controlling the state of the up-clutch and the gear stage of the transmission gear mechanism, slip rotation speed detecting means for detecting the slip rotation speed between the input member and the output member of the torque converter; The slip detected by the detecting means in a state in which a release command is output to the lockup clutch A failure determination means for determining whether or not a lockup ON failure has occurred in which the lockup clutch is fixed in an engaged state based on the number of rotations. Lock-up occurs when the integrated value of the time when the slip rotation speed in the load area is less than or equal to the predetermined rotation speed reaches the predetermined time set at a time shorter on the high load area side than on the low load area side. It is characterized in that it is determined that an ON failure has occurred.
[0014]
The invention according to claim 2 (hereinafter referred to as “second invention”) detects the slip rotation speed between the input member and the output member of the torque converter in the automatic transmission similar to the first invention. Lock-up ON in which the lock-up clutch is fixed in the engaged state based on the slip rotation speed detected by the detecting means in a state where a release command is output to the slip-rotation speed detecting means and the lock-up clutch Failure determination means for determining whether or not a failure has occurred, and the failure determination means is configured such that the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed is higher than the predetermined throttle opening degree. The first predetermined time in the first region on the side, and the second region on the lower opening side than the predetermined throttle opening. , Set to a time longer than the first predetermined time When the second predetermined time is reached, it is determined that a lock-up ON failure has occurred.
[0016]
Also, Claim 3 Described in the following (hereinafter “ Third invention In the automatic transmission similar to the first invention, the slip rotation number detecting means for detecting the slip rotation number between the input member and the output member of the torque converter, and the release command to the lockup clutch Failure determination means for determining whether or not a lock-up ON failure has occurred in which the lock-up clutch is fixed in the engaged state based on the slip rotation speed detected by the detection means In addition, the failure determination means is configured such that the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed becomes a first predetermined time in a first region higher than the predetermined throttle opening, and the predetermined throttle The second predetermined time is reached in the second region that is lower than the opening and does not include the fully closed region, and in the fully closed region. , Set to a time longer than the first predetermined time and the second predetermined time When the third predetermined time is reached, it is determined that a lock-up ON failure has occurred.
[0018]
further, Claim 4 Described in the following (hereinafter “ Fourth invention ") 1st to 3rd invention The failure determination means cancels the lock-up ON failure determination operation when the slip rotation speed becomes larger than the predetermined rotation speed during the integration of the time during which the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed. It is characterized by that.
[0019]
And Claim 5 Described in the following (hereinafter “ 5th invention ”) 1st to 3rd invention The failure determination means is characterized in that, when a neutral failure occurs in which the transmission gear mechanism is fixed in the neutral state, the determination operation for the lock-up ON failure is stopped.
[0020]
By configuring as described above, the following actions can be obtained according to the inventions of the present application.
[0021]
First, according to the first invention, when the failure determination means determines whether or not there is a lock-up ON failure based on the slip rotation speed between the input member and the output member of the torque converter, the high load region and the low load of the engine In the region, when the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed reaches the predetermined time, it is determined that the lock-up ON failure has occurred.
[0022]
Therefore, when the throttle opening frequently changes, even if the slip rotation speed temporarily or transiently falls below the predetermined rotation speed, it is determined that a lock-up ON failure has occurred. Therefore, it is determined that the lock-up ON failure has occurred only after the slip rotation speed continues below the predetermined rotation speed for a certain amount of time in the high load area and the low load area. Accuracy is obtained.
[0023]
In particular, the predetermined time used in each of the high load region and the low load region as a threshold value of the accumulated time when the slip rotational speed is equal to or lower than the predetermined rotational speed is higher than the time on the low load region side. Therefore, in the low load range where the slip rotation speed is likely to be below the predetermined rotation speed even when the lockup is released, this state is detected over a relatively long period of time. In a high load region where there is a high probability that a lock-up ON failure has occurred when the rotational speed is less than the predetermined rotational speed, in other words, when the rotational speed is below the predetermined rotational speed, the state of the predetermined rotational speed or less It will be detected for a relatively short time. Therefore, it is possible to determine the lock-up ON failure accurately and promptly without unnecessarily prolonging the time required for obtaining the determination result.
[0024]
Further, since the operation frequency is high in the low load region, even if the predetermined time is extended as described above, the accumulated time will not be delayed until reaching the predetermined time, and conversely in the high load region, the operation frequency is low. Since the predetermined time is short, the accumulated time is not delayed until the predetermined time is reached, and the determination result can be obtained relatively quickly.
[0025]
According to the second invention, the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed by the failure determination means becomes the first predetermined time in the first region higher than the predetermined throttle opening. When the second predetermined time is reached in the second region lower than the predetermined throttle opening, it is determined that a lock-up ON failure has occurred. Even when the opening frequently changes, even if the slip rotation speed temporarily or transiently becomes less than the predetermined rotation speed, it is not determined that a lockup ON failure has occurred. Judgment is prevented.
[0026]
And According to this second invention, Since the first predetermined time in the first region on the high throttle opening side is set to be shorter than the second predetermined time in the second region on the low throttle opening side, the determination result is the same as in the first invention. It is possible to accurately determine a lock-up ON failure while suppressing the time until it is obtained.
[0027]
Also, Third invention According to the above, as the throttle opening area, the first area higher than the predetermined throttle opening, the second area that is on the low opening side and does not include the fully closed area, and the fully closed area are set. Then, the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed becomes the first predetermined time in the first region, the second predetermined time in the second region, and the third predetermined time in the fully closed region. Since it is determined that a lock-up ON failure has occurred, even when the throttle opening changes frequently, erroneous determination of a lock-up ON failure can be prevented more reliably. Become.
[0028]
In that case, This third invention According to the above, the third predetermined time in the fully closed region in which the slip rotation speed is likely to be equal to or lower than the predetermined rotation speed even in the lock-up released state because the engine rotation speed is decreased is the first predetermined time and the first operation frequency. 2 Since a time longer than the predetermined time is set, it is possible to more accurately determine a lock-up ON failure while suppressing a time required for obtaining a determination result.
[0029]
further, Fourth invention According to the above 1st to 3rd invention In this case, even when the slip rotation speed is accumulated in any region during the time when the slip rotation speed is less than or equal to the predetermined rotation speed, if the slip rotation speed becomes larger than the predetermined rotation speed, the determination of the lock-up ON failure is made. Since the operation is stopped, it is prevented that the slip-up ON failure is erroneously determined when the slip rotation speed becomes equal to or lower than the predetermined rotation speed for a short time or for a short time.
[0030]
Also, 5th invention According to the above, when a neutral failure occurs in which the transmission gear mechanism is fixed in the neutral state, the determination operation for the lock-up ON failure is stopped, so even if the lock-up clutch is in the released state, the output side of the torque converter In the case of a neutral failure of the transmission gear mechanism in which the slip rotation speed may be equal to or lower than the predetermined rotation speed due to a decrease in the load, it is prevented that this is erroneously determined as a lock-up ON failure.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0032]
First, the mechanical configuration of the automatic transmission 10 according to this embodiment will be described with reference to FIG.
[0033]
The automatic transmission 10 includes, as main components, a torque converter 20, a transmission gear mechanism 30 driven by the output of the torque converter 20, and a plurality of frictions such as a clutch and a brake for switching a power transmission path of the mechanism 30. The elements 41 to 45 and the one-way clutch 46 are provided, and thereby, the 1st to 4th speeds in the forward range such as the D, S, and L ranges and the reverse speed in the R range are obtained.
[0034]
The torque converter 20 includes a pump 22 fixed in a case 21 connected to the engine output shaft 1, and a turbine 23 that is disposed opposite to the pump 22 and driven by the pump 22 through hydraulic oil. And a stator 25 interposed between the pump 22 and the turbine 23 and supported by the transmission case 11 via a one-way clutch 24 to increase the torque, and between the case 21 and the turbine 23. The lockup clutch 26 is provided and directly connects the engine output shaft 1 and the turbine 23 via the case 21. The rotation of the turbine 23 is output to the transmission gear mechanism 30 via the turbine shaft 27.
[0035]
Here, an oil pump 12 driven by the engine output shaft 1 via a case 21 of the torque converter 20 is disposed on the opposite side of the torque converter 20 from the engine.
[0036]
On the other hand, the gear transmission mechanism 30 includes sun gears 31a and 32a, a plurality of pinions 31b and 32b engaged with the sun gears 31a and 32a, and pinion carriers 31c and 32c that support the pinions 31b and 32b, respectively. The first and second planetary gear mechanisms 31 and 32 have internal gears 31d and 32d engaged with the pinions 31b and 32b.
[0037]
A forward clutch 41 is provided between the turbine shaft 27 and the sun gear 31a of the first planetary gear mechanism 31, and a reverse clutch 42 is provided between the turbine shaft 27 and the sun gear 32a of the second planetary gear mechanism 32. A 3-4 clutch 43 is interposed between the turbine shaft 27 and the pinion carrier 32c of the second planetary gear mechanism 32, and a 2-4 brake 44 for fixing the sun gear 32a of the second planetary gear mechanism 32 is provided. Has been placed.
[0038]
Further, the internal gear 31d of the first planetary gear mechanism 31 and the pinion carrier 32c of the second planetary gear mechanism 32 are connected, and a low reverse brake 45 and a one-way clutch 46 are connected between these and the transmission case 11. The pinion carrier 31c of the first planetary gear mechanism 31 and the internal gear 32d of the second planetary gear mechanism 32 are connected to each other, and the output gear 13 is connected to them. The rotation of the output gear 13 is transmitted to the left and right axles 6 and 7 via the transmission gears 2, 3 and 4 and the differential mechanism 5.
[0039]
Here, the relationship between the operating states of the friction elements 41 to 45 such as the clutches and brakes and the one-way clutch 46 and the gears is summarized as shown in Table 1 below. In Table 1, (◯) indicates a case where the friction element is fastened. Further, (◎) in the column of the low reverse brake 45 indicates that it is engaged only in the L range.
[0040]
[Table 1]
Figure 0004010051
Next, the hydraulic control circuit 100 that supplies and discharges the operating pressure to the hydraulic chambers provided in the friction elements 41 to 45 will be described.
[0041]
Here, among the friction elements, the 2-4 brake 44 for the second and fourth speeds, which is a band brake, has an apply chamber 44a and a release chamber 44b as hydraulic chambers to which operating pressure is supplied. When the operation pressure is supplied only to 44a, the 2-4 brake 44 is engaged, and when the operation pressure is supplied only to the release chamber 44b, the operation pressure is not supplied to both the chambers 44a and 44b. When the operating pressure is supplied to both chambers 44a and 44b, the 2-4 brake 44 is released. The other friction elements 41 to 43, 45 have a single hydraulic chamber, and the friction element is fastened when an operating pressure is supplied to the hydraulic chamber.
[0042]
As shown in FIG. 2, the hydraulic control circuit 100 includes, as main components, a regulator valve 101 that generates line pressure, a manual valve 102 that switches a range by manual operation, and operates at the time of shifting. A low reverse valve 103, a bypass valve 104, a 3-4 shift valve 105 and a lock-up shift valve 106 for switching an oil passage leading to each of the friction elements 41 to 45, and a first and a first for operating these valves 103 to 106 2 On / Off Solenoid Valves (hereinafter referred to as “On / Off SV”) 111, 112 and Solenoid Reducing Valves (hereinafter referred to as “Reducing Valve”) 107 for generating a source pressure supplied to these On / Off SVs 111, 112 And the supply destination of the operating pressure from the first on / off SV 111 A solenoid relay valve (hereinafter referred to as “relay valve”) 108 to be replaced, and first to third duty solenoids for controlling generation, adjustment, discharge and the like of the operating pressure supplied to the hydraulic chambers of the friction elements 41 to 45. Valves (hereinafter referred to as “duty SV”) 121, 122, 123 and the like are provided.
[0043]
Here, the on / off SVs 111 and 112 and the duty SVs 121 to 123 are all three-way valves, and a state where the upper and downstream oil passages are communicated and a state where the downstream oil passage is drained is obtained. It is supposed to be. In the latter case, since the upstream oil passage is blocked, the operating oil from the upstream side is not discharged in a drained state, and the drive loss of the oil pump 12 is reduced.
[0044]
Note that when the on / off SVs 111 and 112 are ON, the upper and downstream oil passages communicate with each other. When the duty SVs 121 to 123 are OFF, that is, when the duty ratio (the ratio of the ON time in the 1 ON-OFF cycle) is 0%, the duty SV 121 to 123 is fully opened, and the upper and downstream oil passages are completely communicated with each other. In other words, when the duty ratio is 100%, the upstream oil passage is shut off and the downstream oil passage is made to be in a drain state. The hydraulic pressure adjusted to a value corresponding to the duty ratio is generated on the downstream side.
[0045]
The regulator valve 101 adjusts the pressure of the hydraulic oil discharged from the oil pump 12 to a predetermined line pressure. The line pressure is supplied to the manual valve 102 via the main line 200 and also to the reducing valve 107 and the 3-4 shift valve 105.
[0046]
The line pressure supplied to the reducing valve 107 is reduced to a constant pressure by the valve 107 and then supplied to the first and second on / off SVs 111 and 112 via the lines 201 and 202.
[0047]
This constant pressure is supplied to the relay valve 108 via the line 203 when the first on / off SV 111 is ON, and when the spool of the relay valve 108 is located on the right side in the drawing (the same applies hereinafter). Further, the pressure is supplied as a pilot pressure to the control port 104a at one end of the bypass valve 104 via the line 204, and the spool of the bypass valve 104 is urged to the left side. When the spool of the relay valve 108 is located on the left side, this constant pressure is supplied as a pilot pressure to the control port 105a at one end of the 3-4 shift valve 105 via the line 205, and the 3-4 shift valve The 105 spool is biased to the right.
[0048]
When the second on / off SV 112 is ON, the constant pressure from the reducing valve 107 is supplied to the bypass valve 104 via the line 206, and when the spool of the bypass valve 104 is positioned on the right side. Further, it is supplied as a pilot pressure to the control port 106a at one end of the lockup control valve 106 via the line 207, and the spool of the control valve 106 is urged to the left side. Further, when the spool of the bypass valve 104 is located on the left side, it is supplied as a pilot pressure to the control port 103a at one end of the low reverse valve 103 via the line 208, and urges the spool of the low reverse valve 103 to the left side. .
[0049]
Further, the constant pressure from the reducing valve 107 is also supplied to the pressure regulating port 101 a of the regulator valve 101 via the line 209. In this case, the constant pressure is adjusted according to, for example, an engine load or the like by a linear solenoid valve (hereinafter referred to as “linear SV”) 131 provided in the line 209. It will be adjusted according to the load and the like.
[0050]
The main line 200 led to the 3-4 shift valve 105 is connected to the first accumulator 141 via the line 210 when the spool of the valve 105 is positioned on the right side, and the line pressure is applied to the accumulator 141. Introduce.
[0051]
On the other hand, the line pressure supplied from the main line 200 to the manual valve 102 is in the first output line 211 and the second output line 212 in the D, S, and L forward ranges, and in the R range, the first output line 211 and It is introduced into the third output line 213, and in the N range, it is introduced into the third output line 213, respectively.
[0052]
The first output line 211 is guided to the first duty SV 121 and supplies the first duty SV 121 with a line pressure as a control source pressure. The downstream side of the first duty SV 121 is guided to the low reverse valve 103 via the line 214. When the spool of the valve 103 is positioned on the right side, the 2-4 brake 44 is further connected via the line 215. When the spool of the low reverse valve 103 is located on the left side, it is further guided to the hydraulic chamber of the low reverse brake 45 via the line 216. Here, a line 217 is branched from the line 214 and led to the second accumulator 142.
[0053]
The second output line 212 is guided to the second duty SV 122 and the third duty SV 123, and supplies the line pressure as a control source pressure to these duty SVs 122 and 123, respectively, and also to the 3-4 shift valve 105. Led. The line 212 led to the 3-4 shift valve 105 is led to the lock-up shift valve 106 via the line 218 when the spool of the valve 105 is positioned on the left side, and the spool of the valve 106 is moved to the left side. When positioned, it is further guided to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the line 219.
[0054]
Here, the line 220 branched from the forward clutch line 219 is led to the 3-4 shift valve 105, and when the spool of the valve 105 is located on the left side, the first accumulator 141 is connected to the first accumulator 141 via the line 210 described above. In addition, when the spool of the valve 105 is positioned on the right side, it communicates with the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 via the line 221.
[0055]
The downstream side of the second duty SV 122 to which the control source pressure is supplied from the second output line 212 is led to the control port 108a at one end of the relay valve 108 via the line 222 to supply the pilot pressure, The spool of the relay valve 108 is urged to the left side, and the line 223 branched from the line 222 is led to the low reverse valve 103 and further leads to the line 224 when the spool of the valve 103 is located on the right side. .
[0056]
A line 225 is branched from the line 224 via an orifice 151. The branched line 225 is led to the 3-4 shift valve 105, and the spool of the 3-4 shift valve 105 is positioned on the left side. At this time, it is guided to the release chamber 44 b of the 2-4 brake 44 through the line 221.
[0057]
Further, a line 226 is further branched from the line 225 branched from the line 224 via the orifice 151. The line 226 is led to the bypass valve 104, and the spool of the valve 104 is positioned on the right side. Sometimes, it is guided to the hydraulic chamber of the 3-4 clutch 43 via the line 227.
[0058]
Further, the line 224 is directly led to the bypass valve 104 and communicates with the line 225 via the line 226 when the spool of the valve 104 is located on the left side. That is, the line 224 and the line 225 pass through the orifice 151.
[0059]
Further, the downstream side of the third duty SV 123 to which the control source pressure is supplied from the second output line 212 is led to the lock-up shift valve 106 via the line 228, and the spool of the valve 106 is positioned on the right side. , Communicated with the forward clutch line 219. Further, when the spool of the lockup shift valve 106 is located on the left side, it communicates with the front chamber 26a of the lockup clutch 26 via the line 229.
[0060]
Further, the third output line 213 from the manual valve 102 is led to the low reverse valve 103 to supply the line pressure to the valve 103. When the spool of the valve 103 is positioned on the left side, the valve 103 is guided to the hydraulic chamber of the reverse clutch 42 via the line 230.
[0061]
Similarly, the line 231 branched from the third output line 213 is led to the bypass valve 104, and when the spool of the valve 104 is located on the right side, the control port 103a of the low reverse valve 103 is connected via the line 208 described above. A line pressure is supplied as a pilot pressure to urge the spool of the low reverse valve 103 to the left.
[0062]
In addition to the above configuration, the hydraulic control circuit 100 is provided with a converter relief valve 109. The valve 109 adjusts the operating pressure supplied from the regulator valve 101 via the line 232 to a constant pressure, and then supplies this to the lock-up shift valve 106 via the line 233. This constant pressure is supplied to the front chamber 26a of the lockup clutch 26 via the aforementioned line 229 when the spool of the lockup shift valve 106 is located on the right side. Is positioned on the left side, it is supplied to the rear chamber 26b of the lockup clutch 26 via a line 234.
[0063]
Here, the lock-up clutch 26 is released when the constant pressure is supplied to the front chamber 26a, and is engaged when the constant pressure is supplied to the rear chamber 26b. At the time of fastening, when the spool of the lock-up shift valve 106 is located on the left side, the operating pressure generated by the third duty SV 123 is supplied to the front chamber 26a, so that the fastening force corresponding to the operating pressure is obtained. It has come to be obtained.
[0064]
Further, in the hydraulic control circuit 100, as described above, the line pressure adjusted by the regulator valve 101 is controlled to, for example, the hydraulic pressure according to the engine load by the control pressure from the linear SV 131. The line pressure is also controlled. That is, a line 235 led from the manual valve 102 and leading to the main line 200 in the D, S, L, and N ranges is connected to the pressure reducing port 101b of the regulator valve 101, and the D, S, L, and N In the range, the line pressure adjustment value is set lower than that in the R range.
[0065]
On the other hand, as shown in FIG. 3, a controller 300 that controls the first and second on / off SVs 111 and 112, the first to third duties SV 121 to 123 and the linear SV 131 in the hydraulic control circuit 100 is provided.
[0066]
The controller 300 includes a vehicle speed sensor 301 that detects a vehicle speed of the vehicle, a throttle opening sensor 302 that detects a throttle opening as an engine load, an engine speed sensor 303 that detects an engine speed, and a driver selected. Inhibitor switch 304 for detecting the range, turbine rotational speed sensor 305 for detecting the rotational speed of turbine shaft 27 which is the input rotational speed to transmission gear mechanism 30, and output rotational speed sensor for detecting the output rotational speed of transmission gear mechanism 30 306, signals from an oil temperature sensor 307 or the like for detecting the oil temperature of the hydraulic oil are input, and the on / off SV 111 is selected according to the operation state of the vehicle or engine indicated by the signals from these sensors and the switches 301 to 307. , 112, duty SV 121-123 and linear SV1 And controls the first operation.
[0067]
Next, the relationship between the operating state of the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first to third duty SVs 121 to 123 and the supply / discharge state of the operating pressure with respect to the hydraulic chambers of the friction elements 41 to 45 is shown for each gear stage. Explained.
[0068]
Here, combinations of operating states (solenoid patterns) of the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first to third duty SVs 121 to 123 for each gear position are set as shown in Table 2 below. .
[0069]
In Table 2, (O) is ON for the on / off SVs 111 and 112, and OFF for the duty SVs 121 to 123. In both cases, the upstream oil passage is connected to the downstream oil passage, and the original pressure is set. The state of supplying to the downstream side as it is is shown. Further, (x) is OFF for the on / off SVs 111 and 112, and is ON for the duty SVs 121 to 123, both of which are in a state where the upstream oil passage is blocked and the downstream oil passage is drained. Show. Further, (x (duty)) for the third duty SV123 indicates that the downstream side is drained or that the operating pressure is generated on the downstream side by duty control.
[0070]
[Table 2]
Figure 0004010051
First, in the first speed (excluding the first speed in the L range), as shown in Table 2 and FIG. 4, only the third duty SV 123 is operated and the line pressure from the second output line 212 is used as the original pressure. This operating pressure is supplied to the lockup shift valve 106 via the line 228. At the first speed, the spool of the lock-up shift valve 106 is positioned on the right side, so that the operating pressure is further supplied as a forward clutch pressure to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the line 219. The clutch 41 is engaged.
[0071]
Here, the line 220 branched from the line 219 communicates with the first accumulator 141 via the 3-4 shift valve 105 and the line 210, so that the forward clutch pressure is gradually supplied.
[0072]
Next, in the second speed state, as shown in Table 2 and FIG. 5, in addition to the first speed state described above, the first duty SV 121 is also operated, and the line pressure from the first output line 211 is operated as the original pressure. Generate pressure. This operating pressure is supplied to the low reverse valve 103 via the line 214. At this time, the spool of the low reverse valve 103 is positioned on the right side, so that the operation pressure is further introduced into the line 215 and the 2-4 brake 44. Is supplied as a servo apply pressure to the apply chamber 44a. Thereby, in addition to the forward clutch 41, the 2-4 brake 44 is engaged.
[0073]
Since the line 214 communicates with the second accumulator 142 via the line 217, the supply of the servo apply pressure or the engagement of the 2-4 brake 44 is gently performed. The hydraulic oil stored in the accumulator 142 is preliminarily supplied from the line 216 to the hydraulic chamber of the low reverse brake 45 when the spool of the low reverse valve 103 moves to the left side when shifting to the first speed of the L range described later. Charged.
[0074]
Further, in the third speed state, as shown in Table 2 and FIG. 6, in addition to the second speed state described above, the second duty SV 122 is also operated, and the operating pressure with the line pressure from the second output line 212 as the original pressure is operated. Is generated. This operating pressure is supplied to the low reverse valve 103 via the line 222 and the line 223. At this time, the spool of the valve 103 is positioned on the right side, and is further introduced into the line 224.
[0075]
The operating pressure generated by the second duty SV 122 is introduced from the line 224 to the line 225 through the orifice 151 and guided to the 3-4 shift valve 105. At this time, the 3-4 shift valve Since the spool 105 is positioned on the left side, the servo release pressure is further supplied to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 via the line 221. Thereby, the 2-4 brake 44 is released.
[0076]
Further, since the line 226 is further branched from the line 225 branched from the line 224 via the orifice 151, the operating pressure is guided to the bypass valve 104 by the line 226, and at this time, the bypass valve When the spool of 104 is positioned on the right side, it is further supplied as a 3-4 clutch pressure to the hydraulic chamber of the 3-4 clutch 43 via the line 227. Accordingly, at the third speed, the forward clutch 41 and the 3-4 clutch 43 are engaged, and the 2-4 brake 44 is released.
[0077]
In this third speed state, as described above, the second duty SV 122 generates the operating pressure, which is supplied to the control port 108a of the relay valve 108 via the line 222, so that the spool of the relay valve 108 is Moves to the left.
[0078]
Further, when the lockup clutch 26 is engaged in the third speed state, as shown in Table 2 and FIG. 7, the second on / off SV 112 is first operated with respect to the third speed state. A constant pressure from the reducing valve 107 (see FIG. 2) is supplied to the control port 106a of the lock-up shift valve 106 via the second on / off SV 112, the line 206, the bypass valve 104 and the line 207, and the lock-up shift valve The spool of 106 is moved to the left side. At this time, the operating pressure from the line 212 is supplied to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the 3-4 shift valve 105, the line 218, and the like, and the forward clutch 41 is held in the engaged state.
[0079]
At this time, in the lockup clutch 26, the third duty SV 123 causes the front of the front to be supplied by the third duty SV123 while the rear chamber 26b is supplied with a constant pressure from the converter relief valve 109 (see FIG. 2) via the lines 233 and 234. The operating pressure in the chamber 26a is adjusted by discharge or duty control. As a result, the lockup clutch 26 is controlled to be engaged or slipped.
[0080]
Further, in the fourth speed state, as shown in Table 2 and FIG. 8, in the third speed state, the third duty SV 123 stops generating the operating pressure, while the first on / off SV 111 operates.
[0081]
By the operation of the first on / off SV 111, a constant pressure from the line 201 is supplied to the relay valve 108 via the line 203. As described above, the spool of the relay valve 108 is moved to the left side at the third speed. Since it is moving, the constant pressure is supplied to the control port 105a of the 3-4 shift valve 105 via the line 205, and the spool of the valve 105 moves to the right.
[0082]
Therefore, the line 221 leading to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 and the line 220 branched from the line 219 leading to the forward clutch 41 are connected via the 3-4 shift valve 105, and the 2-4 brake 44 The release chamber 44b communicates with the hydraulic chamber of the forward clutch 41.
[0083]
Then, as described above, the third duty SV 123 stops generating the operating pressure and sets the downstream side to the drain state, so that the operating pressure in the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 and the hydraulic chamber of the forward clutch 41 is reduced. The third duty SV 123 is drained through the lock-up shift valve 106 and the line 228. Thereby, the 2-4 brake 44 is reengaged and the forward clutch 41 is released.
[0084]
Further, when the lockup clutch 26 is engaged in the state of the fourth speed, as shown in Table 2 and FIG. 9, as in the case of the third speed, the lockup shift valve is operated by operating the second on / off SV112. The 106 spool moves to the left. Accordingly, in the lockup clutch 26, the operating pressure in the front chamber 26 a is discharged by the third duty SV 123 while a constant pressure is supplied to the rear chamber 26 b via the lines 233 and 234. Duty control is performed, and the lockup clutch 26 is controlled to be engaged or slipped.
[0085]
In this fourth speed state, since the spool of the 3-4 shift valve 105 is positioned on the right side, the line 219 leading to the forward clutch 41 and the line 221 leading to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 are Is communicated via the line 220 to the lockup shift valve 106, but the lines 219 and 221 are positioned on the left side of the spool of the lockup shift valve 106 as described above. Furthermore, it is led to the 3-4 shift valve 105 via the line 218 and communicates with the drain port 105 b of the valve 105.
[0086]
Therefore, when the lockup clutch 26 is engaged in the fourth speed state, the forward clutch pressure and the servo release pressure are discharged from the drain port 105b of the 3-4 shift valve 105 from the state where the forward clutch pressure and the servo release pressure are discharged by the third duty SV123. Thus, the disengaged state of the forward clutch 41 and the engaged state of the 2-4 brake 44 are maintained.
[0087]
On the other hand, in the first speed of the L range, as shown in Table 2 and FIG. 10, the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first and third duty SVs 121 and 123 are operated and generated by the third duty SV123. The operating pressure is supplied as the forward clutch pressure to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the line 228, the lock-up shift valve 106 and the line 219, as in the first speed of the D range or the like, and the forward clutch 41 is engaged. The Further, at this time, the operating pressure is introduced into the first accumulator 141 through the line 220, the 3-4 shift valve 105 and the line 210, so that the forward clutch 41 is gradually engaged. The point is the same as the first speed of the D range or the like.
[0088]
Also, by the operation of the first on / off SV 111, pilot pressure is supplied to the control port 104a of the bypass valve 104 via the line 203, the relay valve 108, and the line 204, and the spool of the valve 104 moves to the left side. Accordingly, the operating pressure from the second on / off SV 112 is supplied to the control port 103a of the low reverse valve 103 via the line 206, the bypass valve 104 and the line 208, and the spool of the valve 103 moves to the left side. To do.
[0089]
Therefore, the operating pressure generated by the first duty SV 121 is supplied as the low reverse brake pressure to the hydraulic chamber of the low reverse brake 45 via the line 214, the low reverse valve 103, and the line 216. Thus, the low reverse brake 45 is engaged, and the first speed at which the engine brake operates is obtained.
[0090]
Further, in the R range, as shown in Table 2 and FIG. 11, the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first to third duty SVs 121 to 123 operate. However, since the supply of the original pressure from the second output line 212 is stopped by the manual valve 102 for the second and third duty SVs 122 and 123, no operating pressure is generated.
[0091]
In the R range, as described above, the first and second on / off SVs 111 and 112 are operated. Therefore, as in the case of the first speed in the L range, the spool of the bypass valve 104 moves to the left side. Accordingly, the spool of the low reverse valve 103 also moves to the left. In this state, an operating pressure is generated at the first duty SV 121 and supplied to the hydraulic chamber of the low reverse brake 45 as a low reverse brake pressure.
[0092]
On the other hand, in the R range, a line pressure is introduced from the manual valve 102 to the third output line 213, and this line pressure is applied to the reverse clutch via the low reverse valve 103 in which the spool moves to the left side as described above and the line 230. The hydraulic pressure chamber 42 is supplied as a reverse clutch pressure. Therefore, the reverse clutch 42 and the low reverse brake 45 are engaged.
[0093]
Next, fail-safe control by the controller 300 shown in FIG. 3, particularly fail-safe control for functional failures of the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first to third duty SVs 121 to 123 will be described.
[0094]
First, the configuration of each solenoid valve will be described. As shown in FIG. 12, the on / off SV 111 (same as the on / off SV 112) has an upstream (hydraulic power source side) port 111b on the end surface of the main body 111a and a downstream side on the circumferential surface. (Friction element side) A port 111c and a drain port 111d are provided, and the upstream port 111b and the downstream port 111c are disconnected to communicate with the drain port 111d. And a plunger 111f that switches between the upstream port 111b and the downstream port 111c through the ball member 111e so as to connect the drain port 111d. Furthermore, a spring 111g that urges the plunger 111f in a direction (direction a) that blocks the upstream port 111b and the downstream port 111c, and a direction opposite to the urging force of the spring 111g (b) A coil 111h for applying a direction electromagnetic force, and an ON / OFF signal is supplied as a control signal from the controller 300 to the coil 111h.
[0095]
Therefore, according to the on / off SV 111 (112), when the on / off signal is OFF (when no power is supplied), the plunger 111f is connected to the upstream port 111b and the downstream side by the urging force of the spring 111g as shown in the figure. The hydraulic fluid from the hydraulic power source side to the friction element side is stopped and the friction element side is drained, and the ON / OFF signal is turned ON to turn off the coil 111h. When energized, the plunger 111f moves in the direction b against the biasing force of the spring 111g by the electromagnetic force generated by the coil 111h, and the upstream port 111b and the downstream port 111c communicate with each other. The hydraulic oil from the hydraulic pressure source side is supplied to the friction element side.
[0096]
Further, as shown in FIG. 13, the duty SV121 (duty SV122, 123 is the same) includes an upstream side (hydraulic power source side) port 121b, a downstream side (friction element side) port 121c, and a peripheral surface of the main body 121a. The drain port 121d is provided, and when it moves in the c direction, the upstream port 121b communicates with the downstream port 121c to shut off the drain port 121d, and moves in the opposite d direction. In some cases, a plunger 121e is provided that allows the drain port 121d to communicate with the downstream port 121c to block the upstream port 121b. Furthermore, a spring 121f that urges the plunger 121e in the c direction and a coil 121g that applies an electromagnetic force to the plunger 121e in the d direction opposite to the urging force of the spring 121f when energized are provided. In addition, a duty signal that repeats ON and OFF at a constant cycle is supplied from the controller 300 as a control signal.
[0097]
When supplying the OFF signal of the duty signal, the plunger 121e moves in the direction c and the upstream port 121b communicates with the downstream port 121c, so that the hydraulic oil supplied to the friction element side is supplied. When the ON signal is supplied, the plunger 121e moves in the direction d, and the drain port 121d communicates with the downstream port 121c, so that the operation is supplied to the friction element side. The oil pressure is reduced.
[0098]
Therefore, according to the duty SV121 (122, 123), as described above, the smaller the duty ratio (the ratio of the ON time in the 1 ON-OFF cycle) is, the higher the operating pressure supplied to the friction element side is. The original pressure is supplied to the friction element side as it is at a rate of 0%, that is, in a completely OFF state.
[0099]
By the way, this type of solenoid valve 111, 112, 121-123 is caused by functional failure, that is, foreign object biting, etc., although the above-described on / off signal and duty signal are normally supplied from the controller 300. Due to mechanical failure such as plunger malfunction due to plunger stick or leak or spring breakage, hydraulic pressure supply / discharge operation and pressure adjustment operation may not be performed according to the control signal. , The gear stage that is output according to the operating state or the like cannot be obtained, or the lock-up clutch ON (engaged) or OFF (released) state does not follow the command, or the N range, etc. There is a risk that the engagement of the friction element during the switching operation from the non-travel range to the travel range such as the D range may not be performed as commanded. That.
[0100]
Therefore, the controller 300 determines whether or not the gear position matches the command, whether or not the state of the lockup clutch 26 matches the command, or whether or not the engagement operation is performed as instructed. Etc., and if it is not in accordance with the command, it is determined from the abnormal state which solenoid valve 111, 112, 121 to 123, what kind of malfunction has occurred, and Appropriate fail-safe control is performed according to the determination result.
[0101]
Here, the relationship between the malfunction of the solenoid valve and the abnormality of the gear stage and the lock-up clutch 26 caused thereby is as shown in Table 3 below.
[0102]
In Table 3, “OFF failure” for each solenoid valve is a functional failure that is in an OFF state even when the signal is ON. For the ON / OFF SVs 111 and 112, the friction element from the hydraulic power source side is used. That is, the operating pressure is not supplied to the side, and the duty SV 121 to 123 is a state in which the operating pressure is supplied from the hydraulic source side to the friction element side. The “ON failure” is a functional failure that is in an ON state even when the signal is OFF. For the ON / OFF SVs 111 and 112, the operating pressure is supplied from the hydraulic power source side to the friction element side. In other words, the duty SVs 121 to 123 are in a state where the operating pressure is not supplied from the hydraulic pressure source side to the friction element side.
[0103]
Further, in the following explanation, for example, a command for turning the gear stage to the fourth speed and the lock-up clutch 26 OFF is “four-speed command”, and a command for turning the gear stage to the fourth speed and the lock-up clutch 26 is turned “four-speed lock”. "Up command", etc., an abnormality that the actual gear is different from the command or becomes neutral is "gear failure", and an abnormality that causes the lock-up clutch 26 to turn OFF in response to an ON command. “Lockup OFF failure”, an abnormality that is turned ON in response to an OFF command is referred to as “lockup ON failure”, and an abnormality in which the engagement operation is not performed according to the command is referred to as “engage failure”.
[0104]
In addition, a case where no “gear failure”, “lock-up OFF failure”, “lock-up ON failure”, or “engagement failure” has occurred with respect to the “OFF failure” and “ON failure” of each solenoid valve. Table 4 shows the result of rewriting the contents of Table 3 with (×) indicating that any failure has occurred.
[0105]
[Table 3]
Figure 0004010051
[0106]
[Table 4]
Figure 0004010051
Here, the contents of Table 3 and Table 4 will be described in detail. First, when the first on / off SV 111 is in an OFF failure, a gear failure in which the gear stage becomes neutral at the time of the 4th speed command and a gear at the time of the 4th speed lockup command. A gear failure that causes the third gear to occur occurs.
[0107]
That is, in the state of the fourth speed shown in FIG. 8, when the first on / off SV 111 is turned off, the supply of pilot pressure from the lines 203 and 205 to the control port 105a of the 3-4 shift valve 105 is stopped, and the 3- The spool of the 4 shift valve 105 is positioned on the left side. Therefore, the 3-4 clutch pressure generated by the second duty SV 122 is increased from the line 225 through the 3-4 shift valve 105 and the line 221. It is supplied to the release chamber 44b of the four brakes 44. As a result, the 2-4 brake 44 is released, and the gear stage becomes neutral.
[0108]
Further, in the state of the fourth speed lock-up shown in FIG. 9, the first on / off SV 111 is turned off, and the supply of pilot pressure to the control port 105a of the 3-4 shift valve 105 is stopped as in the above case, When the spool of the 3-4 shift valve 105 is located on the left side, the 3-4 clutch pressure generated by the second duty SV 122 is supplied to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44, and the 2-4 brake 44 is In addition, the line pressure from the second output line 212 is supplied to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the 3-4 shift valve 105, the line 218, the lockup shift valve 106, and the line 219. 41 is fastened. As a result, the gear stage becomes the third speed different from the command.
[0109]
Further, when the first on / off SV 111 is turned on, a gear failure occurs in which the gear stage becomes the fourth speed when the third speed lock-up command is issued.
[0110]
That is, in the state of the third speed lockup shown in FIG. 7, when the first on / off SV 111 is turned on, the pilot pressure is supplied to the control port 105a of the 3-4 shift valve 105 via the line 203, the relay valve 108, and the line 205. Thus, the spool of the 3-4 shift valve 105 is located on the right side. Therefore, the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 and the hydraulic chamber of the forward clutch 41 communicate with each other via the line 221, the 3-4 shift valve 105, the line 220, and the line 219, and the operating pressure in both the chambers is The drain port 105b of the 3-4 shift valve 105 is drained through the lock-up shift valve 106 and the line 218. As a result, the forward clutch 41 is released at the same time as the 2-4 brake 44 is engaged. The stage is 4th speed different from the command.
[0111]
Further, when the second on / off SV 112 is in an OFF failure, a gear failure in which the gear stage is neutral at the time of the third speed lockup command and a lockup OFF failure in which the lockup clutch 26 is not engaged at the time of the fourth speed lockup command occur.
[0112]
That is, in the state of the third speed lockup shown in FIG. 7, when the second on / off SV 112 is turned off, the supply of pilot pressure from the line 206, the bypass valve 104 and the line 207 to the control port 106a of the lockup shift valve 106 is stopped. Thus, the spool of the lock-up shift valve 106 is positioned on the right side, so that the operating pressure in the hydraulic chamber of the forward clutch 41 is supplied to the third duty via the line 219, the lock-up shift valve 106, and the line 228. It will be drained at SV123. As a result, the forward clutch 41 is released and the gear position is neutral.
[0113]
Further, in the state of the fourth speed lock-up shown in FIG. 9, the second on / off SV 112 is turned off, and the supply of pilot pressure to the control port 106a of the lock-up shift valve 106 is stopped as in the above case, When the spool of the lockup shift valve 106 is positioned on the right side, a constant pressure from the line 233 is supplied to the front chamber 26a of the lockup clutch 26 via the lockup shift valve 106 and the line 229. As a result, the lock-up clutch 26 is released despite being an ON command.
[0114]
Further, when the second on / off SV 112 is turned on, a lock-up ON failure occurs in which the lock-up clutch 26 is engaged at the time of the fourth speed command.
[0115]
That is, in the state of the fourth speed shown in FIG. 8, when the second on / off SV 112 is turned on, the pilot pressure is supplied to the control port 106a of the lockup shift valve 106 via the line 206, the bypass valve 104 and the line 207, The spool of the lock-up shift valve 106 is positioned on the left side. Therefore, the constant pressure from the line 233 is supplied to the rear chamber 26b of the lockup clutch 26 via the lockup shift valve 106 and the line 234, and at the same time, the operating pressure of the front chamber 26a is changed to the line 229, lockup shift. The third duty SV 123 is drained through the valve 106 and the line 228. As a result, the lockup clutch 26 is in an engaged state different from the command.
[0116]
On the other hand, when the first duty SV 121 is in an OFF failure, a gear failure in which the gear stage becomes the second speed occurs at the time of the first speed command.
[0117]
That is, in the state of the first speed shown in FIG. 4, when the first duty SV121 is OFF (duty factor 0%), the line pressure is directly output from the first duty SV121 to the line 214, and this is output to the low reverse valve 103 and the line It is supplied to the apply chamber 44 a of the 2-4 brake 44 via 215. As a result, the 2-4 brake 44 is engaged and the gear stage becomes the second speed.
[0118]
In addition, when the first duty SV 121 is turned ON, a gear failure that causes the gear stage to become the first speed when the second speed command is issued, and a gear fault that causes the gear stage to be neutral when the fourth speed command and the fourth speed lockup command occur. .
[0119]
That is, in the state of the second speed shown in FIG. 5, when the first duty SV121 is ON (duty factor 100%), the line 214, the low reverse valve from the first duty SV121 is opposite to the case of the OFF failure. 103 and the operating pressure supplied to the apply chamber 44a of the 2-4 brake 44 via the line 215 is drained from the first duty SV121, so that the 2-4 brake 44 is released and the gear stage is set to the first speed. It becomes.
[0120]
Further, in the state of the fourth speed shown in FIG. 8 and the state of the fourth speed lockup shown in FIG. Since the supplied operating pressure is drained, the 2-4 brake 44 is released. In this case, since the forward clutch 41 is not engaged, the gear stage becomes neutral.
[0121]
Further, when the second duty SV 122 is in an OFF failure, a gear failure in which the gear stage becomes the third speed occurs at the time of the first speed command and the second speed command.
[0122]
That is, in the state of the first speed shown in FIG. 4, when the second duty SV122 is turned OFF, the line pressure is output from the second duty SV122 to the line 222, which is the low reverse valve 103, the line 224, the line 226, and the bypass valve. 104 and the line 227 are supplied to the hydraulic chamber of the 3-4 clutch 43. As a result, the 3-4 clutch 43 is engaged and the gear stage becomes the third speed.
[0123]
In the second speed state shown in FIG. 5, when the second duty SV122 is turned off, the line pressure output from the second duty SV122 is supplied to the 3-4 clutch 43 in the same manner. At the same time that the -4 clutch 43 is engaged, line pressure is further supplied from the line 225 to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 via the 3-4 shift valve 105 and the line 221, and the 2-4 brake 44 is released. As a result, in this case as well, the gear stage becomes the third speed.
[0124]
In addition, when the second duty SV 122 is ON-failed, the gear stage becomes 2nd when the 3rd speed command and 3rd speed lockup command are issued, and the gear stage becomes neutral when the 4th speed command and 4th speed lockup command are issued. Gear failure occurs.
[0125]
That is, in the state of the third speed shown in FIG. 6 and the state of the third speed lock-up shown in FIG. 7, when the second duty SV122 is turned on, the line is drawn from the second duty SV122, contrary to the case of the above-mentioned OFF failure. 222, the low reverse valve 103, the line 224, the line 226, the bypass valve 104, and the 3-4 clutch pressure supplied to the hydraulic chamber of the 3-4 clutch 43 via the line 227, and the lines 225, 3- The servo release pressure supplied to the release chamber 44b of the 2-4 brake 44 via the 4 shift valve 105 and the line 221 is drained from the second duty SV122. As a result, the 3-4 clutch 43 is released and at the same time the 2-4 brake 44 is engaged, so that the gear stage becomes the second speed.
[0126]
Further, in the state of the fourth speed shown in FIG. 8 and the state of the fourth speed lockup shown in FIG. 9, when the second duty SV122 is turned ON, the 3-4 clutch pressure is drained in the same manner as in the above case. However, in this case, since the forward clutch 41 is not engaged, the gear stage is neutral.
[0127]
Furthermore, when the third duty SV 121 is in an OFF failure, a gear failure in which the gear stage is set to the 3rd speed when the 4th speed command is issued, and a lockup OFF failure in which the lockup clutch 26 is not engaged when the 4th speed lockup command is issued.
[0128]
That is, in the state of the fourth speed shown in FIG. 8, when the third duty SV 123 is turned OFF, the line pressure is output as it is from the third duty SV 123 to the line 228, and this is forwarded through the lock-up shift valve 106 and the line 219. At the same time as being supplied to the hydraulic chamber of the clutch 41, it is also supplied from the line 219 to the release chamber 44 b of the 2-4 brake 44 via the line 220, the 3-4 shift valve 105 and the line 221. As a result, the 2-4 brake 44 is released at the same time as the forward clutch 41 is engaged, and the gear stage becomes the third speed.
[0129]
Further, in the state of the fourth speed lockup shown in FIG. 9, when the third duty SV123 is turned OFF, the front of the lockup clutch 26 is connected from the third duty SV123 via the line 228, the lockup shift valve 106 and the line 229. The line pressure is supplied to the chamber 26a, and as a result, the lock-up clutch 26 enters a released state different from the command.
[0130]
In addition, when the third duty SV 123 is turned ON, a neutral failure occurs in which the gear stage is neutral at the time of the 1st speed command, the 2nd speed command, and the 3rd speed command. An engagement failure occurs where the elements are not fastened.
[0131]
That is, when the third duty SV123 is turned on in the first speed state shown in FIG. 4, the second speed state shown in FIG. 5, and the third speed state shown in FIG. 6, the line 228 is locked from the third duty SV123. The operating pressure supplied to the hydraulic chamber of the forward clutch 41 via the shift valve 106 and the line 219 is drained from the third duty SV 123, or this operating pressure is not supplied to the hydraulic chamber of the forward clutch 41. . Therefore, the forward clutch 41 is disengaged or not engaged, the gear stage becomes neutral, or the start at the 1st to 3rd speeds becomes impossible due to an engagement failure.
[0132]
As described above, when a malfunction occurs in each solenoid valve, a gear failure, a lock-up OFF failure, a lock-up ON failure, and an engagement failure occur at each command according to the type and mode of the failed solenoid valve. However, from this, by detecting the presence or absence of gear failure, lock-up OFF failure, lock-up ON failure and engagement failure in relation to the type of command at that time, which solenoid valve functions in what mode Whether or not a failure has occurred can be determined.
[0133]
Therefore, the controller 300 described above detects the presence or absence of a gear failure, lock-up OFF failure, lock-up ON failure, and engagement failure at the time of output of each command, and the solenoid valve causing the functional failure and the mode of the failure And fail-safe control according to the specified result is performed.
[0134]
In that case, in order to specify the solenoid valve in which the functional failure has occurred, it is not necessary to detect the presence or absence of the gear failure or the like at all the command times shown in Table 4.
[0135]
For example, when a gear failure occurs in which the gear stage is in a state other than the first gear at the time of the first speed command, the causes are the OFF failure of the first duty SV121, the OFF failure of the second duty SV122, and the third duty SV123. Since there is an ON failure, it is not possible to identify a solenoid valve that has caused a functional failure only by detecting a gear failure at the time of the first speed command. However, if a gear failure does not occur at the time of the second speed command, The cause of the first-speed gear failure can be specified as an OFF failure of the first duty SV 121. If a gear failure has occurred even at the second-speed command, but not at the third-speed command, the cause of the first-speed gear failure is the first. It can be identified as an OFF failure of the 2-duty SV122.
[0136]
In this way, it is possible to specify which solenoid valve has caused what kind of functional failure only by detecting the presence of gear failure, lock-up OFF / ON failure, or engagement failure at the time of some commands. Therefore, the controller 300 described above detects the presence or absence of a gear failure as a condition for specifying the solenoid valve in which the functional failure has occurred, by narrowing down as few as possible types of commands, and has already failed. In the state where the solenoid valve is specified, wasteful detection of a gear failure or the like unnecessarily is avoided.
[0137]
In particular, since it is output only at high vehicle speeds, the presence or absence of a gear failure or the like at the time of outputting a 4-speed lockup command with a low output frequency is indispensable as a condition for identifying the solenoid valve that has caused the functional failure Thus, it is possible to detect the failure of the solenoid valve accurately and promptly.
[0138]
From this point of view, in this embodiment, among the presence / absence of gear failure at the time of each command shown in Table 4, only those shown in Table 5 are used as conditions for determining the failure of the solenoid valve. Is set to
[0139]
As for the gear failure at the time of the 4-speed command, it is determined whether the gear failure becomes neutral or the third-speed gear failure. In order to distinguish between the OFF failure of the first on / off SV 111 and the OFF failure of the third duty SV 123, it is necessary to distinguish whether the fourth speed gear failure is a neutral gear failure or a third gear failure. Because there is.
[0140]
In addition, the gear failure at the 1st to 3rd speed command due to the ON failure of the third duty SV 123 becomes neutral, and as described above, there are a case of a gear failure and a case of an engagement failure. There is.
[0141]
For other gear failures shown in Table 5, it is determined only whether the actual gear stage matches or differs from the command. At the time of 3rd speed command and 3rd speed lockup command, no lockup ON failure or lockup OFF failure will occur if any solenoid valve fails, so lockup ON failure under these commands Also, the lockup OFF failure is not determined.
[0142]
[Table 5]
Figure 0004010051
The solenoid valve functional failure determination control and the fail-safe control according to the result will be specifically described below according to a flowchart showing the operation of the controller 300.
[0143]
First, the main program for failure determination control will be described with reference to the flowchart shown in FIG. 14. First, in step S1 of this program, the controller 300 determines whether or not it is immediately after the battery power is turned on. In step S2, all KAM (keep alive memory) flags used in the following control are reset.
[0144]
Here, the KAM flag is a flag that retains the stored contents even when the ignition switch is turned off, and is reset only immediately after the battery power is turned on as described above.
[0145]
As the KAM flag, in the following control, the first DCKAM flags XOS1OF1k, XOS2OF1k, XDS1OF1k to XDS3OF1k for the first and second on / off SVs 111 and 112 and the first to third duty SVs 121 to 123 are also ON failure. First DCKAM flags XOS1ON1k, XOS2ON1k, XDS1ON1k to XDS3ON1k, second DCKAM flags XOS1OF2k, XOS2OF2k, XDS1OF2k to XDS3OF2k, and second DCKAM flags XOS2ON2X, All flags are reset.
[0146]
“DC” is an abbreviation of “driving cycle” and means the period from when the ignition switch is turned on until the switch is turned off. The “1k” at the end of each flag name is set in the first driving cycle. "2k" indicates a KAM flag that is set in the second driving cycle.
[0147]
Next, in step S3, it is determined whether or not it is immediately after the ignition switch is turned on. If it is immediately after that, that is, immediately after the above driving cycle is newly started, step S4 is executed, and the following control is performed. Reset all failure and normal flags used in.
[0148]
Here, as the flags to be reset in this step S4, gear failure flags XGR1f to XGR3f, XGR4Nf, XGR43f, lockup OFF failure flag XLOFf, lockup ON failure flag XLONf, engagement failure flag XENf for each gear stage, Gear normal flags XGR1s to XGR4s for each gear stage, lockup OFF normal flag XLOFs, lockup ON normal flag XLONs, engage normal flag XENs, and first, second on / off SV111, 112 and first to third duty SV121-123 There are OFF failure flags XOS1OFf, XOS2OFf, XDS1OFf to XDS3OFf, and ON failure flags XOS1ONf, XOS2ONf, XDS1ONf to XDS3ONf.
[0149]
Note that “f” at the end of each flag name indicates a failure flag, and “s” indicates a normal flag.
[0150]
In step S5, based on the signals from the sensors and switches 301 to 307 shown in FIG. 3, the vehicle speed VEL, the throttle opening TVO, the engine speed ESPD, the range selected by the shift lever, In addition to performing input processing for reading various values relating to the operating state such as the turbine rotational speed TREV, which is the input rotational speed, the output rotational speed OREV of the transmission gear mechanism 30, and the oil temperature TMP of the hydraulic oil, in steps S6 and S7, Based on, for example, the vehicle speed VEL and the throttle opening TVO among the values, a shift control for switching the gear stage according to a program set in advance for each range and an ON / OFF control of the lockup clutch 26 are performed.
[0151]
Next, in step S8, the controller 300 determines whether or not all the normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are set.
[0152]
When all of these normal flags are set, that is, when it is determined that all of the following failure and normality determination controls are normal, the process returns to step S1 without executing the subsequent control. However, since these normal flags are reset immediately after the ignition switch is turned on in step S4, until each normal flag is set in the following determination control for each driving cycle, the next step S9 Will be executed.
[0153]
In step S9, it is determined whether any one of the solenoid failure flags XOS1OFf, XOS2OFf, XDS1OFf to XDS3OFf, XOS1ONf, XOS2ONf, XDS1ONf to XDS3ONf is set.
[0154]
When at least one of these failure flags is set, fail-safe control described later is executed, but these failure flags are also reset immediately after turning on the ignition switch in step S4. Therefore, all are in a reset state until a failure of any solenoid valve is determined by solenoid function failure determination control to be described later. Therefore, step S10 and subsequent steps are executed next.
[0155]
That is, in step S10, it is determined whether the oil temperature TMP is lower than the predetermined oil temperature KTP1, and in step S11, the transmission is in a shifting operation or, for example, from the neutral state in accordance with the operation from the N range to the D range. It is determined whether or not the engagement operation for shifting to the running state is in progress, and when the oil temperature TMP is equal to or higher than the predetermined oil temperature KTP1 and the transmission is not in the shifting operation or the engaging operation, in other words, the transmission is stable. When the vehicle is in the state, it is determined in step S12 whether or not the vehicle speed VEL is equal to or higher than a predetermined vehicle speed KVL1.
[0156]
When VEL ≧ KVL1, that is, when the vehicle is traveling at a speed higher than the minimum vehicle speed necessary for accurately performing the following control such as gear failure or normality, the gear stage is set in steps S13, S14, and S15. Lockup to determine whether there is a gear failure that determines whether the gear is in command, normality determination control, or a lockup OFF failure that causes the lockup clutch 26 to be in an OFF state with respect to the ON command OFF failure, normality determination control, and lockup ON failure, normality determination control for determining whether or not a lockup ON failure in which the lockup clutch 26 is turned on in response to an OFF command have occurred.
[0157]
On the other hand, when the vehicle speed VEL is lower than the predetermined vehicle speed KVL1 or when the vehicle speed is low, it is determined in step S16 whether or not the engagement normal flag XENs is set. Since this flag is reset in step S4 immediately after the ignition switch is turned on, initially, steps S16 to S17 are executed to determine whether or not an engagement operation abnormality has occurred. Take control.
[0158]
Then, based on the result of each failure and normality determination control described above, solenoid function failure determination control is performed in step S18 to determine whether or not the solenoid valve has a function failure. In step S19, fail-safe control corresponding to the result is performed. Do.
[0159]
If it is determined in step S16 that the engagement normal flag XENs is set, then step S20 is executed, and vehicle speed sensor failure determination control for determining whether or not the vehicle speed sensor 301 has failed is shown in FIG. Do.
[0160]
In other words, this vehicle speed sensor failure determination control determines that a failure occurs when the output of the vehicle speed sensor 301 is 0 even though the vehicle is traveling, so that a correct result can be obtained even when the vehicle is stopped. Therefore, in the engagement failure / normality determination control, when it is determined that the engagement operation is not performed correctly and the vehicle cannot run, the vehicle speed sensor failure determination control is not performed and the determination is made in such a state. It is designed to prevent misjudgment caused by doing. Thereby, each control described below using the output of the vehicle speed sensor 301, the shift control of the automatic transmission, the lock-up control, and the like are performed satisfactorily.
[0161]
When it is determined that all faults and normality control in steps S13 to S15 and step S17 are all normal and all normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are set, the driving cycle is performed as described above. Then, the operation is terminated in step S8, and thereafter, the failure / normal determination control is not performed. This is to prevent erroneous determination when the failure / normal determination control is performed thereafter.
[0162]
That is, after all normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are set, for example, when a gear failure occurs at the first speed and the first speed gear failure flag XGR1f is set by the gear failure / normality determination control, As apparent from FIG. 5, the gear failure may be caused by an OFF failure of the first duty SV121, an OFF failure of the second duty SV122, or an ON failure of the third duty SV123. Since the normal flags XGR2s to XGR4s are still set, it is immediately determined that an OFF failure has occurred in the first duty SV 121, which may cause an erroneous determination. Therefore, once all the normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are set, after that, in the driving cycle, the failure / normality determination control is prohibited to prevent the erroneous determination as described above. It is.
[0163]
Further, as described above, even before all of the normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are set, based on the results of the respective failure and normality determination control in steps S13 to S15 and step S17, in step S18. If any one of the solenoid failure flags XOS1OFf, XOS2OFf, XDS1OFf to XDS3OFf, XOS1ONf, XOS2ONf, XDS1ONf to XDS3ONf is set, then the failure / normality determination control is prohibited in the driving cycle, and as described above, step S9. Then, the fail-safe control in step S19 is performed immediately.
[0164]
This is because if a malfunction of one of the solenoid valves occurs, a correct determination cannot be expected even if a failure of the other solenoid valve is determined in that state. If the failure determination flag for is set, the failure / normality determination control is not performed thereafter in the driving cycle to prevent erroneous determination.
[0165]
Next, specific operations of each determination control in the main program will be sequentially described.
[0166]
First, the gear failure / normality determination control in step S13 of the main program is performed according to the program shown in the flowcharts of FIGS. 15 and 16, in which the controller 300, in step S31, the turbine speed TREV and the output speed. The current gear ratio GR (= TREV / OREV) is calculated from OREV, and first, a gear failure determination is performed.
[0167]
That is, in steps S32 to S34, it is determined which of the 1st to 4th gears is currently being outputted. When the first speed command is issued, steps S32 to S35 to S39 are executed. First, in step S35, it is confirmed that the throttle opening TVO is larger than a relatively small predetermined opening KTV0 and the turbine speed TREV and the like are stable. In step S36, it is determined whether or not the gear ratio GR is smaller than the first predetermined gear ratio KG1 set to an intermediate value between the first gear ratio G1 and the second gear ratio G2.
[0168]
Here, as shown in FIG. 17, the gear ratio GR is smaller than the first predetermined gear ratio KG1 (high gear stage side), although the gear shift command is the first gear, the actual gear ratio GR. Is a gear ratio corresponding to 2nd to 4th gears, and a gear failure has occurred.
[0169]
In this case, the value of the gear failure timer TGf is incremented by 1 in step S37, and when it is determined in step S38 that the value is equal to or greater than the predetermined value TG1, that is, the gear ratio as described above is set. When the abnormality continues for a predetermined time, the first speed failure flag XGR1f is set in step S39, and at the same time, the first speed normal flag XGR1s is reset.
[0170]
When the throttle opening TVO is equal to or smaller than the predetermined opening KTV0, and when the gear ratio GR is not smaller than the first predetermined gear ratio KG1, the steps S35 or S36 to S40 are executed to set the gear failure timer TGf. After resetting, the normal gear determination control described later is performed. Further, when the gear ratio GR is smaller than the first predetermined gear ratio KG1, the timer TGf is not reset in step S40 until the value of the gear failure timer TGf reaches the predetermined value TG1. Repeat control.
[0171]
When the second speed command is issued, steps S33 to S41 to S44 are executed. First, in step S41, whether or not the gear ratio GR is larger than the first predetermined gear ratio KG1, or the second speed gear ratios G2 and 3 are set. It is determined whether or not the speed is smaller than the second predetermined gear ratio KG2 set to an intermediate value of the speed gear ratio G3.
[0172]
Here, as shown in FIG. 18, when the gear ratio GR becomes larger than the first predetermined gear ratio KG1 (on the low gear stage side), the actual gear ratio GR does not change even though the shift command is the second speed. This is the case where the gear ratio corresponds to the first speed, and the gear ratio corresponding to the third to fourth speed is that the actual gear ratio GR is smaller than the second predetermined gear ratio KG2 (high gear stage side). In any case, a gear failure has occurred.
[0173]
In this case, the value of the gear failure timer TGf is incremented by 1 in step S42, and when it is determined in step S43 that the value is equal to or greater than the predetermined value TG2, that is, the gear ratio as described above is set. When the abnormality continues for a predetermined time, the second speed failure flag XGR2f is set in step S44, and at the same time, the second speed normal flag XGR2s is reset.
[0174]
When the gear ratio GR is not larger than the first predetermined gear ratio KG1 and not smaller than the second predetermined gear ratio KG2, the steps S41 to S40 are executed to reset the gear failure timer TGf, Gear normality determination control described later is performed. When the gear ratio GR is larger than the first predetermined gear ratio KG1 or smaller than the second predetermined gear ratio KG2, the timer TGf in step S40 is used until the value of the gear failure timer TGf reaches the predetermined value TG2. The above control is repeated without resetting.
[0175]
Also, at the time of the third speed command, steps S34 to S45 to S48 are executed. First, at step S45, whether or not the gear ratio GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 or the third speed gear ratios G3 and G4. It is determined whether or not it is smaller than a third predetermined gear ratio KG3 set to an intermediate value of the speed gear ratio G4.
[0176]
Here, as shown in FIG. 19, the gear ratio GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 (on the low gear stage side), although the shift command is the third speed, the actual gear ratio GR is This is a case where the gear ratio corresponds to the 1st to 2nd speeds, and is smaller than the third predetermined gear ratio KG3 (on the high gear stage side), the actual gear ratio GR corresponds to the 4th speed. In any case, a gear failure has occurred.
[0177]
Also in this case, as in the case of the second speed command, the value of the gear failure timer TGf is incremented by 1 in step S46, and it is determined in step S47 that the value is equal to or greater than the predetermined value TG3. When the gear ratio abnormality as described above continues for a predetermined time, the third speed failure flag XGR3f is set in step S48, and the third speed normal flag XGR3s is reset at the same time.
[0178]
In this case as well, when the gear ratio GR is not larger than the second predetermined gear ratio KG2 and not smaller than the third predetermined gear ratio KG3, the steps S45 to S40 are executed to set the gear failure timer TGf. After resetting, the normal gear determination control described later is performed. When the gear ratio GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 or smaller than the third predetermined gear ratio KG3, the timer TGf in step S40 is used until the value of the gear failure timer TGf reaches the predetermined value TG3. The above control is repeated without resetting.
[0179]
Further, at the time of the fourth speed command, steps S34 to S49 are executed to determine whether the gear ratio GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 or a value smaller than the fourth gear ratio. It is determined whether or not the gear ratio KG4 is smaller.
[0180]
Here, as described above, the gear failure at the time of the fourth speed command includes the case where the gear stage is in the neutral state and the case where the gear ratio is the third speed. As shown in FIG. If GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 (low gear position side) or smaller than the fourth predetermined gear ratio KG4 (high gear speed side), the 4-speed neutral fault that causes the gear stage to be in a neutral state Is occurring.
[0181]
In this case, the value of the gear failure timer TGf is incremented by 1 in step S50, and when it is determined in step S51 that the value has become equal to or greater than the predetermined value TG4, that is, the gear ratio abnormality as described above is predetermined. When the time continues, the 4-speed neutral failure flag XGR4Nf is set in step S52, and the 4-speed normal flag XGR4s is reset at the same time.
[0182]
On the other hand, if it is determined in step S49 that the gear ratio GR is not larger than the second predetermined gear ratio KG2 and not smaller than the fourth predetermined gear ratio KG4, then step S53 is executed, The ratio GR has a third gear ratio upper limit value KG3L (G3 + α3L) and a third gear ratio lower limit value KG3H (G3) set with predetermined deviations α3L and α3H on the low gear stage side and the high gear stage side of the gear ratio G3 of the third gear, respectively. -Α3H) is determined. Here, these predetermined deviations α3L and α3H are used for normal determination at the time of the third speed command in the control of normal gear determination described later.
[0183]
Then, when the gear ratio GR is between the upper limit value KG3L and the lower limit value KG3H, that is, the gear ratio GR becomes a value corresponding to the third speed even though the shift command is the fourth speed, the fourth speed and the third speed. If a failure has occurred, the value of the gear failure timer TGf is incremented by 1 in step S54, and when it is determined in step S55 that the value has exceeded a predetermined value TG5, that is, the gear as described above. When the ratio abnormality continues for a predetermined time, the 4-speed 3-speed failure flag XGR43f is set in step S56, and at the same time, the 4-speed normal flag XGR4s is reset.
[0184]
In these cases also, the gear ratio GR is not larger than the second predetermined gear ratio KG2 and not smaller than the fourth predetermined gear ratio KG4, and between the upper limit value KG3L and the lower limit value KG3H of the third gear ratio. If not, the above steps S53 to S40 are executed to reset the gear failure timer TGf, and then gear normality determination control described later is performed. When the gear ratio GR is larger than the second predetermined gear ratio KG2 or smaller than the fourth predetermined gear ratio KG4, or when the gear ratio GR is between the third speed gear ratio upper limit value KG3L and the third speed gear ratio lower limit value KG3H, Until the value of the gear failure timer TGf reaches the predetermined value TG4 or TG5, the above control is repeated without resetting the timer TGf in step S40.
[0185]
Here, the gear failure timer TGf is reset when the shift command is switched even during the counting up.
[0186]
As described above, whether or not there is a gear failure is determined based on whether or not the gear ratio matches the gear ratio of the commanded gear stage. If a gear failure occurs, the gear failure flag for the gear stage is set. At the same time, the gear failure flag is reset. Then, in step S57, the controller 300 determines whether or not the gear failure has occurred first after the ignition switch is turned on. If it is the first, the controller 300 determines in step S58 that all of the gear failures have occurred. After the normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs are once reset, gear normality determination in step S59 and after is performed.
[0187]
The reason why the processes of steps S57 and S58 are performed will be described in detail later.
[0188]
In determining whether the gear is normal, first, in steps S59, S60, and S61, it is determined which of the 1st to 4th gears is currently being output. At the time of the first speed command, steps S59 to S62 to S66 are executed. First, in step S62, it is confirmed that the throttle opening TVO is larger than the predetermined opening KTV0 and the turbine speed TREV is stable. In step S63, the gear ratio GR is set to a first gear ratio upper limit value set with predetermined deviations α1L and α1H on the low gear stage side and the high gear stage side of the first gear ratio G1, as shown in FIG. It is determined whether or not it is between KG1L (G1 + α1L) and the first speed gear ratio lower limit KG1H (G1−α1H).
[0189]
If it is between the upper limit value KG1L and the lower limit value KG1H, it is determined that the gear ratio GR is normal, the value of the gear normal timer TGs is incremented by 1 in step S64, and the value is determined in step S65. When it is determined that the value is equal to or greater than the predetermined value TG6, that is, when the normal state of the gear ratio continues for a predetermined time, the first speed normal flag XGR1s is set in step S66.
[0190]
Here, the deviation α1H on the high gear stage side is smaller than the difference (deviation β1H) between the first gear ratio G1 and the first predetermined gear ratio KG1 for determining a gear failure. A dead zone in which neither failure determination nor normality determination is performed is set on the high gear stage side of the ratio G1.
[0191]
When the throttle opening TVO is equal to or smaller than the predetermined opening KTV0 and when the gear ratio GR is not between the upper limit value KG1L and the lower limit value KG1H, the above described steps S62 or S63 to step S67 are executed to perform normal gear operation. Reset timer TGs. Further, when the gear ratio GR is between the upper limit value KG1L and the lower limit value KG1H, the timer TGs is not reset in step S67 until the value of the gear normal timer TGs reaches the predetermined value TG6. Repeat the above control.
[0192]
When the second speed command is issued, steps S60 to S68 to S71 are executed. First, in step S68, as shown in FIG. 18, the gear ratio GR is set to the low gear position and the high gear position of the second gear ratio G2. It is determined whether or not the second speed gear ratio upper limit value KG2L (G2 + α2L) and the second speed gear ratio lower limit value KG2H (G2−α2H) set with predetermined deviations α2L and α2H, respectively.
[0193]
When it is between the upper limit value KG2L and the lower limit value KG2H, it is determined that the gear ratio GR is normal. In step S69, the value of the gear normal timer TGs is incremented by one, and in step S70, the value is predetermined. When it is determined that the value is equal to or greater than TG7, that is, when the normal state of the gear ratio continues for a predetermined time, the second speed normal flag XGR2s is set in step S71.
[0194]
Here, the deviations α2L and α2H on the low gear stage side and the high gear stage side are the differences between the gear ratio G2 of the second speed and the first predetermined gear ratio KG1 and the second predetermined gear ratio KG2 for determining a gear failure. (Deviation β2L, β2H), and therefore, a dead zone in which neither a failure determination nor a normal determination is performed is set on the low shift speed side and the high shift speed side of the second gear ratio G2. Become.
[0195]
When the gear ratio GR is not between the upper limit value KG2L and the lower limit value KG2H, the steps S68 to S67 are executed to reset the gear normal timer TGs. Further, when the gear ratio GR is between the upper limit value KG2L and the lower limit value KG2H, the timer TGs is not reset in step S67 until the value of the gear normal timer TGs reaches the predetermined value TG7. Repeat the above control.
[0196]
Further, at the time of the third speed command, steps S61 to S72 to S75 are executed. First, at step S72, the gear ratio GR is set to the low gear position side and the high gear position of the third gear ratio G3 as shown in FIG. It is determined whether or not the third gear ratio upper limit value KG3L (G3 + α3L) and the third gear ratio lower limit value KG3H (G3−α3H) set with predetermined deviations α3L and α3H respectively.
[0197]
When it is between the upper limit value KG3L and the lower limit value KG3H, it is determined that the gear ratio GR is normal. In step S73, the value of the gear normal timer TGs is incremented by one, and in step S74, the value is predetermined. When it is determined that the value is equal to or greater than TG8, that is, when the normal state of the gear ratio continues for a predetermined time, the second speed normal flag XGR2s is set in step S71.
[0198]
Here, also in the case of the third speed, the deviations α3L and α3H on the low gear stage side and the high gear stage side are the third gear ratio G3 and the second predetermined gear ratio KG2 and the third gear ratio for gear failure determination. A dead zone in which neither a failure determination nor a normal determination is made on the low gear and high gear sides of the third gear ratio G3, which is smaller than the difference (deviations β3L, β3H) from the predetermined gear ratio KG3. Is set.
[0199]
When the gear ratio GR is not between the upper limit value KG3L and the lower limit value KG3H, the steps S72 to S67 are executed to reset the gear normal timer TGs. Further, when the gear ratio GR is between the upper limit value KG3L and the lower limit value KG3H, the timer TGs is not reset in step S67 until the value of the gear normal timer TGs reaches the predetermined value TG8. Repeat the above control.
[0200]
Further, at the time of the fourth speed command, steps S61 to S76 to S79 are executed, and first, at step S76, the gear ratio GR is set to the low gear position side and the high gear position of the fourth gear ratio G4 as shown in FIG. It is determined whether or not it is between the fourth speed gear ratio upper limit value KG4L (G4 + α4L) and the fourth speed gear ratio lower limit value KG4H (G4-α4H) set with predetermined deviations α4L and α4H, respectively.
[0201]
When it is between the upper limit value KG4L and the lower limit value KG4H, it is determined that the gear ratio GR is normal. In step S77, the value of the gear normal timer TGs is incremented by one, and in step S78, the value is set to a predetermined value. When it is determined that the value is equal to or greater than TG9, that is, when the normal state of the gear ratio continues for a predetermined time, the 4-speed normal flag XGR4s is set in step S79.
[0202]
Here, in the case of the fourth speed, the above-described deviation α4H on the high gear stage is based on the difference (deviation β4H) between the gear ratio G4 of the fourth speed and the fourth predetermined gear ratio KG4 for determining the fourth speed neutral failure. Therefore, a dead zone in which neither failure determination nor normality determination is performed is set on the high gear position side of the fourth gear ratio G4. Further, the deviation α4L on the low gear stage side is smaller than the difference (deviation β4L) between the fourth gear ratio G4 and the third gear ratio lower limit KG3H (G3−α3H) for determining the fourth gear third gear failure, Therefore, a dead zone in which neither failure determination nor normality determination is performed is set on the low gear position side of the fourth gear ratio G4. As a result, for the 4th speed, a dead zone is set between each of the determination areas of the 4th speed neutral failure, 4th speed 3rd speed failure, and normal.
[0203]
In this case as well, when the gear ratio GR is not between the upper limit value KG4L and the lower limit value KG4H, step S76 to step S67 are executed to reset the gear normal timer TGs. Further, when the gear ratio GR is between the upper limit value KG4L and the lower limit value KG4H, the timer TGs in step S67 is not reset until the value of the gear normal timer TGs reaches the predetermined value TG9. Repeat the above control.
[0204]
Here, the gear normal timer TGs is reset when the shift command is switched even during the counting up.
[0205]
As described above, the gear failure and normal determination are made for each of the first to fourth gears, and all of the gear failure flags XGR1f to XGR3f, XGR4Nf, XGR43f, and the gear normal flags XGR1s to XGR4s are all determined. It will be set or reset.
[0206]
In that case, regarding the gear failure / normality determination at the 1st to 3rd speed command, a dead zone is provided between the gear ratio region for failure determination and the gear ratio region for normal determination, and Regarding the gear failure / normality determination at the time of the 4-speed command, the gear ratio region for the 4-speed neutral failure determination, the gear ratio region for the 4-speed 3-speed failure determination, and the gear ratio for the normal determination A dead zone is provided between each of the two regions, and accordingly, depending on the value of the gear ratio GR, neither failure determination nor normal determination may be performed.
[0207]
That is, the failure determination is performed only when the deviation of the actual gear ratio (GR) with respect to the target gear ratio is considerably large or close to the gear ratio of the gear stage different from the gear change command at that time, and the normal determination is performed. This is performed only when the deviation of the actual gear ratio from the target gear ratio is very small, so that it is not possible to determine which gear stage the gear ratio is due to, for example, slip of a friction element. The state and the gear failure in which the gear stage is different from the command due to the malfunction of the solenoid valve are distinguished from each other, and erroneous determination of the gear failure is surely prevented. Accordingly, an erroneous determination of a malfunction of a solenoid valve by a program to be described later is avoided, and failsafe control is correctly performed.
[0208]
In this embodiment, as described above, the predetermined deviations α3L and α3H with respect to the third speed gear ratio G3 for determining the fourth speed and third speed failure at the time of the fourth speed command are used for determining the normality at the time of the third speed command. Since it is also used as the predetermined deviation, the deviation for different determinations is made common, thereby reducing the memory capacity and simplifying the control operation.
[0209]
Here, the reason why the processes of steps S57 and S58 are executed will be described. As described above, when all the normal flags XGR1s to XGR3s, XLOFs, XLONs, and XENs are set, the control is performed in step S8 of the main program. Before that, if a gear failure occurs, for example, at the first speed with some normal flags set, as described above, the cause of the gear failure is as follows. There is a possibility of an OFF failure of the duty SV121, an OFF failure of the second duty SV122, and an ON failure of the third duty SV123. For example, the normal flags XGR2s to XGR4s for the 2nd to 4th speeds are set before this failure determination. If the first duty SV121 is OFF only by the occurrence of a gear failure at the first speed, It would determine that the occurrence possibility of erroneous determination occurs.
[0210]
Therefore, in such a case, it is necessary to once reset the normal flag that has been set and perform control such as a gear failure or normality determination again to determine which solenoid valve malfunction has occurred. For this reason, all the normal flags are temporarily reset when the first gear failure is determined in steps S57 and S58.
[0211]
Next, the lockup OFF failure and normality determination control in step S14 of the main program shown in FIG. 14 will be described.
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 21. First, the controller 300 determines in step S81 whether or not the range currently selected by the driver is the D range. In step S82, the slip rotational speed SLP (= ESPD-TREV) of the lockup clutch 26 is calculated from the engine rotational speed ESPD and the turbine rotational speed TREV.
[0212]
Next, in step S83, it is determined whether or not a lockup ON command for instructing that the lockup clutch 26 should be engaged is output. If this ON command is output, the slip is determined in step S84. It is determined whether or not the rotational speed SLP is greater than the first predetermined rotational speed KSP1.
[0213]
Then, as shown in FIG. 22, when SLP> KSP1, that is, when the slip rotation speed SLP of the lockup clutch 26 is relatively large, the lockup clutch 26 is in a released state against the ON command. When it is determined that an OFF failure has occurred and the lock-up OFF failure timer TLFf is incremented by 1 in step S85, and when it is determined in step S86 that the value has become equal to or greater than the predetermined value TLF1, that is, lock When the up-off failure state continues for a predetermined time, the lock-up OFF failure flag XLOFf is set in step S87.
[0214]
On the other hand, if it is determined in step S84 that the slip rotation speed SLP is equal to or less than the first predetermined rotation speed KSP1, the lockup OFF failure timer TLOFf is reset in step S88, and then the slip rotation speed SLP in step S89. Is determined to be smaller than the second predetermined rotational speed KSP2 having a value smaller than the first predetermined rotational speed KSP1 for determining the lockup OFF failure.
[0215]
As shown in FIG. 22, when SLP <KSP2, that is, when the slip rotation speed SPL is sufficiently small, it is determined that the lock-up clutch 26 is in the engaged state according to the lock-up ON command, and then step S90 In step S91, the lockup OFF normal timer TLOFs is counted up one by one, and when it is determined in step S91 that the value is equal to or greater than the predetermined value TLF2, that is, when the normal state of the lockup clutch 26 continues for a predetermined time. In step S92, the lockup OFF failure flag XLOFf is reset, and simultaneously the lockup OFF normal flag XLOFs is set.
[0216]
Here, “normally lock-up OFF” means that the lock-up ON command is correctly ON without causing an OFF failure.
[0217]
Furthermore, when it is determined in step S89 that the slip rotation speed SLP is equal to or greater than the second predetermined rotation speed KSP2, the lockup OFF normal timer TLOFs is reset in step S93. In this case, both the lock-up OFF failure timer TLOFf and the normal timer TLOFs are reset.
[0218]
That is, as shown in FIG. 22, in the region of the slip rotation speed SLP, between the first predetermined rotation speed KSP1 for determining the lockup OFF failure and the second predetermined rotation speed KSP2 for determining the lockup OFF normality. Is provided with a dead zone in which both the lockup OFF failure timer TLOFf and the normal timer TLOFs are not counted up, and the failure determination is made only when the slip rotation speed SLP becomes larger than the dead zone. The normality judgment is made only when the number SLP becomes smaller than the dead zone.
[0219]
Thus, both the lockup OFF failure determination and the normality determination are performed with high accuracy, and the normality determination is performed in the vicinity of the predetermined value as in the case where the failure and the normality are determined before and after one predetermined value of the slip rotation speed SLP. Control hunting in which failure determination is repeatedly performed is prevented, and as a result, failure determination of the solenoid valve based on the determination result or fail-safe control for coping with this failure is performed well.
[0220]
Next, the lockup ON failure / normality determination control in step S15 of the main program shown in FIG. 14 will be described.
[0221]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 23. First, the controller 300 sets in step S101 and S102 whether or not a 4-speed gear shift command is output, and a 4-speed gear normal flag XGR4s is set. If the 4-speed command is output and no 4-speed gear failure has occurred, that is, if no gear stage abnormality has occurred in the 4-speed state, the next step is In S103, it is determined whether or not a lockup OFF command is output. If this command is output, the following lockup ON failure / normality determination control is executed.
[0222]
Here, the reason why the lockup ON failure and normal determination control is performed only at the time of the fourth speed command is that the lockup ON failure does not occur in other gear stages depending on the functional failure of the solenoid valve.
[0223]
In addition, when the 4-speed gear normal flag XGR4s is set, the slip amount is reduced even when the lock-up clutch 26 is released when a 4-speed gear failure, particularly a 4-speed neutral failure has occurred. This is because it is not so large that it may be erroneously determined that an ON failure has occurred.
[0224]
If the 4th speed command is output and the 4th speed gear normal flag XGR4s is set, and if the lockup OFF command is output, the controller 300 next proceeds to step S104 in step S104. The slip rotation speed SLP (= ESPD−TREV) of the lockup clutch 26 is calculated from the ESPD and the turbine rotation speed TREV, and it is determined in step S105 whether or not the absolute value of the slip rotation speed SLP is smaller than the predetermined rotation speed KSP3. To do.
[0225]
The predetermined rotational speed KSP3 is a rotational speed that is considered to be engaged when the slip rotational speed SLP of the lockup clutch 26 is smaller than this, and therefore, as shown in FIG. When | SLP | <KSP3 at the time of command, it is determined that a lock-up ON failure has occurred in principle. In step S106, the lockup ON normal timer TLONs is reset, and then the control at the time of lockup ON failure is executed.
[0226]
That is, in steps S107, S108, and S109, it is determined whether or not the throttle opening TVO is larger than the first predetermined opening KTV1, and when the throttle opening TVO is equal to or smaller than the first predetermined opening KTV1, the second predetermined opening smaller than this. It is determined whether or not it is larger than KTV2, and if it is equal to or smaller than the second predetermined opening KTV2, it is determined whether or not it is fully closed (TVO = 0).
[0227]
Here, as shown in FIG. 25, the second predetermined opening KTV2 is a no-load line, that is, a line height indicating the characteristic of the throttle opening TVO necessary for maintaining the engine speed ESPD at the value at that time. Therefore, the steps S107 to S109 are performed in the above-described steps S107 to S109, except that the area of the throttle opening TVO is excluded from the area Z0 including the no-load line, and the area on the higher load side than the line is set to the high load area Z1. And the middle load region Z2, and further, a fully closed region Z3 on the lower load side than the no-load line is set.
[0228]
Then, it is determined to which of the regions Z1 to Z3 the throttle opening degree TVO belongs, and when it belongs to the high load region Z1 (TVO> KTV1), in step S110, the first lockup ON failure timer is set. When TLON1f is counted up by 1 and belongs to the medium load region Z2 (KTV1 ≧ TVO> KTV2), the second lockup ON failure timer TLON2f is counted up by 1 at step S111, and the fully closed region Z3 (TVO = 0), the third lockup ON failure timer TLON3f is incremented by 1 in step S112.
[0229]
When belonging to the area Z0 including the no-load line, no ON failure timer is counted up and the following failure determination is not performed.
[0230]
On the other hand, when it is determined in step S105 that the absolute value of the slip rotation speed SLP is equal to or greater than the predetermined rotation speed KSP3, it is determined that the lockup clutch 26 is released as instructed by the OFF command, and step S113. In step S114, the first to third lockup ON failure timers TLON1f to TLON3f are reset, and the lockup ON normal timer TLONs is incremented by one in step S114.
[0231]
Thereafter, in steps S115, S116, and S117, the controller 300 sets the first, second, and third lockup ON failure timers TLON1f, TLON2f, and TLON3f to the first, second, and third predetermined values TLN1, TLN2, It is determined whether or not each has become larger than TLN3, the value of the first lockup ON failure timer TLON1f is larger than the first predetermined value TLN1, and the value of the second lockup ON failure timer TLON2f is larger than the second predetermined value TLN2. When the value of the third lockup ON failure timer TLON3f becomes larger than the third predetermined value TLN3, the lockup ON failure flag XLONf is set in step S118, and the lockup ON normal flag XLONs is reset at the same time. To do.
[0232]
Here, “normally lockup ON” means that the lockup OFF command is correctly OFF without causing an ON failure.
[0233]
Further, in steps S115 to S117, at least one of the values of the first to third lockup ON failure timers TLON1f to TLON3f is not greater than the corresponding one of the first to third predetermined values TLN1 to TLN3. Is determined in step S119, it is determined whether or not the value of the lockup ON normal timer TLONs has become larger than the predetermined value TLN4. If it is determined that the value has increased, the lockup ON normal flag XLONs is determined in step S120. Set.
[0234]
In this way, when it is determined that the absolute value of the slip rotation speed SLP of the lockup clutch 26 is smaller than the predetermined rotation speed KSP3 when the lockup OFF command is output, a lockup ON failure immediately occurs. In each of the zones Z1 to Z3 of the throttle opening TVO, the time during which the absolute value of the slip rotation speed SLP is smaller than the predetermined rotation speed KSP3 is determined by the lockup ON failure timers TLON1f to TLON3f. In each region, the lock-up ON failure is determined only when a state in which the slip rotation speed SLP is low continues for a predetermined time or longer in any region. Thereby, even when the throttle opening TVO frequently changes, the determination of the lock-up ON failure can be made with high accuracy.
[0235]
Even when the timers TLON1f to TLON3f are being integrated, if the slip rotation speed SLP is equal to or higher than the predetermined rotation speed KSP3, the timers TLON1f to TLON3f are immediately reset in step S113, and the lockup ON failure determination operation is performed. Therefore, when the determination of the lock-up ON failure is made, the accuracy of the determination is extremely high.
[0236]
Further, since the area Z0 including the no-load line is excluded as the area of the throttle opening TVO for the lock-up ON failure, this failure determination is performed more accurately.
[0237]
That is, the region Z0 including the no-load line is a transition region between a state where the transmission side is driven by the engine and a state where the engine is driven from the transmission side, and the lockup clutch 26 is released. Even in this state, there is little rotation difference between the input and output sides. Therefore, even if the absolute value of the slip rotation speed SLP becomes smaller than the predetermined rotation speed KSP3 in this region, this is not necessarily due to a lock-up ON failure.
[0238]
Therefore, even when the absolute value of the slip rotation speed SLP is smaller than the predetermined rotation speed KSP3, the lockup ON failure timer is not counted up in the region Z0. Although it is released, an erroneous determination that a lock-up ON failure has occurred is prevented, and the determination of this lock-up ON failure is made more accurately.
[0239]
Here, the predetermined values TLN1 to TLN3 set for each of the timers TLON1f to TLON3f are such that the predetermined value TLN1 for the high load region Z1 is the shortest value, and the predetermined value TLN3 for the fully closed region Z3 is the longest value. It is set. This is because the time required for determination is shortened in the high load region Z1 where the operation frequency is low and is increased in the fully closed region Z3 where the operation frequency is high, thereby ensuring the high determination accuracy and the overall determination time. It is for suppressing. In other words, if the determination time in the region where the operation frequency is low is lengthened, it takes a long time until the determination result is obtained.
[0240]
In the example of FIG. 25, the throttle opening TVO region is defined as a high load region Z1 for determining a lockup ON failure, a medium load region Z2, and a region Z0 including a no-load line for which failure determination is not performed. 1. The second predetermined openings KTV1 and KTV2 are set to constant values. However, as shown in the example of FIG. 26, a predetermined amount is set along the high load side of the no-load line and increases as the vehicle speed increases. The second predetermined opening degree KTV2 ′ having the characteristics and the first predetermined opening degree KTV1 ′ having the same characteristics as the second predetermined opening degree KTV2 ′ set on the high load side of the throttle opening TVO In addition to the fully closed region Z3 ′, the region may be defined as a high load region Z1 ′ in which a failure is determined, an intermediate load region Z2 ′, and a region Z0 ′ including a no-load line in which no failure is determined.
[0241]
According to this, since it may be erroneously determined that a lock-up ON failure has occurred, the area where this determination is not performed is limited to the minimum necessary, and therefore, more than the example of FIG. The determination of the lock-up ON failure is performed in a wide area, and the determination accuracy is improved.
[0242]
Also, in any of the examples, in the regions Z0 and Z0 ′ including the no-load line, unnecessary determination operations are avoided, so that the determination result can be obtained quickly.
[0243]
Next, the engagement failure / normality determination control in step S17 of the main program will be described.
[0244]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 27. First, in step S131, the controller 300 sets the oil temperature TMP of the hydraulic oil to a predetermined temperature KTP2 that is extremely low so that the friction element is not properly engaged. It is determined whether the temperature is lower than the temperature KTP2, and the engagement failure / normality determination control is stopped.
[0245]
On the other hand, when the oil temperature TMP is equal to or higher than the predetermined temperature KTP2, it is determined in step S132 whether or not the range currently selected by the driver is the D range in which automatic transmission of 1st to 4th speed is performed. If it is a range, it is determined in step S133 whether or not a predetermined time TIM has elapsed since switching to the range.
[0246]
In this case, the predetermined time TIM is set as a time until the transitional state associated with the range switching ends, and as shown in FIG. 28, the predetermined time TIM is set to a longer time as the oil temperature TMP is lower. This is because the lower the oil temperature TMP, the higher the viscosity of the hydraulic oil, and the longer it takes for the hydraulic oil to be introduced into the hydraulic chamber of the friction element after the engagement operation.
[0247]
If the predetermined time TIM elapses, it is next determined in step S134 whether or not the brake pedal is depressed, that is, whether or not the vehicle is stopped. It is determined whether or not the turbine speed TREV is greater than a predetermined speed KTR1.
[0248]
When the predetermined rotational speed KTR1 is a rotational speed close to zero and the turbine rotational speed TREV is larger than the predetermined rotational speed KTR1 in a stopped state in the D range, the transmission gear mechanism 30 remains in the neutral state and the forward clutch 41 The engagement normal timer TENs is reset and the engagement failure timer TENf is incremented by 1 in steps S136 and S137.
[0249]
When the value of the failure timer TENf becomes larger than the predetermined value TE1, that is, when a predetermined time has elapsed since the detection of the engagement abnormality of the forward clutch 41, in steps S139, S140, and S141, It is determined whether the speed change command is 1st speed, 2nd speed, or 3rd speed. If it is 1st speed, the 1st speed engagement failure temporary flag XEN1t is set in step S142, and if it is 2nd speed, step S143 is set. The second speed engagement failure temporary flag XEN2t is set, and in the case of the third speed, the third speed engagement failure temporary flag XEN3t is set in step S144.
[0250]
Here, since the engagement failure is detected while the vehicle is stopped, it is first detected when the shift command is the first speed, and at this time, the first speed engagement failure temporary flag XEN1t is set as described above. And, the gear speed selection control as fail-safe control at the time of an engagement failure described later selects the 4th speed that is achieved even when the forward clutch 41 is not engaged. This time, the second gear command is output by the gear position selection control. If an engagement failure such as the turbine rotational speed TREV being greater than the predetermined rotational speed KTR1 is detected under this second speed command, the second speed engagement failure temporary flag XEN2t is then set and the fourth speed is also set. Select and start. When the next vehicle stops, a 3-speed command is output. If an engagement failure is detected even when the vehicle starts under this 3-speed command, a 3-speed engagement failure temporary flag XEN3t is set, and the 4-speed Select and start.
[0251]
If all the 1st to 3rd speed engagement failure flags XEN1t to XEN3t are set in this way, steps S145 to S146 are executed, and the engagement failure flag XENf for determining the engagement failure is set. At this time, in the gear position selection control, the output of the 1st to 3rd speed commands is prohibited, and the 4th speed start is determined.
[0252]
On the other hand, in the engagement failure determination operation in the stationary state as described above, if it is determined in step S135 that the turbine rotational speed TREV is equal to or less than the predetermined rotational speed KTR1, the controller 300 sets the engagement failure timer TENf in step S147. In addition to resetting, it is determined in step S148 whether or not the shift command is the fourth speed.
[0253]
When the speed is other than the fourth speed, that is, when the turbine speed TREV is equal to or lower than the predetermined speed KTR1 when the speed is one of the first speed to the third speed that is the gear stage to which the forward clutch 41 is engaged. In step S149, it is determined that the engagement 41 has been normally performed, and the engagement normal timer TENs is incremented by one, and when the value becomes larger than the predetermined value TE2, that is, a normal engagement operation is detected. When a predetermined time has elapsed since then, steps S150 to S151 are executed to set the engagement normal flag XENs, and at the same time, reset the first to third speed engagement failure temporary flags XEN1t to XEN3t.
[0254]
Here, as described above, when an engagement failure is determined under the first speed command, the vehicle immediately starts at the fourth speed without determining the engagement failure under the second and third speed commands. The reason for this is that if it is also judged under the 2nd and 3rd speed commands, it will take a very long time to start when the vehicle finally starts at 4th speed. This is because it gives the person a sense of incongruity.
[0255]
In the case where the engagement failure determination under each shift command does not require much time, or when the time does not matter so much, 4 immediately when the failure is determined under the first speed command. It is also possible to continuously perform the failure determination under the 2nd speed and 3rd speed commands before the start without starting the speed.
[0256]
As described above, the controller 300 uses the determination results while executing each control of gear failure, normality determination, lockup OFF failure, normality determination, lockup ON failure, normality determination and engagement failure, and normality determination. Then, the malfunction determination control of the solenoid valve in step S18 of the main program is performed.
[0257]
This control is performed as follows according to the program shown in the flowcharts of FIGS.
[0258]
First, in step S161, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed normal flag XGR3s, and the fourth speed neutral failure flag XGR4Nf are all set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normal for each gear stage is a combination in the case of the OFF failure of the first on / off SV 111. When this combination is established, the controller 300 It is determined that the OFF failure of the first on / off SV 111 has occurred. In step S162, the first on / off SV-OFF failure flag XOS1OFf is set. At this time, the first on / off SV-OFF failure first DCKAM flag XOS1OF1k is not set, so steps S163 to S164 are executed. Set.
[0259]
Since the value of the first DCKAM flag XOS1OF1k is maintained even after the ignition switch is turned off, in the next driving cycle, when it is determined again in step S161 that the above-mentioned failure / normal combination is established, this time Steps S163 to S165 are executed, and the first on / off SV-OFF failure second DCKAM flag XOS1OF2k is set. In this way, when the OFF failure of the first on / off SV 111 is continuously determined in the first and second driving cycles, and the first and second DCKAM flags XOS1OF1k and XOS1OF2k are both set, the first on / off SV 111 An OFF fault is established.
[0260]
Next, in step S166, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed failure flag XGR3f, the fourth speed normal flag XGR4s, and the lockup OFF normal flag XLOFs are set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normality for each gear stage and the lockup clutch 26 is a combination in the case of the ON failure of the first on / off SV 111. Therefore, when this combination is established, It is determined that an ON failure has occurred in the first on / off SV 111. Then, in step S167, the first on / off SV-ON failure flag XOS1ONf is set, and similarly to the above case, steps S168 to S169 are executed to set the first on / off SV-ON failure first DCKAM flag XOS1ON1k.
[0261]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S166 that the above-mentioned failure / normal combination is established, this time, steps S168 to S170 are executed, and the first on / off SV-ON failure is detected. 2DCKAM flag XOS1ON2k is set. Thereby, the ON failure of the first on / off SV 111 is determined.
[0262]
Next, in step S171, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed normal flag XGR3s, the fourth speed normal flag XGR4s, and the lockup OFF failure flag XLOFf are set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normality for each gear stage and the lockup clutch 26 is a combination in the case of the OFF failure of the second on / off SV 112. Therefore, when this combination is established, It is determined that an OFF failure of the second on / off SV 111 has occurred. Then, in step S172, the second on / off SV-OFF failure flag XOS2OFf is set, and similarly to the above case, steps S173 to S174 are executed to set the second on / off SV-OFF failure first DCKAM flag XOS2OF1k.
[0263]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S171 that the above-mentioned failure / normal combination is established, this time, steps S173 to S175 are executed, and the second on-off SV-OFF failure The 2DCKAM flag XOS2OF2k is set. Thereby, the OFF failure of the second on / off SV 112 is determined.
[0264]
Next, in step S176, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed normal flag XGR3s, the fourth speed normal flag XGR4s and the lockup ON failure flag XLONf are set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normality for each gear stage and the lockup clutch 26 is a combination in the case of the ON failure of the second on / off SV 112. Therefore, when this combination is established, It is determined that the ON failure of the second on / off SV 112 has occurred. In step S177, the second on / off SV-ON failure flag XOS2ONf is set, and similarly to the above case, steps S178 to S179 are executed to set the second on / off SV-ON failure first DCKAM flag XOS2ON1k.
[0265]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S176 that the above-mentioned failure / normal combination is established, this time, steps S178 to S180 are executed, and the second on / off SV-ON failure is detected. 2DCKAM flag XOS2ON2k is set. Thereby, the ON failure of the second on / off SV 112 is determined.
[0266]
Next, in step S181, it is determined whether or not the first speed failure flag XGR1f, the second speed normal flag XGR2s, the third speed normal flag XGR3s, and the fourth speed normal flag XGR4s are all set. As apparent from Table 5, the failure and normal combination for each gear stage is a combination in the case of the OFF failure of the first duty SV 121. Therefore, when this combination is established, the first duty SV 121 is set. It is determined that an OFF failure has occurred. Then, in step S182, the first duty SV-OFF failure flag XDS1OFf is set, and similarly to the above case, steps S183 to S184 are executed to set the first duty SV-OFF failure first DCKAM flag XDS1OF1k.
[0267]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S181 that the above-described failure / normal combination is established, steps S183 to S185 are executed, and the first duty SV-OFF failure is detected. 2DCKAM flag XDS1OF2k is set. Thereby, the OFF failure of the first duty SV 121 is determined.
[0268]
Next, in step S186, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed failure flag XGR2f, the third speed normal flag XGR3s, and the fourth speed neutral failure flag XGR4Nf are all set. As apparent from Table 5, the failure and normal combination for each gear stage is a combination in the case of the ON failure of the first duty SV 121. Therefore, when this combination is established, the first duty SV 121 is set. It is determined that an ON failure has occurred. Then, in step S187, the first duty SV-ON failure flag XDS1ONf is set, and similarly to the above case, steps S188 to S189 are executed to set the first duty SV-ON failure first DCKAM flag XDS1ON1k.
[0269]
In the next driving cycle, when it is determined in step S186 that the above-mentioned failure / normal combination is established again, steps S188 to S190 are executed, and the first duty SV-ON failure is detected. 2DCKAM flag XDS1ON2k is set. Thereby, the ON failure of the first duty SV 121 is determined.
[0270]
Next, in step S191, it is determined whether or not the first speed failure flag XGR1f, the second speed failure flag XGR2f, the third speed normal flag XGR3s, and the fourth speed normal flag XGR4s are all set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normal for each gear stage is a combination in the case of OFF failure of the second duty SV 122. Therefore, when this combination is established, the second duty SV 122 is set. It is determined that an OFF failure has occurred. Then, in step S192, the second duty SV-OFF failure flag XDS2OFf is set and, similarly to the above case, steps S193 to S194 are executed, and the second duty SV-OFF failure first DCKAM flag XDS2OF1k is set.
[0271]
In the next driving cycle, if it is determined again in step S191 that the above-mentioned failure / normal combination is established, steps S193 to S195 are executed next, and the second duty SV-OFF failure 2DCKAM flag XDS2OF2k is set. As a result, the OFF failure of the second duty SV 122 is determined.
[0272]
Next, in step S196, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed failure flag XGR3f, and the fourth speed neutral failure flag XGR4Nf are all set. As apparent from Table 5, the combination of failure and normal for each gear stage is a combination in the case of ON failure of the second duty SV122. Therefore, when this combination is established, the second duty SV122 is set. It is determined that an ON failure has occurred. In step S197, the second duty SV-ON failure flag XDS2ONf is set, and similarly to the above case, steps S198 to S199 are executed to set the second duty SV-ON failure first DCKAM flag XDS2ON1k.
[0273]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S196 that the above-mentioned failure / normal combination is established, steps S198 to S200 are executed next, and the second duty SV-ON failure 2DCKAM flag XDS2ON2k is set. Thereby, the ON failure of the second duty SV 122 is determined.
[0274]
Next, in step S201, it is determined whether or not the first speed normal flag XGR1s, the second speed normal flag XGR2s, the third speed normal flag XGR3s, and the fourth speed third speed failure flag XGR43f are set. As apparent from Table 5, the failure and normal combination for each gear stage is a combination in the case of the OFF failure of the third duty SV 123. Therefore, when this combination is established, the third duty SV 123 is set. It is determined that an OFF failure has occurred. In step S202, the third duty SV-OFF failure flag XDS3OFf is set, and similarly to the above case, steps S203 to S204 are executed to set the third duty SV-OFF failure first DCKAM flag XDS3OF1k.
[0275]
In the next driving cycle, when it is determined again in step S201 that the above-mentioned failure / normal combination is established, this time, steps S203 to S205 are executed, and the third duty SV-OFF failure 2DCKAM flag XDS3OF2k is set. Thereby, the OFF failure of the third duty SV 123 is determined.
[0276]
Next, in step S206, it is determined whether or not the engagement failure flag XENf and the 4th speed normal flag XGR4s are both set. Since the engagement failure flag XENf is set when an engagement failure occurs under any of the 1st to 3rd speed commands as described above, the failure and normality of the gear stage and the engagement operation are normal. As apparent from Table 5, this combination is a combination in the case of the ON failure of the third duty SV 123. If this combination is established, it is determined that the ON failure of the third duty SV 123 has occurred. In step S207, the third duty SV-ON failure flag XDS3ONf is set, and similarly to the above case, steps S208 to S209 are executed to set the third duty SV-ON failure first DCKAM flag XDS3ON1k.
[0277]
Also, in the next driving cycle, when it is determined in step S206 that the above-mentioned failure / normal combination is established again, this time, step S208 to step S210 are executed, and the third duty SV-ON failure 2DCKAM flag XDS3ON2k is set. Thereby, the ON failure of the third duty SV 123 is determined.
[0278]
In step S211, the controller 300 determines whether all of the normal flags XGR1s to XGR4s, XLOFs, XLONs, and XENs of the gear, lockup OFF, lockup ON, and engagement are all set. If all of these normal flags are set, the first DCKAM flags XOS1OF1k, XOS2OF1k, XDS1OF1k to XDS3OF1k, XOS1ON1k, XOS2ON1k, and XDS1ON1k to XDS3ON1k are reset in step S212.
[0279]
As a result, if a failure is determined for one of the solenoid valves in the first driving cycle and the corresponding first DCKAM flag is set, if the failure is not determined in the next driving cycle, the first DCKAM The flag will be reset.
[0280]
Therefore, even if the failure determination for the same solenoid valve is performed again in the next driving cycle, only the first DCKAM flag is set again and the second DCKAM flag is not set. At that time, the failure determination of the solenoid valve is performed. Will not be fixed. That is, unless the failure determination for the same solenoid valve is continuously determined in two driving cycles, the failure determination is not confirmed, and this ensures high reliability of the failure determination.
[0281]
Next, vehicle speed sensor failure determination control in step S20 of the main program will be described as failure determination control.
[0282]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 32, and the controller 300 first determines whether or not the vehicle speed VEL indicated by the output signal of the vehicle speed sensor 301 is zero in step S221. To reset the vehicle speed sensor normal timer TVSs. Next, in step S223, it is determined whether or not the range selected by the driver is a travel range such as the D range. If it is the travel range, the turbine rotational speed TREV is further set to the predetermined rotational speed KTR2 in step S224. Determine if greater than.
[0283]
In the state where the output signal of the vehicle speed sensor 301 indicates zero vehicle speed as described above, the travel range is selected, the turbine rotational speed TREV is greater than the predetermined rotational speed KTR2, and the vehicle is traveling. The controller 300 determines that an abnormality has occurred in the vehicle speed sensor 301. Then, in step S225, the vehicle speed sensor failure timer TVSf is counted up one by one, and when the value becomes larger than the predetermined value TS1, that is, when the abnormal state of the vehicle speed sensor 301 continues for the initial time, from step S226. Step S227 is executed and the vehicle speed sensor failure flag XVSf is set.
[0284]
On the other hand, in a state where the output signal of the vehicle speed sensor 301 indicates zero vehicle speed, the vehicle is stopped when the travel range is not selected or when the turbine rotational speed TREV is not greater than the predetermined rotational speed KTR2. Therefore, it is determined that the vehicle speed zero output signal of the vehicle speed sensor 301 is a normal signal. Then, Step S223 or Step S224 to Step S228 are executed, and the vehicle speed sensor failure timer TVSf is reset.
[0285]
Further, when the vehicle speed VEL indicated by the output signal of the vehicle speed sensor 301 is not zero, the vehicle speed sensor 301 is determined to be normal, and the controller 300 executes steps S221 to S229 to reset the vehicle speed sensor failure timer TVSf. In step S230, the vehicle speed sensor normal timer TVSs is incremented by one. Then, when the value becomes larger than the predetermined value TS2, that is, when the normal state of the vehicle speed sensor 301 continues for a predetermined time, steps S231 to S232 are executed, and the vehicle speed sensor failure flag XVSf is reset.
[0286]
Thus, the failure determination of the vehicle speed sensor 301 is performed, and the shift control and the lockup control are performed according to the result. This vehicle speed sensor failure determination control is described in the description of the main program in FIG. As described above, it is performed only when the engagement normality is determined by the engagement failure / normality determination control (XENs = 1), that is, when the vehicle can travel. Therefore, erroneous determination due to performing the vehicle speed sensor failure determination control in a state where an engagement failure has occurred can be avoided.
[0287]
That is, when an engagement failure has occurred, even if the selected range is the travel range and the turbine speed TREV is greater than the predetermined speed KTR2, the vehicle is stopped, and therefore In this state, if the vehicle speed sensor 301 is determined to be faulty or normal depending on whether or not the vehicle speed VEL indicated by the output signal of the vehicle speed sensor 301 is zero, an erroneous determination is caused. Therefore, when an engagement failure has occurred, failure determination of the vehicle speed sensor 301 is prohibited, and such erroneous determination is prevented.
[0288]
Based on the results obtained by the various types of failure determination control as described above, the controller 300 performs predetermined fail-safe control as step S19 of the main program. Next, the fail-safe control will be described.
[0289]
This fail-safe control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 33. In step S241, the gear selection control at the time of gear failure is performed, in step S242, the gear selection control at the time of engagement failure is performed, and in step S243, when the solenoid function is failed. In step S244, the gear selection control is performed. In step S244, the line pressure is controlled when the gear is malfunctioning. In step S245, the shift control is performed when the solenoid function is malfunctioning. In step S246, the warning lamp is controlled.
[0290]
The gear stage selection control at the time of gear failure in step S241 is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 34. First, in steps S251, S252, and S253, the first speed failure flag XGR1f, the second speed failure flag XGR2f, the third speed failure flag It is determined whether XGR3f is set.
[0291]
First, when the 1st speed failure flag XGR1f is set, the output of the 1st speed command is prohibited in step S254, and the 2nd speed is adopted as the gear stage instead of the 1st speed, and the speed between 2nd and 4th speeds is adopted. Shift control is performed. If the 2nd speed failure flag XGR2f is set, the output of the 2nd speed command is prohibited in step S255, and the 3rd speed is adopted as the gear stage instead of the 2nd speed. The shift control is performed. Further, when the 3rd speed failure flag XGR3f is set, the output of the 3rd speed command is prohibited in step S256, and the 4th speed is adopted as the gear stage instead of the 3rd speed, between the 1st, 2nd and 4th speeds. The shift control is performed.
[0292]
In step S257, it is determined whether the 4-speed neutral failure flag XGR4Nf or the 4-speed 3-speed failure flag XGR43f is set. If either flag is set, the vehicle speed VEL is determined in step S258. Is less than or equal to a predetermined vehicle speed KVL2. When the vehicle speed is equal to or lower than the predetermined vehicle speed KVL2, the fourth speed is prohibited in step S259, and the third speed is adopted as the gear stage to replace the fourth speed, and the shift control between the first to third speeds is performed.
[0293]
Here, the predetermined vehicle speed KVL2 is set so as to increase as the throttle opening TVO increases as shown in FIG. 35. The characteristic of the predetermined vehicle speed KVL2 is that of the shift map used in the shift control. Corresponds to the shift line between 3rd and 4th speed.
[0294]
If the fourth speed is prohibited when the vehicle speed is equal to or lower than the predetermined vehicle speed KVL2, the gear stage is set to the third speed as described above. In this case, the vehicle speed VEL is lower than the predetermined vehicle speed KVL2, and the shift map is originally set. Therefore, there is no problem with the abnormal increase in the engine speed ESPD or the rapid increase in driving force caused by prohibiting the 4th speed and setting it to the 3rd speed. It is possible to run at the 3rd speed on the street.
[0295]
Further, as described above, the predetermined vehicle speed KVL2 is set so as to become a value on the higher vehicle speed side toward the higher throttle opening side in correspondence with the shift line between the third and fourth speeds. Even when the vehicle speed is higher than the vehicle speed KVL2 and the fourth speed is not prohibited (not set to the third speed), when the throttle opening TVO increases as the accelerator pedal is depressed, as shown by the arrow A in FIG. The vehicle speed VEL becomes equal to or lower than the predetermined vehicle speed KVL2 and is set to the third speed. Therefore, the driver can respond to the acceleration request.
[0296]
On the other hand, if a 4-speed gear failure occurs and the 4-speed neutral failure flag XGR4Nf or 4-speed 3-speed failure flag XGR43f is set, and the vehicle speed VEL is higher than the predetermined vehicle speed KVL2, Without prohibiting the output of the 4-speed command, after the vehicle speed VEL has dropped below the predetermined vehicle speed KVL2 or when it is determined in step S260 that the brake pedal is depressed, step S259 is executed to output the 4-speed command. Ban.
[0297]
In other words, if the fourth gear is forbidden immediately at high vehicle speed and the gear stage is forcibly set to the third gear, engine overrun may occur or wheel slip may occur due to a sudden increase in driving force during acceleration. Therefore, after the vehicle speed VEL is sufficiently lowered, the fourth speed is prohibited and set to the third speed.
[0298]
In particular, when a reduction in vehicle speed or a reduction in driving force is predicted due to the operation of the brake, even if the vehicle speed VEL does not actually fall below the predetermined vehicle speed KVL2, the fourth speed is prohibited and the third speed is prohibited. Set to. As a result, when there is no fear of engine overrun or the like, it is possible to quickly set the third speed without waiting for the vehicle speed VEL to fall unnecessarily, and normal driving is possible, and this is indicated by the depression of the brake pedal. In response to the driver's deceleration request, the gear stage is set to the third speed and the engine brake is operated.
[0299]
While the 4-speed command is output until the vehicle speed VEL drops below the predetermined vehicle speed KVL2 or until the brake pedal is depressed, the gear stage is either 3rd speed or neutral. However, even when the vehicle becomes neutral, if the vehicle speed VEL decreases below the predetermined vehicle speed KVL2 and the 4th speed is prohibited, the vehicle is set to the 3rd speed, and the vehicle travels in this state.
[0300]
In this case, when the vehicle speed VEL rises and becomes higher than the predetermined vehicle speed KVL2 after the third gear is reached, the gear stage becomes neutral again when the fourth gear command is output again. As a result, the neutral and third gears are obtained. Will be repeated. However, once the vehicle speed VEL drops below the predetermined vehicle speed KVL2 and the output of the 4-speed command is prohibited, even if the vehicle speed VEL becomes higher than the predetermined vehicle speed KVL2 again, the prohibition is not released and the 4-speed command is output again. There is no. Therefore, the situation of repeating the neutral and the third speed as described above does not occur.
[0301]
Here, in the above example, even when the vehicle speed is higher than the predetermined vehicle speed KVL2, if the brake pedal is depressed, the output of the 4th speed command is prohibited and the gear stage is set to the 3rd speed. 35, the second predetermined vehicle speed KVL2 ′ is set on the high vehicle speed side of the predetermined vehicle speed KVL2, and when the brake pedal is not depressed, the predetermined vehicle speed KVL2 on the low vehicle speed side is When stepped on, the second predetermined vehicle speed KVL2 'on the high vehicle speed side may be adopted.
[0302]
According to this, when the brake pedal is not depressed, the output prohibition of the 4th speed command (setting of the 3rd speed) is not executed until the vehicle speed VEL drops below the predetermined vehicle speed KVL2 on the low vehicle speed side, but a decrease in the vehicle speed is predicted. When the brake pedal is depressed, the output of the 4th speed command is prohibited (setting of the 3rd speed) when the speed drops to the second predetermined vehicle speed KVL2 'on the high vehicle speed side. While avoiding a run, etc., without waiting for the vehicle speed VEL to drop to a low vehicle speed, it is possible to travel at the 3rd speed quickly, and the engine brake is actuated quickly in response to the driver's deceleration request. Will do.
[0303]
In addition, the measures for prohibiting the output of each shift command in the gear selection control at the time of the gear failure are reset at the start of the next driving cycle together with each gear failure flag, so that the gear failure / normality determination is performed again at the next driving cycle. Gear speed selection control based on the control and its result is performed. This makes it possible to determine whether or not a gear failure or the like continuously occurs in two driving cycles when determining the malfunction of the solenoid valve.
[0304]
Further, when each gear stage is prohibited, a gear stage adjacent to the prohibited gear stage is adopted as a substitute gear stage for the purpose of minimizing the uncomfortable feeling given to the driver. When the 3rd speed is prohibited, the 3rd and 4th speeds, which are the gears on the upshift side, are adopted. If the gear stage on the downshift side is used, the engine speed increases unexpectedly by the driver. This is because an increase in driving force can occur.
[0305]
Next, the gear position selection control at the time of an engagement failure in step S242 in the flowchart of FIG. 33 will be described.
[0306]
This control is performed according to the program shown in the flowchart in FIG. 36. First, in steps S271, S272, and S273, whether or not all of the 1st to 3rd engagement failure temporary flags XEN1t to XEN3t are set is determined. It is determined whether the flag XEN1t and the 2-speed engagement failure temporary flag XEN2t are set, and whether only the 1-speed engagement failure temporary flag XEN1t is set.
[0307]
These temporary flags XEN1t to XEN3t are respectively set when the engagement failure of the forward clutch 41 is determined under each of the 1st to 3rd gear shift commands in the aforementioned engagement failure / normality determination control shown in the flowchart of FIG. At first, only the first speed engagement failure flag XEN1t is set.
[0308]
Therefore, in the program of FIG. 36, step S274 is first executed from step S271 to S273, and it is determined whether or not the first speed engagement failure temporary flag XEN1t has been set also in the previous control loop. When an engagement failure is first determined, the flag XEN1t was not set in the previous control loop, so steps S275 and S276 are executed to set the 4th speed start flag X4ST and the 1st to 3rd speed command Prohibit output. As a result, the vehicle starts at the fourth speed.
[0309]
Then, in the control loop after the next time, the above steps S274 to S277 are executed, the vehicle starts at the 4th speed and travels at a predetermined vehicle speed (for example, 20 km / h) or more, and then stops, that is, the vehicle starts at the 4th speed. If it is determined that the operation has been performed reliably, the above-described fourth speed start flag X4ST is reset in steps S278 and S279, and the output of the first speed command is prohibited.
[0310]
As a result, the gear change command for the second speed is output immediately after the vehicle stops, and at the next start, the vehicle starts at the second speed. In this case as well, if an engagement failure is determined, the program of FIG. Since the second speed engagement failure temporary flag XEN2t is set, the above steps S272 to S280 are executed.
[0311]
Then, in the same manner as described above, it is determined whether or not the second speed engagement failure temporary flag XEN2t has been set in the previous control loop. At the time of the first determination, this flag XEN2t has not been set in the previous control loop. Therefore, next, steps S281 and S282 are executed to set the 4th speed start flag X4ST and prohibit the output of the 1st to 3rd speed commands. Therefore, also in this case, the vehicle starts at the fourth speed. Then, in the control loop after the next time, the above steps S280 to S283 are executed. When the vehicle starts at the 4th speed and travels at a predetermined vehicle speed or higher and then stops, the above 4th speed start flag X4ST is set at the steps S284 and S285. In addition to resetting, this time prohibits the output of the first speed command and the second speed command. Therefore, at this time, the third speed command is output, and at the next start, the vehicle starts at the third speed.
[0312]
Then, if an engagement failure is determined even at the time of starting at the third speed, the third speed engagement failure temporary flag XEN3t is set by the program of FIG. 27, so this time from step S271 to steps S286 and S287, While the 4th speed start flag X4ST is set, the output of the 1st to 3rd speed commands is prohibited. Therefore, in this case, only the 4-speed command can be output.
[0313]
In this way, when an engagement failure occurs under the normal first speed command, the vehicle starts once at the fourth speed achieved even if the forward clutch 41 is not engaged, and then the next start is the second speed command. Also, in this case, if an engagement failure occurs, the vehicle starts once in the fourth speed, and then the next start is performed under the third speed command. In this case as well, if an engagement failure occurs, only the 4th speed command can be output, and then the vehicle starts and runs at the 4th speed. Then, when an engagement failure occurs under any of the 1st to 3rd speed commands, the engagement failure is determined, and the result is used in other fail-safe control.
[0314]
Next, the gear stage selection control at the time of malfunction of the solenoid valve in step S243 in the flowchart of FIG. 33 will be described.
[0315]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 37. First, in step S291, the solenoid valve malfunctions that cause the gear failure that does not change to the first gear for the first gear command, 3. As is clear from Table 4, whether or not any of the OFF failure of the first duty SV121, the OFF failure of the second duty SV122, and the ON failure of the third duty SV123 is determined, that is, the first duty SV It is determined whether any one of the OFF failure second DCKAM flag XDS1OF2k, the second duty SV-OFF failure second DCKAM flag XDS2OF2k, and the third duty SV-ON failure second DCKAM flag XDS3ON2k is set.
[0316]
Since these KAM flags are held even after the ignition switch is turned off, when any one of the second DCKAM flags is set, step S292 is executed immediately after the start after the next driving cycle. Therefore, when the first speed cannot be achieved, the output of the first speed command is prohibited from the beginning of the operation. In this case, the second speed is adopted instead of the first speed as in the case of the gear stage selection control at the time of the gear failure described above.
[0317]
Next, in step S293, a solenoid valve functional failure that causes a gear failure in which the gear stage is not changed to the second speed command, specifically, an ON failure of the first duty SV121, a second duty SV122 of Whether any of the OFF failure and the ON failure of the third duty SV123 is confirmed, that is, the first duty SV-ON failure second DCKAM flag XDS1ON2k, the second duty SV-OFF failure second DCKAM flag XDS2OF2k, the third duty It is determined whether any one of the SV-ON failure second DCKAM flag XDS3ON2k is set.
[0318]
When any one of the second DCKAM flags is set, step S294 is executed immediately after the start of the next driving cycle, and the output of the second speed command is prohibited from the beginning of the operation and the second speed Instead, 3rd gear is used.
[0319]
Further, in step S295, the solenoid valve functional failure that causes the gear failure that does not change to the 3rd gear for the 3rd speed command, specifically, the ON failure of the second duty SV122, and the third duty SV123 It is determined whether any of the ON failures has been determined, that is, whether any one of the second duty SV-ON failure second DCKAM flag XDS2ON2k and the third duty SV-ON failure second DCKAM flag XDS3ON2k is set. To do.
[0320]
When any one of the second DCKAM flags is set, after the next driving cycle, step S296 is executed immediately after the start, and the output of the third speed command is prohibited from the beginning of the operation and the third speed Instead, 4th speed is adopted.
[0321]
In addition, in step S297, a solenoid valve functional failure that causes a gear failure in which the gear stage does not change to the fourth speed command with respect to the fourth speed command, specifically, the first on / off SV111 OFF failure, the first duty SV121 ON Whether or not any of the failure, the ON failure of the second duty SV122, and the OFF failure of the third duty SV123 is determined, that is, the first on-off SV-OFF failure second DCKAM flag XOS1OF2k, the first duty SV-ON failure It is determined whether any one of the 2DCKAM flag XDS1ON2k, the second duty SV-ON failure, the second DCKAM flag XDS2ON2k, and the third duty SV-OFF failure second DCKAM flag XDS3OF2k is set.
[0322]
When any one of the second DCKAM flags is set, step S298 is executed immediately after the start of the next driving cycle, and the output of the 4-speed command is prohibited from the beginning of the operation and the 4-speed Instead, 3rd gear is used.
[0323]
In this way, when any of the second DCKAM flags is set and a malfunction of the corresponding solenoid valve is determined, the gear stage that cannot be achieved without performing a failure determination operation again in the subsequent driving cycle. Shift control is performed with command output prohibited.
[0324]
This eliminates the waste of determining a malfunction of the solenoid valve at the start of each driving cycle, and also ensures good running performance by performing fail-safe control immediately after the start of operation. This state is canceled when the battery power is turned on after the solenoid valve is repaired or replaced, for example.
[0325]
Next, the line pressure control at the time of gear failure in step S244 in the flowchart of FIG. 33 will be described.
[0326]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 38, and whether or not the 4-speed neutral failure flag XGR4Nf or 4-speed 3-speed failure flag XGR43f is set in step S301, and the 3-speed failure flag XGR3f is set in step S302. It is determined whether or not the second speed failure flag XGR2f is set in step S303, and whether or not the first speed failure flag XGR1f is set in step S304.
[0327]
When the 4-speed neutral failure flag XGR4Nf or 4-speed 3-speed failure flag XGR43f is set, when the 3-speed failure flag XGR3f is set, and when the 2-speed failure flag XGR2f is set, In S305, hydraulic control is performed so that the line pressure becomes maximum. Specifically, the line pressure is maximized by adjusting the control pressure supplied to the pressure regulating port 101a of the regulator valve 101 by the linear SV 131 shown in FIG.
[0328]
The control for maximizing these line pressures is to ensure a sufficient torque transmission capacity of the friction elements involved in torque transmission when starting in a gear failure state.
[0329]
That is, when starting at the fourth speed due to the aforementioned engagement failure (steps S276, S282, S287 in FIG. 36) and the like, and when starting at the third speed due to a fourth speed gear failure, etc., the forward clutch 41 and the 3-4 clutch In this case, since the 3-4 clutch 43 is not usually used at the time of starting, the torque transmission capacity is not so large. There will be a shortage. Therefore, the line pressure is maximized in order to ensure the torque transmission capacity of the 3-4 clutch 43 when the 3rd speed starts when the 4th speed gear fails.
[0330]
In addition, when the 3rd gear starts when the 3rd gear starts, the 4th gear is adopted instead of the 3rd gear, so the vehicle starts with the 4th gear. At this time, the 2-4 brakes 44 and 3 -4 clutch 43 transmits torque, but in this case as well, the torque transmission capacity of 3-4 clutch 43 is insufficient, so the line pressure is maximized.
[0331]
Furthermore, when the 2nd gear starts and the 2nd gear failure occurs, the 3rd gear is adopted instead of the 2nd gear, so that the 3rd gear is started as in the case of the 4th gear gear failure. In this case as well, the torque transmission capacity of the 3-4 clutch 43 is insufficient, so the line pressure is maximized.
[0332]
On the other hand, when the first speed failure flag XGR1f is set, the control for maximizing the line pressure as described above is not performed and the line pressure at the normal time is maintained.
[0333]
In other words, when the first gear breaks down, the vehicle starts with the second gear, but this second gear is started even during normal operation, and the forward clutch 41 and the 2-4 brake that transmit torque when the second gear starts. 44 is set in advance so as to obtain a torque transmission capacity necessary for the second speed start. Therefore, in this case, control for increasing the line pressure is not performed, and the line pressure at the normal time is maintained. As a result, an increase in pump drive loss due to an unnecessary increase in line pressure is avoided, and as a result, fuel consumption performance is improved as compared with a case where the line pressure is always increased at the time of gear failure.
[0334]
Next, the shift control at the time of solenoid function failure in step S245 in the flowchart of FIG. 33 will be described.
[0335]
This control relates to the shift control at the time of OFF failure of the first duty SV 121, and is performed as follows according to the program shown in the flowchart of FIG.
[0336]
First, at step S311, it is determined whether or not either the first duty SV-OFF failure flag XDS1OFf or the first duty SV-OFF failure second DCKAM flag XDS1OF2k is set. As shown by the solid line in FIG. 40, the 3-2 shift down shift line of the shift map used in the shift control is indicated by a chain line from the normal line where the shift point becomes higher as the throttle opening TVO becomes larger. In addition, the shift point is changed to a linear shift line that always becomes the predetermined vehicle speed KVL3 regardless of the throttle opening TVO.
[0337]
This is to deal with the problem of shift shock at the time of downshift of 3-2 torque demand when the first duty SV 121 is in an OFF failure.
[0338]
That is, in the 3-2 shift, the 3-4 clutch pressure and the servo release pressure are discharged by switching the second duty SV122 from OFF to ON, and the 3-4 clutch 43 is released, and the 2-4 brake 44 is operated. In the case of a 3-2 downshift with torque demand by depressing the accelerator pedal, as shown by the solid line in FIG. 41, the duty control of the first duty SV121 is performed. Control is performed to temporarily reduce the servo apply pressure.
[0339]
This is to reduce the fastening force of the 2-4 brake 44 so that the turbine rotation speed can be smoothly increased by the releasing operation of the 3-4 clutch 43, and then the 3-4 clutch 43 is almost completely When released, the servo apply pressure is increased again to fully engage the 2-4 brake 44.
[0340]
However, when the OFF failure of the first duty SV 121 occurs, it is not possible to perform the control for temporarily reducing the servo apply pressure as described above, and the servo apply pressure is high as shown by the chain line a in FIG. Thus, the 3-4 clutch pressure and the servo release pressure are discharged. Therefore, the 2-4 brake 44 is engaged prior to the release of the 3-4 clutch 43 by the start of discharging the servo release pressure. As a result, both the 3-4 clutch 43 and the 2-4 brake 44 are engaged. The engaged interlock state occurs, and at this time, a large shift shock occurs.
[0341]
Therefore, as described above, when the OFF failure of the first duty SV121 occurs, the 3-2 shift down shift line in the shift map is changed to a shift line in which the shift point is always the predetermined vehicle speed KVL3 regardless of the throttle opening TVO. Thus, a shift down shift of 3-2 torque demand due to depression of the accelerator pedal (increase in the throttle opening TVO) is prevented from occurring, thereby avoiding the above problems. .
[0342]
In the example shown in FIG. 40, when the 3-2 shift down shift line is changed to a linear shift line as described above, the shift point shifts to the high vehicle speed side on the low throttle opening side, and the high shift speed line increases. On the throttle opening side, the shift point is changed to shift to the low vehicle speed side.
[0343]
Thus, on the low throttle opening side, for example, when the vehicle speed VEL decreases and a 3-2 downshift is performed as shown by the arrow C in FIG. As a result, the increase in driving force is suppressed, and the decrease in vehicle speed due to the approach to the uphill road is suppressed.
[0344]
On the high throttle opening side, as indicated by arrow D, when the 3-2 downshift is performed due to the decrease in the vehicle speed VEL, the shift is delayed and the third speed state is maintained for a long time. become. Therefore, an increase in engine speed is suppressed in a high throttle opening region where engine noise is likely to be a problem, and the problem of engine noise is reduced.
[0345]
If an OFF failure has occurred in the first duty SV121, it is determined in step S313 in FIG. 39 whether or not a 2-3 shift is currently being performed. If this is the case, the second duty SV122 is set in step S314. The hydraulic pressure control during the 2-3 shift with the duty SV122 is prohibited.
[0346]
That is, in the 2-3 shift, the 3-4 clutch pressure and the servo release pressure are supplied by switching the second duty SV122 from ON to OFF, the 3-4 clutch 43 is engaged, and the 2-4 brake 44 is operated. In this case, as shown by the solid line in FIG. 42, the servo apply pressure is temporarily reduced by the duty control of the first duty SV121 to 2-4. In addition to reducing the engagement force of the brake 44, the second duty SV122 is duty-controlled to control the 3-4 clutch pressure (and servo release pressure) in the form of a shelf pressure (refer to reference character O).
[0347]
This is to smoothly engage the 3-4 clutch 43 while avoiding the occurrence of a shift shock due to the 2-4 brake 44 and the 3-4 clutch 43 being simultaneously engaged during a 2-3 shift. In this case, if the servo apply pressure does not decrease due to the failure of the first duty SV 121, the 3-4 clutch pressure is controlled to the shelf pressure state with the 2-4 brake 44 fully engaged. At this time, the 3-4 clutch 43 slides violently in a so-called half-clutch state and wear is promoted, and the turbine rotation speed does not decrease indefinitely, so it is forcibly terminated by the backup timer. The speed change operation is not completed until the speed change time becomes extremely long.
[0348]
Therefore, when the OFF failure of the first duty SV121 occurs, as indicated by the symbol F in FIG. 42, the shelf pressure control of the 3-4 clutch pressure by the second duty SV122 during the 2-3 shift is prohibited, and the first The 2-duty SV 122 is directly turned OFF from ON so that the 3-4 clutch 43 is quickly engaged. This prevents the above-described problems.
[0349]
Next, the warning lamp control in step S246 in the flowchart of FIG. 33 will be described.
[0350]
This control is performed according to the program shown in the flowchart of FIG. 43. First, in step S321, the first speed failure flag XGR1f, the second speed failure flag XGR2f, the third speed failure flag XGR3f, the fourth speed neutral speed failure flag XGR4Nf or the fourth speed third speed. It is determined whether any of the failure flags XGR43f is set. When a gear failure occurs and any of the above failure flags is set, in step S322, the OD-OFF lamp provided on the instrument panel or the like on the front of the driver's seat is blinked.
[0351]
In step S323, it is determined whether either the lock-up OFF failure flag XLOFf or the lock-up ON failure flag XLONf is set. As in the case, the OD-OFF lamp blinks in step S322.
[0352]
Further, in step S324, it is determined whether or not the engagement failure flag XENf is set. If it is set, the OD-OFF lamp is blinked in step S322.
[0353]
This OD-OFF lamp is lit when the driver operates the OD-OFF switch to prohibit the overdrive gear stage (fourth speed) in the D range, but the gear failure, lock-up OFF failure, By flashing as described above when a lock-up ON failure or an engagement failure occurs, the driver is notified of the occurrence of a gear failure or the like.
[0354]
Here, instead of the OD-OFF switch and the OD-OFF lamp, a hold switch and a hold lamp having the same function may be provided. In this case, when a gear failure or the like occurs, It will blink.
[0355]
In this warning lamp control, each solenoid OFF failure second DCKAM flag XOS1OF2k, XOS2OF2k, XDS1OF2k to XDS3OF2k and each solenoid ON failure second DCKAM flag XOS1ON2k, XOS2ON2k, XDS1ON2k to XDS3ON2k are set in step S325. It is determined whether or not. If any of the flags is set, the MIL lamp is turned on in step S326.
[0356]
This MIL lamp is turned on when the engine exhaust purification system is abnormal, and may be provided on an instrument panel or the like in front of the driver's seat. However, when one of the solenoid valves fails, the second DCKAM is used. When one of the flags is set, the MIL lamp is turned on to cause an abnormality in the exhaust purification system, thereby notifying the driver that an abnormality has occurred in the exhaust purification system.
[0357]
In the line pressure control at the time of a gear failure shown in the flowchart of FIG. 38, when the control for increasing the line pressure to the maximum is performed, the operating pressure for fastening the friction element at the time of shifting becomes high and a shift shock is likely to occur. The driver may feel uncomfortable. Therefore, when the control for maximizing the line pressure in step S305 in FIG. 38 is performed, this may be notified to the driver by lighting or blinking the lamp.
[0358]
【The invention's effect】
As described above, according to the first invention of the present application, when the failure determination means determines whether or not there is a lockup ON failure based on the slip rotation speed between the input member and the output member of the torque converter, In the region and the low load region, it is determined that a lock-up ON failure has occurred when the integrated value of the time during which the slip rotational speed is equal to or less than the predetermined rotational speed reaches a predetermined time. .
[0359]
Therefore, when the throttle opening frequently changes, even if the slip rotation speed temporarily or transiently falls below the predetermined rotation speed, it is determined that a lock-up ON failure has occurred. Therefore, it is determined that the lock-up ON failure has occurred only after the slip rotation speed continues below the predetermined rotation speed for a certain amount of time in the high load area and the low load area. Accuracy is obtained.
[0360]
In particular, the predetermined time used in each of the high load region and the low load region as the threshold value of the accumulated time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation is greater than the time on the high load region side than on the low load region side Because it is set short, this state is detected over a relatively long time in the low load range where the slip rotation speed is likely to be below the predetermined rotation speed even when the lockup is released. The number of rotations is less than the predetermined number of rotations. In other words, when the number of rotations is less than the predetermined number of rotations, the state of the predetermined number of rotations or less is compared in a high load region where there is a high probability of a lockup ON failure occurring. Will be detected for a short time. Therefore, it is possible to determine the lock-up ON failure accurately and promptly without unnecessarily prolonging the time required for obtaining the determination result.
[0361]
Further, since the operation frequency is high in the low load region, even if the predetermined time is extended as described above, the accumulated time will not be delayed until reaching the predetermined time, and conversely in the high load region, the operation frequency is low. Since the predetermined time is short, the accumulated time is not delayed until the predetermined time is reached, and the determination result can be obtained relatively quickly.
[0362]
According to the second invention, the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed by the failure determination means becomes the first predetermined time in the first region higher than the predetermined throttle opening. When the second predetermined time is reached in the second region lower than the predetermined throttle opening, it is determined that a lock-up ON failure has occurred. Even when the opening frequently changes, even if the slip rotation speed temporarily or transiently becomes less than the predetermined rotation speed, it is not determined that a lockup ON failure has occurred. Judgment is prevented.
[0363]
And According to this second invention, Since the first predetermined time in the first region on the high throttle opening side is set to be shorter than the second predetermined time in the second region on the low throttle opening side, the determination result is the same as in the first invention. It is possible to accurately determine a lock-up ON failure while suppressing the time until it is obtained.
[0364]
Also, Third invention According to the above, as the throttle opening area, the first area higher than the predetermined throttle opening, the second area that is on the low opening side and does not include the fully closed area, and the fully closed area are set. Then, the integrated value of the time when the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed becomes the first predetermined time in the first region, the second predetermined time in the second region, and the third predetermined time in the fully closed region. Since it is determined that a lock-up ON failure has occurred, even when the throttle opening changes frequently, erroneous determination of a lock-up ON failure can be prevented more reliably. Become.
[0365]
In that case, This third invention According to the above, the third predetermined time in the fully closed region in which the slip rotation speed is likely to be equal to or lower than the predetermined rotation speed even in the lock-up released state because the engine rotation speed is decreased is the first predetermined time and the first operation frequency. 2 Since a time longer than the predetermined time is set, it is possible to more accurately determine a lock-up ON failure while suppressing a time required for obtaining a determination result.
[0366]
further, Fourth invention According to the above 1st to 3rd invention In this case, even when the slip rotation speed is accumulated in any region during the time when the slip rotation speed is less than or equal to the predetermined rotation speed, if the slip rotation speed becomes larger than the predetermined rotation speed, the determination of the lock-up ON failure is made. Since the operation is stopped, it is prevented that the slip-up ON failure is erroneously determined when the slip rotation speed becomes equal to or lower than the predetermined rotation speed for a short time or for a short time.
[0367]
Also, 5th invention According to the above, when a neutral failure occurs in which the transmission gear mechanism is fixed in the neutral state, the determination operation for the lock-up ON failure is stopped, so even if the lock-up clutch is in the released state, the output side of the torque converter In the case of a neutral failure of the transmission gear mechanism in which the slip rotation speed may be equal to or lower than the predetermined rotation speed due to a decrease in the load, it is prevented that this is erroneously determined as a lock-up ON failure.
[0368]
Thus, according to each invention of the present application, the erroneous determination of the lock-up ON failure is prevented, and the presence / absence of the failure can be determined accurately and promptly. Therefore, for example, when performing the control of the malfunction determination of the solenoid valve or the fail-safe control for the control using the determination result, these controls are performed satisfactorily, and the reliability of the automatic transmission is improved. Will improve.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a skeleton diagram showing a mechanical configuration of an automatic transmission according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a hydraulic control circuit diagram of the automatic transmission.
FIG. 3 is a control system diagram for each solenoid valve provided in the hydraulic control circuit.
FIG. 4 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a first speed state.
FIG. 5 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of the second speed.
FIG. 6 is an enlarged view of a main part of the hydraulic control circuit showing a state of the third speed.
FIG. 7 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of third speed lockup.
FIG. 8 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of the fourth speed.
FIG. 9 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of a 4-speed lockup.
FIG. 10 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of L range first speed.
FIG. 11 is an enlarged view of a main part of a hydraulic control circuit showing a state of reverse speed.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing the structure of an on / off solenoid valve.
FIG. 13 is a cross-sectional view showing the structure of a duty solenoid valve.
FIG. 14 is a flowchart showing a main program of failure determination control.
FIG. 15 is a flowchart showing the first half of a program for gear failure / normality determination control;
FIG. 16 is a flowchart showing the second half of the program.
FIG. 17 is an area diagram of a gear ratio for determining whether the first speed gear is faulty or normal, and is used in the program.
FIG. 18 is an area diagram of a gear ratio for determining whether the second gear is malfunctioning or normal.
FIG. 19 is an area diagram of a gear ratio for determining whether the third speed gear is faulty or normal.
FIG. 20 is an area diagram of a gear ratio for determining whether a 4th gear is faulty or normal.
FIG. 21 is a flowchart showing a program for lockup OFF failure / normality determination control;
FIG. 22 is a region diagram of slip rotation speed for lockup OFF failure and normality determination used in the program.
FIG. 23 is a flowchart showing a program for lockup ON failure / normality determination control;
FIG. 24 is an area diagram of slip rotation speed for determining lockup ON failure and normality used in the program.
FIG. 25 is a region diagram of a throttle opening used in the program.
FIG. 26 is a region diagram showing still another example.
FIG. 27 is a flowchart showing a program for engagement failure / normality determination control;
FIG. 28 is a characteristic diagram of a predetermined time with respect to the oil temperature used in the program.
FIG. 29 is a flowchart showing the front part of a program for solenoid function failure determination control;
FIG. 30 is a flowchart showing an intermediate part of the program.
FIG. 31 is a flowchart showing the rear part of the program.
FIG. 32 is a flowchart showing a vehicle speed sensor failure determination control program.
FIG. 33 is a flowchart showing a main program of fail-safe control.
FIG. 34 is a flowchart showing a gear position selection control program when a gear failure occurs.
FIG. 35 is a characteristic diagram of a predetermined vehicle speed used in the program.
FIG. 36 is a flowchart showing a gear position selection control program when an engagement failure occurs.
FIG. 37 is a flowchart showing a program for gear stage selection control when the solenoid function fails.
FIG. 38 is a flowchart showing a line pressure control program at the time of gear failure.
FIG. 39 is a flowchart showing a shift control program when the solenoid function fails.
FIG. 40 is a characteristic diagram of a 3-2 shift line used in the program.
FIG. 41 is a hydraulic characteristic diagram at the time of 3-2 shift by the same control.
FIG. 42 is a hydraulic characteristic diagram at the time of 2-3 shifting by the same control.
FIG. 43 is a flowchart showing a warning lamp control program.
[Explanation of symbols]
10 Automatic transmission
20 Torque converter
26 Lock-up clutch
30 transmission gear mechanism
41-45 Friction element
100 Hydraulic control circuit
111, 112 On-off solenoid valve
121-123 duty solenoid valve
300 controller

Claims (5)

トルクコンバータと、該トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される変速歯車機構と、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを締結もしくは解放するロックアップクラッチと、上記変速歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素と、上記ロックアップクラッチおよび摩擦要素に供給される作動圧を制御してロックアップクラッチの状態と変速歯車機構のギヤ段とを制御する油圧制御回路とを有する自動変速機における上記ロックアップクラッチの故障検出装置であって、上記トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、上記ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを有するとともに、この故障判定手段は、エンジンの高負荷領域と低負荷領域とにおける上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間のそれぞれの積算値が、高負荷領域側が低負荷領域側より短い時間に設定された所定時間にそれぞれ達したときに、ロックアップON故障が発生したものと判定することを特徴とするロックアップクラッチの故障検出装置。  A torque converter, a transmission gear mechanism to which power from the engine is input via the torque converter, a lockup clutch for fastening or releasing an input member and an output member of the torque converter, and power transmission of the transmission gear mechanism Automatic transmission having a plurality of friction elements for switching paths, and a hydraulic control circuit for controlling the state of the lockup clutch and the gear stage of the transmission gear mechanism by controlling the lockup clutch and the operating pressure supplied to the friction element A failure detection device for the lock-up clutch in a machine, wherein a slip rotation speed detecting means for detecting a slip rotation speed between an input member and an output member of the torque converter, and a release command is output to the lock-up clutch In a state where the slip rotation speed is detected by the detection means. Failure determination means for determining whether or not a lockup ON failure has occurred in which the lockup clutch is fixed in the engaged state, and the failure determination means includes the slip in the high load region and the low load region of the engine. A lock-up ON failure occurred when the accumulated value of the time when the rotation speed was equal to or less than the predetermined rotation speed reached the predetermined time set at a time shorter on the high load area side than on the low load area side. A failure detection device for a lock-up clutch, characterized in that トルクコンバータと、該トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される変速歯車機構と、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを締結もしくは解放するロックアップクラッチと、上記変速歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素と、上記ロックアップクラッチおよび摩擦要素に供給される作動圧を制御してロックアップクラッチの状態と変速歯車機構のギヤ段とを制御する油圧制御回路とを有する自動変速機における上記ロックアップクラッチの故障検出装置であって、上記トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、上記ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを有するとともに、この故障判定手段は、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、かつ、上記所定スロットル開度より低開度側の第2領域で、上記第1所定時間より長い時間に設定された第2所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定することを特徴とするロックアップクラッチの故障検出装置。A torque converter, a transmission gear mechanism to which power from the engine is input via the torque converter, a lockup clutch for fastening or releasing an input member and an output member of the torque converter, and power transmission of the transmission gear mechanism Automatic transmission having a plurality of friction elements for switching paths, and a hydraulic control circuit that controls the lockup clutch and the operating pressure supplied to the friction elements to control the state of the lockup clutch and the gear stage of the transmission gear mechanism A failure detection device for the lock-up clutch in a machine, wherein a slip rotation speed detecting means for detecting a slip rotation speed between an input member and an output member of the torque converter, and a release command is output to the lock-up clutch On the basis of the slip rotation speed detected by the detection means. Failure determination means for determining whether or not a lockup ON failure has occurred in which the lockup clutch is fixed in an engaged state, and the failure determination means is a time during which the slip rotation speed is equal to or less than a predetermined rotation speed. Is the first predetermined time in the first region higher than the predetermined throttle opening, and is longer than the first predetermined time in the second region lower than the predetermined throttle opening. A failure detection device for a lockup clutch, characterized in that it is determined that a lockup ON failure has occurred when a second predetermined time set as a time is reached. トルクコンバータと、該トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される変速歯車機構と、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを締結もしくは解放するロックアップクラッチと、上記変速歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素と、上記ロックアップクラッチおよび摩擦要素に対する作動圧の給排を制御してロックアップクラッチの状態と変速歯車機構のギヤ段とを制御する油圧制御回路とを有する自動変速機における上記ロックアップクラッチの故障検出装置であって、上記トルクコンバータの入力部材と出力部材の間のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検出手段と、上記ロックアップクラッチに対して解放指令が出力されている状態で、上記検出手段によって検出されるスリップ回転数に基づいて該ロックアップクラッチが締結状態で固定されるロックアップON故障が発生したか否かを判定する故障判定手段とを有するとともに、この故障判定手段は、上記スリップ回転数が所定回転数以下であった時間の積算値が、所定スロットル開度より高開度側の第1領域で第1所定時間となり、上記所定スロットル開度より低開度側であって全閉領域を含まない第2領域で第2所定時間となり、かつ、全閉領域で、上記第1所定時間および第2所定時間より長い時間に設定された第3所定時間となったときに、ロックアップON故障が発生したものと判定することを特徴とするロックアップクラッチの故障検出装置。A torque converter, a transmission gear mechanism to which power from the engine is input via the torque converter, a lockup clutch for fastening or releasing an input member and an output member of the torque converter, and power transmission of the transmission gear mechanism Automatic transmission having a plurality of friction elements for switching paths, and a hydraulic control circuit for controlling the state of the lockup clutch and the gear stage of the transmission gear mechanism by controlling supply and discharge of the operating pressure to the lockup clutch and the friction element A failure detection device for the lock-up clutch in a machine, wherein a slip rotation speed detecting means for detecting a slip rotation speed between an input member and an output member of the torque converter, and a release command is output to the lock-up clutch Based on the slip rotation speed detected by the detection means. Failure determination means for determining whether or not a lockup ON failure has occurred in which the lockup clutch is fixed in the engaged state, and the failure determination means has the slip rotation speed equal to or less than a predetermined rotation speed. The integrated value of time becomes the first predetermined time in the first region higher than the predetermined throttle opening, and becomes the first predetermined time in the second region that is lower than the predetermined throttle opening and does not include the fully closed region. 2 It is determined that a lock-up ON failure has occurred when the predetermined time is reached and the third predetermined time set in the fully closed region is longer than the first predetermined time and the second predetermined time. A failure detection device for a lock-up clutch characterized by the above. 故障判定手段は、スリップ回転数が所定回転数以下である時間の積算中に、該スリップ回転数が上記所定回転数より大きくなったときに、ロックアップON故障の判定動作を中止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のロックアップクラッチの故障検出装置。The failure determination means stops the operation of determining the lockup ON failure when the slip rotation speed becomes larger than the predetermined rotation speed during the accumulation of the time during which the slip rotation speed is equal to or less than the predetermined rotation speed. The failure detection device for a lockup clutch according to any one of claims 1 to 3 . 故障判定手段は、変速歯車機構がニュートラル状態で固定されるニュートラル故障が発生したときに、ロックアップON故障の判定動作を中止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のロックアップクラッチの故障検出装置。Failure determining means, when the neutral failure of transmission gear mechanism is fixed in a neutral state occurs, according to claims 1, characterized in that to stop the determination operation of the lockup ON failure in any one of claims 3 Lockup clutch failure detection device.
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