JP4008773B2 - 端末間の通信接続制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP(Internet Protocol)端末、IP電話機、音声画像装置などの2端末間でIPパケットを送受するIP通信に適用できるIP転送網を用いたIP通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
メール送受信、電話、画像通信などの種々の端末間通信をIP転送網を利用して実現する方法として本出願人による特願平11−128956号(以下、「先行出願」とする)があり、この先行出願では、IP電話網、IP画像網、IP電子データ汎用網等の様々な特質を有する複数のIP転送網を内部に分離して含む「統合IP転送網」を実現する方法を開示している。各種端末間通信を一体化したIP転送網を実現するために、前記先行出願が開示している内容を図350を参照して概説する。
【0003】
統合IP転送網901の内部に、IP画像網902、IP電子データ汎用網903、IP電話網904等の異なる特質を有する複数のIP転送網を仮想的に設置し、統合IP転送網901の外部から統合IP転送網901への入力点に設置される網ノード装置905−Xや905−Yの内部にそれぞれアドレス管理表を設定し、このアドレス管理表に端末のアドレス等を予め登録しておき、統合IP転送網901に入力するIPパケットに書き込まれているアドレス等と、前記アドレス管理表に登録されているアドレス等とを比較することにより、統合IP転送網901の内部において個別のIP転送網に振り分けて送信できるようにしている。
【0004】
次に、本発明に関係し、公衆電話交換網(PSTN)で採用されている端末間通信接続制御方法(No.7-共通線信号方式)を概説する。
【0005】
図351において、98−1及び98−3は電話機が接続する交換機(加入者交換機)、98−2は中継交換機、98−4及び98−5は電話機である。98−6乃至98−8は交換機の通話路制御部、98−9乃至98−11は交換機内部制御部、98−12乃至98−14は電話の端末間接続制御を行う信号局(SP:Signalling Point)である。交換機内部制御部は交換機内部動作制御と共に、通話路制御部と信号局との間の通話回線の設定や復旧のための情報交換などを行う。
【0006】
98−12及び98−14を特に信号端局(SEP: Signalling End Point)といい、98−13を特に信号中継局(STP:Signalling Transfer Point)という。98−15は他の信号端局である。これら信号局98−12乃至98−15は、それぞれ信号回線98−24乃至98−27を経て信号網98−16に接続されており、端末間通信接続制御や網の保守・運用に用いる情報などを信号ユニット(SU:Signalling Unit)に格納して信号局の間で互いに送受信する。信号局には、他の信号局と識別するための16ビットの信号局コード(PC:Point Code)が付与されている。一方、98−21及び98−22は電話音声を伝送する通話回線であり、端末間通信接続制御のための情報は伝送しない。電話回線98−20及び98−23は、音声と端末間通信接続制御情報が一体のまま、つまり音声と端末間通信接続制御情報とは分離されずに伝送されるインタフェースである(UNIという)。公衆電話交換網(PSTN)内部において、信号回線98−24乃至98−26と通話回線98−21、98−22とが分離していることが、No.7−共通線信号方式の特徴である。
【0007】
図352に示す信号ユニットは、「宛先信号局コード」(DPC:Destination Point Code)、「起点信号局コード」(OPC:Origin Point Code)、「回線番号」(CIC:Circuit Identification Code)、メッセージ種別(MSG:message)、メッセージのパラメータを含んでいる。
【0008】
宛先信号局コードは信号ユニットを送る宛先を示し、起点信号局コードは信号ユニットの送信元を示し、回線番号(CIC:Circuit Identification Code)は送信元信号局と宛先信号局の間に設定する通話回線を識別する識別番号である。メッセージ種別として、例えば端末間通信接続制御に用いるためのIAM,ACM,CPG,ANM,REL,RLC、SUS,RES,CONがある。信号ユニットのメッセージ種別領域にIAMと書込んだ信号ユニットを、初期アドレスメッセージ(IAM)という。同様に、信号ユニットのメッセージ種別領域にACMと書込んだ信号ユニットはアドレス完了メッセージ(ACM)、CPGと書込んだ信号ユニットは呼経過メッセージ(CPG)、ANMと書込んだ信号ユニットは応答メッセージ(ANM)、RELと書込んだ信号ユニットは解放メッセージ(REL)、RLCと書込んだ信号ユニットは解放完了メッセージ(RLC)、SUSと書込んだ信号ユニットは中断メッセージ(SUS)、RESと書込んだ信号ユニットは再開メッセージ(RES)、CONと書込んだ信号ユニットは接続メッセージ(CON)という。
【0009】
図351に示す電話機98−4から交換機98−1、98−2,98−3を経由して、電話機98−5と電話通信するための端末間通信接続制御方法を図352を参照して説明する。なお、各信号局は、各信号局に付与されている信号局コードを宛先や送信元を示すアドレスとして設定した信号ユニットを、信号回線98−24乃至98−27及び共通線信号網98−16を経由して交換する。電話機98−4と交換機98−1は電話回線98−20で接続されており、電話機98−4の端末間接続制御は交換機98−1内の信号局98−12に受け持たせている。同様に、電話機98−5と交換機98−3は電話回線98−23で接続されており、電話機98−5の端末間接続制御は交換機98−3内の信号局98−14に受け持たせている。
【0010】
利用者が電話機98−4から発呼要求すると信号局98−12が受信し(図353のステップX1)、交換機98−1の通話路制御部98−6及び交換機内部制御部98−9の機能により、電話機98−4から受信した宛先電話番号を用いて通信回線を決め、その回線番号(CIC)を書込んだ信号ユニットを初期アドレスメッセージ(IAM)として形成する。初期アドレスメッセージ(IAM)のパラメータ領域には少なくとも電話機98−5の電話番号、つまり宛先電話番号“Tel-No-98-5”を書込む。更に、電話機98−4の電話番号、つまり送信元電話番号“Tel-No-98-4”を書込むこともできる。
【0011】
次に、信号局98−12は、電話呼出を行うための初期アドレスメッセージ(IAM)を交換機98−2内の信号局98−13に送る(ステップX2)。IAMには、通話回線98−21内部の論理通信回線である通話回線の回線番号“98-4-98-5”、宛先電話番号“Tel-No-98-5”、送信元電話番号“Tel-No-98-4”(省略できるオプション)などが含まれている。信号局98−12はIAMを送信した後、後述するアドレス完了メッセージ(ACM)の待ち状態に移行すると共に、ACM待ちタイマーを起動する。
【0012】
交換機98−2内の信号局98−13は前記IAMを受信し、交換機内部制御部98−10を経て通話回線制御部98−7に回線番号“98-4-98-5”を通知し、通話回線制御部98−7は導通試験して通話回線98−21を通話可能とし、信号局98−13は交換機98−3内の信号局98−14に前記IAMを送り(ステップX3)、信号局98−14は受信したIAMの内容を調べ、制御部98−11及び通話回線制御部98−8を経て通話回線98−22を通話可能とし、更に信号局98−14は電話機98−5を交換機98−3に接続しており、着信を許容されているかを調べ、着信許容の場合は電話機98−5に呼設定要求を行い(ステップX4)、更に信号局98−14はIAMを受信したことを通知するアドレス完了メッセージ(ACM)を返信し(ステップX5)、ACMは信号局98−13を経て信号局98−12に到達する(ステップX6)。信号局98−12はACMを受信すると、既に設定してあるACM待ちタイマーを停止する。なお、ACMを受信する前の時点において、ACM待ちタイマが満了した場合は通話回線は解放されている。
【0013】
交換機98−3内の信号局98−14は、電話機98−5から呼出音を鳴動中であることを意味する情報を受信すると(ステップX7)、信号局98−13に対して呼経過メッセージ(CPG)を送信し(ステップX8)、信号局98−13は受信したCPGを信号局98−12に送信し(ステップX9)、交換機98−1内の信号局98−12はCPGを受信し、次に信号局98−12は電話機99−4に呼出中音を送信する(ステップX10)。電話機98−5が前記呼設定要求に応答すると(ステップX11)、電話機98−5と交換機98−3との間の電話回線98−23を通話可能とし、更に電話機98−5が応答したことを示す応答メッセージ(ANM)を信号局98−13に送信する(ステップX12)。
【0014】
信号局98−13は受信したANMを信号局98−12に送信し(ステップX13)、信号局98−12は電話機98−4に送信している呼出音の停止を通知し(ステップX14)、電話機98−4と電話機98−5との間で電話音声の送受が可能となり、通話フェーズに移行する(ステップX15)。電話機98−4の送受話器がおかれて(オンフック)、切断要求が送出され(ステップX16)、信号局98−12は前記切断要求を受信すると、解放要求(REL)を信号局98−13に送出し(ステップX17)、更に当該通話回線が空き状態になったことを示す解放完了(RLC)を電話機98−4に通知する(ステップX18)。そして、信号局98−13は解放要求(REL)を受信すると、次の解放要求(REL)を信号局98−14に送出し(ステップX19)、更に当該通話回線が空き状態になったことを示す解放完了(RLC)を信号局98−12に通知し(ステップX20)、信号局98−14は解放要求(REL)を受信すると、解放指示を電話機98−5に送出し(ステップX21)、更に当該通話回線が空き状態になったことを示す解放完了(RLC)を信号局98−13に通知する(ステップX22)。電話機98−5は復旧完了を信号局98−14に通知する(ステップX23)。電話機98−4と信号局98−12との間、及び信号局98−14と電話機98−5との間において送受される端末間通信接続制御の手順は、電話機の種類によりバリエーションがあり、例えば前記ステップX23の直後に、信号局98−14から電話機98−5に復旧完了に対する確認通知が出されるようにしても良い。
【0015】
図354は、電話機98−4から交換機98−1乃至98−3を経由して、電話機98−5と電話通信するための他の端末間通信接続制御方法を説明する図である。この端末間通信接続制御方法は、図353において説明した端末間通信接続制御方法において、ステップX5及びX6を除いたもの、つまりアドレス完了メッセージACMを除いたものに相当する。但し、ステップX2において、信号局98−12はACM待ちタイマの代わりにCPG待ちタイマを設定し、信号局98−12はステップX9の後にCPG待ちタイマを停止する。以上説明した端末間通信接続制御方法は、交換機がISDN交換機でなく、アナログ交換機に採用した方法である。
【0016】
図355は、電話機98−4と電話機98−5との間の他の端末間通信接続制御方法を説明する図であり、この端末間通信接続制御方法では、前述した端末間通信接続制御方法において、応答完了メッセージ(ステップX14)及び通話フェーズ(ステップX15)を待たずに、電話通信を切断する一連のステップを行う例である(ステップX16乃至ステップX23)。
【0017】
図356は、電話機98−4から交換機98−1乃至98−3を経由して、電話機98−5と電話通信するための更に別の端末間通信接続制御方法において、通話中(ステップX15)に電話機98−4の送受話器が短い時間だけ置かれて(オンフック)、電話通信を一時的に中止するための中断メッセージが送信され(ステップX30乃至X33)、送受話器が戻されて(オフフック)、電話通信が再開される再開メッセージが送信され(ステップX35乃至X38)、通話中に戻る(ステップX39)場合を示している。以降の解放(REL)と解放完了(RLC)のステップは、図354を用いて説明した場合と同様である(ステップX40乃至X47)。
【0018】
次に、IP電話通信に関しては、TTC標準“JT-H323 パケットに基づくマルチメディア通信システム”があり、例えばITU-T勧告H323 ANNEX D準拠(1999年4月版)に記述されている。マルチメディア端末間通信における呼接続の制御を行う“シグナリングプロトコルとメディア信号のパケット化”技法は、JT-H225として規定され、また、マルチメディア端末間通信における“マルチメディア通信用制御プロトコル”は、JT−H245として規定されている。
【0019】
次に、本発明で参照しており、ITUにより規定されるJT-H323ゲートウェイの基本的な機能を、図357〜図360を参照して説明する。
【0020】
図357においてブロック800がJT-H323ゲートウェイであり、SCN回線801から入力してきた音声や画像信号はSCN端末機能802においてディジタルデータ信号に変換され、変換機能803においてデータ形式や信号送受規則などが変換され、端末機能804においてIPパケットの形式に変換されてIP通信回線805へ送出される。また、逆方向の流れ、即ちIP通信回線805から入力した音声や画像データを含むIPパケットは、端末機能804においてディジタルデータの形式に復号化され、変換機能803においてデータ形式や信号送受規則などを変換され、SCN端末機能802においてSCN回線を流れる信号に変換されてSCN回線801へ送出される。ここで、音声や画像信号は、通信相手との電話番号のやりとりなどで使われる“呼制御データ”と、音声や画像そのものを構成する“正味のデータ”とに分けることができる。通信回線805には、呼制御データとしてのIPパケット810(図358)と、音声を構成する正味のデータとしてのIPパケット811(図359)と、画像そのものを構成する正味のデータとしてのIPパケット812(図360)とが流れる。ISDN回線の場合、SCN端末機能802はデータ回線終端装置(DSU)に相当する。また、端末機能804は、JT-323電話機やJT-323音声画像装置との対向通信を行うために必要な端末通信機能を有する。
【0021】
本発明は、本出願人による特許3084681号(特開平11−088438号)等に開示されるIP転送網に複数の端末を接続し、電話番号乃至ホスト名を用いる端末間通信を可能とするものであり、IP転送網は、その内部と外部とは分離したルールにより定まるアドレス体系を採用し、外部IPパケットがIP転送網に入力するときに、外部IPパケットが含むアドレス検査を行い、不合格IPパケットを廃棄してIP転送網の安全性を確保し、又、端末間通信用の外部IPパケットはIP転送網に入力するときアドレス検査を行なうと共に、外部IPパケットを含む内部パケットに変換してIP転送網内部を転送するようにしており、IP転送網の機能や動作、IPパケットの送受手順などを具体的に定めて、電話番号やホスト名を用いた2端末間通信を可能とするIP転送網を用いたIP通信システムを実現する。
次に、特許3084681号に開示されている統合情報通信網について、図361を参照して概略説明する。
【0022】
ブロック191は統合IP通信網であり、IP端末192−1はIPアドレス”EA01”を有し、IP端末192−2はIPアドレス”EA02”を有する。この例は、IP端末192−1からIP端末192−2へ、統合IP通信網を経由して外部IPパケット193−1を転送する例であり、IPアドレス”EA01”及び”EA02”は、統合IP通信網191の外部で用いるので外部IPアドレスという。図361乃至図365の記載において、IPのヘッダ部分はIPアドレス部分のみを記載し、他の項目は省略している。
【0023】
網ノード装置195−1は外部IPパケット193−1を受信すると、IPパケット193−1が入力した論理通信回線194−1の終端部(論理端子)に付与されている論理端子識別情報として内部IPアドレスが”IA01”、IPパケット193−1の宛先外部IPアドレスが”EA02”であることを確認し、図361に示すアドレス管理表196−1内部を検索し、始めに外部IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子識別情報としての送信元内部IPアドレスが”IA01”であり、次に宛先外部IPアドレスが”EA02”が含まれるレコードを検索し、更に前記検出したレコード内にIPパケット193−1内の送信元外部IPアドレスが”EA01”が含まれるかを調べる。なお、前記検出したレコード内にIPパケット193−1内の送信元外部IPアドレスが”EA01”が含まれるかを調べることは、省略することもできる。
【0024】
本例では上から2行目の”EA01,EA02,IA01,IA02”を含むレコードであり、このレコード内部にあるIPアドレスの”IA01”及び”IA02”を用いて、送信元IPアドレスが”IA01”であり、宛先IPアドレスが”IA02”であるIPヘッダを有するIPパケット193−2を形成する(IPパケットのカプセル化)。ここで、”IA01”及び”IA02”は、統合IP通信網191の内部IPアドレスという。内部IPパケット193−2は、ルータ197−1,197−2,197−3を経由して網ノード装置195−2へ到達する。網ノード装置195−2は受信した内部IPパケット193−2のIPヘッダを除き(IPパケットの逆カプセル化)、得られた外部IPパケット193−3を通信回線194−2へ送出し、IP端末192−2が外部IPパケット193−3を受信する。なお、197−6は、外部IPアドレスが”EA81”、内部IPアドレスが”IA81”のサーバの例である。
【0025】
図362はアドレス管理表の他の実施例であり、図361のアドレス管理表196−1を図362のアドレス管理表196−3に変え、図361のアドレス管理表196−2を図362のアドレス管理表196−4に変えており、他の部分は同一である。アドレス管理表196−3及び196−4は公知のアドレスマスクの技法を適用している。
【0026】
始めに、通信回線194−1の終端部の論理端子に付与する内部IPアドレス“IA01”を含むアドレス管理表196−3のレコードを検索するが、本ケースでは、アドレス管理表196−3の上から1行目のレコードと2行目のレコードが該当し、1行目のレコードについては、宛先用外部IPマスク“Mask81”と、外部IPパケット193−1内の宛先外部IPアドレス“EA02”との“and”演算の結果が、1行目レコード内宛先外部IPアドレス“EA81x”と一致するかを調べ(下記(1)式)、本ケースでは一致せず、次に2行目のレコードについて、宛先用外部IPマスク“Mask2”と、外部IPパケット193−1内の宛先外部IPアドレス“EA02”との“and”演算の結果が、2行目レコード内宛先外部IPアドレス“EA02y”と一致するかを調べ(下記(2)式)、本ケースでは一致する。送信元IPアドレスについても、前記同様に、下記(3)式により比較する。
【0027】
If(“Mask81” and “EA02”=”EA81x”) ・・・ (1)
If(“Mask2” and “EA02”=”EA02y”)・・・ (2)
If(“Mask1y” and “EA01”=“EA01y”) ・・・ (3)
以上の比較結果に基づいて2行目のレコードが選択され、2行目のレコード内の内部レコード“IA01”と“IA02”とが用いられてカプセル化が行われ、内部IPパケット193−2が形成される。なお、アドレス管理表196−3内部のレコード内送信元外部IPアドレス用領域とアドレスマスク用領域を抹消しておき、前記(3)式の比較を行わないこともできる。
【0028】
図363はアドレス管理表の更に別の実施例であり、図361のアドレス管理表196−1を図363のアドレス管理表196−5に変え、図361のアドレス管理表196−2を図363のアドレス管理表196−6に変えており、他の部分は同一である。この例においては、アドレス管理表196−5及び196−6内部の送信元外部IPアドレスが欠落しており、IPカプセル化において送信元外部IPアドレスは引用されない。IPパケット193−1をカプセル化するとき、アドレス管理表196−5内部の送信元内部IPアドレス“IA01”と宛先外部IPアドレス“EA02”から、宛先内部IPアドレス“IA02”を決定する。
【0029】
図364は、アドレス管理表の更に別の実施例であり、図361の統合IP通信網を光網に換え、内部IPパケットを内部光フレームに変えたものに相当し、以下に概略説明する。ブロック191xはIPパケット転送網であり、光フレームによりIPパケットを転送する光網でもある。光フレームは、光網191x内部の通信1層乃至通信2層の機能である光通信路を転送される。光フレームのヘッダ部分に光リンクアドレスを付与されている。光フレームがHDLCフレームであるケースでは、光リンクアドレスはHDLCフレームで用いられるHDLCアドレスとなる。
【0030】
IP端末192−1xはIPアドレス“EA1”を有し、IP端末192−2xはIPアドレス“EA2”を有する。この例はIP端末192−lxからIP端末192−2xヘ、光網191xを経由して外部IPパケット193一lxを転送する例である。図364の記載において、IPのへッダ部分はIPアドレス部分のみを記載し、光フレームも同様にヘッダ部分のみ記載し、他の項目は省略している。
【0031】
網ノード装置195−1xは外部IPパケット193−1xを受信すると、IPパケット193−1xが入力した論理通信回線194−1xの終端部(論理端子)に付与されている内部光リンクアドレスが“IA1”、IPパケット193−1xの宛先外部IPアドレスが”EA2”であることを確認し、図364に示すアドレス管理表196−1x内部を検索し、始めに送信元内部光リンクアドレスが“IA1”であり、次に宛先外部IPアドレスが“EA2”が含まれるレコードを検索し、更に前記検出したレコード内にIPパケット193−1x内の送信元外部IPアドレスが“EA1”が含まれるかを調べる。なお、前記検出したレコード内にIPパケット193−1x内の送信元外部IPアドレスが、“EA1”が含まれるかを調べることは省略することもできる。
【0032】
本例では上から2行目の“EA1,EA2,IA1,IA2”を含むレコードであり、このレコード内部にある光リンクアドレスの“IA1”及び”IA2”を用いて、送信元光リンクアドレスが“IA1”であり、宛先光リンクアドレスが“IA2”であるヘッダを有する光フレーム193−2xを形成する(IPパケットのカプセル化)。ここで、“IA1”及び“IA2”は光通信綱191xの内部アドレスである。内部光フレーム193−2xは、光フレーム転送機能を有するルータ197−1x,197−2x,197−3xを経由して網ノード装置195−2xへ到達する。綱ノード装置195−2xは受信した内部光フレーム193−2xのへッダを除き(光フレームの逆カプセル化)、得られた外部IPパケット193−3xを通信回線194−2xへ送出し、IP端末192−2xが外部IPパケット193−3xを受信する。
【0033】
本発明において、IP電話機や後述するメディアルータ、各種のサーバ(これらをまとめて「IP送受信可能ノード」という)はそれぞれIPアドレスを付与され、IPパケットを送受信して相互にデータ交換することができ、本発明においてはIP通信手段と呼ぶ。図365は、IP送受信可能ノード340−1及びIP送受信可能ノード340−2がそれぞれIPアドレス”AD1”及び”AD2”を有し、端末340―1から端末340−2へ、送信元IPアドレス”AD1”、宛先IPアドレス”AD2”であるIPパケット341−1を送信し、また逆方向にIPパケット341−2を受信することにより、互いに各種データを送受している例である。IPパケットのヘッダを除いたデータ部分をペイロードとも呼ぶ。
【0034】
次に、IP転送網としてIP技術の1つであるマルチキャスト技術を用いて、電子書籍や電子新聞などのIPデータを1つの配送元から複数の宛先に転送するIPデータマルチキャスト網、TVの音声データと画像データとを共に複数宛先に転送(放送)するIP音声画像網としてのIPベースTV放送網乃至IPベース映画配給網等があり、図366を参照して1つの配送元から複数の宛先に転送するマルチキャスト型のIP転送網27−1を説明する。
【0035】
図366において27−11乃至27−20はルータであり、各ルータには、受信したIPパケットに含まれるマルチキャストアドレス別に、IPパケットを複数の通信回線に転送すべきことを示すルータ別マルチキャスト表が保持されている。本実施例の場合、マルチキャストアドレスが“MA1”を指定している。IP端末28−1からマルチキャストアドレス“MA1”であるIPパケット29−1が送信され、ルータ27−11を経由してルータ27−18に到達すると、ルータ27−18はIPパケット29−2をコピーし、ルータ27−18が保持しているルータ別マルチキャスト表を引用してIPパケット29−3及び29−4を通信回線に転送する。ルータ27−17は受信したIPパケット29−3をコピーし、ルータ別マルチキャスト表を参照してIPパケット29−5を通信回線29−17へ、及びIPパケット29−6を通信回線29−18に転送する。IPパケット29−4はそのままルータ27−19を通過し、IPパケット29−7となってルータ27−14へ転送される。
【0036】
ルータ27−17は、図367に示すように通信回線29−16からIPパケット29−3を入力し、IPパケット29−3の送信元IPアドレスが“SRC1”、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレス“MA1”であることを確認し、マルチキャスト表29−15に、マルチキャストアドレス“MA1”に対して出力インタフェースが“IF-1”と“IF-2”と指定されていることから、ルータ27−17はIPパケット29−3をコピーし、出力インタフェースが“IF-1”である通信回線29−17へIPパケット29−5として出力し、更にルータ27−17はIPパケット29−3をコピーして、出力インタフェースが”IF-2”である通信回線29−18へIPパケット29−6として出力する。
【0037】
ルータ27−12は受信したIPパケット29−5をコピーし、ルータ別マルチキャスト表を参照してIPパケット29−8をIP端末28−2へ、IPパケット29−9をそれぞれIP端末28−3へ転送する。ルータ27−13は受信したIPパケット29−6をコピーし、ルータ別マルチキャスト表を参照してIPパケット29−10をIP端末28−4へ、IPパケット29−11をIP端末28−5へそれぞれ転送する。ルータ27−14は受信したIPパケット29−7をコピーし、ルータ別マルチキャスト表を参照してIPパケット29−12をIP端末28−6へ、IPパケット29−13をIP端末28−7へ、それぞれ転送する。送信元のIP端末28−1がディジタルデータ形式の電子書籍や電子新聞をIP転送網27−1に転送する場合、このIP転送網27−1は電子書籍や電子新聞を配送するためのIPデータマルチキャスト網であり、IP端末28−2乃至28−8は電子書籍や電子新聞を購読するユーザのIP端末となる。送信元のIP端末28−1をTV放送用の音声画像送信装置に置きかえて、TV番組(音声と画像)を放送すると、このIP転送網はIPベースTV放送網となり、IP端末28−2乃至28−7はTV視聴者用のTV受信機能付IP端末となる。
【0038】
以上述べた図366のマルチキャスト方式の実施例において、IP端末28−1が送信者となってマルチキャストデータを送信し、IP端末28−2乃至28−7が受信者となっており、このような方法を採用したマルチキャストは、インターネットや広域LANなどで試験的に使われている。しかし、このマルチキャスト方式ではどのIP端末もマルチキャストデータ送信元となることが出来るので、悪意の送信者が出現してマルチキャストデータを際限なく送り続けて網を輻輳させ、網機能が停止に追い込まれる危険がある。また、ルータ内部のマルチキャスト表を書換えられたり、大量データをルータに際限なく送り込まれて、ルータが過大負荷となってダウンする危険がある。更に、IP転送網の利用料金を、マルチキャストデータ送信者に負担してもらう具体的方法(送信者への課金方法)が未解決である。マルチキャストデータ受信者を特定して課金する方法も、未解決である。マルチキャストデータ送信元を限定して不正行為者を排除したり、ルータの過大負荷ダウンなどの攻撃を防ぐ方法により、情報安全性を高めると共に、送信者と受信者への課金方法を解決できるマルチキャスト方式の実現が期待されている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
データを主に送受するIP端末機間の端末間通信接続制御方法は、インターネットにおいて、例えば電子メールを送受するための端末間通信接続制御方法として確立されている。本発明は、インターネット等で確立されているデータ送受を主目的とするIP端末間の端末間通信接続制御方法を、前述のTTC標準とは異なる技法により、IP電話機間の通信や音声画像通信、及びIPマルチキャスト通信などのマルチメディア通信に適用できるIP転送網を用いた端末間通信接続制御方法を確立するものである。
【0040】
2電話機間の電話通信は、IP転送網のみを経由した端末間通信接続方法、複数LANとIP転送網を接続した通信網を経由した端末間通信接続方法、IP転送網と公衆電話交換網(PSTN)とを接続した通信網を経由した端末間通信接続方法を提供することにある。送信者と受信者を特定して課金を可能とし、マルチキャストデータの無許可送信を規制できるマルチキャスト通信の端末間通信接続方法を提供することにある。
【0041】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、IP電話機間の通信や音声画像通信、IPマルチキャスト通信などのマルチメディア通信に適用できるIP転送網を用いた端末間通信接続制御方法を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明では、No.7−共通線信号方式の回線接続制御方法をIP転送網向きに見直すことにより、電話機やIP端末、音声動画像送受信端末やファックス端末などの端末間におけるIP転送網を経由した端末間通信接続制御方法を実現している。IP転送網の内部は、IPカプセル化の技法、簡易カプセル化の技法、一部はカプセル化しない技法、のいずれかを採用したIP転送網を用いた端末間通信接続方法を実現している。
【0043】
図1において、1はIPパケット送受信機能を有するIP転送網、1−1及び1−2は端末(電話機やIP端末、音声動画像送受信端末やファックスなど)、1−3及び1−4は1以上の端末をIP転送網に接続するためのメディアルータ、1−5及び1−6は接続サーバ、1−7は中継接続サーバである。上記各接続サーバ1−5及び1−6には、公衆電話交換網(PSTN)の加入者交換機(LS)の回線接続制御に類似した機能が付与されており、中継接続サーバ1−7には中継交換機(TS)の回線接続制御と類似した機能が付与されている。
【0044】
利用者が端末1−1から宛先電話番号を入力して呼設定を送り(ステップZ1)、メディアルータ1−3が呼設定受付を返し(ステップZ2)、次にメディアルータ1−3は、宛先電話番号と送信元電話番号を含む呼設定のためのIPパケットを接続サーバ1−5に送信し(ステップY1)、接続サーバ1−5は受信した宛先電話番号を用いてIP転送網内部の端末間通信用の通信回線を定め、通信回線を識別するための回線番号(CIC)、宛先電話番号及び送信元電話番号を含むIPパケットを形成する。ここで、回線番号(CIC)は、宛先電話番号及び送信元電話番号の組を識別できるように一意に定めておく。このIPパケットを、初期アドレスメッセージ(IAM)を含むIPパケット、或は単に初期アドレスメッセージ(IAM)という。前記端末間通信用の通信回線は、例えばディジタル化した音声パケットを転送するためのIP通信回線であり、このIP通信回線は、音声IPパケットに設定する送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスの組、或はIPパケットに付加したMPLS技法のラベルとして規定できる。なお、IP端末や音声動画像データやファックスデータ端末など他の端末の場合、通信回線はIP端末用データ転送用通信回線や音声動画像送受信端末やファックスデータ転送用通信回線である。
【0045】
次に、接続サーバ1−5は初期アドレスメッセージ(IAM)を接続サーバ1−7へ送る(ステップY2)と共に、後述するアドレス完了メッセージ(ACM)の待ち状態に移行し、ACM待ちタイマーを起動する。中継接続サーバ1−7はIAMを受信し、接続サーバ1−6へIAMを送る(ステップY3)。接続サーバ1−6は受信したIAMの内容を調べ、宛先電話番号を有する端末1−2を接続しているメディアルータ1−4へ通信回線が設定されているか、つまりメディアルータ1−4が接続要求呼の着信を許容されているかを調べ、着信許容の場合はメディアルータ1−4へ呼設定要求を行い(ステップY4)、メディアルータ1−4は端末1−2に呼設定を要求し(ステップZ4)、更に接続サーバ1−6はIAMを受信したことを通知するIPパケットを形成する。このIPパケット(アドレス完了メッセージ(ACM)という)を中継接続サーバ1−7へ返信し(ステップY5)、ACMは中継接続サーバ1−7を経て中継接続サーバ1−5に到達する(ステップY6)。接続サーバ1−5はACMを受信すると、既に設定してあるACM待ちタイマーを停止する。なお、ACMを受信する前の時点において、ACM待ちタイマが満了した場合、通話回線は解放されている。また、ACMはIAMから回線番号(CIC)を引継ぎ、ACM内部に保持しているか、或はACMはステップY5において、送信元電話番号及び宛先電話番号の組から回線番号を形成し、ACM内部に保持することもできる。
【0046】
端末1−2は接続要求呼の着信音を鳴動させてメディアルータ1−4へ報告し(ステップZ7)、メディアルータ1−4は端末1−2が接続要求呼着信呼出しを接続サーバ1−6へ送信し(ステップY7)、接続サーバ1−6は端末1−2が接続要求呼着信呼出中を知らせるIPパケットを形成する。このIPパケットを呼経過メッセージ(CPG)を含むIPパケット、或は単に呼経過メッセージ(CPG)という。接続サーバ1−6は中継接続サーバ1−7へ呼経過メッセージ(CPG)を送信し(ステップY8)、中継接続サーバ1−7は受信した前記CPGを接続サーバ1−5に送信し(ステップY9)、接続サーバ1−5は前記CPGを受信し、接続サーバ1−5は、メディアルータ1−3に対してCPGの内容から端末1−2が呼出中であることをメディアルータ1−3に通知し(ステップY10)、メディアルータ1−3は端末1−1に呼出中音を通知する(ステップZ10)。なお、CPGは、ステップY5において、送信元電話番号及び宛先電話番号の組から回線番号を形成し、CPG内部に保持することもできる。
【0047】
端末1−2がステップZ4の呼設定要求に応答すると(ステップZ11)、メディアルータ1−4は端末1−2が応答したことを接続サーバ1−6へ通知し(ステップY11)、接続サーバ1−6は端末1−2が呼設定の要求に応答したことを示すIPパケットを形成する。このIPパケットを、応答メッセージ(ANM)を含むIPパケット又は単に応答メッセージ(ANM)という。接続サーバ1−6は生成したANMを中継接続サーバ1−7に送信し(ステップY12)、中継接続サーバ1−7は受信したANMを接続サーバ1−5に送信する(ステップY13)。接続サーバ1−5はメディアルータ1−3に宛先端末1−2が応答したことを知らせ(ステップY14)、メディアルータ1−3は端末1−1に送信している呼出音停止を通知し(ステップZ14)、端末1−1と端末1−2との間で、回線番号(CIC)により特定される端末間通信用の通信回線を用いたディジタルメディアを載せたIPパケットの送受が可能となり、通話フェーズに移行する(ステップY15)。なお、ANMはステップY5において、送信元電話番号と宛先電話番号の組から回線番号を形成し、ANM内部に保持することもできる。端末1−1の切断要求が通知され(ステップZ16)、メディアルータ1−3は切断要求を接続サーバ1−5へ通知し(ステップY16)、端末1−1に切断確認を通知する(ステップZ18)。
【0048】
接続サーバ1−5は切断要求を受信すると、送信元電話番号及び宛先電話番号の組から回線番号(CIC)を識別し、通信回線の解放要求(REL)を意味するIPパケットを形成する。このIPパケットを、解放(REL)を含むIPパケット又は単に解放メッセージ(REL)という。解放メッセージ(REL)は回線番号(CIC)を含み、この解放メッセージ(REL)を中継接続サーバ1−7に送出し(ステップY17)、更に切断要求の完了を示す復旧完了をメディアルータ1−3に返信する(ステップY18)。中継接続サーバ1−7は解放要求(REL)を接続サーバ1−6に送出し(ステップY19)、更に解放要求(REL)の完了を示すIPパケットを形成する。このIPパケットを解放完了(RLC)を含むIPパケット又は単に解放完了メッセージ(RLC)という。この解放完了(RLC)を接続サーバ1−5に返信する(ステップY20)。
【0049】
接続サーバ1−6は解放要求(REL)を受信するとメディアルータ1−4に切断要求を送出し(ステップY21)、解放要求(REL)を完了したことを意味する解放完了(RLC)を中継接続サーバ1−7に返信する(ステップY22)。メディアルータ1−4は切断要求を受信すると端末1−2に接続要求呼の切断指示を通知し(ステップZ22)、前記切断指示を遂行したことを示す切断完了を接続サーバ1−6に返信する(ステップY23)。端末1−2は復旧完了をメディアルータへ通知する(ステップZ23)。端末間通信を終了する手続きにおいて、端末1−2から端末間通信の切断要求をメディアルータ1−4に出すことも可能であり、上述と同様の手順となっている。中継接続サーバ1−7が存在せず、接続サーバ1−5及び1−6の間における端末間通信接続制御の方法も可能である。接続サーバ1−5及び1−6は端末1−1及び1−2の間の端末間通信の終了後、つまりステップY18及びステップY22において、回線番号(CIC)、通信時刻、電話番号を含めた端末間通信記録を収集し、接続サーバの内部に記録し、課金や運用管理に用いることができる。
【0050】
以上述べた端末間通信接続制御において、端末が電話機のケースでは、ディジタルメディアがディジタル化音声であり、メディア通信が電話通信であり、端末がIP端末(IPパケットを送受する機能を有する端末)であるケースでは、ディジタルメディアが文字乃至ディジタル化静止画像であり、メディア通信がIPデータ通信であり、端末が音声動画像送受信端末のケースでは、ディジタルメディアがディジタル化音声動画像であり、メディア通信が音声動画像通信であり、端末がファックス端末であるケースでは、ディジタルメディアがディジタル化ファックス画像であり、メディア通信がファックス通信である。また、通信相手端末を識別するための電話番号を、通信相手端末を識別するために個別に定める端末識別番号、例えば特定の通信網の内部でのみ有効な端末固有番号とすることもできる。
【0051】
また、メディアルータと接続サーバとの間、及び接続サーバ間における端末間通信接続制御の方法も各種のバリエーションがあり、また、ステップY2におけるACM待ちタイマーの起動を省略することも可能であり、更に前記ステップY5及びY6を省略し、アドレス完了メッセージ(ACM)を省くこともできる。但し、ACM待ちタイマの代わりにCPG待ちタイマを設定し、ステップY9の後にCPG待ちタイマーを停止する実施例において説明する。
【0052】
本発明はIP転送網を用いた端末間通信接続制御方法に関し、本発明の上記目的は、第1のIP端末及び第2のIP端末の間でマルチメディアIP通信を行うため、前記第1のIP端末が前記第2のIP端末のホスト名を含むIPパケットをメディアルータ内部のドメイン名サーバ経由で、網ノード装置を経由して統合IP転送網内部のドメイン名サーバに送信し、前記統合IP転送網内部のドメイン名サーバは前記第2のIP端末のホスト名に1:1に対応するIPアドレスを、前記メディアルータ内部のドメイン名サーバ経由で或は直接に前記第1のIP端末に返信し、前記第1のIP端末は前記第2のIP端末に送信するIPパケットを送出すると、前記第1のIP端末が接続するメディアルータを経由し、網ノード装置、IP転送網内部の1以上のルータを経由して前記第2のIP端末が接続されている他の網ノード装置に到達し、通信回線経由で他のメディアルータを経由し、前記IP端末にIPパケットが届けられるようにし、前記ドメイン名サーバを用いることによって達成される。
【0053】
また、本発明の上記目的は、第1の非独立型IP電話機と第2の非独立型IP電話機との間で電話通信を行うため、前記第1の非独立型IP電話機の送受話器を上げると、前記第1の非独立型IP電話機から呼出を通知するIPパケットが送信され、第1のメディアルータの内部の第1のH323終端部が前記IPパケットを検出し、応答のIPパケットを前記第1の非独立型IP電話機へ返信し、前記第1の非独立型IP電話機が前記第2の非独立型IP電話機の電話番号を含むIPパケットを前記第1のH323終端部を経由し、第1のメディアルータの内部の第1のドメイン名サーバ、前記第1のメディアルータが通信回線を経て接続する第1の網ノード装置に到達し、前記第1の網ノード装置は前記IPパケットを前記統合IP転送網内部の第2のドメイン名サーバに送信し、前記第2のドメイン名サーバは、前記第2の非独立型IP電話機の電話番号に1:1対応する第2のIPアドレスを前記第1のドメイン名サーバを経由して、或は前記第1のドメイン名サーバを経由せずに直接に前記第1のH323終端部に返信し、前記第1のH323終端部は、前記第1の非独立型IP電話機に1:1に対応づける第1のIPアドレスを発信元IPアドレスとし、前記第2のIPアドレスを宛先IPアドレスとするIPパケットを生成して送出すると、前記第1の網ノード装置、前記IP転送網内部の1以上のルータを経由し、前記第2の非独立型IP電話機が接続される他の第2の網ノード装置に到達し、通信回線経由で他の第2のメディアルータ内部にあり前記第2の非独立型IP電話機が接続される第2のH323終端部に届けられる。
【0054】
第1利用者が電話の通話を始めると、前記第1の非独立型IP電話機は前記第1のIPアドレスを発信元IPアドレスとし、前記第2のIPアドレスを宛先IPアドレスとしディジタル表現した電話音声を含むIPパケットを送出し、このIPパケットは前記第1のH323終端装置を経て前記第1の網ノード装置、前記IP転送網内部の1以上のルータ、前記第2の網ノード装置、前記第2のH323終端装置を経て、前記第2の非独立型IP電話機に届けられ、第2利用者が音声を発すると、前記第2の非独立型IP電話機は前記第2のIPアドレスを発信元IPアドレスとし、前記第1のIPアドレスを宛先IPアドレスとし、ディジタル表現した電話音声を含むIPパケットを送出し、このIPパケットは前記第2のH323終端装置を経て、第2の網ノード装置、前記IP転送網内部の1以上のルータ、前記第1の網ノード装置、前記第1のH323終端装置を経て前記第1の非独立型IP電話機に届けられる。
【0055】
第1の利用者が電話通信終了のため送受話器を置くと、前記第1のIPアドレスを発信元IPアドレスとし、前記第2のIPアドレスを宛先IPアドレスとし、電話通信終了を示すIPパケットを生成して送出すると、前記第1のH323終端部、第1の網ノード装置、前記IP転送網内部の1以上のルータ、前記第2の網ノード装置、第2のH323終端装置を経て前記第2の非独立型IP電話機に届けられると、第2の利用者は電話通信終了したことを知り、送受話器をおくと前記第2のIPアドレスを発信元IPアドレスとし、前記第1のIPアドレスを宛先IPアドレスとし、電話通信終了を確認するためのIPパケットを生成して送出すると、前記IPパケットは前記第2のH323終端装置を経て、第2の網ノード装置、前記IP転送網内部の1以上のルータ、前記第1の網ノード装置、前記第1のH323終端装置に届けられ、前記第1の非独立型IP電話機と前記第2の非独立型IP電話機との間の電話通信が終了し、H323終端部は前記第2の非独立型IP電話機に送信するIPパケットを送出すると、網ノード装置、IP転送網内部の1以上のルータを経由し、前記第2の非独立型IP電話機が接続される他の網ノード装置に到達し、通信回線経由で他のメディアルータに入り、そのH323終端部を経由して前記第2の非独立型IP電話機にIPパケットが届けられることによって達成される。
【0056】
発明はIP転送網内の網ノード装置にアドレス管理表を設定し、このアドレス管理表に端末のアドレスを登録しておく手段(特願平11-128956)をマルチキャスト技法に適用するものであり、以下にその内容を説明する。IP転送網を通信会社が管理運用する管理網とし、IP転送網内に網ノード装置を設け、この網ノード装置にIP端末のIPアドレスを登録することにより、情報安全性を高めたマルチキャストによるIPパケット送信を実現する。未登録のマルチキャストIPアドレスを含むIPパケットを受信すると、このIPパケットを廃棄する(IPアドレスフィルタリング)。
【0057】
図2を参照して説明すると、IP転送網1−10の内部に網ノード装置1−11乃至1−14及びルータ1−15乃至1−20を設置している。網ノード装置とルータはIP通信回線により、直接に或は網ノード装置やルータ経由で間接的に接続される。IPパケット送受機能を有するIP端末1−21乃至1−27は、IP通信回線により網ノード装置に接続される。IP端末はルータに直接に接続許可しない。網ノード装置1−11乃至1−14は、当該ノード装置が接続しているIP端末情報のうち、少なくともIPアドレスを当該ノード装置の内部に登録している。
【0058】
第1のIPパケット受入れ検査として、IP転送網に入る外部IPパケットのヘッダ内の宛先IPアドレスが、当該ノード装置のアドレス管理表に登録されているかを検査し、宛先IPアドレスが登録されていない場合は、当該IPパケットを廃棄する。第2のIPパケット受入れ検査として、IP転送網に入る外部IPパケットのヘッダ内の送信元IPアドレスが、当該ノード装置のアドレス管理表に登録されているかを検査し、送信元IPアドレスが登録されていない場合は、当該IPパケットを廃棄する。第1のアドレス登録検査として、網ノード装置のアドレス管理表に宛先マルチキャストアドレスを登録しておき、網ノード装置に入る外部IPパケットのヘッダ内の宛先マルチキャストアドレスがアドレス管理表に登録されていない場合は、網ノード装置が当該IPパケットを廃棄することにより、予定外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止する。受信者側の網ノード装置のアドレス管理表にマルチキャスト送信者のアドレスを登録許可しないことにより、マルチキャストIPパケット受信者からマルチキャストIPパケット送信者へ向けたIPパケット受信確認用のACKパケットが、網ノード装置を通過できないようにして、ACKパケットの大量洪水(ACK implosion)によるIP転送網の輻輳発生を予防できる。
【0059】
また、ルータのIPアドレスを宛先アドレスとして登録不許可とし、IP転送網の外部からIP転送網内部のルータへマルチキャスト表の書換え等の危険なIPパケットを送り込めないようにし、或はIP転送網内部のマルチキャスト向け運用管理サーバのIPアドレスの登録を不許可とし、IP転送網の外部からIP転送網内部の運用管理サーバへのアクセスを不可能とし、情報安全性を向上する。第2アドレス登録検査として、マルチキャストデータを含むIPパケットの送信元を限定して、不正行為者の不正行為の発生を抑制する。また、不正行為が行われた場合は、IPパケットの送信元を特定することが容易であり、IP転送網の情報安全性を高めることができる。前記のようにして、マルチキャストIPパケットがIP転送網1−10内部に入ることを規制することを、“網ノード装置による、アドレス管理表を用いた、マルチキャストIPパケットの発信規制”という。
【0060】
<<簡易ヘッダと簡易カプセル化>>
この発明の実施例において説明されるIPカプセル化及び逆IPカプセル化を、他の形態のカプセル化や逆カプセル化に置き換えること、例えば、通信レイヤ2層の光HDLCフレームのヘッダによるカプセル化や逆カプセル化に置き換えることができる。更に、カプセル化及び逆カプセル化において付与するヘッダに、送信元内部アドレスを含まないようにすること、即ち、簡易ヘッダを適用する簡易カプセル化と簡易逆カプセル化も可能である。なお、簡易カプセル化においても、カプセル化や逆カプセル化において用いると同機能のアドレス管理表を用いる。図339を用いて説明する。
【0061】
ブロック2300はIP通信網であり、2301乃至2305は、網ノード装置、2301−1、2302−1,2303−1、2304−1、2305−1は、それぞれアドレス管理表、2301−2、2301−3、2302−2,2302−3,2303−2、2303−3、2304−2、2304−3は、通信回線の終端部と網ノード装置の接点(論理端子)であり、それぞれ、内部アドレス“IA1”,“IA2”,“IA3”,“IA4”,“IA5”,“IA6”,“IA7”,“IA8”が付与されている。2306−1乃至2306−9は、IPパケットを送受する機能を有するIP端末であり、それぞれ外部IPアドレス“EA1”乃至“EA9”を有する。2307−1乃至2307−4はルータである。前記網ノード装置やルータは、通信回線を経由して、直接に或いはルータを経由して間接的に接続され、前記端末は通信回線を経由して網ノード装置に接続している。
【0062】
端末2306−1が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA3”であるIPパケット2310を送信し、網ノード装置2301は、IPパケット2310を受信すると、IPパケット2310が入力した通信回線終端の論理端子2301−2に付与されている内部アドレスが“ IA1”であり、IPパケット2310の宛先外部IPアドレスが“ EA3”であることを確認し、アドレス管理表2301−1内部を検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“ IA1”であり、次に宛先外部IPアドレス“ EA3”が含まれるレコードを検索し、更に前記検出したレコード内にIPパケット2310内の送信元外部IPアドレスが“ EA1”が含まれるかを調べる。
【0063】
本例では上からアドレス管理表2301−1の1行目のレコード“ EA1,EA3,IA1,IA3”であり、このレコード内部にあるアドレスの“ IA3”を用いて、IPパケット2310に簡易ヘッダを付与して、内部パケット2313を形成する(簡易カプセル化)。但し、簡易ヘッダは送信元内部アドレス“IA1”を含まない。外部IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子識別情報を、送信元内部アドレス“IA1”に変えて用いることもできる。前記形成された内部パケット2313は、ルータ2307−1、2307−2を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA3”を含む網ノード装置2302へ到達する。網ノード装置2302は、受信した内部パケット2313の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、前記により得られた外部IPパケット2317(IPパケット2310と同一内容)を通信回線へ送出し、IP端末2306−3がIPパケット2317を受信する。アドレス管理表2302−1の1行目のレコード“ EA3,EA1,IA3,IA1”は、前記と逆の方向に前記同様の方法により、IPパケットを転送すること、即ち、端末2306−3から端末2306−1にIPパケットを転送する為に用いられる。更に、網ノード装置2302は、前記受信した内部パケット2313内IPパケット内の送信元アドレス“EA1”と宛先アドレス“EA3”の組を含むレコードが、アドレス管理表2302−1内に存在しないことを確認した場合、網ノード装置は、内部パケット2313を廃棄することも可能である。また、前記簡易カプセル化技法を、3層のMPLSと呼ぶこともできる。
【0064】
なお、網ノード装置2301において簡易カプセル化を行うとき、アドレス管理表2301−1内部で検出したレコード内にIPパケット2310内の送信元外部IPアドレスが“ EA1”が含まれるかを調べることは、省略することもできる。前記“ EA1”を調べることを省略するケースでは、アドレス管理表2301−1のそれぞれのレコードは、送信元外部IPアドレスを含まないようにすることが出来る。更に、アドレス管理表2301−1の各レコード内の2つの外部IPアドレス(送信元IPアドレスと宛先IPアドレス)に対して、後述するアドレスマスク技法と同様の原理に基づいたを簡易カプセル化技法を適用することができる。
【0065】
<<アドレスマスク技法の適用>>
IPパケットを転送する他の例を説明する。端末2306−5が、送信元アドレス“EA5”、宛先アドレス“EA4”であるIPパケット2312を送信し、網ノード装置2303はIPパケット2312を受信すると、IPパケット2312が入力した通信回線終端の論理端子2303−2に付与されている内部アドレスが“IA5”であり、IPパケット2312の宛先外部IPアドレスが“EA4”であることを確認する。そして、アドレス管理表2303−1内部を検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“lA5”であるレコードを検索する。本ケースでは、アドレス管理表2303−1の上から1行目のレコード“Msk9,EA9x,IA5,IA9”と、2行目のレコード“Msk4,EA4x,IA5,IA4”とが該当し、1行目のレコードについては、マスク“Msk9”と、外部IPパケット2312内の宛先外部IPアドレス“EA4”との“and”演算の結果が、1行目レコード内の宛先外部IPアドレス“EA9x”と一致するかを調べる(下記(4)式)。本ケースでは一致せず、次に2行目のレコードについて、宛先用外部IPマスク“Msk4”と、外部IPパケット2312内の宛先外部IPアドレス“EA4”との“and”演算の結果が2行目レコード内宛先外部IPアドレス“EA4x”と一致するかを調べる(下記(5)式)。本ケースでは一致する。
【0066】
If(“Msk9”and“EA4”=“EA9x”) ・・・(4)
If(“Msk4”and“EA4”=“EA4x”) ・・・(5)
本例ではアドレス管理表2303−1の上から2行目のレコード“Msk4,EA4x,IA5,IA4”であり、このレコード内部にあるアドレスの“ IA4”を用いて、IPパケット2312に簡易ヘッダを付与して内部パケット2314を形成する(簡易カプセル化)。ただし、簡易ヘッダは送信元内部アドレス“IA5”を含まない。前記形成された内部パケット2314は、ルータ2307−3、2307−4、2307−2を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA4”を含む網ノード装置2302へ到達する。網ノード装置2302は受信した内部パケット2314の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケット2318(IPパケット2312と同一内容)を通信回線へ送出し、IP端末2306−4がIPパケット2318を受信する。
【0067】
次に、端末2306−2から端末2306−7へ送出されたIPパケット2311は、網ノード装置2301−1において、アドレス管理表2301−1の第2行目のレコード“EA2,EA7,IA2,IA7”が用いられて、上述同様の方法で簡易カプセル化されて内部パケット2316となり、ルータ2307−1,2307−2,2307−4を経由して、内部パケット内の宛先内部アドレス“IA7”を含む網ノード装置2304に到達する。網ノード装置2304は受信した内部パケット2316の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、上述により得られた外部IPパケット2319(IPパケット2311と同一内容)を通信回線へ送出し、IP端末2306−7がIPパケット2319を受信する。
【0068】
次に、端末2306−9から端末2306−8へ送出されたIPパケット2321は、網ノード装置2305において、アドレス管理表2305−1の第2行目のレコード“Msk8,EA8y,IA8”が用いられて、前記同様の方法で簡易カプセル化されて内部パケット2322となり、ルータ2307−4を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA8”を含む網ノード装置2304に到達する。網ノード装置2304は、受信した内部パケット2322の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケット2323(IPパケット2321と同一内容)を通信回線へ送出し、IP端末2306−8がIPパケット2319を受信する。
【0069】
図340は、前記簡易カプセル化において形成される内部パケット(内部フレームともいう)の形式を示している。前記内部パケットは外部IPパケットに簡易ヘッダが付与された形態であり、前記簡易ヘッダは宛先内部アドレスと情報領域を含む。ただし、送信元内部アドレスを含まない。情報領域は、内部パケットのペイロード域に関する情報(プロトコルなど)を含む。次に、図341及び図342を参照して、簡易カプセル化と逆カプセル化について、他の実施例を説明する。
【0070】
2351−1乃至2351−7はIP転送網、2352−1乃至2352−7は外部IPアドレス“EA1”を有する端末であり、2353−1乃至2353−7は外部IPアドレス“EA2”を有する端末である。2354−1乃至2354−7は内部パケット(内部フレーム)である。2355−1乃至2355−7、2356−1乃至2356−7は網ノード装置である。2359−1乃至2359−7は通信回線と網ノード装置の接点(論理端子)であり、内部アドレス“IA1”が付与されている。2360−1乃至2360−7は通信回線と網ノード装置の接点(論理端子)であり、内部アドレス“IA2”が付与されている。2357−1乃至2357−7、2358−1乃至2358−7はアドレス管理表である。前記端末と網ノード装置、網ノード装置と他の網ノード装置はそれぞれ通信回線で結ばれ、端末と網ノード装置の間はIPパケットが送受され、網ノード装置間は内部パケット(内部フレーム)が転送される。なお、網ノード装置間を結ぶ通信回線に内部パケット転送先の経路を定める中継装置(ルータ等)を設置できる。
【0071】
端末2352−1が送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−1はIPパケットを受信すると、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−1に付与されている内部アドレスが“IA1”であり、前記IPパケットの宛先外部IPアドレスが“EA2”であることを確認し、アドレス管理表2357−1内部を検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“IA1”であり、次に宛先外部IPアドレスが“EA2”が含まれるレコードを検索する。本例ではアドレス管理表2357−1の上から1行目のレコード“EA2,IA1,IA2”であり、このレコード内部にあるアドレスの“IA2”を用いて、前記IPパケットに簡易ヘッダを付与して、内部パケット2354−1を形成する(簡易カプセル化)。前記形成された内部パケット2354−1は、通信回線を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA2”を含む網ノード装置2356−1へ到達する。網ノード装置2356−1は受信した内部パケット2354−1の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケットを通信回線へ送出し、端末2353−1が前記復元したIPパケットを受信する。
【0072】
端末2352−2が送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−2はIPパケットを受信すると、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−2に付与されている内部アドレスに関係なく、前記IPパケットの送信元外部IPアドレスが“EA1”であり、宛先外部IPアドレスが“EA2”であることを確認し、アドレス管理表2357−2内部を検索する。本例ではアドレス管理表2357−2の上から1行目のレコード“EA1,EA2,IA2”であり、このレコード内部にあるアドレスの“IA2”を用いて、前記IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケット2354−2を形成する(簡易カプセル化)。前記形成された内部パケット2354−2は、通信回線を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA2”を含む網ノード装置2356−2へ到達する。網ノード装置2356−2は受信した内部パケット2354−2の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケットを通信回線へ送出し、端末2353−2が復元した前記IPパケットを受信する。
【0073】
端末2352−3が送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−3はIPパケットを受信すると、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−3に付与されている内部アドレスに関係なく、前記IPパケットの宛先外部IPアドレスが“EA2”であることを確認し、アドレス管理表2357−3内部を検索し、次に宛先外部IPアドレスが“EA2”が含まれるレコードを検索する。本例ではアドレス管理表2357−3の上から1行目のレコード“EA2,IA2”であり、このレコード内部にあるアドレスの“IA2”を用いてIPパケットに簡易ヘッダを付与し、内部パケット2354−3を形成する(簡易カプセル化)。前記形成された内部パケット2354−3は、通信回線を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA2”を含む網ノード装置2356−3へ到達する。網ノード装置2356−3は受信した内部パケット2354−3の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケットを通信回線へ送出し、端末2353−3が前記IPパケットを受信する。
【0074】
端末2352−4が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−4はIPパケットを受信すると、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−4に付与されている内部アドレスが“IA1”であり、前記IPパケットの宛先外部IPアドレスが“EA2”であることを確認し、アドレス管理表2355−4内部を検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“IA1”であるレコードを検索する。本ケースでは、アドレス管理表2357−4の上から1行目のレコード“Msk1,EA1x,Msk2,EA2x,IA1,IA2”が該当する。始めに、1行目のレコードについて、マスク“Msk2”と、前記入力した外部IPパケット内の宛先外部IPアドレス“EA2”との“and”演算の結果が、1行目レコード内の宛先外部IPアドレス“EA2x”と一致するかを調べ(下記(6)式)、更に送信元外部IPマスク“Msk1”と、前記外部IPパケット内の送信元外部IPアドレス“EA1”との“and”演算の結果が、同一レコード内宛先外部IPアドレス“EA1x”と一致するかを調べる(下記(7)式)。
【0075】
If(“Msk2”and“EA2”=“EA2x”) ・・・(6)
If(“Msk1”and“EA1”=“EA1x”) ・・・(7)
本例では上からアドレス管理表2357−4の前記第1行目のレコードであり、このレコード内部にあるアドレスの“IA2”を用いて、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケット2354−4を形成する(簡易カプセル化)。前記形成された内部パケット2354−4は、通信回線を経由して内部パケット内の宛先内部アドレス“IA2”を含む網ノード装置2356−4へ到達する。網ノード装置2356−4は前記受信した内部パケット2354−4の簡易へッダを除き(簡易逆カプセル化)、これにより得られた外部IPパケットを通信回線へ送出し、端末2353−4が前記IPパケットを受信する。
【0076】
端末2352−5が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−5がIPパケットを受信するケースは、前記端末2352−4が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信するケースと類似しており、異なる点は、宛先外部IPマスクと、前記外部IPパケット内の宛先外部IPアドレスとの“and”演算を行わない点であり、他は同様である。端末2352−6が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−6が前記IPパケットを受信するケースは、前記端末2352−4が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信するケースと類似しており、異なる点は、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−6に付与されている内部アドレスについて確認を行わない点であり、他は同様である。また、端末2352−7が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信し、網ノード装置2355−7は、前記IPパケットを受信するケースは、前記端末2352−5が、送信元アドレス“EA1”、宛先アドレス“EA2”であるIPパケットを送信するケースと類似しており、異なる点は、前記IPパケットが入力した通信回線終端の論理端子2359−7に付与されている内部アドレスについて確認を行わない点であり、他は同様である。
【0077】
<<まとめ>>
外部の通信回線経由で網ノード装置に到達した外部パケットは、前記網ノード装置内のアドレス管理表の管理の基に、簡易ヘッダを付与されて内部パケットに変換され、前記簡易ヘッダは宛先内部アドレスと情報部を含む(但し送信元内部アドレスを含まない)。前記内部パケットは網ノードから送出され、中継装置を経由して、前記内部アドレスは前記中継装置で参照されてIP転送網内を転送され、他の網ノード装置に到達し、前記内部パケットから前記外部パケットが復元されて、前記IP転送網の外部の通信回線に転送される。前記外部パケットが入力した通信回線終端の論理端子に付与された送信元内部アドレス、前記入力した外部パケット内の宛先外部アドレスと送信元外部アドレスの3組が前記入力側の網ノード装置のアドレス管理表のレコードとして登録されているときに限り、前記外部パケットが前記内部パケットに変換されるようになっている。バリエーションとして、前記外部パケットが入力した通信回線終端の論理端子に付与された送信元内部アドレス、前記入力した外部パケット内の宛先外部アドレスの2組が前記入力側の網ノード装置のアドレス管理表のレコードとして登録されているときに限り、前記外部パケットが前記内部パケットに変換されるようになっている。
【0078】
前記アドレス管理表のレコードは2以上設定可能であり、通信回線終端の論理端子に付与された内部アドレスに対して、前記宛先アドレスはレコード毎に異なり、前記同じ論理端子から入力する外部パケット内の宛先外部アドレスを変更することにより、前記内部パケットの転送先を変更できる。また、前記入力した外部パケットの宛先アドレスと、アドレス管理表内レコード内部の宛先アドレスマスクとの論理積演算の結果が、前記同一レコード内の宛先アドレスと一致したときに限り、前記外部パケットから前記内部パケットに変換するようになっている。
【0079】
【発明の実施の形態】
本発明では、本出願人による特願平11-128956号やNo.-7共通線信号方式の回線接続方法、「ITU-T勧告H323 ANNEX D準拠のJT-H323ゲートウェイ」、「SIP電話プロトコル」や、特許第3084681号の実施例―36に開示されている諸機能を幾つか組合わせ若しくは変更し、更にメディアルータ、ゲートウェイ、IP網サービス運用管理サーバを導入し、メディアルータ及びゲートウェイの構成と動作手順、メディアルータやゲートウェイを用いた端末間通信に用いるIPパケットの形態、IP網サービス運用管理サーバの持つべき機能などを具体的に定めることにより、IP転送網を前提とした端末間通信接続制御方法を実現する。
【0080】
特願平11-128956号によれば、統合IP転送網は複数のIP転送網、つまりIPデータ網、IP電話網、IP音声画像網、ベストエフォート網、IPデータマルチキャスト網、IPベースTV放送網、網ノード装置を少なくとも2以上含み、網ノード装置は通信回線を経てIP転送網のいずれか1以上の網に接続されており、他方網ノード装置の網ノード装置端子は通信回線を経て統合IP転送網の外部の端末に接続されている。
【0081】
本発明においては、統合IP転送網はその内部に1以上のゲートウェイを含むか、或はその外部に、網ノード装置に接続される通信回線を経て1以上のメディアルータに直接に又はLAN内部のメディアルータに間接的に接続されている。ゲートウェイ及びメディアルータは、IP端末、IP電話機、IP音声画像装置等を直接に接続して収容する機能を有する一種のルータである。ゲートウェイ又はメディアルータにより、及び統合IP転送網の内部のドメイン名サーバを用いて、端末間のIP転送網を用いた端末間通信の接続制御を遂行する。端末をIP転送網に登録記録するため、少なくとも端末のアドレスは網ノード装置内部のアドレス管理テーブル、或はIP転送網内に設置するドメイン名サーバに記録保持する。各IP転送網の内部には、そのIP転送網の運用管理やIP転送網の提供するサービスやルータや通信回線などの網のリソースを、通信事業者毎に一元的管理するためのIP網サービス運用管理サーバを設置する。
【0082】
IP網サービス運用管理サーバの種類はIP転送網毎に定めてよく、例えばIPデータ網の内部にIPデータ通信を一括して管理するIPデータサービス運用管理サーバ(DSS)を、IP電話網の内部に電話通信を一括して管理するIP電話サービス運用管理サーバ(TES)を、IP音声画像網の内部に音声画像通信を一括して管理するIP音声画像サービス運用管理サーバ(AVS)を、ベストエフォート網の内部にベストエフォート通信を一括して管理するベストエフォートサービス運用管理サーバ(BES)を、IPデータマルチキャスト網の内部にIPデータマルチキャスト通信を一括して管理するIPデータマルチキャストサービス運用管理サーバ(DMS)を、IPベースTV放送網の内部にIPベースTV放送を一括して管理するIPベースTV放送サービス運用管理サーバ(TVS)をそれぞれ設置することができる。なお、IP転送網毎のサービス運用管理サーバは、それぞれIP転送網が提供する網サービスを専ら管理する網サービスサーバと、網のリソースを専ら管理する網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0083】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0084】
1. メディアルータを用いる第1実施例:
図3において、2は統合IP転送網、3はIPデータ網、4はIP電話網、5−1はIP音声画像網、5−2はベストエフォート網、6−1は通信会社Xが運用管理するIP転送網の範囲、6−2は通信会社Yが運用管理するIP転送網の範囲である。7−1、7−2、7−3、7−4、8−1、8−2、8−3、8−4はそれぞれ網ノード装置であり、9−1及び9−2はゲートウェイである。10−1〜10−8は通信回線、11−1〜11−10はIP端末、12−1及び12−2は独立型IP電話機、13−1〜13−4は非独立型IP電話機、16−1〜16−4は非独立型IP音声画像装置である。統合IP転送網2、IPデータ網3、IP電話網4、IP音声画像網5−1は、通信会社により運用管理される管理IP網である。
【0085】
網ノード装置は通信回線を経てIP転送網のいずれか、つまりIPデータ網3、IP電話網4、IP音声画像網5−1、ベストエフォート網5−2のいずれか1以上の網に接続されており、他方、網ノード装置は通信回線10−1乃至10−8を経て統合IP転送網の外部にあるIP端末11−1や11−2、独立型IP電話機12−1や12−2、メディアルータ14−1や14−2、LAN15−1や15−2等に接続される。メディアルータ14−3、14−4はLAN15−1やLAN15−2の内部に設置されており、網ノード装置に間接的に接続されている。メディアルータ14−1〜14−4は、非独立型IP電話機13−1、13−2,13−4、非独立型IP音声画像装置16−1,16−2、16−3、アナログ電話機18−1乃至18−4を直接に接続して収容している。また、他のアナログ電話機18−5や18−6は公衆交換電話網26−1や26−2を経由して、ゲートウェイ9−1や9−2に接続されている。ゲートウェイ9−1は通信回線を経て網ノード装置8−4に接続され、ゲートウェイ9−2は通信回線を経て網ノード装置7−4に接続されている。
【0086】
19−1〜19−19はそれぞれIPパケットを転送するルータであり、26−1及び26−2は公衆交換電話網(以下、「PSTN」とする)である。メディアルータ14−1は通信回線10−1を経て網ノード装置8−2に接続され、メディアルータ14−2は通信回線10−5を経て網ノード装置7−2に接続され、LAN15−1は通信回線10−3を経て網ノード装置8−4に接続され、LAN15−2は通信回線10−7を経て網ノード装置7−4に接続される。
【0087】
アナログ電話機18−5は電話回線17−3、公衆交換電話網26−1、通信回線17−1、ゲートウエイ9−1を経て網ノード装置8−4に接続され、同様にアナログ電話機18−6は電話回線17−4、公衆交換電話網26−2、通信回線17−2、ゲートウエイ9−2を経て網ノード装置7−4に接続される。メディアルータ14−1はルータ20−3、接続制御部22−1、H323終端部23−1、SCN境界部24−1を含み、ルータ20−3は接続制御部22−1に接続され、接続制御部22−1はH323終端部23−1に接続され、H323終端部23−1はSCN境界部に接続される。同様にメディアルータ14−2は、ルータ20−4、接続制御部22−2、H323終端部23−2、SCN境界部24−2を含んでいる。
【0088】
LAN15−1内部のルータ20−1は、通信回線10−3を介して網ノード装置8−4に接続されている。LAN15-1はイーサネット等のLAN通信回線を経て、IP端末11−4とメディアルータ14−3に接続されている。また、メディアルータ14−3は通信回線を経て、IP端末11−5、非独立型IP音声画像装置16−2、アナログ電話機18−2にそれぞれ接続されている。同様にLAN15−2内部のルータ20−2は、通信回線10−7を介して網ノード装置7−4に接続されている。LAN15-2はイーサネット等のLAN通信回線を経て、IP端末11−8とメディアルータ14−4に接続されている。また、メディアルータ14−4は、通信回線を経てIP端末11−9、非独立型IP電話機13−4、アナログ電話機18−4にそれぞれ接続されている。
【0089】
21−1乃至21−5は、通信会社Xの管理する範囲6−1と、通信会社Yの管理する範囲6−2との間において、IPパケットを転送するルータである。27−1及び27−2はATM網、27−3は光通信網、27−4はフレームリレー(FR)交換網であり、それぞれIPパケットを転送するための高速幹線網として用いられている実施例である。なお、ATM網や光通信網、フレームリレー交換網は、統合IP転送網のサブIP網いずれの要素としても用いることができる。
【0090】
IPデータサービス運用管理サーバ35−1、IP電話サービス運用管理サーバ36−1、IP音声画像サービス運用サーバ37−1、ベストエフォートサービス運用管理サーバ38−1はそれぞれ通信会社Xにより管理され、通信会社Xが管理する網の範囲6−1の内部にある。また、IPデータサービス運用管理サーバ35−2、IP電話サービス運用管理サーバ36−2、IP音声画像サービス運用サーバ37−2、ベストエフォートサービス運用管理サーバ38−2はそれぞれ通信会社Yにより管理され、通信会社Yが管理する網の範囲6−2の内部にある。
【0091】
統合IP転送網2の外部に通信回線を経て接続する各種のマルチメディア端末、つまりIP電話機やIP音声画像装置は他のIP端末と同じく、統合IP転送網2の内部の所在位置をマルチメディア端末識別用アドレスとしてのホスト名により特定できる。IP端末やマルチメディア端末のホスト名は、インタ−ネットで使われるコンピュータのホスト名と同様であり、それぞれのIP端末やマルチメディア端末に付与するIPアドレスに対応付けて命名する。本発明において、IP電話機やIP音声画像装置に付与する電話番号をIP電話機やIP音声画像装置のホスト名として用いる。
【0092】
ドメイン名サーバ(以下、「DNS」とする)は、ホスト名とIPアドレスの1:1対応づけ情報を保持しており、ホスト名を提示されるとIPアドレスを回答するのがその主要機能であり、インタ−ネットで用いられるものと同様な機能を持つ。
【0093】
IPデータ網の専用のドメイン名サーバ30−1は、通信会社Xが管理する網ノード装置に接続されるIPデータ網において用いるIP端末である11−3、11−1、11−4、11−6等について、それぞれの端末に付与されているホスト名とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持しており、また、IPデータ網の専用のドメイン名サーバ30−4は、通信会社Yが管理する網ノード装置に接続されるIPデータ網において用いるIP端末である11−7、11−2、11−8等について、それぞれの端末に付与されているホスト名とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持している。
【0094】
IP電話網専用のドメイン名サーバ31−1は、通信会社Xが管理する網ノード装置に接続されるIP電話網において用いる非独立型IP電話機13−1、13−3や、アナログ電話機18−1、18−2、18−5等について、それら電話機に付与されているホスト名(電話番号)とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持しており、また、IP電話網専用のドメイン名サーバ31−2は、通信会社Yが管理する網ノード装置に接続されるIP電話網において用いる非独立型IP電話機13−2、アナログ電話機18−3,18−4,18−6等について、それら電話機に付与されているホスト名(電話番号)とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持している。
【0095】
音声画像網専用のドメイン名サーバ32−1は、通信会社Xが管理する網ノード装置に接続されるIP音声画像網において用いる非独立型IP音声画像装置16−1、独立型IP音声画像装置12−3等について、それらIP音声画像装置に付与されているホスト名(IP音声画像装置番号)とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持しており、また、IP音声画像網専用のドメイン名サーバ32−2は、通信会社Yが管理する網ノード装置に接続される音声画像網において用いる非独立型IP音声画像装置16−3、16−4等について、それらIP音声画像装置に付与されているホスト名(IP音声画像装置番号)とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持している。
【0096】
ベストエフォート網専用のドメイン名サーバ33−1は、通信会社Xが管理する網ノード装置に接続されるベストエフォート網において用いるIP端末11−5,非独立型IP音声画像装置16−2等について、それら端末に付与されているホスト名とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持しており、また、ベストエフォート網専用のドメイン名サーバ33−2は、通信会社Yが管理する網ノード装置に接続されるベストエフォート網において用いるIP端末11−9,11−10、非独立型IP電話機13−4等について、それら端末に付与されているホスト名とIPアドレスの1:1対応付け情報を保持している。
【0097】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の主要要素であるメディアルータとゲートウェイの基本機能を説明する。
【0098】
SCN端末機能802−0、変換機能803−0、端末機能804−0はそれぞれ前述したSCN端末機能802、変換機能803、端末機能804の有する機能を含む。アナログ電話機41−3からSCN回線40−1を経由して入力してきた音声や画像信号は、SCN端末機能802−0においてディジタルデータ信号に変換され、変換機能803−0においてデータ形式や信号送受規則などを変換され、端末機能804−0においてIPパケットの形式に変換され、IP通信回線40―2へ送出される。また、逆方向の流れ、即ちIP通信回線40−2から入力した音声や画像データを含むIPパケットは、端末機能804−0においてディジタルデータの形式に復号化され、変換機能803−0においてデータ形式や信号送受規則などを変換され、SCN端末機能802−0においてSCN回線を流れる信号に変換され、SCN回線40−1を経てアナログ電話機41−3へ送信される。SCN境界部24−0は、SCN端末機能802−0及び変換機能803−0を含んでいる。H323終端部23−0は端末機能804−0を含み、端末機能804−0は前述したH323終端機能を含むことから、H323終端部23−0は端末41−2及び通信回線40−5を経由して対向通信を行うことができる。本発明で用いるマルチメディア端末41−2は、H323仕様に従っているIP電話機やIP音声画像装置類である。
【0099】
接続制御部22−0は通信回線40−2を経てH323終端部23−0に接続され、回線40−3を経てルータ20−0に接続される。ルータ20−0は通信回線40−4経由で網ノード装置41−4に接続され、また、通信回線40−6を経てIP端末41−1に接続される。通信回線40−2には、呼制御データとしてのIPパケット810と、音声を構成する正味のデータとしてのIPパケット811や画像そのものを構成する正味のデータとしてのIPパケット812とが流れる。
【0100】
呼制御データは電話番号やパソコンなどのホスト名が含まれる。一方、通信回線40−3を流れるIPパケット43(図5)は、DNSにホスト名を通知して問合せ回答を得るためのデータ形式、つまりDNS問合せ応答形式であり、例えばRFC1996(A Mechanism for Prompt Notification of Zone Changes)を採用できる。DNS問合せ応答機能42は、H323形式呼制御データ810をDNS問合せ応答形式データ43に変換し、DNSに問合せてホスト名に対応するIPアドレスを取得する機能を有する。なお、音声を構成するIPパケット811や画像そのものを構成するIPパケット812は、接続制御部22−0を透過的に通過する。
【0101】
以上をまとめると、アナログ電話機41−3から入力した電話番号は、SCN境界部24−0でディジタルな電話番号に変更されてH323終端部23−0に入力し、或はH323形式のIP電話機41−2から入力したH323仕様に従っているマルチメディア端末の電話番号やホスト名は、H323形式呼制御データ810としてH323終端部23−0に入力し、両者の電話番号は通信回線40−2上でH323形式呼制御データ810であり、接続制御部22−0を経由してDNS問合せ応答形式43に変換される。なお、IP端末41−1から送られる呼制御データは元々DNS問合せ応答形式43を採用しており、接続制御部22−0の機能を使う必要はないので、直接にルータ20−0に接続されている。ここで、ルータ20−0は通信回線40−3と40−6とを集線すると共に、IPパケットを透過させる。なお、IPパケット811や812内の音声や画像そのものを構成する正味のデータは、接続制御部22−0内部を変更を受けることなく通過する。IPパケットは、回線40−4経由で網ノード装置41−4とルータ20−0との間を送受される。
【0102】
DNS問合せ応答の具体例として、IP電話機に電話番号“81-47-325-3897”とIPアドレスの“192.1.2.3”とが付与されているとき、電話番号“81-47-325-3897”をDNSに問い合わせると、DNSがIPアドレス“192.1.2.3”と回答し、或はIP端末であるパソコンにホスト名“host1.dname1.dname2.co.jp”とIPアドレス“128.3.4.5”とが付与されているとき、ホスト名“host1.dname1.dname2.co.jp”をDNSに問い合わせると、DNSがこのパソコンのIPアドレス“128.3.4.5”を回答する。
【0103】
IP端末41−1、マルチメディア端末41−2、アナログ端末41−3はそれぞれの間においてIPパケットを送受することにより通信することが可能である。即ち、IP端末41−1は、ルータ20−0、接続制御部22−0、H323終端部23−0を経由してマルチメディア端末41−2とIPパケットを送受することにより、相互に通信することが可能であり、アナログ電話機41−3とは、更にSCN境界部24−0を経由して相互に通信することができる。また、マルチメディア端末41−2は、H323終端部23−0及びSCN境界部24−0を経由してアナログ電話機41−3と相互に通信することが可能である。
【0104】
<<メディアルータの動作>>
本発明のメディアルータ14−1の動作を、図6について説明する。メディアルータ14−1の要素の1つであるルータ20−3は、図4のルータ20−0の機能を有し、図6の接続制御部22−1は図4の接続制御部22−0の機能を有し、図6のH323終端部23−1は図4のH323終端部23−0の機能を有し、図6のSCN境界部24−1は図4のSCN境界部24−0の機能を有している。図6の48−1は前述したDNSと同様な機能を有している。RAS機構49−1はメディアルータ14−1への端末の登録と認証(登録とは端末をメディアルータへ接続すること、認証とは端末の接続許可条件に従って端末が正規に利用されるかを確認することをそれぞれ意味する)及びメディアルータの内部状態を管理する(例えば内部構成要素とその利用状況を一元管理すること)機構であり、50−1はメディアルータ14−1内部の情報処理を受け持つ情報処理機構であり、51−1はメディアルータ14−1の操作入出力部である。従って、図6のメディアルータ14−1の接続制御部22−1、H323終端部23−1、SCN境界部24−1の各機能は、図4の接続制御部22−0、H323終端部23−0、SCN境界部24−0についての説明により明らかである。
【0105】
<<IP端末間の通信接続制御>>
次に、図6、図7及び図8〜図14を参照して、IP端末11−3からIP端末11−7へIPパケットに格納したデータを送信し、また受信する手順を説明する。IP端末11−3は通信回線52−1経由で、自己のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A113”、メディアルータ14−1内部のドメイン名サーバ48−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A481”、通信相手のIP端末11−7のホスト名“IPT-11-7 name”を格納した図9に示すIPパケット45−1を、ドメイン名サーバ48−1へ送信する。ここで、IPパケット45−1に示す問合せ内容、つまり“IPT-11-7 name”は、図5に示す“DNS問合せ応答形式”内の“問合せ部”に格納されている。ドメイン名サーバ48−1は受信したIPパケット45−1の内容を調べ、通信回線10−1を経由し、網ノード装置8−2経由でIPデータ網の専用のドメイン名サーバ30−1に問い合わせる(ステップST10)。ドメイン名サーバ30−1が、前記ホスト名“IPT-11-7 name”に1:1対応するIPアドレス“A117”を含むIPパケットを、ドメイン名サーバ48−1に返信すると(ステップST11)、ドメイン名サーバ48−1はIPパケット45−2をIP端末11−3に返信する。以上述べた手順において、網ノード装置8−2は図8のアドレス管理テーブル44−1を参照し、受信したIPパケット45−1に含まれる送信元アドレス“A113”がアドレス管理テーブルに登録されているかを調べる。本ケースでは、アドレス管理テーブル44−1の上から2行目のレコードに、外部IPアドレスが“A113”であり、回線番号“Line−10−1”が、通信回線10−1から入力されたIPパケットであることを表わしているので、IP端末11−3が網ノード装置を経由して通信できる許可登録をしていることを確認している。なお、アドレス管理テーブル44−1に登録されていない場合、網ノード装置8−2は受信したIPパケット45−1を廃棄できる。
【0106】
次に、IP端末11−3はIP端末11−7へ送信するIPパケット45−3を生成し、ルータ20−3経由で網ノード装置8−2に送信すると、網ノード装置8−2は、このIPパケット45−3を、統合IP転送網1の内部へ転送すると、IPパケット45−3は、図3のIPデータ網3の内部の通信回線と複数のルータ、つまりルータ19−1、19−3、21−1,19−5,19−6を通過し、網ノード装置7−2に着信する。すると、網ノード装置7−2は受信したIPパケット45−3を図7に示す通信回線10−5に送出し(ステップST12)、ルータ20−4がIPパケット45−3を受信し、通信回線52−2経由でIP端末11−7へ転送する。IPパケット45−3を受信したIP端末11−7は返信用IPパケット45−4を生成し、通信回線経由でルータ20−4へ送出すると通信回線10−5を経由し(ステップST13)、網ノード装置7−2、統合IP転送網2の内部のIPデータ網3を経由して網ノード装置8−2に着信し、通信回線10−1経由でIP端末11−3に図12に示すIPパケット45−4が届けられる。以上の手順により、IP端末11−3とIP端末11−7とがIPパケットを送受することにより通信ができた。
【0107】
以上述べたIP端末からの通信手順において、メディアルータ14−1からメディアルータ内のドメイン名サーバ48−1を除くこともできる。この場合、IP端末11−3は、送信元IPアドレス“A113”、IPデータ網の専用のドメイン名サーバ30−1のIPアドレス“A301”、通信相手のIP端末11−7のホスト名“IPT-11-7 name”を格納したIPパケット45−5をドメイン名サーバ30−1へ送信する。ドメイン名サーバ30−1は、“IPT 11-7 name”に1:1に対応するIPアドレス“A117”を含むIPパケット45−6を返信する。なお、メディアルータ内のドメイン名サーバ48−1を除いてドメイン名サーバ30−1に直接にアクセスできる技法は、ドメイン名サーバに関する公知の技法により可能である。
【0108】
前記ステップST11が終了すると、IP端末11−3及び11−7が通信開始の準備ができた状態であり、網ノード装置8−2はIPパケット45−2及び45−6を検出すると、IP端末間通信記録、つまりIP端末11−3とIP端末11−7との間の通信記録をその時刻と共に必要であれば内部に記録保持する。
【0109】
<<非独立型IP電話機間の通信接続制御>>
次に、電話番号をダイヤルして、非独立型IP電話機13−1から非独立型IP電話機13−2へ電話通信を行う手順を説明する。ここで、“非独立型IP電話機”は、メディアルータ14−1、14−2等に接続して通信を行うIP電話機を指し、一方、“独立型IP電話機”はメディアルータに接続せずに、直接に網ノード装置に接続する図3のIP電話機12−1や12−2であり、その通信手順については後述する。
【0110】
図6の非独立型IP電話機13−1は通信回線53−1経由でH323終端部23−1に接続されており、図7の非独立型IP電話機13−2は通信回線53−2経由でH323終端部23−2に接続されている。
【0111】
非独立型IP電話機13−1の送受話器を上げると(オフフック)、呼出を通知する図15に示すIPパケット46−1が図6に示す通信回線53−1に送信され(図6のステップST20)、H323終端部23−1は通信回線53−1から呼出が入力したことを検出し、呼出確認のIPパケット46−2を返信する(ステップST21)。ここで、IPパケット46−1のペイロード(データ部分)に記載される“CTL-Info-1”は呼出制御情報であり、IPパケット46−2のペイロードに記載される“CTL-Info-2”は呼出確認情報である。
【0112】
次に、非独立型IP電話機13−1の利用者は、通信相手先の非独立型IP電話機13−2の電話番号をダイヤル入力すると、非独立型IP電話機13−1の内部で通信相手先電話番号(“Tel-13-2name”)と、非独立型IP電話機13−1の電話番号とIPアドレスを含む、例えばH.225規定の呼制御データ形式のIPパケット46−3を生成し、通信回線53−1経由でH323終端部23−1に送信する。但し、IPパケット46−3内部に、非独立型IP電話機13−1の電話番号とIPアドレスを含むか否かはオプションである。H323終端部23−1は、通信回線53−1からIPパケット46−3を受信し、図30のメディアルータ状態表100−1内部のレコードを検索して通信回線53−1を表わす回線番号、このケースではメディアルータ状態表100−1の上から1行目のレコードであり、“53−1”を検出する。次に、このレコードに記されている非独立型IP電話機13−1の電話番号“81−3−1234−5679”やIPアドレス“32.3.53.1”を読み取り、また、IPアドレスや電話番号がIPパケット46−3に含まれていない場合は、メディアルータ状態表に記載される値をIPパケット46−3に設定したり、IPアドレスや電話番号に関する情報が書かれている場合でも不一致な値である場合は、エラー処理としてIPパケット46−3を廃棄する。ここで、非独立型IP電話機13−1のIPアドレスのA131”の具体的数値を“32.3.53.1”とした例である(ステップST22)。
【0113】
次に、H323終端部23−1は非独立型IP電話機13−1のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A131”、ドメイン名サーバ48−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A481”、通信相手先電話番号“Tel-13-2 name”を格納したIPパケット46−4を、図6のメディアルータ14−1内部のドメイン名サーバ48−1へ送信する(ステップST23)。ドメイン名サーバ48−1は受信したIPパケット46−4の内容を調べ、次に通信回線10−1と、網ノード装置8−2経由で、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1宛てにIPパケット46−5を送信する(ステップST24)。IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1は、前記ホスト名“Tel-13-2 name”に1:1に対応するIPアドレス“A132”を含むIPパケット46−6をドメイン名サーバ48−1に返信すると(ステップST25)、ドメイン名サーバ48−1はH323終端部23−1にIPパケットを返信する。
【0114】
次に、H323終端部23−1はH323終端部23−2へ送信するIPパケット46−7を生成し、ルータ20−3経由で網ノード装置8−2に送信すると(ステップST26)、網ノード装置8−2は、このIPパケット46−7を図3の統合IP転送網2の内部へ転送し、IPパケット46−7はIP電話網4の内部のルータ19−8、19−9、21−2,19−11,19−13を通過し、網ノード装置7−2に着信する。すると、網ノード装置7−2は受信したIPパケット46−7を通信回線10−5に送出し、ルータ20−4経由でH323終端部23−2がIPパケット46−7を受信する。H323終端部23−2はIPパケット46−7を電話呼び出しと解釈し、以下の2つの手続きを行う。第1の手続きは、返信用IPパケット46−8を生成し、ルータ20−4へ返信することであり、第2の手続きは、IPパケット46−7を図7に示す通信回線53−2経由で、非独立型IP電話機13−2へ転送することである。
【0115】
図7を参照して説明すると、第1の手続きにより生成されたIPパケット46−8は通信回線10−5を経由し(ステップST27)、網ノード装置7−2及びIP電話網4を経由して網ノード装置8−2に着信し、通信回線10−1経由でルータ20−3、H323終端部23−1経由で非独立型IP電話機13−1に届けられる。非独立型IP電話機13−1は、IPパケット46−8を受信することにより通信相手呼出し中と解釈する。
【0116】
上記第2の手続きにより、非独立型IP電話機13−2はIPパケット46−7を受信することにより呼出ベルの音(呼出音)を鳴らす。非独立型IP電話機13−2の利用者はこの呼出音を聞き取り、非独立型IP電話機13−2の送受話器を取り上げる(オフフック)。すると、非独立型IP電話機13−2はIPパケット46−9を生成して回線53−2に送出し(ステップST28)、H323終端部23−2がIPパケット46−9を受信し、網ノード装置7−2、IP電話網4を経由して網ノード装置8−2に着信し、通信回線10−1経由でルータ20−3、H323終端部23−1経由で非独立型IP電話機13−1に届けられ、電話通信相手が非独立型IP電話機13−2の送受話器を取り上げたことを知らせる音(応答)として、非独立型IP電話機13−1の利用者に通知される。
【0117】
前記ステップST28は応答の情報、つまり非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2との間の電話通信開始を知らせるIPパケット46−9が転送される手続きであり、網ノード装置7−2や8−2はIPパケット46−9を検出すると、電話通信開始記録、つまり非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2との間の電話通信開始の事実をIPパケット46−9の内容の一部、例えば送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、その検出時刻とを網ノード装置の内部に設定する課金記録ファイルに保持しておくことができる。
【0118】
非独立型IP電話機13−1の利用者が電話通信の会話を始めると、非独立型IP電話機13−1はディジタル化した音声を含むIPパケット46−10を生成し、通信回線53−1に送出する(ステップST29)。音声パケット46−10は、H323制御部23−1、ルータ20−3、網ノード装置8−2、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−2、ルータ20−4、H323終端部23−2を経て非独立型IP電話機13−2に届けられる。非独立型IP電話機13−2の利用者の声はIPパケット46−11にディジタル化されて格納されており、上述と逆の流れ、つまりH323制御部23−2、ルータ20−4、網ノード装置7−2、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−2、ルータ20−3、H323終端部23−1を経て非独立型IP電話機13−1に届けられる(ステップST30)。
【0119】
非独立型IP電話機13−1の利用者が電話通信の終了のために送受話器を置くと、非独立型IP電話機13−1は電話通信終了を示すIPパケット46−12を生成し、通信回線53−1に送出する(ステップST31)。IPパケット46−12はH323制御部23−1、ルータ20−3、網ノード装置8−2、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−2、ルータ20−4、H323終端部23−2を経て非独立型IP電話機13−2に届けられる。非独立型IP電話機13−2の利用者は電話通信が終了したことを知り、送受話器を置くとIPパケット46−13を生成して送出し、上述と逆の流れ、つまりH323制御部23−2、ルータ20−4、網ノード装置7−2、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−2、ルータ20−3、H323終端部23−1に届けられる(ステップST32)。
【0120】
前記ステップST32は呼切断の確認情報、つまり非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2との間の電話通信終了を知らせるIPパケット46−13が転送される手続きであり、網ノード装置8−2や7−2はIPパケット46−13を検出すると、電話通信終了記録、つまり非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2との間の電話通信終了の事実をIPパケット46−13の内容の一部、例えば送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、その検出時刻とを、網ノード装置の内部の課金記録ファイルに保持しておくことができる。
【0121】
以上の手順により、非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2とがIPパケットを送受することにより電話通信ができたことになる。
【0122】
以上述べた通信手順において、メディアルータ14−1からメディアルータ内のドメイン名サーバ48−1を除き、前記ステップST23乃至ST25を、以下に述べるステップST23x及びST25xとに置きかえることもできる。即ち、H323終端部23−1は非独立型IP電話機13−1のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A131”、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A311”、通信相手先電話番号“Tel-13-2 name”を格納したIPパケット46−14を通信回線10−1と、網ノード装置8−2経由でIP電話網の専用に用いるドメイン名サーバ31−1へ送信する(ステップST23x)。ドメイン名サーバ31−1は、通信相手先電話番号“Tel-13-2 name”に1:1対応するIPアドレス“A132”を含むIPパケット46−15をH323終端部23−1に返信する(ステップST25x)。
【0123】
以上述べたステップST23乃至ST25、或はステップST23x及びST25xの手続きにおいて、網ノード装置8−2は、通信回線10−1経由で受信したIPパケット46−5に含まれる送信元アドレス“A481”と、回線番号“Line-10-1”との組合わせが、アドレス管理テーブル44−1(図8)に登録されているかを調べることにより、或は網ノード装置8−2は、通信回線10−1経由で受信したIPパケット46−14に含まれる送信元アドレス“A131”と、回線番号“Line-10-1”との組合わせが、アドレス管理テーブル44−1(図8)に登録されているかを調べることにより、非独立型IP電話機13−1が、通信回線10−1から網ノード装置8−2を経由する通信を許可されている、つまり“通信許可登録”していることを確認している。
【0124】
<<独立型IP電話機間の通信接続制御>>
図6の非独立型IP電話機13−1はH323終端部23−1の終端機能を含んでいることから、非独立型IP電話機13−1は接続制御部22−1と一体化できる。この理由から、図31の独立型IP電話機12−1内部の非独立型IP電話機13−11は、通信回線経由で直接に接続制御部22−11に接続されている。接続制御部22−11から通信回線10−4が出ており、図3の網ノード装置8−4に接続されている。独立型IP電話機12−1と独立型IP電話機12−2とはIPパケットを送受する電話通信を行うことが可能であり、その通信手順は、前記非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2とがIPパケットを送受することにより電話通信を行うステップST20からステップST32と同様である。そして、異なる第1の点は、メディアルータ14−1内のドメイン名サーバ48−1が存在しないためドメイン名サーバ48−1を経由せず、ステップST23とステップST24とを一体化したステップとみなすこと、異なる第2の点は、H323終端部23−1及び23−2とが存在しないため、これらH323終端部23−1及び23−2の部分をIPパケットが通過できる通信回線に置きかえることである。
【0125】
<<非独立型IP音声画像装置と非独立型IP音声画像装置間>>
次に、非独立型音声画像装置16−1から非独立型IP音声画像装置16−3へIPパケットを送信し、また受信することにより、装置を識別するホスト名称を用いてIPパケットを送受する音声画像通信で行うことが可能である。その通信手順は、非独立型IP電話機13−1と非独立型IP電話機13−2とが、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1を使うステップST20からステップST32と同様である。異なる点は、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1を使わずにIP音声画像網5−1(図3)の専用のドメイン名サーバ32−1を用い、ステップST24の代わりにステップST44、ステップST25に代わりステップST45を実行することである。非独立型音声画像装置16−1が、IP転送網内部のIP画像専用ドメイン名サーバ32−1に、非独立型音声画像装置16−3のホスト名を問合せて、非独立型音声画像装置16−3のIPアドレスを取得し、次に非独立型音声画像装置16−1から非独立型音声画像装置16−3に音声画像データを送信することから、非独立型音声画像装置16−1と非独立型音声画像装置16−3との間で音声画像データを送受する音声画像通信を行なうことができる。
【0126】
<<独立型IP音声画像装置と非独立型IP音声画像装置との間>>
図6の非独立型IP音声画像装置16−1はH323終端部23−1の終端機能を含んでいることから、非独立型IP音声画像装置16−1と接続制御部22−1とを一体化できる。この理由から、図32の独立型IP音声画像装置12−3内部の非独立型IP音声画像装置16−12は、通信回線経由で直接に接続制御部22−12に接続されている。接続制御部22−12から通信回線10−9が出ており、図3の網ノード装置8−4に接続されている。
【0127】
独立型IP音声画像装置12−3と非独立型IP音声画像装置16−3とは、IPパケットを送受する音声画像通信を行うことが可能であり、その通信手順は、非独立型IP音声画像装置16−1と非独立型IP音声画像装置16−3とがIP音声画像網5−1の専用のドメイン名サーバ32−1を使い、IPパケットを送受することにより音声画像通信を行うステップST20からステップST32と同様である。異なる点は、メディアルータ14−1内のドメイン名サーバ48−1が存在しないためドメイン名サーバ48−1を経由せず、ステップST23及びST24を一体化したステップとみなすことである。
【0128】
独立型IP音声画像端末装置16−4をゲートウェイ9−2に接続することにより(図3)、独立型音声画像装置12−3と独立型音声画像装置16−4との間で、網ノード装置8−4、IP音声画像網5−1、網ノード装置7−4、ゲートウェイ9−2を経由し、IPパケットを送受する音声画像通信を行うことができる。
【0129】
独立型IP音声画像装置12−3を、音声画像商品を販売する音声画像商品販売会社の販売手段と見なし、非独立型IP音声画像装置16−3や独立型IP音声画像装置16−4を、音声画像商品購入者の購入手段と見なすと、IP転送網を用いた音声画像商品の流通を可能とする仮想的市場が実現できる。購入者は、音声画像伝票により、販売会社に音声画像商品を注文し、販売会社はディジタル音声画像商品を送信できる。
【0130】
<<アナログ電話機間の通信>>
図3、図6、図7、図33乃至図47を参照して、電話番号をダイヤルしてIP電話機でない普通の電話機、つまりアナログ電話機18−1からアナログ電話機18-3へ電話通信を行う手順を説明する。
【0131】
図6のアナログ電話機18−1は通信回線55−1経由でSCN境界部24−1に接続されており、また、図7のアナログ電話機18−3は通信回線55−2経由でSCN境界部24−2に接続されている。アナログ電話機18−1の送受話器を上げると(オフフック)、通信回線55−1経由で呼出のアナログ信号がSCN境界部24−1へ送出され、SCN境界部24−1は受信した呼出信号をディジタルデータ形式に変換する。次に、このディジタルデータの送受規則などを変換し、呼出を通知する図33に示すディジタルデータ47−1を生成してH323終端部23−1に入力し(図6のステップST60)、H323終端部23−1は、呼出確認の図34のディジタルデータ47−2をSCN境界部24−1へ返信する(ステップST61)。ここで、ディジタルデータ47−1内部の“CTL-Info-1”は呼出制御情報であり、ディジタルデータ47−2内部の“CTL-Info-2”は呼出確認情報である。
【0132】
次に、アナログ電話機18−1の利用者は、通信相手先のアナログ電話機18-3の電話番号をダイヤル入力すると、電話機18−1が呼設定アナログ信号を通信回線55−1に送出し、SCN境界部23−1が“呼設定”アナログ信号を用いて電話番号を知らせる図35のデータブロック47−3を生成し、H323終端部23−1に送出する(ステップST62)。ここで、H323終端部23−1は、図30のメディアルータ状態表100−1内部のレコードを検索して通信回線55−1を表わす回線番号、このケースではメディアルータ状態表100−1の上から3行目のレコードであり、“55−1”を検出する。次に、このレコードに記されているアナログ電話機18−1の電話番号“81−47−325−3887”や、IPアドレス“20.0.55.1”を読み取る。ここで、アナログ電話機18−1のIPアドレス“A181”の具体的数値は、“20.0.55.1”とした例である。
【0133】
次に、H323終端部23−1はアナログ電話機18−1に仮想的に付与するアドレス、つまり送信元IPアドレス“A181”、メディアルータ内のドメイン名サーバ48−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A481”、通信相手先電話番号“Tel-18-3 name”を格納した図36のIPパケット47−4を生成し、ドメイン名サーバ48−1へ送信する(ステップST63)。ドメイン名サーバ48−1は、受信したIPパケット47−4の内容を調べ、次に通信回線10−1と、網ノード装置8−2経由でIP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1宛てにIPパケット47−5を送信する(ステップST64)。IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1は、前記ホスト名“Tel-18-3 name”に1:1に対応するIPアドレス“A183”を含むIPパケット47−6をドメイン名サーバ48−1に返信すると(ステップST65)、ドメイン名サーバ48−1は、H323終端部23−1にIPパケットを返信する。
【0134】
次に、H323終端部23−1はH323終端部23−2へ送信するIPパケット47−7を生成し、ルータ20−3経由で網ノード装置8−2に送信すると(ステップST66)、網ノード装置8−2は、このIPパケット47−7を図3の統合IP転送網2の内部へ転送し、IPパケット47−7はIP電話網4の内部のルータ19−8、19−9、21−2,19−11,19−13を通過し、網ノード装置7−2に着信する。すると、網ノード装置7−2は受信したIPパケット47−7を通信回線10−5に送出し、ルータ20−4経由でH323終端部23−2がIPパケット47−7を受信する。H323終端部23−2はIPパケット47−7を電話呼び出しと解釈し、以下の2つの手続きを行う。第1の手続きは返信用IPパケット47−8を生成し、ルータ20−4へ返信することであり、アナログ電話機18-3はIPパケット47−7を受信することにより呼出ベルの音(呼出音)を鳴らす。第2の手続きは、IPパケット47−7を、SCN境界部24−2経由でアナログ電話機18-3へ転送することである。
【0135】
図7を参照して説明すると、第1の手続きにより生成されたIPパケット47−8は通信回線10−5を経由し(ステップST67)、網ノード装置7−2、IP電話網4を経由して網ノード装置8−2に着信し、通信回線10−1経由で、ルータ20−3、H323終端部23−1、SCN境界部24−1経由でアナログ電話機18−1に届けられる。アナログ電話機18−1はIPパケット47−8を受信することにより、通信相手呼出し中と解釈する。
【0136】
上記第2の手続きにより、アナログ電話機18-3の利用者はこの呼出音を聞き取り、アナログ電話機18-3の送受話器を取り上げる(オフフック)。すると、H323終端部23−2はIPパケット47−9を生成して(ステップST68)、IPパケット47−9をルータ20−4へ向けて送出し、網ノード装置7−2、IP電話網4を経由して網ノード装置8−2に着信し、通信回線10−1経由でルータ20−3、H323終端部23−1、SCN境界部24−1経由でアナログ電話機18−1に届けられ、電話通信相手がアナログ電話機18-3の送受話器を取り上げたことを知らせる音(応答)として、アナログ電話機18−1の利用者に通知される。
【0137】
前記ステップST68は応答の情報、つまりアナログ電話機18−1とアナログ電話機18-3との間の電話通信開始を知らせるIPパケット47−9が転送される手続きであり、網ノード装置7−2及び8−2はIPパケット47−9を検出すると電話通信開始記録、つまりアナログ電話機18−1とアナログ電話機18-3との間の電話通信開始の事実をIPパケット47−9の内容の一部、例えば送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、その検出時刻とを、網ノード装置の内部に設定する課金記録ファイルに保持することができる。
【0138】
アナログ電話機18−1の利用者が電話通信の会話を始めると、その音声信号は通信回線55−1を経由してSCN境界部24−1へ転送されて音声信号はディジタル表現され、次にH323終端部23−1はディジタル化された音声を含むIPパケット47−10を生成し、通信回線10−1に送出する(ステップST69)。音声パケット47−10はH323制御部23−1、ルータ20−3、網ノード装置8−2、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−2、ルータ20−4、H323終端部23−2を経てアナログ電話機18-3に届けられる。アナログ電話機18-3の利用者の声は上述と逆の流れ、つまりH323制御部23−2、ルータ20−4、網ノード装置7−2、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−2、ルータ20−3、H323終端部23−1を経てアナログ電話機18−1に届けられる(ステップST70)。
【0139】
アナログ電話機18−1の利用者が電話通信の終了のため送受話器を置くと、アナログ電話機18−1は電話終了を表わす呼切断信号を通信回線55−1に送出し、SCN境界部24−1は呼切断信号をディジタルデータ形式に変換し、次にH323終端部23−1は、電話通信終了を示すIPパケット47−12を生成し、通信回線10−1に送出する(ステップST71)。IPパケット47−12は、H323制御部23−1、ルータ20−3、網ノード装置8−2、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−2、ルータ20−4、H323終端部23−2を経てアナログ電話機18-3に届けられる。アナログ電話機18-3の利用者は電話通信が終了したことを知り送受話器を置くと、H323終端部23−2はIPパケット47−13を生成して送出して上述と逆の流れ、つまりH323制御部23−2、ルータ20−4、網ノード装置7−2、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−2、ルータ20−3、H323終端部23−1に届けられる(ステップST72)。
【0140】
前記ステップST72は呼切断確認情報、つまりアナログ電話機18−1とアナログ電話機18-3との間の電話通信終了を知らせるIPパケット47−13が転送される手続きであり、網ノード装置8−2及び7−2はIPパケット47−13を検出すると電話通信終了記録、つまりアナログ電話機18−1とアナログ電話機18-3との間の電話通信終了の事実をIPパケット47−13の内容の一部、例えば送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号と、その検出時刻とを網ノード装置の内部の課金記録ファイルに保持しておくことができる。
【0141】
以上の手順により、アナログ電話機18−1とアナログ電話機18−3とがIPパケットを送受することにより電話通信ができたことになる。
【0142】
以上述べた通信手順において、メディアルータ14−1からメディアルータ内のドメイン名サーバ48−1を除き、前記ステップST63乃至ST65を、以下に述べるステップST63x及びST65xに置きかえることもできる。即ち、H323終端部23−1はアナログ電話機18−1のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A181”、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A311”、通信相手先電話番号“Tel-18-3 name”を格納したIPパケット47−14を通信回線10−1と、網ノード装置8−2経由でIP電話専用に用いるドメイン名サーバ31−1へ送信する(ステップST63x)。ドメイン名サーバ31−1は、通信相手先電話番号“Tel-18-3 name”に1:1対応するIPアドレス“A183”を含むIPパケット47−15をH323終端部23−1に返信する(ステップST65x)。
【0143】
以上述べたステップST63乃至ST65、或はステップST63x及びST65xの手続きにおいて、網ノード装置8−2は、通信回線10−1経由で受信したIPパケット47−5に含まれる送信元アドレス“A481”と、回線番号“Line-10-1”との組合わせが、アドレス管理テーブル44−1(図8)に登録されているかを調べることにより、或は網ノード装置8−2は、通信回線10−1経由で受信したIPパケット47−14に含まれる送信元アドレス“A181”と、回線番号“Line-10-1”との組合わせが、アドレス管理テーブル44−1(図8)に登録されているかを調べることにより、アナログ電話機18−1が、通信回線10−1から網ノード装置8−2を経由する通信を許可されている、つまり通信許可登録していることを確認している。
【0144】
<<IPデータサービス運用管理サーバ>>
通信会社Xの管理下にあるIPデータサービス運用管理サーバ35−1は周期的に或いは随時、網ノード装置8−2及び8−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記ステップST11において網ノード装置が作成したIP端末間通信記録を取得する。また、IPデータサービス運用管理サーバ35−1は、通信会社Xが管理するIPデータ網の内部リソース、例えばルータ19−1、19−2、19−3、IPデータ網の専用のドメイン名サーバ30−1及び30−2、ルータ間の通信回線等を、ICMPパケットを送受する等の手段により正常か否かを調べ(障害管理)、また、IPデータ網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社XのIPデータ網を一元的に運用管理する。
【0145】
同様に、通信会社Yの管理下にあるIPデータサービス運用管理サーバ35−2は周期的に或いは随時、網ノード装置7−2及び7−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより前記IP端末間通信記録を取得し、また、通信会社YのIPデータ網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。なお、IPデータサービス運用管理サーバ35−1及び35−2はそれぞれIPデータサービスを専ら管理するIPデータサービスサーバと、IPデータ網のリソースを専ら管理するIPデータ網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0146】
<<IP電話サービス運用管理サーバ>>
通信会社Xの管理下にあるIP電話サービス運用管理サーバ36−1は周期的に或いは随時、網ノード装置8−2や8−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記電話通信開始記録と電話通信終了記録を取得する。また、通信会社Xの管理するIP電話網の内部リソース、例えばルータ19−8、19−9、19−10、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1、ルータ間の通信回線等をICMPパケットを送受する等の手段により正常か否かを調べ(障害管理)、また、IP電話網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社XのIP電話網を一元的に運用管理する。
【0147】
同様に、通信会社Yの管理下にある電話サービス運用管理サーバ36−2は周期的に或いは随時、網ノード装置7−2及び7−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記電話通信開始記録と電話通信終了記録を取得し、通信会社YのIP電話網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。
【0148】
なお、上記手続きのうちステップST28、ステップST68における電話通信開始の記録、及びステップST32、ステップST72における電話通信の終了の記録を省略してもよく、この場合は通信会社Xや通信会社Yによる電話通信開始記録と電話通信終了記録の取得を省くことができる。
【0149】
なお、IP電話サービス運用管理サーバ36−1及び36−2はそれぞれIP電話サービスを専ら管理するIP電話サービスサーバと、IP電話網のリソースを専ら管理するIP電話網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0150】
<<IP音声画像サービス運用管理サーバ>>
通信会社Xの管理下にあるIP音声画像サービス運用管理サーバ37−1は周期的に或いは随時、網ノード装置8−2及び8−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記音声画像通信開始記録と音声画像通信終了記録を取得する。また、通信会社Xの管理するIP音声画像網の内部リソース、例えばルータ19−14、19−15、IP電話網の専用のドメイン名サーバ32−1、ルータ間の通信回線等をICMPパケットを送受する等の手段により正常か否かを調べ(障害管理)、また、IP音声画像網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社XのIP音声画像網を一元的に運用管理する。
【0151】
同様に、通信会社Yの管理下にあるIP音声画像サービス運用管理サーバ37−2は周期的に或いは随時、網ノード装置7−2や7−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記音声画像通信開始記録と音声画像通信終了記録を取得し、通信会社Yの音声画像網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。なお、IP音声画像サービス運用管理サーバ37−1及び37−2はそれぞれIP音声画像サービスを専ら管理するIP音声画像サービスサーバと、音声画像網のリソースを専ら管理するIP音声画像網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0152】
<<ベストエフォートサービス運用管理サーバ>>
通信会社Xの管理下にあるベストエフォートサービス運用管理サーバ38−1は、通信会社Xのベストエフォート網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。同様に、通信会社Yの管理下にあるベストエフォートサービス運用管理サーバ38−2は、通信会社Yのベストエフォート網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。なお、ベストエフォートサービス運用管理サーバ38−1及び38−2はそれぞれベストエフォートサービスを専ら管理するベストエフォートサービスサーバと、ベストエフォートサービス網のリソースを専ら管理するベストエフォート網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0153】
以上の説明において、実施例における要素名を、例えば「H323終端部」や「H323ゲートウェイ」等と付与しているところがあるが、ITU-H323勧告に従うという意味ではなく、関連した通信技能を有することを表わす。
【0154】
図48に示すように、メディアルータ操作者102は、操作入出力部51−1を経由してRAS機構49−1の内部のRAS管理プログラム101−1と情報交換し、或はRAS管理プログラム内のRAS表を書き換えることにより、端末の登録と認証、メディアルータ14−1の内部状態を管理する。
【0155】
図49に示すように、端末操作者103は非独立型IP電話機13−1を操作し、この操作情報がH323端末プログラム105−2、次に通信回線53−1内に仮想的に存在する3層通信路106を経由して、RAS機構49−1の内部のRAS管理プログラムのインタフェース105−1及びRAS管理プログラムのAP層101−2と情報交換することにより、また、RAS管理プログラム内のRAS表を書換えることにより、端末の登録と認証及びメディアルータ14−1の内部状態を管理する。
【0156】
図50に示すように、電話機操作者は104はアナログ電話機18−1を操作し、この操作情報がSCN境界部24−1内の電話操作プログラム106−2、次にRAS機構49−1の内部のRAS管理プログラムのTCP/IPインタフェース106−1及びRAS管理プログラムのAP層101−3と情報交換することにより、また、RAS管理プログラム内のRAS表を書換えることにより、端末の登録と認証及びメディアルータ14−1の内部状態を管理する。
【0157】
図3の実施例において、通信会社Yが運用管理するIP転送網の範囲6−2の内部要素の全部を除き、更にルータ21−1乃至21−5を除くことができる。このようにした場合、統合IP転送網2の内部は、通信会社Xが運用管理するIP転送網の範囲6−1と、網ノード装置7−1乃至7−4、8−1乃至8−4と、ゲートウェイ9−1及び9−2のみとなる。IPデータ通信の場合は、例えば網ノード装置8−2からルータ19−1、ルータ19−3を経由して網ノード装置7−2へ情報を転送し、IP電話通信の場合は、例えば網ノード装置8−2からルータ19−8及び19−9を経由して網ノード装置7−2に情報を転送する。
【0158】
2. ゲートウェイを用いる第2実施例:
<<ゲートウェイを経由したアナログ電話機間の通信>>
図6,7のメディアルータ14−1及び14−2は、図51のゲートウェイ9−1及び図52のゲートウェイ9−2とほぼ同一の内部構成と機能を有し、異なる点はメディアルータ14−1及び14−2が統合IP転送網2の外部にあるのに対して、ゲートウェイ9−1及び9−2は統合IP転送網2の内部にあり、また、ゲートウェイ9−1及び9−2の内部には課金部72−1及び72−2がある他に、メディアルータ14−1及び14−2、ゲートウェイ9−1及び9−2それぞれの内部はSCN境界部、H323終端部、接続制御部、ルータなど共通の内部要素ブロックから構成されている。また、79−1はゲートウェイ9−1のRAS機構、80−1はゲートウェイ9−1の情報処理機構、81−1はゲートウェイ9−1の操作入出力部である。メディアルータとゲートウェイとは、課金部に関する処理が異なる他は、ほぼ類似の機能で成っている。
【0159】
ゲートウェイ9−1には通信回線を経てIP端末11−6や非独立型IP電話機13−3が接続され、ゲートウェイ9−2には通信回線を経てIP端末11−10や非独立型IP音声画像装置16−4が接続されており、メディアルータを経由した端末間通信が可能であるようにゲートウェイ9−1、統合IP転送網2、ゲートウェイ9−2を経由して、例えば図3に示すIP端末11−6とIP端末11−10との間の端末間通信や、非独立型IP電話機13−3と非独立型IP電話機13−4との間の端末間通信や、非独立型IP音声画像装置16−1と非独立型IP音声画像装置16−4との間の端末間通信が可能である。
【0160】
以下、図51乃至図68を参照して、ゲートウェイ9−1、統合IP転送網2、ゲートウェイ9−2を経由してアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の通信手順を説明する。
【0161】
アナログ電話機18−5の送受話器を上げると、電話回線17−3、公衆交換電話網26−1、通信回線17−1を経由して呼出の信号がゲートウェイ9−1内部のSCN境界部77−1に着信し(図51のステップS60)、SCN境界部77−1は呼出確認信号を公衆交換電話網26−1経由でアナログ電話機18−5へ返信する(ステップS61)。次に、アナログ電話機18−5の利用者は、通信相手先電話機18−6の電話番号“Tel-18‐6 name”をダイヤル入力すると、アナログ電話機18−5が呼設定信号を電話回線17−3に送出すると、呼設定信号が公衆交換電話網26−1、通信回線17−1を経てSCN境界部77−1に到達し(ステップS62)、この呼設定信号がディジタル化されて出来た図53に示すデータブロック48−1がH323終端部76−1に伝えられ(ステップS62x)、H323終端部76−1は図70のゲートウェイ状態表100−2内部のレコードを検索して、通信回線17−1を表わす回線番号、このケースではゲートウェイ状態表100−2の上から1行目のレコードであり、“17−1”を検出する。
【0162】
次に、このレコードに記されているアナログ電話機18−5の電話番号“81−3−9876−5432”やIPアドレス“100.101.102.103”を読み取る。更に、H323終端部76−1はアナログ電話機18−5のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A185”、ゲートウェイ内のドメイン名サーバ78−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A781”、通信相手先電話番号“Tel-18‐6 name”を格納したIPパケット48−2を生成し、ドメイン名サーバ78−1へ送信する(ステップS63)。ドメイン名サーバ78−1は受信したIPパケット48−2の内容を調べ、網ノード装置8−4経由でIP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1宛てにIPパケット48−3を送信する(ステップS64)。IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1は、前記通信相手先電話番号“Tel-18‐6 name”に1:1に対応するIPアドレス“A186”を含むIPパケット48−4をドメイン名サーバ78−1に返信すると(ステップS65)、ドメイン名サーバ78−1はH323終端部76−1にIPパケットを返信する。
【0163】
次に、H323終端部76−1はIPパケット48−5を生成し、網ノード装置8−4に送信すると(ステップS66)、網ノード装置8−4はこのIPパケット48−5を図3の統合IP転送網2の内部へ転送すると、IPパケット48−5はIP電話網4の内部のルータ19−8、19−9、21−2,19−11,19−13を通過して網ノード装置7−4に着信する。すると、網ノード装置7−4は受信したIPパケット48−5を、ルータ74−2、H323終端部76−2を経由してSCN境界部77−2に送出する。SCN境界部77−2は、IPパケット48−5をアナログ電話機18−6への電話呼出しと解釈し、通信回線17−2に対して呼出信号を送出する(ステップS66x)。公衆交換電話網26−2から呼出確認信号を受けとると(ステップS66y)、次の2つの手続きを行う。第1の手続きは返信用IPパケット48−6を生成し、ルータ74−2へ返信することであり、第2の手続きは呼設定信号を、回線17−2を経て公衆交換電話網26−2へ送出することである。
【0164】
第1の手続きにより生成されたIPパケット48−6は網ノード装置7−4を経由し(ステップS67)、IP電話網4を経由して網ノード装置8−4に着信し、ゲートウェイ9−1内部のH323終端部76−1に届けられる。次に、H323終端部76−1は、受信したIPパケット48−6を通信相手の電話機(アナログ電話機18−6)を呼出中であると理解し、呼出音を意味するデータブロック48−7をSCN境界部77−1に送出する。すると、SCN境界部77−1は呼出音を通信回線17−1へ送出し、この呼出音が公衆交換電話網26−1、電話回線17−3経由でアナログ電話機18−5に届けられと、アナログ電話機18−5は通信相手のアナログ電話機18―6を呼出し中と解釈する。
【0165】
上記第2の手続きにより、アナログ電話機18−6は呼設定信号を受信し(ステップS67x)、呼出音を鳴らす。アナログ電話機18−6の利用者がこの呼出音を聞き取り、アナログ電話機18−6の送受話器を取り上げると、呼設定確認の信号がアナログ電話機18−6から送出され、回線17−4、公衆交換電話網26−2、回線17−2経由でこの呼設定確認信号がSCN境界部77−2に着信する。SCN境界部77−2が応答の受信をH323終端部76−2に伝達すると(ステップS67y)、H323終端部76−2はIPパケット48−8を生成してH323終端部76−1へ向けて送出する(ステップS68)。すると、このIPパケット48−8は網ノード装置7−4、IP電話網4を経由して網ノード装置8−4に到達し、ゲートウェイ9−1内部のルータ74−1を経てH323終端部76−1に着信する。
【0166】
H323終端部76−1は受信したIPパケット48−8を応答(つまり、アナログ電話機18−6の利用者が送受話器を上げた)と理解し、呼設定確認を意味するデータブロック48−9をSCN境界部77−1に送出する。すると、SCN境界部77−1は呼設定確認信号を通信回線17−1へ送出し、公衆交換電話網26−1、電話回線17−3経由でアナログ電話機18−5に届ける。
【0167】
前記ステップS68は応答の情報、つまりアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信開始を知らせるIPパケット48−9が転送される手続きであり、網ノード装置7−4や8−4はIPパケット48−9を検出すると電話通信開始記録、つまりアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信開始の事実をその時刻と共に網ノード装置の内部に設定する課金記録ファイルに保持しておくことができる。
【0168】
アナログ電話機18−1の利用者が電話通信の会話を始めると、その音声信号は電話回線17−3、公衆交換電話網26−1、通信回線17−1を経由してSCN境界部77−1へ転送され、音声信号はディジタル表現され、次にH323終端部76−1はディジタル化された音声を含むIPパケット48−10を生成する。音声パケット48−10はルータ74−1、網ノード装置8−4、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−4、H323終端部76−2、SCN境界部77−2、通信回線17−2、公衆交換電話網26−2、電話回線17−4を経てアナログ電話機18−6に届けられる(ステップS69)。アナログ電話機18−6の利用者の声はIPパケット48−11として上述と逆の流れ、つまりSCN境界部77−2、H323制御部76−2、網ノード装置7−4、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−4、ゲートウェイ9−1内部のH323終端部76−1、SCN境界部77−1、通信回線17−1等を経てアナログ電話機18−5に届けられる(ステップS70)。
【0169】
アナログ電話機18−5の利用者が電話通信の終了のため送受話器を置くと、アナログ電話機18−5は電話終了を表わす呼切断信号を電話回線17−3に送出し、SCN境界部77−1は呼切断信号をディジタルデータ形式に変換し、次にH323終端部76−1は電話通信終了を示すIPパケット48−12を生成し、ルータ74−1に送出すると(ステップS71)、IPパケット48−12は網ノード装置8−4、ルータ19−8,19−9,21−2,19−11,19−13、網ノード装置7−4、H323終端部76−2、SCN終端部77−2を経てアナログ電話機18−6に届けられる。アナログ電話機18−6の利用者は電話通信が終了したことを知り送受話器を置くと、SCN境界部77−2は呼切断確認(つまり電話通信終了)と理解すると共に、公衆交換電話網26−2から、アナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信のために必要とした「公衆交換電話網の利用料金」を通知してもらう。例えば通信回線17−2がISDN回線の場合、電話通信終了時に課金情報を通知されるようになっている。
【0170】
SCN境界部77−2は、前記入手した公衆交換電話網の利用料金を課金料金として、H323終端部76−2に通知する。H323終端部76−2は呼解放確認と課金料金とを知り、次の2つの手続きを行うことができる。H323終端部76−2は、第1の手続きとしてIPパケット48−13を生成してルータ74−2に向けて送出する。すると、上記と逆の流れ、つまり網ノード装置7−4、ルータ19−13,19−11,21−2,19−9,19−8、網ノード装置8−4、H323終端部76−1に届けられる(ステップS72)。更に、H323終端部76−2は、前記第2の手続きとして、前記手順により入手した課金料金の情報を含むデータブロック48−14を、ゲートウェイ9−2の内部で動作するデータ転送機能を用いて課金部72−2に通知する。課金部72−2は、前記取得したアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信において、公衆交換電話網26−2を利用した課金情報を保持しておくことができる。
【0171】
以上の手順により、アナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6とがIPパケットを送受することにより電話通信ができたことになる。
【0172】
前記ステップS72は呼切断確認情報、つまりアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信終了を知らせるIPパケット48−13が転送される手続きであり、網ノード装置8−4及び7−4はIPパケット48−13を検出すると電話通信終了記録、つまりアナログ電話機18−5とアナログ電話機18−6との間の電話通信終了の事実をその時刻と共に網ノード装置の内部に設定する課金記録ファイルに保持しておくことができる。
【0173】
通信会社Xの管理下にあるIP電話サービス運用管理サーバ36−1は周期的に或いは随時、網ノード装置8−4と問合わせIPパケットとを送受することにより、前記電話通信開始記録と電話通信終了記録を取得する。更に、IP電話サービス運用管理サーバ36−1は課金部72−1と問い合わせIPパケットを送受することにより、前記課金情報を取得する。同様に、通信会社Yの管理下にあるIP電話サービス運用管理サーバ36−2は周期的に或いは随時、網ノード装置7−4と問合わせIPパケットとを送受することにより、電話通信開始記録及び電話通信終了記録を取得する。更に、IP電話サービス運用管理サーバ36−2は、課金部72−2と問い合わせIPパケットとを送受することにより、前記課金情報を取得する。
【0174】
以上述べた通信手順において、ゲートウェイ9−1からドメイン名サーバ78−1を除き、前記ステップS63乃至S65を以下に述べるステップS63x及びS65xに置きかえることもできる。即ち、H323終端部76−1はアナログ電話機18−5のアドレス、つまり送信元IPアドレス“A185”、IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1のアドレス、つまり宛先IPアドレス“A311”、通信相手先電話番号“Tel-18-6 name”を格納したIPパケット48−15を、網ノード装置8−4経由でドメイン名サーバ31−1へ送信する(ステップS63x)。IP電話網の専用のドメイン名サーバ31−1は、通信相手先電話番号“Tel-18-6 name”に1:1に対応するIPアドレス“A186”を含むIPパケット48−16をH323終端部76−1に返信する(ステップS65x)。
【0175】
以上述べたステップS63乃至S65、或はステップS63x及びS65xの手続きにおいて、網ノード装置8−4は通信回線17−1及びH323終端部76−1を経由し、ゲートウェイ内のドメイン名サーバ78−1で生成されたIPパケット48−3に含まれる送信元アドレス“A781”と回線番号“Line-17-1”との組合わせが、アドレス管理テーブル44−2(図69)に登録されているかを調べることにより、或は網ノード装置8−4は、H323終端部76−1で生成されたIPパケット48−15に含まれる送信元アドレス“A185”と、回線番号“Line-17-1”との組合わせがアドレス管理テーブル44−2(図69)に登録されているかを調べることにより、アナログ電話機18−5が通信回線17−1から網ノード装置8−4を経由する通信を許可されている。つまり。通信許可登録していることを確認している。
【0176】
<<電話サービス運用管理サーバ>>
通信会社Xの管理下にあるIP電話サービス運用管理サーバ36−1は周期的に或いは随時、網ノード装置8−2及び8−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、電話通信開始記録及び電話通信終了記録を取得する。また、通信会社Xの管理するIP電話網の内部リソース、例えばルータ19−8、19−9、19−10、ドメイン名サーバ31−1、ルータ間の通信回線等をICMPパケットを送受する等の手段により正常か否かを調べ(障害管理)、また、IP電話網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社XのIP電話網を一元的に運用管理する。
【0177】
同様に、通信会社Yの管理下にあるIP電話サービス運用管理サーバ36−2は周期的に或いは随時、網ノード装置7−2や7−4等と問合わせIPパケットとを送受することにより、電話通信開始記録及び電話通信終了記録を取得し、通信会社YのIP電話網の障害管理や通信品質を一元的に運用管理する。
【0178】
なお、上記手続きのうち、ステップS68における電話通信開始の記録、及びステップS72における電話通信の終了の記録を省略してもよく、この場合は、通信会社Xや通信会社Yによる電話通信開始記録と電話通信終了記録の取得を省くことができる。また、IP電話サービス運用管理サーバ36−1及び36−2はそれぞれIP電話サービスを専ら管理するIP電話サービスサーバと、IP電話網のリソースを専ら管理するIP電話網運用管理サーバとに分けることもできる。
【0179】
3. メディアルータをCATV通信網内で用いる第3実施例:
図71を参照して、本発明によるメディアルータをCATV通信網の内部で用いることにより、IP転送網を用いた端末間通信接続する第3の実施例を説明する。
【0180】
メディアルータ115はCATV網113―1内部のCATVゲートウェイ113―2の内部にあり、通信回線112を経て統合IP転送網110内部の網ノード装置111に接続されており、また、メディアルータ115はCATV回線インタフェース114、CATV回線119―1乃至119―4のいずれかを経て、IP端末116―1乃至116―3、アナログ電話機117、非独立型IP電話機118―1、非独立型IP音声画像装置118―2を接続している。CATV回線119―1乃至119―4は、CATV回線特有の通信下位層(通信物理層及びデータリンク層)を含むと共に、通信ネットワークにおいてIPパケットを転送する機能を有する。IP端末116−1から送信されたIPパケットはCATV回線119―1を経てCATV回線インタフェース114に入り、ここでIPパケットが取り出されてメディアルータ115に送られる。メディアルータ115は図6のメディアルータ14―1と同様に構成されており、14―1と同じ機能例えば、ドメイン名サーバを含む。この理由から、メディアルータ115は、呼制御データを含むIPパケットをDNS問合わせ応答形式データに変換して、通信回線112へ送出でき、また、アナログ電話機117や非独立型IP電話機118―1、非独立型IP音声画像装置118―2から、CATV回線119−2乃至119−4、CATV回線インタフェース114を経て入力したIPパケットは、メディアルータ115を経由して通信回線112に送信され、また逆に、つまり網ノード装置111から通信回線112経由で送られてくるIPパケットはメディアルータ115を経由し、CATV回線インタフェース114を経、次にCATV回線119―1乃至119―4のいずれかを経てIP端末116−1、アナログ電話機117、非独立型IP電話機118―1、非独立型IP音声画像装置118―2のいずれかに送信できる。
【0181】
以上述べた原理により、CATV網113−1内部のIP端末116−1、アナログ電話機117、非独立型IP電話機118―1、非独立型IP音声画像装置118―2は統合IP転送網110を経由して、他の実施例で説明しているように、統合IP転送網内部のドメイン名サーバを用い、統合IP転送網110に接続される他の各種の端末、つまりIP端末やアナログ電話機、IP電話機、IP音声画像装置などの端末と、端末間通信が可能である。
【0182】
IP端末116−1が、CATV回線119−1、CATVゲートウェイ113−2を経由して、統合IP転送網110内部のドメイン名サーバに、通信相手先IP端末のホスト名を提示して、当該相手先IP端末のIPアドレスを取得し、次に、IP端末116−1から、当該相手先IP端末にデータを送信することから、データを送受する端末間通信を行うことができる。同様に、アナログ電話機117が、CATV回線119−2、CATVゲートウェイ113−2を経由して、統合IP転送網110内部のドメイン名サーバに、通信相手先アナログ電話機のホスト名、つまり、当該相手先電話機の電話番号を提示して、当該相手先電話機のIPアドレスを取得し、次に、アナログ電話機117から、当該相手先アナログ電話機と音声データを送受することから、電話通信を行うことができる。同様に、非独立型IP電話機118−1が、CATV回線119−3、CATVゲートウェイ113−2を経由して、統合IP転送網110内部のドメイン名サーバに、通信相手先アナログ電話機のホスト名、つまり、当該相手先電話機の電話番号を提示して、当該相手先電話機のIPアドレスを取得し、次に、非独立型電話機118−1から、当該相手先アナログ電話機と音声データを送受することから、電話通信を行うことができる。
【0183】
4. 無線インタフェースを有するゲートウェイを用いる第4実施例:
図72を参照して、本発明によるゲートウェイに端末収容無線装置を組み合わせ、IP転送網を用いて端末間通信接続する第4の実施例を説明する。
【0184】
120は統合IP転送網、121は網ノード装置、122はゲートウェイ、123は無線送受信部、124−1は無線インタフェース変換部、124−2は通信回線、125は無線通信路、126は端末収容無線装置、127は無線送受信部、128−1はIP端末、128−2は非独立型IP電話機、128−3は非独立型IP音声画像装置、129−1乃至129−3は無線インタフェース変換部である。ゲートウェイ122は、図51のゲートウェイ9−1と同一の機能を含み、IP端末やH323端末やアナログ電話機などの端末を、通信回線124−2を経由して接続すると、端末間通信のために用いることができる。この理由から、IP端末やIP電話機、IP音声画像装置を通信回線124−2により接続することにより端末間通信を行うことができる。
【0185】
IP端末128−1から送出されたDNS問合せ応答形式のデータや送受するテキストデータは、無線インタフェース変換部129−1で無線送受信部の入力データ形式に変換されて無線送受信部127に入力され、無線通信路125を経由して無線送受信部123に送られ、無線インタフェース変換部124−1においてゲートウェイに入力可能なIPパケットのデータ形式に変換されて、通信回線124−2経由でゲートウェイ122に送られる。非独立型IP電話機128−2から送出された電話の呼制御用のデータや送受するディジタル表現された音声データは、無線インタフェース変換部129−2で無線送受信部の入力データ形式に変換されて無線送受信部127に入力され、次に無線通信路125、無線送受信部123、無線インタフェース変換部で124−1、通信回線124−2をそれぞれ経由し、ゲートウェイに入力可能なIPパケットのデータ形式となってゲートウェイ122に送られる。非独立型IP音声画像装置128−3から送出されたIP音声画像装置の呼制御用のデータや送受するディジタル表現された音声と動画像データは、無線インタフェース変換部129−3で無線送受信部の入力データ形式に変換されて無線送受信部127に入力し、次に無線通信路125、無線送受信部123、無線インタフェース変換部124−1、通信回線124−2をそれぞれ経由し、ゲートウェイに入力可能なIPパケットのデータ形式となってゲートウェイ122に送られる。また、逆方向のデータの流れ、例えば網ノード装置121からIP電話用のIPパケットは、ゲートウェイ122、通信回線124−2、無線インタフェース変換部124−1、無線送受信部123、無線通信路125、無線送受信部127、無線インタフェース変換部129−2を経て非独立型IP電話機128−2に届けられる。
【0186】
更に、端末収容無線装置126に接続されたIP端末128−1、非独立型IP電話機128―2、非独立型IP音声画像装置128−3は、統合IP転送網120を経由して統合IP転送網120に接続される他の各種の端末、つまりIP端末やアナログ電話機、IP電話機、IP音声画像装置などの端末と、端末間通信が可能である。
【0187】
5. ゲートウェイの構造が異なる第5実施例:
本実施例は、第2実施例の図51に示すゲートウェイ9−1の構造が異なる他の実施例であり、図73を参照して説明する。
【0188】
9−5はゲートウェイであり、74−5はルータ、78−5はドメイン名サーバ、79−5は、ゲートウェイ9−5への端末の登録と認証、ゲートウェイ9−5の内部状態(例えば通信状態、休止状態)を管理するRAS機構である。ここで、「端末の登録」とは端末をゲートウェイへ接続すること、「認証」とは、端末の接続許可条件に従って端末が正規に利用できるかを確認することを意味する。80−5はゲートウェイ9−5内部の情報処理を受け持つ情報処理機構であり、81−5はゲートウェイ9−5の操作入出力部であり、72−5は課金部である。82−3はH323通信手順用ゲートウェイ部(H323-GW)、75−3はH323接続制御部、76−3はH323終端部、77−3はSCN境界部であり、82−4はSIP通信手順用ゲートウェイ部(SIP-GW)、75−4はSIP接続制御部、76−4はSIP終端部、77−4はSCN境界部である。52−3はIP端末を接続できるIP通信回線であり、53−3はH323通信手順のIP電話機が接続可能な通信回線であり、53−4はSIP通信手順のIP電話機が接続可能な通信回線であり、17−3,17−4はそれぞれ公衆交換電話網につながる通信回線である。
【0189】
図73のゲートウェイ9−5は、第2実施例の図51のゲートウェイ9−1と置き換え可能であり、ルータ74−5はルータ74−1と,ドメイン名サーバ78−5はドメイン名サーバ78−1と、RAS機構79−5はRAS機構79−1と、情報処理機構80−5は情報処理機構80−1と、操作入出力部81−5は操作入出力部81−1と、課金部72−5は課金部72−1と、H323接続制御部75−3はH323接続制御部75−1と、H323終端部76−3はH323終端部76−1と、SCN境界部77−3はSCN境界部77−1の機能とそれぞれ置き換え可能である。このようになっているから、図73のゲートウェイ9−5を図51のゲートウェイ9−1と置き換えた後に、IP通信回線52−3の先にIP端末を接続し、また、通信回線53−3の先にH323通信手順のIP電話機を接続し、また、電話回線17−3の先にアナログ電話機を接続し、ゲートウェイ9−5を経由し、統合IP転送網2につながる第2実施例の図52の端末の11−10、18−6などと接続し、通信を行うことができる。H323-GWの82−3は、“H323通信手順用のゲートウェイ通信インタフェース機能部”である。
【0190】
同様に、SIP-GW82−4はSIP通信手順用のゲートウェイ通信インタフェース機能部であり、通信回線53−4の先に接続するSIP通信手順のIP電話機から通信回線53−4を経て、SIP通信手順に従って端末を動作させるSIP終端部76−4を経由し、SIP通信手順に従って端末接続を行うSIP接続制御部75−4及びルータ74−5を経由することにより、図52の電話機18−6などと接続し、通信を行うことができる。更に、電話回線17−4の先に接続する電話機から、SCN境界部77−4を経由して電話機18−6などと接続し、通信を行うことができる。
【0191】
H323-GW82−3及びSIP-GW82−4は、2つの通信手順に対応する通信回線インタフェースを提供している。将来、通信手段が新らしく開発された場合は、ゲートウェイ82−3及び82−4の位置に、新しい通信手段用のゲートウェイを増設することもできる。通信手順別のゲートウェイ通信インタフェース機能部を複数含むことにより、様々な通信手順の電話接続制御に対応することができる。
【0192】
6. 電話管理サーバを用いる第6実施例:
図74において、201は統合IP通信網、202はIPデータ網、203はIP電話網、204は音声画像網であり、206−1は通信会社1が運用管理する統合IP通信網の範囲、206−2は通信会社2が運用管理する統合IP通信網の範囲である。統合IP通信網201、IPデータ網202、IP電話網203、音声画像網204は、通信会社により運用管理される管理IP網である。図74及び図75を参照し、電話通信の準備から説明する。アナログ電話機213―5から、メディアルータ212―1、通信回線210―1、網ノード装置208―1、IP電話網203内部を経由し、網ノード装置209−2、通信回線210―5、メディアルータ212―2、アナログ電話機214―4へ電話通信を行うための端末間通信接続制御方法を説明する。ここで、219−1乃至219−10、221−1はそれぞれルータであり、また各種サーバが、統合IP通信網201の内部に置かれており、それぞれのサーバはIPアドレスを付与されている。図74に示すように、各種のサーバ、ルータ、ノード装置はそれぞれIP通信回線により接続され、それぞれが有するIP通信手段によりIPパケットを送受してデータ交換できる。209−1及び209−2は電話ゲートウェイであり、例えばアナログ電話機209−4から公衆電話交換網209−3を経由して電話通信を行うことができ、これに関しては他の実施例において説明している。なお、電話管理サーバ313−5及び314−5は、図1の接続サーバ1−5及び1−6にほぼ相当する。ゲートウェイ209−1及び209−2は、図1の中継接続サーバーの1−7にほぼ相当し、これらゲートウェイの機能は、他の実施例において説明する。
【0193】
213-1及び214-1はアナログ電話機を収容するPBX、213-2乃至213-6及び214-2乃至214-6はアナログ電話機である。電話機213-2及び213-3はPBX213‐1に接続され、電話機214-2及び214-3はPBX214‐1に接続され、電話機213-4乃至213-6はメディアルータ212‐1に接続され、電話機214-4乃至214-6はメディアルータ212‐2に接続されている。
【0194】
メディアルータ212−1はIPアドレス“EA01”を、メディアルータ212−2はIPアドレス“EA02”をそれぞれ付与される。電話機213−4乃至213−6は代表電話番号“Tel-No-1”を、電話機214−4乃至214−6は代表電話番号“Tel-No-2”を付与され、電話機213−2、213−3、214−2,214−3は、内線電話番号“2132”、“2133”、“2142”、“2143”をそれぞれ付与されている。
【0195】
<<電話通信の準備>>
IP電話の利用を希望するユーザ227−1は、IP電話サービスの利用を通信会社1に所属するIP電話受付者228−1に申込み(図75のステップP100)、IP電話受付者228−1は、IP電話の申込情報であるユーザ氏名や住所、通信料金の支払い方法、ユーザ電話番号“Tel-No-1”をユーザ227−1から入手し、また、メディアルータ212−1に付与する外部IPアドレス“EA01”、ユーザがメディアルータ212−1を接続するために用いる通信回線210−1の識別記号“L210−1”と、この通信回線210―1が接続する網ノード装置208−1の網ノード装置識別記号“NN−208−1”とをユーザサービスサーバ313−6に通知する(ステップP101)。ここで、ユーザ227−1がIPアドレス“EA01”をIP電話受付者228−1に提示する。
【0196】
ユーザは、ユーザ電話番号“Tel-No-1”に対応付けて用いるIPアドレス“EA01”をメディアルータ212−1に設定する。次に、ユーザサービスサーバ313−6は、受付けた電話利用者を識別するためのユーザ識別記号“UID−1”をユーザ227−1に付与し、”UID−1”を外部IPアドレス“EA01”に対応させ、ユーザ227−1用の内部IPアドレス“IA01”を定め、前記受付て得られたユーザ氏名や住所、通信料金の支払い方法、ユーザ電話番号“Tel-No-1”、外部IPアドレス“EA01”等の情報と共に、ユーザサービスサーバのデータベースに保持する(ステップP102)。電話機213−5は、電話番号“Tel-No-1”に対応する外部IPアドレス“EA01”を使用するので、IP電話網203を利用する電話通信において、電話機213−5の外部IPアドレスは“EA01”であるという表現を用いる。
【0197】
次に、ユーザサービスサーバ313−6は、前記申込者の少なくともユーザ電話番号“Tel-No-1”、外部IPアドレス“EA01”、内部IPアドレス“IA01”を、IP通信手段を用いて電話管理サーバ313−5へ通知する(ステップP103)。
【0198】
電話管理サーバ313−5はこれら3通りの情報、つまりユーザ電話番号“Tel-No-1”、外部IPアドレス“EA01”、及び内部IPアドレス“IA01” の相互に対応付けられる1組の情報を電話ドメイン名サーバ313−2に通知する(ステップP105)。電話ドメイン名サーバ313−2は、ユーザ電話番号“Tel-No-1”と“外部IPアドレス”、“内部IPアドレス”とを、RFC1996などで定められているドメイン名サーバの運用規則である資源レコード等の形式により保持する(ステップP106)。
【0199】
更に、電話管理サーバ313−5は4つのアドレス“EA01,EA81,IA01,IA81”を表管理サーバ313−3に知らせる(ステップP107)。なお、電話管理サーバ313−5は、常に代理電話サーバ313−1の外部IPアドレス“EA81”及び内部IPアドレス“IA81”を保持している。
【0200】
表管理サーバ313−3は網ノード装置208−1に対して前記4つのアドレス“EA01,EA81,IA01,IA81”を知らせると(ステップP108)、網ノード装置208−1は、図76に示すように網ノード装置208−1内部のアドレス管理表360−1の第1レコードに示した4つのアドレス“EA01,EA81,IA01,IA81”を保持する(ステップP109)。ここで、アドレス“IA01”は、通信回線210−1と網ノード装置208−1との接続点(論理端子)に付与するIPアドレスであり、以降、通信回線210−1の論理端子に付与した内部IPアドレスという。なお、この時点では、アドレス管理表360−1の第2行目のレコードは空白となっている。
【0201】
前記アドレス管理表360−1の1行目のレコードを網ノード装置のアドレス管理表のIP通信レコードと呼び、送信元外部IPアドレス“EA01”、宛先外部IPアドレス“EA81”、送信元内部IPアドレス“IA01”、宛先内部IPアドレス“IA81”により定義する。このIP通信レコードは、特に代理電話サーバ313−1とメディアルータ212−1との間のIP通信路を定める網ノード装置のアドレス管理表のIP通信レコードと呼ぶ。
【0202】
同様にして、IP電話の利用を希望するユーザ227−2は、IP電話サービスの利用を通信会社2に所属するIP電話受付者228−2に申込み(図75のステップP110)、IP電話受付者228−2は、IP電話の申込情報であるユーザ氏名や住所、通信料金の支払い方法、ユーザ電話番号“Tel-No-2”をユーザ227−2から入手し、また、メディアルータ212−2に付与する外部IPアドレス“EA02”、ユーザがメディアルータ212−2を接続するために用いる通信回線210−5の識別記号“L210−5”と、この通信回線210−5が接続する網ノード装置209−2の網ノード装置識別記号“NN−209−2”とを、ユーザサービスサーバ314−6に入力する(ステップP111)。ここで、ユーザ227−2が取得済みのIPアドレス“EA02”をIP電話受付者228−2に提示する。
【0203】
ユーザは、ユーザ電話番号“Tel-No-2”に対応するIPアドレス“EA02”をメディアルータ212−2に設定する。次に、ユーザサービスサーバ314―6は、受付けた電話利用者を識別するためのユーザ識別記号“UID-2”をユーザ227−2に付与し、外部IPアドレス“EA02”に対応させるユーザ227−2用の内部IPアドレス“IA02”を定め、前記受付けて得られたユーザ氏名や住所、通信料金の支払い方法、ユーザ電話番号“Tel-No-2”、外部IPアドレス“EA02”等の情報と共に、ユーザサービスサーバのデータベースに保持する(ステップP112)。電話機214−4は、電話番号“Tel-No-2”に対応する外部IPアドレス“EA02”を使用するので、IP電話網203を利用する電話通信において、電話機214−4の外部IPアドレスは“EA02”であるという表現を用いる。
【0204】
次に、ユーザサービスサーバ314−6は、前記申込者の少なくともユーザ電話番号“Tel-No-2”、外部IPアドレス“EA02”、内部IPアドレス“IA02”を、IP通信手段を用いて電話管理サーバ314−5へ通知する(ステップP113)。電話管理サーバ314−5はこれら3通りの情報、つまりユーザ電話番号“Tel-No-2”、外部IPアドレス“EA02”、及び内部IPアドレス“IA02”を電話ドメイン名サーバ314−2に通知する(ステップP115)。電話ドメイン名サーバ314−2は、ユーザ電話番号“Tel-No-2”と外部IPアドレス“EA02”、内部IPアドレス“IA02”の相互に対応付けられる1組の情報を資源レコード等の形式により保持する(ステップP116)。更に、電話管理サーバ314−5は4つのアドレス“EA02,EA82,IA02,IA82”を表管理サーバ314−3に知らせる(ステップP117)。
【0205】
なお、電話管理サーバ314−5は、常に代理電話サーバ314−1の外部IPアドレス“EA82”及び内部IPアドレス“IA82”を保持している。また、電話ドメイン名サーバ313−2及び314−2は、インターネットなどで用いられるドメイン名サーバと同様の再帰呼出し機能を有しており、必要な時点で、電話ドメイン名サーバが有する情報を相互に交換できる(ステップP120)。
【0206】
表管理サーバ314−3は、網ノード装置209−2に対して前記4つのアドレス”EA02,EA82,IA02,IA82”を知らせると(ステップP118)、網ノード装置209−2は、図77に示すように網ノード装置209−2の内部のアドレス管理表360−2の第1レコードに4つのアドレス“EA02,EA82,IA02,IA82”を保持する(ステップP119)。ここで、アドレス“IA02”は、通信回線210−5と網ノード装置209−2との接続点(論理端子)に付与する内部IPアドレスである。なお、この時点では、アドレス管理表360−2の第2行目のレコードは空白となっている。このIP通信レコードは、特に代理電話サーバ314−1とメディアルータ212−2との間のIP通信路を定める網ノード装置のアドレス管理表のIP通信レコードである。
【0207】
<<通信路確立フェーズ>>
図74、図76乃至図78を参照して、電話機213−5から電話機214−4に電話呼出しする端末間通信接続制御方法を説明する。
【0208】
メディアルータ212−1は電話番号の“Tel-No-1”及び外部IPアドレス“EA01”を保持し、メディアルータ212−2は電話番号“Tel-No-2”及び外部IPアドレス“EA02”を保持している。電話機213−5が他の電話機と通話するときは、メディアルータ212−1に付与されている電話番号“Tel-No-1”を用い、電話機214−4が他の電話機と通話するときは、メディアルータ212−2に付与されている電話番号“Tel-No-2”を用いる。
【0209】
<<接続フェーズ>>
利用者が電話機213−5の送受話器を上げ(オフフック)、通信相手先電話機214−4の電話番号“Tel-No-2”をダイヤル入力し、メディアルータ212−1に送信すると(ステップP200)、メディアルータ212−1は返信する(ステップP201)。
【0210】
次に、メディアルータ212−1は少なくとも送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、ユーザ個別情報(User-Info.)を含むIPパケット(図79の379)を形成し、網ノード装置208−1に送信することにより電話の呼設定の手続きを開始する(ステップP204)。なお、ユーザ個別情報(User-Info)は、後述する手順のステップP219においてメディアルータ212−2に届けることができるものであり、例えば電話の呼びをユーザ側で管理するための電話呼び識別子(“C-id”)、IP電話の音声圧縮方式の識別記号や音声符号変換コーディックの識別記号などから成る。図79のIPパケット379のペイロード部分は、UDPセグメントとし、例えば送信元ポート番号及び宛先ポート番号とも“5060”として、メディアルータ212−1及び212−2の内部の電話通信接続制御用のプログラムを他と区別するために用いることができる。
【0211】
網ノード装置208−1は、IPパケットを受信すると図76に示すアドレス管理テーブル360−1を検索し、外部IPアドレスとして送信元IPアドレスが“EA01”であり、宛先IPアドレスが“EA81”が含まれるレコードを検索する。本例では、アドレス管理表360−1の上から1行目のレコード、つまり“EA01,EA81,IA01,IA81”であるレコードを見つけると、このレコード内部の3番目と4番目に記載されているIPアドレス“IA01”及び“IA81”を用いて、IPパケットのカプセル化技法を適用して、図80に示す内部IPパケットであるIPパケット380を形成し、IPアドレスが“IA81”である代理電話サーバ313−1へ送信する(ステップP205)。ここで、IPパケットの380のペイロード部分は、IPパケットの379である。
【0212】
代理電話サーバ313−1はIPパケットの380を受信すると、ペイロード部分がIPパケットの379であるIPパケットの381を生成し、IPアドレスが“IA91”である電話管理サーバ313−5へ送信する(ステップP206)。電話管理サーバ313−5は、回線番号(CIC-1-2)を、送信元電話番号“Tel-No-1”と宛先電話番号“Tel-No-2”との組み合わせに依存して、例えばCIC-1-2=“Tel-No-1”+“Tel-No-2”と定め、回線番号(CIC-1-2)を電話管理サーバ313−5の内部に保持する。ここで、“+”は電話番号を並べること(データの連結)を意味する。
【0213】
電話管理サーバ313−5は、前記ステップP206において受信した送信元電話番号の“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”を電話ドメイン名サーバ313−2に通知し(ステップP207)、電話ドメイン名サーバ313−2から電話番号“Tel-No-1”に1対1に対応する外部IPアドレスの“EA01”と、内部IPアドレスの“IA01”、及び電話番号“Tel-No-2”に1対1に対応するIPアドレスの“EA02”と内部IPアドレスの“IA02”とを受信する(ステップP208)。ここで、電話ドメイン名サーバ313−2は、電話番号“Tel-No-2”のIPアドレス情報を電話ドメイン名サーバ314−2に再帰呼出し機能を用いて問合わせ、取得している。電話管理サーバ313−5は、電話ドメイン名サーバ313−2から受信したIPアドレス“EA01”と、ステップP206においてIPパケット381内部から取得済みの送信元IPアドレス(“EA01”)とが一致するか否かを調べ、不一致の場合は電話接続の手続きを中止し、一致する場合は、前記で保持した回線番号(CIC-1-2)の情報に、送信元電話機のIPアドレス“EA01”、内部IPアドレス“IA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”、内部IPアドレス“IA02”を追加保持する。なお、統合IP通信網内部のサーバ間通信のIPパケットは内部IPアドレスを用い、図82に示す形式のIPパケット382を送受する。網ノード装置はサーバではない。網ノード装置と代理電話サーバとの間において送受信するIPパケットは、図80及び図84に示すカプセル化済み形式のIPパケットであり、網ノード装置とメディアルータとの間において送受するIPパケットは、図79に示すように外部IPアドレスを適用したカプセル化する前段階のIPパケットである。
【0214】
次に、電話管理サーバ313−5は、送信元電話機のIPアドレス“EA01”、内部IPアドレスの“IA01”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”、内部IPアドレスの“IA02”、宛先電話番号“Tel-No-2”、ユーザ個別情報(User Info.)、回線番号(CIC-1-2)を含むIPパケット(IAMパケット)を通信会社1の代表サーバ313−7を経由して(ステップP214)、通信会社2の代表サーバ314−7を経由して(ステップP215)、通信会社2の電話管理サーバ314−5に送信する(ステップP216)。電話管理サーバ314−5は、4つのIPアドレス“EA01,IA01,EA02,IA02”と、2つの電話番号“Tel-No-1”及び“Tel-No-2”と、回線番号(CIC-1-2)と、ユーザ個別情報(User-Info.)とを受信し、ユーザ個別情報(User-Info.)以外は内部に保持する。
【0215】
更に、内部アドレス“IA92”である電話管理サーバ314−5は、図83のIPパケットの383を内部IPアドレス“IA82”である代理電話サーバ314−1に通知する(ステップP217)。ここで、IPパケットの383は送信元電話機のIPアドレス“EA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、ユーザ付加情報(User-Info.)を含んでいる。そして、代理電話サーバ314−1は、図84のIPパケットの384を形成して網ノード装置209−2に送信し(ステップP218)、網ノード装置209−2は、IPパケットの384のヘッダを除くIPパケットの逆カプセル化を行って図85に示すIPパケットの385を形成し、メディアルータ212−2に送信する(ステップP219)。メディアルータ212−2は、送信元電話機のIPアドレス“EA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、ユーザ付加情報(User-Info.)を取得する。
【0216】
次に、メディアルータ212−2は、電話着信を知らせる前記情報の受信を2つの電話番号“Tel-No-1”及び“Tel-No-2”を添えて電話管理サーバ314−5に返信し(ステップP221,P222,P223)、電話管理サーバ314−5は受信した2つの電話番号“Tel-No-1”及び“Tel-No-2”から回線番号(CIC-1-2)を復元し、次に回線番号(CIC-1-2)を含む前記情報の受取り確認のIPパケット(ACMパケット)を電話管理サーバ313−5を経てメディアルータ212−1へ送信する(ステップP224乃至P229)。
【0217】
次に、メディアルータ212−2は電話呼出し(着信)を電話機214−4に知らせ(ステップP230)、電話機214−4は電話呼出しを知ると電話呼出音を鳴らす。メディアルータ212−2は、前記呼出した電話番号“Tel-No-2”の電話機214−4が呼出中であることを、送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”との組を添付して、網ノード装置209―2を経由し(ステップP231)、更に代理電話サーバを経由し(ステップP232)、電話管理サーバ314−5へ通知する(ステップP233)。通信会社2の電話管理サーバ314−5は、メディアルータ212−2から送付されてきた送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”の組を用いて回線番号(CIC-1-2)を復元し、次に回線番号(CIC-1-2)を含む前記情報の受取り確認のIPパケット(CPGパケット)を形成し、電話管理サーバ313−5へ送信する(ステップP234,P235,P236)。電話管理サーバ313−5は前記CPGパケットを受信し、CPGパケットから回線番号(CIC-1-2)を読み出す。
【0218】
次に、電話管理サーバ313−5は回線番号(CIC-1-2)を用いて、ステップP214において記録保持していたアドレス及び電話番号を読み出し、少なくとも送信元電話機が接続するメディアルータ212−1のIPアドレス“EA01”、宛先電話機が接続するメディアルータ212−2のIPアドレス“EA02”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を代理電話サーバ313−1に送信すると(ステップP237)、網ノード装置208−1を経て(ステップP238)、メディアルータ212−1に通知される(ステップP239)。メディアルータ212−1は、送信元電話機213−5に宛先電話機214−4を呼出中であることを知らせ(ステップP240)、送信元電話機213−5は呼出音を鳴らす。
【0219】
一方、電話機214−4の利用者が電話呼出音を聞きとり、電話機の送受話器を取り上げると(オフフック)、IP電話機214−4はオフフックをメディアルータ212−2に通知し(ステップP241)、メディアルータ212−2はオフフック通知を網ノード装置209―2を経由し(ステップP242)、更に代理電話サーバを経由し(ステップP243)、電話管理サーバ314−5に知らせる(ステップP244)。通信会社2の電話管理サーバ314−5は、送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”の組から回線番号(CIC-1-2)を復元し、回線番号(CIC-1-2)を含む前記情報の受取り確認のIPパケット(ANMパケット)を形成し、電話管理サーバ313−5へ送信する(ステップP245, P246, P247)。電話管理サーバ313−5はANMパケットを受信し、ANNパケットから回線番号(CIC-1-2)を読み出す。
【0220】
電話管理サーバ314−5は、ステップP245の時点で保持している回線番号(CIC-1-2)を用いて、ステップP217の時点で保持記憶していたIPアドレス及び電話番号を読み出す。次に、電話管理サーバ314−5は、送信元電話機のIPアドレス“EA01”及び内部IPアドレスの“IA01”、宛先電話機が接続するメディアルータ212−2のIPアドレス“EA02”及び内部IPアドレスの“IA02”を表管理サーバ314−3に通知し(ステップP250)、表管理サーバ314−3は、回線番号(CIC-1-2)、送信元電話機のIPアドレス“EA01”及び内部IPアドレスの“IA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02” 及び内部IPアドレスの“IA02”の組を内部に保持すると共に、網ノード装置209−2の内部のアドレス管理表360−2に保持する(ステップP251)。この様子は、図77のアドレス管理表360−2の2行目のレコードとして示される。
【0221】
電話管理サーバ313−5は、前記読み出した回線番号(CIC-1-2)を用いて、ステップP214の時点で保持記憶していたIPアドレス及び電話番号を読み出す。次に、電話管理サーバ313−5は、回線番号(CIC-1-2)、送信側メディアルータ212−1のIPアドレス“EA01”及び内部IPアドレスの“IA01”、宛先メディアルータ212−2のIPアドレス“EA02”及び内部IPアドレスの“IA02”を表管理サーバ313−3に通知し(ステップP252)、表管理サーバ313−3は回線番号(CIC-1-2)、送信元電話機のIPアドレス“EA01”及び内部IPアドレスの“IA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”及び内部IPアドレスの“IA02”をその内部に保持すると共に、網ノード装置208−1の内部のアドレス管理表360−1に保持する(ステップP253)。この様子は、図76のアドレス管理表360−1の2行目のレコードとして示される。
【0222】
図76のアドレス管理表360−1の2行目のレコードは、網ノード装置内に設定する“アドレス管理表のIP通信レコード”であり、このIP通信レコードの内容は、送信元外部IPアドレス“EA01”、宛先外部IPアドレス“EA02”、送信元内部IPアドレス“IA01”、宛先内部IPアドレス“IA02”により定義されるものと規定する。
【0223】
アドレス管理表360−1の2行目のIP通信レコードは、外部IPアドレス“EA01”及び外部IPアドレス“EA02”を含んでおり、外部IPアドレス“EA01”を付与されたメディアルータ212−1と、外部IPアドレス“EA02”を付与されたメディアルータ212−2との間のIP通信路を定めている。アドレス管理表360−2の2行目のIP通信レコードも、同様にメディアルータ212−1とメディアルータ212−2との間のIP通信路を定めている。
【0224】
なお、送信元外部IPアドレス“EA01”が電話番号“Tel-No-1”と1対1に対応して定まり、宛先外部IPアドレス“EA02”が電話番号“Tel-No-2”と1対1に対応して定まり、発信元と宛先を区別しない場合、“網ノード装置のアドレス管理表のIP通信レコードは、単に電話番号“Tel-No-1”と電話番号“Tel-No-2”との間のIP通信路を定めるアドレス管理表のレコード“である。
【0225】
前記ステップP245は呼設定を確認する応答情報、つまり電話機213−5と電話機214−4との間の電話通信開始可能を知らせる手続きであり、電話管理サーバ314−5は、例えば回線番号(CIC-1-2)、送信元メディアルータ212−1のIPアドレス“EA01”、宛先メディアルータ212−2のIPアドレス“EA02”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を電話通信開始の時刻を元に課金管理サーバ314−4に通知し(ステップP254)、課金管理サーバ314−4は回線番号(CIC-1-2)、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、送信元メディアルータ212−1のIPアドレス“EA01”、宛先メディアルータ212−2のIPアドレス“EA02”等を記録保持しておくことができる(ステップP254)。
【0226】
同様に、課金管理サーバ313−4は、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、送信元電話機のIPアドレス“EA01”、宛先電話機のIPアドレス“EA02”等を記録保持しておくことができる(ステップP255)。また、電話管理サーバ313−5は、宛先電話機214−4の利用者が送受話器を上げて電話呼出しに応答したこと、つまり電話呼出しに対する応答を代理電話サーバ313−1を経由し(ステップP256)、更に網ノード装置208−1を経由し(ステップP257)、メディアルータ212−1を経由し(ステップP258)、電話機213−5に知らせる(ステップP259)。
【0227】
以上述べたIP電話機213−5が受話器を上げたステップP200から、呼設定の完了を電話機213−5へ知らせるまで(ステップP259)の一連のステップを電話通信の接続フェーズと呼ぶ。また、上述の端末間接続制御において、網ノード装置208−1から通信回線370−1を経て、ルータ219−1、代表サーバ313−7、314−7、ルータ219−2、通信回線370−5を経て網ノード装置209−2に接続する通信回線を、IP電話網203内部の「接続制御回線」と呼ぶ。なお、接続制御回線は、端末間通信接続制御のためのIPパケットを送受するために使用される。
【0228】
<<通信フェーズ>>
図86乃至図89を参照して説明する。電話機213−5に入力した音声はメディアルータ212−1に伝送され(ステップP300)、メディアルータ212−1は音声をディジタル化してIPパケット387を形成し、網ノード装置208−1へ送信する(ステップP301)。IPパケット387がカプセル化されて内部IPパケット388に変換されて、通信回線370−3、ルータ219−5、219−7,221−1,219−10,219−9、通信回線370−6を経て網ノード装置209−2に到達し(ステップP302)、IPヘッダを除く逆カプセル化によりIPパケット389に変換してメディアルータ212−2を経て(ステップP303)、電話機214−4に届けられる(ステップP304)。電話機214−4の利用者の音声は逆方向の流れ、つまりメディアルータ212−2(ステップP305)、網ノード装置209−2(ステップP306)、ルータ219−9、219−10,221−1,219−7,219−5を経て網ノード装置208−1に到達し(ステップP307)、メディアルータ212−1を経て(ステップP308)、電話機213−5へ届けられる(ステップP309)。
【0229】
上記通信フェーズにおいて、IPパケット387及び389のペイロード部分をUDPセグメントとし、送信元及び宛先UDPポート番号を、例えば”5004”,”5006”,”5010”,”5012”,”5016”等に変えることにより、他の音声を伝える電話通信が可能である。ディジタル化した音声を含むIPパケット388は、網ノード装置208−1から通信回線370−3を経て、ルータ219−5、219−7,221−1,219−10,219−9、通信回線370−6を経て、網ノード装置209−2に接続する通信回線を転送されるので、このIP通信回線をIP電話網203内部の「音声通信回線」と呼び、前記接続フェーズにおけるIP電話網203の「接続制御回線」と区別できる。
【0230】
通信フェーズにおいては、図76のアドレス管理表360−1の2行目のレコード、つまり送信元外部IPアドレス“EA01”、宛先外部IPアドレス“EA02”、送信元内部IPアドレス“IA01”、宛先内部IPアドレス“IA02”であるIP通信レコード、つまり電話番号“Tel-No-1”と電話番号“Tel-No-2”との間のIP通信路を定めるアドレス管理表のレコードを用いて行われる。
【0231】
<<解放フェーズ>>
図90を参照して説明すると、電話機213−5の利用者が電話通信の終了のため送受話器を置き、メディアルータ212−1に電話通信終了を通知すると(ステップP400)、メディアルータ212−1は少なくとも電話通信の解放要求の表示、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を含むIPパケットを生成し、網ノード装置208−1に送信すると(ステップP401)、網ノード装置208−1は、図76のアドレス管理表360−1の1行目のレコードを用いて受信したIPパケットをカプセル化したIPパケットを生成し、代理電話サーバ313−1に送信する(ステップP402)。次に、代理電話サーバ313−1は、前記メディアルータが始めに生成している電話の解放要求の表示、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を含むIPパケットを形成して電話管理サーバに送信する(ステップP403)。以上述べたステップP401,P402,P403において使われるIPパケットの形式やIPアドレスの設定方法は、電話通信接続フェーズにおけるステップP204,P205,P206と同一である。
【0232】
電話管理サーバ313−5は、2つの電話番号“Tel-No-1”及び“Tel-No-2”から回線番号(CIC-1-2)を復元し、電話通信の解放要求の表示及び回線番号(CIC-1-2)を含むIPパケット(RELパケット)を形成し、通信会社1の代表サーバ313−7に送信する(ステップP404)。前記IPパケットは通信会社2の代表サーバ314−7を経由し(ステップP405)、通信会社2の管理下にある電話管理サーバ314−5に到達する(ステップP406)。
【0233】
次に、電話管理サーバ313−5は、ステップP400乃至P403による解放要求を遂行したことを報告する解放完了のIPパケットを、代理電話サーバ313−1、網ノード装置208−1を経由してメディアルータ212−1へ返信する(ステップP407、P408,P409)。また、電話管理サーバ313−5は、表管理サーバ313−3に回線番号(CIC-1-2)含むIPパケットを送信する(ステップP433)。表管理サーバ313−3は、前記ステップP252の遂行後に回線番号(CIC-1-2)に対応するアドレスを保持しているので、4つのIPアドレス“EA01,EA02,IA01,IA02”の抹消指示を受けたことを確認し、図76に示す網ノード装置208−1内部のアドレス管理表360−1の2行目のレコード、つまり送信元外部IPアドレス“EA01”、宛先外部IPアドレス“EA02”、送信元内部IPアドレス“IA01”、宛先内部IPアドレス“IA02”、IP通信レコードを抹消する(ステップP434)。つまり、電話番号“Tel-No-1”と電話番号“Tel-No-2”との間のIP通信路を定めるアドレス管理表のレコードを抹消する。
【0234】
電話管理サーバ314−5は、ステップP406により電話通信の解放要求の表示及び回線番号(CIC-1-2)を含むIPパケットを受信すると、解放要求のIPパケット形成して代理電話サーバ314−1へ送信し、解放要求の指示を意味するIPパケットは、網ノード装置209−2を経由してメディアルータ212−2へ到達する(ステップP411、P412,P413)。また、電話管理サーバ314−5は前記ステップP411を遂行したことを報告するため、回線番号(CIC-1-2)を含むIPパケット(RLCパケット)を形成し、前記RLCパケットを通信会社2の代表サーバ314−7に送信する(ステップP414)。前記RLCパケットは通信会社1の代表サーバ313−7を経由し(ステップP415)、通信会社1の管理下にある電話管理サーバ313−5に到達する(ステップP416)。解放完了のIPパケットを受信した電話管理サーバ313−5は、課金管理サーバ313−4に、電話通信の終了を通知すると(ステップP442)、課金管理サーバ313−4は回線番号(CIC-1-2)により識別される電話通信の終了を知り、この結果を内部に記録する。
【0235】
次に、電話管理サーバ314−5は、表管理サーバ314−3に回線番号(CIC-1-2)含むIPパケットを送信し(ステップP431)、表管理サーバ314−3は、図77に示す網ノード装置209−2内部のアドレス管理表360−2の2行目のレコードの内容である”EA02”,”EA01”,”IA02”,”IA01”の4つのアドレスの組を抹消する(P432)。メディアルータ212−2は、ステップP413により電話通信の解放要求を知ると電話機214−5に通話の切断指示を送り(ステップP420)、続いてステップP413による解放要求の遂行を報告する解放完了のIPパケットを、網ノード装置209−2、代理電話サーバ314−1、電話管理サーバ314−5へ返信する(ステップP421、P423、P424)。電話管理サーバ314−5は課金管理サーバ314−4に呼番号の電話通信の終了を通知すると(ステップP441)、課金管理サーバ314−4は回線番号(CIC-1-2)により識別される電話通信の終了を知り、この結果を内部に記録する。
【0236】
<<電話通信接続制御に付随する事項>>
電話利用者が電話通信を長時間放置し電話通信を終了させないケース、つまり図90に示す電話終了のステップP400を行わないことが考えられる。この場合、電話通信料金が限りなく大きくなる等の弊害が予想される。この事態を避けるため、例えば電話管理サーバ313−5は長い時間、例えば24時間毎に課金管理サーバ313−4に問合わせて検出し、長時間の電話通信を検出すると、図90のステップP400乃至P403を除いて、ステップP404,P407,P433,P442を独自に行うこともできる。
【0237】
<<他の通信料金の徴収方法>>
通信料金については、例えば統合IP通信網201の内部に通信会社1用の課金情報収集サーバを設置し、課金管理サーバ313−4が収集した課金情報を集めてユーザサービスサーバ313−6に通知し、課金サーバから電話利用者に電話料金を請求することができる。通信会社2も同様に課金情報収集サーバを設置できる。通信会社1と通信会社2との間で、通信会社代表サーバ313−7及び314−7を経由したIP通信手段を用いて、上述により収集した課金情報を交換することもできる。
【0238】
<<通信会社が1社のケース>>
図74の通信会社2の運用管理範囲206−2が存在せず、IP電話網203が通信会社1の運用管理範囲となった場合にも、上記の電話接続フェーズの動作が可能である。このために、図91に示すように、通信会社2の運用管理範囲206−2を通信会社1の運用管理範囲に変更し、通信会社2の代表サーバ314−7を廃止し、ルータ219−1とルータ219−2との間をIP通信回線で接続する。このようにすると、前記電話通信の接続フェーズにおいて、図78に示すステップP214乃至P216は図92に示すP214Xとなり、図78に示すステップP224乃至P226は図92に示すP224Xとなり、図78に示すステップP234乃至P236は図92に示すP234Xとなり、図78に示すステップP245乃至P247は図92に示すP245Xとなり、他ステップは同一である。
【0239】
通信会社2の一連の電話通信の準備は、全て通信会社1の電話通信の準備に変更される。電話通信接続フェーズと電話通信解放フェーズにおける前記一連のステップのうち、電話管理サーバ313−5と電話管理サーバ314−5との間の通信は残し、通信会社1の代表サーバ313−7と通信会社2の代表サーバ314−7が受持つ一連のステップを省く。更に、電話管理サーバ313−5と電話管理サーバ314−5とを一体化した電話管理サーバとすることもできる。このようにすると、前記電話通信接続フェーズにおいて、図92に示すステップP214X,P224X,P234X,P245X,P254は廃止され、ステップP217,P223,P233,P244,P250,P251は、それぞれ図93に示すP217x,P223x,P233x,P244x,P250x,P251xとなり、他のステップは同一である。
【0240】
<<電話管理サーバの接続制御に関する説明その1>>
電話管理サーバ313−5から通信会社を代表するサーバ313−7への通信を行う前記ステップP214において、宛先電話番号“Tel-No-2”が自からの通信会社の運用管理するIP電話網の配下に属しているか(加入しているか)、或いは他の通信会社が運用管理するIP電話網の配下に加入しているかを電話ドメイン名サーバ313−2に問合わせ前に知ることも可能であり、以下の手順によって行う。
【0241】
電話管理サーバ313−5は、“電話番号の通信会社区分表”を用いてこの問題を解決する。図94に示す電話番号の通信会社区分表の例により説明する。通信会社区分表の通番1のレコードとして、“電話番号”の欄に“81-3-5414-xxxx”、“自社か?”の欄に“No”、“他の通信会社識別情報”の欄に“Com-130”と示されている。“xxxx”は10進数の“0000”から“9999”を意味しており、本例の場合、電話番号の81-3-5414-0000乃至81-3-5414-9999は、Com-130により識別される通信会社が運用管理するIP電話網に属していることを示している。また、通信会社区分表の通番2のレコード上の電話番号の“1-2245-5678”は、Com-025により識別される通信会社が運用管理するIP電話網に属していることを示しており、通信会社区分表の通番3のレコード上の電話番号の“81-47-325-3887”は、電話管理サーバ313−5の属する当該通信会社が運用管理するIP電話網に属していることを示している。
【0242】
<<電話管理サーバの接続制御に関する説明その2>>
電話管理サーバ313−5から通信会社を代表するサーバ313−7への通信を行う前記ステップP214において、宛先電話番号“Tel-No-2”のIP電話機が自からの通信会社の運用管理配下にあると判明した場合でも、他の電話管理サーバが接続している電話番号が“Tel-No-2”である電話機が、何処の網ノード装置に加入しているか否かを知ることも可能であり、以下に説明する。電話管理サーバ313−5は、“電話番号の電話管理サーバ区分表”によりこの問題を解決する。図95に示す電話番号の電話管理サーバ区分表の例により説明する。
【0243】
電話管理サーバ区分表の通番1のレコード上の電話番号の“81-47-325-3887”は、電話管理サーバ313−5が運用管理する網ノード装置に加入(つまり通信回線を接続)していることを示している。電話管理サーバ区分表の通番2のレコード上の電話番号の“81-2245-56xx”は、電話番号の81-2245-5600乃至81-2245-5699が電話管理サーバのIPアドレスが“100.10.11.40”である当該通信会社が運用管理する網ノード装置に加入(つまり通信回線を接続)していることを示している。次に、電話管理サーバ区分表の通番3のレコード上の電話番号の“81-6-1234-xxxx”は、電話番号の81-6-1234-0000乃至81-6-1234-9999が当該通信会社が運用管理する網ノード装置に加入(つまり通信回線を接続)していることを示している。
【0244】
<<運用管理サーバによる網の運用管理>>
通信会社1の運用管理サーバ313−9は、周期的に或いは随時通信会社1の運用管理範囲206−1内部のリソースである網ノード装置208−1、208−2、ルータ219−1,219−3,219−5,219−6,219−7、電話ドメイン名サーバ313−2、電話管理サーバ313−5、代理電話サーバ313−1、表管理サーバ313−3、課金管理サーバ313−4、代表サーバ313−7、ユーザサービスサーバ313−6、電話ゲートウェイ209−1等と、IP通信手段を用いることにより、或いはICMPパケットを送受する手段により、これらリソースが正常か否かを調べ、或いはリソース間の通信回線が正常か否かを調べ(障害管理)、また、前記網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社1の運用管理範囲206−1内部を一元的に運用管理する。運用管理の結果得られた通信回線を含む網リソースの障害状況や通信品質状況は、ユーザサービスサーバ313−6を経て電話利用者227−1へ報告することもできる。
【0245】
同様に、通信会社2の運用管理サーバ314−9は、周期的に或いは随時通信会社2の運用管理範囲206−2内部の各種リソースと通信し、これらリソースが正常か否かを調べ、或いはリソース間の通信回線が正常か否かを調べ(障害管理)、また、前記網内のIPパケットの輻輳が過大でないか等を監視する(通信品質管理)ことにより、通信会社2の運用管理範囲206−2内部を一元的に運用管理する。運用管理結果は、ユーザサービスサーバ314−6を経て電話利用者227−2へ報告することもできる。
【0246】
運用管理サーバ313−9及び314−9による前記の網運用管理により、IP電話機213−5とIP電話機214−4との間のIP転送網201の内部の電話網203の端末間通信接続制御の信頼性を向上させることができる。同様に、課金管理サーバ313−4及び314−4による通信料金の徴収手段により通信会社の網運用経済基盤が支えられることとなり、IP転送網201の内部の電話網203の端末間通信接続制御の信頼性を向上させることができる。
【0247】
実施例6を要約し、補足すると次のようになる。即ち、IP転送網は少なくとも網ノード装置、電話管理サーバ、電話ドメイン名サーバ、表管理サーバを含み、ユーザi(i=1,2,・・)は、IP転送網の外部にあるユーザのメディアルータに個別の外部IPアドレス“EA-i”を設定し、ユーザiのメディアルータに電話機を1以上接続し、前記メディアルータは通信回線を経て前記網ノード装置のいずれかに接続され、前記通信回線の網ノード装置側終端部(論理端子)にはユーザiの通信のために用いる内部IPアドレス“IA-i”が付与され、前記メディアルータにはユーザ個別の電話番号が付与されている。また、前記電話ドメイン名サーバはユーザ個別の電話番号、前記メディアルータの外部IPアドレス“EA-i”及び前記内部IPアドレス“IA-i”の組を保持しており、前記電話ドメイン名サーバはユーザ個別の電話番号を質問されて、外部IPアドレス及び内部IPアドレスを回答し、網ノード装置に、メディアルータと代理電話サーバとの間のIP通信路を定めるIP通信レコードを設定している。
【0248】
発信元電話機の要求には前記IP通信レコードが用いられ、代理電話サーバを経由して電話管理サーバに伝えられ、前記電話管理サーバが電話ドメイン名サーバに依頼して、送信元電話番号から送信元メディアルータの外部IPアドレスと内部IPアドレス(“EA-i,IA-i”)、また、宛先電話番号から宛先メディアルータの外部IPアドレス及び内部IPアドレス(“EA-j,IA-j”)を取得し、表管理サーバが、これらIPアドレスを送信側網ノード装置及び宛先網ノード装置それぞれに、送信元電話機と宛先電話機の間の電話通信に用いるIP通信レコードとして設定する。送信元側の電話機から呼設定を要求すると、送信元側のメディアルータは、宛先電話番号及び送信元電話番号を含むIPパケットを送信元側の電話管理サーバに送り、送信元側の電話管理サーバは、電話音声用の通信回線を識別する回線番号(CIC)を宛先電話番号及び送信元電話番号の組から一意に定める。
【0249】
次に、送信元側の電話管理サーバは、送信元電話番号、宛先電話番号及び回線番号を含む「電話呼設定を要求するIAMパケット」を宛先側の電話管理サーバへ送信し、宛先側の電話管理サーバは宛先側のメディアルータに着信を知らせ、電話機が着信を許容される時は、宛先側の電話管理サーバは前記「IAMパケット受信報告するACMパケット」を送信元側の電話管理サーバを経由して送信元側メディアルータに送信する。また、前記宛先側のメディアルータは宛先側の電話機に電話呼設定を要求する。電話機着信音を鳴動させると、メディアルータは着信呼出中を宛先側の電話管理サーバに知らせ、宛先側電話管理サーバは、「着信呼出中を知らせるCPGパケット」を送信元側の電話管理サーバに送信し、送信元側の電話管理サーバは、メディアルータを経由して着信呼出中送信元側の電話機に知らせる。
【0250】
宛先側の電話機が呼設定要求に応答すると、応答は宛先側のメディアルータを経て宛先側の電話管理サーバに知らされ、宛先側の電話管理サーバは「呼設定要求への応答を示すANMパケット」を形成して送信側の電話管理サーバに送信し、送信元側の電話管理サーバは送信元側のメディアルータに呼設定要求への応答を知らせ、送信元側の電話機は呼出音を停止し、通話フェーズに移行する。送信元側又は宛先側電話機の通話が終了し、電話呼の切断要求が通知されると、この切断要求はメディアルータを経て電話管理サーバへ通知される。
【0251】
電話呼切断要求側の電話管理サーバは、回線番号(CIC)を用いて「電話通信終了を要求するRELパケット」を形成し、他の被切断側の電話管理サーバへ送信し、前記被切断側の電話管理サーバは「RELパケット受信報告するRLCパケット」を返信する。被切断側の電話管理サーバは、電話通信の終了報告を切断要求側のメディアルータに知らせる。
【0252】
電話管理サーバは電話通信の終了後に、回線番号、通信時刻、電話番号を含めた電話通信記録を収集し、運用管理用サーバ及び課金用サーバに通知することができる。電話管理サーバと中継電話管理サーバとの間の端末間通信接続制御や、2つの電話管理サーバ間の端末間通信接続制御において、前記IAM、ACM、CPG、ANM、REL、RLCが送受される。電話管理サーバとメディアルータとの間で端末間接続制御のためにIPパケットが送受される。
【0253】
IPパケットのペイロード部分はUDPセグメントとし、電話呼接続フェーズと電話解放フェーズは唯一のポート番号として、異なる電話通信において、接続フェーズと電話解放フェーズを管理する単一の呼制御プログラムの利用を可能としている。また、電話通話フェーズにおいて、電話機毎に異なるUDPポート番号を割り当てることにより、メディアルータが唯一のIPアドレスであっても電話機毎に異なる音声を伝えることができる。1つの電話管理サーバが単独で、送信側の電話管理サーバ及び受信側の電話管理サーバの機能を果たすために、前記電話管理サーバが代理電話サーバを経由して、送信元メディアルータ及び宛先メディアルータと電話通信接続フェーズ及び電話解放フェーズの手続きを行うこともできる。
【0254】
前記電話管理サーバが、宛先電話番号が自からの通信会社の運用管理するIP電話網の配下に属しているか、或いは他の通信会社が運用管理するIP電話網の配下に加入しているかを知るために、電話番号の通信会社区分表を用いることもできる。宛先電話番号を有する電話機が何処の網ノード装置に加入しているか否かを知るために、電話番号の電話管理サーバ区分表を用いることもできる。通信会社の運用管理サーバが、通信会社の運用管理範囲の網ノード装置や各種サーバ、電話ゲートウェイと情報交換して網内部を一元的に運用管理することにより、網内部の端末間通信接続制御の信頼性を向上させ、或は課金管理サーバと連携し、IP転送網の端末間通信接続制御の信頼性を向上させるようになっている。
【0255】
なお、本実施例において、網ノード装置のIPカプセル化と逆カプセル化を、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケットを形成する簡易カプセル化と、内部パケットから簡易ヘッダを取り除く逆簡易カプセル化に置き換えることもできる。
【0256】
7. メディアルータの構造が異なる第7実施例:
図96は、メディアルータに関して、IPアドレス及び電話番号の付与方法を説明するための模式図であり、図97は網ノード装置のIPパケットのカプセル化関連事項を説明する図であり、これらの図を参照して説明する。
【0257】
メディアルータ530はIP電話機515−1乃至515−4及びアナログ電話機516−1乃至516−3を収容し、回線インタフェース部533からIPパケット送受用の論理通信回線539−1乃至539−3を介して、網ノード装置540に接続する。ここで、物理通信回線538は論理通信回線539−1乃至539−3の全てを含む。
【0258】
メディアルータ530は電話呼制御その他のメディアルータ530の主な処理を行い、メディアルータ主要部531及びアナログ電話機との接続インタフェースを有するアナログインタフェース部532、回線インタフェース部533、アドレス電話番号対応表534、電話機管理表535を含み、メディアルータ主要部531は、その内部にIPアドレス“EA01”、“EA12”、“EA13”及び“ADR”を有している。IPアドレス“EA01”は電話番号“Tel-No-1”と、IPアドレス“EA12”は電話番号“Tel-No-12”と、IPアドレス“EA13”は電話番号“Tel-No-13”とそれぞれ1対1に対応付けられており、この様子はアドレス電話番号対応表534に示されている。IP電話機及びアナログ電話機に付与する電話番号は、アドレス管理表を用いて管理する。従って、電話番号を変更するときは、アドレス管理表を書き換える。
【0259】
メディアルータ主要部531の内部にポート538−1乃至538−7があり、これらのポートにはそれぞれ“1”乃至“7”なるポート番号が付与されており、更にこれらポートは通信回線を経てIP電話機に直接接続され、或いはアナログインタフェース部532を経てアナログ電話機516−1乃至516−3に間接的に接続されている。IP電話機515−1乃至515−4には、それぞれ“Id-5”乃至“Id-8”なる識別名及びIPアドレス“AD01”乃至 “AD04”が付与されており、この様子は電話機管理表535内のポート番号が1乃至4であるレコードに示されている。電話機管理表内の“D”はIP電話機を表わし、“A”はアナログ電話機を表わす。ポート532−1にはIPアドレス“EA01”が付与されており、ポート532−2にはIPアドレス“EA12”が付与され、ポート532−3にはIPアドレス“EA13”が付与されている。ポート538−1及び532−1は通信回線で接続され、ポート538−7及び532−3は通信回線で接続されている。IP電話機515−1はポート538−1に通信回線517−1で接続されるので、IP電話機515−1はメディアルータ530を経由して網ノード装置に接続されるとき、IPアドレス“EA01”を用いることが出来ることになる。同様に、アナログ電話機516−3にIPアドレス“EA13”が固定的に割り当てられている。アナログ電話機516−3はメディアルータ530を経由して網ノード装置に接続されるとき、常にIPアドレス“EA13”が用いられることを示す。この様子は、電話機管理表535のポート1であるレコードとポート7であるレコードにそれぞれ示されている。
【0260】
ポート538−4及び538−5は通信回線で接続されており、IP電話機515−4は通信回線517−4、ポート538−4及び538−5、アナログインタフェース532、通信回線518−1を経てアナログ電話機516−1に接続されており、IP電話機515−4とアナログ電話機516−1との間で電話通信が可能である。同様に、IP電話機515−2は通信回線517−2、ポート538−2及び538−3、通信回線517−3を経てIP電話機515−3に接続されており、両IP電話機との間で電話通信が可能である。
【0261】
2つのアナログ電話機間の電話通信も、アナログインタフェース部532の機能により可能である。IP電話機515−1乃至515−4は、音声をディジタル化してIPパケットに載せて送信し、逆の機能としてディジタル化した音声をアナログ音声に復元する。アナログインタフェース部は、アナログ電話機516−1乃至516−3から受信した音声をディジタル化してメディアルータ主要部531へ送り、逆の機能としてメディアルータ主要部531から受信したディジタル化した音声をアナログ音声に復元して、アナログ電話機へ送る。
【0262】
<<電話接続のためのメディアルータと網ノード装置の一連の手順>>
IP電話機515−1の受話器を上げると、呼出のIPパケット520が通信回線517−1を経てメディアルータ主要部531へ伝えられる。ここで、IPパケット520内部のヘッダに書込まれている送信元IPアドレスは“AD01”、宛先IPアドレス“ADR”である。メディアルータ主要部531は、“呼出受付”のIPパケットをIP電話機515−1へ返信する。次に、IP電話機515−1の利用者が通信相手先の電話番号“Tel-No-4”をダイヤル入力すると、IP電話機515−1の内部で、IPパケットのペイロードに送信元電話番号“Tel-No-1”と、通信相手先の電話番号“Tel-No-4”とを含む電話の“呼設定”のIPパケットを生成し、メディアルータ530に送信する。
【0263】
メディアルータ530は、メディアルータ主要部531において前記IPパケットを受信し、少なくとも送信元電話番号“Tel-No-1”と宛先電話番号“Tel-No-4”を含むIPパケットを作成し、網ノード装置540に送信することにより呼設定の手続きを開始する。
【0264】
網ノード装置540はIPパケットの521を受信すると、図97に示すアドレス管理テーブル541を検索し、外部IPアドレスとして送信元IPアドレスが“EA01”であり、宛先IPアドレスが“EA81”が含まれるレコードを検索し、この場合はアドレス管理表541の上から1行目のレコード、つまり“EA01,EA81,IA01,IA81”であるレコードを見つけると、このレコード内部の3番目及び4番目に記載されるIPアドレス“IA01”及び“IA81”を用いてIPパケットのカプセル化技法を適用して内部IPパケットの542を生成し、IPアドレスが“IA81”である代理電話サーバ545へ送信する。ここで、IPパケット542のペイロード部分は、IPパケットの521である。なお、上記において、物理通信回線538が論理通信回線539−1乃至539−3の全てを含むので、論理端子543−1乃至543−3は全て同一の内部IPアドレス値“IA01”としている例である。
【0265】
なお、本実施例において、網ノード装置のIPカプセル化と逆カプセル化を、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケットを形成する簡易カプセル化と、内部パケットから簡易ヘッダを取り除く逆簡易カプセル化に置き換えることもできる。
【0266】
8. 閉域電話通信を行う第8の実施例:
図98において、1001は統合IP通信網、1002はIPデータ網、1003はIP電話網、1004は音声画像網であり、1005は通信会社1が運用管理する統合IP通信網の範囲、1006は通信会社2が運用管理する統合IP通信網の範囲である。1002乃至1004は、何れもIPパケット転送機能を有するIP転送網でもあり、IP転送網の内部ではIPパケットを送受するIP通信手段により情報交換できる。統合IP通信網1001の外部で用いるIPアドレスを外部IPアドレスといい、内部で用いるIPアドレスを内部IPアドレスという。1011乃至1017は電話機、1021乃至1025はメディアルータ、1080と1081は電話ゲートウェイ、1082及び1083は公衆電話交換網(PSTN)、1084及び1085は電話機である。
【0267】
電話機1011からメディアルータ1021、通信回線1040、網ノード装置1031、IP電話網1003内部を経由し、網ノード装置1032、通信回線1041、メディアルータ1022、電話機1012へ電話機の通信接続を行う“端末間通信接続制御方法”を説明する。
【0268】
電話機1011乃至1013の利用者は、それぞれの電話番号と、それら電話機が接続するメディアルータに付与する外部IPアドレスの値とを事前に決めておく。図100及び図101を参照して説明すると、電話機1011は電話番号“Tel-No-1”を用い、メディアルータ1021には外部IPアドレス“EA1”を付与し、電話機1012は電話番号“Tel-No-2”を用い、メディアルータ1022には外部IPアドレス“EA2”を付与し、電話機1013は電話番号“Tel-No-3”を用い、メディアルータ1023には外部IPアドレス“EA3”を付与する。電話番号サーバ1026乃至1028は、いずれも電話番号“Tel-No-1”を提示されると外部IPアドレス“EA1”を回答し、電話番号“Tel-No-2”を提示されると外部IPアドレス“EA2”を回答し、電話番号“Tel-No-3”を提示されると外部IPアドレス“EA3”を回答するように設定しておく。この方法は、例えば内線電話番号“100”から“199”などの電話番号グループを一定のルール、例えば100番台を1に対応させるルールによりドメイン名“1.”に対応付けておき、ドメイン名サーバ(DNS)の公知技法を適用できる。
【0269】
<<電話通信の準備>>
図98及び図99を参照して説明すると、ユーザ1060は電話受付者1061に電話利用を申込み(図99のステップA100)、電話受付者1061は電話の申込情報である前記外部IPアドレス“EA1”及び“EA2”、ユーザ氏名や料金支払い方法、通信回線1040の識別記号“L―1040”と網ノード装置1031の識別記号“NN―1031”、通信回線1041の識別記号“L―1041”と網ノード装置1032の識別記号“NN−1032”等をユーザ1060から入手し、ユーザサービスサーバ1041に通知する(ステップA101)。ユーザサービスサーバ1041は、ユーザ1060を識別するためのユーザ識別記号“UID−1”を決め、前記受付により得られた外部IPアドレス“EA1”及び“EA2”、ユーザ氏名等のユーザ申込情報をユーザサービスサーバ1041が有するデータベースに保持する(ステップA102)。
【0270】
次に、ユーザサービスサーバ1041は、前記手続きにより得られた外部IPアドレス“EA1”及び“EA2”と、通信回線の識別記号“L−1040”及び“L−1041”と、網ノード装置の識別記号“NN−1031”及び“NN−1032”とを電話管理サーバ1042へ通知すると(ステップA103)、電話管理サーバ1042は内部IPアドレス“IA1”及び“IA2”を決め、4つのアドレス“EA1,EA2,IA1,IA2”を表管理サーバ1043に知らせる(ステップA107)。ここで、内部IPアドレスの“IA1”は、通信回線1040と網ノード装置1031との接続点に付与した内部IPアドレスであり、“IA2”は通信回線1041と網ノード装置1032との接続点に付与した内部IPアドレスであり、網ノード装置の識別記号“NN−1031”及び“NN−1032”と、通信回線の識別記号“L−1040”及び“L−1041”とを用いて、統合IP転送網1001の内部で統一して決める値であり、電話管理サーバ1042と1065とが前記IP通信手段により情報交換して、同一値であることを別途事前に確認している。
【0271】
表管理サーバ1043は網ノード装置1031に前記の4つのアドレスを知らせると(ステップA108)、網ノード装置は、図100に示すように網ノード装置内部のアドレス管理表1034の第1レコードとして前記4つのアドレス“EA1,EA2,IA1,IA2”を保持する(ステップA109)。アドレス管理表1034の1行目のレコードは、外部IPアドレス“EA1”を有するメディアルータ1021と、外部IPアドレス“EA2”を有するメディアルータ1022との間のIP通信レコードと定義される。IP通信レコードは、内部IPパケットを生成するIPカプセル化においてIPヘッダ内のアドレス情報を提供する。同様にアドレス管理表1034の2行目のレコードとして、4つのアドレス“EA1,EA3,IA1,IA3”がIP通信レコードとして設定されている。
【0272】
同様にして、ユーザ1062が電話サービスを電話受付者1063申し込み、前記と同様の手順を経て(図99のステップA110乃至ステップA119)、網ノード装置1032の内部に、図101に示すように外部IPアドレス“EA2”を有するメディアルータ1022と、外部IPアドレス“EA1”を有するメディアルータ1021との間のIP通信レコードが設定され、また、アドレス管理表1035の2乃至4行目のレコードに上述と同一の原理により、外部IPアドレス“EA2”を有するメディアルータ1022と外部IPアドレス“EA3”を有するメディアルータ1023との間のIP通信レコードや、他のIP通信レコードが設定されている。なお、ユーザ1062が電話受付者1063に申し込んで、メディアルータ1022と、メディアルータ1021との間のIP通信レコードを設定する前記手順に代わり、ユーザ1060が電話受付者1061に申し込んで、メディアルータ1022とメディアルータ1021との間のIP通信レコードを設定することもできる。このため、電話管理サーバ1042が前記ステップ“A107”を遂行するときに、ステップ“A117-2”(図99)も同時に遂行して、表管理サーバ1066にIP通信レコードの設定を依頼する。
【0273】
<<接続フェーズ>>
利用者が電話機1011の受話器を上げて、通信相手先電話機1012の電話番号“Tel-No-2”をダイヤル入力して、メディアルータ1021内部のメディアルータ管理部1056に電話呼出し(図102のステップA200)、メディアルータ管理部1056は電話呼を確認する(ステップA201)。
【0274】
メディアルータ管理部1056は電話番号サーバ1026に電話番号“Tel-No-2”を提示し(ステップA202)、対応するメディアルータ1022のIPアドレス“EA2”を取得し(ステップA203)、送信元電話番号“Tel-No-1”と、宛先電話番号“Tel-No-2”と、電話呼識別子“C-ID”と、接続制御関連情報“Info-1”とを含む電話呼設定のための外部IPパケット1070(図103)を形成し、網ノード装置1031に送信する (ステップA204)。ここで、外部IPパケット1070のIPヘッダのIPアドレス領域は、送信元IPアドレス“EA1”及び宛先IPアドレス“EA2”であり、外部IPパケット1070のペイロード部分はUDPセグメントであり、送信元ポート番号は“5060”、宛先ポート番号は“5060”としている例である。電話呼識別子“C-ID”は、電話通信における電話発呼後の接続フェーズから音声通信フェーズ、解放フェーズまでの電話の呼を、他の電話呼と区別するために用いる。接続制御関連情報“Info-1”は、音声通信フェーズにおいて用いるUDPポート番号、例えば“5004”を少なくとも含み、他の内容として音声圧縮方式の識別記号や音声符号変換コーデック識別記号、メディアルータ1021のIPアドレス“EA1”を含めることが出来る。ここで、メディアルータ管理部1056及び1057が、事前に定めてあるルールにより電話呼識別子“C-ID”及び接続制御関連情報“Info-1”を設定して参照する。
【0275】
網ノード装置1031はIPパケット1070を受信すると、IPパケット1070を入力した通信回線1040の終端部(論理端子)に付与されている内部IPアドレスが“IA1”、IPパケット1070の宛先外部IPアドレスが“EA2”であることを確認し、図100に示すアドレス管理表1034を検索する。始めに送信元内部IPアドレスが“IA1”であるIP通信レコードを検索し、次に前記検出したIP通信レコード内に宛先外部IPアドレスが“EA2”が含まれるIP通信レコードがあるかを検索する。
【0276】
次に、前記検出したIP通信レコード内にIPパケット1070内の送信元外部IPアドレスが“EA1”が含まれるかを調べる。この場合は、アドレス管理表1034の上から1行目、つまり“EA1,EA2,IA1,IA2”であるIP通信レコードを見つけると、このIP通信レコード内部の3番目及び4番目に記載される“IA1”及び“IA2”を用いて、外部IPパケット1070に新たなIPヘッダを付与するIPパケットのカプセル化技法を適用して、図104に示す内部IPパケット1071を形成する。
【0277】
アドレス管理表内部でのIP通信レコードの前記検索において、始めに送信元内部IPアドレスが“IA1”であるレコードを検索し(複数候補あり)、次に前記検索したレコードの中から宛先外部IPアドレスが“EA2”であるIP通信レコードを検索する。送信元外部IPアドレス“EA1”を検索することを省略することもできる。前記IPパケットのカプセル化において、内部IPパケットのヘッダ部のIPアドレス域に、前記内部IPアドレスの送信元IPアドレス“IA1”と宛先IPアドレス“IA2”とが設定される。形成された内部IPパケット1071は網ノード装置1032に送信され(ステップA205)、ルータ1035−1、1035−7を経由して網ノード装置1032に到達し、網ノード装置1032はIPパケット1071のヘッダを除くIPパケットの逆カプセル化を行ってIPパケット1072を復元し(図105)、IPパケット1072をメディアルータ1022に送信する(ステップA206)。
【0278】
前記IPパケットの逆カプセル化において、網ノード装置1032は、値が“EA2, EA1, IA2, IA1”であるIP通信レコードを次のように使うことができる。即ち、網ノード装置1032内部のアドレス管理表1035に前記4つのIPアドレスを含むIP通信レコードが存在し、受信した内部IPパケット1071のヘッダ内部のIPアドレス域に“IA2, IA1”があり、外部IPパケットの1072内部のIPアドレス域に“EA2, EA1”があるので逆カプセル化可能であると確認する。4つのアドレス(“EA2,EA1,IA2,IA1”)が一致するIP通信レコードが存在しないとき、受信したIPパケットを廃棄することもできる。或は、アドレス管理表1035の中に3つのアドレス(“EA1,IA2,IA1”)が一致するIP通信レコードが存在しないとき、IPパケット1071内の宛先外部IPアドレス“EA2”はチェックしないで逆カプセル化を行わず、受信したIPパケットを廃棄することもできる。
【0279】
メディアルータ管理部1057は、外部IPパケットの1072から送信元電話番号“Tel-No-1”と、宛先電話番号“Tel-No-2”と、電話呼識別子“C-ID”と、接続制御関連情報“Info-1”とを取得する。メディアルータ管理部1057は、“Info-1”内部から、音声通信フェーズにおいて送信元電話機が用いるポート番号として、例えば“5004”を取得し、また、電話呼識別子“C-ID”を用いて、前記着信した電話呼を他の電話呼と区別するために用いることができる。
【0280】
以上説明した一連のステップA204,A205,A206を呼設定と呼び、前記一連のステップを“IAM”により省略して表わす。
【0281】
メディアルータ管理部1057は、前記の呼設定に対して呼設定受付を通知するため、電話呼識別子“C-ID”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を含むIPパケットをメディアルータ管理部1056に返信する(ステップA207,A208,A209)。この一連のステップA207,A208,A209を呼設定受付と呼び、省略記号として“ACM”で表わす。メディアルータ管理部1057は、前記呼設定受付において電話呼識別子“C-ID”のみを用い、送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”を返信しないことも出来る。
【0282】
次に、メディアルータ管理部1057は電話呼出し(着信)を電話機1012に伝えると(ステップA210)、電話機1012は着信の確認のため返信し(ステップA211)、電話呼出音を鳴らす。メディアルータ管理部1057は電話機1012を呼出中であることを知らせるため、電話呼識別子“C−ID”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”を含むIPパケットを生成してメディアルータ管理部1056へ返信する(ステップA212,A213,A214)。この一連のステップA212,A213,A214を呼経過又は呼出中といい、省略記号として“CPG”で表わす。呼経過のステップにおいて、送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”を返信しないようにすることも可能である。メディアルータ管理部1056は、送信元電話機1011に宛先電話機1012を呼出中であることを知らせる(ステップA215)。
【0283】
一方、電話機1012の利用者が電話機の呼出音を聞きとり、電話機の送受話器を取り上げてメディアルータ管理部1057に知らせると(ステップA220)、メディアルータ管理部1057は、前記の電話呼識別子“C−ID”、送信元電話番号“Tel-No-1”、宛先電話番号“Tel-No-2”、接続制御関連情報“Info-2”を含むIPパケットを生成し、メディアルータ1021内部のメディアルータ管理部1056へ通知する(ステップA222, A223,A224)。この一連のステップA222,A223,A224を応答と呼び、省略記号として“ANM”で表わす。前記接続制御関連情報“Info-2”の中に、音声通信フェーズにおいて用いるUDPポート番号、例えば“5006”を少なくとも含む。前記IPパケットの形式は、図104の内部IPパケット1071と同一の形式であるが、送信元電話番号“Tel-No-1”及び宛先電話番号“Tel-No-2”は、IPパケット内部に書き込みを省略することもできる。前記の電話機1012の応答(ステップA220)に対して、メディアルータ管理部1056が確認する(ステップA221)。
【0284】
メディアルータ管理部1056は、“Info-2”から通信フェーズにおいて用いる宛先ポート番号の例えば“5006”を知り、電話機1012からの応答(オフフック)を電話機1011に知らせ(ステップA225)、電話機1011が確認する(ステップA226)。なお、前記ステップA221及びステップA226は省略することもできる。以上により電話呼出しの接続フェーズが完了する。
【0285】
なお、前記ステップのうち、ステップA200及びA210を“呼設定”、ステップA201及びA211を“呼設定受付”、ステップA215を“呼出し”、ステップA220及びA225を“応答”、ステップA221及びA226を“応答確認”とそれぞれ呼ぶ。
【0286】
<<通信フェーズ>>
電話機1011の利用者が音声による会話を始めると、音声信号はメディアルータ管理部1056に送られ(図106のステップA250)、メディアルータ管理部1056は音声をディジタル化して、更に適当な長さに区分し、図107の外部IPパケット1073を形成する。そして、外部IPパケット1073の内部のUDPセグメントのペイロード部分に前記ディジタル化した音声を格納し、IPパケットの1073を網ノード装置1031に送信する(ステップA251)。UDPセグメント内部の送信元ポート番号は、接続フェーズにおいて、メディアルータ管理部1056と1057とが相互に交換して取得した送信元ポート番号“5004”と宛先ポート番号“5006”とが用いられる。
【0287】
網ノード装置1031はIPパケットの1073を受信すると、アドレス管理表の内部に“EA1,EA2,IA1,IA2”であるIP通信レコードを見出し、このIP通信レコードを用いて外部IPパケット1073がカプセル化されて内部IPパケット1074となり、ルータ1035−1乃至1035−6を経て網ノード装置1032に到達する(ステップA252)。そして、外部IPパケット1075が復元され、外部IPパケット1075はメディアルータ管理部1057を経て(ステップA253)、電話機1012に届けられる(ステップA254)。電話機1012の利用者の音声を含むIPパケットは前記逆方向の流れ、つまりメディアルータ管理部1057(ステップA260)、網ノード装置1032(ステップA261)、ルータ1035−7、1035−1を経て網ノード装置1031に到達し(ステップA262)、メディアルータ管理部1056を経て(ステップA263)、電話機1011へ届けられる(ステップA264)。
【0288】
<<解放フェーズ>>
電話機1011の利用者が電話通信の終了のため送受話器を置き、メディアルータ管理部1056に電話通信の終了を通知すると(図110のステップA280)、メディアルータ管理部1056は、少なくとも電話通信の終了を意味する情報及び電話呼識別子“C-ID”を含むIPパケットを形成する。このIPパケットを網ノード装置1031に送信し(ステップA281)、網ノード装置1031においてカプセル化され、IP転送網1003を通過して網ノード装置1032に到達し(ステップA282)、網ノード装置1032において逆カプセル化され、メディアルータ管理部1057を経由して(ステップA283)、電話機1012に到達する(ステップA284)。この一連のステップA281,A282,A283,A284を解放といい、省略記号として“REL”で表わす。
【0289】
次に、解放の完了を報告するIPパケットが逆方向に通知される(ステップA286,A287,A288)。この一連のステップA286,A287,A288を解放完了といい、省略記号として“RLC”で表わす。ステップA281,A282,A283等において使われるIPパケットの形式やIPアドレスの設定方法は、電話通信の接続フェーズにおけるステップA204,A205,A206等と同一である。
【0290】
<<他の電話機間の通信>>
電話機1011から電話番号“Tel-No-3”を有する電話機1013に電話通信することも同様に可能であり、電話番号サーバ1026に質問すると、電話番号“Tel-No-3”に対応する外部IPアドレス“EA3”が回答される。アドレス管理表1034内部のIP通信レコード“EA1,EA3,IA1,IA3”及びアドレス管理表1035内部のIP通信レコード“EA3,EA1,IA3,IA1”が、IPパケットのカプセル化や逆カプセル化に用いられる。また、電話機1012から電話機1013に電話通信することも、前記と同様の端末間通信接続制御方法により可能である。電話通信が終了すると、ポート番号“5004”及び“5006”は空き番号として、次の電話通信に用いることができる。
【0291】
<<通信会社が1社のケース>>
図98の通信会社2の運用管理範囲1006が存在せず、IP電話網1003が通信会社1の運用管理範囲となった場合にも、上記電話呼の接続フェーズ、通話フェーズ、解放フェーズが可能である。このケースでは、通信会社2の運用管理範囲1006を通信会社1の運用管理範囲に変更し、通信会社1の代表サーバ1と通信会社2の代表サーバ1036−1乃至1036−2を廃止し、ルータ1035−7とルータ1035−1との間をIP通信回線で接続する。
【0292】
<<メディアルータの他の実施例>>
図111を参照して、メディアルータの他の実施例を説明する。メディアルータ1021−1は図98に示すメディアルータ1021の機能を含み、メディアルータ管理部1056−1はメディアルータ管理部1056の機能を含み、電話番号サーバ1026−1は電話番号サーバ1026の機能をそれぞれ含む。1040−1は網ノード装置への通信回線である。1080−1は接続制御部、1081−1は電話制御部、1082はメディアルータ運用管理部、1083は電話番号・ピン番号・UDPポート番号対応表である。メディアルータ運用管理部1082は、電話通話を記録する機能及びメディアルータ内部の障害検出などによる信頼性管理機能を含む。電話制御部1081−1は電話機1011−1乃至1011−4を通信回線経由で接続されており、電話通信におけるプロトコル変換、音声符号変換、揺らぎ制御、アナログ音声をディジタル音声に変換又は逆変換して送受するための機能を有する。1084は回線インタフェース部であり、通信回線1040−1及びIPパケットを送受する機能を含む。メディアルータ運用管理部1056−1は、メディアルータ運用管理部1056と同等の電話接続制御及び解放制御、即ち図102を参照して説明した電話接続制御、図110を参照して説明した電話解放制御を行うことができる。
【0293】
電話番号・ピン番号・UDPポート番号対応表1083は、電話番号“Tel-No-1”が電話制御部1081−1内のピン番号“T1”に1:1対応し、更にピン番号“T1”にUDPポート番号“5004”を1:1対応させることを示す。以下同様であり、電話番号“Tel-No-12”がピン番号“T2”及びUDPポート番号“5006”に1:1対応し、電話番号“Tel-No-13”がピン番号“T3”及びUDPポート番号“5008”に1:1対応し、電話番号“Tel-No-14”がピン番号“T4”及びUDPポート番号“5010”に1:1対応することを表わす。このようになっているので、例えば電話番号“Tel-No-1”を用いるケースでは、UDPポート番号を、電話番号・ピン番号・UDPポート番号対応表1083を参照して“5004”とする。UDPポート番号は、音声通信用の公知のRTPを識別するポート番号(音声通信用RTPポート番号)として用いる。
【0294】
図112の1083−1は、電話番号・ピン番号・UDPポート番号対応表の他の実施例を示しており、1083と交換することができる。このケースでは電話番号“Tel-No-1”は代表電話番号であり、電話機1011−1乃至1011−4は同じ電話番号“Tel-No-1”を有し、UDPポート番号は“5004”乃至“5010”と異なるので、電話機1011−1乃至1011−4は同時刻に混信せずに、異なったポート番号を用いて電話の音声通信が可能である。
【0295】
図113の1083−2は電話番号・ピン番号・UDPポート番号対応表の他の実施例を示しており、1083と交換することができる。このケースでは、電話番号“Tel-No-12”である電話機1011−2が先の時刻に電話して、UDPポート番号“5004”を付与されている例である。他の電話機1011−1、1011−3、1011−4は、電話通信を開始する接続フェーズの段階で、他の未割当てのUDPポート番号“5006”及び“5008”などが付与され、電話呼の解放フェーズで前記付与されたUDPポート番号の付与を中止(返還)される。接続制御部1080−1は、ピン番号とUDPポート番号との対応付けの組合せを適宜変更することにより、前記のような代表電話番号を実現することができる。
【0296】
<<メディアルータの他の実施例>>
図114を参照して、メディアルータの他の実施例を説明する。メディアルータ1021−2は図98に示すメディアルータ1021の機能を含み、接続制御部1080−2は図111に示す接続制御部1080−1の機能を含み、電話制御部1081−2は電話制御部1081−1の機能を含む。1040−2は網ノード装置へ接続するための通信回線である。メディアルータ管理部1056−2はメディアルータ管理部1056の機能を含み、電話番号サーバ1026−2は電話番号サーバ1026の機能を含む。1085−1はPBX制御部、1085−2はPBX、1086及び1087はルータ、1088はメディアルータの運用管理部、1089はイーサネットを用いた通信回線、1090及び1091はIPパケットを送受する機能を有するIP端末、1092は音声画像を送受する機能を有する動画像送受信機である。IP端末1090及び1091、動画像送受信機1092は共にIP通信回線を経てルータ1087に接続されている。また、ルータ1087から、IP通信回線を経てLAN1093に接続されいる。接続制御部1080−2や電話番号サーバ1026−2、ルータ1086及び1087は通信回線1089により相互に接続されている。
【0297】
PBX1085−2は複数の電話機を収容する私設構内交換機であり、PBX制御部1085−1は接続制御部1080−2とPBX1085−2との間に位置し、両者のインタフェース変換(音声符号変換や音声圧縮など)を行う。このように成っているので、メディアルータ1021−2は多数の電話機を電話制御部1081−2を介して直接に収容し、或はPBX1085−2を介して収容できる。これら電話機は、IP転送網を経由して他の電話機と電話通信することができる。
【0298】
メディアルータ1021−2は上述のように成っているため、通信回線1040−2から入力したIPパケットはルータ1086及び通信回線1089を経て接続制御部1080−2に到達可能であり、また、IPパケットは逆方向に、つまり接続制御部1080−2から通信回線1089、ルータ1086、通信回線1040−2へ向けて転送可能である。同様に、通信回線1040−2から入力したIPパケットは、ルータ1086、通信回線1089、ルータ1087、通信回線を経てLAN1093内部のIP端末1090や、IP端末1091、動画像送受信機1092のいずれにも到達可能である。また、IPパケットが逆方向に転送可能であり、IP端末1090、IP端末1091、動画像送受信機1092から通信回線、ルータ1087、通信回線1089、ルータ1086、通信回線1040−2に転送可能である。
【0299】
<<発信優先度制御>>
次に、メディアルータ1021−2の発信優先度制御の機能について説明する。図115は、メディアルータ1021−2内部の一部と、メディアルータ1021−2に接続するIP端末やLANの接続状態を示す模式図である。但し、途中の通信回線は記載を省略してあり、1085−21は電話番号サーバ1026−2から送出されるIPパケット、1085−22は接続制御部1080−2から送出されるIPパケット、1085−23はLAN1093から送出されるIPパケット、1085−24はIP端末1091から送出されるIPパケット、1085−25は動画像送受信機1092から送出されるIPパケットである。また、IPパケット1085−21乃至1085−25は、イーサネット通信回線1089及びルータ1086を経て通信回線1040−2に送られる。IPパケット1085−21乃至1085−25のペイロードがTCP又はUDPセグメントの場合、これらセグメントの内部に送信元ポート番号と宛先ポート番号とが含まれる。
【0300】
図116の1085−3は、前記IPパケットがイーサネット通信回線1089側から通信回線1040−2に送られる順序を定める発信優先度制御管理表1085−3を示している。IPパケットがイーサネット通信回線1089側から入力し、ルータ1086を通過して通信回線1040−2に出力するとき、通過するIPパケットの内部のペイロードがTCPセグメントかUDPセグメントであるかを調べ、TCPセグメントかUDPセグメントであるときは、その内部の送信元ポート番号を調べる。IPパケットが時間的に近似した時刻に、ルータ1086に到達した場合、送信元ポート番号が“108”であるTCPセグメント又はUDPセグメントを含むIPパケットが時間的に最優先で送られ、次に送信元ポート番号が“5060”や、“5004”乃至“5020”であるTCPセグメント又はUDPセグメントを含むIPパケットが送られる。
【0301】
発信優先度制御管理表1085−3の中に記載するポート番号の値を、他の値に変更して用いることもできる。また、発信優先度管理表1085−3を図117の発信優先度制御管理表1085‐4に変更して用いることも可能である。発信優先度制御管理表1085−4を用いるケースでは、送信元IPアドレス“150.1.2.3”であり、かつ送信元ポート番号“108”であるIPパケットを最優先し、次の優先度として、送信元IPアドレス“192.1.2.3”であり、かつ送信元ポート番号“5060”又は“5004”乃至“5020”であるIPパケットを優先する。
【0302】
上記実施例において、メディアルータ1021−2が発信優先度制御管理表1085−3により指定されるポート番号を基準にして、或は発信優先度制御管理表1085−4により指定されるIPアドレス及びポート番号の組を基準にして、IPパケットから通信回線1040−2へ送出するIPパケットの送出順序を定める機能を有することが特徴である。
【0303】
次に、図118を参照して説明する。メディアルータ1021−3及び1021−4がIP転送網1001−1を経由して接続され、メディアルータ1021−3にIP端末1091−1、動画像送受信機1092−1、LAN1093−1が接続され、LAN1093−1の内部にIP端末1090−1が含まれている。同様に、メディアルータ1021−4にIP端末1091−2、動画像送受信機1092−2、LAN1093−2が接続され、LAN1093−2の内部にIP端末1090−2が含まれている。メディアルータ1021−3及び1021−4は、図114のメディアルータ1021−2の機能を含む。このようになっているから、例えばIP端末1090−1とIP端末1091−2との間、IP端末1091−1とIP端末1090−2との間、動画像送受信機1092−1と動画像送受信機1092−2との間において、メディアルータ1021−3、IP転送網1001−1、メディアルータ1021−4を介してIPパケットを送受することができる。
【0304】
以上を要約すると、次のようになる。IP転送網は2以上の網ノード装置を含み、メディアルータはIP通信回線を経て前記網ノード装置のいずれかに接続されており、前記IP通信回線の網ノード装置側の終端部に内部IPアドレスが付与されており、それぞれのメディアルータにはそれぞれ外部IPアドレスを付与されており、電話番号サーバを内部に有し、かつメディアルータは通信回線を経て1以上の電話機を接続している。また、網ノード装置の内部のアドレス管理表のレコードとして前記外部IPアドレス及び前記内部IPアドレスを含み、少なくともIPカプセル化方法を定めるIP通信レコードが予め設定されており、呼設定IPパケットの内部に少なくとも送信元電話番号、宛先電話番号、更に接続制御は複数の電話機に共通のポート番号を用い、また、電話機毎の個別の音声通信は電話機毎に異なるポート番号を割り当てることにより、メディアルータはPBX制御部又は電話制御部の一方又は両方を含み、メディアルータはIPパケットを送受する機能を有するIP端末、或はLAN、音声画像をIPパケットに格納して送受する機能を有する音声画像送受信機をIP通信回線を経て接続可能である。メディアルータは発信優先度制御管理表を含み、メディアルータに接続する電話機やIP端末、動画像送受信機などからメディアルータに送られて来るIPパケット内のTCPセグメント又はUDPセグメントの送信元ポート番号、更に送信元IPアドレスを用いて、発信優先度制御管理表の指定に従い、優先度が高い順から網ノード装置側の通信回線に送出できる。
【0305】
なお、本実施例において、網ノード装置のIPカプセル化と逆カプセル化を、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケットを形成する簡易カプセル化と、内部パケットから簡易ヘッダを取り除く逆簡易カプセル化に置き換えることもできる。
【0306】
9. 閉域電話通信をおこなう第9の実施例:
図119において、1100はIP転送網であり、IP転送網1100の外部で用いるIPアドレスを外部IPアドレスといい、内部で用いるIPアドレスを内部IPアドレスという。メディアルータ1115乃至1117は外部IPアドレス“EA1”乃至“EA3”をそれぞれ付与されている。電話機1121乃至1124は電話番号“101”、“102”、“103”、“104”を付与され、電話機1125乃至1128は電話番号“211”、“212”、“213”、“214”を付与され、電話機1129乃至1132は電話番号“301”、“302”、“303”、“304”を付与されている。
【0307】
電話番号サーバ1135乃至1137は、インターネットなどで広く使われるドメイン名サーバ(DNS)と同様の機能を有し、本実施例においては、電話番号を提示されると、その電話番号を有する電話機を収容しているメディアルータの外部IPアドレスを回答する。例えば電話番号サーバ1135に電話番号“212”を質問すると、電話番号“212”を有する電話機1126を収容しているメディアルータ1116の外部IPアドレス“EA2”を回答する。
【0308】
<<電話通信の準備>>
網ノード装置1101乃至1103はそれぞれ内部のアドレス管理表1110乃至1112のレコードとしてIP通信レコードが設定されている。例えばアドレス管理表1110の第2行目のIP通信レコードとして、“EA1,EA3,IA1,IA3”が設定されており、前記IP通信レコードは、外部IPアドレス“EA1”を有するメディアルータ1115と、外部IPアドレス“EA3”を有するメディアルータ1117との間の電話通信に用いられる。内部IPアドレス“IA1”は論理IP通信回線1144の網ノード装置1101側の終端部(論理端子)に付与され、内部IPアドレス“IA3”は論理IP通信回線1146の網ノード装置1103側の終端部に付与されている。電話機1121からメディアルータ1115、IP転送網1100、メディアルータ1117を経由して電話機1131に電話通信を行うための“端末間通信接続制御方法”を説明する。
【0309】
<<接続フェーズ>>
利用者が電話機1121の受話器を上げて、通信相手先電話機1131の電話番号“303”をダイヤル入力し、電話制御部1133を経てメディアルータ1115内部のメディアルータ管理部1138に電話呼出し(図120のステップA300)、メディアルータ管理部1138は電話呼を確認する(ステップA301)。メディアルータ管理部1138は電話番号サーバ1135に電話番号“303”を提示し(ステップA302)、メディアルータ1117のIPアドレス“EA3”を取得し(ステップA303)、次に送信元電話番号“101”、宛先電話番号“303”、電話呼識別子“C-ID”、接続制御関連情報としてUDPポート番号“5004”を含む外部IPパケット1134(図119)を形成し、網ノード装置1101に送信する (ステップA304)。
【0310】
ここで、外部IPパケット1134のIPヘッダ内のIPアドレス域は、送信元IPアドレス“EA1”及び宛先IPアドレス“EA3”であり、外部IPパケット1134のペイロード部分はUDPセグメントであり、送信元ポート番号“5060”、宛先ポート番号“5060”としている例である。
【0311】
網ノード装置1101はIPパケット1134を受信すると、アドレス管理表1110の上から2行目、つまり“EA1,EA3,IA1,IA3”であるIP通信レコードを用いて、IPパケットのカプセル化技法を適用して内部IPパケット1140を形成し、網ノード装置1103に向けて送信する(ステップA305)。内部IPパケット1140は、ルータ1105、1106,1107を経由して網ノード装置1103に到達し、網ノード装置1103はIPパケットのヘッダを除くIPパケットの逆カプセル化を行ってIPパケット1134を復元し、IPパケット1134をメディアルータ管理部1139に送信する(ステップA306)。この一連のステップA304,A305,A306を呼設定と呼び、省略記号として“IAM”で表わす。
【0312】
メディアルータ管理部1139は、前記受信したIPパケットから送信元電話番号“101”と、宛先電話番号“303”と、メディアルータ1115のIPアドレス“EA1”と、電話呼識別子“C-ID”と、接続制御関連情報として送信元電話機が音声通信フェーズにおいて用いるUDPポート番号“5004”とを取得した後、電話呼出の確認を返信する(ステップA307,A308,A309)。この一連のステップA307,A308,A309を呼設定受付と呼び、省略記号として“ACM”で表わす。次に、メディアルータ管理部1139は、電話呼出し(着信)を知らせるIPパケットを電話機1131に送信し(ステップA310)、電話機1131は返信する(ステップA311)。電話機1131は、電話呼出しを知ると電話呼出音を鳴らす。メディアルータ管理部1139は、電話機1131呼出中をメディアルータ管理部1138へ返信すると(ステップA312,A313,A314)、メディアルータ管理部1138は、送信元電話機1121に宛先電話機1131を呼出中であることを知らせる(ステップA315)。この一連のステップA312,A313,A314を呼経過又は呼出中といい、省略記号として“CPG”で表わす。
【0313】
電話機1131の利用者が電話機の送受話器を取り上げると(オフフック)、メディアルータ管理部1139に通知され(ステップA320)、メディアルータ管理部1139が返信し(ステップA321:応答確認)、更にメディアルータ管理部1139は、送信元電話番号“101”と、宛先電話番号“303”と、電話呼識別子“C−ID”と、接続制御関連情報として電話機1131が音声通信フェーズにおいて用いるUDPポート番号“5008”とを含むIPパケットを形成し、メディアルータ管理部1138へ返信する(ステップA322,A323,A324)。メディアルータ管理部1138は、受信した情報から宛先電話機が用いるUDPポート番号“5008”を知る。メディアルータ管理部1138は、電話機1131からのオフフック通知を電話機1121に知らせ(ステップA325)、電話機1121が返信する(ステップA326:応答確認)。前記一連のステップA322,A323,A324を応答と呼び、省略記号として“ANM”で表わす。前記応答確認のステップA321及びA326は、実施するか否かを選択できるオプションである。以上により、電話の接続フェーズが完了する。
【0314】
<<通信フェーズ>>
電話機1121の利用者が音声による会話を始めると、音声信号はメディアルータ管理部1138に送られ(図120のステップA350)、メディアルータ管理部1138は、電話制御部1133がディジタル化した音声をIPパケットの内部のUDPセグメントのペイロード部分に格納した後、網ノード装置1101に送信する(ステップA351)。前記UDPセグメント内部のポート番号は、前記接続フェーズにおいて取得した送信元ポート番号“5004” と宛先ポート番号“5008”とが用いられる。
【0315】
網ノード装置1101はディジタル化した音声を含む前記IPパケットを受信すると、カプセル化して内部IPパケット1141とし、内部IPパケットの1141はルータ1105,1106,1107を経て網ノード装置1103に到達する(ステップA352)。網ノード装置1103は内部IPパケット1141の内部IPヘッダを除くIP逆カプセル化を行い、得られた外部IPパケットをメディアルータ管理部1139へ送信し(ステップA353)、電話機1131に届けられる(ステップA354)。電話機1131の利用者のディジタル化音声を含むIPパケットは、前記の逆方向の流れを経て電話機1121へ届けられる(ステップA360乃至A364)。
【0316】
<<解放フェーズ>>
電話機1121の利用者が電話通信の終了を通知すると(図120のステップA380)、他の実施例で説明していると同様の一連のステップ(ステップA381乃至A383)を経て、電話機1131に到達する(ステップA384)。この電話通信の終了報告が、ステップA386乃至A388によりメディアルータ管理部1138に返信される。前記一連のステップA380,A381,A382,A383,A384を解放といい、省略記号として“REL”で表わす。更に、他の一連のステップA386,A387,A388を解放完了といい、省略記号として“RLC”で表わす。
【0317】
他の電話機間の通信、例えば電話機1121から電話番号“212”を有する電話機1126に電話通信することが可能であり、電話機1132から電話番号“213”を有する電話機1127に電話通信することが前記同様の端末間通信接続制御方法により可能である。
【0318】
<<電話番号サーバの詳細説明>>
電話番号サーバの機能をより詳細に説明する。電話番号の100番代はメディアルータ1115に接続し、電話番号の200番代はメディアルータ1116に接続し、電話番号の300番代はメディアルータ1117にそれぞれ接続していることに着目すると、図121に示すように電話番号の木構造を定めることができる。ルート1150の下位に、ドメイン1151乃至1153が同位のレベルで木構造状に関係付けすることが出来る。ドメイン1151は100番代の電話番号に関する情報を提供し、ドメイン1152は200番代の電話番号に関する情報を提供し、ドメイン1153は300番代の電話番号に関する情報を提供でき、100番代の電話番号をドメイン名として“1.”と表わすルールとし、200番代の電話番号をドメイン名として“2.”と表わすルールとし、300番代の電話番号をドメイン名として“3.”と表わすルールとし、図122に整理して示す。図122において、“1XX”は100番代の電話番号を表わし、“2XX”は200番代を、“3XX”は300番代の電話番号をそれぞれ表わす。
【0319】
なお、電話番号サーバ1135は、ドメイン名サーバDNSについての公知の技術を適用して、ルート1150を管理する電話番号サーバの機能を代行する機能を付与することが出来る。ルート1150を管理する電話番号サーバの機能として、“1.”を質問されるとドメイン1151を直接に管理する電話番号サーバ1135のIPアドレス“EA1”を回答し、“2.”及び“3.”の質問にはそれぞれ“EA2”及び“EA3”を回答する。電話番号サーバは、それぞれが直接に管理するドメイン名を質問されると、途中経過においては他の電話番号サーバのIPアドレスを回答することがあるが、最終的には質問されたドメイン名に対応するIPアドレスを回答する(図123)。このようになっているから、電話番号サーバ1136に“3.”を質問すると、“3.”に対応するIPアドレス“EA3”を取得できる。このような、電話番号サーバ間で繰返し問い合わせる「電話番号サーバの再帰呼出機能」の具体的実現方法は、公知のドメイン名サーバの再帰呼出機能を採用して実現される。
【0320】
<<電話番号サーバの他の実施例>>
図124に示すように、IP転送網1190の網ノード装置1180乃至1184のいずれかに通信回線を経てメディアルータ1191乃至1197を接続し、会社Aに属するメディアルータ1191に接続する電話機の電話番号は、他の会社Bや会社Cに知らせる公開の電話番号“1−1××”である。ここで、“−”は電話番号としては空白と同等で無視し、“××”は10進数の“00”乃至“99”を意味する。会社A に属するメディアルータ1193に接続する電話機の電話番号も、公開する電話番号で“1−2××”である。会社Aに属するメディアルータ1195に接続する電話機の電話番号は、他社に公開する電話番号の“1−3××”及び会社A外には公開しない内線電話番号“8××”である。会社Bに属するメディアルータ1192に接続する電話機の電話番号は、公開する電話番号“2−1××”であり、会社Bに属するメディアルータ1194に接続する電話機の電話番号は、公開する電話番号“2−2××”である。会社Cに属するメディアルータ1196に接続する電話機の電話番号は、公開する電話番号“3−×××”である。“×××”は10進数の“000”乃至“999”を意味する。会社Aに属するメディアルータ1197に接続する電話機の電話番号は、会社A外には公開しない内線電話番号“7××”である。
【0321】
図125は、上記電話番号の体系を電話番号の木構造として表現したものであり、1185はルートドメイン、1186は会社Aの非公開の内線電話番号を対象とするドメイン、1187は会社Aの公開する電話番号を対象とするドメイン、1188は会社Bの公開する電話番号からなるドメイン、1189は会社Cの公開する電話番号を対象とするドメインである。ここで、1186のドメイン名“##”は、会社Aに属するメディアルータ1191、1193、1195及び1197の内部でのみ用いる秘密のドメイン名であり、数字を含まず、またドメイン名の長さは20文字と長い値に定めている。このようにして、会社B及び会社Cのメディアルータ1192、1194、1196から、会社A専用の秘密のドメイン名“##”の値を知ること、もしくはドメイン名“##”を取得することを困難化している。例えば“##”の問い合わせに対して、IPアドレスを回答しない。この結果として、会社Bや会社Cから会社Aの内線電話番号を有する電話機にアクセスすることが困難となり、内線電話番号を使うことが困難となる意味で安全性が向上する。
【0322】
電話機1198から宛先電話番号“2−145”をダイヤルすると、メディアルータ1195内部のメディアルータ管理部1195−1が、電話番号“2−145”を図126の変換表1185−1に示すように、電話番号のドメイン名形式である“1.2.”に変換する。次に、メディアルータ1195内部の電話番号サーバ1195−2に“1.2.”を提示して質問すると、電話番号サーバは図127の表1185−2に示すように、“1.2.”に対応するメディアルータ1192のIPアドレスを回答する。
【0323】
なお、内線電話番号“700”である会社Aの電話機から、電話番号“2−100”である会社Bの電話機を呼出せるようにするかしないかは、ドメイン名サーバの設定次第であり、いずれとすることもできる。
【0324】
以上を要約すると、次のようになる。即ち、IP転送網は2以上の網ノード装置を含み、メディアルータは、論理IP通信回線を経て前記網ノード装置のいずれかに接続されており、前記論理IP通信回線の網ノード装置側の終端部に内部IPアドレスが付与されており、それぞれのメディアルータにはそれぞれ外部IPアドレスを付与されており、電話番号サーバを内部に有し、かつメディアルータは通信回線を経て1以上の電話機を接続されている。網ノード装置の内部のアドレス管理表のレコードとして、前記外部IPアドレスと及び前記内部IPアドレスを含み、少なくともIPカプセル化方法を定めるIP通信レコードが予め設定されており、会社A,会社B,会社Cの間で、網ノード装置内部に所定のIP通信レコードを設定し、会社A,会社B,会社Cの間でのみ有効な電話番号(“1−×××”、“2−×××”、“3−×××”)を用いた閉域電話通信網を設定することができる。
【0325】
電話番号“1−100”である会社Aの電話機から、電話番号“1−200”である会社Aの電話機を呼出し、また、電話番号“2−100”である会社Bの電話機を呼出し、電話番号“3−100”である会社Cの電話機を呼出し、内線電話番号“700”及び“800”である会社Aの電話機を呼出し、それぞれと電話通信できる。また、内線電話番号“700”である会社Aの電話機から、内線電話番号“800”である会社Aの電話機を呼出し、電話番号“1−200”である会社Aの電話機を呼出し、電話通信できる。電話番号“2−100”である会社Bの電話機から、内線電話番号“800”である会社Aの電話機を呼び出すことは、前記“##”の説明通りできない。
【0326】
会社の数をNとすると、次のようにできる。会社A−1,会社A−2,・・・,会社A−N(N>2)の間でのみ電話通信を行えるようにIP通信レコードを設定して、閉域電話通信を行うようにできる。また、会社A−1,会社A−2,・・・,会社A−N(N>2)の間で有効な閉域電話通信網に接続する会社A−1の電話機が、会社A−1の内線電話機と電話通信でき、会社A−1以外の会社の電話機は、会社A−1の内線電話機と電話通信できないようにできる。
【0327】
なお、本実施例において、網ノード装置のIPカプセル化と逆カプセル化を、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケットを形成する簡易カプセル化と、内部パケットから簡易ヘッダを取り除く逆簡易カプセル化に置き換えることもできる。
【0328】
10. 閉域電話通信と開域電話通信とを併用する第10実施例:
図128において、1200はIP転送網であり、メディアルータ1201乃至1206は外部IPアドレス“EA1”乃至“EA6”をそれぞれ付与されている。電話機1208は電話番号“1001”を、電話機1209は電話番号“1002”をそれぞれ付与され、電話機1210は電話番号“101”を、電話機1211は電話番号“102”をそれぞれ付与され、電話機1212乃至1215は電話番号“3001”乃至“3004”をそれぞれ付与されている。メディアルータ1202に接続する電話機1216乃至1219は、電話番号“234−2001”乃至“234−2004”をそれぞれ有する。
【0329】
また、電話機1220乃至1223は電話番号“2001”乃至 “2004”をそれぞれ付与され、電話機1224乃至1227はそれぞれ電話番号“301”乃至“304”を付与され、電話機1228乃至1231はそれぞれ電話番号“201”乃至“204”を付与されている。ここで、電話番号“1××”、“2××”、“3××”は、会社A専用の内線電話番号であり、“×”は、0から9までの10進数の数字を表わす。電話番号“1×××”は会社Aの電話番号、電話番号“2×××”は会社Bの電話番号、電話番号“3×××”は会社Cの電話番号である。これら3つの電話番号“1×××”、“2×××”、“3×××”は、会社A、会社B、会社Cの間でのみ電話通信するための論理的な閉域電話網を構成するための電話番号であり、閉域電話番号という。なお、電話番号“234−2001”乃至“234−2004”は、不特定の相手と電話通信するための電話番号であり、開域電話番号という。
【0330】
電話番号サーバ1134、1272及び1137乃至1142は、インターネットなどで使用されるドメイン名サーバ(DNS)と同様の機能を有し、電話番号を提示されると、その電話番号を有する電話機を収容しているメディアルータの外部IPアドレスを回答する。例えば電話番号サーバ1137に電話番号“3001”を質問すると、電話番号“3001”を有する電話機1212を収容しているメディアルータ1206の外部IPアドレス“EA6”を回答する。
【0331】
<<電話通信のための端末間接続制御の準備>>
図128に示すように、網ノード装置1244乃至1248はそれぞれ内部にアドレス管理表1250乃至1255があり、それぞれ他の実施例で説明していると同様のIP通信レコードが設定されている。例えばアドレス管理表1250の第1行目のIP通信レコードとして、“EA1,EA3,IA1,IA3”が設定されており、前記IP通信レコードは、外部IPアドレス“EA1”を有するメディアルータ1201と、外部IPアドレス“EA3”を有するメディアルータ1203との間の電話通信に用いられる。内部IPアドレス“IA1”は論理IP通信回線1257の網ノード装置1244側の終端部(論理端子)に付与され、内部IPアドレス“IA3”は論理IP通信回線1258の網ノード装置1248側の終端部に付与されている。
【0332】
電話番号“1001”の電話機1208から、IP転送網1200を経由して電話番号“301”の電話機1224に電話通信を行うための“端末間通信接続制御方法”を、図128及び図129を参照して説明する。
【0333】
<<接続フェーズ>>
電話機1208の受話器を上げ、通信相手先電話機1224の電話番号“301”をダイヤル入力し、呼出信号がメディアルータ管理部1260へ伝えられ(ステップH300)、メディアルータ管理部1260は電話呼を確認する(ステップH301)。メディアルータ管理部1260は、その内部に保持している図175の表1255−1を調べて、電話番号“301”に対応する電話番号のドメイン名が“3.#.a”であることを知り、電話番号サーバ1137に電話番号ドメイン名“3.#.a”を問合せ(ステップH302)、電話番号サーバ1137は、図176の表1255−2に示すルールに従いメディアルータ1204のIPアドレス“EA4”を回答する(ステップH303)。
【0334】
次に、少なくとも送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“301”、電話機1208の通話送信に用いるUDPポート番号“5004”を含む外部IPパケット1310(図130)を形成し、網ノード装置1244に送信する (ステップH304)。なお、IPパケット1310の中に、メディアルータ1260が関与する電話呼の識別番号や音声圧縮方式、音声符号変換などの識別名称などから成る関連情報“Info-1”を含めることができる。
【0335】
網ノード装置1244は、IPパケット1310を受信すると、アドレス管理表1250の上から2行目、つまり“EA1,EA4,IA1,IA4”であるIP通信レコードとを用いて、IPパケットのカプセル化技法を適用して、内部IPパケット1311(図131)を形成して送信する。内部IPパケット1311は、図128に示すルータ1263、1264を経由して網ノード装置1246に到達し(ステップH305)、網ノード装置1246はIPパケットの逆カプセル化を行ってIPパケットを復元し、前記復元したIPパケットをメディアルータ1204に送信する(ステップH306)。
【0336】
メディアルータ管理部1265は、前記受信したIPパケットから少なくとも送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“301”、通話用UDPポート番号“5004”を取得した後、電話呼出の確認を返信する(ステップH307,H308,H309)。
【0337】
次に、メディアルータ管理部1265は、電話呼出し(着信)を電話機1224に伝える(ステップH310)。電話機1224はメディアルータ管理部1265に返信し(ステップH311)、更に電話呼出音を鳴らす。メディアルータ管理部1265は、電話機1224呼出中をメディアルータ管理部1260を経由して宛先電話機1208へ知らせる(ステップH312,H313,H314,H315)。ステップH314において、送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“301”、電話機1224の通話送信に用いるUDPポート番号“5008”を電話機1208へ知らせる。
【0338】
電話機1224の利用者が電話機の送受話器を取り上げると、電話機1224はメディアルータ管理部1265に通知する(ステップH320)。メディアルータ管理部1265は、ステップH320による応答をメディアルータ1260を経由して送信元電話機1208に応答する(ステップH322,H323,H324,H325)。電話機1208はメディアルータ1260に向けて応答確認し(ステップH321)、メディアルータ1265は電話機1224に向けて応答確認する(ステップH326)。ここで、ステップH321及びステップH326は、実施するしないかを選択できるオプションである。以上により、電話の接続フェーズが完了する。
【0339】
前記接続フェーズにおいて、外部IPパケット内部はUDPセグメントであり、送信と受信UDPポート番号は、例えば“5060”が用いられる。
【0340】
<<通信フェーズ>>
電話機1208の利用者と電話機1224との電話通信は、他の実施例で説明しているのと同様のステップであり、アドレス管理表1250内部の第2行目のIP通信レコード、つまり“EA1,EA4,IA1,IA4”のレコードと、アドレス管理表1253内部の第1行目のIP通信レコード、つまり“EA4,EA1,IA4,IA1”のレコードとが用いられる。電話機1208からメディアルータ管理部1260へ音声が送られ(ステップH350)、メディアルータ管理部1260において、前記音声がディジタル化されて外部IPパケット1312(図132)のペイロード部分に転記され、網ノード装置1244に到達する。そして、IPカプセル化されて内部IPパケット1313(図133)に変換された後、IP転送網1200の内部を転送されて、網ノード装置1246に到達し、逆カプセル化されてメディアルータ管理部1265に到達する(ステップH351乃至H353)。ここで、前記ディジタル化された音声がアナログ音声に変換され、電話機1224に到達する(ステップH354)。電話機1224から電話機1208への逆方向への電話音声も同様に伝送される(ステップH360乃至H364)。通話フェーズにおいて、外部IPパケット1312内部はUDPセグメントであり、電話機1208から送信するUDPポート番号は“5004”が、電話機1208が受信するUDPポート番号は“5008”がそれぞれ用いられる例である。
【0341】
<<解放フェーズ>>
電話機1208の利用者が電話通信の終了を通知すると(図129のステップH380)、他の実施例で説明していると同様の一連のステップ(ステップH381乃至H383)を経て、電話機1224に到達する(ステップH384)。メディアルータ管理部1265から、メディアルータ管理部1260に解放完了を通知する(ステップH386乃至H388)。上記解放フェーズにおける外部IPパケットの形式は、前記接続フェースにおいて使用されるIPパケット1310と同様であり、ペイロード部分はUDPセグメントであり、送信及び受信UDPポート番号は、例えば“5060”が用いられる。
【0342】
<<メディアルータ内部の電話番号サーバを用いる他の例>>
電話機1208の受話器を上げ、通信相手先の他の企業に属する電話機1220の電話番号“2001”をダイヤル入力すると、メディアルータ管理部1260は、その内部に保持している表1255−1を調べて、電話番号“2001”に対応する電話番号のドメイン名が“b.”であることを知る。次に、電話番号サーバ1137に電話番号ドメイン名“b.”を問合せ、電話番号サーバ1137は、電話機1220を接続しているメディアルータ1205のIPアドレス“EA5”を回答することにより、異なる企業に属する電話機1208と電話機1220との間において、同様の端末間通信接続制御方法により電話通信が可能である。
【0343】
以上述べた端末間通信接続制御方法において、IP転送網1200内部の電話番号サーバ1134及び1272は使用されず、代わりにメディアルータ1201内部の電話番号サーバ1137が使用される。また、アドレス管理表1250及び1253、1252内の既に設定されているIP通信レコードが使用される特徴がある。
【0344】
<<IP転送網内の電話番号サーバを用い、IP通信レコードを生成し電話通信する方法>>
図134を参照して、電話番号“1001”である電話機1208から、電話番号“234−2001”である電話機1216へ電話通信する端末間通信接続制御方法を説明する。
【0345】
<<接続フェーズ>>
電話機1208の受話器を上げると呼出信号がメディアルータ管理部1260へ伝えられ(ステップV0)、メディアルータ管理部1260は電話呼出を確認し(ステップV1)、メディアルータ管理部1260は、その内部に保持している(図175の)表1255−1を調べて、電話番号“234−2001”に対応する電話番号のドメイン名が“o.”であることを知る。次に、電話番号サーバ1137に電話番号ドメイン名“o.”を問合せ(ステップV2)、電話番号サーバ1137は、前記“o.”を管理する電話番号サーバ1272にアクセスするための代理電話サーバ1270の外部IPアドレス“EA81”をメディアルータ管理部1260に回答する(ステップV3)。
【0346】
次に、メディアルータ管理部1260は、送信元IPアドレスをメディアルータ1201のIPアドレス“EA1”とし、宛先IPアドレスを前記取得したIPアドレス“EA81”とし、送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”、電話音声通信に用いるUDPポート番号“5006”、付加情報“Info-2”を含むIPパケット1320(図135)を形成し、網ノード装置1244へ送信する(ステップV4)。IPパケット1320のペイロード部分はUDPパケットであり、その送信元及び宛先ポート番号共“5060”としている。前記付加情報はメディアルータ1260の内部で使われる情報であり、例えば電話機1208を使うための音声圧縮方式(G.711やG729A)や音声符号変換、電話の呼を識別するための番号である。後述する電話管理サーバ1271や代理電話サーバ1270は、前記付加情報に関与しない。
【0347】
網ノード装置1244は、外部IPパケット1320が入力した論理通信回線1257の終端部に付与された内部IPアドレス“IA1”と、IPパケット1320内の宛先IPアドレス“EA81”とを用いて、図128のアドレス管理テーブル1250内のIP通信レコードを検索する。更に、IPパケット1320内の送信元IPアドレス送信元IPアドレス“EA1”がIP通信レコードに含まれることを確認し、本ケースではアドレス管理表1250の上から4行目のレコード、つまり“EA1,EA81,IA1,IA81”であるレコード内部の3番目及び4番目に記載されるIPアドレス、つまり“IA1”及び“IA81”を用い、IPパケットのカプセル化技法を適用してIPパケット1321(図136)を形成し、内部IPアドレスが“IA81”である代理電話サーバ1270へ送信する(ステップV5)。
【0348】
代理電話サーバ1270はIPパケット1321を受信すると、IPパケット1321のペイロード部分と、前記アドレス“EA1,IA1,EA81,IA81”をペイロード部分に含むIPパケット1322(図137)とを形成し、電話管理サーバ1271へ送信する(ステップV6)。ここで、代理電話サーバ1270は、予め保持している電話管理サーバ1271のIPアドレス“IA91”を用いている。
【0349】
<<発信回線数の制御>>
電話管理サーバ1271は、受信したIPパケット1322から送信元側のメディアルータ1201のアドレス“EA1”を取り出し、図160の発信回線管理表1326−5と比較し、IPアドレスが“EA1”のレコードについて、使用中回線数を“1”増やして上限回線数と比較する。本実施例では使用中回線数は“2”であり、上限回線数は“5”であるので、次の手続きに進む。なお、電話管理サーバ1271は、使用中回線数が上限回線数より大となると、以降の接続フェーズに進まずに中断する。或は中断理由を説明するIPパケットを形成して、代理電話サーバ1270を経て、送信元メディアルータ管理部1260へ通知する。電話管理サーバ1271は、発信回線制御を行うか否かを選択できる。
【0350】
<<回線番号の管理>>
電話管理サーバ1271はIPパケット1322(図137)を読出し、送信元電話番号“1001”及び宛先電話番号“234−2001”を取得し、これら2つの電話番号の組から音声通信用回線を管理するための回線番号“CIC-2”を算出する(CIC: Circuit Identification Code)。次に、CIC管理表1323(図138)のレコードに、回線番号“CIC-2”と、送信元電話番号“1001”と、宛先電話番号“234−2001”と、電話機1208が接続するメディアルータ1201の外部IPアドレス“EA1”及び内部IPアドレス“IA1”と、代理電話サーバ1270の外部IPアドレス“EA81”及び内部IPアドレス“IA81”と、電話管理サーバ1271のIPアドレス“IA91”と、手順区分“IAM”と、書込み時刻(年月日時分秒)“St-2”とを書き込む。
【0351】
次に、電話管理サーバ1271は、宛先電話番号“234−2001”に関与するIPアドレスを質問するIPパケット1324(図139)を電話番号サーバ1272に示し(ステップV7)、電話番号サーバ1272は、電話機1216が接続するメディアルータ1202の外部IPアドレス“EA2”及び内部IPアドレス“IA2”と、代理電話サーバ1275の外部IPアドレス“EA82”及び内部IPアドレス“IA82”と、電話管理サーバ1274のIPアドレス“IA92”とを含むIPパケット1325(図140)を、電話管理サーバ1271に回答する (ステップV8)。電話管理サーバ1271は、電話番号サーバ1272から取得した5つのIPアドレス“EA2”,“IA2”,“EA82”,“IA82”,“IA92”をCIC管理表1323(図138)に追加し、この結果はCIC管理表1326−1(図141)の2行目レコードのIPアドレス項目の欄に示されている。
【0352】
次に、電話管理サーバ1271はCIC管理表1326−1(図141)のIPアドレス情報を参照し、パケット1322(図137)からIPパケット1327(図142)(IAMパケットという)を形成し、IPパケット1327を電話管理サーバ1274へ送信する(ステップV9)。ここで、IPパケット1327の送信元IPアドレスは電話管理サーバの“IA91”であり、宛先IPアドレスは電話管理サーバ1274の“IA92”である。電話管理サーバ1271は後述するステップV16の待ち状態に移行すると共に、回線番号“CIC-2”と対応付けたステップV16待ちタイマを起動する。このタイマが満了した場合は、後述するステップV60におけると同様の通話回線の解放手続きを開始する。
【0353】
<<着信回線数の制御>>
電話管理サーバ1274は、受信したIPパケット1327(図142)から宛先側のメディアルータ1202のアドレス“EA2”を取り出し、(図161の)着信回線管理表1326−6と比較し、使用中回線数を”1”増やして上限回線数と比較する。本実施例では、アドレス“EA2”のレコードについて、使用中回線数は“2”であり、上限回線数は“7”であるので、次の手続きに進む。電話管理サーバ1274は、着信回線管理表1326−6を用いて着信回線制御を行うか否かを選択できる。
【0354】
<<回線番号の管理>>
電話管理サーバ1274はIPパケット1327を受信すると、そのペイロード部分に含まれる回線番号“CIC-2”、手順区分“IAM”、送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”、IPアドレス(“EA1”,“IA1”,“EA81”,“IA81”,“IA91”,“EA2”,“IA2”,“EA82”,“IA82”,“IA92”)を取り出し、電話管理サーバ1274が管理するCIC管理表1326−2(図143)のレコードとして書き込み記録する。この書込み時刻“St-3”も、CIC管理表1326−2のレコードに書込む。
【0355】
電話管理サーバ1274は、続いてIPパケット1327から取得した情報を用いてIPパケット1328(図144)を形成し、代理電話サーバ1275へ送信する(ステップV10)。IPパケット1328のペイロードはUDPセグメント及びアドレス領域を含み、前記UDPセグメント内部に送信元メディアルータ1201のIPアドレス“EA1”を追加している。前記アドレス領域はIPアドレス“EA2,IA2,EA82,IA82”を含む。
【0356】
代理電話サーバ1275は、IPパケット1328から取得した情報を用いて、IPパケット1329(図145)を形成して網ノード装置1247へ送信する。送信元アドレス“IA82”、宛先アドレス“IA2”であるIPパケット1329は網ノード装置1247へ到達し(ステップV11)、網ノード装置1247は受信したIPパケット1329を逆カプセル化し、IPパケット1330(図146)を形成した後、IPパケット1330をメディアルータ管理部1267へ送信する(ステップV12)。
【0357】
メディアルータ管理部1267はIPパケット1330を受信し、内部に含まれる宛先電話番号“234−2001”が着信可能であるかを確認し、着信可能であれば電話機1216に呼出し(着信)を通知する(ステップV20)。更に、IPパケット1330の内容、つまり送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”、送信元のIPアドレス“EA1”、送信元のUDPポート番号“5006”、付加情報Info-2を読み出し、保持する。メディアルータ管理部1267は電話機1216の着信可能性(着信可能又は不可能の区分)を知らせるため、送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”及び着信可能性を含むIPパケットを生成し、電話管理サーバ1274へ通知する(ステップV13, V14,V15)。なお、ステップV13,V14,V15において使用するIPパケットの形式は、後述するステップV22,V23,V24で使用するIPパケットの形式と同様である。
【0358】
電話管理サーバ1274はメディアルータ管理部1267が形成し送信した前記IPパケットを受信し、前記受信したIPパケットから送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”及び着信可能性の情報を取り出す。そして、前記2つの電話番号から回線番号“CIC-2”を算出し、回線番号“CIC-2”と電話機1216の着信可能性の情報を含むIPパケット1331(図147)(ACMパケットという)を形成し、電話管理サーバ1271へ送信する(ステップV16)。電話管理サーバ1271は、受信したIPパケット1331から回線番号“CIC-2”及び手順区分“ACM”を取り出し、前記ステップV9の時点で設定した回線番号“CIC-2”に対応付けたACM待ちタイマを停止し、電話管理サーバ1271が保持するCIC管理表1326−1(図141)を調べて、回線番号が“CIC-2”であるレコードを見出し、前記レコードの手順区分欄を前記手順区分“ACM”に書き変える。
【0359】
次に、電話管理サーバ1271は、前記ACMパケットを受信したことを示すIPパケット(電話機1216の着信可能性の情報を含む)を生成し、メディアルータ管理部1260へ通知する(ステップV17,V18,V19)。なお、ステップV17,V18,V19で用いるIPパケットの形式は、後述するステップV26,V27,V28で用いるIPパケットの形式と同一である。ステップV17,V18,V19は実施するか否かを選択できる。
【0360】
電話機1216が電話呼出中をメディアルータ管理部1267に報告すると(ステップV21)、電話機1216が電話呼出中であることを知らせるため、送信元電話番号“1001”及び宛先電話番号“234−2001”と、電話機が音声通信に用いるUDPポート番号“5008”と、付加情報Info-3とを含むIPパケット1332(図148)を形成して、網ノード装置1247に送信する(ステップV22)。網ノード装置1247は、アドレス管理表1254のアドレス値が“EA2,EA82,IA2,IA82”であるレコードを用いてIPパケット1332をカプセル化し、IPパケット1332−1(図149)を形成する。IPパケット1332−1は代理電話サーバ1275に送信され(ステップV23)、代理電話サーバ1275はIPパケット1332−2(図150)を形成し、電話管理サーバ1274に送信する(ステップV24)。
【0361】
電話管理サーバ1274は、受信したIPパケット1332−2から送信元電話番号“1001”及び宛先電話番号“234−2001”を取り出し、前記2つの電話番号から回線番号“CIC-2”を算出して、IPパケット1333(図151)(CPGパケットという)を形成し、電話管理サーバ1271へ送信する(ステップV25)。IPパケット1333は、IPパケット1332−2から取得したUDPポート番号“5008”及び付加情報Info-3を含んでいる。
【0362】
電話管理サーバ1271は、受信したIPパケット1333から回線番号“CIC-2”、手順区分“CPG”、UDPポート番号“5008”及び付加情報Info-3を取り出し、CIC管理表1326−1(図141)の回線番号“CIC-2”であるレコードの手順区分を“CPG”と書換え、IPアドレス“EA1,IA1,EA81,IA81”、送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”を読み出し、これら取得した情報を用いてIPパケット1333−1(図152)を形成して代理電話サーバへ送信する(ステップV26)。
【0363】
代理電話サーバ1270は、受信したIPパケット1333−1に含まれる情報を用いてIPパケット1333−2(図153)を形成して網ノード装置1244に送信し(ステップV27)、網ノード装置1244は受信したIPパケット1333−2を逆カプセル化し、IPパケット1333−3(図154)を形成してメディアルータ管理部1260へ送信する(ステップV28)。メディアルータ管理部1260は、受信したIPパケット1333−3から送信元電話番号“1001”、宛先電話番号“234−2001”、宛先のIPアドレス“EA2”、宛先のUDPポート番号“5008”、付加情報Info-3を読み出して保持する。メディアルータ管理部1260は宛先電話呼出し中を電話機1208に通知する(ステップV29)。
【0364】
次に、電話機1216の利用者が電話呼出しに応答すると(ステップV31)、電話機1216が電話機1216の応答を知らせるため、送信元電話番号“1001”及び宛先電話番号“234−2001”含むIPパケットを電話管理サーバ1274へ送信する(ステップV32,V33,V34)。電話管理サーバ1274は、前記受信したIPパケットから送信元電話番号“1001”と宛先電話番号“234−2001”とを取り出し、前記2つの電話番号から回線番号“CIC-2”を算出し、少なくとも回線番号“CIC-2”を含むIPパケット1334(図155)(ANMパケットという)を形成し、電話管理サーバ1271へ送信する(ステップV35)。電話管理サーバ1271は、受信したIPパケット1334から回線番号“CIC-2”及び手順区分“ANM”を取り出し、電話管理サーバ1271が保持するCIC管理表1326−1(図141)を調べて、回線番号が“CIC-2”であるレコードを見出し、前記レコードの手順区分欄を前記手順区分“ANM”に書き変える。
【0365】
次に、電話管理サーバ1271は前記ANMパケットの受信、つまり電話機1216が電話呼出しに応答したことをメディアルータ管理部1260へ通知し(ステップV36,V37,V38,)、メディアルータ管理部1260は応答したことを電話機1208へ送る(ステップV39)。
【0366】
<<IP通信レコードの設定>>
電話管理サーバ1274は、前記ステップV34において電話管理サーバ1274を通過するIPパケットに対応づける回線番号“CIC-2”について、電話管理サーバ1274が有するCIC管理表1326−2から回線番号が“CIC-2”であるレコードを見出し、このレコード内部からIPアドレス“EA2”,“EA1”,“IA2”,“IA1”を取り出して表管理サーバ1276に送信し(ステップV42)、表管理サーバ1276は、網ノード装置1247内部のアドレス管理表1254の2行目のレコード“EA2,EA1,IA2,IA1”として設定する(ステップV43)。
【0367】
同様に、電話管理サーバ1271は、前記ステップV35において電話管理サーバ1271を通過するIPパケットの中から回線番号“CIC-2”を取得し、電話管理サーバ1271が有するCIC管理表1323から回線番号が“CIC-2”であるレコードを見出し、このレコード内部からIPアドレス“EA1”,“EA2”,“IA1”,“IA2”を取り出して表管理サーバ1273に送信し(ステップV44)、表管理サーバ1273は、網ノード装置1244内部のアドレス管理表1250の5行目のレコード“EA1,EA2,IA1,IA2”として設定する(ステップV45)。
【0368】
<<接続フェーズのバリエーション>>
なお、メディアルータ管理部1267はステップV31に対する応答確認を電話機1216に送信することができ(ステップV41)、同様に、電話機1208はステップV39に対する応答確認をメディアルータ管理部1260に送信することができる(ステップV40)。ステップV41及びステップV40は、実施するかしないかを選択できるオプションである。また、前記説明した接続フェーズにおいて、電話機1216の通話用UDPポート及び付加情報はステップV22乃至V29で送信したが、代わりにステップV32乃至V39で行うことも出来る。
【0369】
<<通信フェーズ>>
電話機1208の利用者と電話機1216との電話通信は、他の実施例で説明しているのと同様のステップであり、アドレス管理表1250内部、前記接続フェーズにおいて設定された第5行目のIP通信レコード(“EA1,EA2,IA1,A2”)と、アドレス管理表1254内部の第2行目のIP通信レコード(“EA2,EA1,IA2,IA1”)とが用られる。電話機1208の音声はディジタル化されて、IPパケット1335(図156)のペイロードに載せられる。ここで、前記接続フェーズにおいて入手した宛先アドレス及びUDPポート番号が用いられる。即ち、送信元アドレスはメディアルータ1201のIPアドレス“EA1”であり、宛先アドレスは宛先電話機1216の接続するメディアルータ1202のIPアドレス“EA2”であり、送信元UDPポート番号として“5006”、宛先UDPポート番号として“5008”が用いられる。電話機1208からアナログ音声が送られ(ステップV50)、メディアルータ管理部1260で音声はディジタル化されて音声IPパケット1335となり、網ノード装置1244に送られる(ステップV51)。ここでカプセル化されてIPパケット1336(図157)となり、IP通信回線経由で、図128のルータ1263、ルータ1264を経て網ノード装置1247に到達し(ステップV52)、ここで逆カプセル化されてメディアルータ管理部1267に到達し(ステップV53)、アナログ音声に戻されて電話機1216に到達する(ステップV54)。電話機1216から送られたアナログ音声は、前記逆方向に送られる(ステップV55乃至V59)。
【0370】
<<解放フェーズ>>
電話機1208の利用者が電話通信の解放を通知すると(図134のステップV60)、メディアルータ管理部1260、網ノード装置1244、代理電話サーバ1270を経由して電話管理サーバ1271に通知され(ステップV60乃至V63)、電話管理サーバ1271は、CIC管理表1326−1の中の回線番号が“CIC-2”であるレコードの終了時刻の欄に終了時刻“Ed-1”を書き込む。次に、解放IPパケット1337(図158)(RELパケットという)を形成して電話管理サーバ1274へ通知し(ステップV64)、電話管理サーバ1274は、電話通信の解放を代理電話サーバ1275を経て電話機1216に通知する(ステップV71乃至V74)。更に、電話管理サーバ1274は、CIC管理表1326−2の中の回線番号が“CIC-2”であるレコードの終了時刻の欄に終了時刻“Ed-2”を書き込み、解放IPパケット1337を受信したことを報告するために、解放完了IPパケット1338(図159)(RLCパケットという)を形成して、電話管理サーバ1271に返信する(ステップV70)。
【0371】
電話管理サーバ1271はステップV64の後、解放指示を代理電話サーバ1270、網ノード装置1244を経由してメディアルータ管理部1260に知らせる(ステップV65,V66,V67)。メディアルータ管理部1267は解放指示を電話機1216に通知すると共に(ステップV74)、解放報告を代理電話サーバを経由して電話管理サーバ1274に知らせる(ステップV75, V76、V77)。
【0372】
<<IP通信レコードの抹消>>
ステップV64の後に、電話管理サーバ1271は、解放IPパケット1337の中に書き込んだ回線番号“CIC-2”を表管理サーバ1273に送信し(ステップV78)、網ノード装置1244内部の回線番号“CIC-2”に対応するアドレス管理表1250のレコード(このケースでは内容が“EA1,EA2,IA1,IA2”であるIP通信レコード)を抹消する(ステップV79)。ステップV70の後に、電話管理サーバ1274は、解放完了IPパケット1338の中に書き込んだ回線番号“CIC-2”を表管理サーバ1276に送信し(ステップV80)、網ノード装置1247内部の回線番号“CIC-2”に対応するアドレス管理表1254のレコード(このケースでは内容が“EA2,EA1,IA2,IA1”であるIP通信レコード)を抹消する(ステップV81)。
【0373】
<<通話情報の収集>>
IP転送網1200内部の運用管理サーバ1277は、適宜定めてある時刻或いは時間間隔毎に電話管理サーバ1271に問い合わせると(図162のステップV200)、電話管理サーバ1271はCIC管理表1326−1の中で終了時刻が書き込まれているかなどを手掛りとして、電話通信が終了しているレコードを検出する。そして、送信元電話番号、宛先電話番号、開始時刻、終了時刻などの電話通信記録を運用管理サーバ1277に通知し(ステップV201)、電話通信が終了しているCIC管理表1326−1のレコードを抹消する。同様に、運用管理サーバ1277は電話管理サーバ1274に問い合わせると(ステップV202)、電話管理サーバ1274はCIC管理表1326−2の中で終了時刻が書き込まれているかなどを手掛りとして、電話通信が終了しているレコードを検出する。そして、送信元電話番号、宛先電話番号、開始時刻、終了時刻などの電話通信記録を運用管理サーバ1277に通知し(ステップV203)、電話通信が終了しているCIC管理表1326−2のレコードを抹消する。このようになっているから、電話管理サーバを経由する電話通信の記録、つまり送信元電話番号、宛先電話番号、開始時刻、終了時刻などを収集し、電話通信の課金などに用いることができる。なお、前記通話情報の収集は、実施するかしないかを選択できる。
【0374】
<<発信回線管理と着信回線管理>>
前記接続フェーズにおいて、電話管理サーバ1271は、(図142の)IAMパケット1327形成時に(ステップV9)、図160の発信回線管理表1326−5の送信側のメディアルータのアドレス“EA1”に対応する使用中回線数を”1”増やす。同様に、電話管理サーバ1274は、図161の着信回線管理表1326−6の宛先側のメディアルータのアドレス“EA2”に対応する使用中回線数を“1”増やす。
【0375】
前記解放フェーズにおいて、電話管理サーバ1271は図158のRELパケット1337形成時に(ステップV64)、図160の発信回線管理表1326−5の送信側のメディアルータのアドレス“EA1”に対応する使用中回線数を“1”減数する。同様に、電話管理サーバ1274は図159のRLCパケット1338形成時に(ステップV70)、図161の着信回線管理表1326−6の宛先側のメディアルータのアドレス“EA2”に対応する使用中回線数を“1”減数する。なお、前記発信回線管理及び着信回線管理は、実施するかしないかを選択できる。
【0376】
<<接続フェーズの他の例>>
前記接続フェーズ(ステップV0乃至V45)において、応答確認のステップ(ステップV90乃至V96)を追加することが出来、図163を参照して説明する。メディアルータ管理部1260は応答の通知を受けると(ステップV38)、応答確認の通知を意味するIPパケットを形成して返信することが出来、前記応答確認用のIPパケットは、網ノード装置1244、代理電話サーバ1270、電話管理サーバ1271、電話管理サーバ1274、代理電話サーバ1275、網ノード装置1247を経てメディアルータ管理部1267へ送られる(ステップV90乃至V96)。このようにして、通信の信頼性を向上させることも出来る。
【0377】
<<解放フェーズの他の例>>
前記解放フェーズ(ステップV60乃至V77)に代わり次のステップが可能であり、図163を参照して説明する。
【0378】
電話機1208の利用者が電話通信の解放を通知すると(図168のステップV100)、メディアルータ管理部1260、網ノード装置1244、代理電話サーバ1270、電話管理サーバ1271、電話管理サーバ1274、代理電話サーバ1275、網ノード装置1247、メディアルータ管理部1267を経由して電話機1216に通知される(ステップV100乃至V108)。メディアルータ管理部1267は前記解放の通知を受け取ると(ステップV107)、解放受付を知らせるため前記と逆方向に、つまり網ノード装置1247、代理電話サーバ1275、電話管理サーバ1274、電話管理サーバ1271、代理電話サーバ1270、網ノード装置1244を経由してメディアルータ管理部1260に知らせる(ステップV111乃至V118)。続いて、解放完了の通知を前記と同じルートで、つまり網ノード装置1247、代理電話サーバ1275、電話管理サーバ1274、電話管理サーバ1271、代理電話サーバ1270、網ノード装置1244を経由してメディアルータ管理部1260に知らせる(ステップV121乃至V127)。また、網ノード装置1244内部のアドレス管理表1250と、網ノード装置1247内部のアドレス管理表1254内部の音声通信に用いたレコードとを抹消することは、前記ステップV80及びV81、或いはステップV78及びV79と同様である。解放受付と解放完了の2度の手順により信頼性を高めることができる。
【0379】
<<TCP技術の採用>>
前記接続フェーズ及び解放フェーズにおいて、電話管理サーバ1271と電話管理サーバ1274との間の通信、つまり図134に示すステップV9,V16,V25,V35,V64,V70をUDP通信により実施する代わりに、TCP通信により実施することができ、図164乃至図169を参照し、以下に説明する。
【0380】
図164はステップV9をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274に、TCPコネクション確立のためのSYN指定を含むTCPパケット1390−1を送信し、電話管理サーバ1274は、通信開始了解のACK表示を含むTCPパケット1391−1を回答し、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274にIPパケット1327と同一内容(呼設定IAMの通知)を含むTCPパケット1392−1を送信する(ステップV9t)。次に、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274に、TCPコネクション終了のためのFIN指定を含むTCPパケット1393−1を送信し、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に終了確認のためのTCPパケット1394−1を返信する。
【0381】
図165はステップV16をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に、TCPコネクション確立のためのSYN指定を含むTCPパケット1390−2を送信し、電話管理サーバ1271は通信開始了解のACK表示を含むTCPパケット1391−2を回答し、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271にIPパケット1331と同一内容(呼設定受付ACMの通知)を含むTCPパケット1392−2を送信する(ステップV16t)。次に、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に、TCPコネクション終了のためのFIN指定を含むTCPパケット1393−2を送信し、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274に終了確認のためのTCPパケット1394−2を返信する。
【0382】
図166はステップV25をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1271に、TCPコネクション確立のためのSYN指定を含むTCPパケット1390−3を送信し、電話管理サーバ1271は通信開始了解のACK表示を含むTCPパケット1391−3を回答し、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271にIPパケット1333と同一内容(呼経過CPGの通知)を含むTCPパケット1392−3を送信する(ステップV25t)。次に、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に、TCPコネクション終了のためのFIN指定を含むTCPパケット1393−3を送信し、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274に終了確認のためのTCPパケット1394−3を返信する。
【0383】
図167はステップV35をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に、IPパケット1334と同一内容(呼経過ANMの通知)を含むTCPパケット1392−4を送信することが特徴であり(ステップV35t)、前記他の方法と同様にして実施できる。また、図168はステップV64をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1271から電話管理サーバ1274に、IPパケット1337と同一内容(解放RELの通知)を含むTCPパケット1392−5を送信することが特徴であり(ステップV64t)、前記他の方法と同様にして実施できる。
【0384】
図169はステップV70をTCP通信により実施する例であり、電話管理サーバ1274から電話管理サーバ1271に、IPパケット1338と同一内容(解放完了RLCの通知)を含むTCPパケット1392−6を送信することが特徴であり(ステップV70t)、前記他の方法と同様にして実施できる。
【0385】
<<制御回線と通話回線の分離>>
次に、開域電話通信において、端末間接続制御において用いられるIP通信回線と音声通信において用いられる通信回線とが分離できることを説明する。
【0386】
端末間接続制御において用いられるIPパケット1322、1327,1328,1331,1332−2,1333,1333−1、1334、1337、1338は、代理電話サーバ1270、電話管理サーバ1271、電話管理サーバ1274、代理電話サーバ1275を結ぶIP通信回線の範囲1289(図170)を転送する。一方、音声通信において用いられるIPパケット1335及び1336は、網ノード装置1244、ルータ1291、ルータ1292、網ノード装置1247を結ぶIP通信回線の範囲1293(図170)を転送される。端末間接続制御において用いられるIP通信回線は交換通信網の共通線信号網の回線に相当し、音声通信において用いられる通信回線は交換通信網の音声通信回線に対応できる。
【0387】
このようになっているから、網ノード装置1244は、メディアルータ1201から送信される端末間通信接続用のIPパケットを、ルータ1263へ送信し、音声通信用のIPパケットを、ルータ1291へ分離して送信する機能があり、逆方向のIPパケットの流れに着目すると、端末間通信接続用のIPパケットと音声通信用のIPパケットを合流して、メディアルータ1201へ送信する。
【0388】
<<電話番号の木構造と電話DNSサーバ>>
図171に示す木構造は会社Bの電話番号サーバ1140が管理する電話番号の木構造であり、ルート1250の下位に、ドメイン1251乃至1254が同位のレベルで木構造状に関係付けられており、ドメイン1251は電話番号“1×××”(1000番代の電話番号)を、ドメイン1252は電話番号“2×××”を、ドメイン1253は電話番号“3×××”を、ドメイン1254はその他の電話番号に関係するIPアドレスをそれぞれ管理する。図172に示す木構造は会社Aの電話番号サーバ1142が管理する電話番号の木構造であり、ルート1251の下位に、ドメイン1251−2と1251−3、1254が同位のレベルで木構造状に関係付けられており、ドメイン1251−2は会社Aの電話番号“1×××”を、ドメイン1251−3は会社Aのドメイン“#”をそれぞれ管理し、ドメイン1251−4は会社Aの内線電話番号“1××”を、ドメイン1251−5は会社Aの内線電話番号“2××”を、ドメイン1251−6は会社Aの内線電話番号“3××”に関するIPアドレスをそれぞれ管理する。
【0389】
ここで、ドメインの“#”は会社Aの専用の秘密値であり、他の会社には非公開である。つまり、会社A以外の会社Bや会社Cなどに属する電話番号サーバから質問に対して、電話番号サーバ1142は、ドメインの“#”の配下にあるドメイン1151−4乃至1151−6に関する情報を回答しないようになっている。ドメイン1254はその他の電話番号に関係するIPアドレスを管理する。
【0390】
図173に示す木構造は会社Aの電話番号サーバ1137が管理する電話番号の木構造であり、ルート1250−1の下位に、ドメイン1251乃至1254が同位のレベルで木構造状に関係付けられており、ドメイン1251は会社Aに属する電話番号を、ドメイン1252は会社Bの電話番号“2×××”を、ドメイン1253は会社Cの電話番号“3×××”を、ドメイン1254はその他の電話番号に関するIPアドレスをそれぞれ管理する。ドメイン1251−2は会社Aの電話番号“1×××”を、ドメイン1251−3は会社Aのドメイン“#”をそれぞれ管理し、ドメイン1251−4は会社Aの内線電話番号“1××”を、ドメイン1251−5は会社Aの内線電話番号“2××”を、ドメイン1251−6は会社Aの内線電話番号“3××”に関するIPアドレスをそれぞれ管理する。
【0391】
ここで、ドメインの“#”は、前述した会社Aの専用の秘密値である。また、図174に示す木構造は会社Xの電話番号サーバ1139が管理する電話番号の木構造であり、ルート1250−2の下位に、ドメイン1254−2と1254が同位のレベルで木構造状に関係付けられており、ドメイン1254−2は会社Xに属する電話番号を、ドメイン1254は他の電話番号に関するIPアドレスをそれぞれ管理する。
【0392】
図175の表1255−1は、メディアルータ管理部1260が、メディアルータ1201に接続する電話機1208乃至1211が通話相手先とする電話番号をドメイン名に変換する方法を表わしており、表1255−1の1行目の電話番号“1×××”、例えば電話番号“1001”を電話番号ドメイン名“1.a.”で表現し、表1255−1の2行目の電話番号“2×××”を電話番号ドメイン名“b.”で表現し、表1255−1の7行目の他電話番号を電話番号ドメイン名“o.”で表現することを意味し、他の行も同様である。電話番号サーバ1137は図176の表1255−2に従い、例えば電話番号ドメイン名“1.a.”を質問されてIPアドレス“EA1”を回答し、電話番号ドメイン名“b.”を質問されてIPアドレス“EA5”を回答し、電話番号ドメイン名“o.”を質問されてIPアドレス“EA81”を回答する。
【0393】
図177の表1256−1は、メディアルータ管理部1264が、メディアルータ1203に接続する電話機1228乃至1231が通話相手先とする電話番号をドメイン名に変換する方法を表わしており、表1256−1の1行目の電話番号“1×××”を電話番号ドメイン名“1.a.”で表現し、表1256−1の2行目の電話番号“1××”を電話番号ドメイン名“1.#.a.”で表現し、表1256−1の5行目の他電話番号を電話番号ドメイン名“o.”で表現することを意味し、他の行も同様である。電話番号サーバ1142は図178の表1256−2に従い、例えば電話番号ドメイン名“1.a.”を質問されてIPアドレス“EA1”を回答し、電話番号ドメイン名“1.#.a.”を質問されてIPアドレス“EA1”を回答し、電話番号ドメイン名“o.”を質問されてIPアドレス“EA81”を回答する。
【0394】
図179の表1257−1は、メディアルータ管理部1266が、メディアルータ1205に接続する電話機1220乃至1223が通話相手先とする電話番号をドメイン名に変換する方法を表わしており、表1257−1の1行目の電話番号“1×××”を電話番号ドメイン名“a.”で表現し、表1257−1の2行目の電話番号“2×××”を電話番号ドメイン名“b.”で表現し、表1256−1の4行目の他電話番号を電話番号ドメイン名“o.”で表現することを意味し、他の行も同様である。電話番号サーバ1140は図180の表1257−2に従い、例えば電話番号ドメイン名“a.”を質問されてIPアドレス“EA1”を回答し、電話番号ドメイン名“b.”を質問されてIPアドレス“EA5”を回答し、電話番号ドメイン名“o.”を質問されてIPアドレス“EA81”を回答する。
【0395】
電話番号サーバ1137乃至1142は、ドメイン名サーバ(DNS)の公知の再帰呼出機能を用いて他の電話番号サーバを呼出し、他の電話番号サーバが直接管理するIPアドレスを取得している。
【0396】
以上を要約すると、次のようになる。即ち、メディアルータ1とメディアルータ2とがIP転送網を経由して接続されており、電話機1がメディアルータ1に接続され、電話機2がメディアルータ2に接続されており、電話機1及び電話機2がメディアルータ1の内部の電話番号サーバを用い、IP転送網内部の電話番号サーバを用いずに、電話通信することができる。なお、メディアルータ1或いはメディアルータ2には、複数の電話機が接続できる。また、IP転送網は固有の電話番号サーバを含み、電話機1及び電話機2が、メディアルータ1の内部の電話番号サーバを用いてIP転送網内の電話番号サーバにアクセスし、電話機2に電話通信することができる。
【0397】
IP転送網は2以上の網ノード装置を含み、メディアルータは論理IP通信回線を経て前記網ノード装置のいずれかに接続されており、前記論理IP通信回線の網ノード装置側の終端部に内部IPアドレスが付与されており、それぞれのメディアルータには外部IPアドレスが付与されており、電話番号サーバを内部に有し、かつメディアルータは通信回線を経て1以上の電話機に接続されている。網ノード装置の内部のアドレス管理表のレコードとして、前記外部IPアドレス及び通信レコードが予め設定されており、電話通信の接続フェーズは呼設定(IAM)、呼設定受付(ACM)、呼経過(CPG)、応答(ANM)から成る一連のステップで成り、また、電話通信の解放フェーズは解放(REL)及び解放完了(RLC)から成る一連のステップで成る。また、応答(ANM)の後に応答確認(ACK)を実施し、解放(REL)と解放完了(RLC)との間に解放受付を実施することもできる。
【0398】
発信側の電話管理サーバと着信側の電話管理サーバとの間で、IAMパケット、ACMパケット、CPGパケット、ANMパケット、RELパケット、RLCパケットを送受するようになっている。通話相手を限定する閉域電話通信においては、メディアルータ内部の電話番号サーバが用いられ、また、通話相手を限定しない開域電話通信においては、メディアルータ内部の電話番号サーバを用いることにより、IP転送網の内部の電話番号サーバが用いられる。開域電話通信において、端末間接続制御において用いられるIP通信回線と、音声通信において用いられる通信回線とが分離できる。電話管理サーバがCIC管理表を有し、送信元電話番号、宛先電話番号、電話通信の開始時刻、終了時刻を記録できるようになっている。運用管理サーバが電話管理サーバに問い合わせて、送信元電話番号、宛先電話番号、電話通信の開始時刻、終了時刻を取得して課金に用いることができる。
【0399】
なお、本実施例において、網ノード装置のIPカプセル化と逆カプセル化を、外部IPパケットに簡易ヘッダを付与して内部パケットを形成する簡易カプセル化と、内部パケットから簡易ヘッダを取り除く逆簡易カプセル化に置き換えることもできる。
【0400】
11. 公衆電話網からの電話転送を行う第11実施例:
<<準備>>
図181を参照して説明する。電話機520は電話番号“03−5414−8510”であり、電話回線517を経て交換機513に接続されている。通信回線524−1は交換機514−1とゲートウェイ521−1とを接続し、インタフェースは共通線信号線と通話回線とを含むNNIであり、共通線信号線上では、共通線信号方式により規定される信号ユニットが伝送される。ゲートウエイ521−1は、一般に公開するGW論理名(ゲートウェイ論理名)“GW5211”と、公衆電話交換網515側から識別できる信号局コード“#1234”とを付与されている。加入者交換機513、511は、前記GW論理名“GW5211”と信号局コード“#1234”との組を、予め内部に保持している。通信回線524−2は交換機514−2とゲートウェイ521−2とを接続し、インタフェースはUNIである。通信回線のゲートウェイ521−2側終端には、電話番号“03−1111−2222”が付与されている。
【0401】
<<NNI回線着信転送の準備>>
電話機520の所有者は電話機520を電話回線517から切り離し、メディアルータ527に接続する通信回線528に電話機530として接続する。電話機530の電話番号は“03−5414−8510”である。電話機520の利用者532は、公衆交換電話網の受付533に電話機520を電話機530の位置、つまり、ゲートウェイ“GW5211”を入口とするIP転送網522に接続換えしたことを通知し(図182のステップH01)、受付533は変更内容、つまり、前記電話番号“03−5414−8510”とGW論理名“GW5211”を通信回線534を経由して交換機513に通知する(ステップH02)。交換機513は前記保持している情報を用いて、GW論理名“GW5211”を信号局コード“#1234”に変換し、その転送処理部516に、電話番号“03−5414−8510”と転送先ゲートウェイ521−1の信号局コード“#1234”との組を記憶させておく(ステップH03)。
【0402】
<<NNI回線着信転送>>
電話番号“047−325−3897”である電話機510から、宛先電話番号“03−5414−8510”に発呼すると(ステップH05)、交換機511が発呼を受付ける(ステップH06)。次に、交換機511から通信回線512を経て、交換機513に電話機520を電話呼出する手順を行う(ステップH08)。交換機513は、転送処理部516に予め記憶している電話番号“03−5414−8510”と転送先ゲートウエイ521−1の信号局コード“#1234”を見出し(ステップH09)、交換機511に前記取得した信号局コード“#1234”を通知する(ステップH10)。交換機511は、受信したゲートウェイ521−1のアドレスとしての前記信号局コード“#1234”を宛先とし、メッセージ部に前記転送先の宛先電話番号“03−5414−8510”を含む信号ユニットを形成して送信すると、前記信号ユニットは、交換機514−1を経て(ステップH11)、通信回線524−1を経てゲートウェイ521−1へ到達する(ステップH12)。以降は、ルータ525−1を経て、電話管理サーバ525を経由し(H15)、接続制御用回線524−5、ルータ525−2、接続制御用回線524−4、網ノード装置523−2を経て(ステップH16)、更に通信回線526を経てメディアルータ527に到達する(ステップH17)。メディアルータ527は、前記電話接続要求に対する電話呼受付の通知を逆の方向に送信すると、前記電話呼受付の通知は、網ノード装置523−2を経て(ステップH21)、更に電話管理サーバ525を経て(ステップH22)、ゲートウエイ521−1に到達する(ステップH23)。ゲートウェイ521−1は、前記電話発呼受付を、交換機514−1を経由し(ステップH25)、交換機511に通知する(ステップH26)。
【0403】
次に、メディアルータ527は通信回線528を経て、電話番号“03−5414−8510”である電話機530を呼び出すと(ステップH28)、その着信呼出中通知が前記と逆方向、つまりメディアルータ527、網ノード装置523−2、接続制御用回線524−4、電話管理サーバ525、ゲートウェイ521−1、交換機514−1、交換機511を経て発呼した電話機510に通知される(ステップH30乃至H37)。電話機530の利用者が送受話器を上げると(オフフック)、電話機530は応答通知をメディアルータ527に通知し(ステップH40)、以下は上述と同様にして、メディアルータ527、網ノード装置523−2、接続制御用回線524−4、電話管理サーバ525、ゲートウェイ521−1、交換機514−1、交換機511を経て発呼した電話機510に通知される(ステップH41〜H47)。
【0404】
前記ステップH11,H12,H15として送受される電話呼接続のための接続制御用データをIAMメッセージといい、ステップH23,H25,H26の間の接続制御用データをACMメッセージといい、ステップH33,H35,H36の間の接続制御用データをCPGメッセージといい、ステップH43,H45,H46の間の接続制御用データをANMメッセージという。前記電話呼接続フェーズにおいて、前記メッセージ(IAM,ACM,CPG,ANM)は、網ノード装置523−1を通過しないことが特徴である。つまり、前記メッセージは、ゲートウェイ521−1と電話管理サーバ525との間を直接に送受される。
【0405】
以上により、電話機510と電話機530との間の通信接続手順が完了し、電話機510と電話機530との間の音声による通話が可能となる。なお、電話機510から送信された音声は、交換機511、交換機514−1、通信回線524−1を経てゲートウェイ521−1に到達し、ゲートウェイ521−1において、ディジタル化された音声となり、網ノード装置523−1、通信回線524−3、ルータ525−2、音声通信用の通信回線524−6、網ノード装置523−2、メディアルータ527に到達し、メディアルータ527において、ディジタル化した音声はアナログ化されて電話機530へ到達する。また、電話機530から送信された音声は、前記と逆の通信路を経由して伝達されて電話機510に到達する。
【0406】
電話の通話終了において、電話機510から電話の呼解放が交換機511に送出され(ステップH50)、交換機514−1を経て(ステップH51)、ゲートウエイ521−1に通知され(ステップH53)、ゲートウエイ521−1から呼解放完了の通知を交換機511宛てに送出する(ステップH54,H55)。
【0407】
次にゲートウェイ521−1は、前記手順で取得した電話呼の解放をIP転送網522を経由して電話機530宛てに送出し(ステップH61乃至H64)、呼解放完了の通知がメディアルータ527からゲートウェイ521−1宛てに返送される(ステップH65〜H67)。逆方向、つまり電話機530から公衆電話交換網515に向けて呼解放できることは、他の実施例により説明している。前記ステップH51,H53,H61の電話呼解放の接続制御用データをRELメッセージといい、ステップH67、H54、H55の接続制御用データをRLCメッセージという。
【0408】
なお、上記ステップH01乃至H03を行わず、電話機520の所有者532が電話番号“03−5414−8510”である電話機520から電話機530の位置、つまり、ゲートウェイ“GW5211”を入口とするIP転送網522に接続換えする予告を、通信回線517を経由して交換機513に通知した後に、電話機520を電話機530の位置に接続換えすることができ(図182のステップH01X)、次に交換機513は、前記保持している情報を用いて、GW論理名“GW5211”を信号局コード“#1234”に変換し、その転送処理部516に、電話番号“03一5414−8510”と転送先ゲートウェイ521−1の信号局コード“#1234”との組を保持させておく方法を採用することもできる(ステップH03X)。
【0409】
以上により、NNI回線経由の電話着信転送の説明を終わり、次にUNIに基く電話着信転送を説明する。
【0410】
<<UNI回線着信転送の準備>>
図181及び図183を参照して説明する。電話機520の所有者は電話機520を電話回線517から切り離し、通信回線528に電話機530として接続する。電話機530の電話番号は“03−5414−8510”である。次に電話機520の利用者532は、受付533に電話機520を接続換えしたことを通知し(ステップH01)、受付533は、変更内容を通信回線534を経由して交換機513に通知する(ステップH02)。交換機513はその転送処理部516に、電話番号“03−5414−8510”と、通信回線524−2の転送先ゲートウェイ521−2側終端部に付与されている電話番号“03−1111−2222”との組を記憶させておく(ステップH03-2)。
【0411】
<<UNI回線着信転送>>
本ケースにおいては、交換機514−1の代わりに交換機514−2を用い、更にゲートウェイ521−1の代わりにゲートウェイ521−2を用いることが異なっている。この理由から、交換機514−2とゲートウェイ521−2の間の端末間通信接続制御手順が、新しいステップH12-2及びステップH13-2になることが特徴であり、以下に説明する。
【0412】
電話番号“047−325−3897”である電話機510から宛先電話番号“03−5414−8510”に発呼すると(ステップH05-2)、交換機511が発呼を受付ける(ステップH06-2)。次に、交換機511から、通信回線512を経て交換機513(ステップH08-2)に、電話機520を電話呼出する。交換機513は、転送処理部516に予め記憶している電話番号“03−5414−8510”と転送先ゲートウエイ521−2の入力回線524−2の終端部に付与された電話番号“03−1111−2222”とを見出し(ステップH09-2)、前記取得した電話番号“03−1111−2222”を交換機511に通知する(ステップH10-2)。交換機511は、前記受信したゲートウェイ521−2の入力回線の電話番号 “03−1111−2222”を宛先とし、前記転送先の宛先電話番号“03−5414−8510”を含む信号ユニットを形成して送信すると、前記信号ユニットは交換機514−2に到達する(ステップH11-2)。前記信号ユニットに含まれる電話接続要求(SETUP)が、通信回線524−2を経てゲートウェイ521−2送られると(ステップH12-2)、ゲートウェイ521−2は、前記ステップH12-2の電話呼接続要求を受付たことを交換機514−2に通知する(ステップH13-2)。更に、網ノード装置523−1を経て(ステップH14-2)、ルータ525−2を経て、電話管理サーバ525を経由し(H15-2)、再びルータ525−2、接続制御用回線524−4、網ノード装置523−2を経て(ステップH16-2)、通信回線526を経て、メディアルータ527に到達する(ステップH17-2)。
【0413】
メディアルータ527は前記電話接続要求に対する電話呼受付の通知を逆の方向に送信すると、前記電話呼受付の通知は網ノード装置523−2を経て(ステップH21−2)、電話管理サーバ525を経て(ステップH22-2)、網ノード装置523−1を経て(ステップH23-2)、ゲートウエイ521−2に到達する(ステップH24-2)。ゲートウェイ521−2は、前記電話発呼受付を交換機514−2を経由し(ステップH25-2)、交換機511に通知する(ステップH26-2)。
【0414】
次に、メディアルータ527は通信回線528を経て電話番号“03−5414−8510”である電話機530を呼び出すと(ステップH28-2)、その着信呼出中通知が前記と逆方向、つまりメディアルータ527(ステップH30-2)、網ノード装置523−2(ステップH31-2)、電話管理サーバ525(ステップH32-2)、網ノード装置523−1(ステップH33-2)、ゲートウェイ521−2(ステップH34-2)、交換機514−2(ステップH35-2)、交換機511を経て(ステップH36-2)、発呼した電話機510に通知される(ステップH37-2)。
【0415】
電話機530の利用者が送受話器を上げると(オフフック)、電話機530は応答通知をメディアルータ527に通知し(ステップH40-2)、以下は上述と同様にして、メディアルータ527、網ノード装置523−2、電話管理サーバ525、網ノード装置523−1、ゲートウェイ521−2、交換機514−2、交換機511を経て、発呼した電話機510に通知される(ステップH41-2〜H47-2)。前記電話呼接続フェーズにおいて、ゲートウェイ521−2と電話管理サーバ525との間の接続フェーズのために、網ノード装置523−1を経由したメッセージの送受が行われることが特徴である。
【0416】
以上により、電話機510と電話機530との間の通信接続手順が完了し、電話機510と電話機530との間の音声による通話が可能となる。
【0417】
<<通話フェーズと解放フェーズ>>
通話フェーズと解放フェーズは、前記NNI回線着信転送のケースと同様であり、異なる点は、交換機514−1の代わりに交換機514−2を用い、更にゲートウェイ521−1の代わりにゲートウェイ521−2を用いる点である(ステップH50-2及至H53-2、H54-2及至H55-2、H60-2及至H63-2、H65-2及至H68-2)。
【0418】
<<UNI経由の着信転送の他実施例>>
図181及び図184を参照して説明する。電話機520の所有者は電話機520を電話回線517から切り離し、メディアルータ527に接続する通信回線528に電話機530として接続することは、前記実施例のUNI回線着信転送の準備と同様である。
【0419】
<<UNI回線着信転送>>
このUNI回線着信転送の実施において、交換機511及び交換機514−2は、交換機513を経由して接続制御用メッセージを送受することが特徴であり、以下に説明する。
【0420】
電話番号“047−325−3897”である電話機510から宛先電話番号“03−5414−8510”に発呼すると(ステップH05-3)、交換機511が発呼受付し(ステップH06-3)、交換機511から、通信回線512を経て交換機513に電話機520を電話呼出する(ステップH08-3)。交換機513は、転送処理部516に予め記憶している電話番号“03−5414−8510”と転送先ゲートウエイ521−2の入力回線524−2の終端部に付与された電話番号“03−1111−2222”とを見出し(ステップH09-3)、続いてゲートウェイ521−2の入力回線の電話番号“03−1111−2222”を宛先とし、前記転送先の宛先電話番号“03−5414−8510”を含む信号ユニットを形成して送信すると、前記信号ユニットは交換機514−2に到達する(ステップH11-3)。前記信号ユニットに含まれる電話接続要求(SETUP)が通信回線524−2を経てゲートウェイ521−2送られると(ステップH12-3)、ゲートウェイ521−2は、前記ステップH12-3の電話呼接続要求を受付たことを交換機514−2に通知する(ステップH13-3)。更に、網ノード装置523−1を経て(ステップH14-3)、ルータ525−2を経て、電話管理サーバ525を経由し(ステップH15-3)、再びルータ525−2、接続制御用回線524−4、網ノード装置523−2を経て(ステップH16-3)、通信回線526を経てメディアルータ527に到達する(ステップH17-3)。
【0421】
メディアルータ527は前記電話接続要求に対する電話呼受付の通知を逆の方向に送信すると、前記電話呼受付の通知は網ノード装置523−2を経て(ステップH21-3)、電話管理サーバ525を経て(ステップH22-3)、網ノード装置523−1を経て(ステップH23-3)、ゲートウエイ521−2に到達する(ステップH24−3)。ゲートウェイ521−2は、前記電話発呼受付を、交換機514−2を経由し(ステップH25-3)、交換機513を経由し(ステップH26-3)、交換機511に通知する(ステップH27-3)。
【0422】
次に、メディアルータ527は通信回線528を経て、電話番号“03−5414−8510”である電話機530を呼び出すと(ステップH28-3)、その着信呼出中通知が前記と逆方向、つまりメディアルータ527(ステップH30-3)、網ノード装置523−2(ステップH31-3)、電話管理サーバ525(ステップH32-3)、網ノード装置523−1(ステップH33-3)、ゲートウェイ521−2(ステップH34-3)、交換機514−2(ステップH35-3)、交換機513(ステップH36-3)、交換機511を経て(ステップH37-3)、発呼した電話機510に通知される(ステップH38-3)。電話機530の利用者が送受話器を上げると(オフフック)、電話機530は応答通知をメディアルータ527に通知し(ステップH40-3)、以下は上述と同様にして、メディアルータ527、網ノード装置523−2、電話管理サーバ525、網ノード装置523−1、ゲートウェイ521−2、交換機514−2、交換機513、交換機511を経て発呼した電話機510に通知される(ステップH41-3〜H48-3)。
【0423】
以上により、電話機510と電話機530との間の通信接続手順が完了する。
【0424】
<<通話フェーズと解放フェーズ>>
通話フェーズと解放フェーズは前記UNI回線着信転送のケースと同様であり、異なる点は、交換機511と交換機514−2は、交換機513を経由して接続制御用メッセージを送受する点である。
【0425】
以上述べた原理により、公衆電話交換網515に接続するアナログ電話機510は、IP転送網522を経由して公衆電話交換網において用いる電話番号“03−5414−8510”を有するメディアルータ527に接続したアナログ電話機530と、端末間通信が可能である.更に、メディアルータは他の実施例で説明しているように、LANの内部に設置することが可能である。この理由から、公衆電話交換網において用いる電話審号“03−5414−8510”を有する電話機をLAN内部のメディアルータに接続しておき、公衆電話交換網515に接続するアナログ電話機510からlP転送網522を経由して、電話番号“03−5414−8510”を有するLAN内部のアナログ電話機へ接続し、端末間通信が可能である。
【0426】
以上を要約すると、公衆電話交換網に接続する電話機への電話呼接続要求を、IP転送網に接続する電話機へ転送する技法であり、公衆電話交換網515の中継交換機514−1とIP転送網522のゲートウェイ521−1は、NNIインタフェース通信回線524−1で接続しており、加入者交換機513に接続する電話番号“TN−1”である電話機520を、IP転送網522に接続するメディアルータ527に、電話番号“TN−1”として接続し、加入者交換機511に接続する電話番号“TN−2”である電話機510から電話番号“TN−1”に電話呼接続要求すると、前記接続要求は加入者交換機513に到達し、加入者交換機513の着信転送機能により、前記接続要求は、中継交換機514−1、NNIインタフェース通信回線524−1、ゲートウェイ521−1、IP転送網522、メディアルータ527を経由して、電話機530に到達するようになっている。
【0427】
また、公衆電話交換網515の加入者交換機514−2とIP転送網522のゲートウェイ521−2は、UNIインタフェース通信回線524−2で接続しており、公衆電話交換網515の加入者交換機513に接続する電話番号“TN−1”である電話機520を、前記IP転送網に接続するメディアルータ527に、電話番号“TN−1”として接続し、加入者交換機511に接続する電話番号“TN−2”である電話機510から電話番号“TN−1”に電話呼接続要求すると、前記接続要求は加入者交換機513に到達し、加入者交換機513の着信転送機能により、前記接続要求は、加入者交換機514−2、UNIインタフェース通信回線524−2、ゲートウェイ521−2、IP転送網522、メディアルータ527を経由して、電話機530に到達するようになっている。
【0428】
12.公衆電話網からの電話転送を行う第12実施例:<<準備>> 図185において、540はIP転送網、541乃至545は網ノード装置、546−1乃至546−5は中継装置(ルータ)、550及び554は“回線情報を含むゲートウェイ”、551、552、553はゲートウェイである。これら網ノード装置、中継装置及びゲートウェイは、それぞれIPパケット転送機能を有する通信回線を経由して直接に、或は前記中継装置を経て間接的に接続されている。555乃至556は公衆電話交換網(PSTN)、557乃至566は交換機、570乃至573は電話機、597及び598は電話機、576乃至578はネットワークネットワークインターフェース(NNI)を有する通信回線、580乃至581はユーザネットワークインターフェース(UNI)を有する通信回線、583はIPパケット転送機能を有する通信回線である。584及び585はIP転送網入回線表であり、586乃至590はIP転送網出回線表である。591はメディアルータである。593乃至594は電話番号サーバであり、通信回線を経てルータ546−1又はルータ546−3に接続されている。NNI通信回線に接続するゲートウェイ550、554は、公衆電話交換網側から識別するための信号局コードと、IP転送網540から識別するためのIPアドレスとをそれぞれ個別に付与されている。
【0429】
回線情報を含むゲートウェイ550には通信事業者識別コード“00XY”が付与され、回線情報を含むゲートウェイ554には通信事業者識別コード“00UV”が付与されている例である。ゲートウェイ551には信号局コード“#2222”が付与され、ゲートウェイ552の通信回線580側の入口には電話番号“03−4444―4000”が付与されている。電話番号サーバ593乃至594は電話番号を提示すると、この電話番号を有しているゲートウェイのIPアドレス、或はこの電話番号を有しているメディアルータ(MR)のIPアドレスを回答する機能を有し、IP転送網出回線表586乃至590は、前記ゲートウェイやメディアルータが有する全ての電話番号と対応するIPアドレス情報を含む。電話機570の電話番号は“03−1111−2222”であり、電話機571の電話番号は“06−3333−4444”であり、電話機572の電話番号は“092−555−6666”であり、電話機597の電話番号は“07−3333−4444”であり、電話機598の電話番号は“093−555−6666”であり、それぞれ通信回線を経て公衆電話交換網555或いは556内部のいずれかの交換機に接続されており、電話機573は電話番号“045−777−8888”であり、通信回線を経てメディアルータ591に接続されている。
【0430】
図186はIP転送網入回線表584の内容(例)を示しており、第1行目のレコードの場合、宛先電話番号の範囲が“06−0000−0000”から“06−9999−9999”である電話機に、通信回線を接続するためのゲートウェイの区分はNNIであり、ゲートウェイの信号局コードは“#2222”であることを示している。このケースでは、当該ゲートウェイは551となっている。第5行目のレコードの場合も、同様である。また、第2行目の場合、宛先電話番号の範囲が“092−0000−0000”から“092−999−9999”である電話機に、通信回線を接続するためのゲートウェイの区分はUNIであり、ゲートウェイに接続する電話番号は、“03−4444−4000”乃至“03−4444−4099”の範囲にあることを示している。このケースでは当該ゲートウェイが552となっている。第3行目のレコード、第4行目のレコードも同様である。IP転送網入回線表585の内容は、IP転送網入回線表584と同様の内容を含む。
【0431】
図187は、IP転送網出回線表586の内容(例)を示しており、第1行目のレコードの場合、宛先電話番号の範囲が“06−0000−0000”から“06−9999−9999”である電話機に、通信回線を接続するためのゲートウェイ(GW)又はメディアルータ(MR)がIP転送網に接続しており、GW又はMRのIPアドレスは“10.240.240.1”乃至“10.240.240.255”であることを示しており、第2行目のレコードも同様である。IP転送網出回線表587乃至590の内容はIP転送網出回線表586と同種の情報を含む。
【0432】
<<電話機間の通信接続制御ーその1>>
図185に示す電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、電話番号“06−3333−4444”である宛先の電話機571へ電話接続する例である。図188に示す590−1は、公衆電話交換網555内部における電話接続を、590−2はIP転送網540内部における電話接続を、590−3は公衆電話交換網556内部における電話接続をそれぞれ表わす。図188及び図189を参照して説明する。
【0433】
電話機570から“00XY−06−3333−4444”とダイヤルして電話呼出しすると(図188のステップJ01)、交換機557が呼出確認し(ステップJ02)、交換機557は、前記ダイヤルされた情報に含まれる通信事業者識別コード“00XY”を用いて、“00XY”が付与されている回線情報を含むゲートウェイ550に接続する交換機558を見出し、前記ダイヤル時に取得した発信元電話番号“03−1111−2222”と“00XY−06−3333−4444”とを、交換機558に送信する(ステップJ03)。そして、交換機558は、発信元電話番号“03−1111−2222”と、宛先電話番号“06−3333−4444”とを回線情報を含むゲートウェイ550に送信し(ステップJ04)、回線情報を含むゲートウェイ550は、回線情報を含むゲートウェイ550内部のIP転送網入回線表584を参照して、宛先電話機の電話番号をパラメータとして、即ち宛先電話番号が“06−3333−4444”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として、ゲートウェイはNNIインタフェースを有し、信号局としてのゲートウェイの信号局コードは“#2222”であることを知り、交換機558に返信する(ステップJ05)。次に、交換機558は、信号局コード“#2222”であるゲートウェイに接続する交換機を探し、このケースにおいては交換機559であることを見出し、前記手順により取得しているゲートウェイへのアクセス情報としての信号局コード“#2222”、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“06−3333−4444”を含む情報を交換機559に転送する(ステップJ06)。
【0434】
交換機559は、NNI通信回線577を経て信号局コード“#2222”であるゲートウェイ551に発信元電話番号“03−1111−2222”、宛先電話番号“06−3333−4444”を転送する(ステップJ07)。ゲートウェイ551は、前記手順により取得した発信元電話番号“03−1111−2222”、宛先電話番号“06−3333−4444”を含むIPパケットを形成する。IPパケットの送信元IPアドレスは、ゲートウェイ551に付与された(ゲートウェイ551自身が知っている)IPアドレスであり、宛先IPアドレスは通信回線を接続するための通信相手先、このケースではゲートウェイ554のIPアドレス“10.240.240.1”であり、ゲートウェイ551内部の(図187の)IP転送網出回線表586から、宛先電話機の電話番号をパラメータとして、即ち宛先電話番号“06−3333−4444”に対応するIPアドレスの一つ“10.240.240.1”を用いる例である。前述したゲートウェイ551が、ゲートウェイ554のIPアドレスを見出す手続きに代わり、ゲートウェイ551から電話番号サーバ593に宛先電話番号“06−3333−4444”を有する電話機に接続するためのゲートウェイのIPアドレスを質問する“問合せIPパケット”を送出し、電話番号サーバ593から回答を得て用いることもできる(オプション)。
【0435】
前述の交換機の機能のうち、“ステップJ04”及び“ステップJ05”は、電話交換網の共通線信号方式・トランザクション機能部のメッセージを用いることが出来る。
【0436】
前述により形成されたIPパケットはゲートウェイ551から送出され、ルータ546−1、電話管理サーバ549−1を経て(ステップJ08)、ルータ546−1、ルータ546−5、電話管理サーバ549−5を経て(ステップJ09)、ルータ546−5、ゲートウェイ554を経て(ステップJ10)、NNI通信回線578を経て交換機562に到達する(ステップJ11)。前記IPパケットは、発信元電話番号“03−1111−2222”、宛先電話番号“06−3333−4444”を含む。
【0437】
続いて、発信元電話番号“03−1111−2222”、宛先電話番号“06−3333−4444”を含む呼設定要求が交換機561に転送され(ステップJ12)、前記呼設定要求を受信した交換機561が呼設定要求の確認通知を交換機557へ返信する(ステップJ14及至ステップJ20)。次に、交換機561は電話機571を呼出し(ステップJ13)、電話機が呼出中を交換機561に返信すると(ステップJ22)、交換機561は宛先電話機571の呼出中を送信元電話機570に通知する(ステップJ23〜ステップJ30)。電話機571がオフフックされると、電話通信開始を表わすIPパケットが送信元電話機570に通知されて(ステップJ32及至ステップJ40)、電話通信が開始される。
【0438】
以上により、電話機570と電話機571との間の端末間通信接続制御の手順が完了し、電話機570と電話機571との間の通話が行えるようになる。
【0439】
電話の通話終了において、電話機570から電話の呼解放通知が交換機557に送出され(図189のステップJ42)、交換機557から呼解放完了通知が電話機570に返される(ステップJ43)。以下続いて、交換機557、交換機559、ゲートウェイ551、電話管理サーバ549−1、電話管理サーバ549−5、ゲートウェイ554、交換機562、交換機561、電話機571間で呼解放の通知と呼解放完了の通知を順次送受することで、接続の解放を実施する(ステップJ44及至J59)。
【0440】
前記ステップの交換機や電話管理サーバで送受される制御データは、共通線信号の接続制御メッセージに相当し、例えばステップJ09,J17,J26,J36,J50,J51は、それぞれIAMメッセージ、ACMメッセージ、CPGメッセージ、ANMメッセージ、RELメッセージ、RLCメッセージに相当する。
【0441】
以上の“電話機間の通信接続制御ーその1”を要約すると、下記のようになる。即ち、IP転送網を中継網として用い、公衆電話交換網に接続する2電話機間の通信接続制御方法であり、送信元電話機は、送信元電話番号、通信事業者識別コード及び宛先電話番号を用いて発呼し、通信事業者コードにより特定されるIP転送網側ゲートウェイにおいて、“IP転送網内部への入回線表”を参照することにより、IP転送網へ接続するための入ゲートウェイの信号局コードを取得する。入ゲートウェイでは、宛先電話番号をパラメータとして、そのゲートウェイ内の “IP転送網外部への出回線表”を参照することにより、IP転送網内部から公衆電話交換網へ通話回線を接続するための出ゲートウェイのIPアドレスを取得し、前記取得したIPアドレスに向けて、発信元電話番号及び宛先電話番号を含めたIPパケットを出ゲートウェイへ転送する。出ゲートウェイでは、前記で受信したIPパケットに含まれる発信元電話番号、宛先電話番号を元に公衆電話交換網に発呼を行い、交換機を経て宛先電話に転送する。
【0442】
前記他の方法として、“IP転送網外部への出回線情報”は電話番号サーバに宛先電話番号を問い合わせ、前記電話番号サーバがIPアドレスを回答する。“IP転送網内部への入回線情報”はIP転送網外部にNNI通信回線を有するゲートウェイの信号局コードであり、“IP転送網外部への出回線情報”はIP転送網外部にNNI通信回線を有するゲートウェイへのIPアドレスである。
【0443】
<<電話機間の通信接続制御ーその2>>
図190及び図191を参照して説明する。
【0444】
電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、電話番号“092−555−6666”である宛先の電話機572へ電話接続する例である。電話機570から、“00XY−092−555−6666”とダイヤルして電話接続を要求すると(図190のステップK01)、交換機557が応答する(ステップK02)。交換機557は、前記ダイヤルされた情報に含まれる通信事業者識別コード“00XY”を用いて、“00XY”が付与されている回線情報を含むゲートウェイ550に接続する交換機558を見出し、前記ダイヤル時に取得した発信元電話番号“03−1111−2222”及び“00XY−092−555−6666”を交換機558に送信する(ステップK03)。
【0445】
交換機558は、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を回線情報を含むゲートウェイ550に送信し(ステップK04)、回線情報を含むゲートウェイ550は、回線情報を含むゲートウェイ550内部のIP転送網入回線表584を参照して、宛先電話番号が“092−555−6666”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として電話番号“03−4444−4000”を1つ見出して、交換機558に通知する(ステップK05)。次に、交換機558は、ゲートウェイ電話番号“03−4444−4000”に接続する交換機を探し、このケースにおいては交換機560であることを見出し、前記手順により取得しているゲートウェイへのアクセス情報としての電話番号“03−4444−4000”、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を含む情報を交換機560に転送する(ステップK06)。交換機560は、電話番号“03−4444−4000”が付与されているゲートウェイ552に、UNI通信回線580を経て“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を転送する(ステップK07)。ゲートウェイ552は、これら2つの電話番号を受信したことを交換機560に報告する(ステップK08)。
【0446】
ゲートウェイ552は前記情報を受信すると(図187の)IP転送網出回線表587を検索し、宛先電話番号“092−555−6666”をパラメータとして、通信回線を接続するための通信相手先のゲートウェイ、このケースではゲートウェイ553ののIPアドレス“10.240.241.1”を取得し、前記取得した発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を含むIPパケットを形成する。前記形成するIPパケットの送信元IPアドレスは、ゲートウェイ552に付与された(ゲートウェイ552自身が知っている)IPアドレスであり、宛先IPアドレスは、前記取得したゲートウェイ553のIPアドレス“10.240.241.1”である。
【0447】
なお、前述したゲートウェイ552がゲートウェイ553のIPアドレスを見出す手続きにおいて、ゲートウェイ552から電話番号サーバ594に、宛先電話番号“092−555−6666”を提示してゲートウェイ553のIPアドレスの値を質問する“問合せIPパケット”を送出し(図190のステップKK1)、電話番号サーバ594から回答を得て(図190のステップKK2)ことができ、或は電話番号サーバ594の内容を予めゲートウェイ552の内部に転送しておき、IP転送網出回線表として用いることもできる(但し、ステップKK1とKK2はオプション)。
【0448】
次に、前記形成されゲートウェイ552から送出されたIPパケットは、網ノード装置543及びルータ546−2を経て、電話管理サーバ549−2を経て(ステップK09)、ルータ546−3、ルータ546−4、電話管理サーバ549−4を経由して(ステップK10)、網ノード装置545を経てゲートウェイ553に到達する(ステップK11)。次にゲートウェイ553は、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を含む情報をUNI通信回線581を経て交換機563に通知する(ステップK12)。交換機563は、これら2つの電話番号を受信したことをゲートウェイ553に返信する(ステップK13)。
【0449】
交換機563は、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“092−555−6666”を含む呼設定要求を交換機564に転送し(ステップK14)、交換機564は前記呼設定要求を受け取ったことを交換機557へ返信する(ステップK16〜ステップK22)。交換機564は電話機572を呼出し(ステップK15)、電話機572は電話呼出中を交換機564に通知する(ステップK24)。交換機564は、宛先電話機572を呼び出していることを送信元電話機570に通知する(ステップK25〜ステップK32)。電話機572がオフフック通知されると(ステップK33)、電話通信開始可能(応答)が送信元電話機570に通知されて(ステップK35〜ステップK42)、電話通信が開始される。
【0450】
以上により、電話機570と電話機572との間の端末間通信接続制御の手順が完了し、電話機570と電話機572との間の通話が行えるようになる。
【0451】
電話の通話終了において、電話機570から電話の呼解放の通知が交換機557に送出され(図191のステップK44)、交換機557から呼解放完了の通知が電話機570に返される(ステップK45)。この呼解放の通知及び呼解放完了の通知により、電話機570と交換機557との間の接続が解放される。以下続いて、交換機557、交換機560、ゲートウェイ552、電話管理サーバ549−2、電話管理サーバ549−4、ゲートウェイ553、交換機563、交換機564、電話機572間で呼解放の通知と呼解放完了の通知を順次送受することで、電話呼の解放を遂行する(ステップK46〜K61)。
【0452】
以上の“電話機間の通信接続制御ーその2”を要約すると、公衆電話交換網に接続する電話機から、IP転送網を経由して公衆電話交換網に接続する他の電話機に通信するための端末間通信接続制御方法であり、概略は電話機間の通信接続制御ーその1と類似している。異なる主な点は、“IP転送網内部への入回線情報”はIP転送網外部にUNI通信回線を有するゲートウェイの電話番号であり、“IP転送網外部への出回線情報”はIP転送網外部にUNI通信回線を有するゲートウェイへのIPアドレスである。
【0453】
<<電話機間の通信接続制御ーその3>>
電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、電話番号“093−555−6666”である宛先の電話機598へ電話接続する例である。
【0454】
この例においては、電話機570から“00XY−093−555−6666”とダイヤルして電話接続を要求し、交換機558は回線情報を含むゲートウェイ550に要求すると、ゲートウェイ550内部でIP転送網入回線表584が用いられ、交換機558は宛先電話番号が“093−555−6666”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として信号局コード“#2222”を取得し、ここで、交換機559とゲートウェイ551とはNNI通信回線577を経て接続されている。
【0455】
次に、ゲートウェイ551は、ゲートウェイ551内部のIP転送網出回線表586又は電話番号サーバ593に問合わせ、宛先電話番号“093−555−6666”を有する電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイ553のIPアドレスを取得し、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“093−555−6666”を含むIPパケットを形成する。前記形成されたIPパケットはゲートウェイ551から送出され、ルータ546−1、電話管理サーバ549−1、ルータ546−1、ルータ546−5、電話管理サーバ549−5、ルータ546−5、網ノード装置545を経てゲートウェイ553に到達する。
【0456】
以降、IPパケットから得られる発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“093−555−6666”を含む端末間接続情報が、交換機563及び交換機566を経て電話機598に到達し、電話機570と電話機598との間の端末間通信接続制御が完了する。
【0457】
以上の“電話機間の通信接続制御ーその3”と“電話機間の通信接続制御ーその1”とは類似しているが、対比的な点は、“IP転送網内部への入回線情報”はIP転送網外部にNNI通信回線を有するゲートウェイの信号局コードであり、“IP転送網外部への出回線情報”はIP転送網外部にUNI通信回線を有するゲートウェイへのIPアドレスである。
【0458】
<<電話機間の通信接続制御ーその4>>
電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、電話番号“07−3333−4444”である宛先の電話機597へ電話接続する例である。
【0459】
この例においては、電話機570から、“00XY−07−3333−4444”とダイヤルして電話接続を要求し、交換機558は回線情報を含むゲートウェイ550に要求し、ゲートウェイ550内部でIP転送網入回線表584が用いられ、交換機558は、宛先電話番号が“07−3333−4444”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として電話番号“03−4444−4000”を取得する。次に、ゲートウェイ552はゲートウェイ552内部のIP転送網出回線表587又は電話番号サーバ594に問合わせて、宛先電話番号“07−3333−4444”を有する電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイ554のIPアドレスを取得し、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“07−3333−4444”を含むIPパケットを形成する。前記形成されたIPパケットはゲートウェイ552から送出され、網ノード装置543、ルータ546−2、電話管理サーバ549−2、ルータ546−2、ルータ546−1、ルータ546−5、電話管理サーバ549−5、ルータ546−5を経てゲートウェイ554に到達する。
【0460】
以降、IPパケットから得られる発信元電話番号“03−1111−2222”と宛先電話番号“07−3333−4444”とを含む端末間接続情報が、交換機562及び交換機565を経て電話機597に到達し、電話機570と電話機597との間の端末間通信接続制御が完了する。
【0461】
以上の“電話機間の通信接続制御ーその4”と“電話機間の通信接続制御ーその1”とは類似しているが、対比的な点は、“IP転送網内部への入回線情報”はIP転送網外部にUNI通信回線を有するゲートウェイの電話番号であり、“IP転送網外部への出回線情報”はIP転送網外部にNNI通信回線を有するゲートウェイへのIPアドレスである。
【0462】
<<電話機間の通信接続制御ーその5>>
電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、メディアルータ591に接続する電話機573(但し、電話番号は“045−777−8888”である電話機)へ電話接続する例である。
【0463】
電話機570から“00XY−045−777−8888”とダイヤルして電話接続を要求すると(図192に示すステップL01)、交換機557が応答し(ステップL02)、交換機557は前記ダイヤルされた情報に含まれる通信事業者識別コード “00XY”を用いて、“00XY”が付与されている回線情報を含むゲートウェイ550に接続する交換機558を見出し、前記ダイヤル時に取得した発信元電話番号“03−1111−2222”及び“00XY−045−777−8888”を交換機558に送信する(ステップL03)。
【0464】
交換機558は、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“045−777−8888”を、回線情報を含むゲートウェイ550に送信し(ステップL04)、ゲートウェイ550は、IP転送網入回線表584を参照し、宛先電話番号が“045−777−8888”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として電話番号“03−4444−4000”を見出して交換機558に通知する(ステップL05)。次に、交換機558は、ゲートウェイ電話番号“03−4444−4000”に接続する交換機560を見出し、前記手順により取得している電話番号“03−4444−4000”、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“045−777−8888”を含む情報を、交換機560に転送する(ステップL06)。交換機560は電話番号“03−4444−4000”が付与されているゲートウェイ552に、通信回線580を経て、“03−1111−2222”及び宛先電話番号“045−777−8888”を転送し(ステップL07)、ゲートウェイ552は、少なくともこれら2つの電話番号を受信したことを交換機560に返信する(ステップL08)。
【0465】
次に、ゲートウェイ552は、前記の通信接続制御により取得した発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“045−777−8888”を含むIPパケットを形成する。IPパケットの送信元IPアドレスはゲートウェイ552に付与された(ゲートウェイ552自身が知っている)IPアドレスであり、宛先IPアドレスは、通信回線を接続するための通信相手先、このケースではメディアルータ591のIPアドレス“10.241.1.1”であり、IP転送網出回線表587から宛先電話番号“045−777−8888”をパラメータとして見出す。
【0466】
こうして形成され、ゲートウェイ552から送出された電話呼接続要求のIPパケットは、網ノード装置543、ルータ546−2、電話管理サーバ549−2、ルータ546−2、ルータ546−3、電話管理サーバ549−3、ルータ546−3、網ノード装置544を経て、メディアルータ591に到達する(ステップL10〜L16)。メディアルータ591は、前記電話呼接続要求を受けたことを交換機557へ返信し(ステップL20〜ステップL25)、更にメディアルータ591は電話機573を呼出し(ステップL18)、電話機が返信すると(ステップL27)、メディアルータ591は送信元電話機570に宛先電話機呼出中を通知する(ステップL29〜ステップL35)。電話機573がオフフックされると(ステップL36)、電話通信開始可能を表わす応答が送信元電話機570に通知されて(ステップL38〜ステップL44)、電話通信が開始される。
【0467】
以上により、電話機570と電話機573との間の端末間通信接続制御手順が完了し、電話機570と電話機573との間の通話が行えるようになる。
【0468】
電話の通話終了において、電話機570から電話の呼解放の通知が交換機557に送出され(ステップL45)、交換機557から呼解放完了の通知が電話機570に返される(ステップL46)。この呼解放の通知及び呼解放完了の通知により、電話機570と交換機557の間の接続が解放される。以下続いて、交換機557、交換機560、ゲートウェイ552、電話管理サーバ549−2、電話管理サーバ549−3、メディアルータ591、電話機573間で呼解放通知と呼解放完了通知を順次送受することで、接続の解放を実施する(ステップL47〜L56)。
【0469】
以上の“電話機間の通信接続制御ーその5”は、“電話機間の通信接続制御ーその1”と類似しており、対比的な主要点は、電話接続先が、メディアルータに接続する電話機である。
【0470】
<<電話機間の通信接続制御―その6>>
図193を参照して説明する。540−1はIP転送網、550−1及び554−1はゲートウェイ、1000は「入り回線情報サーバ」である。他の装置や電話機、公衆交換網などは図185に示す装置や電話機などと同一であり、同じ番号で示している。この実施例は、(図185の)回線情報を含むゲートウェイ550の代わりに、IP転送網入回線表584を含む入り回線情報サーバ1000を用いることが特徴であり、図188のステップJ04とステップJ05の代わりに、図194のステップJ04xとステップJ05xを用いる。
【0471】
入り回線情報サーバ1000は、公衆電話交換網555から識別できる通信事業者識別コード “00XY”と、公衆電話交換網555から識別するための信号局コードとを付与されている。電話番号“03−1111−2222”である発信元の電話機570から、電話番号“06−3333−4444”である宛先の電話機571へ電話接続する例である。図194を参照して説明する。
【0472】
電話機570から“00XY−06−3333−4444”とダイヤルして電話呼出しすると(図194のステップJ01)、交換機557が呼出確認し(ステップJ02)、交換機557は、前記ダイヤルされた情報に含まれる通信事業者識別コード “00XY”を用いて、“00XY”が付与されている入り回線情報サーバ1000に接続する交換機558を見出し、前記ダイヤル時に取得した発信元電話番号“03−1111−2222”及び“00XY−06−3333−4444”を交換機558に送信する(ステップJ03)。交換機558は、発信元電話番号“03−1111−2222”及び宛先電話番号“06−3333−4444”を入り回線情報サーバ1000に送信し(ステップJ04x)、入り回線情報サーバ1000は、入り回線情報サーバ1000内部のIP転送網入回線表584を参照し、宛先電話機の電話番号をパラメータとして、即ち宛先電話番号が“06−3333−4444”である電話機に通信回線を接続するためのゲートウェイへのアクセス情報として、ゲートウェイはNNIインタフェースを有し、信号局としてのゲートウェイの信号局コードは“#2222”であることを知り、交換機558に返信する(ステップJ05x)。以下、前記ステップJ06〜J40を実施することにより、電話機570と電話機571との間の端末間通信接続制御手順が行われ、電話機570と電話機571との間の通話が行えるようになる。同様にして、電話機570から、電話機572、597,598、573との間の端末間通信接続制御の手順を行うことができる。
【0473】
<<網ノード装置の実施例>>
前記端末間通信接続制御方法において用いられる網ノード装置について、図195を参照して説明する。
【0474】
540−1はIP転送網、543−1及び545−1は網ノード装置、552−1及び554−1はゲートウェイ、547−1及び548−1は中継装置であり、それぞれ通信回線により接続されている。ゲートウェイ552−1にIPアドレス“a”が、ゲートウェイ554−1にIPアドレス“b”がそれぞれ付与されており、更に網ノード装置543−1のゲートウェイ552−1側の通信回線との接点に、IPアドレス“x”が付与され、網ノード装置545−1のゲートウェイ554−1側の通信回線との接点に、IPアドレス“y”が付与されている。543−1Tは、前記の4組のIPアドレス“a”、“b”、“x”、“y”を保持しているアドレス管理表である。545−1Tは、前記4組のIPアドレス“b”、“a”、“y”、“x”を保持しているアドレス管理表である。
【0475】
ゲートウェイ552−1からゲートウェイ554−1に送られるIPパケットのPCK-1は、送信元IPアドレスが“a”、宛先IPアドレスが“b”であり、網ノード装置543−1に到達すると、アドレス管理表543−1Tが参照される。本例では、内部情報“a”、“b”、“x”、“y”のうち、前から3つのIPアドレス“a”、“b”、“x”がIPパケットのPCK-1内部のIPアドレス“a”と“b”及び網ノード装置543−1と通信回線との接点に付与されたIPアドレス“x”と一致するので、アドレス管理表543−1T内部の他のIPアドレス“y”が取り出されて、IPヘッダを付与するIPカプセル化が行われて、新しいIPパケットであるPCK-2が形成される。PCK-2は網ノード装置543−1から通信回線に送出され、ルータ547−1,548−1を経て網ノード装置545−1に到達し、ここで前記IPカプセル化により付与されたIPヘッダを取り除く逆カプセル化が行われて、IPパケットのPCK-3が復元され、通信回線を経てゲートウェイ554−1に送られる。アドレス管理表545−1Tは、前記と逆方向のIPパケット送信のために使われる。
【0476】
網ノード装置543−1及び545−1は、IPカプセル化と逆カプセル化を行う機能を有し、そのためにアドレス管理表を保持している。ゲートウェイのIPアドレスは、網ノード装置543−1と545−1のアドレス管理表内に登録保持されている特徴がある。
【0477】
<<網ノード装置の他の実施例>>
図196を参照して、網ノード装置543−2及び545−2の他の実施例を説明する。
【0478】
540−2はIP転送網、543−2及び545−2は網ノード装置、552−2及び554−2はゲートウェイ、547−2及び548−2は中継装置であり、それぞれ通信回線により接続されている。ゲートウェイ552−2にIPアドレス“a”が、ゲートウェイ554−2にIPアドレス“b”がそれぞれ付与されている。543−2Tは前記IPアドレス“a”を、545−2Tは前記IPアドレス“b”を保持しているアドレス管理表である。
【0479】
ゲートウェイ552−2からゲートウェイ543−2に送られるIPパケットのPCK-11は、送信元IPアドレスが“a”、宛先IPアドレスが“b”であり、網ノード装置543−2に到達するとアドレス管理表543−2Tが参照される。本例では、内部情報の“a”がIPパケットのPCK-11内部の送信元のIPアドレスと一致するので、PCK-11をIP転送網540内部に転送する許可があると理解でき、次にPCK-11をそのまま、PCK-12とする。PCK-12は網ノード装置543−2から通信回線に送出され、ルータ547−2,548−2を経て網ノード装置545−2に到達する。ここで、アドレス管理表545−2Tの内部にPCK‐12の宛先IPアドレス“b”が記録されているので、PCK‐12はそのまま、PCK-13として、通信回線を経てゲートウェイ554−2に送られる。網ノード装置543−2及び545−2は、IP転送網540−2の内部にIPパケットを受入れ許可を確認し、或はIP転送網540−2の外部にIPアドレス“b”が存在することを確認できる。ゲートウェイのIPアドレスは、網ノード装置543−2及び545−2のアドレス管理表内に登録保持されている特徴がある。
【0480】
以上、網ノード装置の機能を要約すると、本実施例において、網ノード装置は、IPパケットをIP転送網の外部からIP転送網の内部に受け入れるとき、IPヘッダを新たに付与するIPカプセル化を行うタイプと、IPカプセル化を行わないタイプの2つのタイプがある。ゲートウェイのIPアドレスは、網ノード装置のアドレス管理表内に登録保持されている。
【0481】
12. 制御線と音声線とを分離して公衆電話交換網に接続する第13実施例:
制御通信回線と音声通信回線とを分離し、IP転送網と公衆電話交換網(PSTN)とを経由する電話機間通信接続制御する方法を説明する。
【0482】
図197において、1500はIP転送網、1501は公衆電話交換網、1502はカプセル化機能付ゲートウェイ、1503は中継ゲートウェイ、1508及び1520は電話機、1518は中継交換機、1519は加入者交換機、1505は共通線信号方式による制御通信回線、1506は音声通信回線である。1507は制御IP通信回線、1509は音声IP通信回線である。1544及び1547は網ノード装置、1570は代理電話サーバ、1571は電話管理サーバ、1572は電話番号サーバ、1573は表管理サーバ、1521、1522、1523、1524はそれぞれルータである。1513は中継制御部(STP)、1516は音声制御部である。
【0483】
図197に示すIP転送網の内部リソース(装置やサーバ)の一部は、図128又は図170に示すIP転送網の内部リソースの一部と対応付け可能であり、電話機1508、メディアルータ1560,網ノード装置1544,代理電話サーバ1570,電話管理サーバ1571,電話番号サーバ1572,表管理サーバ1573、網ノード装置1547はそれぞれ電話機1208、メディアルータ1201,網ノード装置1244,代理電話サーバ1270,電話管理サーバ1271,電話番号サーバ1272,表管理サーバ1273、網ノード装置1247に対応する。
【0484】
<<中継制御部の機能>>
本発明において、共通線信号方式におけるポイント(Point)を信号局、ポイントコード(Point Code)を“信号局アドレス”により表わす。中継ゲートウェイ1503内部の中継制御部1513は、公衆電話交換網1501から見ると共通線信号方式の中継信号局(STP)であり、信号局アドレス“PC-3”を付与されている。中継制御部1513は信号局アドレス管理表1527(図208)を管理しており、この信号局アドレス管理表を検索して、公衆電話交換網1501内の交換機の信号局アドレスを取得することが出来る。中継ゲートウェイ1503は、NNI通信回線1505に送信する信号ユニット内に書き込む回線番号“CIC-n”や、信号リンク選択“SLS-n”の生成ルールを公衆電話交換網1501と同じルールに定めてある。
【0485】
中継制御部1513は、IPアドレス“GW03”を付与されており、制御IP通信回線1507から送られてくるIPパケットに格納された電話呼制御の各種メッセージ(IAM,ACM,CPG,ANM,REL,RLCなど)を、共通線信号方式の信号ユニットに格納した各種メッセージ(IAM,ACM,CPG,ANM,REL,RLCなど)に変換して、制御通信回線1505へ送信する。また、逆方向に、中継制御部1513は、制御通信回線1505から送られてくる信号ユニットに格納された電話呼制御用の各種メッセージを、IPパケットに格納したメッセージに変換して制御IP通信回線1507へ送信する機能を有する。中継制御部1513に付与されたIPアドレス“GW03”や信号局コード“PC−3”は、中継ゲートウェイ1503に付与されたIPアドレスや信号局コードでもある。
【0486】
<<音声制御部の機能>>
音声制御部1516は、音声IP通信回線1509から送られてくるIPパケットに格納された音声を、公衆電話交換網1501内を転送できる形式、例えばISDNの一次群インタフェース(PRI、23B+D)のデータ通信路に適合する音声フレームに変換して音声通信回線1506に送信する。また、逆方向に、音声制御部1516は、公衆電話交換網1501の音声通信回線1506から送られてくる音声フレームをIPパケット形式に変換して、音声IP通信回線1509に送信する機能を有する。音声制御部は内部に音声IPパケットを送受するためのIPアドレスを有し、メディアパス接続表の設定に供する。
【0487】
<<電話番号サーバ>>
電話番号サーバ1572は電話番号を質問すると、質問を受けた電話番号を有する電話機へ通信するためのIPアドレスを回答する。電話通信先が中継ゲートウェイであるケースでは、中継ゲートウェイに付与されたIPアドレスの値を回答し、電話通信先がカプセル化機能付ゲートウェイであるケースでは、ゲートウェイの先に接続するメディアルータのIPアドレスを回答する。
【0488】
<<接続フェーズ>>
電話機1508から電話機1520へ電話通信する例である。この実施例では、代理電話サーバ1570のIPアドレス“EA81”はIP転送網1500の利用者へ公開しており、メディアルータ1560は前記IPアドレス“EA81”を保持している。電話機1508の受話器を上げると、呼出信号がメディアルータ1560へ伝えられ(図198のステップN01)、メディアルータ1560は電話呼出を確認する(ステップN02)。次に、メディアルータ1560は、送信元IPアドレスをメディアルータ1560のIPアドレス“EA1”、宛先IPアドレスを代理電話サーバ1570の外部IPアドレス“EA81”とし、送信元となる電話機1508の電話番号“TN-1”、宛先となる電話機1520の電話番号“TN-2”、送信元となる電話機1508が電話音声を送信するために用いるUDPポート番号“5006”、付加情報“Info-2”を含むIPパケット1530(図199)を形成し、網ノード装置1544へ送信する(ステップN03)。IPパケット1530のペイロード部分はUDPパケットであり、その送信元及び宛先ポート番号とも“5060”の例である。
【0489】
網ノード装置1544は外部IPパケット1530を入力し、他の実施例で説明しているIPカプセル化技法を適用して内部IPパケット1531(図200)を形成し、IPパケット1531を、内部IPアドレスが“IA81”である代理電話サーバ1570へ送信する(ステップN04)。代理電話サーバ1570は、IPパケット1531を受信すると、IPパケット1531内部に含まれるIPアドレス“EA1,IA1,EA81,IA81”を、ペイロード部分に含むIPパケット1532−1(図201)を形成し、電話管理サーバ1571へ送信する(ステップN05)。ここで、代理電話サーバ1570は、予め保持している電話管理サーバ1571のIPアドレス“IA91”を用いている。
【0490】
<<CIC管理表の形成>>
電話管理サーバ1571はIPパケット1532−1を受信し、電話管理サーバ1571が管理するCIC管理表のレコードに、電話管理サーバ1571のIPアドレス“IA91”、手順区分“IAM”、送信元電話番号“TN-1”、宛先電話番号“TN-2”、メディアルータ1560の外部IPアドレスの“EA1”と内部IPアドレスの“IA1”、IPパケット1532−1内部の音声通信用ポート番号“5006”、代理電話サーバ1570の外部IPアドレス“EA81”と内部IPアドレス“IA81”、書込み時刻(年月日時分秒)“St-2”を書き込む(図202のCIC管理表1571−1)。
【0491】
次に、電話管理サーバ1571は、宛先電話番号“TN-2”を質問するIPパケット1532−2(図203)を電話番号サーバ1572に示し(ステップN06)、電話番号サーバ1572は、電話機1520へ接続する装置類のIPアドレス“GW03”をIPパケット1532−3(図204)に格納して回答する(ステップN07)。なお、電話機1520へ接続する装置類は、中継ゲートウェイ1503内部の中継制御部1513となっている例である。
【0492】
<<回線番号の管理>>
電話管理サーバ1571は、電話番号サーバ1572から取得した中継制御部1513のIPアドレス“GW03”をCIC管理表1571−1(図202)に追加し、更に電話管理サーバ1571のIPアドレス“IA91”及び中継制御部1513のIPアドレス“GW03”の組に対して、電話管理サーバ1571が定めているルールにより回線番号“CIC-2”を定め、CIC管理表に書き込む。この様子は、CIC管理表1571−2(図205)のレコード示されている。
【0493】
次に電話管理サーバ1571はCIC管理表1571−2(図205)を参照し、IPパケット1532−1(図201)からIPパケット1534(図206)(IAMパケット)を形成し、IPパケット1534を中継制御部1513へ送信する(ステップN09)。ここで、IPパケット1534の宛先IPアドレスは中継制御部1513のIPアドレス“GW03”である。
【0494】
<<中継制御部の動作>>
中継制御部1513はIPパケット1534(図206)を受信すると(ステップN09)、IPパケット1534から送信元IPアドレス“IA91”、宛先IPアドレス“GW03”、回線番号“CIC-2”、手順区分“IAM”、送信元電話番号“TN-1”、宛先電話番号“TN-2”、メディアルータ1560の外部IPアドレスの“EA1”と内部IPアドレスの“IA1”、音声通信用ポート番号“5006”を取り出し、中継制御部1513が管理するCIC管理表1513−1(図207)のレコードとして、時刻“St-3”と共に書込み記録する。
【0495】
更に、中継制御部1513は、信号局アドレス管理表1527(図208)を検索して、宛先電話機1520の電話番号“TN-2”を提示して、電話機1520を管理する交換機1519の信号局アドレス“PC-19”を取得する。更に、中継制御部1513は、予め公衆電話交換網1501と取り決めてあるルールにより、回線番号“CIC-3”、信号リンク選択“SLS-3”を定める。中継制御部1513は、中継制御部1513の信号局アドレス“PC-3”、前記取得した“PC-19”、前記信号リンク選択“SLS-3”、前記回線番号“CIC-3”とを、メディアパス識別子“MP-7”と共に、アドレス接続表1525の新規レコードとして書き込み、結果としてアドレス接続表は1525−1に示すようになる(図209)。
【0496】
続いて、中継制御部1513は、前記信号局アドレス“PC-3”、前記取得した“PC-19”と、前記回線番号“CIC-3”と信号リンク選択“SLS-3”と、IPパケット1534から取得したメッセージ“IAM”、パラメータ“Para-2”を含む信号ユニット1535を形成し(図210)、制御通信回線1505へ送信する(ステップN10)。
【0497】
<<中継制御部と音声制御部との連携動作>>
中継制御部1513は、前記メディアパス識別子“MP-7”、カプセル化用の内部IPアドレス“IA1”、前記メディアルータ1560の外部IPアドレスの“EA1”、音声通信用ポート番号“5006”とを、情報回線1515経由で音声制御部1516へ通知し(図211のステップ1513−1)、音声制御部1516は、前記通知された情報をメディアパス接続表1528のレコードとして書き込み、書き込み完了を報告する(ステップ1516−1)。前記メディアパス識別子は、2電話機間の電話呼(接続/通話/解放)に用いる音声通信路を識別するために用いる。メディアパス接続表1528−1(図214)のレコードは書き込み前を、メディアパス接続表1528−2(図215)は書き込み結果を示す。なお、音声制御部1516は、音声制御部1516から音声通信回線1506へ音声を送信するための論理通信回線を定め、その論理通信回線識別子“CH-1”((送信チャネル:Channel-Sにより表わす))を、メディアパス接続表1528−2のレコードとして書き込んでいる。
【0498】
<<交換網の動作とACMメッセージ>>
交換機1518は、制御通信回線1505経由で信号ユニット1535を受信し(ステップN10)、次に信号ユニット1535を交換機1519へ転送する(ステップN11)。交換機1519は信号ユニット1535を受信し、内部に含まれる宛先電話番号“TN-2”が着信可能であるかを確認し、着信可能であれば着信通知を電話機1520へ通知し(ステップN12)、更に信号ユニット1535の受信を知らせる信号ユニット1538−1(図218)を形成して返信し、前記信号ユニットは交換機1518を経由して(ステップN13)、中継制御部1513に到達する(ステップN14)。中継制御部1513は、受信した信号ユニット1538−1のラベル情報を基に、アドレス接続表1525−1(図209)を参照し、IPパケット形成のためのアドレス情報を取得し、IPパケット1551(ACMメッセージ)(図219)を形成し、IPパケット1551を電話管理サーバ1571へ送信する(ステップN15)。
【0499】
電話管理サーバ1571は、受信したIPパケット1551から回線番号“CIC-2”及び手順区分“ACM”を取り出し、電話管理サーバ1571が保持するCIC管理表1571−2(図205)を調べて、自己IPアドレス“IA91”、相手IPアドレス“GW03”、回線番号“CIC-2”であるレコードを見出し、CIC管理表1571−2の該当レコードの手順区分欄を前記手順区分“ACM”に書き変える。次に、電話管理サーバ1571は、前記ACMメッセージを受信したことを示すIPパケットを形成し、メディアルータ1560へ通知する(ステップN17,N18,N19)。
【0500】
<<メディアパス接続表>>
ステップN10を完了した後に、中継制御部1513は、音声制御部1516にメディアパス識別子“MP-7”を添付して、IPアドレスとポート番号を要求すると(図212のステップ1513−2)、音声制御部1516は、音声制御部1516が形成しIP転送網1500の内部の音声IP通信回線1509に送出するIPパケットのカプセル化用の内部IPアドレス“IA3”、送信元IPアドレス“EA3”とUDPパケットのポート番号“5008”とを、中継制御部1513へ回答する(ステップ1516−2)。メディアパス識別子により識別する音声通信路は、音声制御部1516の内部に付与するIPアドレス(“EA3,EA3,・・”)と、ポート番号(“5004、5006、・・”)の組み合わせにより、多数の音声通信路を定めることができる。なお、音声制御部1516は、交換機1518から受信する論理音声通信回線を確保し、その識別子“CH-2”(受信チャネル:Channel-Rで表わす)を定め、メディアパス接続表1528−3(図216)のレコードに記録している。
【0501】
中継制御部1513は、内部IPアドレス“IA3”、外部IPアドレス“EA3”とUDPパケットのポート番号“5008”とを音声制御部1516から受信し、CIC管理表1513−1(図207)に書き込み、その結果はCIC管理表1513−2(図217)のようになる(なお、代理電話サーバのアドレスは含まれない)。なお、音声制御部1516は、予め音声制御部1516の内部IPアドレスを1以上保持しており、その1つを前記内部IPアドレス“IA3”としている。
【0502】
<<CPGメッセージの送信>>
電話機1520が電話呼出中を交換機1519に報告すると(ステップN20)、交換機1519は電話呼出中を知らせる信号ユニット(CPGメッセージ)を形成して送信し、前記信号ユニットは交換機1518を経由して(ステップN21)、中継制御部1513に到達する(ステップN22)。中継制御部1513は、受信した前記信号ユニットのラベル情報を基にアドレス接続表1525−1(図209)を参照し、IPパケット形成のためのアドレス情報を取得し、IPパケット形式のCPGメッセージ1552(図220)を形成し、前記IPパケットは電話管理サーバ1571へ送信される(ステップN23)。電話管理サーバ1571は、前記電話呼出中通知をメディアルータ1560経由で電話機1508へ通知する(ステップN25乃至N28)。中継制御部1513は前記CPGメッセージを形成するとき、CIC管理表1513−2(図217)から音声制御部1516の送信元外部IPアドレス“EA3”、内部IPアドレス“IA3”とUDPパケットのポート番号“5008”とを取得し、CPGメッセージ1552に書き込んでいる。電話管理サーバ1571は、受信したCPGパケット1552から、外部IPアドレス“EA3”,内部IPアドレス“IA3”及びポート番号“5008”を取り出して管理表1571−2(図205)に書き込むことができる。
【0503】
<<ANMメッセージの送信>>
次に、電話機1520の利用者が電話呼出しに応答すると(ステップN30)、交換機1519は応答を知らせる信号ユニット(ANMメッセージ)を形成して送信し、前記信号ユニットは交換機1518を経由して(ステップN31)、中継制御部1513に到達する(ステップN32)。中継制御部1513は、受信した前記信号ユニットのラベル情報を基にアドレス接続表1525−1(図209)を参照し、IPパケット形式のANMメッセージ1553(図221)を形成し、IPパケット1553は電話管理サーバ1571へ送信される(ステップN33)。そして、電話管理サーバ1571は、前記電話応答の通知をメディアルータ1560経由で電話機1508へ通知する(ステップN35乃至N38)。即ち、電話管理サーバ1571から代理電話サーバ1570へIPパケット1554(図223)が送られ(ステップN35)、代理電話サーバ1570から網ノード装置1544へIPパケット1555(図224)が送られ(ステップN36)、網ノード装置1544からメディアルータ1560へIPパケット1556(図225)が送られる(ステップN37)。
【0504】
中継制御部1513は前記ANMメッセージを形成するとき、CIC管理表1513−2(図217)から音声制御部1516の送信元外部IPアドレス“EA3”、内部IPアドレス“IA3”とUDPパケットのポート番号“5008”とを取得し、ANMメッセージ1553に書き込んでいる。電話管理サーバ1571は、受信した応答パケット1553から外部IPアドレス“EA3”,内部IPアドレス“IA3”及びポート番号“5008”を取り出してCIC管理表1571−2(図205)に書き込むことができる。
【0505】
<<CIC管理表1571への書き込みタイミング>>
電話管理サーバ1571が、前記外部IPアドレス“EA3”,内部IPアドレス“IA3”及びポート番号“5008”を取り出してCIC管理表1571−2に書き込むタイミングは、前記説明のうちCPGメッセージを受信したステップN23、又はANMメッセージを受信したステップN33の一方のみ行う。
【0506】
<<中継制御部によるIP通信レコードの設定>>
中継制御部1513は、前記ステップN33において、CIC管理表1513−3(図222)のレコード内部からIPアドレス“EA3”、“EA1”、“IA3”、“IA1”を取り出して表管理サーバ1576に送信し(ステップN41)、表管理サーバ1576は、網ノード装置1547内部のアドレス管理表のIP通信レコード“EA3、EA1、IA3、IA1”として設定する(ステップN42)。なお、前記アドレス管理表のレコードの形態及びレコードへのアドレス設定方法は他の実施例において説明している。
【0507】
<<電話管理サーバによるIP通信レコードの設定>>
同様に、電話管理サーバ1571は、前記ステップN35において、CIC管理表1571−2のレコード内部からIPアドレス“EA1”、“EA3”、“IA1”、“IA3”を取り出して表管理サーバ1573に送信し(ステップN43)、表管理サーバ1573は、網ノード装置1544内部のアドレス管理表のIP通信レコード“EA1、EA3、IA1、IA3”として設定する(ステップN44)。
【0508】
<<通信フェーズ>>
電話機1508の利用者と電話機1520との電話通信は、他の実施例で説明しているのと同様のステップであり、網ノード装置1544内部のアドレス管理表のIP通信レコード、つまり“EA1,EA3,IA1,IA3”のレコードと、網ノード装置1547内部のアドレス管理表のIP通信レコード“EA3,EA1,IA3,IA1”のレコードとが用いられる。
【0509】
電話機1508の音声はディジタル化されて、IPパケット1561(図226)のペイロードに乗せられる。ここで、前記接続フェーズにおいて入手した宛先アドレス及びUDPポート番号が用いられる。即ち、送信元アドレスは、メディアルータ1560のIPアドレス“EA1”、宛先アドレスは、宛先電話機1520の接続する音声制御部1516内部のIPアドレス“EA3”であり、メディアルータ1560が音声送信に用いるUDPポート番号は、“5006”、音声制御部1516が音声送信に用いるUDPポート番号は“5008”である。
【0510】
電話機1508からアナログ音声が送られ、メディアルータ1560で音声はディジタル化されて音声IPパケット1561(図226)となり、網ノード装置1544に送られ、網ノード装置において、IP通信レコード“EA1,EA3,IA1,IA3”が用いられて、IPカプセル化が行われて、IPパケット1562(図227)となり、音声IP通信回線経由で、ルータ1524を経て網ノード装置1547に到達する。ここで、前記IP通信レコード“EA3,EA1,IA3,IA1”が用いられて逆カプセル化されてIPパケット1563(図228)となり、ディジタル化音声が格納されたIPパケット1563はIP音声制御部1516に到達する。音声制御部は、IPパケット1563に含まれる送信元IPアドレス“EA1”、送信元ポート番号“5006”、宛先IPアドレス“EA3”、宛先ポート番号“5008”を取り出し、メディアパス接続表1528−3(図216)を参照する。送信元IPアドレス“EA1”、送信元ポート番号“5006”、宛先IPアドレス“EA3”、宛先ポート番号“5008”であるメディアパスレコードが用いられて、IPパケット1563内のディジタル化音声は、音声通信回線1506を伝送される形態の音声フレーム1564(図229)に変換され、音声フレーム1564は交換機1518を経由して交換機1519に到達し、電話機1520から音声が出力される。電話機1520から送られた音声フレームに格納された音声は、上述と逆方向に送られ電話機1508へ到達する。
【0511】
<<解放フェーズ>>
電話機1508の利用者が電話通信の解放を通知すると(図198のステップN50)、メディアルータ1560は電話呼解放通知を電話管理サーバ1571に送り(ステップN51乃至N53)、電話管理サーバ1571は解放完了をメディアルータ1560へ返信する(ステップN64乃至N66)。また、電話管理サーバ1571は、電話呼解放を知らせるIPパケット1565(図230)を中継制御部1513に送り(ステップN55)、中継制御部1513は解放完了を知らせるIPパケット1566(図231)を電話管理サーバ1571へ返信する(ステップN62)。中継制御部1513は電話呼解放通知を中継交換機1518に送り(ステップN56)、中継交換機1518は解放完了を中継制御部1513へ返信する(ステップN61)。また、中継交換機1518は電話呼解放通知を交換機1519に送り(ステップN57)、交換機1519は解放完了を中継交換機1518へ返信し(ステップN60)、交換機1519は電話呼切断信号を電話機1520へ送信する(ステップN58)。
【0512】
<<メディアパスレコードの抹消>>
前記ステップN55において、中継制御部1513は、音声制御部1516にメディアパス接続表1528−3(図216)の当該メディアパスのレコードを抹消するように指示し(図213のステップ1513−3)、音声制御部1516は当該メディアパスのレコード抹消を報告する(ステップ1516−3)。また、当該レコードは前記、電話呼(接続/通話/解放)の運用記録に用いることができる(オプション)。
【0513】
<<IP通信レコードとCIC管理表レコードの抹消>>
電話管理サーバ1571は、ステップN55の後に、解放IPパケット1565の中に書き込んだ回線番号“CIC-2”を表管理サーバ1573に送信し(ステップN73)、網ノード装置1544内部の回線番号“CIC-2”対応するIP通信レコード“EA1、EA3、IA1、IA3”を抹消する(ステップN74)。更に、電話管理サーバ1571が管理するCIC管理表1571−2(図205)の当該電話機のレコードを抹消する。なお、電話管理サーバ1571は、当該レコードを前記、電話呼(接続/通話/解放)の運用記録に用いることもできる(オプション)。
【0514】
中継制御部1513は、解放完了IPパケット1566の中に書き込んだ回線番号“CIC-2”を表管理サーバ1576に送信し(ステップN71)、網ノード装置1547内部のIP通信レコード“EA3、EA1、IA3、IA1”を抹消する(ステップN72)。更に、中継制御部1513が管理するCIC管理表1513−3(図222)の当該電話通信のレコードを抹消する。なお、当該レコードを運用記録に用いることもできる。
【0515】
以上を要約すると次のようになる。 カプセル化機能付終端ゲートウェイと中継ゲートウェイとの間において、電話の制御IP通信回線と音声IP通信回線とが分離されており、電話機1、カプセル化機能付終端ゲートウェイと中継ゲートウェイ、NNIインタフェース通信回線、公衆電話交換網、電話機2とを順に経由して、2つの電話機間において電話通信を行い得る。また、カプセル化機能付終端ゲートウェイ内の電話管理サーバと中継ゲートウェイ内の中継制御部とが、共に個別のCIC管理表を有し、前記個別のCIC管理表を用いて回線番号の管理を行う。中継ゲートウェイ内の中継制御部は、IPパケット内部のアドレス情報及び信号ユニット内のラベル情報を含むアドレス接続表を用いて、IPパケットと信号ユニットとの変換を行う。
【0516】
中継制御部は、信号局アドレス管理表を検索して宛先電話機の電話番号を提示し、当該電話機を管理する交換機の信号局アドレスを取得する。また、中継制御部が、予め公衆電話交換網と取り決めてあるルールにより回線番号、信号リンク選択を定める。
【0517】
音声制御部は、中継ゲートウェイ内の音声制御部内のメディアパス接続表を用いて、ディジタル音声を格納したIPパケットと、NNI通信回線の音声通信回線の内部を伝送する音声信号との変換を行う。また、IPパケット内部のアドレス情報及び信号ユニット内のラベル情報を含むアドレス接続表を用いて、IPパケットと信号ユニットとの変換を行う。音声制御部は内部に音声IPパケットを送受するためのIPアドレスを有し、メディアパス接続表の設定に供する。また、音声制御部は、公衆電話交換網から受信又は送信するために用いる論理音声通信回線を確保し、その識別子を定める。カプセル化機能付終端ゲートウェイは中継制御部及び網ノード装置を含み、網ノード装置はIPカプセル化及び逆カプセル化の機能を有し、中継制御部は電話管理サーバ、電話番号サーバ、代理電話サーバ、表管理サーバを含み、メディアルータから網ノード装置に入力したIPパケットのうち、電話呼制御IPパケットは中継制御部へ転送し、音声IPパケットは音声IP通信回線に分岐するようになっている。このようになっているので、電話機1508及び1520は、IP転送網1500、公衆電話交換網1501を経由して電話通信が可能である。
【0518】
13. IP転送を中継網として用いる第14実施例:
図232において、1400はIP転送網、1401及び1402は中継ゲートウェイ、1403はカプセル化機能付終端ゲートウェイ、1405乃至1407は公衆電話交換網(PSTN)、1408乃至1411は加入者交換機、1412及び1413は中継交換機、1415及び1416は共通線信号方式を適用した制御通信回線、1417及び1418は音声通信回線である。また、制御通信回線1415及び音声通信回線1417の組は、交換機1412と中継ゲートウェイ1401との間のNNI通信回線であり、制御通信回線1416及び音声通信回線1418の組は、交換機1413と中継ゲートウェイ1402との間のNNI通信回線である。1438及び1439はアドレス接続表、1441及び1442はゲートウェイアドレス管理サーバ(図256の記号DNS-1)、1443及び1444は信号局アドレス管理サーバ(図257の記号DNS-2)である。1429及び1430はメディアパス接続表である。本発明において、共通線信号方式におけるポイント(Point)を信号局、ポイントコード(Point Code)を“信号局アドレス”により表わす。
【0519】
中継ゲートウェイ1401のIPアドレスは“GW05”であり、中継制御部1423が前記IPアドレス“GW05”を保持しており、同様に中継ゲートウェイ1402のIPアドレスは“GW06”であり、中継制御部1424が前記IPアドレス“GW06”を保持している。
【0520】
<<電話機1420と電話機1421との間の通信>>
始めに、電話機1420から公衆電話交換網1405、IP転送網1400、公衆電話交換網1406を経由して、電話機1421へ電話通信する端末間通信接続制御方法を説明する。
【0521】
<<接続フェーズ>>
電話機1420の受話器を上げると、呼出信号が交換機1408へ伝えられ(図233のステップHA01)、交換機1408は電話呼出を確認し(ステップHA02)、交換機1408は電話呼設定要求を中継交換機1412へ通知する(ステップHA03)。そして、中継交換機1412は前記呼設定要求を受付けて共通線信号方式の信号ユニット1451を形成し、前記信号ユニット1451を、制御通信回線1415を経て中継ゲートウェイ1401内の中継制御部1423へ転送する(ステップHA04)。信号ユニット1451の宛先信号局コードは、“DPC-1”、送信元信号局コードは“OPC-1”、信号リンク選択は“SLS-1”、回線番号は“CIC-1”、メッセージは“IAM”、パラメータは“Para-1”であり、前記パラメータ“Para-1”の内容は、電話機1420の電話番号“TN-1”及び電話機1421の電話番号“TN-2”とを含む。図232に示す信号ユニット1451内のメッセージ“MSG-1”は“IAM”を意味する。
【0522】
<<中継制御部1423の動作>>
中継制御部1423は信号ユニット1451を受信する(ステップHA04)。図256は、中継制御部1423が、信号ユニット1451をIPパケット1452へ変換する手順を示している。中継制御部1423は信号ユニット1451を受信し(図256のステップS1461−2)、信号ユニット1451内部の信号局ラベル“DPC-1,OPC−1,SLS-1,CIC-1”を取り出し(ステップS1461−3)、アドレス接続表1438内部に信号局ラベル、つまり宛先信号局コード(DPC)、送信元信号局コード(OPC)、信号リンク選択(SLS)、回線番号(CIC)の組を含むレコードが存在するかを調べる(ステップS1461−4)。本ケースでは、アドレス接続表1438−1(図244)内に一致するレコードがないので、前記信号局ラベルをアドレス接続表1438のレコードに追加して書込み(ステップS1461−5)、中継制御部1423は、パラメータ“Para-1”内の電話機1421の電話番号“TN-2”を取り出し、中継制御部1423はゲートウェイアドレス管理サーバ1441に質問し、前記電話番号“TN-2”を管理するゲートウェイのIPアドレスの回答を得る(ステップS1461−6)。本ケースでは、中継ゲートウェイ1402のIPアドレス“D-ad-x”(つまり、“GW06”)を取得する。ここで、ゲートウェイアドレス管理サーバ1441及び1442は、電話番号10桁の全部又は上位の6桁(市外局番と電話局番号)を入力し、質問した電話番号を管理するゲートウェイのIPアドレスを出力する。
【0523】
なお、ゲートウェイアドレス管理サーバの1441及び1442は、電話番号をドメイン名に置きかえることにより、ドメインネームサーバ(DNS)の公知の技法により実現することもできる。更に、質問する電話番号の数が少ない場合は、ゲートウェイアドレス管理サーバの代わりにIPアドレス管理表1441−1(図234)とすることもできる。ここで、IPアドレス管理表1441−1は、電話番号と当該中継ゲートウェイのIPアドレスとの対応を表にまとめたものであり、電話番号を指定すると、対応する中継ゲートウェイのIPアドレスが得られる。なお、IPアドレス管理表は、他の実施例において説明しているIP転送網出回線表と同一の目的、つまり電話番号とIPアドレスとの対応を検索するために用いられる。
【0524】
中継制御部1423は、中継ゲートウェイ1401のIPアドレス“S-ad-x”(つまり、“GW05”)を保持しており、IPパケット1452を形成する。IPパケット1452の宛先IPアドレスは“D-ad-x”、送信元IPアドレスは“S-ad-x”、回線番号は“CIC-x”、メッセージは“IAM”であり、パラメータ“Para-x”は、電話機1420の電話番号“TN-1”と電話機1421の電話番号“TN-2”とを含む。前記メッセージやパラメータは、それぞれ信号ユニット1451から取得する(図236参照)。中継制御部1423は、“S-ad-x”及び“D-ad-x”の組毎に回線番号“CIC-x”を一定のルールで定めて用いる(図256のステップS1461−7)。例えば、直前に生成した回線番号の値を内部のメモリに保持しておき、1ずつ加算して用い、次の計算式を用いて生成する。
【0525】
CIC-x = CIC-x + 1 mod 65536 ・・・(8)中継制御部1423のアドレス接続表1438は、中継制御部1423が信号ユニット1451を受信する前の時点において空白であり、この様子をアドレス接続表1438−1(図244)として示す。中継制御部1423がIPパケット1452を形成すると、信号ユニット1451内部のラベル情報“DPC-1,OPC-1,SLS-1,CIC-1”と、IPパケット1452内部のラベル情報“S-ad-x,D-ad-x,CIC-x”とを組合せて、更に音声制御部1427に対して音声通信路を要求するためのメディアパス識別子“MP-8”を定め、アドレス接続表の内部に追加して書込む(図256のステップS1461−8)。この様子をアドレス接続表1438−2(図245)に示す。
【0526】
アドレス接続表1438−2のレコード内部の信号局アドレス項目(“DPC-1,OPC-1”)のうち、左側の“DPC-1”がアドレス接続表1438−2を保持している中継接続ゲートウェイ1401の信号局アドレスである。同様にアドレス接続表1438−2のIPアドレス項目(“S-ad-x, D-ad-x”)のうち、左側の“S-ad-x”がアドレス接続表1438−2を保持している中継接続ゲートウェイ1401のIPアドレスである。当該レコードの右端がメディアパス識別子“MP-8”である。
【0527】
<<中継制御部と音声制御部との連携動作>>
図232を参照して説明する。中継制御部1423は、音声制御部1427に、情報回線1429−1経由で前記メディアパス識別子“MP-8”を提示し(図251のステップ1423−1)、音声制御部1427は音声通信用に供する音声制御部1427の内部モジュールの内部IPアドレス“IA5”、外部IPアドレス“EA5”、音声通信用ポート番号“5010”を確保して、情報回線1429−1経由で、中継制御部1423へ報告する(ステップ1427−1)。更に、音声制御部1427は、音声通信回線1417へ音声フレームを送信する論理通信回線を識別する論理通信回線識別子“CH-1”を定め、音声通信回線1417から音声フレームを受信する論理通信回線を識別する論理通信回線識別子“CH-2”を定め、前記論理通信回線識別子“CH-1”及び“CH-2”をメディアパス接続表1429に書き込み、結果はメディアパス接続表1429−1x(図248)のようになる。
【0528】
なお、論理通信回線1417がISDN通信回線の1次群速度インタフェース回線(PRI)の場合、論理通信回線識別子はISDN通信装置の装置番号及び特定のBチャネル(ユーザ情報の論理伝送回線)指す番号の組から成っている。
【0529】
中継制御部1423は中継ゲートウェイ1401のIPアドレス“GW05”、上述のように取得又は生成した回線番号“CIC-2”、信号ユニット1451内部の電話番号“TN-1”、“TN-2”、IPアドレス“EA5”及び“IA5”、ポート番号“5010”をCIC管理表に書き込む。結果はCIC管理表1423−1(図240)のようになる。但し、手順区分は、ステップHA04の後であるので“IAM”とする。
【0530】
<<IP転送網内の転送>>
中継制御部1423は、前記により形成した(図256のステップS1461−9)IPパケット1452をIP転送網1400内部へ送信し(ステップS1461−10)、IPパケット1452は、制御通信回線1431−1、ルータ1431、制御通信回線1431−2を経由して、中継ゲートウェイ1402内の中継制御部1424へ到達する(ステップHA05)。
【0531】
<<中継制御部1424:CIC管理表及びアドレス接続表の設定>>
中継制御部1424はIPパケット1452を受信する(図257のステップS1462-2)。IPパケット1452からIPアドレス、メッセージ、回線番号、パラメータを取り出す(ステップS1462-3)。ここで、宛先IPアドレスは“D-ad-x”、送信元IPアドレスは“S-ad-x”、回線番号は“CIC-x”、メッセージは“IAM”、パラメータは“Para-x”であり、パラメータ“Para-x”は、電話機1420の電話番号“TN-1”と電話機1421の電話番号“TN-2”とを含んでいる。アドレス接続表1439−1(図246)の内部に、対応するIPアドレス“S-ad-x”、“D-ad-x”及び回線番号の組が存在するかを調べる(ステップS1462-4)。本ケースではその組が存在しないので、前記IPアドレス“S-ad-x”及び“D-ad-x”、回線番号アドレス“CIC-x”を取り出してアドレス接続表1439−1に書き込み(ステップS1462-5)、中継制御部1424は、信号局アドレス管理サーバ1444に宛先電話機の電話番号“TN-2”を提示し、電話番号“TN-2”である電話機1421を管理する交換機1409の信号局アドレス“DPC-2”を取得し(ステップS1462-6)、図246のアドレス接続表1439−1に書込む(ステップS1462-7)。結果として、アドレス接続表は1439−2となる(図247)。当該レコードの右端がメディアパス識別子“MP-9”である。
【0532】
中継制御部1424は、予め公衆交換網1406と取り決めてあるルールにより回線番号“CIC-2”、信号リンク選択“SLS-2”を定め、メッセージは“IAM”及びパラメータ“Para-2”を含む信号ユニット1453を形成し(ステップS1462-8)、制御通信回線1416へ送信する(ステップS1462-9)。
【0533】
<<中継制御部と音声制御部との連携動作>>
図232を参照して説明する。中継制御部1424は、情報回線1430−1を経由して、音声制御部1428にメディアパス識別子“MP-9”と、前記取得した音声制御部1427内モジュールの内部IPアドレス“IA5”、外部IPアドレス“EA5”と、音声制御部1427が音声送信に用いるポート番号“5010”とを提示すると(図252のステップ1424−1)、音声制御部1428は、音声制御部1428内モジュールの内部IPアドレス“IA6”、外部IPアドレス“EA6”と音声制御部1428が音声送信に用いるポート番号“5012”とを中継制御部1424へ報告する(ステップ1428−1)。この手順において、音声制御部1428は、IPアドレス及びポート番号の2対(内部IPアドレス“IA5”、外部IPアドレス“EA5”及びポート番号“5010”、内部IPアドレス“IA6”、外部IPアドレス“EA6”及びポート番号“5012”)をメディアパス接続表1430に書き込む。更に、音声制御部1428は、音声通信回線1418へ音声フレームを送信する論理通信回線を識別するための論理通信回線識別子“CH-3”を定め、音声通信回線1418から音声フレームを受信する論理通信回線を識別するための論理通信回線識別子“CH-4”を定め、論理通信回線識別子“CH-3”及び“CH-4”をメディアパス接続表1430に書き込む。結果は、メディアパス接続表1430−1(図249)のようになる。
【0534】
メディアパス接続表1430−1の意味は、送信元IPアドレス“EA5”、送信元ポート番号“5010”、宛先IPアドレス“EA6”、宛先ポート番号“5012”であるIPパケット(ペイロードはUDP)を、更にIPカプセル化したIPパケット(ただし、送信元IPアドレス“IA5”、宛先IPアドレス“IA6”)を受信すると、そのUDPペイロード内のディジタル化音声を論理通信回線1418の論理通信回線識別子“CH-3”の回線へ送信することであり、論理通信回線識別子“CH-4”の回線からディジタル化音声を受信すると、このディジタル化音声を送信元IPアドレス“EA6”、送信元ポート番号“5012”、宛先IPアドレス“EA5”、宛先ポート番号“5010”であるIPパケット(ペイロードはUDP)に格納し、更に前記IPパケットを、IPカプセル化したIPパケット(ただし、送信元IPアドレス“IA6”、宛先IPアドレス“IA5”)をIP転送網1400内部へ送信することである。
【0535】
<<公衆電話交換網1406の動作>>
信号ユニット1453は中継交換機1413に到達し(ステップHA06)、信号ユニット1453は公衆電話交換網1406の中を転送され、交換機1409に到達する(ステップHA07)。交換機1409は、電話番号“TN-2”である電話機1421が着信許可されているか等を調べて、着信許可があると、電話呼設定要求(着信通知)を電話機1421に通知する(ステップHA08)。
【0536】
次に、交換機1409は、図237に示す信号ユニット1454を形成する。信号ユニット1454内部の宛先信号局アドレス“DPC-3”、送信元信号局アドレス“OPC-3”、信号リンク選択“SLS-3”、回線番号“CIC-3”である。ここで、“OPC-3”の値は“DPC-2”の値であり、“DPC-3”の値は“OPC-2”の値であり、“SLS-3”の値は“SLS-2”の値であり、“CIC-3”の値は“CIC-2”の値である。即ち、信号局アドレスは、前記ステップの送信元信号局と宛先信号局のアドレスとを交換した値であり、信号リンク選択及び回線番号の値は変わらない。
【0537】
交換機1409は信号ユニット1454を公衆電話交換網1406の内部に転送し、信号ユニット1454は交換機1413を通過し(ステップHA11)、制御通信回線1416を経由して中継ゲートウェイ1402内部の中継制御部1424へ到達する(ステップHA12)。
【0538】
中継制御部1424は信号ユニット1454を受信し(図256のS1461−2)、信号ユニット1454内部の信号局ラベルを取り出し(S1461−3)、アドレス接続表1439内部に信号局ラベル“DPC-3,OPC−3,SLS-3,CIC-3”の内容が同一であるレコードがあるかを調べる(ステップS1462−4)。本ケースでは、アドレス接続表1439−2内に一致するレコードがあるので、次に図238に示すIPパケット1455を形成し(図256のS1461−9)、IP転送網1400内に送信する(S1461−10)。IPパケット1455内の送信元IPアドレス“S-ad-u”、宛先IPアドレス“D-ad-u”、回線番号“CIC-u”である。ここで、“S-ad-u”の値は“D-ad-x”の値であり、“D-ad-u”の値は“S-ad-x”の値であり、“CIC-u”の値は“CIC-x”の値である。即ち、中継局ゲートウェイのアドレスは、前記ステップHA05におけるIPパケット1452のIPアドレスの送信元と宛先とを交換した値であり、回線番号の値は変わらない。IPパケット1455は、制御通信回線1431−2、ルータ1431、制御通信回線1431−1を経て、中継制御部1423へ到達する(図233のステップHA13)。中継制御部1423はIPパケット1455を受信し(図257のS1462−2)、IPパケット1455からIPアドレス“S-ad-u”及び“D-ad-u”、回線番号“CIC-u”を取り出す(S1462−3)。そして、アドレス接続表1438内部において、ラベル情報“S-ad-u”が“D-ad-x”と一致し、“D-ad-u”が“S-ad-x”と一致し、回線番号“CIC-u”が“CIC-x”と一致するので(S1462−4)、図239に示す信号ユニット1456を形成する(図257のS1462−8)。次に、制御通信回線1415に送信し(S1462−9)、信号ユニット1456は中継交換機1412に到達し(ステップHA14)、信号ユニット1456は公衆電話交換網1405の中を転送されて交換機1408に到達する(ステップHA15)。
【0539】
一方、電話機1421は、ステップHA08による着信通知を受けて、電話呼出中であることを示す信号ユニットを交換機1409に返信し(ステップHA20)、交換機1409は、電話呼出中を知らせる信号ユニット(CPGメッセージ)を交換機1413へ通知する(ステップHA21)。交換機1413は、前記信号ユニットを制御通信回線1416を経由して中継ゲートウェイ1402の中継制御部1424へ送信し(ステップHA22)、中継制御部1424はその内部のアドレス接続表1439−2を参照し、図256に示す前記同様の手順により前記電話呼出中を通知するIPパケットを形成する。前記形成されたIPパケットは、制御通信回線1431−2、ルータ1431、制御通信回線1431−1を通過して中継制御部1423に到達する(ステップHA23)。
【0540】
中継制御部1423はIPパケットを受信し、前記電話呼出中を通知する信号ユニットを形成し、前記信号ユニットを制御通信回線1415へ送信する。前記信号ユニットは、中継交換機1412を通過して(ステップHA24)、交換機1408に到達する(ステップHA25)。交換機1408は、電話機1421呼出中を電話機1420へ通知する(ステップHA26)。
【0541】
次に、電話機1421の利用者が電話呼出しに応答すると(ステップHA30)、以降は応答を知らせる信号ユニットが交換機1409から送信され、交換機1413を経て(ステップHA31)、中継制御部1424へ到達する(ステップHA32)。中継制御部1424においてアドレス接続表1439が参照され、応答を知らせるIPパケット(ANM)が形成され、前記IPパケットは制御通信回線1431−2、ルータ1431、制御通信回線1431−1を経由して中継制御部1423に到達する(ステップHA33)。中継制御部1423においてアドレス接続表1438が参照され、応答を知らせる信号ユニットが形成され、制御通信回線1415を経由し、交換機1412を経て(ステップHA34)、交換機1408へ到達する(ステップHA35)。交換機1408は応答信号を電話機1420に送る(ステップHA36)。
【0542】
<<メディアパス接続表の完成>>
図232を参照して説明する。中継制御部1423は、音声制御部1427に前記メディアパス識別子“MP-8”と、前記取得した音声制御部1428内モジュールの内部アドレス“IA6”、外部IPアドレス“EA6”と、音声制御部1428が音声送信に用いるポート番号“5012”とを提示すると(図253のステップ1423−2)、音声制御部1427は、メディアパス接続表1429−1(図248)に、前記IPアドレス“IA6, EA6 ”及び前記ポート番号“5012を書き込み、メディアパス接続表1429−2(図250)を完成して、中継制御部1423へ報告する(ステップ1427−2)。
【0543】
前記接続フェーズにおいて、電話機1420及び1421の電話回線のために設定した公衆電話交換網1405が設定した回線番号“CIC-1”と、IP転送網1400が設定した回線番号“CIC-x”とは、アドレス接続表1438において関係付けられ、IP転送網1400が設定した回線番号“CIC-x”と公衆電話交換網1406が設定した回線番号“CIC−2”とは、アドレス接続表1439において対応付けられる。これら2つの対応付けは、電話機1420及び1421の電話通信の始まりから終了まで一定である。
【0544】
<<通信フェーズ>>
以上の手順により、電話機1420と電話機1421との間で通話が可能となり、音声通信が行われる(ステップHA38)。電話機1420から送られた音声は、交換機1408において電話呼接続制御の信号と音声信号とに分けられた後に交換機1412に送られ、音声通信回線1417を経て、中継ゲートウェイ1401内の音声制御部1427を経て、音声通信回線1433−1、ルータ1433、音声通信回線1433−2、中継ゲートウェイ1402内の音声制御部1428を経て、音声通信回線1418、交換機1413,交換機1409を経て、電話機1421に到達する。電話機1421から電話機1420は前記説明と逆方向に転送される。音声と電話接続制御との通信回線が、交換機1408と交換機1409との間で分離できることが特徴である。
【0545】
<<解放フェーズ>>
利用者が受話器を置くと、電話機1420から通信の解放が交換機1408へ通知され(図233のステップHA40)、交換機1408は解放メッセージ(REL)を交換機1412へ通知する(ステップHA41)。交換機1412は解放メッセージを受信すると、直ちに解放完了メッセージ(RLC)を交換機1408へ返信し(ステップHA55)、交換機1412は解放メッセージ(REL)を中継制御部1423へ通知する(ステップHA42)。中継制御部1423は解放完了メッセージ(RLC)を交換機1412へ返信し(ステップHA54)、中継制御部1423は解放メッセージ(REL)を中継制御部1424へ通知し(ステップHA43)、中継制御部1424は解放完了メッセージ(RLC)を中継制御部1423へ返信する(ステップHA53)。中継制御部1424は解放メッセージ(REL)を交換機1413へ通知し(ステップHA44)、交換機1413は解放完了メッセージ(RLC)を中継制御部1424へ返信し(ステップHA52)、交換機1413は解放メッセージ(REL)を交換機1409へ通知する(ステップHA45)。交換機1409は解放完了メッセージ(RLC)を交換機1413へ返信し(ステップHA51)、交換機1409は解放通知を電話機1421へ知らせる(ステップHA46)。
【0546】
中継制御部1423は、ステップHA42において(図258のステップS1463-2)、前記信号ユニットが解放メッセージ(REL)と判定すると(ステップS1463-3、S1463-4,S1463-5)、アドレス接続表の該当するレコードを抹消する(ステップS1463-6)。この結果、アドレス接続表1438−2(図245)のレコードは、アドレス接続表1438−1(図244)に示すように空欄となる。同様に、中継制御部1424は、ステップHA43において(図259のステップS1464-2)、前記信号ユニットに含まれるメッセージが解放メッセージ(REL)と判定すると(ステップS1464-3、S1464-4,S1464-5)、アドレス接続表の該当するレコードを抹消する(ステップS1464-6)。この結果、アドレス接続表1439−2(図247)のレコードは、アドレス接続表1439−1(図246)に示すように空欄となる。
【0547】
<<メディアパスレコードの抹消>>
中継制御部1423は、前記ステップHA43において、音声制御部1427にメディアパス接続表1429−2(図250)の当該メディアパス“MP-8”のレコードを抹消するように指示し(図254のステップ1423−3)、音声制御部1427は当該メディアパス接続表のレコード抹消を報告する(ステップ1427−3)。また、中継制御部1424は、前記ステップN53において、音声制御部1428にメディアパス接続表1430−1(図249)の当該メディアパス“MP-9”のレコードを抹消するように指示し(図255のステップ1424−2)、音声制御部1428は当該メディアパス接続表のレコード抹消を報告する(ステップ1428−2)。なお、当該レコードは運用記録に用いることができる。
【0548】
<<電話機1420と電話機1422との間の通信>>
電話機1422から、メディアルータ1404、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1403、中継ゲートウェイ1402、公衆電話交換網1406を経由して、電話機1421に電話をかける端末間通信接続制御方法、つまり電話機1―メディアルータ−IP転送網―公衆電話交換網−電話機2である端末間通信接続制御方法については、他の実施例において説明している。前記と逆方向の電話機2―公衆電話交換網−IP転送網−メディアルータ―電話機1である端末間通信接続制御方法は、ほぼ同様の手順により、容易に類推できる手順により実施できる。電話機1420から、公衆電話交換網1405を経由して、中継ゲートウェイ1401、カプセル機能付終端ゲートウェイ1403、メディアルータ1404を経由して、電話機1422に電話をかける端末間通信接続制御方法は、他の実施例でカプセル化機能付終端ゲートウェイの機能を説明しており、前記説明とほぼ同様の手順により実施できる。更に、電話機1420から、公衆電話交換網1405を経由して、中継ゲートウェイ1401、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1403を経由して、UNI通信回線1419、公衆電話交換網1407を経て電話機1423へ電話をかける端末間通信接続制御方法は、他の実施例でUNI通信回線を経由した公衆電話交換網経由の端末間通信接続制御手順を説明しており、前記説明とほぼ同様の手順により実施できる。
【0549】
以上を要約すると次のようになる。2つの電話機間の端末間接続制御において、電話機1、公衆電話交換網1、NNIインタフェース通信回線1、IP転送網に属する中継ゲートウェイ1と中継ゲートウェイ2、NNIインタフェース通信回線2、公衆電話交換網2、電話機2とを順に経由する。他の方法として、電話機1、公衆電話交換網1、NNIインタフェース通信回線1、IP転送網に属する中継ゲートウェイとカプセル化機能付ゲートウェイ、メディアルータ、電話機2をこの順に経由する。
【0550】
14. 音声線をIPカプセル化しない第15実施例:
本実施例は、他実施例中の網ノード装置をIPカプセル化しない終端装置に変更し、終端ゲートウェイは非カプセル化終端ゲートウェイに変更し、中継ゲートウェイは非カプセル化中継ゲートウェイに変更した例である。音声IPパケットはIPカプセル化せず、表管理サーバと代理電話サーバを除いている。
【0551】
図260において、1600はIP転送網、1601は公衆電話交換網、1602は非カプセル化終端ゲートウェイ、1603は終端装置、1604は終端ゲートウェイ制御部(SEP)、1605は非カプセル化中継ゲートウェイ、1606は中継制御部(STP)、1607は音声制御部,1608は中継交換機、1609は加入者交換機、1610は電話番号“TN-1”の電話機、1611は電話番号“TN-2”の電話機、1612及び1613は制御IP通信回線、1614及び1615は音声IP通信回線、1616は共通線信号方式の制御通信回線、1617は音声通信回線、1620はアドレス管理表、1671は電話管理サーバ、1672は電話番号サーバである。非カプセル化中継ゲートウェイ1605は、非カプセル化終端ゲートウェイ1602と相互通信ができる中継ゲートウェイである。メディアルータ1660や電話機等のIP転送網の外部にある装置類が使用することができるIPアドレスを外部IPアドレスといい、IP転送網1600の外部にある装置類が使用することができないIP転送網1600内部専用のIPアドレスを内部IPアドレスという。電話管理サーバ1671は外部IPアドレス“EA91”と内部IPアドレス“IA91”とを有し、用途別に使い分けて情報安全性を向上させている。
【0552】
<<接続フェーズ>>
電話機1610から、電話機1611へ電話通信する例である。電話機1610の受話器を上げると、呼出信号がメディアルータ1660へ伝えられ(図261のステップB01)、メディアルータ1660は電話呼出を確認する(ステップB02)。次に、送信元IPアドレス“EA1”、宛先IPアドレス “EA91”、電話番号“TN-1”、電話番号“TN-2”、音声送信用ポート番号“5006”、付加情報“Info-2”を含むIPパケット1630(図262)を形成し、終端装置1603へ送信する(ステップB03)。ここで、IPアドレス“EA1”はメディアルータ1660のIPアドレス、IPアドレス“EA91”は電話管理サーバ1671の外部IPアドレス、IPパケット1630のペイロード部分はUDPパケットであり、送信元及び宛先ポート番号がいずれも“5060”の例である。
【0553】
<<終端装置によるパケットフィルタ>>
終端装置1603はIPパケット1630を受信すると、IPパケット1630内部に含まれる送信元IPアドレス“EA1”、送信元ポート番号“5060”、宛先IPアドレス“EA91”、宛先ポート番号“5060”の全てが、アドレス管理表1620内部のレコードとして登録されているか否かを調べる。本ケースでは、アドレス管理表1620−1(図263)の1行目のレコードとして含まれているので、終端装置1603は、IPパケット1630内部の宛先IPアドレス“EA91”を電話管理サーバの内部IPアドレス“IA91”に変換する(NAT機能)。次に、アドレス管理表1620−1内の当該レコードの右端の出力インタフェース“IF1612”の指定に従い、制御IP通信回線1612にIPパケット1631として送出する(ステップB04)。なお、受信したIPパケット1630内部のIPアドレス及びポート番号がアドレス管理表1620に登録されていないケースでは、IPパケット1630は廃棄される。このようにして、IPパケットのフィルタリングを行う。
【0554】
<<CIC管理表の形成>>
電話管理サーバ1671はIPパケット1631を受信し、電話管理サーバ1671が内部に保持するCIC管理表のレコードに、電話管理サーバ1671の内部IPアドレス“IA91”、手順区分“IAM”、送信元電話番号“TN-1”、宛先電話番号“TN-2”、前記IPアドレスの“EA1”、前記音声送信用ポート番号“5006”、書込み時刻(年月日時分秒)“St6”をCIC管理表1671−1(図264)として書き込む。
【0555】
次に、電話管理サーバ1671は、宛先電話番号“TN-2”を質問するIPパケット1632−1(図265)を電話番号サーバ1672に示し(ステップB06)、電話番号サーバ1672は、IPアドレス“GW03”をIPパケット1632−2(図266)に格納して回答する(ステップB07)。ここで、前記IPアドレス“GW03”は(非カプセル化)中継ゲートウェイ1605のIPアドレスとなっている。
【0556】
<<回線番号の管理>>
電話管理サーバ1671は、IPアドレス“IA91”及びIPアドレス“GW03”の組に対して定めている回線番号形成ルールにより回線番号“CIC-2”を定め、IPアドレス“GW03”と共にCIC管理表に書き込む。この結果は、CIC管理表1671−2(図267)のレコードに記録されている。次に電話管理サーバ1671は、IPパケット1631及びCIC管理表1671−2を参照し、IPパケット1634(図268)(IAMパケット)を形成し、IPパケット1634を中継ゲートウェイ1605へ送信する(ステップB09)。
【0557】
<<中継制御部の動作>>
中継制御部1606は、IPパケット1634(図268)を受信すると(ステップB09)、IPパケット1634から送信元IPアドレス“IA91”、宛先IPアドレス“GW03”、回線番号“CIC-2”、手順区分“IAM”、送信元電話番号“TN-1”、宛先電話番号“TN-2”、外部IPアドレスの“EA1”、音声送信用ポート番号“5006”を取り出し、中継ゲートウェイ1605が内部に保持するCIC管理表1605−1(図269)のレコードとして、時刻“St7”と共に書込んで記録する。
【0558】
更に、中継制御部1606は信号局アドレス管理表1627(図270)を検索し、電話番号“TN-2”を提示して電話機1611を管理する交換機1609の信号局アドレス“PC-09”を取得する。更に、中継制御部1606は、予め公衆電話交換網1601と取り決めてあるルールにより信号リンク選択“SLS-3”、回線番号“CIC-3”を定める。中継制御部1606は、中継ゲートウェイ1605の信号局アドレス“PC-3”、前記取得した“PC-09”、前記信号リンク選択“SLS-3”、前記回線番号“CIC-3”、前記IPアドレス“GW03”、IPアドレス“IA91”、回線番号“CIC-2”とを新たに定めるメディアパス識別子“MP-7”と共に、アドレス接続表1625の新規レコードとして書き込む。結果として、アドレス接続表は1625−1に示すようになる(図271)。続いて、中継制御部1606は、前記信号局アドレス“PC-09”と“PC-3”、前記信号リンク選択“SLS-3”と回線番号“CIC-3”、メッセージ“IAM”、電話番号“TN-1”及び“TN-2”を含む信号ユニット1635を形成し(図272)、制御通信回線1616へ送信する(ステップB10)。
【0559】
<<中継制御部と音声制御部との連携動作>>
中継制御部1606は、前記メディアパス識別子“MP-7”、前記外部IPアドレス“EA1”、音声送信用ポート番号“5006”を、情報回線1629経由で音声制御部1607へ通知する。音声制御部1607は、前記通知された情報をメディアパス接続表1628のレコードとして書き込む。更に、音声制御部1607は、音声制御部1607から音声通信回線1617へ音声を送信するための論理通信回線を定め、その論理通信回線識別子“CH-1”をメディアパス接続表1628のレコードとして書き込む。以上の結果を、メディアパス接続表1628−1(図273)に示す。
【0560】
<<交換網の動作とACMメッセージ>>
交換機1608は、制御通信回線1616経由で信号ユニット1635を受信し(ステップB10)、信号ユニット1635を交換機1609へ転送する(ステップB11)。交換機1609は信号ユニット1635を受信し、内部に含まれる宛先電話番号“TN-2”が着信可能であるか否かを確認し、着信可能であれば着信通知を電話機1611へ通知する(ステップB12)。更に、信号ユニット1635の受信を知らせる信号ユニット1635−1(図275)を形成して返信し、信号ユニットは、交換機1608を経由して(ステップB13)、中継ゲートウェイ1605に到達する(ステップB14)。中継制御部1606は、受信した信号ユニット1635−1のラベル情報を基に、アドレス接続表1625−1(図271)を参照し、IPパケット形成のためのアドレス情報を取得する。IPパケット1651(ACMメッセージ)(図276)を形成し、IPパケット1651を電話管理サーバ1671へ送信する(ステップB15)。電話管理サーバ1671は、受信したIPパケット1651から回線番号“CIC-2”及び手順区分“ACM”を取り出し、電話管理サーバ1671が保持するCIC管理表1671−2(図267)を調べて、自己IPアドレス“IA91”、相手IPアドレス“GW03”、回線番号“CIC-2”であるレコードを見出し、CIC管理表1671−2の該当レコードの手順区分欄を前記“ACM”に書き変える。
【0561】
次に、電話管理サーバ1671は、前記ACMメッセージを受信したことを示すIPパケットを形成し、メディアルータ1660へ通知する(ステップB18、B19)。
【0562】
<<メディアパス接続表>>
前記ステップB10と並行して、あるいはステップB10を完了した後に、中継制御部1606は音声制御部1607にメディアパス識別子“MP-7”を提示し、同時にIPアドレスとポート番号を要求する。すると、音声制御部1607は、音声制御部1607が音声IP通信回線1615に送出するIPパケットの送信元IPアドレス“EA7”とUDPパケットのポート番号“5008”とを中継制御部1606へ回答する。なお、音声制御部1607は交換機1608から受信する論理音声通信回線を確保し、その識別子“CH-2”をメディアパス接続表1628−2(図274)のレコードに記録する。メディアパス接続表のレコードの左側が音声制御部1607のIPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”なり、右側が通信相手先のIPアドレス“EA1”及びポート番号“5006”となるように並べている。中継制御部1606は、IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を受信し、CIC管理表1605−1(図269)に書き込む。その結果は、CIC管理表1605−2(図279)のようになる。
【0563】
<<CPGメッセージの送信>>
電話機1611が電話呼出中を交換機1609に報告すると(ステップB20)、交換機1609は電話呼出中を知らせる信号ユニット(CPGメッセージ)を形成して送信し、前記信号ユニットは交換機1608を経由して(ステップB21)、中継制御部1606に到達する(ステップB22)。中継制御部1606は、受信した前記信号ユニットのラベル情報を基にアドレス接続表1625−1(図271)を参照し、IPパケット形成のためのアドレス情報を取得し、IPパケット形式のCPGメッセージ1652(図277)を形成する。IPパケットは電話管理サーバ1671へ送信され(ステップB23)、電話管理サーバ1671は、前記電話呼出中通知をメディアルータ1660経由で電話機1610へ通知する(ステップB26乃至B28)。中継制御部1606はCPGメッセージを形成するとき、CIC管理表1605−2(図279)から外部IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を取得し、CPGメッセージ1652に書き込んでいる。電話管理サーバ1671は、受信したCPGパケット1652から外部IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を取り出し、管理表1671−2(図267)に書き込むことができる。
【0564】
<<ANMメッセージの送信>>
次に、電話機1611の利用者が電話呼出しに応答すると(ステップB30)、交換機1609は応答を知らせる信号ユニット(ANMメッセージ)を形成して送信し、前記信号ユニットは交換機1608を経由して(ステップB31)、中継制御部1606に到達する(ステップB32)。中継制御部1606は、受信した前記信号ユニットのラベル情報を基にアドレス接続表1625−1(図271)を参照し、IPパケット形式のANMメッセージ1653(図278)を形成し、IPパケット1653は電話管理サーバ1671へ送信される(ステップB33)。電話管理サーバ1671は、前記応答通知をメディアルータ1660経由で電話機1610へ通知する(ステップB36乃至B38)。即ち、電話管理サーバ1671から、IPパケット1656(図282)が終端装置1603を経由して(ステップB36)、メディアルータ1660へ送られる(ステップB37)。
【0565】
中継制御部1606はANMメッセージを形成するとき、CIC管理表1605−2(図279)から外部IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を取得し、ANMメッセージ1653に書き込んでいる。電話管理サーバ1671は、受信した応答パケット1653から外部IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を取り出し、CIC管理表1671−2(図267)に書き込むことができる。
【0566】
<<CIC管理表への書き込みタイミング>>
電話管理サーバ1671が、前記外部IPアドレス“EA7”及びポート番号“5008”を取り出してCIC管理表1671−2に書き込み、CIC管理表1671−3(図280)を形成するタイミングは、前記説明のうちCPGメッセージを受信したステップB23、或はANMメッセージを受信したステップB33の一方のみ行う。
【0567】
<<アドレス管理表への書き込み>>
電話管理サーバ1671は、CIC管理表1671−3(図280)から、送信元電話機1610が接続するメディアルータ1660の外部IPアドレス“EA1”と、メディアルータ1660が音声送信に用いるポート番号“5006”と、音声制御部1607内部の外部IPアドレス“EA7”と、音声制御部が音声送信に用いるポート番号“5008”とを取り出し、音声送出インタフェース“IF1614”と共に終端装置1603のアドレス管理表1620に書き込む(ステップB39)。この結果を、アドレス管理表1620−2(図281)の第3行目のレコード“EA1、5006、EA7,5008,IF1614”に示す。
【0568】
<<通信フェーズ>>
電話機1610の利用者と電話機1611との電話通信は、他の実施例で説明しているのと同様のステップである。電話機1610のアナログ音声はディジタル化され、IPパケット1661(図283)のペイロードに乗せられる。IPパケット1661の送信元アドレスはメディアルータ1660のIPアドレス“EA1”、宛先アドレスは前記取得した音声制御部1607内部のIPアドレス“EA7”、メディアルータの音声送信ポート番号は“5006”、音声制御部1607が音声送信に用いるUDPポート番号は“5008”である。
【0569】
IPパケット1661内部のIPアドレス及びポート番号が、アドレス管理表1620−2の3行目のレコード“EA1、5006、EA7、5008、IF1614”に含まれているので、IPパケット1661は出力回線インタフェース“IF1614”の指定により、IPパケット1662(図260)として音声IP通信回線1614へ送出され、ルータ1624、音声IP通信回線1615を経て、中継ゲートウェイ1606の音声制御部1607へ到達する。
【0570】
音声制御部1607は、受信したIPパケット1662からIPアドレスとポート番号“EA1、5006、EA7、5008”とを取り出し、メディアパス接続表1628−2(図274)の内部で、IPアドレスとポート番号が一致するレコードを検索する。ここで、メディアパス接続表の1行目のレコードに含まれるIPアドレス及びポート番号の組が一致するので、IPパケット1662は正規のIPパケットと見なされて受信される。なお、一致しないケースでは、前記IPパケットは廃棄される。
【0571】
次に、IPパケット1662内のディジタル化音声は、音声通信回線1617を伝送される形態の音声フレーム1664(図284)に変換され、音声フレーム1664は交換機1608を経由して交換機1609に到達し、電話機1611から音声が出力される。電話機1611から送られた音声フレームに格納された音声は前記と逆方向に送られ、電話機1610へ到達する。
【0572】
<<解放フェーズ>>
電話機1610の利用者が電話通信の解放を通知すると(図261のステップB50)、メディアルータ1660は電話呼解放通知を電話管理サーバ1671に送り(ステップB51乃至N52)、電話管理サーバ1671は解放完了をメディアルータ1660へ返信する(ステップB64乃至B66)。電話管理サーバ1671は、電話呼解放を知らせるIPパケット1665(図285)を中継制御部1606に送り(ステップB55)、中継制御部1606は解放完了を知らせるIPパケット1666(図286)を電話管理サーバ1671へ返信し(ステップB62)、中継制御部1606は電話呼解放通知を中継交換機1608に送る(ステップB56)。中継交換機1608は解放完了を中継制御部1606へ返信し(ステップB61)、中継交換機1608は電話呼解放通知を交換機1609に送り(ステップB57)、交換機1609は解放完了を中継交換機1608へ返信し(ステップB60)、交換機1609は電話呼切断信号を電話機1611へ送信する(ステップB58)。
【0573】
<<メディアパスレコードの抹消>>
前記ステップB55において、中継制御部1606は音声制御部1607に指示して、メディアパス接続表1628−2(図274)に従って前記設定した当該メディアパスのレコード抹消を指示し、CIC管理表1605−2(図279)の当該レコードの抹消を指示する。更に、前記電話通信の接続制御において設定したアドレス接続表1625−1(図271)の当該レコードを抹消する。
【0574】
<<アドレス管理表とCIC管理表レコードの抹消>>
電話管理サーバ1671は、前記電話通信の接続制御において設定したCIC管理表1671−3(図280)の当該レコードを抹消すると共に、終端装置1603が管理するアドレス管理表1620−2(図281)の当該レコードを抹消するように終端装置1603に指示する(ステップB69)。
【0575】
<<終端装置のバリエーション>>
終端装置1603は、受け入れたIPパケット内部のアドレスを変更する機能(NAT機能)を行わないことも可能である。このケースでは、電話管理サーバの外部IPアドレス“EA91”と内部IPアドレス“IA91”とを一致させる。
【0576】
<<終端装置の他のバリエーション>>
終端装置1603内部のアドレス管理表1620の中にIPアドレスを含まないようにすることも出来、アドレス管理表1620−3(図287)として示す。このケースではIPアドレスの登録は行わないが、電話機の端末間接続制御にポート番号“5060”を用い、電話の音声通信において、ポート番号の“5004”から“5048”を用い、他のポート番号のIPパケットを廃棄する。このようにして、電話以外のIPパケットの送受を禁止する。
【0577】
このようになっているので、電話機1610及び1611はIP転送網1600、公衆電話交換網1601を経由して電話通信が可能である。中継ゲートウェイは中継制御部及び音声制御部を含み、中継制御部はアドレス接続表及び信号局アドレス管理表を含んでいる。音声制御部はメディアパス接続表を含んでいる。音声制御部は音声通信回線1617内の論理通信チャネルを定め、チャネル識別子“CH-j”をメディアパス接続表に書き込む。非カプセル化終端ゲートウェイ及び非カプセル化中継ゲートウェイを用い、非カプセル化終端ゲートウェイ内部の終端装置のアドレス管理表によりIPアドレス及びポート番号の組を登録したIPパケットのみを通過させるIPパケットフィルタリングを行う。あるいは、前記アドレス管理表によりポート番号を登録したIPパケットのみ通過させるIPパケットフィルタリングを行うこともできる。また、公衆電話交換網に接続する電話機とIP転送網に接続する電話機との間で電話通信を行うことが可能である。
【0578】
16.制御線と音声線とを分離して公衆電話交換網に接続する第16実施例: 図288において、1700及び1701はIP転送網、1702は公衆電話交換網(PSTN)、1703及び1704はカプセル化機能付終端ゲートウェイ、1705は共通線信号方式の制御回線1738に接続する中継ゲートウェイ、1706及び1707はIP通信回線に接続する中継ゲートウェイ、1710乃至1713及び1718は中継制御部、1714及び1715は網ノード装置、1716及び1717は音声制御部、1720及び1721は電話機、1725乃至1729は制御通信回線、1731乃至1736は音声通信回線である。1725乃至1736はIP通信回線でもある。1738は共通線信号方式の制御通信回線、1739は音声通信回線である。網ノード装置1714及び1715はIPカプセル化機能を有し、他の実施例で説明している。IP転送網1700及び1701は異なる通信会社が運用する点で個別のIP転送網であるが、IPパケットは通信回線1727及び1734のいずれを経由しても一方から他方へ転送できる。
【0579】
カプセル化機能付終端ゲートウェイ1703内の中継制御部1710は他の実施例で説明しているように電話管理サーバ、代理電話サーバ、電話番号サーバ、表管理サーバを含み、同様に中継制御部1713も電話管理サーバ、代理電話サーバ、電話番号サーバ、表管理サーバを含む。
【0580】
<<接続フェーズ>>
電話機1720から電話機1721へ電話通信する例である。図289において、1700−1はIP転送網1700の範囲を、1701−1はIP転送網1701の範囲をそれぞれ表わす。電話機1720の受話器を上げると、呼出信号がメディアルータ1722へ伝えられ(ステップE01)、メディアルータ1722は電話呼出を確認する(ステップE02)。次に、メディアルータ1722は送信元となる電話機1720の電話番号“TN-1”、宛先となる電話機1721の電話番号“TN-2”を含む電話呼接続要求のIPパケットを形成して網ノード装置1714へ送信する.。網ノード装置1714は前記IPパケットを入力し、他の実施例で説明しているIPカプセル化を適用して内部IPパケットを形成し、前記IPパケットをカプセル化機能付終端ゲートウェイ1703内の中継制御部1710へ送信する(ステップE03)。
【0581】
中継制御部1710は電話呼接続要求のIPパケット1750を形成して、制御IP通信回線1725に送出する。すると、IPパケット1750は、制御IP通信回線1726を経て中継制御部1711に到達する(ステップE05)。IPパケット1750は送信元IPアドレス“S-ad-4”、宛先IPアドレス“D-ad-4”、回線番号“CIC-4”、メッセージ“IAM”、パラメータを“Para-4”を含む。前記パラメータは電話番号“TN-1”及び“TN-2”を含んでいる。宛先IPアドレス“D-ad-4”は中継制御部1713のIPアドレスである第1のケースと、中継制御部1712のIPアドレスである第2のケースとがある。前記第1のケースにおいて、IPパケット1750は、そのまま制御通信回線1728を経て中継ゲートウェイ1704内の中継制御部1713に到達する(ステップE07)。
【0582】
なお、中継制御部1711及び1712は、IPパケット1750内部からIPアドレス“S-ad-4”、“D-ad-4”、回線番号“CIC-4”、IAM”、電話番号“TN-1”及び“TN-2”などを、他の実施例で説明したようなCIC管理表1711−1(図290)として記録することができる。中継制御部1712は他の実施例で説明しているような電話番号サーバを保持している。前記第2のケースにおいて、中継制御部1712はIPパケットを受信すると(ステップE06)、前記電話番号サーバを用いて、宛先電話番号“TN-2”からIPパケット1750のIP転送網1701内部における新しい宛先IPアドレスを検索し、IPパケット1750の宛先IPアドレスとして用いる。中継制御部1712が送出するIPパケット1751はIPパケット1750と同一であるか、あるいは上述した新しいIPアドレスを設定したパケットである。
【0583】
IPパケット1751は制御通信回線1728、1729を経由し、パケット機能付終端ゲートウェイ1704の中継制御部1713に到達する(ステップE07)。なお、中継制御部1713は他の実施例で説明しており、電話管理サーバ、代理電話サーバ、電話番号サーバ、表管理サーバからなる。中継制御部1713内部の電話管理サーバが、IPパケット1751を基にメディアルータに電話呼出要求を知らせるIPパケットを送り、メディアルータ1723が前記IPパケットを受信する(ステップE08)。
【0584】
メディアルータ1723は電話呼設定要求を電話機1721へ通知し(ステップE09)、ステップE08を受信したことを知らせるIPパケットを返信する(ステップE11)。中継制御部1713はACMパケットを形成して返信し(ステップE12)、前記ACMパケットは中継制御部1712、1711を通過して中継制御部1710を経由し、メディアルータ1722へ到達する(ステップE13、E14、E15)。電話機1721が呼出中通知をメディアルータに知らせると(ステップE20)、メディアルータ1723、中継制御部1713,1712,1711、1710、メディアルータ1722を経て、電話機1720へ電話呼出中が知らされる(ステップE21乃至E26)。電話機1721が応答すると、メディアルータ1723、中継制御部1713,1712,1711、1710、メディアルータ1722を経て、電話機1720へ電話機1721の応答が知らされ、通話可能となる(ステップE30乃至E36)。
【0585】
電話機1720と電話機1721との間で音声通信が行われる(ステップE38)。電話機1720から送られた音声は、メディアルータ1722においてディジタル化されてIPパケットに格納され、網ノード装置1714、通信回線1731、1732,1733、音声制御部1716、通信回線1734、音声制御部1717、通信回線1735、1736、網ノード装置1715を経由して、メディアルータ1723に到達し、ここでディジタル化された音声はアナログ音声となり、電話機1721へ到達する。網ノード装置1714及び1715において、IPパケットのIPカプセル化及び逆カプセル化されることは他の実施例で説明している。電話機1720が解放要求を出すと(ステップE40)、他実施例において説明しているようにして、一連の電話呼解放と解放完了の手続きが行われて電話通信が完了する(ステップE41乃至E45,ステップE51乃至E55)。
【0586】
<<各種ネットワークの接続>>
図291は、公衆電話交換網とIP転送網との接続を、他の実施例を含めてまとめて図に表わしたものである。1760及び1761は公衆電話交換網(PSTN)、1762及び1763はIP転送網、1764及び1765は加入者交換機(LS)、1766及び1767は中継交換機、1768乃至1771はカプセル化機能付終端ゲートウェイ、1772及び1773は中継ゲートウェイ、1776乃至1779はメディアルータ、1780乃至1785は電話機である。各交換機は中継制御部及び音声制御部を含み、カプセル化機能付終端ゲートウェイ及び中継ゲートウェイも中継制御部及び音声制御部を含む。前記交換機とゲートウェイとの間は、制御通信回線と音声制御回線とで結ばれている。中継ゲートウェイ1772とカプセル化機能付終端ゲートウェイ1768及び1769との間の制御回線の間に網ノード装置を設置し、中継ゲートウェイ1773とカプセル化機能付終端ゲートウェイ1770及び1771との間の制御回線の間に網ノード装置を設置する。これについては他の実施例で説明しているので、図291では省略している。
【0587】
このようになっているので、例えば電話機1782及び1785は、メディアルータ1776、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1768、中継ゲートウェイ1772、中継ゲートウェイ1773、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1771、メディアルータ1779を経由して端末間通信接続制御により、電話通信が可能である。
【0588】
また、電話機1780と電話機1785との間で、交換機1764、交換機1766、中継ゲートウェイ1772、中継ゲートウェイ1773、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1771、メディアルータ1779を経由して、端末間通信接続制御により、電話通信が可能である。更に、電話機1780と電話機1781との間で、交換機1764、交換機1766、中継ゲートウェイ1772、中継ゲートウェイ1773、交換機1767、交換機1765を経由して、端末間通信接続制御により、電話通信が可能である。但し、本ケースは、交換機1766及び1767が地理的に遠く離れているケースなどに有効である。
【0589】
<<非カプセル化終端ゲートウェイを用いる例>>
上述と同様の各種ネットワークの接続であるが、図292に示すように、カプセル化機能付終端ゲートウェイ1768乃至1771を用いずに、非カプセル化終端ゲートウェイ1768x乃至1771xを用いている。中継ゲートウェイ1772及び1773を用いず、非カプセル化機能付終端ゲートウェイと相互通信ができる非カプセル化中継ゲートウェイ1772x及び1773xを用いている。
【0590】
以上説明したように、電話機1782と電話機1785との間、電話機1780と電話機1785との間、電話機1780と電話機1781との間で、前記と同様の端末間通信接続制御により電話通信が可能である。このようになっているので、電話機1、メディアルータ1、IP転送網1に属するカプセル化機能付終端ゲートウェイと中継ゲートウェイを経由し、IP転送網2に属する他の中継ゲートウェイと他のカプセル化機能付終端ゲートウェイを経由し、メディアルータ2、電話機2を順に経由して、2つの電話機間において電話通信を行い得る。更に、電話機1、メディアルータ1、IP転送網1に属する非カプセル化機能終端ゲートウェイ及び非カプセル化機能中継ゲートウェイを経由し、IP転送網2に属する他の中継ゲートウェイと他のカプセル化機能付終端ゲートウェイを経由し、メディアルータ2、電話機2を順に経由して、2つの電話機間において電話通信を行い得る。
【0591】
通信会社Xの運用するIP転送網1700から、通信会社Yの運用するIP転送網1701へ、IP転送網1701の中継制御部1712を宛先とするIPパケットが入力するケースにおいて、前記中継制御部1712は前記IPパケットを受信すると、電話番号サーバに問合せて、前記IPパケット内部に含まれる宛先電話番号“TN−2”への接続に関与するIP転送網の他中継制御部1713のIPアドレスを取得して、前記取得したIPアドレスを新しく設定したIPパケットは、前記他の中継制御部1713に転送されるようになっている。IP転送網1700や1701は通信会社により運用管理される管理IP網である。
【0592】
17.マルチキャスト通信を行う第17実施例:
本実施例を図293乃至図295を参照して説明する。IP転送網1800の内部に網ノード装置1801乃至1805及びルータ1807乃至1809を設置している。網ノード装置とルータはIP通信回線により、直接に或は網ノード装置やルータ経由で間接的に接続される。IP転送網1800は通信会社により運用管理される管理IP網である。IPパケット送受機能を有する端未1810−1乃至1810−19はIP通信回線を経由して、網ノード装置に接続される。1811−1乃至1815−1は網ノード装置のアドレス管理表であり、1817−1乃至1819−1はルータの経路表である。
【0593】
図294の1868は、マルチキャスト通信における端末間通信接続制御機能を実現するサーバ類の主な所在を示しており、1857はマルチキャスト管理サーバ、1855及び1856はユーザサービスサーバ、1853及び1854は受付者、1851はマルチキャストサービス提供者、1852はマルチキャストサービス購入者、1850はルータ、1859はトリー構築サーバ、1858はIP転送網1800の網リソース管理サーバ、1861乃至1863は表管理サーバである。1841乃至1845は、予定外のIPパケットが出力される溢れ通信回線である。IP転送網1800内部のサーバやルータ類はIPアドレスを付与され、IPパケットを送受することにより相互に情報交換できるIP通信手段を有する。なお、本実施例において、端末やサーバは固有のIPアドレスを有する他に、複数のマルチキャストIPアドレスを付与できる。
【0594】
端末1810−2はマルチキャストサービスにおいて、マルチキャストデータを送信する送信端末でもある。マルチキャストデータはディジタル化した音声やファックスデータ、静止画像や動画像などのいわゆるマルチメディアデータを含む。
【0595】
<<通信レコード>>
アドレス管理表の行を通信レコード又はIP通信レコードという。例えばアドレス管理表1811−1の第2行目“I01,E01,E26,I26,G03,F02”を、外部IPアドレス“E01”と外部IPアドレス“E26”との間の通信レコード、或は外部IPアドレス“E01”を有する端末1810−2と、外部IPアドレス“E26”を有する端末1810−16との間のIP通信路を定める通信レコードという。通信レコードの内容が“a,b,c,d,e,f”であるとき、第1番目の項目は“a”、第2番目の項目は“b”であり、以下同様である。項目がアドレスであるとき、例えば第3番目のアドレス項目は“c”であるという。
【0596】
通信レコードの第1番目の項目を送信側論理端子(外部IP通信回線と網ノード装置の論理的接点)に付与した送信元内部IPアドレス、第2番目の項目を送信元外部IPアドレス、第3番目の項目を宛先外部IPアドレス、第4番目の項目を宛先側論理端子に付与した宛先内部IPアドレス、第5番目の項目を内部IPパケットの出力先指定、第6番目の項目を外部IPパケットの出力先指定という。
【0597】
<<2端末間のIP転送>>
図293の端末1810−2に外部IPアドレス“E01”が付与され、通信回線1822の網ノード装置1801側終端に内部IPアドレス“I01”が付与され、図295の端末1810−16に外部IPアドレス“E26”が付与され、通信回線1826−6の網ノード装置1804側終端に内部IPアドレス“I26”が付与されている。網ノード装置のアドレス管理表1811−1乃至1815−1内部の数値は、他実施例で説明していると同様の方法により初期値が設定された状態を示しており、以下においてIPパケット転送により説明する。
【0598】
端末1810−2は、送信元外部IPアドレス“E01”、宛先外部IPアドレス“E26”である外部IPパケット1829−1を通信回線1822に送出し、網ノード装置1801は外部IPパケット1829−1を受信する。次に、網ノード装置1801は、アドレス管理表1811−1の第2行目のレコード“I01、E01,E26,I26,G03,F02”が前記取得した3つのIPアドレス、つまり通信回線1810−2の終端部に付与された内部IPアドレス“I01”、受信した外部IPパケット1829−1内の送信元外部IPアドレス“E01”と、宛先外部IPアドレス“E26”とを含んでいることを確認し、前記レコードに含まれる“I01、I26”を用いて内部IPパケットを形成し、前記レコードに含まれる“G03”が指定する通信回線1823−2へ内部IPパケット1829−2として送出する。前記IPカプセル化の手順において、当該通信レコード“I01、E01,E26,I26,G03,F02”の内部パケット出力指定“G03”(第5項目)が“0”以外であるので、IPカプセル化して内部IPパケットを形成して出力しているが、前記内部パケット出力指定が“0”のケースにおいては、当該IPパケットはカプセル化せずに、網ノード装置の溢れ通信回線1841へ転送する。
【0599】
ルータ1809は内部IPパケット1829−2を受信し、経路表1819−1の指定する出力インタフェース“G21”が指定する通信回線1824−2へ、内部IPパケット1829−2をコピーして得た内部IPパケット1829−3を送出する。網ノード装置1804は内部IPパケット1829−3を受信し、アドレス管理表1814−1の第3行目のレコード“I26,E26,E01,I01,G36,F16”が、内部IPパケット1829−3内の3つのIPアドレス“I26,E01,I01”を含んでいることを確認し、内部IPパケット1829−3のIPヘッダを除く逆カプセル化により外部IPパケットを復元し、当該レコード内部に含まれる出力インタフェース“F16”が指定する通信回線1826−6へ外部IPパケット1829−4として送出する。端末1810−16は外部IPパケット1829−4を受信する。
【0600】
<<端末の種類>>
端末1810−1乃至1810−19はデータ送受信機能を有するデータ端末、ディジタル化音声を送受する機能を有する電話機、ディジタル化音声を送信できる音声送信端末(つまり有線音声放送用の送信機)、ディジタル化音声を受信できる音声受信端末(つまり有線音声放送用の受信機)、ディジタル化音声と画像の送受信機能を有する音声画像送受信端末またはTV会議端末、ディジタル化音声と動画像を送信できる音声画像送信端末(つまり有線音声画像送信機)、ディジタル化音声と動画像を受信できる音声画像受信端末(つまり有線TV受信機)であり、更に前記端末は他の実施例で説明しているメディアルータとメディアルータに接続するデータ端末や電話機、音声画像装置のいずかとの組合せとすることもできる。前記いずれの端末からの送信データ又は受信データも、IPパケットのペイロード部分に格納できるので、以下に述べるマルチキャストの技術が全ての端末に適用できる。
【0601】
<<マルチキャスト通信実施の準備>>
端末1810−2がマルチキャスト送信端末となり、端末1810−11、1810−13,1810−14,1810−17,1810−18がマルチキャスト受信端末のケースにおける送信端末と受信端末との間における端末間通信接続制御方法を説明する。
【0602】
図296は、IP転送網1800内部における網ノード装置及びルータ間を接続する通信回線のコストを通信回線毎に正整数で表しており、網ノード装置1801とルータ1807との間の通信コストは“1”、網ノード装置1801とルータ1809との間の通信コストは“2”、網ノード装置1802とルータ1807との間の通信コストは“2”、網ノード装置1802とルータ1809との間の通信コストは“1”、ルータ1807とルータ1808との間の通信コストは“1”、ルータ1807とルータ1809との間の通信コストは“3”、ルータ1808とルータ1809との間の通信コストは“3”、ルータ1808と網ノード装置1803との間の通信コストは“1”、ルータ1808と網ノード装置1804との間の通信コストは“4”、ルータ1809と網ノード装置1804との間の通信コストは“1”、ルータ1809と網ノード装置1805との間の通信コストは“1”であることを表わしている。
【0603】
IP転送網1800の内部には、図296に示した他に更に他のルータや通信回線が含まれるが、通信コスト算出に関連するルータや網ノード装置のみ図示している。なお、送信回線の通信コストは“2”、受信回線通信コストは“3”等と、送信方向及び受信方向により異なるように定めてよいが、本実施例では送信回線と受信回線の通信コストを同じ値に設定している。
【0604】
図294の網リソース管理サーバ1858は、IP転送網1800内部のルータやサーバ、通信回線など各種リソースの機能などを、その内部のデータベースに保持している。図297は、網リソース管理サーバ1858が保持する網ノード装置やルータ間の通信回線の通信コストを表わすコスト表1869である。コスト表1869内の記号“N1801”は網ノード装置1801を表わし、“R1807”はルータ1807を表わす。コスト表1869は、図296に示す通信回線コストを一覧表の形で表わしたものであり、例えばコスト表1869の第2行第7列目の“1”は、網ノード装置1801からルータ1807への通信コストは“1”であることを表わし、コスト表1869の第2行第9列目の“2”は、網ノード装置1801からルータ1809への通信コストは“2”であることを表わし、コスト表1869の第3行第7列目の“2”は、網ノード装置1802からルータ1807への通信コストは“2”であることを表わし、コスト表1869の第3行第9列目の“1”は、網ノード装置1802からルータ1809への通信コストは“1”であることを表わし、以下同様の表現である。
【0605】
次に、図298乃至図300を参照して、マルチキャスト通信のための手順を説明する。マルチキャストデータ等の送信者1851(図294)は、端末1810−2をマルチキャストデータ等の送信端末として網ノード装置1801に接続することを、受付者1853に申込む(図300のステップMS1)。受付者1853は送信識別情報や料金支払い方法と共に、送信端末情報1870(図298)をユーザサービスサーバ1855に入力する(ステップMS2)。ここで、送信端末情報1870は、マルチキャスト送信用の端末1810−2を網ノード装置1801に接続する情報を含む。なお、送信端末情報1870内の記号“N1801”は網ノード装置1801を表わし、“T1810−2”は端末1810−2を表わす。ユーザサービスサーバ1855は取得した前記送信識別情報や送信料金支払い方法と共に、送信端末情報1870をマルチキャスト管理サーバ1857へ送信し(ステップMS3)、マルチキャスト管理サーバ1857は受信した前記情報をそのデータベースに保持する(ステップMS4)。
【0606】
次に、端末1810−11、1810−13、1810−14,1810−17,1810−18の利用者が、マルチキャストデータ等を受信するケースを説明する。これら利用者1852は、受付者1854にマルチキャストデータ等の受信を申込む(ステップMS11)。受付者1854は利用者識別情報や受信料金支払い方法と共に、受信端末情報1871をユーザサービスサーバ1856に入力する(ステップMS12)。ここで、受信端末情報1871(図299)は、マルチキャストデータ受信用の端末1810−11及び1810−13を網ノード装置1803に接続し、端末1810−14を網ノード装置1804に接続し、端末1810−17及び1810−18を網ノード装置1805に接続する情報を含む。なお、受信端末情報1871内の記号“N1803”は網ノード装置1803を表わし、“T1810−11”は端末1810−11を表わし、他の記法も同様である。
【0607】
ユーザサービスサーバ1856は前記取得した受信識別情報や料金支払い方法と共に、受信端末情報1871をマルチキャスト管理サーバ1857へ送信し(ステップMS13)、マルチキャスト管理サーバ1857は受信した前記情報をそのデータベースに保持する(ステップMS14)。マルチキャスト管理サーバ1857はステップMS4とステップMS14の双方を終了すると、送信端末情報1870と受信端末情報1871との組にマルチキャスト識別情報ID―kを付与し、これら情報をトリー構築サーバ1859(図294)ヘ送る(ステップMS18)。トリー構築サーバ1859はリソース管理サーバ1858へコスト表1869を要求し(ステップMS19)、コスト表1869を取得する(ステップMS20)。トリー構築サーバ1859はマルチキャスト木構造算出モジュール1859−1(図294)を用いて、マルチキャスト識別情報ID―kにより決定されるマルチキャスト木構造を定め(図301)、つまりマルチキャスト技法によるIPパケットの転送通信路を決定し、網ノード装置へのアドレス管理表追加情報(図302乃至図305)やルータの経路表追加情報(図306乃至図308)を形成し、トリー構築サーバ1859の内部に保持する(ステップMS21)。
【0608】
<<トリー構築サーバによるマルチキャスト木構造の構築>>
次に、トリー構築サーバ1859は、アドレス管理表追加情報1811−2をアドレス管理表1811−1へ、経路表追加情報1817−2を経路表1817−1へそれぞれ追加するように表管理サーバ1861へ要求し(ステップMS22)、表管理サーバ1861は前記要求に対する設定を報告し(ステップMS25)、トリー構築サーバ1859は、アドレス管理表追加情報1813−2をアドレス管理表1813−1へ、アドレス管理表追加情報1814−2をアドレス管理表1814−1へ、経路表追加情報1818−2を経路表1818−1へそれぞれ追加するように表管理サーバ1862へ要求する(ステップMS23)。そして、表管理サーバ1862は前記要求に対する設定を報告し(ステップMS26)、トリー構築サーバ1859は、アドレス管理表追加情報1815−2をアドレス管理表1815−1へ、経路表追加情報1819−2を経路表1819−1へそれぞれ追加するように表管理サーバ1863へ要求し(ステップMS24)、表管理サーバ1863は前記要求に対する設定を報告する(ステップMS27)。ここで、表管理サーバ1863は、網ノード装置に近いルータに接続されている。なお、アドレス管理表追加情報や経路表追加情報の意味は、IPパケット転送の流れの中で説明する。トリー構築サーバ1859は前記ステップMS25乃至MS27の完了を確認すると、ステップMS18において要求されたトリー構築の完了をマルチキャスト管理サーバ1857へ報告する(ステップMS28)。以上の手続きにより、マルチキャスト通信のための端末間通信接続制御の前半部分、つまりマルチキャスト木構造の構築が完了した。
【0609】
<<マルチキャスト木構造>>
図301に示す前記マルチキャスト木構造の意味は次の通りである。端末1810−2から送出された外部IPパケットは網ノード装置1801に到達すると内部IPパケットとなり、前記内部IPパケットはルータ1807及びルータ1809の2方向へ分岐し、ルータ1807へ到達した内部IPパケットはルータ1807を通過し、次にルータ1808を通過して網ノード装置1803へ到達する。他の内部IPパケットはルータ1809へ到達し、ルータ1809は前記内部IPパケットを2つの方向、つまり網ノード装置1804及び1805へ送出する。網ノード装置1803は受信した内部IPパケットを逆カプセル化して外部IPパケットを復元し、復元した外部IPパケットを端末1810−11及び1810−13へ送出する。網ノード装置1804は受信した内部IPパケットを逆カプセル化して外部IPパケットを復元し、復元した外部IPパケットを端末1810−14へ送出する。網ノード装置1805は受信した内部IPパケットを逆カプセル化して外部IPパケットを復元し、復元した外部IPパケットを端末1810−17及び1810−18へ送出する。以上述べたように、マルチキャスト通信においてはIPパケットが木構造状に見える通信路を転送されるので、通信路の形状をマルチキャスト木構造という。
【0610】
<<マルチキャスト技法による木構造の構築>>
前記ステップMS22乃至MS24において、トリー構築サーバ1859から表管理サーバ1861乃至1863への通信は、通信信頼性が高いTCP通信(コネクション通信)で行なっている。但し、前記TCP通信のため、複数の表管理サーバがIP転送網内の多数のルータに接続されており、網ノード装置のアドレス管理表やルータの経路表の新規設定やレコード書換え機能を分担している。本実施例はルータ1807乃至1809という少ない(3個)例であるが、IP転送網内のルータ数は多数、例えばルータ数10万台であり、表管理サーバの数も相当に多くなる他の実施例も想定される。
【0611】
このようなケースにおいて、トリー構築サーバから多数の表管理サーバへ、アドレス管理表追加情報や経路表追加情報を転送するのは、通信トラヒックが過大となり得策でない。このため、トリー構築サーバから前記10万台のルータへ、アドレス管理表追加情報や経路表追加情報を転送するための経路表のレコードを、IP転送網を構築した時点において、各ルータに設定しておくこともできる。但し、各ルータの通信レコード全体として、マルチキャスト木構造状にIPパケットを転送するようにしておく。このようにして、トリー構築サーバから多数のルータへ、アドレス管理表追加情報や経路表追加情報を転送するための通信トラヒックが過大となることを抑制することができる。更に、アドレス管理表追加情報や経路表追加情報を、トリー構築サーバから多数の表管理サーバへ転送するため、公知のブロードキャストアドレスを用いることもできる。
【0612】
<<アドレス管理表>>
図309乃至図311を参照して説明すると、アドレス管理表1811の第1行目にはアドレス管理追加情報1811―2が含まれており、アドレス管理表1813の第1行目にはアドレス管理追加情報1813―2が含まれており、アドレス管理表1814の第1行目にはアドレス管理追加情報1814―2が含まれており、アドレス管理表1815の第1行目にはアドレス管理追加情報1815―2が含まれている。
【0613】
図309の通信回線1822の網ノード装置1801側の終端に内部IPアドレス“I01”が付与され、図311の通信回線1826−1の網ノード装置1803側の終端に内部IPアドレス“I20”及び“IM2”が付与され、通信回線1826−2の網ノード装置1803側の終端に内部IPアドレス“I22”及び“IM2”が付与され、通信回線1826−3の網ノード装置1804側の終端に内部IPアドレス“I24”及び“IM2”が付与され、通信回線1826−4の網ノード装置1805側の終端に内部IPアドレス“I27”及び“IM2”が付与され、通信回線1826−5の網ノード装置1805側の終端に内部IPアドレス“I28”及び“IM2”が付与されている。ここで、内部IPアドレス“IM2”はマルチキャストのために用いるアドレスの実施例である。
【0614】
<<アドレス管理表の表現方法>>
アドレス管理表1811乃至1815のレコード内部項目の記載順序は、従来技術の説明においてはレコード内部項目を“E1,E2,I1,I2”の順序により表わしているが、本実施例では項目の順序を“I1,E1,E2,I2”のように位置を変更しているが、表記上の違いのみで本質的な差はない。IPアドレスが“E01”である端末1810−2から送出されたIPパケット1830は、通信回線1822を経て網ノード装置1801に到達する。IPパケット1830の宛先アドレス“M2”はマルチキャスト外部IPアドレスであり、具体的数値として、例えば“224.1.2.3”であり、ここで“224”はIETFの規定のマルチキャストアドレスを意味する。マルチキャスト内部IPアドレス“IM2”の具体的数値として、例えば“225.1.2.3”の値である。
【0615】
<<ルータの経路表>>
図310を参照して説明すると、経路表1817乃至1819が含まれており、受信したIPパケットを転送すべき通信回線が書き込まれている。経路表1817の第2行目には経路表追加情報1817−2が含まれており、経路表1818の第2行目には経路表追加情報1818−2が含まれており、経路表1819の第2行目には経路表追加情報1819−2が含まれている。例えば、経路表1817の第2行目のレコードの場合、宛先IPアドレスが“IM2”であるIPパケットは、論理通信回線名G12により指定される通信回線1824−1であり、経路表1818の第2行目のレコードの場合、宛先IPアドレスが“IM2”であるIPパケットは、論理通信回線名G27により指定される通信回線1825である。また、経路表1819の第2行目のレコードは“IM2”と“G21,G22”とが書き込まれており、宛先IPアドレスが“IM2”であるIPパケットは、論理通信回線名G21により指定される通信回線1824−2と、論理通信回線名G22により指定される通信回線1824−3とに転送される。
【0616】
<<IPパケットの転送>>
次に、外部IPパケット1830の送信から始まる一連のIPパケット転送のステップを説明するが、図312の1800−1はIP転送網1800内におけるIPパケット送受を表わす。端末1810−2は通信回線1822に外部IPパケット1830を送信し(図312のステップD1)、網ノード装置1801は外部IPパケット1830を受信すると、IPパケット1830が入力した通信回線1822の終端部(論理端子)に付与されている内部IPアドレスが“I01”、IPパケット1830の宛先外部IPアドレス“M2”を確認し、アドレス管理表1811内部を検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“I01”であり、次に宛先外部IPアドレスが“M2”が含まれるレコードを検索し(第1のIPパケット受け入れ検査)、更に前記検索したレコード内にIPパケット1830内の送信元外部IPアドレス“E01”が含まれるかを調べる(第2のIPパケット受け入れ検査)。
【0617】
本例では、アドレス管理表1811の上から1行目の“I01、E01、M2、IM2、(G02,G03),0”を含むレコードを見出し、このレコード内部にあるIPアドレスの“I01”及び“IM2”を用いて、送信元内部IPアドレスが“I01”であり、宛先内部IPアドレスが“IM2”である内部IPパケットを形成し(IPパケットのカプセル化)、論理通信回線名G02の通信回線1823−1へ内部IPパケット1831−1として送出し(ステップD2)、論理通信回線名G03の通信回線1823−2に内部IPパケット1831−2として送出する(ステップD3)。なお、前記手順において、外部IPパケット1830の宛先外部IPアドレス“M2”がアドレス管理表1811に含まれていない場合、外部IPパケット1830は廃棄される(第1のIPパケット受け入れ検査)。なお、前記検出したレコード内にIPパケット1830内の送信元IPアドレス“E01”が含まれるかを調べることは省略することもでき、この場合は前記第2のIPパケット受け入れ検査は行わない。
【0618】
通信回線1823−1を経て転送された内部IPパケット1831−1はルータ1807へ到達し、内部IPパケット1831−1の宛先IPアドレスは“IM2”であるので、経路表1817の第2行目の“IM2,G12”に従い、論理通信回線名G12の通信回線1824−1へ内部IPパケット1831−3として送出される(ステップD4)。ここで、IPパケット1831−1はコピーされてIPパケット1831−3となっている。内部IPパケット1831−3はルータ1808へ到達し、内部IPパケット1831−3の宛先IPアドレスは“IM2”であるので、経路表1818の第2行目の“IM2,G27”に従い、論理通信回線名G27の通信回線1825へ内部IPパケット1831−4として送出される(ステップD5)。ここで、IPパケット1831−3はコピーされてIPパケット1831−4となっている。一方、通信回線1823−2を経て転送された内部IPパケット1831−2はルータ1809へ到達し、内部IPパケット1831−2の宛先IPアドレスは“IM2”であるので、経路表1819の第2行目の“IM2,(G21,G22)”に従い、論理通信回線名G21の通信回線1824−2へ内部IPパケット1831−5として送出され(ステップD7)、更に論理通信回線名G22の通信回線1824−3へ内部IPパケット1831−6として送出される(ステップD8)。ここで、IPパケット1831−2はコピーされてIPパケット1831−5及びIPパケット1831−6となっている。なお、ルータの経路表1817乃至1819及び網ノード装置の経路表は公知のアドレスマスクを有することができるが、省略したケースである。
【0619】
内部IPパケット1831−4は通信回線1825を経て網ノード装置1803に到達する。アドレス管理表1813の第1行目のレコード“IM2,M2,E01,I01,0,(F10,F12)”の左から4つの項目“IM2,M2,E01,I01”が、内部IPパケット1831−4内の4つのアドレス“I01,IM2,E01,M2”と一致するので、内部IPパケット1831−4は、他の実施例で説明しているようにIPヘッダを除く逆カプセル化を施されて、外部IPパケット1830が復元される。復元された前記IPパケットは、当該第1行目のレコード内部の出力インタフェースF10とF12の指定する通信回線、つまり出力インタフェースF10の指定する通信回線1826−1へ外部IPパケット1832−1として送出され(ステップD11)、続いて出力インタフェースF12の指定する通信回線1826−2へ外部IPパケット1832−2として送出される(ステップD13)。IPパケット1832−1は端末1810−11へ到達し、IPパケット1832−2は端末1810−13へ到達する。
【0620】
同様にして、内部IPパケット1831−5は通信回線1824−2を経て網ノード装置1804に到達する。アドレス管理表1814の第1行目のレコード“IM2,M2,E01,I01,0,F14”の左から4つの項目“IM2,M2,E01,I01”が、内部IPパケット1831−5内の4つのアドレス“I01,IM2,E01,M2”と一致するので、内部IPパケット1831−5は、他の実施例で説明しているようにIPヘッダを除く逆カプセル化を施されて、外部IPパケット1830が復元される。復元された前記IPパケットは、当該第1行目のレコード内部の出力インタフェースF14の指定する通信回線、つまり出力インタフェースF14の指定する通信回線1826−3へ外部IPパケット1832−3として送出される(ステップD14)。IPパケット1832−3は端末1810−14へ到達する。
【0621】
内部IPパケット1831−6は通信回線1824−3を経て網ノード装置1805に到達する。アドレス管理表1815の第1行目のレコード“IM2,M2,E01,I01,0,(F17,F18)”の左から4つの項目“IM2,M2,E01,I01”が、内部IPパケット1831−6内の4つのアドレス“I01,IM2,E01,M2”と一致するので、内部IPパケット1831−6は、他の実施例で説明しているようにIPヘッダを除く逆カプセル化を施されて、外部IPパケット1830が復元される。復元された前記IPパケットは、当該第1行目のレコード内部の出力インタフェースF17とF18の指定する通信回線、つまり出力インタフェースF17の指定する通信回線1826−4へ外部IPパケット1832−4として送出され(ステップD17)、出力インタフェースF18の指定する通信回線1826−5へ外部IPパケット1832−5として送出される(ステップD18)。IPパケット1832−4は端末1810−17へ到達し、IPパケット1832−5は端末1810−18へ到達する。
【0622】
<<ACKパケットやNACKパケットの大量洪水の予防>>
端末1810−11が外部IPパケット1832−1の受信を送信元端末1810−2へ報告するため、端末1810−11が送信元外部IPアドレス“M2”、宛先外部IPアドレス“E01”である外部IPパケット1833を形成して、通信回線1826−1に送出するケースを考える(図312のステップD21)。網ノード装置1803は外部IPパケット1833を受信すると、後述する方法に従い、前記受信した外部IPパケット内部の送信元外部IPアドレス“M2”がマルチキャストアドレスであることを確認し、前記受信した外部IPパケットをそのままパケット溢れ通信回線1843へ転送する。パケット溢れ通信回線1843へ転送された前記外部IPパケットは廃棄される。同様に、網ノード装置1804が端末1810−14から外部IPパケットを受信した場合(ステップD22)や、網ノード装置1805が端末1810−17から外部IPパケットを受信した場合も(ステップD23)、前記受信した外部IPパケットをそのまま通信回線1844や1845へ転送する。パケット溢れ通信回線1844及び1845へ転送された外部IPパケットは廃棄される。
【0623】
このようになっているから、マルチキャストデータ受信の全ての端末からマルチキャストデータ送信元端末へ端末個別報告のIPパケット送出を抑制でき、結果としてIP転送網内部のACKパケットの大量洪水を予防できる。
【0624】
次に、網ノード装置1803が、受信したIPパケット1833を溢れ通信回線1843へ転送する具体的な方法を説明する。網ノード装置1803は、IPパケット1833が入力した通信回線1826−1の終端部(論理端子)に付与されている内部IPアドレス“IM2”、IPパケット1833の宛先外部IPアドレス“E01”を確認し、アドレス管理表1813の内部の通信レコードを検索し、始めに送信元内部IPアドレスが“IM2”であり、次に宛先外部IPアドレス“E01”が含まれる通信レコードを検索し、更に前記検索したレコード内にIPパケット1833内の送信元外部IPアドレス“M2”が含まれるかを調べる。本ケースではアドレス管理表1813の第1行目の通信レコード“IM2、M2、E01、I01、0、(F10,F12)”の第1番目から第3番目のアドレス項目が全て一致するのでこのレコードが選択され、次にこの通信レコードの第5番目の項目(内部パケット出力指定)が“0”であるので、IPパケット1833のカプセル化を行わずにIPパケット1833を溢れ通信回線1843へ転送する。
【0625】
また、端末1810−13、1810−14、1810−17,1810−18から送信元IPアドレス“M2”、宛先IPアドレス“E01”である外部IPパケットを網ノード装置に送信するケースにおいて、上述と同様の手順により、各々の網ノード装置の溢れ通信回線1844や1845へ転送される。以上述べたように、受信端末1810−11から送信元端末1810−2へ、前記マルチキャストIPパケットを受信したことを確認するためのACKパケットを送出しても、網ノード装置1803を通過できないので、ACKパケットの大量洪水(ACK implosion)によるIP転送網の輻轄発生を予防できる。なお、パケット溢れ通信回線上のIPパケットの利用に関しては後述する。
【0626】
ACKパケットの代わりに、網ノード装置1803が端末1810−11から送信元外部IPアドレス“M2”、宛先外部IPアドレス“E01”であるNACKパケットを受信した場合においても、同様の原理によりNACKパケットを廃棄できるので、NACKパケットの大量洪水を予防できる。なお、端末1810−11乃至1810−19がNACKパケットを送信するタイミングは、例えばマルチキャスト技法によるIPパケット転送の時刻を予め決めておき、予定の時刻になってもIPパケットが配送されないケースにおいて、NACKパケットを送信する。
【0627】
<<有線放送の実現>>
端末1810−2がディジタル化音声を送信できる音声送信端末であり、端末1810−11、1810−13、1810−14,1810−17,1810−18がディジタル化音声受信端末である場合、IPパケット1830の送信は有線音声放送となる。また、端末1810−2がディジタル化音声動画像を送信できる音声動画像送信端末であり、端末1810−11、1810−13、1810−14,1810−17,1810−18がディジタル化音声動画像受信端末である場合、IPパケット1830の送信は有線TV放送となる。
【0628】
<<マルチキャスト木構造の修正>>
マルチキャストデータの受信端末の増減等によりマルチキャスト木構造を修正することができる。受付者1854(図294)は、予めマルチキャスト管理サーバ1857から、マルチキャストサービスの内容とマルチキャスト識別情報ID−k(k=1,2,・・)との対応付けを入手して保持している。利用者1852は、受付者1854に網ノード装置1804に接続している端末1810−15を用いて、マルチキャストサービスデータの受信を申込む(図313のステップMS31)。受付者1854は利用者1852から受信者識別情報、料金支払い方法、端末関連情報(網ノード装置1804と端末1810−15を用いること)を取得し、更に利用者1852から得たマルチキャストサービスの内容からマルチキャスト識別情報ID−kを特定する。受付者1854はこれら情報をユーザサービスサーバ1856に入力する(ステップMS32)。
【0629】
次に、ユーザサービスサーバ1856は前記取得した受信者識別情報や料金支払い方法、端末関連情報、マルチキャスト識別情報ID−kをマルチキャスト管理サーバ1857へ送信し(ステップMS33)、マルチキャスト管理サーバ1857は前記受信端末情報をそのデータベースに保持する(ステップMS34)。マルチキャスト管理サーバ1857は、マルチキャスト識別情報ID−kと端末関連情報(網ノード装置1804と端末1810−15の利用)とをトリー構築サーバ1859ヘ送る(ステップMS35)。トリー構築サーバ1859は網リソース管理サーバ1858へコスト表を要求して(ステップMS36)、コスト表を取得する(ステップMS37)。
【0630】
トリー構築サーバ1859はマルチキャスト木構造算出モジュール1859−1を用いて、マルチキャスト識別情報ID−kと端末関連情報を追加したマルチキャスト木構造とを算出し、網ノード装置へのアドレス管理表追加情報及びルータの経路表変更情報を生成し(ステップMS38)、トリー構築サーバ1859の内部に保持する。次に、トリー構築サーバ1859は、アドレス管理表変更情報を網ノード装置1804のアドレス管理表1814へ追加するように表管理サーバ1862へ要求し(ステップMS40)、表管理サーバ1862は前記要求に対する設定を報告し(ステップMS41)、トリー構築サーバ1859は、マルチキャスト木構造の変更を完了したことをマルチキャスト管理サーバ1857へ報告する(ステップMS42)。マルチキャスト管理サーバ1857は、ステップMS31において利用者1852から申込みの手続きが完了したことをユーザサービスサーバ1856を経て(ステップMS43)、受付者1854を経て(ステップMS44)、利用者1852へ報告する(ステップMS45)。
【0631】
なお、アドレス管理表1814は表管理サーバ1862により設定されているとしている。アドレス管理表変更情報は、アドレス管理表1814の第1行目の第6番目の項目“F14”を“(F14,F15)”に変更し、論理通信回線“F15”に接続する端末1810−15を受信端末として追加するように指定する。結果として、アドレス管理表1814の第1行目のレコードは“IM2,M2,E01,I01,0,(F14,F15)”に変更される。
【0632】
また、端末1810−11がマルチキャストデータ受信を廃止するケースにおいては、利用者1852が受付者に端末1810−11のマルチキャストデータ受信の廃止を申込み、前記の端末追加と同様の手順を経て、結果として、図311のアドレス管理表1813の第1行目“IM2,M2,E01,I01,0,(F10,F12)”の第6番目の項目“(F10,F12)”から、端末1810−11に接続する論理通信回線“F10”を抹消することを指定する。結果として、アドレス管理表1813の第1行目は“IM2,M2,E01,I01,0,F12”のように変更される。
【0633】
なお、本実施例はルータ1807などの経路表を変更しない例であるが、マルチキャスト木構造の他の修正要求内容により、ルータ1807乃至1809の経路表に対する経路表変更情報を生成し、あるいは他の網ノード装置1801及び1802のアドレス管理表に対して通信レコードの変更情報を生成することも可能である。このようなケースでは、木構造設定を新規に設定するケースにおけるように、他の表管理サーバ1861及び1863に依頼して、ルータの経路表や網ノード装置のアドレス管理表の変更が行われる。
【0634】
<<マルチキャスト木構造の解放>>
マルチキャストサービスを終了するためのマルチキャスト木構造解放手順を説明する。受付者1853(図294)は、予めマルチキャスト管理サーバ1857から、マルチキャストサービスの内容とマルチキャスト識別情報ID−k(k=1,2,・・)との対応付けを入手して保持している。マルチキャストデータ等の送信者1851は、前記手続きにより形成しているマルチキャスト木構造の解放を受付者1853に申込む(図313のステップMS60)。受付者1853は送信識別情報とマルチキャスト識別情報ID−kを元に、マルチキャスト木構造の解放をユーザサービスサーバ1855に入力する(ステップMS61)。ユーザサービスサーバ1855は、前記送信識別情報と共にマルチキャスト木構造の解放をマルチキャスト管理サーバ1857へ送信し(ステップMS62)、マルチキャスト管理サーバ1857は受信した送信識別情報と、前記マルチキャスト木構造解放情報(マルチキャスト識別情報ID−kを含む)とを元に、前記マルチキャストサービスの終了をそのデータベースに記録する(ステップMS63)。次に、マルチキャスト管理サーバ1857は、トリー構築サーバ1859へ、マルチキャスト識別情報ID―kにより識別できるマルチキャスト木構造を解放することを指示する(ステップMS64)。
【0635】
トリー構築サーバ1859はマルチキャスト識別情報ID―kを元に、表管理サーバ1861乃至1863へ、網ノード装置のアドレス管理表の付加情報1811−2、1813−2,1814−2,1815−2(図302乃至図305)をアドレス管理表1811、1813,1814,1815から抹消し、更にルータの経路表の付加情報1817−2、1818−2、1819−2(図306乃至図308)を経路表1817、1818、1819から抹消するように指示し(ステップMS66乃至MS68)、報告を受ける(ステップMS70乃至MS72)。続いて、トリー構築サーバ1859はコスト表1869の利用終了を網リソース管理サーバ1858へ報告し(ステップMS73)、確認報告を受ける(ステップMS74)。トリー構築サーバー1859は、マルチキャスト木構造の解放手続きの完了をマルチキャスト管理サーバ1857へ報告する(ステップMS77)。更に、マルチキャスト管理サーバ1857は、マルチキャスト木構造の解放手続き完了を、ユーザサービスサーバ1855(ステップMS78)を経て、更にデータ送信受付者1853を経て(ステップMS79)、データ送信者1851へ報告する(ステップMS80)。なお、ステップMS78乃至MS80は省略しても良いオプションである。以上の手続きにより、マルチキャスト技法による端末間通信接続制御の後半部分、つまりマルチキャスト木構造の解放が完了した。
【0636】
<<溢れ通信回線の利用>>
溢れ通信回線1843乃至1845の利用方法を説明する。図314の1801乃至1805は網ノード装置、1810−2はマルチキャストデータを送信する端末、1810−11乃至1810−13はマルチキャストデータを受信する端末であり、1880乃至1882は出力回線1843乃至1845に接続する溢れ通信回線サーバ1880乃至1882である。端末1810−11から送出された図311のIPパケット1833、つまり送信元IPアドレス“M2”、宛先IPアドレス“E01”であるIPパケットは、アドレス管理表1813の第1行目のレコード“IM2,M2、E01,I01,0,(F10,F12)”内部の5番目の項目値“0”により、溢れ通信回線1843に転送される。前記レコードの内部パケット出力指定(5番目の項目)が“0”のとき前記IPパケットは溢れ通信回線に転送され、内部パケット出力指定“0”以外ではIPパケットは溢れ通信回線に転送されないようになっている。
【0637】
図315を参照して説明すると、端末1810−11から送出された送信元外部IPアドレス“M2”であるIPパケット1833は網ノード装置1803に到達し(ステップMC1)、前記IPパケット1833は溢れ通信回線1843経由で溢れ通信回線サーバ1880に到達する(ステップMC2)。端末1810−12から送信元外部IPアドレス“M2”であるIPパケットが送出された場合、当該IPパケットは網ノード装置1803に到達し(ステップMC3)、前記IPパケットは溢れ通信回線1843経由で溢れ通信回線サーバ1880に到達する(ステップMC4)。端末1810−13から送信元外部IPアドレス“M2”であるIPパケットが送出された場合、当該IPパケットは網ノード装置1803に到達し(ステップMC5)、前記IPパケットは溢れ通信回線1843経由で溢れ通信回線サーバ1880に到達する(ステップMC6)。
【0638】
本ケースでは、溢れ通信回線サーバ1880は送信元外部IPアドレス“M2”、つまり送信元外部IPアドレスがマルチキャストIPアドレスであるIPパケットを複数受信する。端末1810−11乃至1810−13がIPパケットを送信するとき、そのIPパケットのペイロード部分に送信元の端末アドレスを記載するようにしてある。即ち、端末1810−11は送信元外部IPアドレス“E20”、端末1810−12は送信元外部IPアドレス“E21”、端末1810−13は送信元外部IPアドレス“E22”をそれぞれ設定するルールを定めてあるので、溢れ通信回線サーバ1880乃至1882は、送信元端末のIPアドレスを用いて送信元端末の外部IPアドレスを特定できる。このようになっているから、送信元端末1810−11乃至1810−13がACKパケットやNACKパケットを送信してきた場合、送信元の端末を特定できる。
【0639】
溢れ通信回線サーバ1880は、上記方法により取得した3つの端末からの情報をまとめて網ノード装置1803経て(ステップMD1)、更にIP転送網1800内部及び網ノード装置1801を経て(ステップMD2)、マルチキャストデータの送信端末1810−2へ通知できる(ステップMD3)。なお、ステップMD1乃至MD3を実施するため、溢れ通信回線サーバ1880と端末1810−2との間にIPパケット転送を可能とするために、網ノード装置1801内のアドレス管理表1811内部と、網ノード装置1803内のアドレス管理表1813内部とに、IPカプセル化と逆カプセル化を行うレコードを設定しておくことが出来る。
【0640】
以上の結果として、マルチキャストデータ送信端末1810−2は、端末1810−11乃至1810−13がマルチキャストデータを受信したか否かを知ることができる(送達確認機能)。このとき、ACKパケットやNACKパケットの増大等によるIP転送網1800内部の通信量増大を抑制されている。
【0641】
溢れ通信回線サーバ1880から、マルチキャストアドレス“M2”を用いて端末1810−11乃至1810−13へIPパケットを送信し(ステップME1乃至ME4)、あるいは溢れ通信回線サーバ1880から、IPアドレス“E21”を用いてアドレス管理表1813にカプセル化用アドレスを含むレコードを設定しておき、端末1810−12へIPパケットを送信することもできる(ステップMF1, MF2)。
【0642】
図316を参照して説明すると、溢れ通信回線サーバ1880はIPパケットを送受して、マルチキャスト送信端末1810−2と情報交換可能である(ステップMG1乃至MG3)。また、溢れ通信回線サーバ1881はIPパケットを送受して、マルチキャストデータ送信端末1810−2と情報交換可能であり(ステップMH1乃至MH3)、溢れ通信回線サーバ1882はIPパケットを送受して、マルチキャストデータ送信端末1810−2と情報交換可能である(ステップMI1乃至MI3)。このようになっているから、溢れ通信回線サーバが網ノード装置に接続する個々のマルチキャストデータ受信端末とIPパケットを送受し、マルチキャストデータ送信端末1810−2が、全てのマルチキャストデータ受信端末とIPパケットを送受する必要がなくなり、マルチキャストデータ送信端末1810−2の仕事量を減らすことができる。また、例えば端末1810−11が、マルチキャストデータの再送の要求があった場合、送信端末1810−2は前記マルチキャスト木構造を用いてIPパケットを送信し、高信頼送信を実現できる。
【0643】
<<アドレス管理表の他の実施形態>>
図309のアドレス管理表1811は、図317のアドレス管理表1811−5の形態としても実施することができる。本実施形態ではアドレス管理表1811のレコードの2番目の項目(送信元外部IPアドレス)を省いて、アドレス管理表1811−5のレコードを形成している。例えばアドレス管理表1811の第3行目のレコード“I01,E01,E26,I26,G03,F02”の2番目の項目“E01”を省いて、アドレス管理表1811−5の第3行目のレコード“I01,E26,I26,G03,F02”となっている。前記2番目の項目を省いたときの網ノード装置のIPカプセル化機能については、他の実施例でも説明している。
【0644】
更に、図309のアドレス管理表1811は、図318のアドレス管理表1811−6の形態として実施することができる。本ケースは、IP網ノード装置のIPカプセル化においてアドレスマスク技法を使う。
【0645】
終端部の内部IPアドレス“I01”である通信回線1822から、宛先外部IPアドレス“E26”、送信元外部IPアドレス“E01”である外部IPパケットが入力すると、アドレス管理表1811−6の上から内部アドレス“I01”からl行目と3行目のレコードが該当し、1行目のレコードについては、宛先用外部IPマスク“M−t2”と、前記外部IPパケット内の宛先外部IPアドレス“E26”との“and”演算の結果が、1行目レコード内宛先外部IPアドレス“M2x”と一致するかを調べる(下記(9)式)。本ケースでは一致せず、3行目のレコードについては、宛先用外部IPマスク“M−t26”と、前記外部IPパケット内の宛先外部IPアドレス“E26”との“and”演算の結果が、3行目レコード内宛先外部IPアドレス“E26x”と一致するかを調べる(下記(10)式)。本ケースでは一致する。送信元IPアドレスについても、同様に下記(11)式により比較する。
【0646】
If(“M−t2”and“E26”=”M2x”)・・・(9)
If(“M−t26”and“E26”=”E26x”) ・・・(10)
If(“M−h01”and“E01”=“E01x”) ・・・(11)
以上の比較結果に基づいて3行目のレコードが選択され、3行目のレコード内の内部レコード“I01”及び“I26”が用いられてカプセル化が行われ、内部IPパケットが形成される。
【0647】
図309のアドレス管理表1811は、図319及び図320に示すように表1811−7及び1811−8に分けて表現し、このような形態によりメモリ上の表として実装することもできる。即ち、アドレス管理表1811の第1行目のレコード“I01,E01,M2,IM2,(G02,G03),0”を、表1811−7の第1行目のレコード“I01,E01,M2,IM2,MT−1,0”と、表1811−8の第1行目のレコード“MT−1、(G02,G03)”とに分ける。即ち、マルチキャストの分岐先について、表1811−8に記載する。
【0648】
以上要約すると、マルチキャストサービス提供者の情報及びマルチキャストサービス購入者の情報をユーザサービスサーバ経由で受付けて、マルチキャスト木構造の設定に利用するようになっている。また、トリー構築サーバが、網ノード装置やルータ間の通信回線による接続情報や通信回線コストをリソース管理サーバに問合せて取得し、マルチキャスト木構造の設定に利用するようになっている。また、トリー構築サーバが、網ノード装置内のアドレス管理表へのアドレス付加情報やルータ内の経路表サーバへの付加情報を複数の表管理サーバに通知して、マルチキャスト木構造を定めるようになっている。更に、各ルータの経路表にマルチキャスト通信レコードを設定しておき、トリー構築サーバからマルチキャスト通信レコードを利用して表管理サーバへ、マルチキャストサービス用の木構造設定用のアドレス管理表追加情報や経路表追加情報を転送するようにすることもできる。
【0649】
送信端末1810−2は、マルチキャストデータを再送信することにより、高信頼度マルチキャストを実現するようになっている。音声送信端末からディジタル化音声を送信し、複数のディジタル化音声受信端末がディジタル化音声を受信するようになっている。更に、ディジタル化音声動画像送信端末からディジタル化音声動画像を送信し、複数のディジタル化音声動画像受信端末がディジタル化音声動画像を受信するようになっている。更にまた、アドレス管理表の内部パケット出力指定が“0”のときIPパケットは溢れ通信回線に転送され、“0”以外ではIPパケットは溢れ通信回線に転送されないようになっている。なお、内部パケット出力指定の判定値“0”は、一定値であれば他の特定値でもよい。また、マルチキャストIPアドレスを送信元アドレスとして含むIPパケットを検出したとき当該IPパケットを廃棄して、マルチキャストデータ送信元へのIPパケットの集中を排除できるようにできる。
【0650】
第lのアドレス登録検査として網ノード装置のアドレス管理表に宛先マルチキャストアドレスを登録しておき、網ノード装置に入る外部lPパケットのへッダ内の宛先マルチキャストアドレスがアドレス管理表に登録されていない場合は、網ノード装置が当該IPパケットを廃棄することにより、登録外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止する。同様に、第2のアドレス登録検査として網ノード装置のアドレス管理表に送信元アドレスを登録しておき、網ノード装置に入る外部lPパケットのへッダ内の送信元アドレスがアドレス管理表に登録されていない場合は、網ノード装置が当該IPパケットを廃棄することにより、登録外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止する。
【0651】
受信者側の網ノード装置のアドレス管理表にマルチキャストアドレスの登録を許可しないことにより、マルチキャストIPパケット受信者からマルチキャストIPパケット送信者へ向けたIPパケット受信確認用のACKパケットが網ノード装置を通過できないようにして、ACKパケットの大量洪水やNACKパケットの大量洪水によるIP転送網の輻轄発生を予防できる。
【0652】
また、ルータのIPアドレスを宛先アドレスとして登録不許可とし、IP転送網の外部からIP転送網内部のルータヘマルチキャスト表の書換え等の危険なIPパケットを送り込めないようにし、或はIP転送網内部のマルチキャスト向け運用管理サーバのIPアドレスの登録を不許可とし、IP転送網の外部からIP転送網内部の運用管理サーバヘのアクセスを不可能とし、情報安全性を向上する。第2アドレス登録検査として、マルチキャストデータを含むIPパケットの送信元を限定して、不正行為者の不正行為の発生を抑制する。また、不正行為が行われた場合は、IPパケットの送信元を特定することが容易であり、IP転送網の情報安全性を高めることができる。
【0653】
18.マルチキャスト通信を行う第18実施例:
本実施例を図321乃至図324を参照して説明する。IP転送網1900の内部に網ノード装置1901乃至1905及びルータ1907−1乃至1907−4を設置している。網ノード装置及びルータはIP通信回線により、直接に或は網ノード装置やルータ経由で間接的に接続される。IP転送網1900は通信会社により運用管理される管理IP網である。IPパケット送受機能を有する端未1910−2乃至1910−70は、IP通信回線を経由で網ノード装置に接続される。1911乃至1915は網ノード装置のアドレス管理表である。1911−3、1911−4、1911−5、1912−3、1912−4、1912−5はマルチキャストサービス代理サーバ、1913−3、1913−4、1913−5は溢れ通信回線サーバ、1941乃至1945は溢れ通信回線である。本実施例において、端末やサーバは固有のIPアドレスを有する他に、複数のマルチキャストIPアドレスを有し、IPパケットを交換して互いに情報交換できる。
【0654】
<<送信端末と送信事務サーバ>>
端末1910−02及び1910−05は、マルチキャストサービスにおいてマルチキャストデータを送信する送信端末でもある。端末1910−06及び1910−08はマルチキャストサービスのための送信事務サーバでもある。送信事務サーバはデータベースや情報処理機構を有し、マルチキャストサービス代理サーバと情報交換すると共に、マルチキャストデータ送信端末の情報処理の一部を分担する。
【0655】
<<通信レコードの出力先指定>>
アドレス管理表の通信レコードの第5番目の項目を内部IPパケットの出力先指定といい、前記項目値が“0”以外のとき指定有り、“0”のときは指定無しとしている。同様に、アドレス管理表通信レコードの第6番目の項目を外部IPパケットの出力先指定といい、前記項目値が“0”以外のとき指定有り、“0”のときは指定無しとしている。例えばアドレス管理表1913の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F11 to F30,F91)”については、内部IPパケットの出力先指定は“0”、つまり出力先指定無し、外部IPパケットの出力先指定は“F11 to F30, F91”、つまり論理通信回線のF11乃至F30及びF91であることを表わす。ここで、論理通信回線のF11乃至F30は通信回線1960−11乃至1960−30であり、論理通信回線F91は通信回線1960−91である。
【0656】
<<溢れ通信回線>>
溢れ通信回線サーバは、受信端末から送信端末へ返信されるACKパケットやNACKパケットなどのIPパケットを溢れ通信回線経由で集め、マルチキャストアドレス毎に異なるマルチキャストサービス代理サーバへ転送する。
【0657】
<<マルチキャストIPパケットの転送その1>>
図321の端末1910−02から送信元外部IPアドレス“E02”、宛先外部IPアドレス“M2”である外部IPパケット1930が送出され(図325のステップQ1)、網ノード装置1901に到達し、アドレス管理表1911の第1行目の通信レコード“I02,E02,M2,IM2,・・,0”が用いられて内部IPパケット1931−1及び1931−2が形成され、内部IPパケット1931−1はルータ1907−1に到達し(ステップQ2)、内部IPパケット1931−3となって、網ノード装置1903に到達する(ステップQ3)。一方、内部IPパケット1931−2はルータ1907−2に到達し(ステップQ4)、ルータ1907−2において、内部IPパケット1931−2はコピーされて2つに分岐し、内部IPパケット1931−4は網ノード装置1904へ到達し(ステップQ5)、内部IPパケット1931−5は網ノード装置1905へ到達する(ステップQ6)。
【0658】
網ノード装置1903は内部IPパケット1931−3を受信すると、アドレス管理表1913の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F11 to F30,F91)”を用いて、内部IPパケット1931−3を逆IPカプセル化して外部IPパケット(外部IPパケット1930と同じ内容)を復元する。次に、復元した外部IPパケットを前記通信レコードの第6番目の項目“F11 to F30,F91”に従い、端末1910−11乃至1910−30及びマルチキャストサービス代理サーバ1911−3へ送出する(ステップQ7,Q7x)。ここで、端末1910−11乃至1910−30は外部IPアドレス“E11”乃至“E30”を付与されている他に、マルチキャストアドレス“M2”を付与されている。また、マルチキャストサービス代理サーバ1911−3は外部IPアドレス“E91”と共に、マルチキャストアドレス“M2”を付与されている。マルチキャストサービス代理サーバ1911−3が端末1910−11乃至1910−30とほぼ同じ時刻にマルチキャストサービスのデータを受信すること(ステップQ7x)が、本実施例の特徴である。
【0659】
網ノード装置1904は内部IPパケット1931−4を受信すると、アドレス管理表1914の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F31 to F50,F93)”を用いて、内部IPパケット1931−4を逆IPカプセル化して外部IPパケットを復元し、前記復元した外部IPパケットを端末1910−31乃至1910−50及びマルチキャストサービス代理サーバ1911−4へ送出する(ステップQ8,Q8x)。ここで、端末1910−31乃至1910−50は外部IPアドレス“E31”乃至“E50”と共に、マルチキャストアドレス“M2”を付与されている。また、マルチキャストサービス代理サーバ1911−4は、外部IPアドレス“E93”及びマルチキャストアドレス“M2”を付与されている。
【0660】
網ノード装置1905は内部IPパケット1931−5を受信すると、アドレス管理表1915の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F51 to F70,F95)”を用いて、内部IPパケット1931−5を逆IPカプセル化して外部IPパケットを復元する。そして、復元した外部IPパケットを端末1910−51乃至1910−70及びマルチキャストサービス代理サーバ1911−5へ送出する(ステップQ9,Q9x)。ここで、端末1910−51乃至1910−70は外部IPアドレス“E51”乃至“E70”と共に、マルチキャストアドレス“M2”を付与されている。また、マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は、外部IPアドレス“E95”及びマルチキャストアドレス“M2”を付与されている。
【0661】
<<受信端末によるIPパケットの送出その1>>
端末1910−11乃至1910−70は各種のIPパケット、例えば正常受信を送信端末へ知らせるACKパケット、受信不良を送信端末へ知らせるNACKパケット、その他例えば質問に対して回答する等のためのIPパケットを、外部IPアドレス“E02”である送信元端末1910−02へ送信することがあり、その手順を以下に説明する。但し、送信元アドレスはマルチキャストIPアドレス“M2”、宛先IPアドレス“E02”とする例である。
【0662】
端末1910−11乃至1910−30は端末1910−02へ送信するIPパケットを形成し(ステップQ10)、網ノード装置に送出する(ステップQ11)。網ノード装置1903は前記外部IPパケットを受信すると、網ノード装置は、前記入力した外部IPパケットに対応するアドレス管理表1913の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F11 to F30,F91)”の内部IPパケット出力先指定が指定無し、つまり当該通信レコードの第5番目の項目が“0”であるので、前記外部IPパケットをそのままパケット溢れ出力回線1943へ転送する(ステップQ12)。
【0663】
<<溢れ通信回線サーバの機能その1>>
溢れ回線通信サーバ1913−3は、溢れ通信回線1943から外部IPパケット1946−1(図328)を受信し(図327のステップMPS1)、外部IPパケット1946−1の送信元IPアドレスが“M2”であることを確認する(ステップMPS2)。そして、マルチキャストアドレス“M2”により特定されるマルチキャストサービスを扱うマルチキャストサービス代理サーバ1911−3へ送出するIPパケット1946−2を形成し、前記IPパケットを送出する(ステップMPS3)。ここで、IPパケット1946−2の送信元IPアドレスは、溢れ通信回線サーバ1913−3のIPアドレス“E90”、宛先IPアドレスは、マルチキャストサービス代理サーバ1911−3のIPアドレス“E91”である。IPパケット1946−2は溢れ通信回線サーバ1913−3から送出され(図325のステップQ13)、網ノード装置1903を経てマルチキャストサービス代理サーバ1911−3に到達する(ステップQ14)。このとき、アドレス管理表1913の第12行目の通信レコード“I90,E90,E91,I91,・・、F90”と、第10行目の通信レコード“I91,E91、E90,I90,・・、F91”とが使用される。
【0664】
マルチキャストサービス代理サーバ1911−3は前記受信したIPパケットがNACKパケットであり、マルチキャストデータを再送するように要求しているケースである。マルチキャストサービス代理サーバ1911−3は、前記ステップQ7xおいてIPアドレス“M2”により区分されるマルチキャストデータを事前に受信しており、このマルチキャストデータを前記再送要求に用いることができる。マルチキャストサービス代理サーバ1911−3は、再送要求されているマルチキャストデータを網ノード装置1903へ向けて再送し(ステップQ15)、マルチキャストデータは端末1910−11乃至1910−30へ到達する(ステップQ16)。このとき、アドレス管理表1913の第3行目の通信レコード“I91,E91,M2,IM2,・・、F91”と、第2行目の通信レコード“IM2,M2,E91,I91,0、F11 to F30”とが使用される。
【0665】
<<マルチキャストサービス代理サーバの機能その1>>
マルチキャストサービス代理サーバ1911−3は受信したIPパケット1946−2の内容を調べて、受信確認を意味するACKパケットを一覧表などに集約した情報、あるいは端末から受信した受信不良通知などを意味するNACKパケットを一覧表などに集約した情報、端末の個別報告などの集約情報などを格納したIPパケットを形成して、送信元端末1910−02へ送出し、あるいは送信元端末1910−02から返信のIPパケットを受信する(図325のステップQ41乃至Q44)。ここで、前記IPパケットのIPアドレスは、マルチキャストサービス代理サーバ1911−3の外部IPアドレス“E91”と送信元端末1910−02の外部IPアドレス“E02”であり、アドレス管理表1913の第7行目の通信レコード“I91,E91,E02,I02,・・、F91”と、アドレス管理表1911の第2行目の通信レコード“I02,E02,E91,I91,・・、F02”とが使用される。
【0666】
<<受信端末によるIPパケットの送出その2>>
端末1910−31乃至1910−50は、ステップQ8においてマルチキャストデータを受信する。端末1910−31乃至1910−50は受信確認などに用いるIPパケットを形成し(図325のステップQ20)、網ノード装置1904に送出する(ステップQ21)。網ノード装置は外部IPパケットを受信すると、当該外部IPパケットに対応するアドレス管理表1914の第1行目の通信レコード“IM2,M2,E02,I02,0,(F31 to F50,F93)”の内部IPパケット出力先指定が指定無し、つまり当該通信レコードの第5番目の項目が“0”であるので、外部IPパケットをIPカプセル化せずにそのままパケット溢れ出力回線1944へ転送する(ステップQ22)。
【0667】
<<溢れ通信回線サーバその2>>
溢れ回線通信サーバ1913−4は溢れ通信回線1944から外部IPパケットを受信し、外部IPパケットの送信元IPアドレスが“M2”であることを確認する。そして、マルチキャストアドレス“M2”により特定されるマルチキャストサービスを扱うマルチキャストサービス代理サーバ1911−4へ送出するIPパケットを形成し、前記IPパケットを通信回線1914−1経由でマルチキャストサービス代理サーバ1911−4へ送出する(図325のステップQ24)。このケースでは、溢れ回線通信サーバ1913−4とマルチキャストサービス代理サーバ1911−4との間が通信回線1914−1で接続されていることが特徴である。
【0668】
<<マルチキャストサービス代理サーバの機能その2>>
マルチキャストサービス代理サーバ1911−4は、前記ステップQ8xにおいてマルチキャストデータを事前に受信している。マルチキャストサービス代理サーバ1911−4は再送要求されているマルチキャストデータを網ノード装置1904へ向けて再送し(ステップQ25)、マルチキャストデータは端末1910−31乃至1910−50へ到達する(ステップQ26)。このとき、アドレス管理表1914の第3行目の通信レコード“I93,E93,M2,IM2,・・、F93”と、第2行目の通信レコード“IM2,M2,E93,I93,0、F31 to F50”とが使用される。
【0669】
マルチキャストサービス代理サーバ1911−4は受信したIPパケットの内容を調べ、ACKパケット集約情報、NACKパケット集約情報、端末個別集約情報などを格納したIPパケットを形成して送信元端末1910−02へ送出し、あるいは送信元端末1910−02から返信のIPパケットを受信する(図325のステップQ45乃至Q48)。ここで、アドレス管理表1914の第7行目の通信レコード“I93,E93,E02,I02,・・、F93”と、アドレス管理表1911の第3行目の通信レコード“I02,E02,E93,I93,・・、F02”とが使用される。
【0670】
<<受信端末によるIPパケットの送出その3>>
端末1910−51乃至1910−70は、ステップQ9においてマルチキャストデータを受信する。端末1910−51乃至1910−70は受信確認などに用いるIPパケットを生成し(図325のステップQ30)、網ノード装置1905に送出する(ステップQ31)。網ノード装置1905は、前記外部IPパケットをパケット溢れ出力回線1945へ転送する(ステップQ32)。溢れ回線通信サーバ1913−5は溢れ通信回線1945から前記外部IPパケットを受信し、前記IPパケットを通信回線1915−1経由でマルチキャストサービス代理サーバ1911−5へ送出する(図325のステップQ34)。
【0671】
マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は、前記ステップQ9xにおいてマルチキャストデータを事前に受信している。マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は再送要求されているマルチキャストデータを網ノード装置1905へ向けて再送し(ステップQ35)、マルチキャストデータは端末1910−51乃至1910−70へ到達する(ステップQ36)。
【0672】
マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は受信したIPパケットの内容を調べ、ACKパケット集約情報などを格納したIPパケットを形成して送信元端末1910−02へ送出し、あるいは送信元端末1910−02から返信のIPパケットを受信する(図325のステップQ49乃至Q52)。また、マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は、端末1910−70と直接にIPパケットを送受して情報交換できる(ステップQ38,Q39)。このとき、アドレス管理表1915の第9行目の通信レコード“I95,E95,E70,I70,・・,F95”と第10行目の通信レコード“I70,E70,E95,I95,・・,F70”とが使用される。本ケースでは、マルチキャストサービス代理サーバ1911−5は、端末1910−70と直接に通信するサービスを提供していることが特徴である。
【0673】
<<マルチキャストIPアドレス“M5”のパケット転送>>
図322の端末1910−05から送信元外部IPアドレス“E05”、宛先外部IPアドレス“M5”である外部IPパケット1932が送出され、網ノード装置1902を経由してIPカプセル化されて内部IPパケット1933−1及び1933−2となり、それぞれルータ1907−3及び1907−4を経由して網ノード装置1903乃至1905に到達し、ここで内部IPパケットが逆カプセル化され、端末1910−21乃至1910−30、端末1910−41乃至1910−50、端末1910−61乃至1910−70へ送信される。前記手順は、図326に示してあり、図325と異なる主要な第1の点は、送信端末1910−02に代わり端末1910−05が送信端末となり、ルータ1907−1及び1907−2に代わり、ルータ1907−3及び1907−4が用いられる。IPパケットが転送される経路は図326に示すように変更している(ステップR1乃至R9,R7x,R8x,R9x)。
【0674】
以上述べたように、網ノード装置に接続する複数の受信側端末はそれぞれ固有の外部IPアドレスを有すると共に、マルチキャストサービス毎に定まるマルチキャストIPアドレスを1以上有し、1以上のマルチキャストサービスを受けられるようになっている。
【0675】
<<送信事務サーバ>>
更に主要な第2の点は、マルチキャストサービス代理サーバ1912−3乃至1912−5が、前記ACK集約情報IPパケット、NACK集約情報IPパケット、個別端末の集約情報を含むIPパケットを送信事務サーバ1910−08へ送信すると共に、送信事務サーバ1910−08から送出されるデータを受信できるようになっていることである(図326のステップR41乃至R44,R45乃至R48,R49乃至R52)。送信事務サーバ1910−08及び送信端末1910−05もIPパケットを送受して情報交換する(図326のステップR55)。マルチキャストサービス代理サーバ1912−3(IPアドレス“E92”)と送信事務サーバ1910−08(IPアドレス“E08”)との間のIPパケット送受は、アドレス管理表1912の第5行目の通信レコード“I08,E08,E92,I92,・・、F08”と、アドレス管理表1913の第8行目の通信レコード“I92,E92,E08,I08,・・、F92”とが使用される。マルチキャストサービス代理サーバ1912−4(IPアドレス“E94”)と送信事務サーバ1910−08との間のIPパケット送受は、アドレス管理表1912の第6行目の通信レコード“I08,E08,E94,I94,・・、F08”と、アドレス管理表1914の第8行目の通信レコード“I94,E94,E08,I08,・・、F94”とが使用される。
【0676】
マルチキャストサービス代理サーバ1912−5(IPアドレス“E96”)と送信事務サーバ1910−08との間のIPパケット送受は、アドレス管理表1912の第7行目の通信レコード“I08,E08,E96,I96,・・、F08”と、アドレス管理表1915の第8行目の通信レコード“I96,E96,E08,I08,・・、F96”とが使用される。送信事務サーバ1910−08(IPアドレス“E08”)と送信端末1910−05(IPアドレス“E05”)との間のIPパケット送受は、アドレス管理表1912の第8行目の通信レコード“I08,E08,E05,I05、・・、F08”と第9行目の通信レコード“I05,E05,E08,I08、・・、F05”とが使用される。
【0677】
<<溢れ通信回線サーバとマルチキャストサービス代理サーバ>>
溢れ通信回線サーバとマルチキャストサービス代理サーバの機能は、マルチキャストIPアドレス“M2”のケースと同一である。溢れ通信回線サーバ1913−3は溢れ通信回線1943からIPパケットを入力すると(図327のステップMPS1)、IPパケットのマルチキャストIPアドレスが“M2”であるか“M5”であるか等を調べ(ステップMPS2)、マルチキャストサービス代理サーバ1911−3とマルチキャストサービス代理サーバ1912−3に振り分けて転送する(ステップMPS3)。
【0678】
<<マルチキャストIPアドレスの新規設置と取り消し>>
IP転送網1900の管理者は、網ノード装置のアドレス管理表1911乃至1915の通信レコードを書き換える権限を有する。例えば網ノード装置1901内のアドレス管理表1911に、マルチキャストサービス送信用の端末1910−7が用いる通信レコード“I07,E07,M7,IM7,・・、0”を追加し(但し、“M7”はマルチキャストIPアドレス)、ルータ1907−1乃至1907−4内の経路表にマルチキャストアドレス“M7”の経路情報を追加し、網ノード装置1903内のアドレス管理表1913に、マルチキャストサービス受信用の端末1910−11乃至1910−20が用いる通信レコード“IM7,M7,E07,I07,0,F11 to F20,F91−1”を追加できる。但し、“M7”は、“M7”と同一のマルチキャストIPアドレスであり、F11乃至F20は端末1910−11乃至1910−20に接続する出力回線インタフェース、F91−1は新たに設置するマルチキャストサービス代理サーバに接続する出力回線インタフェースである。1900運用管理者は端末1910−11乃至1911−20にマルチキャストIPアドレス“M7”を設置する。
【0679】
同様に、網ノード装置1904内のアドレス管理表1914に、マルチキャストサービス受信用の端末1910−31乃至1910−40が用いる通信レコード“IM7,M7,E07,I07,0,F31 to F40,F93−1”を追加し、網ノード装置1905内のアドレス管理表1915に、マルチキャストサービス受信用の端末1910−51乃至1910−60が用いる通信レコード“IM7,M7,E07,I07,0,F51 to F60,F95−1”を追加できる。以上の手続きにより、端末1910−11乃至1910−20、端末1910−31乃至1910−40、端末1910−51乃至1910−60が新しいマルチキャストサービスを受けられるようになる。第5行目の通信レコード“IM5,M5,E92,I92,0,(F21 to F29)”を抹消することにより、端末1910−21乃至1910−30はマルチキャストIPアドレス“M5”により識別できるマルチキャストサービスを取り消すことができる。 <<送信事務サーバを接続する網ノード装置>> 前記実施例において、送信端末1910−05と送信事務サーバ1910−08とは同じ網ノード装置1902に接続しているが、網ノード装置1901に接続する端末1910−07(IPアドレス“E07”)を送信事務サーバに新たに設定し、端末1910−08(IPアドレス“E08”)を送信事務サーバとして使わないように、送信端末1910−05は網ノード装置1902に接続の状態で、送信事務サーバ1910−07は網ノード装置1901に接続することもできる。つまり、送信端末と送信事務サーバとは異なる網ノード装置に接続できる。
【0680】
この場合、アドレス管理表1913の第8行目のレコード“I92,E92,E08,I08,・・,F92”を“I92,E92,E07,I07,・・,F92”に変更し、アドレス管理表1914の第8行目のレコード“I94,E94,E08,I08,・・,F94”を“I94,E94,E07,I07,・・,F94”に変更し、アドレス管理表1915の第8行目のレコード“I96,E96,E08,I08,・・,F96”を“I96,E96,E07,I07,・・,F96”に変更する。
【0681】
更に、送信事務サーバ1910−07と送信端末1910−05との間の通信レコード“I07,E07,E05,I05、・・、F07”、送信事務サーバ1910−07とマルチキャストサービス代理サーバ1912−3乃至1912−5との間の通信レコード“I07,E07,E92,I92,・・,F07”、“I07,E07,E94,I94,・・,F07”、“I07,E07,E96,I96,・・,F07”を、アドレス管理表1911に追加する。更に、アドレス管理表1912に、送信端末1910−05と送信事務サーバ1910−07との間のためのアドレス管理表1912内レコード“I05,E05,E07,I07,・・,F05”を追加する。また、端末1910−08と送信端末1910−05との間の通信レコード“I08,E08,E05,I05、・・,F08”やマルチキャストサービス代理サーバ1912−3乃至1912−5との通信レコード“I08,E08,E92,I92,・・,F08”などを抹消する。
【0682】
<<送信端末と送信事務サーバの一体化>>
更に、送信端末1910−02と送信事務サーバ1910−06と同じIPを付与し、送信事務サーバ1910−06の機能を送信端末1910−02の機能に含め一体化することもできる。ここで、送信事務サーバ1910−06の機能と送信端末1910−02の機能とは、TCPポート番号やUDPポート番号により区分する。
【0683】
<<溢れ通信回線のバリエーション>>
図324の溢れ通信回線サーバ1913−5は、溢れ通信回線1945から受信したIPパケットのマルチキャストIPアドレスを分類し、通信回線1915−1と1915−2とに分けて送信する手段であるが、この手段のバリエーションとして、溢れIPパケット分類機能部を設ける方法を述べる。図329の1905−1は網ノード装置、1915−1はアドレス管理表、1925−1は外部回線インタフェース部、1911−5Xは、図324の1911−5と同機能のマルチキャストIPアドレス“M2”により特定されるマルチキャストサービス代理サーバ、1912−5Xは図324の1912−5と同機能のマルチキャストIPアドレス“M5”により特定されるマルチキャストサービス代理サーバである。1913−5Xは、溢れ通信回線サーバ1913−5と類似の機能を有する溢れIPパケット分類機能部である。
【0684】
溢れIPパケット分類機能部1913−5xは、送信元がマルチキャストIPアドレスである外部IPパケットを受信すると、当該通信レコードの溢れパラメータの指定値が“0”のとき、送信元マルチキャストIPアドレスを判別して、該当するマルチキャストサービス代理サーバに通信回線1915−1X、あるいは1915−2Xを経由して転送する。
【0685】
<<有線放送やメディア配信通信システムの実現>>
マルチキャストデータはディジタル化した音声やファックスデータ、静止画像や動画像などのいわゆるマルチメディアデータを含む。端末1910−02がディジタル化音声を送信できる音声送信端末であり、端末1910−11乃至1910−70がディジタル化音声受信端末である場合、IPパケット1930の送信は有線音声放送の送信となり、IP転送網を用いた有線音声放送通信システムが実現できる。また、端末1910−02がディジタル化音声動画像を送信できる音声動画像送信端末であり、端末1910−11乃至1910−70がディジタル化音声動画像受信端末である場合、IPパケット1930の送信は有線TV放送の送信となり、IP転送網を用いた有線TV放送通信システムが実現できる。同様な方法により、ディジタル化静止画像を送受するIP転送を用いた有線ファックス通信システムが実現できる。
【0686】
ディジタル化音声受信端末や音声動画像受信端末は、マルチキャストデータの受信データ(放送内容)に対する感想などの受信端末個別情報を含むIPパケットを、送信端末1910−02へ向けて送信することができる。マルチキャストサービス代理サーバはIPパケットを複数の受信端末から受信し、IPパケットに含まれる情報を一覧表や短い文章に編集した集約情報などを含むIPパケットを送信端末や送信事務サーバに送信できる。また、送信端末や送信事務サーバは、集約情報を含むIPパケットを受信した結果に対するコメントを含んだIPパケットをマルチキャストサービス代理サーバに返信でき、結果としてマルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側との情報交換を行うことができる有線放送通信システムが実現できる。以上述べたように、マルチキャスト代理サーバが、マルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側との間の情報交換を仲介している。送信するメディアを書籍や新聞、音楽やビデオとすると、有線放送通信システムは、マルチキャストサービスとしての書籍配送通信システムや新聞配送通信システム、音楽配送通信システム、ビデオ配送通信システムを実現できる。ここで、ビデオはビデオテープやCD,DVDなどにディジタル化され格納されている音声と動画像からなる情報を指す。
【0687】
<<要約>>
網ノード装置にIP通信回線を経て接続する端末は、固有の外部IPアドレスを有すると共に、マルチキャストサービス毎に定まるマルチキャストIPアドレスを1以上有することができ、送信端末は複数可能である。また、マルチキャストデータの送信端末が送信したマルチキャストデータはIP転送網内部を転送され、複数の端末に送達することにより端末は1以上のマルチキャストサービスを受けられる。受信側端末は、IP転送網運用者に依頼することにより、マルチキャストサービス別のマルチキャストIPアドレスを随時新たに設置し、あるいは取り消すことができる。マルチキャストサービス代理サーバは、網ノード装置に1以上を接続できる。
【0688】
マルチキャストサービス代理サーバは、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該網ノード装置に接続する1以上の端末から受信したACKパケット集約情報や、NACKパケット集約情報、個別端末の情報を集約した情報を含むIPパケットを、当該マルチキャストサービスを実施している送信端末あるいは送信事務サーバへ送信できる。マルチキャストサービスはマルチキャストデータの受信確認通知(ACKパケット)、受信不良通知(NACKパケット)などの改善要求などによる品質が高いサービスが可能であり、通信会社は、ACKパケットやNACKパケットや受信者の個別報告の抑制により、IP転送網内部の通信トラヒックの増大を抑止できる。更に、通信会社と契約していないマルチキャストデータの配信を防止でき、マルチキャストサービスの利用に対する課金を容易に実施できる。
【0689】
マルチキャストサービス代理サーバは、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該マルチキャストサービスを実施している送信端末、あるいは送信事務サーバと、IPパケットを送受して情報交換できる。マルチキャストサービス代理サーバが、送信元端末から送信されたマルチキャストデータを受信して内部に保持し、マルチキャストサービス代理サーバが網ノード装置のマルチキャスト機能を用いて、保持しているマルチキャストデータをマルチキャストサービス代理サーバが接続する当該網ノード装置に接続する端末に送出できる。マルチキャストサービス代理サーバが、通信レコードを網ノード装置に設定してある特定の端末と、IPパケットを送受することにより情報交換できる。
【0690】
IPカプセル化及び逆IPカプセル化の方法を指定する通信レコード内部の、内部IPパケット出力先指定値が指定有りのときIPカプセル化し、内部IPパケット出力先指定値が指定無しのときIPカプセル化せずに、当該外部IPパケットを外部IPパケット溢れ通信回線に出力する。溢れ通信回線サーバは、IPカプセル化されない外部IPパケットを外部IPパケット溢れ通信回線を経由して受信すると共に、外部IPパケットが含む情報を網ノード装置経由で、マルチキャストサービス代理サーバに転送するようになっている。
【0691】
溢れ通信回線サーバは、IPカプセル化されない外部IPパケットを外部IPパケット溢れ通信回線を経由して受信すると共に、IPパケットが含む情報を溢れ通信回線サーバとマルチキャストサービス代理サーバとを接続する通信回線を経由して、マルチキャストサービス代理サーバに転送するようになっている。外部IPパケット溢れ通信回線に接続する溢れIPパケット振分け機能部を含む。通信レコード内部の、外部IPパケット出力先指定値が指定有りのとき逆IPカプセル化し、外部IPパケット出力先指定値が指定無しのとき逆IPカプセル化せずに、当該内部IPパケットを内部IPパケット溢れ通信回線に出力するようになっている。
【0692】
19.マルチキャスト通信を行う第19実施例:
本実施例は網ノード装置はIPカプセル化を行わない特徴があり、図330乃至図333を参照して説明する。
【0693】
IP転送網2000の内部に網ノード装置2001乃至2005及びルータ2007乃至2009を設置している。網ノード装置とルータは、IP通信回線により直接に或は網ノード装置やルータ経由で間接的に接続される。IP転送網2000は通信会社により運用管理される管理IP網である。2011乃至2015は網ノード装置のアドレス管理表であり、網ノード装置に通信回線経由で接続する端末のIPアドレスを登録している。2016乃至2020は網ノード装置の経路表、2021乃至2023はルータの経路表である。端未2025乃至2039はIPパケット送受機能を有し、IP通信回線を経由して網ノード装置に接続される。2045乃至2049は、予定外のIPパケットが出力される溢れ通信回線である。2050はマルチキャストサービス代理サーバである。端末2026はマルチキャストサービスにおいてマルチキャストデータを送信する送信端末でもある。マルチキャストデータは、ディジタル化した音声やファックスデータ、静止画像や動画像などのいわゆるマルチメディアデータを含む。端末2027はマルチキャストサービスのための送信事務サーバでもある。
【0694】
<<IPパケットの転送>>
次に、送信端末2026による外部IPパケット2040の送信から始まる一連のIPパケット転送のステップを説明する。端末2026は、通信回線2051に送信元外部IPアドレス“E02”、宛先IPアドレス“M2”である外部IPパケット2040を送信し(図333のステップDD1)、網ノード装置2001は、受信したIPパケット2040の送信元IPアドレス“E02”がアドレス管理表2011に登録されているかを調べ(IPパケット受け入れ検査)、このケースでは、通信回線2051の論理通信回線名“F02”とIPアドレス“E02”の組がアドレス管理表2011の第2行目のレコード“F02,E02”として登録されているので、IPパケット2040を受入れる。なお、登録されていないケースでは受信したIPパケットをそのままパケット溢れ通信回線2045へ転送し、IPパケットを廃棄する。
【0695】
次に、経路表2016の第1行目のレコード“Msk−m2,M2,(G02,G03)”について、当該レコードの第1番目の項目“Msk−m2”とIPパケット2040の宛先IPアドレス“M2”との“and”演算の結果が、前記レコードの第2番目の項目“M2”と一致するかを調べる(下記(12)式)。本ケースでは一致する。ここで、アドレスマスク“Msk−m2”の値は、255.255.255.255のケースである。
【0696】
If (“Msk−m2”)and “M2”=“M2”)・・・(12)
次に、当該レコードの第3番目の項目G02及びG03について、IPパケット2041を論理通信回線名“G02”である通信回線2053へ送出し(ステップDD2)、IPパケット2042を論理通信回線名“G03”である通信回線2054へ送出する(ステップDD3)。IPパケット2041及び2042は共に、IPパケット2040をコピーして生成されている。なお、前記手順において、IPパケット2040の宛先IPアドレス“M2”が経路表2016に含まれていない場合、外部IPパケット2040は廃棄される(マルチキャストアドレスの登録検査)。
【0697】
IPパケット2041はルータ2007へ到達し、経路表2021の第2行目のレコード“M2,G12”に従い、論理通信回線名G12である通信回線2055へIPパケット2043として送出される(ステップDD4)。IPパケット2043はルータ2008へ到達し、経路表2022の第2行目のレコード“M2,G27”に従い、論理通信回線名G27である通信回線2058へIPパケット2034として送出される(ステップDD5)。一方、通信回線2054へ送出されたIPパケット2042はルータ2009へ到達し、経路表2023の第2行目の“M2,G21,G22”に従い、論理通信回線名“G21”である通信回線2056へIPパケット2035を送出し(ステップDD6)、論理通信回線名“G22”である通信回線2057へIPパケット2036を送出する(ステップDD7)。IPパケット2035及び2036は共に、IPパケット2042をコピーして生成されている。なお、ルータの経路表2021乃至2023は、網ノード装置の経路表2016と同様なアドレスマスクを有することができるが、公知であり省略している。
【0698】
IPパケット2034は通信回線2058を経て網ノード装置2003に到達する。経路表2018の第1行目のレコード“Msk−m2,M2,(F10,F12,F22)”について、当該レコードの第1番目の項目“Msk−m2”とIPパケット2034の宛先IPアドレス“M2”との“and”演算の結果が、前記レコードの第2番目の項目“M2”と一致するかを調べる(下記(13)式)。本ケースでは一致する。ここで、アドレスマスク“Msk−m2”の値は255.255.255.255 のケースである。
【0699】
If (“Msk−m2”)and “M2”=“M2”) ・・・(13)
次に、当該レコードの第3番目の項目F10,F12,F22について、論理通信回線名“F10”である通信回線2060へIPパケット2038を送出し(ステップDD11)、論理通信回線名“F12”である通信回線2061へIPパケット2039を送出し(ステップDD13)、論理通信回線名“F22”である通信回線2059へIPパケットを送出する(ステップDD9)。端末2031及び2033は、それぞれ通信回線2060及び2061経由でマルチキャストデータを受信する。マルチキャストサービス代理サーバ2050は、通信回線2059経由で受信したマルチキャストデータを内部のデータベースに保持する。
【0700】
網ノード装置2004はIPパケット2035を受信し、経路表2019の第1行目のレコード“Msk−m2,M2,F13”を用い、網ノード装置2003の手順と同様にして、IPパケット2035をコピーしたIPパケット2040を論理通信回線名“F13”である通信回線2062へ送出する(ステップDD14)。網ノード装置2005はIPパケット2036を受信し、経路表2020の第1行目のレコード“Msk−m2,M2,(F16、F17)”を用い、前記網ノード装置2003の手順と同様にして、IPパケット2036をコピーしたIPパケット2041を通信回線2063へ、IPパケット2042を通信回線2064へそれぞれ送出する(ステップDD17、DD18)。
【0701】
<<ACKパケットやNACKパケットの大量洪水の予防>>
端末2031がIPパケット2038の受信に関連した情報、つまり受信報告のACKパケットや受信不良報告のNACKパケット、端末の個別報告などを送信端末2026へ報告するため、送信元外部IPアドレス“M2”、宛先外部IPアドレス“E02”であるIPパケット2044を形成して通信回線2060に送出する(図333のステップDD21)。同様に、端末2033がIPパケット2039の受信を送信端末2026へ報告するため、送信元外部IPアドレス“M2”、宛先外部IPアドレス“E02”であるIPパケットを通信回線2061に送出する(ステップDD22)。
【0702】
網ノード装置2003は、端末2031や2033が送出した送信端末2026へ報告するIPパケットを受信すると、IPパケットの送信元外部IPアドレス“M2”がアドレス管理表2013に登録されているかを調べる。本ケースでは登録されていないので、受信したIPパケットをそのままパケット溢れ通信回線2059へ転送する(ステップDD26)。
【0703】
このようになっているから、マルチキャストデータ受信の全ての端末からマルチキャストデータ送信端末へ、端末個別報告のIPパケット送出を抑制でき、結果としてIP転送網内部のACKパケットやNACKパケットの大量洪水を予防できる。
【0704】
<<マルチキャストサービス代理サーバによるデータ送信>>
マルチキャストサービス代理サーバ2050は、前記ステップDD9において、端末2026から送信されたマルチキャストデータを受信して内部のデータベースに保持しており、端末2031及び2033から前記ステップDD21及びDD22において、前記マルチキャストデータの再送信を要求されている場合、前記保持しているマルチキャストデータを網ノード装置2003経由で(ステップDD27)、端末2031へ送出し(ステップDD28)、あるいは端末2033へ送出できる(ステップDD29)。このとき、網ノード装置2003内の経路表2018の第1行目“Msk―m2,M2,(F10,F12,F22)”が用いられ、マルチキャストデータの送信が行われる。
【0705】
<<送信端末間とのデータ送受>>
マルチキャストサービス代理サーバ2050は、前記形成した各種集約情報を格納したIPパケットを送信端末2026へ送信し、あるいは送信端末2026から返信のIPパケットを受信する(図333のステップDD41乃至DD45)。ここで、前記IPパケットのIPアドレスは、マルチキャストサービス代理サーバ2050のIPアドレス“E22”及び送信端末2026のIPアドレス“E02”であり、アドレス管理表2013の第4行目の通信レコード“F22,E22”と、経路表2018の第5行目のレコード“Msk22,E22,F22”及び、アドレス管理表2011の第2行目の通信レコード“F02,E02”と、経路表2016の第3行目のレコード“Msk02,E02,F02”とが用いられる。このように、マルチキャストサービス代理サーバは、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該マルチキャストサービスを実施している送信端末2026と、IPパケットを送受して情報交換できるようになっている。
【0706】
<<送信事務サーバ間とのデータ送受>>
マルチキャストサービス代理サーバ2050は、前記形成した各種集約情報(ACKパケット集約情報、NACKパケット集約情報、個別端末情報)を格納したIPパケットを送信事務サーバ2027へ送信し、あるいは送信事務サーバ2027から返信のIPパケットを受信することもできる(図333のステップDD46乃至DD50)。ここで、IPパケットのIPアドレスは、マルチキャストサービス代理サーバ2050のIPアドレス“E22”及び送信事務サーバ2027のIPアドレス“E03”であり、アドレス管理表2013の第4行目の通信レコード“F22,E22”と、経路表2018の第5行目のレコード“Msk22,E22,F22”と、アドレス管理表2011の第3行目の通信レコード“F03,E03”と、経路表2016の第4行目のレコード“Msk03,E03,F03”とが用いられる。このように、マルチキャストサービス代理サーバは、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該マルチキャストサービスを実施している送信事務サーバと、IPパケットを送受して情報交換できるようになっている。
【0707】
<<送信端末と送信事務サーバ間の情報交換>>
送信端末及び送信事務サーバは、IPパケットを交換してマルチキャストサービス実施のために情報交換できる(図333のステップDD51)。更に、送信端末2026と送信事務サーバ2027と同じIPアドレスを付与し、送信事務サーバ2027の機能を送信端末2026の機能に含めて一体化することができる。ここで、送信事務サーバ2027の機能と送信端末2026の機能とは、TCPポート番号やUDPポート番号により区分する。
【0708】
<<送信事務サーバを接続する網ノード装置>>
本実施例において、送信端末2026と送信事務サーバ2027とは同じ網ノード装置2001に接続しているが、網ノード装置2002に接続する端末2028(IPアドレス“E04”)を送信事務サーバに新たに設定し、端末2027を送信事務サーバとして使わないようにすること、つまり送信端末と送信事務サーバとを異なる網ノード装置に接続することもできる。この場合、送信事務サーバ2028、IPパケットを送受するマルチキャストサービス代理サーバ2050及び送信端末2026は、送信事務サーバのIPアドレスを“E04”としてIPパケットを送受する。
【0709】
<<網ノード装置のバリエーション>>
図330の網ノード装置2001は、図334に示すアドレス管理モジュール2090とルータ2091とに分離して実施できる。但し、アドレス管理モジュール2090とルータ2091とは、回線2092を経由して情報交換できる。アドレス管理モジュール2090内のアドレス管理表2011xは、網ノード装置2001内のアドレス管理表2011と同一の情報を含み、ルータ2091内の経路表2016xは、網ノード装置2001内の経路表2016と同一の情報を含む。アドレス管理モジュール2090は、パソコンなどで実現するサーバやハードウェアモジュールとして実現する。
【0710】
<<アドレス管理モジュールを用いたIPパケットの転送>>
図334を参照して、IP転送網2000内のIPパケット転送を説明する。端末2026は、送信元外部IPアドレス“E02”、宛先IPアドレス“M2”である外部IPパケット2040を通信回線2051に送信し、ルータ2091は通信回線2051経由で外部IPパケット2040を受信し、受信した外部IPパケット2040を回線2092経由でアドレス管理モジュール2090に送信する。アドレス管理モジュール2090は、受信したIPパケット2040の送信元IPアドレス“E02”がアドレス管理表2011xに登録されているかを調べる。本ケースでは、通信回線2051の論理通信回線名“F02”とIPアドレス“E02”の組がアドレス管理表2011xの第2行目のレコード“F02,E02”として登録されていることを確認し、ルータ2091へ確認結果を通知する。ルータ2091はアドレス管理モジュール2090の報告に従い、IPパケット2040を受入れる。なお、前記IPパケットが登録されていないと報告されたケースでは、受信したIPパケットをそのままパケット溢れ通信回線2045へ転送し、IPパケットを廃棄する。
【0711】
次に、ルータ2091は、経路表2016xの第1行目のレコード“Msk−m2,M2,(G02,G03)”について、当該レコードの第1番目の項目“Msk−m2”とIPパケット2040の宛先IPアドレス“M2”との“and”演算の結果が、前記レコードの第2番目の項目“M2”と一致するかを調べる下記(14)式)。本ケースでは一致する。ここで、アドレスマスク“Msk−m2”の値は255.255.255.255のケースである。
【0712】
If (“Msk−m2”)and “M2”=“M2”) ・・・(14)
次に、当該レコードの第3番目の項目G02及びG03について、IPパケット2041を論理通信回線名“G02”である通信回線2053へ送出し、IPパケット2042を論理通信回線名“G03”である通信回線2054へ送出する。
【0713】
図332の網ノード装置2003は、前記同様の機能を有するアドレス管理モジュールとルータの組合せにより置換えることができる。ここで、置き換えたアドレス管理モジュールはアドレス管理表2013と同一の情報を含むアドレス管理表を含み、前記置き換えたルータは経路表2018と同一の情報を含む。同様の原理により、網ノード装置2004及び2005は、前記同様の機能を有するアドレス管理モジュールとルータとの組により置換えることができ、それぞれ網ノード装置2004乃至2005が含むアドレス管理表や経路表の情報を含むようにしておく。
【0714】
<<有線放送やメディア配信通信システムの実現>>
端末2026がディジタル化音声を送信できる音声送信端末であり、端末2031乃至2039がディジタル化音声受信端末である場合、前記IPパケット2040の送信は有線音声放送の送信となり、IP転送を用いた有線音声放送通信システムが実現できる。また、端末2026がディジタル化音声動画像を送信できる音声動画像送信端末であり、端末2031乃至2039がディジタル化音声動画像受信端末である場合、IPパケット2040の送信は有線TV放送の送信となり、IP転送を用いた有線TV放送通信システムが実現できる。同様な方法により、ディジタル化静止画像を送受するIP転送を用いた有線ファックス通信システムが実現できる。ディジタル化音声受信端末や音声動画像受信端末は、マルチキャストデータの受信データ(放送内容)に対する感想などの受信端末個別情報を含むIPパケットを送信端末2026へ向けて送信することができ、マルチキャストサービス代理サーバはIPパケットを複数の受信端末から受信し、IPパケットに含まれる情報を一覧表や短い文章に編集した集約情報などを含むIPパケットを送信端末や送信事務サーバに送信できる。また、送信端末や送信事務サーバは、集約情報を含むIPパケットを受信した結果に対するコメントを含んだIPパケットをマルチキャストサービス代理サーバに返信でき、結果としてマルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側との情報交換が行える有線放送通信システムが実現できる。以上述べたように、マルチキャスト代理サーバが、マルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側との間の情報交換を仲介している。送信するメディアを書籍や新聞、音楽やビデオとすると、有線放送通信システムは、マルチキャストサービスとしての書籍配送通信システムや新聞配送通信システム、音楽配送通信システム、ビデオ配送通信システムを実現できる。ここで、ビデオは、ビデオテープやCD,DVDなどにディジタル化され格納されている音声と動画像からなる情報を指す。
【0715】
<<要約>>
端末は、通信回線経由でアドレス管理モジュールを接続するルータに接続し、前記アドレス管理モジュールのアドレス管理表に送信元IPアドレスを登録しておき、ルータに入るIPパケットのヘッダ内の送信元IPアドレスがアドレス管理モジュール内のアドレス管理表に登録されている場合はIPパケットを転送し、登録されていない場合は、当該IPパケットをルータの溢れ通信回線に転送する方法により、予定外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止するようにしている。更に、ルータに入るIPパケットのヘッダ内の宛先マルチキャストIPアドレスがルータの前記経路表に登録されていない場合は、当該IPパケットをルータの溢れ通信回線に転送する方法により、予定外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止するようにしている。
【0716】
網ノード装置のアドレス管理表に端末のIPアドレスを登録してある場合はIPパケットを送信し、IPアドレスを登録していない場合はIPパケットを溢れ通信回線に転送し、IPパケットは廃棄されるか、マルチキャスト代理サーバに送られる。網ノード装置のアドレス管理表にマルチキャストIPアドレスを登録許可しないことにより、マルチキャストIPパケット受信者からマルチキヤストIPパケット送信者へ向けたIPパケットを受信したことを通知するIPパケット受信確認用のACKパケットや受信状態不良を知らせるNACKパケット、個別報告用のIPパケットなどが網ノード装置を通過できないようにする。また、網ノード装置の経路表に宛先マルチキャストアドレスを登録してある場合は、網ノード装置に入る外部IPパケットのヘッダ内の宛先マルチキャストアドレスが経路表に登録されてIPパケットを転送し、経路表に登録されていない場合は網ノード装置が当該IPパケットを廃棄することにより、予定外のIPパケットがIP転送網内部に混入することを防止している。
【0717】
マルチキャストサービス代理サーバが送信端末から送信されたマルチキャストデータを受信して内部に保持し、マルチキャストサービス代理サーバが、網ノード装置のマルチキャスト機能を用いて、前記保持しているマルチキャストデータを、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該網ノード装置に接続する端末に送出できるようにしている。
【0718】
マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該網ノード装置に接続する1以上の端末から受信したACKパケット集約情報や、NACKパケット集約情報、個別端末の情報の集約情報を含むIPパケットを当該マルチキャストサービスを実施している送信端末、あるいは送信事務サーバへ送信できるようにしている。
【0719】
マルチキャストサービス代理サーバは、マルチキャストサービス代理サーバが接続する当該マルチキャストサービスを実施している送信端末、あるいは送信事務サーバと、IPパケットを送受して情報交換できるようになっている。更に前記マルチキャストサービス代理サーバは、IPパケット溢れ通信回線を経由して受信したIPパケットが含む情報を用いるようになっている。
【0720】
ディジタル化音声や音声動画像、静止画像などを送信できる音声送信端末、音声動画像送信端末、静止画像送信端末を用いることにより、IP転送を用いた有線音声放送通信システム、有線TV放送通信システム、有線ファックス通信システムが実現できる。有線放送の受信端末は、受信端末の個別情報を含むIPパケットを送信端末へ向けて送信可能であり、結果としてマルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側との間の情報交換が行える有線放送通信システムが実現できる。マルチキャスト代理サーバが、マルチキャストデータ送信側とマルチキャストデータの受信側と間の情報交換を仲介する。
【0721】
マルチキャストサービスは、マルチキャストデータの受信確認通知(ACKパケット)、受信不良通知(NACKパケット)などの改善要求などによる品質が高いサービスが可能であり、通信会社はACKパケットやNACKパケットや受信者の個別報告の抑制により、IP転送網内部の通信トラヒックの増大を抑止できる。更に通信会社と契約していないマルチキャストデータの配信を防止でき、マルチキャストサービスの利用に対する課金を容易に実施できる。
【0722】
20.マルチキャスト通信を行う第20実施例:
本実施例を、図335を参照して説明する。IP転送網2100の内部には通信会社Xの管理範囲2101と通信会社Yの管理範囲2102とが設けられており、更に網ノード装置2103乃至2114,ルータ2115−1乃至2115−11、ルータ2116が設置されている。IP転送網2100は通信会社により運用管理される管理IP網である。網ノード装置とルータはIP通信回線により、直接に或は網ノード装置やルータ経由で間接的に接続されている。IPパケット送受機能を有する端未2117乃至2133は、IP通信回線経由で網ノード装置に接続されている。2140乃至2143はマルチキャストPサービス代理サーバ、2144乃至2147はマルチキャストQサービス代理サーバ、2148乃至2151は溢れ通信回線サーバである。通信会社X及び通信会社Yはルータ2116を共同で管理する。網ノード装置2103乃至2114は、全てがIPカプセル化と逆カプセル化機能を有する装置であるか、または全てがIPカプセル化と逆カプセル化機能を有さない装置であるかに限定され、それぞれの網ノード装置の内部構成については他の実施例により説明している。
【0723】
<<通信会社の送信端末と送信事務サーバ>>
A新聞社による電子新聞配送サービスをマルチキャストPサービス、B放送局によるニュース配信サービスをマルチキャストQサービスとして区分する。端末2117は通信会社Xが管理するマルチキャストデータ送信端末、端末2118は通信会社Xが管理する送信事務サーバ、端末2120は通信会社Yが管理するマルチキャストデータ送信端末、端末2122は通信会社Yが管理する送信事務サーバ、端末2123はA新聞社が管理する端末である。端末2123は、A新聞社が作成する電子新聞を通信会社Xの送信事務サーバ2118や通信会社Yの送信事務サーバ2122に送信し、電子新聞配送に関する事務連絡通信を行うマルチキャストPサービス用の端末である。端末2119はB放送局が管理する端末であり、B放送局が提供する(音声動画像)TVニュース配信サービスを通信会社Xの送信事務サーバ2118や通信会社Yの送信事務サーバ2122に送信し、電子新聞配送に関する事務連絡通信を行うマルチキャストQサービス用の端末である。
【0724】
送信事務サーバ2118は通信会社Xを代表し、A新聞社が作成する電子新聞の配送やB放送局によるTVニュース配信サービス、C証券会社による電子株価案内サービスなどのマルチキャストデータの送信に関する事務手続きを行ない、同様に送信事務サーバ2122は、通信会社Yを代表してマルチキャストデータの送信に関する事務手続きを行う。
【0725】
<<マルチキャストIPパケットの転送>>
電子新聞は多数のIPパケットにディジタル情報として格納されており、電子新聞IPパケットと呼ぶ。A新聞社は、電子新聞IPパケットをA新聞社の端末2123から通信会社Xの送信事務サーバ2118に送信する(図336のステップ2160)。このとき、電子新聞IPパケットは、網ノード装置2111、ルータ2115−10、2115−7、2115−6、2116、2115−5,2115−3,2115−1、網ノード装置2103を経由して送信事務サーバ2118に到達する。端末2123から送信事務サーバ2118への電子新聞IPパケットの送信は、公知のUDP通信技法(コネクションレス通信)あるいはTCP通信技法(コネクション通信)のいずれでも実施できる。
【0726】
送信事務サーバ2118は、受信した電子新聞IPパケットを内部のデータベースに保持する(ステップ2161)。次に、送信事務サーバ2118は、受信し保持している電子新聞IPパケットを網ノード装置2103経由で送信端末2117へ送信し(ステップ2162)、送信端末2117は受信した電子新聞IPパケットを保持する。このとき、送信事務サーバ2118から端末2117への電子新聞IPパケットの送信は、UDP通信技法あるいはTCP通信技法のいずれでも実施できる。
【0727】
送信端末2117は、前記保持している電子新聞IPパケットを網ノード装置2103へ送出する(ステップ2163)。ここで、宛先アドレスは、マルチキャストアドレス“Mx”である。前記送出された電子新聞IPパケットは同時にマルチキャスト専用のIP転送網2152内部を転送され、網ノード装置2106乃至2108へ到達し(ステップ2171乃至2174)、電子新聞IPパケットの受信端末である端末2124乃至2128へ到達し(ステップ2175乃至2177)、同時にマルチキャストPサービス代理サーバ2140乃至2141へ到達する(ステップ2178)。
【0728】
端末2124乃至2125は、電子新聞IPパケットを正常に受け取ったことを知らせるACKパケット、又は前記IPパケットは誤りであったことを知らせるNACKパケットを送信すると(ステップ2181)、ACKパケット乃至NACKパケットは、電子新聞配送サービスを担当するマルチキャストPサービス代理サーバ2140に転送される(ステップ2183)。同様に、端末2126乃至2127は、IPパケットの受信状態を知らせるACKパケット又はNACKパケットを送信すると(ステップ2182)、前記ACKパケット乃至NACKパケットは、マルチキャストPサービス代理サーバ2141に転送される(ステップ2184)。端末2128からACKパケット乃至NACKパケットが送出されるケースも同様手順である。
【0729】
マルチキャストPサービス代理サーバ2140乃至2141は、電子新聞IPパケットを端末2124乃至2127へマルチキャストデータとして再送する(ステップ2185、2186)。マルチキャストPサービス代理サーバ2140乃至2141は、電子新聞IPパケットの受信情況を報告するIPパケットを形成して網ノード装置2106乃至2107ヘ送出し(ステップ2187)、IPパケットはIP転送網2152を経由し(ステップ2188)、網ノード装置2103を経由して送信事務サーバ2118ヘ到達する(ステップ2189)。
【0730】
通信会社Xの管理する送信事務サーバ2118は、ステップ2162及び2189において電子新聞IPパケット配送に関与した情報を用いて、通信会社Xの管理するIP網2101の利用料金を算出することができる。送信事務サーバ2118は、前記受信したIPパケットの内容に含まれる情報からA新聞社への報告事項を含むIPパケットを形成し、A新聞社の端末2123へ形成したIPパケットを送信する(ステップ2190)。ここで、IPパケットは、網ノード装置2103、ルータ2115−1、2115−3、2115−5,2116,2115−6,2115−7,2115−10,2111を経由して端末2123へ到達する。A新聞社はIPパケットを受信し、通信会社Xに依頼した電子新聞IPパケットの配送情況を確認する。
【0731】
A新聞社は前記ステップ2160を終えた後、電子新聞IPパケットをA新聞社の端末2123から通信会社Yの送信事務サーバ2122に送信する(図336のステップ2164)。このとき、電子新聞IPパケットは、網ノード装置2111、ルータ2115−10、網ノード装置2110を経由して送信事務サーバ2122に到達する。送信事務サーバ2122は、前記受信した電子新聞IPパケットを内部のデータベースの保持する(ステップ2165)。
【0732】
送信事務サーバ2122は、送信端末2120に対して、送信事務サーバ2122が電子新聞IPパケットを送れる資格を有する正規の送信事務サーバであることの認証を受け(ステップ2260)、送信事務サーバ2122は、前記受信し保持している電子新聞IPパケットを網ノード装置2110、ルータ2115−7、網ノード装置2109を経由して送信端末2120へ送信し(ステップ2166)、送信端末2120は受信した電子新聞IPパケットを保持する。なお、前記ステップ2164において、A新聞社の端末2123は、通信会社Yの送信事務サーバ2122に対して、A新聞社の端末2123に間違いないことの認証を受けるようにすることもできる。
【0733】
送信端末2120は、前記保持している電子新聞IPパケットを網ノード装置2109へ送出する(ステップ2167)。ここで、宛先アドレスは、マルチキャストアドレス“My”である。前記送出された電子新聞IPパケットは同時にマルチキャスト専用のIP転送網2153内部を転送され、網ノード装置2112乃至2114へ到達し(ステップ2191乃至2194)、電子新聞IPパケットの受信端末である端末2129乃至2133へ到達し(ステップ2195乃至2197)、同時にマルチキャストPサービス代理サーバ2142乃至2143へ到達する(ステップ2198)。端末2129乃至2133は、前記電子新聞IPパケットの受信情況を知らせるACKパケット又はNACKパケットを送信すると(ステップ2201、2202)、ACKパケット乃至NACKパケットは、電子新聞配送サービスを担当するマルチキャストPサービス代理サーバ2142又は2143に転送される(ステップ2203又は2204)。
【0734】
マルチキャストPサービス代理サーバ2142乃至2143は、電子新聞IPパケットを端末2129乃至2133へマルチキャストデータとして再送する(ステップ2205、2206)。マルチキャストPサービス代理サーバ2142乃至2143は、電子新聞IPパケットの受信情況を報告するIPパケットを形成して網ノード装置2112乃至2113ヘ送出し(ステップ2207)、IPパケットはIP転送網2153を経由し(ステップ2208)、網ノード装置2109を経由して送信事務サーバ2122ヘ到達する(ステップ2209)。
【0735】
通信会社Yの管理する送信事務サーバ2122は、通信会社Yの管理するIP網2102の利用料金を算出し、更に受信したIPパケットの内容に含まれる情報からA新聞社への報告事項を含むIPパケットを形成し、A新聞社の端末2123へ前記形成したIPパケットを送信する(ステップ2210)。ここで、IPパケットは、網ノード装置2110、ルータ2115−10,網ノード装置2111を経由して端末2123へ到達する。A新聞社はIPパケットを受信し、通信会社Yに依頼した電子新聞IPパケットの配送情況を確認する。マルチキャストQサービスを実施するケースにおいても、前記同様の方法により実施できる。
【0736】
<<認証手続き>>
前記ステップ2260の認証手続きは公知の技法が各種あり、図337を参照して一例を説明する。送信事務サーバ2122及び送信端末2120は、共通の関数y=f(a,b)と秘密の認証鍵“K”を内部に保持している。送信事務サーバ2122は、送信事務サーバ2122を識別する情報“ID2122”を送信端末2120へ送信する(ステップ2160−1)。送信端末2120は送信事務サーバ2122を識別する情報“ID2122”を受信し、乱数“R”を生成してC1=f(K,R)を算出し保持すると共に、送信事務サーバ2122へ乱数“R”送信する(ステップ2160−2)。送信事務サーバ2122は、受信した乱数“R”と認証鍵“K”と関数“f”とを用いてC2=f(K,R)を算出し、送信端末2120へ“C2”を送信する(ステップ2160−3)。送信端末は、前記生成し保持している“C1”と、前記受信した“C2”とが一致するか否かを調べ、一致すれば送信事務サーバ2122が正規の認証鍵“K”を保持していることが確認できるので、送信事務サーバ2122が正規送信事務サーバであることを認証できる。
【0737】
<<バリエーション>>
図338を参照して説明すると、IP転送網2100−1の内部は、通信会社Xの管理範囲2101−1と通信会社Yの管理範囲2102−1、網ノード装置2104−1、2105−1、2107−1乃至2114−1、ルータ2230及び2232、アドレス管理モジュール2231及び2233、ルータ2115−1乃至2115−11、ルータ2116を設置している。網ノード装置2104−1、2105−1、2107−1乃至2114−1は、全てがIPカプセル化と逆カプセル化機能を有さない装置であり、その具体的内部構成は他の実施例により説明しているのと同様である。ルータ2230とアドレス管理モジュール2231とは回線で接続され、ルータ2230とアドレス管理モジュール2231とは一体となって網ノード装置と同様の機能を果たす。同様に、ルータ2232とアドレス管理モジュール2233とは回線で接続され、一体となって網ノード装置と同様の機能を果たす。このようになっているから、図335乃至336を用いて説明したマルチキャストサービスと同様のマルチキャストサービスが実施できる。
【0738】
マルチキャストサービスを提供するA新聞社の端末2123から、電子新聞IPパケットを送信事務サーバ2118及び2122へ送信し、送信事務サーバ2118及び2122は、前記受信した電子新聞IPパケットをIP転送網2101−1及び2102−1を経由して、受信端末2124乃至2133へマルチキャスト技法により配信できる。前記配信した結果は送信事務サーバ2118及び2122に報告され、前記受信端末2124乃至2133に課金を行うことができる。
【0739】
なお、IP転送網2152及び2153はマルチキャスト専用のIP転送網である必要はなく、他の実施例で説明しているIP電話やデータ転送、音声画像転送のためのIP転送と共用して、前記説明のマルチキャストサービスが実施できる。
【0740】
<<アドレス管理表や経路表の設定>>
通信会社Xの管理範囲2101及び通信会社Yの管理範囲2102内部の網ノード装置内部のアドレス管理表やルータの経路表は、マルチキャストサービスの種別毎に、別個のアドレス管理表やルータの経路表を設定(マルチキャスト木構造の設定)が必要であり、他の実施例により説明している方法が適用できる。更に、マルチキャストサービス利用者の増減によるマルチキャスト木構造の変更や、マルチキャストサービスの停止によるマルチキャスト木構造の解放などの他実施例において説明されている技法が本実施例に適用できる。
【0741】
<<まとめ>>
以上述べた方法により、複数のマルチキャストサービスが、複数の通信会社のIP転送網を接続したIP転送網を用いて実施される。マルチキャストサービス提供者は、前記通信会社に依頼して、課金業務の代行を依頼できる。通信会社Xの管理する送信事務サーバと、通信会社Yの管理する送信事務サーバにマルチキャストデータを送信し、前記通信会社Xの送信事務サーバは、通信会社Xの送信端末を経由して、通信会社Xの管理するIP転送網に接続する複数端末にマルチキャストデータを配送し、同様に、前記通信会社Yの送信事務サーバは、通信会社Yの送信端末を経由して、通信会社Yの管理するIP転送網に接続する複数端末にマルチキャストデータを配送できるようになっている。通信会社Xや通信会社Yの管理するIP転送網内の配送結果は、マルチキャストサービス代理サーバ経由で、通信会社Xや通信会社Yの送信事務サーバが収集する。
【0742】
21. 着信優先度制御を行う第21実施例:
IPパケットのヘッダ部は、“プロトコルタイプ”、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを含み、IPパケットのペイロードに置かれるTCPパケット内部やUDPパケットの内部には、それぞれ送信元ポート番号と宛先ポート番号とが定義されている。IPアドレス(32ビット)とポート番号(16ビット)を並べた48ビットのデータは、ソケット番号と言われる。本実施例では、送信元ソケット番号=送信元IPアドレス‖送信元ポート番号(‖は、データの連結)、宛先ソケット番号=宛先IPアドレス‖宛先ポート番号と呼ぶ。本実施例は、IP転送網網内を転送された内部パケット(内部フレームともいう)が網ノード装置に到達し、ここで簡易逆カプセル化されて得られる外部IPパケットを、この外部IPパケット内部に表示されている“プロトコルタイプ”やソケット番号を用いて、IP転送網の外部に送出する優先順序について優先度を制御する例である。IPパケットはIPv4又はIPv6である。
【0743】
<<構成>>
図343及び図344に示すように、IP転送網2400は網ノード装置2401乃至2407を含み、網ノード装置2401はアドレス管理表2412を含む。2409−1乃至2409−9はそれぞれLANである。LAN内部の端末は、入口ルータ2410−1乃至2410−9及び通信回線を経て、IP転送網2400内部のいずれかの網ノード装置に接続されている。端末2428は通信回線を経て網ノード装置2402に接続され、端末2429は通信回線を経て網ノード装置2405に接続されている。内部パケットは、例えばHDLCフレームを採用して実施でき、図340に示すように宛先アドレスと情報部を含む。光リンク回線(WDM回線)用のHDLCフレームのとき、宛先アドレスはHDLC技法により規定される宛先アドレスである。
【0744】
<<端末のIPアドレス>>
LAN2409−1内の端末のIPアドレスは“2100”、“2110”であり、LAN2409−2内の端末のIPアドレスは“1200”、“1210”、“1220”であり、LAN2409−3内の端末のIPアドレスは“2600”、“2610”であり、LAN2409−4内の端末のIPアドレスは“1230”、“1240”であり、LAN2409−5内の端末のIPアドレスは“2200”、“2210”であり、LAN2409−6内の端末のIPアドレスは“2300”、“2310”であり、LAN2409−7内の端末のIPアドレスは“2400”、“2410”であり、LAN2409−8内の端末のIPアドレスは“2700”、“2710、“2720”であり、LAN2409−9内の端末のIPアドレスは“2800”、“2810”であり、端末2428のIPアドレスは“2500”であり、端末2429のIPアドレスは“1250”である。なお、IPアドレスは32ビット(IPv4)や128ビット(IPv6)であるが、本実施例は4桁の10進数で表現している例である。
【0745】
<<アドレス管理表>>
図345を参照して、網ノード装置2401内のアドレス管理表2412を説明する。アドレス管理表2412は、アドレス管理主表2412−1とアドレス管理副表2412−2乃至2412−7とで成る。アドレス管理主表2412−1は、他の実施例において説明しているアドレス管理表の登録項目と共に、少なくとも着信優先度記号を登録する項目を含む。本実施例において、アドレス管理主表2412−1は、更に閉域網識別子を登録する項目を含む。
【0746】
なお、アドレス管理主表2412−1のレコードの各項目は、網ノード装置2412が発信側の立場から考えて命名している。従って、本実施例における“着信側”優先度を考えるケースでは、発信と着信が逆に見える。例えば、内部IPパケット(IF01)を着信するケースでは、第1行目のレコードの送信元外部アドレス“2100”は、宛先外部アドレス“2100”と考える。
【0747】
アドレス管理副表2412−2は複数レコードを含み、各レコードは着信優先度記号、プロトコル優先度、TCPソケット優先度、UDPソケット優先度を表わす項目を含む。アドレス管理副表2412−3は複数レコードを含み、各レコードはプロトコル優先度、プロトコル種別を表わす項目を含む。アドレス管理副表2412−4は複数レコードを含み、各レコードはTCPソケット優先度、ソケット記号を表わす項目を含む。アドレス管理副表2412−5は複数レコードを含み、各レコードはUDPソケット優先度、ソケット記号を表わす項目を含む。アドレス管理副表2412−6乃至2412−7は複数レコードを含み、各レコードはソケット記号、発信着信区分(“From”と“To”の区分)とIPアドレス、ポート番号を表わす項目を含む。“From”は送信元ソケットを、“To”は宛先ソケットを表わす。
【0748】
アドレス管理主表2412−1において、例えば第1行目のレコードは発信内部アドレスが“7821”であれば、着信優先度記号は“pr−7821”というように定めてある。つまり、着信優先度“pr−7821”は、網ノード装置2401内部の論理端子2413に付与した内部アドレス“7821”に1:1に対応して定めている。アドレス管理副表2412−2において、例えば第1行目のレコードは着信優先度記号“pr−7821”に対応して、プロトコル優先度は“p−1”,TCPソケット優先度は“t−1”、UDPソケット優先度は“NULL”であることを定めている。ここで、“NULL”は無指定を表わし、優先度は最下位を意味する。アドレス管理副表2412−3において、例えば第1行目のレコードは、前記プロトコル優先度“p−1”は、優先度が高い順から低い順にプロトコル“TCP”、“UDP”,“ICMP”、“IGMP”と定めている。この例において、内部アドレス“7831”が付与されている論理端子2413に接続する通信回線へ送出されるIPパケット内部の上位プロトコルの優先度は、前記の指定により“TCP”、“UDP”,“ICMP”、“IGMP”であることを意味する。
【0749】
アドレス管理副表2412−4において、例えば第1行目のレコードは、TCPソケット優先度“t−1”は、優先度の高い順から低い順にソケット記号“sk−1”、“sk−7”と定めている。アドレス管理副表2412−5において、例えば第1行目のレコードは、UDPソケット優先度“u−1”は、優先度の高い順から低い順にソケット記号“sk−3”、“sk−8”と定めている。アドレス管理副表2412−6において、例えば第1行目のレコードは、ソケット記号“sk−1”は宛先ソケット番号である(“To”)であり、宛先IPアドレスが“2100”、宛先ポート番号が“30”であることを表わしており、アドレス管理副表2412−7も同様の記法である。
【0750】
<<内部パケットの転送>>
外部IPアドレス“2500”の端末2428から送出されたIPパケットが、網ノード装置2402で、他の実施例で説明していると同様にして簡易カプセル化されて、内部パケットIF01となり、IP転送網2400内部の通信回線を転送されている。内部パケットIF01の着信内部アドレスは“7821”であり、IP転送網2400内部の通信回線を転送されて前記内部アドレス“7821”を含む網ノード装置2401に到達する(図346のステップS1000)。内部パケットIF01が受信した内部アドレス“7821”と、受信した内部パケットIF01内部の宛先IPアドレス“2500”と送信元IPアドレス“2100”とを含むレコードは、アドレス管理主表2412−1の第1行目のレコードであり、当該レコードの着信優先度“pr−7821”が選択される。内部パケットIF01は、その簡易ヘッダが除かれて外部IPパケットが復元される(簡易逆カプセル化、ステップS1010)。ここで、前記復元された外部IPパケットの宛先IPアドレスは“2100”、宛先ポート番号“30”となっている例である。
【0751】
次に、着信優先度“pr−7821”の指定に従って、プロトコル優先度“p−1”を得る。また、前記外部IPパケットのヘッダ内の“プロトコル”がTCPであるので、TCPソケット優先度は“t−1”となる。なお、前記外部IPパケットのヘッダ内の“プロトコル”がUDPであるケースでは、UDPソケット優先度は“NULL”、つまり無指定(優先度最下位)となる。前記プロトコル優先度“p−1”の指定により、アドレス管理副表2412−3の第1行目(第1番目の項目が“p−1”)が選択され、プロトコル優先度は、“TCP,UDP,ICMP,IGMP”が採用される。前記TCPソケット優先度“t−1”の指定により、アドレス管理副表2412―4の第1行目(第1番目の項目が“t−1”)が選択され、ソケット記号は、“sk−1”又は“sk−7”が採用される。ここで、アドレス管理副表2412―6及び2412−7が検索され、アドレス管理副表2412―6内部の前記復元したIPパケット内の宛先アドレス“2100”とポート番号“30”とを含むソケット記号“sk−1”が選択される。前記内部パケットIF01が簡易逆カプセル化された外部IPパケットEF01は通信回線2421を経由して、宛先IPアドレス“2100”を有する端末に配送される。以下、IP転送網内部パケットIF02から、IF03,IF04,IF05,IF06,IF07,IF08,IF09,IF10,IP11とも図343に記載している通りに同様であり、以下簡単に述べる。
【0752】
LAN2409−3内部の外部IPアドレス“2600”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2403で簡易カプセル化されて、内部パケットIF02となる。内部パケットIF02の着信内部アドレスは“7821”であり、内部パケットIF02はその通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF02の“プロトコルタイプ”はTCPであり、“宛先ポート番号”が“30”の例である。外部IPパケットEF02は、通信回線2421を経由して、宛先IPアドレス“2110”を有する端末に配送される。
【0753】
LAN2409―4内部の外部IPアドレス“1230”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2404で簡易カプセル化されて内部パケットIF03となる。内部パケットIF03の着信内部アドレスは“7822”であり、内部パケットIF03は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF03の“プロトコルタイプ”はTCPであり、“送信元ポート番号”が“30”の例である。外部IPパケットEF03は、通信回線2422を経由して宛先IPアドレス“1200”を有する端末に配送される。
【0754】
LAN2409−4内部の外部IPアドレス“1240”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2404で簡易カプセル化されて内部パケットIF04となる。内部パケットIF04の着信内部アドレスは“7822”であり、内部パケットIF04は、通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF04の“プロトコルタイプ”はTCPであり、“送信元ポート番号”が“32”の例である。外部IPパケットEF04は、通信回線2422を経由して宛先IPアドレス“1210”を有する端末に配送される。
【0755】
外部IPアドレス“1250”の端末2429から送出されたIPパケットが、網ノード装置2405で簡易カプセル化されて内部パケットIF05となる。内部パケットIF05の着信内部アドレスは“7822”であり、内部パケットIF05は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF05の“プロトコルタイプ”はTCPであり、“送信元ポート番号”が“32”の例である。外部IPパケットEF05は、通信回線2422を経由して宛先IPアドレス“1220”を有する端末に配送される。
【0756】
LAN2409−3内部の外部IPアドレス“2610”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2403で簡易カプセル化されて内部パケットIF06となる。内部パケットIF06の着信内部アドレスは“7823”であり、内部パケットIF06は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF06の“プロトコルタイプ”はUDPであり、“宛先ポート番号”が“40”の例である。外部IPパケットEF06は、通信回線2423を経由して宛先IPアドレス“2200”を有する端末に配送される。
【0757】
LAN2409−8内部の外部IPアドレス“2700”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2406で簡易カプセル化されて内部パケットIF07となる。内部パケットIF07の着信内部アドレスは“7823”であり、内部パケットIF07は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF07の“プロトコルタイプ”はUDPであり、“宛先ポート番号”が“40”の例である。外部IPパケットEF07は、通信回線2423を経由して宛先IPアドレス“2210”を有する端末に配送される。
【0758】
LAN2409−8内部の外部IPアドレス“2710”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2406で簡易カプセル化されて内部パケットIF08となる。内部パケットIF08の着信内部アドレスは“7824”であり、内部パケットIF08は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF08の“プロトコルタイプ”はUDPであり、“送信元ポート番号”が“40”の例である。外部IPパケットEF08は、通信回線2424を経由して宛先IPアドレス“2300”を有する端末に配送される。
【0759】
LAN2409−9内部の外部IPアドレス“2800”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2407で簡易カプセル化されて内部パケットIF09となる。内部パケットIF09の着信内部アドレスは“7824”であり、内部パケットIF09は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF09の“プロトコルタイプ”はUDPであり、“送信元ポート番号”が“42”の例である。外部IPパケットEF09は、通信回線2424を経由して宛先IPアドレス“2310”を有する端末に配送される。
【0760】
LAN2409−9内部の外部IPアドレス“2720”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2407で簡易カプセル化されて内部パケットIF10となる。内部パケットIF10の着信内部アドレスは“7825”であり、内部パケットIF10は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF10の“プロトコルタイプ”はTCPであり、“宛先ポート番号”が“60”の例である。外部IPパケットEF10は、通信回線2425を経由して宛先IPアドレス“2400”を有する端末に配送される。
【0761】
LAN2409−9内部の外部IPアドレス“2810”の端末から送出されたIPパケットが、網ノード装置2407で簡易カプセル化されて内部パケットIF11となる。内部パケットIF11の着信内部アドレスは“7825”であり、内部パケットIF11は通信回線を転送されて網ノード装置2401に到達する。復元して得られた外部IPパケットEF11の“プロトコルタイプ”はUDPであり、“送信元ポート番号”が“70”の例である。外部IPパケットEF11は、通信回線2425を経由して宛先IPアドレス“2410”を有する端末に配送される。
【0762】
<<優先度の決定の例1>>
図346のフローチャートを参照して、本発明による優先度の決め方を説明する。網ノード装置2401は、IP転送網の通信回線からIP転送網内部パケットIF01及びIF02をほぼ同時刻に受信し(ステップS1000)、それぞれの内部パケットを簡易逆カプセル化して、外部IPパケットEF01,EF02を得る(ステップS1010)。アドレス管理表2412により、これら外部IPパケットを送信する論理端子2413の着信IP転送網内部アドレスは共に“7821”であり、一致することが分かる(ステップS1020)。IP転送網内部パケットIF01及びIF02とも、その着信優先度記号は“pr−7821”であり、次にアドレス管理副表2412−2により、“pr−7821”に対応するプロトコル優先度は“p−1”、TCPソケット優先度は“t−1”、UDPソケット優先度は“NULL”がそれぞれ指定されている。
【0763】
更に、アドレス管理副表2412−3を調べると、プロトコル優先度“p−1”の内訳からTCP,UDP,ICMP,IGMPの順に優先度が高く、最も優先度が高いTCPについて、TCPソケット優先度“t−1”の内訳からソケット記号“sk−1”、“sk−7”の順に優先度が高く、更にソケット記号“sk−1”の内訳から宛先ソケット番号を構成するIPアドレスが“2100”、宛先ポート番号が“30”であることが分かる。IP転送網内部パケットIF01の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、宛先IPアドレスが“2100”、宛先ポート番号が“30”である。一方、IP転送網内部パケットIF02の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、宛先IPアドレスが“2110”、宛先ポート番号が“30”である。本実施例において、プロトコルタイプと宛先ソケット番号が、ソケット記号“sk−1”の指定と一致するのは、IP転送網内部パケットIF01(従って、外部パケットEF01)であることが分かる。
【0764】
以上の手続きにより、優先して送出するIP転送網外部パケットはEF01であることが決定する(ステップ:S1030)。次に、この外部パケットEF01を、優先して論理端子2413経由で通信回線2421へ送出する(ステップS1040)。
【0765】
<<優先度の決定の例2>>
網ノード装置2401は、IP転送網の通信回線からIP転送網内部パケットIF03、IF04及びIF05をほぼ同時刻に受信し(ステップS1000)、それぞれの内部パケットを簡易逆カプセル化し、外部IPパケットEF03,EF04,EF05を得る(ステップS1010)。アドレス管理表2412により、これら外部IPパケットを送信する論理端子2414の着信IP転送網内部アドレスは共に“7822”であり、一致することが分かる(ステップ:S1020)。IP転送網内部パケットIF03,IF04及びIF05とも、その着信優先度記号は“pr−7822”であり、プロトコル優先度は“p−1”、TCPソケット優先度は“t−2”、UDPソケット優先度は“NULL”がそれぞれ指定されている。プロトコル優先度“p−1”の内訳からTCPの優先度が高く、TCPソケット優先度“t−2”の内訳からソケット記号“sk−2”の優先度が高く、更にソケット記号“sk−2”の内訳から送信元ソケット番号を構成するIPアドレスが“1240”、送信元ポート番号が“32”であることが分かる。IP転送網内部パケットIF03の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、送信元IPアドレスが“1230”、送信元ポート番号が“30”である。IP転送網内部パケットIF04の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、送信元IPアドレスが“1240”、送信元ポート番号が“32”である。更に、IP転送網内部パケットIF05の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、送信元IPアドレスが“1250”、送信元ポート番号が“32”である。本実施例において、プロトコルタイプと送信元ソケット番号が、ソケット記号“sk−2”の指定と一致するのは、IP転送網内部パケットIF04(従って、外部パケットEF04)であることが分かる。
【0766】
以上の手続きにより、優先して送出するIP転送網外部パケットはEF04であることが決定する(ステップS1030)。次に、この外部パケットEF04を、優先して論理端子2414経由で通信回線2422へ送出する(ステップS1040)。次に、残された外部パケットEF03と外部パケットEF05とが、特に優先度の差異なく、通信回線2422へ送出される。
【0767】
<<優先度の決定の例3>>
網ノード装置2401は、IP転送網の通信回線からIP転送網内部パケットIF06とIF07をほぼ同時刻に受信し(ステップS1000)、それぞれの内部パケットを簡易逆カプセル化して外部IPパケットEF06,EF07を得る(ステップS1010)。アドレス管理表2412により、これら外部IPパケットを送信する論理端子2415の着信IP転送網内部アドレスは共に“7823”であり、一致することが分かる(ステップS1020)。IP転送網内部パケットIF06及びIF07とも、その着信優先度記号は“pr−7823”であり、プロトコル優先度は“p−2”、TCPソケット優先度は“NULL”、UDPソケット優先度は“u−1”がそれぞれ指定されている。プロトコル優先度“p−2”の内訳からUDP,TCP,ICMP,IGMPの順に優先度が高く、最も優先度が高いUDPについて、UDPソケット優先度“t−1”の内訳からソケット記号“sk−3”、“sk−8”の順に優先度が高く、更にソケット記号“sk−3”の内訳から宛先ソケット番号を構成するIPアドレスが“2200”、ポート番号が“40”であることが分かる。IP転送網内部パケットIF06の内部に表示されているプロトコルタイプは“UDP”、宛先IPアドレスが“2200”、宛先ポート番号が“40”である。一方、IP転送網内部パケットIF07の内部に表示されているプロトコルタイプは“UDP”、宛先IPアドレスが“2110”、宛先ポート番号が“40”である。本実施例において、プロトコルタイプと宛先ソケット番号が、ソケット記号“sk−3”の指定と一致するのは、IP転送網内部パケットIF06(従って、外部パケットEF06)であることが分かる。
【0768】
以上の手続きにより、優先して送出するIP転送網外部パケットはEF06であることが決定する(ステップ:S1030)。次に、この外部パケットEF06を、優先して論理端子2415経由で通信回線2423へ送出する(ステップ:S1040)。
【0769】
<<優先度の決定の例4>>
網ノード装置2401は、IP転送網の通信回線からIP転送網内部パケットIF08及びIF09をほぼ同時刻に受信し(ステップS1000)、それぞれの内部パケットを簡易逆カプセル化して、外部IPパケットEF08,EF09を得る(ステップS1010)。アドレス管理表2412により、これら外部IPパケットを送信する論理端子2416の着信IP転送網内部アドレスは共に“7824”であり、一致することが分かる(ステップS1020)。IP転送網内部パケットIF08及びIF09とも、その着信優先度記号は“pr−7824”であり、プロトコル優先度は“p−2”、TCPソケット優先度は“NULL”、UDPソケット優先度は“u−2”が指定されている。プロトコル優先度“p−2”の内訳からソケット記号“sk−4”の優先度が高く、更にソケット記号“sk−4”の内訳から送信元ソケット番号を構成するIPアドレスが“2710”、ポート番号が“40”であることが分かる。IP転送網内部パケットIF08の内部に表示されているプロトコルタイプは“UDP”、送信元IPアドレスが“2710”、送信元ポート番号が“40”である。一方、IP転送網内部パケットIF09の内部に表示されているプロトコルタイプは“UDP”、送信元IPアドレスが“2800”、送信元ポート番号が“42”である。本実施例において、プロトコルタイプと送信元ソケット番号が、前記のソケット記号“sk−4”の指定と一致するのは、IP転送網内部パケットIF08(従って、外部パケットEF08)であることが分かる。
【0770】
以上の手続きにより、優先して送出するIP転送網外部パケットはEF08であることが決定する(ステップS1030)。次に、この外部パケットEF08を、優先して論理端子2416経由で通信回線2424へ送出する(ステップS1040)。
【0771】
<<優先度の決定の例5>>
網ノード装置2401は、IP転送網内部パケットIF10及びIP11をほぼ同時刻に受信し(ステップS1000)、それぞれのネットワークパケットを簡易逆カプセル化して外部IPパケットEF10,EF11を得る(ステップS1010)。アドレス管理表2412により、これら外部IPパケットを送信する論理端子2417の着信IP転送網内部アドレスは共に“7825”であり、一致することが分かる(ステップS1020)。IP転送網内部パケットIF10及びIP11とも、その着信優先度記号は“pr−7825”であり、プロトコル優先度は“p−1”、TCPソケット優先度は“t−3”、UDPソケット優先度は“u−3”が指定されている。プロトコル優先度“p−1”の内訳からTCPの優先度はUDPより高い。しかるに、IP転送網内部パケットIF10の内部に表示されているプロトコルタイプは“TCP”、IP転送網内部パケットIP11の内部に表示されているプロトコルタイプは“UDP”である。
【0772】
以上の手続きにより、優先して送出するIP転送網外部パケットはEF10であることが決定する(ステップS1030)。次に、この外部パケットEF10を、優先して論理端子2417経由で通信回線2425へ送出する(ステップS1040)。
【0773】
<<まとめ>>
以上説明したように、本実施例において、着信優先度記号により参照されるアドレス管理副表を用いて着信優先度を制御することが特徴である。IPパケット内部の上位プロトコルを参照し、上位プロトコルの種類に応じてIP転送網内部から網ノード装置に着信した内部パケットの次段階の優先度を選択するようになっている。また、上位プロトコルがTCPの場合に、上位ポート番号毎に優先度を選択できるようになっており、上位プロトコルがUDPの場合に、上位ポート番号毎に優先度を選択できるようになっている。更に、アドレス管理表2401は、本発明の課題を解決するための手段において、図339及び図342を用いて説明しているアドレスマスクを含む形式に置き換えて実施できる。また、図339及び図341を用いて説明している送信元外部アドレスを省略した形式も実施できる。
【0774】
22. 発信優先度制御を行う第22実施例:
IP転送網の外部から到着した外部IPパケットを網ノード装置で簡易カプセル化した後、IP転送網網内部の通信回線に送出する優先順位を決める実施例を説明する。
【0775】
<<構成>>
図347に示すように、IP転送網2450は網ノード装置2451,2452−1乃至2452−11を含み、網ノード装置2451はアドレス管理表2454を含む。2456−1乃至2456−5はLANであり、それぞれ通信回線を経てIP転送網2450内部の網ノード装置のいずれかに接続されている。それぞれのLANはIP端末を複数含む。2457−1乃至2457−11は、いずれもIPパケット送受機能を有するIP端末である。
【0776】
<<アドレス管理表>>
図348に示すアドレス管理表2454は、アドレス管理主表2454−1とアドレス管理副表2454−2乃至2454−7とで成る。アドレス管理主表2454−1は、他の実施例において説明しているアドレス管理表の登録項目と共に、少なくとも発信優先度記号を登録する項目を含む。本実施例において、アドレス管理主表2454−1は、更に閉域網識別子を登録する項目を含む。
【0777】
アドレス管理副表2454−2は複数レコードを含み、各レコードは発信優先度記号、プロトコル優先度、TCPソケット優先度、UDPソケット優先度を表わす項目を含む。アドレス管理副表2454−3は複数レコードを含み、各レコードはプロトコル優先度、プロトコル種別を表わす項目を含む。アドレス管理副表2454−4は複数レコードを含み、各レコードはTCPソケット優先度、ソケット記号を表わす項目を含む。アドレス管理副表2454−5は複数レコードを含み、各レコードはUDPソケット優先度、ソケット記号を表わす項目を含む。アドレス管理副表2454−6乃至2454−7は複数レコードを含み、各レコードはソケット記号、発信着信区分(“From”と“To”の区分)とIPアドレス、ポート番号を表わす項目を含む。“From”は送信ソケットを、“To”は宛先ソケットをそれぞれ表わす。
【0778】
アドレス管理主表2454−1において、例えば第1行目のレコードは発信優先度記号を含む。発信優先度記号はIP転送網2450内部の通信回線に対応づけて定めている例である。発信優先度“ps−7200”は、網ノード装置2452−1、2452−2のいずれかに向かうIP転送網2450の内部通信回線に付与されており、発信優先度“ps−7300”は、網ノード装置2452−3、2452−4のいずれかに向かう内部通信回線に付与されており、発信優先度“ps−7400”は、網ノード装置2452−5、2452−6のいずれかに向かう内部通信回線に付与されており、発信優先度“ps−7500”は、網ノード装置2452−7、2452−8のいずれかに向かう内部通信回線に付与されており、発信優先度“ps−7600”は、網ノード装置2452−9、2452−10、2452−11のいずれかに向かう内部通信回線に付与されている。
【0779】
アドレス管理副表2454−2において、例えば第1行目のレコードは、前記発信優先度記号“ps−7200”に対応して、プロトコル優先度は“p−21”,TCPソケット優先度は“t−21”、UDPソケット優先度は“NULL”であることを定めている。ここで、“NULL”は無指定を表わし、優先度は最下位を意味する。アドレス管理副表2454−3において、例えば第1行目のレコードは、前記プロトコル優先度“p−21”の意味は優先度が高い順から低い順に、プロトコル“TCP”、“UDP”,“ICMP”、“IGMP”と定めている。アドレス管理副表2454−4において、例えば第1行目のレコードは、TCPソケット優先度“t−21”の意味は優先度の高い順から低い順に、ソケット記号“sk−21”、“sk−27”と定めている。
【0780】
アドレス管理副表2454−5において、例えば第1行目のレコードは、UDPソケット優先度“u−21”の意味は優先度の高い順から低い順に、ソケット記号“sk−23”、“sk−28”と定めている。アドレス管理副表2454−6において、例えば第1行目のレコードは、ソケット記号“sk−21”の意味は送信元ソケットであり(“From”)、送信元IPアドレスが“2100”、送信元ポート番号が“30”であることを表わしており、アドレス管理副表2454−7も同様の記法である。
【0781】
<<優先度決定の例1>>
網ノード装置2451は、内部アドレス“7821”が付与されている論理端子2460から外部IPパケットF01を受信し、内部アドレス“7822”が付与されている論理端子2461から外部IPパケットF02を受信し、前記2つのIPパケットはほぼ同時刻に受信する。ここで、外部IPパケットF01のペイロードはTCPであり、外部IPパケットF02のペイロードはUDPの例である。網ノード装置2451は、前記取得した内部アドレス“7821”と外部IPパケットF01との組、及び内部アドレス“7822”と外部IPパケットF02との組を保持しておく(図249のステップS2000)。発信優先度制御の手続きを、次のように行う。
【0782】
<<IPパケットの発信優先度の算出1>>
前記取得した内部アドレス“7821”と、外部IPパケットF01内部の宛先外部アドレス“2500”と、送信元外部アドレス“2100”とを含むレコードはアドレス管理主表2454−1(図348)の第1行目のレコードであり、その発信優先度記号は当該レコードに“psー7200”と指定されており、アドレス管理副表2454−2より、発信優先度記号“psー7200”に対応するプロトコル優先度は“p−21”、TCPソケット優先度“t−21”、UDPソケット優先度は“NULL”がそれぞれ指定されている。更に、アドレス管理副表2454−3内部を調べると、プロトコル優先度“p−21”の内訳から、TCP,UDP,ICMP,IGMPの順に優先度が高い。また、外部IPパケットF02の発信優先度記号も、アドレス管理主表2454−1の指定より、前記同様に“ps−7200”である。外部IPパケットF01内部“上位プロトコル”はTCPであり、外部IPパケットF02の“上位プロトコル”はUDPであるので、前記プロトコル優先度“p−21”の指定によりTCP優先度が高い外部IPパケットF01を選択し、次に外部IPパケットF02を選択する。以上により、優先して簡易カプセル化し、送出する外部IPパケットはF01であることが決定する(ステップS2010)。
【0783】
終わりに簡易カプセル化を行い(ステップS2020)、外部IPパケットF01を簡易カプセル化して得られた内部パケットIF01を優先してIP転送網2450内に送信し(ステップS2030)、次に外部IPパケットF02を簡易カプセル化して得られた内部パケットIF02を送信する。
【0784】
<<優先度決定の例2>>
網ノード装置2451は、 内部アドレス“7821”が付与されている論理端子2460から外部IPパケットF03を受信し、内部アドレス“7822”が付与されている論理端子2461から外部IPパケットF04を受信し、前記2つのIPパケットは、ほぼ同時刻に受信する。ここで、外部IPパケットF03のペイロードはTCPで, ポート番号は30であり、外部IPパケットF04のペイロードはTCPで, ポート番号は32の例である。網ノード装置2451は、前記取得した、内部アドレス“7821”と外部IPパケットF03との組、及び、内部アドレス“7822”と外部IPパケットF04との組を保持しておく(図349のステップ:S2000)。次に発信優先度制御の手続きを、次のように行う。
【0785】
<<IPパケットの発信優先度の算出2>>
前記取得した内部アドレス“7821”と、外部IPパケットF03内部の宛先外部アドレス“2610”と送信元外部アドレス“2110”を含むレコードは、アドレス管理主表2454−1の第2行目のレコードであり、その発信優先度記号は、当該レコードに “psー7300”と指定されており、次にアドレス管理副表2454−2より、前記発信優先度記号“psー7300”に対応するプロトコル優先度は“p−21”、TCPソケット優先度“t−22”、UDPソケット優先度は“NULL”が指定されている。更に、アドレス管理副表2454−3内部を調べると、プロトコル優先度“p−21”の内訳から、TCP,UDP,ICMP,IGMPの順に優先度が高い。外部IPパケットF03内部の“上位プロトコル”及び外部IPパケットF04内部の“上位プロトコル”は、共にTCPであり、 外部IPパケットF03の送信元IPアドレスは“2110”、送信元ポート番号は“30”である。一方、アドレス管理副表2454−6の第1行目にソケット記号“sk−1は、送信元IPアドレスは“2110”、送信元ポート番号は“30”である。この結果から、外部IPパケットF03は、ソケット記号“sk−1”に対応するので優先度が与えられる。
【0786】
外部IPパケットF04の送信元IPアドレスは“1210”、宛先IPアドレスは“1230”、宛先ポート番号は“30”である。アドレス管理副表2454−6のレコードに、送信元IPアドレス“1210”、送信元ポート番号は“30” であるソケット記号は存在せず、更に、宛先IPアドレス“1230”、送信元ポート番号は“30”、であるソケット記号も存在しないので、つまり、外部IPパケットF04に対応するソケット記号は存在しないので、外部IPパケットF04に優先度は与えられない。このようにして、優先度が高い外部IPパケットF03を選択し、次に外部IPパケットF04を選択する。以上により、優先して簡易カプセル化して送出する外部IPパケットは、F03であることが決定する(ステップ:S2010)。
【0787】
次に簡易カプセル化を行い(S2020)、外部IPパケットF03を簡易カプセル化して得られた内部パケットIF03を優先してIP転送網2450内に送信し(ステップ:S2030)、次に、外部IPパケットF04を簡易カプセル化して得られた内部パケットIF04を送信する。
【0788】
<<優先度決定の例3>>
網ノード装置2451は、 内部アドレス“7823”が付与されている論理端子2462から外部IPパケットF09を受信し、内部アドレス“7824”が付与されている論理端子2463から外部IPパケットF10を受信し、内部アドレス“7825”が付与されている論理端子2464から外部IPパケットF11を受信し、前記3つのIPパケットは、ほぼ同時刻に受信する。ここで、外部IPパケットF09のペイロードはUDPで,ポート番号は40であり、外部IPパケットF10のペイロードはUDPで,ポート番号は42の例であり、外部IPパケットF11のペイロードはUDPで,ポート番号は70の例である。網ノード装置2451は、前記取得した、内部アドレス“7823”と外部IPパケットF09との組、内部アドレス“7824”と外部IPパケットF10との組、及び、内部アドレス“7825”と外部IPパケットF11との組、を保持しておく(ステップ:S2000)。次に発信優先度制御の手続きを、次のように行う。
【0789】
<<IPパケットの発信優先度の算出3>>
前記取得した内部アドレス“7823”と、外部IPパケットF09内部の宛先外部アドレス“2720”と送信元外部アドレス“2210”を含むレコードは、アドレス管理主表2454−1の第7行目のレコードであり、その発信優先度記号は、当該レコードに “psー7600”と指定されており、次にアドレス管理副表2454−2より、前記発信優先度記号“psー7600”に対応するプロトコル優先度は“p−21”、TCPソケット優先度“t−23”、UDPソケット優先度は“u−23”が指定されている。更に、アドレス管理副表2454−3内部を調べると、プロトコル優先度“p−21”の内訳から、TCP,UDP,ICMP,IGMPの順に優先度が高い。外部IPパケットF09内部、外部IPパケットF10内部、外部IPパケットF11内部、それぞれの“上位プロトコル”は、共にUDPであり、UDPソケット優先度は、“u−23”であり、更に、アドレス管理副表2454−5の指定によりソケット記号“sk−28”,“sk−24”が選択され、宛先IPアドレス“2210”、宛先ポート番号“40”である外部IPパケットF09は、アドレス管理副表2454−6を用いて、ソケット記号“sk−24”に対応し、宛先IPアドレス“2410”、宛先ポート番号“70”である外部IPパケットF11は、アドレス管理副表2454−7を用いて、ソケット優先度“sk−28”に対応する。アドレス管理副表2454−5のUDPソケット記号“u−23”の指定より、ソケット記号“sk−28”の優先度が最も高く、ソケット記号“sk−24”は次の優先順位である。外部IPパケットF11は、ソケット記号“sk−28”に対応し、外部IPパケットF09は、ソケット記号“sk−24”に対応する。外部IPパケットF10は、対応するソケット記号が存在しないので、最下位の優先度となる。
【0790】
このようにして、優先度が高い外部IPパケットF11を選択し、次に外部IPパケットF09を選択し、最後に、外部IPパケットF10を選択する。以上により、簡易カプセル化する順序が決定する(ステップ:S2010)。以下、前記同様にして、外部IPパケット09、外部IPパケット10の順に簡易カプセル化を行い(S2020)、IP転送網2450内に、前記IPパケットを順次送信する(ステップ:S2030)。
【0791】
<<閉域網識別子>>
なお、アドレス管理主表2454−1に含まれる閉域網識別子は、送信端末と受信端末間が属する閉域網を区別するために用いられている。例えば、アドレス管理主表2454−1のレコード第1行目から第6行目のレコード内部の閉域網識別子の値は全て“2”であり、これらレコード内部に含まれる全ての送信元外部外部IPアドレス“2100”、“2110”、・・、及び、前記これらレコード内部に含まれる全ての宛先外部外部IPアドレス“2500”、“2610”、・・、は、全て閉域網識別子“2”により同一の閉域網に属するものとして扱われる。同じ閉域網に属する端末間でのみ、IPパケット送受信を行う。
【0792】
<<まとめ>>
以上説明したように、本実施例においては、前記発信優先度記号により参照されるアドレス管理副表を用いて発信優先度を制御することが特徴である。IPパケット内部の上位プロトコルを参照し、上位プロトコルの種類に応じてIP転送網外部から網ノード装置に着信した外部パケットの次段階の優先度を選択するようになっている。また、上位プロトコルがTCPの場合に、上位ポート番号毎に優先度を選択できるようになっており、上位プロトコルがUDPの場合に、上位ポート番号毎に優先度を選択できるようになっている。更にアドレス管理表2454は、本発明の課題を解決するための手段において、図339乃至図342を用いて説明しているアドレスマスクを含む形式に置き換えて実施でき、図339乃至図342を用いて説明している送信元外部アドレスを省略した形式も実施できる。
【0793】
【発明の効果】
IP転送網を用いた端末間通信接続制御方法と装置マルチメディア端末、つまりIP通信機能を有するパソコンなどのIP端末やIP電話機、IP音声画像装置を統合IP転送網の網ノード装置やゲートウェイ、メディアルータのいずれか1以上に接続することにより、IP転送網を用いた端末間通信のための端末通信接続制御が出来る。ここで、メディアルータは統合IP転送網の外部に設置し、統合IP転送網を経由してマルチメディア端末識別用の電話番号などからなるホスト名を用いて、マルチメディア端末間で情報交換などの相互通信を行えるようにする。
【0794】
LAN内部のメディアルータに公衆電話交換網用の電話番号を有する電話機を接続しておき、公衆電話交換網に接続する電話機から、統合IP転送網を経由してLAN内部の電話機へ接続し、端末間通信が可能である。また、単一のマルチメディア端末が送信元となり、電子書籍などの電子データや音声画像データを、複数の受信側となるマルチメディア端末に送信する形態のIPデータマルチキャスト網やIPベースTV放送網のために用いることができる。
【0795】
2電話機間の電話通信は、IP転送網のみを経由した端末間通信接続方法、複数LANとIP転送網を接続した通信網を経由した端末間通信接続方法、IP転送網と公衆電話交換網(PSTN)とを接続した通信網を経由した端末間通信接続方法を行える。送信者と受信者を特定して課金を可能とし、マルチキャストデータの無許可送信を規制できるマルチキャスト通信の端末間通信接続方法を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】共通線信号方式を適用したIP転送網の端末間通信接続制御方法を説明する図である。
【図2】本発明による端末を登録する管理型IP網の構成を説明する模式図である。
【図3】本発明の対象とするIP転送網の形態を示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施例として開示されるメディアルータの機能や、第2実施例として開示されるゲートウェイの機能を説明する補助図である。
【図5】本発明の第1実施例、第2実施例のメディアルータやゲートウェイ機能の説明に用いるIPパケットの1つの形態の説明図である。
【図6】本発明の第1実施例のメディアルータの構成を模式的に表し、このメディアルータの動作の手順を説明する補助図である。
【図7】本発明の第1実施例のメディアルータの構成を模式的に表わし、このメディアルータの動作の手順を説明する補助図である。
【図8】本発明の第1実施例の網ノード装置内部のアドレス管理テーブルを説明する図である。
【図9】本発明の第1実施例において、2つのIP端末間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図10】本発明の第1実施例において、2つのIP端末間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図11】本発明の第1実施例において、2つのIP端末間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図12】本発明の第1実施例において、2つのIP端末間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図13】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図14】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図15】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図16】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図17】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図18】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図19】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図20】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図21】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図22】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図23】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図24】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図25】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図26】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図27】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図28】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図29】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの形態を説明する図である。
【図30】本発明の第1実施例において、メディアルータ内部のメディアルータ状態表の例を示す図である。
【図31】本発明の第1実施例において、独立型IP電話機の概念構成を示すブロック図である。
【図32】本発明の第1実施例において、独立型IP音声画像装置の概念構成を示すブロック図である。
【図33】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図34】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図35】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図36】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図37】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図38】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図39】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図40】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図41】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図42】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図43】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図44】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図45】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図46】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図47】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図48】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図49】本発明の第1実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図50】本発明の第1実施例におけるメディアルータのRAS管理を説明するための模式図である。
【図51】本発明の第2実施例のゲートウェイの構成を模式的に表わすと共に、このゲートウェイの動作の手順を説明する補助図である。
【図52】本発明の第2実施例のゲートウェイの構成を模式的に表わすと共に、このゲートウェイの動作の手順を説明する補助図である。
【図53】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図54】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図55】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図56】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図57】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図58】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図59】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図60】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図61】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図62】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図63】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図64】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図65】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図66】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図67】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図68】本発明の第2実施例において、2つのIP電話機間通信に現れるIPパケットの他の実施形態を説明する図である。
【図69】本発明の第2実施例の網ノード装置内部の他のアドレス管理テーブルを説明する図である。
【図70】本発明の第2実施例におけるゲートウェイ状態表の記載例である。
【図71】本発明の第3実施例におけるCATVシステム内部に実装するメディアルータの構成の模式図である。
【図72】本発明の第4実施例における端末収容無線装置とゲートウェイ装置を用いた各種の端末を接続する方法を説明する図である。
【図73】本発明の第5実施例におけるゲートウェイの構造例を示すブロック図である。
【図74】本発明の第6実施例において、電話通信制御サーバを用いる場合の構成例を示すブロック図である。
【図75】本発明の第6実施例を説明するための流れ図である。
【図76】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図77】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図78】本発明の第6実施例を説明するための流れ図である。
【図79】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図80】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図81】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図82】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図83】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図84】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図85】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図86】本発明の第6実施例を説明するための流れ図である。
【図87】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図88】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図89】本発明の第6実施例を説明するための図である。
【図90】本発明の第6実施例(解放フェーズ)を説明するための流れ図である。
【図91】本発明の第6実施例(通信会社が1社)を説明するための図である。
【図92】本発明の第6実施例を説明するための流れ図である。
【図93】本発明の第6実施例を説明するための流れ図である。
【図94】本発明の第6実施例において、電話番号の通信会社区分表の例を示す図である。
【図95】本発明の第6実施例において、電話番号の電話管理サーバ区分表の例を示す図である。
【図96】本発明の第7実施例であるメディアルータの構造例を示すブロック図である。
【図97】本発明の第7実施例を説明するための図である。
【図98】本発明の第8実施例の構成を示すブロック図である。
【図99】本発明の第8実施例の動作例を示す流れ図である。
【図100】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図101】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図102】本発明の第8実施例の動作例を示す流れ図である。
【図103】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図104】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図105】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図106】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図107】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図108】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図109】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図110】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図111】本発明の第8実施例(メディアルータの他の例)を説明するための図である。
【図112】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図113】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図114】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図115】本発明の第8実施例において、メディアルータ内部の一部とこれに接続されるIP端末やLANの接続状態を示す模式図である。
【図116】本発明の第8実施例において、メディアルータの発信優先度制御管理表の例を示す図である。
【図117】本発明の第8実施例において、メディアルータの発信優先度制御管理表の例を示す図である。
【図118】本発明の第8実施例を説明するための図である。
【図119】本発明の第9実施例の構成を示すブロック図である。
【図120】本発明の第9実施例の動作例を示す流れ図である。
【図121】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図122】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図123】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図124】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図125】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図126】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図127】本発明の第9実施例を説明するための図である。
【図128】本発明の第10実施例の構成を示すブロック図である。
【図129】本発明の第10実施例の動作例を示す流れ図である。
【図130】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図131】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図132】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図133】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図134】本発明の第10実施例の動作例を示す流れ図である。
【図135】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図136】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図137】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図138】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図139】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図140】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図141】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図142】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図143】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図144】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図145】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図146】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図147】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図148】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図149】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図150】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図151】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図152】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図153】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図154】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図155】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図156】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図157】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図158】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図159】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図160】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図161】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図162】本発明の第10実施例の動作例を示す流れ図である。
【図163】本発明の第10実施例の動作例を示す流れ図である。
【図164】本発明の第10実施例の動作例(TCP-IAM)を示す流れ図である。
【図165】本発明の第10実施例の動作例(TCP-ACM)を示す流れ図である。
【図166】本発明の第10実施例の動作例(TCP-CPG)を示す流れ図である。
【図167】本発明の第10実施例の動作例(TCP-ANM)を示す流れ図である。
【図168】本発明の第10実施例の動作例(TCP-REL)を示す流れ図である。
【図169】本発明の第10実施例の動作例(TCP-RLC)を示す流れ図である。
【図170】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図171】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図172】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図173】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図174】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図175】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図176】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図177】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図178】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図179】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図180】本発明の第10実施例を説明するための図である。
【図181】本発明の第11実施例の構成を示すブロック図である。
【図182】本発明の第11実施例の動作を示す流れ図である。
【図183】本発明の第11実施例の動作を示す流れ図である。
【図184】本発明の第11実施例の動作を示す流れ図である。
【図185】本発明の第12実施例の構成を示すブロック図である。
【図186】本発明の第12実施例を説明するための図である。
【図187】本発明の第12実施例を説明するための図である。
【図188】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図189】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図190】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図191】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図192】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図193】本発明の第12実施例を説明するための図である。
【図194】本発明の第12実施例の動作を示す流れ図である。
【図195】本発明の第12実施例を説明するための図である。
【図196】本発明の第12実施例を説明するための図である。
【図197】本発明の第13実施例を示すブロック構成図である。
【図198】本発明の第13実施例の動作例を示す流れ図である。
【図199】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図200】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図201】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図202】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図203】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図204】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図205】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図206】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図207】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図208】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図209】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図210】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図211】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図212】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図213】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図214】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図215】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図216】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図217】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図218】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図219】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図220】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図221】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図222】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図223】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図224】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図225】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図226】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図227】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図228】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図229】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図230】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図231】本発明の第13実施例を説明するための図である。
【図232】本発明の第14実施例を示すブロック構成図である。
【図233】本発明の第14実施例の動作例を示す流れ図である。
【図234】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図235】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図236】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図237】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図238】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図239】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図240】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図241】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図242】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図243】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図244】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図245】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図246】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図247】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図248】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図249】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図250】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図251】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図252】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図253】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図254】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図255】本発明の第14実施例を説明するための図である。
【図256】本発明の第14実施例の動作例を示す流れ図である。
【図257】本発明の第14実施例の動作例を示す流れ図である。
【図258】本発明の第14実施例の動作例を示す流れ図である。
【図259】本発明の第14実施例の動作例を示す流れ図である。
【図260】本発明の第15実施例を示すブロック構成図である。
【図261】本発明の第15実施例の動作例を示す流れ図である。
【図262】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図263】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図264】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図265】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図266】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図267】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図268】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図269】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図270】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図271】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図272】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図273】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図274】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図275】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図276】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図277】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図278】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図279】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図280】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図281】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図282】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図283】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図284】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図285】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図286】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図287】本発明の第15実施例を説明するための図である。
【図288】本発明の第16実施例を示すブロック構成図である。
【図289】本発明の第16実施例の動作例を示す流れ図である。
【図290】本発明の第16実施例を説明するための図である。
【図291】本発明の第16実施例を説明するための図である。
【図292】本発明の第16実施例を説明するための図である。
【図293】本発明の第17実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図294】本発明の第17実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図295】本発明の第17実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図296】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図297】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図298】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図299】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図300】本発明の第17実施例の動作を説明するための流れ図である。
【図301】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図302】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図303】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図304】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図305】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図306】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図307】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図308】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図309】本発明の第17実施例におけるアドレス管理表を説明する図の一部である。
【図310】本発明の第17実施例におけるアドレス管理表を説明する図の一部である。
【図311】本発明の第17実施例におけるアドレス管理表を説明する図の一部である。
【図312】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図313】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図314】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図315】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図316】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図317】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図318】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図319】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図320】本発明の第17実施例を説明するための図である。
【図321】本発明の第18実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図322】本発明の第18実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図323】本発明の第18実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図324】本発明の第18実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図325】本発明の第18実施例の動作を説明するための流れ図である。
【図326】本発明の第18実施例の動作を説明するための流れ図である。
【図327】本発明の第18実施例を説明するための図である。
【図328】本発明の第18実施例を説明するための図である。
【図329】本発明の第18実施例を説明するための図である。
【図330】本発明の第19実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図331】本発明の第19実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図332】本発明の第19実施例の構成を示すブロック図の一部である。
【図333】本発明の第19実施例を説明するための図である。
【図334】本発明の第19実施例を説明するための図である。
【図335】本発明の第20実施例の構成を示すブロック図である。
【図336】本発明の第20実施例の動作を説明するための流れ図である。
【図337】本発明の第20実施例を説明するための図である。
【図338】本発明の第20実施例を説明するための図である。
【図339】問題を解決するための一つの手段である簡易カプセル化を採用したIP転送網を説明する図である。
【図340】簡易カプセル化におけるフレームを説明する図である。
【図341】問題を解決するための一つの手段である簡易カプセル化を採用した他のIP転送網を説明する図である。
【図342】問題を解決するための一つの手段である簡易カプセル化を採用した更に他のIP転送網を説明する図である。
【図343】実施例21を説明するためのIP転送網とこのIP転送網に接続する端末間通信を説明する図である。
【図344】実施例21を説明するためのIP転送網とこのIP転送網に接続する端末間通信を説明する図である。
【図345】実施例21を説明するためのアドレス管理表である。
【図346】実施例21を説明するための簡易逆カプセル化を説明するフローチャートである。
【図347】実施例22を説明するためのIP転送網と、このIP転送網に接続する端末間通信を説明する図である。
【図348】実施例22を説明するためのアドレス管理表である。
【図349】実施例22を説明するための簡易逆カプセル化を説明するフローチャートである。
【図350】統合IP転送網の概略を示すブロック図である。
【図351】交換機と信号網との関係を説明するためのブロック図である。
【図352】 No.7-共通線信号方式の信号ユニットの一例を示す図である。
【図353】交換機と信号網との関係を説明するための流れ図である。
【図354】交換機と信号網との関係を説明するための流れ図である。
【図355】交換機と信号網との関係を説明するための流れ図である。
【図356】交換機と信号網との関係を説明するための流れ図である。
【図357】ゲートウェイの基本的な機能を示すブロック構成図である。
【図358】IPパケット内の呼制御データの例を示す図である。
【図359】IPパケット内の音声データの例を示す図である。
【図360】IPパケット内の映像データの例を示す図である。
【図361】統合情報通信網の基本原理を示すブロック図である。
【図362】統合情報通信網の基本原理を示すブロック図である。
【図363】統合情報通信網の基本原理を示すブロック図である。
【図364】IP通信網のアドレス管理表を説明する更に他の図である。
【図365】統合情報通信網の動作を説明するための図である。
【図366】マルチキャストIP転送網の構成例を示すブロック図である。
【図367】マルチキャストIP転送網で使用するマルチキャスト表の例である。
【符号の説明】
1 IP転送網
1−1,1−2 端末
1−3,1−4 メディアルータ
1−5,1−6 接続サーバ
1−7中継接続サーバ
1−10 IP転送網
1−11,1−12,1−13,1−14 網ノード装置
1−15乃至1−20 ルータ
2 統合IP転送網
3 IPデータ網
4 IP電話網
5−1IP音声画像網
5−2ベストエフォート網
6−1通信会社Xが運用管理するIP転送網の範囲
6−2通信会社Yが運用管理するIP転送網の範囲
7−1、7−2,7−3,7−4 通信会社Xが運用管理する網ノード装置
8−1、8−2,8−3,8−4 通信会社Yが運用管理する網ノード装置
9−1,9−2 ゲートウェイ
10−1〜10−8統合IP転送網1の外部の通信網
11−1〜11−10 IP端末
12−1、12−2 独立型IP電話機
12−3 独立型IP音声画像装置
13−1、13−2,13−3,13−4 非独立型IP電話機
14−1,14−2,14−3,14−4 メディアルータ
15−1,15−2 LAN
16−1、16−2,16−3,16−4 非独立型IP音声画像装置
17−1、17−2,17−3,17−4 公衆電話回線
18−1〜18−8 アナログ電話機
19−1〜19−19 IP転送機能をもつルータ
20−1乃至20−4 LAN内部やメディアルータ内で用いるルータ
21−1乃至21−5 通信会社の異なるIP転送網間で用いるルータ
22−1、22−2 接続制御部
23−1、23−2 H323終端部
24−1、24−2 SCN境界部
27−1、27−2 ATM網
27−3 光通信網
27−4 フレームリレー交換網
30−1乃至30−4 IPデータ網の専用のドメイン名サーバ
31−1、31−2 IP電話網の専用のドメイン名サーバ
32−1、32−2 IP音声画像網の専用のドメイン名サーバ
33−1、33−2 ベストエフォート網の専用のドメイン名サーバ
35−1、35−2 IPデータサービス運用管理サーバ(DSS)
36−1,36−2 IP電話サービス運用管理サーバ(TES)
37−1、37−2 IP音声画像サービス運用管理サーバ(AVS)
38−1、38−2 ベストエフォートサービス運用管理サーバ(BES)
48−1、78−1 ドメイン名サーバ
Claims (21)
- IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末Tj(j=1,2,・・・)は通信回線Ljを経て前記網ノード装置のいずれかに論理端子LPjで接続され、前記IP転送網内部に設置されたドメイン名サーバは、前記端末Tjの電話番号TNj及び外部IPアドレスEAj及び前記論理端子LPjの識別情報である内部IPアドレスIAjの組を保持しており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、
IP通信レコードR81及びR82がそれぞれ前記網ノード装置N1及びN2に設定されており、前記IP通信レコードR81は、前記端末1の外部IPアドレスEA1、前記論理端子LP1の識別情報である内部IPアドレスIA1、接続制御要求用の外部IPアドレスEA81及び接続制御要求用の内部IPアドレスIA81を含み、前記IP通信レコードR82は、前記端末2の外部IPアドレスEA2、前記論理端子LP2の識別情報である内部IPアドレスIA2、接続制御要求用の外部IPアドレスEA82及び接続制御要求用の内部IPアドレスIA82を含み、
前記端末T1は、電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求、電話番号TN1及びTN2を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット1を前記IP転送網に送信し、前記接続制御要求用の各アドレスは、前記網ノード装置N1から前記IP転送網に接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、
前記外部IPパケット1は前記通信回線L1を経て前記論理端子LP1から前記網ノード装置N1に入力し、前記網ノード装置N1は、前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81の条件に従って、前記外部IPパケット1内の外部IPアドレスが満たすべきIPアドレス入力条件を調べ、前記IPアドレス入力条件を満たさない前記外部IPパケット1を廃棄し、
前記IPアドレス入力条件が満たされると、前記網ノード装置N1は、前記外部IPパケット1をIPカプセル化して内部IPパケット1を形成して送信し、前記内部IPパケット1の宛先アドレスは前記内部IPアドレスIA81であり、
前記IP転送網は、前記内部IPパケット1から前記電話番号TN1及びTN2、前記外部IPアドレスEA1、前記内部IPアドレスIA1を取得し、前記IP転送網内部のドメイン名サーバを用いて、前記宛先端末2の電話番号TN2から前記端末T2の外部IPアドレスEA2及び論理端子LP2の識別情報である内部IPアドレスIA2を取得し、前記電話番号TN1及びTN2を用いて回線番号CN12を定め、前記電話番号TN1及びTN2、前記回線番号CN12、前記外部IPアドレスEA1及びEA2及を通信回線管理表MGに記録し、
前記IP転送網は前記宛先端末T2が着信可能かを確認し、前記接続要求に基づく着信通知及び前記電話番号TN1を含む内部IPパケット2を形成して送信すると、前記内部IPパケット2は、前記網ノード装置2で、前記着信通知を含み、前記端末2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケット2に変換され、前記外部IPパケット2は前記通信回線L2を経て前記端末2に到達し、前記端末T2は前記着信通知及び前記電話番号TN1を取得し、
前記端末T2は、応答準備開始を知らせる呼出中通知を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット3を前記IP転送網に送信し、前記外部IPパケット3は、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が条件するIPアドレス入力条件に従って判定され、前記判定に合格すると、前記呼出中通知を含み、接続制御要求用の内部IPアドレスIA82を宛先アドレスとする内部IPパケット3となって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記呼出中通知を含む内部IPパケット4を形成して送信し、前記内部IPパケット4は、前記網ノード装置1で、前記呼出中通知を含み、前記外部IPアドレスEA1を宛先アドレスとする外部IPパケット4に変換され、前記外部IPパケット4は前記通信回線L1を経て前記端末T1に到達し、
前記端末T2は、応答を知らせる応答通知及び前記端末T2のポート番号PN2を含み、前記外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット5を前記IP転送網に送信し、前記外部IPパケット5の外部IPアドレスは、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が条件するIPアドレス入力条件に従って判定され、前記判定に合格すると、前記応答通知及び前記端末T2のポート番号PN2を含み、前記内部IPアドレスIA82を宛先アドレスとする内部IPパケット5となって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は、前記応答通知、前記端末2の外部IPアドレスEA2及び前記端末T2のポート番号PN2を含む内部IPパケット6を形成して送信し、前記内部IPパケット6は、前記網ノード装置1で、前記応答通知及び前記端末T2のポート番号PN2を含み、前記外部IPアドレスEA1である外部IPパケット6に変換され、前記外部IPパケット6は前記通信回線L1を経て前記端末T1に到達し、
前記IP転送網は前記網ノード装置N1及びN2の内部にIP通信レコードR1及びR2を設定し、前記IP通信レコードR1は、前記端末1及び前記端末2の外部IPアドレスEA1及びEA2、前記内部IPアドレスIA1及びIA2を含み、前記IP通信レコードR2も、前記外部IPアドレスEA1及びEA2、前記内部IPアドレスIA1及びIA2を含み、
前記IP通信レコードR1及びR2は、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部IPパケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記外部IPアドレスEA1を送信元アドレス、前記端末2の外部IPアドレスEA2を、前記ポート番号PN2を宛先ポート番号とする外部IPパケット7を送信すると、前記外部IPパケット7は、前記網ノード装置N1で前記IP通信レコードR1の管理の基にIPアドレス入力条件に従って判定され、前記判定に合格するとIPカプセル化され、前記内部IPアドレスIA2を宛先アドレスとする内部IPパケット7に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記網ノード装置N2で逆IPカプセル化されて復元された前記外部IPパケット7が前記端末T2に送信され、
前記端末T2が、前記端末1の外部IPアドレスEA1を宛先アドレスとする外部IPパケット8を送信すると、前記外部IPパケット8は前記網ノード装置N2でIPカプセル化され、前記内部IPアドレスIA1を宛先アドレスとする内部IPパケット8となって前記通信パスP12を転送され、前記網ノード装置N1で逆IPカプセル化されて前記端末T1に送信され、
前記端末T1が、通信切断要求を含み、接続制御要用外部IPアドレスIA82を宛先アドレスとする外部IPパケット9を送信すると、前記外部IPパケット9は前記通信切断要求を含む内部IPパケット9になって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記IP通信レコードR1及びR2の抹消を指示し、その時点の時刻を通信終了時刻として前記通信回線管理表MGに記録し、
アドレス入力条件を満たす外部IPパケットのみが入力可能であるIP転送網を経由した電話番号を用いる端末間通信が可能であり、前記宛先端末T2が呼出中通知及び応答通知を別個に送出し、前記呼出中通知及び応答通知は別個に接続要求元である前記端末T1へ到達し、前記端末T1又はT2が送信した外部IPパケットはIPカプセル化され、接続要求毎に設定され通信終了後は解放される通信パスを転送され、通信回線管理表により端末間通信が記録されることを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末Tj(j=1,2,・・・)は通信回線Ljを経て前記網ノード装置のいずれかに論理端子LPjで接続され、前記IP転送網内部に設置されたドメイン名サーバは、前記端末Tjの電話番号TNj及び外部IPアドレスEAj及び前記論理端子LPjの識別情報である内部IPアドレスIAjの組を保持しており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、
前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81が前記網ノード装置N1内に設定されており、前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR82が前記網ノード装置N2内に設定されており、
前記端末T1は、電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求、電話番号TN1及びTN2を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット1を前記IP転送網に送信し、前記接続制御要求用の各アドレスは、前記網ノード装置N1から前記IP転送網に接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、前記外部IPパケット1は前記論理端子LP1から前記網ノード装置N1に入力し、前記網ノード装置N1は、前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81の条件に従って、前記外部IPパケット1内の外部IPアドレスが満たすべきIPアドレス入力条件を調べ、前記IPアドレス条件を満たさない前記外部IPパケット1を廃棄し、
前記IPアドレス入力条件が満たされると、前記網ノード装置N1は、前記外部IPパケット1をIPカプセル化してIP転送網内部に入力し、
前記IP転送網は、前記内部IPパケット1から前記電話番号TN1及びTN2、前記外部IPアドレスEA1を取得し、前記IP転送網内部のドメイン名サーバを用いて、前記宛先端末2の電話番号TN2から前記端末T2の外部IPアドレスEA2及び論理端子LP2の識別情報である内部IPアドレスIA2を取得し、
前記IP転送網は、前記接続要求に基づく前記着信通知及び前記電話番号TN1を含み、前記着信通知を含む内部IPパケット2を形成して送信し、前記内部IPパケット2は前記網ノード装置2で前記着信通知を含む外部IPパケット2に変換され、前記外部IPパケット2は前記通信回線L2を経て前記端末2に到達し、前記端末T2は前記着信通知及び前記電話番号TN1を取得し、
前記端末T2は、応答準備開始を知らせる呼出中通知を含み、接続制御要求アドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット3を前記IP転送網に送信し、前記外部IPパケット3は、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が条件とするIPアドレス入力条件に従って判定され、前記IPアドレス条件を満たすと内部IPパケット3に変換されて前記IP通信網に入力し、前記IP通信網は前記呼出中通知を含む内部IPパケット4を形成して送信し、前記網ノード装置1で外部IPパケット4に変換されて前記端末T1に到達し、
前記端末T2は応答を知らせる応答通知及び前記端末T2のポート番号PN2を含む外部IPパケット5を送信し、前記外部IPパケット5は、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が条件とするIPアドレス入力条件に従って判定され、前記IPアドレス入力条件を満たすと内部IPパケット5に変換されて前記IP通信網に入力し、前記IP通信網は、前記応答通知及び前記端末2の外部IPアドレスEA2及び前記端末T2のポート番号PN2を含む第2形式の内部IPパケット6を形成して送信し、前記内部IPパケット6は前記網ノード装置1で、前記応答通知及び前記端末T2のポート番号PN2を含む外部IPパケット6に変換され、前記応答通知、前記端末2の外部IPアドレスEA2及び前記端末T2のポート番号PN2を含む前記外部IPパケット6は前記端末T1に到達し、
前記IP通信網は、前記網ノード装置N2に対して前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR2の設定を指示し、前記網ノード装置N1に対して前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR1の設定を指示し、
前記IP通信レコードR1及びR2は、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部IPパケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記外部IPアドレスEA1を送信元アドレス,前記端末2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとし、前記ポート番号PN2を宛先ポート番号とする外部IPパケット7を送信すると、前記外部IPパケット7は、前記網ノード装置N1で前記IP通信レコードR1の管理の基にIPアドレス入力条件に従って判定され、前記判定に合格するとIPカプセル化され、前記内部IPアドレスIA2を宛先アドレスとする内部IPパケット7に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記網ノード装置N2で逆IPカプセル化されて復元された前記外部IPパケット7が前記端末T2に送信され、
前記端末T1が、通信切断要求を含み、前記接続制御要求用の外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット9を送信すると、前記外部IPパケット9は前記通信切断要求を含む内部IPパケット9になって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網前記IP通信レコードR1及びR2の抹消を指示し、
アドレス入力条件を満たす外部IPパケットのみが入力可能であるIP転送網を経由した電話番号を用いる端末間通信が可能であり、前記宛先端末T2が呼出中通知及び応答通知を別個に送出し、前記呼出中通知及び応答通知は別個に接続要求元である前記端末T1へ到達し、前記端末T1又はT2が送信した外部IPパケットはIPカプセル化され、接続要求毎に設定され通信終了後は解放される通信パスを転送されることを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム - 前記端末T2は前記着信通知を含む外部IPパケット2を受信すると、呼出中通知及び端末T2のポート番号PN2を含む外部IPパケット3を形成して送信するが、応答通知を含むが前記端末T2のポート番号PN2を含まない外部IPパケット5を送信し、前記IP転送網は、前記応答通知、前記端末2の外部IPアドレスEA2及び前記ポート番号PN2を含む内部IPパケット6を前記端末T1に向けて送信する請求項1又は2に記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記端末T2は応答通知を送信するが前記ポート番号PN2を送信せず、前記IP転送網は、前記応答通知及び前記端末T2の外部IPアドレスEA2を含む内部IPパケット6を送信するが前記ポート番号PN2を送信せず、前記端末T1は、前記応答通知及び前記端末T2の外部IPアドレスEA2を受信するが、前記ポート番号PN2を受信せず、前記端末1は、前記端末2の公開されているポート番号PN2を設定したIPパケットを前記端末2に送信するようになっている請求項1又は2に記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記端末T2に代えて、外部IPアドレスEA2を有するメディアルータMR2が前記通信回線L2を経て前記網ノード装置N2に接続されており、前記メディアルータMR2は電話番号Qj(j=1,2,・・・)が付与された複数の電話機を接続しており、前記電話番号Qjと前記メディアルータMR2が送信する電話音声を格納した外部IPパケット内部の送信元ポート番号Pjとの1:1対応を示す電話番号ポート番号対応表を含み、前記端末T1から送信された外部IPパケット内の宛先ポート番号Pjを基に、前記複数の電話機から前記電話番号Qjが付与された電話機を識別し、前記端末T1が前記メディアルータMR2を経由して前記電話番号Qjが付与された電話機と通信を実施し得るようになっている請求項1又は2に記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記電話番号がホスト名であり、前記端末Tjは外部IPアドレスEAj及びホスト名TNjを付与され、前記ドメイン名サーバは、前記端末Tjのホスト名TNj及び外部IPアドレスEAj、前記論理端子LPjの識別情報である内部IPアドレスIAjの組を保持しており、前記端末T1はホスト名を用いて端末T2に接続を要求し、前記IP転送網は前記内部IPパケット12から前記ホスト名TN1及びTN2、前記端末1の外部IPアドレスEA1を取得し、前記宛先端末2のホスト名TN2を前記ドメイン名サーバDS1に提示して、前記端末T2の外部IPアドレスEA2、論理端子LP2の識別情報である内部IPアドレスIA2を取得するようになっている請求項1又は2に記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記網ノード装置はIP通信レコードの設定及び消去が可能であり、前記IP転送網の外部にある端末T1は、通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、前記IP転送網の外部にある端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2は応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置2に送ると共に、応答を知らせる応答通知を送り、
前記網ノード装置N1及びN2はそれぞれIP通信レコードR1及びR2設定し、前記IP通信レコードR1及びR2は前記論理端子LP1及びLP2を識別する内部IPアドレスIA1及びIA2を含み、前記論理端子LP1及びLP2の間に内部IPパケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケットGP1を送信すると、前記外部IPパケットGP1は前記論理端子LP1から前記網ノード装置N1に入力し、前記IP通信レコードR1の規定により、前記論理端子LP2の識別情報である前記内部IPアドレスIA2を宛先アドレスとする前記外部IPパケットGP1を含む内部IPパケットNP1に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記網ノード装置N2で復元された前記外部IPパケットGP1が前記論理端子LP2を経て前記端末2に送信され、
前記端末T1又はT2が通信切断要求を含む外部IPパケットGP2を送信すると、前記網ノード装置N1及びN2はIP通信レコードR1及びR2を消去し、前記通信パスP12が消去され、
前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記IP転送網内部に前記端末間の通信パスが形成され、前記端末からの通信切断要求により、前記IP通信レコードが消去されて前記通信パスが消去されることを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網外部に設置された複数の端末は前記網ノード装置に含まれた論理端子で前記網ノード装置に接続され、
端末T1は通信回線L1及び論理端子LP1を経て網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2及び論理端子LP2を経て網ノード装置N2に接続され、前記網ノード装置N1及びN2は前記IP転送網内部の通信回線で接続され、前記網ノード装置N1及びN2は設定及び消去が可能なレコードR1及びR2を含むアドレス管理表H1及びH2を含み、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2は応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置N2に送り、次に応答を知らせる応答通知を送り、
前記網ノード装置N1は、前記論理端子LP2を識別する情報を含むレコードR1の設定を、前記アドレス管理表H1に行い、前記網ノード装置N2は、前記論理端子LP1を識別する情報を含むレコードR2の設定を前記アドレス管理表H2に対して行い、
前記論理端子LP1と前記論理端子LP2との間に通信パスP12を設定し、
前記端末T1は前記端末T2の外部IPアドレスを含む外部IPパケットGP1を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N1は、前記レコードR1を用いて前記外部IPパケットGP1を含む内部パケットNP1を形成し、前記通信パスP12を経由して前記内部パケットNP1を前記網ノード装置N2に送り、前記網ノード装置N2は、前記内部パケットNP1から前記外部IPパケットGP1を復元して前記論理端子LP2を経て前記端末T2に送り、前記端末T1又はT2からの通信切断の要求を基に、前記網ノード装置N1及びN2が前記レコードR1及びR2を消去することにより前記通信パスP12が消去され、
前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去することを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、前記IP転送網内部に設置されるドメイン名サーバは、端末Tjの電話番号TNj及び外部IPアドレスEAj、論理端子LPjの識別情報IAjの組を保持しており、
前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81が前記網ノード装置N1内に設定され、前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR82が前記網ノード装置N2内に設定されており、
前記端末T1は、前記端末T2に接続を要求するため、接続要求、電話番号TN1及びTN2を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット1を前記IP転送網に送信し、前記外部IPアドレスEA81は前記網ノード装置N1から接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、
前記網ノード装置N1は、前記外部IPパケット1が含む外部IPアドレスを対象に、前記IP通信レコードR81が規定する簡易カプセル化条件を調べ、前記簡易カプセル化は前記外部IPパケット1に宛先内部アドレスを含むが送信元内部アドレスを含まない簡易ヘッダを付与することであり、
前記簡易カプセル化条件を満たさない外部IPパケット1を廃棄し、前記簡易カプセル化条件が満たされると、前記網ノード装置N1は、前記外部IPパケット1を簡易カプセル化して内部パケット1を形成して前記IP転送網に入力し、
前記IP転送網は前記内部パケット1から前記電話番号TN1及びTN2、前記外部IPアドレスEA1を取得し、前記宛先端末2の電話番号TN2をIP転送網内部の前記ドメイン名サーバを用いて、前記端末T2の外部IPアドレスEA2、論理端子LP2の識別情報IA2を取得し、
着信通知及び前記電話番号TN1を含む内部パケット2を形成して送信し、前記内部パケット2は前記網ノード装置N2で外部IPパケット2に変換され、前記着信通知及び前記電話番号TN1を含む外部IPパケット2が前記端末T2に到達し、
前記端末T2は、応答準備開始を知らせる呼出中通知を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット3を前記IP転送網に送信し、前記外部IPパケット3の外部IPアドレスは、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が規定する簡易カプセル化条件を判定され、前記簡易カプセル化条件が満たされると、前記呼出中通知を含む第1形式の内部パケット3に変換されて前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記呼出中通知を含む内部パケット4を形成して送信し、前記内部パケット4は、前記網ノード装置N1で前記呼出中通知を含む外部IPパケット4となって前記端末T1に到達し、
前記端末T2は、応答を知らせる応答通知を含み、前記外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット5を送信し、前記外部IPアドレスEA82は前記網ノード装置N2から接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、
前記外部IPパケット5は前記網ノード装置N2で簡易カプセル化条件を判定され、前記簡易カプセル化条件が満たされると、前記応答通知を含む内部パケット5に変換されて前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は、前記応答通知及び前記端末T2の外部IPアドレスEA2を含む内部パケット6を形成して送信し、前記内部パケット6は、前記網ノード装置N1で前記応答通知及び前記端末T2の外部IPアドレスEA2を含む外部IPパケット6になって前記端末T1に到達し、
前記IP転送網は、前記網ノード装置N2に対して前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR2の設定を指示し、前記網ノード装置N1に対して前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR1の設定を指示し、前記IP通信レコードR1及びR2は、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部パケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記外部IPアドレスEA1を送信元アドレス、前記端末2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケット7を送信すると、前記外部IPパケット7は、前記網ノード装置N1で前記IP通信レコードR1の管理の基に前記簡易カプセル化条件を満たすかが調べられ、前記簡易カプセル化条件を満たすと簡易カプセル化され、前記論理端子LP2の前記識別情報IA2を根拠に定められた内部アドレスIA2xを宛先アドレスとする内部パケット7となって前記通信パスP12を転送され、前記内部パケット7は前記外部IPパケット7を含んでおり、前記網ノード装置N2で簡易逆カプセル化されて復元された前記外部IPパケット7が前記端末T2に送信され、前記簡易逆カプセル化は前記内部パケット7から送信元アドレスを含まない簡易ヘッダを除くことであり、
前記端末T1が、通信切断要求を含み、前記外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット9を送信すると、前記外部IPパケット9は、前記通信切断要求を含む内部パケット9になって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記IP通信レコードR1及びR2の抹消を指示し、
前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去することを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、前記網ノード装置N1及びN2は前記IP転送網内部の通信回線で接続され、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2は応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置N2に送ると共に、応答を知らせる応答通知を送り、
前記網ノード装置N2は前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR2の設定を行い、前記網ノード装置N1は前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR1の設定を行い、前記IP通信レコードR1及びR2は、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部パケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケットGP1を送信すると、前記外部IPパケットGP1は前記網ノード装置N1で前記IP通信レコードR1を基に簡易カプセル化され、前記論理端子LP2を識別する内部アドレスIA2xを宛先アドレスとする内部パケットNP1となって前記通信パスP12を転送され、前記内部パケットNP1は前記外部IPパケットGP1を含んでおり、前記簡易カプセル化は前記外部IPパケット1に宛先内部アドレスを含むが送信元内部アドレスを含まない簡易ヘッダを付与することであり、前記網ノード装置N2で簡易逆カプセル化されて復元された前記外部IPパケットGP1が前記論理端子LP2を経て前記端末T2に送信され、前記簡易逆カプセル化は前記内部パケット7から送信元アドレスを含まない簡易ヘッダを除くことであり、
前記端末T1又はT2の通信切断要求により、前記網ノード装置N1及びN2が前記IP通信レコードR1及びR2を消去することにより前記通信パスP12が消去され、
前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去することを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、前記網ノード装置N1及びN2は前記IP転送網内部の通信回線で接続され、前記網ノード装置N1及びN2はレコードの設定及び消去が可能なアドレス管理表H1及びH2を含み、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2は応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置N2に送ると共に、応答を知らせる応答通知を送り、前記網ノード装置N2は前記論理端子LP1の識別情報を含むレコードR2の設定を行い、
前記網ノード装置N1は前記論理端子LP2の識別情報を含むレコードR1の設定を行い、前記レコードR1及びR2は、前記論理端子LP1及びLP2の間に内部パケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケットGP1を送信すると、前記外部IPパケットGP1は、前記網ノード装置N1で前記レコードR1を基に簡易カプセル化され、前記簡易カプセル化は前記外部IPパケット1に宛先内部アドレスを含むが送信元内部アドレスを含まない簡易ヘッダを付与することであり、前記論理端子LP2を宛先アドレスとする内部パケットNP1となって前記通信パスP12を転送され、前記内部パケットNP1は前記外部IPパケットGP1を含んでおり、前記網ノード装置N2で簡易逆カプセル化されて復元された前記外部IPパケットGP1が前記論理端子LP2を経て前記端末T2に送信され、前記簡易逆カプセル化は前記内部パケット7から送信元アドレスを含まない簡易ヘッダを除くことであり、前記端末T1又はT2の通信切断要求により、前記網ノード装置N1及びN2が前記レコードR1及びR2を消去することにより前記通信パスP12が消去され
前記IP転送網を経由し電話番号を用いた端末間通信が可能であり、前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去することを特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に複数の端末が接続されており、端末Tj(j=1,2,・・・)は通信回線Ljを経て前記網ノード装置のいずれかに論理端子LPjで接続され、前記IP転送網内部に設置されたドメイン名サーバは、前記端末Tjの電話番号TNj及び外部IPアドレスEAj、前記論理端子LPjの識別情報である内部IPアドレスIAjの組を保持しており、端末T1は通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、端末T2は通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、
前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81が前記網ノード装置N1内に設定されており、前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR82が前記網ノード装置N2内に設定されており、
前記端末T1は、電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求、電話番号TN1及びTN2を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット1を前記IP転送網に送信し、前記外部IPアドレスEA81は、前記網ノード装置N1から接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、
前記網ノード装置N1は、前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR81の規定に従って、前記外部IPパケット1内の外部IPアドレスが満たすべきIPアドレス入力条件を調べ、前記IPアドレス入力条件を満たさない前記外部IPパケット1を廃棄し、前記IPアドレス入力条件が満たされると、前記網ノード装置N1は、前記外部IPパケット1をIPカプセル化しないで内部IPパケット1として前記IP転送網に入力し、
前記IP転送網は、受信した前記内部IPパケット1を用いて前記電話番号TN1及びTN2、前記外部IPアドレスEA1を取得し、前記宛先端末T2の電話番号TN2をIP転送網内部の前記ドメイン名サーバを用いて、前記端末T2の外部IPアドレスEA2、論理端子LP2の識別情報である内部IPアドレスIA2を取得し、
前記IP転送網は前記着信通知及び前記電話番号TN1を含む内部IPパケット2を形成して送信すると、前記内部IPパケット2は、外部IPパケット2として前記網ノード装置N2、前記通信回線L2を経て前記端末T2に到達し、前記端末T2は前記着信通知及び前記電話番号TN1を取得し、
前記端末T2は、応答準備開始を知らせる呼出中通知を含み、接続制御要求用の外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット3を前記IP転送網に送信し、前記外部IPアドレスEA82は、前記網ノード装置N2から接続制御用外部IPパケットを送信するためのアドレスであり、前記外部IPパケット3は、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が規定するIPアドレス入力条件に従って判定され、前記IPアドレス入力条件が満たされると、前記外部IPパケット3は内部IPパケット3として前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記呼出中通知を含む内部IPパケット4を送信し、前記内部IPパケット4は、外部IPパケット4として前記網ノード装置N1、前記通信回線L1を経て前記端末T1に到達し、
前記端末T2は、応答を知らせる応答通知を含み、前記外部IPアドレスEA82を宛先アドレスとする外部IPパケット5を送信し、前記外部IPパケット5は、前記網ノード装置N2で前記IP通信レコードR82が規定する前記IPアドレス入力条件に従って判定され、前記IPアドレス入力条件が満たされると、前記網ノード装置N2は、前記外部IPパケット5を内部IPパケット5として前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は、前記応答通知及び前記端末T2の外部IPアドレスEA2を含む内部IPパケット6を形成して送信し、前記内部IPパケット6は、外部IPパケット6として前記網ノード装置N1、前記通信回線L1を経て前記端末T1に到達し、
前記IP転送網は、前記網ノード装置N2に対して前記論理端子LP2の識別情報を含むIP通信レコードR2の設定を指示し、前記網ノード装置N1に対して前記論理端子LP1の識別情報を含むIP通信レコードR1の設定を指示し、
前記IP通信レコードR1及びR2は、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部IPパケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記外部IPアドレスEA1を送信元アドレス,前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケット7を送信すると、前記外部IPパケット7は、前記網ノード装置N1で前記IP通信レコードR1の管理の基に前記IPアドレス入力条件に従って判定され、前記判定に合格するとIPカプセル化され、前記内部IPアドレスIA2を宛先アドレスとする内部IPパケット7に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記網ノード装置N2で逆IPカプセル化されて復元された前記外部IPパケット7が前記端末T2に送信され、
前記端末T1が、通信切断要求を含み、前記外部IPアドレスEA81を宛先アドレスとする外部IPパケット9を送信すると、前記外部IPパケット9は前記通信切断要求を含む内部IPパケット9になって前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は前記IP通信レコードR1及びR2の抹消を指示し、
前記端末T1又はT2が接続制御要求用の外部IPアドレスを宛先アドレスとする外部IPパケットを送出すると、前記外部IPパケットは前記網ノード装置でIPカプセル化されずに前記IP転送網に入力し、前記IP転送網は網ノード装置間に通信パスを設定し、前記端末T1又はT2が通信先端末の外部IPアドレスEA2又はEA1を宛先アドレス とする外部IPパケットを送出すると、前記網ノード装置N1又はN2でIPカプセル化され、前記外部IPパケットを含む内部IPパケットとなって前記通信パスを転送され、
前記IP転送網を経由し電話番号を用いた端末間通信が可能であり、前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去すること特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に接続された端末T1は、通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、前記IP転送網に接続された端末T2は、通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2から応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置N2に送ると共に、応答を知らせる応答通知を送り、
前記網ノード装置N1及びN2はそれぞれIP通信レコードR1及びR2の設定を行い、前記IP通信レコードR1及びR2はそれぞれ前記論理端子LP1及びLP2を識別する内部IPアドレスIA1及びIA2を含んでおり、前記網ノード装置N1及びN2の間に内部IPパケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケットGP1を送信すると、前記外部IPパケットGP1は前記論理端子LP1から前記網ノード装置N1に入力し、前記IP通信レコードR1を基に、前記論理端子LP2の識別情報である前記内部IPアドレスIA2を宛先アドレスとする内部IPパケットNP1に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記内部IPパケットNP1は前記外部IPパケットGP1を含んでおり、前記網ノード装置N2で復元された前記外部IPパケットGP1が前記論理端子LP1を経て前記端末T2に送信され、
前記端末T1又はT2が通信切断要求を送ると、前記網ノード装置N1及びN2が前記IP通信レコードR1及びR2の消去を行うことにより前記通信パスP12が消去され、
前記IP転送網を経由し電話番号を用いた端末間通信が可能であり、前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去すること特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - IP転送網は複数の網ノード装置を含み、前記IP転送網に接続された端末T1は、通信回線L1を経て論理端子LP1で網ノード装置N1に接続され、前記IP転送網に接続された端末T2は、通信回線L2を経て論理端子LP2で網ノード装置N2に接続され、前記網ノード装置N1及びN2はレコードの設定及び消去が可能なアドレス管理表H1及びH2を含み、
前記端末T1は電話番号を用いて前記端末T2に接続を要求するため、接続要求及び前記宛先端末T2の電話番号TN2を前記網ノード装置N1に送り、前記網ノード装置N2は前記接続要求に基づく着信通知を前記端末T2に送り、
前記端末T2から応答準備開始を知らせる呼出中通知を前記網ノード装置N2に送ると共に、応答を知らせる応答通知を送り、
前記網ノード装置N1及びN2はそれぞれレコードR1及びR2の設定を行い、前記レコードR1は前記論理端子LP2を識別するアドレスを含み、前記レコードR2は前記論理端子LP1を識別するアドレスを含んでおり、前記論理端子LP1及びLP2の間に内部パケットが転送される通信パスP12を定めており、
前記端末T1が、前記端末T2の外部IPアドレスEA2を宛先アドレスとする外部IPパケットGP1を送信すると、前記外部IPパケットGP1は前記論理端子LP1で前記網ノード装置N1から入力し、
前記レコードR1を基に内部パケットNP1に変換されて前記通信パスP12を転送され、前記内部パケットNP1は前記外部IPパケットGP1を含んでおり、前記網ノード装置N2で復元された前記外部IPパケットGP1が前記論理端子LP1を経て前記端末2に送信され、
前記端末T1又はT2が通信切断要求を含む外部IPパケットGP2を送信すると、前記網ノード装置N1及びN2が前記レコードR1及びR2の消去を行うことにより前記通信パスP12が消去され、
前記IP転送網を経由し電話番号を用いた端末間通信が可能であり、前記端末T1又はT2からの接続要求に基づいて前記一方の宛先側端末から接続要求元端末へ呼出中通知及び応答通知が送出され、前記レコードを前記網ノード装置に設定し、前記端末からの通信切断の要求を基に前記網ノード装置に設定された前記レコードを消去して通信パスを消去すること特徴とするIP転送網を用いたIP通信システム。 - 前記電話番号がホスト名である請求項7乃至14のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記外部IPアドレスEAjを有する前記端末Tjが外部IPアドレスEAjを有する電話機Tjである請求項7乃至14のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記端末T2に代えて、外部IPアドレスEA2を有するメディアルータMR2が前記通信回線L2を経て前記網ノード装置N2に接続されており、前記メディアルータMR2は電話番号Qj(j=1,2,・・・)が付与された複数の電話機を接続しており、前記電話番号Qjと前記メディアルータMR2が送信する電話音声を格納した外部IPパケット内部の送信元ポート番号Pjとの1:1対応を示す電話番号ポート番号対応表を含み、前記端末T1から送信された外部IPパケット内の宛先ポート番号Pjを基に、前記複数の電話機から前記電話番号Qjが付与された電話機を識別し、前記端末T1が前記メディアルータMR2を経由して前記電話番号Qjが付与された電話機と通信を実施し得る請求項7乃至14のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記IP転送網は前記応答通知を含む内部IPパケット6を送信するが、前記内部IPパケット6に前記端末T2の外部IPアドレスEA2を含めずに送信し、前記端末T1は前記応答通知を受信するが、前記端末T2の外部IPアドレスEA2を受信しない請求項2、9又は12のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記端末間の通信フェーズにおいて、前記端末T1及びT2がそれぞれポート番号P1及びP2を設定したIPパケットを送受する第1の通信を継続しながら、更に前記端末T1及びT2は前記第1の通信と併行して、前記ポート番号P1及びP2と異なるポート番号Q1及びQ2を設定したIPパケットを送受する第2の通信を実施するようになっている請求項7乃至14のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記第1の通信はデータを送受する通信又は音声を送受する通信であり、前記第2の通信は静止画像、動画像、音声、動画像、電子文書を送受する通信である請求項19に記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
- 前記IP転送網は網ノード装置N3を含み、外部IPアドレスEA5及びEA6である端末T5及びT6を、それぞれ通信回線L5及びL6を経て前記網ノード装置N1及びN3に接続し、前記網ノード装置N1及びN3にIP通信レコードR15及びIP通信レコードR51をそれぞれ設定し、
前記端末T5が送信元外部IPアドレスEA5,宛先外部IPアドレスEA6である外部IPパケットを送出すると、前記外部IPパケットは前記網ノード装置N1の前記IP通信レコードR15の管理の基に内部パケットとなって前記IP転送網を転送され、前記網ノード装置N3において前記IP通信レコードR51の管理の基に前記外部IPパケットが復元されて前記端末T6に到達するようになっており、前記端末T5及び端末T6の間で電話番号を用いずにIPパケットを送受する通信が可能である請求項2、7乃至14のいずれかに記載のIP転送網を用いたIP通信システム。
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