JP4004803B2 - 法枠形成用鉄筋設置具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現場打ちコンクリート法枠工における法枠形成用の鉄筋設置具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に地山表面や切土、盛土による法面などを補強、崩壊防止、植生等を目的として、その表面にコンクリート構造物を網目状に構築するいわゆる法枠工が広く実施されている。この内、現場打ちコンクリート法枠工として、法面に金網を敷設し、該金網上に格子状に配設した鉄筋の適宜箇所に枠体を取り付け、これらを埋設するように低スランプのモルタル若しくはコンクリート(以下「モルタル等」という。)を吹き付けて、格子状の法枠を構築する吹付法枠工がある。
【0003】
上記枠体は、モルタル等の吹き付け時において、ほぼ一定の幅と高さの法枠を形成するための目安とするもので、該モルタル等の流動を抑止する機能も有している。これらは、金属線材で形成した円弧状や台形状の門型枠、或いはこれらを両端に配して連結材で連結した、いわゆるカマボコ形状としたものが一般的である。枠体は、法面上に敷設した金網や鉄筋に針金などで固定する方法が採られており、例えば鉄筋に固定する場合、枠体を構成する線状体を凹状に曲げて形成した鉄筋受け部が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の枠体としては、上述したように門形枠やカマボコ形枠があるが、カマボコ形枠は嵩高く輸送や法面への搬入に効率低下を招く欠点があった。この点、門形枠は単に平面的な形状で搬送効率が高くなるものの、平面的であるが故に法面への設置が安定せず、目安にするための型枠としての機能が充分発揮できない欠点があった。
【0005】
また、このような枠体としてより簡易な形状とするため、門形枠の一部を凹状に曲げて形成した鉄筋受け部が設けられている。この鉄筋受け部は、門形枠の頂部に設けられていることから、この部分が欠けた形状になり、モルタル等の吹き付け時に最も目立ちやすい部分の目安となる箇所が存在しないという根本的な欠点となっていた。しかも、門形枠の一部を折り曲げて形成した鉄筋受け部は、上方に向かって開口した凹部とならざるを得ないため、枠体を敷設してから鉄筋を配筋しなければならない。しかも、鉄筋を上下に2段配筋する必要がある法枠を形成する場合には、配筋工程の間に枠体の敷設工程を入れる必要があり、作業効率が著しく低下する原因となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、現場打ちコンクリート法枠工において、法枠を構築する法面上に配設した鉄筋の上から敷設する枠体であって、2つのアーチ状部材を高さがほぼ揃うようにクロスさせた形状の枠部材と、該枠部材の4つの脚のいずれかに架設した少なくとも一つの支持材とによって構成し、該支持材に、該鉄筋を係合させる係合部を設けたこと。
【0007】
或いは、現場打ちコンクリート法枠工において、法枠を構築する法面上に配設した鉄筋の上から敷設する枠体であって、2つのアーチ状部材を高さがほぼ揃うようにクロスさせた形状の枠部材と、該枠部材の4つの脚のいずれかに架設した少なくとも一つの支持材とによって構成し、該支持材に、下方に向かって開口する凹部で形成した鉄筋導入部及び該鉄筋導入部の側方に該鉄筋を係合させる係合部を設けたことにある。
【0008】
ここで、本明細書中でいう枠体とは、法枠を構築する法面に配設した鉄筋の適宜箇所に敷設していくもので、モルタル等を吹き付ける際に幅、高さ、断面形状がほぼ一定の法枠を形成するための目安とするものをいう。本発明に係る法枠形成用鉄筋設置具は、枠体として2つのアーチ状部材を相互にクロスさせて連結した形状の枠部材と、該枠部材の4つの脚のいずれかの2つの脚に架設した少なくとも一つの支持材とによって構成したもので、金属やプラスチックで形成する。プラスチックの場合は、全体若しくは一部を一体成型してもよい。
【0009】
アーチ状部材は、構築すべき法枠の断面形状の目安にする基本構成部材で、円弧、円弧状多角形、台形、三角形、矩形などに形成する。枠部材は、2つのアーチ状部材を約20゜〜90゜の角度でクロスさせた形状のもので、通常、各アーチ状部材の中心部同士を連結するが、両者共ほぼ同じ位置であれば中心位置を外した位置で連結してもよい。このようにして形成された枠部材は、配設された鉄筋の両側に脚が2つずつ配されるように敷設する。
【0010】
枠部材の2つの脚に架け渡された支持材は、該鉄筋を横切るように配され、これに設けられた係合部に該鉄筋を係合させて支持する。支持材は、一つのアーチ状部材の脚同士或いは相手方のアーチ状部材の脚同士に、1本若しくは2本架け渡して設ける。通常、支持材はアーチ状部材にほぼ水平に設けるが、斜めに設けたり、係合部を介して段違いに設けることも可能である。枠部材は、一般的に鉄筋に対して左右対称となるように敷設されるが、例えば一つのアーチ状部材が鉄筋に直交するように敷設してもよい。
【0011】
支持材に設けられる係合部としては、下方に向かって開口した凹部を設け、この凹部に鉄筋を係合させて針金などの結束具で固定する。係合部を設けることにより、枠部材のほぼ中心に鉄筋を位置させることができる。係合部は、支持材に下方に向かって開口した鉄筋導入部を形成し、該鉄筋導入部の側方に設ける構造とすることもできる。係合部としては、単なる凹部の他、鉄筋を通過させる鉄筋嵌込部と、該鉄筋嵌込部の奥部に幅広の鉄筋挿通部とによって構成した構造でもよい。
【0012】
鉄筋挿通部は、本発明に係る鉄筋設置具を鉄筋に敷設させたときに該鉄筋を挿通させる部分である。鉄筋嵌込部は、鉄筋が該鉄筋挿通部に入り込むまでに通過する部分で、該鉄筋挿通部より幅を狭くした部分である。これは、法面上に配設した鉄筋上に鉄筋設置具を敷設する際、該鉄筋を鉄筋嵌込部に嵌め込むように通過させ、該鉄筋を鉄筋挿通部に収まらせるようにした構造である。
【0013】
基本的には、鉄筋嵌込部を鉄筋の径と同じかそれより幅を狭く形成し、自然状態で鉄筋を通過させにくくするか、通過させないようにする。支持材を構成する線状体の径や材質にもよるが、鉄筋の約1/2程度の幅にしても通過させることができる。尚、鉄筋嵌込部と鉄筋挿通部の幅とは、鉄筋が直交する面に対する幅である。例えば、鉄筋設置具を敷設した状態で鉄筋嵌込部が鉄筋が直交する面に対し水平方向(左右)に斜めになる場合、鉄筋嵌込部の絶対的な幅が鉄筋の径より大きくても、鉄筋が直交する面に対する幅が、鉄筋の径と同じかそれより小さくなり、同等の効果が得られる。このことは、鉄筋嵌込部を捻った状態に設けた場合も同様で、この場合も鉄筋が直交する面に対する幅を、鉄筋の径と同じかそれより小さくすることができる。また、鉄筋嵌込部を鉄筋導入部の側方に設ける場合は、鉄筋嵌込部が鉄筋が直交する面に対し垂直方向(上下)に斜めにすることにで、上述した場合と同様の効果が得られる。
【0014】
鉄筋嵌込部を設けた鉄筋設置具の敷設方法としては、鉄筋を鉄筋嵌込部に嵌め込むようにして押し込むことにより、支持材の弾性で該鉄筋嵌込部が開いて通過し、該鉄筋を鉄筋挿通部に位置させることによって行う。また、鉄筋嵌込部が斜めや捻って設けられている場合は、鉄筋嵌込部の幅が最も広くなる状態で鉄筋を嵌め込んでもよい。そして、該鉄筋を鉄筋挿通部に位置させ、鉄筋設置具を正規の位置にして結束具等で固定すればよい。鉄筋挿通部は、通常、鉄筋の径と同じかそれより大径の円形や該円形に外接する正方形などに形成するが、鉄筋嵌込部を斜めに設ける場合などには長円や長方形にする。鉄筋としては、普通鉄筋の他に異形鉄筋などがあるが、本明細書では表面に突起をつけた異形鉄筋の場合には、その最大径を鉄筋の径とする。
【0015】
鉄筋嵌込部と鉄筋挿通部の境界部分は、円弧状にすることにより、鉄筋が該鉄筋嵌込部から該鉄筋挿通部にスムーズに導かれ、設置作業を容易且つ確実にすることができる。また、鉄筋嵌込部の下端部も円弧状にすることで、鉄筋に対し該鉄筋嵌込部を嵌め込みやすくなるが、該鉄筋嵌込部がより開きやすくなるようにテーパー状や曲率半径の大きい円弧にしてもよい。このことは、該鉄筋嵌込部と該鉄筋挿通部の境界部分についても同様である。
【0016】
鉄筋挿通部は、鉄筋の径より小径若しくは幅や高さを狭くしてもよい。この場合、敷設作業に多少の労力を伴うものの、鉄筋挿通部で鉄筋を保持させることができ、針金等による鉄筋との結束作業を省略することも可能となる。
【0017】
鉄筋が法面上に上下2段以上配設されている場合は、鉄筋挿通部は全ての鉄筋を収容できる高さにする。また、鉄筋嵌込部を垂直方向に2箇所以上設け、各鉄筋嵌込部の奥部に鉄筋挿通部を設けた構造としてもよい。
【0018】
鉄筋導入部は、鉄筋係合部を側方に位置させるためのもので、支持材の下方に向かって開口する開口部から上方に向かって鉄筋をスムーズに通過させる部分である。係合部を側方に位置させることで、枠体に対する鉄筋の上下方向のズレを確実に防止できる利点がある。この場合の側方とは、真横の他、斜め上方や斜め下方である。
【0019】
本発明に係る鉄筋設置具は、ラス網などの網状体の上に敷設されることから、アーチ状部材の脚が網目の中に入り込み、形成すべき法枠の高さを確保できない場合がある。このため、該アーチ状部材の脚に網目の中に入り込まない大きさ若しくは長さの足を設けておくのが好ましい。足としては、特に限定するものではないが、アーチ状部材の脚の端部を折り曲げた状態にして形成したり、別体の線状体や足部材を脚の途中部分や端部に溶接や嵌め込みによって設ける。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る法枠形成用鉄筋設置具1の実施の形態の一例であり、2つの円弧状のアーチ状部材21を互いの中心部分でクロスさせて連結した枠部材2と、該アーチ状部材21の相手方の脚同士に、法面上に配筋した鉄筋4を係合させる係合部31を設けた支持材3を架設したものである。本例の鉄筋設置具1は、アーチ状部材21及び支持材3をφ4mmの鉄製線材で曲げ加工し溶接して形成したもので、長さ115mm、高さ160mm、幅360mm(鉄筋4に直交する面に対する寸法)である。これは、図のように配設された鉄筋4に支持材3の係合部31を係合させ、針金などの結束具8でこの部分をくくりつけて敷設していく。
【0022】
この鉄筋設置具1は、アーチ状部材21をクロスさせた形状の枠部材2に支持材3を架設した構造であるため、上から複数積み重ねることが可能となり、保管、輸送、法面への搬入が極めて容易となる。本例では、鉄筋4が1本の場合を示しているが、例えば2本の場合は係合部31である凹部の高さを高くしたり、支持材3の位置を上方にして、2本若しくは上側の鉄筋4に係合させる構造にすればよい。
【0023】
この鉄筋設置具1は、図2のように法枠5を構築する法面6にラス網7を張り、該ラス網7上に格子状に配設した鉄筋4に敷設する。敷設された鉄筋設置具1を目安にモルタル等を吹き付けることによって、幅、高さ、断面形状がほぼ一定の法枠5が形成される。本例では、鉄筋設置具1は法枠5の一辺当たり2個設置しているが、構築する法枠5の大きさにより3個以上設置してもよい。
【0024】
図3は、本発明に係る法枠形成用鉄筋設置具1の実施の形態の他の例であり、支持材3に設ける係合部31として鉄筋嵌込部32とその奥部に鉄筋挿通部33を形成したものである。この鉄筋挿通部33に鉄筋4を嵌め込ませることによって取り付けるもので、φ10mmの鉄筋4に対し、鉄筋嵌込部32の幅8mm、鉄筋挿通部33の内径φ11mmとしている。
【0025】
鉄筋嵌込部32及び鉄筋挿通部33を設けた鉄筋設置具1は、図4(a)のように鉄筋4に支持材3に設けた鉄筋嵌込部32を通過させ、該鉄筋4を鉄筋挿通部33に位置させることによって設置する。この場合の設置方法としては、例えばアーチ状部材21や鉄筋挿通部33部分を上から押しつけて鉄筋4に嵌め込んだり、両手で鉄筋嵌込部32を引き拡げながら鉄筋4に嵌め込むなどの方法によって行う。鉄筋4を嵌め込みやすくするため、鉄筋嵌込部32の下端部の曲率半径の大きくしたり、同図(b)のようにテーパー状にしてもよい。本例では、φ10mmの鉄筋4に対し、鉄筋嵌込部32の幅を7mm、鉄筋挿通部33の内径をφ11mmとしている。鉄筋設置具1は、鉄筋嵌込部32や鉄筋挿通部33部分と鉄筋4を結束具8で固定するのが好ましいが、同図(c)のようにφ10mmの鉄筋4に対し、例えば鉄筋挿通部33の内径をφ9.5mmとすることにより、鉄筋設置具1が鉄筋4に固定されることになり、結束作業を省略することも可能となる。
【0026】
図5は、鉄筋嵌込部32と鉄筋挿通部33の実施の形態の他の例を示すもので、上下方向に2本配設した鉄筋4に設置する構造のものである。同図(a)は鉄筋嵌込部32を垂直方向に2つ設け、各鉄筋嵌込部32の奥部に鉄筋挿通部33を設けたものである。同図(b)は鉄筋挿通部33の高さを2本の鉄筋4の外法長さにして、2本まとめて挿通させる構造である。また、同図(c)のように上段の鉄筋4のみを鉄筋挿通部33に挿通させるだけでもよい。この場合、下段の鉄筋4は鉄筋嵌込部32の下端部に接当させるようにしたり、同図(d)のように鉄筋嵌込部32の下端部に鉄筋受部34を設けて下段の鉄筋6を支持させるようにしてもよい。
【0027】
図6(a)は、鉄筋嵌込部32と鉄筋挿通部33の実施の形態のさらに他の例を示すもので、横方向に2本配した鉄筋4に設置させる場合のもので、支持材3の2ヶ所に鉄筋嵌込部32を設け、夫々の奥部に鉄筋挿通部33を設けたものである。また、同図(b)は上下方向と横方向に計4本配した鉄筋4に設置させるもので、垂直方向に2つ設けた鉄筋嵌込部32の夫々の奥部に鉄筋挿通部33を設けた構造のものを、支持材3の2ヶ所に備えたものである。この他、図5の(b)(c)(d)に示した構造のものを支持材3の2ヶ所に設けてもよく、図6(c)(d)のように鉄筋挿通部33を鉄筋嵌込部32に対し片側にズラした位置に設けてもよい。
【0028】
また、単なる凹部を係合部31とする場合、図7のように支持材3に鉄筋導入部35を設け、該鉄筋導入部35の側方に係合部31を設けて鉄筋4を係合させるようにしてもよい。鉄筋導入部35は、鉄筋4を側方の係合部31に位置させるためスムーズに通過させる部分であり、本例ではφ10mmの鉄筋4に対し幅15mmとしている。
【0029】
また、係合部31を側方に設ける場合の実施の形態の他の例として、図8のように鉄筋導入部35の側方に鉄筋嵌込部32を設け、該鉄筋嵌込部32の奥部に鉄筋挿通部33を設けるようにしてもよい。本例では、上下に2段配設した鉄筋4に設置する鉄筋設置具1の例を示しており、φ10mmの鉄筋4に対し、鉄筋導入部35の幅15mm、鉄筋嵌込部32の幅10mm、鉄筋挿通部33の内径11mmとし、支持材3に垂直方向に設けた鉄筋導入部35から斜め下方に鉄筋嵌込部32及び鉄筋挿通部33を設けている。
【0030】
鉄筋嵌込部32を鉄筋導入部35の側方に設けたことにより、図9のように鉄筋4を鉄筋導入部35の上端部分に位置させてから、矢印の方向に鉄筋嵌込部32に通過させるとき、該鉄筋嵌込部32が開きやすく、鉄筋設置具1の敷設作業をより容易にすることができる。また、鉄筋挿通部33を鉄筋嵌込部32の斜め下方に設けることにより、鉄筋4を下方及び両側方から支持でき、該鉄筋4のズレを確実に防止できる利点が生じる。
【0031】
鉄筋嵌込部32と鉄筋挿通部33の幅は、鉄筋4に直交する面に対する幅である。これは、例えば図10(a)のように支持材3を一のアーチ状部材21の脚に架け渡して設けた場合、同図(b)のように鉄筋嵌込部32の絶対的な幅をWとすると、鉄筋4に直交する面に対してはwとなる。仮に鉄筋4をφWとすると、鉄筋嵌込部32の幅をWより大きくしても、鉄筋4に直交する面に対する幅はWより小さいwとすることができる。鉄筋嵌込部32を鉄筋4に直交する面に対して斜めにする手段としては、鉄筋4に対し支持材3自体を斜めに設ける他、同図(c)のように支持材3を平行移動、同図(d)のように鉄筋嵌込部32部分を捻るなどの方法がある。また、鉄筋挿通部33は鉄筋嵌込部32と同じように斜めにする他、同図(e)のように鉄筋嵌込部32のみを斜めにしてもよい。この場合、鉄筋嵌込部32と鉄筋挿通部33の絶対的な幅が夫々同じWであっても、鉄筋嵌込部32を斜めにして幅をwにすることで、鉄筋挿通部33に対する幅を狭くすることができる。以上の各例は鉄筋嵌込部32が鉄筋4が直交する面に対し水平方向に斜めになる場合であるが、図8に示した鉄筋導入部35の側方に鉄筋嵌込部32を設けた構造の場合は、鉄筋嵌込部32を鉄筋4が直交する面に対し垂直方向に斜めにすれば同様となる。
【0032】
図11(a)は、鉄筋設置具1の実施の形態のさらに他の例を示すもので、枠部材2の脚に足9を設けたものである。この足9は、アーチ状部材21の自由端部を曲げ加工して形成している。例えば、法面6の凹部では、敷設したラス網7との間に隙間が生じていることがあり、枠部材2に足9を設けることにより、端部が法面6に敷設したラス網7の網目の中に入り込むことなく、ラス網7に対する鉄筋設置具1の高さを一定にすることができる。足9を設けない場合は、同図(b)のように枠部材2の自由端部がラス網7を通して法面6にまで到達することがあり、ラス網7に対する鉄筋設置具1の高さが低くなり、必要とする法枠5の高さが得られなくなる問題が生じる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る法枠形成用鉄筋設置具は、現場打ちコンクリート法枠工において、法枠を構築する法面上に配設した鉄筋の上から敷設する枠体であって、2つのアーチ状部材を高さがほぼ揃うようにクロスさせた形状の枠部材と、該枠部材の4つの脚のいずれかに架設した少なくとも一つの支持材とによって構成し、該支持材に、該鉄筋を係合させる係合部を設けたことにより、枠部材の嵩が低く保管や法面への搬入効率が極めて高くなる。そして、自立する構造であるため、鉄筋に対する鉄筋設置具の設置作業が極めて容易となる。特に、鉄筋との係合部を枠部材とは別の支持材に設けているため、モルタル等吹き付け時の目安となる枠部材の形状に影響を与えない。しかも、鉄筋との係合部を下方に向かって開口した凹部で形成しているため、鉄筋の配筋工程が全て終了してから鉄筋設置具を敷設でき、作業効率が極めて高くなる。また、鉄筋嵌込部とその奥部に鉄筋挿通部を設けた構造では、鉄筋をある程度保持でき、結束作業が省略できたり、結束作業を行うにしてもその作業が容易になる。
【0034】
また、第二発明に係る鉄筋設置具は、現場打ちコンクリート法枠工において、法枠を構築する法面上に配設した鉄筋の上から敷設する枠体であって、2つのアーチ状部材を高さがほぼ揃うようにクロスさせた形状の枠部材と、該枠部材の4つの脚のいずれかに架設した少なくとも一つの支持材とによって構成し、該支持材に、下方に向かって開口する鉄筋導入部及び該鉄筋導入部の側方に該鉄筋を係合させる係合部を設けたことにより、上述した効果の他、鉄筋を側方で支持する構造であるため、鉄筋の上下方向のズレを確実に防止することができるなど極めて有益な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した鉄筋設置具の使用状態の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図4】(a)は本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の設置状態の一例を示す概略正面図、(b)は鉄筋嵌込部の実施の形態の他の例を示す部分正面図、(c)は鉄筋挿通部と鉄筋嵌込部の実施の形態の他の例を示す部分正面図である。
【図5】(a)乃至(d)は、夫々本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の実施の形態のさらに他の例を示す正面図である。
【図6】(a)乃至(d)は、夫々本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の実施の形態のさらに他の例を示す部分正面図である。
【図7】本発明の第二発明に係る鉄筋設置具の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図8】本発明の第二発明に係る鉄筋設置具の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第二発明に係る鉄筋設置具の設置状態の一例を示す概略正面図である。
【図10】(a)は本発明の第一発明に係る鉄筋設置具の実施の形態のさらに他の例を示す平面図、(b)乃至(e)は夫々鉄筋嵌込部と鉄筋挿通部のさらに他の例を示す部分断面平面図である。
【図11】(a)は本発明の第二発明に係る鉄筋設置具の実施の形態のさらに他の例を示す概略正面図、(b)は図9に示した鉄筋設置具の設置状体の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 法枠形成用鉄筋設置具
2 枠部材
21 アーチ状部材
3 支持材
31 係合部
32 鉄筋嵌込部
33 鉄筋挿通部
34 鉄筋受部
35 鉄筋導入部
4 鉄筋
5 法枠
6 法面
7 ラス網
8 結束具
9 足

Claims (1)

  1. 現場打ちコンクリート法枠工において、法枠を構築する法面上に配設した鉄筋の上から敷設する枠体において、2つのアーチ状部材を高さがほぼ揃うようにクロスさせた形状の枠部材と、金属製線材を曲げ加工により形成したもので該枠部材の4つの脚のいずれか2つに架設した少なくとも一つの支持材とによって構成したものであって、該支持材、下方に向かって開口する鉄筋導入部及び該鉄筋導入部の上端部に該鉄筋を通過させる鉄筋嵌込部とその奥部に該鉄筋嵌込部より幅広の鉄筋挿通部とによって構成した該鉄筋を係合させる係合部を側方の斜め下方に向かって設けたことを特徴とする法枠形成用鉄筋設置具。
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