JP4003869B2 - 地球観測衛星データのノイズ除去処理方法、ノイズ除去処理プログラム、ノイズ除去処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

地球観測衛星データのノイズ除去処理方法、ノイズ除去処理プログラム、ノイズ除去処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星データのノイズ除去処理方法、ノイズ除去処理プログラム、ノイズ除去処理プログラムを記録した記録媒体に係り、特に、高頻度観測衛星データのノイズ除去処理による植生の季節変動観測法に関する。
【従来の技術】
【0002】
1997年から1998年にかけてインドネシアで大規模な森林火災が発生し、煙害等で周辺諸国も含めて甚大な影響を及ぼした(文献1,2参照。なお、文献は後述する。以下同様。)。その後も東南アジア地域では森林火災が頻発し、大規模火災の再発生が懸念されている。現在、国際協力事業団(JICA)の「インドネシア森林火災予防計画プロジェクト」の第二フェーズが進行中であり、その中で、「森林火災早期発見システム」が稼働している。これは、火災発見を衛星データを用いて行い、森林管理を担当する機関に通報するものである(文献2参照)。一方、火災予防の観点からは火災危険度の評価が待たれている。
【0003】
火災危険度評価の基礎となるのは森林植生図であるが、乾燥に対する森林の感受性を評価する必要があることを考えると、単なる森林区分では不十分で、時間を含んだ情報に基づいて危険度を算出することが期待されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の植生の季節変動観測法のための時系列処理手法の開発に対して、その課題について以下に説明する。
【0005】
従来のNOAA/AVHRR あるいはSPOT/vegetation、MODISなどの高頻度観測衛星からのデータによって広域での植生観測が行われている(文献3−13参照)。特に、大規模森林火災や乾燥害などの農業・林業災害は、植生の乾燥の程度に影響されるため、植生の状態を迅速かつ的確に把握する手法の開発は防災面で大きな意味を持っている。しかし、光学センサーでは、雲やヘイズの影響が避けられず、的確な植生分布およびフェノロジーの把握が困難である。特に、熱帯を対象とする場合、数ヶ月間にもわたって雲の影響があり、雨期にはほとんど有効なデータが観測できないこともある。
【0006】
また、従来より広域での植生分布についても数多くの研究がある(文献3−7参照)。例えば、GLCC(Global Land Cover Characteristics data base)があるが、日本にサバンナが出現するなど誤分類が見受けられる(文献7参照)。これも雲の影響を十分に取り除くことができなかったのが原因である。
【0007】
さらに、これまでにも、高頻度観測衛星のデータから雲の影響を取り除いてNDVI(植生指数)の季節変化を抽出する試みがなされている(文献8参照)。例えば、解像度を落として、複数の画素の最大値を取るものや、10日〜1ヶ月のデータの最大値を取るものなどがある。しかし、これらは、解像度が低かったり、データの取得間隔が一ヶ月であったりと即時性の要求される防災データとしては使いにくい。データの合成期間が長くなれば、時間的な分解能が低下する。また、これらは、植生の変動を一週間から10日の間隔で把握する必要のある農林業分野では応用できないという課題がある。
【0008】
また、Fourier展開類似の方法を用いて、植生指数の季節変化を三角関数で表すこともなども行われている(文献9−14参照)。この方法にはどの関数を使うかについて恣意性があり、様々な土地被覆を含む広域データの処理には適していない。また、この方法では、関数の当てはめにおいて、処理に用いる三角関数群はあらかじめ決められており、必ずしも処理に適した関数群が選ばれていないという課題がある。
【0009】
また、16×16などのウインドウを設定し、その中での最大値をウインドウ内のすべての画素値に置き換える方法もある。しかし、このような方法では、空間分解能が低下するという課題がある。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、空間分解能を保持したまま、任意の時間分解能を実現させながら、雲やヘイズの影響を取り除くために、時系列モデルを用いた衛星データ処理手法LMF(Local Maximum Fitting:局所最大値フィッティング)を提案することを目的とする。すなわち、本発明は、画素毎の時系列的な特徴を保存し、原データの時間分解能を完全に保持したまま、雲などの影響およびシステムノイズの除去を目的とするものである。
【0011】
また、本発明は、時間分解能を保持したまま植生などの変動の様子が捉えられるようにすることで、防災、環境、農業分野での広域現状把握、および予測が容易とすることを目的とする。さらに、本発明は、適切な関数を自動的に選択し、ノイズ除去処理を自動で行えるようにすることにより、定常業務の一部分とすることを可能とすることを目的とする。さらに本発明は、水分指数など他の地球高頻度観測衛星のデータにもそのまま転用および応用を可能とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴のひとつとしては、例えば、処理対象画素の時系列データについて、前後n時期について、局所最大値を抽出するフィルターを作用させる。そこで得られた局所最大値群に関数当てはめを行い、画素値を推定する。ある時期に、推定値と実際の画素値のずれが、設定したしきい値よりも大きい場合には雲やシステムノイズの影響とみなしてその時期のデータは採用しない。採用されたデータだけを用いて再度、局所最大値の算出と関数当てはめを行った値で画素値を置き換える。必要であればこの処理を繰り返し、結果が収束するまで行う。
【0013】
本発明の他の特徴としては、例えば、画素毎の時系列的な局所最大値を求め、それらに対して関数の当てはめをくりかえし行うことで、有効なデータだけを用いた推定を行うものである。上記の処理を画像全体に対して行うため、雲やシステムノイズの影響が除去されるという作用を有する。各画素毎の処理は独立しているため、原データの空間分解能は完全に保持される。
【0014】
また、本発明は、時期k近傍の局所的最大値を、時間遅れを少なくするように抽出する作用を有する。これにより、雲などの影響を受けた時期の画素値が除去されるという作用を有する。
【0015】
本発明の第1の解決手段によると、
処理部は、観測対象エリア内の各画素に対応して、衛星による植生の季節変動についての時系列の第1の観測データを記憶した第1の観測データファイルから、画素毎の第1の観測データを読み込むステップと、
【0016】
処理部は、各画素毎に、ある時期又は時点に対応して、該時期又は時点の前後所定期間の局所最大値を抽出することにより時系列の第2の観測データを求め、それを各画素に対応して第2の観測データファイルに記憶するステップと、
【0017】
処理部は、第2の観測データファイルに記憶された第2の観測データを、長期的非周期項及び季節変化項を含む次式の関数を用い、各第1の係数cを最小二乗法又は他の推定法により決定することでフィッティングし、各第1の係数cを第1のパラメータファイルに記憶するステップと、
【0018】
【数10】
Figure 0004003869
[ ここで、
:求める第1の係数
t:時期又は時間
N:周期関数のペア数(この場合sinとcosのペア数):
l:周期関数の仮の番号
:12ヶ月が回帰の整数倍になる数列(例:1,2,3,4,6,12)
M:1年間のデータ数(シーン数) ]
【0019】
処理部は、第1の係数cで定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第1の推定観測データを求め、それを第1の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力、若しくは表示するステップと
を含む地球観測衛星データのノイズ除去方法、これらのステップをコンピュータに実行させるためのノイズ除去処理プログラム、及びノイズ除去処理プログラムを記録した記録媒体が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、植生の季節変動観測のために、時系列モデルを用いた新しい衛星データ処理法を提案する。また、雲の影響を取り除いた植生の季節変動に関する観測データから、火災危険度を算出した。以下、火災危険度評価の基礎となる植生の季節変動観測のための衛星データ処理法について述べる。なお、植生の季節変動観測データとしては、例えば、植生指数データ、水分指数、中間赤外線バンド、熱赤外線輝度バンド、温度データ等である。また、観測データに含まれる可能性がある雑音データは、例えば、雲、霧、雨、ヘイズ等の大気状態に起因するもの、センサ感度等のシステムに起因するもの等である。
【0021】
1. LMFの理論
LMF処理は、時系列フィルタリングと関数によるフィッティング手法を組み合わせたアルゴリズムで、対象画素の時系列データから、雲やヘイズなどの影響を除去し、季節変化パターンを抽出するものである。フィッティングに用いる関数を、(1)式に示す。
【0022】
【数11】
Figure 0004003869
ここで、最初の二項は長期的非周期項、その他の項は季節変化項である。また、各パラメータは、以下の通りである。
:求めるパラメータ:cは平均、cはトレンド係数、それ以外は周期関数のパラメータとなる。
t:利用するデータの時間間隔に基づく時間単位数(10日合成のNOAAデータを用いる場合なら、10日が1単位)
N:周期関数のペア数(この場合sinとcosのペア数):このソフトウェアの構造は周期関数の種類には依存しないため、任意の周期関数と置き換えて利用することが可能。
l:周期関数の仮の番号
:12ヶ月が回帰の整数倍になる数列:1,2,3,4,6,12。これによって、1ヶ月周期、2ヶ月周期、3ヶ月周期、4ヶ月周期、6ヶ月周期および12ヶ月周期の周期関数(sin、cos)が当てはめられる。
M:1年間のデータ数:10日間最大値合成のNOAAデータを用いる場合、1年間36シーンになるため、M=36である。
なお、この場合、シーン数Nと1年間のデータ数Mが一致しないので、一般的な離散 Fourier級数は計算できない。
【0023】
1.1. シミュレーションによる処理特性の評価(文献15参照)
植生指数や熱赤外線輝度温度データでは、観測データには雲などの影響がすでに含まれており、真値は不明である。そこで、本実施の形態では、シミュレーション的手法を用いてフィルタ特性の評価を行った。
まず、図1に、シミュレーションによるフィルタ特性の評価図を示す。例えば、(1)式の係数の組cに、発生した乱数(S11)を代入して、時系列データを10000組発生させる(S12)。解析のパラメータは、一例として、N=54、M=36とした。次に、雲やヘイズの影響を受けた状況をシミュレートするため、ノイズを発生し(S13)、そのノイズを元の値の10%〜70%のものに置き換えて、ノイズが加わった状況をシミュレートした(S14)。ノイズが加算される確率は各時期について0.5とした。そして、ノイズ加算後の時系列データに対して、ノイズ除去処理し(S15)、その結果を調べた(S16)。結果の解析は発生させた係数の組cと、処理後に再生された係数の組c’とについて、単回帰分析を行った。
【0024】
1.2. 最小二乗法によるフィッティング
一般に、ノイズ加算後のデータをそのまま(1)式でフィッティングした場合、どの項も係数の約7割が保存される。これに、(2)式で表されるような局所最大値を抽出するような時系列フィルタを作用させる。なお、この局所最大値の計算式は一例であり、適宜の式を用いることもできる。
【0025】
【数12】
Figure 0004003869
ここで、
’ は時間単位tの時の局所最大値 (第2の観測データ)
は時間単位tの時のデータ値 (第1の観測データ)
w は局所最大値を求める片側時間単位数(ウインドウサイズ)
である。
【0026】
(2)式では、dにおける左右w間のデータの最大値をもとめ、その小さい方を局所最大値としている。この考え方が本発明のひとつの特徴である。本実施の形態では高頻度観測衛星からの観測データd(第1の観測データ)に対して、(2)式のようなフィルタリング処理を実行して局所最大値d’(第2の観測データ)を求め、さらに、(1)式の関数で最小二乗法によりフィッティングして各係数cを求める。これによって、データに影響を与える雲やシステムノイズを軽減して、季節変化する地表の情報として時間単位tに近い時期のデータを自動抽出することができる。
【0027】
1.3. フィッティング関数の自動選択
上述のような式(2)によるフィルタと最小二乗法によるフィッティングを併用したものでは、定数項、一年周期、半年周期項はほぼ回復できるが、それら以外の短周期関数項の係数については保存されない場合がある。これを改善するため、本発明は、さらに以下のように、(1)式の関数のなかで、必要なもの以外はフィッティングに用いないようにしてもよい。なお、最小二乗近似に対しても、適宜のフィッティング方法を用いることができる。
【0028】
いま、最小二乗近似を用いて時系列データを関数でフィッティングすることを考える。フィッティングに用いる関数の個数(種類)が多ければ残差は減少するが、フィッティングした結果は不安定(結果がデータに大きく依存する)となる。赤池らによると、赤池の情報量基準(AIC)が最小となるようなモデルが最適であるとされている(文献16参照)。残差が正規分布に従うと仮定されているから、残差の分散をσとするとAICは、対数尤度とパラメータ数の差で表される(3)式のようになる。
【0029】
【数13】
Figure 0004003869
となる。ただし、
N は所定期間のデータ数
j は用いる関数の個数(周期関数のペア数)
σはオリジナルデータとフィッティングによるデータの残差の分散
本実施の形態ではAICの値が最小になるように、周期関数の組み合わせを自動的に選択するようにした。即ち、この値が最小になるようにjを選ぶようにした。なお、正の定数倍は結果を変えないため問題ない。この例においては、シミュレーションの結果、三ヶ月周期より短い周期の項については改善がみられたが、逆に四ヶ月周期の項についての相関係数は低くなる。
【0030】
図2は、シミュレーション結果の例を示す図である。
1.4. フィッティング処理の繰り返しによる高精度化
本実施の形態ではさらに、処理の高精度化を実現するため、フィッティングを繰り返すアルゴリズムを採用した。最初に、原データに局所最大値抽出フィルタを作用させた後、フィッティングする。その結果(計算値)と、原データとの差をとり、しきい値よりも大きなものを取り除く。データレンジの15〜20%をしきい値とすれば、1年および半年に相当する周期を持つ関数の係数は95%以上、それ以外の短周期成分も80%が回復できることが明らかになった(文献15参照)。
【0031】
1.5. 熱赤外バンドデータの処理
NOAA/AVHRRの熱赤外バンドでは、雲のあるピクセルは温度が低くなる性質を用いれば、NDVIと同じ計算方法を用いればよいと考えられる。したがって、本発明は輝度温度についても処理が可能である。
【0032】
2. カルマンフィルタを用いたLMFアルゴリズムの高精度化
2.1. LMF処理の問題点
LMFは高頻度観測衛星からの植生指数や輝度温度データから雲の影響を軽減し、季節変化パターンを抽出するのに有効な手法である。しかし、処理期間すべてにわたってフィッティング処理を行うため、どうしても平均化された結果が得られてしまう。また、データ収集期間が短い(1年程度)場合には、フィッティングの結果が不安定になりやすく、年々変動の抽出は困難な場合があった。そこで、本実施の形態ではさらに、データ処理に状態空間モデルを採用し、データ処理を行う手法を開発した(文献22参照)。
【0033】
また、データを防災に役立てようとするならば、単に現況を把握するだけでなく、短期的にせよ状況の予測をしながら対策を講じなければならない。したがって、時系列データの解析についても、予測が可能な手法を採用する必要がある。状態空間モデルであれば、この点も問題なく適用することができる。本実施の形態では、一例として、状態空間モデルのパラメータの推定には、Kalmanの提唱した手法であるかルマンフィルタ(Kalman Filtering)を応用するが、それに限らず、適宜の推定法を用いることができる。
【0034】
カルマンフィルタは、人工衛星の軌道・姿勢の予測と制御のように物理的に定式化が可能なものだけでなく、降水量からの洪水予測や経済状況の時間的変化の予想のように、直接に原因と結果の関係が定式化できなくても統計量さえあればモデル構築が可能な点が大きな特徴である(文献22参照)。さらに、
○ 少数の観測値しか得られなくても複雑な数値モデルを構築できる。
○ 最新の観測値によってパラメータ群を更新・最適化するので、周期的でない要因も考慮できる。
などの優れた特徴を有しているので、エル・ニーニョのように非定常的な擾乱要素の影響も含めたモデルの構築が可能である(文献22参照)。
【0035】
2.2. 時系列モデルの設定
高頻度観測衛星データを用いて得られるNDVIの季節変化プロファイルは、三角関数の組み合わせで表現できることがLMF処理の結果から明らかとなった。本実施の形態では、この知見を生かし、離散時変スペクトルの推定技術を応用した(文献23参照)。すなわち、(1)式の係数cの組を状態空間モデルの状態ベクトルと考え、その値の推定(状態推定)をカルマンフィルタによって行う。
【0036】
LMFでは、雲やヘイズの影響のない季節変化プロファイルを、(1)式の形で記述できるとした。ここで、右辺の第二項が非周期的変動を考慮した項である。この式での各係数cは、(1)式では固定であるが、これを時変として、季節変化プロファイルの変動に対応できるようにした。右辺第一項が時変になったことで、トレンドも表現できることから、第二項は削除できる。したがって、(4)式となる。
【0037】
【数14】
Figure 0004003869
ここで、各パラメータは(1)式と同じ、ただしc(トレンド項)は無い。
この式は先のLMFに対して、パラメータcが全て時変変数としたものである。これによって、衛星が代わり、観測センサの感度が変わるなどのシステム変動(システム雑音の一部)があっても、季節変化を追うことができる。この点が、特に、このソフトウェアの画期的なところである。
(4)式のc(t)の時間的変化は自己回帰モデルで現される。
【0038】
【数15】
Figure 0004003869
ただし、aは自己回帰係数、wは平均値0、分散がσの白色雑音(システム雑音)、mは自己回帰モデルの次数。
ここでは、K=0のときのモデル、
【0039】
【数16】
Figure 0004003869
は、酔歩散乱モデル
【0040】
【数17】
Figure 0004003869
と、時刻tと時刻t−1の変化率が等しいと仮定したモデル、
【0041】
【数18】
Figure 0004003869
を折衷したものを採用した。
酔歩散乱モデルだけだとデータの追従性が低下し、年々変動を表すことができない場合がある。また、(7−2)式のモデルだけを採用すると、フィルタリング結果の値が大きく変動しすぎる場合がある。(6−1)式を採用することによって、センサ感度の違いなどのノイズによるデータの急激な変化を押さえられる。
K=0以外の時のモデルは(6−2)式である。
【0042】
【数19】
Figure 0004003869
(t)をシステム雑音とみなすと、観測される値y(t)は、(8)式の状態空間モデルで表すことができる。
【0043】
【数20】
Figure 0004003869
ここで、各パラメータは以下の通りである。
cは求めるパラメータ
Fは予め定められた行列
Λはシステム雑音が、一度しか作用しないようにするための定数行列。
Hは周期関数を表す行列
v(t)は平均0、分散がσvの白色雑音(雲、ヘイズ等の大気の状態な等に起因する観測雑音)
【0044】
【数21】
Figure 0004003869
この点も本発明の汎用性を高める特徴である。これによって、例えば、異なる衛星センサを利用せざるを得ない20年間の衛星データから環境変化を一度に分析できるようになった。
また、各状態変数の雑音の分散Q
【0045】
【数22】
Figure 0004003869
は真値が不明であるが、この値が計算上必要であるので、このプログラムでは処理パラメータとして与えることにする。
三角関数による時変係数推定問題では、複素形式での表記が一般的であり、計算量も半減できるが(文献23参照)、この例では、使用する関数を限定しないアルゴリズムを開発するため、敢えて複素形式にはしなかった。
【0046】
実際にはNDVIデータや熱赤外領域の輝度温度データでは、雲の影響があれば、値が必ず低くなる性質がある。これは、観測雑音v(t)が有色となる可能性を含んでいる。したがって、この状態空間モデルで求められる状態変数の値は、必ずしも最適な量とは言えずに、準最適なものである可能性があるが、データ処理には時系列局所最大値フィルタを併用しているので、観測雑音の有色性は軽減されているものと考える。
【0047】
2.3. カルマンフィルタ
次に、時変係数c(t)を、カルマンフィルタを用いて推定することについて説明する。ここで、c(t|t)を時刻tまでの観測値がわかっている場合の値とすると、一期先の予測はc(t+1|t)となる。
カルマンフィルタは(9)式の通りである。観測値をy(t)とする。
【0048】
【数23】
Figure 0004003869
ここで、V(t)は時刻tにおけるc(t)の共分散行列である。
これらの式を用いれば、H、F、Qのすべての要素があらかじめ定められているとすれば、c(t|t−1)やV(t|t−1)が既知のとき、観測値y(t)から他の量を計算することができる。また、y(t)が何らかの理由で欠損になった場合には、カルマンゲインが計算できないので、(10)式を用いて状態更新を行う。
【0049】
【数24】
Figure 0004003869
ここで、システム雑音の分散σおよび、観測雑音の分散σは未知なので、処理パラメータとみなす。初期値として、
【0050】
【数25】
Figure 0004003869
(ただし、ε>0)
εは正の数(0〜1)、Iは単位行列である。
を用いて最初の計算を行うことがしばしば行われる。
ところで、カルマンフィルタのアルゴリズムを用いて、時間をt=Tからt=1に時間を遡って処理すればデータの平滑化(smoothing)も可能である。それらの式は、
【0051】
【数26】
Figure 0004003869
である。時期1からTまでのデータが取得できており、なおかつ、カルマンフィルタにより、c(t|t)、V(t|t)およびV(t+1|t)などの要素が計算できているとする。(12)式を、t=Tからtを1ずつ減じてゆけば、t=1まで求めることができる。c(t|T)は、得られたデータすべてを用いて推定しているので、一般に、c(t|t)よりも精確な値であることが知られている。
ここで述べた手法をLMF−KF(Local Maximum Fitting with Kalman Filter algorithm)と以後略記する。
この方法で、ベクトルQの要素をすべて10-4程度にすれば、事実上、各状態変数cは変化しなくなるので、従来のLMFの結果を再現することも可能である。計算量は増大するが、LMF−KFはLMFを完全に包含した手法であることがわかる。
また、このLMF−KF法の特徴として、各係数についての自己回帰モデルである(5)式の次数mを上げれば、長期間データ欠損があってもそれらを推定することが可能であり、また、そのままのアルゴリズムでデータ収集期間の終わりからの数年間先の予測までが可能である。
【0052】
2.4. 実際のデータ処理手法
画素毎に行われる、実際のデータ処理の流れを以下に説明する。先にも触れたように、カルマンフィルタルゴリズムの適用にあたって、未知量であるシステム雑音の分散σおよび観測雑音の分散σはパラメータとして与えることにするが、c(1|0)、V(1|0)も必要である。これらの要素を画素毎に推定するのは大変なので、最初に(1)式を適用してLMFにより係数を求めて初期値とする。
【0053】
【数27】
Figure 0004003869
(ただし、ε>0)
ε0は正の数(0〜1)、Iは単位行列である。
本実施の形態では、これらの初期値を用いてフィルタリングと平滑化を一回行って、次回の計算の初期値とする。
【0054】
【数28】
Figure 0004003869
その後、フィルタリングと平滑化を繰り返し、得られたy(t|T)がほとんど変化しなくなったところで値を確定する。(t = 1,2,3,…. ,M(最大シーン数))
このアルゴリズム(LMF−KF)は、LMFと同様に、画素毎に処理が行われるため、LMFの時系列解析のサブルーチンを入れ替えるだけでよい。もちろん、プログラム内でのデータ構造も同じなので、並列化が容易である。
【0055】
3.ハードウェア
図3に、命令列スケジュール処理を実行するための装置の構成図を示す。この装置は、処理部(CPU)1、入力部2、出力部3、記憶部4を備える。処理部1は、CPUであり、命令列スケジュールプログラムによりスケジュールを実行する。記憶部4は、計算パラメータファイル41、第1の観測データファイル42、第2の観測データファイルファイル43、第1の推定観測データァイル44、第2の推定観測データファイル45、第1のパラメータファイル46、第2のパラメータファイル47を有する。
【0056】
4.フローチャート
図4に、実際のデータ処理のフローチャートを示す。なお、破線枠内の処理は、画素毎に行われる。
処理部1は、入力部2又は記憶部4の計算パラメータファイル41から計算パラメータを読み込む(S101)。ここでは例えば、計算パラメータとして、画像数、像ライン数、画像コラム数、関数セット種類数、欠損シーン数、カルマンフィルタ使用時の関数セット数、局所最大値算出時の片側ウインドウサイズ雲検出閾値、カルマンフィルタ処理時の最大繰り返し回数、カルマンフィルタ収束判定値、システムノイズの分散パラメータなどがある。
【0057】
処理部1は、衛星による画素データ毎の植生の季節変動についての時系列な観測データを記憶した記憶部4の第1の観測データファイル42から、画素データ毎の第1の観測データを読み込む(S103)。この観測データは、例えば、植生指数データ、水分指数、中間赤外線バンド、熱赤外線輝度バンド、温度データ等がある。処理部1は、記憶部4の第1の観測データファイル42から、1ライン又は1カラムのデータを読み込み、読み込まれたライン又はカラムのデータを並列演算計算機のパラメータに設定してもよい。
【0058】
処理部1は、式(2)を用いて各画素毎に、ある時期の前後所定期間の局所最大値を抽出し、第2の観測データを得て、第2の観測データファイル43に画素毎に記憶する(S105)。
【0059】
処理部1は、第2の観測データファイル43から第2の観測データを読み出し、これに基づき式(1)の関数にフィッティング処理を実行して各係数cを最小二乗法により決定し、その係数を第1パラメータファイル46に記憶する(S107)。なお、処理部1は、式(3)で示される赤池の情報量基準AICが最小となる周期関数の組み合わせを選択するステップをさらに含むことができる。次のような各ステップが実行される。即ち、
・処理部1は、全ての関数の組み合わせを発生させる第1ステップと、
・処理部1は、各組み合わせに対して最小二乗法を実行してフィッティングに用いられる係数の関数を求める第2ステップと、
・処理部1は、最小二乗法により求めた結果について、それぞれAICを求める第3ステップと、
・処理部1は、AICの最小の組み合わせを使用するフィッティングに用いられる関数として選択する第4ステップと
を含む。
【0060】
また、処理部1は例えば、ステップS105の前又は後若しくはステップS107の前又は後等に、欠測値の補間をしてもよい。さらに欠測値の補間後に、補間修正をしてもよい。さらに、処理部1は、原データとフィッティングされた関数による計算値の差を取り、差がしきい値よりも大きなものを取り除いても良い。また、処理部1は採用すべきデータのみを用いてフィッティング、フィルタリング(カルマンフィルタ)等の各処理を繰り返すことができる。
【0061】
つぎに、処理部1は、定められた係数cに従い、関数によりノイズが除去された推定値を第1推定観測データファイル44に記憶する、又は出力部3に出力若しくは表示する。また、処理部1は、第1パラメータファイル46から係数を読み出し、カルマンフィルタ処理の初期値を式(13)のように設定する(S109)。
【0062】
処理部1は、y(t|T)old とKの値を、ぞれぞれ初期値として0(y(t|T)old=0,K=0)とする(S111)。つぎに、処理部1は、式(9)に基づいて、カルマンフィルタ処理を行う(S113)。さらに、処理部1は、式(12)を用いて、データの平滑化する(S115)。
【0063】
処理部1は、Kの値を1繰り上げる(K=K+1) (S117)。さらに、処理部1は、時期Kに、推定値と実際の画素値のずれを求め、この値によって次に行う処理を判断する。即ち、カルマンフィルタ処理が収束してなく、このずれが予め設定したしきい値εよりも大きい場合には、次にステップS121の処理を行い、一方収束して、しきい値εよりも小さい場合には次にステップS125の処理を行う(S119)。
【0064】
即ち、収束していない場合、処理部1は、計算パラメータc(1|0)とV(1|0)の初期値を更新し(c(1|0)=c(1|T)、V(1|0)=V(1|T))(S121)、さらに、y(t|T)oldの値をy(t|T)old=y(t|T)とする(S123)。一方、収束した場合には、処理部1は、計算結果である推定された係数c(t)を第2のパラメータファイル47に記憶し、ノイズを除去した推定された観測値を第2の推定観測データファイル45に記憶する、又は、出力部3に出力若しくは表示する(S125)。
【0065】
5. 実際の衛星データ処理例
LMF処理を行うためには、地理補正、センサー補正済みであることが必要である。すべてのシーンで、それぞれの画素の地理座標が揃っている必要がある。そのようなデータは、農林水産研究計算センター衛星データアーカイブシステムであるSIDaB(文献17,18参照)、Pathfinder プロジェクト(文献19参照)、USGS(文献20参照)などのwebサイトからネットワークを通じて入手できる。また、SPOT/vegetationであれば、切り出し範囲と投影法が揃っていれば、ほとんど前処理なしでLMF処理することが可能である。
【0066】
計算上、LMF処理を行うには、最低1年分(10日間合成で36シーン)が必要である。特に雲の影響が強い熱帯では、1年半(54シーン)以下では、結果が期待できない。3年以上のデータの蓄積があれば、一ヶ月程度のシーン欠損があってもほぼ問題なく処理することが可能である。計算はかなり膨大なものになるので、並列機などの使用が望ましい。(並列機を用いての処理については付記を参照のこと)
【0067】
5.1. Pathfinder データ
図5に、LMF処理前後のNDVIデータ図を示す。この図は、Pathfinderデータ(8km NOAA/AVHRR 10日間合成)を用いてNDVIのLMF処理を行った例である。対象画素としては、北緯36.31度、東経136.92度(岐阜県大野郡白川村)を選んだ。データ収集期間は95年1月上旬〜99年12月下旬の180シーンを用いた。
【0068】
Pathfinder データには、画素毎に、データ取得時の雲の有無についてのフラグ(CLAVR データ)が添付されている。CLAVRの値が、1〜11 は“cloudy”、12〜22は”mixed”、23〜31は”clear”にカテゴリが分かれている(文献21参照)。雪の影響の無い、95年5月〜9月のNDVIデータについて、日本付近を例に取り、LMF処理の精度について検証した。
【0069】
図6に、LMF処理前後のデータの相関図を示す。この図は、処理データのNDVIを横軸にとり、LMF処理済みデータを縦軸としたものである。処理前のNDVIについて0.01毎に区間を区切り、その区間に属する同じ時期、同一画素のLMF処理後のNDVIの平均値と標準偏差をプロットした。雲の影響のない“Clear”カテゴリに属する画素では、LMF処理前後の値に高い相関が見られるのに対し、部分的に雲が混ざった“Mixed”や雲に覆われた”Cloudy”カテゴリに属する画素ではLMF処理後の値が高くなっている。
【0070】
雲に覆われた画素のNDVIの真値を知ることは不可能であるが、少なくとも、雲の影響の無い画素については、LMF処理の前後でほぼ値が保存されている。
【0071】
熱赤外バンドデータの処理:
図7に、AVHRR/Ch4のデータをLMF処理したデータ図を示す。この図によると、NDVIの時と同様、雲などの影響が軽減されていることがわかる。
最小値画像:
これまで、NDVI最大値画像は作られてきたが、NDVI最小値画像は雲の影響を受けた画素ばかりを集めてしまうために、意味づけをすることはできなかった。LMF処理により雲の影響を除去することではじめて、意味のある最小値画像が得られたことになる。
ここで得られたNDVI最小値画像は、年間を通じて植物が多く存在するか否かを示している。また、NDVIだけでなく、熱赤外バンドの輝度温度に関しても、LMF処理済みデータであれば、最小値の意味づけが可能である。
【0072】
5.2. USGS 1km 全球AVHRRデータ
米国地質調査所(USGS)にアーカイブされている1km解像度の AVHRR のNDVIについて、タイ周辺のデータの処理前と処理後のものを比較したところ、タイは10月〜3月までが乾期、4月〜9月までが雨期であるが、雨期の雲の影響を抑えて植生が繁茂する様子がよく捉えられている。また、データの欠損や原データにおけるパス間の質の違いも吸収できていることがわかる。また、1画素毎に、NDVIの最小値と最大値、季節変化パターンが得られるので、植生タイプの分類だけでなく、植生の乾燥度や植生由来の地上可燃物量についての知見を得ることができる。
【0073】
5.3. 実際のデータ処理例:Pathfinderデータの処理
図8は、PathfinderデータのNDVIをLMF−KF処理した結果を示す図である。LMFとLMF−KFの結果を比較すると、LMF処理の結果が95年〜99年の5年間の平均的な季節変化を表しているのに対し、LMF−KFでは、雲の影響を取り除きながら、年々変動にも追従している。注目すべきは、96年早春は値の立ち上がりが遅く、98年では逆に値の立ち上がりが早いのがはっきり現れていることである。過去の気象データによると、96年は北陸地方の積雪量は例年と比較して多かったが、98年早春はエル・ニーニョ現象によって暖冬となり、積雪量が異常に少なかったことが報告されている。
【0074】
また、図9は、AVHRR/Ch4輝度温度データをLMF−KF処理した結果を示す図である。NDVIデータと同じ傾向を示しており、LMF−KF では96年、98年の特徴がはっきりと現れている。
【0075】
本実施の形態では、ボルネオ周辺のNDVIデータについて、95年〜99年の5年間のLMF−KF処理を行い、1年毎にカラー合成をしたものを求めたところ、95年〜99年になるにしたがって、年間を通じてNDVIの高い場所が減少し、代わって、植生指数の低い赤色の部分が増加している。また、季節変動の大きいことを示す白っぽい部分も増えている。98年以降、ボルネオ島東部に植生の少ない地域が増えている。これは98年にエル・ニーニョ現象のため大規模森林火災が発生したが、その延焼地域を表している。
【0076】
LMF処理を用いれば年々変動の解析も可能であるが、データを期間毎に切り出して個別に処理する必要があった。さらには、処理の性質としてデータの収集期間が短くなると結果に雲の影響が含まれやすくなる(モデルが不安定化する)ことや、データ収集期間のつなぎ目での計算値の整合性がとれない場合があった。
【0077】
しかし、LMF−KFでは、長期間のデータを一度に処理しても、それぞれの年の特徴が抽出できることが示された。データの収集期間が長いので、モデルの不安定性が軽減されるためであると考えられる。
【0078】
6. 時系列データ処理法のまとめ
今回開発した、時系列フィルタと状態空間モデルを用いた、高頻度観測衛星データ処理法では、データ処理期間全体の平均的な季節変化を捉えるだけでなく、雲やヘイズ、システムノイズなどの影響を抑えながら、年々変動の抽出も可能であることがわかった。
【0079】
この方法により、植生指数だけでなく、熱赤外バンドの輝度温度データについても衛星データから季節変動プロファイルを抽出できるようになったが、これにより、一週間〜10日毎の時間間隔で全球規模の植生環境の変動を監視することがはじめて可能となった。特に、大規模森林火災や乾燥害などの農業・林業災害は植生の乾燥の程度に影響されるため、植生の状態を迅速かつ的確に把握する手法の開発は防災面で大きな意味を持っている。
【0080】
植生指数や輝度温度の季節変動データから、森林火災危険度を算出できるが、それについては次節で述べる。
また、植生指数の季節変動パターンの分類によって、広域での土地被覆分類も可能である。
【0081】
LMFおよび LMF−KFは、画素毎に処理が独立しているため、並列機に適している。したがって、MODISなど、従来より解像度の高い高頻度観測衛星データについても、時間をかけずに処理が行える利点がある。
【0082】
7. 輝度温度データを用いた火災検出
つぎに、LMFおよびLMF−KFによって処理されたデータの活用、特に輝度温度データを用いた火災検出の高精度化について言及する。
DMSP/OLSでの雲域の自動推定:
【0083】
DMSP/OLS での雲域除去は、特定のしきい値を定めるか、NOAA/NGDCから配信される全球地表面温度データと比較することで行っている。前者の方法では、しきい値の設定に恣意性があったり、雲除去が適切に行われないなど、精度において問題がある。一方、配信される全球地表面温度データは、配信時刻が衛星データと同時でなく1日程度遅れており、リアルタイム処理には間に合わない。また、地上観測での地表面温度と衛星で観測される熱赤外バンドの
輝度温度は必ずしも同じ物理量ではない。
【0084】
DMSP/OLSの熱赤外輝度温度をLMF処理しておけば、各時期、各画素での雲の影響のない値が得られるので、雲の判定は単純にしきい値を設定すれば足りる。また、観測波長の問題はあるが、次節に示す方法により、熱によっても火災検出が可能になる可能性がある。
NOAA/AVHRR での火災検出アルゴリズムの単純化:
【0085】
現在、NOAA/AVHRR でのホットスポット検出は、単純に輝度温度にしきい値を設定するものや、バンド間演算をしたもので判断するものが多い(文献24参照)。この方法では、どうしても、裸地や火口、人口構造物(石油および製鉄プラント)などの火災でないものも検出してしまう欠点がある。これらを回避するため、複雑な火災検出アルゴリズムも開発されているが24)、演算量の点から、リアルタイム処理には適していない。さらには、土地被覆によって火災検出に用いるしきい値だけでなく、アルゴリズムも変更する必要があるとの指摘もなされている。これを実現することを考えた場合、特定の狭い範囲で火災検出システムを構築することは可能であっても、国レベルの広域を対象にすることは困難である。
【0086】
ここで、LMF処理済みの、雲無しの輝度温度データがあれば、それらは、対象となる画素の土地被覆や緯度、標高などの影響がすでに含まれているので、単純にしきい値を設定するだけでも火災精度の向上が期待できる。また、次節以下で述べる方法により、画素内の火災割合を算出することも可能となる。
衛星データによる小規模火災の検出:
【0087】
Prince らが、静止気象衛星 GOES を用いてブラジルの森林火災監視を行っている(文献25参照)。一般に、静止気象衛星は高度が非常に高いため、解像度は低くなってしまうが、画素内の火災割合を算出することで、NOAA/AVHRR と同程度の火災検知を可能にしている。ここで、熱赤外バンドiでの、温度Tの黒体の分光放射輝度をL(T)、画素内の火災割合をpとすると、
Li(Tobs)=p・Li(Tfire)+(1−p)・L(T) (15)
の式が成り立つ。ただし、Tobsは観測されたものの温度、Tfireは火災温度、Tは画素内の火災のない部分の温度である。この式には、未知数がp、Tfire、Tの3個あるので、熱赤外バンドは3つ必要である。しかし、Princeらは、Tfire=400(K)、Tを周囲の比較的低温な画素の平均と仮定して火災割合を算出している。しかし、これでは、火災のない場合、対象となる画素と、その周囲の画素の温度が同じであることを仮定している。換言すれば、対象となる画素と、その周囲の画素の土地被覆や標高が同一であることになるが、この仮定が成り立つ場所はかなり限られてくる。ここで、Tとして、対象となる画素の同時期のLMF処理された値を使えば、DMSP/OLSのように熱赤外バンドが一つしかなくても、火災割合pを算出することが可能になる。また、NOAA/AVHRRのように、複数の熱赤外バンドがあれば、火災割合と火災温度の両方を算出することが可能である。
【0088】
NOAA/AVHRRでは、センサーが飽和してしまう温度が低いため、火災温度の推定は困難であるが、MODIS等の新型センサーでは、火災温度による消火優先度の設定なども考えられる。
この方法は、GMS−5の後継機(MTSAT)のデータにも応用が可能であり、毎時の火災情報提供への応用が期待できる。
【0089】
8.付記及び参考文献
本発明の地球観測衛星データのノイズ除去方法又は地球観測衛星データのノイズ除去装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラム、地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
以下に、参考文献を示す。
【0090】
1) インドネシア森林火災予防プロジェクト、“インドネシア国立公園森林火災調査報告書”、国際協力事業団、1998
2) 沢田治雄、“大規模森林火災へのリモートセンシングの利用”、森林科学、24、22-28、1998
3) 本多嘉明、村井俊治、加藤喜久雄、“世界植生モニタリング」、日本写真測量学会誌「写真測量とリモートセンシング」、31、1、4-14、1992
4) Defries,R. S. and J. R. G. Townshed, “NDVI-derived land cover classifications at a global scale”, Int. J. Remote Sens., 15, 3567-3586, 1994.
5) Myneni, R. B., C. J. Tucker, G. Asrar and C. D. Keeling,“Interannual variations in satellite-sensed vegetation index data from 1981 to 1991”, J. Geophys. Res., 103, D6, 6145-6160, 1998.
6) Los, S. O., C. O. Justice and C. J. Tucker, “A global 1 deg. by 1 deg. NDVI data set for climate studies derived from the GIMMS continental NDVI Data.”, Int. J. Remote Sens., 15, 3493-3518, 1994.
7) GLCC web site : http://edcdaac.usgs.gov/glcc/globdoc1_2.html
8) Viovy, N., O. Arino and A. S. Belward, “The Best Index Slope Extraction (BISE): A method for reducing noise in NDVI time-series”, , Int. J. Remote Sens., 13, 1585-1590, 1992.
9) 李 雲慶、大沼一彦、安田嘉純、“時系列植生指数データのフーリエ解析”、日本写真測量学会誌「写真測量とリモートセンシング」、31、4、4-14、1992
10) Sellers, P. J., C. J. Tucker, G. J. Collatz, S. O. Los, C. O. Justice, D. A. Dazlich and D. A. Randall, “A global 1 deg. by 1 deg. NDVI data set for climate studies. Part 2: The generation of global fields of terrestrial biophysical parameters from the NDVI”, Int. J. Remote Sens., 15, 3519-3545, 1994.
11) Verhoef, W., M. Menenti and S. Azzali, “A colour composite of NOAA-AVHRR-NDVI based on time series analysis (1981-1992)”, Int. J. Remote Sens., 17231-225, 1996.
12) Ricotta, C., G. Avena and A. De Palma, “Mapping and monitoring net primary productivity with AVHRR NDVI time-series: statistical equivalence of cumulative vegetation indices”, ISPRS J. Photogramm. Remote Sens., 54, 325-331, 1999.
13) Azzali, S. and M. Menenti, “Mapping vegetation-soil-climate complexes in southern Africa using temporal Fourier analysis of NOAA-AVHRR NDVI data”, , Int. J. Remote Sens., 21, 973-996, 2000.
14) Roerink, G. J., M. Menenti and W. Verhoef, “Reconstructing cloudfree NDVI composites using Fourier analysis of time series”, Int. J. Remote Sens., 21, 1911-1917, 2000.
15) 澤田義人、沢田治雄、斎藤英樹、“高頻度観測衛星による植生の季節変動観測”、日本写真測量学会講演論文集、2000秋季、209-212、2000
16) 北川源四郎、“FORTRAN77 時系列解析プログラミング”、岩波書店、第5章、1993
17) http://www.affrc.go.jp/Agropedia/
18) 児玉正文、宋 献方、“農林水産リモートセンシングデータベースシステムの構築”、日本リモートセンシング学会第28回学術講演会論文集、259-260、2000
19) Pathfinder web site:
http://daac.gsfc.nasa.gov/CAMPAIGN_DOCS/LAND_BIO/GLBDST_main.html
20) http://edcdaac.usgs.gov/1KM/1kmhomepage.html
21) Agbu, P. A. and M. E. James, “NOAA/NASA Pathfinder AVHRR Land Data Set User's Manual. Goddard Distributed Active Archive Center”, NASA Goddard Space Flight Center, Greenbelt, 1994.
http://daac.gsfc.nasa.gov/CAMPAIGN_DOCS/LAND_BIO/AVHRR_GD.pdf
22) 北川源四郎、“FORTRAN77 時系列解析プログラミング”、岩波書店、第9章、1993
23) 西山清、“周波数が既知である成分のみを含む時変スペクトルの一推定法”、電子情報通信学会論文誌、J74-A、6、916-918、1991
24) Martin, M. P., P. Ceccato, S. Flasse and I. Downey, “Fire detection and fire growth monitoring using satellite data”, Remote Sensing of Large Wildfires in the European Mediterranean Basin, E. Chuvieco (ed.), Splinger-Verlag, chapt. 6, 1999.
25) Prins, E. M. and W. P. Menzel, “Geostationary satellite detection of biomass burning is South America”, Int. J. Remote Sens., 13, 2783-2799, 1992.
【0091】
【発明の効果】
本発明によると、高頻度観測衛星からのデータの画素毎の時系列的な特徴を保存し、時間分解能を完全に保持したまま、雲などの影響およびシステムノイズの除去をすることができる。
また、本発明によると、時間分解能を保持したまま植生などの変動の様子が捉えられるため、防災、環境、農業分野での広域現状把握、および予測が容易となる。さらに、本発明によると、適切な関数を自動的に選択し、ノイズ除去処理を自動で行えるものであり、定常業務の一部分とすることが可能である。さらに本発明によると、水分指数など他の地球高頻度観測衛星のデータにもそのまま転用および応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シミュレーションによるフィルタ特性の評価図
【図2】シミュレーション結果の例を示す図
【図3】命令列スケジュール処理を実行するための装置の構成図
【図4】データ処理のフローチャート
【図5】LMF処理前後のNDVIデータ図
【図6】LMF処理前後のデータの相関図
【図7】AVHRR/Ch4のデータをLMF処理したデータ図
【図8】PathfinderデータのNDVIをLMF−KF処理した結果を示す図
【図9】AVHRR/Ch4輝度温度データをLMF−KF処理した結果を示す図
【符号の説明】
1 処理部
2 入力部
3 出力部
4 記憶部
41 計算パラメータファイル
42 第1の観測データファイル
43 第2の観測データファイル
44 第1の推定観測データファイル
45 第2の推定観測データファイル
46 第1のパラメータファイル
47 第2のパラメータファイル

Claims (11)

  1. 処理部は、観測対象エリア内の各画素に対応して、衛星による植生の季節変動についての時系列の第1の観測データを記憶した第1の観測データファイルから、画素毎の第1の観測データを読み込むステップと、
    処理部は、各画素毎に、ある時期又は時点に対応して、該時期又は時点の前後所定期間の局所最大値を抽出することにより時系列の第2の観測データを求め、それを各画素に対応して第2の観測データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、第2の観測データファイルに記憶された第2の観測データを、長期的非周期項及び季節変化項を含む次式の関数を用い、各第1の係数cを最小二乗法又は他の推定法により決定することでフィッティングし、各第1の係数cを第1のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    :求める第1の係数
    t:時期又は時間
    N:周期関数のペア数(この場合sinとcosのペア数)
    l:周期関数の仮の番号
    :12ヶ月が回帰の整数倍になる数列(例:1,2,3,4,6,12)
    M:1年間のデータ数(シーン数) ]
    処理部は、第1の係数cで定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第1の推定観測データを求め、それを第1の推定観測データファイルに記憶する、又は、出力部に出力若しくは表示するステップと
    を含む地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  2. 処理部は、第2の観測データについて次式の時系列の状態空間モデルを適用し、該状態空間モデルの各第2の係数c(t)を推定する処理を実行し、各第2の係数c(t)を第2のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    (t):求める第2の係数
    (t):システム雑音
    y(t):観測される値
    v(t):平均0、分散がσの白色雑音(観測雑音)
    Figure 0004003869
    ]
    処理部は、第2の係数c(t)で定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第2の推定観測データを求め、それを第2の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力、若しくは表示するステップ
    をさらに含む請求項1に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  3. 時刻kに対応して、時期k−nから時期kまでのデータについて最大値を抽出するステップと、
    時刻kに対応して、時期kから時期k+nのデータについて最大値を抽出するステップと、
    時刻kに対応して、得られたこれら二つの最大値のうち、値の小さいものを局所的最大値とするステップと、
    を含む請求項1又は2に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  4. 時期kに、推定値と実際の画素値のずれが、設定したしきい値よりも大きい場合には雲やシステムノイズの影響とみなしてその時期の観測データは採用しないようにして、採用されたデータだけを用いて再度、係数及び/又は推定観測データを求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  5. 前記第1の観測データは、植生指数データ、水分指数、中間赤外線バンド、熱赤外線輝度バンド、温度データのいずれか又は複数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  6. 前記雑音データは、雲、霧、雨、ヘイズ等の大気状態に起因するもの、及び/又は、センサ感度等のシステムに起因するものを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  7. 処理部は、観測データおよび推定データの複数を組み合わせて出力部に出力又は表示するステップをさらに含む請求項1又は2に記載の地球観測衛星データのノイズ除去方法。
  8. 処理部は、観測対象エリア内の各画素に対応して、衛星による植生の季節変動についての時系列の第1の観測データを記憶した第1の観測データファイルから、画素毎の第1の観測データを読み込むステップと、
    処理部は、各画素毎に、ある時期又は時点に対応して、該時期又は時点の前後所定期間の局所最大値を抽出することにより時系列の第2の観測データを求め、それを各画素に対応して第2の観測データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、第2の観測データファイルに記憶された第2の観測データを、長期的非周期項及び季節変化項を含む次式の関数を用い、各第1の係数cを最小二乗法又は他の推定法により決定することでフィッティングし、各第1の係数cを第1のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    :求める第1の係数
    t:時期又は時間
    N:周期関数のペア数(この場合sinとcosのペア数):
    l:周期関数の仮の番号
    :12ヶ月が回帰の整数倍になる数列(例:1,2,3,4,6,12)
    M:1年間のデータ数(シーン数) ]
    処理部は、第1の係数cで定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第1の推定観測データを求め、それを第1の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力若しくは表示するステップ
    をコンピュータに実行させるための地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラム。
  9. 処理部は、第2の観測データについて次式の時系列の状態空間モデルを適用し、該状態空間モデルの各第2の係数c(t)を推定する処理を実行し、各第2の係数c(t)を第2のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    (t):求める第2の係数
    (t):システム雑音
    y(t):観測される値
    v(t):平均0、分散がσの白色雑音(観測雑音)
    Figure 0004003869

    処理部は、第2の係数c(t)で定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第2の推定観測データを求め、それを第2の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力若しくは表示するステップ
    をさらにコンピュータに実行させるための請求項に記載の地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラム。
  10. 処理部は、観測対象エリア内の各画素に対応して、衛星による植生の季節変動についての時系列の第1の観測データを記憶した第1の観測データファイルから、画素毎の第1の観測データを読み込むステップと、
    処理部は、各画素毎に、ある時期又は時点に対応して、該時期又は時点の前後所定期間の局所最大値を抽出することにより時系列の第2の観測データを求め、それを各画素に対応して第2の観測データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、第2の観測データファイルに記憶された第2の観測データを、長期的非周期項及び季節変化項を含む次式の関数を用い、各第1の係数cを最小二乗法又は他の推定法により決定することでフィッティングし、各第1の係数cを第1のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    :求める第1の係数
    t:時期又は時間
    N:周期関数のペア数(この場合sinとcosのペア数):
    l:周期関数の仮の番号
    :12ヶ月が回帰の整数倍になる数列(例:1,2,3,4,6,12)
    M:1年間のデータ数(シーン数) ]
    処理部は、第1の係数cで定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第1の推定観測データを求め、それを第1の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力、若しくは表示するステップ
    をコンピュータに実行させるための地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 処理部は、第2の観測データについて次式の時系列の状態空間モデルを適用し、該状態空間モデルの各第2の係数c(t)を推定する処理を実行し、各第2の係数c(t)を第2のパラメータファイルに記憶するステップと、
    Figure 0004003869
    [ ここで、
    (t):求める第2の係数
    Wk(t):システム雑音
    y(t):観測される値
    v(t):平均0、分散がσの白色雑音(観測雑音)
    Figure 0004003869

    処理部は、第2の係数c(t)で定められた前記関数に従い、第2の観測データから雑音データを除去した第2の推定観測データを求め、それを第2の推定観測データファイルに記憶する、又は出力部に出力、若しくは表示するステップ
    をさらにコンピュータに実行させるための地球観測衛星データのノイズ除去処理プログラムを記録した請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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