JP4001527B2 - Wheel manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道走行用車輪、それを備えた移動体、および、車輪の製造方法に係り、特に、鋼製レールとの間に高い摩擦係数を有し、かつ、高い強度を備えた軌道走行用車輪、それを備えた移動体、および、車輪の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軌道(レール)上を走行する移動体としては、人、物等を搭載して搬送する車両、位置を変えて作業を行なう作業機等がある。これらの移動体には、レール上を自走するための駆動輪を備えているものがある。通常、この種の自走式の移動体、例えば、機関車は、機関車の重量と車輪の摩擦係数との積が牽引力となる。
【0003】
ところで、レールと、レール上を走行する移動体、例えば、機関車の車輪とは、双方とも鋼製であることが一般的である。その場合、車輪とレールとの摩擦係数(以下、「μ」と表記することがある。)は、0.2ないし0.3未満である。しかし、この程度の摩擦係数では、十分でない場合がある。例えば、急勾配を走行する機関車等の移動体の場合、登坂能力を大きくするためには、牽引力を高める必要がある。しかし、レールと車輪との間の摩擦係数の大きさに限界があるため、必要以上に機関車の重量を増加させなければならないという問題がある。一方、荷重の大きな移動体の場合、慣性が大きいため、加速に時間がかかると共に、停止する際にも、長い制動距離を必要とする。この場合にも、レールと車輪との間の摩擦係数を高めることが望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、レールと車輪との間の摩擦係数を高めるために、車輪のレールと接触する踏面の摩擦係数を高くすることが考えられる。例えば、μが0.4程度の材料、例えば、ウレタンゴムを、車輪の踏面に装着することが考えられる。しかしながら、ウレタンゴムがその踏面に形成された車輪を使用する場合に、ウレタンゴムが発熱し、その寿命が短いという問題がある。
【0005】
一方、車輪自体の材質を変えて、摩擦係数を向上することが考えられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いて車輪を形成することが考えられる。これによれば、μを増大することができる。しかし、これらの材料は、耐磨耗性が悪く、寿命も短いという問題がある。
【0006】
一方、本出願人は、車輪の少なくとも踏面部分に、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を用いることで、上述した問題が解決できることを提案した(WO98/26944)。
【0007】
本発明は、前記提案した車輪をさらに改善するものである。すなわち、高い摩擦係数を確保しつつ、耐久性をより向上させた車輪の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、
車輪本体の外周に摩擦増強材を設けた車輪の製造方法において、
前記車輪本体の外周面に、当該外周に沿って開口する凹部を形成し、
前記凹部が設けられた車輪本体を、耐圧性を有する型に収容すると共に、該型内に、アルミニウム合金中にセラミック粒子を含有するセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を溶融状態で注入して、前記凹部内に流入させ、
前記型内のセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を加圧しつつ固化させ、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料が凹部に充填された車輪本体を型から取りだし、
前記車輪の外周に沿う面を切削して踏面を形成すること
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。以下の説明では、本発明を、トンネル工事などの工事現場において、資器材等の搬送に用いられるバッテリー式機関車に適用した例について説明する。もちろん、本発明は、これに限定されるものではない。機関車、電車等の各種車両、掘削、荷役等を行う自走式作業車、資器材等を搬送する自走式搬送機等の、レール上を移動する種々の移動体に適用することができる。なお、本発明は、工事現場、工場等において、工事、作業等に用いられる作業用の移動体に限られない。例えば、旅客用の車両にも適用可能である。具体的には、急勾配区間を走行する車両、制動距離を短くする必要のある高速走行車両等に適用され得る。
【0010】
図5に示すように、本発明が適用される車輪を用いたバッテリー機関車10は、トンネル掘削工事において、縦坑100と切羽120間の横坑130内において、資材Mや作業員(図示せず)などを運搬するためのトンネル内工事用のものである。横坑130内には、軌道としてレール150が敷設されており、機関車10は、このレール150上を走行する。
【0011】
レール150は、いわゆるT型レールであり、底部、底部のほぼ中央から起立する腹部、および、腹部の上に設けられ、その頂面で車輪と接触する頭部を備えている。また、このレールは、複数の枕木に載置され、ボルト、イヌ釘などにより枕木に固定されている。
【0012】
上述したようなバッテリー機関車に使用される、第1の実施形態にかかる車輪について、以下に説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる車輪の部分正面図、図2は、車輪の一部を截断した断面図、図3は、車輪の踏面形成部を示す部分断面図である。
【0013】
第1の実施形態の車輪20は、車輪本体21と、車輪本体21の外周部に設けられる摩擦増強材25とを有する。車輪本体21の外周部は、前記摩擦増強材25と共に、レールの頭部の頂面と接触する踏面形成部230を構成している。
【0014】
車輪本体21は、例えば、マンガン鋳鋼SCMn2により形成される。車輪本体21には、車軸S(図6参照)の端部を受け入れて、これを装着するための貫通孔22を備えている。また、車輪本体21の外周部には、フランジ26が形成される。フランジ26の踏面形成部側の表面は、踏面形成部230のレール接触面230a(以下、踏面という)と滑らかに連なっている。
【0015】
踏面形成部230は、車輪本体21の外周部に形成される。外周部には、それに沿って開口する凹部241〜243が設けられる。凹部241〜243内には、摩擦増強材25が充填される。踏面形成部230は、車輪本体21の外周部がそのまま残った車輪本体露出部231〜234と、摩擦増強材25とにより構成される。摩擦増強材25は、車輪本体21に比べて相対的に大きい摩擦係数を有し、摩擦力を増大させる。一方、車輪本体露出部231〜234は、摩擦増強材25に比べて相対的に大きい強度を有する。
【0016】
また、図2に示すように、踏面形成部230は、車輪本体21の外周部において露出する車輪本体露出部231〜234と、それらの間にあって、交互に露出する摩擦増強材露出部251、252、253(前記凹部241〜243の開口部分)とにより構成される。この踏面形成部230は、全体として、レールの頭部の頂面と接触する踏面230aを構成している。踏面230aは、例えば、1/20の勾配をなしている。この踏面230aには、図2に示すように、車輪本体露出部231〜234と、摩擦増強材露出部251〜253が交互に並ぶ環状パターンが表れる。
【0017】
凹部241〜243は、外周に沿って開口する溝状に形成される。この例では、各凹部241〜243は、外周の全周に渡って連続的に設けられる。凹部の数は、3本に限られない。また、必ずしも連続的であることが要求されるわけではない。矩形状の開口部が一定間隔で外周全周に渡って配置される構造としてもよい。
【0018】
踏面形成部230における凹部241から243が占める割合は、凹部の開口幅、車輪本体21の強度と、摩擦力との関係に基づいて予め決められる。本実施形態では、3本の凹部241〜243が配置されている。これらの凹部241〜243は、一定の間隔を空けて、車輪本体21の軸方向に並ぶ。
【0019】
また、本実施形態では、図2に示すように、凹部241〜243は、その深さが、その開口幅より大きい深溝構造となっている。さらに、図3に示すように、フランジ26と逆の面側に、湯口245が設けられている。この湯口245は、摩擦増強材25を充填する際に、後述する溶融摩擦増強材250が円滑に注入できるようにするためのものである。したがって、この湯口245は、複数個設けられている。また、湯口245は、前述した凹部241から243のすべてに連通している。
【0020】
前記凹部241〜243、および、それらと湯口245との連通部に、摩擦増強材25が配置される。具体的には、後述するように、溶融摩擦増強材250が凹部空間に充填される。その結果、摩擦増強材25は、凹部241〜243の開口面において、その一部が踏面230aに露出する状態となる。これにより、この露出した部分である摩擦増強材露出部251、252および253が、図2、図6に示すように、縞状の環状パターンを構成する。
【0021】
この実施の形態における車輪20および踏面形成部230の大きさの一例を挙げる。フランジ26の最外周での車輪の外径は、約470mmであり、踏面形成部230の外径は、約420mmである。また、踏面形成部230の厚さは、約67mmである。そして、凹部241〜243の開口幅は、約9mm、そして、これらの凹部241〜243は、踏面形成部230の両端から10mm、そして、互いに10mm間隔を空けて配置される。また、凹部241〜243の深さ(すなわち、踏面230aから凹部241〜243の底部244までの長さ)は30mmである。なお、本発明は、車輪の大きさに限定されない。本発明者らは、外径として約300mmから660mmの大きさのものに適用して、車輪を実際に製作し、登坂力、制動距離等の性能を確認している。
【0022】
次に、この実施の形態にかかる車輪本体21の構成、および、その製造について説明する。この実施の形態においては、摩擦増強材25は、セラミック粒子を含有するアルミ複合材、すなわち、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を含む材料により構成される。なお、これに他の材料を混在させることもできる。一方、車輪本体21は、鉄を主成分とする金属、例えば、マンガン鋳鋼SCMn2により形成される。なお、他の材料、例えば、炭素鋼S45Cにより形成することもできる。
【0023】
まず、前述した材料からなる車輪本体21に、その外周面について、切削加工を行って3本の溝を、間隔を空けて全周に渡って設ける。すなわち、当該外周に沿って開口する凹部241〜243を設ける。また、図1および図3に示すように、湯口245を、凹部241〜243に連通させて穿孔する。この湯口245は、本実施形態では、16個設ける。
【0024】
次に、車輪本体21の凹部241〜243に、摩擦増強材25を配置する。ここでは、溶湯鍛造法により行う。
【0025】
溶湯鍛造法とは、金属製品の形成法の一種であり、金型内の空間に、溶融または半溶融状の金属を流し込み、高圧力を加えて金属を凝固させる方法である。
【0026】
この実施の形態における溶湯鍛造法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を溶融し、この状態で、溶融されたアルミニウムまたはアルミニウム合金を同程度の温度に予め加熱された型に入れ、高い圧力(例えば、1000kg/cm2程度)を加えて、ある程度の時間(例えば、8分程度)保持して、溶湯を凝固させる方法である。この方法によると、溶湯を高圧下において、短時間で凝固させるため、金属、合金組織が緻密で、鋳巣の少ない鋳造物を得ることができる。図7にそのための装置を概念的に示す。
【0027】
図7に示すように、ベース520上に、車輪本体21を配置し、その上にガイド部材521が配置される。そして、回りを耐熱性および耐圧性を有するモールド型510aおよび510bで囲む。この状態で、型510b内に、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を溶融状態で注入する。そして、ピストン530により、溶融したセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料250を加圧する。例えば、1000kg/cm2程度の圧力がかけられる。これにより、図8に示すように、溶融したセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料(溶融摩擦増強材250)が車輪本体21の空間内に充填される。加圧状態を保持し、その後、冷却して、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を凝固させる。
【0028】
なお、ピストン530には、前記ガイド部材521との対向面に、当該ガイド部材521の上端側を収容できる凹部531が設けられている。
【0029】
この後、ピストン530を退避させ、型510aおよび型510bを外し、車輪本体21を取り出す。なお、車輪本体を取り出しやすくするため、前述した型510b、ガイド部材521、ベース520、および、ピストン530の凹部側の面には、離型材を予め設けるようにしてもよい。
【0030】
この後、公知の熱処理法であるT6の処理を行う。そして、必要に応じて、外面を整形加工処理する。これにより、車輪本体21の凹部241〜243に固化したセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料(摩擦増強材25)が配置された踏面形成部230が得られる。このとき、摩擦増強材25は、鋳巣が無く、緻密な構造となる。そのため、強度が大幅に向上する。
【0031】
ここで、溶湯鍛造により凹部241〜243に充填する摩擦増強材25について説明する。
【0032】
摩擦増強材25を構成するためのセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料(以下、アルミ複合材と称する)には、ALCAN社から入手可能な、DURALCAN(登録商標)がある。DURALCANには、現在のところ、2種の材料がある。すなわち、Al−Mg−Si系のアルミニウム合金(合金番号6061)を母地として、これに、Al2O3(アルミナ)の微粒子(例えば、ミクロン単位の大きさ)を混在させて形成される材料と、Al−Cu系のアルミニウム合金(合金番号2024)を母地として、SiCの微粒子(例えば、ミクロン単位の大きさ)を混在させて形成される材料とがある。これらの材料は、良く知られているT6の熱処理を行って使用する。本発明では、いずれも使用可能であるが、耐食性、脆性破壊等を考慮すると、アルミニウム合金(6061)を母地とするものが好ましい。
【0033】
具体的には、前述のアルミニウム合金(6061)に、Al2O3を10vol%含む“W6A10A”、同じく15vol%含む“W6A15A”、同じく20vol%含む“W6A20A”が好ましく用いられる。これらは、いずれも前記ALCAN社から入手可能である。
【0034】
アルミニウム合金(6061)は、摩擦係数が大きく、引っ張り強さが310MPa、伸びが17%である。しかし、耐摩耗性に問題がある。これに対して、アルミ複合材は、耐摩耗性が非常に優れている。例えば、W6A10Aは、前述したアルミニウム合金(6061)と比較して、1/300倍程度という良好な磨耗体積(Volume Loss)を有し、かつ、1/50程度という良好な磨耗速度(Wear Rate)を有している。耐摩耗性については、セラミック粒子の含有量が多いほど良くなる傾向にある。しかし、伸びが悪くなる。例えば、前述したアルミナ粒子含有の前述のW6A10Aは、伸びが10%程度あり、加工が容易であり、かつ、割れも生じにくい。一方、W6A15A、W6A20Aは、伸びがそれぞれ6%、4%程度となり、W6A10Aより伸びの点で劣る。
【0035】
なお、アルミナ粒子を5vol%含有のアルミ複合材の場合、母地のアルミニウム合金(6061)に比べれば、耐摩耗性はよいが、用途によっては必ずしも十分とは言えない。一方、アルミナ粒子を25vol%含有のアルミ複合材の場合、耐摩耗性は極めてよいが、母地のアルミニウム合金(6061)に比べれば、伸びがより悪くなる。したがって、本発明者らの研究によれば、アルミ複合材としては、セラミック粒子を、5ないし25vol%含有したアルミ複合材を用いることがよいといえる。特に、鋼製の車輪と同等の強度、加工性を実現することを考慮すると、例えば、アルミナの場合、10vol%が最も好ましく、それについで、15vol%、20vol%のものが好ましく用いられる。
【0036】
このようなセラミック粒子であるアルミナ粒子を、10vol%含有したアルミ複合材と鋼との間の摩擦係数は、サンプル片を用いた実験では、約0.8〜0.9程度である。また、実際に車輪の形態とした場合の実験でも、0.4〜0.45であり、従来のものと比較して、極めて大きい。
【0037】
なお、セラミック粒子として、シリコンカーバイト粒子を5〜10%用いる5052アルミニウム合金としても、同様の効果が期待できる。
【0038】
このように構成することにより、踏面形成部230は、少なくともレールと接触する部分である踏面230aに、相対的に大きい摩擦係数を有する摩擦増強材25と、摩擦増強材に比べて相対的に大きい強度を有する車輪本体21とが露出する構成となる。
【0039】
ところで、本実施形態では、踏面形成部230は、レールとの踏面230aのすべてではなく、部分的に摩擦増強材25を有する構造となっている。このような構造であっても、大きな摩擦係数を有する車輪が実現できる。その理由は次の通りである。まず、走行時の車輪は、レールとの軸方向の相対位置関係が絶えず変化する揺らいだ状態にあり、踏面形成部230におけるレールとの接触位置は、絶えず変化していることが知られている。一方、本発明者らの研究によると、摩擦増強材25がレールと接触すると表面に分散しているセラミック粒子がレール表面に擦り付けられること、および、車輪をセラミック粒子が擦り付けられた後に走行させると、摩擦増強材25の車輪と同様に高い摩擦係数が実現されることが見いだされた。このため、踏面形成部230の一部分に摩擦増強材25を有する場合であっても、全部に摩擦増強材25を有する場合と同様に、高い摩擦係数を確保できることとなる。
【0040】
また、本実施形態において、踏面形成部230は、部分的に車輪本体露出部231〜234を有する構造となっている。このような構造により、耐久性をより向上した車輪を実現している。その理由は次の通りである。前述したように、踏面形成部230は、レールとの軸方向における相対接触位置が、絶えず変化している。そのため、摩擦増強材25に係る荷重が車輪本体21に分担されること、および、細いレール、ポイント等において荷重が集中的にかかる場合でも、車輪の軸方向の揺らぎにより摩擦増強材25に荷重がかかる時間が低減される。そのため、摩擦増強材25の寿命が長くなり、全体として車輪の耐久性を向上することが可能となる。
【0041】
また、摩擦増強材25は摩擦係数が大きい。このため、踏面230aの軸方向への滑りを抑える作用がある。そのため、踏面230a全体を摩擦増強材25により構成すると、踏面230aがその軸方向に応力を受ける傾向にある。しかし、前述した実施形態のように、摩擦増強材25と車輪本体21とが交互に配置されると、踏面230aの軸方向への滑りが円滑に行われる。従って、踏面230aにおける軸方向に受ける応力を軽減することができる。
【0042】
さらに、高価なアルミ複合材の使用量が減少するため、車輪のコストを低減することができる。また、磨耗時は、踏面形成部230の踏面230aを削ることで、踏面230aの表面を円滑にすることができる。
【0043】
図6は、前述した構成の車輪を利用したバッテリー機関車の車輪部分を示す部分略断面図である。図6に示すように、車輪20の踏面形成部230は、レール150の頭部151の頂面と接触している。レール150は、枕木160に取り付けられるための底部152、底部のほぼ中央から起立する腹部153および腹部の上に設けられた頭部151から構成されている。
【0044】
図6に示す踏面形成部230は、摩擦増強材25が縞状の摩擦増強材露出部251〜253として露出している。従って、踏面230aは、摩擦係数μが大きく、耐磨耗性が大きい摩擦増強材25の摩擦増強材露出部251〜253、および、相対的に強度の大きい車輪本体21の車輪本体露出部231〜234とを有することとなる。
【0045】
ここで、前述した踏面形成部230を有する第1のメリットとして、車輪の駆動力を向上する点が挙げられる。
【0046】
また、第2のメリットとして、急坂、重負荷等の過酷な動作環境下においても、確実に制動制御が行え、結果的に、制動距離の短縮が期待できる点が挙げられる。例えば、工事用のバッテリー機関車の場合、制御モータであるサーボモータによる多軸制御による回生制動等の電気的制動を用い、一般に用いられるブレーキシューにより車輪を抑えて停止する制動方法ではなく、サーボ制御により制動制御が行われる。この場合には、車輪のμにより、停止距離が決まる。このため、アルミ複合材からなる第1部材を有する踏面形成部230を有する車輪を、バッテリー機関車に搭載した場合、車輪のμの増大により、鋼製の車輪の場合に比べて、同じ走行速度からの停止距離の短縮が期待できる。また、サーボモータで制御する場合において、鋼製車輪が用いられる機関車では、車輪がロックして滑走する事態が起こるおそれがあるような、急坂、重負荷の環境下での制動であっても、踏面形成部230を有する本実施形態の車輪の場合には、サーボモータで駆動される車輪を制御可能な状態に維持できる。すなわち、過酷な動作環境下においても、制動制御を確実に行い得る。
【0047】
第3のメリットとして、摩擦増強材25が車輪本体21と交互に配置されるため、車輪にかかる加重が強度の高い車輪本体21により分担されることとなる。これにより、レール幅が狭いレール上を走行する場合、ポイントを走行する場合のように、車輪とレールとの接触幅が小さい場合にも、前述したように、摩擦増強材25に加重がかかる時間を減少することができる。従って、車輪全体の耐久性を向上することができる。その結果、高い摩擦係数を有し、かつ、より重負荷に対応できる車輪が実現できる。
【0048】
第4のメリットとして、摩擦増強材25が車輪本体21と交互に配置されるため、車輪の軸方向の滑りが、摩擦係数が大きい割に容易となる。そのため、曲線部で車輪20のレール頂部151に対する横ずれが容易に行え、曲線部をより円滑に運行することができる。
【0049】
第5のメリットとして、摩擦増強材25が、緻密な構造であるため、その強度が大幅に向上している。また、摩擦増強材25が車輪本体21に包まれる状態であるため、摩擦増強材25の変形が抑えられる。
【0050】
なお、本実施形態の機関車は、軸Sに固定されている円盤161と、円盤161を両側から挾み込むブレーキパッド162,162と、これらブレーキパッド162,162を駆動させる駆動機構(図示されていない。)とを有するディスクブレーキ163が備えられ、停車時の駐車ブレーキとして使用される。駆動機構としては、例えば、油圧、空気圧等が用いられる。この場合にも、本発明の車輪は、レール150との間の摩擦係数μが大きいので、勾配の途中で静止している場合でも、滑りにくいため、安全性が高くなる。
【0051】
次に、図4を参照して、本実施形態の車輪を備えた電気車である機関車の使用形態について説明する。図4には、図6に示すような車輪を用いたバッテリー機関車10、および、それに連結された台車140を示す。
【0052】
図4に示すように、機関車10は、一方が主駆動輪、他方が従駆動輪である二対の車輪20,20と、これらの車輪により指示されるボディ170と、各々の駆動輪を回転させるための2個のサーボモータ(図示せず)と、2個のサーボモータを駆動するためのバッテリー171と、2個のサーボモータなどを制御して機関車を運転するための、操作パネルを含むドライバユニット172とを有している。ここで、機関車10は、駆動機構として、前記サーボモータの他に、動力伝達機構、制御装置(ドライバ)等を有している。また、機関車10は、資器材Mなどが積載された台車140、140を連結している。
【0053】
さて、このようなバッテリー機関車10において、前述したように機関車の重量とμとの積が牽引力に対応する。μがせいぜい0.2ないし0.3未満の従来の車輪を用いたバッテリー機関車においては、40/1000ないし50/1000の勾配を登坂することができるのに過ぎなかった。これに対して、この実施の形態においては、実際に、μを0.35〜0.45まで大きくすることが可能となる。したがって、従来の勾配の略2倍(すなわち、0.4/0.2倍)である、100/1000あまりの勾配を、サーボモータの出力を上げることのみで登坂することが可能となる。
【0054】
従来、約50/1000以上の勾配を登坂する場合には、いわゆるアプト式登坂装置を備えた機関車および軌道が用いられている。本実施の形態によれば、100/1000程度の勾配までは、性能上、高価なアプト式登坂装置を設けることなく、急勾配を登坂できる機関車を実現できる。また、アプト式登坂装置を設ける場合においても、小型な装置で足りる。もちろん、本発明は、機関車に限らず、その他の自走式台車、自走式作業台車等の、各種移動体の場合においても、登坂能力を高めることができる。
【0055】
さらに、前記実施形態によれば、μの増大により、移動体の牽引力を、重量を増やさずに増大させることが可能となる。したがって、小さな移動体で、出力さえ上げれば、従来不可能であった大きな負荷に対応することができる。例えば、機関車の場合には、より大きな荷重の台車を牽引できる。
【0056】
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0057】
本発明にかかる車輪において、踏面形成部は、少なくともレールと接触する踏面に形成されていれば良い。踏面形成部の形状は、限定されるものではない。また、車輪や軸の外径、踏面形成部の厚みは、前記実施の形態のものに限定されない。
【0058】
また、本発明は、バッテリー機関車に適用することに限定されるものではないことも明らかである。さらに、機関車に使用することのみならず、人や資器材を運搬する自走式台車、作業を行う自走式作業台車に使用できることも明らかである。
【0059】
このアルミ複合材を装着した車輪は、アルミ複合材の踏面とレールとの摩擦係数μが大きい。発電制動、回生制動等の電気的制動によるブレーキ効果は、踏面とレールとの摩擦係数によって決まるので、μが大きいことは、そのまま制動距離の短縮となり、安全性が増大する。例えば、サーボモータ駆動によるバッテリー機関車および自走台車等のサーボモータ駆動車の場合、その制動は、サーボモータの回生制動によるため、踏面とレールとの摩擦係数μが大きいことが、制動距離の短縮につながる。
【0060】
本発明の好ましい実施態様においては、車輪の踏面にアルミ複合材を設け、しかも、前記材料は、セラミック粒子を5ないし25vol%含有している。特に、10ないし22vol%含有するものが好ましく用いられる。これにより、レール鋼と車輪(踏面形成部)との間の摩擦係数を、実験で約0.8〜0.9程度、実際の車輪の形態による実験でも0.35〜0.45にすることができる。その結果、移動体の重量を増大させることなく、出力を増やすのみで、この車輪を有する移動体の牽引力を増し、あるいは、ブレーキ性能をより向上させることが可能となる。
【0061】
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、第2の実施形態にかかる車輪の一部を截断した側面図である。図9に示すように、踏面230aにおける摩擦増強材露出部251〜253は、フランジ26に近い位置に配置されている摩擦増強材露出部253が、他の摩擦増強材露出部251、252より大きい構造となっている。
【0062】
この実施の形態の車輪20は、車輪本体21と、車輪本体21の外周部に設けられる摩擦増強材25とを有する。車輪本体21の外周部は、前記摩擦増強材25と共に、レールの頭部の頂面と接触する踏面形成部230を構成している。前記踏面形成部には、軌道と接触する面において開口する凹部241〜243が設けられ、凹部241〜243内には、摩擦増強材25が充填される。また、車輪本体21の外周部には、フランジ26が形成され、フランジ26の踏面形成部側の表面は、軌道と接触する踏面230aと滑らかに連なっている。
【0063】
この実施の形態における踏面形成部230の大きさの一例を挙げる。踏面形成部230の厚さは、約70mmである。そして、踏面230aにおける凹部241および242の開口幅は、約12mm、そして凹部243の開口幅は、約16mmである。そして、凹部241は、フランジ26と逆の面側から10mm、そして、凹部241〜243は、互いに10mm間隔を空けて配置される。
【0064】
なお、この実施の形態は、少なくとも、フランジ26に近い位置に配置されている摩擦増強材露出部253が、他の摩擦増強材露出部251、252より大きい構造となっている点において、第1の実施形態と相違する。
【0065】
また、このように、フランジ26に近い位置に配置されている摩擦増強材露出部253が、他の摩擦増強材露出部251、252より大きい構造となっている第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が期待できる。
【0066】
さらに、走行時の車輪は、レールとの軸方向の相対位置関係が絶えず変化する揺らいだ状態にあり、踏面形成部230におけるレールとの接触位置は、絶えず変化しているが、このような揺らいだ状態にあっても、レールとの接触頻度が高い部分(すなわち踏面230aのフランジ26寄りの部分)に、摩擦増強材露出部253が比較的大きく配置される場合は、より高い摩擦係数を有することが期待できる。
【0067】
また、この実施形態の車輪は、第1の実施形態の製造方法と同様の方法により製造できる。
【0068】
このように、本発明によれば、高い耐磨耗性を確保しつつ、耐久性を向上させた移動体用車輪および移動体を実現することができる。しかも、車輪の軸方向の滑りをよくして、曲線部での走行をより円滑にすることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、車輪について、高い摩擦係数を確保しつつ、耐久性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる車輪の半周分を示す部分正面図である。
【図2】 図2は、図1に示す車輪の一部を截断した側面図である。
【図3】 図3は、図1に示す車輪に用いられる踏面形成部を示す部分断面図である。
【図4】 図4は、バッテリー機関車の利用形態の一例を示す側面図である。
【図5】 図5は、バッテリー機関車の利用形態の一例を示す説明図である。
【図6】 図6は、本実施の形態にかかる車輪を利用したバッテリー機関車の車輪部分を示す正面図である。
【図7】 図7は、本実施形態における車輪の製造装置および工程の一部を示し、車輪本体に摩擦増強材を注入する状況を示す一部破断斜視図である。
【図8】 図8は、本実施形態における車輪の製造装置および工程の一部を示し、車輪本体に摩擦増強材を注入して、加圧する状況を示す部分断面図である。
【図9】 図9は、本発明の第2の実施形態に係る車輪の一部を截断した側面図である。
【符号の説明】
10…機関車、20…車輪、21…車輪本体、230…踏面形成部、230a…踏面、231、232,233,234…車輪本体露出部、241、242、243…凹部、244…凹部底面、245…湯口、25…摩擦増強材、250…溶融摩擦増強材、251、252、253…摩擦増強材露出部、26…フランジ、150…レール。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a track traveling wheel, a moving body including the same, and a method of manufacturing the wheel, and in particular, a track traveling having a high coefficient of friction with a steel rail and having a high strength. The present invention relates to a vehicle wheel, a moving body including the same, and a method for manufacturing the wheel.
[0002]
[Prior art]
Examples of the moving body that travels on a track (rail) include a vehicle that carries a person, an object, and the like, and a work machine that performs work by changing the position. Some of these moving bodies are provided with drive wheels for self-propelling on rails. Usually, in this type of self-propelled moving body, for example, a locomotive, the product of the weight of the locomotive and the friction coefficient of the wheel is the traction force.
[0003]
By the way, it is common that both a rail and the moving body which drive | works on a rail, for example, the wheel of a locomotive, are steel. In that case, the friction coefficient between the wheel and the rail (hereinafter sometimes referred to as “μ”) is 0.2 to less than 0.3. However, this level of friction coefficient may not be sufficient. For example, in the case of a moving body such as a locomotive traveling on a steep slope, it is necessary to increase the traction force in order to increase the climbing ability. However, there is a problem in that the weight of the locomotive must be increased more than necessary because there is a limit to the size of the friction coefficient between the rail and the wheel. On the other hand, in the case of a moving body with a large load, since the inertia is large, it takes time to accelerate and a long braking distance is required when stopping. Also in this case, it is desired to increase the coefficient of friction between the rail and the wheel.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
On the other hand, in order to raise the friction coefficient between a rail and a wheel, it is possible to raise the friction coefficient of the tread which contacts the rail of a wheel. For example, it is conceivable that a material having μ of about 0.4, for example, urethane rubber is mounted on the tread of the wheel. However, when a wheel having urethane rubber formed on its tread is used, there is a problem that the urethane rubber generates heat and its life is short.
[0005]
On the other hand, it is conceivable to improve the friction coefficient by changing the material of the wheel itself. For example, it is possible to form a wheel using aluminum or an aluminum alloy. According to this, μ can be increased. However, these materials have problems of poor wear resistance and short life.
[0006]
On the other hand, the present applicant has proposed that the above-mentioned problems can be solved by using a ceramic particle dispersion-strengthened aluminum-based composite material at least on the tread portion of the wheel (WO 98/26944).
[0007]
The present invention further improves the proposed wheel. That is, it is an object of the present invention to provide a method for manufacturing a wheel that further improves durability while ensuring a high coefficient of friction.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides:
In the wheel manufacturing method in which a friction enhancing material is provided on the outer periphery of the wheel body,
On the outer peripheral surface of the wheel body, forming a recess that opens along the outer periphery,
The wheel body provided with the recess is housed in a pressure-resistant mold, and a ceramic particle dispersion-strengthened aluminum-based composite material containing ceramic particles in an aluminum alloy is injected into the mold in a molten state. Flow into the recess,
The ceramic particle dispersion-strengthened aluminum matrix composite in the mold is solidified while being pressurized, and the wheel body filled with the ceramic particle dispersion-strengthened aluminum matrix composite in the recess is taken out of the mold,
A surface along the outer periphery of the wheel is cut to form a tread surface .
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings. In the following description, an example will be described in which the present invention is applied to a battery-type locomotive used for transporting equipment and the like at a construction site such as tunnel construction. Of course, the present invention is not limited to this. It can be applied to various vehicles that move on rails such as various vehicles such as locomotives, trains, self-propelled work vehicles that perform excavation and cargo handling, self-propelled transporters that transport equipment, etc. . In addition, this invention is not restricted to the moving body for work used for construction, work, etc. in a construction site, a factory, etc. For example, the present invention can be applied to a passenger vehicle. Specifically, the present invention can be applied to a vehicle that travels in a steep slope section, a high-speed traveling vehicle that needs to shorten the braking distance, and the like.
[0010]
As shown in FIG. 5, the
[0011]
The
[0012]
The wheel according to the first embodiment used in the battery locomotive as described above will be described below. FIG. 1 is a partial front view of a wheel according to the first embodiment, FIG. 2 is a cross-sectional view in which a part of the wheel is cut, and FIG. 3 is a partial cross-sectional view showing a tread surface forming portion of the wheel.
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The tread
[0016]
Further, as shown in FIG. 2, the
[0017]
The
[0018]
The proportion of the
[0019]
In the present embodiment, as shown in FIG. 2, the
[0020]
The
[0021]
An example of the size of the
[0022]
Next, the structure of the wheel
[0023]
First, the outer peripheral surface of the
[0024]
Next, the
[0025]
The molten metal forging method is a kind of metal product forming method, in which a molten or semi-molten metal is poured into a space in a mold and a high pressure is applied to solidify the metal.
[0026]
In the molten forging method in this embodiment, aluminum or an aluminum alloy is melted, and in this state, the molten aluminum or aluminum alloy is put in a mold preheated to a similar temperature, and a high pressure (for example, 1000 kg / added cm approximately 2) is a method in which a certain amount of time (e.g., about 8 minutes) to hold, to solidify the molten metal. According to this method, since the molten metal is solidified in a short time under a high pressure, it is possible to obtain a casting having a dense metal and alloy structure and a small number of cast holes. FIG. 7 conceptually shows an apparatus for that purpose.
[0027]
As shown in FIG. 7, the
[0028]
The
[0029]
Thereafter, the
[0030]
Thereafter, a treatment of T6 which is a known heat treatment method is performed. And if necessary, the outer surface is subjected to a shaping process. Thereby, the tread
[0031]
Here, the
[0032]
As a ceramic particle dispersion-strengthened aluminum-based composite material (hereinafter referred to as an aluminum composite material) for constituting the
[0033]
Specifically, “W6A10A” containing 10 vol% Al 2 O 3 , “W6A15A” containing 15 vol%, and “W6A20A” containing 20 vol% are preferably used in the aluminum alloy (6061). These are all available from ALCAN.
[0034]
The aluminum alloy (6061) has a large friction coefficient, a tensile strength of 310 MPa, and an elongation of 17%. However, there is a problem with wear resistance. On the other hand, the aluminum composite material is very excellent in wear resistance. For example, W6A10A has a good wear volume (Volume Loss) of about 1/300 times that of the aforementioned aluminum alloy (6061) and a good wear rate (Wear Rate) of about 1/50. have. About wear resistance, it tends to improve as the content of ceramic particles increases. However, the growth becomes worse. For example, the above-described W6A10A containing alumina particles described above has an elongation of about 10%, is easy to process, and does not easily crack. On the other hand, W6A15A and W6A20A have elongations of about 6% and 4%, respectively, and are inferior to W6A10A in terms of elongation.
[0035]
In the case of an aluminum composite material containing 5 vol% of alumina particles, the wear resistance is better than that of the base aluminum alloy (6061), but it is not necessarily sufficient depending on the application. On the other hand, in the case of an aluminum composite material containing 25 vol% of alumina particles, the wear resistance is very good, but the elongation is worse than that of the base aluminum alloy (6061). Therefore, according to the study by the present inventors, it can be said that an aluminum composite material containing 5 to 25 vol% ceramic particles is preferably used as the aluminum composite material. In particular, in view of realizing strength and workability equivalent to those of steel wheels, for example, in the case of alumina, 10 vol% is most preferable, and then 15 vol% and 20 vol% are preferably used.
[0036]
The friction coefficient between the aluminum composite material containing 10 vol% of alumina particles, which are ceramic particles, and steel is about 0.8 to 0.9 in an experiment using a sample piece. Moreover, even in the experiment in the case of actually using the form of the wheel, it is 0.4 to 0.45, which is extremely large as compared with the conventional one.
[0037]
The same effect can be expected when 5052 aluminum alloy using 5 to 10% silicon carbide particles is used as ceramic particles.
[0038]
By configuring in this way, the
[0039]
By the way, in this embodiment, the tread
[0040]
Moreover, in this embodiment, the tread
[0041]
The
[0042]
Further, since the amount of expensive aluminum composite material used is reduced, the cost of the wheel can be reduced. Further, when worn, the surface of the
[0043]
FIG. 6 is a partial schematic cross-sectional view showing a wheel portion of a battery locomotive using the wheel having the above-described configuration. As shown in FIG. 6, the tread
[0044]
In the tread
[0045]
Here, the point which improves the driving force of a wheel is mentioned as a 1st merit which has the tread
[0046]
Further, as a second merit, it is possible to reliably perform the braking control even under a severe operating environment such as a steep slope or a heavy load, and as a result, it can be expected that the braking distance is shortened. For example, in the case of a battery locomotive for construction, it is not a braking method that uses electric braking such as regenerative braking by multi-axis control by a servo motor, which is a control motor, and stops the wheel while suppressing the wheel by a commonly used brake shoe. Braking control is performed by the control. In this case, the stop distance is determined by the wheel μ. For this reason, when the wheel having the
[0047]
As a third merit, since the
[0048]
As a fourth merit, since the
[0049]
As a fifth merit, since the
[0050]
The locomotive according to this embodiment includes a
[0051]
Next, with reference to FIG. 4, the usage form of the locomotive which is an electric vehicle provided with the wheel of this embodiment is demonstrated. FIG. 4 shows a
[0052]
As shown in FIG. 4, the locomotive 10 includes two pairs of
[0053]
In such a
[0054]
Conventionally, when climbing a slope of about 50/1000 or more, a locomotive and a track provided with a so-called Apt type climbing device are used. According to the present embodiment, it is possible to realize a locomotive capable of climbing a steep slope up to a gradient of about 100/1000 without providing an expensive up type climbing apparatus in terms of performance. In addition, a small device is sufficient when an up type climbing device is provided. Of course, the present invention is not limited to locomotives, and can increase the climbing ability even in the case of various moving bodies such as other self-propelled trolleys and self-propelled work trolleys.
[0055]
Further, according to the embodiment, it is possible to increase the traction force of the moving body without increasing the weight by increasing μ. Therefore, if the output is increased with a small moving body, it is possible to cope with a large load that has been impossible in the past. For example, in the case of a locomotive, a cart with a larger load can be pulled.
[0056]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications are possible, and it goes without saying that these are also included in the scope of the present invention.
[0057]
The wheel concerning this invention should just be formed in the tread surface which contacts a rail at least with a tread surface formation part. The shape of the tread surface forming portion is not limited. Further, the outer diameters of the wheels and shafts and the thickness of the tread forming portion are not limited to those of the above-described embodiment.
[0058]
It is also clear that the present invention is not limited to application to battery locomotives. Furthermore, it is clear that it can be used not only for locomotives, but also for self-propelled trolleys that carry people and equipment and for self-propelled trolleys that perform work.
[0059]
A wheel equipped with this aluminum composite material has a large friction coefficient μ between the tread of the aluminum composite material and the rail. Since the braking effect by electric braking such as power generation braking and regenerative braking is determined by the coefficient of friction between the tread and the rail, a large μ directly reduces the braking distance and increases safety. For example, in the case of a servo motor driven vehicle such as a battery locomotive driven by a servo motor and a self-propelled carriage, the braking is based on the regenerative braking of the servo motor, so that the friction coefficient μ between the tread and the rail is large. It leads to shortening.
[0060]
In a preferred embodiment of the present invention, an aluminum composite material is provided on the tread surface of the wheel, and the material contains 5 to 25 vol% of ceramic particles. In particular, those containing 10 to 22 vol% are preferably used. As a result, the coefficient of friction between the rail steel and the wheel (tread surface forming portion) is about 0.8 to 0.9 in the experiment, and 0.35 to 0.45 in the experiment with the actual wheel form. Can do. As a result, it is possible to increase the traction force of the moving body having the wheels or improve the braking performance only by increasing the output without increasing the weight of the moving body.
[0061]
Next, a second embodiment will be described. FIG. 9 is a side view in which a part of the wheel according to the second embodiment is cut off. As shown in FIG. 9, the friction enhancing material exposed
[0062]
The
[0063]
An example of the size of the
[0064]
This embodiment is the first in that the friction enhancing material exposed
[0065]
In this way, in the second embodiment in which the friction enhancing material exposed
[0066]
Furthermore, the wheel during running is in a swaying state in which the relative positional relationship in the axial direction with the rail is constantly changing, and the contact position with the rail in the tread
[0067]
Moreover, the wheel of this embodiment can be manufactured by a method similar to the manufacturing method of the first embodiment.
[0068]
As described above, according to the present invention, it is possible to realize a moving body wheel and a moving body with improved durability while ensuring high wear resistance. In addition, the sliding in the axial direction of the wheel can be improved, and the running on the curved portion can be made smoother.
[0069]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, durability can be improved more, ensuring a high friction coefficient about a wheel.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial front view showing a half circumference of a wheel according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a side view in which a part of the wheel shown in FIG. 1 is cut off.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view showing a tread surface forming portion used in the wheel shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a side view showing an example of a usage form of a battery locomotive.
FIG. 5 is an explanatory diagram showing an example of a usage form of a battery locomotive.
FIG. 6 is a front view showing a wheel portion of the battery locomotive using the wheel according to the present embodiment.
FIG. 7 is a partially broken perspective view showing a part of the manufacturing apparatus and process of the wheel in the present embodiment and showing a situation in which a friction enhancing material is injected into the wheel body.
FIG. 8 is a partial cross-sectional view showing a part of the manufacturing apparatus and process of the wheel in the present embodiment and showing a state in which a friction enhancing material is injected into the wheel body and pressurized.
FIG. 9 is a side view in which a part of a wheel according to a second embodiment of the present invention is cut off.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記車輪本体の外周面に、当該外周に沿って開口する凹部を形成し、 On the outer peripheral surface of the wheel body, forming a recess that opens along the outer periphery,
前記凹部が設けられた車輪本体を、耐圧性を有する型に収容すると共に、該型内に、アルミニウム合金中にセラミック粒子を含有するセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を溶融状態で注入して、前記凹部内に流入させ、 The wheel body provided with the recess is housed in a pressure-resistant mold, and a ceramic particle dispersion-strengthened aluminum-based composite material containing ceramic particles in an aluminum alloy is injected into the mold in a molten state. Flow into the recess,
前記型内のセラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料を加圧しつつ固化させ、セラミック粒子分散強化アルミニウム基複合材料が凹部に充填された車輪本体を型から取りだし、 The ceramic particle dispersion-strengthened aluminum matrix composite in the mold is solidified while being pressurized, and the wheel body filled with the ceramic particle dispersion-strengthened aluminum matrix composite in the recess is taken out of the mold,
前記車輪の外周に沿う面を切削して踏面を形成すること Cutting a surface along the outer periphery of the wheel to form a tread surface
を特徴とする車輪の製造方法。A method of manufacturing a wheel characterized by the above.
前記摩擦増強材の踏面露出部分は、前記車輪本体と同軸の環状パターンを構成することを特徴とする車輪の製造方法。 In the manufacturing method of the wheel according to claim 1 ,
The method of manufacturing a wheel according to claim 1, wherein the exposed portion of the tread surface of the friction enhancing material forms an annular pattern coaxial with the wheel body .
前記環状パターンは、前記車輪本体の軸方向に、間隔を空けて複数配置されることを特徴とする車輪の製造方法。 In the manufacturing method of the wheel according to claim 2 ,
A plurality of the annular patterns are arranged at intervals in the axial direction of the wheel body .
前記凹部は、前記複数の環状パターンに対応して複数設けられ、かつ、それらは、連通していることを特徴とする車輪の製造方法。 In the manufacturing method of the wheel according to claim 3 ,
A method of manufacturing a wheel , wherein a plurality of the recesses are provided corresponding to the plurality of annular patterns, and they are communicated with each other .
前記環状パターンは、当該踏面の周方向に連続するパターンであることを特徴とする車輪の製造方法。 In the manufacturing method of the wheel according to any one of claims 2, 3, and 4 ,
The method of manufacturing a wheel according to claim 1, wherein the annular pattern is a pattern continuous in a circumferential direction of the tread .
前記環状パターンとして複数配置される前記踏面露出部のうち、フランジに近い位置に配置されている踏面露出部の幅が、他の踏面露出部の幅より大きいことを特徴とする車輪の製造方法。Of the tread surface exposed portions arranged as a plurality of the annular patterns, a width of a tread surface exposed portion arranged at a position close to the flange is larger than a width of another tread surface exposed portion.
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