JP4001381B2 - 新規環状デプシペプチドpf1022誘導体 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は駆虫活性を有する微生物発酵生産物質である既知の環状デプシペプチド、PF1022物質と同じ環状デプシペプチド基本構造を持つがより優れた駆虫活性を有する新規なPF1022誘導体に関し、またそれを含有する駆虫剤に関する。本発明による新規なPF1022誘導体は、動物に寄生する各種の寄生虫を駆除できる優れた駆虫活性を示し、駆虫剤として非常に有用である。
背景技術
PF1022物質は、鶏回虫に対する駆虫性物質の探索研究により発見された既知の環状デプシペプチドである(特開平3-35796号および欧州特願公開第0382173A2号明細書ならびにJ. Antibiotics, 45, 692頁,1992)。このPF1022物質はアゴノマイセタレス(Agonomycetales)に属する糸状菌PF1022株(ブダペスト条約の規約下に寄託番号FERM BP-2671として、筑波市所在の工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託)の培養で生産される発酵生産物である。PF1022物質は下記の式(A)で表される一群の環状デプシペプチド化合物の一つである。
Figure 0004001381
但し上記の式(A)中でMeはメチル基を示す。
上記の式(A)の環状デプシペプチド群は下記の8種の物質を包含する。
PF1022物質 :R1=R3=Me,
2=R4=CH265
PF1022B物質:R1=R2=R3=R4
CH265
PF1022C物質:R1=Me,
2=R3=R4=CH265
PF1022D物質:R1=R3=R4=Me,
2=CH265
PF1022E物質:R1=R3=Me,
2=CH264OH−p,
4=CH265
PF1022F物質:R1=R2=R3=R4=Me
PF1022G物質:R1=R2=R3=Me,
4=CH264OH−p
PF1022H物質:R1=R3=Me,R2=R4
CH264OH−p
このPF1022物質は、L-N-メチルロイシン(Methylleucine)〔(CH3)2CHCH2CH(NHCH3)COOH〕(略号H-L-MeLeu-OH)、D-乳酸(Lacticacid)〔CH3CH(OH)-COOH〕(略号H-D-Lac-OH)及びD-フェニル乳酸(Phenyllactic acid)〔C6H5CH2CH(OH)COOH〕(略号H-D-PhLac-OH)がエステル結合およびアミド結合を介して構成される環状デプシペプチドであり、次式(B)でも表され得る。
式(B):
Cyclo(L-MeLeu-D-Lac-L-MeLeu-D-PhLac-L-MeLeu-D-Lac-L-MeLeu-D-PhLac)
上記の糸状菌PF1022株を培養すると主成物であるPF1022物質の他に前記の式(A)で示される構造式をもつPF1022B物質、PF1022C物質、PF1022D物質、PF1022E物質、PF1022F物質、PF1022G物質、及びPF1022H物質も生産される(特開平3-35796号,特開平5-170749号、特開平6-184126号、および特願平8-208201号(1996年8月7日出願、未公開)の明細書参照)。
上記の駆虫活性を有するPF1022物質及びPF1022B〜H物質はそれぞれ共通の環状デプシペプチド構造を基本骨格とし、側鎖として4個のN−メチル基、4個のイソブチル基、0〜4個のメチル基、0〜4個のベンジル基、0〜2個のp−ヒドロキシベンジル基を有すること、また8個の不斉炭素を有する点に構造上の大きな特徴がある。さらに上記の式(A)の構造式のごとく4個のエステル結合と4個のアミド結合により形成される24員環が上記のPF1022関連物質の生物活性の発現上、重要な役割を演じていると推定できる。
寄生虫病は、人間及び動物の健康ならびに農畜産業に甚大な被害を及ぼす。新規にして有用な駆虫活性物質及びその製造法を見出すことは常に強く求められている大きな課題である。
上述のごとくPF1022物質は本来、発酵生産物として発見されたものではあるが、化学合成による製造法も既に報告されている(特開平5-320148号明細書およびBiosci. Biotech. Biochem., 58, 1193頁,1994)。
PF1022物質及びPF1022B〜H物質はそれら自体非常に優れた駆虫活性を有することは既によく知られているが、さらに強力な駆虫活性物質を見出すべく、これらの物質を出発物質として利用して、いくつかの研究グループが探索研究に取り組んでいる。
本発明者らもPF1022物質発見当初より、PF1022物質及びPF1022B〜E物質を出発物質とした新規な誘導体の研究ならびに全合成の研究を行っており、いくつかの有用な化合物を既に見出している(PCT出願PCT/JP/00252号の国際公開WO94/19334号明細書および欧州特願公開0685469A1号ならびに特願平7-244051号明細書)。また、他の研究グループも全合成によりいくつかの誘導体を開示している(PCT出願国際公開WO93/19053号およびWO95/07272号明細書、参照)。
発明の開示
上述のごとく本発明者らは、PF1022物質をリード化合物とし、化学合成の手法を用いて、より強力な駆虫活性を有する新規誘導体の探索研究に取り組んできた。その結果、上記の諸文献および明細書に示された既知物質と比較して同等以上の駆虫活性を有するいくつかの新規PF1022誘導体を見出すことができた。
さらに今回、本発明者らはPF1022物質を構成する成分の1つであるD−フェニル乳酸部分に着目し、全合成法によって、ならびにPF1022物質、PF1022E物質およびPF1022H物質を出発原料とする化学合成によって得られた新規誘導体として、後記の一般式(I)で総括的に表される新しい環状デプシペプチドを合成することに成功し、しかもそれらは強い駆虫活性を有することが動物試験により認められた。
上記の如くに、本発明者らが新しく合成できた環状デプシペプチド新規誘導体の第1グループは、次の一般式(I)
Figure 0004001381
〔式中、(i)R1は水素原子を示し且つR2は、シアノ(C1〜C6)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、環構成原子として3個以下のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含有し且つ置換基(C1〜C6−アルキル基またはC3〜C6−シクロアルキル基またはハロゲン(塩素、臭素、ふっ素)で置換されてもよいフェニル基)を有してもよい5員ないし6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよい(C2〜C6)アルカノイル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノアルコキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ(C1〜C6)アルキルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基、2−アミノチアゾリル基またはt−ブトキシ基を示すか、あるいは(ii)R1とR2は相互に同じであり且つ各々はシアノ(C1〜C6)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、環構成原子として3個以下のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含有し且つ置換基(C1〜C6−アルキル基またはC3〜C6−シクロアルキル基またはハロゲン(塩素、臭素、ふっ素)で置換されてもよいフェニル基)を有してもよい5員ないし、6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよい(C2〜C6)アルカノイル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、(環構成原子として窒素原子を1またはそれ以上含み、さらに酸素原子または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ(C1〜C6)アルキルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基、2−アミノチアゾリル基またはt−ブトキシ基を示し、またMeはメチル基を示す〕で示される環状デプシペプチド、PF1022物質誘導体である
なお、上記の一般式(I)でR1またはR2で示される(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酵素原子または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、環状アミノカルボニル基または環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基中に含まれるその環状アミノ基の好ましい例は、モルホリノ基、ピロリジノ基およびピペリジノ基である。また、一般式(I)でR1またはR2で示される、5員ないし6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基に置換基として存在する前記の複素環の好ましい例は、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロラフン、5−(C1〜C6)アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロ置換または非置換)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(C1〜C3)シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロ置換または非置換ピリジン、およびN−アルキル置換または非置換テトラヒドロピリミジンである。
また、上記の如くに、本発明者らが新しく合成できたPF1022新規誘導体の第2グループは、次の一般式(II)
Figure 0004001381
〔式中、(i)R3は水素原子を示し且つR4はフェニル基のオルト、メタまたはパラ位の任意の位置に結合したモルホリノ基であるか、あるいはR3はフェニル基のオルト、メタまたはパラ位の任意の位置に結合したモルホリノ基であり且つR4はフェニル基のオルト位またはメタ位に結合したモルホリノ基を示し、またMeはメチル基を示す〕で示される環状デプシペプチド、PF1022物質誘導体である。
さらに、上記の如くに、本発明者らが新しく合成できたPF1022新規誘導体の第3グループは、次の一般式(III)
Figure 0004001381
〔式中、(i)R6は、フェニル基であり且つR5はカルボキシル基、保護されているカルボキシル基、または(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、あるいは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を1以上含む5員または6員の不飽和複素環、あるいはこれら複素環とベンゼン環とが縮合した2環の縮合複素環を示すか、あるいは(ii)R5とR6とは相互に同じであり、且つ各々はカルボキシル基、保護されているカルボキシル基、または(C1〜C6)アルコキシカルボニル基を示すか、あるいは窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を1以上含む5員または6員の不飽和複素環、あるいはこれら複素環とベンゼン環とが縮合した2環の縮合複素環を示し、またMeはメチル基を示す〕で示される環状デプシペプチド、PF1022物質誘導体である
なお、上記の一般式(III)でR5またはR6で示される5員または6員の不飽和複素環、あるいはこれら複素環とベンゼン環とが縮合した2環の縮合複素環の好ましい例は、ベンズチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基および2−アミノチアゾリル基である。
発明を実施するための最良の形態
記の一般式(I)の新規なPF1022物質誘導体の好ましい実施態様例は、一般式(I)で(i)R1が水素原子で且つR2が、シアノメトキシ基、チオカルバモイルメトキシ基、2−アミノエトキシ基、2−(N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ)エトキシ基、2−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ)エトキシ基、2−モルホリノエトキシ基、2−ピロリジノエトキシ基、2−ピペリジノエトキシ基、複素環〔ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5−(C1〜C6の分岐してもよい)アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(C3〜C6)シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、またはN−(C1〜C6)アルキルテトラヒドロピリミジン〕で置換されたメトキシ基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよいアセチル基、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、モルホリノエトキシカルボニル基、ホルミルオキシメチルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基、2−アミノチアゾリル基またはt−ブトキシ基であるか、あるいは、(ii)R1とR2とは相互に同じであり且つ各々はシアノメトキシ基、チオカルバモイルメトキシ基、2−アミノエトキシ基、2−(N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ)エトキシ基、2−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ−(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ)エトキシ基、2−モルホリノエトキシ基、2−ピロリジノエトキシ基、2−ピペリジノエトキシ基、複素環〔ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5−(C1〜C6の分岐してもよい)アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(C3〜C6)シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、またはN−(C1〜C6)アルキルテトラヒドロピリミジン〕で置換されたメトキシ基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよいアセチル基、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、モルホリノエトキシカルボニル基、ホルミルオキシメチルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基、2−アミノチアゾリル基またはt−ブトキシ基である環状デプシペプチドであることができる。
また般式(I)の環状デプシペプチドは、それの好ましい実施態様例として下記の(a)〜(c)群の化合物を包含する。
(a)一般式(I)で(i)R1は水素原子であり且つR2は、シアノ(C1〜C6)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、または(環構成原子として窒素原子を1個又はそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基あるいはt−ブトキシ基であるか、あるいは(ii)R1とR2とは相互に同じであって各々はシアノ(C1〜C6)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、または(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基あるいはt−ブトキシ基である場合の環状デプシペプチド。
上記の場合の環状デプシペプチドにおいては、好ましくはR1は水素原子であり且つR2はシアノメトキシ基、チオカルバモイルメトキシ基、2−アミノエトキシ基、2−(N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ)エトキシ基、2−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ)エトキシ基、2−モルホリノエトキシ基、2−ピロリジノエトキシ基、または2−ピペリジノエトキシ基あるいはt−ブトキシ基であるか、あるいは(ii)R1とR2は相互に同じであり且つ各々はシアノメトキシ基、2−アミノエトキシ基、2−(N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ)エトキシ基、2−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)エトキシまたは3−(N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ)プロポキシ基、2−(N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ)エトキシ基、2−モルホリノエトキシ基、2−ピロリジノエトキシ基または2−ピペリジノエトキシ基あるいはt−ブトキシ基であることができる。
(b)一般式(I)で(i)R1は水素原子であり且つR2は環構成原子として3個以下のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含有し、置換基(C1〜C6−アルキル基またはC3〜C6−シクロアルキル基またはハロゲンで置換されてもよいフェニル基)を有してもよい5員ないし6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基であるか、あるいは(ii)R1とR2は各々独立して環構成原子として3個以下のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含有し、置換基(C1〜C6−アルキル基またはC3〜C6−シクロアルキル基またはハロゲンで置換されてもよいフェニル基)を有してもよい5員ないし6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基である場合の環状デプシペプチド。
なお、この場合の環状デプシペプチドではR1および/またはR2で示される複素環を置換された(C1〜C6)アルコキシ基における複素環はピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5−(C1〜C6の分岐してもよい)アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(C3〜C6)シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、またはハロゲンで置換されてもよいピリジン、N−(C1〜C6)アルキルテトラヒドロピリミジンであることができ、またR2があるいはR1とR2との両者が前記の特定の複素環で置換されたメトキシ基であることもできる。
(c)一般式(I)で(i)R1は水素原子であり且つR2は置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよい(C2〜C6)アルカノイル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノアルコキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノアルコキシカルボニル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ(C1〜C6)アルキルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基、2−アミノチアゾリル基を示すか、あるいは(ii)R1とR2は相互に同じであり且つ各々は置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよい(C2〜C6)アルカノイル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ(C1〜C6)アルキルカルボニル基、カルボキシル基、t−ブチル基または2−アミノチアゾリル基である場合の環状デプシペプチド。
またこの場合の環状デプシペプチドでは、好ましくは(i)R1が水素原子で且つR2がカルボキシル基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよいアセチル基、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、モルホリノエトキシカルボニル基、ホルミルオキシメトキシカルボニル基であり、あるいは(ii)R1とR2が互いに同じで各々はカルボキシル基、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよいアセチル基、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノエトキシカルボニル基、モルホリノエトキシカルボニル基、またはホルミルオキシメチルカルボニル基であることもできる。
さらに前記した一般式(II)の環状デプシペプチドの好ましい実施態様例には、一般式(II)で(i)R3が水素原子であり且つR4がフェニル基上のパラ位に結合したモルホリノ基であるか、あるいは(ii)R3がフェニル基上のオルト位またはパラ位に結合したモルホリノ基でありR4はオルト位に結合したモルホリノ基である環状デプシペプチドがある。
さらにまた、前記した一般式(III)の環状デプシペプチドの好ましい実施態様例には、一般式(III)で(i)R6がフェニル基であり且つR5がカルボキシル基、メトキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、ベンズチアゾリル基またはベンズイミダゾリル基であるか、あるいは(ii)R5とR6とが相互に同じであり各々がカルボキシル基、メトキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、ベンズチアゾリル基またはベンズイミダゾリル基である環状デプシペプチドがある。
前記した一般式(I)の環状デプシペプチドの具体例には、後記の実施例4〜46,49〜64,67〜68および72で製造された化合物がある。また、前記した一般式(II)の環状デプシペプチドの具体例には、後記の実施例65〜66で製造された化合物がある。さらに前記した一般式(III)の環状デプシペプチドの具体例には、後記の実施例47〜48、69、70および71で製造された化合物がある。
前記した一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)の環状デプシペプチドのうち、下記に列記した実施例の化合物は、適な例の化合物である。
実施例4.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例5.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BocNHCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例6.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−278)
実施例7.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−235)
実施例8.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−236)
実施例9.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(Pr2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−270)
実施例10.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(Bu2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−271)
実施例11.Cyclo[MeLeu-((CH3OCH2CH2)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac](化合物コード番号:PF1022−238)
実施例12.Cyclo[MeLeu-(MorCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac](PF1022−239)
実施例13.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(PyrCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−284)
実施例14.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(pipCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−285)
実施例15.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NCH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−274)
実施例16.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((S)-pyrrolidinyl-2-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−302)
実施例17.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(4-imidazolyl-4-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−304)
実施例18.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2NCSCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例19.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-imidazolylmethoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−305)
実施例20.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-thiazolylmethoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−306)
実施例21.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-methyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−309)
実施例22.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−310)
実施例23.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-(2,6-difluorophenyl)-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−311)
実施例24.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(furfuryloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−312)
実施例25.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(tetrahydrofurfuryloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−313)
実施例26.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−314)
実施例27.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-picolyl)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−315)
実施例28.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(4-picolyl)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−316)
実施例29.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(6-chloro-3-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−317)
実施例30.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-(1N-methyl-1,4,5,6-tetrahydropyrimidyl)methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−318)
実施例31.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isopropyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−341)
実施例32.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-cyclohexyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−343)
実施例33.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac]2
実施例34.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLer-(BocNHCH2CH2O)PhLac]2
実施例36.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−262)
実施例37.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NHCH2H2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−263)
実施例38.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2H2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−266)
実施例39.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolylmethoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−330)
実施例40.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-(2,6-difluorophenyl)-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−331)
実施例41.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(tetrahydrofurfuryloxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−333)
実施例42.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-picolyloxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−334)
実施例43.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isopropyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−345)
実施例44.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-cyclohexyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−347)
実施例45.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022−242)
実施例46.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−247)
実施例47.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac]2(化合物コード番号:PF1022-030)およびyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-031)
実施例48.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C6H5)2CHOCO)Lac]2(化合物コード番号:PF1022-045)およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C6H5)2CHOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-046)
実施例49.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLer-(CH3CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022-049およびPF1022-048)
実施例50.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例51.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例52.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例53.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−241)
実施例54.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−244)
実施例55.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−243)
実施例56.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−245)
実施例57.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2CH2OCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−246)
実施例58.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac]2
実施例59.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac]2
実施例60.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac]2
実施例61.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac]2
実施例62.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−248)
実施例63.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−249)
実施例64.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2CH2OCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−251)
実施例65.Cyclo[MeLeu-(Mor)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac](化合物コード番号:PF1022−233)
実施例66.Cyclo[MeLeu-(o-Mor)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(p-Mor)PhLac-MeLeu-Lac](化合物コード番号:PF1022−280)およびCyclo[MeLeu-(o-Mor)PhLac-MeLeu-Lac]2(化合物コード番号:PF1022−281)
実施例67.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(t-Bu)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(t-Bu)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−051およびPF1022−050)
実施例68.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(t-BuO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−222)
実施例69.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BTH)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−038)
実施例70.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BTH)Lac]2(化合物コード番号:PF1022−037)
実施例71.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BIM)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−040)
実施例72.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(ATH)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−056)。
なお、上記において、実施例4−46および49−64,67,68,72の物質は、一般式(I)の化合物の例であり、実施例65,66の物質は、一般式(II)の化合物の例であり、実施例47、48および69−71の物質は、一般式(III)の化合物の例である。
〔I〕次に、前記した一般式(I)のPF1022物質誘導体の製造方法を説明する。
1.PF1022E物質の化学変換による方法
一般式(I)で表される化合物のうちR1が水素原子、R2がシアノ(C1〜C6)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、(環構成原子として窒素原子を1個またはそれ以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、環構成原子として3個以下のヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含有し、置換基((C1〜C6)アルキル基、(C3〜C6)シクロアルキル基、またはハロゲンで置換されてもよいフェニル基)を有してもよい5員ないし、6員の飽和または不飽和の複素環で置換された(C1〜C6)アルコキシ基またはt−ブトキシ基である化合物は、一般式(I)で表される化合物のうちR1が水素原子、R2が水酸基である化合物すなわち既知のPF1022E物質を出発原料として下記の方法により合成することができる。
そのPF1022E物質は醗酵法により、PF1022物質生産菌の培養液から採取できる。それ自体が動物の寄生虫に対して駆虫活性を有している。分子中に2個あるベンゼン環の一方のパラ位にフェノール性水酸基を有していることから、化学修飾の可能性を拡げるものであることに本発明者らは注目し、これに各種化学変換を施すことにより本発明の新規誘導体が合成できた。また、PF1022E物質はPF1022物質から下記のとおり合成できる。
1−1.PF1022物質からPF1022E物質の合成
上記の通り、PF1022E物質は発酵法(特開平6-184126号)あるいは、合成法(PCT国際公開WO94/19334号)によって製造することができるが、PF1022物質から4工程の化学反応を経て合成する方法がある。この合成法の場合は、[第1工程]PF1022物質のベンゼン環パラ位水酸基のニトロ化、[第2工程]ニトロ基のアミノ基への還元、[第3工程]アミノ基のジアゾニウム塩化、[第4工程]ジアゾニウム塩の加水分解よりなる方法でPF1022E物質を調製することが出来る。次に、さらに具体的にその合成方法の第1〜第4工程を説明する。
[第1工程]
一般には、ベンゼン環水素の求電子置換によるニトロ化の有用な反応剤としては、濃硫酸(または三酸化硫黄)と濃硝酸の混合物、発煙硝酸単独などがよく知られている。しかし、PF1022物質は化学的に全く等価のベンゼン環2つを持っていることから、そのうちの一方にのみ、しかもパラ位に高選択的にニトロ基を導入することは困難であることが本発明者によって知見されていた。
本発明者らは種々反応試薬および反応条件の検討を行ない、その結果、PF1022物質を無水酢酸に溶解し、−30℃〜−10℃の低温において発煙硝酸の化学量論的限定量でPF1022物質を処理する反応によってPF1022物質のフェニル基のパラ位のフェノール性水酸基をニトロ化することに成功した。
[第2工程]
芳香族ニトロ基の還元方法には、パラジウム、白金、ラネーニッケルなどの触媒存在下水素ガスや水素化ホウ素ナトリウムなどを用いる接触還元と鉄、錫、亜鉛などの金属を酸と共に用いる化学還元の手法が一般的である。
第1工程で得られたニトロ化されたPF1022物質誘導体の場合、アルコール系溶媒中、5〜10%パラジウム/炭素存在下常圧の水素ガスによる、またはジオキサンなどの不活性溶媒中、錫−濃塩酸による方法がニトロ化PF1022誘導体から高収率で目的のアミノ化合物を与えることが認められた。
[第3、4工程]
第2工程で得られたアミノ化合物は通常の芳香族アミン類と同様、亜硝酸と反応する方法によって、比較的安定な対応するジアゾニウム塩が得られる。実際には、亜硝酸ナトリウムや亜硝酸低級アルキルエステル、例えば亜硝酸アミルなどを反応系内で適当な酸、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などで該アミノ化合物を処理すると、発生する亜硝酸と容易に反応してジアゾニウム塩が生成する。
次いで第4工程では、そのジアゾニウム塩化合物をを加水分解処理して、PF1022E物質を得ることができる。
1−2.PF1022E物質からの各種誘導体の合成
(A)このPF1022E物質を出発物質として用いる場合に、一般式(I)で表される化合物のうち、例えば、R1がH、R2が2−アミノエトキシである化合物、あるいはこのアミノ基の水素原子がさらにアルキルで置換された化合物は、3工程の化学変換よりなる方法、すなわち[第1工程]PF1022E物質のフェノール性水酸基のシアノメチルエーテル化、[第2工程]シアノメチル基の2−アミノエチル基への還元、[第3工程]2−アミノ基のN,N−ジアルキル化よりなる方法によって容易に調製することが出来る。次にさらに具体的にその方法を述べる。
[第1工程]
PF1022E物質のフェノール性水酸基のシアノメチルエーテル化反応はエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒などの他、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの不活性有機溶媒中、ハロゲン化水素捕捉剤としてのt−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの他、トリエチルアミンや1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどのアミン類の塩基存在下、塩化アセトニトリル、臭化アセトニトリル、ヨウ化アセトニトリルなどのハロゲン化アセトニトリルと反応させて行うことが出来る。好ましくは、テトラヒドロフラン中、水素化ナトリウム存在下、またアセトン中、炭酸カリウム存在下臭化アセトニトリルで処理するのがよく、この場合、室温で十分反応が進行し、他条件に比べ高収率で目的のシアノメチルエーテル体を与える。
[第2工程]
第1工程で得たシアノメチルエーテル体はパラジウムや酸化白金などを触媒とする接触還元反応により容易に2−アミノエチルエーテル体へと変換することが出来る。反応溶媒としては、メタノールやエタノールなどの低級アルコールが比較的適しており、反応は中圧水素下、室温で円滑に進行し、目的の2−アミノエチルエーテル体を高収率で与える。
[第3工程]
さらに第2工程で得た2−アミノエチルエーテル体は不活性有機溶媒中、(1)ハロゲン化水素捕捉剤としての塩基存在下ハロゲン化アルキルと処理する方法と(2)パラジウムや酸化白金などを触媒とする中圧接触還元反応条件下または水素化ホウ素ナトリウムやシアノホウ素ナトリウムを用いる化学還元の反応条件下で低級アルカナールと反応させる方法によりN,N−ジアルキル化し、これにより最終目的化合物へ容易に変換可能である。(1)の場合、溶媒としてはDMFやDMSOが、また塩基としては炭酸カリウムが比較的適しており、ハロゲン化アルキルとしては塩化物より臭化物、ヨウ化物の方が高収率を与える。(2)の場合、反応溶媒としてはメタノールやエタノールなどの低級アルコールが比較的適しているが、これに塩酸や酢酸などの酸を少量加えると上記のアミノエチルエーテル体のアミノ基の反応がより促進される場合もある。
PF1022E物質のフェノール性水酸基の代りに導入できる置換基の種類としては、通常の直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の他、各種置換基を有するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基も含まれる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、アリル(2−プロペニル)基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基などが代表的な例として挙げることが出来る。また、このアミノ基の窒素原子を環構成員とするモルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基などの環状アミノ基の導入もジアルキル基の導入と同様に行いうる。
(B)また、例えば一般式(I)で表される化合物のうち、R1がH、R2が3−アミノプロポキシ基である化合物を合成するには、アミノ基に保護基を有する1−ハロ−3−アミノプロパンとPF1022E物質とをエーテル結合により縮合させ、さらに脱保護した後、3−アミノプロピルエーテル誘導体とすることも可能であり、N−置換基としては上記2−アミノエチルエーテル体と同様の置換基を挙げることが出来る。
(C)また、一般式(I)で表される化合物のうち、R1がH、R2がヘテロ環置換メトキシ基である化合物を合成するには、PF1022E物質と下記の一般式(IV)で表される適宜なヘテロ環ハロゲン化物誘導体とを上記と同様にエーテル結合により縮合させることにより、相当するヘテロ環を有するPF1022誘導体を合成することができる。
Hetero-CH2X (IV)
但し、Hetero:複素環を表し、X=Cl,Br,I,OHである。
上記のヘテロ環の種類によりXとして何が好ましいかが分かれる。X=ハロゲンの場合、通常PF1022E物質と不活性溶媒中、ハロゲン化水素捕捉剤としての塩基存在下反応させる。X=Cl、Brの場合はさらに反応混合物に金属ヨウ化物などを加えることにより、より反応が円滑に進む場合が多い。溶媒としては、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化溶媒などの他、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。塩基としては、t−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムなどの他、トリエチルアミンや1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基も使用可能である。適した反応温度は用いるヘテロ環誘導体や溶媒、塩基により異なるが、概ね室温〜90℃で良好な結果を得ることができる。
一般式(IV)でX=OHの場合は、PF1022E物質とのいわゆる光延反応により容易に目的物を得ることができる。具体的には、不活性溶媒中、アゾジカルボン酸エチルエステルやアゾジカルボニルジピペリジンなどのジアゾジカルボン酸誘導体とトリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィンなどの3価リン化合物とを縮合試薬として反応する。溶媒としては、THFなどが挙げられる。
なお、一般式(IV)で表されるハライド化合物のヘテロ環部分に上記エーテル化反応を阻害する活性水素が存在する場合には、そこに脱離容易な保護基を前もって導入しておく必要がある。
また、一般式(IV)のハライドでヘテロ環が、2−イミダゾリル、2−チアゾリルの場合は、別法として前記シアノメチルエーテル体を例えば水−クロロホルム−トルエン等の含水混液中、ジチオリン酸O,O‘−ジエチルと加熱還流条件で反応させることにより、チオカルバモイルメチルエーテル体を得た後、このチオカルバモイルメチルエーテル体と例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類の溶媒中、濃硫酸等を酸触媒として用いてブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールと70℃〜100℃で反応させることにより、2−チアゾリル体が得られる。同様にして、前記チオカルバモイルメチルエーテル体を例えばアセトン中、ヨウ化メチルと反応させて得られた化合物を例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類の溶媒中、塩酸存在下、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールと70℃〜100℃で反応させることにより、2−イミダゾリル体が得られる。
(D)また、一般式(I)で表される化合物のうちR1が水素原子、R2がt−ブトキシ基である化合物は、PF1022E物質を酸触媒下、イソブテンと反応させることにより水酸基をO−t−ブチル化し、t−ブチルエーテル誘導体とすることが出来る。
2.PF1022H物質の化学変換による方法
一般式(I)で表される化合物のうちR1、R2がともにシアノ(v)アルコキシ基、チオカルバモイル(C1〜C6)アルコキシ基、アミノ(C1〜C6)アルコキシ基、保護基を有するアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ基、N,N−ジ((C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ基または(環構成原子として窒素原子を1以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシ基を表す化合物は、一般式(I)で表される化合物のうちR1、R2共に水酸基である化合物、すなわち(PF1022H物質)を原料として製造することができる。
PF1022H物質は、従来、全合成(PCT国際公開WO93/19053)またはPF1022物質からの合成(PCT国際公開WO93/19053,WO94/19334)でしか得ることができなかった。しかしながら最近PF1022物質の発酵培養液中に存在していることが今回発見された(特願平8−208201号)。PF1022H物質の化学構造は、PF1022物質の両方のベンゼン環のパラ位が水酸基で置換されていることに相当する。従ってPF1022物質の片方のベンゼン環のパラ位が水酸基で置換されているPF1022E物質に対する化学修飾の手法をそのまま適用することによって、PF1022H物質から、各種の誘導体を合成できる。また、通常のフェノール性水酸基に適用出来る他の化学反応も適用可能である。アシル化(カルボン酸エステル化)、エーテル化などが、その代表的な反応である。例えば、PF1022H物質を酸触媒下、イソブテンと反応させることにより2つの水酸基をO−t−ブチル化し、アルキルエーテル誘導体とすることが出来る。
3.PF1022物質のベンゼン環水素のカルボキシル基置換誘導体の生成による方法
一般式(I)で表される化合物のうちR1、R2どちらか一方が、または両方共に、置換基(ハロゲンまたは水酸基)を有してもよい(C3〜C6)アルカノイル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルカルバモイル基、(環構成原子として窒素原子を1以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノカルボニル基、N−モノ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、N,N−ジ(C1〜C6)アルキルアミノアルコキシカルボニル基、(環構成原子として窒素原子を1以上含み、さらに酸素原子、または硫黄原子を含んでもよい5員または6員の)環状アミノ(C1〜C6)アルコキシカルボニル基またはホルミルオキシ(C1〜C6)アルキルカルボニル基である一般式(I)の化合物、及びR1とR2のどちらか一方または両方がカルボキシル基、t−ブチル基または2−アミノチアゾリル基である一般式(I)の化合物は、PF1022物質からの化学変換を行う方法(1)または、全合成を行う方法(2)である以下に説明する2つの方法により製造することができる。
また、その化学変換を行う方法(1)は(a):PF1022物質のベンゼン環のアシル化、特にアセチル化、(b):a法で得られるアシル体のうちのアセチル体からカルボキシル体への化学変換、(c):カルボキシル体からのPF1022物質誘導体の合成、および(d):PF1022物質のニトロ体からのPF1022新規誘導体の合成の4つの方法(a)〜(d)を包含する。
(1)PF1022物質の化学変換
a法:ベンゼン環のアシル化
PF1022物質の両方のベンゼン環には通常の芳香族化合物に対する、よく知られた種々の親電子置換反応が適用できる。それらを利用して、さまざまなタイプのPF1022物質誘導体が合成され得る。
これまでPF1022物質のベンゼン環には酸素、窒素などのヘテロ原子が結合した例は多くあったが、このベンゼン環に新たな別の炭素−炭素結合を形成させて誘導体化した例は全く知られていない。このようなベンゼン環に炭素−炭素結合を形成された化合物の調製にはフリーデル−クラフツ反応が非常に有力な手段となる。そしてPF1022物質のベンゼン環のアシル化は、通常のフリーデル−クラフツ反応方法が適用できる。すなわちそのアシル化のためには、ニトロベンゼン、四塩化炭素、二硫化炭素などの不活性溶媒中、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物などのアシル化剤を用い、さらに必要に応じ反応を活性化するため塩化アルミニウムに代表されるルイス酸を用いて反応を行う。
例えば、アセチル基を導入しようとする場合、上記不活性溶媒を用いることもできるが、塩化アセチルを溶媒とアシル化試薬との両方として使用し、塩化アルミニウムの存在下反応させるのが良好な結果を与える。なお、本アセチル化反応においては主としてオルト置換体とパラ置換体とが生成するが、クロマトグラフにより両者を分離精製することが出来る。
なお、カルボン酸塩化物として塩化ピバロイルを用いた場合には、アシル化は起きず、PF1022物質のベンゼン環水素がt−ブチル基で置換した化合物が生成する。
b法:a法で得られるアシル体のうちのアセチル体からカルボキシル体への化学変換
a法で得られたアセチル体をさらに種々の誘導体へ導くためには、下記の4工程を経て、相当するカルボン酸化合物を調製する。すなわち、該アセチル体を四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン系不活性溶媒中、N−ブロモコハク酸イミド、過臭化臭化ピリジニウム、臭素などの臭素化剤と反応させてブロモアセチル体とする工程を行う。特に好適な例としては、クロロホルム中で触媒量の臭化水素存在下、化学量論量の臭素との反応が高収率を与える。さらに蟻酸中、蟻酸ナトリウムと処理して、ホルミルオキシアセチル体とする工程を行う。これをメタノリシスして脱ホルミル体、すなわちヒドロキシアセチル体とする工程を行い、また引き続き過ヨウ素酸ナトリウム、四酢酸鉛、過ヨウ素酸等の酸化剤、好ましくは過ヨウ素酸ナトリウムと処理して、目的とするカルボキシル体とする工程を行う。
なお、上記のブロモアセチル体を不活性溶媒中、好ましくはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒中、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、チオ尿素と反応させる方法により、2−アミノチアゾール環を形成することができ、これにより、ベンゼン環のパラ位に2−アミノチアゾール環が結合した化合物を製造できる。
c法:カルボキシル体からのPF1022物質誘導体の合成
上記のb法にて得られたカルボキシル体は、これを通常のカルボキシル基に適用可能な化学変換にかけて、新規誘導体を製造できる。この化学変換はエステル化、アミド化などがよく知られた手法によって実現可能である。
d法:PF1022物質のニトロ体からのPF1022物質誘導体の合成
上記フリーデル−クラフツ反応以外に、PF1022物質のベンゼン環にカルボキシル基を導入するための炭素−炭素形成反応として、サンドマイヤー反応を利用できる。
具体的には、PF1022物質をニトロ化し、それに続くニトロ基の還元により得られるアミノ体を生成し、これを亜硝酸で処理してPF1022物質の片方または両方のベンゼン環のジアゾニウム塩(PCT公開WO93/19053)を生成し、これに対し、金属シアン化物を反応させることにより、ベンゼン環にシアノ基が導入された化合物を合成できる。
このようにして得られたPF1022物質のベンゼン環の片方または両方がシアノ化された化合物は、通常芳香族ニトリル化合物に適用可能な化学変換をほぼそのまま適用することが出来、したがって相当するカルボキシル誘導体を効率よく調製することが出来る。
この方法の利点はニトロ基の結合している位置にシアノ基を導入できることであり、上記のPF1022物質にフリーデル−クラフツ反応を適用した場合に生成する位置異性体の混入を避けることが出来る。
(2)全合成を行う方法
ベンゼン環水素をカルボキシル基で置換したL−フェニル乳酸誘導体を原料とする全合成の方法によって前記の種類の一般式(I)の化合物を合成する。
上記の方法と同様にL−フェニル乳酸誘導体にフリーデル−クラフツ反応を適用するのも一つの良い方法ではあるが、カルボキシル基へ変換可能な官能基をあらかじめ望む置換位置に持つ出発原料、例えばパラ置換体を合成する目的の場合、市販されているp−アミノ−L−フェニルアラニンやp−ニトロ−L−フェニルアラニンを利用するのが、他の位置置換体の混入がなく、したがって、その精製分離操作を行うことなくp−カルボキシル−L−フェニル乳酸誘導体を調製出来るという大きな利点がある。
p−アミノ−L−フェニルアラニンを使用する場合、2個のうちの片方のアミノ基だけ反応させなければならない必要上、先づ他方のアミノ基に選択的に保護基を導入し、後の工程でそれを除去しなければならない。一方、p−ニトロ−L−フェニルアラニンを用いる場合、α−アミノ基を通常よく知られた方法によりジアゾニウム塩に転化し、さらに水酸基に変換してp−ニトロ−L−フェニル乳酸へと導き、その後ニトロ基を還元してアミノ基とし、さらにカルボキシル基へと誘導する方法を行うことが出来る。後者の方法はアミノ保護基を用いることなく、目的とするp−カルボキシ−L−フェニル乳酸誘導体を調製出来るという点でよりすぐれているといえる。
より具体的にその方法を述べる。すなわち、上記のジアゾニウム塩の生成のためには、先づp−ニトロ−L−フェニルアラニンを酸性水溶液中、亜硝酸金属塩または亜硝酸アルキルで処理する。酸性水溶液としては、塩酸酸性、硫酸酸性、酢酸酸性などが適しているが、酢酸酸性がより好ましい。また、亜硝酸金属塩としては、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムなどが、亜硝酸アルキルとしては亜硝酸イソアミル、亜硝酸ブチルなどが挙げられるが、亜硝酸ナトリウムがなかでも好ましい。取り扱いを容易にするため、得られたp−ニトロ−L−フェニル乳酸は塩化水素−メタノール、塩化水素−エタノール、ジフェニルジアゾメタンなどでエステル化して、p−ニトロ−L−フェニル乳酸エステルとする。p−ニトロ基を上記サンドマイヤーの方法と同様にジアゾニウム塩化し、これを金属シアン化物で処理して、p−シアノ−L−フェニル乳酸エステルを作る。金属シアン化物としてはシアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅などが挙げられるが、シアン化銅がより高収率で目的物を与える。さらにこのシアノ基は通常の芳香族性シアノ基に対して適用可能な手法を用いることにより、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などに変換できる。
このようにして得られたL−フェニル乳酸誘導体を出発原料の一つとして、全合成により本発明の新規誘導体を造出することが出来る。
(II)次に前記した一般式(III)のPF1022物質誘導体の製造法を説明する。
1.PF1022物質のベンゼン環部分の酸化的分解(フェニル基をカルボニル基へ変換)及びベンゼン環をヘテロ環に置換した化合物の生成による方法
前記した一般式(III)の化合物は、PF1022物質のフェニル乳酸残基の1つまたは2つをリンゴ酸残基に置換した24員環のCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]またはCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac]を作り、さらにこれを原料として合成することができる。
これらの原料物質は、適当な保護基を有するリンゴ酸誘導体を出発物質の一つとする全合成(PCT公開WO94/19334)により24員環形成を行った後、保護基を除去し、所望の化合物を合成する方法(1)とPF1022物質を原料として、四酸化ルテニウムによりベンゼン環部分を酸化的に分解する方法(2)の2通りの方法で製造することができる。
このうち(2)の方法においては、触媒量の二酸化ルテニウムもしくは三塩化ルテニウム等のルテニウム化合物存在下、適当な共酸化剤を用いて系内で四酸化ルテニウムを発生させる方法が有効である。
この際、共酸化剤の量を化学量論的に制限することで、PF1022物質の一方のベンゼン環のみをカルボン酸に変換することも可能である。共酸化剤の例としては、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、臭素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムのようなハロゲン酸化物の塩類、あるいは過ヨウ素酸水和物のような過ヨウ素酸化合物を用いる例、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウムなどの重金属酸化物、もしくはその塩類を用いる例、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどの有機塩基酸化物を用いる例、m−クロロ過安息香酸、過酢酸などの過酸を用いる例、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキシドのような過酸化物を用いる例などが挙げられる。好ましくは過ヨウ素酸水和物、過ヨウ素酸ナトリウムを用いる方法がよい。
このようにして得られるモノおよびジカルボン酸誘導体は、カルボキシル基に適用可能な反応は、基本骨格である環状デプシペプチドを分解しない条件下ならばほとんど全て適用することができる。すなわち酸ハライドや混合酸無水物の合成、種々アルコールとのエステル生成反応、種々アミンとのアミド化反応、オルトエステルの合成、アルデヒドやアルコールへの還元反応、1,2−および1,3−ジアミン、アミノアルコール、アミノチオールとの下記記載のヘテロ環構築反応などが代表的な反応として挙げられる。また、このように変換された物質は、さらなる誘導体化が可能である。
以上の方法により調製したモノ及びジカルボン酸化合物であるCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]またはCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac]を出発原料として用いる場合、一般式(III)の化合物であるPF1022物質のベンゼン環の1つまたは2つをヘテロ環に置換したモノおよびビスヘテロ環誘導体を以下の2通りの方法により合成する。
すなわち、(1)1,2−ジ置換ジアミン、アミノアルコール、アミノチオール等と反応させることにより1工程で脱水を行いながら環形成を行わせる方法と、(2)同様に脱水を行いながらジアミン、アミノアルコール、アミノチオール等と相当するアミド、エステル、チオエステル等を一旦生成させ、その後あらためて環形成反応を行わせて所望の化合物に導く方法とがある。
両方法に用いる脱水方法の例としては、文献(J.Org.Chem,52,4137,1987)に知られているトリフルオロメタンスルホン酸無水物とトリフェニルホスフィンから用時に調製される化合物、ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド類、モレキュラーシーブスなどの脱水剤を使用する他、ディーンスタークのような装置を用いて水と共沸混合物を形成する溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどを用いてp−トルエンスルホン酸などの酸触媒存在下に環流する方法も含まれる。
(III)さらに前記した一般式(II)のPF1022誘導体の製造法を説明する。
(a)前記した一般式(II)で表される化合物のうち
3は、水素原子、R4は、フェニル基のオルト、メタまたはパラ位の任意の位置に結合したモルホリノ基である化合物は、前記の製造方法によって合成されたPF1022物質のベンゼン環の片方のパラ位にアミノ基が導入された化合物(Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2N)Ph Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac])を出発物質として下記の方法により、好ましく製造することができる。
具体的には、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2N)Ph Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]を不活性溶媒中、塩基存在下ジ(2−ハロエチル)エーテルと反応させることにより、容易に環化してアミノ基の部分がモルホリノ基に変換した化合物が得られる。
ジ(2−ハロエチル)エーテルとしては、ジ(2−クロロエチル)エーテルとジ(2−ブロモエチル)エーテルが有効であるが、後者の方がより反応が円滑に進む。ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ(n−ブチル)アンモニウムなどのヨウ化物を添加することにより、さらに高収率を達成することが出来る。
(b)また、一般式(II)で表される化合物のうち、R3は、フェニル基のオルト、メタまたはパラ位の任意の位置に結合したモルホリノ基、R4はオルト位またはメタ位に結合したモルホリノ基である化合物は、PF1022物質を濃硫酸(または三酸化硫黄)と濃硝酸の混合物、発煙硝酸単独等のニトロ化剤を過剰に用いて処理することにより、それぞれのベンゼン環に1つづつニトロ基が導入されたジニトロ化合物の位置異性体の混合物を作り、さらにこれを上記モノニトロ体と同様に化学変換して、ベンゼン環のそれぞれに1つづつモルホリノ基が結合した誘導体を作ることによって合成できる。この場合、それぞれの位置異性体はニトロ化合物の段階でも、最終生成物のモルホリノ化合物の段階でも精製分離することが出来る。
なお、上記に説明した諸方法において、原料化合物または中間体に含まれるアミノ基の保護基としては、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基、t−ブトキシカルボニル(Boc)基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基等の如き、酸水解または還元的条件下で除去できるアミノ保護基、あるいはアリルオキシカルボニル基等の如き、中性条件で除去できるペプチド化学で慣用のアミノ保護基が使用できる。アミノ保護基は好ましくは、t−ブトキシカルボニル(Boc)基やベンジルオキシカルボニル(Cbz)基が良く、前者の場合DiBoc試薬、Boc-ON試薬などの、また後者の場合Cbzクロライド、N-Cbzコハク酸イミドなどの市販の試薬を用い、THF、1,4−ジオキサン、DMFなどの不活性溶媒中、無機または有機塩基存在下保護基を導入する。通常、前者の場合、塩酸やトリフルオロ酢酸などによる酸処理で、後者の場合、接触水素添加により容易に脱離が可能である。
また、原料化合物または中間体に含まれるカルボキシル基の保護基としては、t−ブチル、ジフェニルメチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、トリチル基等の如き、酸水解または還元的条件下で除去できるカルボキシル保護基やアリル基の如き中性条件で除去できる保護基が使用できる。これら保護基が、酸水解条件で脱離できるものである場合は、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等で処理する方法が用いられる。好ましくは、トリフルオロ酢酸による処理が最適である。還元的条件下で脱離できるものである場合は、パラジウム接触還元による処理が望ましい。保護基がアリル基の如き中性条件で除去できる場合には、除去方法は、ゼロ価のパラジウム触媒を用い、2−エチルヘキサン酸カリウムと反応させる方法がある。
このようにして調製された前記の新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体は、製薬学的に許容できる無機塩、例えば塩酸、硫酸、燐酸、また有機塩、例えば酢酸、プロピオン酸、クエン酸、メタンスルホン酸との酸付加塩を形成できる。また、本誘導体またはその塩は製薬学的に許容できる固体または液体状の担体と混和して駆虫剤組成物に調合できる。
第1の本発明においては、前記の一般式(I)のPF1022物質誘導体群の一部分領域のうちの、次の一般式(I')
Figure 0004001381
〔式中、(i)R 1 は、水素原子を示し且つR 2 は、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換のテトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C 1 〜C 6 )アルコキシ基、を示し、しかも前記の複素環は、該複素環上に置換基として、フェニル基、(C 1 〜C 6 )アルキルフェニル基、(C 3 〜C 6 )シクロアルキルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基またはフルオロフェニル基を有してもよく、あるいは(ii)R 1 とR 2 は相互に同じであり且つ各々はピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換のテトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C 1 〜C 6 )アルコキシ基、を示し、しかも前記の複素環は、該複素環上に置換基として、フェニル基、(C 1 〜C 6 )アルキルフェニル基、(C 3 〜C 6 )シクロアルキルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基またはフルオロフェニル基を有してもよく、またMeは、メチル基を示す〕で表される環状デプシペプチド、PF1022物質誘導体である化合物が提供される。
第1の本発明の一つの実施形態では、前記の一般式(I')で(i)R 1 は水素原子で且つR 2 は、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換テトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有するメトキシ基であるか、あるいは(ii)R 1 とR 2 は相互に同じで、その各々がピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換テトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有するメトキシ基である場合の化合物が提供される。
特に、一般式(I')で、R 1 が水素原子であり且つR 2 がフルフリルオキシ基である場合の化合物、あるいはR 1 とR 2 との各々が同じく2−ピコリルオキシ基である場合の化合物が本発明化合物の好例である。
第2の本発明では、前記の一般式(I')の環状デプシペプチドの少くとも一つまたはその酸付加塩を有効成分として含有することを特徴とする駆虫剤組成物が提供される。
本発明の一般式(I')の新規環状デプシペプチド誘導体またはその塩、あるいはこれを含む組成物は動物に経口または非経口的に投与できる。その投与量は駆除すべき寄生虫の種類、投与を受ける被寄生の宿主動物の種類およびその他の諸要因に応じて適宜予備試験によって決定できる。一般的な指針としては、例えばニワトリ回虫の駆除に経口投与する場合には、一般式(I')の本発明化合物は0.05mg/kg以上、好ましくは、0.2mg〜3mg/kgの投与量で経口投与すると、寄生虫の駆除作用が認められる。
本発明の一般式(I')の化合物は、特開平3−35796号または欧州特願公開第0382173A2号明細書に記載されている同じ仕方でPF1022物質と同様に、駆虫剤組成物として調合できる。
本発明による一般式(I')の新規環状デプシペプチド誘導体が駆虫剤として適用できる宿主動物としては、豚、牛、兎、羊、山羊、鶏、家鴨、七面鳥、二十日鼠、大黒鼠、モルモット、猿、犬、猫、馬、小鳥などの家畜、家禽、実験用動物、ペットなどがある。またこれら動物を宿主とする寄生虫としては、牛や羊の捻転胃虫、オステルターグ胃虫、毛円虫、クーパー線虫、腸結節虫、双口吸虫、ベネディン状虫、肺虫、肝蛭など、豚の回虫、鞭虫、腸結節虫など、犬の回虫、鈎虫、鞭虫、糸状虫など、猫の回虫、マンソン裂頭条虫など、鶏の回虫、毛様虫、盲腸虫などがある。また、本化合物はヒトの回虫、蟯虫、鈎虫(ズビニ鈎虫、セイロン鈎虫、アメリカ鈎虫など)、東洋毛様線虫、糞線虫、鞭虫の駆除にも有用である。
本発明の新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体は寄生虫感染症の治療および予防に利用できる。治療のための投与方法は、経口的または非経口的である。経口投与する場合には、液状の製剤を胃カテーテルなどの器具を用いて強制的に行う方法、通常の飼料または飲料水に混合して投与する方法、あるいは通常の経口投与に適した剤型、例えば、錠剤、カプセル剤、ペレット剤、巨丸剤、粉剤、軟カプセル剤などで投与する方法がある。また、非経口的に投与する場合にはピーナッツ油、大豆油などの非水溶性処方、グリセロール、ポリエチレングリコールなどの水溶性処方を注射などにより皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内などに投与する。これら非経口的製剤の場合、一般に本発明化合物を0.1〜10重量%含有できる。
また、寄生虫予防のための投与方法は、通常の飼料に混合して経口的に行うのが一般的である。投与期間は予防の場合には制限はないが、通常の肉用鶏では約2ヶ月、豚では約5ヶ月で充分であることが多い。例えば鶏の回虫を駆除する治療には、液状製剤を胃カテーテルを用いて経口的に投与する場合は、0.05mg/kg以上を投与する。また、予防のための投与濃度は飼料中1ppm以上の値であり、特に5〜10ppmが好ましく、連続的に投与する。
本発明による新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体の安全性については、マウスに300mg/kgを投与しても平常の体重増加を示し、その他の異常も認められず本化合物が低毒性であることを示している。
本発明者らが今回、新しく合成できた新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体は既に文献および特許明細書に開示されているPF1022物質誘導体と比較しても、同等もしくはそれ以上の強力な駆虫活性を持つことが動物を使った評価実験の結果から判明した。しかも、それらは発酵生産物であるPF1022物質およびその類縁体を出発物質として、効率的に合成することが出来る。
なお、後記される実施例1〜72のうちの実施例13、16〜17、19〜32および39〜44のみが第1の本発明(補正後の請求の範囲1に係る)による一般式(I')の化合物の範囲に属する新規PF1022誘導体の具体的な合成例を記載するものであることを付記する。
次に、第1の本発明(補正後の請求の範囲1に係る)による一般式(I')に属する新規な環状デプシペプチドおよび第1の本発明の範囲外の化合物の寄生虫駆除活性を試験例によって例証する。
試験例1
羊寄生虫に対するin vivo駆虫活性試験
実験的に線虫(Haemonchus contortus)を寄生させた羊に、その体重(kg)から正確に算出した投与量の被検物質(mg)をゼラチンカプセルの形で経口投与した。
投与前後での羊の糞と共に排出された寄生虫の卵の数を定量的に数えることにより駆虫効果の程度を判断した。結果を表1に示す。被験物質は、物質コード名で示されている。但し、表1に示された被験物質計16個のうち、実施例17のPF1022−304物質と実施例24のPF1022−312物質のみが第1の本発明による前記の一般式(I')の化合物の範囲内に入るものであって、その他の被験化合物は第1の本発明(補正後の請求の範囲1に係る)の範囲外であることを付記する。
表1には卵の排出が全く観察されない状態させることができる、すなわち完全に寄生虫を駆逐できる供試の各新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体の投与量が示されている。表1で供試した新規誘導体はPF1022物質と比較して、2.5倍から25倍の、またPCT国際公開WO93/19053号明細書記載のPF1022類似物質であるCyclo[MeLeu-(Mor)PhLac-MeLeu-Lac]2と比較して、2倍から5倍の極めて高い駆虫活性を持つことが本試験において例証された。
Figure 0004001381
試験例2
Nippostrongylus brasiliensisのin vivo駆虫試験
Nippostrongylus brasiliensisに人工的に感染させられた雄ウィスターラットを試験動物として用いた。ラットの体重(kg)から正確に算出した被検化合物の投与量(mg)のジメチルスルホキシドまたはメタノール溶液をリンゲル液で稀釈し、強制的に経口投与した。投与後、10日目に解剖して小腸に残留している成虫数を数えた。感染対照ラット(不処理)の成虫数と比較して算定した有効率を表2に示した。
表2に示されて試験された新規誘導体はPF1022物質(比較化合物A)と比較すると、2〜10倍以上の高い駆虫活性を持つことが実証された。
但し、表2に示された実施例9、10、65、66の各物質は、第1の本発明(補正後の請求の範囲1に係る)による一般式(I')の化合物の範囲外であることを付記する。
Figure 0004001381
次に、前記した一般式(I)、(II)または(III)の新規PF1022物質誘導体の製造例を後記の実施例4〜72について具体的に説明する。なお、実施例中に示された下記の略記号は次の意味を有する。
Boc:t−ブトキシカルボニル基
Cbz:ベンジルオキシカルボニル基
Mor:モルホリノ基
Pyr:1−N位で結合したピロリジノ基
Pip:1−N位で結合したピペリジノ基
BTH:2位で結合したベンゾチアゾリル基
ATH:4位で結合した2−アミノチアゾリル基
BIM:2位で結合したベンズイミダゾリル基
Me:メチル基
Pr:n−プロピル基
Bu:n−ブチル基
Lac:D−乳酸残基
Figure 0004001381
PhLac:D−フェニル乳酸残基
Figure 0004001381
(R)Lac:メチル基がR基により置換されたD−乳酸残基
(R)PhLac:ベンゼン環のパラ位がR基で置換されたD−フェニル乳酸残基
(o−R)PhLac:ベンゼン環のオルト位がR基で置換されたD−フェニル乳酸残基
MeLeu:N−メチル−L−ロイシン残基
Figure 0004001381
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
TFA:トリフルオロ酢酸
DiBoc試薬:二炭酸ジ−t−ブチル
HOBt:1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
BOP−Cl:ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド
次の実施例1はPF1022物質のニトロ化によるニトロ誘導体の製造、実施例2は該ニトロ誘導体のニトロ基の還元によるアミノ誘導体の製造、また実施例3は該アミノ誘導体のアミノ基の化学変換によるPF1022E物質の製造を例示する。
なお、前記したところから明らかなように、後記の実施例1〜72のうちの実施例13、16〜17、19〜32および39〜44で合成された化合物のみが第1の本発明(補正後の請求の範囲1に係る)による一般式(I')の化合物の範囲に属する新規PF1022誘導体の具体例であることを付記する。
実施例1.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(O2N)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の製造
PF1022物質の50gを無水酢酸250mlに溶解し、その溶液を氷冷下10℃以下に保って発煙硝酸25mlを滴下し、同温にて3時間攪拌下反応させた。反応液を酢酸エチル2.5lで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水それぞれ2.5lで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン 1:1(v/v)で展開)にて精製し、標題化合物18.6g(35.5%)を白色粉末として得た。
NMR(CDCL3):δ=0.78〜1.00(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.10〜1.86(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.70〜3.25(16H,m,N-Me,β-CH2((O2N)PhLac,PhLac)),4.45〜5.75(8H,m,α-CH),7.15〜7.25(5H,m,aromatic(PhLac)),7.45,8.15(each 2H,each d,J=8Hz,aromatic((O2N)PhLac))
実施例2.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2N)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の製造
実施例1で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(O2N)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]18.6gをメタノール190mlに溶解し、その溶液に10%パラジウム/炭素1.9gを加えて常圧室温にて3時間接触還元した。触媒を濾去した後、反応液から溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン2:1(v/v))にて精製し、標題化合物7.1g(39.4%)を白色粉末として得た。
実施例3.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]すなわちPF1022E物質の製造
実施例2で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2N)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 7.1gをTFA70mlに溶解し、その溶液に亜硝酸ナトリウム0.76gを加えて60〜65℃にて1時間反応させた。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣を1,4-ジオキサン140mlと水28mlとに溶解し、その溶液に炭酸水素ナトリウム6.18gを加えて、室温にて5時間反応させた。反応液を酢酸エチル500mlで希釈し、水500mlにて2回洗浄した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン 4:3(v/v)で展開)にて精製し、さらに酢酸エチルより結晶化し、標題化合物2.1g(30%)を結晶性白色粉末として得た。
本例の合成で得たPF1022E物質は、その[α]D、NMR、MSが培養で得られたPF1022E物質のそれらと完全に一致した。
実施例4.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例3で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022E物質)482mgをTHF10mlに溶解し、その溶液へ氷冷下、ブロモアセトニトリル0.12mlと水素化ナトリウム(55%無機オイル分散液)100mgを加え、室温に昇温させた後、1時間反応させた。反応液を酢酸エチル50mlで希釈し、水50mlにて2回洗浄した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−酢酸エチル=1:2(v/v)で展開)にて精製し、標題化合物477mg(94.4%)を白色粉末として得た。
NMR(CDCL3):δ=0.82〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.26〜1.71(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),(162.73〜3.20H,m,N-Me,β-CH2((NCCH2O)PhLac,PhLac)),3.90〜5.70(8H,m,α-CH),4.70(2H,s,NCCH2O),6.86〜6.94(2H,m,aromatic((NCCH2O)PhLac)),7.20〜7.30(7H,m,aromatic((NCCH2O)PhLac,PhLac))
MS(FD):1059(M+1)
実施例5.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BocNHCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例4で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 461mgをエタノール1.5mlに溶解し、その溶液へ濃塩酸0.2mlと10%パラジウム/炭素50mgとを加えて中圧水素下(45psi)、室温にて16時間接触還元に付した。触媒を濾去した後、濾液を減圧濃縮乾固し、下記の実施例6の標題化合物を粗塩酸塩として得た。
この残渣をジオキサン10mlと水10mlとの混液に溶解し、トリエチルアミン0.25mlとDiBoc試薬240mgとを加えて、室温にて2.5時間攪拌した。ジオキサンを減圧留去した後、5%クエン酸と酢酸エチルとを加えて分液し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム酢酸エチル=2:1で展開)にて精製し、標題化合物296mg(58.2%)を白色粉末として得た。
NMR(CDCL3):δ=0.83〜1.05(33H,m,δ-CH3(MeLeu),Boc),1.35〜2.01(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.74〜3.15(20H,m,N-Me,β-CH2((BocNHCH2CH20)PhLac,PhLac)BocNHCH2CH2O),3.50〜5.75(8H,m,α-CH),6.86〜6.94(2H,m,aromatic((BocNHCH2CH2O)PhLac)),7.20〜7.30(7H,m,aromatic((BocNHCH2CH2O)PhLac,PhLac))
実施例6.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-278物質)
実施例5で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BocNHCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 296mgを塩化メチレン3mlに溶解し、氷冷下TFA0.5mlを徐々に加えて、室温にて2.5時間攪拌した。再び氷冷した後、さらにTFA0.2mlを追加し、室温にて45分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に飽和重曹水と酢酸エチルとを加えて分液し、有機層を減圧濃縮乾固して、標題化合物を白色粉末として定量的収量で得た。
実施例7.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-235物質)
Cyclo[MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac]塩酸塩283mgをエタノール6mlに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液0.43mlと10%パラジウム/炭素65mgとを加えて常圧水素下室温にて8時間接触還元に付した。触媒を濾去した後、濾液を減圧濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=20:1(v/v)で展開)にて精製し、標題化合物192mg(68.5%)を白色粉末として得た。
[α]D=-71.0°(c=0.13,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.25〜1.80(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.41(6H,s,N(CH3)2),2.73〜3.20(20H,m,N-CH3(MeLeu),β-CH2(((CH3)NCH2CH2O)PhLac,PhLac),(CH3)NCH2CH2O),4.08〜5.75(8H,m,α-CH),6.84,7.14(each 2H,each d,each J=8Hz,aromatic((CH3)NCH2CH2OPhLac),7.26(5H,s,aromatic(PhLac))
MS(SIMS):1036(M+1)
実施例8.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-236物質)
実施例6で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]塩酸塩425mgをエタノール5mlに溶解し、90%アセトアルデヒド水溶液3.9mlと10%パラジウム/炭素60mgとを加えて常圧水素下室温にて8時間接触還元に付した。触媒を濾去した後、濾液を減圧濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=20:1(v/v)で展開)にて精製し、標題化合物289mg(66.7%)を白色粉末として得た。
[α]D=−54.8°(c=0.21,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.07(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.25〜1.81(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),1.38(6H,t,J=7Hz,N(CH2CH3)2),2.61〜3.15(24H,m,N-CH3(MeLeu),β-CH2(((C2H5)2NCH2CH2O)PhLac,PhLac)),4.00〜5.67(8H,m,α-CH),6.79〜6.83,7.11〜7.14(each 2H,each m,aromatic(((C2H5)2NCH2CH2O)PhLac)),7.24〜7.25(5H,m,aromatic(PhLac))
MS(SIMS):1064(M+1),1065(M+2)
実施例9.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(Pr2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−270物質)
実施例6で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022-278物質)500mgをDMF5mlに溶解し、炭酸カリウム112mgと1−ヨードプロパン86μlとを加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物160mg(54%)を得た。
[α]D=−81.9°(c=0.21,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(30H,m,δ-CH3(MeLeu),CH3(propyl)),1.25〜1.80(22H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),CH2CH3(Propyl)),2.48(4H,t,CH2N(Propyl)),2.75〜2.83,3.00〜3.15(20H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),OCH2CH2N),3.90〜5.67(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),6.79〜6.82(2H,m,aromatic),7.12〜7.29(7H,m,aromatic)
MS(SIMS):1092(M+1)
実施例10.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(Bu2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PFlO22-271物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022-278物質)1.08gをDMF10mlに溶解し、炭酸カリウム296mgと1−ヨードブタン270μlとを加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物529mg(44%)を得た。
[α]D=−81.8°(c=0.17,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.74〜1.05(30H,m,δ-CH3(MeLeu),CH3(butyl)),1.24〜1.74(26H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),CH2 CH 2 CH 2CH3(butyl)),2.49(4H,t,CH2N(butyl)),2.73〜3.16(20H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),OCH2CH2N),4.00〜5.65(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),6.70〜6.80(2H,m,aromatic),7.12〜7.29(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1120(M+1)
実施例11.Cyclo[MeLeu-((CH3OCH2CH2)2NCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac](化合物コード番号:PF1022-238物質)
Cyclo[MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac]塩酸塩406mgをDMF6mlに溶解し、2-ブロモエチルメチルエーテル158μl、ヨウ化ナトリウム86mgおよび炭酸カリウム212mgを加えて80℃にて3時間反応させた。反応液を酢酸エチル50mlで希釈し、水50mlにて2回洗浄した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−酢酸エチル=2:1(v/v))にて精製し、標題化合物132mg(30.6%)を白色粉末として得た。
[α]D=-81.8°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.82〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.23〜1.81(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.74〜3.18(34H,m,N-CH3(MeLeu),β-CH2((CH3OCH2CH2)2NCH2CH2O)PhLac,PhLac),3.77〜5.70(8H,m,α-CH),6.82,7.16(each 2H,each d,each J=8Hz,aromatic(((CH3OCH2CH2)2NCH2CH2O)PhLac),7.25〜7.29(5H,m,aromatic(PhLac))
MS(FD):1125(M+2)
実施例12.Cyclo[MeLeu-(MorCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac](PF1022−239物質)
Cyclo[MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac]塩酸塩227mgをDMF1mlに溶解し、2−ブロモエチルエーテル32μl、ヨウ化ナトリウム24mgおよび炭酸カリウム59mgを加えて80℃にて6時間反応させた。反応液を酢酸エチル20mLで希釈し、水20mlにて2回洗浄した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=50:1(v/v))にて精製し、標題化合物95mg(41%)を白色粉末として得た。
[α]D=−70.6°(c=0.095,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.75〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.25〜1.81(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.56〜3.75(28H,m,N-CH3(MeLeu),β-CH2((MorCH2CH2O)PhLac,PhLac),4.05〜5.67(8H,m,α-CH),6.83,7.13(each 2H,each d,each J=8Hz,aromatic((MorCH2CH2O)PhLac)),7.26(5H,s,aromatic(PhLac))
MS(SIMS):1078(M+1)
実施例13.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(PyrCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−284物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−278物質)(前記の実施例6、参照)150mgをDMF15mlに溶解し、炭酸カリウム41mg、ヨウ化ナトリウム49mgおよび1,4−ジブロモブタン19.4μlを加え、50℃で5.5時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物55mg(39%)を得た。
[α]D=−85.0°(c=0.2,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.04(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),35〜1.89(22H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),pyrrolidino-H),2.64〜3.15(24H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),pyrrolidino-H,OCH2CH2N),4.00〜5.70(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),6.80〜6.86(2H,m,aromatic),7.12〜7.32(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1062(M+1)
実施例14.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(pipCH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−285物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022-278物質)296mgをDMF3mlに溶解し、炭酸カリウム66mg、ヨウ化ナトリウム79mgおよび1,5-ジブロモペンタン35.5μlを加え、50℃で5.5時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物162mg(74%)を得た。
[α]D=−79.5.(c=0.22,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.35〜1.81(24H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),piperidino-H),2.48〜3.15(24H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),OCH 2 CH 2N,piperidino-H),4.07〜5,67(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),6.80〜6.86(2H,m,aromatic),7.12〜7.32(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1076(M+1)
実施例15.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NCH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-274物質)
1)3-Benzyloxycarbonylamino-1-propanolの合成
3−アミノ−1−プロパノール5.0gをジオキサン50mlと水50mlとの混液に溶解し、氷冷下炭酸水素ナトリウム4.3gと塩化ベンジルオキシ15.6mlを加え、同温で1.5時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物8.5g(62%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=1.70(2H,m),2.55(1H,t),3.36(2H,q),3.68(2H,q),5.11(2H,s),7.32-7.37(5H,m)
2)3-Benzyloxycarbonylamino-1-propanol t-butyldimethylsilyletherの合成
3-Benzyloxycarbonylamino-1-propanol 8.1gを塩化メチレン200mlに溶解し、トリエチルアミン4.1gと塩化t−ブチルジメチルシリル7.1gとを加えて室温で1日間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物を10.1g(82%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=0.12(6H,s),0.96(9H,s),1.79(2H,m),3.39(2H,q),3.78(2H,t),5.16(2H,s),7.38-7.42(5H,m)
3)N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-propanol t-butyldimethylsilyl etherの合成
3-Benzyloxycarbonylamino-1-propanol t-butyldimethylsilyl ether 10.1gをTHF250mlに溶解し、氷冷下ヨウ化エチル5.1mlと60%水素化ナトリウム(無機オイルdispersion)2.0gとを加えて、同温で30分さらに室温で15時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物8.5g(80%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=0.03(6H,s),0.88(9H,s),1.12(3H,t),1.74(2H,q),3.39(4H,q),3.61(2H,t),5.12(2H,s),7.29-7.36(5H,m)
4)N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-propanolの合成
N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-propanol t-butyldimethylsilyl ether 8.5gをTHF120mlに溶解し、氷冷下1N−フッ化テトラブチルアンモニウム−THF溶液48mlを加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物4.0g(71%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=1.13(3H,t),1.74〜1.78(3H,m),3.27(2H,q),3.43(2H,t),3.57(2H,bs),5.15(2H,s),7.27-7.39(5H,m)
5)N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-tosyloxypropaneの合成
N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-propanol 4.0gを塩化メチレン20mlに溶解し、ピリジン1.8mlと塩化トシル3.9gとを加え、室温で2日間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに硫酸水素カリウム水溶液、水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物4.4g(69%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=1.08(3H,t),1.90(3H,bs),2.44(3H,s),3.19〜3.30(4H,m),4.05(2H,bs),5.15(2H,s),7.15-7.34(7H,m),7.76(2H,m)
6)N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-iodopropaneの合成
N-Ethyl 3-benzyloxycarbonylamino-1-tosyloxypropane 1.02gをアセトン20mlに溶解し、ヨウ化ナトリウム0.80g加え、45℃で2時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物0.69g(76%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=1.33(3H,t),2.10(3H,bs),3,14(2H,m),3.33(4H,t),5.12(2H,s),7.28-7.40(7H,m),7.76(2H,m)
酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、シリカゲルクロマトにより精製し、標記化合物を0.69g(76%)を得た。
7)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)N(Cbz)CH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の製造
PF1022E物質の412mgをDMF5.5mlとアセトン16mlとの混液に溶解した。その溶液へ前項で得たN-Ethyl 3-benzyloxycarbonyl-amino-1-iodopropane530mg、炭酸セシウム400mgおよびヨウ化ナトリウム56mgを加えて、室温で7日間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物401mg(77%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=0.82〜1.04(27H,m,δ-CH3(MeLeu),CH 3CH2N),1.31〜1.81(18H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu),CH3(Lac)),2.03(2H,m,NCH2CH2CH2O),2.71〜3.15(16H,m,NMe(MeLeu),β-CH2(PhLac)),3.32(2H,m,CH3 CH 2NEt),3.43(2H,t,NCH 2CH2CH2O),3.91(2H,m,NCH2CH2 CH 2O),4.44〜5.68(10H,m,CH2(Cbz),α-CH),6.76〜6.80(2H,m,aromatic((C2H5)N(Cbz)CH2CH2CH2O)PhLac)),7.06〜7.38(12H,m,aromatic(PhLac,(C2H5)N(Cbz)CH2CH2CH2O)PhLac))
MS(FAB):1184(M+1)
8)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NCH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−274物質)の製造
前項で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)N(Cbz)CH2CH2CH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]401mgをエタノール6mlに溶解し、10%Pd炭素51mgを加えて水素雰囲気下、室温で17時間攪拌した。触媒を濾去した後、溶媒を留去し、残渣をエタノール5mlに溶解し、10%Pd炭素38mgを加えて氷冷し、アセトアルデヒド5mlを加えて再度水素雰囲気下、室温で1晩攪拌した。触媒を濾去した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトにより精製し、標題化合物240mg(73%)を得た。
[α]D=−84.9°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.75〜1.08(30H,m,δ-CH3(MeLeu),CH3CH2N),1.31〜1.77(18H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu),CH3(Lac)),1.92(2H,m,NCH2 CH 2CH2O),2.49〜3.15(22H,m,NMe(MeLeu),β-CH2(PhLac,(C2H5)2NCH2CH2CH2O)PhLac),CH3 CH 2N,NCH 2CH2CH2O),3.98(2H,m,NCH2CH2 CH 2O),4.44〜5.68(8H,m,α-CH),6.78〜6.84(2H,m,aromatic((C2H5)2NCH2CH2CH2O)PhLac)),7.10〜7.31(7H,m,aromatic(PhLac,(C2H5)2N(Cbz)CH2CH2CH2O)PhLac))
MS(FAB):1079(M+1)
実施例16.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((S)-pyrrolidinyl-2-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−302物質)
1)N-Boc-(S)-pyrrolidine-2-methanolの合成
(s)-pyrrolidine-2-methanol 0.99mlをH2O10mlに溶解し、トリエチルアミン 4.20mlとDiBoc試薬2.40gとを加え、室温で16時間攪拌した。反応液を濃縮した後、酢酸エチルを加え、5%クエン酸水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物1.625g(80.8%)を得た。
2)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(N-Boc-(S)-pyrrolidinyl-2-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の合成
前項で得たN-Boc-(S)-pyrrolidine-2-methanol522mgをTHF 5mlに溶解し、DEAD 16mlとトリフェニルホフィン271mgとを加えて30分攪拌した後、PF1022E物質500mgを加えて、室温で一晩攪拌した。さらに、DEAD0.16mlとトリフェニルホスフィン271mgとを加え、室温で十日間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルと水とで分液した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、386mg(64.8%)の表題化合物を得た。
3)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((S)-pyrrolidinyl-2-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の合成
前項で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(N-Boc-(S)-pyrrolidinyl-2-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]386mgを塩化メチレン4mlに溶解し、TFA0.4mlを氷冷下加え、室温で3時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、さらに有機層を飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を留去した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物182mg(51%)を得た。
[α]D=−80.0°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.36〜2.01(22H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),pyrrolidinyl-H),2.75〜3.15(19H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),pyrrolidinyl-H),3.65〜3.71,3.97,4.44,5.09,5.31〜5.67(11H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),OCH2,NH),6.81〜6.85(2H,m,aromatic),7.12〜7.27(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1048(M+1)
実施例17.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(imidazolyl-4-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−304物質)
1)N-Boc-4-(hydroxymethyl)-imidazoleの合成
4-(Hydroxymethyl)-imidazole塩酸塩955mgを1,4−ジオキサン10mlと水10mlとの混液に溶解し、トリエチルアミン3.1mlとDiBoc試薬1.86gとを加えて室温で4時間攪拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルと5%クエン酸とで分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物560mg(39.8%)を得た。
2)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(N-Boc-imidazolyl-4-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の合成
PF1022E物質200mgをTHF2mlに溶解し、DEAD65μl、トリフェニルフォスフィン108mgおよびN-Boc-4-(hydroxymethyl)-imidazole 205mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加えて不溶物を濾去して水洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物110mg(46.3%)を得た。
3)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(imidazolyl-4-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]の合成
前項で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(N-Boc-imidazolyl-4-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]110mgを塩化メチレン1mlに溶解し、TFA0.1mlを氷冷下加えて室温で1.5時間攪拌して脱保護した。反応液を濃縮し、酢酸エチルと飽和重曹水とを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、実施例17の標題化合物61.4mg(61.2%)を得た。
[α]D=−80.0°(c=0.17,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.82〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.26〜1.78(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu)),2.72〜3.16(16H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),5.03(2H,s,OCH2),4.48,5.06,5.34〜5.70(8H,m,α-H(MeLeu,Lac,PhLac),6.88〜6.94(2H,m,aromatic),7.10〜7.27(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1045(M+1)
実施例18.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2NSCCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例4で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 2.07gとジチオリン酸O,O′−ジエチル3.0mlとを水0.35ml、クロロホルム2mlおよびトルエン2mlとの混液中で30分間加熱環流した。室温まで放冷し、酢酸エチル100mlで稀釈した後、水50ml続いて飽和重曹水50mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=5:1〜1:1)により精製し、標題化合物1.67gを白色粉末として得た。
実施例19.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-imidazolylmethoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−305物質)
実施例18で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2NCSCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 403mgをアセトン20mlに溶解し、ヨウ化メチル0.25mlを加えて30℃で2日間撹拌した。そのまま濃縮し、残渣をベンゼン4mlに溶解し、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール40μlを加えて80℃で90分間撹拌した。さらに反応液に6N−塩酸4mlを加え、100℃で1時間撹拌した。室温まで放冷し、酢酸エチル50mlで稀釈した後、2N−NaOH10mlと飽和重曹水30mlとの混液次いで飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=100:1〜30:1でグラジエント展開)により精製し、標題化合物231mgを白色粉末として得た。
[α]D=−94.2°(c=0.12,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.71〜1.06(27H,m),1.18〜1.82(15H,m),2.7〜3.22(16H,m),4.46(1H,m),5.0〜5.72(9H,m),6.85〜6.94(2H,m),7.07(2H,s),7.1〜7.34(7H,m),10.2(1H,bs)
MS(FAB):1045(M+1)
実施例20.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-thiazolylmethoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−306物質)
実施例18で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2NCSCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 280mgをトルエン1.5mlに溶解し、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール0.5mlと濃硫酸2滴とを加えて90℃で30分間撹拌した。室温まで放冷し、酢酸エチル30mlで稀釈した後、飽和重曹水20mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=4:1〜2:1)により精製し、標題化合物86.9mgを白色粉末として得た。
[α]D=−101.7°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.74〜1.08(27H,m),1.18〜1.86(15H,m),2.7〜3.22(16H,m),4.47(1H,m),5.02〜5.72(9H,m),6.88〜6.98(2H,m),7.14〜7.34(7H,m),7.37(1H,d,J=3.2Hz),7.80(1H,d,J=3.2Hz)
MS(FAB):1062(M+1)
実施例21.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-methyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022-309物質)
PF1022E物質300mgをアセトン9mlに溶解し、炭酸カリウム214mg,ヨウ化ナトリウム232mgおよび3-Chloromethyl-5-methyl-1,2,4-oxadiazole268mgを加え、40℃で8時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物260mg(79%)を得た。
[α]D=−89.6°(c=0.28,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.83〜1.04(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.26〜1.76(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu)),2,67(3H,s,5-Me(oxazolyl)),2.72〜3.13(16H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac)),4.50〜5.67(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac)),6.93〜6.95(2H,m,aromatic),7.16〜7.26(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1061(M+1)
実施例22.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolylmethoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−310物質)
PF1022E物質509mgをDMF4mlとアセトン13mlとの混液に溶解し、3−クロロメチル−5−イソブチル−1,2,4−オキサジアゾール512mgと炭酸セシウム522mgとを加えて室温で5日間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物465mg(81%)を得た。
[α]D=−88.2°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.82〜1.04(30H,m,δ-CH3(MeLeu),α-CH3(Lac),CH(CH3)CH2 CH 3(isobutyl)),1.35〜1.90(20H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu),CH3(Lac),CH(CH 3)CH 2CH3(isobutyl)),2.63〜3.15(18H,m,NMe(MeLeu),β-CH2(PhLac,3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolylmethoxy)PhLac),4.40〜5.67(8H,m,α-CH),6.90〜6.96(2H,m,aromatic(3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolylmethoxy)PhLac),7.14〜7.28(7H,m,aromatic(PhLac,3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolylmethoxy)PhLac)
MS(FAB):1103(M+1)
実施例23.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-(2,6-difluorophenyl)-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−311物質)
PF1022E物質 250mg、炭酸カリウム108mg、ヨウ化ナトリウム47.0mg、塩化3−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾリルメチル210mgおよびアセトン5mlの混合物を室温で2日間撹拌した。酢酸エチル50mlで稀釈し、2N−塩酸1mlを含む水30ml、飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=8:1)により精製し、標題化合物270mgを白色粉末として得た。
[α]D=−88.4°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.75〜1.1(27H,m),1.2〜1.82(15H,m),2.7〜3.22(16H,m),4.48(1H,m),5.06〜5.74(9H,m),6.95〜7.38(11H,m),7.59(1H,tt,J=5.9,8.2Hz)
MS(FAB):1159(M+1)
実施例24.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(furfuryloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−312物質)
PF1022E物質306mgをTHF 6mlに溶解し、氷冷下トリフェニルホスフィン 83.2mg、DEAD 0.049ml、フルフリルアルコール0.027mlを加え室温で2.5時間攪拌した後、再度氷冷下、それぞれ同量のトリフェニルホスフィン、DEAD、フルフリルアルコールを加えて、さらに室温で2時間攪拌した。反応液にイソプロピルエーテルと酢酸エチルを加え、析出したトリフェニルホスフィンオキシドを濾去した後、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆相ODSを用いた分取用液体クロマトグラフィで精製し、標題化合物168mg(50.6%)を白色粉末として得た。
[α]D=−92.6°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(m,27H,(27H,m,δ=CH3(Leu),β-CH3,(Lac)),1.39(3H,m,β-CH3(Lac)),1.47〜1.76(12H,m,β-CH2,γ-CH(Leu)),2.73〜3.02(12H,m,NMe),3.055〜3.15(4H,m,β-CH2(PhLac),4.47〜5.68(8H,m,α-CH),4.97(2H,s,OCH2(furfuryl)),6.40(2H,m,C=CH-CH=C-H-O(furfuryl)),6.89,7.15(each 2H,each d,each J=0.77,aromatic(furfuryloxyPhLac),7.27(5H,m,aromatic(PhLac)),7.44(1H,d,J=0.14,C=CH-CH=CH-O)
MS(FAB):1045(M+1)
実施例25.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(tetrahydrofurfuryloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−313物質)
PF1022E物質202mgをTHF4mlに溶解し、氷冷下トリフェニルホスフィン 164mg、DEAD 0.097mlおよびテトラヒドロフルフリルアルコール0.12mlを加え、室温で94時間攪拌した後、さらに50℃で23時間攪拌した。反応液にイソプロピルエーテルと酢酸エチルとを加え、析出したトリフェニルホスフィンオキシドを濾去した後、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆相ODSを用いる分取用液体クロマトグラフィで精製し、標題化合物110mg(45.6%)を白色粉末として得た。
[α]D=−96.0°(c=0.10,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.04(m,27H,(27H,m,δ=CH3(Leu),β-CH3,(Lac)),1.39(3H,m,β-CH3(Lac)),1.26〜2.14(14H,m,CHOCH2 CH 2CH2(tetrahydrofurufuryl),β-CH2,γ-CH(Leu)),2.73〜2.82(12H,m,NMe),3.01〜4.33(11H,m,β-CH2(PhLac,tetrahydrofurfuryloxyPhLac),OCH2,CHOCH2CH2 CH 2(tetrahydrofurufuryl)),4.47〜5.68(8H,m,α-CH),6.83,7.12(each 2H,each d,each J=0.77,aromatic(tetrahydrofurfuryloxyPhLac)),7.27(5H,m,aromatic(PhLac))
MS(FAB):1049(M+1)
実施例26.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−314物質)
PF1022E物質200mgをアセトン4mlに溶解し、炭酸セシウム169mg、塩化2−ピコリル532mgのジメチルホルムアミド(9ml)溶液、ヨウ化ナトリウム30mgを加え5時間還流した後、さらに室温で15.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mlを加え、水、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%塩化ナトリウム水溶液各20mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(n−ヘキサン−酢酸エチル3:2〜2:1)にて精製し、標題化合物167mg(76.5%)を白色粉末として得た。
[α]D=−87.2°(c=0.11、MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.04(27H,m,δ=CH3(Leu),β-CH3(Lac)),1.38(3H,m,β-CH3(Lac)),1.47〜1.76(12H,m,β-CH2,γ-CH(Leu)),2.72〜3.01(12H,m,NMe),3.05〜3.16(4H,m,β-CH2(PhLac)),4.45〜5.67(8H,m,α-CH),5.17(2H,s,OCH2(2-picolyloxy)),6.91,7.16(each 2H,each d,each J=0.84,aromatic((2-picolyloxy)PhLac),7.25(6H,m,aromatic(PhLac,2-picolyl)),7.51(1H,d,J=0.76,aromatic(2-picolyl)),7.70(1H,t,J=0.76,aromatic(2-picolyl)),8.60(d,1H,J=0.46,aromatic(2-picolyl))
MS(FAB):1056(M+1)
実施例27.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−315物質)
塩化3−ピコリル塩酸塩1.0gを塩化メチレン30mlと飽和重曹水30mlとの混液に加えて分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。残渣にPF1022E物質501mg、炭酸セシウム676mg、ヨウ化ナトリウム77.5mg、アセトン8mlおよびDMF4mlを加え、75℃で18時間さらに90℃で4.5時間撹拌した。室温に戻し、酢酸エチル50mlで稀釈した後、水40ml、0.1N塩酸40ml、飽和食塩水40mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=1:1〜酢酸エチル)により精製し、137mgの目的物を得た。
[α]D=−84.9°(c=0.12,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.72〜1.08(27H,m),1.2〜1.86(15H,m),2.7〜3.22(16H,m)、4.48(1H,m),5.0〜5.73(9H,m),6.86〜6.94(2H,m),7.14〜7.36(10H,m),7.76(1H,d,J=7.6Hz),8.59(1H,d,J=3.7Hz,8.68(1H,s)
MS(FAB):1056(M+1)
実施例28.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(4-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−316物質)
塩化4−ピコリル塩酸塩775mgを塩化メチレン30mlと飽和重曹水30mlとの混液に加えて分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。残渣にPF1022E物質251mg、炭酸セシウム220mg、ヨウ化ナトリウム38.1mg、アセトン15mlおよびDMF5mlを加えて80℃で8.5時間さらに室温で一夜撹拌した。酢酸エチル50mlで稀釈して飽和重曹水50ml、0.2N塩酸40ml、飽和食塩水40mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=2:1〜酢酸エチル)により精製し、標題化合物70.4mgを白色粉末として得た。
[α]D=−84.4°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.76〜1.06(27H,m),1.2〜1.82(15H,m),2.72〜3.22(16H,m),4.48(1H,m),5.02〜5.72(9H,m),6.84〜6.93(2H,m),7.12〜7.35(7H,m),7.35(2H,d,J=5.4Hz),8.62(2H,d,J=5.4Hz)
MS(FAB):1056(M)
実施例29.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(6-chloro-3-picolyloxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−317物質)
PF1022E物質178mgをDMF1.5mlとアセトン5mlとの混液に溶解し、2−クロロ−4−クロロメチル−ピリジン97mgと炭酸セシウム194mgとを加えて加熱還流下4時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物162mg(76%)を得た。
[α]D=−91.1°(c=0.09,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.72〜1.07(27H,m,δ=CH3(MeLeu),β-CH3(Lac)),1.23〜1.81(15H,β-CH2,γ-CH(MeLeu),β-CH3(Lac)),2.48〜3.17(16H,m,NMe(MeLeu),OCH2(picolyl),β-CH2(PhLac,(6-chloro-3-picolyloxy)PhLac),4.45〜5.69(8H,m,α-CH),6.78〜6.84(2H,m,aromatic((6-chloro-3-picolyloxy)PhLac)),7.10〜7.31(7H,m,aromatic(PhLac,(6-chloro-3-picolyloxy)PhLac),8.38(1H,m,H-2(picolyl),8.40(2H,dd,H-4,5(picolyl))
実施例30.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-(1N-methyl-1,4,5,6-tetrahydropyrimidyl)methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−318物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(H2NCSCH2O)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]403mgをアセトン20mlに溶解し、ヨウ化メチル0.25mlを加えて30℃で24時間、さらに40℃で1日間撹拌した。そのまま濃縮し、得られた残渣をベンゼン8mlに溶解し、N−メチル−1,3−プロパンジアミン41μlと10%塩化水素メタノール溶液0.15mlとを加えて室温で一日間撹拌した。さらにエタノール5mlを加えて80℃で1時間撹拌した。室温に戻し、酢酸エチル50mlで稀釈した後、飽和重曹水30ml、飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1〜10:1)により精製し、133mgの目的物を得た。
[α]D=−72.1°(c=0.10,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜2.0(46H,m),2.76〜3.60(23H,m),4.47(1H,m),5.0〜5.72(9H,m),7.10〜7.36(9H,m)
MS(FAB):1075(M+1)
実施例31.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isopropyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−341物質)
PF1022E物質300mgをアセトン6mlに溶解し、炭酸カリウム215mg,ヨウ化ナトリウム233mgおよび3-Chloromethyl-5-isopropyl-1,2,4-oxadiazole250mgを加え、40℃で30時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物241mg(71%)を得た。
[α]D=−88.8°(c=0.12,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.83〜1.04(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.43(6H,d,J=7.0,CH3(isopropyl)),1.36〜1.76(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu)),2.72〜3.31(16H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac)),3.26(1H,m,CH(isopropyl)),4.50〜5.67(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),5.12(2H,s,OCH2),6.93〜6.96(2H,m,aromatic),7.15〜7.29(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1089(M+1)
実施例32.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-cyclohexyl)-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−343物質)
PF1022E物質300mgをアセトン6mlに溶解し、炭酸カリウム214mg,ヨウ化ナトリウム233mgおよび3-Chloromethyl-5-cyclohexyl-1,2,4-oxadiazole312mgを加え、40℃で20時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物260mg(74%)を得た。
[α]D=−81.0°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.83〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.26〜2.13(28H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),(CH2)5(cyclohexyl)),2.72〜3.15(17H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),CH(cyclohexyl)),4.50〜5.67(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),5.12(2H,s,OCH2),6.93〜6.96(2H,m,aromatic),7.15〜7.29(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1129(M+1)
実施例33.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac]2
PF1022H物質 201mg、炭酸カリウム144mg、ブロモアセトニトリル0.15mlおよびアセトン5mの混合物を室温で2.5時間撹拌した。酢酸エチル25mlで稀釈し、2N塩酸2mlを含む水10mlで洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=4:1〜1:1)により精製し、標題化合物210mgを白色粉末として得た。
1H-NMR(CD3OD):δ=0.78〜1.06(27H,m),1.1〜1.9(15H,m),2.78〜3.22(16H,m),4.94(1H,m),5.13-5.83(7H,m),6.95〜7.04(4H,m),7.25〜7,35(4H,m)
実施例34.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BocNHCH2CH2O)PhLac]2
実施例33で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac]29.5gをエタノール100mlに溶解し、10%Pd炭素1.0gと濃塩酸1.5mlとを加え、Parr還元装置を用いて中圧水素下15時間反応した(シアノ基の還元によるアミノ基の形成)。触媒を濾去した後、溶媒を留去し、残渣をジオキサン200mlと水200mlとの混液に溶解し、DiBoc試薬(Di-t-butyl-di-carboxylate)15gとトリエチルアミン6mlとを加えて室温で15時間攪拌した。酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層をさらに水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標題化合物3.67g(34%)を得た。
NMR(CDCL3):δ=0.79〜1.04(27H,δ-CH3(MeLeu),β-CH3(Lac),1.31〜1.77(33H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu),β-CH3(Lac),BocNH),2.73〜3.08(16H,m,NMe(MeLeu),β-CH2((BocNHCH2CH2O)PhLac),3.51(2H,m,NHCH 2CH2O),3.97(2H,t,NHCH2 CH 2O),4.44〜5.68(8H,m,α-CH),6.78〜6.84(4H,m,aromatic),7.10〜7.31(4H,m,aromatic)
実施例35.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CbzNHCH2CH2O)PhLac]2
実施例33で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NCCH2O)PhLac]22.02gをエタノール50mlに溶解し、濃塩酸0.5mlと10%パラジウム炭素204mgとを加えて、Parr還元装置(45psi)での接触還元を一晩継続した。触媒を濾去し、クロロホルム100mlと飽和重曹水50mlを加えて分液し、さらに水層をクロロホルム50mlで再抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮乾固した。
得られた粗遊離アミノ体2.21gを塩化メチレン50mlに溶解し、氷冷下トリエチルアミン0.8ml、塩化ベンジルオキシカルボニル0.7mlを加え、同温で2時間半撹拌した。クロロホルム50mlで稀釈した後、10%食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:2〜2:1)により精製し、標題化合物693mgを白色粉末として得た。
1H-NMR(CD3OD):δ=0.75〜1.05(27H,m),1.38(3H,t,J=7.0Hz),1.3〜2.0(12H,m),2.81,2.87,2.90,2.99(each 3H,each s),2.9〜3.2(4H、m),3.49(4H,t,J=5.5Hz),3.99(4H,t,J=5.5Hz),4.75(1H,dd,J=4.6,10.8Hz),5.07(4H,s),5.1〜5.8(7H,m),6.87(4H,d,J=8.3Hz),7.19(4H,d,J=8.3Hz),7.2〜7.4(10H,m)
MS(SIMS):1335(M+1)
実施例36.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−262物質)
実施例35で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CbzNHCH2CH2O)PhLac]2 300mgをエタノール5mlに溶解し,1N塩酸0.66mlと10%Pd−C30mgとを加え、常圧水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。37%ホルマリン0.71mlを加えた後一晩撹拌し、さらに37%ホルマリン3.6mlを加えて室温で一晩攪拌した。触媒を濾去した後、溶媒を留去し、酢酸エチルと飽和重曹水とを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水して溶媒を留去する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物118mg(48%)を得た。
[α]D=−83.3°(c=0.21,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.26〜2.02(30H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),(CH3)2N),2.74〜3.06(20H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),OCH2CH2N),4.50,5.04〜5.65(8H,m,α-H(MeLeu,Lac,PhLac),6.78〜6.90(2H,m,aromatic),7.16〜7.18(7H,m,aromatic)
MS(SIMS):1123(M+1)
実施例37.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C2H5)2NHCH2CH2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−263物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CbzNHCH2CH2O)PhLac]2312.1mgと10%パラジウム炭素33.7mgとを水素雰囲気下、2N塩酸0.3mlを含むエタノール5ml中で5時間撹拌した。反応液を氷冷し、90%アセトアルデヒド6mlを滴下して、再び同還元条件下、徐々に室温まで昇温しながら一夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取用TLC(クロロホルム−メタノール=20:1)により精製し、標題化合物204mgを白色粉末として得た。
[α]D=−88.0°(c=0.22,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.78〜1.10(39H,m),1.2〜1.84(15H,m),2.64(8H,q,J=7.3Hz),2.7〜3.14(20H,m),4.01(4H,t,J=6.2Hz),4.47(1H,m),5.08(1H,q,J=7.0Hz),5.17(1H,dd,J=5.4、9.7Hz),5.28〜5.68(5H,m),6.81(4H,d,J=8.5Hz),7.13(4H,d,J=8.5Hz)
MS(SIMS):1179(M+1)
実施例38.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2CH2O)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−266物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CbzNHCH2CH2O)PhLac]2 290mgを10%パラジウムカーボン30mg存在下、水素雰囲気下、2N塩酸0.3mlを含むエタノール5ml中で2.5時間撹拌した。触媒を濾去し濾液を減圧濃縮し、残渣に炭酸カリウム180mg、ヨウ化ナトリウム40mg、ビス−ブロモエチルエーテル0.07mlを加え、DMF5ml中80℃で5時間撹拌した。室温に戻し、水30mlを加え、クロロホルムで2回(50ml次いで20ml)抽出した。クロロホルム層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=20:1)により精製し、標題化合物181mgのを白色粉末として得た。
[α]D=−84.3°(c=0.19,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.70〜1.10(27H,m),1.2〜2.0(15H,m),2.57(8H,t,J=4.5Hz),2.7〜3.15(20H,m),3.73(8H,t,J=4.5Hz),4.07(4H,t,J=5.6Hz),4.47(1H,m),5.07(1H,q,J=7.0Hz),5.18(1H,dd,J=5.5,10.0Hz),5.30〜5.66(5H,m),6.81(4H,d,J=8.4Hz),7.14(4H,d,J=8.4Hz)
MS(SIMS):1207(M+1)
実施例39.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isobutyl-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−330物質)
PF1022H物質500mgをアセトン10mlとDMF 1mlとの混液に溶解し、炭酸カリウム352mg、3−クロロメチル−5−イソブチル−1,2,4−オキサジアゾル442mgおよびヨウ化ナトリウム382mgを加え室温で24時間、次いで50℃にて31時間反応させた。反応液に酢酸エチル50mlと水50mlとを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−酢酸エチル=2:1〜1:1)にて精製し、標題化合物467mg(72.8%)を白色粉末として得た。
[α]D=−78.1°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(33H,m,δ-CH3(MeLeu),β-CH3(Lac),CH(CH3)CH2CH3(isobutyl)),1.36〜1.41(9H,m,β-CH3(Lac),CH(CH3)CH2CH3(isobutyl)),1.49〜2.01(16H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu),CH(CH3)CH 2CH3(isobutyl)),2.63〜3.03(12H,m,NMe),4.45〜5.62(8H,m,α-CH),5.13(4H,s,OCH2),6.93,7.16(each 2H,each d,each J=0.77,aromatic),6.94,7.17(each 2H,each d,each J=0.67,aromatic)
MS(FAB):1257(M+1)
実施例40.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-(2,6-difluorophenyl)-1,2,4-oxadiazolyl)methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022-331物質)
PF1022H物質251mg、炭酸カリウム171mg、ヨウ化ナトリウム103mg、塩化3−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾリルメチル358mgおよびアセトン6mlの混合物を室温で64時間撹拌した。酢酸エチル50mlで稀釈し、2N塩酸1mlを含む水30ml、飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=10:1〜1:1)により精製し、311mgの目的物を得た。
[α]D=−84.4°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.70〜1.08(27H,m),1.2〜1.84(15H,m),2.7〜3.2(16H,m),4.48(1H,m),5.02〜5.72(11H,m),6.86〜7.36(12H,m),7.58(2H,tt,J=5.9,8.2Hz)
MS(FAB):1369(M+1)
実施例41.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(tetrahydrofurfuryloxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−333物質)
PF1022H物質150mgをTHF 3mlに溶解し、氷冷下にてテトラヒドロフルフリルアルコール0.15ml、トリフェニルホスフィン281mgおよびDEAD 0.17mlを加えて室温で3.5時間、50℃で3時間さらに室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にイソプロピルエーテルを加えトリフェニルホスフィンオキシドを析出させてこれを濾去した後、溶媒を減圧留去した。残渣を逆相ODSを用いた分取用液体クロマトグラフィにて精製し標題化合物62mg(35.3%)を白色粉末として得た。
[α]D=−91.6°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.46(27H,m,δ=CH3(Leu),β-CH3,(Lac)),1.35〜1.46(3H,m,β-CH3(Lac)),1.49〜2.11(16H,m,tetrahydrofurfuryl-4-CH2,β-CH2,γ-CH(Leu)),2.73〜3.02(12H,m,NMe),3.04〜3.08(4H,m,β-CH2(tetrahydrofurfuryloxy)PhLac)),3.79〜4.32(14H,m,tetrahydrofurfuryl-2,3,5-CH2,OCH 2CH(tetrahydrofrufuryl)),4.67〜5.65(8H,m,α-CH),6.83,7.12(each 2H,each d,each J=0.77,aromatic(tetrahydrofurfuryloxyPhLac),6.84,7.13(each 2H,each d,each J=0.67,aromatic(tetrahydrofurfuryloxyPhLac))
MS(FAB):1149(M+1)
実施例42.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(2-picolyloxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−334物質)
PF1022H物質300mgをアセトン6mlに溶解し、塩化2−ピコリルクロリド787mgのDMF(12ml)溶液、炭酸セシウム500mgおよびヨウ化ナトリウム87mgを加え2時間還流した後、さらに室温で17時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、10%塩化ナトリウム水溶液、5%亜硫酸ナトリウム水溶液各50mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−酢酸エチル=5:1〜酢酸エチル)にて精製し、標題化合物175mg(50%)を白色粉末として得た。
[α]D=−82.6°(c=0.12,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜0.96(24H,m,δ=CH3(Leu)),1.02(3H,t,J=1.4,β-CH3(Lac)),1.38(3H,m,β-CH3(Lac)),1.50〜1.83(12H,m,β-CH2,γ-CH(Leu)),2.73〜3.01(12H,m,NMe),3.02〜3.09(4H,m,β-CH2(PhLac)),4.45〜5.65(8H,m,α-CH),5.17(4H,s,OCH2(2-picolyloxy)),6.91,7.15(each 4H,each d,each J=0.73,aromatic((2-picolyloxy)PhLac),7.21〜7.27(2H,m,aromatic(2-picolyl)),7.47〜7.52(2H,m,aromatic(2-Picolyl)),7.68〜7.77(2H,m,aromatic(2-Picolyl)),8.59〜8.61(2H,m,aromatic(2-Picolyl))
MS(FAB):1163(M+1)
実施例43.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-isopropyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−345物質)
PF1022H物質400mgをアセトン8mlに溶解し、炭酸カリウム563mg,ヨウ化ナトリウム611mgおよび3-Chloromethyl-5-isopropyl-1,2,4-oxadiazole 655mgを加え、40℃で48時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー引き続き逆相ODSを用いる分取用液体クロマトグラフィーにて精製し、標題化合物137mg(27.3%)を得た。
[α]D=−88.6°(c=0.1,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.81〜1.04(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.43(12H,d,J=7.0,CH3(isopropyl)),1.35〜1.75(18H,m,β-v(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu)),2.72〜3.08(16H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac)),3.26(2H,m,CH(isopropyl)),4.50,5.02〜5.70(8H,m,α-H(MeLeu,Lac,PhLac),5.11(4H,s,OCH2),6.91〜6.96(2H,m,aromatic),7.15〜7.19(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1229(M+1)
実施例44.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(3-(5-cyclohexyl-1,2,4-oxadiazolyl)-methoxy)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−347物質)
PF1022H物質400mgをアセトン8mlとDMF4mlとの混液に溶解し、炭酸カリウム563mg,ヨウ化ナトリウム611mgおよび3-Chloromethyl-5-cyclohexyl-1,2,4-oxadiazole818mgを加え、40℃で48時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー引き続き逆相ODSを用いる分取用液体クロマトグラフィーにて精製し、標題化合物135mg(25%)を得た。
[α]D=−62.7°(c=0.21,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.91〜1.15(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.30〜2.25(38H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu),γ-CH(MeLeu),(CH2)5(cyclohexyl)),2.50〜3.25(18H,m,N-Me(MeLeu),β-CH2(PhLac),CH(cyclohexyl)),4.20,4.50,5.35〜5.75(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),5.12(4H,s,OCH2),6.95〜7.05(2H,m,aromatic),7.23〜7.27(7H,m,aromatic)
MS(FAB):1309(M+1)
実施例45.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022−242物質)
(1)H-L-(O2N)PhLac-OHの合成
L−p−ニトロフェニルアラニン・1水和物15.2gを水230ml、1,4−ジオキサン230ml、酢酸230mlの混液に溶解し、10℃以下にて亜硝酸ナトリウム4.58gの水溶液を30分毎に4回加え、同温で30分反応させた。1,4−ジオキサンを減圧下留去した後、氷冷下1N塩酸でpHを1.0に調整し、酢酸エチル500mlで抽出した。抽出液を20%食塩水500mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。
得られた残渣を90%メタノール水150mlに溶解し、氷冷下2N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを12に調整し、室温で1時間攪拌した。反応液を氷冷下1N塩酸にてpHを7.0に調整した後、溶媒を減圧留去した。残渣を水300mlに溶解し、氷冷下1N塩酸にてpHを2.0に調整した後、酢酸エチル450mlで抽出した。抽出液を10%塩化ナトリウム水溶液450mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、標題化合物の粗生成物10.7gを黄色油状物として得た。これは精製せず、つぎの反応に用いた。
NMR(CD3OD):δ=2.99〜3.31(2H,m,β-CH2),4.39(1H,m,α-CH),7.84(4H,dd,J=17.4,9.0,aromatic)
(2)H-L-(O2N)PhLac-OMeの合成
H-L-(O2N)PhLac-OH10.7gを、メタノール215mlに溶解し、氷冷下にて塩化チオニル7.4mlを加え室温で45分反応させた。反応液を氷冷下にて2N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチル450mlに溶解し、水450mlで2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(トルエン−酢酸エチル=6:1(v/v))にて精製し、標題化合物9.59g(p−ニトロフェニルアラニンより64.2%)を白色結晶として得た。
[α]D=−6.79°(c 0.22,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=2.97(1H,d,J=0.5,OH),3.16(2H,ddd,J=0.4,0.7,1.4,4.9,β-CH2),3.80(3H,s,COOMe),4.49(1H,dt,J=0.5,0.7,α-CH),7.77(4H,dd,J=0.8,20.4,aromatic)
(3)H-L-(H2N)PhLac-OMeの合成
H-L-(O2N)PhLac-OMe9.59gを、窒素雰囲気下メタノール192mlに溶解し、10%パラジウム/炭素960mgと酢酸0.2mlとを加え、5時間常圧にて水素還元した。触媒を濾去し、溶媒を減圧留去して標題化合物の粗生成物8.37gを白色結晶として得た。これは精製せず、次の反応に用いた。
NMR(CDCL3):δ=2.93(2H,ddd,J=0.6,0.7,1.4,3.9,β-CH2),3.27(2H,bs,NH2),3.74(3H,s,COOMe),4.37(1H,dd,J=0.4,0.6,α-CH),6.79(4H,dd,J=0.8,10.0,aromatic)
(4)H-L-(NC)PhLac-OMeの合成
H-L-(H2N)PhLac-OMe8.30gを1N塩酸83mlに溶解し、氷冷下にて亜硝酸ナトリウム3.42gの水溶液を滴下し、30分間反応させてジアゾニウム塩化した後、10%炭酸カリウム水溶液でpH6.5に調整した。一方、塩化第一銅8.86gを水35mlに懸濁させ、氷冷下シアン化カリウム11.36gの水溶液を滴下し、3時間反応させた。得られたシアン化銅水溶液に、先のジアゾニウム塩溶液を加え、さらに酢酸エチル83mlを加えて室温にて2時間反応させた。
反応液から不溶物を濾去し、酢酸エチル200mlを加えて分液した。有機層を水400mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(トルエン−酢酸エチル=3:1(v/v))にて精製し、標題化合物4.53g(50.0%)を黄色油状物として得た。
NMR(CDCL3):δ=2.91(1H,d,J=0.5,OH),3.10(2H,ddd,J=0.4,0.7,1.4,5.0,β-CH2),3.79(3H,s,COOMe),4.47(1H,dt,J=0.7,0.5,α-CH),7.47(4H,dd,J=0.8,6.6,aromatic)
(5)H-L-(NH2CO)PhLac-OMeの合成
H-L-(NC)PhLac-OMe4.25gをメタノール42.5mlに溶解し、氷冷下にて30%過酸化水素水7.05mlとトリエチルアミン4.33mlとを加え同温で2時間反応させた。さらに30%過酸化水素水4.7mlを3時間毎に2回加え、18時間反応させた。反応液を1N塩酸でpH6.9に調整し、溶媒を減圧留去して標題化合物の粗生成物を白色結晶として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
NMR(CDCL3):δ=3.04(2H,ddd,J=0.5,0.8,1.4,4.3,β-CH2),3.69(3H,s,COOMe),4.40(1H,dd,J=0.5,0.8,α-CH),7.56(4H,dd,J=0.8,12.4,aromatic)
(6)H-L-(NH2CO)PhLac-OHの合成
H-L-(NH2CO)PhLac-OMe 4.63gをアセトン93mlと水46mlとの混液に溶解し、氷冷下にて1N水酸化ナトリウム31mlを加え同温で1.5時間反応させた。反応液を1N塩酸でpH7に調整し、溶媒を減圧留去して標題化合物の粗生成物を白色結晶として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
(7)H-L-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
H-L-(NH2CO)PhLac-OH 4.34gをDMSO90mlに溶解し、臭化ベンジル4.9mlと炭酸カリウム8.6gとを加え40℃にて3時間反応させた後、さらに臭化ベンジル2.5mlと炭酸カリウム4.3gとを加え40℃で1時間反応させた。
反応液に酢酸エチル400mlを加え、水400mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール 20:1(v/v))にて精製し、標題化合物6.26g(H-L-(NC)PhLac-OMeより99%)を白色結晶として得た。
[α]D=−19.1°(c=0.21,MeOH)
NMR(CD3OD):δ=3.04(2H,ddd,J=0.5,0.7,1.4,2,β-CH2),4.44(1H,dd,J=0.6,0.8,α-CH),5.11(2H,s,COOCH 2Ph),7.25〜7.33(7H,m,aromatic),7.74(2H,d,J=0.8,aromatic)
(8)Boc-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
H-(NH2CO)PhLac-OBn 490mgをTHF12.3mlに溶解し、氷冷下にてBoc-MeLeu-OH442mgとトリフェニルホスフィン515mgを加えた後DEAD0.31mlを滴下し室温にて1時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル50mlに溶解した後、水、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各50mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−酢酸エチル=5:1(v/v))にて精製し標題化合物594mg(68.8%)を白色結晶として得た。
NMR(CD3OD):δ=0.89(6H,m,δ=CH3(MeLeu)),1.41,1.48(9H,2s,Boc),1.48〜1.57(2H,m,β-CH2(MeLeu)),2.59(3H,s,NMe(MeLeu)),3.19〜3,26(2H,m,β-CH2(PhLac)),4.08〜4.18(1H,m,α-CH(MeLeu)),5.11(2H,m,COOCH 2Ph),5.34(1H,m,α-CH(PhLac)),7.25〜7.36(7H,m,aromatic),7.79(2H,d,J=0.7,aromatic)
(9)H-MeLer-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 535mgを氷冷したトリフルオロ酢酸5.35mlに溶解し氷冷下で3時間反応させた。溶媒を減圧留去し、さらにトルエンにて残留するトリフルオロ酢酸を共沸除去した。残渣を酢酸エチル50mlに溶解し、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各50mlで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去して標題化合物の粗生成物387mg(89.8%)を油状物として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
NMR(CD3OD):δ=0.74(6H,s×2,6H,δ-CH3(MeLeu)),1.33(2H,m,β-CH2(MeLeu)),2.14(3H,s,NMe),3.12〜3.20(2H,m,β-CH2(PhLac)),3.30〜3.67(1H,m,1H,α-CH(MeLeu)),5,16(2H,s,COOCH 2Ph),5.37(1H,dd,J=0.4,1.0,α-CH(PhLac)),7.29〜7.35(7H,m,aromatic),7.82(2H,d,J=0.8,aromatic)
(10)Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-OH2.64gを塩化メチレン53mlに溶解し、H-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn3.42gを加え氷冷下にてジイソプロピルエチルアミン3.6mlとN,N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)2.65gを加え同温で24時間反応させた。溶媒を留去し残渣を酢酸エチル200mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、20%食塩水各200mlで順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=30:1(v/v))にて精製し標題化合物55.18g(89.1%)を白色粉末として得た。
[α]D=−28.7°(c=0.21,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.83〜0.93(12H,m,δ-CH3(MeLeu)),0.83〜1.47(12H,m,Boc,β-CH3(Lac)),1.60〜1.77(4H,m,β-CH2(MeLeu)),2.82,2.85(each 3H,each s,NMe),3.20(d,2H,J=0.6,β-CH2(PhLac)),4.30〜5.37(m,6H,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),COOCH 2Ph),7.18〜7.38(7H,m,aromatic),7.72(2H,d,J=0.8,aromatic)
(11)H-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 3.1gを塩化メチレン15.5mlに溶解し氷冷したトリフルオロ酢酸9.3mlを加え室温で30分反応させた。溶媒及びトリフルオロ酢酸を減圧留去し、さらにトルエンにて残留するTFAを共沸除去した。残渣を酢酸エチル200mlに溶解し、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各200mlで順次洗浄後無水硫酸ナグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧留去し標題化合物の粗生成物2.62g(97.9%)を油状物として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
(12)Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-OH 1.07gとH-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.06gを塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下にてジイソプロピルエチルアミン0.6mlとBOP−C10.52gを加え同温で2時間反応させた。溶媒を減圧下留去し残渣を酢酸エチル100mlに溶解し、20%食塩水100mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=40:1(v/v))にて精製し標題化合物1.68g(82.2%)を白色粉末として得た。
[α]D=−39.5°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.78〜0.97(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.43(9H,s,9H,Boc),1.14〜1.73(8H,m,β-CH2(MeLeu)),2.68,2.79,2.83,2.88(each s,each 3H,NMe),2.76〜3.74(4H,m,β-CH2(PhLac)),4.76〜5.60(10H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),COOCH2Ph),7.21〜7.76(14H,m,aromatic)
(13)H-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.6gを塩化メチレン8.0mlに溶解し氷冷下トリフルオロ酢酸4.8mlを加え室温で30分反応させた。溶媒及びTFAを減圧留去し、さらにトルエンにて残留するトリフルオロ酢酸を共沸除去した。残渣を酢酸エチル150mlに溶解し、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各150mlで順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧下留去し標題化合物の粗生成物1.59g(100%)を油状物として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
NMR(CDCL3):δ=0.80〜0.98(24H,m,δ=CH3(MeLeu)),1.34〜1.53(6H,s,CH3(Lac)),1.14〜2.05(8H,m,β-CH2(MeLeu)),2.41,2.73,2.87,2.95(each 4H,each s,NMe),2.61〜3.34(4H,m,β-CH2(PhLac)),5.05〜5.47(10H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),COOCH2Ph),7.22〜7.38(12H,m,aromatic),7.73(2H,d,J=0.8,aromatic)
(14)H-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OHの合成
H-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.46gをメタノール30mlに溶解し、窒素雰囲気下10%パラジウム活性炭146mgと酢酸0.1mlとを加え常圧にて1時間水素還元した。触媒を濾去し溶媒を減圧下留去して標題化合物1.25g(93.0%)を油状物として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
NMR(CDCL3):δ=0.86〜1.02(27H,m,β-CH3(Lac),δ-CH3(MeLeu),1.29〜1.72(11H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu)),2.40〜2.52(3H,NMe),2.77〜3.21(13H,m,NMe,β-CH2(PhLac)),5.02〜5.51(8H,m,α-CH(MeLeu,LacPhLac)),7.21〜7.78(9H,m,aromatic)
(15)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022−242物質)の合成
H-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OH1.24gをTHF174mlに溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.83g、N−メチルモルホリン0.54mlを加え攪拌した。これに塩化リチウム0.52g、塩化ナトリウム0.72g、塩化カリウム0.92g、塩化セシウム 2.07g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩2.35g、THF1120ml、DMF320mlの混合物を加え、室温で18時間反応させた。
反応液から溶媒を減圧留去し残渣を酢酸エチル120mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各120mlで順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)にて精製し、標題化合物0.77g(63.3%)を白色粉末として得た。
[α]D=−78.4°(c=0.14,MeOH)
NMR(CDCL3):δ:0.69〜1.04(27H,m,β-CH3(Lac),δ-CH3(MeLeu)),1.23〜1.41(3H,m,CH3(Lac)),1.44〜1.84(8H,m,β-CH2(MeLeu)),2.62〜3.08(12H,m,NMe),3.10〜3.24(4H,m,β-CH2(PhLag)),4.45〜5.79(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac)),7.25〜7.34(7H,m,aromatic),7.79(2H,d,J=0.8,aromatic)
実施例46.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−247物質)
(1)Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OHの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.8gをメタノール36mlに溶解し、窒素雰囲気下10%パラジウム活性炭1.18gと酢酸0.1mlを加え、2.5時間常圧にて水素還元した。触媒を濾去し、溶媒を減圧留去して標題化合物の粗生成物1.53g(99.1%)を油状物として得た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
(2)Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OH1.56gとMeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn1.53gを塩化メチレン31mlに溶解し、氷冷下にてジイソプロピルエチルアミン0.85mlとBOP−Cl 0.96gを加え同温で6時間反応させた。
反応液から溶媒を減圧下留去し、酢酸エチル200mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%塩化ナトリウム水溶液各200mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム-メタノール=30:1(v/v))にて精製し、標題化合物1.92g(63.1%)を白色粉末として得た。
[α]D=−37.9°(c=0.10,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.70〜0.85(24H,m,β-CH3(Lac),δ-CH3(MeLeu)),1.18〜1.86(11H,m,β-CH3(Lac),β-CH2(MeLeu)),2.68〜3.15(16H,m,NMe,β-CH2(PhLac)),5.03〜5.32(10H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac),COOCH2),7.13〜7.70(13H,m,aromatic)
(3)H-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBnの合成
Boc-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.8gを塩化メチレン9mlに溶解し、氷冷したTFA5.4mlを加え室温で1時間反応させた。溶媒及びトリフルオロ酢酸を減圧留去し、さらにトルエンにて残留するトリフルオロ酢酸を共沸除去した。残渣を酢酸エチル200mlに溶解し、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各200mlで順次洗浄した後、無水硫酸ナグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、標題化合物の粗生成物1.64g(99%)を油状物として得た。これを精製することなく、次の反応に用いた。
(4)H-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OHの合成
H-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OBn 1.63gをメタノール33mlに溶解し、窒素雰囲気下10%パラジウム活性炭163mgと酢酸0.2mlを加え、常圧にて2.5時間水素還元した。触媒を濾去し、溶媒を減圧留去して、標題化合物の粗生成物1.44g(95.9%)を油状物として得た。これを精製することなく、次の反応に用いた。
(5)Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022−247物質)の合成
H-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(NH2CO)PhLac-OH44gをTHF202mlに溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.92g、N−メチルモルホリン 0.6mlを加え攪拌した。これに、塩化リチウム0.58g、塩化ナトリウム0.80g、塩化カリウム1.02g、塩化セシウム2.30g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩2.62g、THF1.31、DMF375mlの混合物を加え、室温で16時間反応させた。
反応液から溶媒を減圧下留去した後、残渣を酢酸エチル150mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%食塩水各150mlで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=10/1)にて精製し、標題化合物0.93g(65.4%)を白色粉末として得た。
[α]D=−75.4°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.56〜1.04(27H,m,β-CH3(Lac),δ-CH3(MeLeu)),1.41(3H,m,β-CH3(Lac)),1.25〜1.80(8H,m,β-CH2(MeLeu)),2.79,2.82,2.86,3.07(12H,each s,NMe),3.12〜3.27(4H,m,β-CH2(PhLac)),4.45〜5.71(8H,m,α-CH(MeLeu,Lac,PhLac)),5.91,6.31(each 1H,each bs,CONH2)),7.30〜7.81(8H,m,aromatic)
実施例47.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac]2(化合物コード番号:PF1022-030物質)および
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-Phlac](化合物コード番号:PF1022-031物質)
(1)PF1022物質4.0g、オルト過ヨウ素酸9.15gを四塩化炭素8ml、アセトニトリル8mlおよび水12mlの混液中、撹拌しながら三塩化ルテニウムn水和物11.4mgを加えた。室温で2時間撹拌後、オルト過ヨウ素酸9.10gを加え、さらに2.5時間後オルト過ヨウ素酸9.12gを加え、室温で一夜撹拌した。氷冷下、ジエチルエーテル5mlを加え、50分撹拌した後、クロロホルム30mlと水とを30mlを加え、有機層を分離した。さらに水層をクロロホルム30mlで抽出し、先の有機層と合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=20:1〜8:1)により精製し、両方の標題化合物の混合物2.85gを得た。
(2)次の実施例48に記載の化合物PF1022−045物質0.95gを塩化メチレン3mlに溶解し、少量の水とトリフルオロ酢酸3mlとを加え、室温で3.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1次いでクロロホルム:メタノール=10:1)により精製し、標題化合物(PF1022−030物質)617mgを白色粉末として得た。
また、次の実施例48に記載のPF1022−046物質5.11gをメタノール100mlに溶解し、10%パラジウム・カーボン248mgを加え、水素雰囲気下24時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1〜10:1)により精製し、標題化合物(PF1022−031物質)4.08gを白色粉末として得た。
PF1022−030物質:
MS(FAB):885(M)
PF1022−031物質:
[α]D=−70.0°(c=0.11、MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.78〜1.10(27H,m),1.12〜1.92(15H、m),2.3〜3.3(18H,m),4.44〜4.76(1H,m),5.02〜5.96(7H,m)、7.2〜7.36(5H,m)
MS(FAB+) 917(M
実施例48.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C6H5)2CHOCO)Lac]2(化合物コード番号:PF1022-045物質)およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((C6H5)2CHOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-Phlac](化合物コード番号:PF1022-046物質)
上記の実施例47に記載の混合物2.85gを酢酸エチル30mlに溶解し、ジフェニルジアゾメタン1.52gの酢酸エチル溶液(15ml)を45分間かけて滴下した。室温で一夜撹拌した後、酢酸1.0mlを加え、6時間撹拌した。反応液を飽和重曹水50ml、10%硫酸水素カリウム溶液50ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:3〜1:2)により精製し、両方の標題化合物をそれぞれ白色粉末として1.64gおよび0.23g得た。
PF1022−045物質:
[α]D=−56.4°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CD3OD,KSCN添加):δ=0.74〜1.0(24H,m),1.22〜2.0(18H,m),2.86(6H,s),3.09(6H,s),2.86〜3.20(4H,m),5.25〜5.77(8H,m),6.94(2H,s),7.23〜7.45(20H,m)
MS(FD):1217(M+1)
PF1022−046:物質
[α]D=−74.1°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.1(27H,m),1.2〜2.0(15H,m),2.68〜3.26(16H,m),4.36〜4.52(1H,m),4.96〜5.94(7H,m),6.81〜6.90(lH,m),7.16〜7.40(15H,m)
MS(FD):1082(M)
実施例49.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-Phlac]およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac](化合物コード番号:PF1022-049物質およびPF1022-048物質)
窒素気流下、塩化アルミニウム5.02gを氷冷した塩化アセチル3.5mlに加えた。これに高攪拌下、PF1022物質2.0gの塩化アセチル(5ml)溶液を滴下し、30分間加熱環流した。室温まで冷却した後、生じた固体を酢酸エチル10mlを加えて溶解し、さらに酢酸エチル100mlで稀釈し、濃塩酸2mlを含む冷水80ml、水80ml、飽和重曹水50ml(2回)、飽和食塩水50mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)次いで逆相ODSを用いる分取用HPLC(TFA0.05%を含む75%〜70%含水アセトニトリル)により精製し、両標題化合物をそれぞれ白色粉末として200mg(PF1022−049物質)および190mg(PF1022−048物質)得た。また、PF1022物質を808mg回収した。
PF1022−050物質:
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.08(27H,m),1.18〜1.82(15H,m),2.56〜3.28(19H,m),4.46(1H,m),5.0〜5.76(7H,m),7.16〜7.46(7H,m),7.8〜7.92(2H,m)
PF1022−051物質:
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.1(27H,m),1.16〜2.02(15H,m),2.56〜3.28(22H,m),4.47(1H,m),5.0〜5.72(7H,m),7.2〜7.5(4H,m),7.3〜7.95(4H,m)
実施例50.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
実施例49で得たCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 101mgをクロロホルム10mlに溶解し、臭素のクロロホルム1.56M溶液0.07mlと48%臭化水素酸を1滴加え、25℃で3.5時間撹拌した。そのまま濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)により精製し、標題化合物88.1mgを得た。
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.1(27H,m),1.2〜1,8(15H,m),2.68〜3.30(16H,m),4.40(2H,s),4.46(1H,m),5.0〜5.74(7H,m),7.14〜7.44(7H,m),7.84〜7.97(2H,m)
実施例51.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]88.1mgをアセトン8mlに溶かし、0.7Mギ酸−ギ酸ナトリウム緩衝液(pH4.2)2mlを加えて、60℃で90分撹拌した。室温まで放冷した後、酢酸エチル50mlで希釈し、10%硫酸水素カリウム溶液30ml、飽和重曹水30ml、飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮し、標題化合物82.5mgを得た。これを精製することなく、そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.06(27H,m),1.2〜1.8(15H,m),2.68〜3.30(16H,m),4.46(1H,m),5.40(2H,s),5.0〜5.72(7H,m),7.16〜7.44(7H,m),7.75〜7.90(2H,m),8.28(1H,s)
実施例52.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]82.5mgをメタノール9.5mlに溶解し、2N−HCl0.5mlを加えて、室温で一夜撹拌した。そのまま溶媒を減圧濃縮し、標題化合物83.1mgを得た。これを精製することなく、そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR(CDCL3)=δ:0.7〜1.06(27H,m),1.15〜1.8(15H,m),2.65〜3.30(16H,m),4.46(1H,m),4.84(2H,s),5.0〜5.74(7H,m),7.1〜7.45(7H,m),7.75〜7.90(2H,m)
実施例53.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−241物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]をTHF5mlに溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム174mgと水1滴とを加えて、室温で7時間撹拌した。酢酸エチル50mlで希釈し、2N−塩酸2mlを含む10%食塩水30mlで洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1〜50:2)により精製し、標題化合物71.1mgを白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7-1.1(27H,m),1.17-1.82(15H,m),2.68-3.32(16H,m),4.48(1H,m),5.0-5.73(7H,m),7.12-7.40(7H,m),7.95-8.07(2H、m)
MS(SIMS):993(M+1)
実施例54.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−244物質)
窒素雰囲気下、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac] 121mgを塩化メチレン4mlに溶かし、−15℃でトリエチルアミン40μlとクロロ炭酸エチル13μlとを加えて10分間撹拌した後、モルホリン12μlを加え、徐々に室温まで昇温し、30分間撹拌した。10%硫酸水素カリウム10mlを加えて、クロロホルム15mlで抽出し、さらに水層をクロロホルム10mlで抽出し、有機層を合併して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=80:1〜20:1)により精製し、標題化合物75.8mgを白色粉末として得た。
[α]D=−83.2°(c=0.03,MeOH)
1H-NMR(CDCL3)δ=0.73〜1.06(27H,m),1.10〜1.85(15H,m),2.65〜3.24(16H,m),3.27〜4.0(8H,bs),4.47(1H,m),5.0〜5.72(7H,m),7.16〜7.40(9H,m)
MS(SIMS):1062(M+1)
実施例55.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−243物質)
実施例53のCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−241物質)150mgをTHF3mlに溶解し、氷冷下DCC 46.7mg、HOBt26.5mg、トリエチルアミン0.046mlおよびジメチルアミン塩酸塩14.8mgを加えて2時間反応させた後、再度それぞれ同量のDCC、HOBt、トリエチルアミン、ジメチルアミン塩酸塩を加えて、3.5時間反応させた。さらに、同量のDCC、HOBt、トリエチルアミン、ジメチルアミン塩酸塩を加えて15時間反応させた。
反応液より不溶物を濾去した後、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル20mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%塩化ナトリウム水溶液各20mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)にて精製し、標題化合物117mg(76.6%)を白色粉末をして得た。
[α]D=−87.4°(c=0.10,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(27H,m,δ-CH3(MeLeu),β-CH3(Lac)),1.25〜1.42(3H,m,δ-CH3(Lac)),1.48〜1.68(12H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.73〜3.19(22H,m,NMe(MeLeu),Me2NCO,β-CH2(PhLac,(CH3)2NCO)PhLac),4.48〜5.68(8H,m,α-CH),7.24〜7.39(9H,m,aromatic)
MS(SIMS):1020(M+1)
実施例56.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−245物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−241物質)183mgをTHF3.7mlに溶解し、氷冷下DCC57mg、HOBt33mg、トリエチルアミン0.031ml、ジメチルアミノエタノール0.022mlを加え4時間反応させた後、DCC19mg、HOBt12mg、トリエチルアミン0.013ml、ジメチアミノエタノール0.01mlを追加して18時間反応させた。さらに同量のDCC、HOBt、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノールを追加して15時間反応させた。
反応液より不溶物を濾去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル20mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%塩化ナトリウム水溶液各20mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール=15:1)にて精製し、標題化合物131mg(66.9%)を白色粉末をして得た。
[α]D=−89.3°(c=0.10,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(27H,m,δ-CH3(MeLeu),β-CH3(Lac)),1.25〜1.41(3H,m,β-CH3(Lac)),1.42〜1.75(12H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.34(6H,s,NMe2((CH3)2NCH2CH2OCO))2.69〜2.83(12H,m,NMe(MeLeu)),3.01〜3.20(6H,m,β-CH2(PhLac,(CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac),CH2((CH3)2NCH2CH2OCO)),4.41(2H,t,=0.5,CH2((CH3)2NCH2CH2OCO)),4.47〜5.68(8H,m,α-CH(Lac)),7.25〜7.34(7H,m,PhLac,(CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac),7.97(2H,m,(CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac)
MS(FAB):1064(M+1)
実施例57.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2CH2OCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−246物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](PF1022−241物質)207.5mgをTHF4mlに溶解し、氷冷下DCC62mg、HOBt35mg、トリエチルアミン0.034ml、モルホリノエタノール0.029mlを加えて16時間反応させた後、さらにDCC21mg、HOBt14mg、トリエチルアミン0.008ml、モルホリノエタノール0.007mlを追加して、18時間反応させた。
反応液より不溶物を濾去し、溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチル20mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム水溶液、7%炭酸水素ナトリウム水溶液、20%塩化ナトリウム水溶液各20mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム−メタノール,30:1)にて精製し、標題化合物115mg(49.8%)を白色粉末をして得た。
[α]D=−105°(c=0.11,MeOH)
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.06(27H,m,δ-CH3(MeLeu),β-CH3(Lac)),1.38〜1.43(3H,m,β-CH3(Lac)),1.53〜1.91(12H,m,β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2,59(4H,t,J=0.4,Mor),2.76〜2.85(12H,m,NMe(MeLeu)),3.03〜3.38(6H,m,β-CH2(PhLac,(CH3)2NCH2CH2OCO)PhLac),CH2(MorCH 2CH2OCO)),3.73(4H,m,J=0.4,Mor),5.09〜5.71(8H,m,α-CH(Lac)),7.28(5H,m,aromatic(PhLac)7.34,7.99(each 2H,each m,(MorCH2CH2OCO)PhLac),
MS(FAB):1106(M+1)
実施例58.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac]2
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac]2の1.10gをクロロホルム100mlに溶解し、臭素のクロロホルム1.56M溶液1.5mlと48%臭化水素酸1滴とを加え、室温で1時間40分撹拌した。反応液を飽和重曹水75mlで洗浄し、さらに水層をクロロホルム50mlで抽出して有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧濃縮して、標題化合物0.96gを得た。
実施例59.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac]2
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BrCH2CO)PhLac]2 0.96gをアセトン80mlに溶解し、0.7Nギ酸−ギ酸ナトリウム緩衝液(pH4.2)20mlを加えて、60℃で75分間撹拌した。アセトンを減圧下溜去した後、10%食塩水50mlと2N−塩酸2mlとを加え、クロロホルム60mlで2回抽出した。2)有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮して、標題化合物0.90gを得た。
実施例60.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac]2
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HCOOCH2CO)PhLac]2 0.90gをメタノール95mlに溶かし、2N−HCl 5mlを加え、30℃で2時間撹拌した。そのまま溶媒を減圧濃縮して、標題化合物0.90gを得た。
実施例61.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac]2
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCH2CO)PhLac]2 0.90gをTHF90mlに溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム4.15gと水10mlとを加えて、室温で一夜撹拌した。THFを留去し、2N−塩酸5mlを含む10%食塩水100mlを加えて、クロロホルムで2回(100ml、50ml)抽出し、有機層を合併して無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=50:1〜50:3)により精製し、標題化合物855mgを白色粉末として得た。
1H-NMR(CD3OD、KSCN添加):δ=0.86(6H,d,J=6.7Hz),0.89(12H,d,J=6.7Hz),0.94(6H,d,J=6.7Hz),1.18〜1.42(4H,m),1.46(6H,d,J=6.7Hz),1.57(4H,dd,J=7.0、8.2),1.81(4H,dd,J=6.7,7.9),2.92(6H,s),3.06(6H,s),3.16(2H,dd,J=9.0,14.1),3.27(2H,dd,J=5.3,14.1),5.32〜5.45(6H,m),5.62(2H,dd,J=5.3,9.0),7.48(4H,d,J=8.2Hz),8.00(4H,d,J=8.2Hz)
MS(SIMS):1060(M+Na),1037(M+1)
実施例62.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-((CH3)2NCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−248物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac]2 50.2mg、HOBT42.0mg、ジメチルアミン塩酸塩36.2mgおよびトリエチルアミン0.1mlをTHF3mlに溶解し、DCC53.7mgを加え、室温で一夜撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を酢酸エチル20mlで希釈した後、10%硫酸水素カリウム10ml、飽和食塩水10mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=50:1)により精製し、標題化合物52.8mgを白色粉末として得た。
[α]D=−85.7°(c=0.10,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.76〜1.08(27H,m),1.10〜1.84(15H,m),2.72〜3.26(28H,m),4.50(1H,m),5.03〜5.70(7H,m),7.26〜7.44(8H,m)
MS(FD):1091(M+1)
実施例63.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−249物質)
窒素雰囲気下、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac]2 203mgを塩化メチレン10mlに溶解し、−10℃でトリエチルアミン0.14mlとクロロ炭酸エチル0.05mlとを加え、5分間撹拌した。同温でモルホリン0.05mlを加え、徐々に室温まで昇温し、2時間撹拌した。
反応液へ10%硫酸水素カリウム20mlを加え、クロロホルム20mlで抽出し、さらに水層をクロロホルム20mlで再抽出して有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=4:1〜1:1引き続きクロロホルムメタノール=50:1から20:1)により精製し、標題化合物120mgを白色粉末として得た。
[α]D=−73.0°(c=0.04,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.74〜1.04(27H,m),1.10〜1.80(15H,m),2.70〜3.23(16H,m),3.24〜4.0(16H,bs),4.47(1H,dd,J=5.1,9.5Hz),5.06(1H,q,J=6.7Hz),5.2〜5.68(6H,m),7.18〜7.37(8H,m)
MS(FD):1075(M+1)
実施例64.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(MorCH2CH2OCO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−251物質)
窒素雰囲気下、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)PhLac]2193mg、HOBt54.1mgおよびモルホリノエタノール0.06mlをTHF5mlに溶解し、DCC118mgを加え、室温で一夜撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を酢酸エチル20mlで希釈した後、10%硫酸水素カリウム10ml、飽和食塩水10mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=25:1)により精製し、標題化合物210mgを白色粉末として得た。
[α]D=−75.6°(c=0.09,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.70〜1.08(27H,m),1.16〜1.82(15H,m),2.56(8H,t,J=4.5Hz),2.65〜3.28(20H,m),3,70(8H,t,J=4.5Hz),4.44(5H,m),5.06(1H,q,J=6.7Hz),5.15〜5.74(6H,m),7.32(4H,d,J=8.2Hz),7.96(4H,d,J=8.2Hz)
MS(FD):1263(M+1)
実施例65.Cyclo[MeLeu-(p-Mor)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-lac](化合物コード番号:PF1022−233物質)
Cyclo[MeLeu-(H2N)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac-MeLeu-Lac 1.06gをDMF 5mlに溶解し、ブロモエチルエーテル383mg、炭酸カリウム228mgおよびヨウ化ナトリウム124mgを加えて、90℃で5時間攪拌下反応させた。反応液を酢酸エチル100mlで希釈し、水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン=1:1(v/v))にて精製し、標題化合物420mg(37%)を白色粉末として得た。
[α]D=−75.3°(c=0.19,CHCl3
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.05(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.24〜1.86(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.64〜3.49(20H,m,N-Me,β-CH2((Mor)PhLac,PhLac),CH 2NCH 2(Mor)),3.73〜3.86(4H,m,CH 2OCH 2(Mor)),4.32〜5.70(8H,m,α-CH),6.81,7.12(each 2H,each d,each J=9Hz,aromatic((Mor)PhLac)),7.27(5H,m,aromatic(PhLac))
実施例66.Cyclo[MeLeu-(o-Mor)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-(p-Mor)PhLac-MeLeu-Lac](化合物コード番号:PF1022−280物質)およびCyclo[MeLeu-(O-Mor)PhLac-MeLeu-Lac]2(化合物コード番号:PF1022−281物質)
発煙硝酸100gを−40℃から−50℃に冷却し、−20℃以下に保ちながらPF1022物質20gを徐々に加え、−25℃〜−20℃で1時間攪拌下反応させた。氷水11に反応液を注ぎ入れ、均一の淡黄色粉末になるまで充分攪拌した。これを濾取、乾燥して、そのまま精製することなくメタノール400mlに溶解し、10%パラジウム/炭素2gを加えて、3時間常圧接触還元を行った。
反応液から触媒を濾去し、濾液を濃縮乾固してそのまま精製することなく、DMF60mlに溶解し、ブロモエチルエーテル8ml、炭酸カリウム8.9gおよびヨウ化ナトリウム4.8gを加えて、90℃で3時間攪拌下反応させた。反応液を酢酸エチル11で希釈し、水11で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン=2:1(v/v))、引き続き逆相ODSを用いたオープンカラムクロマトグラフィ(CH3CN−H2O=2:1(v/v))にて精製し、両方の標題化合物310mgと180mgをそれぞれ白色粉末として得た。
PF1022−280物質:
[α]D=−104°(c=0.38,CHCl3
NMR(CDCL3):δ=0.80〜1.06(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.22〜1.81(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.73〜3.18(24H,m,N-Me,β-CH2((o-Mor)PhLac,(Mor)PhLac),CH 2NCH 2(Mor)),3.80〜3.87(8H,m,CH 2OCH 2(Mor)),4.46〜5.72(8H,m,α-CH),6.73〜6.84(5H,m,aromatic),7.12〜7.21(3H,m,aromatic)
MS(SIMS):1119(M+1)
PF1022−281物質:
[α]D=−85.9°(c=0.22,CHCl3
NMR(CDCL3):δ=0.78〜1.04(24H,m,δ-CH3(MeLeu)),1.10〜1.84(18H,m,β-CH3(Lac),β-CH2,γ-CH(MeLeu)),2.75〜3.27(24H,m,N-Me,β-CH2((o-Mor)PhLac,(Mor)PhLac),CH 2NCH 2(Mor)),3.83(8H,bs,CH 2OCH 2(Mor)),4.32〜6.09(8H,m,α-CH),7.00〜7.30(8H,m,aromatic)
MS(SIMS):1119(M+1)
実施例67.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(p-t-Bu)PhLac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]およびCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(p-t-Bu)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−051物質およびPF1022−050物質)
窒素気流下、PF1022物質2.0gの塩化ピバロイル10ml懸濁液中に氷冷下、塩化アルミニウム2.13gを少量ずつ加え、その後1時間かけて80℃まで昇温した。反応液をすぐに自然降温させ、30分間で室温まで戻した。その後、生じた固体を酢酸エチル4mlを加えて溶解し、さらに酢酸エチル100mlで希釈して、濃塩酸2mlを含む冷水50ml、水50ml、飽和重曹水50ml、飽和食塩水50mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:5〜1:1)により精製し、両標題化合物をそれぞれ白色粉末として229mg(PF1022−050物質)および400mg(PF1022−051物質)得た。また、PF1022物質を460mg回収した。
PF1022−050物質:
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7-1.1(27H,m),1.15〜1.90(33H,m),2.6〜3.25(16H,m),4.47(1H,m),5.0〜5.8(7H,m),7.0〜7.35(8H,m)
MS(SIMS):1060(M+1)
PF1022−051物質:
1H-NMR(CDCL3):δ=0.7〜1.1(27H,m),1.2〜1.85(24H,m),2.64〜3.20(16H,m),4.46(1H,m),5.0〜5.75(7H,m),7.0〜7.45(9H,m)
MS(SIMS):1005(M+1)
実施例68.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(t-BuO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−222物質)
PF1022H物質3.59gを塩化メチレン36mlと酢酸エチル1.8mlとの混液に溶解し、その溶液へ−40℃にてイソブテン7mlと濃硫酸0.6mlとを加えて封管し、室温で1時間攪拌した。再び−40℃に反応液を冷却し、開管してイソブテン7mlを加え、封管して室温で14時間攪拌した。−30℃に冷却して開管した。反応液へトリエチルアミン4mlを加えた後、溶媒を減圧留去した。
残渣を酢酸エチル250mlに溶解し、5%硫酸水素カリウム、次いで20%食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=2:1(v/v))にて精製し、標題化合物1.43g(35.7%)を白色粉末として得た。
[α]D=−113°(c=0.1,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.85〜1.05(27H,m),1.32(18H,s),1.39(3H,d,J=0.7),1.41〜1.93(12H,m),2.69〜2.96(12H,m),3.08(4H,m),4.50〜5.64(8H,m),7.02(8H,dd)
MS(SIMS):1093(M+1)
実施例69.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BTH)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−038物質)
窒素雰囲気下、トリフェニルホスフィンオキシド1.79gを塩化メチレン10mlに溶解し、氷冷下無水トリフルオロメタンスルホン酸の0.7M塩化メチレン溶液4.5mlを加えた。0℃で30分間撹拌した後、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]1.18gとオルトアミノチオフェノール0.14mlとの塩化メチレン(5.5ml)溶液を滴下し、0℃で2時間撹拌した。
その反応液へクロロホルム30mlを加え、5%硫酸水素カリウム30ml、飽和重曹水(30ml×2)、飽和食塩水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチル30mlとジエチルエーテル50mlとを加え、生じた沈澱を濾去し、濾液を濃縮した。窒素雰囲気下、氷冷したトリフェニルホスフィンオキシド1.79gの塩化メチレン(10ml)溶液に、無水トリフルオロメタンスルホン酸の0.7M塩化メチレン溶液4.5mlを加え、0℃で1時間撹拌した後、上記の残渣の塩化メチレン溶液を加えて、徐々に室温まで昇温し、同温で2時間45分撹拌した。
その反応液にクロロホルム30mlを加え、水30ml、飽和重曹水30mlで順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮後、酢酸エチル1ml、ジエチルエーテル20mlを加え、生じた沈澱を濾去し、濾液を濃縮した。再度ジエチルエーテル15mlを加え、生じた沈澱を濾去し、濾液を濃縮して得られた残渣を2回のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=8:1およびトルエン:酢酸エチル=3:1〜2:1)により精製し、標題化合物418mgを白色粉末として得た。
[α]D=−109°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CD3OD,KSCN添加):δ=0.70〜1.02(24H,m),1.18〜1.90(18H,m),2.93(3H,s),2.96(3H,s),3.03(3H,s),3.18(3H,s),3.0〜3.2(2H,m),3.6〜3.8(2H,m),5.28〜5.50(6H,m),5.56(1H,dd,J=5.9,8.6Hz),5.95(1H,dd,J=5.4,8.2Hz),7.22〜7.60(7H、m),8.0(2H,t,t,J=8.1Hz)
MS(SIMS):1006(M+1)
実施例70.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BTH)Lac]2(化合物コード番号:PF1022−037物質)
窒素雰囲気下、トリフェニルホスフィンオキシド3.65gをジクロロエタン20mlに溶解し、氷冷下に無水トリフルオロメタンスルホン酸の0.7M塩化メチレン溶液9.5mlを加えた。0℃で30分間撹拌した後、Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac] 1.16g、オルトアミノチオフェノール0.31mlのジクロロエタン11ml溶液を滴下した。45分間かけて80℃まで昇温し、同温で1時間撹拌した。
反応液へクロロホルム50mlを加え、水30mlで洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=8:1〜10:3)により精製し、標題化合物0.26gを白色粉末として得た。
[α]D=−65.1°(c=0.10,MeOH)
1H-NMR(CDCL3):δ=0.5〜1.1(27H,m),1.18〜1.85(15H,m),2.76〜3.76(16H,m),4.49(1H,dd,J=5.3,9.7Hz),5.09(1H,q,J=6.8Hz),5.22〜5.62(4H,m),6.08(1H,t,J=7.5Hz),6.17(1H,t,J=7.3Hz),7.30〜7.58(4H,m),7.80〜8.00(4H,m)
MS(FD):1062(M)
実施例71.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(BIM)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac](化合物コード番号:PF1022−040物質)
Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(HOCO)Lac-MeLeu-Lac-MeLeu-PhLac]366mg、オルトフェニレンジアミン55.9mg、BOP−Cl 142.7mgおよびジイソプロピルエチルアミン0.16mlを塩化メチレン15mlに溶解し、室温で4時間撹拌した。クロロホルム30mlを加え、飽和暑重曹水30mlで洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)により精製した。主生成物(389mg)をベンゼン40mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸水和物14.5mgを加え、ディーンスタークの装置を用いて4時間加熱還流した。さらにp−トルエンスルホン酸水和物70mgを追加して、5時間加熱還流した。室温に戻した後、酢酸エチル50mlを加え、飽和重曹水40mlで洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=100:1〜50:1)により精製し、標題化合物243.7mgを白色粉末として得た。
[α]D=−108°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CD3OD、KSCN添加):δ=0.66(3H,d,J=6.5Hz),0.77(3H,d,J=6.5Hz),0.80〜0.98(18H,m),1.10〜1.88(18H,m),2.90,2.92,3.01,3.15(3H×4,each s),3.0〜3.2(2H,m),3.33(1H,dd,J=10.0,15.0Hz),3.48(1H,dd,J=4.9,15.0Hz),5.26〜5.48(6H,m),5.54(1H,dd,J=5.5,9.0Hz),5.84(1H,dd,J=4.9,10.0Hz),7.20〜7.38(7H,m),7.55(2H,bs)
MS(FAB):989(M+1)
実施例72.Cyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(ATH)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−056物質)
実施例49で得られたCyclo[MeLeu-Lac-MeLeu-(CH3CO)PhLac]2(化合物コード番号:PF1022−048物質)321mgをクロロホルム20mlに溶解し、臭素のクロロホルム1.56M溶液0.4mlをと48%臭化水素酸1滴とを加え、室温で2時間撹拌した。クロロホルム30mlを加えて稀釈し、飽和重曹水30mlで洗浄し、さらに水層をクロロホルム30mlで抽出した。有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した。
得られた残渣をTHF15mlに溶解し、チオ尿素96mg、炭酸水素ナトリウム130mgおよび水1mlを加え、室温で1時間撹拌した。酢酸エチル50mlを加え、飽和重曹水30mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=50:1〜50:2)により精製し、標題化合物216mgを白色粉末として得た。
[α]D=-86.2°(c=0.11,MeOH)
1H-NMR(CDCL3)δ=0.74〜1.06(27H,m),1.20〜1.84(15H,m),2.70〜3.22(16H,m),4.48(1H,m),4.96(4H,bs),5.08(1H,q,J=7.0Hz),5.16〜5.72(6H,m),5.71(2H,s),7.20〜7.30(4H,m),7.64〜7.76(4H,m)
MS(エレクトロスプレー):1145(M+1),1167(M+Na)
産業上の利用分野
本発明によって今回提供された前記の一般式(I')で示される新規環状デプシペプチドPF1022物質誘導体は、人間ならびに家畜動物およびペット動物に寄生する各種の寄生虫に対して駆虫活性を有し、従って寄生虫感染症のための予防または治療に駆虫剤として用いるのに有用である。

Claims (4)

  1. 次の一般式(I')
    Figure 0004001381
    〔式中、(i)R1は、水素原子を示し且つR2 は、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換のテトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C1〜C6)アルコキシ基、を示し、しかも前記の複素環は、該複素環上に置換基として、フェニル基、(C 1 〜C 6 )アルキルフェニル基、(C 3 〜C 6 )シクロアルキルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基またはフルオロフェニル基を有してもよく、あるいは(ii)R1とR2は相互に同じであり且つ各々はピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換のテトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有する(C 1 〜C 6 )アルコキシ基、を示し、しかも前記の複素環は、該複素環上に置換基として、フェニル基、(C 1 〜C 6 )アルキルフェニル基、(C 3 〜C 6 )シクロアルキルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基またはフルオロフェニル基を有してもよく、またMeは、メチル基を示す〕で表される環状デプシペプチド、PF1022物質誘導体である化合物
  2. 請求の範囲1に示される一般式(I')で(i)R 1 は水素原子で且つR 2 は、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換テトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有するメトキシ基であるか、あるいは(ii)R 1 とR 2 は相互に同じで、その各々がピロリジン、イミダゾール、チアゾール、フラン、テトラヒドロフラン、5-(C 1 〜C 6 )アルキル−1,2,4−オキサジアゾール、5−(ハロゲンで置換されてもよい)フェニル−1,2,4−オキサジアゾール、5-(C 3 〜C 6 )シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾール、ハロゲンで置換されてもよいピリジン、およびN−(C 1 〜C 6 )アルキル置換または非置換テトラヒドロピリミジンから選ばれる5員または6員の飽和または不飽和の複素環を置換基として有するメトキシ基である、請求の範囲1に記載の化合物。
  3. 請求の範囲1の一般式(I')で、R 1 が水素原子であり且つR 2 がフルフリルオキシ基である場合の化合物、あるいはR 1 とR 2 との各々が同じく2−ピコリルオキシ基である場合の化合物である、請求の範囲1または2に記載の化合物。
  4. 請求の範囲1に示される一般式(I')の環状デプシペプチドの少くとも一つまたはその酸付加塩を有効成分として含有することを特徴とする駆虫剤組成物。
JP1997512604A 1996-09-20 新規環状デプシペプチドpf1022誘導体 Expired - Lifetime JP4001381B2 (ja)

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