JP4000611B2 - Vacuum exhaust system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造設備等に用いられる真空ポンプあるいはコンプレッサ等の真空排気システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造プロセスにおけるCVD装置、ドライエッチング装置、スパッタリング装置などには、真空環境を作り出すために真空ポンプが不可欠である。この真空ポンプに対する要請は、半導体プロセスの高集積化、微細化に対応するため、近年ますます高度になってきており、その主な内容は、高い真空到達圧が得られること、クリーンであること、メンテナンスが容易なこと、小型・コンパクトであること等である。
【0003】
以上の要請に応えるため、半導体の真空設備では従来から用いられていた油回転ポンプに代わり、より清浄な真空を得ることを目的として、粗引用のドライ真空ポンプが広く用いられるようになっている。
【0004】
図5は従来の容積型真空ポンプ(粗引ポンプ)の一種であるねじ溝式(スクリュー式)のドライ真空ポンプを示すものである。同図において、101はケーシング、102は第1回転軸、103は第2回転軸、104と105はそれぞれ回転軸102と103に支持された筒形ロータである。各ロータ104,105にねじ溝106,107が形成されていて、凹部(溝)を凸部(山)と噛み合せることにより、両者の間に密閉空間を作り出している。前記両ロータ104と105が回転すると、その回転に伴い、前記密閉空間が吸入側から排気側へ移動して吸入作用と吐出作用を行うのである。108は吸気孔、109は排気孔、118はモータである。また110a,110b及び111a,111bは第1回転軸102、第2回転軸103を支持するころがり軸受である。前記軸受110a,110b,111a,111bとの潤滑は、駆動ギヤ112の軸端にオイルポンプ113を組み込み、ポンプ最下部のオイルパン114からオイル115を吸い込み、オイルフィルタを経由して各部に供給している。
【0005】
また、このオイル115がロータ104,105を収納する流体作動室116に浸入しないように、両室間にメカニカルシール117が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述したドライ真空ポンプには、次のような課題があった。
【0007】
ドライポンプ(オイルフリーポンプ)は、作動室内で油を使用しないため、油回転ポンプよりは信頼性が高い。しかし反面、ロータ、ケーシング等が油の皮膜により直接活性ガスや反応生成物に晒されることになり、この点で油回転ポンプよりもむしろ条件は苛酷と言える。半導体製造プロセスでは、アルミニウム・プラズマエッチングやシリコン窒化膜生成プロセスが真空ポンプにとって最も苛酷なプロセスといわれている。これらのプロセスでは、それぞれ反応生成物として多量の塩化アルミニウム(AlCl3)と塩化アンモニウム(NH4Cl)を生ずる。これらの物質は高温低圧の反応室の中では気体であるが、比較的低温の真空配管やポンプの内部で凝縮して固体となる。真空ポンプの中で反応生成物が堆積すると、ロータ104,105とケーシング101が固着し、ポンプの運転ができなくなる。例えば窒化膜生成プロセスでは、数バッチの処理でポンプが運転不能になることがある。
【0008】
前述したドライ真空ポンプの場合、真空から大気に開放される排気孔109近傍で反応性生成物が堆積しやすくなる。2つのロータ104,105が噛み合う部分、あるいはロータ104,105とケーシング101の間は通常数十ミクロンのクリアランスが保てるように構成されている。しかし、たとえばねじ溝106,107内部に反応性生成物が堆積すると、この種のポンプでは、堆積物が排除される機構を持たないため、両ロータ間に機械的接触が生じ、たちまち運転不能に陥る等のトラブルが発生する。
【0009】
そのため従来のドライポンプでは
(1)ポンプの圧縮熱を利用して、ポンプの内壁面をできるだけ高い温度に保つ。
【0010】
(2)ポンプ内に希釈ガスを流して、反応性ガスの分圧を下げる。
つまり反応性ガスが温度が高い程、圧力が低い程、蒸気の状態を保ちやすいことを利用するのである。しかし、このような方策を施しても万全とは言えなかった。たとえば希釈ガスと反応性ガス混合状態の空間分布は必ずしも均一ではなく、局所的に生成物が発生し、その生成物が徐々に成長することにより前述したトラブルにつながるのである。
【0011】
以上、スクリュー式のドライ真空ポンプを例にあげ説明してきたが、他の方式、例えばルーツ式、クロー式等のドライポンプも同様な課題を抱えている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、この発明にかかる真空排気システムは、一対の第1のロータを有する容積型粗引ポンプと、前記ポンプよりも排気能力が小さく前記ポンプの吐出孔に設けられた容積型排気ユニットとを有する真空排気システムであって、前記容積型排気ユニットは、シリンダ内に第2のロータを備えると共に前記ユニットの吐出孔と吸入孔との間かつ前記第2のロータの回転軸の重力方向に反応性生成物の貯蔵タンクを有し、前記貯蔵タンクの容積は前記ポンプの第1のロータを収納するハウジングの容積よりも小さく、かつ、前記貯蔵タンクの最大内径は前記第2のロータの最大外径よりも大きいことを特徴とし、トラップユニットによって、定常運転時上記容積型粗引ポンプの排気側を、常に真空状態に保っている。
【0013】
反応性ガスは、図6の公知のデータに示すように温度が低い程、またガス圧力が高い程固化しやすい。そのため従来の粗引真空ポンプでは、大気に開放される排気側は、最も生成物が発生しやすかった。
【0014】
本発明の真空排気システムは、第一のポンプである粗引ポンプの排気側に、第二のポンプである小排気量のトラップユニットをシリーズに連結した構成となっている。通常反応性ガスの輸送量はせいぜい数リットル/min程度である。この反応性ガスを吸引し、かつ粗引ポンプの排気側を、例えば1〜10torr程度に維持するための第二のポンプであるトラップユニットの排気能力は、第一のポンプの排気能力と比べて十分小さくてよいことに着目する。
【0015】
そのため反応性ガスを輸送している定常運転時は、粗引ポンプの排気側は常に大気圧以下の十分に低い真空圧状態(例えば1〜10torr程度)に保たれている。その結果、反応性ガスが気体状態を保つ裕度は、従来と比べ大幅に改善されるのである。
【0016】
本発明の真空排気システムの粗引ポンプで、生成物が堆積しにくい理由は、従来でも粗引ポンプの上段に配置されるターボ分子ポンプ、メカニカルブースタ等で生成物によるトラブルがほとんどない点からも類推できる。
【0017】
真空チャンバー内がまだ大気圧の状態から吸引を開始する場合、開始直後に粗引ポンプは大量の空気を輸送する。このときトラップユニットは粗引ポンプと比べて輸送能力が小さいため、トラップユニットの吸入側で大きな圧力上昇が懸念される。
【0018】
しかし、トラップユニットのポンプ部とバイパスする形で、圧力差によって開閉するバルブをトラップユニットの内部あるいは外部に設けておけば、大流量の気体を輸送するときのみ、バルブが開放される。チャンバー内の圧力が十分に低下し、気体の輸送量がトラップユニットだけで処理できるレベルになれば、上記バルブはすみやかに閉状態となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、反応性ガスを輸送する粗引真空ポンプの排気側に、この粗引ポンプよりも排気量の小さな排気ユニットを連結した真空排気システムにおいて、定常回転時上記粗引ポンプの排気側は、反応性ガスが気体状態を保つような条件下で、温度、真空圧が設定されていることを特徴とするものであり、反応性生成物の堆積によるトラブルを抜本的に解消できる真空排気システムを提供できる。
【0020】
図1において、1は粗引ポンプ、2は排気ユニットとしてのトラップユニットである。以下、本発明の第一の実施形態について、真空排気システムの原理図である図1とトラップユニット2の詳細図の図2をもとに説明する。まず最初に前記粗引ポンプ1について説明する。
【0021】
2a,2bはスクリューロータ、3a,3bは前記異形のスクリューロータ2a,2bと嵌合した回転軸、4はスクリューロータ2a,2bを収納するハウジング、5はこのハウジング4に形成された吸入孔、6は吐出孔、7はモータ(図示せず)を収納するモータハウジングである。同図において互いに噛み合う2つのスクリューロータ2a,2bとハウジング4の間で密閉空間が形成される。スクリューロータ2a,2bを互いに逆方向に回転させて、この密閉空間を吸入孔5側から吐出孔6側へ移動させることにより、第一のポンプである容積型の粗引ポンプ1を構成している。
【0022】
次にトラップユニット2について説明する。8はトラップユニット2の吸入孔、9はシリンダ10の内面に形成された吸入溝、120はこの吸入溝9と吸入孔8を連絡する流通路である。11a,11bはマイクロ・スクリューロータ(以下マイクロロータと呼ぶ)、12a,12bはこのマイクロロータ11a,11bと連結した回転軸、13は軸受ハウジング、14a,14b及び15a,15bは前記回転軸12a,12bを支持する軸受である。17は前記軸受15a,15bを収納する上部ハウジング、18はモータであり、前記回転軸12bを回転駆動すると共にタイミンギギヤ16a,16bを介して回転軸12aを駆動する。19は前記マイクロロータ11a,11bの下部に配置された吐出チャンバーであり、反応性生成物20の貯蔵タンクとしての用途も兼ねている。21は前記吐出チャンバー19に形成された吐出孔である。なお本実施形態では、真空から大気に開放される部分、即ちマイクロロータ11a,11bが吐出チャンバー19の空間と接する部分に反応性生成物20が万が一生じても、生成物20は吐出チャンバー19の下部に容易に降下できる構造となっている。
【0023】
また全体のシステムを示す図1において、22は粗引ポンプ1とトラップユニット2の連結パイプ、23はトラップユニット2の吐出パイプである。24は前記連結パイプとトラップユニット2の前記シリンダ10の外周部を収納するように配置された補助加熱ヒータである。
【0024】
図1は真空チャンバー内でのプロセス加工が進行中の場合を示し、少流量の反応性ガスが常時供給されている状態となっている。粗引ポンプ1、トラップユニット2のそれぞれのスクリューロータ2a,2b、マイクロロータ11a,11bは共に回転しながら反応性ガスを吸引している。またトラップユニット2の吸入孔8側、および粗引ポンプ1の吐出孔6側はガスが蒸気の状態を保つのに十分に低い真空圧を保っている。アルミニウムプラズマエッチングを対象とした本実施形態では、この真空圧を1torr近傍に保つと共に、粗引ポンプ1とトラップユニット2に供給する冷却水(図示せず)の水量を低目に抑えることにより、反応性ガスが通過する通路内の空間を高温:150℃近傍に保つように設定した。
【0025】
従来の粗引ポンプでは、圧縮熱と大気に開放される部分での再膨張損失により、大量の熱を外部に放出する必要があった。そのため、通常10〜20リットル/分程度の大量の冷却水を供給する必要があった。本実施形態における真空排気システムでは、発生熱量は小さく、冷却水を大幅に削減できる。ただし、チャンバー内圧力(たとえば10-3torr以下)から粗引ポンプ1の排気側圧力(たとえば1torr)までの圧力変化を伴うがゆえに発生する圧縮熱はやはり発生する。従って、この圧縮熱による発熱量と冷却水による放熱量を調節することにより、反応性ガスが排気室内で、真空圧1torrの条件下で十分な気体状態を保つための温度条件を設定することができる。
【0026】
さらに本実施形態では、トラップユニット2全体を覆うように補助加熱ヒータ24を装着して、かつヒータ電流を制御することにより、吐出ガスが通過する壁面をどのような場合でも一定の高温条件に保つ様にした。このヒータによる加熱は、主に装置全体の始動時に有効であった。すなわち、粗引ポンプ1の排気側を真空状態に維持することに加えて、圧縮熱による発熱と冷却水量の調節さらに補助加熱ヒータ24による温度コントロールを併用させることにより、いかなる条件下でも生成物発生が防止できるようになった。
【0027】
次に真空排気システムの参考例を図3と図4を用いて説明する。本参考例では、トラッップユニット70に粘性ポンプを用いている。粗引ポンプ1については、第一の実施形態と同様なため詳細な説明は省略する。50はトラップユニット70の吸入孔、51はシリンダ52の内面に形成された吸入溝、53はこの吸入溝51と吸入孔50を連絡する流通路である。54は高速で回転するマイクロロータ、55はこのマイクロロータ54の外表面に螺旋状に形成された流体圧送溝、56はこのマイクロロータ54と連結した回転軸、57はこの回転軸56を支持する軸受である。58は軸受57を収納する上部ハウジング、59は回転軸56を駆動するモータである。60はマイクロロータ54の下部に配置された吐出チャンバーであり、反応性生成物61の貯蔵タンクとしての用途を兼ねているのは、第一の実施形態と同様である。62は前記吐出チャンバー60に形成された吐出孔である。63はバイパスバルブの吸入口、64はバネ、65はスプール、66は吐出口である。上記吸入口63、バネ64、スプール65、吐出口66及びシリンダ52により、バイパスバルブ67を構成している。真空チャンバー内が大気の状態から吸引を開始した直後においては粗引ポンプと比べて、トラップユニット70の排気量が小さいため、粗引ポンプ1の排気側の圧力上昇により前記バイパスバルブ67が開放される。すなわち、前記吸入孔50から流入した気体は、前記バイパスバルブ67を通過して直接前記吐出チャンバー60内の空間に流入する。しかし通常チャンバー内の圧力は急速に低下するため、バイパスバルブ67はすみやかに閉じられる。
【0028】
また、全体のシステムを示す図3において、68は粗引ポンプ1とトラップユニット70の連結パイプ、69は補助加熱ヒータ、71は吐出パイプである。本実施形態のトラップユニット70は、粘性ポンプを用いているため、前記マイクロロータ54を高速で回転させる必要がある。そのため非接触型の軸受、たとえば静圧空気軸受、磁気軸受等を用いれば軸受の耐久性の点で有利となる。また第一の実施形態では、このバイパスバルブ67は省略しているが、トラップユニット2の外部に、吐出チャンバー19と粗引ポンプの吐出孔6を連結する形でバイパスバルブの流通路を形成してもよい(図示せず)。
【0029】
【発明の効果】
本発明を反応性ガスを取扱う、たとえば半導体プロセスの真空排気系に適用したとき次の効果が図れる。
【0030】
(1)信頼性の大幅な向上が図れる
粗引ポンプの排気側に装着するトラップユニットの吸引作用により、反応性生成物が最も発生しやすい上記排気側は、反応プロセスが進行中の状態では、常に適度な真空に保たれている。したがって、この真空状態に加えて、さらに適度な高温環境さえ保てれば、反応性ガスが粗引ポンプ内で気体状態を保つ裕度を大幅にアップできる。トラップユニットは排気量が粗引ポンプと比べて、十分に小さくてよいため、小型のポンプでよく、その構造の選択の自由度が高い。つまり、生成物が堆積しにくいという点のみに注目して、ポンプの型式、構造を選定できる。
【0031】
従来の粗引ポンプでは、大きな排気速度と10-2〜10-3torr程度の低い真空到達圧、重い重量のロータを高速で回転させるために必要な軸受部の高い信頼性等のすべての条件を満足せねばならず、型式と構造の選定には大きな制約条件があった。
【0032】
本発明では、たとえば実施形態で説明したように、トラップユニットのマイクロロータを片持ち構造にして、上部から反応性ガスを吸引し、マイクロロータの下部には生成物が堆積できる貯蔵タンクを設けるような構造が実現できる。このような構造により、万が一発生した反応性生成物は容易に貯蔵タンク内へ降下するため、回転ロータとケーシングの間の狭いギャップに堆積せず、信頼性を大幅に改善できる。
【0033】
また、トラップユニットは小型のため、反応性ガスが通過する部分を均一に高温を保つことも容易である。例えば、温度管理を一層確実にするためのヒータ等の加熱手段を用いることも容易にできる。
【0034】
また万が一、トラップユニットが停止しても、大量の空気を吸引するときのみバイパスバルブが開放する状態にしておけば、真空排気系は運転を継続できる。
【0035】
また、反応性ガスに対する信頼性向上以外にも本発明の適用により、粗引ポンプの軸受寿命の大幅な向上が図れる。その理由は、粗引ポンプの排気空間が真空になるため、両ロータの軸方向の圧力差が軽減し、軸受に加わるスラスト荷重が大幅に低減できるからである。
【0036】
(2)消費動力の大幅な低減が図れる
トラップユニットの装着により、粗引ポンプの消費動力を大幅に低減できる。半導体プロセスにおける真空ポンプの主な役割は、真空チャンバーに繋がっている吸気側を真空状態に保つためにある。僅かな反応性ガス、N2パージガス等を輸送している場合でも、輸送するための必要な有効仕事は極めて小さい。にもかかわらず従来の粗引ポンプが大きな動力を必要とする理由は、2つのロータが大気に接する部分での再膨張損失によるものである。すなわち、2つのロータで形成される真空の密閉空間に、大気側から気体が逆流するからである。
【0037】
本発明では、粗引ポンプの2つのロータが回転する空間は真空状態を保たれており、そのため再膨張損失は発生しない。また、異形ロータのため大気中で発生していた風損も極めて小さい。さらに二次的な効果として、ロータのスラスト荷重の軽減による軸受損も低減できる。
【0038】
(3)静音化が図れる
本発明の適用により、粗引ポンプの大幅な静音化が図れる。
【0039】
従来の粗引ポンプが発生する騒音の要因の多くが、本発明により抜本的に解消できる。前述した気体の流入・流出をともなう両膨張、異形ロータが大気中で高速で回転することによる風切り音、タイミングギヤの風切り音等が根本的に解消できる。
【0040】
(4)メンテナンスコストを低減できる
従来大量の冷却水による放熱を必要としたのに対して、僅かの冷却水あるいは冷却水を省略した空冷程度で排気側を十分な高温状態に維持できる。トラップユニットは小さな排気量と適度な真空到達圧が得られればよく、ローコストな構成ができる。したがって、使い捨ても可能である。
等々、本発明の半導体真空設備における適用の効果は絶大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態を示す真空排気システムの原理図
【図2】 図1に示す真空排気システムに用いるトラップユニットの正面断面図
【図3】 参考例としての真空排気システムの原理図
【図4】 図3に示す参考例としての真空排気システムに用いるトラップユニットの正面断面図
【図5】 従来の粗引ドライポンプの正面断面図
【図6】 公知のデータである反応性ガスの状態図
【符号の説明】
1 容積型粗引ポンプ
2 トラップユニット(容積型排気ユニット)
2a,2b スクリューロータ(一対のロータ)
4 ハウジング
11a,11b マイクロ・スクリューロータ
21 吐出孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vacuum pumping system such as a vacuum pump or a compressor used in semiconductor manufacturing equipment or the like.
[0002]
[Prior art]
A vacuum pump is indispensable for creating a vacuum environment in a CVD apparatus, a dry etching apparatus, a sputtering apparatus or the like in a semiconductor manufacturing process. The demand for this vacuum pump has become increasingly sophisticated in recent years in order to cope with the high integration and miniaturization of semiconductor processes, and the main contents are that a high vacuum pressure can be obtained and that it is clean. They are easy to maintain, small and compact.
[0003]
In order to meet the above demands, instead of the oil rotary pump conventionally used in semiconductor vacuum equipment, a coarsely quoted dry vacuum pump is widely used for the purpose of obtaining a cleaner vacuum. .
[0004]
FIG. 5 shows a dry vacuum pump of a thread groove type (screw type) which is a kind of a conventional positive displacement vacuum pump (roughing pump). In the figure, 101 is a casing, 102 is a first rotating shaft, 103 is a second rotating shaft, and 104 and 105 are cylindrical rotors supported by the rotating
[0005]
A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the dry vacuum pump described above has the following problems.
[0007]
Dry pumps (oil-free pumps) do not use oil in the working chamber and are therefore more reliable than oil rotary pumps. However, on the other hand, the rotor, casing, and the like are directly exposed to the active gas and reaction product by the oil film, and in this respect, the conditions are rather severe than the oil rotary pump. In the semiconductor manufacturing process, aluminum plasma etching and silicon nitride film generation processes are said to be the most severe processes for vacuum pumps. These processes produce large amounts of aluminum chloride (AlCl 3 ) and ammonium chloride (NH 4 Cl) as reaction products, respectively. These substances are gases in a high-temperature and low-pressure reaction chamber, but condense in a relatively low-temperature vacuum pipe or pump to become a solid. If reaction products accumulate in the vacuum pump, the
[0008]
In the case of the dry vacuum pump described above, reactive products are likely to be deposited in the vicinity of the
[0009]
Therefore, the conventional dry pump (1) keeps the inner wall surface of the pump as high as possible by using the compression heat of the pump.
[0010]
(2) A dilution gas is allowed to flow through the pump to lower the partial pressure of the reactive gas.
That is, it is utilized that the higher the temperature of the reactive gas and the lower the pressure, the easier it is to keep the vapor state. However, such measures were not perfect. For example, the spatial distribution of the mixed state of the diluent gas and the reactive gas is not necessarily uniform, and a product is generated locally, and the product grows gradually, leading to the trouble described above.
[0011]
The screw type dry vacuum pump has been described above as an example, but other types of dry pumps such as a root type and a claw type have similar problems.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, a vacuum exhaust system according to the present invention is provided in a positive displacement roughing pump having a pair of first rotors and a discharge hole of the pump having a smaller exhaust capacity than the pump. A vacuum exhaust system having a positive displacement exhaust unit, wherein the positive displacement exhaust unit includes a second rotor in a cylinder and between the discharge hole and the suction hole of the unit and rotation of the second rotor. Having a storage tank for reactive products in the direction of gravity of the shaft, the volume of the storage tank being smaller than the volume of the housing housing the first rotor of the pump, and the maximum inner diameter of the storage tank being The maximum outer diameter of the rotor of No. 2 is larger, and the exhaust side of the positive displacement roughing pump is always kept in a vacuum state by a trap unit during steady operation.
[0013]
As shown in the well-known data of FIG. 6, the reactive gas is easily solidified as the temperature is lower and the gas pressure is higher. Therefore, in the conventional roughing vacuum pump, the product is most likely to be generated on the exhaust side opened to the atmosphere.
[0014]
The vacuum exhaust system of the present invention has a configuration in which a small exhaust amount trap unit as a second pump is connected in series to the exhaust side of a roughing pump as a first pump. Usually, the transport amount of the reactive gas is at most about several liters / min. The exhaust capacity of the trap unit, which is the second pump for sucking the reactive gas and maintaining the exhaust side of the roughing pump at, for example, about 1 to 10 torr, is compared with the exhaust capacity of the first pump. Note that it can be small enough.
[0015]
Therefore, during steady operation in which reactive gas is transported, the exhaust side of the roughing pump is always kept at a sufficiently low vacuum pressure (eg, about 1 to 10 torr) below atmospheric pressure. As a result, the tolerance with which the reactive gas is kept in a gaseous state is greatly improved as compared with the prior art.
[0016]
The reason why the product is difficult to accumulate in the roughing pump of the evacuation system of the present invention is that the turbo molecular pump, the mechanical booster, etc. arranged in the upper stage of the roughing pump have hardly caused trouble due to the product. I can analogize.
[0017]
When the suction is started from the state in which the pressure in the vacuum chamber is still atmospheric, the roughing pump transports a large amount of air immediately after the start. At this time, since the trap unit has a smaller transport capacity than the roughing pump, there is a concern about a large pressure increase on the suction side of the trap unit.
[0018]
However, if a valve that opens and closes due to a pressure difference is provided inside or outside the trap unit so as to bypass the pump unit of the trap unit, the valve is opened only when a large amount of gas is transported. When the pressure in the chamber is sufficiently lowered and the amount of gas transport reaches a level that can be processed only by the trap unit, the valve is immediately closed.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the first aspect of the present invention, in a vacuum exhaust system in which an exhaust unit having a smaller displacement than that of the roughing pump is connected to the exhaust side of the roughing vacuum pump for transporting the reactive gas, The exhaust side of the roughing pump is characterized in that the temperature and vacuum pressure are set under conditions that keep the reactive gas in a gaseous state. An evacuation system that can drastically eliminate the problem can be provided.
[0020]
In FIG. 1, 1 is a roughing pump, and 2 is a trap unit as an exhaust unit. Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 1 which is a principle diagram of an evacuation system and FIG. 2 which is a detailed view of a
[0021]
2a, 2b are screw rotors, 3a, 3b are rotating shafts fitted to the
[0022]
Next, the
[0023]
In FIG. 1 showing the entire system, 22 is a connecting pipe for the roughing pump 1 and the
[0024]
FIG. 1 shows a case where process processing is in progress in a vacuum chamber, and a state where a small amount of reactive gas is constantly supplied. The
[0025]
In the conventional roughing pump, it has been necessary to release a large amount of heat to the outside due to the compression heat and the re-expansion loss in the portion opened to the atmosphere. Therefore, it is necessary to supply a large amount of cooling water, usually about 10 to 20 liters / minute. In the vacuum exhaust system in the present embodiment, the amount of generated heat is small, and the cooling water can be greatly reduced. However, the compression heat generated due to the pressure change from the pressure in the chamber (for example, 10 −3 torr or less) to the exhaust side pressure (for example, 1 torr) of the roughing pump 1 is still generated. Therefore, by adjusting the amount of heat generated by the compression heat and the amount of heat released by the cooling water, it is possible to set a temperature condition for the reactive gas to maintain a sufficient gas state in the exhaust chamber under a vacuum pressure of 1 torr. it can.
[0026]
Furthermore, in this embodiment, the
[0027]
It will now be described with reference to FIGS. 3 and 4 the reference example of vacuum pumping system. In this reference example , a viscous pump is used for the
[0028]
In FIG. 3 showing the entire system, 68 is a connecting pipe between the roughing pump 1 and the
[0029]
【The invention's effect】
When the present invention is applied to a reactive gas, for example, an evacuation system of a semiconductor process, the following effects can be achieved.
[0030]
(1) Due to the suction action of the trap unit attached to the exhaust side of the roughing pump that can greatly improve the reliability, the exhaust side where the reactive product is most likely to be generated is in a state where the reaction process is in progress. A moderate vacuum is always maintained. Therefore, in addition to this vacuum state, as long as a moderately high temperature environment can be maintained, the tolerance for the reactive gas to maintain a gaseous state in the roughing pump can be greatly increased. Since the trap unit may have a sufficiently small displacement compared to the roughing pump, it may be a small pump and has a high degree of freedom in selecting its structure. That is, the type and structure of the pump can be selected by paying attention only to the point that the product is difficult to accumulate.
[0031]
In the conventional roughing pump, all conditions such as high pumping speed, low vacuum pressure of about 10 -2 to 10 -3 torr, and high reliability of bearings necessary to rotate a heavy weight rotor at high speed There were significant constraints on the selection of model and structure.
[0032]
In the present invention, as described in the embodiment, for example, the micro rotor of the trap unit is cantilevered, the reactive gas is sucked from the upper part, and a storage tank in which the product can be deposited is provided at the lower part of the micro rotor. A simple structure can be realized. With such a structure, the reactive product that is generated should easily fall into the storage tank, and therefore, it does not accumulate in the narrow gap between the rotating rotor and the casing, and the reliability can be greatly improved.
[0033]
In addition, since the trap unit is small, it is easy to keep a high temperature uniformly in the part through which the reactive gas passes. For example, it is possible to easily use heating means such as a heater for further ensuring temperature control.
[0034]
Even if the trap unit stops, if the bypass valve is opened only when a large amount of air is sucked, the vacuum exhaust system can continue to operate.
[0035]
In addition to improving the reliability of the reactive gas, the bearing life of the roughing pump can be significantly improved by applying the present invention. The reason is that since the exhaust space of the roughing pump is evacuated, the axial pressure difference between the two rotors is reduced, and the thrust load applied to the bearing can be greatly reduced.
[0036]
(2) The power consumption of the roughing pump can be greatly reduced by installing a trap unit that can greatly reduce the power consumption. The main role of the vacuum pump in the semiconductor process is to keep the suction side connected to the vacuum chamber in a vacuum state. Even when a small amount of reactive gas, N 2 purge gas, or the like is being transported, the effective work required for transport is extremely small. Nevertheless, the reason why the conventional roughing pump requires a large amount of power is due to the re-expansion loss at the portion where the two rotors are in contact with the atmosphere. That is, the gas flows backward from the atmosphere side into the vacuum sealed space formed by the two rotors.
[0037]
In the present invention, the space in which the two rotors of the roughing pump rotate is kept in a vacuum state, and therefore no re-expansion loss occurs. In addition, the windage loss generated in the atmosphere due to the deformed rotor is extremely small. As a secondary effect, bearing loss due to reduction of the thrust load of the rotor can also be reduced.
[0038]
(3) By applying the present invention that can reduce noise, the roughing pump can be significantly reduced in noise.
[0039]
Many of the causes of noise generated by conventional roughing pumps can be drastically eliminated by the present invention. The above-described double expansion with inflow / outflow of gas, the wind noise caused by the high speed rotation of the deformed rotor in the atmosphere, the wind noise of the timing gear, etc. can be fundamentally eliminated.
[0040]
(4) While heat radiation by a large amount of cooling water that can reduce the maintenance cost is necessary, the exhaust side can be maintained at a sufficiently high temperature by air cooling without a small amount of cooling water or cooling water. The trap unit only needs to obtain a small displacement and an appropriate vacuum pressure, and can be configured at a low cost. Therefore, it can be disposable.
The effects of application in the semiconductor vacuum equipment of the present invention are enormous.
[Brief description of the drawings]
[1] First principle diagram of a vacuum pumping system according to the embodiment of FIG. 2 is a front sectional view of a trap unit for use in vacuum evacuation system shown in Figure 1 [3] vacuum pumping system as a reference example of the present invention Fig. 4 is a front sectional view of a trap unit used in a vacuum exhaust system as a reference example shown in Fig. 3. Fig. 5 is a front sectional view of a conventional roughing dry pump. Fig. 6 is a known data reaction. State diagram of chemical gas
1
2a, 2b Screw rotor (a pair of rotors)
4 Housing 11a, 11b
Claims (4)
を特徴とする真空排気システム。A vacuum exhaust system comprising a positive displacement roughing pump having a pair of first rotors and a positive displacement exhaust unit having an exhaust capability smaller than that of the pump and provided in a discharge hole of the pump. The unit includes a second rotor in a cylinder, and has a storage tank for a reactive product between a discharge hole and a suction hole of the unit and in a gravitational direction of a rotation axis of the second rotor , and the storage A vacuum exhaust system characterized in that the tank has a volume smaller than that of a housing for housing the first rotor of the pump, and a maximum inner diameter of the storage tank is larger than a maximum outer diameter of the second rotor. .
を特徴とする請求項1に記載の真空排気システム。The vacuum exhaust system according to claim 1, further comprising a heating unit configured to heat at least one of the discharge hole of the positive displacement roughing pump and the positive displacement exhaust unit.
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