JP3997630B2 - 医療用ポンピングカセットおよび医療用ポンピング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用ポンピングカセットおよび医療用ポンピング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用ポンピングカセットとして、従来より軟質チューブをローラーでしごいて流体を移送するローラーポンプが広く利用されている。しかしながら、この従来例では、チューブをローラーに正確に取付ける必要があり、捻れて取付けられると、折り曲げられた箇所に過度の応力が加わりチューブを破損する可能性があった。また、このようなローラーポンプではシール性があるため、回路上のチューブが折れたり内部に異物が詰まった場合に強制的に液を供給してしまい、回路内圧が急激に上昇して回路を破損する危険性があった。これらの理由から、ローラーポンプは、例えば在宅で患者自身が回路を取付け、患者の就寝中に稼働する自動腹膜透析装置にはあまり利用されることはなかった。
【0003】
これに対し、ポンピング装置を使用する医療用ポンピングカセットが、取付けが容易であるという特徴から利用され始めている。
例えば、特表平7−506518号公報、特表平7−506520号公報、特表平7−506521号公報、特表平7−506522号公報、特表平7−506523号公報、特表平7−506524号公報には、軟質膜に流体圧を適用する方法が開示されている。この方法で問題となるのは送液量の計量であり、作動流体に空気を用いるため計量に正確さを欠くことになる。特表平7−506524号公報に開示の方法では、ポンプ室の他に容量が既知の参照チャンバーを設け、ポンプ室と参照チャンバーを連通して圧力を平衡させ、圧力変動から送液量を誘導している。ところが、この方法ではポンプ室の他に参照チャンバーが必要であるため装置が大型化すること、温度による補正が必要であるがポンプ室および参照チャンバー内の温度分布が一定であるとは限らないため誤差を生じやすいこと、圧力が平衡するのに時間を要するため、送液のための時間の他に送液量を計量するための時間を要し効率が悪こと等、の諸問題がある。
また、この方法では軟質膜の伸縮を利用していることから、チャンバーの容量を増やそうとするとカセットが大型になってしまうため容量に限界があった。このためチャンバーの加圧、減圧の切り換え時に必要なバルブの開閉回数が多くなり、騒音が発生するという問題があった。
【0004】
一方、シリンジを利用すれば精度のよい計量が可能であるが、シリンジをそのまま用いると、複数回往復運動を行う間に内部に細菌が進入する可能性があり、大量送液には不向きであった。この欠点を補う方法として、細菌の進入部分をベローズで覆う方法が提案されている(特開平10−57473号公報)。このものは、シリンジの外にベローズを使用しているためコスト高になり、製造工程も複雑になる問題がある。また、往復運動を繰り返すため、シリンジ内部から微粒子が発生する虞れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情に鑑み、本発明は、セッティングが簡便でチューブの破損等が生じにくく、在宅利用が可能な安全性の高い医療用ポンピングカセットおよび医療用ポンピング装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、カセットを大型化することなくチャンバー容量を増やせ、かつバルブの開閉による騒音を減らすことができる医療用ポンピングカセットおよび医療用ポンピング装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、コストが低く流量精度がよく、細菌等の進入を防止できる安全性の高い医療用ポンピングカセットおよび医療用ポンピング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の医療用ポンピングカセットは、ベース部材と、該ベース部材には、第1チャンバーおよび第2チャンバーと、前記第1チャンバーに連通している第1薬液通路および前記第2チャンバーに連通している第2薬液通路と、前記第1薬液通路から分岐している複数本の第1薬液通路用枝通路および前記第2薬液通路から分岐している複数本の第2薬液通路用枝通路と、互いに同一本数である前記第1薬液通路用枝通路および前記第2薬液通路用枝通路の本数と同数の接続ポートが形成されており、前記2個のチャンバーに取付けられる2個の薬液サックを備え、前記チャンバーは、前記ベース部材の外表面に開口しており、前記薬液サックは、有底筒状であって、伸縮性または可撓性を有する液袋部を備えており、その開口端が前記チャンバーの開口部に液密に取付けられており、前記第1薬液通路用枝通路の全ておよび第2薬液通路用枝通路の全てのそれぞれに開閉バルブが介装されており、前記全ての第1薬液通路用枝通路と前記全ての第2薬液通路用枝通路が互いに1本づつ接続されており、このように前記第1薬液通路用枝通路と前記第2薬液通路用枝通路が1本づつ接続されたものが、それぞれ個別の前記接続ポートに接続されていることを特徴とする。
請求項2の医療用ポンピング装置は、請求項1記載の医療用ポンピングカセットと、前記医療用ポンピングカセットにおける薬液サックに薬液を吸引吐出させる外部駆動機構とからなり、前記外部駆動機構は、前記薬液サックを膨張収縮させるシリンダユニットと、該シリンダユニットのピストンロッドを往復させる往復駆動部とからなることを特徴とする。
請求項3の医療用ポンピング装置は、請求項2記載の発明において、前記シリンダユニットは、前記薬液サックの液袋部を収容するシリンダと、該シリンダ内で、摺動自在であり、シリンダ底端と薬液サックの頂面との間に挿入されたピストンと、該ピストンに連結され、シリンダ底端から外部に突出したピストンロッドとからなることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明の作用効果はつぎのとおりである。
a)薬液は薬液サック内に注入され外気と接触しないので、雑菌や細菌の混入を防止でき衛生的である。
b)チューブ等の取付けの手間がなくチューブを用いていないのでその破損といった事故が生じず、取扱いが容易で、信頼性も高く、在宅利用が可能である。
c)2個の薬液サックを交互に膨張収縮させることにより、連続的に薬液を吸引・吐出することができ、薬液の安定した供給が可能となる。
d)第1薬液通路用枝通路と第2薬液通路用枝通路のそれぞれに介装した開閉バルブを制御することによって、第1チャンバーや第2チャンバーの薬液を混合しないで複数個の接続ポートのうち任意の接続ポートに送ったり、第1チャンバーの薬液と第2チャンバーの薬液を混合して複数個の接続ポートのうち任意の接続ポートに送る操作が容易に行える。
請求項2の発明によれば、外部駆動機構によりシリンダユニットのピストンロッドを押し引きしシリンダ内の薬液サック膨張収縮させて薬液を吸引吐出できるので、自動運転が可能となる。
請求項3の発明によれば、ピストンロッドでピストンを引くとシリンダ内が負圧になるので、液袋部が膨張し、ピストンを押すとシリンダ内の液袋部が収縮する。この液袋部の膨張収縮により薬液を吸引吐出することができる。そして、シリンダ内の液袋部に吸引した薬液の量はピストンのストローク位置に比例するので、薬液量の計量精度が高く、チャンバー容量を大きく変えることで、薬液の扱い量を増やすことも容易に行え、開閉バルブの開閉回数が減って騒音も減らせる。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るポンピングカセットを示すブロック図、図2はポンピングカセットの縦断面図、図3はポンピングカセットの平面図、図4はポンピングカセットの底面図、図5は図3のV線矢視断面図、図6は図3のVI線矢視断面図、図7は本発明の一実施形態に係るポンピング装置の要部断面図、図8は本発明のポンピング装置を適用した腹膜透析装置のブロック図である。
【0009】
本発明において、ポンピングカセットは、ポンピング装置の要部を構成しているので、まず、ポンピングカセットの構成を説明する。
図1〜4において、1はベース部材で、その内部には、外表面に開口する2個の第1、第2チャンバー7a、7bが形成されており、各チャンバー7a、7bには、それぞれ2系統の第1、第2薬液路8a、8bが連通している。9a、9bは2個の第1、第2薬液サックであり、この第1、第2薬液サック9a、9bは、有底筒状の液袋部を有する形状であり、伸縮性または可撓性を有する材料で作製されている。
【0010】
この第1、第2薬液サック9a、9bはそれ自体が伸縮性または可撓性を有する材料、例えば、軟質塩化ビニール樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴムなどで作成される。また、これら以外の材料でも軟質であれば、ベローズのような折り目を付けることで伸縮性を付与できる。さらに薬液サック9a、9bは、チャンバー7a、7b全体に軟質膜を溶着後、真空成形により作製してもよい。
この薬液サック9a、9bの開口端部はチャンバー7a、7bの開口端に液密に取付けられている。取付けの方法は、チャンバー7a、7bに対する熱溶着、高周波溶着、超音波溶着等の接着でもよく、嵌合、挟持等の物理的な取付け方法でもよく、さらに、インサート成形等の手段であってもよい。要するに、液密に取付けられればよいのである。
【0011】
つぎに、ベース部材1に内蔵した開閉バルブV1〜V10 を説明する。図3〜図5に示すように、ベース部材1には、2個のチャンバー7a、7bにそれぞれ通ずる2系統の第1、第2薬液路8a、8bが設けられていることは既述のとおりである。そして、図1に示すように、この第1薬液路8aには、5本の枝通路11、13、15、17、19が接続され、もう一方の第2薬液路8bにも5本の枝通路12、14、16、18、20が接続されている。図4〜図6には、これらの枝通路の一部が示されている。そして、各枝通路11〜20にはそれぞれ開閉バルブV1〜V10 が取付けられている。
これらの開閉バルブV1〜V10 は、いずれも図6に示すように、筒状凹所31に設置されたそれより小径の筒体32を有し、その筒体32の下端で前記枝通路11〜20のいずれかと連通している。前記筒状凹所31の上端には軟質膜33が取付けられており、この軟質膜33を専用の押圧部材で押圧すると筒体32の上端に接してバルブを閉じ、押圧を解除すれば軟質膜33の弾性により復元しバルブは開けられるように構成されている。
【0012】
これらの開閉バルブV1〜V10 と前記枝通路11〜20の回路構成は、既述のごとく図1に示すとおりであり、前記枝通路11〜20のそれぞれに開閉バルブV1〜V10 をそれぞれ介装している。また、その下流で、枝通路11と枝通路12が合流し、枝通路13と枝通路14が合流し、枝通路15と枝通路16が合流し、枝通路17と枝通路18が合流し、枝通路19と枝通路20が合流している。
そして、枝通路11と枝通路12の合流点の下流に接続ポート41が設けられ、枝通路13と枝通路14の合流点の下流に接続ポート42が設けられ、枝通路15と枝通路16の合流点の下流に接続ポート43が設けられ、枝通路17と枝通路18の合流点の下流に接続ポート44が設けられ、枝通路19と枝通路20の合流点の下流に接続ポート45が設けられている。
【0013】
ポンピングカセットとしては、以上のように構成されており、全ての部材がベース部材1に設けられているのである。よって、使用者が、いちいちチューブ等を取付けたり取り外す手間がいらないので、便利であり、しかもチューブ等が捻れたり折れたりする問題が生じない。なお、ベース部材1の材料としては、硬質材料であるアクリル樹脂、ポリカーボネイト、硬質塩化ビニール樹脂、ポリプロピレン等が好適に利用される。
【0014】
本発明のポンピング装置は、上記のポンピングカセットを図7に示すように送液チューブと外部駆動機構に連結したものである。
このとき、ベース部材1が第1、第2薬液サック9a、9bを膨張収縮させる第1、第2シリンダユニット2A、2Bに連結される。この第1、第2シリンダユニット2A、2Bにはピストンを往復させる往復駆動部が連結される。
また図8に示すように、前記各接続ポート41〜45に、それぞれ軟質の送液チューブ46〜50を接続すれば、送液チューブ46〜50の先端には、1または2以上のコネクター51〜58が接続されているので、これらのコネクター51〜58を介して、適宜の医療機器、例えば、腹膜透析液容器、加温用容器、腹腔カテーテル、排液用容器と接続できるようになっている。
【0015】
つぎに、図7に基づき第1、第2シリンダユニット2A、2Bを説明する。
第1、第2シリンダユニット2A、2Bは、それぞれ、シリンダ3a、3bと、ピストン4a、4bと、ピストンロッド5a、5bを備えている。前記シリンダ3a、3bはベース部材1の上面にOリング6を介在させて液密性を付与して取付けられる。ピストン4a、4bはシリンダ3a、3b内で摺動自在である。このピストン4a、4bに連結されたピストンロッド5a、5bはシリンダ3a、3bの底端から外部に突出している。
そして第1、第2薬液サック9a、9bの液袋部はシリンダ3a、3bのシリンダチューブ内に挿入される。
なお、シリンダ3a、3bには、適宜のパイプを介してリリーフバルブV11 、V12 が取付けられるようになっている。このリリーフバルブV11 、V12 は、シリンダ3a、3bと薬液サック9a、9bの間の空間に通じている。
【0016】
上記の構造であるから、ピストンロッド5a、5bを押し引きし、ピストン4a、4bをシリンダ3a、3bで往復させると、薬液サック9a、9b内に薬液を吸引し吐出することができる。つまり、ピストン4aを引くと薬液サック9aがシリンダ3a内で伸長し膨らんで、薬液が吸引される。
また、ピストン4bを押し込むと薬液サック9bが押し縮められて内部の薬液が吐出されるのである。したがって、交互にピストン4a、4bを押し引きすると、2個の薬液サック9a、9bに交互に薬液が注入・排出されるので、薬液を連続供給することができる。
【0017】
図8において、21A 、21B は往復駆動部で、この往復駆動部21A 、21B は直線運動が可能であれば何れのものでもよく、例えばモーターの回転運動を機構を用いて直線運動に変換する方式のものや、リニアステッピングモーター等が利用できる。
モーターとして、例えばサーボモーターを用い、ボールネジを利用して直線運動に変換する場合、モーターの電圧すなわちトルクを制限することで回路内に加える圧力を制限することができる。これにより、回路内の圧力が設定値以上になれば自動的にモーターが停止するため、安全性も高い。さらに、モーターの回転が停止したことをエンコーダで検出し異常圧力の警報を出すことも可能である。
送液量の計量をするには、モーターに取付けられたエンコーダにより回転数を検出し、回転数をボールネジのリードから算出することができる。チャンバー容量以下の容量を計量する必要がない場合には、移動する両端にリミットスイッチを設け、ピストンの移動回数により計量することも可能である。
モーターの電圧を制御しておけば回路内に異常圧が加わる可能性は少ないが、二重の確認を行う場合や、回路内圧を継続的に監視したい場合には、ピストンロッドにひずみゲージ23a 、23b を設け、ひずみ量からピストンロッドに加わる応力を求め、そこから回路内圧を誘導することもできる。
【0018】
本発明のカセットの具体的な使用例を、図8を用いて説明すると、前記各コネクター51〜55には、透析液容器61〜65が接続され、コネクター56には、加温用容器66が接続され、コネクター57には腹腔カテーテル67が接続され、コネクター58には排液容器68が接続される。70は加温用容器66を載せる加温手段で、71は温度センサである。
22は制御装置で、往復駆動部21A 、21B 、リリーフバルブV11 、V12 、開閉バルブV1〜V10 、加温手段70に制御信号を出力し、歪ゲージ23a 、23b 、温度センサ71から検出信号を取り込む。
【0019】
つぎに、上記腹膜透析装置の使用方法を説明する。
始めリリーフバルブV11 、V12 を解放し、カセット内バルブV1〜V10 を全て閉じておきシリンダ内のピストン4a、4bを押圧することでシリンダ3a、3bと薬液サック9a、9bの間の空気を追い出す。空気を追い出すことで、空気の圧縮膨張による計量誤差を最小限にとどめることができる。
【0020】
(1)プライミング操作
開閉バルブV1、V10 を開放し、その余のカセット内の開閉バルブを閉止し、ピストン4aが吸引側、ピストン4bが排出側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4aが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV1、V10 を閉じてバルブV2、V9を開放し、ピストン4aが排出側、ピストン4bが吸引側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4bが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV2、V9を閉鎖し、再び前記の工程に戻り、この工程の繰り返しにより腹膜透析液容器61〜64から薬液サック9a、9bおよび排液容器68へ至るラインをプライミングすることができる。
同様に開閉バルブV3、V10 と開閉バルブV4、V9を交互に開閉し、これに同期してピストンを動作させることで同様に腹膜透析液容器65から薬液サック9a、9bおよび排液容器68へ至るラインをプライミングすることができる。また、開閉バルブV5、V10 と開閉バルブV6、V9を交互に開閉し、これに同期してピストン4a 、4b を動作させれば加温用容器66から薬液サック9a、9bおよび排液容器68へ至るラインをプライミングできる。さらに開閉バルブV1、V8と開閉バルブV2、V7を交互に開閉し、これに同期してピストン4a、4bを動作させることで腹膜透析液容器61〜64から腹腔カテーテル67至るラインをプライミングすることができる。
【0021】
(2)注液操作
加温用容器66内で加温された腹膜透析液を患者の腹腔へ送液する場合には、開閉バルブV5、V8開放し、その余の全ての開閉バルブを閉鎖し、ピストン4aが吸引側に、ピストン4bが排出側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4aが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV5、V8を閉鎖、開閉バルブV6、V7を開放し、ピストン4aが排出側に、ピストン4bが吸引側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4bが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV6、V7を閉鎖し、再び前記の工程に戻り、この工程の繰り返しにより注液することができる。
【0022】
(3)加温パックへの送液操作
透析液61〜64を加温用容器66に送液する場合には、開閉バルブV1、V6を開放、その余の全ての開閉バルブを閉鎖し、ピストン4aを吸引側に、ピストン4bが排出側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4aが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV1、V6を閉鎖し、開閉バルブV2、V5を開放し、ピストン4aが排出側に、ピストン4bが吸引側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4bが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV2、V5を閉鎖し、再び前記の工程に戻り、この工程の繰り返しにより送液することができる。
【0023】
(4)排液操作
患者の腹腔内から排液用容器68へ排液する場合には、開閉バルブV7、V10 を開放、その余の全ての開閉バルブを閉鎖し、ピストン4aが吸引側に、ピストン4bが排出側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4aが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV7、V10 を閉鎖し、開閉バルブV8、V9を開放し、ピストン4aが排出側に、ピストン4bが吸引側になるように往復駆動部21A 、21B を動作させる。ピストン4bが端部に移動したのを確認した後、開閉バルブV8、V9を閉鎖し、再び前記の工程に戻り、この工程の繰り返しにより排液することができる。
【0024】
本実施形態のポンピングカセットおよびポンピング装置では、薬液の吸引量はピストン4a、4bの移動量をエンコーダやボールネジのリードで正確に検知できるので正確に制御でき、薬液は薬液サック9a、9bで外界と遮断されているので細菌や雑菌が入らず衛生的であり、チューブを捻って取付ける余地がないので安全であって在宅利用が可能である。チャンバー容量以下の容量を計量する必要がない場合には、ピストン4a、4bの移動する両端にリミットスイッチ(図示せず)を設け、ピストン4a、4bの往復回数により計量することも可能である。
また、2台のシリンダユニット2A、2Bを交互に駆動することにより、薬液を連続的に吸引供給することができ、開閉バルブV1〜V10 の開閉操作を組合せると、薬液の混合等も容易に行える。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1薬液通路用枝通路と第2薬液通路用枝通路のそれぞれに介装した開閉バルブを制御することによって、第1チャンバーや第2チャンバーの薬液を混合しないで複数個の接続ポートのうち任意の接続ポートに送ったり、第1チャンバーの薬液と第2チャンバーの薬液を混合して複数個の接続ポートのうち任意の接続ポートに送る操作が容易に行える。
請求項2の発明によれば、外部駆動機構によりシリンダユニットのピストンロッドを押し引きしシリンダ内の薬液サック膨張収縮させて薬液を吸引吐出できるので、自動運転が可能となる。
請求項3の発明によれば、ピストンロッドでピストンを引くとシリンダ内が負圧になるので、液袋部が膨張し、ピストンを押すとシリンダ内の液袋部が収縮する。この液袋部の膨張収縮により薬液を吸引吐出することができる。そして、シリンダ内の液袋部に吸引した薬液の量はピストンのストローク位置に比例するので、薬液量の計量精度が高く、チャンバー容量を大きく変えることで、薬液の扱い量を増やすことも容易に行え、開閉バルブの開閉回数が減って騒音も減らせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るポンピングカセットを示すブロック図である。
【図2】ポンピングカセットの縦断面図である。
【図3】ポンピングカセットの平面図である。
【図4】ポンピングカセットの底面図である。
【図5】図3のV線矢視断面図である。
【図6】図3のVI線矢視断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るポンピング装置の要部断面図である。
【図8】本発明のポンピング装置を適用した腹膜透析装置のブロック図である。
【符号の説明】
V1〜V10 カセット内バルブ
V11、V12 リリーフバルブ
1 ベース部材
2A、2B シリンダユニット
3a、3b シリンダ
4a、4b ピストン
5a、5b ピストンロッド
9a、9b 薬液サック
11〜20 枝通路
Claims (3)
- ベース部材と、
該ベース部材には、第1チャンバーおよび第2チャンバーと、前記第1チャンバーに連通している第1薬液通路および前記第2チャンバーに連通している第2薬液通路と、前記第1薬液通路から分岐している複数本の第1薬液通路用枝通路および前記第2薬液通路から分岐している複数本の第2薬液通路用枝通路と、互いに同一本数である前記第1薬液通路用枝通路および前記第2薬液通路用枝通路の本数と同数の接続ポートが形成されており、
前記2個のチャンバーに取付けられる2個の薬液サックを備え、
前記チャンバーは、前記ベース部材の外表面に開口しており、
前記薬液サックは、有底筒状であって、伸縮性または可撓性を有する液袋部を備えており、その開口端が前記チャンバーの開口部に液密に取付けられており、
前記第1薬液通路用枝通路の全ておよび第2薬液通路用枝通路の全てのそれぞれに開閉バルブが介装されており、
前記全ての第1薬液通路用枝通路と前記全ての第2薬液通路用枝通路が互いに1本づつ接続されており、このように前記第1薬液通路用枝通路と前記第2薬液通路用枝通路が1本づつ接続されたものが、それぞれ個別の前記接続ポートに接続されている
ことを特徴とする医療用ポンピングカセット。 - 請求項1記載の医療用ポンピングカセットと、前記医療用ポンピングカセットにおける薬液サックに薬液を吸引吐出させる外部駆動機構とからなり、
前記外部駆動機構は、前記薬液サックを膨張収縮させるシリンダユニットと、該シリンダユニットのピストンロッドを往復させる往復駆動部とからなる
ことを特徴とする医療用ポンピング装置。 - 前記シリンダユニットは、前記薬液サックの液袋部を収容するシリンダと、該シリンダ内で、摺動自在であり、シリンダ底端と薬液サックの頂面との間に挿入されたピストンと、
該ピストンに連結され、シリンダ底端から外部に突出したピストンロッドとからなる
ことを特徴とする請求項2記載の医療用ポンピング装置。
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