JP3993796B2 - 揮発性有機化合物浄化装置及び揮発性有機化合物浄化システム - Google Patents

揮発性有機化合物浄化装置及び揮発性有機化合物浄化システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒中に溶解している揮発性有機化合物(以下、「VOC[Volatile Organic Compounds]」という)を浄化するための装置及び複数の前記装置を使用したVOCの浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水等の溶媒中(以下、水溶液について説明する)に溶解しているVOCを浄化するための代表的な浄化方法としては、以下の3種類の方法が存在していた。
第1の方法は、VOC水溶液に生石灰を混合して、その発熱によりVOCを揮発させて除去する方法である。
また、第2の方法は、曝気手段を用い、VOC水溶液と空気を混合することによりVOCを揮発させて除去する方法である。
さらに、第3の方法は、VOC水溶液に天日の太陽熱を照射し、自然乾燥させることによりVOCを揮発させて除去する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記第1の方法では、VOCは除去可能であるが、浄化処理後の水溶液が強アルカリ性となり、排液の処理が煩雑となるという問題を有していた。
また、前記第2の方法では、浄化効率が非常に悪いという問題点を有しており、特に、粘性の高い水溶液について、その現象が顕著であった。この場合において、浄化効率を向上させるためには、空気とVOC水溶液との接触面積及び接触時間を充分に確保する装置を用いなければならず、装置が大規模かつ高価にならざるを得ないという問題点を有していた。
さらに、前記第3の方法においても、浄化効率が非常に悪く、加えて、日照や湿度等の天候により浄化効率が左右され、計画に合った浄化処理ができないという問題点を有していた。
【0004】
本発明は、前記各問題点を解決するためになされたものであり、浄化効率が良好であり、簡易な構造とすることが可能なVOC浄化装置及びVOC浄化システム(以下、各々「浄化装置」及び「浄化システム」という)を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の浄化装置は、密閉空間である浄化部と、VOCの含有液(以下、「VOC含有液」という)の供給源と連通しており、前記VOC含有液圧縮空気流によって吸引混合して、前記浄化部内に噴霧するためのVOC噴霧手段と、前記浄化部と接続管により連通しているVOC除去手段とを備え、前記VOC噴霧手段の先端部を前記浄化部内に上向きに突出させており、前記VOC噴霧手段から前記浄化部内に向けて噴霧された前記VOCの含有液と前記圧縮空気の混合物を衝突させるための衝突部材及び前記混合物を透過させる網状部材のうちの少なくとも一方が、前記浄化部内に設けられていることを特徴としている。
【0006】
ここで、密閉空間とは、完全な気密性を要求するものではなく、除去されたVOCが外部に排出されることを防止できる構造であればよい。
また、VOC除去手段は、活性炭等の吸着物質を用いて、VOCを吸着して除去する手段を使用することが好適である。
【0007】
本発明の浄化装置は、VOC含有液と圧縮空気を吸引混合して、浄化部内に噴霧するためのVOC噴霧手段を備えており、当該VOC噴霧手段の先端部から浄化部内に向けてVOC含有液と圧縮空気の混合物(以下、「空気混合液」という)をジェット混合して噴霧可能となっている。そのため、噴霧された空気混合液中のVOCを、空気と接触させて浄化部内で気化(揮発)させることができるため、空気混合液中からVOCを短時間で効率的除去することが可能となる。
また、浄化部と連通しているVOC除去手段を備えていることから、有害なVOCが浄化部の外部に流出することを効果的に防止することができる。
また、VOC噴霧手段の先端部を浄化部内に上向きに突出させていることから、噴霧された空気混合液の浄化部内における滞留時間を長く維持させることができる。従って、空気混合液を空気と接触させる時間を長時間確保することができるため、浄化効率を向上させることができる。
さらに、浄化部内に、衝突部材及び空気混合液を透過させる網状部材のうちの少なくとも一方が設けられていることから、噴霧された空気混合液を前記各部材に衝突あるいは透過させることにより、当該空気混合液の粒子が拡散する際に微小粒子にすることができる。従って、より効率的に、空気混合液中のVOCを、空気と接触させて浄化部内で気化させることが可能となる。
【0008】
また、前記浄化装置において、前記浄化部と前記VOC除去手段との間に介装されている消音手段を備えているものであってもよい。
【0009】
本発明の浄化装置によれば、消音手段を備えていることから、圧縮空気供給手段を使用して圧縮空気を発生させた場合であっても、騒音の低減を図ることができる。
【0010】
また、前記浄化装置において、前記浄化部と前記接続管との接合部の近傍において、前記浄化部側に導風部材が設けられているものであってもよい。
【0011】
ここで、導風部材は、接合部の近傍に、邪魔板を交互に対向して設けること等により、ダクト形状に形成すると好適である。
【0012】
浄化部からVOC除去手段へと送られる空気混合液から除去された後におけるVOCを含有した空気は、液体分を多く含有している。
本発明の浄化装置によれば、浄化部からVOC除去手段へと送られる前記VOCを含有した空気を導風部材に衝突させることにより、液体分の一部を除去することができる。
【0013】
さらに、前記浄化装置において、前記浄化部と前記VOC除去手段(好ましくは消音手段)との間に介装されている液体分除去手段(気液分離手段)と、前記浄化部から前記VOC除去手段への空気流を形成するための空気流形成手段とを備えているものであってもよい。
ここで、液体分除去手段は、液体分だけでなく微細な土粒子等を除去可能となるように構成されていることが好適である。
【0014】
本発明の浄化装置によれば、液体分除去手段により、浄化部からVOC除去手段に送られる液体分を含有している空気から、当該液体分を除去することができるため、VOC除去手段におけるVOCの除去効率を向上させることが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の浄化システムは、直列に接続された2基以上の前記VOC浄化装置を用い、最上流に設置されたVOC浄化装置におけるVOC噴霧手段は、前記VOCの含有液の供給源と連通しており、それ以外のVOC浄化装置は、各々、上流側に隣接するVOC浄化装置における浄化部内に噴霧された前記VOCの含有液を、後流側におけるVOC浄化装置のVOC噴霧手段により、対応するVOC浄化装置における浄化部内に向けて噴霧することが可能となるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
ここで、前記浄化システムにおいて、VOC除去手段、消音手段及び空気流形成手段の内の少なくとも一つの手段を、浄化装置の数より少ない数とし、幾つかの浄化装置で共用してもよい。
【0017】
本発明の浄化システムによれば、直列に接続された2基以上の前記浄化装置を用い、各々、上流側に隣接するVOC浄化装置における浄化部内に噴射されたVOC含有液を、後流側における浄化装置のVOC噴霧手段により、対応する各浄化装置の浄化部内に噴霧することができることから、処理対象のVOC含有液を、各浄化装置において複数回に亘り連続的に処理することが可能となる。従って、濃縮された高濃度のVOC含有液の浄化を効率的に行うことが可能となる。
【0018】
さらに、前記浄化システムにおいて、前記2基以上のVOC浄化装置を上流側から順に複数のグループに区分した場合において、前記各グループにおける前記各VOC浄化装置の前記VOC噴霧手段から噴霧される空気混合液の粒子の大きさを比較したとき、それぞれ隣接する流側の前記各グループの前記空気混合液の粒子が、流側の前記各グループの前記空気混合液の粒子よりも微細な粒子となるように構成されているものであってもよい。
【0019】
一般的に、VOC含有液を噴霧して空気と接触させることで気化させて除去する場合には、当該VOC含有液の濃度が高濃度であるほど除去率が大きくなり、低濃度になるに伴い浄化効率が低下する。
本発明の浄化システムによれば、各グループにおけるVOC浄化装置のVOC噴霧手段から噴霧される空気混合液の粒子の大きさを比較したとき、それぞれ隣接する上流側の前記各グループの空気混合液の粒子が、下流側の前記各グループの空気混合液の粒子よりも微細な粒子となるように構成されている。そのため、浄化が進行するにつれて低濃度となるVOC含有液であっても、微細な粒子とすることで、より効率的に、空気混合液中のVOCを、空気と接触させて浄化部内で気化させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、VOCを含む泥水(以下、「VOC含有泥水」という)を浄化する場合を例として、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明の浄化装置10は1基でも使用可能であるが、後記するように複数基を使用して、浄化システムSとして使用するとより効果が高いため、以下の説明では、浄化装置10及び浄化システムSのそれぞれについて、その説明を行う。
また、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。さらに、説明中での左右方向とは、各図に示されている向きに対応したものである。
【0021】
[浄化装置]
(1)構成
図1及び図2に示すように、本発明の浄化装置10は、密閉空間である浄化部を形成するための略直方体であるハウジング11を備えており、当該ハウジング11の内部が浄化部となっている。
そして、このハウジング11の左壁面部における中間高さからやや低い位置には、エゼクタ4に接続されている複数本の噴射ノズル12が上向きに突設されている。エゼクタ4は、給気管13を介して圧縮機3に接続されているとともに、給液管14を介して泥水槽5(VOCの含有液の供給源)と連通している。このように、圧縮機3,エゼクタ4及び噴霧ノズル12からVOC噴霧手段の主要部が構成されている。
【0022】
なお、泥水槽5には、浄化対象であるVOC含有泥水が貯溜されている。
また、場合によっては、泥水槽5からエゼクタ4にVOC含有泥水を送液するために、ポンプを補助的に用いてもよい。
さらに、噴射ノズル12の数及び形状は、処理すべきVOC含有泥水の量及び濃度により適切に定められるものであり、図1及び図2に示す実施形態では、各エゼクタ4に接続されている2本の噴霧ノズル12が、幅方向に並設されている。
【0023】
また、前記ハウジング11の天井部から右内壁面の下部に向けて斜め右下がりとなるように、金網部を有する網板16a(網状部材)と、邪魔板16b(衝突部材)が所定間隔で平行に設けられている。
そして、前記ハウジング11の左側上部の隅角部において、天井部から斜め左下がりとなるように第1導風板17a(導風部材)が、また、左内壁面から斜め右上がりとなるように第2導風板17b(導風部材)が、所定間隔で平行に取り付けられている。この第1導風板17aの下端部と第2導風板17bの上端部の高さ位置は略一致するように設けられており、ハウジング11の内部の空気は両導風板17a,17bの間を通って後記接続管に導入されるようなダクト構造になっている。
【0024】
前記ハウジング11の下部には、排液槽8に接続されている排液管18が取り付けられており、当該排液管18の中途部にはポンプ9が介設されている。これにより、ハウジング11の内部でVOCが除去された泥水を当該排液槽8に送液可能となっている。
【0025】
また、浄化部である前記ハウジング11の左側面部には、当該ハウジング11の内部が大気圧以下の圧力となることを防止するための吸気口11aが設けられ、圧力が自動バランスするようになっている。この吸気口11aには、万一、浄化部から浄化後におけるVOC及び液体分を含有した空気(以下、「VOC含有湿潤空気」という)が排出された場合においても、外部にVOCが漏出することがないように、活性炭フィルタ19が設けられており、そのような場合には、当該活性炭フィルタ19により、VOCが除去されるようになっている。
そして、この吸気口11aは、外気をハウジング11の内部に吸引するときにのみ開く、バタフライ弁(図示せず)が設けられている。なお、このバタフライ弁の替わりに、外気をハウジング11の内部に吸引するときにのみ開放される他の構造を用いることもできる。
【0026】
さらに、前記ハウジング11の左壁面の上隅部には接続管26,27,28を介して、その上流側から下流側に向かって順に、送風機21(空気流形成手段)、サイクロン式ミストセパレータ22(液体分除去手段)、消音装置30(消音手段)及び活性炭塔23(VOC除去手段)が設けられている。
【0027】
前記送風機21は、VOC含有湿潤空気をハウジング11の内部から吸引して、活性炭塔23に向かう空気流を形成するために設けられている。
そのため、この送風機21は、サイクロン式ミストセパレータ22と消音装置30の間や、消音装置30と活性炭塔23の間等、送風効率が良好となるように任意の場所に設けることができる。
【0028】
前記サイクロン式ミストセパレータ22は、縮径部を下向きにして配置されている截頭円錐台形状であり、上端部に水平に接続されている接続配管26からVOC含有湿潤空気を導入し、当該VOC含有湿潤空気の流入速度を利用して旋回運動を与え、その遠心力により液体分及び微細土粒子を除去できるようになっている。このサイクロン式ミストセパレータ22により液体分が分離された空気(以下、「VOC含有乾燥空気」という)は、消音装置30に送られた後に、活性炭塔23に導入されるようになっているとともに、分離された液体分は、先端部に集められた後に、ハウジング11の左壁部に接続されている返送管29により、当該ハウジング11の内部に戻されるようになっている。
【0029】
図3に示すように、前記消音装置30は、円筒状である外筒31の内部が仕切部材34により上下の2室に画設されており(上室30aに比べて下室30bの容積が大きく形成されている(図1参照))、当該上下室30a,30bにはそれぞれ上下の回動部材32,33により4つの空間に区画されている。各回動部材32,33は、吸音材が表面に貼付されている2枚の長方形板を十字形状(平面視)となるように組み合わせており、中央部32a,33aが軸部材35により回動自在に軸支されているとともに、上下左右の各辺にシール材32b,33bが設けられている。
【0030】
また、仕切部材34は、円板から扇形部分が切除された形状をなしており、当該切除された開口部34a(左側に形成されている)のみから、上室30aから下室30bへ空気を導風することができるようになっている。
さらに、前記消音装置30の上面31a及び下面31bには、それぞれ、右端部(図3参照)に接続管27,28が接続されているとともに、下面31bには排水孔31cが形成されている。
ここで、前記開口部34aの位置と、上面31a及び下面31bにおける接続管27,28の接続部は、平面視で重ならない位置に設ける必要がある。その理由は、上室30aと下室30bとを接続部とを直接的に連通させて空気を排出することで、圧縮機3等の運転音(以下、「騒音」という)が外部に漏出しないようにする必要があるからである。
なお、前記消音装置30は、サイクロン式ミストセパレータ22によっても除去が難しい液体分を含む可能性があるために縦型構造の装置を採用したが、その他の構造の装置を用いるものであってもよい。
【0031】
前記活性炭塔23(VOC除去手段)は、内部に活性炭が充填されており、ハウジング11の内部で気化したVOCを導入して、当該活性炭によって吸着除去することができるようになっている。
【0032】
(2)浄化方法
前記浄化装置10を使用した浄化方法について説明を行う。
圧縮機3とエゼクタ4を作動させ、当該エゼクタ4においてVOC含有泥水と圧縮空気を混合して(以下、「空気混合泥水」という)、噴霧ノズル12からハウジング11の内部にジェット噴射させる。すると、噴射された空気混合泥水は、網板16aを通過して、さらに細かい霧状になるとともに、邪魔板16bと衝突して飛散し、空気混合泥水中のVOCが気化することにより、VOC含有泥水中からVOCが除去される。
そして、ハウジング11の内部に噴霧された空気混合泥水は、当該ハウジング11の底部に貯溜され、ポンプ9により排液槽8に排出されることになる。
【0033】
また、ハウジング11の内部におけるVOC含有湿潤空気は、送風機21を作動させることにより接続管26から排出される。このVOC含有湿潤空気は、ダクト構造に形成されている第1導風板17aと第2導風板17bとの間を通過して接続管27に導かれることになるが、多量の液体分を含んでいるため、当該第1導風板17aと第2導風板17bに衝突することにより、液体分の一部が除去されて、ハウジングの11底部に貯溜することになる。
【0034】
そして、ハウジング11から排出されたVOC含有湿潤空気は、サイクロン式ミストセパレータ22に導入され、液体分及び微細土粒子が除去された後のVOC含有乾燥空気が消音装置30に導入される。
このVOC含有乾燥空気は、まず、上部回動部材32により仕切られた上室30aの空間部に一旦密封され、その後、当該上部回動部材32の回動に伴って開口部34aに導かれて下室30bに到達する。そして、下部回動部材33により仕切られた下室30bの空間部に一旦密封され、その後、当該下部回動部材33の回動に伴って、接続管28から排出されることになり、上下室30a,30bに至る間に、その流れが遮断されながら間欠的に導風される。この過程により、VOC含有乾燥空気を媒介して伝播される騒音は、その流れが遮断されるとともに、吸音材によって騒音が吸音されて減衰する。従って、騒音が浄化装置10の外部に漏れることを防ぐことができる。
その後、消音装置30から排出されたVOC含有乾燥空気は、活性炭塔23に導入され、VOCが吸着除去されることになる。
【0035】
このように前記浄化装置10によれば、噴射ノズル12からハウジング11の内部に向けて空気混合泥水をジェット混合して噴射することができることから、VOC含有泥水を送気された圧縮空気と混合させて、非常に大きい空気との接触面積を確保することが可能となるため、短時間で効率的にVOCを気化させて除去することができる。従って、この浄化装置10を用いることにより、従来、除去が難しかった粘性の高い液体に含有されているVOCの除去を非常に効率的に行うことができるようになる。
また、エゼクタ4を使用してVOC含有泥水と圧縮空気とを混合して噴射させることにより、微細な霧状とすることができることから、効率的にVOCを気化させることができる。
【0036】
さらに、前記浄化装置10は、ハウジング11と連通している活性炭塔23を備えていることから、有害なVOCがハウジング11の外部に流出することを効果的に防止することができる。
また、サイクロン式ミストセパレータ22を備えているため、ハウジング11から活性炭塔23に送られるVOC含有湿潤空気から液体分及び微細土粒子を除去することができ、当該活性炭塔23において、VOCの除去効率を向上させることができる。
【0037】
[浄化システム]
(1)構成
図4に示すように、本発明の浄化システムSは、直列に接続された複数基(本実施形態では3基)の前記浄化装置10を用いている。
なお、以下の説明において、各浄化装置を区別する必要がある場合には、各浄化装置及びその構成要素に番号及び3桁の符号を付し、その符号中、下2桁は、前記浄化装置10の説明に用いた符号と同一の符号を付し、上1桁は、各浄化装置の番号を付すものとする。
【0038】
前記浄化システムSにおいて、最上流に設置された第1浄化装置110における第1エゼクタ104は、給液管14を介して泥水槽5に連通しているとともに、圧縮機103と接続されており、当該泥水槽5に貯溜されているVOC含有泥水と圧縮空気を第1エゼクタ104内で混合して、第1噴射ノズル112からジェット噴射することができるようになっている。
【0039】
また、第1ハウジング111は、第1浄化装置110の下流側に設置されている第2浄化装置210における第2エゼクタ204と第1排液管118を介して接続されており、当該第2エゼクタ204及び第1排液管118は、第2浄化装置210のVOC噴霧手段の一部を構成している。
また、第2ハウジング211は、第2浄化装置210の下流側に設置されている第3浄化装置310における第3エゼクタ304と第2排液管218を介して接続されており、当該第3エゼクタ304及び第2排液管218は、第3浄化装置310のVOC噴霧手段の一部を構成している。
【0040】
そして、第2浄化装置210及び第3浄化装置310は、それぞれ、上流側に隣接する浄化装置110,210におけるハウジング111,211の内部に噴射されたVOC含有泥水を、後流側における浄化装置210,310のVOC噴霧手段を用いて、各々のハウジング211,311の内部に噴射することが可能となっている。
また、最下流に設けられている第3浄化装置310は、第3排液管318を介して排液槽8と接続されており、最終処理された泥水をポンプ9により送液可能となっている。
【0041】
前記第1浄化装置110〜第3浄化装置310は、上流側から順に、高濃度浄化対応(VOC濃度50ppm程度にまで減少させる装置)、中濃度浄化対応(VOC濃度50ppm程度〜30ppm程度にまで減少させる装置)、低濃度浄化対応(VOC濃度30ppm以下にまで減少させる装置)の3種類のグループに区分されている。各浄化装置110〜310は、第1浄化装置110から第3浄化装置310の順に、圧縮機103〜303から供給される圧縮空気量及び噴射ノズル数(本実施形態では、順に2つ、3つ、4つ)を増加させるとともに、空気混合液が微細な霧状となるように工夫された噴射ノズル形状を採用すること等を調節することにより、各噴霧ノズル112〜312から噴霧されるVOC含有泥水の粒子を、順次、微小粒子にすることができるように構成されている。
【0042】
なお、前記のように、各浄化装置110〜310を3種類のグループに分けた理由は、以下の通りである。
図5に示されているように、例えば、高濃度(約100ppm)のVOC濃度であるVOC含有液につき浄化装置を1回のみ使用して浄化した場合には、約50ppmにまでVOC濃度が低下する。
一方、中濃度(約50ppm)のVOC濃度であるVOC含有液につき、前記場合と同一条件で浄化装置を1回のみ使用して浄化した場合には、約35ppmにまでしかVOC濃度が低下せず、さらにもう1回浄化を行った場合でも、約30ppmにしかVOC濃度は減少しない。
さらに、低濃度(約30ppm)のVOC濃度であるVOC含有液につき、約10ppmのVOC濃度にまで浄化するためには、前記場合と同一条件で浄化装置を4回使用して浄化しなければならない。
【0043】
このように、VOC含有液が高濃度のVOC濃度であるほどVOCの除去効率が大きく、低濃度のVOC濃度になるに従って浄化効率が低下してしまう。そのため、同一条件下であれば、浄化回数を増加させなければVOC濃度を低下させることはできない。従って、前記浄化システムSでは、低濃度のVOC濃度であるVOC含有液を浄化させるための浄化装置について、空気混合液の粒子を、可能な限り微小粒子になるようにし、霧状物質の空気との接触面積を大きく確保させて気化しやすくすることで、浄化効率を向上させている。
【0044】
なお、前記第1浄化装置110から第3浄化装置310のそれ以外の構成は、前記で説明した浄化装置10と同一である。また、各浄化装置110〜310には、それぞれの処理能力等に応じた規格の圧縮機103〜303、送風機121〜321、サイクロン式ミストセパレータ122〜322、消音装置130〜330及び活性炭塔123〜323が設けられている。
さらに、浄化システムSを構成する浄化装置の数及びグループの数は処理を行う含有泥水の量や濃度等に応じて適切に定めることができ、また、各グループにおける浄化装置の構造や寸法等を異なるようにしてもよい。
【0045】
(2)浄化方法
前記浄化システムSを用いた浄化方法について説明する。
各圧縮機103〜303と各エゼクタ104〜404を作動させ、第1浄化装置110における第1ハウジング111の内部に第1噴霧ノズル112からVOC含有泥水と圧縮空気の混合物をジェット噴射させる。すると、噴射されたVOC含有泥水と圧縮空気が高速で接触して混合されるため、泥水中からVOCが揮発して除去されることになる。
【0046】
第1ハウジング111の内部に噴射され、VOCの一部が除去された泥水(以下、「一次噴射処理泥水」という)は、当該第1ハウジング111の底部に貯溜される。
この一次噴射処理泥水は、第2エゼクタ204により第1ハウジング111から排出され、第2圧縮機203から送風された圧縮空気と混合されて、第2浄化装置210における第2ハウジング211の内部に噴射され、前記第1浄化装置111の場合と同様の原理により、さらに、VOCの一部が除去される。以下、第3浄化装置310においても、前記と同様にVOCが除去される。従って、この浄化システムSでは、VOC含有泥水は計3回の処理が行われた後に、ポンプ9の動作で排液槽8に排液されることになる。
【0047】
このように、前記浄化システムSは、各々、上流側に隣接する浄化装置110,210におけるハウジング111,211の内部に噴射されたVOC含有泥水を、後流側における浄化装置211,311のVOC噴霧手段により、各々のハウジング211,311の内部に噴射することが可能となるように構成されている。そのため、各浄化装置110〜310において連続的にVOCの除去を行うことができるため、噴射された泥水中にVOCが残留していた場合であっても、そのVOCを確実に除去することができる。従って、濃縮された高濃度のVOC含有泥水であっても、非常に簡易かつ安価に浄化を行うことができる。
【0048】
また、上流側から下流側に至る前記各グループにおける各浄化装置110〜310の噴射ノズル112〜312から噴霧される空気混合泥水の粒子が、順次、微小粒子になるように構成されており、下流側のグループにおける浄化装置210,310において霧状物質の空気との接触面積を大きく確保することができるため、VOCの含有濃度が低濃度になった場合でも浄化効率を向上させることができる。
【0049】
さらに、各浄化装置110〜310を同一の構造としてユニット化し、エゼクタ104〜304及び噴霧ノズル112〜312の数を増減させる構造とすれば、一つの浄化装置を大型化させることなく、各現場の状況に応じて、簡易かつ安価に浄化システムを構築できる。
【0050】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。特に、本発明は、一般的なVOCに有効であり、芳香族(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)、ケトン・アルデヒド(メチルエチルケトン、アセトアルデヒド等)、有機ハロゲン化合物(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン(パークレン)等)、硫黄化合物(メルカプタン等)、アミン・アミド化合物(ジエチルアミン等)などの各種物質に適用可能である。
なお、前記消音手段、空気流形成手段等は、一例を示したにすぎず、その他の構造の装置を用いるものであってもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、浄化効率が良好であり、簡易な構造とすることが可能であり、さらには、安価である浄化装置及び浄化システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の揮発性有機化合物浄化装置を示す側断面図である。
【図2】本発明の揮発性有機化合物浄化装置を示す平面図である。
【図3】消音装置を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の揮発性有機化合物浄化システムを示す概念図である。
【図5】揮発性有機化合物含有液を同一の揮発性有機化合物浄化装置で浄化する場合において、当該揮発性有機化合物含有液中の揮発性有機化合物濃度の違いと浄化回数についての関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
S 浄化システム(揮発性有機化合物浄化システム)
3 圧縮機
4 エゼクタ
5 泥水槽(VOCの含有液の供給源)
8 排液槽
10 浄化装置(揮発性有機化合物浄化装置)
11 ハウジング(浄化部)
12 エゼクタ
16a 網板(網状部材)
16b 邪魔板(衝突部材)
17a 第1導風板(導風部材)
17b 第2導風板(導風部材)
21 送風機(空気流形成手段)
22 サイクロン式ミストセパレータ(液体分除去手段)
23 活性炭塔(VOC除去手段)
30 消音装置(消音手段)

Claims (6)

  1. 密閉空間である浄化部と、
    揮発性有機化合物の含有液の供給源と連通しており、前記揮発性有機化合物の含有液圧縮空気流によって吸引混合して、前記浄化部内に噴霧するための揮発性有機化合物噴霧手段と、
    前記浄化部と接続管により連通している揮発性有機化合物除去手段とを備え、
    前記揮発性有機化合物噴霧手段の先端部を前記浄化部内に上向きに突出させており、
    前記揮発性有機化合物噴霧手段から前記浄化部内に向けて噴霧された前記揮発性有機化合物の含有液と前記圧縮空気の混合物を衝突させるための衝突部材及び前記混合物を透過させる網状部材のうちの少なくとも一方が、前記浄化部内に設けられていることを特徴とする揮発性有機化合物浄化装置。
  2. 前記浄化部と前記揮発性有機化合物除去手段との間に介装されている消音手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物浄化装置。
  3. 前記浄化部と前記接続管との接合部の近傍において、前記浄化部側に導風部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の揮発性有機化合物浄化装置。
  4. 前記浄化部と前記消音手段との間に介装されている液体分除去手段と、
    前記浄化部から前記揮発性有機化合物除去手段への空気流を形成するための空気流形成手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物浄化装置。
  5. 直列に接続された2基以上の請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物浄化装置を用い、
    最上流に設置された揮発性有機化合物浄化装置における揮発性有機化合物噴霧手段は、前記揮発性有機化合物の含有液の供給源と連通しており、
    それ以外の揮発性有機化合物浄化装置は、
    各々、上流側に隣接する揮発性有機化合物浄化装置における浄化部内に噴霧された前記揮発性有機化合物の含有液を、
    後流側における揮発性有機化合物浄化装置の揮発性有機化合物噴霧手段により、対応する揮発性有機化合物浄化装置における浄化部内に向けて噴霧することが可能となるように構成されていることを特徴とする揮発性有機化合物浄化システム。
  6. 前記2基以上の揮発性有機化合物浄化装置を上流側から順に複数のグループに区分した場合において、
    前記各グループにおける前記各揮発性有機化合物浄化装置の前記揮発性有機化合物噴霧手段から噴霧される前記揮発性有機化合物の含有液と前記圧縮空気の混合物の粒子の大きさを比較したとき、
    それぞれ隣接する流側の前記各グループにおける前記混合物の粒子が、流側の前記各グループにおける前記混合物の粒子よりも微細な粒子となるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の揮発性有機化合物浄化システム。
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