JP3991666B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置においては、インク液が収容されたインクタンクと、このインクタンクからインクの供給を受けてノズル部からインクを吐出させる記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッドは、アクチュエータの変位により圧力室のノズル部からインクを吐出させるように構成されている。
【0003】
ここで、インクの荷重により記録ヘッドのノズル部が加圧され、ノズル先端よりインク漏れが起こることを防止するために、ノズル部には負圧が印加されるようになっている。
【0004】
そして、この負圧の印加手段としては、記録ヘッドとインクタンクとの水頭差を利用するもの、例えば特開平6−226993号公報のようにバネ等の弾性体を用いるもの、スポンジ等でインクを吸引するものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した技術によれば、インクの残量が少ないと負圧が大きくなってしまい、インクの残量により負圧が異なることになる。したがって、広い負圧範囲でインクを効率よく使用しようとすると、負圧の変化が大きくなって印字特性(液滴量、吐出速度)が変動し、画質低下が発生する。一方、インク残量の影響を受けない範囲内の負圧で使用しようとすると、使用可能なインク量が少なくなってしまう。
【0006】
また、前述した技術によれば、環境温度の変化に対応して負圧を変えようとした場合、自在に負圧をコントロールするのは非常に困難である。
【0007】
なお、インクジェット記録装置の構成要素に所定の圧力を印加する技術としては、例えば特許第1615548号や特許第2565742号がある。
【0008】
特許第1615548号は、ケース内に加圧空気を供給して袋状体を収縮させ、このときの袋状体の容積減少で排出される空気によりインクをノズルから流出させてインクの吐出不良を回復する技術である。ここでは、最低でも10kPa程度の圧力をケース内に印加することが必要となるので、ポンプには高い能力が必要となるのみならず、ケースにも大きな剛性が必要になる。そして、ノズル部に負圧を印加してインク漏れを防止することについての配慮はない。
【0009】
また、特許第2565742号は、メインタンクからサブタンクにインクを導入しつつノズルの目詰まりを解消するために、ノズルからサブタンク内を負圧吸引する技術である。この技術でも、ノズル部に負圧を印加してインク漏れを防止することについての配慮はない。
【0010】
そこで、本発明は、インク残量によらずノズル部に常に一定の負圧印加を行うことのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、ノズル部と連通され、インクが貯留されたインク袋と、インク袋を密封する密封手段を有し、密封手段とインク袋との間の空間を負圧にしてインク袋の表面に負圧を印加するようにしたものであって、密封手段の容積を変化させる容積可変手段が設けられ、当該容積可変手段により密封手段の容積を増大させて密封手段とインク袋との間の空間を負圧にするインクジェット記録装置である。
これによれば、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になる。また、負圧にするための吸引が不要になり、瞬時にインク袋表面に負圧を印加することが可能になるという作用を有する。
【0012】
本発明の他のインクジェット記録装置は、インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、前記ノズル部と連通され、前記インクが貯留されたインク袋と、前記インク袋を密封する密封手段を有し、前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧にして前記インク袋の表面に負圧を印加する負圧制御を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの近傍には、前記インク袋から前記ノズル部に至る前記インクが保持されるサブタンクが搭載されており、シリアル式インクジェット記録装置であり、キャリッジの停止時に負圧制御を行い、キャリッジの移動中は負圧制御が行われないことを特徴とするインクジェット記録装置である。
これによれば、キャリッジ停止時には負圧制御が行われ、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になる。また、サブタンクを備えることにより、シリアル式インクジェット記録装置におけるキャリッジ移動等に伴う振動に起因する吐出変動を抑制することが可能になるという作用を有する。また、キャリッジ移動中はインクチューブが伸縮して負圧変動が生じて負圧の制御が困難になるため、キャリッジ移動中の負圧制御を停止することができるという作用を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、ノズル部と連通され、インクが貯留されたインク袋と、インク袋を密封する密封手段を有し、密封手段とインク袋との間の空間を負圧にしてインク袋の表面に負圧を印加するようにしたものであって、密封手段の容積を変化させる容積可変手段が設けられ、当該容積可変手段により密封手段の容積を増大させて密封手段とインク袋との間の空間を負圧にするインクジェット記録装置であり、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になるという作用を有する。また、負圧にするための吸引が不要になり、瞬時にインク袋表面に負圧を印加することが可能になるという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、インク袋および密封手段は記録ヘッド近傍に配置されているインクジェット記録装置であり、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になるという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、インク袋はインクカートリッジに格納されて密封手段に密封されているインクジェット記録装置であり、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になるという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、インクカートリッジが密封手段を兼ねているインクジェット記録装置であり、インクカートリッジごと交換すればよいので、信頼性の向上が図れるという作用を有する。
【0017】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1、3または4記載の発明において、記録ヘッドの近傍には、インク袋からノズル部に至るインクが保持されるサブタンクが搭載されているインクジェット記録装置であり、サブタンクを備えることにより、シリアル式インクジェット記録装置におけるキャリッジ移動等に伴う振動に起因する吐出変動を抑制することが可能になるという作用を有する。
本発明の請求項6に記載の発明は、インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、前記ノズル部と連通され、前記インクが貯留されたインク袋と、前記インク袋を密封する密封手段を有し、前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧にして前記インク袋の表面に負圧を印加する負圧制御を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの近傍には、前記インク袋から前記ノズル部に至る前記インクが保持されるサブタンクが搭載されており、シリアル式インクジェット記録装置であり、キャリッジの停止時に負圧制御を行い、キャリッジの移動中は負圧制御が行われないことを特徴とするインクジェット記録装置である。
これによれば、キャリッジ停止時には負圧制御が行われ、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になる。また、サブタンクを備えることにより、シリアル式インクジェット記録装置におけるキャリッジ移動等に伴う振動に起因する吐出変動を抑制することが可能になるという作用を有する。また、キャリッジ移動中はインクチューブが伸縮して負圧変動が生じて負圧の制御が困難になるため、キャリッジ移動中の負圧制御を停止することができるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項6記載の発明において、密封手段とインク袋との間の空間を負圧吸引する吸引手段を備えたインクジェット記録装置であり、密封手段とインク袋との間の空間を簡単に負圧とすることができるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項記載の発明において、吸引手段は、ノズル部の目詰まり除去を行うパージポンプが兼用されているインクジェット記録装置であり、吸引手段をパージポンプと兼用することにより、新たなポンプが不要になってコストアップを防止することができるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか一項に記載の発明において、密封手段とインク袋との間の空間には、ノズル部の圧力が−100〜−2000Paになる負圧が印加されるインクジェット記録装置であり、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1〜の何れか一項に記載の発明において、密封手段とイ
ンク袋との間の空間の圧力を測定する負圧検知手段が設けられているインクジェット記録装置であり、
圧力が具体的に把握できるので、最適な負圧を印加することが可能になるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、負圧検知手段は記録ヘッドの近
傍に設置されているインクジェット記録装置であり、インク吐出が行われる箇所に近い位置の負圧が検
知されるので、インク袋と記録ヘッドとの水頭差を考慮して負圧を印加する必要がなくなるという作用
を有する。
【0026】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項10または11記載の発明において、負圧検知手段は、密封手段とインク袋との間の空間の圧力に応じて変位する変位部と、変位部の変位量を測定する測定部とからなるインクジェット記録装置であり、高価な圧力測定器具を取り付けることなく、密封手段とインク袋との間の空間の圧力を簡単に測定することが可能になるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項12記載の発明において、変位部は、板バネ構造体または蛇腹構造体に取り付けられているインクジェット記録装置であり、特に蛇腹構造体では微少な圧力変動でも大きく変位するので、より正確な圧力測定を行うことが可能になるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項13の何れか一項に記載の発明において、密封手段とインク袋との間の空間圧力が所定値以上の負圧になった場合に負圧低減を行う負圧制御弁が備えられているインクジェット記録装置であり、負圧がオーバーした場合における減圧を簡単に行うことが可能になるという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項14の何れか一項に記載の発明において、パージポンプにはロータリーポンプが用いられているインクジェット記録装置であり、簡単な構造のポンプで減圧を行うことが可能になるという作用を有する。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0035】
図1は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置の全体概略構成を示す斜視図、図2は図1のインクジェット記録装置における要部の概略を示す説明図、図3は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置における構造の一例を示す説明図、図4は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置における他の構造の一例を示す説明図、図5は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた吸引手段であるロータリーポンプを示す説明図、図6は図1のインクジェット記録装置における要部を詳細に示す説明図、図7は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた変位部の一例を示す説明図、図8は本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた変位部の他の一例を示す説明図である。
【0036】
図1に示すインクジェット記録装置40は、圧電素子の変位を利用して記録を行う記録ヘッド41を備え、この記録ヘッド41のノズル部から吐出したインク滴を紙等の記録媒体42に着弾させて、記録媒体42に記録を行うものである。記録ヘッド41は、主走査方向Xに配置したキャリッジ軸43に設けられたキャリッジ44に搭載されていて、キャリッジ44がキャリッジ軸43に沿って往復動するのに応じて、主走査方向Xに往復動する。さらに、インクジェット記録装置40は、記録媒体42を記録ヘッド41の幅方向(すなわち、主走査方向X)と略垂直方向の副走査方向Yに移動させる複数個のローラ(移動手段)45を備える。
【0037】
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置は、このようにキャリッジ44が移動するシリアル式であるが、本発明は、ライン式のインクジェット記録装置にも適用することができる。
【0038】
ここで、図2に示すように、記録ヘッド41の近傍(本実施の形態のシリアル式の場合には、キャリッジ44上)には、図示しないノズル部と連通され、インクが貯留されたインク袋51と、このインク袋51を密封する密封手段52とが配置されている。
【0039】
なお、ライン式のインクジェット記録装置においては、インク袋51および密封手段52は、図2に示す様に、記録ヘッド41の近傍、つまりキャリッジ44上ではなく、本体側に配置されていてもよい。
【0040】
また、このようなインクジェット記録装置には、密封手段52とインク袋51との間の空間を負圧吸引して、ノズル部の圧力をたとえば−100〜−2000Pa程度にする吸引手段53を備えている。そして、密封手段52とインク袋51との間の空間を簡単に負圧にできるようにしている。また、吸引の時間を制御することにより、負圧を制御することが可能である。
【0041】
但し、吸引手段53を用いることなく、密封手段52とインク袋51との間の空間を負圧の密封空間としてもよい。
【0042】
あるいは、図3に示すように、密封手段の一部をゴム膜からなる弾性体59で形成しておいてこの弾性体59に固定板60を取り付け、この固定板60を容積可変手段61で外方に変位させるようにしてもよい。このような構造によれば、図3(a)に示す状態から、図3(b)に示すように、容積可変手段61により密封手段52の容積を増大させて密封手段52とインク袋51との間の空間が負圧となる。そして、負圧にするための吸引が不要になるので、瞬時にインク袋51の表面に負圧を印加することができる。
【0043】
このようなインクジェット記録装置では、密封手段52とインク袋51との間の空間を負圧にしてインク袋51の表面に負圧を印加しているので、インク袋51には膨らむ方向の力が安定的に働くようになり、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になる。これにより、ノズル部のインクを所望の凹陥没した状態で保持することができてインク漏れが防止される。
【0044】
なお、シリアル式インクジェット記録装置においては、キャリッジ44の停止時に負圧制御を行い、キャリッジ44の移動中は負圧制御を行わないのがよい。これは、キャリッジ44の移動中はインクチューブが伸縮して負圧変動が生じて負圧の制御が困難になるためである。
【0045】
ここで、インク袋51を直接密封手段52で密封するのではなく、図4に示すように、インク袋51はインクカートリッジ54に格納して密封手段52に密封するようにしてもよい。
【0046】
また、密封手段52がインクカートリッジ54を兼ねるようにしてもよい。装置に密封手段52を備えた場合には、インク袋51を交換する必要があり、そのときに、密封手段52の開閉が必ず必要となる。そして、一度密封状態を解いた後、再度密封状態にするためには、例えばパッキン等を使用した場合、その部分のゴミが問題になったり、また、パッキン自身の寿命等の問題が発生して信頼性に課題が生じる。それに対し、インクカートリッジ54を密封手段52と一体にした場合、インクカートリッジ54ごと交換すればよいので、信頼性の向上が図れる。
【0047】
さらに、シリアル式インクジェット記録装置において、記録ヘッド41の近傍には、インク袋51からノズル部に至るインクを保持するサブタンク71(図8)を搭載し、インク袋51および密封手段52は本体側に設置するようにしてもよい。このようなサブタンク71を備えることにより、シリアル式インクジェット記録装置におけるキャリッジ移動等に伴う振動に起因する吐出変動を抑制することができる。
【0048】
ここで、本実施の形態においては、吸引手段53には、ノズル部の目詰まり除去を行うためのパージポンプが兼用されており、吸引用の新たなポンプを不要としてコストアップを防止している。
【0049】
なお、パージポンプとしては、簡単な構造のポンプで減圧を行えるロータリーポンプを用いることができる。
【0050】
ここで、ロータリーポンプは、図5に示すように、ローター67と、ローター67に沿って湾曲形成されたガイド68と、ローター67とガイド68との間に挿通されたチューブ69とからなり、ローター67の回転によりチューブ69内の流体(ここでは、インク)が搬送される構造のものである。
【0051】
図6に詳しく示すように、吸引手段53であるパージポンプと密封手段52との間には、パージポンプがノズル部の目詰まり除去を行うときには外部の空気を吸引する位置となる吸引弁55が取り付けられている。これにより、吸引手段53をパージポンプと兼用した場合において、パージポンプがノズル部の目詰まり除去で駆動されているときにも密封手段52とインク袋51との間の空間が負圧吸引されるという不都合が防止されている。
【0052】
ここで、本実施の形態では、相互に吸引抵抗の異なる複数(ここでは2つ)の吸引弁55が並列に取り付けられており、吸引弁55を使い分けることにより負圧の微調整が行えるようにしている。これにより、回路に負担をかけて吸引手段の吸引力を変更する必要がなくなる。
【0053】
また、パージポンプ53と吸引弁55との間には、パージポンプ53がノズル部の目詰まり除去を行うときには大気開放位置となる大気開放弁56が取り付けられている。これにより、吸引手段53をパージポンプと兼用した場合において、パージポンプがノズル部の目詰まり除去で駆動されているときに大気開放されることでパージポンプの負荷低減が図れるとともに、密封手段52とインク袋51との間の空間の負圧吸引を開始したときに予定外の負圧が印加されることが防止される。
【0054】
さらに、本実施の形態のインクジェット記録装置には、密封手段52とインク袋51との間の空間の圧力を測定する負圧検知手段57が設けられており、圧力を具体的に把握して、最適な負圧を印加するようにしている。
【0055】
ここで、負圧検知手段57は、密封手段52とインク袋51との間の空間の圧力が反映される空気室62と、空気室62に取り付けられ、密封手段52とインク袋51との間の空間の圧力に応じて変位する変位部63と、変位部63の変位量を測定する測定部64とからなる。変位部63は、その長さ方向に次第に濃度が変化するような色づけがされており、測定部64により変位部63の所定位置の濃度を測定することによって圧力が検出されるようになっている。そして、このような負圧検知手段57により、高価な圧力測定器具を取り付けることなく、密封手段52とインク袋51との間の空間の圧力を簡単に測定することが可能になる。
【0056】
なお、図6において、変位部63は板バネ構造体65上に取り付けられているが、図7に示すように、蛇腹構造体66に取り付けてもよい。蛇腹構造体66は微少な圧力変動でも大きく変位するので、より正確な圧力測定を行うことが可能になる。
【0057】
ここで、図8に示すように、記録ヘッドの近傍にサブタンク71が設けられている場合には、負圧検知手段57はサブタンク71に設置することが望ましい。このようにすれば、インク吐出が行われる箇所に近い位置の負圧が検知されるので、インク袋51と記録ヘッド41との水頭差を考慮して負圧を印加する必要がなくなるからである。
【0058】
さらに、本実施の形態のインクジェット記録装置には、密封手段52とインク袋51との間の空間圧力が所定値以上の負圧になった場合に負圧低減を行う負圧制御弁58が備えられており、負圧がオーバーした場合における減圧が簡単に行われるようになっている。
【0059】
以上説明した本実施の形態のインクジェット記録装置において、装置に電源が投入されていないときには密封手段52とインク袋51との間の空間は大気開放されるようにしておくのがよい。これにより、環境温度変化によりインク袋51に負圧あるいは正圧が印加されるようになる不都合が未然に防止される。なお、負圧解除は、たとえば吸引弁55、大気開放弁56、負圧制御弁58などを開放することにより行うことができる。また、吸引弁55、大気開放弁56、負圧制御弁58は、通電していない時は開となる電磁弁を用いれば、容易に実現できる。
【0060】
この場合において、インク供給弁70を閉じた後に密封手段52とインク袋51との間の空間を大気開放することができる。これによれば、インクがノズル部より陥没した状態で保持されるので、放置時等におけるインク漏れを防止することが可能になる。この時、インク供給弁70に通電していない時は閉となる電磁弁を用いれば容易に実現できる。
【0061】
このように、以上説明したインクジェット記録装置によれば、安定したインク吐出を行うことができ、高画質の印字を行うことが可能になる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、インク袋には膨らむ方向の力が安定的に働くので、インク残量によらずノズル部には常に一定の負圧印加が可能になるという有効な効果が得られる。
【0063】
これにより、ノズル部のインクを陥没した状態で保持することができてインク漏れを防止することができるという有効な効果が得られる。
【0064】
記録ヘッドの近傍にサブタンクを搭載すれば、シリアルプリンタにおけるキャリッジ移動等に伴う振動に起因する吐出変動を抑制することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0065】
密封手段とインク袋との間の空間を負圧吸引する吸引手段を備えれば、密封手段とインク袋との間の空間を簡単に負圧とすることができるという有効な効果が得られる。
【0066】
吸引手段にパージポンプを兼用すれば、新たなポンプが不要になってコストアップを防止することができるという有効な効果が得られる。
【0069】
密封手段の容積を変化させる容積可変手段を設ければ、負圧にするための吸引が不要になり、瞬時にインク袋表面に負圧を印加することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0070】
密封手段とインク袋との間の空間の圧力を測定する負圧検知手段を設ければ、圧力が具体的に把握できるので、最適な負圧を印加することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0071】
負圧検知手段を記録ヘッドの近傍に設置すれば、インク吐出が行われる箇所に近い位置の負圧が検知されるので、インク袋と記録ヘッドとの水頭差を考慮して負圧を印加する必要がなくなるという有効な効果が得られる。
【0072】
負圧検知手段を、密封手段とインク袋との間の空間の圧力に応じて変位する変位部と、変位部の変位量を測定する測定部とで構成すれば、高価な圧力測定器具を取り付けることなく、密封手段とインク袋との間の空間の圧力を簡単に測定することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0073】
変位部を蛇腹構造体に取り付ければ、微少な圧力変動でも大きく変位するので、より正確な圧力測定を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0074】
密封手段とインク袋との間の空間圧力が所定値以上の負圧になった場合に負圧低減を行う負圧制御弁を備えれば、負圧がオーバーした場合における減圧を簡単に行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0075】
パージポンプにロータリーポンプを用いれば、簡単な構造のポンプで減圧を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0077】
インクジェット記録装置をシリアル式とし、キャリッジの移動中は負圧制御を行わないようにすれば、キャリッジ移動中はインクチューブが伸縮して負圧変動が生じて負圧の制御が困難になるため、キャリッジ移動中の負圧制御を停止することができるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置の全体概略構成を示す斜視図
【図2】図1のインクジェット記録装置における要部の概略を示す説明図
【図3】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置における構造の一例を示す説明図
【図4】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置における他の構造の一例を示す説明図
【図5】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた吸引手段であるロータリーポンプを示す説明図
【図6】図1のインクジェット記録装置における要部を詳細に示す説明図
【図7】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた変位部の一例を示す説明図
【図8】本発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置に用いられた変位部の他の一例を示す説明図
【符号の説明】
41 記録ヘッド
44 キャリッジ
51 インク袋
52 密封手段
53 吸引手段(パージポンプ)
54 インクカートリッジ
55 吸引弁
56 大気開放弁
57 負圧検知手段
58 負圧制御弁
61 容積可変手段
63 変位部
64 測定部
65 板バネ構造体
66 蛇腹構造体
70 インク供給弁
71 サブタンク

Claims (15)

  1. インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、
    前記ノズル部と連通され、前記インクが貯留されたインク袋と、
    前記インク袋を密封する密封手段を有し、
    前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧にして前記インク袋の表面に負圧を印加するインクジェット記録装置であって、
    前記密封手段の容積を変化させる容積可変手段が設けられ、当該容積可変手段により前記密封手段の容積を増大させて前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧にすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インク袋および前記密封手段は記録ヘッド近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インク袋はインクカートリッジに格納されて前記密封手段に密封されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクカートリッジが密封手段を兼ねることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドの近傍には、前記インク袋から前記ノズル部に至る前記インクが保持されるサブタンクが搭載されていることを特徴とする請求項1、3または4記載のインクジェット記録装置。
  6. インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、
    前記ノズル部と連通され、前記インクが貯留されたインク袋と、
    前記インク袋を密封する密封手段を有し、
    前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧にして前記インク袋の表面に負圧を印加する負圧制御を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの近傍には、前記インク袋から前記ノズル部に至る前記インクが保持されるサブタンクが搭載されており、
    シリアル式インクジェット記録装置であり、キャリッジの停止時に負圧制御を行い、キャリッジの移動中は負圧制御が行われないことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記密封手段と前記インク袋との間の空間を負圧吸引する吸引手段の負圧を制御する負圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記吸引手段は、前記ノズル部の目詰まり除去を行うパージポンプが兼用されていることを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記密封手段と前記インク袋との間の空間には、前記ノズル部の圧力が−100〜−2000Paになる負圧が印加されることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記密封手段と前記インク袋との間の空間の圧力を測定する負圧検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 記録ヘッドの近傍には、インク袋からノズル部に至るインクが保持されるサブタンクが搭載されており、前記負圧検知手段は前記サブタンクに設置されていることを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記負圧検知手段は、前記密封手段と前記インク袋との間の空間の圧力に応じて変位する変位部と、前記変位部の変位量を測定する測定部とからなることを特徴とする請求項10または11記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記変位部は、板バネ構造体または蛇腹構造体に取り付けられていることを特徴とする請求項12記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記密封手段と前記インク袋との間の空間圧力が所定値以上の負圧になった場合に負圧低減を行う負圧制御弁が備えられていることを特徴とする請求項7〜13の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記パージポンプにはロータリーポンプが用いられていることを特徴とする請求項8〜14の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
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