JP3990255B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IEEE802.3において提唱されるCSMA/CD(Carrier Sence Multiple Access with Collision Detection)方式を採用するLANに接続される通信装置に係り、特に、リピータチップを用いてNIC(Network Interface Card)部位を構成する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パソコンやプリンタ等の複数のノードがCSMA/CDアクセス方式を用い伝送路を介して通信を行う場合、各ノードの通信装置である通信インタフェース部は、伝送路の通信規格として10BASE−5を使用する場合、LANコントローラと10BASE−5用シリアルアダプタ(10BASE−5用PHYチップ)とを用いて構成されるのが一般的である。
【0003】
図6は伝送路の通信規格として10BASE−5を使用する場合の従来技術による通信インタフェース部の構成を示すブロック図である。図6において、100は通信インタフェース部、350はLANコントローラ、450は10BASE−5用シリアルアダプタである。
【0004】
従来技術による10BASE−5用の通信インタフェース部100は、LANコントローラ350と10BASE−5用シリアルアダプタ(10BASE−5用PHYチップ)450とを用いて構成される。そして、シリアルアダプタ450は、マンチェスタ等の符号へのエンコード(コード化)/デコード(コードの解読)、送信クロックの生成、受信クロックの抽出、トランシーバ・ケーブルのドライブ等の機能を行い、LANコントローラ350は、外部同期によるビット同期の確立(クロックはシリアルアダプタが供給)、パケットの生成/分解、誤り検出及びバス使用権の制御等の機能を行っている。LANコントローラ350と10BASE−5用シリアルアダプタ450との間のインタフェース信号としては、受信データRXD、受信データ用クロックRXC、送信データTXD、送信データ用クロックTXC、衝突検出信号COL、キャリアセンス信号CRSが使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、伝送路の通信規格として10BASE−Tの使用が主流となってきており、10BASE−5をサポートするLANコントローラと10BASE−5用シリアルアダプタ(10BASE−5用PHYチップ)が衰退しているため、前述した従来技術で説明したような通信インタフェースを構成することができなくなってきており、10BASE−5インタフェースをサポートすることができなくなっている。
【0006】
本発明の目的は、10BASE−5をサポートするLANコントローラと10BASE−5用シリアルアダプタとを使用することなく10BASE−5インタフェースをサポートすることを可能としたNIC(Network Interface Card)部位を構成する通信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、CSMA/CD方式のLANに接続するNIC(Network Interface Card)部位を構成する通信装置において、10BASE−Tをサポートするリピータチップと、該リピータチップからの送信ラインに設けられたスイッチと、電源立上げや計画的リセット時に、前記スイッチを制御して送信ラインを遮断し、リセット解除後に、フレーム最大長時間とジャム信号長時間とを加えた時間の経過後、前記スイッチを制御して送信ラインを接続する手段とを備え、前記リピータチップにより10BASE−5による通信をサポートすることにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による通信装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施形態による通信装置の構成を示すブロック図、図2は第1の実施形態による通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。図1において、300はLANコントローラ、400はリピータチップであり、他の符号は図6の場合と同一である。
【0010】
本発明の第1の実施形態による通信装置は、CSMA/CD方式のLANに接続するNIC(Network Interface Card)部位を構成するものであり、パソコンやプリンタ等のノードの通信装置を構成する通信インタフェース部に10BASE−TインタフェースをサポートするLANコントローラを用い、10BASE−5用シリアルアダプタの代わりに10BASE−Tインタフェースを1ポート以上、10BASE−5インタフェース(AUIインタフェース)を1ポート以上有するリピータチップを用い、AUIインタフェースを用いて10BASE−5インタフェースをサポートするものである。
【0011】
図1に示す本発明の第1の実施形態による通信装置としての通信インタフェース部100は、10BASE−TインタフェースをサポートするLANコントローラ300と、図6により説明した10BASE−5用シリアルアダプタ350に代わるものとしてのリピータチップ400とを備えて構成される。リピータチップ400は、周辺装置として独立しているリピータHUB用のリピータHUBチップであり、図1に示す例では、10BASE−Tインタフェースとして、伝送路側に2ポート、LANコントローラ300とのインタフェースに1ポートの3ポートを持ち、10BASE−5インタフェースとして、伝送路側に1ポート有している。
【0012】
前述において、リピータチップ400とLANコントローラ300との間のインタフェースは、送信及び受信用それぞれのツイストペア線により構成され、図には、送信用のTX+、TX−、受信用のRX+、RX−として示している。また、伝送路側の10BASE−Tインタフェースも同様に、送信及び受信用それぞれのツイストペア線により構成されている。さらに、伝送路側で10BASE−5をサポートするインタフェースは、同軸ケーブルにより構成される。そして、リピータチップ400は、10BASE−5のポートに対して、10BASE−Tフレームを10BASE−5フレームに変換して送信し、逆に、10BASE−5のポートからの10BASE−5フレームを10BASE−Tフレームに変換する。
【0013】
前述では、リピータチップ400は、伝送路側の10BASE−Tインタフェースを2ポート、10BASE−5インタフェースを1ポート有するとしたが、これらのポートの数は任意であり、さらに多くあってよい。また、伝送路側の10BASE−Tインタフェース上には、10BASE−Tを使用する多数の端末等が、また、10BASE−5インタフェース上には、10BASE−5を使用する多数の端末等が接続されてよい。
【0014】
前述したように構成される本発明の第1の実施形態による通信装置によれば、10BASE−TをサポートするリピータHUB用のリピータHUBチップを使用して10BASE−5インタフェースをサポートすることができる。
【0015】
次に、図2に示すタイミングチャートを参照して、図1に示す通信インタフェース部100の動作を説明する。ここで説明する動作は、リピータチップの電源をONとして立ち上げる際のリセット解除時、あるいは、エラー処理によりリピータチップをリセットした際のリセット解除時における動作である。
【0016】
いま、図1に示す通信インタフェース部100を使用する上位側の装置、例えば、サーバ等から図2に示すように、リセット信号がリピータチップ400に入力されたとする。そして、リセット信号が入力されているとき、伝送路にフレームが流れているものとする。
【0017】
この場合、リピータチップは、リセット解除時から正常な動作状態となり、伝送路に流れているフレームを認識することになるが、伝送路上のフレームが正常なものであっても、この場合、フレームの途中からの認識となり、不正フレーム、例えば、ショートフレーム等と判定する。
【0018】
一般に、10BASE−TをサポートするリピータやHUBは、IEEE802.3による規格により、コンテンションが発生したり、不正フレームを受信すると、ジャム信号を送出し、他のノードへ異常発生を通知するよう規定されており、リピータチップもこれに準拠している。このため、前述したようなリセット信号解除時に、不正フレームを検出したと認識したリピータチップは、ジャム信号を伝送路に送出する。
【0019】
このため、伝送路に送出されたジャム信号が伝送路に流れている伝送フレームとぶつかり、コリジョンを発生させ、伝送路上のフレームが破壊されてしまうことになる。また、伝送路上にフレームが送出されてから64バイト以降で衝突が起こった場合、レイトコリジョンとなり、フレームを送信している装置がリトライを行わないため、フレーム抜けが発生してしまう。
【0020】
前述したように、本発明の第1の実施形態は、リピータチップがリセットされリセット信号の解除時に伝送路にフレームが流れていなければ、何ら問題を生じさせることなく、10BASE−TをサポートするリピータHUB用のリピータHUBチップを使用して、10BASE−Tをサポートすると共に、10BASE−5をもサポートすることができるが、リセット信号の解除時にフレーム抜けが生じることがある。このため、本発明の第1の実施形態は、パソコンやプリンタ等の通信インタフェース部としては適用可能であるが、制御用コンピュータ等のフレーム抜けが許されない通信装置の通信インタフェース部としては不適切である。
【0021】
図3は本発明の第2の実施形態による通信装置の構成を示すブロック図、図4は図3におけるMOSスイッチ制御部の動作を説明するフローチャート、図5は本発明の第2の実施形態による通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。図3において、500はMOSスイッチ、600はMOSスイッチ制御部であり、他の符号は図1の場合と同一である。ここで説明する本発明の第2の実施形態は、リセット信号の解除時にフレーム抜けが生じることを防止することができるようにしたものである。
【0022】
図3に示す本発明の第2の実施形態は、図1により説明した本発明の第1の実施形態の構成における伝送路側のインタフェースの送信ラインにMOSスイッチ500を設けると共に、リセット信号を受けてMOSスイッチ500を制御するMOSスイッチ制御部600を設けて構成したものであり、それ以外は、第1の実施形態と同一に構成されている。そして、送信ラインに設けられるMOSスイッチ500は、10BASE−Tに対するポート、10BASE−5に対するポートの全てのポートに設けられ、MOSスイッチ制御部600により制御され、リセット信号の解除から一定時間の間送信ラインを断とするように制御され、この間に送出される可能性のあるジャム信号の伝送路への送出を遮断し、本発明の第1の実施形態での問題を解消している。
【0023】
なお、LANコントローラ側にはMOSスイッチを設ける必要はない。この理由は、リピータチップが、その規格上、全てのポートにジャム信号を送出し、ポートの先の伝送路に制御されているネットワーク機器の全てに影響を与えるのに対して、LANコントローラ側の出力部には、LANコントローラ1台が接続されているだけであって、その影響が少ないためである。もちろん、LANコントローラ側の出力ラインRX+、RX−にMOSスイッチを設けてもよい。また、送信ラインに設けるMOSスイッチは、送信ラインの遮断、接続を行うことができるものであれば、MOS以外のどのようなスイッチを用いてもよい。
【0024】
次に、図4に示すフローを参照して、MOSスイッチ制御部の動作を説明する。
【0025】
(1)MOSスイッチ制御部600は、通信インタフェース部に入力されるリセット信号を監視し、リセット信号がONとされると、MOSスイッチ500をOFFにする(ステップ401、402)。
【0026】
(2)リセット信号がOFFされたか否かを監視し、リセット信号がOFFとされると、MOSスイッチOFFタイマーにカウントアップを開始させる(ステップ403、404)。
【0027】
(3)MOSスイッチOFFタイマーのカウンターの値を監視し、その値が、フレーム長最大時間+ジャム信号送出時間を超えない間、MOSスイッチ500をOFF状態に維持し、カウンターの値が、フレーム長最大時間+ジャム信号送出時間を超えたときMOSスイッチ500をONとする(ステップ405、406)。
【0028】
前述したように、MOSスイッチ制御部600は、通信インタフェース部100への電源投入時のリセットや、エラー処理時のリセットによりMOSスイッチ500をOFFとして送信部と伝送路との間を切断する。リセット解除時には、リセット解除後、最大フレーム長時間+ジャム信号送出時間経過後、MOSスイッチ500をONとし、送信部と伝送路とを接続し、伝送路への信号の送信を可能にする。
【0029】
次に、図2に示すタイミングチャートを参照して、前述したようなMOSスイッチ制御を行う通信インタフェース部100の動作を制御する。ここで説明する動作は、図2の場合と同様に、リピータチップの電源をONとして立ち上げる際のリセット解除時、あるいは、エラー処理によりリピータチップをリセットした際のリセット解除時における動作である。
【0030】
いま、図3に示す通信インタフェース部100を使用する装置、例えば、サーバ等から図5に示すように、リセット信号が通信インタフェース部100に入力されたとする。そして、リセット信号が入力されているとき、伝送路にフレームが流れているものとする。
【0031】
この場合、リピータチップは、リセット解除時から正常な動作状態となり、伝送路に流れているフレームを認識することになるが、伝送路上のフレームが正常なものであっても、この場合、フレームの途中からの認識となり、不正フレーム、例えば、ショートフレーム等と判定し、本発明の第1の実施形態の場合と同様に、ジャム信号を送出する。
【0032】
しかし、本発明の第2の実施形態では、リセット信号がONとされてからリセット信号がONとされた後、最大フレーム長時間+ジャム信号送出時間となるまで間、MOSスイッチ制御信号により送信ラインに設けられているMOSスイッチがOFFとされているので、リピータチップのリセット解除時に、伝送路にジャム信号が送出されることを阻止することができ、伝送路上のフレームを破壊することがなくなり、フレーム抜けの発生を回避することができる。
【0033】
前述した本発明の第2の実施形態によれば、10BASE−Tインタフェースを有するLANコントローラと、10BASE−Tインタフェースを1ポート以上、10BASE−5インタフェースを1ポート以上有するリピータチップとを用いて通信インタフェース部を構成し、電源をONとして立ち上げる際のリセット解除時、または、エラー処理によりリピータチップをリセットする際のリセット解除時に、伝送路にジャム信号を誤送出することを阻止し、フレーム抜けの発生を回避することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上制御したように本発明によれば、10BASE−5をサポートするLANコントローラと10BASE−5用シリアルアダプタとを使用することなく10BASE−5インタフェースをサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態による通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3におけるMOSスイッチ制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態による通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】伝送路の通信規格として10BASE−5を使用する場合の従来技術による通信インタフェース部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 通信インタフェース部
300、350 LANコントローラ
400 リピータチップ
450 10BASE−5用シリアルアダプタ
500 MOSスイッチ
600 MOSスイッチ制御部
Claims (1)
- CSMA/CD方式のLANに接続するNIC(Network Interface Card)部位を構成する通信装置において、10BASE−Tをサポートするリピータチップと、該リピータチップからの送信ラインに設けられたスイッチと、電源立上げや計画的リセット時に、前記スイッチを制御して送信ラインを遮断し、リセット解除後に、フレーム最大長時間とジャム信号長時間とを加えた時間の経過後、前記スイッチを制御して送信ラインを接続する手段とを備え、前記リピータチップにより10BASE−5による通信をサポートすることを特徴とする通信装置。
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JP2002306058A JP3990255B2 (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 通信装置 |
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JP2002306058A JP3990255B2 (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 通信装置 |
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JP2002306058A Expired - Fee Related JP3990255B2 (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 通信装置 |
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- 2002-10-21 JP JP2002306058A patent/JP3990255B2/ja not_active Expired - Fee Related
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