JP3989638B2 - ドア吸着保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA機器などの各種機器を収納するケース、キャビネット、家具等のドア(蓋や扉)または工場の生産設備の安全カバーや扉を磁力により閉状態に吸着保持する場合に用いられるドア吸着保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のドア吸着保持装置として、従来一般には、永久磁石の両磁極面にそれぞれ鉄等のヨークを配置して、ドア側に取り付けた鉄片等の可動磁性体片(アーマチュア片)を吸着保持可能に構成したマグネットキャッチが使用されていた。この従来一般のマグネットキャッチは、ドアを閉状態に吸着保持する機能を有しているのみで、ドアが実際に閉鎖状態にあるのか、開放状態にあるのかは確認することができない。
【0003】
そこで、従来のマグネットキャッチにリードスイッチを組み込んで、ドアの開閉に対応して電気接点を開閉成動作させるようにしたドア開閉確認機能を備えたドア吸着保持装置が既に提案されている(例えば実開昭62−113265号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から提案されているドア開閉確認機能を備えたドア吸着保持装置は、ドアの開閉に対応して開閉成動作される電気接点を有するリードスイッチのみがマグネットキャッチに組み込まれている構成である。従って、ドアの開閉状態を実際に確認できるようにするためには、リードスイッチの2本のリード線を延設して管理室などに引き込み、その引き込んだリード線にリードスイッチの開閉成動作に応答して点消灯する発光装置を接続することが必要である。そのため、ドアの開閉状態およびリードスイッチの作動状態を機器使用者等がその場で即座に確認することができない。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、機器使用者などがドアの開閉状態およびリードスイッチの作動状態をその場で即座に確認することができるドア吸着保持装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のドア吸着保持装置は、永久磁石の両磁極面にそれぞれヨークを配置して、ドア側に取り付けられた可動磁性体片を吸着保持可能なマグネットキャッチを構成するとともに、前記ヨークの一方の端縁に形成された突片側に、前記可動磁性体片の吸着保持時と離脱時とにおける磁束密度の変化により開閉成動作されるリードスイッチを配置してなるドア吸着保持装置において、前記リードスイッチの近傍部で、その内部回路には発光装置が設けられ、前記ドアが閉または開で、リードスイッチが開成または閉成状態にあるときにのみ、前記発光装置が点灯するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、ドア側の可動磁性片がマグネットキャッチに吸着保持された時と離脱した時とでリードスイッチに及ぼす磁束密度が変化し、その結果、ドアの開閉に対応してリッドスイッチの接点が開成または閉成される。このリードスイッチの開成状態または閉成状態においてのみ、リードスイッチ近傍部に設けられた発光装置が点灯する。この発光装置の点灯を見ることによって、ドアの開閉状態およびリードスイッチの作動状態をその場で確認することが可能となる。
【0008】
特に、これらリードスイッチ及び発光装置をマグネットキャッチと一体にケース内に収容し、このケースに発光装置の点灯を確認できる覗き窓を設けることによって、リードスイッチのガラス管及び接点を露出させず、ガラス管の破損やスイッチ特性の変化による異常動作の発生を防ぎつつ、発光装置の点灯によるドア開閉状態の確認を支障なく行うことができる。
【0009】
また、前記リードスイッチ及び発光装置を透明ないし半透明の樹脂にモールドし、かつ、リードスイッチの2本のリード線を1本の耐油・耐水コードで被覆させる構成とすることにより、電子部品であるリードスイッチ及び発光装置の絶縁性が高められるとともに、耐油・耐水構造となり、いかなる条件下での使用にも高い信頼性を確保でき、それでいて、発光装置の点灯を明確に確認することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1はドア吸着保持装置の全体斜視図であり、図2はその装置の要部を分解して示す斜視図、図3はその装置の縦断正面図である。
このドア吸着保持装置Mは、厚み方向の両端面にS,Nの磁極が形成された直方体形状の永久磁石1の両磁極面にそれぞれ鉄板等のヨーク2A,2Bを配置して構成されるマグネットキャッチ3を樹脂ケース4内に収容してなる。このマグネットキャッチ3は、ドア5側に取り付けられた鉄片等の可動磁性体片(アーマチュア片)6を前記ヨーク2A,2Bの上側の長手方向端縁に吸着保持するように構成されている。
【0011】
前記ヨーク2A,2Bの下側の長手方向端縁には、方形の突片7A,7Bが一体に形成されている。これら突片7A,7Bは、前記永久磁石1の下面より下方へ突出し、かつ、永久磁石1の下面の対向線方向の両端近傍に位置している。また、前記樹脂ケース4には、取付孔8L,8Rを有する取付部9L,9Rが一体に形成されている。
【0012】
前記マグネットキャッチ3を収容する樹脂ケース4内の底部には、前記一方のヨーク2Aの突片7Aを含む平面と他方のヨーク2Bの突片7Bを含む平面との間に位置するようにリードスイッチ10が配置されている。このリードスイッチ10の近傍部に配置させて、そのスイッチ内部回路に発光装置の一例となる発光ダイオードLEDが接続されている。
【0013】
すなわち、図4に明示するように、前記リードスイッチ10に直列に保護抵抗Rを介して発光ダイオードLEDが接続されているとともに、これら保護抵抗R及び発光ダイオードLEDに対して並列にツェナーダイオードZDが接続されている。このような構成のスイッチ内部回路11の動作について、以下簡単に説明する。
【0014】
リードスイッチ10の接点10aが閉成されると、電流が+側より流れ込み、A点でZD方向とR方向とに分かれる。R方向の電流はRからLEDを通り、B点を通過してリードスイッチ10より−側に流れる一方、ZD方向の電流はB点より−側に流れる。ここで、A点とB点の電位差はZDにより、+,−の電圧が変化しても、ほぼ一定に保たれる。そのため、Rを通ってLEDに流れる電流値も一定となり、LEDの点灯時の明るさは一定に保たれる。また、過電流が+側から流れ込んだ時にも、ZDによってR及びLEDは破壊より保護される。さらに、+,−の配線接続を間違えたとしても、B点からZDを通してA点に電流が流れてLEDは保護される。
【0015】
上記したような構成及び動作を有するリードスイッチ10及び発光ダイオードLEDは、図2に示すように、透明樹脂12にモールドされており、この透明樹脂12を樹脂ケース4内に配置することで、リードスイッチ10及び発光ダイオードLEDが樹脂ケース4内に収容されている。この樹脂ケース4には発光ダイオードLEDの点灯を確認するための覗き孔(覗き窓)15が設けられている。また、前記リードスイッチ10の2本のリード線13a,13bは耐候性を有する1本の耐油・耐水コード14で被覆されている。この耐油・耐水コード14の基端部分は前記透明樹脂12にモールドされている。なお、覗き孔15は透明の樹脂で閉塞して覗き窓としてもよい。
【0016】
上記構成のドア吸着保持装置Mにおいて、図3(a)に示すように、ドア5が開放されて可動磁性体片6がマグネットキャッチ3のヨーク2A,2Bから離脱した状態では、永久磁石1の周囲に形成される磁束の大半がヨーク2A,2Bの突片7A,7B間に漏洩し、突片7A,7B間の磁束密度がリードスイッチ10の感動値以上に大きくなる。したがって、リードスイッチ10の接点10aが閉成(オン)され、このとき、図4の+側から流れ込んだ電流が発光ダイオードLEDを通過するため、この発光ダイオードLEDが一定の明るさで点灯する。これを図1の覗き孔15から見ることにより、ドア5の開放状態をその場で即座に確認することができる。
【0017】
一方、図3(b)に示すように、ドア5が閉鎖されて可動磁性体片6がマグネットキャッチ3のヨーク2A,2Bに吸着保持された状態では、永久磁石1の周囲に形成される磁束の大半が可動磁性体片6側に貫流されて、ヨーク2A,2Bの突片7A,7B間の磁束密度がリードスイッチ10の開放値以下になる。したがって、リードスイッチ10の接点10aが開成(オフ)され、発光ダイオードLEDには電流が流れないため、この発光ダイオードLEDは消灯する。これを覗き孔15から見ることにより、ドア5の閉鎖状態をその場で即座に確認することができる。
【0018】
また、上記した実施の形態では、前記リードスイッチ10及び発光ダイオードLEDがマグネットキャッチ3と共に樹脂ケース4内に収容されているので、リードスイッチ10のガラス管及び接点10aが露出されず、ガラス管の破損やスイッチ特性の変化による異常動作の発生を防止することができる。
【0019】
さらに、リードスイッチ10及び発光ダイオードLEDが透明樹脂12にモールドされ、かつ、リードスイッチ10の2本のリード線13a,13bが耐候性を有する1本の耐油・耐水コード14で被覆されているので、電子部品であるリードスイッチ10及び発光ダイオードLEDの絶縁性を高めるとともに、全体が耐候性を有し、かつ、耐油・耐水構造となり、いかなる条件下での使用時にも高い信頼性を確保することができる。
【0020】
なお、上記実施の形態では、ドア5が開放状態にあるときにのみ、リードスイッチ10が閉成されて発光ダイオードLEDが点灯するように構成したが、これとは逆に、ドア5が閉鎖状態にあるときにのみ、リードスイッチ10が閉成されて発光ダイオードLEDが点灯し、ドア5の開放状態では消灯するように構成してもよい。
【0021】
また、上記実施の形態では、スイッチ内部回路11として図4に示すように、発光ダイオードLEDの点灯時の明るさを一定に保ち、かつ、過電流や配線接続の間違いに対して発光ダイオードLEDの保護機能を発揮するようにツェナーダイオードZDを並列接続した構成のものを用いたが、これ以外にも、図5に示すような簡易な構成のものを用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ドアの開閉に対応して接点が開閉動作されるリードスイッチの近傍部に発光装置を設け、この発光装置をドアが開または閉のときのみ点灯させるので、機器使用者等がドアの開閉状態をその場で即座に確認することができると共に、ドアを開閉することにより、発光装置が点灯するから、リードスイッチの作動状態も確認し得る。また、従来のように、リードスイッチの2本のリード線を延設して管理室などに引き込み、その引き込んだリード線にリードスイッチの開閉成動作に応答して点消灯する発光装置を接続していたものに比べて、配線工事などが不要で装置全体を低コストに、かつ小型に構成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドア吸着保持装置の全体斜視図である。
【図2】同装置の要部を分解して示す斜視図である。
【図3】同装置のドア開放状態および閉鎖状態を示す縦断正面図である。
【図4】同装置におけるスイッチ内部回路の構成図である。
【図5】同装置におけるスイッチ内部回路の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1:永久磁石
2A,2B:ヨーク
3:マグネットキャッチ
4:樹脂ケース
5:ドア
6:可動磁性体片
7A,7B:突片
10:リードスイッチ
12:透明樹脂
13a,13b:リード線
14:耐油・耐水コード
15:覗き孔(覗き窓)
LED:発光ダイオード(発光装置の一例)
M:ドア吸着保持装置
Claims (2)
- 永久磁石の両磁極面にそれぞれヨークを配置して磁性体片を吸着保持可能なマグネットキャッチを構成するとともに、
前記ヨークの一方の端縁に形成された突片側に、前記磁性体片の吸着保持時と離脱時とにおける磁束密度の変化により開閉成動作されるリードスイッチを配置してなるドア吸着保持装置において、
前記リードスイッチの近傍部には該リードスイッチに直列に接続され、前記リードスイッチが開成または閉成状態にあるときにのみ点灯する発光装置としての発光ダイオードが設けられ、
前記マグネットキャッチ、リードスイッチ及び発光装置が単一のケース内に収容されており、このケースには発光装置の点灯を確認できる覗き窓が設けられているドア吸着保持装置。 - 請求項1において、
前記リードスイッチ及び発光装置が透明ないし半透明の樹脂によりモールドされているとともに、リードスイッチの2本のリード線が1本の耐油・耐水コードで被覆されているドア吸着保持装置。
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- 1998-12-04 JP JP34549198A patent/JP3989638B2/ja not_active Expired - Lifetime
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