JP3989346B2 - 反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、半導体デバイス製造等に有用な、成膜等の化学反応に関わる反応機構の解析を短期間で、且つ低コストで実現することのできる、新しい反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、成膜等の化学反応に関わる反応機構の解析においては、たとえば、VIAホールやトレンチ等のテストストラクチャを持つ基板上にCVD(化学気相成長)などで成膜を行って成膜形状の実験値を得る一方で、モンテカルロシミュレーションなどで実験条件値を変化させながら様々な成膜形状のシミュレーション値を得て、それらを目視あるいは何らかの画像処理技術によって比較し、試行錯誤的に成膜実験を行いながら、妥当な反応機構を推測することがしばしば行われている(たとえば、特許文献1,2および非特許文献1,2,3参照)。
【0003】
たとえば図12は、トレンチへの成膜過程における1成膜種の付着確率ηを解析する場合の一従来例を示しており、トレンチの実際の成膜形状をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影する一方、トレンチ形状データおよび実験条件データ等を用いてモンテカルロシミュレーションにより成膜条件パラメータとしての付着確率ηを様々に変化させて複数のシミュレート成膜形状を算出し、そのシミュレート成膜形状と実際の成膜形状のSEM画像とを比較して正しい付着確率ηを試行錯誤的に決定している。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−274152号公報
【特許文献2】
特開平9−246189号公報
【非特許文献1】
小宮山宏著,「CREATIVE CHEMICAL ENGINEERING COURSE 3反応工学反応装置から地球まで」,初版,培風館,1995年6月26日,p.130−131
【非特許文献2】
Y.Shimogaki et al., "A Kinetic Study of WSix-CVD Processes By Monte Carlo Simulation", Conference Proceedings ULSI-VIII, U.S.A., 1993, pp.88-94
【非特許文献3】
K.Fujino et al., "Step-Coverage Simulation for Tetraethoxysilane and Ozone Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition", Journal of the Electrochemical Society, U.S.A, August 1993, Vol.140, No.8, pp.125-128
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、たとえば半導体デバイス製造においては、サブマイクロメータサイズのVIAホールやトレンチ構造を薄膜によって”す”を残さずに埋め込む、つまり均一に成膜することが、断線や絶縁破壊防止、デバイスの長期的な信頼性確保などの観点から必要とされているところ、デバイスの高集積化によりVIAホールやトレンチの高アスペクト比化、つまり幅が狭く穴の方向に深い状態が進むため、均一な成膜はますます難しくなっており、成膜プロセスの反応機構解析からより高アスペクト比に対応した新プロセスを、戦略的に、短期間で、且つ低コストで実現することが切望されている。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑み、従来技術の問題点を解消し、成膜等の化学反応の反応機構解析を短期間で、且つ低コストで実現することのできる、新しい反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、1種または複数種の反応器における化学反応の反応機構を解析するためにコンピュータを、実験により実際にVIAホールもしくはトレンチを有する基板上へ成膜して得られた成膜形状を表す指針値St real を、当該成膜形状を撮影した画像から、当該成膜形状を表す関数に基づいて算出する実験値算出手段、前記実験により得られた成膜形状の前記画像から決定されたVIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、実験条件値を変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、当該各実験条件値に対応する各シミュレート成膜形状を前記VIAホール形状データもしくは前記トレンチ形状データ上に表した画像データを生成する成膜形状シミュレーション手段、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 Stを、前記画像データ毎に、前記成膜形状指針値 St real を算出する際に用いた前記関数と同じ関数に基づいて算出するシミュレーション値算出手段、前記各実験条件値および前記各シミュレート成膜形状の前記成膜形状指針値 Stに基づいて、実験条件と成膜形状指針との関係を表すモデルとして関数モデル、ルックアップテーブルモデル、またはニューラルネットワークモデルを生成するモデル化手段、および遺伝的アルゴリズムによって、前記モデルを用いて算出される成膜形状指針値 St sim が前記成膜形状指針値 St real と一致するするように、最適な反応機構を計算する進化手段、として機能させることを特徴とする反応機構解析プログラムを提供する。
第2には、前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b をトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T s で割り算した値であることを特徴とする反応機構解析プログラム、第3には、前記成膜形状指針値が、ひさし突出部の膜厚T 2 、ひさし下部の膜厚T 3 、トレンチ側部の膜厚T 4 、およびトレンチ底部の膜厚T 5 をそれぞれトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T 1 で割り算した値であることを特徴とする反応機構解析プログラム、第4には、前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b 、すの高さU 1 、および、すを4等分したときの各幅U 2〜4 であることを特徴とする反応機構解析プログラムを提供する。
第5には、前記実験条件値が、成膜種の種類、濃度、付着確率、または平均自由行程の大きさであることを特徴とする反応機構解析プログラム、第6には、前記反応機構が、反応物が中間体を経て生成物にいたる気相および表面における定性的な反応経路、反応物および中間体で構成される成膜種の付着確率、成膜種の表面反応速度定数、または成膜種の気相反応速度定数であることを特徴とする反応機構解析プログラムを提供する。
第7には、前記実験値算出手段は、前記実験により得られた成膜形状を表す指針値 St real としてのステップカバレッジ値 St real を、前記画像から、前記関数に基づいて算出し、前記成膜形状シミュレーション手段は、前記VIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、前記実験条件値としての成膜種の付着確率ηを変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、前記画像データを生成し、前記シミュレーション値算出手段は、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St としてのステップカバレッジ値 St を、前記画像データ毎に、前記関数に基づいて算出し、前記モデル化手段は、前記各付着確率ηおよび前記各ステップカバレッジ値 St に基づいて、前記モデルとして前記付着確率ηとステップカバレッジ値 St との関係を表す多項式関数モデルを生成し、前記進化手段は、前記付着確率ηを染色体データとして設定し、複数の初代染色体を乱数を使って決め、各初代染色体の付着確率ηごとにステップカバレッジ St sim を算出して前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致しない場合は初代染色体を次世代染色体へ進化させて、次世代染色体の付着確率ηで再び前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致すると判断するまでこの進化を繰り返して、一致したときの世代の染色体が示す付着確率ηを前記ステップカバレッジ値 St real を得ることのできる反応機構とすることを特徴とする反応機構解析プログラムを提供する。
第8には、前記反応器が、マクロキャビティ、またはマクロキャビティとマイクロキャビティを組み合わせたものであることを特徴とする反応機構解析プログラムを提供する。
【0008】
また、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第9には、前記反応機構解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0009】
またさらに、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第10には、1種または複数種の反応器における化学反応の反応機構を解析する装置であって、実験により実際にVIAホールもしくはトレンチを有する基板上へ成膜して得られた成膜形状を表す指針値 St real を、当該成膜形状を撮影した画像から、当該成膜形状を表す関数に基づいて算出する実験値算出手段、前記実験により得られた成膜形状の前記画像から決定されたVIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、実験条件値を変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、当該各実験条件値に対応する各シミュレート成膜形状を前記VIAホール形状データもしくは前記トレンチ形状データ上に表した画像データを生成する成膜形状シミュレーション手段、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St を、前記画像データ毎に、前記成膜形状指針値 St real を算出する際に用いた前記関数と同じ関数に基づいて算出するシミュレーション値算出手段、前記各実験条件値および前記各シミュレート成膜形状の前記成膜形状指針値 St に基づいて、実験条件と成膜形状指針との関係を表すモデルとして関数モデル、ルックアップテーブルモデル、またはニューラルネットワークモデルを生成するモデル化手段、および遺伝的アルゴリズムによって、前記モデルを用いて算出される成膜形状指針値 St sim が前記成膜形状指針値 St real と一致するように、最適な反応機構を計算する進化手段、を備えることを特徴とする反応機構解析装置を提供する。
第11には、前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b をトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T s で割り算した値であることを特徴とする反応機構解析装置、第12には、前記成膜形状指針値が、ひさし突出部の膜厚T 2 、ひさし下部の膜厚T 3 、トレンチ側部の膜厚T 4 、およびトレンチ底部の膜厚T 5 をそれぞれトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T 1 で割り算した値であることを特徴とする反応機構解析装置、第13には、前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b 、すの高さU 1 、および、すを4等分したときの各幅U 2〜4 であることを特徴とする反応機構解析装置を提供する。
第14には、前記実験条件値が、成膜種の種類、濃度、付着確率、または平均自由行程の大きさであることを特徴とする反応機構解析装置、第15には、前記反応機構が、反応物が中間体を経て生成物にいたる気相および表面における定性的な反応経路、反応物および中間体で構成される成膜種の付着確率、成膜種の表面反応速度定数、成膜種の気相反応速度定数、または成膜種の濃度であることを特徴とする反応機構解析装置を提供する。
第16には、前記実験値算出手段は、前記実験により得られた成膜形状を表す指針値 St real としてのステップカバレッジ値 St real を、前記画像から、前記関数に基づいて算出し、前記成膜形状シミュレーション手段は、前記VIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、前記実験条件値としての成膜種の付着確率ηを変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、前記画像データを生成し、前記シミュレーション値算出手段は、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St としてのステップカバレッジ値 St を、前記画像データ毎に、前記関数に基づいて算出し、前記モデル化手段は、前記各付着確率ηおよび前記各ステップカバレッジ値 St に基づいて、前記モデルとして前記付着確率ηとステップカバレッジ値 St との関係を表す多項式関数モデルを生成し、前記進化手段は、前記付着確率ηを染色体データとして設定し、複数の初代染色体を乱数を使って決め、各初代染色体の付着確率ηごとにステップカバレッジ St sim を算出して前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致しない場合は初代染色体を次世代染色体へ進化させて、次世代染色体の付着確率ηで再び前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致すると判断するまでこの進化を繰り返して、一致したときの世代の染色体が示す付着確率ηを前記ステップカバレッジ値 St real を得ることのできる反応機構とすることを特徴とする反応機構解析装置を提供する。
第17には、前記反応器が、マクロキャビティ、またはマクロキャビティとマイクロキャビティを組み合わせたものであることを特徴とする反応機構解析装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記のとおりの特徴を有するこの出願の発明は、コンピュータを用いて、1種または複数種の反応器における成膜等の化学反応の反応機構をコンピュータ演算によってシミュレーション解析するものであり、以下に、機能ブロックおよび処理フローを示した図1および図2に沿って、各処理について説明する。なお、図3はトレンチへの成膜過程における1成膜種の付着確率ηを解析する場合の一例を示したものであり、この図3をも適宜参酌して説明する。
【0012】
<実験値算出処理>
まず、実験により実際にVIAホールやトレンチ等を有する基板上へ成膜して得られた成膜形状に対して、その成膜形状指針の値(実験成膜形状指針値と呼ぶこととする)を算出する(実験値算出手段(1)、ステップS1)。
【0013】
より具体的には、たとえば実験により得られた成膜形状をSEM等で撮影し、その画像からステップカバレッジ等の成膜形状の指針となる値を算出する。成膜形状画像からの成膜形状指針値の算出は公知手法で可能である。
【0014】
たとえば図4に例示したような成膜形状におけるステップカバレッジ(段差被膜性とも呼ぶ)の値は、下記数1で求めることができる(たとえば、菅野卓雄 川西剛監修,「半導体大辞典」,初版,工業調査会,1999年,p.193、Hee Joon Kim 他2名,「Micro-Trench法によるAPCVDにおける表面反応速度定数の測定」,化学工学論文集,1991年,第17巻,第6号,p.1175−1177参照)。また、たとえば図5(トレンチ開口部に“ひさし”が出っ張ったもの)および図6(“す”が生じたもの)に例示したような成膜形状の場合においては、それぞれ下記数2および数3を成膜形状指針とすることができる。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】
これらの数式のように、ステップカバレッジ等の成膜形状指針は、たとえば基板上の任意の複数位置における膜厚の相互関係を表す関数とすることができる。なお、必要な各膜厚データについては、予め成膜形状画像からユーザが計測してデータ入力(入力手段(6))するようにしても、あるいは成膜形状画像データを入力(入力手段(6))して画像処理により自動算出するようにしてもよい。
【0019】
<成膜形状シミュレーション処理>
数値シミュレーションによって、実験条件値を変化させながら、各実験条件値に対応するシミュレート成膜形状を生成する(成膜形状シミュレーション手段(2)、ステップS2)。
【0020】
より具体的には、たとえば前記実験により得られた成膜形状のSEM画像等から基板上のVIAホール形状やトレンチ形状等の基板形状データを決定し、成膜種の種類、濃度、付着確率(または表面反応速度)、平均自由行程の大きさなどといった実験条件の値を系統的に変化させてモンテカルロシミュレーション等の数値シミュレーションを行い、各実験条件値に対応する成膜形状を生成する。
【0021】
実験条件値は、ユーザが任意に選択して入力(入力手段(6))するようにしても、コンピュータにより自動変化させるようにしてもよい。また、基板形状データは、予めユーザが決定した形状データを入力(入力手段(6))するようにしても、実際のSEM画像等の画像データを入力(入力手段(6))して画像処理により自動抽出するようにしてもよい。
【0022】
図3の例では、予め成膜種の種類を一つと仮定しておき、SEM像から決定したトレンチ形状データに対して1成膜種の付着確率ηを系統的に変化させてモンテカルロシミュレーションを行い、各付着確率ηに対応する成膜形状をトレンチ上に表した画像データを生成している。
【0023】
<シミュレーション値算出処理>
続いて、上記のとおりに生成された各シミュレート成膜形状について、その成膜形状指針の値(シミュレート成膜形状指針値と呼ぶこととする)を算出する(シミュレーション値算出手段(3)、ステップS3)。
【0024】
より具体的には、たとえば前記実験値算出処理(ステップS1)にて算出した実験成膜形状指針と同じ成膜形状指針の値を、各シミュレート成膜形状について算出する。ステップS1にて実験成膜形状指針値として数1によるステップカバレッジを算出していれば、本処理でも同じ数1によるステップカバレッジを算出する。
【0025】
図3の例では、上述した各画像データについて、必要な膜厚データを自動算出して前記数1によりステップカバレッジStを求めている。図中のグラフは、モンテカルロシミュレーションにて系統的に変化させた付着確率ηとそれに対応する各画像データごとのステップカバレッジStとの関係を示している(グラフ中の○印)。
【0026】
<モデル化処理>
ここで、上記各シミュレート成膜形状の実験条件値およびシミュレート成膜形状指針値に基づいて、実験条件と成膜形状指針との関係を表す成膜条件−成膜形状指針モデルを生成する(モデル化手段(4)、ステップS4)。
【0027】
より具体的には、前記成膜形状シミュレーション処理(ステップS2)にて用いた実験条件値および上記シミュレーション値算出処理(ステップS3)にて求めたシミュレート成膜形状指針値とを基に、実験条件と成膜形状指針との関係を、多項式等の関数、解析解、ルックアップテーブル、NN(ニューラルネットワーク)などでモデル化する。このモデルは記憶手段(図示なし)に記憶しておき、後述の進化処理において随時読み出すようにする。
【0028】
図3の例では、実験条件である1成膜種の付着確率ηと成膜形状指針であるステップカバレッジStとの関係に対して下記数4のとおりの多項式モデルを得ており、グラフ中にてシミュレーション値(○印)とモデル曲線(実線)とが一致していることを示している。
【0029】
【数4】
【0030】
<進化処理>
この後、進化論的処理によって、上記成膜条件−成膜形状指針モデルを用いて算出されるシミュレート成膜形状指針値が実験成膜形状指針値と一致するように、反応機構を進化させる(進化手段(5)、ステップS5・S6)。
【0031】
より具体的には、遺伝的アルゴリズム等の「進化論的」(「遺伝的」とも呼べる)な探索技法によって、反応機構の情報を染色体(または遺伝子)に記述し、、成膜条件−成膜形状指針モデルにより算出されるシミュレート成膜形状指針値が上記実験成膜形状指針値と一致するように(たとえば一致度またはズレが許容範囲となるように)、染色体を進化させていく。そして、何回かの進化の末に両値が一致したときに、その世代の染色体が示す反応機構が正しい反応機構、つまり実際の成膜形状をもたらす反応機構として求められたことになるのである。
【0032】
反応機構としては、反応物が中間体を経て生成物にいたる気相および表面における定性的な反応経路、反応物および中間体で構成される成膜種の付着確率、成膜種の表面反応速度定数、成膜種の気相反応速度定数、および成膜種の濃度などが挙げられる。
【0033】
図3の例では、1成膜種の付着確率ηsimを染色体データとして設定し、まず複数の初代染色体を乱数を使って決め、各初代染色体の付着確率値ηsim-1ごとにステップカバレッジStsim-1を算出して実測成膜形状のステップカバレッジ値Strealとの一致を自動判断(数値比較処理で可能)し、一致しない場合は初代染色体を次世代染色体へ進化させて、次世代染色体の付着確率値ηsim-2で再びステップカバレッジStsim-2を算出してステップカバレッジ値Strealとの一致を自動判断し、一致すると判断されるまで進化を繰り返す。そして、一致したときの世代の染色体が示す付着確率値ηsim-iが、実際のトレンチ上に成膜されたステップカバレッジStrealを得ることのできる反応機構ということになる。
【0034】
なお、この出願の発明の発明者等は、既に反応機構解析に進化論的処理を用いた技術を提案しており(特願2001−69395号参照)、そこでは反応経路をトポロジカル染色体と呼ぶ染色体に表し、表面・気相反応速度定数を非トポロジカル染色体と呼ぶ染色体に表し、成膜種の濃度をテンポラリ染色体と呼ぶ染色体に表して、それら三種の染色体を入れ子状にして進化させていている。この出願の発明でもこの原理を利用することができ、たとえば上記図3の場合では成膜に関わる成膜種を予め1種類と仮定しているので反応経路を表すトポロジカル染色体は既に固定されているが、1成膜種の付着確率を非トポロジカル染色体とし、その濃度をテンポラリ染色体とすることで、入れ子状構造の各染色体を進化させることができる。
【0035】
このような進化の具体的処理としては、選択、交叉、突然変異など、さらにはエリート戦略(エリート保存とも言う)、トーナメント方式選択、一様交叉などの各種公知の進化論的処理を用いることができ、交叉確率、突然変異確率、エリート戦略で残す染色体数などの処理条件は予め設定入力しておく(入力手段(6))。
【0036】
以上のこの出願の発明によれば、VIAホールやトレンチ等を有する基板上への成膜過程に関わる様々な反応機構を、短期間且つ低コストで、しかも高精度でコンピュータ解析することができ、たとえば、1種の反応器としてのマクロキャビティ(Macrocavity)での成膜反応機構はもちろんのこと、マクロキャビティとマイクロキャビティ(Microcavity)という異なる2種の反応器を組み合わせた場合(マイクロ/マクロキャビティ:Micro/Macrocavity)の成膜反応機構についても、コンピュータを用いた自動解析を実現することができるのである。
【0037】
前述したように従来では、シミュレート成膜形状を実際の成膜形状に一致するまで変化させることをモンテカルロシミュレーションで行っていたため(図12参照)、変化の度に計算コストの高いモンテカルロシミュレーションが必要となり、非常に非効率的であったのに対し、この出願の発明では、実際の成膜形状に一致するシミュレート成膜形状の探索は遺伝的アルゴリズム等の進化論的処理で行い、モンテカルロシミュレーション等の数値シミュレーションはその前処理としてのモデル化、つまりシミュレート成膜形状を計算するためのモデルを作成する処理に用いるだけであるため、モデル化に必要な少数のシミュレート成膜形状を生成する際にモンテカルロシミュレーション等の数値シミュレーションを行えばよく、全体の計算コストが低減され(たとえば100分の1以下)、効率良く解析を実行できるのである。
【0038】
またもちろん、この進化論的処理においては、実験条件−成膜形状指針モデルを用いるだけでなく、従来と同様な数値シミュレーションを行うことも併用でき、具体的には、実験条件−成膜形状指針モデルによって算出されるシミュレート成膜形状指針値(ステップカバレッジなど)と、実験条件つまり前記実験値算出処理において説明した実際の実験にて用いられた条件と同じ条件から直接数値シミュレーションによって算出されるシミュレート成膜形状指針値(膜厚分布など)との両値が、前記実験成膜形状指針値と一致するように、最適な反応機構を計算することになる。この処理は、進化手段(5)が全て行うようにしても、あるいは実験条件から直接数値シミュレーションによってシミュレート成膜形状指針値を算出する別途のシミュレート成膜形状指針値算出手段(図示ナシ)を設けてその算出値を進化論的処理時に進化手段(5)へ与えるように構築してもよい。このような併用処理の場合であっても従来と比較した計算コストの低減を図ることができ、より一層精度の高い解析を実現できる。
【0039】
そして、以上のように優れたこの出願の発明は、成膜だけではなく様々な反応器における様々な化学反応についても適用できるものであり、同様に短時間、低コスト、高精度の反応機構解析を実現できる。
【0040】
たとえば、上記付着確率η(または表面反応速度定数)に負の値をとることを許すという条件を設定すれば、成膜過程の一部にエッチング過程を含んだ場合の化学反応を扱え、また前記数1のTb,Tsおよびマクロキャビティの成膜速度に負の値をとることを許せば、全ての過程がエッチング過程である場合をも扱える。すなわち、成膜の形成方向に対して負の方向に寄与する処理を実行可能なものとすることで、エッチング現象を扱えるようになるのである。
【0041】
【実施例】
[実施例1]
上述したこの出願の発明により、図7のマイクロ/マクロキャビティにおけるCVD法による成膜を仮想的に設定し、そのときの成膜に関わった反応機構をシミュレート解析した。マクロキャビティおよびマイクロキャビティの支配方程式はそれぞれ下記数5および数6で与えられる。
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
本実施例では、反応機構が気相および表面における反応物および中間体の一次反応のつながりで表現されるものと設定し、成膜形状指針として、マクロキャビティ中心部(x=0)におけるマイクロキャビティでのステップカバレッジSt(x)(数5および数6参照)を用い、またこの成膜形状指針と併用して、マクロキャビティ内部における膜厚分布を用いる。
【0045】
図8内の表は、仮想的に設定した成膜形状(これが前記実験により得られた成膜形状になる)の成膜形状指針としての上記ステップカバレッジStの仮想実験データを示しており、図8内のグラフは、これと併用されるマクロキャビティ内部における膜厚分布の仮想実験データを示している。
【0046】
また、この仮想成膜形状の仮想実験データの作成に使用した仮想反応機構、ならびにマクロ/マイクロキャビティにおける各値(図中の表)は、図9に示したとおりである。この図9に示した仮想反応機構が求めるべき正解の仮想反応機構ということになり、上記仮想実験データとシミュレートされたステップカバレッジStと膜厚分布値とが一致するように反応機構つまり染色体を遺伝的アルゴリズムにより進化させ、この進化により得られた反応機構が図9の仮想反応機構と十分に一致すれば、正しい反応機構を解析できたことになる。
【0047】
なお、進化処理前のモデル化では、マクロ/マイクロキャビティにおけるトレンチの形状を矩形のものに設定しており、縦横比つまりアスペクト比l/wは20に設定している(図9の表参照)。
【0049】
図10および図11はそれぞれ解析結果を示したものであり、図10は染色体の各世代の評価値の最大値とメジアンを示し、図11は28世代目で最良(最大)の評価値を持つ染色体が示す反応機構情報を示している。図11内の表は本実施例で探索対象とした各値の範囲である。この図10に示したように28世代目の染色体にて上記仮想実験データとシミュレートデータとのズレが許容範囲のものとなり、この28世代目で最良の評価値を持つ染色体にて表された反応機構情報は図11のとおりで、これと図9の仮想反応機構情報を比較すると両者が定性的にも定量的にも十分に一致していることがわかる。したがって、仮想成膜形状を実現できる正しい反応機構が正確に解析できたのである。
【0050】
以上の結果から、この出願の発明により、図7のマイクロ/マクロキャビティにおけるCVD法による成膜の反応機構を高精度で解析できたことがわかる。もちろん計算量も従来に比べて格段に低減している。
【0051】
この出願の発明は以上の実施形態および実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。たとえばマイクロ/マクロキャビティにおけるCVD法による成膜についての実施例のみを示したが、その他の各種公知の反応器や成膜手法、さらには成膜以外の化学反応にも適用可能であることは言うまでもない。たとえば前記数5及び数6の支配方程式における付着確率ηまたは表面反応速度定数ksに負の値を許容し、または成膜速度Gr(x)および前記数1のTb,Tsに負の値を許容すれば、エッチング現象を扱うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、様々な反応器における成膜等の化学反応の反応機構の解析を短期間で、且つ低コストで実現することのできる、新しい反応機構解析プログラムおよび当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに反応機構解析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明を説明するための機能ブロック図である。
【図2】この出願の発明を説明するための処理フロー図である。
【図3】この出願の発明によりトレンチへの成膜過程における成膜種の付着確率ηを解析する場合の一例を説明するための図である。
【図4】成膜形状指針を説明するための図である。
【図5】別の成膜形状指針を説明するための図である。
【図6】さらに別の成膜形状指針を説明するための図である。
【図7】実施例1で用いたマイクロ/マクロキャビティを説明するための図である。
【図8】実施例1で用いた仮想実験データを示した図である。
【図9】実施例1で用いた仮想反応機構を示した図である。
【図10】実施例1における解析結果を示した図である。
【図11】実施例1における解析結果を示した別の図である。
【図12】従来手法によりトレンチへの成膜過程における成膜種の付着確率ηを解析する場合の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 実験値算出手段
2 成膜形状シミュレーション手段
3 シミュレーション値算出手段
4 モデル化手段
5 進化手段
6 入力手段
7 出力手段
Claims (17)
- 1種または複数種の反応器における化学反応の反応機構を解析するためにコンピュータを、
実験により実際にVIAホールもしくはトレンチを有する基板上へ成膜して得られた成膜形状を表す指針値St real を、当該成膜形状を撮影した画像から、当該成膜形状を表す関数に基づいて算出する実験値算出手段、
前記実験により得られた成膜形状の前記画像から決定されたVIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、実験条件値を変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、当該各実験条件値に対応する各シミュレート成膜形状を前記VIAホール形状データもしくは前記トレンチ形状データ上に表した画像データを生成する成膜形状シミュレーション手段、
前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 Stを、前記画像データ毎に、前記成膜形状指針値 St real を算出する際に用いた前記関数と同じ関数に基づいて算出するシミュレーション値算出手段、
前記各実験条件値および前記各シミュレート成膜形状の前記成膜形状指針値 Stに基づいて、実験条件と成膜形状指針との関係を表すモデルとして関数モデル、ルックアップテーブルモデル、またはニューラルネットワークモデルを生成するモデル化手段、および
遺伝的アルゴリズムによって、前記モデルを用いて算出される成膜形状指針値 St sim が前記成膜形状指針値 St real と一致するように、最適な反応機構を計算する進化手段、
として機能させることを特徴とする反応機構解析プログラム。 - 前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b をトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T s で割り算したステップカバレッジ値であることを特徴とする請求項1記載の反応機構解析プログラム。
- 前記成膜形状指針値が、ひさし突出部の膜厚T 2 、ひさし下部の膜厚T 3 、トレンチ側部の膜厚T 4 、およびトレンチ底部の膜厚T 5 をそれぞれトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T 1 で割り算した値であることを特徴とする請求項1記載の反応機構解析プログラム。
- 前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b 、すの高さU 1 、および、すを4等分したときの各幅U 2〜4 であることを特徴とする請求項1記載の反応機構解析プログラム。
- 前記実験条件値が、成膜種の種類、濃度、付着確率、または平均自由行程の大きさであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の反応機構解析プログラム。
- 前記反応機構が、
反応物が中間体を経て生成物にいたる気相および表面における定性的な反応経路、
反応物および中間体で構成される成膜種の付着確率、
成膜種の表面反応速度定数、または、
成膜種の気相反応速度定数
であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の反応機構解析プログラム。 - 前記実験値算出手段は、前記実験により得られた成膜形状を表す指針値 St real としてのステップカバレッジ値 St real を、前記画像から、前記関数に基づいて算出し、
前記成膜形状シミュレーション手段は、前記VIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、前記実験条件値としての成膜種の付着確率ηを変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、前記画像データを生成し、
前記シミュレーション値算出手段は、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St としてのステップカバレッジ値 St を、前記画像データ毎に、前記関数に基づいて算出し、
前記モデル化手段は、前記各付着確率ηおよび前記各ステップカバレッジ値 St に基づいて、前記モデルとして前記付着確率ηとステップカバレッジ値 St との関係を表す多項式関数モデルを生成し、
前記進化手段は、前記付着確率ηを染色体データとして設定し、複数の初代染色体を乱数を使って決め、各初代染色体の付着確率ηごとにステップカバレッジ St sim を算出して前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致しない場合は初代染色体を次世代染色体へ進化させて、次世代染色体の付着確率ηで再び前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致すると判断するまでこの進化を繰り返して、一致したときの世代の染色体が示す付着確率ηを前記ステップカバレッジ値 St real を得ることのできる反応機構とする
ことを特徴とする請求項1または2記載の反応機構解析プログラム。 - 前記反応器が、マクロキャビティ、またはマクロキャビティとマイクロキャビティを組み合わせたものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の反応機構解析プログラム。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の反応機構解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 1種または複数種の反応器における化学反応の反応機構を解析する装置であって、
実験により実際にVIAホールもしくはトレンチを有する基板上へ成膜して得られた成膜形状を表す指針値 St real を、当該成膜形状を撮影した画像から、当該成膜形状を表す関数に基づいて算出する実験値算出手段、
前記実験により得られた成膜形状の前記画像から決定されたVIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、実験条件値を変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、当該各実験条件値に対応する各シミュレート成膜形状を前記VIAホール形状データもしくは前記トレンチ形状データ上に表した画像データを生成する成膜形状シミュレーション手段、
前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St を、前記画像データ毎に、前記成膜形状指針値 St real を算出する際に用いた前記関数と同じ関数に基づいて算出するシミュレーション値算出手段、
前記各実験条件値および前記各シミュレート成膜形状の前記成膜形状指針値 St に基づいて、実験条件と成膜形状指針との関係を表すモデルとして関数モデル、ルックアップテーブルモデル、またはニューラルネットワークモデルを生成するモデル化手段、および
遺伝的アルゴリズムによって、前記モデルを用いて算出される成膜形状指針値 St sim が前記成膜形状指針値 St real と一致するように、最適な反応機構を計算する進化手段、
を備えることを特徴とする反応機構解析装置。 - 前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b をトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T s で割り算した値であることを特徴とする請求項10記載の反応機構解析装置。
- 前記成膜形状指針値が、ひさし突出部の膜厚T 2 、ひさし下部の膜厚T 3 、トレンチ側部の膜厚T 4 、およびトレンチ底部の膜厚T 5 をそれぞれトレンチ開口付近の平坦部の膜厚T 1 で割り算した値であることを特徴とする請求項10記載の反応機構解析装置。
- 前記成膜形状指針値が、トレンチ底部の膜厚T b 、すの高さU 1 、および、すを4等分したときの各幅U 2〜4 であることを特徴とする請求項10記載の反応機構解析装置。
- 前記実験条件値が、成膜種の種類、濃度、付着確率、または平均自由行程の大きさであることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の反応機構解析装置。
- 前記反応機構が、
反応物が中間体を経て生成物にいたる気相および表面における定性的な反応経路、
反応物および中間体で構成される成膜種の付着確率、
成膜種の表面反応速度定数、または
成膜種の気相反応速度定数
であることを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の反応機構解析装置。 - 前記実験値算出手段は、前記実験により得られた成膜形状を表す指針値 St real としてのステップカバレッジ値 St real を、前記画像から、前記関数に基づいて算出し、
前記成膜形状シミュレーション手段は、前記VIAホール形状データもしくはトレンチ形状データに対して、前記実験条件値としての成膜種の付着確率ηを変化させながらシミュレート成膜形状を生成するシミュレーションを行い、前記画像データを生成し、
前記シミュレーション値算出手段は、前記各シミュレート成膜形状を表す指針値 St としてのステップカバレッジ値 St を、前記画像データ毎に、前記関数に基づいて算出し、
前記モデル化手段は、前記各付着確率ηおよび前記各ステップカバレッジ値 St に基づいて、前記モデルとして前記付着確率ηとステップカバレッジ値 St との関係を表す多項式関数モデルを生成し、
前記進化手段は、前記付着確率ηを染色体データとして設定し、複数の初代染色体を乱数を使って決め、各初代染色体の付着確率ηごとにステップカバレッジ St sim を算出して前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致しない場合は初代染色体を次世代染色体へ進化させて、次世代染色体の付着確率ηで再び前記ステップカバレッジ値 St real との一致を判断し、一致すると判断するまでこの進化を繰り返して、一致したときの世代の染色体が示す付着確率ηを前記ステップカバレッジ値 St real を得ることのできる反応機構とする
ことを特徴とする請求項10または11記載の反応機構解析装置。 - 前記反応器が、マクロキャビティ、またはマクロキャビティとマイクロキャビティを組み合わせたものであることを特徴とする請求項10ないし16のいずれかに記載の反応機構解析装置。
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