JP3988126B2 - Protective gloves - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐燃焼性、耐熱性、ストレッチ性に優れた防護手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料や産業資材として広く用いられているナイロンやポリエステル繊維等の汎用熱可塑性合成繊維は約250℃前後で溶融し、また限界酸素指数は約20前後であり、空気中でよく燃焼する。従ってこれらの汎用熱可塑性合成繊維は、炎や高熱に曝される危険の大きい場面で使用される防護手袋、例えば消防、自動車レース用、製鉄用または溶接用の手袋などの防護用手袋としての繊維素材として適しているとはいえない。
【0003】
アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維等の耐熱高機能繊維は約250℃前後では溶融せず、その分解温度が約500℃前後と高温である。また限界酸素指数は約24以上であって、空気中では熱源である炎を近づけることによって燃焼するが、炎を遠ざけると燃焼を続けることができない。
【0004】
このように、耐熱高機能繊維は耐熱性および難燃性に優れた素材である。それゆえに、例えば耐熱高機能繊維であるアラミド繊維は炎や高熱に曝される危険の大きい場面での防護用手袋として好んで用いられている。
【0005】
中でも、耐熱性とともに高強度特性をも併せ持ったパラ系アラミド繊維は、引裂き強さと耐熱性を要するスポーツ衣料や作業服、ロープ、タイヤコードなどに利用されているばかりでなく、創傷防止のための作業用手袋、作業衣などの防護衣料としても広く利用されている。
【0006】
パラ系アラミド繊維は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(以下PPTA繊維と記す)が良く知られており、例えば米国特許第3,767,756号明細書、特公昭56−128312号公報に、PPTA繊維の製造方法が開示されている。
【0007】
一方、メタ系アラミド繊維は、パラ系アラミド繊維のように耐切創性や、高い引っ張り強さはないが、その耐熱性を特長として消防服や断熱フィルター、耐熱収塵フィルター、電気絶縁材料などに用いられている。
【0008】
従来、これら耐熱高強度繊維を用いて衣料製品などの繊維製品を製造する際には、伸縮性のないフィラメント糸や紡績糸などの形態で該繊維が利用されているにすぎなかった。
しかし、フィラメント糸や紡績糸などの伸縮性のない糸条を布地に加工して衣料製品を製造しても、該衣料製品に伸縮性が劣っているため、該衣料製品を着用した場合に、着心地が悪く、また活動しにくいという難点があった。また、かかる伸縮性の無い糸条から作られた作業用手袋は着用感が悪く、作業効率を低下させる原因となっていた。
【0009】
かかる市場の要求に鑑みて、特開昭48−19818号公報、特開昭53−114923号公報、特開平3−27117号公報、特開平1−192839号公報、特開平6−280120号公報などで、耐熱性フィラメント糸または耐熱高機能短繊維束に捲縮を付与する方法についての提案がなされて、公知である。
【0010】
しかし、これらの公知のいずれの方法においても、良好な伸縮性と紡毛調の柔らかな風合いを持った繊維糸条を提供することはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、伸縮性、耐熱性、機械的強度および外観に優れ、手などの身体によくフィットして作業性がよい上に、高級感のある紡毛調の風合いを有する防護手袋を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の防護手袋は、芯糸に弾性繊維を用い、鞘糸に耐熱性および/または高強度の繊維長25〜1000mmの短繊維束を用いてなる被覆糸で構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり伸縮性、耐熱性、機械的強度および外観に優れ、さらに手や体によくフィットして作業性がよい上に、高級感のある紡毛調の風合いを有する防護手袋について、鋭意検討し、耐熱性および/または高強度の短繊維束と、高い伸縮性を持つスパンデックスなどの弾性繊維とを組み合わせて作った被覆糸を用いて防護手袋を作ってみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0014】
本発明において防護手袋とは、消防用手袋、溶鉱炉における作業手袋、溶接作業手袋、自動車レーサー用手袋などの耐熱防護手袋、工場や林業、建設業など突起物や激しい摩耗から手を防護する必要のある防護手袋、各種スポーツやアウトドア用の防護手袋、また同様の目的で用いられる各種手袋を含むものである。
【0015】
以下、本発明の防護手袋について図を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の防護手袋を構成する被覆糸の一例を示す概略側面図である。該被覆糸(ハ)は、芯糸である弾性繊維(イ)の周りを、鞘糸である耐熱高機能繊維束(ロ)によって、一重または二重に撚回被覆して構成されているものである。
【0017】
かかる被覆糸の芯糸を構成する弾性繊維としては、天然ゴム、合成ゴムなどからなる繊維状物や、ゴムのような伸縮性をもつ合成繊維を使用とができる。なかでも高い伸縮性を持つポリウレタン系弾性繊維が好ましく使用される。
【0018】
かかるポリウレタン系弾性繊維としては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートを主体とするイソシアネートと多官能活性水素化合物を反応させて得られるポリウレタン重合体を紡糸して得られたものが好ましく使用される。
【0019】
かかるポリマージオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンエーテルグリコールのようなポリエーテルグリコール類、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類の少なくとも一種とアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、β−メチルアジピン酸、イソフタル酸などのジカルボン酸の少なくとも一種を反応させて得られるポリエステルグリコール類、ポリカプロラクトングリコール、ポリヘキサメチレンジカーボネートグリコールのようなポリマージオールの一種または二種以上の混合物または共重合物を使用することができる。
【0020】
また、前記有機ジイソシアネートとしては、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような有機ジイソシアネートの一種または二種以上の混合物が使用される。かかる有機ジイソシアネートに、さらにトリイソシアネートを少量併用してもよい。
【0021】
また、前記多官能活性水素化合物としては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水などの一種またはこれらの二種以上の混合物が使用される。所望により、これら多官能活性水素化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停止剤を少量併用してもよい。
【0022】
また、2,6−ジテトラブチルパラクレゾール、亜リン酸エステルなどの酸化防止剤、ヒドロキシベンゾフェノン系またはヒドオキシベンゾチアゾールなどの光または紫外線吸収剤、1,1−ジアルキル置換セミカルバジド、ジチオカルバミン酸塩などのガス黄変、劣化防止剤、および酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料を適宜使用することができる。
【0023】
かかるポリウレタン系弾性繊維の繊度としては、11〜940dtexの範囲のものが好ましく、22〜310dtexの範囲のものがより好ましい。すなわち、11dtex未満であると、カバリングおよび製編、製織工程で、糸切れの原因となったり、衣服を形成したとき、着用時のフィット性が十分なものを得ることができない。一方、940dtexを越えると、剛性が高く、柔軟性の求められる衣料には向かない。
【0024】
また、かかる芯糸の破断伸度としては、300%以上であることが好ましい。破断伸度が300%未満であると、布帛を形成したとき、十分な伸縮性を得ることができない。
【0025】
かかるポリウレタン系弾性繊維の断面形状としては、特に限定されるものではなく、円形であっても、扁平であっても、またその他の形状であってもよい。
【0026】
本発明の被覆糸における鞘糸は、耐熱高機能短繊維束が使用される。かかる耐熱高機能短繊維束としては、JIS K 7201に基づいて測定される限界酸素指数が24以上の難燃性と、JIS K 7120に基づいて測定される、すなわち示差走査熱量測定法によって測定される熱分解温度が400℃以上の耐熱性とを同時に満足する繊維が好ましく使用される。
【0027】
このような耐熱特性をもった繊維は、炎や高熱に曝される危険の大きい場面での防護手袋、例えば消防手袋、自動車レース用の手袋、製鉄用作業手袋または溶接用作業手袋に用いる繊維素材として好ましく使用されるものである。
【0028】
かかる耐熱高機能短繊維としては、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えば株式会社クラレ製、商品名ベクトラン)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば東洋紡株式会社製、商品名ザイロン)、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアミドイミド繊維(例えばローヌプーラン社製、商品名ケルメル)、ポリイミド繊維などが用いられる。アラミド繊維にはメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維がある。メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名ノーメックス)などのメタ系全芳香族ポリアミド繊維を使用することができる。
【0029】
前記パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名ケブラー)およびコポリパラフェニレン−3,4'−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名テクノーラ)などのパラ系全芳香族ポリアミド繊維が用いられる。
【0030】
耐熱高機能繊維のなかで、引っ張り強度が9cN/dtex以上である全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、パラ系アラミド繊維などは、耐熱性、難燃性に加えて、鋭利な刃物などに対して切れにくいことから、創傷防止のための作業用手袋や作業衣としても、好ましく使用することができる。
【0031】
本発明においては、耐熱性、難燃性とともに高強度特性および耐切創性に優れている点から、パラ系アラミド繊維が好ましく、なかでも難燃性が高いことからポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が特に好ましく使用される。
【0032】
かかる耐熱高機能繊維束は、前記耐熱高機能短繊維束の1種類からなっていてもよいし、任意の2種以上の前記耐熱高機能短繊維束からなっていてもよい。また、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール系繊維など他の自体公知の繊維との混繊、交撚などによる複合糸とした形のものも使用することができる。
【0033】
前記耐熱高機能短繊維束としては、紡績糸、ストレッチブレークヤーン、撚りの無い糸すなわち短繊維の集合体など、どのような構造や形態のものであっても良い。
【0034】
かかる耐熱高機能短繊維束を構成する短繊維の繊維長は、好ましくは25〜1000mm、より好ましくは30〜200mmである。紡績などの加工においては、25mm以上が好ましく、紡毛調のやわらかな風合いを得る上では、1000mm以下であるのが望ましい。
【0035】
かかる耐熱高機能短繊維束の単繊維繊度は、用途目的に応じ、表面外観、耐熱性、伸縮性、風合い等を考慮して適宜選択すればよいが、好ましくは0.2〜5dtex、より好ましくは0.5〜3dtexである。かかる単繊維繊度は、紡績などの加工においては、0.2dtex以上であるのが好ましく、紡毛調の柔らかな風合いを得る上では、5Ddtex以下であるのが望ましい。
【0036】
次にも、かかる鞘糸の太さは、用途目的に応じて、148dtex〜394dtex(綿番手40s/1〜15s/1)の範囲のものが好ましく使用される。
【0037】
本発明の被覆糸の鞘糸が撚り糸の場合の撚り方向はS、Zのいずれでも良いが、被覆糸のトルクを軽減させる観点から、カバリングの撚り方向の逆方向が好ましい。
【0038】
かかる鞘糸に与える撚り数は、特に限定しないが、撚数=K・S1/2 の式で定められる撚り係数Kで2.0〜4.5の範囲にするのが好ましい。
【0039】
撚り係数Kが2.0未満では、撚りが少なすぎるために、鞘糸の強力が十分でなく、被覆糸の加工工程において糸切れを発生し、加工効率を低下させることがある。Kが4.5を越えると、撚りが高すぎるために、スナールが発生しやすいので、均一な被覆糸が得られにくくなる傾向がある。また、熱セットなどにより、スナールの発生を防止したとしても、高い撚りのために、得られる被覆糸は風合いの硬いものとなる。
【0040】
ここでSは綿番手を表す。綿番手Sは、453.6g(1ポンド)の重量の糸の長さが767.8m(840ヤード)×Sであることを示す。
【0041】
本発明の被覆糸は、優れた伸縮性を得る観点から、鞘糸が芯糸の回りを一重に被覆したものであってもよく、また、優れた被覆性を得る観点から、鞘糸が芯糸の回りを二重に被覆したものであってもよい。
【0042】
次に、本発明の被覆糸の製造方法について説明する。図2は、本発明の被覆糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
【0043】
本発明においては、ポリウレタン系弾性繊維を芯糸として用い、その上から前記耐熱高機能短繊維束を鞘糸として被覆するものである。被覆の際には、市販のカバリング機等が好ましく用いられる。
【0044】
図2は、二重被覆の例であり、図2において、芯糸1として使用するポリウレタン繊維は転がし給糸ローラ3により積極送りさるが、そのときの条件としては、この転がし給糸ローラ3と、フィードローラ4との間で1.2以上2.4以下の範囲でプレドラフトし、転がし給糸ローラ3とデリベリローラ11の間のドラフトが2.4以上4.0以下の範囲となるように設定するが好ましい。
【0045】
転がし給糸ローラ3とフィードローラ4との間で、プレドラフトが1.2未満ではポリウレタン繊維固有の粘着性の観点から、転がし給糸ローラ3とフィードローラ4との間でポリウレタン繊維がたるむことにより、転がし給糸ローラ3巻付き、糸切れが発生しやすくなり、一方、プレドラフトが2.4を越えると、延伸過多による糸切れの原因となる。また、転がし給糸ローラ3とデリベリローラ11間のドラフトに関しては、2.4未満であれば、十分な伸縮性を持った被覆糸を得ることができず、一方4.0を越えると、延伸過多による糸切れの原因となる。
【0046】
鞘糸は、市販の高速ワインダーにより、Hボビン2に巻き取られた後、図2のように下段スピンドル5および上段スピンドル7に設置され、スピンドルを回転させることによって芯糸に巻き付けられ、被覆糸を形成する。
【0047】
得られた被覆糸は、テイクアップローラ13によりチーズ14に巻き取られる。
【0048】
なお、一重被覆糸を製造する際には、上段スピンドルまたは下段スピンドルのいずれか一方にHボビン1本を設置して、スピンドルを回転させることによって芯糸に鞘糸を巻き付ける。
【0049】
鞘糸を芯糸に被覆する際、鞘糸の被覆撚り数は、鞘糸の番手により適宜選択すればよいが、100〜2000回/mの範囲とするのが好ましい。10回/m未満では、芯糸と鞘糸が分離することがあり、また2000回/m以上では、被覆糸が硬くなったり、伸縮性が低下することがある。
【0050】
また、二重に被覆する場合上撚りは、下撚りのトルクを打ち消す観点から、撚り方向が下撚りと逆方向であることが好ましく、また同様の観点から上撚りの撚数は、下撚りの撚数の0.7〜0.9倍の撚数であることが好ましい。
【0051】
本発明の被覆糸は、編地や織物に加工して、次のような防護手袋に有用である。たとえば、炎や火花、溶けた金属など高温に曝される場面で用いられる耐熱手袋、突起物や鋭利な破片などから腕や手を防護する作業用手袋、各種スポーツやアウトドア活動用の防護手袋素材として適しており、これらの防護手袋の表地および/または裏地、中地、あるいは防護手袋全体に用いることができる。具体的には例えば消防用手袋、溶鉱炉における作業手袋、溶接作業手袋、自動車レーサー用手袋、その他各種手袋がある。
【0052】
本発明の高い伸縮性をもつ耐熱高機能繊維からなる被覆糸を用いた編み地や織物からなる防護手袋にエラストマーを含浸させたり、エラストマーと張り合わせ接着することにより、耐熱性、耐切創性、などの特性に加え、耐摩耗性、防水性などを併せ持った防護手袋が得られる。前記エラストマーとしては、例えばポリウレタン樹脂、ニトリルブタジエンラバー、塩化ビニル、天然ゴムなどが用いられる。
【0053】
本発明の被覆糸を用いた防護手袋は、本発明の被覆糸を10wt%以上好ましくは40wt%以上、より好ましくは50wt%以上含むことが望ましい。本発明の被覆糸を10%以上含むことにより、本発明の目的とする耐熱性、耐燃焼製、ストレッチ性を得ることができる。
【0054】
さらに検討をすすめた結果、耐熱性繊維ではないが、非熱可塑性繊維である引っ張り強度9cN/dtex以上の高強度ポリビニルアルコール繊維に本技術を適用して、熱によって溶けたりせず、鋭利な刃物などに対して切れにくい創傷防止のための防護手袋として利用できることも見出した。高強度ポリビニルアルコール繊維を用いた被覆糸は、前記耐熱高機能繊維を用いた被覆糸とまったく同様の方法で得られる。すなわちポリウレタン系弾性繊維を芯糸として用い、その上から高強度ポリビニルアルコール繊維短繊維束を鞘糸として被覆するのである。
【0055】
【実施例】
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。
【0056】
各物性等の評価方法は次の方法に依拠した。
[引張強度]
自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、1dtex当たり7mgの初荷重をかけた状態で10cmのつかみの間隔に取付、引張速度を20cm/minとして、破断するまで引き伸ばし、破断時点での強度を測定した。
[5cN荷重時の伸度および残留ひずみ]
自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、1dtex当たり7mgの初荷重をかけた状態で10cmのつかみの間隔に取付、引張速度を20cm/minとして、5cNの荷重まで引き伸ばし、5cNの荷重時の伸度を測定した。5cNの荷重後、直ちに、同じ速度で除重し、完全に除重した時点での伸度を残留ひずみとした。
[繊度]
JIS L 1013:1999 化学繊維フィラメント糸試験方法8.3により繊度を測定した。
[限界酸素指数]
JIS K 7201:1999 酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法により測定した。
[熱分解点]
JIS K 7120:1987 プラスチックスの熱重量測定方法により測定した。
[熱溶融性]
500℃に加熱された金属棒(直径0.6cm)の先端に6x6cmの試料を自重のもとに水平に5秒間接触させたとき、熱によって布にできた穴あきの程度を金属棒の断面積と相対比較して級で判定する。
5級;穴あき無し、4級;1/4穴あき、3級;1/2穴あき、2級;3/4穴あき、1級;完全に穴があく。
[切創抵抗(切れ難さCut resistance )] ISO 13997:1999
Protective clothing - Mechanical properties - Determination of resistance to cutting by sharp objects に従って測定した。一定の移動距離で刃が試験片を貫通する(切る)とき、切れにくい素材ほど重い荷重が必要である。刃に加える荷重Lにおいて、刃の移動距離20mmで刃が試験片を貫通する時、荷重Lを切創抵抗値とする。刃はAmerican Safety Razor Co.,品番No.88-0121を使用した。測定値はN(=ニュートン)で表し、数値が大きいほど切れにくいことを示す。
【0057】
[実施例1]
市販の単繊維繊度1.7Dtex、繊維長51mmのPPTA短繊維(東レ・デュポン(株)製、商品名ケブラー)を用いて通常のリング紡績法により、13.0(回/25.4mm)の撚り数の綿番手20s/1(295Dtex単糸)の紡績糸を得た。
【0058】
次いで78dtexのポリウレタン系弾性繊維(東レ・デュポン(株)製、商品名ライクラ)を芯糸とし、得られた綿番手20s/1(295Dtex単糸)のPPTA紡績糸を鞘糸として用い、図2に示されるカバリング工程を使用して、以下の条件でカバリング加工を施し一重被覆糸を得た。
【0059】
ドラフト:3.0倍
撚り数:Z160T/m
スピンドル回転数:5000rpm
巻取比:93.0%
得られた一重被覆糸は、引張強度が6.4cN/dtex、限界酸素指数が26、5cN荷重時の伸度が24%、残留ひずみが4.8%であった。
【0060】
得られたPPTA繊維単繊維束からなる一重被覆糸を4本引き揃え、SFG−13ゲージタイプの手袋編み機(株式会社島精機製作所)に供給して、手袋を編みあげた。
【0061】
この手袋の切創抵抗は6.2(N)で、高い切創抵抗を持ち、熱溶融性は5級で熱による溶融穴あきが無く、また伸縮性に富むので装着感がよく、自動車産業における板金作業やアルミ建材の扱い、ビール瓶などのガラス器具の扱い作業などに用いる、安全性の高い作業手袋として適したものであった。
【0062】
[比較例1]
鞘糸として綿番手20s/1(266Dtex)のポリエチレンテレフタレート繊維からなる紡績糸を用いたほかは、実施例1とまったく同様の方法で手袋を得た。
【0063】
この手袋の切創抵抗は3.0(N)で実施例1のPPTA繊維を含む手袋の切創抵抗の約50%にすぎなかった。また、熱溶融性は1級で、熱によって溶融穴あきし易く耐熱性に問題がある。
【0064】
[実施例2]
実施例1で使用したものと同じ78dtexのポリウレタン系弾性繊維を芯糸とし、実施例1で使用したものと同じ綿番手20s/1(295Dtex単糸)のPPTA紡績糸を鞘糸として用い、以下の条件でカバリング加工を施し、二重被覆糸を得た。
【0065】
ドラフト:3.0倍
下撚り数:S160T/m
上撚り数:Z120T/m
スピンドル回転数:5000rpm
巻取比:93.0%
得られた二重被覆糸は、引張強度が6.4cN/dtex、限界酸素指数が26、5cN荷重時の伸度が20%、残留ひずみが4.8%であり、良好な伸縮性を有し、耐燃焼性に優れたものであった。
【0066】
得られたPPTA繊維単繊維束からなる二重被覆糸を2本引き揃え、SFG−13ゲージタイプの手袋編み機(株式会社島精機製作所)に供給して、手袋を編みあげた。
【0067】
この手袋の切創抵抗は6.2(N)で、高い切創抵抗を持ち、熱溶融性は5級で熱による溶融穴あきが無く、また伸縮性に富むので装着感がよく、自動車産業における板金作業やアルミ建材の扱い、ビール瓶などのガラス器具の扱い作業などに用いる、安全性の高い作業手袋として適したものであった。
【0068】
[実施例3]
原料繊維として特公平07−033604に開示される方法で得られた、引っ張り強度13cN/dtex、単糸繊度0.17tex、繊維長51mmの高強度ポリビニルアルコール繊維を用いたほかは、実施例1とまったく同様の方法で被覆糸を得た。つぎにこの被覆糸を用いて実施例1と同様の13ゲージの手袋編み機で伸縮性のある手袋を得た。
【0069】
この手袋の切創抵抗は5.8(N)で、比較例1の切創抵抗3(N)より高い結果を得た。
【0070】
また、熱溶融性は5級で熱による溶融穴あきがし難く、この点でも比較例1よりも優れている。
【0071】
【表1】

Figure 0003988126
【0072】
【発明の効果】
本発明の被覆糸を用いた防護手袋は、耐熱性と耐切創性に優れ、また伸縮性に富み、手によくフィットして作業性がよく、耐熱防護手袋、建設業、山林業などの作業用防護手袋、各種スポーツ用手袋、その他の各種防護手袋に有用である。
【0073】
これらの結果を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆糸の一例を示す概略側面図である。
【図2】本発明の被覆糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
(イ):芯糸
(ロ):鞘糸
(ハ):被覆糸
1:芯糸
2:鞘糸
3:転がし給糸ローラ
4:フィードローラ
5:下段スピンドル
6:下段ベルト
7:上段スピンドル
8:上段ベルト
9:Hボビン
10:スネルガイド
11:デリベリローラ
12:ガイドバー
13:テイクアップローラ
14:チーズ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a protective glove excellent in combustion resistance, heat resistance and stretchability.
[0002]
[Prior art]
General-purpose thermoplastic synthetic fibers such as nylon and polyester fibers, which are widely used as clothing and industrial materials, melt at about 250 ° C. and have a critical oxygen index of about 20, and burn well in air. Therefore, these general-purpose thermoplastic synthetic fibers are used as protective gloves used in scenes with a high risk of exposure to flames and high heat, such as protective gloves such as fire fighting, automobile racing, iron making or welding gloves. It is not suitable as a material.
[0003]
Heat-resistant and high-performance fibers such as aramid fiber, wholly aromatic polyester fiber, or polyparaphenylene benzobisoxazole fiber do not melt at about 250 ° C., and their decomposition temperature is as high as about 500 ° C. Further, the critical oxygen index is about 24 or more, and in the air, it burns by bringing the flame as a heat source closer, but if the flame is moved away, the combustion cannot be continued.
[0004]
Thus, the heat-resistant and high-performance fiber is a material excellent in heat resistance and flame retardancy. Therefore, for example, aramid fiber, which is a heat-resistant and high-performance fiber, is preferably used as a protective glove in a scene with a high risk of exposure to flames and high heat.
[0005]
Above all, para-aramid fibers that have both heat resistance and high strength properties are used not only for sports clothing, work clothes, ropes, tire cords, etc. that require tear strength and heat resistance, but also for preventing wounds. It is also widely used as protective clothing such as work gloves and work clothes.
[0006]
As the para-aramid fiber, polyparaphenylene terephthalamide fiber (hereinafter referred to as PPTA fiber) is well known. For example, US Pat. No. 3,767,756, Japanese Patent Publication No. 56-128312, discloses PPTA fiber. A manufacturing method is disclosed.
[0007]
On the other hand, meta-aramid fibers do not have cut resistance and high tensile strength like para-aramid fibers, but their heat resistance makes them suitable for fire fighting clothes, heat insulating filters, heat-resistant dust filters, and electrical insulating materials. It is used.
[0008]
Conventionally, when producing textile products such as clothing products using these heat-resistant and high-strength fibers, the fibers have only been used in the form of non-stretchable filament yarns or spun yarns.
However, even when a non-stretchable yarn such as a filament yarn or a spun yarn is processed into a fabric to produce a garment product, the garment product is inferior in elasticity, so when wearing the garment product, There was a problem that it was not comfortable to wear and it was difficult to work. In addition, work gloves made from such non-stretchable yarns have a poor feeling of wear, which has been a cause of reduced work efficiency.
[0009]
In view of such market demands, Japanese Patent Laid-Open Nos. 48-19818, 53-114923, 3-27117, 1-192839, 6-280120, etc. Thus, a method for imparting crimp to a heat-resistant filament yarn or a heat-resistant high-performance short fiber bundle has been proposed and is publicly known.
[0010]
However, in any of these known methods, it has not been possible to provide a fiber yarn having good stretchability and soft texture of woolen tone.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the background of such prior art, the present invention is excellent in stretchability, heat resistance, mechanical strength and appearance, fits well on the body such as the hand, has good workability, and has a high-class woolen texture. It is intended to provide protective gloves with
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following means in order to solve such problems. That is, the protective glove according to the present invention is composed of a covered yarn using elastic fibers as the core yarn and heat-resistant and / or high-strength short fiber bundles of 25 to 1000 mm as the sheath yarn. It is a feature.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is a protective glove having the above-mentioned problems, that is, excellent stretchability, heat resistance, mechanical strength and appearance, fits well to the hands and body, has good workability, and has a high-class woolen texture. As a result of diligent research, we made protective gloves using coated yarn made of a combination of heat-resistant and / or high-strength short fiber bundles and elastic fibers such as spandex with high elasticity. It was clarified to solve the problem at once.
[0014]
In the present invention, protective gloves are heat-resistant gloves such as fire fighting gloves, working gloves in a blast furnace, welding work gloves, automobile racer gloves, and the like, and it is necessary to protect hands from protrusions and severe wear such as factory, forestry and construction industries. It includes certain protective gloves, various sports and outdoor protective gloves, and various gloves used for similar purposes.
[0015]
Hereinafter, the protective gloves of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0016]
FIG. 1 is a schematic side view showing an example of a coated yarn constituting the protective glove of the present invention. The coated yarn (c) is formed by coating a single or double twist around the elastic fiber (I), which is a core yarn, with a heat-resistant, high-performance fiber bundle (B), which is a sheath yarn. It is.
[0017]
As the elastic fiber constituting the core yarn of the coated yarn, a fibrous material made of natural rubber or synthetic rubber, or a synthetic fiber having elasticity such as rubber can be used. Of these, polyurethane elastic fibers having high stretchability are preferably used.
[0018]
As such a polyurethane-based elastic fiber, one obtained by spinning a polyurethane polymer obtained by reacting an isocyanate mainly composed of a polymer diol and an organic diisocyanate with a polyfunctional active hydrogen compound is preferably used.
[0019]
Examples of the polymer diol include polyether glycols such as polytetramethylene glycol, polyethylene glycol, and propylene ether glycol, glycols such as ethylene glycol, 1,6-hexanediol, 1,4-butanediol, and neopentyl glycol. Polyester glycols, polycaprolactone glycol, polyhexamethylene dicarbonate glycol obtained by reacting at least one kind with dicarboxylic acid such as adipic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, β-methyladipic acid, isophthalic acid One kind or a mixture or copolymer of two or more kinds of polymer diols as described above can be used.
[0020]
Examples of the organic diisocyanate include 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, 1,4-phenylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, 1,4-cyclohexane diisocyanate, 4 One or a mixture of two or more organic diisocyanates such as 4,4'-dicyclohexylmethane diisocyanate and isophorone diisocyanate are used. A small amount of triisocyanate may be used in combination with such organic diisocyanate.
[0021]
Examples of the polyfunctional active hydrogen compound include ethylenediamine, 1,2-propylenediamine, hexamethylenediamine, xylylenediamine, 4,4′-diphenylmethanediamine, hydrazine, 1,4-diaminopiperazine, ethylene glycol, 1, One kind of 4-butanediol, 1,6-hexanediol, water, or a mixture of two or more of these is used. If desired, these polyfunctional active hydrogen compounds may be used in combination with a small amount of a terminator such as monoamine or monoalcohol.
[0022]
In addition, antioxidants such as 2,6-ditetrabutylparacresol and phosphite, light or ultraviolet absorbers such as hydroxybenzophenone or hydroxybenzothiazole, 1,1-dialkyl-substituted semicarbazide, dithiocarbamate, etc. The gas yellowing, deterioration preventing agent, and white pigments such as titanium oxide and zinc oxide can be used as appropriate.
[0023]
The fineness of the polyurethane elastic fiber is preferably in the range of 11 to 940 dtex, more preferably in the range of 22 to 310 dtex. That is, when it is less than 11 dtex, it becomes a cause of thread breakage in covering, knitting, and weaving processes, or when clothing is formed, it is not possible to obtain a product with sufficient fit when worn. On the other hand, if it exceeds 940 dtex, it has high rigidity and is not suitable for clothing that requires flexibility.
[0024]
Further, the breaking elongation of the core yarn is preferably 300% or more. When the breaking elongation is less than 300%, sufficient stretchability cannot be obtained when the fabric is formed.
[0025]
The cross-sectional shape of the polyurethane elastic fiber is not particularly limited, and may be circular, flat, or other shapes.
[0026]
As the sheath yarn in the coated yarn of the present invention, a heat-resistant and highly functional short fiber bundle is used. Such a heat-resistant and high-performance short fiber bundle has a flame resistance of 24 or more, measured based on JIS K 7201, and is measured based on JIS K 7120, that is, measured by differential scanning calorimetry. A fiber that simultaneously satisfies the thermal decomposition temperature of 400 ° C. or higher and heat resistance is preferably used.
[0027]
Fibers with such heat-resistant properties are fiber materials used for protective gloves, such as fire gloves, motor racing gloves, iron work gloves or welding work gloves, in situations where there is a high risk of exposure to flames or high heat. Are preferably used.
[0028]
Examples of such heat-resistant and high-performance short fibers include aramid fibers, wholly aromatic polyester fibers (for example, Kuraray Co., Ltd., trade name Vectran), polyparaphenylene benzobisoxazole fibers (for example, Toyobo Co., Ltd., trade name Zylon), Polybenzimidazole fiber, polyamide-imide fiber (for example, trade name Kelmel manufactured by Rhône-Poulenc), polyimide fiber, and the like are used. Aramid fibers include meta-aramid fibers and para-aramid fibers. As the meta aramid fiber, for example, a meta total aromatic polyamide fiber such as polymetaphenylene isophthalamide fiber (manufactured by DuPont, trade name Nomex) can be used.
[0029]
Examples of the para-aramid fiber include polyparaphenylene terephthalamide fiber (trade name Kevlar manufactured by Toray DuPont Co., Ltd.) and copolyparaphenylene-3,4'-diphenyl ether terephthalamide fiber (trade name, manufactured by Teijin Limited). Para-type wholly aromatic polyamide fibers such as Technora) are used.
[0030]
Among heat-resistant and high-performance fibers, wholly aromatic polyester fibers having a tensile strength of 9 cN / dtex or more, polyparaphenylenebenzobisoxazole fibers, para-aramid fibers, etc. are sharp in addition to heat resistance and flame retardancy. Since it is hard to cut with respect to a blade etc., it can be preferably used also as a work glove and work clothes for wound prevention.
[0031]
In the present invention, para-aramid fibers are preferred because they are excellent in heat resistance and flame retardancy as well as high strength characteristics and cut resistance, and polyparaphenylene terephthalamide fibers are particularly preferred because of their high flame retardancy. Preferably used.
[0032]
Such a heat-resistant and high-performance fiber bundle may consist of one type of the heat-resistant and high-performance short fiber bundle, or may consist of any two or more types of heat-resistant and high-performance short fiber bundles. Moreover, the thing of the form made into the composite thread | yarn by blending with other well-known fibers, such as polyester, nylon, and a polyvinyl alcohol-type fiber, and twisting can also be used.
[0033]
The heat-resistant and high-performance short fiber bundle may have any structure or form such as spun yarn, stretch break yarn, untwisted yarn, that is, an aggregate of short fibers.
[0034]
The fiber length of the short fibers constituting the heat-resistant and high-functional short fiber bundle is preferably 25 to 1000 mm, more preferably 30 to 200 mm. In processing such as spinning, 25 mm or more is preferable, and in order to obtain a soft texture with a spun tone, it is preferably 1000 mm or less.
[0035]
The single fiber fineness of the heat-resistant and high-performance short fiber bundle may be appropriately selected in consideration of the surface appearance, heat resistance, stretchability, texture, etc. depending on the purpose of use, but is preferably 0.2 to 5 dtex, more preferably Is 0.5 to 3 dtex. The single fiber fineness is preferably 0.2 dtex or more in processing such as spinning, and is preferably 5 Ddtex or less in order to obtain a soft texture of the spun tone.
[0036]
Next, the thickness of the sheath yarn is preferably in the range of 148 dtex to 394 dtex (cotton count 40 s / 1 to 15 s / 1) depending on the purpose of use.
[0037]
When the sheath yarn of the coated yarn of the present invention is a twisted yarn, the twist direction may be either S or Z, but from the viewpoint of reducing the torque of the coated yarn, the reverse direction of the covering twist direction is preferable.
[0038]
The number of twists applied to the sheath yarn is not particularly limited, but is preferably in the range of 2.0 to 4.5 in terms of the twist coefficient K determined by the formula of twist number = K · S 1/2 .
[0039]
If the twist coefficient K is less than 2.0, the twist is too small, so that the strength of the sheath yarn is not sufficient, and yarn breakage may occur in the processing step of the coated yarn, which may reduce the processing efficiency. If K exceeds 4.5, the twist is too high and snare is likely to occur, so that it is difficult to obtain a uniform coated yarn. Moreover, even if the generation of snare is prevented by heat setting or the like, the coated yarn obtained has a hard texture due to high twist.
[0040]
Here, S represents a cotton count. Cotton count S indicates that the length of the yarn weighing 453.6 g (1 lb) is 767.8 m (840 yards) × S.
[0041]
From the viewpoint of obtaining excellent stretchability, the sheath yarn of the present invention may be one in which the sheath yarn is coated around the core yarn, and from the viewpoint of obtaining excellent coverage, the sheath yarn is the core. It may be a double coating around the yarn.
[0042]
Next, the manufacturing method of the coated yarn of this invention is demonstrated. FIG. 2 is a schematic diagram showing an example of a method for producing a coated yarn of the present invention.
[0043]
In the present invention, a polyurethane elastic fiber is used as a core yarn, and the heat-resistant and high-performance short fiber bundle is coated thereon as a sheath yarn. In the case of coating, a commercially available covering machine or the like is preferably used.
[0044]
FIG. 2 shows an example of double coating. In FIG. 2, the polyurethane fiber used as the core yarn 1 is positively fed by the rolling yarn feeding roller 3, and the conditions at that time are as follows. The draft between the feed roller 4 and the feed roller 4 is in the range of 1.2 to 2.4, and the draft between the rolling yarn feeding roller 3 and the delivery roller 11 is in the range of 2.4 to 4.0. It is preferable to set.
[0045]
If the predraft is less than 1.2 between the rolling yarn feeding roller 3 and the feed roller 4, the polyurethane fiber sag between the rolling yarn feeding roller 3 and the feed roller 4 from the viewpoint of the inherent adhesiveness of the polyurethane fiber. As a result, there are three winding yarn feeding rollers and yarn breakage is likely to occur. On the other hand, if the predraft exceeds 2.4, yarn breakage due to excessive drawing is caused. Further, if the draft between the rolling yarn feeding roller 3 and the delivery roller 11 is less than 2.4, it is not possible to obtain a coated yarn having sufficient stretchability. May cause thread breakage.
[0046]
The sheath yarn is wound around the H bobbin 2 by a commercially available high-speed winder, and then installed on the lower spindle 5 and the upper spindle 7 as shown in FIG. 2, and is wound around the core yarn by rotating the spindle. Form.
[0047]
The obtained coated yarn is wound around the cheese 14 by the take-up roller 13.
[0048]
When producing a single-coated yarn, a single H bobbin is installed on either the upper or lower spindle, and the sheath yarn is wound around the core yarn by rotating the spindle.
[0049]
When the sheath yarn is coated on the core yarn, the sheath twist number of the sheath yarn may be appropriately selected depending on the count of the sheath yarn, but is preferably in the range of 100 to 2000 turns / m. If it is less than 10 times / m, the core yarn and the sheath yarn may be separated, and if it is 2000 times / m or more, the coated yarn may become hard or the stretchability may be reduced.
[0050]
In addition, in the case of covering twice, the upper twist is preferably the direction opposite to the lower twist from the viewpoint of canceling the torque of the lower twist, and from the same viewpoint, the number of twists of the upper twist is that of the lower twist. The twist number is preferably 0.7 to 0.9 times the twist number.
[0051]
The coated yarn of the present invention is processed into a knitted fabric or woven fabric and is useful for the following protective gloves. For example, heat-resistant gloves used in scenes exposed to high temperatures such as flames, sparks, melted metal, work gloves that protect arms and hands from protrusions and sharp debris, protective gloves for various sports and outdoor activities And can be used on the outer and / or lining of these protective gloves, insole, or the entire protective glove. Specifically, for example, there are fire gloves, working gloves in a blast furnace, welding gloves, automobile racer gloves, and other various gloves.
[0052]
Heat resistance, cut resistance, etc. by impregnating an elastomer into a protective glove made of knitted fabric or woven fabric using a coated yarn made of heat-resistant and high-performance fiber with high stretchability of the present invention, or by laminating and bonding to the elastomer In addition to the above characteristics, it is possible to obtain protective gloves that have both wear resistance and water resistance. Examples of the elastomer include polyurethane resin, nitrile butadiene rubber, vinyl chloride, and natural rubber.
[0053]
The protective glove using the coated yarn of the present invention desirably contains the coated yarn of the present invention in an amount of 10 wt% or more, preferably 40 wt% or more, more preferably 50 wt% or more. By including 10% or more of the coated yarn of the present invention, the heat resistance, combustion resistance, and stretch properties that are the object of the present invention can be obtained.
[0054]
As a result of further studies, this technology is applied to high-strength polyvinyl alcohol fibers that are not heat-resistant fibers but have a tensile strength of 9 cN / dtex or more, which is a non-thermoplastic fiber. It has also been found that it can be used as a protective glove for preventing wounds that are difficult to cut. The coated yarn using the high-strength polyvinyl alcohol fiber can be obtained by the same method as the coated yarn using the heat-resistant and high-performance fiber. That is, polyurethane-based elastic fibers are used as core yarns, and high-strength polyvinyl alcohol fiber short fiber bundles are covered as sheath yarns.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples.
[0056]
The evaluation method of each physical property was based on the following method.
[Tensile strength]
Using a constant-speed extension type tensile tester with a self-recording device, it was attached at a 10 cm grip interval with an initial load of 7 mg per dtex, stretched to break at a tensile speed of 20 cm / min, The strength was measured.
[Elongation and residual strain at 5 cN load]
Using a constant-speed extension type tensile tester with a self-recording device, it is attached to a 10 cm grip interval with an initial load of 7 mg per dtex, stretched to a load of 5 cN at a tensile speed of 20 cm / min, and a load of 5 cN The elongation at time was measured. Immediately after the load of 5 cN, the sample was deweighted at the same speed, and the elongation at the time of complete deweighting was defined as the residual strain.
[Fineness]
The fineness was measured by JIS L 1013: 1999 chemical fiber filament yarn test method 8.3.
[Limited oxygen index]
JIS K 7201: 1999 Measured by a combustion test method for polymer materials by the oxygen index method.
[Pyrolysis point]
JIS K 7120: 1987 Measured by the thermogravimetric method of plastics.
[Heat meltability]
When a 6 x 6 cm sample was brought into contact with the tip of a metal rod (diameter 0.6 cm) heated to 500 ° C under its own weight for 5 seconds, the cross-sectional area of the metal rod was determined by the degree of perforation made in the cloth by heat. Relative comparison with grading.
5th grade: No hole, 4th grade: 1/4 hole, 3rd grade; 1/2 hole, 2nd grade; 3/4 hole, 1st grade: Completely perforated.
[Cut resistance] ISO 13997: 1999
Measured according to Protective clothing-Mechanical properties-Determination of resistance to cutting by sharp objects. When the blade penetrates (cuts) the test piece at a certain moving distance, a material that is hard to cut requires a heavier load. In the load L applied to the blade, when the blade penetrates the test piece at a blade moving distance of 20 mm, the load L is defined as a cutting resistance value. The blade used was American Safety Razor Co., Part No. 88-0121. The measured value is represented by N (= Newton), and the larger the value, the more difficult it is to cut.
[0057]
[Example 1]
A commercially available single fiber fineness of 1.7 Dtex, a PPTA short fiber having a fiber length of 51 mm (manufactured by Toray DuPont Co., Ltd., trade name: Kevlar) is 13.0 (times / 25.4 mm) by a normal ring spinning method. A spun yarn having a cotton count of 20 s / 1 (295 Dtex single yarn) was obtained.
[0058]
Next, 78 dtex polyurethane elastic fiber (trade name lycra, manufactured by Toray DuPont Co., Ltd.) is used as the core yarn, and the obtained cotton count 20s / 1 (295 Dtex single yarn) PPTA spun yarn is used as the sheath yarn. Using the covering process shown in (1), a covering process was performed under the following conditions to obtain a single coated yarn.
[0059]
Draft: 3.0 times the number of twists: Z160T / m
Spindle speed: 5000rpm
Winding ratio: 93.0%
The obtained single-coated yarn had a tensile strength of 6.4 cN / dtex, a critical oxygen index of 26, an elongation at 5 cN load of 24%, and a residual strain of 4.8%.
[0060]
Four single coated yarns composed of the obtained PPTA fiber single fiber bundles were aligned and supplied to an SFG-13 gauge type glove knitting machine (Shimae Seisaku Seisakusho Co., Ltd.) to knit the gloves.
[0061]
The cut resistance of this glove is 6.2 (N), it has high cut resistance, thermal meltability is 5th grade, there is no hole perforation due to heat, and it is rich in elasticity, so it feels good to wear, and the automotive industry It was suitable as a highly safe working glove for use in sheet metal work, handling aluminum building materials, and handling glass equipment such as beer bottles.
[0062]
[Comparative Example 1]
A glove was obtained in the same manner as in Example 1 except that a spun yarn made of polyethylene terephthalate fiber having a cotton count of 20 s / 1 (266 Dtex) was used as the sheath yarn.
[0063]
The cut resistance of this glove was 3.0 (N), which was only about 50% of the cut resistance of the glove containing the PPTA fiber of Example 1. Further, the heat melting property is first grade, and it is easy to make a hole in the melt by heat, and there is a problem in heat resistance.
[0064]
[Example 2]
The same 78 dtex polyurethane elastic fiber as used in Example 1 is used as the core yarn, and the same cotton count 20s / 1 (295 Dtex single yarn) used in Example 1 is used as the sheath yarn. A covering process was performed under the conditions described above to obtain a double coated yarn.
[0065]
Draft: 3.0 times Number of twists: S160T / m
Number of upper twists: Z120T / m
Spindle speed: 5000rpm
Winding ratio: 93.0%
The obtained double-coated yarn has a tensile strength of 6.4 cN / dtex, a limiting oxygen index of 26 , an elongation at 5 cN load of 20%, a residual strain of 4.8%, and has good stretchability. And it was excellent in combustion resistance.
[0066]
Two double coated yarns composed of the obtained PPTA fiber single fiber bundles were aligned and supplied to an SFG-13 gauge type glove knitting machine (Shimane Seiki Seisakusho Co., Ltd.) to knitting the gloves.
[0067]
The cut resistance of this glove is 6.2 (N), it has high cut resistance, thermal meltability is 5th grade, there is no hole perforation due to heat, and it is rich in elasticity, so it feels good to wear, and the automotive industry It was suitable as a highly safe working glove for use in sheet metal work, handling aluminum building materials, and handling glass equipment such as beer bottles.
[0068]
[Example 3]
Example 1 except that a high-strength polyvinyl alcohol fiber having a tensile strength of 13 cN / dtex, a single yarn fineness of 0.17 tex, and a fiber length of 51 mm obtained by the method disclosed in Japanese Patent Publication No. 07-033604 was used as a raw material fiber. A coated yarn was obtained in exactly the same manner. Next, a stretchable glove was obtained using this coated yarn with a 13 gauge glove knitting machine similar to that in Example 1.
[0069]
The cut resistance of this glove was 5.8 (N), which was higher than the cut resistance 3 (N) of Comparative Example 1.
[0070]
Further, the thermal meltability is 5th grade, and it is difficult to form a melt hole by heat, which is also superior to Comparative Example 1 in this respect.
[0071]
[Table 1]
Figure 0003988126
[0072]
【The invention's effect】
Protective gloves using the coated yarn of the present invention are excellent in heat resistance and cut resistance, have excellent elasticity, fit well in the hand and have good workability, work in heat resistant protective gloves, construction industry, forestry industry, etc. It is useful for protective gloves for sports, various sports gloves, and various other protective gloves.
[0073]
These results are shown in Table 1.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side view showing an example of a coated yarn of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing an example of a method for producing a coated yarn of the present invention.
[Explanation of symbols]
(A): Core yarn (B): Sheath yarn (C): Cover yarn 1: Core yarn 2: Sheath yarn 3: Rolling yarn feeding roller 4: Feed roller 5: Lower spindle 6: Lower belt 7: Upper spindle 8: Upper belt 9: H bobbin 10: Snell guide 11: Delivery roller 12: Guide bar 13: Take-up roller 14: Cheese

Claims (9)

芯糸に弾性繊維を用い、鞘糸に耐熱性および/または高強度の繊維長25〜1000mmの短繊維束を用いてなる被覆糸で構成されていることを特徴とする防護手袋。A protective glove comprising a coated yarn using an elastic fiber as a core yarn and a short fiber bundle having a heat resistance and / or high strength fiber length of 25 to 1000 mm as a sheath yarn. 前記耐熱性および/または高強度の短繊維束が、JIS K 7201に基づいて測定される限界酸素指数が24以上であり、かつ、JIS K7120に基づいて測定される熱分解温度が400℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の防護手袋。The heat-resistant and / or high-strength short fiber bundle has a limiting oxygen index measured based on JIS K 7201 of 24 or higher, and a thermal decomposition temperature measured based on JIS K 7120 of 400 ° C. or higher. The protective glove according to claim 1, wherein the protective glove is provided. 前記耐熱性および/または高強度の短繊維束が、アラミド繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の防護手袋。The protective glove according to claim 1 or 2, wherein the heat-resistant and / or high-strength short fiber bundle is an aramid fiber. 前記アラミド繊維が、パラ系アラミド繊維であることを特徴とする請求項3に記載の防護手袋。The protective glove according to claim 3, wherein the aramid fiber is a para-aramid fiber. 前記耐熱性および/または高強度の短繊維束が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の防護手袋。The protective glove according to claim 1 or 2, wherein the heat-resistant and / or high-strength short fiber bundle is a polyparaphenylene terephthalamide fiber. 前記耐熱性および/または高強度の短繊維束が、引っ張り強度が9cN/dtex以上であるポリビニルアルコール繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の防護手袋。The protective glove according to claim 1 or 2, wherein the heat-resistant and / or high-strength short fiber bundle is a polyvinyl alcohol fiber having a tensile strength of 9 cN / dtex or more. 前記弾性繊維が、ポリウレタン系弾性繊維である請求項1〜6のいずれかに記載の防護手袋。The protective glove according to any one of claims 1 to 6, wherein the elastic fiber is a polyurethane-based elastic fiber. 前記防護手袋が、編み織物組織で構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の防護手袋。The protective glove according to any one of claims 1 to 7, wherein the protective glove is composed of a knitted fabric structure. 前記防護手袋が、前記被覆糸を10wt%以上含むものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防護手袋。The protective glove according to any one of claims 1 to 8, wherein the protective glove includes 10 wt% or more of the coated yarn.
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