JP3986995B2 - Metal ring nitriding equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機用ベルト等に用いられるマルエージング鋼製の金属リングの窒化処理を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の無段変速機(CVT)の動力伝達のために、複数の金属リングを積層して積層リングを形成し、該積層リングを所定形状のエレメントに組み付けて保持したCVT用ベルトが知られている。
【0003】
前記積層リングを形成する金属リングは、マルエージング鋼等のNi、Moを含む低炭素鋼からなり、例えば前記低炭素鋼の薄板を長方形に切断し、該薄板を長辺に沿って丸め、短辺側の端部同士を溶接して円筒状のドラムを形成した後、該ドラムを所定幅に裁断して無端状の金属リングとする。そして、前記金属リングを圧延して0.1〜0.3mm程度の厚さとした後、さらに所定の周長に周長補正することにより製造されている。
【0004】
前記マルエージング鋼は、適温に加熱してマルテンサイト状態において時効硬化を生じさせることにより、高強度、高靱性を兼ね備えることができる超強力鋼であるので、前記金属リングに賞用される。しかし、前記金属リングを積層した積層リングからなるCVT用ベルトを前記CVTの動力伝達のために用いる場合には、該CVT用ベルトがV溝間隔を変換自在の1対のプーリ間に張設されて用いられる。従って、前記金属リングは、前記CVT用ベルトが前記プーリ間を走行するときには直線状態となり、該プーリに沿って走行するときには湾曲状態となり、前記直線状態と湾曲状態との繰り返しにより過酷な曲げ変形を加えられる。
【0005】
そこで、前記金属リングは、さらに耐摩耗性、耐疲労強度を備えることが必要とされ、このために前記時効硬化後の金属リングに表面硬化処理を施すことが行われている。前記表面硬化処理は、一般に、前記金属リングに窒化処理を施して、該金属リング表面に窒化層を形成することにより行われる。前記窒化処理としては、例えば、ガス窒化処理またはガス軟窒化処理がある。
【0006】
前記ガス窒化処理またはガス軟窒化処理によれば、アンモニアの分解により生じる窒素がマルエージング鋼の金属組織中に浸透し、前記金属リングの表面に窒化層を形成して硬化させる。この結果、前記金属リングの耐摩耗性、耐疲労強度を向上させることができる。
【0007】
前記ガス窒化処理またはガス軟窒化処理の際にアンモニアの分解を促進して、優れた硬度を備える窒化層を形成するために、例えば、鋼材料を、アンモニア40〜90容量%、酸素0.2〜3容量%を含み、残部が窒素からなる雰囲気下、500〜600℃の温度に120〜360時間保持する技術が知られている。前記技術はプラスチック成形用金型等の鋼材料の窒化処理に用いられるものであり、前記条件下に窒化処理を行うことにより、表面から0.25mmの深さまで前記窒化層を形成し、硬度を向上させることができるとされている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
一方、前記金属リングは、表面に優れた硬度を備え、しかも前記窒化層を形成した後も高い靱性を保持していることが望まれるため、前記窒化層の内部に窒化されていない部分を備えている必要がある。しかしながら、前述のアンモニアの分解を促進して、優れた硬度を備える窒化層を形成する技術によれば、表面から0.25mmの深さまで前記窒化層が形成されるため、該技術を前記範囲の厚さを備える前記金属リングに適用すると、該金属リングの厚さ全体に亘って前記窒化層が形成され、前記窒化層の形成後に高い靱性を保持することが難しくなるという問題がある。
【0009】
前記問題を解決するために、本出願人は、前記ガス窒化処理またはガス軟窒化処理により、前記金属リングの表面に形成される前記窒化層の厚さが該金属ベルトの厚さ全体の20〜40%となるようにする技術について、既に特許出願している(特許文献2参照)。前記技術は、前記金属リングを、アンモニアと窒素とからなる雰囲気またはアンモニアとRXガスとからなる雰囲気下、例えば450〜500℃の範囲の温度に60〜90分間保持するものである。前記技術によれば、前記金属リングの内部には窒化されない部分が残存するので、この部分により高い靱性を得ることができる。しかし、前記金属リングでは、さらに靱性を向上させることが望まれる。
【0010】
【特許文献1】
特開昭62−270761号公報
【特許文献2】
特開2000−337453号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、マルエージング鋼製の金属リングに優れた硬度と靱性とを付与することができる窒化処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の金属リングの窒化処理装置は、マルエージング鋼製の金属リングを、少なくともアンモニアを含む雰囲気下、450〜500℃の範囲の処理温度に30〜120分の範囲の処理時間が経過するまで保持して窒化処理する窒化処理装置において、予熱室と窒化処理室とを備え、該予熱室は該金属リングを収容したときに該予熱室内を加熱して該処理温度に昇温する第1の加熱手段を備え、該窒化処理室は、該窒化処理室内を加熱して該処理温度に保持する第2の加熱手段と、窒素ガスを該窒化処理室内に導入する窒素ガス導入手段と、アンモニアガスを該窒化処理室内に導入するアンモニアガス導入手段と、酸素ガスを該窒化処理室内に導入する酸素ガス導入手段と、該窒化処理室内の雰囲気を排出する排気手段とを備え、該窒素ガス導入手段により導入される窒素ガスと、該アンモニアガス導入手段により導入されるアンモニアガスと、該酸素ガス導入手段により導入される酸素とにより、アンモニア50〜90容量%と酸素0.1〜0.9容量%とを含み残部が実質的に窒素からなる第1の混合ガスを生成し、第1の混合ガス雰囲気下、該予熱室から該窒化処理室内に移送された該金属リングを収容して、該金属リングの表面に窒化層を形成し、該処理時間の1/3〜1/2が経過したときに、該排気手段により第1の混合ガスを排出する一方、該窒素ガス導入手段により導入される窒素と、該アンモニアガス導入手段により導入されるアンモニアガスとにより、アンモニア0〜25容量%を含み残部が窒素からなる第2の混合ガスを生成して、該窒化処理室内の雰囲気を第2の混合ガスに置換し、第2の混合ガス雰囲気下、該処理時間の残りの時間が経過するまで該窒化処理室内に該金属リングを保持し、該窒化層に含まれる窒素を、一部は該雰囲気内に気化せしめて該金属リングから脱離せしめ、一部は該金属リングのさらに内部に拡散せしめることを特徴とする。
【0013】
本発明の金属リングの窒化処理装置では、まず、前記金属リングが前記予熱室に収容される。すると、前記予熱室内が第1の加熱手段により加熱され、450〜500℃の範囲の処理温度まで昇温される。
【0014】
一方、前記窒化処理室には、前記窒素ガス導入手段と、前記アンモニアガス導入手段と、前記酸素ガス導入手段とにより、それぞれ窒素ガス、アンモニアガス、酸素ガスが導入されている。この結果、前記窒化処理室の内部には、前記各ガスによりアンモニア50〜90容量%と酸素0.1〜0.9容量%とを含み残部が実質的に窒素からなる第1の混合ガスが生成せしめられている。
【0015】
そして、前記窒化処理室内は、前記第2の加熱手段により加熱され、450〜500℃の範囲の処理温度に保持されている。前記窒化処理室内の温度は、450℃未満では窒化処理を行うことができず、500℃を超えると窒化処理の加熱によりさらに時効が進んで過時効となり、マルテンサイトが析出して前記金属リングの硬度が低下する。
【0016】
そこで、前記金属リングが前記予熱室から前記窒化処理室に移送されると、該金属リングは、第1の混合ガス雰囲気下、前記範囲の処理温度に保持される。このようにすると、前記アンモニアの分解により生成する窒素が前記金属リング内に拡散し、該金属リングの表層に窒化層が形成される。このとき、前記アンモニアの分解により、窒素と同時に水素が生成するが、水素の分圧が高くなると前記アンモニアの分解が抑制されたり、または水素が窒素と再結合したりするために、窒化が阻害される。
【0017】
しかし、前記第1の混合ガスは、前記範囲の量の酸素を含有しているので、前記水素を該酸素と結合させ、水の状態で系外に除去する。この結果、前記アンモニアの分解を促進させることができる。
【0018】
前記第1の混合ガスに含まれるアンモニアの量は、50容量%未満では十分に窒化層を形成することができず、前記金属リングの表面に所望の硬度を付与することができない。一方、前記アンモニアの量が90容量%を超えると、生成する窒素の量が過剰になり、前記金属リングの金属組織に窒化鉄等の化合物が形成され、窒化が不均一になるので好ましくない。
【0019】
また、前記第1の混合ガスに含まれる酸素の量は、0.1容量%未満では該酸素が水素と結合して該水素を除去する効果が十分に得られない。一方、前記酸素の量が0.9%を超えると、前記金属リングの金属組織に酸化物が形成され、或いは前記アンモニアの分解が過度に促進されて生成する窒素の量が過剰になるので好ましくない。
【0020】
尚、前記酸素ガス導入手段は、前記第1の混合ガスを生成することができるものであれば、純酸素ガスを導入するものであってもよく、空気等の酸素を含むガスを導入するものであってもよい。
【0021】
次に、前記窒化処理室では、前記金属リングの表面に窒化層が形成され、前記処理時間の1/3〜1/2が経過したならば、前記排気手段により第1の混合ガスを排出する。そして、新たに、前記窒素ガス導入手段と、前記アンモニアガス導入手段とにより、それぞれ窒素ガス、アンモニアガスを導入し、前記窒化処理室の内部にアンモニア0〜25容量%を含み残部が窒素からなる第2の混合ガスを生成せしめる。この結果、前記窒化処理室内の雰囲気が前記第2の混合ガスに置換される。
【0022】
次に、前記第2の混合ガス雰囲気下、前記処理時間の残りの時間が経過するまで、前記窒化処理室内に該金属リングを保持する。
【0023】
前記窒化処理室内の雰囲気を前記第2の混合ガスに置換すると、前記金属リングの表面に形成された窒化層に含まれる窒素が、一部は前記雰囲気内に気化して前記金属リングから脱離し、一部は該金属リングのさらに内部に拡散する。この結果、前記金属リングの表面に、該表面からの深さに従って硬度が同程度ずつ低減する構成を備え、優れた硬度と共に優れた靱性を備える窒化層が形成される。
【0024】
前記窒化処理室内の雰囲気の前記第2の混合ガスへの置換を前記処理時間の1/3以上の時間が経過しないうちに行うと、前記窒化層の形成が不十分となり、前記金属リングの表面で所望の硬度が得られないことがある。一方、前記置換を前記処理時間の1/2を超えた時期に行うと、前記窒化層が過剰に前記金属リングの内部まで形成され、十分な靱性が得られないことがある。
【0025】
前記第2の混合ガスに含まれるアンモニア量は、25容量%を超えると、前記窒化層に含まれる窒素の一部を前記金属リングから脱離させる効果と、他の一部を該金属リングのさらに内部に拡散させる効果とのいずれの効果も得られない。
【0026】
また、前記処理時間は、30分未満では窒化処理を行うことができず、120分を超えると窒化処理の加熱によりさらに時効が進んで過時効となり、マルテンサイトが析出して前記金属リングの硬度が低下する。
【0027】
この結果、本発明の窒化処理装置によれば、前記金属リング内部の窒化されない部分により保持されている靱性に加えて、前記構成の窒化層によっても靱性が得られるので、該金属リングの靱性をさらに向上させ、該金属リングに優れた硬度と靱性とを付与することができる。
【0028】
本発明の窒化処理装置において、前記予熱室は、ハロゲン化物ガスを該予熱室内に導入するハロゲン化物ガス導入手段を備えることが好ましい。前記予熱室は、前記ハロゲン化物ガス導入手段により導入されたハロゲン化物ガス雰囲気下、該予熱室内を前記第1の加熱手段により加熱することにより、前記窒化処理に先立って前記金属リングの表面を前記ハロゲン化物ガスにより活性化し、前記窒化層の形成を容易にすることができる。前記ハロゲン化物としては、塩化物、フッ化物等を用いることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1はCVT用ベルトとして用いられる金属リングの製造工程を模式的に示す工程説明図、図2は本実施形態の窒化処理装置の構成を示すシステム構成図であり、図3は本実施形態の窒化処理装置における窒化処理を示す工程説明図、図4は金属リングの表面からの深さと硬度との関係を示すグラフである。
【0030】
前記金属リングを製造する際には、まず、図1示のようにマルエージング鋼の薄板1をベンディングしてループ化したのち、端部同士を溶接して円筒状のドラム2を形成する。このとき、前記マルエージング鋼は溶接の熱により時効硬化を示すので、ドラム2の溶接部分2aの両側に硬度の高い部分が出現する。
【0031】
そこで、次に、ドラム2を真空炉3に収容して820〜830℃の温度に20〜60分間保持することにより第1の溶体化処理を行い、硬度ムラを除去する。前記第1の溶体化処理が終了したならば、ドラム2を真空炉3から搬出し、所定幅に裁断して金属リングWを形成する。
【0032】
前記のようにして形成された金属リングWは、次に圧下率40〜50%で圧延される。金属リングWは、前記圧延により0.2mmの厚さとされ、表面から30μm程度の厚さで圧延組織が形成されている。そこで、圧延された金属リングWを、加熱炉4に収容して第2の溶体化を行うことにより、前記圧延組織を消滅させると共に、均一な金属結晶粒を形成させる。
【0033】
溶体化された金属リングWは、次に周長補正した後、加熱炉5に収容し、440〜480℃の範囲の温度に60〜120分間保持して時効処理を行う。そして、前記時効処理が終了したならば、金属リングWを加熱炉5内で冷却し、窒化装置6に移送して、窒化処理を行う。
【0034】
図2に示すように、本実施形態の窒化処理装置6は、第1置換室11、予熱室12、窒化処理室13、冷却室14、第2窒化処理室15を備えている。前記各室は、相互の境界に上下動自在の扉(図示せず)を備え、該扉を開閉することにより相互に連通可能とされている。また、第1置換室11は予熱室12と反対側に上下動自在の搬入扉(図示せず)を備え、第2置換室15は冷却室14と反対側に上下動自在の搬出扉(図示せず)を備えている。尚、前記各扉は、通常の状態ではいずれも閉鎖されている。
【0035】
また、窒化処理装置6は、前記各室で処理を行いながら、第1置換室11から第2置換室15方向に金属リングWを断続的に搬送する搬送手段(図示せず)を備え、予熱室12と、窒化処理室13とは、それぞれ室内を加熱する加熱手段(図示せず)を備えている。
【0036】
窒化処理装置6は、さらに、窒素ガス供給源16、ハロゲン化物ガス供給源17、アンモニアガス供給源18、空気(酸素ガス)供給源19を備えている。窒素ガス供給源16は、窒素ガス導管20に接続されており、窒素ガス導管20から分岐する窒素ガス支管20aが第1置換室11に、窒素ガス支管20bが予熱室12に、窒素ガス支管20cが窒化処理室13に、窒素ガス支管20dが冷却室14に、窒素ガス支管20eが第2置換室15に、それぞれ接続されている。
【0037】
また、ハロゲン化物ガス供給源17はハロゲン化物ガス導管21を介して予熱室12に接続されており、アンモニアガス供給源18はアンモニアガス導管22を介して窒化処理室13に接続されている。さらに、空気供給源19は、空気導管23に接続されており、空気導管23から分岐する空気支管23aが窒化処理室13に、空気支管23bが冷却室14にそれぞれ接続されている。
【0038】
第1置換室11は、大気放出部24に接続された排気管25を備えている。排気管24の途中には第1置換室11内の雰囲気を排出する高真空ポンプ26と、排気中の酸素濃度を測定する酸素センサ27とが設けられている。
【0039】
予熱室12は、排ガス燃焼装置28に接続された排気管29を備え、排気管29の途中には予熱室12内の雰囲気を排出する低真空ポンプ30と、排気中の酸素濃度を測定する酸素センサ31とが設けられている。排ガス燃焼装置28は、燃焼ガス導管32を介して大気放出部24に接続されている。
【0040】
窒化処理室13は、排ガス燃焼装置28に接続された排気管33を備え、排気管33の途中には窒化処理室13内の雰囲気を排出する低真空ポンプ34と、排気中の酸素濃度を測定する酸素センサ35とが設けられている。排気管33は、排気管33から分岐して排ガス燃焼装置28に接続された排気支管33aを備え、排気支管33aの途中には排気中のアンモニア濃度を測定するアンモニア分析計36が設けられている。
【0041】
冷却室14は、大気放出部24に接続された排気管37を備え、第2置換室15は、大気放出部24に接続された排気管38を備えている。排気管38の途中には第2置換室15内の雰囲気を排出する高真空ポンプ39と、排気中の酸素濃度を測定する酸素センサ40とが設けられている。
【0042】
次に、本実施形態の窒化処理装置6の作動について説明する。
【0043】
窒化処理装置6では、まず、第1置換室11の図示しない搬入扉を開き、図示しない搬送手段により、金属リングWを第1置換室11内に搬入する。次いで、前記搬入扉を閉鎖して高真空ポンプ26を作動させ、排気管25を介して第1置換室11内の雰囲気を大気放出部24に排気する。同時に窒素供給源16から、窒素導管20、窒素支管20aを介して、第1置換室11内に窒素を導入する。そして、酸素センサ27で検出される酸素濃度が所定の値未満になったならば、第1置換室11内の雰囲気が窒素ガスで置換されたものと判断し、高真空ポンプ26を停止する。
【0044】
次に、第1置換室11と予熱室12との間の図示しない扉を開き、前記搬送手段により前記金属リングWを予熱室12に移送する。前記金属リングWが予熱室12に収容されたならば、第1置換室11と予熱室12との間の扉を閉鎖し、図示しない加熱手段により、予熱室12内を加熱して、450〜500℃の範囲の温度に昇温する。
【0045】
このとき、予熱室12内の雰囲気は、窒素供給源16から、窒素導管20、窒素支管20bを介して導入される窒素ガスと、ハロゲン化物ガス供給源17から、ハロゲン化物ガス導管21を介して導入されるハロゲン化物ガスとにより、ハロゲン化物ガス1.0〜20.0容量%を含み残部が窒素からなる混合ガス雰囲気に置換されている。そこで、金属リングWは、その表面が前記ハロゲン化物ガスにより活性化され、窒化処理室13での窒化処理が容易になる。
【0046】
予熱室12内の雰囲気の置換は、まず、低真空ポンプ30を作動させることにより、予熱室12内の雰囲気を排気管29、排ガス燃焼装置28、燃焼ガス導管32を介して大気放出部24に放出する。そして、酸素センサ31で検出される酸素濃度が所定の値未満になったならば、低真空ポンプ30を停止させ、窒素供給源16とハロゲン化物ガス供給源17とから、それぞれ窒素ガス、ハロゲン化ガスを予熱室12内に導入する。
【0047】
予熱室12内が、450〜500℃の範囲の温度に昇温されたならば、予熱室12と窒化処理室13との間の図示しない扉を開き、前記搬送手段により前記金属リングWを窒化処理室13に移送する。そして、前記金属リングWが窒化処理室13に収容されたならば、予熱室12と窒化処理室13との間の扉を閉鎖して、前記金属リングWを30〜120分の処理時間が経過するまで、窒化処理室13内に保持して窒化処理を行う。
【0048】
このとき、窒化処理室13内の雰囲気は、窒素供給源16から、窒素導管20、窒素支管20cを介して導入される窒素ガスと、アンモニアガス供給源18から、アンモニアガス導管22を介して導入されるアンモニアガスと、空気供給源19から、空気導管23、空気支管23aを介して導入される空気とにより、アンモニアガス50〜90容量%、酸素0.1〜0.9容量%を含み残部が窒素からなる第1の混合ガス雰囲気に置換されており、図示しない加熱手段により450〜500℃の範囲の温度に加熱されている。
【0049】
窒化処理室13内の雰囲気の置換は、まず、低真空ポンプ34を作動させることにより、窒化処理室13内の雰囲気を排気管33、排気支管33a、排ガス燃焼装置28、燃焼ガス導管32を介して大気放出部24に放出する。同時に、窒素供給源16とアンモニアガス供給源18と空気供給源19とから、それぞれ窒素ガス、アンモニアガス、空気を窒化処理室13内に導入する。そして、酸素センサ35で検出される酸素濃度と、アンモニア分析計36で検出されるアンモニア濃度とが前記第1の混合ガスを構成する範囲になったならば、低真空ポンプ34を停止させる。
【0050】
前記窒化処理は、まず、窒化処理室13内を前記第1の混合ガス雰囲気下、前記450〜500℃の範囲の温度に保持することにより、金属リングWの表面に窒化層を形成させる。そして、前記処理時間の1/3〜1/2が経過したならば、再び低真空ポンプ34を作動させることにより、窒化処理室13内の第1の混合ガスを排気管33、排気支管33a、排ガス燃焼装置28、燃焼ガス導管32を介して大気放出部24に放出する。同時に、窒素供給源16とアンモニアガス供給源18とから、それぞれ窒素ガス、アンモニアガスを窒化処理室13内に導入する。そして、アンモニア分析計36で検出されるアンモニア濃度が、0〜25容量%の範囲になったならば、低真空ポンプ34を停止させる。この結果、窒化処理室13内の雰囲気が、アンモニアガス0〜25容量%を含み残部が窒素からなる第2の混合ガス雰囲気に置換される。
【0051】
前記窒化処理は、次に、前記処理時間が経過するまで、窒化処理室13内を前記第2の混合ガス雰囲気下、前記450〜500℃の範囲の温度に保持することにより、金属リングWの窒化を完了させる。
【0052】
次に、前記所定時間が経過して前記窒化処理が終了したならば、窒化処理室13と冷却室14との間の図示しない扉を開き、前記搬送手段により前記金属リングWを冷却室14内に移送する。そして、前記金属リングWが冷却室14に収容されたならば、窒化処理室13と冷却室14との間の扉を閉鎖して、冷却処理を行う。
【0053】
前記冷却処理は、窒素供給源16から、窒素導管20、窒素支管20dを介して導入される窒素ガスと、空気供給源19から、空気導管23、空気支管23bを介して導入される空気とにより、冷却室14内が室温に冷却されるまで行われる。前記窒素ガスと空気とは、排気管37を介して大気放出部24に排気される。
【0054】
次に、冷却室14内が室温まで冷却されたならば、冷却室14と第2置換室15との間の図示しない扉を開き、前記搬送手段により前記金属リングWを第2置換室15内に移送する。そして、前記金属リングWが第2置換室15に収容されたならば、冷却室14と第2置換室15との間の扉を閉鎖するして、第2置換室15内の雰囲気を窒素雰囲気に置換する。
【0055】
第2置換室15内の雰囲気の置換は、高真空ポンプ39を作動させ、排気管38を介して第2置換室15内の雰囲気を大気放出部24に排気すると同時に、窒素供給源16から、窒素導管20、窒素支管20eを介して、第2置換室15内に窒素を導入することにより行う。そして、酸素センサ40で検出される酸素濃度が所定の値未満になったならば、第2置換室15内の雰囲気が窒素ガスで置換されたものと判断し、高真空ポンプ39を停止する。
【0056】
そして、第2置換室15内の雰囲気が窒素雰囲気に置換されたならば、図示しない搬出扉を開き、前記搬送手段により、金属リングWを窒化処理装置6から搬出する。
【0057】
この結果、表面に窒化層が形成されて硬度が向上しており、内部の窒化されていない部分により靱性が保持されている金属リングWが得られる。しかも、前記金属リングWは、前記窒化層が表面からの深さに従って硬度が同程度ずつ低減する構成を備えており、該窒化層によりさらに優れた靱性を得ることができる。
【0058】
次に、本実施形態の窒化処理装置6で得られた金属リングWの表面からの深さと硬度との関係を図3に示す。
【0059】
本実施形態の窒化処理装置6で得られた金属リングWは、図3に示すように、最表面で、ヴィッカース硬度(Hv0.3)800以上の優れた硬度を備えている。また、表面から40μm以下の内部に、硬度が一定で窒化されていない部分を備える一方、表面から40μmの深さまでは、硬度が同程度ずつ低減する窒化層が形成されている。従って、本実施形態の窒化処理装置6で得られた金属リングWは、内部の窒化されていない部分による靱性に、前記構成の窒化層による靱性が付加され、優れた靱性を備えていることが明らかである。
【0060】
尚、本実施形態の窒化処理装置6において、前記搬送手段、各扉、各真空ポンプ26,30,34,39、窒素ガス供給源16、ハロゲン化物ガス供給源17、アンモニアガス供給源18、空気供給源19等の動作は、手動により制御してもよく、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータ等のような制御手段により制御してもよい。前記コンピュータによるときには、各酸素センサ27,31,35,40、アンモニア分析計36の検出値により、前記動作を制御することもできる。
【0061】
また、本実施形態では、ハロゲン化物ガス供給源17を設け、予熱室12にハロゲン化物ガスを導入するようにしているが、予熱室12にハロゲン化物ガスを導入しないようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、空気供給源19を設け、窒化処理室13に空気を導入して第1の混合ガスを形成させるようにしているが、空気に代えて他の酸素含有ガスを導入するようにしてもよく、純酸素ガスを導入するようにしてもよい。
【0063】
また、予熱室12の雰囲気はハロゲン化物を含み、窒化処理室13の雰囲気はアンモニアガスを含んでおり、そのまま排出すると大気汚染の原因となることが懸念される。しかし、本実施形態の窒化処理装置6では、予熱室12の雰囲気と、窒化処理室13の雰囲気とは、いずれも排ガス燃焼装置28で燃焼されて無害化された上で、大気放出部24に放出されるので、大気汚染の原因となることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CVT用ベルトとして用いられる金属リングの製造工程を模式的に示す工程説明図。
【図2】本発明の窒化処理装置の構成を示すシステム構成図。
【図3】金属リングの表面からの深さと硬度との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
6…窒化処理装置、 12…予熱室、 13…窒化処理室、 20c…窒素ガス導入手段、 21…ハロゲン化物ガス導入手段、 22…アンモニアガス導入手段、 23a…酸素ガス導入手段、 33,34…排気手段、 W…金属リング。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for nitriding a metal ring made of maraging steel used for a continuously variable transmission belt or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for transmission of power of a continuously variable transmission (CVT) such as an automobile, a CVT belt in which a plurality of metal rings are laminated to form a laminated ring, and the laminated ring is assembled and held in an element having a predetermined shape. Are known.
[0003]
The metal ring forming the laminated ring is made of low carbon steel containing Ni and Mo such as maraging steel. For example, the low carbon steel thin plate is cut into a rectangle, the thin plate is rounded along the long side, After the end portions on the side are welded to form a cylindrical drum, the drum is cut into a predetermined width to form an endless metal ring. And after rolling the said metal ring and making it the thickness of about 0.1-0.3 mm, it is manufactured by further correcting the circumference to a predetermined circumference.
[0004]
The maraging steel is a super-strength steel that can have both high strength and high toughness by heating at an appropriate temperature to cause age hardening in the martensite state, and is therefore used for the metal ring. However, when a CVT belt composed of a laminated ring in which the metal rings are laminated is used for power transmission of the CVT, the CVT belt is stretched between a pair of pulleys whose V-groove interval can be freely changed. Used. Therefore, the metal ring is in a straight state when the CVT belt travels between the pulleys, is in a curved state when traveling along the pulley, and is severely deformed by repeating the linear state and the curved state. Added.
[0005]
Therefore, the metal ring is required to further have wear resistance and fatigue resistance, and for this purpose, surface hardening treatment is performed on the metal ring after age hardening. The surface hardening treatment is generally performed by nitriding the metal ring and forming a nitride layer on the metal ring surface. Examples of the nitriding treatment include gas nitriding treatment and gas soft nitriding treatment.
[0006]
According to the gas nitriding treatment or the gas soft nitriding treatment, nitrogen generated by the decomposition of ammonia penetrates into the metal structure of maraging steel and forms a nitride layer on the surface of the metal ring to be hardened. As a result, the wear resistance and fatigue strength of the metal ring can be improved.
[0007]
In order to promote the decomposition of ammonia during the gas nitriding treatment or gas soft nitriding treatment to form a nitrided layer having excellent hardness, for example, a steel material is made of
[0008]
On the other hand, since the metal ring is desired to have excellent hardness on the surface and to retain high toughness even after forming the nitride layer, the metal ring includes a portion that is not nitrided inside the nitride layer. Need to be. However, according to the above-described technology for promoting the decomposition of ammonia and forming a nitride layer having excellent hardness, the nitride layer is formed to a depth of 0.25 mm from the surface. When applied to the metal ring having a thickness, the nitride layer is formed over the entire thickness of the metal ring, and it is difficult to maintain high toughness after the nitride layer is formed.
[0009]
In order to solve the above problem, the present applicant has determined that the thickness of the nitride layer formed on the surface of the metal ring by the gas nitriding process or the gas soft nitriding process is 20 to 20% of the total thickness of the metal belt. A patent application has already been filed for a technique for achieving 40% (see Patent Document 2). In the technique, the metal ring is held at a temperature in the range of 450 to 500 ° C. for 60 to 90 minutes under an atmosphere of ammonia and nitrogen or an atmosphere of ammonia and RX gas. According to the above technique, a portion that is not nitrided remains in the metal ring, so that a high toughness can be obtained in this portion. However, it is desired to further improve the toughness of the metal ring.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-62-270761
[Patent Document 2]
JP 2000-337453 A
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a nitriding apparatus capable of eliminating such inconvenience and imparting excellent hardness and toughness to a metal ring made of maraging steel.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the metal ring nitriding apparatus of the present invention is a metal ring made of maraging steel and treated at a treatment temperature in the range of 450 to 500 ° C. for 30 to 120 minutes in an atmosphere containing at least ammonia. In a nitriding apparatus for holding and nitriding until a processing time in a range elapses, the apparatus includes a preheating chamber and a nitriding chamber, and the preheating chamber heats the preheating chamber when the metal ring is accommodated. A first heating unit that raises the temperature, and the nitriding chamber introduces nitrogen gas into the nitriding chamber, and a second heating unit that heats the nitriding chamber to maintain the processing temperature. Nitrogen gas introducing means, ammonia gas introducing means for introducing ammonia gas into the nitriding chamber, oxygen gas introducing means for introducing oxygen gas into the nitriding chamber, and the atmosphere in the nitriding chamber are discharged 50 to 90 volumes of ammonia by nitrogen gas introduced by the nitrogen gas introduction means, ammonia gas introduced by the ammonia gas introduction means, and oxygen introduced by the oxygen gas introduction means % And oxygen of 0.1 to 0.9% by volume, and the balance is substantially composed of nitrogen, and is transferred from the preheating chamber to the nitriding chamber in a first mixed gas atmosphere. The metal ring is accommodated, a nitride layer is formed on the surface of the metal ring, and when 1/3 to 1/2 of the processing time has elapsed, the first mixed gas is discharged by the exhaust means On the other hand, the nitrogen gas introduced by the nitrogen gas introducing means and the ammonia gas introduced by the ammonia gas introducing means produce a second mixed gas containing 0 to 25% by volume of ammonia and the balance being nitrogen. Holding Te, replacing the atmosphere in the nitride processing chamber to the second gas mixture, under the second mixed gas atmosphere of, the metal ring nitride processing chamber until the remaining time of the processing time has elapsed Then, a part of the nitrogen contained in the nitride layer is vaporized in the atmosphere to be desorbed from the metal ring, and a part is diffused further into the metal ring. It is characterized by that.
[0013]
In the metal ring nitriding apparatus of the present invention, first, the metal ring is accommodated in the preheating chamber. Then, the said preheating chamber is heated by the 1st heating means, and it heats up to the processing temperature of the range of 450-500 degreeC.
[0014]
On the other hand, nitrogen gas, ammonia gas, and oxygen gas are introduced into the nitriding chamber by the nitrogen gas introducing means, the ammonia gas introducing means, and the oxygen gas introducing means, respectively. As a result, a first mixed gas containing 50 to 90% by volume of ammonia and 0.1 to 0.9% by volume of oxygen with the balance being substantially nitrogen is contained inside the nitriding chamber. It is generated.
[0015]
The nitriding chamber is heated by the second heating means and is maintained at a processing temperature in the range of 450 to 500 ° C. If the temperature in the nitriding chamber is less than 450 ° C., nitriding cannot be performed, and if it exceeds 500 ° C., aging is further advanced due to heating of the nitriding treatment, and overaging occurs, martensite precipitates and the metal ring Hardness decreases.
[0016]
Therefore, when the metal ring is transferred from the preheating chamber to the nitriding chamber, the metal ring is maintained at a processing temperature in the above range under a first mixed gas atmosphere. If it does in this way, the nitrogen produced | generated by decomposition | disassembly of the said ammonia will diffuse in the said metal ring, and a nitride layer will be formed in the surface layer of this metal ring. At this time, hydrogen is generated simultaneously with nitrogen by the decomposition of ammonia. However, when the partial pressure of hydrogen is increased, the decomposition of ammonia is suppressed or hydrogen is recombined with nitrogen, so that nitridation is inhibited. Is done.
[0017]
However, since the first mixed gas contains oxygen in the above range, the hydrogen is combined with the oxygen and removed out of the system in the water state. As a result, the decomposition of the ammonia can be promoted.
[0018]
If the amount of ammonia contained in the first mixed gas is less than 50% by volume, a nitride layer cannot be sufficiently formed, and a desired hardness cannot be imparted to the surface of the metal ring. On the other hand, if the amount of ammonia exceeds 90% by volume, the amount of nitrogen to be produced becomes excessive, and a compound such as iron nitride is formed in the metal structure of the metal ring, which is not preferable.
[0019]
Further, if the amount of oxygen contained in the first mixed gas is less than 0.1% by volume, the effect of removing the hydrogen by combining the oxygen with hydrogen cannot be obtained sufficiently. On the other hand, if the amount of oxygen exceeds 0.9%, an oxide is formed in the metal structure of the metal ring, or the decomposition of ammonia is excessively promoted, so that the amount of nitrogen produced is excessive. Absent.
[0020]
The oxygen gas introduction means may introduce pure oxygen gas as long as it can generate the first mixed gas, or introduces a gas containing oxygen such as air. It may be.
[0021]
Next, in the nitriding chamber, a nitride layer is formed on the surface of the metal ring, and when 1/3 to 1/2 of the processing time has elapsed, the first mixed gas is discharged by the exhausting means. . Then, nitrogen gas and ammonia gas are newly introduced by the nitrogen gas introduction means and the ammonia gas introduction means, respectively. The inside of the nitriding treatment chamber contains 0 to 25% by volume of ammonia, and the balance is made of nitrogen. A second mixed gas is generated. As a result, the atmosphere in the nitriding chamber is replaced with the second mixed gas.
[0022]
Next, the metal ring is held in the nitriding chamber until the remaining processing time elapses in the second mixed gas atmosphere.
[0023]
When the atmosphere in the nitriding chamber is replaced with the second mixed gas, part of the nitrogen contained in the nitride layer formed on the surface of the metal ring is evaporated into the atmosphere and desorbed from the metal ring. , Some diffuse further into the metal ring. As a result, on the surface of the metal ring, a nitride layer having a structure in which the hardness is reduced by the same degree according to the depth from the surface, and having excellent hardness and excellent toughness is formed.
[0024]
If the atmosphere in the nitriding chamber is replaced with the second mixed gas before う ち or more of the processing time has elapsed, the formation of the nitride layer becomes insufficient, and the surface of the metal ring The desired hardness may not be obtained. On the other hand, if the replacement is performed at a time exceeding 1/2 of the processing time, the nitride layer is excessively formed to the inside of the metal ring, and sufficient toughness may not be obtained.
[0025]
When the amount of ammonia contained in the second mixed gas exceeds 25% by volume, an effect of detaching a part of nitrogen contained in the nitride layer from the metal ring, and another part of the metal ring. Furthermore, neither of the effects of diffusing inside can be obtained.
[0026]
Further, if the treatment time is less than 30 minutes, the nitriding treatment cannot be performed, and if it exceeds 120 minutes, the aging is further advanced due to heating of the nitriding treatment, and overaging occurs, and martensite precipitates, and the hardness of the metal ring Decreases.
[0027]
As a result, according to the nitriding apparatus of the present invention, in addition to the toughness held by the non-nitrided portion inside the metal ring, the toughness can be obtained also by the nitride layer having the above configuration. Further improved, it is possible to impart excellent hardness and toughness to the metal ring.
[0028]
In the nitriding apparatus of the present invention, it is preferable that the preheating chamber includes a halide gas introduction means for introducing a halide gas into the preheating chamber. The preheating chamber heats the preheating chamber by the first heating means in a halide gas atmosphere introduced by the halide gas introducing means, thereby allowing the surface of the metal ring to be in contact with the surface of the metal ring prior to the nitriding treatment. Activation by a halide gas can facilitate the formation of the nitride layer. As the halide, chloride, fluoride and the like can be used.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in more detail with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a process explanatory diagram schematically showing a manufacturing process of a metal ring used as a belt for CVT, FIG. 2 is a system configuration diagram showing a configuration of a nitriding apparatus of this embodiment, and FIG. 3 is a diagram of this embodiment. FIG. 4 is a graph showing the relationship between the depth from the surface of the metal ring and the hardness.
[0030]
When manufacturing the metal ring, first, as shown in FIG. 1, the maraging steel thin plate 1 is bent to form a loop, and then the end portions are welded to form a
[0031]
Therefore, next, the
[0032]
The metal ring W formed as described above is then rolled at a rolling reduction of 40 to 50%. The metal ring W has a thickness of 0.2 mm by the rolling, and a rolled structure is formed with a thickness of about 30 μm from the surface. Therefore, the rolled metal ring W is accommodated in the heating furnace 4 and subjected to the second solution treatment, thereby eliminating the rolled structure and forming uniform metal crystal grains.
[0033]
The solution-treated metal ring W is next subjected to circumference correction, and then accommodated in the heating furnace 5 and held at a temperature in the range of 440 to 480 ° C. for 60 to 120 minutes for aging treatment. When the aging treatment is completed, the metal ring W is cooled in the heating furnace 5 and transferred to the
[0034]
As shown in FIG. 2, the
[0035]
Further, the
[0036]
The
[0037]
The halide
[0038]
The first replacement chamber 11 includes an
[0039]
The preheating
[0040]
The
[0041]
The cooling
[0042]
Next, the operation of the
[0043]
In the
[0044]
Next, a door (not shown) between the first replacement chamber 11 and the preheating
[0045]
At this time, the atmosphere in the preheating
[0046]
The atmosphere in the preheating
[0047]
When the temperature in the preheating
[0048]
At this time, the atmosphere in the
[0049]
To replace the atmosphere in the
[0050]
In the nitriding treatment, first, a nitriding layer is formed on the surface of the metal ring W by maintaining the inside of the
[0051]
Next, the nitriding treatment is performed by holding the inside of the
[0052]
Next, when the nitriding process is completed after the predetermined time has elapsed, a door (not shown) between the
[0053]
The cooling process is performed by nitrogen gas introduced from the
[0054]
Next, when the inside of the cooling
[0055]
The replacement of the atmosphere in the
[0056]
When the atmosphere in the
[0057]
As a result, a metal ring W is obtained in which a nitrided layer is formed on the surface and the hardness is improved, and the toughness is maintained by the portion that is not nitrided inside. In addition, the metal ring W has a configuration in which the hardness of the nitrided layer is reduced by the same degree according to the depth from the surface, and further excellent toughness can be obtained by the nitrided layer.
[0058]
Next, the relationship between the depth from the surface of the metal ring W obtained by the
[0059]
As shown in FIG. 3, the metal ring W obtained by the
[0060]
In the
[0061]
In this embodiment, the halide
[0062]
In the present embodiment, the
[0063]
Further, the atmosphere in the preheating
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process explanatory view schematically showing a manufacturing process of a metal ring used as a CVT belt.
FIG. 2 is a system configuration diagram showing the configuration of the nitriding apparatus of the present invention.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between the depth from the surface of the metal ring and the hardness.
[Explanation of symbols]
6 ... Nitriding treatment apparatus, 12 ... Preheating chamber, 13 ... Nitriding treatment chamber, 20c ... Nitrogen gas introduction means, 21 ... Halide gas introduction means, 22 ... Ammonia gas introduction means, 23a ... Oxygen gas introduction means, 33, 34 ... Exhaust means, W ... Metal ring.
Claims (2)
予熱室と窒化処理室とを備え、
該予熱室は該金属リングを収容したときに該予熱室内を加熱して該処理温度に昇温する第1の加熱手段を備え、
該窒化処理室は、該窒化処理室内を加熱して該処理温度に保持する第2の加熱手段と、窒素ガスを該窒化処理室内に導入する窒素ガス導入手段と、アンモニアガスを該窒化処理室内に導入するアンモニアガス導入手段と、酸素ガスを該窒化処理室内に導入する酸素ガス導入手段と、該窒化処理室内の雰囲気を排出する排気手段とを備え、
該窒素ガス導入手段により導入される窒素ガスと、該アンモニアガス導入手段により導入されるアンモニアガスと、該酸素ガス導入手段により導入される酸素とにより、アンモニア50〜90容量%と酸素0.1〜0.9容量%とを含み残部が実質的に窒素からなる第1の混合ガスを生成し、第1の混合ガス雰囲気下、該予熱室から該窒化処理室内に移送された該金属リングを収容して、該金属リングの表面に窒化層を形成し、
該処理時間の1/3〜1/2が経過したときに、該排気手段により第1の混合ガスを排出する一方、該窒素ガス導入手段により導入される窒素と、該アンモニアガス導入手段により導入されるアンモニアガスとにより、アンモニア0〜25容量%を含み残部が窒素からなる第2の混合ガスを生成して、該窒化処理室内の雰囲気を第2の混合ガスに置換し、
第2の混合ガス雰囲気下、該処理時間の残りの時間が経過するまで該窒化処理室内に該金属リングを保持し、該窒化層に含まれる窒素を、一部は該雰囲気内に気化せしめて該金属リングから脱離せしめ、一部は該金属リングのさらに内部に拡散せしめることを特徴とする金属リングの窒化処理装置。In a nitriding apparatus for nitriding by holding a metal ring made of maraging steel in an atmosphere containing at least ammonia at a processing temperature in the range of 450 to 500 ° C. until a processing time in the range of 30 to 120 minutes elapses.
A preheating chamber and a nitriding chamber;
The preheating chamber comprises first heating means for heating the preheating chamber to raise the processing temperature when the metal ring is accommodated,
The nitriding chamber includes a second heating unit that heats the nitriding chamber to maintain the processing temperature, a nitrogen gas introducing unit that introduces nitrogen gas into the nitriding chamber, and ammonia gas that flows into the nitriding chamber. An ammonia gas introducing means for introducing into the nitriding chamber, oxygen gas introducing means for introducing oxygen gas into the nitriding chamber, and an exhaust means for discharging the atmosphere in the nitriding chamber,
The nitrogen gas introduced by the nitrogen gas introduction means, the ammonia gas introduced by the ammonia gas introduction means, and the oxygen introduced by the oxygen gas introduction means, ammonia 50-90 vol% and oxygen 0.1 A first mixed gas containing approximately 0.9% by volume and the balance being substantially nitrogen, and the metal ring transferred from the preheating chamber to the nitriding chamber in a first mixed gas atmosphere Containing a nitride layer on the surface of the metal ring;
When 1/3 to 1/2 of the treatment time has elapsed, the first mixed gas is discharged by the exhaust means, while the nitrogen introduced by the nitrogen gas introduction means and the ammonia gas introduction means are introduced. To produce a second mixed gas containing 0 to 25% by volume of ammonia and the balance being nitrogen, and replacing the atmosphere in the nitriding chamber with the second mixed gas,
Under the second mixed gas atmosphere, the metal ring is held in the nitriding chamber until the remaining time of the processing time elapses , and part of the nitrogen contained in the nitrided layer is vaporized in the atmosphere. An apparatus for nitriding a metal ring, wherein the metal ring is detached from the metal ring, and part of the metal ring is further diffused into the metal ring.
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