JP3983840B2 - 飛び跳ね防止装置を備えたホイスト - Google Patents

飛び跳ね防止装置を備えたホイスト Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、工場や倉庫等において、一人の人間が僅かな力で比較的重量のある荷物の、持ち上げ作業や、所定位置への移動等の移送作業をバランスを保ちつつ安全、確実に、且つスムースに行うことができるホイストにおいて、作業中に荷物を落す等、負荷状態から無負荷状態になった場合にホイストに加わる急激な衝撃を緩衝することができるとともに、ホイストによって吊り下げた荷物の上下動作をロックすることができるロック機構付き飛び跳ね防止装置を備えたホイストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている空気ホイストは、通常圧力空気を供給する室又はシリンダを備えており、この空気圧をシリンダ内に摺動自在に設けたピストンに作用させ、さらにボールネジと結合している巻き上げドラムを前記ピストンと一緒に移動させながら、巻き上げドラムを回転できる構成となっており、空気圧を適当に調整することによりホイストに支えられている荷物は、空気圧で釣り合い状態となった状態で支持されながら所定位置に移動できるようになっている(例えば、特公昭44−16980号、特公昭45−6097号、特公昭46−23849号公報等を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した公知の空気式ホイストは、いづれも、荷物が落下した際の飛び跳ねを防止装置を備えておらず、作業中、荷物が落下した場合に吊り具やワイヤが急激に巻き上げ上昇し(これを飛び跳ね現象ともいう)、ワイヤが振れ回り作業者を傷つけるなど安全面での問題点がある。
また、従来のホイストは作業中に、荷物の上昇、下降をロックするロック機構を備えていないため、空中で重量変化が生ずる作業中に上昇・下降したりする場合、操作ボタンを操作しながら荷物の位置を調整して作業を行う必要があり、操作に熟練を要するなどの問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、飛び跳ね防止装置およびロック機構を備えたホイストを提供することにより上記問題点を解決することを目的とする。
本発明では、ホイストの巻き上げドラムに油圧式の飛び跳ね防止装置を備えるとともに、ドラムの回転をロックするロック機構を備えることにより、極めて安全性の高い、さらに操作性の良いホイストを提供することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
空気圧をシリンダ内に摺動自在に設けたピストンに作用させ、さらにボールネジと結合している巻き上げドラムを前記ピストンと一緒に移動させ、荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストにおいて、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダユニットはピストンにより第1液室、第2液室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記第1液室、第2液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記第1液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して、また前記第2液室は下降バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、前記ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する第1液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じ、ホイスト内のピストンの急激な移動を阻止するように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイストであり、
【0006】
ホイスト内のピストンによって荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストであって、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダはピストンにより第1液室、第2液室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記第1液室、第2液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記第1液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して、また前記第2液室は下降バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、また、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニットは夫々にロック機構を備えており、ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する第1液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じてホイストユニット内のピストンの急激な移動を阻止するとともに、前記ロック機構作動時には、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニット内の各流路制御手段が流路を閉じるように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイストであり、
【0007】
空気圧をシリンダ内に摺動自在に設けたピストンに作用させ、さらにボールネジと結合している巻き上げドラムを前記ピストンと一緒に移動させ、荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストにおいて、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダユニットはピストンにより液室および大気連通室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、前記ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する前記液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じ、ホイスト内のピストンの急激な移動を阻止するように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイストである。
【0008】
【実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係わるロック機構付き飛び跳ね防止装置を備えたホイストの構成を説明すると、図1は本実施形態としての空気作動式ホイスト(以下空気ホイストと言う)の全体外観を示す正面図、図2は同側面図であり、はじめに、本実施形態の空気ホイストの全体的な概略構成を説明した後、各構成要素を詳細に説明することとする。
【0009】
図1、図2を参照して本実施形態に係わる空気ホイストの概略構成を説明すると、図中、1は空気ホイストHのホイスト本体であり、このホイスト本体1の上部には走行ローラ2等からなる走行ユニットH1が設けられており、この走行ユニットH1の走行ローラ2によって前記空気ホイストHは図示せぬ支柱によって支持されている走行レール3上を図2中左右方向に走行できる構成となっている。前記ホイスト本体1はワイヤ5を備えており、このワイヤ5の下端には操作グリップ6を介してラッチ付きフック7が取り付けられている。
【0010】
また、前記ホイスト本体1には、図1に示す如く制御用空気回路ユニットYおよびロック機構付き飛び跳ね防止装置Rが設けられており、制御用空気回路ユニットYの作用により本空気ホイストHでは前記フック7に荷物を支持しながら、操作グリップ6によって上昇、下降、移動させることができる。また、荷物を支持した状態をロックする場合には前記ロック機構付き飛び跳ね防止装置Rに設けられているロック機構により、ホイスト本体1内のワイヤードラムの回転を阻止でき、さらに、吊り下げている荷物が落下した際には前記ロック機構付き飛び跳ね防止装置Rにより、吊り具やワイヤ5の急激な巻き上げ現象を防止することができる。
【0011】
以下、上記空気ホイストHの構成、ロック機構付き飛び跳ね防止装置Rおよび前記ホイスト制御用空気回路ユニットYの詳細を説明する。
〔空気ホイストの構成〕
図3は図1に示す空気ホイストHのホイスト本体1の拡大正面図、図4は図3の平断面図であり、図4中上半分はホイスト巻き上げ時の状態を、また、下半分はホイスト巻き戻し時の状態を示している。
図において、ホイスト本体1の空気シリンダハウジング8内にはボールネジ軸9が配置されており、該ボールネジ軸9の一端が空気シリンダ端板10に、また、他端がボールネジ支持板11に回転不能に支持されており、このボールネジ軸9にはワイヤードラム12がボールネジナット13を介して回転可能に備えられている。ワイヤードラム12の図中右端には中央部に円形の孔が開いているドーナツ型のピストン14が軸受け15を介して設けられており、このピストン14は空気シリンダ端板10に形成した中央支持部16と空気シリンダハウジング8内周との間にシール部材17、17aにより密封状態で回転、且つ、摺動可能に配置されており、ピストン14と前記端板10との間には圧力室Aが形成されている。前記圧力室Aは前記空気シリンダ端板10に形成した空気導入口18を介して後述するホイスト制御用空気回路ユニットYと連通されている。
【0012】
ワイヤードラム12の外周にはワイヤ5を巻き取る溝19が形成されており、ドラム12に巻き取られたワイヤ5の端部は空気シリンダハウジング8に形成した孔20より外部に出され、この先端に前述したフック7が取り付けられている。この孔20からホイスト本体1内のピストン14の移動によってホイスト本体1内への空気の出入りを可能にしている。
この空気ホイストHではホイスト本体1内に形成されている前記圧力室Aに圧縮空気を導入すると、この圧力でピストン14が図中左方に押され(図4中の上半分参照)、この時の推力でワイヤードラム12がボールネジ軸9の回りを回転しながらワイヤ5を巻き上げ、また、圧力室Aの圧縮空気を排出するとワイヤ5に作用している荷物の自重によりワイヤードラム12は逆転し、ピストン14を図中右方に移動する(図4中の下半分参照)。こうして、圧力室A内への圧縮空気の導入排出により、荷物を上昇下降させることができる。なおこうした空気ホイストHの基本的構成は従来と同様であるため、これ以上の詳細説明は省略する。
【0013】
〔ロック機構付き飛び跳ね防止装置R〕
ロック機構付き飛び跳ね防止装置Rは、図3に示すようにオイルシリンダユニットUS1、US2、油貯りユニットU2、上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止ユニットU4、上昇ロックユニットU5、下降ロックユニットU6等(各ユニットについての詳細は後述する)によって構成されており、前記ホイスト本体1のボールネジ支持板11には図4に示すようにロック機構付き飛び跳ね防止装置Rを構成する第1、第2オイルシリンダユニットUS1、US2が取り付けられている。
【0014】
各オイルシリンダユニットUS1、US2は共通の構成からなり、図4に示すようにそれぞれのシリンダ30内にはオイルシリンダピストン31が液密状態で摺動自在に設けられており、このオイルシリンダピストン31のオイルシリンダピストン軸32がホイスト本体1のボールネジ支持板11を貫通してホイスト本体1内に突出して配置される。
【0015】
ここで、図5〜図8を参照して各オイルシリンダユニットUS1、US2とボールネジ支持板11、オイルシリンダピストン軸32およびワイヤードラム12の組み付け関係を説明する。
図5は図4中のa−a矢視図、図6は図4中のb−b断面図、図7は図5中のe−e断面図、図8は図5中のf−f断面図である。
図6において前記ボールネジ支持板11には前記ボールネジ軸9を回転不能に固定する孔33と前記2本のオイルシリンダピストン軸32が貫通する2つの孔34が形成されており、各オイルシリンダピストン軸32は前記貫通孔34に配置した直動ベアリング35(図4参照)を介して前記ボールネジ支持板11に摺動自在に支持される。
【0016】
また空気シリンダハウジング8内に突出した夫々のオイルシリンダピストン軸32の端部には、図5に示す如き略三角形状をしたガイドローラ支持ブラケット36が図7に示すようにネジ37により固定されており、このガイドローラ支持ブラケット36の両端には図8に示すガイドローラ38が回転可能に設けられている。
一方、前記ワイヤードラム12の図7中左端面には断面がコ字型をした円形のガイドレール39がボルト40によって固定されており、このガイドレール39内には前記夫々のオイルシリンダピストン軸32の端部に設けた飛び跳ね防止受け軸41が配置され、この飛び跳ね防止受け軸41はガイドレール押さえ板42によりベアリング43を介してガイドレール39に支持される。また、ガイドローラ支持ブラケット36の両端に設けた前記ガイドローラ38は前記ガイドレール押さえ板42に形成した円形ガイド44(図5参照)に沿って移動可能に配置される。こうした構成とすることにより、オイルシリンダピストン軸32に対して、ワイヤードラム12が回転可能となり、さらにワイヤードラム12の軸方向の移動に追従してオイルシリンダピストン軸32を軸方向に移動させることができる。
【0017】
オイルシリンダユニットUS1、US2内に液密にかつ摺動自在に配置した前記オイルシリンダピストン31はオイルシリンダ30内を第1液室B1および第2液室B2に区画しており、夫々の液室B1、B2はポートP1、P2を介して後述する上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止ユニットU4の上昇用バルブユニットハウジング53内液室に連通している。
【0018】
つづいて、図9を参照して前記オイルシリンダユニットUS1、US2のポートP1、P2に接続する上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止ユニットU4、前記上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止ユニットU4に連通する油貯ユニットU2および上昇ロックユニットU5、下降ロックユニットU6について説明すると、図9は図4中のc−c断面図である。
なお、油貯ユニットU2は上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止防止ユニットU4の共用ユニットであり、また、上昇飛び跳ね防止ユニットU3と下降落下防止防止ユニットU4、および、上昇ロックユニットU5と下降ロックユニットU6はそれぞれ構成が同じであるので共通の図面として示してある。
【0019】
図9において、上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止防止ユニットU4の共用ユニットとしての油貯ユニットU2は油槽50を備えており、この油槽50の下面には複数の弁ポート51を有する弁座52が油槽50と上昇飛び跳ね防止ユニットU3(下降落下防止防止ユニットU4)の上昇用バルブユニットハウジング53とによって挟持固定されている。前記弁ポート51は油槽50と上昇用バルブユニットハウジング53内とを連通しており、油槽50内と前記ハウジング53内にはオイルが充填されている。なお、油槽50内には大気と連通している空間55が形成されており、この空間55によってオイルシリンダユニットUS1、US2から油槽50内へのオイルの流入を許容している。
【0020】
油槽50内には飛び跳ね防止弁主軸56が配置され、前記飛び跳ね防止弁主軸56の上端は油槽50の上部57に摺動自在に支持され、前記主軸56の端部には調整用押さえネジ58が当接している。調整用押さえネジ58は油槽50の上面に固定した調整用ネジ座59にネジ結合しており、さらに調整用押さえネジ58にはロックナット60が螺合している。また、飛び跳ね防止弁主軸56と前記弁座52との間には、前記主軸56を上方に付勢する飛び跳ね防止用バネ61が配置されている。前記調整用押さえネジ58の突出量を調整することにより、後述する弁シート62と前記弁座52との間の隙間Sを調整することができる。
【0021】
一方、前記主軸56下方の小径部56aは前記弁座52を貫通して上昇用バルブユニットハウジング53内に突出しており、主軸56下端には前記弁ポート51を開閉する弁シート62が摺動自在に配置されている。弁シート62は、バネ支持部62aを有しており、前記バネ支持部62aと弁座52との間には弁シート押えバネ63が配置されており、このバネ63によって、弁シート62は弁シート受け64に向けて押圧付勢されている。そして、前記弁ポート51および弁シート62により流量制御手段を構成しており、また、弁シート受け64はネジ65により主軸の下端に固定されている。
【0022】
上昇用バルブユニットハウジング53の下端にはガイドスリーブ66が設けられているとともに上昇用バルブユニットハウジング53内にはガイドスリーブ66によって支持されているロックピストン軸67が液密状態で軸方向に摺動自在に配置されており、ロックピストン軸67の上端には弁シート押し上げリンク68が軸69により軸支持されている。ロックピストン軸67は後述するロック機構の作動により図中上方に移動することができ、これによって弁シート押し上げリンク68を介して弁シート62を上方に移動させ、弁シート62によって弁座52に形成した弁ポート51を閉じることができる。図中70は上昇飛び跳ね防止ユニットU3の上昇バルブユニットハウジング53内を前記オイルシリンダユニットUS1、US2のポートP1に連通するとともに、下降落下防止防止ユニットU4の上昇バルブユニットハウジング53内を前記オイルシリンダユニットUS1、US2のポートP2に連通するオイルポートである。
【0023】
上昇用バルブユニットハウジング53の下端に設けたガイドスリーブ66の下面にはロック機構を構成する上昇ロックユニットU5、下降ロックユニットU6が設けられている。各ロックユニットU5、U6はガイドスリーブ66に固定される下降用ロックアクチュエータハウジング71を備え、このハウジング71内に前記ロックピストン軸67と一体に形成したロックピストン72が摺動自在に配置され、このピストン72によってハウジング71内をロック作動室C1、およびロック解除室C2に区画している。ロック作動室C1にはロックピストン72の自重を支えるとともに上方に付勢する受けバネ73が配置されており、さらに、同室C1はロック作動用空気ポート74を介して後述する制御用空気回路ユニット中のロックスイッチ89に接続され、また、ロック解除室C2は上昇ロック解除用空気ポート75を介して後述する制御用空気回路ユニット内のロックスイッチ89に連通している。
【0024】
図10に空気ホイストHの作動用およびロック機構用の制御用空気回路ユニットを示す。この制御用空気回路ユニットは従来の回路を利用しているので、特徴部分を中心に概略構成を説明する。
図中80は圧力源、81はチェックバルブ、82はパイロットバルブ、83はOR素子、84は切換バルブ、85は無負荷レギュレータ、86は負荷レギュレータ、87はトグルスイッチ、88はリミットスイッチ、89はロックスイッチ、90は圧力計、91は切換バルブ、92はスピードコントローラである。
【0025】
パイロットバルブ82はOR素子83から所定の圧力が作用すると、その圧力と同じ圧力を圧力源80から空気ホイストHに供給できる機能を備え、また、無負荷レギュレータ85は、無負荷状態にバランスするように手動にて圧縮空気の圧力を調整するためのものであり、負荷レギュレータ86は負荷に見合った圧縮空気の圧力を手動により調整するためのものである。また切換バルブ91とスピードコントローラ92は、エアーカット時のその場保持や、エアー投入時ワイヤの上下動無いように機能するものであり、圧力源80からの圧力が作用することにより流路を開く構成となっている。そして、上記チェックバルブ81、パイロットバルブ82、OR素子83、切換バルブ84、無負荷レギュレータ85、負荷レギュレータ86、切換バルブ91、スピードコントローラ92によってサーキットボックス内回路を構成している。
【0026】
一方、トグルスイッチ87およびリミットスイッチ88は2位置切換バルブとして構成されており、トグルスイッチ87は、オン状態とすると流路が開く構成となっており、また、リミットスイッチ88は荷物をワイヤ5のフック7に吊り下げると流路を開く構成となっている。また、ロックスイッチ89はワイヤの上下動をロックするスイッチであり、このスイッチを操作することにより前述のロックピストン72の上下動をロックできるようになっている。具体的には、通常状態の時(図示状態の時)には、ロックスイッチ89は圧力源80と上昇ロックユニットU5および下降ロックユニットU6のロック解除室C2とを連通し、ロックピストン72下方に移動させた状態で止めているが、ロックスイッチ89を切り換えると圧力源80が上昇ロックユニットU5および下降ロックユニットU6のロック作動室C1に連通し、ロックピストン軸67を上方に移動して、前述の弁シート押し上げリンク68を介して弁シート62を上方に移動させ、弁シート62によって弁座52に形成した弁ポート51を閉じることができる。そして、前記トグルスイッチ87、リミットスイッチ88、ロックスイッチ89によってアタッチメント内回路を構成している。
【0027】
続いて上記構成からなる、ホイストの作動を説明する。
〔通常作動時〕
先ず、無負荷レギュレータ85を操作して無負荷バランス状態をとり、また負荷レギュレータ86を操作して負荷バランス状態にあった圧力を予め設定しておく。このような状態とした後、荷物を吊り上げて移動する場合には、ホイスト本体1を荷物の真上に移動しトグルスイッチ87を操作して流路を開き、そのままグリップ6をもってフック7を下方に引き下げフック7に荷物を吊り下げるとリミットスイッチ88が開く。すると、圧力源80からの圧力が、トグルスイッチ87→リミットスイッチ88を介して切換バルブ84に作用し、切換バルブ84が開くと圧力源80からの圧力が、圧力設定してある負荷レギュレータ86→開いた切換バルブ→OR素子83を介してパイロットバルブ82に作用する。この結果パイロットバルブ82では、負荷レギュレータ86によって設定された圧力と同じ圧力を圧力源80から切換バルブ91を介してホイスト本体1内の圧力室Aに供給することになる。
【0028】
空気ホイストHでは前記圧力室Aに圧縮空気が導入されると、この圧力でピストン14が図4中左方に押され(図4中の上半分参照)、この時の推力でワイヤードラム12がボールネジ軸9の回りを回転しながらワイヤ5を巻き上げ、また、圧力室Aの圧縮空気を排出するとワイヤ5に作用している荷物の自重によりワイヤードラム12は逆転し、ピストン14を図中右方に移動する(図4中の下半分参照)。こうして、圧力室Aに圧縮空気を導入することにより、荷物を巻き上げ支持することができる。なおこうしたホイストの基本的構成は従来と同様である。
【0029】
また、こうした作動中、オイルシリンダユニットUS1、US2内のオイルシリンダピストン32は前記ピストン14とともに図4中左方に移動して第1液室B1を縮小する。容積が縮小されたオイシリンダユニット内の第1液室B1内のオイルはポートP1→上昇飛び跳ね防止ユニットU3のオイルポート70を介して図9に示す上昇飛び跳ね防止ユニットU3の上昇バルブユニットハウジング53内に流入し、さらにハウジング内に流入したオイルは開いている隙間S→弁ポート51を介して油槽50内に流入する。こうしてピストン14は抵抗を受けることなく左方に移動する。
また、オイルシリンダピストン31の前記左方への移動により容積が拡大するオイルシリンダユニット内の第2液室B2では、下降落下防止ユニットU4内の開いている弁ポート51を介して油槽50内のオイルが弁ポート51→隙間S→下降落下防止ユニットU4の上昇バルブユニットハウジング53→オイルポート70→ポートP2を介してオイルシリンダユニットの第2液室B2内に流入するため、ホイスト本体1内のピストン14の動きには抵抗がなく何等の支障はない。
【0030】
またホイスト本体1内のピストン14が右方に移動する時には、オイルシリンダユニット内の第1液室B1が拡大し、第2液室B2が縮小するが、上昇飛び跳ね防止ユニット、下降落下防止防止ユニットは上記と同様に不作動状態(弁ポート51が開いている状態)であるのでホイスト本体1内のピストン14を抵抗なく下降させることができる。
なお、前記隙間Sは、上昇飛び跳ね防止ユニットU3、下降落下防止防止ユニットU4の調整用押さえネジ58の突出量を変えることにより調整でき、この隙間Sによって上昇飛び跳ね防止ユニットおよび下降落下防止防止ユニットの作動感度を変更できる。
以上のように、通常作動の時には、負荷レギュレータ86によって設定された空気圧と荷物とがバランスしているため、荷物に僅かな力を加えるだけで、簡単に荷物を上下に動かすことができる。また、上昇飛び跳ね防止ユニット、下降落下防止防止ユニットは作動せず、何等の抵抗も発生しないので、ホイスト本体1内のピストン14はスムースに移動することができる。
【0031】
〔荷物が落下した時の飛び跳ね防止機構〕
上記操作中に誤って荷物がフック7から脱落した場合には、ホイスト本体1内のピストン14が図4中急激に左方に移動する。この時、オイルシリンダユニット内のオイルシリンダピストンも急激に左方に移動し第1液室B1内のオイルが一気に上昇飛び跳ね防止ユニットU3内の上昇バルブユニットハウジング53内に流入する。この時のオイル圧の高まりによって図11に示すように上昇飛び跳ね防止ユニット内の弁シート62が弁シート押さえバネ63の付勢力に抗して上昇し、弁ポート51を閉じる。この結果オイルシリンダユニットの第1液室B1からのオイル流出が止められ、ホイスト本体1内のピストン14の移動が止められ、ワイヤの飛び跳ね現象が防止される。このとき、リミットスイッチ88も切れ回路は無負荷バランスとなるため2重の安全機能を有している。なお、下降落下防止防止ユニット内では弁ポート51は開いたままであり、特別な作用はしない。
【0032】
〔荷物の急激な下降防止機構〕
空気ホイストHに吊り下げる荷物が制御用空気回路ユニットで設定した荷物よりも重すぎる場合や設定違いをした場合、荷物の重量オーバーにより荷物が急激に落下することがある。また、何等かの原因でエアー源が断たれた場合やトグルスイッチ87の誤操作、リミットスイッチ88が切れて無負荷バランス状態になったとき、さらには見込み違いをして棚から吊ったまま引きずり出すような作業を行ったような場合には、ホイスト本体1内のピストン14が図4中急激に右方に移動する。この時、オイルシリンダユニット内のオイルシリンダピストンも急激に右方に移動し第2液室B2内のオイルが一気に下降落下防止ユニットU6の上昇バルブユニットハウジング53内に流入する。この時のオイル圧の高まりによって図11に示すように下降落下防止ユニットU6内の弁シート62が弁シート押さえバネ63の付勢力に抗して上昇し、弁ポート51を閉じる。この結果オイルシリンダユニットの第2液室B2からのオイル流出が止められ、ホイスト本体1内のピストン14の移動が止められ、荷物の急激な降下現象が防止される。なお、上昇飛び跳ね防止ユニットU5内では弁ポート51は開いたままであり、特別な作用はしない。
【0033】
〔ホイストのワイヤ5の上下動をロックする機構〕
荷物運搬中にワイヤ5の上下動をロックする必要が生じた場合には、制御用空気回路ユニット中のロックスイッチを操作する。
すると、圧力源80からの空気圧は切り替わったロックスイッチ89を介して上昇ロックニットU5および下降ロックユニットU6内のロック作動室C1内に流入し、図12に示す如く両ユニット内のロックピストン72を上昇させる。この結果ロックピストン軸67も上昇し弁シート押し上げリンク68を介して弁シート62を上方に移動させ、弁座52に形成した弁ポート51を閉じる。弁ポート51が閉じられるとオイルシリンダユニット内の第1液室B1、第2液室B2内へのオイルの吸入排出は出来なくなり、さらに、ホイスト本体1内のピストン14の移動も出来なくなるため、ワイヤ5の上下動がロックされることとなる。
【0034】
ロックの解除は、ロックスイッチ89を切り換えることにより行う。即ちロックスイッチ89を操作して上昇ロックユニットU5および下降ロックユニットU6内のロック解除室C2内に圧力空気を導入し、両ユニット内のロックピストン72を下降させて、弁ポート51を開き、ワイヤ5の上下動のロックを解除する。
【0035】
つづいて、本発明の第2実施形態を図面を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態のものから下降落下防止ユニットU4、下降ロックユニットU6および上昇ロックユニットU5を除いた形態の空気ホイストHである。なお、第1実施形態と対応する部材については同一符号を使用する。
【0036】
図13、図14を参照して第2実施形態に係わる空気ホイストの概略構成を説明すると、図中、1は空気ホイストHのホイスト本体、H1は走行ユニット、2は走行ローラ、3は走行レールであり、第1実施形態の空気ホイストHと同様に前記ホイスト本体1は走行レール3上を図14中左右方向に走行できる構成となっている。前記ホイスト本体1はワイヤ5を備えており、このワイヤ5の下端には操作グリップ6を介してラッチ付きフック7が取り付けられている。 また、前記ホイスト本体1には、図13に示す如く制御用空気回路ユニットYおよび飛び跳ね防止装置Rが設けられており、第1実施形態と同様に制御用空気回路ユニットYの作用により本空気ホイストHでは前記フック7に荷物を支持しながら、操作グリップ6によって上昇、下降、移動させることができる。また、吊り下げている荷物が落下した際には前記飛び跳ね防止装置Rにより、吊り具やワイヤ5の急激な巻き上げ現象を防止することができる。
【0037】
以下、上記空気ホイストの構成、飛び跳ね防止装置Rおよび前記ホイスト制御用空気回路ユニットYの詳細を説明する。
〔空気ホイストの構成〕
図15は図13に示す空気ホイストHのホイスト本体1の拡大正面図、図16は図15の平断面図であり、図16上半分はホイスト巻き上げ時の状態を、また、下半分はホイスト巻き戻し時の状態を示している。
図において、ホイスト本体1の空気シリンダハウジング8内にはボールネジ軸9が配置されており、該ボールネジ軸9の一端が空気シリンダ端板10に、また、他端がボールネジ支持板11に回転不能に支持されており、このボールネジ軸9にはワイヤードラム12がボールネジナット13を介して回転可能に備えられている。ワイヤードラム12の図中右端には中央部に円形の孔が開いているドーナツ型のピストン14が軸受け15を介して設けられており、このピストン14は空気シリンダ端板10に形成した中央支持部16と空気シリンダハウジング8内周との間にシール部材17、17aにより密封状態で摺動可能に配置されており、ピストン14と前記端板10との間には圧力室Aが形成されている。前記圧力室Aは前記空気シリンダ端板10に形成した空気導入口18を介して後述するホイスト制御用空気回路ユニットYと連通されている。
【0038】
ワイヤードラム12の外周にはワイヤ5を巻き取る溝19が形成されており、ドラム12に巻き取られたワイヤ5の端部は空気シリンダハウジング8に形成した孔20より外部に出され、この先端に前述したフック7が取り付けられている。
この空気ホイストHではホイスト本体1内に形成されている前記圧力室Aに圧縮空気を導入すると、この圧力でピストン14が図中左方に押され(図16中の上半分参照)、この時の推力でワイヤードラム12がボールネジ軸9の回りを回転しながらワイヤ5を巻き上げ、また、圧力室Aの圧縮空気を排出するとワイヤ5に作用している荷物の自重によりワイヤードラム12は逆転し、ピストン14を図中右方に移動する(図16中の下半分参照)。こうして、圧力室A内への圧縮空気の導入排出により、荷物を上昇下降させることができる。なおこうしたホイストの基本的構成は第1実施形態と同様に従来装置と同様である。
【0039】
〔飛び跳ね防止装置R〕
飛び跳ね防止装置Rは、図15に示すようにオイルシリンダユニットUS1、US2、油貯りユニットU2、上昇飛び跳ね防止ユニットU3、によって構成されており、前記ホイスト本体1のボールネジ支持板11には図16に示すように飛び跳ね防止装置Rを構成する第1、第2オイルシリンダユニットUS1、US2が取り付けられている。
ホイスト本体内に突出したオイルシリンダピストン軸32は、第1実施形態と同様の組み付け機構によって空気シリンダハウジング8内のワイヤードラム12に連結されており、オイルシリンダピストン軸32に対して、ワイヤードラム12が回転可能、さらにワイヤードラム12の軸方向の移動に追従してオイルシリンダピストン軸32も軸方向に移動可能の構成となっている。
オイルシリンダユニットUS1、US2内に液密にかつ摺動自在に配置した前記オイルシリンダピストン31はオイルシリンダ30内を液室B1および大気と連通する大気室BB2に区画しており、液室B1はポートP1を介して後述する上昇飛び跳ね防止ユニットU3の上昇用バルブユニットハウジング53内液室に連通している。
【0040】
図17を参照して、オイルシリンダユニットUS1、US2に取り付ける上昇飛び跳ね防止ユニットU3および油貯ユニットU2について説明すると図17は図16中のg−g断面図を示す。
【0041】
図17において、油貯ユニットU2は油槽50を備えており、この油槽50の下面には複数の弁ポート51を有する弁座52が油槽50と上昇用バルブユニットハウジング53とによって挟持固定されている。前記弁ポート51は油槽50と上昇用バルブユニットハウジング53内とを連通しており、油槽50内と前記ハウジング53内にはオイルが充填されている。なお、油槽50内には大気と連通している空間55が形成されており、この空間55によってオイルシリンダユニットUS1、US2から油槽50内へのオイルの流入を許容している。
【0042】
油槽50内には飛び跳ね防止弁主軸56が配置され、前記飛び跳ね防止弁主軸56の上端は油槽50の上部57に摺動自在に支持され、前記主軸56の端部には調整用押さえネジ58が当接している。調整用押さえネジ58は油槽50の上面に固定した調整用ネジ座59にネジ結合しており、さらに調整用押さえネジ58にはロックナット60が螺合している。また、飛び跳ね防止弁主軸56と前記弁座52との間には、前記主軸56を上方に付勢する飛び跳ね防止用バネ61が配置されている。前記調整用押さえネジ58の突出量を調整することにより、後述する弁シート62と前記弁座52との間の隙間Sを調整することができる。
【0043】
一方、前記主軸56下方の小径部56aは前記弁座52を貫通して上昇用バルブユニットハウジング53内に突出しており、主軸56下端には前記弁ポート51を開閉する弁シート62が摺動自在に配置されている。弁シート62は、バネ支持部62aを有しており、前記バネ支持部62aと弁座52との間には弁シート押えバネ63が配置されており、このバネ63によって、弁シート62は弁シート受け64に向けて押圧付勢されている。弁シート受け64はネジ65により主軸の下端に固定されている。
上昇用バルブユニットハウジング53内は、オイルポート70を介して前記オイルシリンダユニットUS1、US2の液室B1に連通している。
【0044】
空気ホイストHには第1実施例で説明した制御用空気回路ユニットの内のロック回路を省略した構成から制御用空気回路ユニットYが接続されている。
以下、特徴部分を中心に図18を参照して概略構成を説明する。
図中80は圧力源、81はチェックバルブ、82はパイロットバルブ、83はOR素子、84は切換バルブ、85は無負荷レギュレータ、86は負荷レギュレータ、87はトグルスイッチ、88はリミットスイッチ、90は圧力計、91は切換バルブ、92はスピードコントローラである。
【0045】
この制御用空気回路ユニットYも第1実施形態のものと同様に、上記チェックバルブ81、パイロットバルブ82、OR素子83、切換バルブ84、無負荷レギュレータ85、負荷レギュレータ86、切換バルブ91、スピードコントローラ92によってサーキットボックス内回路を構成しており、また、前記トグルスイッチ87、リミットスイッチ88によってアタッチメント内回路を構成している。なお、図中93は空気ホイストHに取り付けたマフラであり、ホイスト本体1内のピストン14の移動によってホイスト本体1内への空気の出入りを可能としている。
【0046】
続いて上記構成からなる、ホイストの作動を説明する。
〔通常作動時〕
先ず、無負荷レギュレータ85を操作して無負荷バランス状態をとり、また負荷レギュレータ86を操作して負荷バランス状態にあった圧力を予め設定しておく。このような状態とした後、荷物を吊り上げて移動する場合には、ホイスト本体1を荷物の真上に移動しトグルスイッチ87を操作して流路を開き、そのままグリップ6をもってフック7を下方に引き下げフック7に荷物を吊り下げるとリミットスイッチ88が開く。すると、圧力源80からの圧力が、トグルスイッチ87→リミットスイッチ88を介して切換バルブ84に作用し、切換バルブ84が開くと圧力源80からの圧力が、圧力設定してある負荷レギュレータ86→開いた切換バルブ→OR素子83を介してパイロットバルブ82に作用する。この結果パイロットバルブ82では、負荷レギュレータ86によって設定された圧力と同じ圧力を圧力源80から切換バルブ91を介してホイスト本体1内の圧力室Aに供給することになる。
【0047】
空気ホイストHでは前記圧力室Aに圧縮空気が導入されると、この圧力でピストン14が図16中左方に押され(図16中の上半分参照)、この時の推力でワイヤードラム12がボールネジ軸9の回りを回転しながらワイヤ5を巻き上げ、また、圧力室Aの圧縮空気を排出するとワイヤ5に作用している荷物の自重によりワイヤードラム12は逆転し、ピストン14を図中右方に移動する(図16中の下半分参照)。こうして、圧力室Aに圧縮空気を導入することにより、荷物を巻き上げ支持することができる。なおこうしたホイストの基本的構成は従来と同様である。
【0048】
この時、オイルシリンダユニットUS1、US2内のオイルシリンダピストン32は前記ピストン14とともに左方に移動して液室B1を縮小する。しかしオイルシリンダユニット内の液室B1内のオイルはポートP1→上昇飛び跳ね防止ユニットU3のオイルポート70を介して図17に示す上昇バルブユニットハウジング53内に流入し、さらにハウジング内に流入したオイルは開いている隙間S→弁ポート51を介して油槽50内に流入する。こうしてピストン14は抵抗を受けることなく左方に移動する。
また、オイルシリンダピストン31の前記左方への移動によりオイシリンダユニット内の大気室BB2は拡大するが、この時には、図示せぬポートより大気が流入するためホイスト本体1内のピストン14の動きには何等の支障はない。
【0049】
またホイスト本体1内のピストン14が右方に移動する時には、オイルシリンダユニット内の液室B1が拡大し、大気室BB2が縮小するが、上昇飛び跳ね防止ユニットでは上記と同様に不作動状態(弁ポート51が開いている状態)であり、また大気室BB2も大気に連通しているためホイスト本体1内のピストン14を抵抗なく下降させることができる。
なお、前記隙間Sは、上昇飛び跳ね防止ユニットU3の調整用押さえネジ58の突出量を変えることにより調整でき、この隙間Sによって上昇飛び跳ね防止ユニットの作動感度を変更できる。
以上のように、通常作動の時には、負荷レギュレータ86によって設定された空気圧と荷物とがバランスしているため、荷物に僅かな力を加えるだけで、簡単に荷物を上下に動かすことができる。また、上昇飛び跳ね防止ユニットは作動せず、なんらの抵抗も発生しないので、ホイスト本体1内のピストン14はスムーズに上下動を行うことができる。
【0050】
〔荷物落下時の飛び跳ね防止機構〕
上記操作中に誤って荷物がフック7から脱落した場合には、ホイスト本体1内のピストン14が図4中急激に左方に移動する。この時、オイルシリンダユニット内のオイルシリンダピストンも急激に左方に移動し液室B1内のオイルが一気に上昇バルブユニットハウジング53内に流入する。この時のオイル圧の高まりによって図19に示すように上昇飛び跳ね防止ユニット内の弁シート62が弁シート押さえバネ63の付勢力に抗して上昇し、弁ポート51を閉じる。この結果にオイルシリンダユニットの液室B1からのオイル流出が止められ、ホイスト本体1内のピストン14の移動が止められ、ワイヤの飛び跳ね現象が防止される。
【0051】
なお、上記各実施形態では、オイルシリンダユニットを空気ホイストに2本取り付けた例について説明したが、オイルシリンダユニットを1本あるいは3本以上複数本取り付けることが可能であり、その場合にはオイルシリンダユニットの本数に合わせてロック機構付き飛び跳ね防止装置あるいはロック機構の無い飛び跳ね防止装置を使用する。また、オイルシリンダユニットを複数本取り付けことは、空気ホイストH内のドラムの回転によるねじり作用がオイルシリンダユニットに働かないようにすることが可能である。さらに、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に述べた如く本発明によれば、ホイストによって荷物をバランスさせた状態で吊り上げている最中に、荷物が誤って吊り具から落下した場合でも、ロック機構付き飛び跳ね防止装置の作動によってワイヤが急激に上昇することを防止でき安全性の高いホイストを提供でき、また、荷物の重量オーバやエアー源が断たれたときやスイッチ等を誤操作した場合でも荷物が急激に下降することも防止できる。必要に応じてホイストの上下動を簡単にロックすることができ、荷役作業の効率化を図ることがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施形態としての空気ホイスト正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の空気ホイストの拡大正面図である。
【図4】図3に示す空気ホイストの水平断面図である。
【図5】図4中のa−a矢視図である。
【図6】図4中のb−b断面図である。
【図7】図5中のe−e断面図である。
【図8】図5中のf−f断面図である。
【図9】図4中のc−c断面図である。
【図10】空気ホイストの制御用空気回路ユニット図である。
【図11】図9の空気ホイストの飛び跳ね防止時のロック付き飛び跳ね防止装置の断面図である。
【図12】図9の空気ホイストのロック機構作動時のロック付き飛び跳ね防止装置の断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態としての空気ホイスト正面図である。
【図14】図13の側面図である。
【図15】図13の空気ホイストの拡大正面図である。
【図16】図15に示す空気ホイストの水平断面図である。
【図17】図16中のg−g断面図である。
【図18】空気ホイストの制御用空気回路ユニット図である。
【図19】図17の空気ホイストの飛び跳ね防止時の飛び跳ね防止装置の断面図である。
【符号の説明】
H 空気ホイスト
R ロック機構付き飛び跳ね防止装置(飛び跳ね防止装置)
Y 制御用空気回路ユニット
US1、US2 オイルシリンダユニット
U2 油貯ユニット
U3 上昇飛び跳ね防止ユニット
U4 下降落下防止ユニット
U5 上昇ロックユニット
U6 下降ロックユニット
1 空気ホイスト本体
2 走行ローラ
3 走行レール
5 ワイヤ
6 操作グリップ
7 ラッチ付きフック
8 空気シリンダハウジング
9 ボールネジ軸
10 空気シリンダ端板
11 ボールネジ支持板
12 ワイヤードラム
13 ボールネジナット
14 ピストン
18 空気導入口
30 オイルシリンダ
31 オイルシリンダピストン
32 オイルシリンダピストン軸
35 直動ベアリング
36 ガイドローラ支持ブラケット
38 ガイドローラ
39 ガイドレール
50 油槽
51 弁ポート
52 弁座
53 上昇用バルブユニットハウジング
56 飛び跳ね防止弁主軸
61 飛び跳ね防止用バネ
62 弁シート
66 ガイドスリーブ
67 ロックピストン軸
68 弁シート押し上げリンク
71 下降用ロックアクチュエータハウジング
72 ロックピストン
73 受けバネ
83 OR素子
84 切換バルブ
85 無負荷レギュレータ
86 負荷レギュレータ
87 トグルスイッチ
88 リミットスイッチ
89 ロックスイッチ
90 圧力計

Claims (8)

  1. 空気圧をシリンダ内に摺動自在に設けたピストンに作用させ、さらにボールネジと結合している巻き上げドラムを前記ピストンと一緒に移動させ、荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストにおいて、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダユニットはピストンにより第1液室、第2液室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記第1液室、第2液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記第1液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して、また前記第2液室は下降バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、前記ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する第1液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じ、ホイスト内のピストンの急激な移動を阻止するように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  2. 前記オイルシリンダユニットはホイストのピストンに対して少なくとも1以上設けたことを特徴とする請求項1に記載の飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  3. ホイスト内のピストンによって荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストであって、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダはピストンにより第1液室、第2液室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記第1液室、第2液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記第1液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して、また前記第2液室は下降バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、また、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニットは夫々にロック機構を備えており、ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する第1液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じてホイストユニット内のピストンの急激な移動を阻止するとともに、前記ロック機構作動時には、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニット内の各流路制御手段が流路を閉じるように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  4. 前記流路制御手段は、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニット内に設けた弁ポートを有する弁座と、前記弁座に対向して配置した弁シートとを備え、前記弁シートは、オイルシリンダユニット内の第1液室、第2液室の急激な液圧の上昇により、弁ポートを閉じるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の飛び跳ね防止装置。
  5. 前記流路制御手段は、前記上昇バルブユニットおよび下降バルブユニット内に弁ポートを有する弁座と、前記弁座に対向して配置した弁シートとを備え、前記弁シートは、ロック機構作動時には前記弁ポートを閉じ、オイルシリンダ内の第1液室、第2液室と油槽との連通を遮断するように構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  6. 空気圧をシリンダ内に摺動自在に設けたピストンに作用させ、さらにボールネジと結合している巻き上げドラムを前記ピストンと一緒に移動させ、荷物との平衡をとりながら荷役作業を行うことができるホイストにおいて、前記ホイストに隣接してオイルシリンダユニットを設け、前記オイルシリンダユニットはピストンにより液室および大気連通室に区画されており、前記オイルシリンダのピストンはホイスト内のピストンの動きにより前記液室の容積を拡大縮小可能に構成されており、前記液室は上昇バルブユニット内の流路制御手段を介して油槽と連通され、前記ホイストによって吊り下げている荷物が落下した時には、ホイスト内のピストンの動きに対応して発生する前記液室内の液圧によって上昇バルブユニット内の流路制御手段を閉じ、ホイスト内のピストンの急激な移動を阻止するように構成したことを特徴とする飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  7. 前記オイルシリンダユニットはホイストのピストンに対して1以上設けたことを特徴とする請求項6に記載の飛び跳ね防止装置を備えたホイスト。
  8. 前記流路制御手段は、前記上昇バルブユニット内に設けた弁ポートを有する弁座と、前記弁座に対向して配置した弁シートとを備え、前記弁シートは、オイルシリンダユニット内の液室の急激な液圧の上昇により、弁ポートを閉じるように構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の飛び跳ね防止装置。
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