JP3983718B2

JP3983718B2 - Organic waste water purification equipment

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Publication number: JP3983718B2
Application number: JP2003155208A
Authority: JP
Inventors: 聡田口
Original assignee: アイ・トリート有限会社
Priority date: 2002-05-31
Filing date: 2003-05-30
Publication date: 2007-09-26
Anticipated expiration: 2023-05-30
Also published as: JP2004050173A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機物性汚濁排水の浄化方法及びその浄化装置に関し、更に詳しくは、活性汚泥の発生を極力抑えた有機物性汚濁排水の浄化方法及びその浄化装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
家庭排水や産業排水、下水等には、汚濁物として種々の有機物（有機物性汚濁物）が含まれている（以下、家庭排水や産業排水、下水等をまとめて有機物性汚濁排水、又は単に排水という）。
そして、従来から、家庭排水等の浄化や処理には、微生物による生物処理を行うことが多く、特に都市部における下水処理等では、主として活性汚泥法が採用されている。
【０００３】
標準的な活性汚泥法では、まず、曝気槽でこうした有機物性汚濁排水を曝気し攪拌することで、排水中を浮遊する好気性細菌等の活動に必要な酸素を供給し有機物性汚濁物を捕食させて好気性細菌等を増殖させる（同化作用）。
また、同時に汚濁物の一部は、好気性細菌等の呼吸により二酸化炭素（ＣＯ_２）や水（Ｈ_２Ｏ）等に分解される（異化作用）。
【０００４】
また、この曝気によって、粘着性の好気性細菌が増殖して浮遊状のフロック（かたまり）を形成する。
そして、細菌等の増殖と並行して、フロックに付着した原生動物等（ワムシ、ラッパムシ等）に、更に排水中の汚濁物や浮遊性の細菌や菌類等を捕食させて、フロックをより大きく成長させる（以上、好気処理）。
【０００５】
次に、こうして大きく成長したフロックやＳＳ（浮遊物）等を含む排水を沈殿槽に移し、緩やかに流してフロックやＳＳ等を沈降させる（固液分離）。
そして、汚濁物を除去されてきれいになった上澄み液を更に消毒した後、河川等に放流するのである。
【０００６】
このように、上記活性汚泥法を含む一般的な排水浄化方法においては、主に好気性細菌や好気性菌類、原生動物（まとめて好気性微生物という）に排水中の有機物性汚濁物を捕食・分解させ沈殿させる。
そうすることにより、排水中から有機物を取り除いて〔即ち排水のＳＳやＢＯＤ（生物化学的酸素要求量）、ＣＯＤ（化学的酸素要求量）等を低減させて〕、排水を浄化する。
そして、その際、排水中の有機物性汚濁物は、上記のように、主に次の２系統の作用により排水中より除去される（図１４参照）。
【０００７】
▲１▼細菌や原生動物等の同化作用により、汚濁物等がこれらの微生物に転換され、微生物が増殖してフロックを形成し、更にそれを沈降させ固液分離することで水中から除去される。
この同化経路では、排水中の有機物性汚濁物は細菌や原生動物等に形を変え、未分解の汚濁物（ＳＳ等を含む）とともに沈降して活性汚泥となる。
【０００８】
▲２▼細菌や原生動物等の異化作用（生物酸化）により、汚濁物等が無機物に分解されて除去される（後述する脱窒菌による脱窒等を含む）。
この異化経路では、排水中の有機物性汚濁物は、例えば、好気性微生物の呼吸等により主にＣＯ_２等に形を変えて外気に放出される（Ｈ_２Ｏ等のように排水中に戻るものもある）。
【０００９】
上記の標準的な活性汚泥法では、生物酸化（異化経路）による有機物性汚濁物の分解の割合は、ＢＯＤ値にしてせいぜい１０〜４０％程度である。
つまり、大部分は同化経路をたどって細菌や菌類、原生動物等に転換され、未分解の汚濁物とともに沈降して活性汚泥となる。
そのため、通常、活性汚泥が大量に発生する。
【００１０】
この活性汚泥は、一部は曝気槽に戻されて好気処理に再利用されるものもあるが、大半は余剰汚泥として沈殿、濃縮、脱水の工程を経て、処理場から脱水ケーキ（産業廃棄物）として排出される。
この余剰汚泥は、例えば、肥料として再利用することも考えられるが、すべてを肥料にするのは明らかに供給過剰であり限界がある。
また、余剰汚泥を海洋に投棄することもできない。
【００１１】
そのため、現状では、余剰汚泥のほとんどが焼却されて埋め立てられているが、廃棄・焼却等の処分に大きな費用を必要とする。
その上、最終処分地として新たに埋立地を建設しようとしても、環境が悪化する等の理由で周辺地域住民の反発を招き易く、用地の確保が難しい。
【００１２】
こうした事態を打開するには、活性汚泥の発生をできる限り少なくすることができる排水処理方法の開発が必要となる。
即ち、排水中の有機物性汚濁物を、微生物の同化作用による活性汚泥の形ではなく、異化作用（生物酸化）によりできるだけ多くＣＯ_２等の形に分解して外気に放出することが求められる。
【００１３】
そこで、好気性細菌等の異化作用をより活発にすることを目的として、種々の排水浄化方法が提案されている。
例えば、生物膜法（付着固定化法）は、接触材や担体を曝気槽に投入し、その表面等に生物膜を形成して（即ち微生物を付着固定させて）微生物濃度を高くすることで、処理効率や処理量を大幅に向上させようとするものである。
しかし、異化作用によるＣＯ_２への分解の割合も増えるが、同時に同化作用も活発になり、結果的に活性汚泥の大量発生につながるケースが多い。
【００１４】
また、近年、特に浄化槽や河川浄化の分野において、好気処理と嫌気性細菌等による浄化とを併用させた浄化方法の開発が盛んに行われている。
嫌気性細菌を含む嫌気性微生物の異化作用により、有機物性汚濁物は可溶性の低分子化合物（例えばアミノ酸や有機酸等）に分解される。
【００１５】
嫌気処理と好気処理とを併用する方法としては、例えば、処理槽を２つの槽に分け、第１槽内を嫌気状態にして嫌気性微生物による分解を行った後、その排水を第２槽の曝気槽に移して好気処理を行ういわゆる２槽式浄化槽による浄化法がある。
また、処理槽や河川に小石や砂利等（いわゆる礫）を敷き詰め、水が滞留する礫間部分の礫の表面に嫌気性微生物の生物膜を形成して嫌気分解を行わせる礫間接触酸化法もある。
【００１６】
後者の礫間接触酸化法等に用いる担体の改良も進んでおり、例えば、球状担体に中空部を設け外部と微孔で連結させたもの（特許文献１参照）や、数ｃｍ径の砕石をセメント等で接合して略球形状にした分離材（特許文献２参照）等が提案されている。
これらは、好気性微生物と嫌気性微生物との棲み分けを行い、それぞれの分解特性を生かして排水中の汚濁物を分解しようとするものである。
【００１７】
しかし、一般に、嫌気性細菌の分解速度は、好気性細菌の分解速度と比較して１０〜１００分の１程度と遅い。
そのため、上記のように処理槽を２槽に分けた場合は、一般に、嫌気性微生物による汚濁物の分解が不十分なまま排水が好気処理槽に移されてしまい、嫌気性微生物による分解は必ずしも期待されるほどの効果が得られないことが多い。
【００１８】
また、嫌気処理により低分子化した汚濁物は、好気性微生物に取り込まれ易くなり、結果的に、好気性微生物の同化作用により、活性汚泥が大量に発生してしまう（図１５参照）。
そのため、２槽式の浄化槽では活性汚泥の除去が頻繁に必要になる。
【００１９】
一方、礫間接触酸化法（例えば特許文献３等参照）の場合は、敷き詰めた礫の体積の分だけ処理槽の容積が減り、処理できる水量が少なくなるが、そこに活性汚泥が大量に発生するため、礫の間に活性汚泥が詰まる。
そのため、処理槽への排水の流入を一旦止めて礫等の洗浄が必要となる。
このように、従来の浄化方法又は浄化装置では、活性汚泥の大量発生を抑えることができず、上記のような種々の問題を抱えていた。
【００２０】
ところで、本来、好気性細菌の異化作用による生物酸化は、馴致期間が短時間で済み、反応の接触面積を大きくとることができるので、反応速度が原生動物等の反応速度に比べて遥かに大きいという利点を有する。
しかし、微生物は、それと同時に、その異化作用により得られたエネルギーをもとにして同化作用を行い、汚濁物（有機物）を取り込んで増殖してしまう。
つまり、異化作用と同化作用とは微生物内で並行して生じるのである。
【００２１】
従来の浄化方法においては、仮に微生物の異化作用の促進を意図したものであっても、それと同時に起きる同化作用による微生物の増殖を放置していた。
そのため、必然的に、活性汚泥の大量発生という問題が発生してしまった。
【００２２】
今後の浄化方法の開発においては、先述したように、如何にして排水の浄化効率を低下させることなく活性汚泥の発生を抑えるかという点がキーポイントになる。
つまり、従来活性汚泥として除去されていた排水中の汚濁物を、如何にしてＣＯ_２等の形にして除去するかということが重要となる。
【００２３】
また、嫌気性細菌を含む嫌気性微生物は、有機物を異化作用により低分子化合物に分解し、不溶性の（又は難溶性や固形の）有機物を可溶化させ液状化させるという特有の分解特性を有する。
しかし、従来の浄化方法においては、図１５に示したように、排水中の汚濁物を分解して好気性細菌に供給し、好気性細菌の異化・同化作用の補助をするだけの役割しか果たしていなかった。
今後の浄化方法の開発においては、こうした嫌気性微生物の分解特性をよりよく生かす工夫も必要となろう。
【００２４】
【特許文献１】
特許第２５５９５９２号公報
【特許文献２】
特公平８−１７９０１号公報
【特許文献３】
特許第３１７７４３２号公報
【００２５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を背景に、上記の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、有機物性汚濁排水を微生物による生物処理で浄化する浄化方法及び浄化装置において、活性汚泥の発生を極力抑えた有機物性汚濁排水の浄化方法及びその浄化装置を提供することである。
また、有機物性汚濁排水中の汚濁物（有機物）をＣＯ_２やＮ_２の形に効率よく変換して除去することができる浄化方法及び浄化装置を提供することである。
【００２６】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、有機物性汚濁排水を取り込んだ好気性微生物よりなるフロックを集合させて大きなフロックにした後、酸素を供給せずにそのまま放置すると、フロックの内部の溶存酸素が好気性細菌等によって消耗されてフロック内が嫌気状態となり、好気性細菌等が死滅することを見出した。
更に、嫌気状態となったフロック内では、嫌気性微生物により、好気性微生物の死骸が分解されて可溶化し再び排水中に溶解することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【００３１】
即ち、本発明は、（１）、有機物性汚濁排水の流入部、流出部、及び浄化域を有する処理槽を備えた有機物性汚濁排水の浄化装置において、前記処理槽内には間隔を置いて複数の好気処理及び嫌気処理可能な多通路体を配置し、該多通路体間に、処理槽底部に配設した曝気用の散気管を有する曝気領域を備えた有機物性汚濁排水の浄化装置であって、前記多通路体は、通路が多数形成された構造体とし、該通路を前記流入部から流出部に向けて曝気領域に開口するように配置してなり、流入した有機物性汚濁排水を曝気領域において好気処理してフロックを形成し、該フロックを前記通路内に付着させると共に、該通路内での引き続く好気処理により形成されるフロックをも付着集合させて該通路を塞ぎ、その状態に放置することにより該通路中で該フロック内を嫌気処理し、該フロックを可溶化して下流側の曝気領域へ移動させる有機物性汚濁排水の浄化装置に存する。
【００３２】
そしてまた、（２）、前記多通路体は、ハニカム構造又は格子状構造を有する構造体であることを特徴とする、上記（１）記載の有機物性汚濁排水の浄化装置に存する。
【００３３】
そしてまた、（３）、前記多通路体の間に攪拌調整材を備えた上記（１）記載の有機物性汚濁排水の浄化装置に存する。
そしてまた、（４）、前記処理槽を隔離壁により上下に分け、有機物性汚濁排水を隔離壁の上下で往復させるようにした上記（１）記載の有機物性汚濁排水の浄化装置に存する。
そしてまた、（５）、前記処理槽を平面的に並設し、有機物性汚濁排水を往復させるようにした上記（１）記載の有機物性汚濁排水の浄化装置に存する。
【００３４】
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記１から５の中から選ばれた２つ以上を組み合わせた構成も採用可能である。
【００３５】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の有機物性汚濁排水の浄化方法及びその浄化装置について述べる。
まず、有機物性汚濁排水の浄化方法について述べる。
【００３６】
本発明では、曝気により有機物性汚濁排水を好気状態にして、該排水に含まれる有機物性汚濁物を好気性微生物に取り込ませて増殖させ、フロックを形成させて、これを積極的に集合させた後、該集合したフロックを放置することにより嫌気状態にして該好気性微生物を死滅させる。
【００３７】
この過程の中で、好気性微生物や嫌気性微生物は、先述した標準的な活性汚泥法と同様に、改めて排水に添加するのではなく、排水中に存在するものをそのまま用いる。
そして、フロックの形成までは、標準的な活性汚泥法と同様に説明される。
また、この際、先述したように、好気性微生物が同化作用により増殖すると同時に、有機物性汚濁物がＣＯ_２等に分解される異化作用も起きており、ＣＯ_２は気体となって外気に放出され排水中から除去される。
【００３８】
本発明では、このフロックを積極的に集合させることに特色を有する。
このようにフロックを集合させて酸素を供給せずに放置すると、フロック内部の溶存酸素が好気性微生物によって消耗されてフロック内が嫌気状態（酸欠状態）になり、好気性微生物が自然に死滅するのである（図１参照）。
【００３９】
ここで、フロックを集合させる方法について、より具体的に述べる。
フロックを積極的に集合させるには、貫通した中空部を有する通路体を排水中に沈めればよい。
そうすれば、フロックが通路体内の中空部に蓄積され、上記の過程によりフロック内が嫌気状態となるのである。
【００４０】
図２〜図６は、この方法の原理を概略的に説明する図である。
ここでは、有機物性汚濁排水Ｄ１が図の左方から流入し、通路体Ｂの中空部ｂを通過して、図の右方へ（即ち排水Ｄ２へ）流出する。
【００４１】
領域Ｒ１では曝気による好気処理が行われており、排水Ｄ１に含まれる粘着性の好気性細菌等によりフロックＦが形成される。
そして、フロックＦがゆっくりと右方に流され、通路体Ｂの中空部ｂの壁面に付着する（図２参照）。
【００４２】
中空部ｂの壁面に付着したフロックＦは、壁面上で更に成長し、またその粘着性により、同様に排水Ｄ１中に形成された他のフロックＦ１や壁面に付着した他のフロックＦ２と結び付く（図３参照）。
このようにして、本発明においては、フロックＦ（及びＦ１、Ｆ２）を効率よく集合させるのである。
【００４３】
集合したフロックＦは、やがて中空部ｂを塞ぐ状態になる（図４参照）。
このように中空部ｂを塞ぐ状態にまで成長したフロックＦの内部には、もともとのフロックＦやＦ１、Ｆ２を形成していた好気性微生物が内包されており、その好気性微生物がフロックＦの内部の溶存酸素を吸収し続ける。
【００４４】
このとき、領域Ｒ１での曝気により排水Ｄ１中には溶存酸素が豊富に存在するが、フロックＦとの接触面Ｓの面積はさほど大きくなく、排水Ｄ１の溶存酸素はフロックＦにはほとんど移行しない（同様に、排水Ｄ２からの酸素の移行も無視できる）。
そのため、フロックＦをその状態のまま放置すると、フロックＦの内部の好気性微生物がその溶存酸素を消耗してしまうため、フロックＦの内部が嫌気状態となり、フロック中の好気性微生物は死滅するのである。
【００４５】
因みに、図２〜図４において、フロックＦ（又はフロックＦ１、Ｆ２）は好気雰囲気中にあり、同化作用による増殖・フロックの成長と同時並行的に異化作用によるＣＯ_２等への分解が生じていることは言うまでもない（図２〜図４中のＣＯ_２参照）。
【００４６】
一方、嫌気状態となり好気性微生物が死滅したフロックＦの内部では、嫌気性細菌等の微生物により、残存する有機物性汚濁物とともに好気性微生物の死骸がアミノ酸や単糖類等の溶解性の低分子化合物に分解される（図５参照）。
そして、フロックＦは可溶化しまた液状化して、領域Ｒ１の排水の流入圧により中空部ｂを図でいう右方へ移動する。
【００４７】
そして、可溶化したフロックＦは、領域Ｒ２の排水Ｄ２中に容易に分散・溶解し、排水中に上記低分子化合物を放出するのである（図６参照）。
尚、領域Ｒ２の排水Ｄ２に対しても曝気による好気処理が行われるため、気泡（空気）の上昇に伴う攪拌作用で、可溶化したフロックＦはより容易に分散・溶解する。
【００４８】
参考までに付言すると、礫間接触酸化法等の従来の浄化方法では、礫間等に棲息する嫌気性微生物が排水中の汚濁物のみを分解していたが、本発明における嫌気性微生物は、死滅した好気性微生物の死骸をも低分子化して除去するという積極的な役割を果たしている。
【００４９】
更に、この浄化方法では、好気状態と嫌気状態とが連続して現れるため、汚濁物中の窒素成分の分解も有効に行われる利点もある。
つまり、汚濁物の分解生成物をもとに好気条件下（曝気排水中）で排水中の硝化菌が硝化作用を行い、続いて嫌気条件下（フロック内）で、硝化菌が合成した二酸化窒素（ＮＯ_２）等をもとにして脱窒菌が脱窒を行うことができる。
【００５０】
そのため、汚濁物中の窒素分が最終的に気体状の窒素（Ｎ_２）の形にまで分解され、外気に放出されて排水中から効果的に除去されるのである。
尚、図５で示したＮ_２は上記の窒素を示し、ＣＯ_２は嫌気性微生物の分解反応におけるＣＯ_２の発生を示している。
【００５１】
さて、図２又は図３の状態では、領域Ｒ１の排水Ｄ１は中空部ｂを通過して領域Ｒ２に移動しうる。
従って、排水Ｄ２中には、フロックＦが溶解して溶け出した低分子化合物のほか、領域Ｒ１から移動してきた好気性微生物や有機物性汚濁物が存在する。
【００５２】
そのため、排水Ｄ２を曝気すれば、好気性微生物が低分子化合物や有機物性汚濁物を取り込んで、再び異化・同化作用を起こし増殖してフロックを形成したりＣＯ_２に分解したりする。
従って、例えば、領域Ｒ２の下流に更に複数の通路体Ｂ及び曝気領域を形成することにより、上記過程が効率良く繰り返されることになる（浄化サイクル）。
【００５３】
図７は、この浄化サイクルを説明する図である。
このように、この浄化サイクルでは、曝気による好気性微生物の増殖→フロック成長→死滅→低分子化合物への分解→曝気による好気性微生物の増殖→…という過程が繰り返される。
【００５４】
この浄化サイクルでは、好気性微生物が増殖しても死滅させられ可溶性の低分子化合物に分解されるため、活性汚泥の発生を抑えることができる。
また、この浄化サイクルが循環するたびに、排水中の有機物性汚濁物の一部がＣＯ_２やＮ_２の形に分解される。
そのため、この浄化サイクルは、最終的に非常に高い変換効率で排水中の有機物性汚濁物をＣＯ_２やＮ_２の形に変換して除去することが可能となるのである。
【００５５】
さて、次に、上述してきた有機物性汚濁排水の浄化方法を用いた本発明の浄化装置について述べる。
先述したように、図２等の領域Ｒ２の下流に、更に複数の通路体及び曝気領域を設けることにより上記の浄化サイクルが形成される。
【００５６】
図８は、このような浄化サイクルを実現し得る浄化装置の構成例を説明する図である。
また、図９は、この浄化装置で用いられる通路体の具体例を示す図であり、ここではそれがハニカム構造を有する構造体である場合を示す。
【００５７】
このように、浄化装置Ａにおいては、通路体として複数の通路ｍ（上記の通路体Ｂの中空部ｂに相当する）を備えた多通路体Ｍとすると、排水の浄化をより効率的に行うことができる。
つまり、本発明の浄化装置Ａは、有機物性汚濁排水Ｄの流入部Ｉ、流出部Ｏ、及び浄化域Lを有する処理槽Ｔを備え、処理層内には複数の間隔を置いて多通路体Ｍを配置し、該多通路体間の処理槽底部には曝気用の散気管Ｐが配設されてなる。
【００５８】
散気管Ｐには、管内から排水中に空気を吐出するための孔が多数形成されており、そこから適宜空気が吐出され、その上方の曝気領域Ｒの排水Ｄに酸素を供給する。
また、図９に例示するように、多通路体Ｍは通路ｍが多数形成されただけの構造体であるため、曝気の気泡は通路ｍに自由に入り込み、また、曝気され酸素が豊富に溶存する排水Ｄが通路ｍを自由に通り抜けられる。
つまり、浄化装置Ａ内の排水Ｄは、曝気により全体的に好気状態になる。
【００５９】
しかし、この多通路体Ｍの通路ｍの中では、図２〜図６に示した過程でフロックが集合して通路ｍを塞ぎ、そのフロックの部分だけが局所的に嫌気状態となる。
そして、それを放置しておけば、フロック中の好気性微生物が自然に死滅し、嫌気性微生物がその死骸を分解して低分子化し、フロックを可溶性にする。
可溶化したフロックは排水Ｄから圧力を受け多通路体Ｍの通路ｍを下流へ移動し、その多通路体Ｍのすぐ下流の曝気領域Ｒの排水Ｄに分散・溶解し、排水中に低分子化合物を放出する。
【００６０】
そして、その曝気領域Ｒでは、フロックが溶解して溶け出した低分子化合物や多通路体Ｍの中の他の通路ｍを通過してきた有機物性汚濁物を材料にして、好気性微生物が再び異化・同化作用を起こし増殖してフロックを形成したり、ＣＯ_２に分解したりする。
このようにして、浄化域Ｌに多通路体Ｍを間隔を置いて複数個配設することにより、それぞれの多通路体Ｍで図２等に示した分解過程を生じさせることが可能となり、上記浄化サイクルを実現することができるのである。
【００６１】
つまり、本発明によれば、好気状態の排水中に多通路体（又は通路体）を配設するだけで、フロックFを集合させて嫌気状態を作り出すことが可能となる。
そして、好気性微生物の増殖（即ち活性汚泥の発生）を抑えつつ、汚濁物をＣＯ_２やＮ_２の形にして排水中から除去することができるのである。
【００６２】
参考までに付言すると、本発明の浄化装置においては、多通路体の通路に局所的な一過性の嫌気状態を形成する点で、嫌気性微生物を一定の場所に付着固定して棲息させる従来の礫間接触酸化法や生物膜法と、その技術的思想を異にする。また、例えば、礫間接触酸化法のように装置内に礫を敷き詰めると、装置の処理量が大幅に損なわれるが、本発明の浄化装置によれば、多通路体の通路を形成する壁を薄いものにすることにより、十分な処理量を確保することができる。
【００６３】
そのため、図９においては、多通路体Ｍの具体例としてハニカム構造を有する構造体である場合を示したが、その他にも、例えば、後述する実施例において用いる格子状構造を有する構造体（後述する図１２参照）等の形態でも、通路ｍの内部でフロックが嫌気状態を形成し得る限り、当然その機能を有効に発揮し得る。
【００６４】
ところで、実際的な問題として、有機物性汚濁排水Ｄの性状（排水Ｄ中に含まれる有機物や無機物の種類等）によっては浄化装置Ａ（図８参照）の散気管Ｐから比較的大量の空気を吐出しなければならない場合がある。
そのような場合には、曝気領域Ｒにおける排水Ｄの攪拌作用が激しくなり、排水Ｄ中を浮上する空気の泡が多通路体Ｍの通路ｍに絶えず侵入して通過する状態となるため、通路ｍ内でのフロックの集合が阻害される可能性がある。
【００６５】
そうした場合には、多通路体Ｍの間に曝気領域Ｒに、曝気による攪拌作用を適度に抑えるための攪拌調整材を備えるのが好ましい。
攪拌調整材としては、例えば、網状体や板状体、翼片状のもの等が挙げられ、適宜曝気領域Ｒに配置される。
また、曝気領域Ｒにこうした攪拌調整材を配置すると、曝気された空気の排水Ｄ中の通過時間が長くなって酸素（Ｏ_２）の排水Ｄへの溶解効率が上昇するとともに、攪拌調整材が好気性微生物の担体となるため好気性微生物による有機物の分解作用が促進されるという利点もある。
【００６６】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施の形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、浄化装置の処理能力を上げるために、図１０に示すように浄化槽Ｔを隔離壁Ｗにより上下に分け、排水Ｄを隔離壁Ｗの上下で往復させるようにすることも当然可能である。
【００６７】
また、後述する図１１に示すように、浄化層Ｔを平面的に並設して往復するようにすることも当然可能である。
更に、曝気に使用される気体は、空気に限らず、酸素を含むものであれば、特に調整した気体を使用することも当然可能である。
【００６８】
【実施例】
以下、実施例について述べる。
本発明は、これらの実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【００６９】
〔実験条件〕
実験は、図１１に示すような実験設備にて行った。
浄化対象である有機物性汚濁排水は、化学工場１の総合排水（以下、原水という場合がある）を用い、化学工場１から既設の水処理施設２に送る途中で一時的に貯留するための調整槽３から採取した。
【００７０】
そして、原水を調整槽３から分配槽４に送り、更に流量調整槽５１及び５２に分配して、この流量調整槽５１及び５２から本発明の浄化装置Ａ（実施例）及び従来の浄化装置ａ（比較例）にそれぞれ送った。
本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａは、それぞれ浄化槽を平面上で折り返す構造とし、原水を往復させて浄化処理した。
【００７１】
本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａにより浄化し排出した処理水を、一旦、処理水観察槽６１及び６２に貯留した後、調整槽３に戻した。
尚、調整槽３に流入・流出する原水の排水量は１日当たり数千ｍ^３であり、本実験で浄化処理される処理水の総量（実施例と比較例の処理水の合計）は９．５ｍ^３／日であるので、処理水を調整槽３へ戻すことによる原水の性状変化は無視できる。
【００７２】
本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａの原水及び処理水の流下距離は、後述する多通路体（実施例）や塊状浄化材（比較例）を配置して実際に浄化を行う浄化域の距離がともに１５ｍ（往路及び復路はそれぞれ７．５ｍ）になるように設計した。
本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａには、往路と復路の間の折り返し位置に、多通路体や塊状浄化材を配置しない中間部Ａ２及び中間部ａ２をそれぞれ設けた。
【００７３】
本発明の浄化装置Ａ（実施例）では、図８に示したように、複数の多通路体Ｍを間隔を置いて配置し、多通路体Ｍ間の曝気領域Ｒで散気管Ｐから空気を吐出させた。
また、各曝気領域Ｒに、先述した翼片状の攪拌調整材を適宜配設した。
尚、本実験においては、多通路体Ｍは、図１２に示すような格子状構造を有する構造体を用いた。
【００７４】
従来の浄化装置ａ（比較例）では、上記特許文献３に記載された塊状浄化材ｎ、即ち、小径骨材を複数個セメント等で接着して径約７〜１５ｃｍの略球形に形成した塊状浄化材ｎを、浄化槽に充填した。
また、塊状浄化材ｎの下方に散気管を配置し、散気管から空気を吐出させた。
【００７５】
先述したように、本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａの原水及び処理水の流下距離は、浄化域の距離がともに１５ｍ（往路及び復路はそれぞれ７．５ｍ）とした。
また、本発明の浄化装置Ａ内及び従来の浄化装置ａ内を流下する原水の流量を調整して、装置内での原水（処理水）の滞留時間が、各浄化装置でともに３５時間（往路及び復路はそれぞれ１７．５時間ずつ）となるようにした。
尚、各浄化装置の構造上、浄化装置の浄化域の容積は、本発明の浄化装置Ａでは６．５ｍ^３、従来の浄化装置ａでは７．５ｍ^３であった。
【００７６】
本実験に入る前に、本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａのそれぞれに約３週間原水を通水して馴らし運転を行い、各浄化装置についてそれぞれ最大の浄化効率を発揮し得る条件を見出した。
具体的には、両浄化装置における曝気量の最適化や本発明の浄化装置Ａにおける攪拌調整材の使用の有無（結局、翼片状のものを用いた）等の処理条件の設定を行った。
【００７７】
因みに、この最適化の調整の中で、本発明の浄化装置Ａは、従来の浄化装置ａの３分の２の曝気量で、以下に示すように従来の浄化装置ａよりも優れた浄化効率を発揮することが分かった。
具体的には、従来の浄化装置ａでは、曝気量が７．２ｍ^３／ｍ^２ｈ必要であるのに対し、本発明の浄化装置Ａでは４．８ｍ^３／ｍ^２ｈで十分であった。
尚、以下の実験においても曝気風量はこの条件のまま（即ち、浄化装置Ａでは４．８ｍ^３／ｍ^２ｈ、浄化装置ａでは７．２ｍ^３／ｍ^２ｈ）で実験を行った。
【００７８】
〔実験〕
実験は、以上のような実験条件の下で、上記馴らし運転の後、途中２２日間の停止期間をはさんで実稼動１２０日間、原水を両浄化装置Ａ及びａに連続的に通水した。
尚、停止期間の２２日間は、実稼動の１２０日間には含まれない。
【００７９】
〔第１の実験・水質分析〕
第１の実験では、原水から汚濁物がどの程度除去されたかを調べるため、本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａでそれぞれ処理水（及び原水）の水質分析を行い比較した。
原水の採取は、流量調整槽５１（実施例）及び流量調整槽５２（比較例）で行い、処理水の採取は、浄化装置Ａの中間部Ａ２及び流出部Ａ３、及び浄化装置ａの中間部ａ２及び流出部ａ３で行った。
【００８０】
分析項目は、通常の水質検査で測定されるものを選んだ。
具体的には、主にＳＳ（固形浮遊物）、ＢＯＤ（生物化学的酸素要求量）、ＣＯＤ（化学的酸素要求量）、Ｔ−Ｎ（全窒素量）、Ｔ−Ｐ（全リン量）、ｎ−Ｈｅｘ（油脂分）について分析した。
【００８１】
また、上記のそれぞれの採取位置で、通水開始から約１カ月後（上記停止期間前）に１７．５時間ごとに５回データを採取し、通水開始から約４カ月後（上記停止期間後）に３５時間ごとに６回データを採取し、上記各分析項目について、それぞれ濃度（単位はｍｇ／リットル）を測定した。
更に、各分析項目について全１１回の濃度データの平均値を計算し、下記の計算式に基づいて除去率を計算した。
（計算式）〔（原水中の濃度）−（採取位置での濃度）〕／（原水中の濃度）×１００％
測定結果及び計算結果を表１に示す。
【００８２】
【表１】

【００８３】
〔第２の実験・残留ＳＳ量の計量〕
上記第１の実験において、原水や処理水中からＳＳ等が効率よく除去されるといっても、好気性微生物がＳＳ等を取り込んで増殖し、活性汚泥となって装置内に残留したのでは、活性汚泥の発生を極力抑えるという本発明の本来の目的を達成できない。
そこで、第２の実験では、従来の浄化装置ａ（比較例）と比較して、本発明の浄化装置Ａ（実施例）が有機物性汚濁排水（原水）中の汚濁物（有機物）をＣＯ_２やＮ_２の形に効率よく変換し、活性汚泥の発生をより少量に抑えることができるかどうかを調べる実験を行った。
【００８４】
しかし、ＣＯ_２は比較的水に溶解し易く、Ｎ_２は曝気中にも大量に含まれる等の理由で、直接測定するのは困難である。
そのため、第２の実験では、活性汚泥の発生につながる浄化装置内の残留ＳＳ量を測定することにより本発明の浄化装置Ａと従来の浄化装置ａを比較した。
【００８５】
この第２の実験では、各浄化装置への通水の終了時（１２０日目）に、本発明の浄化装置Ａの往路及び復路からそれぞれ多通路体及び攪拌調整材を、及び従来の浄化装置ａの往路及び復路からそれぞれ塊状浄化材をそれぞれ取り出して、残留ＳＳの量を調べた（以下、多通路体、攪拌調整材、及び塊状浄化材を、まとめて接触材という場合がある）。
図１３は、それぞれの浄化装置における接触材の取り出し位置を示す概略図であり、（Ａ）は本発明の浄化装置における平面図、（Ｂ）はその縦断面図、（Ｃ）は従来の浄化装置における平面図、（Ｄ）はその縦断面図を示す。
【００８６】
接触材は、本発明の浄化装置Ａ及び従来の浄化装置ａの往路及び復路のそれぞれほぼ中央付近から１カ所ずつ採取した。
本発明の浄化装置Ａにおいては、多通路体Ｍの通路ｍに残留している液状物（フロック等）及び通路ｍや攪拌調整材の表面に付着している付着物（ＳＳや粘着性微生物等）の重量を測定し、更に多通路体Ｍ等を取り出した部分に残留する原水（処理水）の残留ＳＳ濃度を測定した。
【００８７】
そして、往路から採取した接触材におけるデータを往路全体（７．５ｍ）の場合に換算し、復路から採取した接触材におけるデータを復路全体（７．５ｍ）の場合に換算した。
このようにして得られた残留ＳＳ量（単位はｋｇ）及び浄化装置Ａの単位容積当たりの残留ＳＳ量（単位はｋｇ／ｍ^３）を表２に示す。
【００８８】
【表２】

【００８９】
また、従来の浄化装置ａでも、本発明の浄化装置Ａと同様に、小径骨材を複数個接着して形成した塊状浄化材ｎの内部に溜まった液状物（フロック等）及びその表面や内部に付着している付着物（ＳＳや粘着性微生物等）の重量を測定し、残留する原水（処理水）の残留ＳＳ濃度を測定し、単位容積当たりの残留ＳＳ量（単位はｋｇ／ｍ^３）を計算した。
その結果を表３に示す。
【００９０】
【表３】

【００９１】
尚、本発明の浄化装置Ａでは多通路体Ｍ及び攪拌調整材を装置から引き抜き、従来の浄化装置ａでは塊状浄化材ｎを図１３（Ｄ）に示すように、断面楔形状に掘り出した。
その際、従来の浄化装置ａの塊状浄化材ｎには、上下方向にわたってその表面や内部にほぼ均等にＳＳが付着しており、またその内部に溜まった液状物も上下方向で量的にムラなくほぼ均等に溜まっていたため、本発明のように断面矩形状に掘り出さずに、断面楔形状に掘り出してもその結果に影響はない。
【００９２】
〔評価〕
表１に示した第１の実験の結果から、本発明の浄化装置Ａでは、ＳＳ（固形浮遊物）及びＣＯＤ（化学的酸素要求量）の測定濃度（特に流出部における測定濃度）が従来の浄化装置ａの測定濃度より大幅に小さくなっている（即ち除去率が大幅に良くなっている）ことが分かる。
また、本発明の浄化装置Ａは、ＢＯＤ（生物化学的酸素要求量）及びＴ−Ｎ（全窒素量）の濃度においても僅かに従来の浄化装置ａより成績がよい。
【００９３】
一方、第２の実験の結果を比較すると（表２及び表３参照）、本発明の浄化装置Ａでは、従来の浄化装置ａより、接触材に付着し或いはその内部に溜まったフロック等の量が少なくなっていることが分かる。
これは、本発明の浄化装置Ａでは従来の浄化装置ａより活性汚泥の発生量が少なく抑えることができることを明確に示している。
【００９４】
さて、通常、ＢＯＤの除去率は主に好気性微生物による汚濁物の分解能力を表し、ＣＯＤの除去率は主に好気性微生物と嫌気性微生物による分解能力を表すとされていることを考慮すると、上記の結果から次のようなことが分かる。
第一に、第１の実験においてＳＳの濃度が大幅に減少しているということ及びＢＯＤが８０％以上除去されていることから、本発明の浄化装置Ａでは、水中で形成された浮遊状の好気性微生物のフロックや、曝気領域に配置された攪拌調整材の表面上で形成されたフロックの同化作用や異化作用が効率的に機能していることが分かる。
【００９５】
また、多通路体Ｍの通路ｍを閉塞するように集合したフロック内で、好気性微生物が溶存酸素を使ってフロック中に取り込まれたＳＳを取り込み或いは分解する作用も有効に機能している。
そのため、原水中の固形浮遊物（ＳＳ）が、同化作用により微生物に取り込まれ（それにより微生物が増殖する）或いは異化作用によりＣＯ_２等に分解されて原水中から除去されるのである。
【００９６】
第二に、第１の実験においてＣＯＤが６０％近く除去されていることから（従来の浄化装置ａでの除去率は４２％）、本発明の浄化装置Ａではフロックの集合によりフロック内に嫌気状態が有効に形成され、嫌気性微生物による分解も効果的に機能していることが分かる。
【００９７】
原水（化学工場の総合排水）の性状調査によれば、この原水は、活性炭が固形浮遊物（ＳＳ）に多く含まれ、有機物の成分は主にアルギン酸であり、更に臭化物イオン（Ｂｒ⁻）が多く含まれるという特徴を有している。
このように、この実験に用いた原水は、微生物の生育や微生物による生物分解が比較的困難な排水であるといえる。
【００９８】
しかし、本実験は、本発明の浄化装置Ａが、このような厳しい原水条件の下でも、多通路体Ｍの通路ｍ内でフロックを有効に集合させて嫌気状態を形成し嫌気性微生物の分解作用を有効に機能させ得るものであることを示している。
より微生物の生育に適した条件の原水の浄化においては、更に効率的に原水を浄化し得るものであることは、容易に理解できるであろう。
【００９９】
第三に、上記の第１の実験の結果を見ただけでは、原水中からのＳＳの効率的な除去の原因が、主に、好気性微生物の同化作用（即ち好気性微生物の増殖）によるものであるか、或いは異化作用（即ちＣＯ_２等への分解）によるものであるかは判明しない。
また、第２の実験の結果（表２及び表３参照）を比較すると、本発明の浄化装置Ａでは、従来の浄化装置ａより残留ＳＳ量が少なくなっている。
【０１００】
しかし、その一方で、本発明の浄化装置Ａにおいても、特に往路の多通路体Ｍの通路ｍでは、比較的多量の液状物（フロック等）が発生している（１１．４ｋｇ）。
これらのことと上記第一及び第二の考察から総合すると、本発明の浄化装置Ａが原水からＳＳやＢＯＤ、ＣＯＤ等を高い除去率で除去できるのは、先述したように、曝気による好気性微生物の増殖→フロック成長→多通路体の通路内への集合→死滅→嫌気性微生物による低分子化合物への分解→原水への溶解→曝気による好気性微生物の増殖→…という浄化サイクルが効率よく繰り返され、結果的に好気性微生物や嫌気性微生物による異化作用により原水中の有機物がＣＯ_２やＮ_２に効果的に分解されるからであると考えられる。
【０１０１】
【発明の効果】
本発明によれば、フロックを嫌気状態にすることにより増殖した好気性微生物を死滅させることで、活性汚泥の発生を極力抑えることができる。
また、浄化サイクルを形成することで、家庭排水等に含まれる有機物性汚濁物を効果的にＣＯ_２やＮ_２の形に効率よく変換して排水中から除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の有機物性汚濁排水の浄化方法の原理を説明する図である。
【図２】図２は、フロックを集合させる原理を概略的に説明する図である。
【図３】図３は、フロックを集合させる原理を概略的に説明する図である。
【図４】図４は、フロックを集合させる原理を概略的に説明する図である。
【図５】図５は、フロックが嫌気状態となり低分子化合物に分解された状態を概略的に説明する図である。
【図６】図６は、可溶化したフロックが排水中に分散・溶解する状態を概略的に説明する図である。
【図７】図７は、本発明における浄化サイクルを説明する図である。
【図８】図８は、浄化サイクルを形成しうる浄化装置の構成例の概要を説明する図である。
【図９】図９は、本発明の浄化装置で用いられる多通路体の具体例を示す図である。
【図１０】図１０は、浄化槽を隔離壁により上下に分けた浄化装置の構成例を示す図である。
【図１１】図１１は、実施例における実験設備を説明する模式図である。
【図１２】図１２は、格子状構造を有する多通路体を示す図である。
【図１３】図１３は、それぞれの浄化装置における接触材の取り出し位置を示す概略図であり、（Ａ）は本発明の浄化装置における平面図、（Ｂ）はその縦断面図、（Ｃ）は従来の浄化装置における平面図、（Ｄ）はその縦断面図を示す。
【図１４】図１４は、好気性微生物による有機性汚濁物の変換経路を示す図である。
【図１５】図１５は、嫌気性微生物の異化作用を含む有機性汚濁物の変換経路を示す図である。
【符号の説明】
Ａ…本発明の浄化装置
ａ…従来の浄化装置
Ａ１、ａ１…流入部
Ａ２、ａ２…中間部
Ａ３、ａ３…流出部
Ｂ…通路体
ｂ…中空部
Ｃ…浄化された処理水
Ｄ、Ｄ１、Ｄ２…有機物性汚濁排水
Ｆ、Ｆ１、Ｆ２…フロック
Ｉ…流入部
Ｌ…浄化域
Ｍ…多通路体
ｍ…通路
ｎ…塊状浄化材
Ｏ…流出部
Ｐ…散気管
Ｒ、Ｒ１、Ｒ２…曝気領域
Ｓ…接触面
Ｔ…処理槽
Ｗ…隔離壁
１…化学工場
２…水処理施設
３…調整槽
４…分配槽
５１、５２…流量調整槽
６１、６２…処理水観察槽[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for purifying organic polluted wastewater and a purifying device therefor, and more particularly to a method for purifying organic physical polluted wastewater and a purifying device therefor that minimize the generation of activated sludge.
[0002]
[Prior art]
Household wastewater, industrial wastewater, sewage, etc. contain various organic substances (organic matter pollutants) as pollutants (hereinafter referred to as organic wastewater, wastewater, etc. Called).
Conventionally, biological treatment with microorganisms is often performed for purification and treatment of domestic wastewater, and the activated sludge method is mainly employed in sewage treatment in urban areas.
[0003]
In the standard activated sludge method, first, these organic polluted wastewater is aerated and agitated in an aeration tank to supply oxygen necessary for activities such as aerobic bacteria floating in the drainage and prey on organic pollutants. Aerobic bacteria and the like are allowed to grow (anabolic action).
At the same time, some of the pollutants are carbon dioxide (CO2) by respiration of aerobic bacteria. ₂ ) And water (H ₂ O) and the like (catabolic action).
[0004]
In addition, due to this aeration, sticky aerobic bacteria grow and form floating flocs (chunks).
In parallel with the growth of bacteria, etc., protozoa attached to the flocs (rotifers, bugs, etc.) further prey on pollutants in the drainage, floating bacteria and fungi, etc. (Aerobic treatment).
[0005]
Next, the waste water containing flocs and SS (floating matter) that have grown in this way is transferred to a sedimentation tank, and gently drained to settle flocs and SSs (solid-liquid separation).
Then, the supernatant liquid, which has been cleaned by removing contaminants, is further sterilized and then discharged into a river or the like.
[0006]
As described above, in general wastewater purification methods including the activated sludge method described above, organic pollutants in wastewater are mainly consumed by aerobic bacteria, aerobic fungi, and protozoa (collectively aerobic microorganisms). Decompose and precipitate.
By doing so, the organic matter is removed from the wastewater (that is, the SS, BOD (biochemical oxygen demand), COD (chemical oxygen demand), etc. of the wastewater is reduced) and the wastewater is purified.
At that time, the organic pollutants in the waste water are removed from the waste water mainly by the following two systems as described above (see FIG. 14).
[0007]
(1) By assimilation of bacteria, protozoa, etc., pollutants are converted to these microorganisms, and the microorganisms grow to form flocs, which are then removed from the water by sedimentation and solid-liquid separation. .
In this assimilation route, organic pollutants in the wastewater change into bacteria, protozoa, etc. and settle together with undegraded pollutants (including SS etc.) to become activated sludge.
[0008]
(2) By the catabolism (biooxidation) of bacteria, protozoa, etc., contaminants are decomposed into inorganic substances and removed (including denitrification by denitrifying bacteria described later).
In this catabolism route, organic pollutants in the wastewater are mainly CO 2 due to respiration of aerobic microorganisms. ₂ It is released into the open air after changing its shape to ₂ Some return to drainage, such as O).
[0009]
In the above-mentioned standard activated sludge method, the decomposition rate of organic pollutants by biological oxidation (catabolic pathway) is at most about 10 to 40% in terms of BOD value.
That is, most of them follow an assimilation pathway to be converted into bacteria, fungi, protozoa, etc., and settle together with undegraded pollutants to become activated sludge.
Therefore, a large amount of activated sludge is usually generated.
[0010]
Some of this activated sludge is returned to the aeration tank and reused for aerobic treatment, but most of the activated sludge undergoes precipitation, concentration and dehydration processes as surplus sludge, and then dehydrated cake (industrial waste) ).
The surplus sludge can be reused as fertilizer, for example. However, it is apparent that there is an oversupply and there is a limit to using all of it as fertilizer.
Also, surplus sludge cannot be dumped into the ocean.
[0011]
Therefore, at present, most of the excess sludge is incinerated and landfilled, but it requires a large expense for disposal such as disposal and incineration.
In addition, even if it is going to construct a new landfill site as the final disposal site, it is easy for the residents in the surrounding area to repel due to the deterioration of the environment, and it is difficult to secure the site.
[0012]
In order to overcome this situation, it is necessary to develop a wastewater treatment method that can reduce the generation of activated sludge as much as possible.
That is, as much as possible of organic pollutants in the wastewater is not formed by activated sludge by anabolic action of microorganisms but by catabolism (biological oxidation). ₂ It is required to be decomposed into the same form and released to the outside air.
[0013]
Thus, various wastewater purification methods have been proposed for the purpose of making the catabolism of aerobic bacteria more active.
For example, the biofilm method (adhesion immobilization method) is a method in which a contact material or carrier is put into an aeration tank, and a biofilm is formed on the surface or the like (that is, microorganisms are adhered and immobilized) to increase the microbial concentration. Therefore, it is intended to greatly improve the processing efficiency and the processing amount.
However, CO by catabolism ₂ Although the rate of decomposition into water increases, assimilation also becomes active at the same time, resulting in a large amount of activated sludge.
[0014]
In recent years, particularly in the field of septic tanks and river purifications, purification methods that combine aerobic treatment and purification by anaerobic bacteria have been actively developed.
By the catabolism of anaerobic microorganisms including anaerobic bacteria, organic pollutants are decomposed into soluble low molecular compounds (for example, amino acids and organic acids).
[0015]
As a method of using the anaerobic treatment and the aerobic treatment in combination, for example, the treatment tank is divided into two tanks, the inside of the first tank is anaerobically decomposed by anaerobic microorganisms, and then the waste water is discharged into the second tank. There is a purification method using a so-called two-tank septic tank in which the aerobic treatment is carried out by moving to an aeration tank.
Also, pebbles, gravel, etc. (so-called gravel) are spread over treatment tanks and rivers, and an anaerobic microorganism is formed on the surface of the gravel between the gravels where water stays. There is also.
[0016]
Improvements in the support used for the latter contact method between gravel and the like are also progressing. For example, a spherical support provided with a hollow portion and connected to the outside through micropores (see Patent Document 1), or a crushed stone having a diameter of several centimeters. Separation materials (see Patent Document 2) and the like that have been joined together with cement or the like into a substantially spherical shape have been proposed.
These are used to separate aerobic microorganisms from anaerobic microorganisms and to take advantage of their respective decomposition characteristics to decompose the pollutants in the waste water.
[0017]
However, in general, the degradation rate of anaerobic bacteria is as low as about 10 to 1/100 compared with the degradation rate of aerobic bacteria.
Therefore, when the treatment tank is divided into two tanks as described above, generally, the wastewater is transferred to the aerobic treatment tank while the decomposition of the contaminants by the anaerobic microorganisms is insufficient, and the decomposition by the anaerobic microorganisms is not performed. In many cases, the desired effect is not always obtained.
[0018]
In addition, the pollutant whose molecular weight has been reduced by the anaerobic treatment is easily taken up by the aerobic microorganism, and as a result, a large amount of activated sludge is generated by the assimilation action of the aerobic microorganism (see FIG. 15).
Therefore, it is necessary to frequently remove activated sludge in a two-tank septic tank.
[0019]
On the other hand, in the case of the gravel contact oxidation method (see, for example, Patent Document 3), the volume of the treatment tank is reduced by the amount of the spread gravel, and the amount of water that can be treated is reduced, but a large amount of activated sludge is generated there. Therefore, activated sludge is clogged between gravels.
For this reason, it is necessary to temporarily stop the inflow of the waste water into the treatment tank and wash the gravel.
As described above, the conventional purification method or purification device cannot suppress the generation of a large amount of activated sludge, and has various problems as described above.
[0020]
By the way, biooxidation due to catabolism of aerobic bacteria is essentially a short acclimatization period and can take a large contact area of the reaction, so the reaction rate is much higher than the reaction rate of protozoa etc. Has the advantage.
However, at the same time, the microorganisms perform an assimilation action based on the energy obtained by the catabolism and take in contaminants (organic substances) and proliferate.
That is, catabolism and anabolism occur in parallel in the microorganism.
[0021]
In the conventional purification method, even if it is intended to promote the catabolism of microorganisms, the growth of microorganisms due to the anabolic action that occurs at the same time is left unattended.
As a result, the problem of a large amount of activated sludge has inevitably occurred.
[0022]
In the development of purification methods in the future, as described above, the key point is how to suppress the generation of activated sludge without reducing the purification efficiency of waste water.
In other words, how the pollutants in the wastewater that had been removed as activated sludge in the past can ₂ It is important whether it is removed in the form of, for example.
[0023]
In addition, anaerobic microorganisms including anaerobic bacteria have specific decomposition characteristics that decompose organic substances into low molecular weight compounds by catabolism and solubilize and liquefy insoluble (or hardly soluble or solid) organic substances.
However, in the conventional purification method, as shown in FIG. 15, the pollutant in the waste water is decomposed and supplied to the aerobic bacteria, and only plays a role of assisting the catabolic / anabolic action of the aerobic bacteria. It wasn't.
In the future development of purification methods, it will be necessary to devise ways to make better use of the degradation characteristics of these anaerobic microorganisms.
[0024]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2559592
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No.8-17901
[Patent Document 3]
Japanese Patent No. 3177432
[0025]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to overcome the above-mentioned problems against the background of such a situation.
That is, an object of the present invention is to provide a purification method and purification device for purifying organic physical pollution wastewater by biological treatment with microorganisms, and a purification method and purification device for organic physical wastewater that minimizes the generation of activated sludge. It is.
In addition, pollutants (organic matter) in organic wastewater ₂ Or N ₂ It is providing the purification method and purification apparatus which can be efficiently converted and removed into the form.
[0026]
[Means for Solving the Problems]
Thus, as a result of earnest research on the background of such problems, the present inventor has assembled flocs made of aerobic microorganisms that have taken in organic polluted wastewater into large flocs, and then supplied oxygen. It was found that if left as it is, the dissolved oxygen inside the floc is consumed by aerobic bacteria and the like, and the inside of the floc becomes anaerobic and the aerobic bacteria are killed.
Furthermore, in an anaerobic floc, it was found that anaerobic microorganisms were decomposed by anaerobic microorganisms, solubilized and dissolved again in the wastewater, and the present invention was completed based on this finding. It is.
[0031]
That is, the present invention provides (1), In the purification apparatus for organic polluted wastewater having a treatment tank having an inflow part, an outflow part, and a purification area for organic polluted wastewater, a plurality of aerobic treatments and anaerobic treatments can be performed at intervals in the treatment tank. An apparatus for purifying organic physical polluted wastewater having an aeration region having an aeration area having an aeration pipe disposed at the bottom of a treatment tank between the multi-passage bodies. Is a structure having a large number of passages, The passage is arranged so as to open to the aeration region from the inflow portion toward the outflow portion, and the organic polluted wastewater that has flowed in is aerobically treated in the aeration region to form a floc, and the floc is placed in the passage. In addition to adhering, the flocs formed by the subsequent aerobic treatment in the passage are also adhered and gathered to block the passage, and left in that state to anaerobically treat the floc in the passage. It exists in the purification device of organic polluted waste water that solubilizes and moves it to the downstream aeration area.
[0032]
and again,( 2 ), The multi-passage is a structure having a honeycomb structure or a lattice structure, 1 ) It exists in the purification equipment of the organic property polluted waste water described.
[0033]
and again,( 3 ), The above (with a stirring adjustment material between the multi-passage body ( 1 ) It exists in the purification equipment of the organic property polluted waste water described.
and again,( 4 ), The treatment tank is divided into upper and lower parts by an isolation wall, and the organic physical pollution drainage is reciprocated above and below the isolation wall ( 1 ) It exists in the purification equipment of the organic property polluted waste water described.
and again,( 5 ), The above treatment tanks are arranged side by side in a plan view so that the organic pollutant wastewater is reciprocated ( 1 ) It exists in the purification equipment of the organic property polluted waste water described.
[0034]
If the present invention meets this purpose, the above 1 From 5 A configuration combining two or more selected from the above can also be adopted.
[0035]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, based on the drawings, the purification method and the purification apparatus for organic property polluted waste water of the present invention will be described.
First, a method for purifying organic polluted wastewater will be described.
[0036]
In the present invention, the organic polluted wastewater is aerobic by aeration, the organic pollutant contained in the wastewater is taken up by aerobic microorganisms to grow, and flocs are formed, which are actively collected. After that, the aggregated flocs are left to anaerobic to kill the aerobic microorganisms.
[0037]
In this process, aerobic microorganisms and anaerobic microorganisms are used as they are in the wastewater instead of being added to the wastewater as in the case of the standard activated sludge method described above.
And until the formation of flocs, it is explained in the same manner as the standard activated sludge method.
At this time, as described above, the aerobic microorganisms proliferate by assimilation, and at the same time, organic pollutants are converted to CO. ₂ Catabolism, which is decomposed into ₂ Is discharged into the outside air as gas and removed from the waste water.
[0038]
The present invention is characterized by actively gathering the flocs.
If the flocs are gathered and left without supplying oxygen, the dissolved oxygen in the flocs is consumed by aerobic microorganisms and the flocs become anaerobic (oxygen-deficient state), and the aerobic microorganisms are killed naturally. (See FIG. 1).
[0039]
Here, the method of collecting the flocs will be described more specifically.
In order to actively gather the flocs, it is only necessary to sink a passage body having a hollow portion that penetrates into the drainage.
Then, the floc is accumulated in the hollow part in the passage body, and the inside of the floc becomes anaerobic by the above process.
[0040]
2 to 6 schematically illustrate the principle of this method.
Here, the organic pollutant waste water D1 flows in from the left side of the figure, passes through the hollow portion b of the passage body B, and flows out to the right side of the figure (that is, to the drainage D2).
[0041]
In the region R1, aerobic treatment by aeration is performed, and floc F is formed by adhesive aerobic bacteria contained in the waste water D1.
Then, the floc F is slowly flowed to the right and adheres to the wall surface of the hollow portion b of the passage body B (see FIG. 2).
[0042]
The floc F adhering to the wall surface of the hollow portion b further grows on the wall surface, and is connected to other floc F1 formed in the drainage D1 and other floc F2 adhering to the wall surface due to its adhesiveness ( (See FIG. 3).
In this way, in the present invention, the flocks F (and F1, F2) are efficiently assembled.
[0043]
The assembled flocks F eventually close the hollow portion b (see FIG. 4).
The inside of the floc F that has grown to the state where the hollow portion b is closed in this manner contains the aerobic microorganisms that originally formed the floc F, F1, and F2, and the aerobic microorganisms of the floc F Continue to absorb dissolved oxygen inside.
[0044]
At this time, although abundant dissolved oxygen exists in the wastewater D1 by aeration in the region R1, the area of the contact surface S with the floc F is not so large, and the dissolved oxygen in the wastewater D1 hardly transfers to the floc F. (Similarly, the transfer of oxygen from the waste water D2 can be ignored).
For this reason, if the floc F is left in that state, the aerobic microorganisms inside the floc F consume the dissolved oxygen, so the inside of the floc F becomes anaerobic and the aerobic microorganisms in the floc die. is there.
[0045]
2 to 4, the floc F (or flocs F1 and F2) is in an aerobic atmosphere, and CO by catabolism simultaneously with the growth of flocs and flocs by anabolism. ₂ Needless to say, the decomposition into CO, etc. has occurred (CO 2 in FIGS. 2 to 4). ₂ reference).
[0046]
On the other hand, inside the floc F where anaerobic microorganisms have been killed due to anaerobic conditions, due to microorganisms such as anaerobic bacteria, the remains of the aerobic microorganisms together with the remaining organic pollutants are soluble low molecular compounds such as amino acids and monosaccharides (See FIG. 5).
Then, the floc F is solubilized and liquefied, and moves to the right in the drawing by the inflow pressure of the drainage in the region R1.
[0047]
The solubilized floc F easily disperses and dissolves in the drainage D2 in the region R2 and releases the low molecular weight compound into the drainage (see FIG. 6).
In addition, since the aerobic treatment by aeration is also performed on the drainage D2 in the region R2, the solubilized floc F is more easily dispersed and dissolved by the stirring action accompanying the rise of bubbles (air).
[0048]
For reference, in the conventional purification methods such as the gravel contact oxidation method, the anaerobic microorganisms living in the gravel and the like decomposed only the pollutants in the wastewater. It plays an active role in removing and removing dead bodies of aerobic microorganisms.
[0049]
Furthermore, this purification method has an advantage that the aerobic state and the anaerobic state appear continuously, so that the nitrogen component in the pollutant is effectively decomposed.
In other words, the nitrifying bacteria in the wastewater perform nitrification under aerobic conditions (in the aerated wastewater) based on the degradation products of the pollutants, and then the dioxide dioxide synthesized by the nitrifying bacteria in the anaerobic conditions (in the floc) Nitrogen (NO ₂ ) And the like can be denitrified by denitrifying bacteria.
[0050]
Therefore, the nitrogen content in the pollutant finally becomes gaseous nitrogen (N ₂ ) And is released to the outside air to be effectively removed from the waste water.
Note that N shown in FIG. ₂ Represents the above nitrogen, CO ₂ CO in the degradation reaction of anaerobic microorganisms ₂ The occurrence of
[0051]
In the state of FIG. 2 or FIG. 3, the drainage D1 in the region R1 can move to the region R2 through the hollow portion b.
Accordingly, in the waste water D2, there are aerobic microorganisms and organic pollutants that have moved from the region R1, in addition to the low-molecular compounds in which the floc F is dissolved and dissolved.
[0052]
Therefore, if the wastewater D2 is aerated, aerobic microorganisms take in low-molecular compounds and organic pollutants, and cause catabolism and assimilation again to proliferate to form flocs and CO. ₂ Or disassemble.
Therefore, for example, by forming a plurality of passage bodies B and aeration regions downstream of the region R2, the above process is efficiently repeated (purification cycle).
[0053]
FIG. 7 is a diagram for explaining this purification cycle.
Thus, in this purification cycle, the process of aerobic microorganism proliferation by aeration → floc growth → death → decomposition into low molecular weight compounds → aerobic microorganism proliferation by aeration →... Is repeated.
[0054]
In this purification cycle, even if aerobic microorganisms grow, they are killed and decomposed into soluble low-molecular compounds, so that the generation of activated sludge can be suppressed.
In addition, every time this purification cycle circulates, part of the organic pollutants in the wastewater is CO. ₂ Or N ₂ Is broken down into
For this reason, this purification cycle ultimately converts organic pollutants in the wastewater to CO with very high conversion efficiency. ₂ Or N ₂ It is possible to remove it by converting it into a shape.
[0055]
Next, the purification apparatus of the present invention using the above-described method for purifying organic physical pollution wastewater will be described.
As described above, the purification cycle is formed by providing a plurality of passage bodies and aeration regions downstream of the region R2 in FIG.
[0056]
FIG. 8 is a diagram illustrating a configuration example of a purification device that can realize such a purification cycle.
Moreover, FIG. 9 is a figure which shows the specific example of the channel | path body used with this purification apparatus, and shows the case where it is a structure which has a honeycomb structure here.
[0057]
Thus, in the purification apparatus A, if the multi-passage body M having a plurality of passages m (corresponding to the hollow portion b of the above-mentioned passage body B) is used as the passage body, the waste water is more efficiently purified. be able to.
That is, the purification apparatus A of the present invention includes a treatment tank T having an inflow portion I, an outflow portion O, and a purification zone L of the organic property polluted waste water D, and a multipath body with a plurality of intervals in the treatment layer. M is arranged, and an aeration pipe P for aeration is arranged at the bottom of the treatment tank between the multi-passage bodies.
[0058]
A large number of holes for discharging air from the inside of the pipe into the drainage are formed in the air diffusion pipe P, and air is appropriately discharged from there to supply oxygen to the drainage D in the aeration region R thereabove.
Further, as illustrated in FIG. 9, the multi-passage M is a structure in which a large number of passages m are formed, so that aeration bubbles freely enter the passage m and are aerated and dissolved in abundant oxygen. The drainage D to be passed can freely pass through the passage m.
That is, the waste water D in the purification device A becomes aerobic as a whole by aeration.
[0059]
However, in the passage m of the multipassage M, the flocks gather and block the passage m in the process shown in FIGS. 2 to 6, and only the part of the flock is locally anaerobic.
If left untreated, the aerobic microorganisms in the flocs will naturally die, and the anaerobic microorganisms will decompose the dead bodies to lower the molecular weight, making the flocs soluble.
The solubilized floc receives pressure from the drainage D, moves downstream in the passage m of the multipassage M, disperses and dissolves in the drainage D in the aeration region R immediately downstream of the multipassage M, and has low molecular weight in the drainage. Releases the compound.
[0060]
In the aeration region R, aerobic microorganisms are catabolized again using low molecular weight compounds in which flocs are dissolved and organic pollutants that have passed through other passages m in the multipassage M.・ Assimilate and proliferate to form flocs, CO ₂ Or disassemble.
In this way, by disposing a plurality of multi-passage bodies M at intervals in the purification zone L, it becomes possible to cause the decomposition process shown in FIG. A purification cycle can be realized.
[0061]
That is, according to the present invention, it is possible to create an anaerobic state by gathering the flocks F only by disposing a multi-passage (or passage) in the aerobic drainage.
And while suppressing the growth of aerobic microorganisms (ie, the generation of activated sludge), ₂ Or N ₂ It can be removed from the wastewater in the form of
[0062]
For reference, in the purification apparatus of the present invention, the conventional method in which anaerobic microorganisms are attached and fixed in a certain place and inhabited in that a local transient anaerobic state is formed in the passage of the multi-passage body. The technical idea is different from the contact oxidation method and the biofilm method. Further, for example, when gravel is spread in the apparatus as in the contact oxidation method between gravel, the processing amount of the apparatus is greatly impaired, but according to the purification apparatus of the present invention, the wall that forms the passage of the multi-passage body is By making it thin, a sufficient processing amount can be ensured.
[0063]
For this reason, FIG. 9 shows a case of a structure having a honeycomb structure as a specific example of the multi-passage M, but in addition, for example, a structure having a lattice structure (described later) used in examples described later. As shown in FIG. 12), as long as the floc can form an anaerobic state inside the passage m, the function can naturally be effectively exhibited.
[0064]
By the way, as a practical problem, depending on the properties of the organic polluted wastewater D (the type of organic matter and inorganic matter contained in the wastewater D), a relatively large amount of air is discharged from the air diffuser P of the purification device A (see FIG. 8). It may be necessary to dispense.
In such a case, the stirring action of the drainage D in the aeration region R becomes intense, and the bubbles of air floating in the drainage D constantly enter the passage m of the multi-passage M and pass through. There is a possibility that the aggregation of flocs in m is inhibited.
[0065]
In such a case, it is preferable that the aeration region R is provided between the multi-passage bodies M with an agitation adjusting material for appropriately suppressing the agitation action due to aeration.
Examples of the agitation adjusting material include a net-like body, a plate-like body, and a blade-shaped one, and are appropriately disposed in the aeration region R.
Further, when such a stirring adjusting material is arranged in the aeration region R, the passage time of the aerated air in the drainage D becomes longer, and oxygen (O ₂ ) In the wastewater D is increased, and the agitation adjusting material serves as a carrier for aerobic microorganisms, so that the decomposition action of organic substances by aerobic microorganisms is promoted.
[0066]
Although the present invention has been described above, the present invention is not limited to the embodiments, and it goes without saying that other various modifications are possible without departing from the essence thereof.
For example, in order to increase the processing capacity of the purification device, it is naturally possible to divide the septic tank T up and down by the separation wall W and reciprocate the drainage D up and down the separation wall W as shown in FIG.
[0067]
Further, as shown in FIG. 11 to be described later, it is naturally possible to reciprocate by arranging the purification layers T in a plane.
Furthermore, the gas used for aeration is not limited to air, and it is naturally possible to use a particularly adjusted gas as long as it contains oxygen.
[0068]
【Example】
Examples will be described below.
It goes without saying that the present invention is not limited to these examples.
[0069]
[Experimental conditions]
The experiment was performed using an experimental facility as shown in FIG.
The organic wastewater that is subject to purification is adjusted to temporarily store the wastewater from the chemical factory 1 while it is being sent to the existing water treatment facility 2 using the general wastewater from the chemical factory 1 (hereinafter sometimes referred to as raw water). Taken from tank 3.
[0070]
Then, the raw water is sent from the adjustment tank 3 to the distribution tank 4, and further distributed to the flow

rate adjustment tanks

51 and 52. From the flow

rate adjustment tanks

51 and 52, the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a. (Comparative example)
The purification device A of the present invention and the conventional purification device a each have a structure in which the septic tank is folded back on a plane, and purified by reciprocating raw water.
[0071]
The treated water purified and discharged by the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a was once stored in the treated

water observation tanks

61 and 62 and then returned to the adjustment tank 3.
The amount of raw water flowing into and out of the adjustment tank 3 is thousands of meters per day. ³ The total amount of treated water to be purified in this experiment (total treated water in Examples and Comparative Examples) is 9.5 m. ³ / Day, the property change of the raw water due to returning the treated water to the adjustment tank 3 can be ignored.
[0072]
The flow-down distance of the raw water and treated water of the purification device A of the present invention and the conventional purification device a is a purification zone in which a multi-passage body (example) and a bulk purification material (comparative example) to be described later are disposed to actually perform purification. The distance was designed to be 15 m for both forward and return trips (7.5 m each).
The purifying apparatus A of the present invention and the conventional purifying apparatus a are provided with an intermediate part A2 and an intermediate part a2 in which the multi-passage body and the bulk purification material are not disposed at the turn-back position between the forward path and the return path.
[0073]
In the purification apparatus A (Example) of the present invention, as shown in FIG. 8, a plurality of multi-passage bodies M are arranged at intervals, and air is discharged from the diffuser pipe P in the aeration region R between the multi-passage bodies M. It was discharged.
In addition, in each aeration region R, the blade-shaped stirring adjusting material described above was appropriately disposed.
In this experiment, the multi-passage M was a structure having a lattice structure as shown in FIG.
[0074]
In the conventional purification apparatus a (comparative example), the mass purification material n described in Patent Document 3, that is, the mass formed by bonding a plurality of small-diameter aggregates with cement or the like into a substantially spherical shape having a diameter of about 7 to 15 cm. The purification material n was filled in the purification tank.
Further, an air diffuser was disposed below the mass purification material n, and air was discharged from the air diffuser.
[0075]
As described above, the flow distances of the raw water and treated water of the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a are both 15 m in the purification area (the forward path and the return path are each 7.5 m).
Further, the flow rate of the raw water flowing down in the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a is adjusted, and the residence time of the raw water (treated water) in the apparatus is 35 hours for each purification apparatus (outward path) And the return route were 17.5 hours each).
In addition, on the structure of each purification device, the volume of the purification zone of the purification device is 6.5 m in the purification device A of the present invention. ³ In the conventional purification device a, 7.5 m ³ Met.
[0076]
Before entering into this experiment, conditions for enabling the purification device A of the present invention and the conventional purification device a to be conditioned by running the raw water for about 3 weeks and maximizing the purification efficiency of each purification device. I found.
Specifically, the processing conditions such as optimization of the aeration amount in both purification apparatuses and the presence / absence of use of the stirring adjusting material in the purification apparatus A of the present invention (after all, using a blade-shaped one) were set. .
[0077]
Incidentally, in this optimization adjustment, the purification apparatus A of the present invention has an aeration amount that is two-thirds of that of the conventional purification apparatus a, and the purification efficiency superior to that of the conventional purification apparatus a as shown below. It was found that
Specifically, in the conventional purification device a, the aeration amount is 7.2 m. ³ / M ² h, while the purification device A of the present invention requires 4.8 m. ³ / M ² h was sufficient.
In the following experiment, the aeration air volume remains at this condition (that is, 4.8 m in the purification apparatus A). ³ / M ² h, 7.2 m for the purification device a ³ / M ² The experiment was conducted in h).
[0078]
[Experiment]
Under the experimental conditions as described above, the raw water was continuously passed through both purification apparatuses A and a for 120 days after the above-mentioned habituation operation and after a stoppage period of 22 days.
Note that the 22 days of the suspension period is not included in the 120 days of actual operation.
[0079]
[First experiment / water quality analysis]
In the first experiment, in order to examine how much contaminants were removed from the raw water, water quality analysis of the treated water (and raw water) was performed and compared with the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a, respectively.
The raw water is collected in the flow rate adjustment tank 51 (Example) and the flow rate adjustment tank 52 (Comparative Example), and the treated water is collected in the intermediate part A2 and the outflow part A3 of the purification apparatus A and the intermediate part of the purification apparatus a. It carried out in a2 and outflow part a3.
[0080]
The analysis items selected were those measured by a normal water quality test.
Specifically, mainly SS (solid suspended matter), BOD (biochemical oxygen demand), COD (chemical oxygen demand), TN (total nitrogen content), TP (total phosphorus content) , N-Hex (oil and fat content) was analyzed.
[0081]
In addition, at each of the above sampling positions, data was collected five times every 17.5 hours about 1 month after the start of water flow (before the stop period), and about 4 months after the start of water flow (the above stop period). After), data was collected 6 times every 35 hours, and the concentration (unit: mg / liter) was measured for each analysis item.
Furthermore, the average value of all 11 concentration data was calculated for each analysis item, and the removal rate was calculated based on the following formula.
(Calculation formula) [(Concentration in raw water)-(Concentration at sampling position)] / (Concentration in raw water) x 100%
Table 1 shows the measurement results and the calculation results.
[0082]
[Table 1]

[0083]
[Second experiment, measurement of residual SS]
In the first experiment, even if SS and the like are efficiently removed from the raw water and treated water, aerobic microorganisms have taken in SS and proliferated and remained in the apparatus as activated sludge. The original object of the present invention to suppress the generation of activated sludge as much as possible cannot be achieved.
Therefore, in the second experiment, as compared with the conventional purification device a (comparative example), the purification device A (example) of the present invention converts the pollutant (organic matter) in the organic property polluted wastewater (raw water) to CO. ₂ Or N ₂ An experiment was conducted to examine whether the generation of activated sludge can be effectively reduced to a small amount and the generation of activated sludge can be suppressed to a smaller amount.
[0084]
But CO ₂ Is relatively easy to dissolve in water, N ₂ Is difficult to measure directly because it is also included in large amounts during aeration.
Therefore, in the second experiment, the purification device A of the present invention was compared with the conventional purification device a by measuring the amount of residual SS in the purification device leading to the generation of activated sludge.
[0085]
In this second experiment, at the end of the water flow to each purification device (120th day), the multi-passage member and the stirring adjusting material were respectively used from the forward path and the return path of the purification device A of the present invention, and the conventional purification device. The bulk purification material was respectively taken out from the forward path and the return path a, and the amount of residual SS was examined (hereinafter, the multipath body, the stirring adjustment material, and the bulk purification material may be collectively referred to as a contact material).
FIG. 13 is a schematic view showing the contact material take-out position in each purification device, (A) is a plan view of the purification device of the present invention, (B) is a longitudinal sectional view thereof, and (C) is a conventional purification. The top view in an apparatus and (D) show the longitudinal cross-sectional view.
[0086]
One contact material was collected from approximately the center of each of the forward path and the return path of the purification apparatus A of the present invention and the conventional purification apparatus a.
In the purification apparatus A of the present invention, the liquid matter (floc etc.) remaining in the passage m of the multi-passage M and the adhering matter (SS, adhesive microorganisms, etc.) adhering to the passage m and the surface of the stirring adjusting material ) And the residual SS concentration of the raw water (treated water) remaining in the portion from which the multi-passage M and the like were taken out was measured.
[0087]
Then, the data for the contact material collected from the forward path was converted to the case of the entire forward path (7.5 m), and the data for the contact material collected from the backward path was converted to the case of the entire backward path (7.5 m).
The amount of residual SS thus obtained (unit is kg) and the amount of residual SS per unit volume of the purification device A (unit is kg / m) ³ ) Is shown in Table 2.
[0088]
[Table 2]

[0089]
Further, in the conventional purification device a as well as the purification device A of the present invention, the liquid material (floc etc.) accumulated in the bulk purification material n formed by bonding a plurality of small-diameter aggregates and the surface and the inside thereof. Measure the weight of deposits (SS, adhesive microorganisms, etc.) adhering to the sample, measure the residual SS concentration of the remaining raw water (treated water), and measure the residual SS amount per unit volume (unit: kg / m ³ ) Was calculated.
The results are shown in Table 3.
[0090]
[Table 3]

[0091]
In the purification device A of the present invention, the multi-passage M and the stirring adjusting material were pulled out from the device, and in the conventional purification device a, the bulk purification material n was dug out in a wedge shape as shown in FIG.
At that time, the mass purification material n of the conventional purification device a has SS uniformly attached to the surface and inside in the vertical direction, and the liquid material accumulated in the inside is quantitatively uneven in the vertical direction. Therefore, the result of the digging into a wedge shape without digging into a rectangular cross section as in the present invention does not affect the result.
[0092]
[Evaluation]
From the result of the first experiment shown in Table 1, in the purification apparatus A of the present invention, the measured concentrations of SS (solid suspended solids) and COD (chemical oxygen demand) (especially measured concentrations in the outflow part) are conventional. It can be seen that the concentration is much smaller than the measured concentration of the purification device a (that is, the removal rate is greatly improved).
Moreover, the purification apparatus A of the present invention is slightly better than the conventional purification apparatus a in the concentration of BOD (biochemical oxygen demand) and TN (total nitrogen amount).
[0093]
On the other hand, when the results of the second experiment are compared (see Tables 2 and 3), in the purification device A of the present invention, the amount of flocs or the like attached to the contact material or accumulated in the contact material from the conventional purification device a. It can be seen that is decreasing.
This clearly shows that the purification device A of the present invention can suppress the generation amount of activated sludge less than the conventional purification device a.
[0094]
Considering that the removal rate of BOD mainly represents the degradation ability of contaminants mainly by aerobic microorganisms, and that the removal rate of COD mainly represents the degradation ability of aerobic microorganisms and anaerobic microorganisms. From the above results, the following can be understood.
First, in the first experiment, the concentration of SS is greatly reduced, and BOD is removed by 80% or more. Therefore, in the purification apparatus A of the present invention, the floating state formed in water It can be seen that the flocs of aerobic microorganisms and the assimilation and catabolism of flocs formed on the surface of the stir adjusting material arranged in the aeration region function efficiently.
[0095]
Further, the action of aerobic microorganisms taking in or decomposing SS taken in the floc using dissolved oxygen in the floc assembled so as to block the passage m of the multipassage M is also functioning effectively.
Therefore, the solid suspended solids (SS) in the raw water are taken up by microorganisms by anabolism (thus the microorganisms grow), or CO by catabolism. ₂ It is decomposed into raw materials and removed from the raw water.
[0096]
Second, since COD has been removed by nearly 60% in the first experiment (the removal rate of the conventional purification device a is 42%), the purification device A of the present invention is anaerobic in the floc due to the aggregation of flocs. It can be seen that the state is formed effectively and that the degradation by anaerobic microorganisms is also functioning effectively.
[0097]
According to the property survey of raw water (general waste water from chemical factories), this raw water contains a large amount of activated carbon in solid suspended solids (SS), organic components are mainly alginic acid, and bromide ions (Br ⁻ ) Is included in a large amount.
Thus, it can be said that the raw water used in this experiment is a waste water that is relatively difficult to grow and biodegrade with microorganisms.
[0098]
However, in this experiment, the purification apparatus A of the present invention decomposes anaerobic microorganisms by effectively gathering flocs in the passage m of the multipassage M to form an anaerobic state even under such severe raw water conditions. It shows that the action can be effectively functioned.
It can be easily understood that the purification of raw water under conditions more suitable for the growth of microorganisms can purify the raw water more efficiently.
[0099]
Third, just looking at the results of the first experiment described above, the cause of efficient removal of SS from the raw water is mainly due to the assimilation of aerobic microorganisms (ie, the growth of aerobic microorganisms). Or catabolism (ie CO ₂ It is not clear whether this is due to decomposition.
Further, comparing the results of the second experiment (see Tables 2 and 3), the amount of residual SS is smaller in the purification device A of the present invention than in the conventional purification device a.
[0100]
However, on the other hand, in the purification apparatus A of the present invention, a relatively large amount of liquid material (floc or the like) is generated (11.4 kg) particularly in the passage m of the multipassage M in the forward path.
Taking these things together with the above first and second considerations, the purification device A of the present invention can remove SS, BOD, COD, etc. from raw water at a high removal rate, as described above, aerobic by aeration. Microbial growth → floc growth → assembly of multi-passage bodies in the passage → death → decomposition to low molecular weight compounds by anaerobic microorganisms → dissolution in raw water → growth of aerobic microorganisms by aeration →… Repeatedly, as a result, the organic matter in the raw water is converted into CO by catabolism by aerobic microorganisms and anaerobic microorganisms. ₂ Or N ₂ This is considered to be because it is effectively decomposed.
[0101]
【The invention's effect】
According to the present invention, the generation of activated sludge can be suppressed as much as possible by killing aerobic microorganisms that have proliferated by making the flocs anaerobic.
In addition, by forming a purification cycle, organic pollutants contained in household wastewater can be effectively removed by CO. ₂ Or N ₂ It can be efficiently converted into a shape and removed from the waste water.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram for explaining the principle of a method for purifying organic waste water according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram schematically illustrating the principle of collecting flocs.
FIG. 3 is a diagram schematically illustrating the principle of collecting flocs.
FIG. 4 is a diagram schematically illustrating the principle of collecting flocs.
FIG. 5 is a diagram schematically illustrating a state in which flocs are in an anaerobic state and decomposed into low molecular weight compounds.
FIG. 6 is a diagram schematically illustrating a state in which solubilized floc is dispersed and dissolved in drainage.
FIG. 7 is a diagram illustrating a purification cycle in the present invention.
FIG. 8 is a diagram illustrating an outline of a configuration example of a purification device that can form a purification cycle.
FIG. 9 is a diagram showing a specific example of a multi-passage body used in the purification device of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing a configuration example of a purification device in which a septic tank is divided into upper and lower parts by an isolation wall.
FIG. 11 is a schematic diagram for explaining experimental facilities in Examples.
FIG. 12 is a view showing a multi-passage having a lattice structure.
FIG. 13 is a schematic view showing a contact material take-out position in each purification device, (A) is a plan view of the purification device of the present invention, (B) is a longitudinal sectional view thereof, and (C). Is a plan view of a conventional purification device, and (D) is a longitudinal sectional view thereof.
FIG. 14 is a diagram showing a conversion path of organic contaminants by aerobic microorganisms.
FIG. 15 is a diagram showing a conversion path of organic contaminants including catabolism of anaerobic microorganisms.
[Explanation of symbols]
A ... Purification apparatus of the present invention
a ... Conventional purification device
A1, a1 ... Inflow part
A2, a2 ... middle part
A3, a3 ... Outflow part
B ... Passage body
b: Hollow part
C: Purified treated water
D, D1, D2 ... Organic waste water
F, F1, F2 ... frock
I ... Inflow part
L ... Purification area
M ... Multi-passage
m ... passage
n ... Bulk purification material
O ... Outflow part
P ... Diffuser
R, R1, R2 ... aeration area
S ... Contact surface
T ... Treatment tank
W ... Isolation wall
1. Chemical factory
2 ... Water treatment facility
3 ... adjustment tank
4 ... distribution tank
51, 52 ... Flow rate adjustment tank
61, 62 ... treated water observation tank

Claims

In the purification apparatus for organic polluted wastewater having a treatment tank having an inflow part, an outflow part, and a purification area for organic polluted wastewater, a plurality of aerobic treatments and anaerobic treatments can be performed at intervals in the treatment tank. A multi-path body is an organic material-contaminated waste water purification device having an aeration region having an aeration pipe for aeration disposed at the bottom of a treatment tank between the multi-path bodies , passages and multiple structures formed, will be arranged so as to open to the aeration region of the passage toward the outlet part from the inlet, the inlet organics property polluted wastewater aerobically treated in the aeration area flocks The flocs are adhered in the passages, and the flocs formed by the subsequent aerobic treatment in the passages are also adhered and gathered to block the passages and leave in that state. In the floc Management, and purifier of organic matter of pollution wastewater and moving to the downstream side of the aeration region by solubilizing the flock.

The multi-channel body, characterized in that it is a structure having a honeycomb structure or a lattice-like structure, purifier of organic matter of pollution wastewater according to claim 1.

The multi-passage body characterized by comprising a stirring adjusting material during purification device of an organic substance of pollution wastewater according to claim 1.

The processing tank is divided up and down by isolating wall, characterized in that so as to reciprocate the organic material of polluted waste water in the upper and lower partition wall, purifier of organic matter of pollution wastewater according to claim 1.

The processing bath planarly arranged side by side, characterized in that the organic matter of pollution wastewater so as to reciprocate, purifier of organic matter of pollution wastewater according to claim 1.