JP3983563B2 - ロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法およびセメントクリンカー焼成装置 - Google Patents

ロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法およびセメントクリンカー焼成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリーキルンの冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法およびセメントクリンカー焼成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、セメントクリンカー焼成装置は、ロータリーキルン内にその上流側から投入されたセメント原料を、ロータリーキルンの回転によって下流側に移動する途中でセメントクリンカーに焼成し、このセメントクリンカーを、ロータリーキルンの下流側の端部を囲む窯前部からクリンカークーラー側に移動させて冷却するようになっている。
【0003】
上記ロータリーキルンは、鋼鉄製の円筒の内面に耐火煉瓦を敷き詰めた構造、または不定形耐火物を同様に施した構造になっている。また、上記窯前部の端壁には、火焔をロータリーキルン内のほぼ回転中心部に向けて上流側に噴出するための主バーナーが設けられている。
【0004】
上記のように構成されたセメントクリンカー焼成装置においては、ロータリーキルンの下流側の端から所定量上流側に入った焼成帯の位置で最も高温(約1450℃)になり、上記焼成帯から下流側の端までの冷却帯において徐々に冷却されたセメントクリンカーが窯前部からクリンカークーラーへと排出されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記セメントクリンカー焼成装置においては、冷却帯の耐火煉瓦の損耗量が焼成帯の耐火煉瓦の損耗量に比して大きいという問題があった。このため、本発明者等は、冷却帯における損耗量の低減を図るべく鋭意研究を重ねた結果、焼成帯では温度が高くなることからセメントクリンカーの溶融物からなるクリンカーコーチング層が耐火煉瓦の表面に厚く形成されるのに対して、冷却帯では温度が低いことからクリンカーコーチング層が薄くなってしまうことに原因があることを見出し、本発明に至ったものである。
【0006】
この発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、ロータリーキルンにおける冷却帯の耐火煉瓦または不定形耐火物の損耗量を低減し、冷却帯の耐久性の向上を図ることのできるセメントクリンカー焼成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法は、ロータリーキルン内を加熱する主バーナとは別に、上記ロータリーキルンの回転中心からの鉛直線と、この鉛直線に対して上記回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置した副バーナーによって、上記ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を加熱することにより、上記範囲にクリンカーコーチング層を形成することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載のロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法は、請求項1に記載の発明において、上記副バーナーから発する熱量は、この副バーナーおよび上記主バーナーから発する全熱量の3〜15%であることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載のロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法は、請求項1ないし3の何れかに記載の発明において、上記副バーナーで使用する燃料は、主バーナーで使用する燃料と同一の燃料、または固体もしくは液体の可燃性廃棄物であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載のセメントクリンカー焼成装置は、ロータリーキルンと、このロータリーキルンの下流側の端部を囲むように設けられた窯前部と、この窯前部の端壁に設けられ、上記ロータリーキルンの回転中心部に向けて上流側に火焔を噴出する主バーナーとを備えたセメントクリンカー焼成装置において、上記端壁には、主バーナーの周囲に副バーナーを設けてなり、上記副バーナーは、上記ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を加熱するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載のセメントクリンカー焼成装置は、請求項4に記載の発明において、上記副バーナーから発する熱量は、この副バーナーおよび上記主バーナーから発する全熱量の3〜15%であることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載のセメントクリンカー焼成装置は、請求項4または5に記載の発明において、副バーナーで使用する燃料は、主バーナーで使用する燃料と同一の燃料、または固体もしくは液体の可燃性廃棄物であることを特徴としている。
【0015】
請求項1〜に記載の発明においては、ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を副バーナーによって加熱するようになっているので、上記範囲であって、主バーナーによって加熱される焼成帯より下流側の冷却帯の温度を高めることができる。これにより、上記冷却帯におけるセメントクリンカーの溶融物が増加し、その溶融物が冷却帯内面の耐火煉瓦に付着または浸透してクリンカーコーチング層を厚く形成することができる。したがって、冷却帯の内面における例えば耐火煉瓦や不定形耐火物の損耗量を低減することができるので、冷却帯の耐久性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2またはに記載の発明においては、全熱量の3〜15%の熱量を上記冷却帯の加熱に充てることにより、クリンカーコーチング層を厚くかつ安定的に形成することができ、冷却帯の耐火煉瓦等の損耗量を充分低減することができる。したがって、冷却帯の耐久性を確実に向上させることができる。
【0017】
請求項1〜6のいずれかに記載の発明においては、副バーナーがロータリーキルンの回転中心からの鉛直線と、この鉛直線に対して回転中心回りにロータリーキルンの回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置されているので、副バーナーは冷却帯の内面を直接加熱することがない。
すなわち、鉛直線から回転方向に135℃傾く直線までの範囲には、ロータリーキルンの回転によってセメントクリンカーが斜めに堆積した状態になるので、副バーナーはセメントクリンカーを介して冷却帯の内面を加熱することになる。したがって、副バーナーによる加熱によって、冷却帯の内面に敷きつめられた耐火煉瓦が溶損するような不具合を防止することができる。
【0018】
請求項3または6に記載の発明においては、副バーナーによって、可燃性廃棄物も燃料として使用することができる。したがって、可燃性廃棄物の処理も行うことができるという利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のロータリーキルンの概略構成図、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【0020】
図1において、1はロータリーキルンであり、このロータリーキルン1は、その上流側の端部が窯尻部eに配置された図示しない支持手段によって回転自在に支持されているとともに、その下流側の端部が窯前部1A側に配置された図示しない支持手段によって回転自在に支持されている。
【0021】
窯尻部eは、セメント原料を予熱するプレヒータ3の下端部に相当するものになっており、その予熱したセメント原料をロータリーキルン1内に供給するようになっている。ロータリーキルン1内に供給されたセメント原料は、ロータリーキルン1の回転に伴って、矢印Yで示す方向、すなわち下流側に移動し、この際、高温で焼成されてセメントクリンカーになる。
【0022】
窯前部1Aは、ロータリーキルン1で焼成されたセメントクリンカーを受け入れて、そのセメントクリンカーをクリンカークーラー2へと案内するようになっている。クリンカークーラー2は、窯前部1Aの下方位置に設けられたものであり、その窯前部1Aから供給されたセメントクリンカーを冷却空気Kで急激に冷却しながらさらに下流側に送るようになっている。また、冷却空気Kは、セメントクリンカーから熱を奪って高温になると共に、窯前部1Aを通り後述する主バーナ10の燃焼用二次空気として使用され、高温の燃焼ガスがロータリーキルン1、窯尻部eを通ってプレヒータ3に流れることになる。
【0023】
ロータリーキルン1内は、セメント原料が加熱される状況に応じて、上流側から仮焼帯、遷移帯、焼成帯、冷却帯と分けることができる。そして、特に、焼成帯においては、セメント原料が約1450℃の高温となり、その下でセメントクリンカーに焼成されることになる。
【0024】
また、ロータリーキルン1は、図3に示すような構造になっている。すなわち、鋼鉄製の円筒シェル1aと、この円筒シェル1aの内面に沿って敷き詰められた複数の耐火煉瓦1bとを備え、円筒シェル1aによって形成される内面の径、すなわち内径dが3〜7m、全長が60〜120mの大きさのもので構成されている。そして、ロータリーキルン1は、上流側から下流側に3/100程度の勾配で下方に傾斜し、一分間で1〜3回程度の速さで回転するようになっている。
【0025】
窯前部1Aは、ロータリーキルン1の下流側の端部を囲むハウジングを備えたもので構成されている。そして、そのハウジングにおけるロータリーキルン1の下流側端に対向する端壁1Aaには、主バーナー10が設けられているとともに、この主バーナー10の周囲の位置に副バーナー11が設けられている。
【0026】
主バーナー10は、主燃料である微粉炭や石油コークス粉を一次空気と共にロータリーキルン1のほぼ回転中心C部に向けて上流側に吹き込むことにより、そのほぼ回転中心Cに沿うように主火焔F1を噴出するようになっている。すなわち、主バーナー10は、図2に示すように、端壁1Aaにおけるロータリーキルン1の回転中心Cとほぼ同軸となる位置に配置されている。
【0027】
副バーナー11は、図1に示すように、ロータリーキルン1の下流側の端から上流側に向かってロータリーキルン1の内径dの0〜1.0倍または0〜5mの範囲、すなわち冷却帯の軸方向の全範囲を加熱するように構成されている。すなわち、副バーナー11は、ロータリーキルン1の下流端から上流側に1.0dまたは5mまでの範囲を加熱するために必要な位置に設置されている。なお、副バーナー11は、ロータリーキルン1の下流端から上流側に0d〜1.0dまたは0〜5mまでの範囲を加熱する位置に配置してもよい。
【0028】
そして、副バーナー11から発する熱量は、主バーナー10および副バーナー11から発する全熱量の3〜15%、好ましくは5〜10%に設定されている。
【0029】
また、副バーナー11は、図2に示すように、主バーナー10の周囲の何れの位置に1以上設置してもよい。すなわち、副バーナー11は、回転中心Cの周りに8等分したA〜Hの何れの範囲に設けてもよい。
【0030】
ただし、耐火煉瓦1bを直接加熱することを避け、かつ冷却帯におけるセメントクリンカーの温度を効率良く上げるため、副バーナー11は、回転中心Cからの鉛直線L1と、この鉛直線L1に対して回転中心C回りにロータリーキルン1の回転方向に135度傾く直線L2とで挟まれた135度の範囲、すなわちE、F、Gの各範囲に設置することが好ましい。
【0031】
そしてさらに、落下した燃料により、耐火煉瓦1bが直接加熱されるのを避け、かつその落下した燃料がクリンカーの焼成または加熱に寄与するように、副バーナー11は、鉛直線L1に対して回転方向に45度傾く直線L3と直線L2とで挟まれた範囲、すなわちF、Gの各範囲に設置することがより好ましい。
【0032】
また、副バーナー11は、端壁1Aaから例えば0〜2000mmの範囲でロータリーキルン1側に突出し、その先端とロータリーキルン1の下流端との間に所定の間隔があくように設けられている。すなわち、副バーナー11は、燃料自体の吹出速度と副バーナー11の一次空気、および冷却空気Kつまり主バーナー10の二次空気の上昇気流で、ロータリーキルン1内に火炎を形成し、同ロータリーキルン1内の上述した冷却帯を加熱するようになっている。したがって、副バーナー11は、端壁1Aaにおけるロータリーキルン1の内面に対応する円の内側に配置してもよいし、二次空気の上昇気流を考慮して同円の外側に配置してもよい。なお、副バーナー11から吐出される燃料は、高温の二次空気によって、効率の良い燃焼が可能になる。
【0033】
また、副バーナー11は、図4に示すような構造になっている。この図は、副バーナー11を先端側から見た図である。すなわち、副バーナー11は、同軸状に配置された外管11a、中管11bおよび内管11cを備えたもので構成されている。外管11aと中管11bとの間は、燃焼のための一次空気を直線状に吐出する直進流路11dになっている。この直進流路11dは、一次空気によって副バーナー11を冷却するための流路ともなっている。
【0034】
中管11bと内管11cとの間は、燃焼のための一次空気を軸心周りに旋回させながら吐出する旋回流発生流路11eになっている。図4において11fは、直進方向の流れを上述した旋回流に変換するための旋回流発生羽根であり、この旋回流発生羽根11fは、旋回流発生流路11eの先端部に、周方向に一定の間隔をおいて複数設けられている。
上記旋回流発生羽根11fによって旋回流を発生させることにより、後述する可燃性廃棄物のなかでも難燃性で着火速度の遅いものについても、空気との混合、拡散性を高めて燃焼性の向上を図ることが可能である。なお、旋回流発生流路11eも、副バーナー11の冷却のための流路を兼ねている。
【0035】
内管11cの内側は、一次空気ととともに、燃料を吐出するための燃料吐出流路11gになっている。この燃料吐出流路11gから吐出する燃料は、主バーナー10から吐出する燃料と同一の燃料、例えば微粉炭であってもよいし、また固体もしくは液体の可燃性廃棄物であってもよい。なお、副バーナー11の構造としては、旋回流発生流路11eと、燃料吐出流路11gとが入れ替わった構造のものでもよい。
【0036】
固体の可燃性廃棄物としては、例えば廃プラスチック(粒径25mm以下の物)や、廃タイヤの切断または粉砕物(粒径30mm以下の物)等の比較的大きなものを含んだものも使用可能である。これらの可燃性廃棄物は、副バーナー11の先端から適切な速度(15〜100m/s)の輸送空気および一次空気で吐出されることで、適切な火焔を形成することができる。この場合、副バーナー11としては、外管11a、中管11b、直進流路11d、旋回流発生流路11e、旋回流発生羽根11fの無い単なるパイプ状のものであってもよい。また、液体の可燃性廃棄物としては、廃油等の使用が可能である。
【0037】
なお、比較的大きな可燃性廃棄物は、冷却帯におけるセメントクリンカー上に落下することになる。ただし、可燃性廃棄物は、ロータリーキルン1の回転によって上方に掻き上げられては崩れ落ちる高温のセメントクリンカーから極めて効率良く熱を受けるととも、大量に供給される高温の二次空気の下で効率良く燃焼することになる。従って、可燃性廃棄物がセメントクリンカー上に落下しても、セメントクリンカーの品質に影響を及ぼすことはない。
【0038】
そして、実際上においても、副バーナー11を用いて可燃物が落下する雰囲気下で製造したセメントクリンカーおよび可燃物の落下がない雰囲気下で製造したセメントクリンカーと、副バーナー11を用いない通常のセメントクリンカーとの比較で、品質上の差が認められなかった。また、上記各セメントクリンカーに二水石膏を内割りで3重量%加えて粉砕することにより製造したポルトランドセメントの品質試験の結果も、可燃性廃棄物の落下の有無による差が認められなかった。
【0039】
上記のように構成されたセメントクリンカー焼成装置においては、ロータリーキルン1の下流側の端から上流側に向かって0d〜1.0dまたは0〜5mの範囲、すなわち冷却帯の軸方向の全範囲を副バーナー11によって加熱するようになっているので、その冷却帯の全体の温度を高めることができる。これにより、冷却帯におけるセメントクリンカーの溶融物が増加するので、冷却帯の内面にクリンカーコーチング層を厚く形成することができる。したがって、冷却帯の内面を形成する耐火煉瓦1bの損耗量を低減することができる。すなわち、冷却帯の耐久性の向上を図ることができる。
【0040】
また、主バーナー10の全熱量の3〜15%の熱量を副バーナー11を用いて冷却帯の加熱に充てることにより、クリンカーコーチング層を、冷却帯における耐火煉瓦1bの損耗量を充分低減することが可能な厚さに形成することができる。したがって、冷却帯の耐久性を確実に向上させることができる。
【0041】
さらに、副バーナー11がロータリーキルン1の回転中心からの鉛直線L1と、この鉛直線L1に対してロータリーキルン1の回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置されているので、副バーナー11はセメントクリンカーを介して冷却帯の内面を加熱することになる。したがって、副バーナー11の加熱によって、冷却帯における耐火煉瓦1bが溶損するというような不具合を防止することができる。
【0042】
しかも、副バーナー11によって、可燃性廃棄物も燃料として使用することができる。したがって、可燃性廃棄物の処理も行うことができるという利点がある。
【0043】
次に、この発明の実施例を、表1〜表4を参照して説明する。
表1および表2は、セメントクリンカー焼成装置を稼働させて、耐火煉瓦1bの損耗量を測定した際の実験上のデータを記載したものである。したがって、表2の「燃料合計」は、表1の「主バーナー燃料」と「副バーナー燃料」との合計である。
表3は、上記耐火煉瓦1bの損耗量を得るための実験で生じたセメントクリンカー(クリンカー)およびセメントの品質を示したものである。セメントは、表1、2の実験で得たセメントクリンカーに二水石膏を内割りで3重量%加えて粉砕することにより製造したポルトランドセメントである。
【0044】
(実験の条件)
表1および表2の実験は、次の条件で行った。
1.ロータリーキルン
内径d=4.8m
全長 =約80m
2.副バーナーの設置位置
図2のFの位置
3.比較例と実施例
比較例1〜4については、副バーナーを用いずに、主バーナー10のみを用いて実験を行った。
実施例1〜7については、主バーナー10および副バーナーの両者を用いて実験を行った。
また、実施例5〜7では、パイプ状の副バーナーを用い燃料として可燃物A、可燃物Bを使用して行った。
なお、表1においてOCは石油コークス、可燃物Aは可燃性廃棄物としての廃プラスチック(粒径25mm以下の物)、可燃物Bは可燃性廃棄物としての廃タイヤチップ(粒径30mm以下の物)を意味している。
4.その他の条件は表1および表2に示す通りである。
【0045】
(実験結果)
表1、2において、主バーナー燃料の熱量小計、副バーナー燃料の熱量小計および燃料合計の熱量合計は、セメントクリンカーを1トン製造するためのキルン内での焼成熱量Mcal(メガカロリー)を示している。
そして、副バーナーの熱量比率は、
(副バーナー燃料の熱量小計)/(燃料合計の熱量合計)
の式で計算したものを%で示したものである。
【0046】
また、表2におけるクリンカーコーチング付着状況は、クリンカーコーチング層の厚さが150mm以上で○、50〜150mmで△、50mm以下で×と評価した。
さらに、耐火煉瓦の耐用時間(hr)は、高さ(ロータリーキルンの半径方向)が200mmの耐火煉瓦の残高(残寸)が100mmとなる時間である。高さ200mmの耐火煉瓦は、残高がおよそ100mmで交換されることになるからである。
【0047】
表3におけるf.CaO(フリーライム)は、セメント協会標準試験方法(I−01)に基づいて測定したものである。粉末度、凝結およびモルタル圧縮強さは、JIS R 5201「ポルトランドセメントの物理試験方法」に基づいて測定したものである。
【0048】
(考察)
表1および表2から、副バーナーを用いて冷却帯を加熱した実施例1〜7では、比較例1〜4に比べて、クリンカーコーチング層が冷却帯に厚く形成されることがわかり、これによって耐火煉瓦の損耗量が減少することが確認できた。
また同時に、熱量比率が7.5〜9.5%の範囲において、損耗量が比較例1〜4に比べて格段に減少することが確認できる。したがって、上記熱量比率が3〜15%であっても、比較例に比べて充分に損耗量を低減することができる。
【0049】
ただし、熱量比率が3%未満になると、冷却帯の加熱のために振り分けられる熱量が少なくなって、該冷却帯の温度を比較例に比べて充分に高めることができなくなるおそれがある。また、熱量比率が15%を超えると、今度は冷却帯の温度の上昇過多によって、耐火煉瓦1b自体が溶出するおそれがある。
【0050】
そして、冷却帯の温度を比較例に比べて充分高め、かつ耐火煉瓦1bの溶出を確実に抑える上で、上記熱量比率を5〜10%の範囲となるように設定することがより好ましい。
【0051】
また、表2に示すように、ロータリーキルンでの燃料合計における熱量合計、すなわち焼成のための全熱量は、比較例、実施例において、ほぼ一定となっており、副バーナーを用いても、省エネに反することにはならないことが確認できた。
【0052】
さらに、表3に示すように、セメントクリンカーに含まれるf.CaOは、比較例と実施例でほとんど変化がなく、またモルタル圧縮強さも、比較例と実施例でほとんど変化がない。さらに、クリンカークーラーの出口部におけるセメントクリンカーの温度も、比較例と実施例とで差が見られなかった。すなわち、副バーナーを用いることによって、冷却帯にクリンカーコーチングを付着させる運転方法を採用しても、セメントクリンカーやセメントに品質上の問題が発生することがなかった。
【0053】
【表1】
Figure 0003983563
【0054】
【表2】
Figure 0003983563
【0055】
【表3】
Figure 0003983563
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜に記載の発明によれば、ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を副バーナーによって加熱するようになっているので、ロータリーキルンの冷却帯の温度を高めることができる。したがって、保護層としてのクリンカーコーチング層が冷却帯に厚く形成されることになるので、該冷却帯における例えば耐火煉瓦や不定形耐火物の摩耗を低減し耐久性の向上を図ることができる。
【0057】
請求項2またはに記載の発明によれば、全熱量の3〜15%の熱量を冷却帯の加熱に充てることにより、クリンカーコーチング層を充分に厚く形成することができる。したがって、冷却帯の耐久性の向上を確実に果たすことができる。
【0058】
請求項1〜6のいずれかに記載の発明によれば、副バーナーがロータリーキルンの回転中心からの鉛直線と、この鉛直線に対してロータリーキルンの回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置されているので、該副バーナーはセメントクリンカーを介して冷却帯の内面を加熱することになる。したがって、副バーナーの加熱によって冷却帯の内面の耐火煉瓦が溶損する不具合を防止しつつ、該冷却帯の耐火煉瓦の摩耗低減による耐久性の向上を図ることができる。
【0059】
請求項3または6に記載の発明によれば、副バーナーによって、可燃性廃棄物も燃料として使用することができるので、可燃性廃棄物の処理も行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示したセメントクリンカー焼成装置の概略構成図である。
【図2】同セメントクリンカー焼成装置であって、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】同セメントクリンカー焼成装置におけるロータリーキルンの要部断面図である。
【図4】同セメントクリンカー焼成装置における副バーナーを先端から見た図である。
【符号の説明】
1 ロータリーキルン
1A 窯前部
1Aa 端壁
2 クリンカークーラー
3 プレヒータ
10 主バーナー
11 副バーナー
C 回転中心
e 窯尻部
L1 鉛直線
L2、L3 直線
K クリンカー冷却空気

Claims (6)

  1. ロータリーキルン内を加熱する主バーナーとは別に、上記ロータリーキルンの回転中心からの鉛直線と、この鉛直線に対して上記回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置した副バーナーによって、上記ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を加熱することにより、上記範囲にクリンカーコーチング層を形成することを特徴とするロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法。
  2. 上記副バーナーから発する熱量は、この副バーナーおよび上記主バーナーから発する全熱量の3〜15%であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法。
  3. 上記副バーナーで使用する燃料は、主バーナーで使用する燃料と同一の燃料、または固体もしくは液体の可燃性廃棄物であることを特徴とする請求項1または2に記載のロータリーキルン冷却帯にクリンカーコーチング層を形成する方法。
  4. ロータリーキルンと、このロータリーキルンの下流側の端部を囲むように設けられた窯前部と、この窯前部の端壁に設けられ、上記ロータリーキルンの略回転中心部に向けて上流側に火焔を噴出する主バーナーとを備えたセメントクリンカー焼成装置において、
    上記端壁には、主バーナーの周囲に副バーナーを設けてなり、
    上記副バーナーは、上記ロータリーキルンの回転中心からの鉛直線と、この鉛直線に対して上記回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転方向に135度傾く直線とで挟まれた135度の範囲に配置されるとともに、上記ロータリーキルンの下流側の端から上流側に向かって該ロータリーキルンの内径の0〜1.0倍または0〜5mの範囲を加熱するように構成されていることを特徴とするセメントクリンカー焼成装置
  5. 上記副バーナーから発する熱量は、この副バーナーおよび上記主バーナーから発する全熱量の3〜15%であることを特徴とする請求項4に記載のセメントクリンカー焼成装置。
  6. 副バーナーで使用する燃料は、主バーナーで使用する燃料と同一の燃料、または固体もしくは液体の可燃性廃棄物であることを特徴とする請求項4または5に記載のセメントクリンカー焼成装置。
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