JP3983522B2 - Method for producing branched dextrin liquid - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分岐度が高い分岐デキストリンを高濃度で含む分岐デキストリン液状物を製造する方法、及び該方法により製造された分岐デキストリン液状物、及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
澱粉はぶどう糖のみによって構成される多糖類で、糖の結合は殆どがα−1,4グリコシド結合で直鎖をなしているが、3〜4%のα−1,6グリコシド結合による分岐構造を持っている。そして、このα−1,6分岐構造は澱粉分子内に均一に存在するものではなく、比較的局在している。この、分岐構造の局在している部分はα−アミラーゼの分解を受け難く、したがって、澱粉にα−アミラーゼを作用させると、α−アミラーゼで分解し難いα−1,6グリコシド結合の局在した大きな分子の成分と、細かく分解を受けたオリゴ糖の2つの成分が生成する。
【0003】
DE(澱粉分解率:澱粉の加水分解の程度を表す指標で、澱粉中のα−1,4及びα−1,6結合からなる全グリコシド結合のうち分解をうけた結合の割合を100分率で示す。)20まで分解を受けた液化液では、大きな分子の分子量は約20,000で、一方、分解されたオリゴ糖の平均的な分子量は約1,000であり、分子量に大きな差がある。
この大きな分子量の差を利用して、2つの成分を分割し、α−1,6結合を多く含む成分だけを集めたものが分岐デキストリン(β−リミットデキストリン BLD)である。
分岐デキストリン(BLD)は、分岐構造を有するというその分子構造に起因して、巨大分子であるにもかかわらず水に易溶で、粘性が大きいという特性を有する。したがって、食品に弾性を付与したり、保水性が良好であるなど食品素材として注目されている。
【0004】
本発明者らは、既に、特許第1815698号(特公平1−54040号公報参照)によって、澱粉にα−アミラーゼを作用させて得た糖化液をゲルろ過剤に接触させることによって、分岐デキストリン類と直鎖のオリゴ糖類とを分割して、分岐デキストリン類及び直鎖オリゴ糖類を製造する方法を開示した。
【0005】
通常のデキストリンは澱粉を酸、又は酵素によって部分的に分解し、精製後噴霧乾燥した製品であり、食品産業のあらゆる場面で、粉末として、粘度の調整、味の調整、粉末化基材等に使用されている。
近年、食品産業は厳しい品質管理を要求され、微生物は勿論のこと微細な異物の混入も許されない状況にある。
しかし、粉末の原料を使う場合は、種々な異物混入の危険性が生ずる。例えば粉末の入った紙袋に付着した異物のホッパーへの落下、紙袋自体の破片や糸くずの混入、原料投入時における虫などの投入口からの落下の危険性等である。
また、異物混入の危険性以外にも粉末製品の嫌われる原因がある。例えば、粉末の飛散による作業場や空気の汚染、作業員が粉末の付着や吸入を嫌うこと、空き紙袋の廃棄の煩雑さ等、粉末原料が嫌われる原因は多い。
【0006】
それに対し液状の原料では、空気中に飛散することは無く、特にタンク輸送の場合は配管を接続するだけで製品は外部とは全く接触することなく、必要な量を正確に投入出来るので、作業は効率的で異物混入の危険性も低減することができる。
【0007】
このように、液状の製品が望まれる状況にありながら、市販されている液状のデキストリン製品は、DEの高い一部の製品に限られている。
DEが高ければ、沈殿が生じにくく、老化し難いのに対して、DEが低ければ、保存中に沈殿が生じ、老化して白濁してしまうからである。
【0008】
DEが低ければ、老化して白濁が生じてしまう理由を、以下の表1によって説明する。表1は、澱粉分解物である加工澱粉と水飴との特性を対比したものである。
【表1】
澱粉分解物の分解度と性質
製品 加工澱粉 水飴
分解度 低い 高い
粘度 高い 低い
老化性 老化し易い 老化し難い
着色性 着色し難い 着色し易い
吸湿性 吸湿し難い 吸湿し易い
甘味度 甘くない 甘い
【0009】
加工澱粉は、澱粉を加水分解したものであるが、分解度は低い。粘度が高く、着色し難く、吸湿し難く、甘くないが、老化し易い。
水飴は、分解度を高くした甘味物質であり、粘度は低く、老化はしないが、色がつき易く、吸湿性が強い。
デキストリンは、そのような加工澱粉と水飴との中間の性質を持っているものであり、粘度が高く、着色や、吸湿はし難く、甘くないものが求められる。
このように、デキストリンに、高い粘度、着色し難くさ、低い吸湿性、且つ低い甘味を求めると、分解度を低くする必要があるので、必然的に老化し易いデキストリンとなることは避けられないということになる。
しかし、液状のデキストリン製品が保存中に、老化して白濁したり、沈殿を生じれば商品として受け入れられることはない。
よって、デキストリンを製品化するためには、液状で、分解度が低く、かつ老化して白濁を生じないデキストリンの開発が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明の課題は、分解度が低く、なおかつ白濁して老化することのないという相反する課題を解決した、液状のデキストリン製品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究した結果、保存中に沈殿することによる白濁、老化を防止するためには、デキストリン製品中の分岐デキストリンの割合を高くすれば良いことに着想した。その結果、デキストリン液状物において、分岐デキストリンの分岐度を増加することによって、すなわち、分岐度の高いデキストリンを高比率で製造することによって、デキストリン液状物の白濁、老化が防止できることを見出し、本発明に至った。さらに、分岐度の高いデキストリンを製造するために、α−1,4グルコシド結合をα−1,6グルコシド結合に変換する枝付け酵素を応用することによって、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、澱粉を加水分解して得た澱粉液化液に枝付け酵素を作用させることを特徴とする、冷蔵により白濁を生じない分岐デキストリン液状物を製造する方法に関するものである。
本発明は、クロマトグラフィーによる分画を組み合わせることによって、分岐度の高いデキストリンをさらに高濃度で含有させる、冷蔵により白濁を生じない分岐デキストリン液状物の製造方法にも関するものである。
【0013】
原料となる、澱粉液化液は、澱粉分解率5〜20のコーンスターチ液化液であることが好ましい。
本発明はまた、このような方法で製造された、冷蔵により白濁を生じない分岐デキストリン液状物、及びそれを噴霧乾燥して得た粉末にも関する。
さらに、本発明は、冷蔵により白濁を生じない分岐デキストリン液状物、及びそれを噴霧乾燥して得た粉末を含有する食品素材にも関する。
【0014】
本発明では、澱粉液化液に枝付け酵素を作用させることによって、加水分解率が低いにもかかわらず、得られた液状デキストリン製品において、保存中に、白濁、老化を防止することができるという効果を奏することができた。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、原料となる澱粉液化液とは、澱粉をα−アミラーゼによって加水分解して得た液状物をいう。澱粉は、トウモロコシから得たコーンスターチでも、馬鈴薯澱粉でも、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉などいずれでも良いが、コーンスターチが最も好ましい。
【0016】
本発明において、枝付け酵素は、α−1,4グルコシド結合をα−1,6グルコシド結合に変換する公知の酵素であり(WO00/58445参照)、例えば、ノボザイム社SP1029−Dがある。SP1029−Dは、公知の微生物Rhodothermus obamensisから得られるものである。
【0017】
本発明で、分岐デキストリン液状物というとき、液状の分岐デキストリンを含む製品のことをいい、該液状物は、例えば、食品工業で食品素材として用いる場合に、パイプライン中を液体として輸送できるような性状のものをいう。
【0018】
澱粉をα−アミラーゼで分解して、老化性のなくなる限界のDEは澱粉の種類によって異なるが、原料として最も多く使用されるコーンスターチの場合はDE22前後である。これ以上分解を受けたデキストリンは濃縮、冷蔵、冷凍しても溶液が老化することはない。
逆に言えば、DE22以下の老化性のないデキストリンをコーンスターチから製造することは困難であることを示している。
本発明者は、DEが低くても、老化性のないデキストリンを得るために、枝付け酵素を使用して、デキストリンの分岐度を増加させることを着想した。
【0019】
α−アミラーゼによる澱粉分解物(以後液化液と称する)の糖組成を詳細に分析すると、大きな分子の分岐デキストリンが徐々に分解を受けて減少し、小分子のオリゴ糖が相対的に増加していることがわかる(表2)。
表2には、α−アミラーゼ分解物(液化液)のDEと詳細な糖組成を示す。
【0020】
【表2】
【0021】
オリゴ糖に関していえば、分岐のない9糖類ぐらいまでの糖は、老化性がないが、10糖類以上の長さの分岐のない糖はミセルを形成して不溶性沈殿を生じるために、老化性があるということが知られている。
分解物(液化液)に関していえば、そのDEが、22を超えると、老化性がなくなる。表2において、老化性のあるDE20の糖組成と、老化性のないDE25の糖組成を比較すると、老化性のある10糖類以上の長さのオリゴ糖は、いずれにも殆ど含まれておらず、老化性はオリゴ糖によるのではなく、含まれる分岐デキストリン自体の性質に由来するものであると考えられる。DEを上げると、巨大な分岐デキストリンの分子が徐々に分解を受けて、結晶性を有する直鎖部分を失って行くと共に老化性を失うものと推定される。
【0022】
表2から分かるように、老化性のない分岐デキストリンを得ようとすると、DE25以上の液化液から分岐デキストリンをクロマトグラフィーなどによって分取することが必要であり、したがって、分岐デキストリンの回収率は、その液化液中の分岐デキストリンの含有率に相当する26.3%かそれ以下にしか過ぎない。
【0023】
α−1,4グルコシド結合をα−1,6グルコシド結合に変換する枝付け酵素は、液化液に作用してオリゴ糖の糖組成には変化を与えずに、その老化性を改善することが見出された。
これによって、例えば、DE20の液化液の老化性がなくなれば、表2から分かるように、これから分取出来る白濁しない分岐デキストリンは40.2%に増加し、DE15の液化液の老化性がなくなれば、これを分取して45.7%の白濁しない分岐デキストリンが回収できることを示している。
【0024】
本発明は、上記のような分析に基づいてなされたもので、α−1,4グルコシド結合をα−1,6グルコシド結合に変換する枝付け酵素を作用させることで、液化液中の分岐デキストリンの分岐度を増加させて、もって結晶化を防止し、その結果、分解度の低い液化液からも白濁しない分岐デキストリン液状物を得ることができたものである。
【0025】
さらに、このようにして得た分岐デキストリン液状物は、噴霧乾燥することによって粉末にすることができる。
本発明の白濁しない分岐デキストリン液状物及びそれを噴霧乾燥して得た粉末は、食品産業のあらゆる場面で食品素材として用いることができる。特に、粘度の調整剤、甘味などの味の調整剤、粉末化基材として有用である。
【0026】
以下に、実施例を示すが、本発明は、これによって限定されるものではない。
【実施例1】
35%濃度のコーンスターチ液を炭酸カルシュームを用いてpH6.3に調整し、耐熱性α−アミラーゼ(ターマミル( 登録商標)ノボザイム社製)0.1%を添加した。この澱粉液を連続液化装置により瞬間的に蒸気と混合して105℃まで昇温し、5分間105℃に保持した後、98℃に保ってDE14.5になるまで、α−アミラーゼの反応を行った。このDE14.5のコーンスターチ液化液2Lに塩酸を添加してpH3.9に調整し、98℃に15分保ってα−アミラーゼを失活させた。65℃に冷却後pH6.5に調整し、500mlづつに4分割し、それぞれに、ノボザイム社SP1029−D(以後BEと記す)を固形物あたり0重量%、0.3%重量、1.0重量%、3.0重量%加え、65℃において24時間作用させた。反応後精製して固形分50%まで濃縮し、5℃に貯蔵して溶液の老化性を判定して表3にまとめた。表3には、反応液のDEも合わせて示した。
【0027】
【表3】
この結果から、BE添加量が1.0重量%になると老化防止効果が出てきて、3.0重量%になると3日保存しても透明で、完全に老化防止ができることが分かる。
【0028】
表4には、BE酵素使用量と反応後の糖組成を示す。
【表4】
レーン、エイノン法による還元力はBEの反応前後でほとんど変化なく、また、表4から分かるように、液体クロマトグラフィーにより測定した糖組成にも変化が見られなかった。
【0029】
【実施例2】
DE8のコーンスターチ液化液を現場の工程より採取し、塩酸を添加してpH4.0に調整し、15分間僅かに沸騰させてα−アミラーゼを失活させた。65℃まで冷却後固形分当たり、BE1重量%及び3重量%を添加し、65℃において40時間反応させた。
反応液は精製後50%濃度まで濃縮し、冷蔵庫に保存して溶液の老化性を観察した。
結果を表5に示した。
【0030】
【表5】
表5の結果から分かるように、澱粉分解率が低いDE8の液化液でも、3%のBEを添加することによって、老化を防止することができた。
【0031】
工業的に製造される最も汎用性の高い分岐デキストリン製品はDE8の製品である。
それは、これ以上DEが低くなって、粘度が上昇すると、輸送や貯蔵のコストが高くなること、一方、DEが高くなると粘度は低下するが、吸湿性が強くなり噴霧基材としての性能が低下すること、また着色し易く、甘さも増して、素材の味に影響を与えること等の理由による。
実施例2はBEを使用することにより、DE8の老化性のないデキストリンが製造できることを示している。
【0032】
【実施例3】
現場の製造工程よりコーンスターチ液化液3Lを採取し、実験室で95℃に保ち、経時的にサンプルを取り、DE11.4からDE19.7までの4種類の液化液を調整した。
α−アミラーゼを失活後pH6.5に調整し、65℃でそれぞれ固形分の1%のBEを添加し、40時間反応させた。
反応後精製してヨード反応を測定した。また、固形分50%まで濃縮し、5℃における老化性、及び5℃における粘度を観察した。
対照としてBE未添加の液化液も同様に精製、濃縮して、ヨード反応、5℃老化性、及び5℃粘度を測定した。結果を表6に示した。
【0033】
【表6】
表6の結果から分かるように、BEを反応させた全てのDEの液化液で老化性が改善され、粘度は低下するが、完全に老化性が無くなる訳ではない。1%の酵素使用量で老化性のないデキストリンを得る為には、DE17.5以上の液化液を使用する必要があることを示す。
【0034】
【実施例4】
現場の製造工程よりコーンスターチ液化液2L(DE14.1,濃度35%,固形分約700g)を採取し、α−アミラーゼを失活後、pH6.5に調整し、BE7ml(1重量%)を添加した。65℃で40時間作用させて、精製し、50%まで濃縮して老化性を評価した。精製濃縮物のうち500mLをデキストリン分離用の担体を充填したカラム(内径80mm高さ200cm)を用いて、クロマト分離を行なった。溶出分のDEが8.5となる所でデキストリン部とオリゴ糖部に2分割し、DE8.5の分岐デキストリンを得た。
なお、濃縮物をクロマト分離して、溶出させるとき、最初にデキストリンが溶出して、最後に単糖類が溶出することになる。液体中の単糖類が100%であるとき、DE=100、2糖類が100%であるときはDE=50、3糖類が100%であるときはDE=33、デキストリンが100%であるときにはDE=0であるから、クロマト分離を開始して、溶出を始めたときには、DE=0、溶出を終えてクロマト分離が終了するときにはDE=100ということになる。この実施例4で、溶出分のDEが8.5となる所でデキストリン部とオリゴ糖部に分割したということは、クロマト分離によって、溶出液中のDEが8.5となるような時点で、デキストリン部とオリゴ糖部に2分割したということである。
分離した分岐デキストリン画分の収率(原料固形分に対する固形分量)は、83%であった。
【0035】
表7に、BE反応前の液化液、BE反応液、分離分岐デキストリン、及び対照として市販BLDの分析値を示す。この対照市販BLDは、DE23のコーンスターチ液化液からクロマトグラフィーによって分画して得たDE8.5のデキストリン部分である。
【表7】
【0036】
この結果から、DE14.1の液化液を原料として、枝付け酵素(SP 1029−D)を作用させて液化液の老化性を改善し、これからデキストリン部分をクロマトグラフィーにより分離することによって、老化性のない分岐デキストリンを得ることができることが分かった。この分岐デキストリンは、濃縮液を冷蔵しても白濁せずに、長期間保存することができた。
DE23の液化液からクロマトグラフィーで分離する分岐デキストリン製品(対照の市販BLD)の収率は40%に過ぎないのに比べ、枝付け酵素を作用させたDE14の液化液からは約83%の収率で分岐デキストリンを分離することができた。
【0037】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、分岐デキストリンを高濃度で含有する、冷蔵により白濁を生じないデキストリン液状物を、分解率の低い澱粉液化液から製造することができる。
枝付け酵素の利用は、分岐デキストリンのクロマトグラフィーという最も繊細でコストの掛かる工程の大幅な収率を上げることになり、BLD製造工程の簡素化とコストの削減に大きく貢献するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a branched dextrin liquid material containing a high concentration of branched dextrin having a high degree of branching, a branched dextrin liquid material produced by the method, and use thereof.
[0002]
[Prior art]
Starch is a polysaccharide composed only of glucose, and most of the sugar bonds are α-1,4 glycoside bonds, but it has a branched structure with 3-4% α-1,6 glycoside bonds. have. And this (alpha) -1,6 branched structure does not exist uniformly in a starch molecule | numerator, but is comparatively localized. The portion where the branched structure is localized is not easily decomposed by α-amylase. Therefore, when α-amylase is allowed to act on starch, localization of α-1,6 glycoside bond which is difficult to be decomposed by α-amylase. Two components are generated: a large molecular component and a finely decomposed oligosaccharide.
[0003]
DE (starch degradation rate: an index representing the degree of hydrolysis of starch, and the fraction of bonds subjected to degradation among all glycosidic bonds consisting of α-1,4 and α-1,6 bonds in starch as 100 fractions. In the liquefied liquid that has been decomposed up to 20, the molecular weight of large molecules is about 20,000, while the average molecular weight of the decomposed oligosaccharide is about 1,000, and there is a large difference in molecular weight. is there.
A branched dextrin (β-limit dextrin BLD) is obtained by dividing the two components by using this large difference in molecular weight and collecting only the components containing many α-1,6 bonds.
Branched dextrin (BLD) has characteristics that it is easily soluble in water and has high viscosity despite being a macromolecule due to its molecular structure of having a branched structure. Therefore, it has been attracting attention as a food material, such as imparting elasticity to food or having good water retention.
[0004]
The present inventors have already made a branched dextrin by contacting a saccharified solution obtained by allowing α-amylase to act on starch according to Japanese Patent No. 1815698 (see Japanese Patent Publication No. 1-54040). And a method for producing a branched dextrin and a linear oligosaccharide by dividing a linear oligosaccharide with a linear oligosaccharide.
[0005]
Ordinary dextrin is a product in which starch is partially decomposed with acid or enzyme, and is purified and spray-dried after purification. As a powder, it can be used as a powder to adjust viscosity, taste, powdered substrate, etc. in use.
In recent years, the food industry has been demanding strict quality control, and it is in a situation where fine foreign matters as well as microorganisms are not allowed to be mixed.
However, when powder raw materials are used, there is a risk of various foreign matters. For example, the foreign matter adhering to the paper bag containing the powder falls to the hopper, the fragments of the paper bag itself and the lint, the danger of dropping from the inlet of insects when the raw material is charged, and the like.
In addition to the risk of contamination, there is a cause for dislike of powder products. For example, there are many reasons why powder raw materials are disliked, such as contamination of the workplace and air due to powder scattering, the dislike of powder adhesion and inhalation, and the complexity of disposal of empty paper bags.
[0006]
On the other hand, liquid raw materials do not scatter in the air, and in the case of tank transportation, the required amount can be accurately input without connecting the product to the outside by simply connecting the piping. Is efficient and can reduce the risk of contamination.
[0007]
Thus, while liquid products are desired, commercially available liquid dextrin products are limited to some products with high DE.
This is because, if DE is high, precipitation is difficult to occur and aging is difficult, whereas if DE is low, precipitation occurs during storage, aging and white turbidity.
[0008]
The reason why white turbidity occurs when DE is low will be described with reference to Table 1 below. Table 1 compares the properties of modified starch, which is a starch degradation product, and chickenpox.
[Table 1]
Degradability and properties of starch degradation products Processed starch Minamata degradation Low High viscosity High Low aging Easy aging Coloring difficult to age Difficult to color Easy to color Hygroscopic not easy to absorb Hygroscopic sweetness Not sweet Sweet ]
Processed starch is obtained by hydrolyzing starch, but the degree of degradation is low. High viscosity, difficult to color, difficult to absorb moisture, not sweet, but easy to age.
Minamata is a sweet substance with a high degree of decomposition, low viscosity, does not age, but is easy to color and has a strong hygroscopic property.
Dextrin has properties intermediate between such processed starch and starch syrup, and is required to be high in viscosity, difficult to color and absorb moisture, and not sweet.
In this way, if the dextrin is required to have high viscosity, difficulty in coloring, low hygroscopicity, and low sweetness, it is inevitable that the dextrin is inevitably susceptible to aging because the degree of degradation needs to be lowered. It turns out that.
However, if a liquid dextrin product ages and becomes cloudy or precipitates during storage, it will not be accepted as a commercial product.
Therefore, in order to commercialize dextrin, it is necessary to develop a dextrin that is liquid, has a low degree of degradation, and does not age and cause white turbidity.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the problems of the prior art as described above. That is, an object of the present invention is to provide a liquid dextrin product that solves the conflicting problem that the degree of decomposition is low and the mixture is not clouded and does not age.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have only to increase the proportion of branched dextrin in the dextrin product in order to prevent white turbidity and aging due to precipitation during storage. I was inspired by that. As a result, it has been found that by increasing the degree of branching of a branched dextrin in a dextrin liquid, that is, by producing a dextrin having a high degree of branching at a high ratio, clouding and aging of the dextrin liquid can be prevented. It came to. Furthermore, in order to produce a highly branched dextrin, the present invention was completed by applying a branching enzyme that converts an α-1,4 glucoside bond into an α-1,6 glucoside bond.
[0012]
That is, the present invention relates to a method for producing a branched dextrin liquid that does not cause white turbidity by refrigeration, wherein a branching enzyme is allowed to act on a starch liquefaction solution obtained by hydrolyzing starch.
The present invention also relates to a method for producing a branched dextrin liquid that does not cause white turbidity due to refrigeration, in which a highly branched dextrin is contained at a higher concentration by combining fractionation by chromatography.
[0013]
It is preferable that the starch liquefaction liquid used as a raw material is a corn starch liquefaction liquid having a starch decomposition rate of 5 to 20.
The present invention also relates to a branched dextrin liquid produced by such a method, which does not cause white turbidity by refrigeration, and a powder obtained by spray drying the same.
Furthermore, the present invention also relates to a branched dextrin liquid material that does not cause white turbidity by refrigeration, and a food material containing a powder obtained by spray drying the same.
[0014]
In the present invention, by causing a branching enzyme to act on the starch liquefaction liquid, it is possible to prevent white turbidity and aging during storage in the obtained liquid dextrin product even though the hydrolysis rate is low. I was able to play.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the starch liquefaction liquid as a raw material refers to a liquid product obtained by hydrolyzing starch with α-amylase. The starch may be corn starch obtained from corn, potato starch, sweet potato starch, wheat starch, rice starch, etc., but corn starch is most preferred.
[0016]
In the present invention, the branching enzyme is a known enzyme that converts an α-1,4 glucoside bond into an α-1,6 glucoside bond (see WO00 / 58445), for example, Novozyme SP1029-D. SP1029-D is obtained from the known microorganism Rhodothermus obamensis .
[0017]
In the present invention, the term “branched dextrin liquid” refers to a product containing a liquid branched dextrin, which can be transported as a liquid in a pipeline, for example, when used as a food material in the food industry. It means a property.
[0018]
The limit DE at which starch is decomposed with α-amylase and loses aging varies depending on the type of starch, but in the case of corn starch most frequently used as a raw material, it is around DE22. Dextrins that have undergone further decomposition do not age even when concentrated, refrigerated or frozen.
Conversely, it shows that it is difficult to produce non-aging dextrin of DE22 or less from corn starch.
The inventor has conceived of using a branching enzyme to increase the degree of branching of the dextrin in order to obtain a dextrin that is not aging even with a low DE.
[0019]
When the sugar composition of starch degradation products (hereinafter referred to as liquefied liquid) by α-amylase is analyzed in detail, the branched dextrins of large molecules are gradually degraded and decreased, and the oligosaccharides of small molecules are relatively increased. (Table 2).
Table 2 shows the DE and detailed sugar composition of the α-amylase degradation product (liquefied liquid).
[0020]
[Table 2]
[0021]
As far as oligosaccharides are concerned, sugars up to about 9 saccharides with no branching are not aging, but sugars with no branching longer than 10 saccharides form micelles and cause insoluble precipitation. It is known that there is.
As for the decomposed product (liquefied liquid), if its DE exceeds 22, the aging property is lost. In Table 2, when comparing the sugar composition of DE20 with aging and the sugar composition of DE25 without aging, oligosaccharides with a length of 10 or more aging are hardly included in any of them. It is considered that aging is not caused by oligosaccharides, but is derived from the nature of the branched dextrin contained therein. When DE is increased, it is presumed that a large branched dextrin molecule is gradually decomposed and loses a linear portion having crystallinity and loses aging.
[0022]
As can be seen from Table 2, in order to obtain a branched dextrin having no aging property, it is necessary to fractionate the branched dextrin from a liquefied liquid of DE25 or higher by chromatography or the like. It is only 26.3% or less, corresponding to the content of branched dextrin in the liquefied liquid.
[0023]
A debranching enzyme that converts an α-1,4 glucoside bond into an α-1,6 glucoside bond can act on a liquefied liquid and improve its aging without affecting the sugar composition of the oligosaccharide. It was found.
As a result, for example, if the aging property of the DE20 liquefied liquid disappears, as can be seen from Table 2, the non-white turbid branched dextrin that can be fractionated increases to 40.2%, and if the DE15 liquefied liquid loses aging property. This shows that 45.7% of the branched dextrin which does not become cloudy can be recovered by fractionating this.
[0024]
The present invention has been made on the basis of the analysis as described above, and a branched dextrin in a liquefied liquid by acting a branching enzyme that converts an α-1,4 glucoside bond into an α-1,6 glucoside bond. As a result, it was possible to obtain a branched dextrin liquid which does not become cloudy even from a liquefied liquid having a low degree of decomposition.
[0025]
Furthermore, the branched dextrin liquid thus obtained can be made into a powder by spray drying.
The non-cloudy branched dextrin liquid of the present invention and the powder obtained by spray drying thereof can be used as a food material in every scene of the food industry. In particular, it is useful as a viscosity modifier, a taste modifier such as sweet taste, and a powdered substrate.
[0026]
Examples are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[Example 1]
A 35% corn starch solution was adjusted to pH 6.3 using calcium carbonate, and 0.1% of thermostable α-amylase (Termamyl® ( registered trademark) Novozyme) was added. This starch solution is instantaneously mixed with steam by a continuous liquefaction apparatus, heated to 105 ° C., held at 105 ° C. for 5 minutes, and then kept at 98 ° C. until DE14.5 is reached, and the α-amylase reaction is carried out. went. Hydrochloric acid was added to 2 L of this corn starch liquefied solution of DE14.5 to adjust the pH to 3.9, and maintained at 98 ° C. for 15 minutes to inactivate α-amylase. After cooling to 65 ° C., the pH is adjusted to 6.5 and divided into 4 portions of 500 ml, each containing Novozyme SP1029-D (hereinafter referred to as BE) at 0% by weight, 0.3% by weight, 1.0% % By weight and 3.0% by weight were allowed to act at 65 ° C. for 24 hours. It refine | purified after reaction, it concentrated to 50% of solid content, and it stored at 5 degreeC, the aging property of the solution was determined, and it summarized in Table 3. Table 3 also shows the DE of the reaction solution.
[0027]
[Table 3]
From this result, it can be seen that when the BE addition amount is 1.0% by weight, an anti-aging effect comes out, and when it is 3.0% by weight, it is transparent even after storage for 3 days and can be completely prevented from aging.
[0028]
Table 4 shows the amount of BE enzyme used and the sugar composition after the reaction.
[Table 4]
The reducing power by the Lane and Einon method hardly changed before and after the BE reaction, and as can be seen from Table 4, there was no change in the sugar composition measured by liquid chromatography.
[0029]
[Example 2]
DE8 corn starch liquefied liquid was collected from the on-site process, adjusted to pH 4.0 by adding hydrochloric acid, and boiled slightly for 15 minutes to inactivate α-amylase. After cooling to 65 ° C., 1% by weight and 3% by weight of BE were added per solid content and reacted at 65 ° C. for 40 hours.
The reaction solution was concentrated to 50% concentration after purification and stored in a refrigerator to observe the aging of the solution.
The results are shown in Table 5.
[0030]
[Table 5]
As can be seen from the results in Table 5, aging could be prevented by adding 3% BE even in a liquefied liquid of DE8 having a low starch decomposition rate.
[0031]
The most versatile branched dextrin product produced industrially is the product of DE8.
That is, if DE becomes lower and viscosity increases, transportation and storage costs increase. On the other hand, when DE becomes higher, viscosity decreases, but hygroscopicity increases and performance as a spray base decreases. The reason is that it is easy to be colored, sweetness is increased, and the taste of the material is affected.
Example 2 shows that by using BE, a dextrin with no aging property of DE8 can be produced.
[0032]
[Example 3]
3 L of corn starch liquefied liquid was collected from the on-site manufacturing process, kept at 95 ° C. in the laboratory, samples were taken over time, and four types of liquefied liquids from DE 11.4 to DE 19.7 were prepared.
After inactivating α-amylase, the pH was adjusted to 6.5, BE at 1% solids was added at 65 ° C., and the mixture was reacted for 40 hours.
It refine | purified after reaction and the iodine reaction was measured. Moreover, it concentrated to 50% of solid content, and the aging property in 5 degreeC and the viscosity in 5 degreeC were observed.
As a control, a liquefied liquid containing no BE was purified and concentrated in the same manner, and the iodine reaction, 5 ° C. aging property, and 5 ° C. viscosity were measured. The results are shown in Table 6.
[0033]
[Table 6]
As can be seen from the results in Table 6, aging is improved in all DE liquefied solutions reacted with BE and the viscosity is lowered, but the aging is not completely eliminated. It shows that it is necessary to use a liquefied liquid of DE17.5 or higher in order to obtain dextrin having no aging property with an enzyme usage of 1%.
[0034]
[Example 4]
Corn liquefied liquid 2L (DE14.1, concentration 35%, solid content approx. 700g) was collected from the on-site manufacturing process, α-amylase was deactivated, adjusted to pH 6.5, and BE 7ml (1 wt%) was added. did. It was allowed to act at 65 ° C. for 40 hours, purified, concentrated to 50% and evaluated for aging. Chromatographic separation was performed using a column (inner diameter 80 mm, height 200 cm) in which 500 mL of the purified concentrate was packed with a carrier for dextrin separation. When the elution DE reached 8.5, the dextrin part and the oligosaccharide part were divided into two to obtain a branched dextrin of DE 8.5.
When the concentrate is separated by chromatography, the dextrin elutes first and the monosaccharide elutes last. When the monosaccharide in the liquid is 100%, DE = 100, when the disaccharide is 100%, DE = 50, when the saccharide is 100%, DE = 33, and when the dextrin is 100%, DE Since = 0, when chromatographic separation is started and elution is started, DE = 0, and when elution is finished and chromatographic separation is completed, DE = 100. In Example 4, when the DE of the elution was 8.5, the dextrin part and the oligosaccharide part were divided. When the DE in the eluate became 8.5 by chromatographic separation. That is, the dextrin part and the oligosaccharide part are divided into two parts.
The yield of the separated branched dextrin fraction (solid content relative to the raw material solid content) was 83%.
[0035]
Table 7 shows analytical values of the liquefied liquid before BE reaction, BE reaction liquid, separated branched dextrin, and commercial BLD as a control. This control commercial BLD is the dextrin portion of DE8.5 obtained by chromatography fractionation from a corn starch liquor of DE23.
[Table 7]
[0036]
From this result, by using the liquefied liquid of DE14.1 as a raw material, the branching enzyme (SP 1029-D) is allowed to act to improve the aging property of the liquefied liquid, and the dextrin part is separated therefrom by chromatography, whereby It has been found that a branched dextrin free from the above can be obtained. This branched dextrin could be stored for a long time without becoming cloudy even when the concentrated solution was refrigerated.
The yield of the branched dextrin product (control commercial BLD) that is chromatographically separated from the DE23 liquor is only 40%, compared to about 83% of the yield from the DE14 liquor treated with the branching enzyme. The branched dextrin could be separated at a rate.
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a dextrin liquid containing a high concentration of branched dextrin and not causing white turbidity by refrigeration can be produced from a starch liquefaction liquid having a low decomposition rate.
The use of a branching enzyme increases the yield of the most delicate and costly process of chromatography of branched dextrins and greatly contributes to simplification of the BLD production process and cost reduction.
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