JP3981744B2 - 画像補正方法及び画像補正装置 - Google Patents
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Description
即ち、画像の利用方法によっては、画像中の陰影等が不要であって、これを除去したい場合があるが、かかる画像中の陰影等を除去する画像補正方法として、特開平5−187876号「地表画像の陰影処理方法」が提案されている。
更に、衛星画像では、大気による光の散乱・吸収等の影響(以下場合により「大気の影響」と略称する。)により画像に輝度値変異を生ずる場合もあり、かかる輝度値変異によっても被写体本来の様子を再現するにはこれを除去する必要がある場合がある。しかしながら、特開平5−187876号にかかる方法は、大気の影響による輝度値変異が生じている画像部位の輝度値を補正することがきない。
画像中、前記被写体上の陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の被写体と、同一若しくは類似する反射特性を有する被写体が現れている画像部位をサンプル部位として選択するステップと、
前記サンプル部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値の相加平均を説明変数、画素ごとの各波長帯域の輝度値を目的変数として回帰分析することにより、画素ごとの各波長帯域の予測値を得る回帰式を生成するステップと、
前記画像中の陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値を、前記回帰式によって得られた画素ごとの各波長帯域の予測値により除して得られる商を補正値として、前記陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位の画素ごとの各波長帯域の輝度値を補正するステップと、を備えることを特徴とする。
画像中、前記被写体上の陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の被写体と、同一若しくは類似する反射特性を有する被写体が現れている画像部位をサンプル部位として選択する手段と、
前記サンプル部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値の相加平均を説明変数、画素ごとの各波長帯域の輝度値を目的変数として回帰分析することにより、画素ごとの各波長帯域の予測値を得る回帰式を生成する手段と、
前記画像中の陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値を、前記回帰式によって得られた画素ごとの各波長帯域の予測値により除して得られる商を補正値として、前記陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位の画素ごとの各波長帯域の輝度値を補正する手段と、を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の画像処理装置の一の実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すように本発明の画像処理装置1には、パーソナルコンピュータ等で構成するCPU装置10を用い、該CPU装置10に、サンプル部位選択手段10a、回帰式生成手段10b及び輝度値補正手段10cを実現するためのコンピュータプログラムを読み込んで実行する構成とすることができ、必ずしも専用装置を用いる必要はない。
なお、サンプル部位選択手段10a、回帰式生成手段10b及び輝度値補正手段10cを実現するためのコンピュータプログラムは、通常、CPU装置10内部の記憶装置あるいは外部記憶装置に組み込まれ、当該CPU装置10と一体に構成されるが、CD−ROM、FD(フロッピー(登録商標 )ディスク)その他外部の記録媒体に記録しておき、必要に応じて直接あるいは情報通信ネットワーク等を介してCPU装置10にインストールされる構成とすることもできる。
なお、本発明の画像処理方法及び画像補正装置による補正対象画像は、赤バンド(R)、緑バンド(G)、青バンド(B)、近赤外バンド(IR)等の光の波長帯域から選択される複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像であり、また、画像データ読込手段11により読み込まれる画像データには、少なくとも、各波長帯域の輝度値データ(Ry、Gy、By、IRy)が含まれる。例えば、RGB波長帯域のみで画像データを構成するデジタルカメラ画像では、R、G、B波長帯域ごとの輝度値データRy、Gy、Byが読み込まれる。
画像データ読込手段11により読み込まれた画像データに基づいて再生される画像はCRT12に出力表示され、画像中の陰影等を視覚によって確認することができる。
回帰式生成手段10bとしては、サンプル部位選択手段10aにより、サンプル部位が選択されたことを検知すると、取得した画像データから、サンプル部位を構成する画素ごとの各波長域の輝度値データを抽出して、自動的に各波長帯域の回帰式を生成処理するように設計されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される構成とすることができる。具体的には、回帰分析が可能な統計処理ソフトをCPU装置10にインストールして実行することにより、回帰式生成手段10aとすることができる。
最初に、CPU装置10に読み込まれた画像データによって、CRT12に出力表示された画像中、陰影等が生じている部分の被写体を特定し、該特定された被写体が有する反射特性と同一若しくは類似する反射特性を有する被写体が現れている画像部位をサンプル部位として選択する(S100)。サンプル部位は、読み込んだ画像データに基づいて再生される画像全体から選択される。
サンプル部位の選択方法としては種々の方法を採用することできるが、より簡易な方法としては、サンプル部位として用いることが適当と思われる画像部位を目視によって選択する方法を用いることができる。例えば、山間部が撮影された衛星画像では、日照を受けない部分(例えば、山の北斜面側)に陰影が生じることになるが、当該陰影に覆われた本来の北斜面側の土地が、日照を受けている部分(山の南斜面側)の植生樹と同一の植生樹で覆われていると考えられる場合、目視によって当該南斜面側が写し出されている画像部位を条件入力手段13で選択し、これをサンプル部位とすることができる。
ここで、図3に山間部において同一被覆と考えられる植生樹の日照部と非日照部を含んだエリアについてX軸を相加平均値、Y軸を各波長帯域の輝度値として画素ごとにプロットしたグラフを示す。
図3に示されているとおり、相加平均Xを説明変数、各波長帯域の輝度値(Ry、Gy、By、IRy)を目的変数とした一次式で回帰できると仮定することが可能であり、例えば、図3中の直線で表されているようなRyY=AX+Bとする回帰式を生成することができる。なお、RyYは画素ごとのR波長帯域の予測値として用いる。
このように、各波長帯域の輝度値(Ry、Gy、By、IRy)とその予測値(RyY、ByY、GyY、IRy)との比を取ることにより、陰影部等の輝度値と、サンプル部位の輝度値との格差が平滑化されるので、その結果、画像から陰影を除去することが可能となる。また、本発明の画像処理方法では複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像の輝度値に着目して補正を行うので、陰影の除去は勿論、大気の影響による輝度値変異が生じている画像部位の輝度値補正に対しても同様の効果を有する。
また、図5は輝度値補正後のR波長帯域の輝度値分布グラフである。図中、楕円で囲繞した部分が図4中の輝度値補正後の画像の陰影部と、その周辺の非陰影部とを含む画像部位に相当するが、陰影部と非陰影部の輝度値の差がほとんどなくなったことが明確に示されている。
即ち、本発明の画像補正装置及び画像補正方法を用いることにより、複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像の陰影や大気の影響による輝度値変異が生じている画像部位の輝度値を同時に補正し得るので、例えば、本発明を衛星画像を利用した土地被覆分類に用いた場合、撮影エリア全域の土地被覆情報を示すことが可能となる。
また、本発明は、比較的簡単な構成で画像処理が可能となるため、画像処理の時間とコストの削減が可能である。更に、RGB波長帯域での利用効果が認められることから、デジタルカメラなどで撮影した画像に対しても応用が可能である。
10CPU装置
11画像データ読込手段
12CRT
13条件入力手段
Claims (2)
- 複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像において、被写体上に陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の輝度値を補正するための画像補正方法であって、
画像中、前記被写体上の陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の被写体と、同一若しくは類似する反射特性を有する被写体が現れている画像部位をサンプル部位として選択するステップと、
前記サンプル部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値の相加平均を説明変数、画素ごとの各波長帯域の輝度値を目的変数として回帰分析することにより、画素ごとの各波長帯域の予測値を得る回帰式を生成するステップと、
前記画像中の陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値を、前記回帰式によって得られた画素ごとの各波長帯域の予測値により除して得られる商を補正値として、前記陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位の画素ごとの各波長帯域の輝度値を補正するステップと、
を備えることを特徴とする画像補正方法。 - 複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像において、被写体上に陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の輝度値を補正するための画像補正装置であって、
画像中、前記被写体上の陰影が現れている画像部位及び/又は大気の影響によって輝度値変異が現れている画像部位の被写体と、同一若しくは類似する反射特性を有する被写体が現れている画像部位をサンプル部位として選択する手段と、
前記サンプル部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値の相加平均を説明変数、画素ごとの各波長帯域の輝度値を目的変数として回帰分析することにより、画素ごとの各波長帯域の予測値を得る回帰式を生成する手段と、
前記画像中の陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位を構成する画素ごとの各波長帯域の輝度値を、前記回帰式によって得られた画素ごとの各波長帯域の予測値により除して得られる商を補正値として、前記陰影部及び/又は大気の影響が現れている画像部位の画素ごとの各波長帯域の輝度値を補正する手段と、
を備えることを特徴とする画像補正装置。
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