JP3978334B2 - 照明装置および照明制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間に快適な照明環境を実現するために照明光の光量を周期的に変化させる照明装置、照明制御装置および照明制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、快適な照明環境を実現するための照明装置として、非周期的なゆらぎ(例えば、1/fゆらぎ特性)に着目した照明装置や、周期的なリズムに着目した照明装置が知られている。
【0003】
周期的なリズムのうち、人間の生体リズムは、人間が正常な状態を維持するために重要な特性である。そのため、人間が感じる快適性と人間の生体リズムとは関係深いことが考えられる。人間の生体リズムには、呼吸リズム、心拍リズム、血拍リズム、α波、β波などの脳波のリズム、睡眠に関するサーカディアンリズムなどがある。
【0004】
人間の生体リズムのうち、呼吸リズムは、人間が自らの意志によってある程度制御することが可能なリズムである。さらに、呼吸リズムは心身の状態に応じて大きく変化する。例えば、人間がストレスを感じているときには、呼吸は浅く、速くなる。逆に、人間が満ち足りた気分でリラックスしているときには、呼吸は深く、ゆっくりになる。
【0005】
呼吸が浅いと、呼吸の効率が悪いばかりでなく、肺の一部にしか新鮮な空気が届かない。その結果、血中の二酸化炭素のレベルが多くなり、脳に送り込まれる酸素が不足することとなる。そのため、人間は緊張した状態になる。
【0006】
呼吸が深いと、体内にエンドルフィンという鎮静作用のあるホルモンが分泌される。そのため、人間はリラックスした状態になる。
【0007】
このように、人間の生体リズムのうち呼吸リズムを制御することは、人間がリラックスした状態になる上で有効な方法であると考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明者たちは、より快適な照明環境の実現をめざして、呼吸リズムに近い周波数で照明光の光量を変化させる照明装置および照明制御方法を研究してきた(特願平9−254539、特願平11−167893参照)。この研究においては、当初、照明光の光量が正弦波形に沿って変化するように照明装置を制御していた。しかし、研究を進めるにつれて、照明光の光量を正弦波形に沿って変化させることが必ずしも最適ではないことがわかってきた。
【0009】
従って、観測者が照明光の光量の変化に呼吸を合わせやすく、かつ、観測者がリラックスしやすくするために、照明光の光量をどのように変化させるかが課題であった。
【0010】
本発明は、人間の視覚特性の解析結果と人間の呼吸運動の特性の解析結果とに基づいて、この課題を解決したものである。
【0011】
本発明は、照明光の光量の変化に合わせて観測者が呼吸のリズムを整えることを容易にするとともに、観測者がリラックスすることを容易にする照明装置および照明制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置は、光源と、前記光源の発光面の輝度Lが周期的に変化するように前記光源を制御する制御部とを備えた照明装置であって、前記制御部は、1周期において輝度Lが最小となる最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、1周期において輝度Lが最大となる最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きくなるように、かつ、以下の条件を満足する曲線に沿って輝度Lが変化するように、前記光源を制御する構成であり、前記曲線は、t=0、t=T/2、t=Tにおいて輝度LがLBASEに一致し、かつ、0<t<T/2において輝度LがLBASEより大きく、かつ、T/2<t<Tにおいて輝度LがLBASEより小さくなる曲線であり、0<t<T/2において、最大輝度時刻tMAXを除いて、前記曲線に沿って変化する輝度Lは基準正弦波形の輝度より小さく、0<s<T/2を満たす任意のsに対して、t=T/2−sにおける輝度LとLBASEとの差の絶対値は、t=T/2+sにおける輝度LとLBASEとの差の絶対値より大きく、tは時刻を示し、Tは輝度Lの変化の周期を示し、LBASEは定数を示し、前記基準正弦波形は、周期Tと同一の周期を有し、かつ、最大輝度時刻tMAXにおいて最大輝度LMAXと同一の輝度を有し、かつ、最小輝度時刻tMINにおいて最小輝度LMINと同一の輝度を有し、最大輝度LMAXは1周期における輝度Lの最大値を示し、最小輝度LMINは1周期における輝度Lの最小値を示し、これにより、上記目的が達成される
【0013】
輝度Lは、0.1Hz以上0.4Hz以下の範囲で周期的に変化してもよい。
【0014】
輝度Lは、LB×rB sin(t)以下、かつ、LC /(1−rC×sin(t))以上の範囲内で変化し、LB=(LMAX×LMIN1/2、rB=(LMAX/LMIN1/2、LC=2×(LMAX×LMIN)/(LMAX+LMIN)、rC=(LMAX−LMIN)/(LMAX+LMIN)であってもよい。
【0015】
輝度Lは、LBASE×rsin(t)に従って変化し、rは定数を示してもよい。
【0016】
輝度Lは、0cd/m2より大きく5000cd/m2以下の範囲内で変化してもよい。
【0017】
周期Tの長さは、時間が経過するにつれて変化してもよい。
【0019】
本発明の照明制御方法は、光源の発光面の輝度Lが周期的に変化するように前記光源を制御する照明制御方法であって、1周期において輝度Lが最小となる最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、1周期において輝度Lが最大となる最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きくなるように、かつ、以下の条件を満足する曲線に沿って輝度Lが変化するように、前記光源を制御するステップを包含し、前記曲線は、t=0、t=T/2、t=Tにおいて輝度LがL BASE に一致し、かつ、0<t<T/2において輝度LがL BASE より大きく、かつ、T/2<t<Tにおいて輝度LがL BASE より小さくなる曲線であり、0<t<T/2において、最大輝度時刻t MAX を除いて、前記曲線に沿って変化する輝度Lは基準正弦波形の輝度より小さく、0<s<T/2を満たす任意のsに対して、t=T/2−sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値は、t=T/2+sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値より大きく、tは時刻を示し、Tは輝度Lの変化の周期を示し、L BASE は定数を示し、前記基準正弦波形は、周期Tと同一の周期を有し、かつ、最大輝度時刻t MAX において最大輝度L MAX と同一の輝度を有し、かつ、最小輝度時刻t MIN において最小輝度L MIN と同一の輝度を有し、最大輝度L MAX は1周期における輝度Lの最大値を示し、最小輝度L MIN は1周期における輝度Lの最小値を示し、これにより、上記目的が達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
1.照明装置の構成
図1は、本発明の実施の形態の照明装置1の構成を示す。
【0022】
照明装置1は、光源10と、光源10の発光面の輝度が周期的に変化するように光源10を制御する制御部20とを含む。
【0023】
制御部20は、調光信号を生成する調光信号生成部22と、調光信号に応じて光源10の発光面の輝度を制御する調光点灯装置24とを含む。調光信号生成部22の機能は、例えば、コンピュータ(CPU)によって実現され得る。
【0024】
調光信号生成部22は、時間の経過につれて変化する電圧信号(例えば、0〜5Vの電圧信号)を調光信号として調光点灯装置24に出力する。調光点灯装置24は、調光信号生成部22から出力される電圧信号を電流に変換し、その電流を光源10に出力する。光源10は、調光点灯装置24から出力される電流の大きさに応じて発光面の輝度を変化させる。
【0025】
光源10は、例えば、白熱電球である。しかし、光源10はこれに限定されない。光源10としては、例えば、LED(発光ダイオード)、EL(電界ルミネッセンス)、HID(高輝度放電ランプ)光源および蛍光灯等の任意のタイプの光源を使用することができる。
【0026】
図2は、観測者30が椅子40に座りながら、照明装置1からの照明光50を観測している様子を示す。ここで、照明光50の光量は、光源10の発光面の輝度が周期的に変化することに連動して、周期的に変化する。
【0027】
ここで、観測者30は、照明光50の光量の変化に合わせて呼吸をするものとする。例えば、観測者30は、照明光50が最も暗いときから最も明るくなるまでの期間に呼吸を吸い、照明光50が最も明るいときから最も暗くなるまでの期間に呼吸を吐くものとする。
【0028】
このように、観測者30は、照明光50の光量の変化に合わせて呼吸をすることにより、呼吸のリズムを整えることができる。これにより、観測者30のリラックスが向上される。ここで、本明細書では、「リラックス」という用語は、ストレス解消だけでなく、気持ちがよくなって眠ってしまうことをも包含することを意味する。したがって、本発明は入眠時に、より入眠を容易にするために用いることもできる。
【0029】
なお、図2に示される例では、制御部20(図1)は、照明装置1の台座1aの内部に収納されている。あるいは、照明装置1の電源線1bの途中に設けられたケース(図示せず)内に制御部20を収納するようにしてもよい。あるいは、パルックボール(商品名)のように、光源10と制御部20とを一体的に形成するようにしてもよい。
【0030】
さらに、図2に示される例では、照明装置1はフロアスタンドの形態であるが、照明装置1はこの形態のみに限らない。照明装置1は、デスクスタンドのような柄の短いスタンドであってもよいし、天井に取り付けるシーリングライトやペンダント型の全般照明用の照明装置、天井に取り付けるダウンライトのような部分照明用の照明装置等であってもよい。さらに、照明装置1は、ヘッドマウントディスプレイ、眼鏡および眼帯のように観測者30の眼を覆う形状を有し、観測者30の眼を照明するタイプの照明装置であってもよいことはいうまでもない。また、制御部20と光源10とは別々に構成されていてもよい。制御部20と光源10とが別々に構成されている場合には、制御部20は、任意のタイプの光源10とともに用いられ、光源10を制御する照明制御装置として機能し得る。
2.照明制御方法の原理
以下、本発明による照明制御方法の原理を説明する。本発明による照明制御方法は、人間の視覚特性と人間の呼吸運動の特性とを考慮して、照明光の周期的な変化を制御することを特徴とする。
【0031】
本発明による照明制御方法においては、1周期において光量が最小となる時刻の近傍における光量の単位時間あたりの変化より、1周期において光量が最大となる時刻の近傍における光量の単位時間あたりの変化が大きくなるように、照明光が制御される。
【0032】
このような照明光の制御は、例えば、1周期において輝度が最小となる時刻(最小輝度時刻)の近傍における輝度の単位時間あたりの変化より、1周期において輝度が最大となる時刻(最大輝度時刻)の近傍における輝度の単位時間あたりの変化が大きくなるように、光源10(図1)の発光面の輝度Lを周期的に変化させることによって達成される。このように光源10を制御するためには、例えば、1周期において輝度が最小となる時刻(最小輝度時刻)の近傍における輝度の単位時間あたりの変化より、1周期において輝度が最大となる時刻(最大輝度時刻)の近傍における輝度の単位時間あたりの変化が大きくなるように、調光信号生成部22(図1)が、調光点灯装置24(図1)に出力する電圧信号(調光信号)を変化させ、調光点灯装置24が、その電圧信号を電流に変換し、その電流を光源10に出力すればよい。
【0033】
このように、照明光を制御することにより、観測者が照明光の光量の変化に呼吸を合わせやすくなるとともに、観測者のリラックスを向上させることが可能になる。その理由を以下に詳しく説明する。
【0034】
図3は、人間の視覚特性を説明するための図である。人間の視覚が光による刺激を受けると、その刺激は神経を伝わり、脳に伝達される。脳に伝わる刺激の大きさは輝度に比例せず、輝度の対数値に比例する。
【0035】
図3は、輝度が正弦波形に沿って変化する照明光を人間が見た場合に、その人間がその照明光をどのように知覚するかを示す。人間の脳は、輝度が正弦波形の対数値に沿って変化するようにその照明光を知覚する。従って、人間の脳によって知覚される輝度曲線は、輝度が最小となる時刻の近傍の輝度の変化より輝度が最大となる時刻の近傍の輝度の変化が緩やかな曲線となる。実際、同じ量の輝度変化ならば、人間は、輝度の小さいところでの変化より輝度の大きいところでの変化を緩やかな変化に感じる。
【0036】
このように、輝度が正弦波形に沿って変化する照明光を人間が見た場合には、その人間は、輝度が最小となる時刻の近傍の輝度の変化より輝度が最大となる時刻の近傍の輝度の変化が緩やかであると感じる。その結果、輝度が最大となる時刻を知覚しにくく、呼気を開始するタイミングをつかみづらいという欠点があった。照明光の光量の変化に呼吸を無理なく合わせるためには、1周期において輝度が最大となる時刻(最大輝度時刻)と、1周期において輝度が最小となる時刻(最小輝度時刻)とがわかりやすいことが必要である。特に、最大輝度時刻のわかりやすさは、最小輝度時刻のわかりやすさより重要である。
【0037】
従って、最小輝度時刻の近傍の輝度の変化より最大輝度時刻の近傍の輝度の変化が大きくなるように光源10(図1)の発光面の輝度Lを制御する必要がある。
【0038】
図4は、人間の呼吸運動の特性を示す。図4において、横軸は時刻tを示し、縦軸は肺容積と呼ばれる肺内の空気量を示す。時間の経過につれて肺容積が減少する期間を「呼気期間」(観測者が息を吐く期間)といい、時間の経過につれて肺容積が増加する期間を「吸気期間」(観測者が息を吸う期間)という。
【0039】
図4に示されるように、人間の呼吸運動では、一般に、呼気期間の終了から吸気期間の開始までに呼吸運動が停止する停止期間が発生する。この停止期間は、観測者のリラックスが向上するにつれて長くなる。この停止期間は、呼吸1周期の20%から25%を占めることもある。逆に、観測者がリラックスしていない時にはこの停止期間は短くなり、停止期間がほとんど消滅することもある。このように、呼吸運動において、呼気から吸気に移るまでの期間の長さは、観測者のリラックスの程度に依存する。このため、呼気から吸気に移るまでの期間に幅をもたせた方が観測者は呼吸を合わせやすい。
【0040】
これに対し、人間はリラックスが向上しても、吸気期間の終了から呼気期間の開始までに呼吸運動が停止する停止期間はほとんど発生しない。このため、呼気を開始するタイミングは、観測者のリラックスの程度にかかわらず、吸気を終了した直後とする方が観測者は呼吸を合わせやすい。
【0041】
このような人間の呼吸運動の特性を考慮すると、照明光の光量の変化に呼吸を無理なく合わせるためには、1周期において輝度が最大となる時刻の近傍での輝度の変化が、1周期において輝度が最小となる時刻の近傍での輝度の変化と同等であるか、あるいは大きい必要がある。あるいは、呼気から吸気に移るまでの期間に幅をもたせる(呼吸運動を一時的に停止させる)ために、1周期において輝度が最小となる時刻の近傍で、輝度の変化を0にしても(すなわち、輝度を一定にしても)よい。この場合には、輝度が最小となる時刻は一点には定まらないが、本発明では、後述するように、この場合の「輝度が最小となる時刻の近傍での輝度の変化」は0とみなす。従って、この場合には、常に、1周期において輝度が最大となる時刻の近傍での輝度の変化が、1周期において輝度が最小となる時刻の近傍での輝度の変化より大きくなる。
【0042】
このように、人間の視覚特性の解析結果と人間の呼吸運動の特性の解析結果とによれば、1周期において輝度が最大となる時刻の近傍での輝度の変化が1周期において輝度が最小となる時刻の近傍での輝度の変化より十分大きくなるように光源の発光面の輝度を制御することが好ましい。
【0043】
なお、上述した説明では、観測者は目を開けて照明光を観測しているとしているが、観測者は必ずしも目を開けている必要はない。光源が発生する照明光の光量が十分に大きい場合には、目を閉じていても目蓋越しに照明光を知覚できることは、日常の経験からも明らかである。人間の目蓋は光量を減衰させるフィルターとして作用するが、目蓋を透過した照明光の光量の変化の相対的な形状は、目を開けて観測した場合と同じである。本発明は、上述したように、照明光の光量の変化の相対的な形状に特徴があり、その特徴によって、観測者のリラックスが容易になるという効果が得られる。従って、観測者が目を閉じて照明光を観測する場合にも、本発明の効果が得られる。これは、以下の説明においても同様に当てはまる。
【0044】
3.輝度Lの好ましい制御の例
図5Aは、本発明による照明制御方法に基づく、光源10の発光面の輝度Lの好ましい制御の例を示す。図5Aにおいて、横軸は時刻tを示し、縦軸は光源10の発光面の輝度Lを示す。
【0045】
制御部20は、光源10の輝度Lが図5Aに示される実線に沿って周期的に変化するように光源10を制御する。このように、輝度Lを周期的に変化させる理由は、輝度Lを吸気呼気の強さに合わせるためである。呼吸運動が時間の経過につれて周期的に繰り返される運動であることから、輝度Lも時間の経過につれて周期的に変化するように制御される。
【0046】
輝度Lは、0.1Hz以上0.4Hz以下の範囲で周期的に変化するように制御される。これは、呼吸運動の周波数が0.1Hzから0.4Hz程度だからである。
【0047】
吸気1回、呼気1回で1呼吸である。従って、輝度Lが最大輝度LMAXから最小輝度LMINに変化する場合には、輝度Lは単調に減少するように制御され、輝度Lが最小輝度LMINから最大輝度LMAXに変化する場合には、輝度Lは単調に増加するように制御される。ここで、最大輝度LMAXとは、1周期における輝度Lの最大値をいい、最小輝度LMINとは、1周期における輝度Lの最小値をいう。
【0048】
輝度Lの変化の周期をTとする。1周期の開始時刻をt=0とすると、t=0、t=T/2、t=Tにおいて輝度LがLBASE(LBASEは定数)に一致し、0<t<T/2において輝度LがLBASEより大きく、T/2<t<Tにおいて輝度LがLBASEより小さくなるように輝度Lが制御される。すなわち、1周期のうち前半の半周期は輝度LがLBASEより大きく、1周期のうち後半の半周期は輝度LがLBASEより小さくなるように輝度Lが制御される。
【0049】
ここで、L>LBASEとなる半周期を「山の期間」といい、L<LBASEとなる半周期を「谷の期間」という。
【0050】
「山の期間」において、輝度Lは、最大輝度時刻tMAXを除いて、基準正弦波形の輝度より小さくなるように制御される。最大輝度時刻tMAXとは、1周期において輝度Lが最大となる時刻(すなわち、L=LMAXとなる時刻)をいう。
【0051】
図5Aにおいて、破線は、基準正弦波形を示す。基準正弦波形とは、輝度Lの変化の周期Tと同一の周期を有し、かつ、最大輝度時刻tMAXにおいて最大輝度LMAXと同一の輝度を有し、かつ、最小輝度時刻tMINにおいて最小輝度LMINと同一の輝度を有する正弦波形をいう。最小輝度時刻tMINとは、1周期において輝度Lが最小となる時刻(すなわち、L=LMINとなる時刻)をいう。ただし、上述したように、時刻tMINにおいてのみでなく、時刻tMINの近傍においても輝度Lが最小輝度LMINとなる場合もある。このような場合は、1周期において輝度Lが最小となる時刻は一点には定まらないので、輝度Lが最小輝度LMINになる期間の中央の時刻を最小輝度時刻tMINとみなす。なお、この場合には、輝度Lが最小となる時刻の近傍での輝度Lの変化は、時刻tMINの近傍での輝度Lの変化(すなわち、0)とみなす。
【0052】
このように、「山の期間」において、最大輝度時刻tMAXを除いて、輝度Lが基準正弦波形の輝度より小さくなるように輝度Lを制御することより、最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化は、最大輝度時刻tMAXの近傍における基準正弦波形の輝度の単位時間あたりの変化に比べて大きくなる。これにより、観測者は、基準正弦波形に比べて、最大輝度時刻tMAXをより容易に認識することが可能になる。
【0053】
次に、「谷の期間」において、輝度Lは、t=T/2−sにおける輝度LとLBASEとの差の絶対値d1が、t=T/2+sにおける輝度LとLBASEとの差の絶対値d2より大きくなるように制御される。ここで、sは、0<s<T/2を満たす任意の数である。その結果、「谷の期間」において、輝度Lは、最小輝度時刻tMINを除いて、基準正弦波形の輝度より小さくなる。
【0054】
このように、「谷の期間」において、d1>d2を満たすように輝度Lを制御することにより、最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きくなるように輝度Lが制御される。これにより、輝度Lの変化を呼吸運動のリズムにより近づけることが可能になる。
【0055】
図5Aに示される実線の曲線は、例えば、(数1)によって表され得る。
【0056】
【数1】
L=LBASE×rsin(t)
ここで、LBASE、rはそれぞれ定数を示す。
【0057】
図5Aに示されるように、(数1)によって表される曲線は、一周期中で常に変化し続ける。しかし、上述したように、光源10の発光面の輝度Lは、時刻tMINの近傍で一定時間にわたって輝度Lが最小輝度LMINとなるように制御されてもよい。
【0058】
図5Bは、時刻tMINの近傍の一定時間TLMINにわたって輝度Lが最小輝度LMINとなるように、輝度Lを制御する例を示す。図4を用いて説明した呼吸運動の特徴から分かるように、時間TLMINの長さを周期の25%以下、すなわち、T/4以下にすれば、輝度Lの変化を呼吸運動のリズムにより近づけることができるので、より好ましい。
【0059】
以上説明したように輝度Lを変化させることにより、少なくとも基準正弦波形に比べて、観測者が最大輝度時刻tMAXをより容易に認識することができ、かつ、輝度Lの変化を呼吸運動のリズムにより近づけることが可能になる。その結果、観測者は、照明光の光量の変化に無理なく呼吸を合わせることができ、リラックスを向上させることができる。
【0060】
4.検証実験
上述した照明制御方法に基づく効果を検証するために、本願の発明者たちは検証実験を行った。その検証実験には、4とおりの曲線A〜Dを用いた。
【0061】
図6は、曲線A〜Cの波形を示し、図7は、曲線Dの波形を示す。図6および図7において、横軸は時刻tを示し、縦軸は光源の発光面の輝度Lを示す。輝度Lは、曲線A〜Dのそれぞれに沿って周期的に変化するように制御されるものとする。
【0062】
検証実験では、最大輝度LMAXを1400cd/m2、最小輝度LMINを150cd/m2とした。
【0063】
図6に示される曲線Aは、正弦波形である。曲線Aは、(数2)によって表される。
【0064】
【数2】
L=LA+rA×sin(t)
ここで、LA、rAはそれぞれ定数を示す。
【0065】
図6に示される曲線Bは、(数3)によって表される。
【0066】
【数3】
L=LB×rB sin(t)
ここで、LB=(LMAX×LMIN1/2、rB=(LMAX/LMIN1/2であり、
MAXは1周期における輝度Lの最大値を示し、LMINは1周期における輝度Lの最小値を示す。
【0067】
図6に示される曲線Cは、(数4)によって表される。
【0068】
【数4】
L=LC/(1−rC×sin(t))
ここで、LC=2×(LMAX×LMIN)/(LMAX+LMIN)、rC=(LMAX−LMIN)/(LMAX+LMIN)であり、
MAXは1周期における輝度Lの最大値を示し、LMINは1周期における輝度Lの最小値を示す。
【0069】
図7に示される曲線Dは、最大輝度時刻tMAXにおける最大輝度LMAXと、最小輝度時刻tMINにおける最小輝度LMINとを直線でつないだ三角波形である。
【0070】
図6に示されるように、最大輝度時刻tMAXの近傍においては、曲線Cに沿って変化する輝度Lの単位時間あたりの変化は、曲線Bに沿って変化する輝度Lの単位時間あたりの変化より大きく、最小輝度時刻tMINの近傍においては、曲線Cに沿って変化する輝度Lの単位時間あたりの変化は、曲線Bに沿って変化する輝度Lの単位時間あたりの変化より小さい。
【0071】
また、図6から明らかなように、曲線Bと曲線Cとは、いずれも、「最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きい」という条件を満たす。
【0072】
図8は、曲線A’〜C’の波形を示す。曲線A’〜C’は、それぞれ、図6に示される曲線A〜Cの対数値を取ったものである。図6の縦軸が輝度Lを示すのに対し、図8の縦軸は輝度Lの対数値(log(L))を示す。
【0073】
図9は、曲線D’の波形を示す。曲線D’は、図7に示される曲線Dの対数値を取ったものである。図7の縦軸が輝度Lを示すのに対し、図9の縦軸は輝度Lの対数値(log(L))を示す。
【0074】
人間の視覚特性によって、曲線Aに沿って変化する輝度Lは、あたかも曲線A’に沿って変化するように人間に知覚される。従って、人間の視覚では、曲線Aは、図8に示される曲線A’の形で変化するように見える。曲線B〜Dについても同様である。
【0075】
図8から、曲線B’は正弦波形であることが分かる。このことは、曲線Bは、人間の視覚では正弦波形として知覚されることを意味する。
【0076】
さらに、図8から分かるように、曲線C’は、曲線A’の上下を逆にした形になる。すなわち、曲線A’の山の期間での変化量は曲線C’の谷の期間での変化量と同等であり、曲線C’の山の期間での変化量は曲線A’の谷の期間での変化量と同等である。
【0077】
また、曲線Cは、「最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きい」曲線C’として知覚されることが分かる。
【0078】
複数名の観測者のそれぞれに、光源からの照明光を観察してもらい、「観測者が照明光の光量の変化に呼吸を合わせやすいか否か」「照明光を見ている観測者がリラックスしやすいか否か」の2つの評価項目について主観評価をしてもらった。
【0079】
「呼吸の合わせやすさ」に関する評価項目は、”非常に合わせやすい”、”かなり合わせやすい”、”合わせやすい”、”どちらでもない”、”合わせにくい”、”かなり合わせにくい”、”非常に合わせにくい”の7段階で評価するものとした。各評価に対して順に、+3、+2、+1、0、−1、−2、−3の点数を与え、評価項目の点数は全観測者が評価した点数の平均値とした。
【0080】
「リラックスのしやすさ」に関する評価項目は、”非常にリラックスできる”、”かなりリラックスできる”、”リラックスできる”、”どちらでもない”、”リラックスしにくい”、”かなりリラックスしにくい”、”非常にリラックスしにくい”の7段階で評価するものとした。各評価に対して順に、+3、+2、+1、0、−1、−2、−3の点数を与え、評価項目の点数は全観測者が評価した点数の平均値とした。
【0081】
従って、評価項目の+の点数が大きいほど良い評価となり、評価項目の−の点数が大きいほど悪い評価となる。
【0082】
図10は、検証実験の結果を示す。図10は、輝度Lを曲線A〜Dのそれぞれに沿って変化させた場合における、「呼吸の合わせやすさ」に関する評価項目の点数(評価値)と、「リラックスのしやすさ」に関する評価項目の点数(評価値)とを示している。
【0083】
「呼吸の合わせやすさ」に関する評価項目の点数は、曲線Aに対して+0.5、曲線Bに対して+1.6、曲線Cに対して+1.0、曲線Dに対して−1.1であった。
【0084】
「リラックスのしやすさ」に関する評価項目の点数は、曲線Aに対して+0.5、曲線Bに対して+1.4、曲線Cに対して+0.9、曲線Dに対して−1.0であった。
【0085】
図10に示される実験結果から、輝度Lを曲線A〜Cに沿って変化させた場合には観測者は輝度Lの変化に呼吸を合わせやすく、輝度Lを曲線Dに沿って変化させた場合には観測者は輝度Lの変化に呼吸を合わせにくいことが分かる。さらに、曲線B、C、Aの順に、観測者が輝度Lの変化に呼吸が合わせやすいことが分かる。
【0086】
「リラックスのしやすさ」についても「呼吸の合わせやすさ」と同様の結果が得られた。すなわち、輝度Lを曲線A〜Cに沿って変化させた場合には観測者はリラックスしやすく、輝度Lを曲線Dに沿って変化させた場合には観測者はリラックスしにくい。さらに、曲線B、C、Aの順に、観測者がリラックスしやすい。
【0087】
このことから、曲線Dに沿って輝度Lを変化させること(すなわち、図7に示されるように輝度Lを直線に沿って変化させること)は、観測者が輝度Lの変化に呼吸を合わせるのには不適切であり、輝度Lは曲線に沿って変化させる必要があることが確かめられた。
【0088】
また、上述したように、曲線Bと曲線Cとは、いずれも、「最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きい」という条件を満たす。この条件を満たすことにより、正弦波形である曲線Aに比べて、観測者が輝度の変化に呼吸を合わせやすく、かつ、観測者がリラックスしやすいことが確かめられた。
【0089】
次に、「最大輝度時刻tMAXのわかりやすさ」を検証する検証実験を行った。この検証実験には、図6に示される曲線A〜Cを用いた。
【0090】
複数名の観測者のそれぞれに、輝度Lが最大であると感じたときにボタンを押すように依頼し、観測者がボタンを押した時刻TSを記録した。また、輝度Lが実際に最大となった時刻TLを計測し、差ΔT=|TS−TL|を計算した。
【0091】
図11は、検証実験の結果を示す。図11において、縦軸は、上述したようにして計算された差ΔTの平均値を示す。差ΔTの平均値は、曲線Aに対して0.35秒、曲線Bに対して0.23秒、曲線Cに対して0.19秒であった。
【0092】
図11から、曲線Aに比べて、曲線B、曲線Cでは、「最大輝度時刻tMAXのわかりやすさ」が大きく向上していることが分かる。
【0093】
このように、「山の期間」において、最大輝度時刻tMAXを除いて、輝度Lが基準正弦曲線の輝度より小さくなるように輝度Lを制御することにより、基準正弦波形に比べて、最大輝度時刻tMAXのわかりやすさが向上することが確かめられた。
【0094】
上述したように、4つの曲線A〜Dのうち、曲線Bおよび曲線Cは、「呼吸の合わせやすさ」「リラックスのしやすさ」および「最大輝度時刻tMAXのわかりやすさ」の点で、正弦波形である曲線Aよりも評価が高い。
【0095】
図12は、図6に示される曲線Bと曲線Cとに挟まれた領域をハッチングで示したものである。このハッチングされた領域を通過する曲線に沿って輝度Lを変化させる場合にも、曲線Bおよび曲線Cと同様の高い評価が得られる。
【0096】
図12において、ハッチングされた領域は、(数5)によって表される。
【0097】
【数5】
C /(1−rC×sin(t))≦L≦LB×rB sin(t)
ここで、LB、rBはそれぞれ(数3)に示される定数と同一であり、LC 、rCはそれぞれ(数4)に示される定数と同一である。
【0098】
上述したように、4つの曲線A〜Dのうち、曲線Bは、「呼吸の合わせやすさ」および「リラックスのしやすさ」の点で、最も評価が高い。
【0099】
曲線Bの評価が高い理由は、「山の期間」における曲線B’の変化と「谷の期間」における曲線B’の変化とが対称的であること(図8参照)に起因している。従って、「「山の期間」における曲線X’の変化と「谷の期間」における曲線X’の変化とが対称的である」という条件を満たす任意の曲線Xに対しても、曲線Bと同様の高い評価が得られる。ここで、曲線X’は、曲線Xの対数値を取ったものである。
【0100】
なお、上述した実施の形態では、(数3)および(数4)に従って輝度Lを変化させる照明制御方法を説明した。しかし、輝度Lの変化が厳密に(数3)および(数4)に従っている必要はない。例えば、(数3)および(数4)に示される輝度Lと実際の輝度との差が実際の輝度の±10%以内に収まるような輝度変化は、人間の目には、(数3)および(数4)に従った輝度変化とほとんど同等に見える。よって、このような輝度変化も本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0101】
さらに、上述した実施の形態では、1周期において輝度Lが増加する期間の長さと1周期において輝度Lが減少する期間の長さとは同一であった。しかし、これらの期間の長さが必ずしも同一である必要はない。
【0102】
例えば、1周期において輝度が増加する期間の長さをT1、1周期において輝度Lが減少する期間の長さをT2とするとき、輝度Lを(数6)に従って変化させるようにしてもよい。
【0103】
【数6】
L=LB×rB sin(x)
ここで、
0≦t≦T1/2のとき、x=(2π/2T1)t、
1/2≦t≦T1/2+T2のとき、x=(2π/2T2)(t−T1/2)+π/2、
1/2+T2≦t≦Tのとき、x=(2π/2T1)(t−T1/2−T2)+3π/2。
【0104】
なお、(数6)において、LB、rBは、それぞれ、(数3)に示される定数と同一であり、tは時刻を示す。
【0105】
一般に、その輝度を越えると人間が眩しく感じるがために人間に不快感を与える限界輝度が存在する。この限界輝度は色温度が低いほど大きくなる。例えば、ろうそくの色温度2000Kにおける限界輝度は、5000cd/m2である。従って、最大輝度LMAXは、限界輝度5000cd/m2以下であることが望ましい。また、輝度Lが小さくなり消灯状態になると、不連続な光として観測者に知覚される。このため、輝度Lが0cd/m2になると観測者に不快感を与える。従って、最小輝度LMINは、0cd/m2より大きいことが望ましい。
【0106】
以上の理由から、輝度Lは、0cd/m2より大きく、5000cd/m2以下の範囲で変化することが望ましい。
【0107】
なお、上述した実施の形態では、輝度Lの変化の周期Tは一定であった。しかし、輝度Lの変化の周期Tが必ずしも一定である必要はない。時間の経過につれて、輝度Lの変化の周期Tの長さを変化させるようにしてもよい。
【0108】
図13は、時間の経過につれて、輝度Lの変化の周期を徐々に伸ばす例を示している。このような輝度Lの制御は、例えば、呼吸運動の周期を徐々に長い周期に導く用途に適している。
【0109】
なお、本発明では、人間の視覚特性を考慮して、輝度を変化させる照明制御方法を説明した。人間の視覚以外の感覚も、視覚と同様に物理量をその対数値で知覚する性質を備えている。従って、視覚以外の感覚に訴える場合にも、本発明と同様の方法で物理量を変化させることにより、本発明と同等の効果を得ることができる。
【0110】
例えば、ある種の音を発生させ、その音量の変化に呼吸を合わせる場合、あるいは空調機器によって空気の流れを生じさせ、その空気の流れの変化に呼吸を合わせる場合、あるいはマッサージ機などで触覚刺激を使う場合などにも、本発明における輝度変化の考え方を応用することができる。
【0111】
さらに、本発明の照明制御方法によれば、観測者に不快感を与えることなく観測者を心地よい状態(リラックス状態)に導くことができる。従って、観測者が輝度の変化に呼吸を意識的に合わせない場合でも、本発明の照明制御方法が有効であることは言うまでもない。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、照明光の光量の変化に合わせて観測者が呼吸のリズムを整えることを容易にするとともに、観測者がリラックスすることを容易にする照明装置および照明制御方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の照明装置1の構成を示す図
【図2】観測者30が椅子40に座りながら、照明装置1からの照明光50を観測している様子を示す図
【図3】人間の視覚特性を説明するための図
【図4】人間の呼吸運動の特性を示す図
【図5A】光源10の発光面の輝度Lの好ましい制御の例を示す図
【図5B】時刻tMINの近傍で一定時間TLMINにわたって輝度Lが最小輝度LMINとなるように、輝度Lを制御する例を示す図
【図6】検証実験に使用した曲線A〜Cの波形を示す図
【図7】検証実験に使用した曲線Dの波形を示す図
【図8】曲線A’〜C’の波形を示す図
【図9】曲線D’の波形を示す図
【図10】検証実験の結果を示す図
【図11】検証実験の結果を示す図
【図12】図6に示される曲線Bと曲線Cとに挟まれた領域を示す図
【図13】時間の経過につれて、輝度Lの変化の周期を徐々に伸ばす例を示す図
【符号の説明】
1 照明装置
1a 台座
1b 電源線
10 光源
20 制御部
22 調光信号生成部
24 調光点灯装置
30 観測者
40 椅子
50 照明光

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源の発光面の輝度Lが周期的に変化するように前記光源を制御する制御部と
    を備えた照明装置であって、
    前記制御部は、1周期において輝度Lが最小となる最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、1周期において輝度Lが最大となる最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きくなるように、かつ、以下の条件を満足する曲線に沿って輝度Lが変化するように、前記光源を制御する構成であり、
    前記曲線は、t=0、t=T/2、t=Tにおいて輝度LがL BASE に一致し、かつ、0<t<T/2において輝度LがL BASE より大きく、かつ、T/2<t<Tにおいて輝度LがL BASE より小さくなる曲線であり、
    0<t<T/2において、最大輝度時刻t MAX を除いて、前記曲線に沿って変化する輝度Lは基準正弦波形の輝度より小さく、
    0<s<T/2を満たす任意のsに対して、t=T/2−sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値は、t=T/2+sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値より大きく、
    tは時刻を示し、Tは輝度Lの変化の周期を示し、L BASE は定数を示し、
    前記基準正弦波形は、周期Tと同一の周期を有し、かつ、最大輝度時刻t MAX において最大輝度L MAX と同一の輝度を有し、かつ、最小輝度時刻t MIN において最小輝度L MIN と同一の輝度を有し、
    最大輝度L MAX は1周期における輝度Lの最大値を示し、最小輝度L MIN は1周期における輝度Lの最小値を示す、照明装置。
  2. 輝度Lは、0.1Hz以上0.4Hz以下の範囲で周期的に変化する、請求項1に記載の照明装置。
  3. 輝度Lは、L×r sin(t)以下、かつ、L/(1−r×sin(t))以上の範囲内で変化し、
    =(LMAX×LMIN1/2
    =(LMAX/LMIN1/2
    =2×(LMAX×LMIN)/(LMAX+LMIN)、
    C=(LMAX−LMIN)/(LMAX+LMIN)である、請求項1に記載の照明装置。
  4. 輝度Lは、LBASE×rsin(t)に従って変化し、rは定数を示す、請求項1に記載の照明装置。
  5. 輝度Lは、0cd/m2より大きく5000cd/m2以下の範囲内で変化する、請求項1に記載の照明装置。
  6. 光源の発光面の輝度Lが周期的に変化するように前記光源を制御する照明制御方法であって、
    1周期において輝度Lが最小となる最小輝度時刻tMINの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化より、1周期において輝度Lが最大となる最大輝度時刻tMAXの近傍における輝度Lの単位時間あたりの変化が大きくなるように、かつ、以下の条件を満足する曲線に沿って輝度Lが変化するように、前記光源を制御するステップを包含し
    前記曲線は、t=0、t=T/2、t=Tにおいて輝度LがL BASE に一致し、かつ、0<t<T/2において輝度LがL BASE より大きく、かつ、T/2<t<Tにおいて輝度LがL BASE より小さくなる曲線であり、
    0<t<T/2において、最大輝度時刻t MAX を除いて、前記曲線に沿って変化する輝度Lは基準正弦波形の輝度より小さく、
    0<s<T/2を満たす任意のsに対して、t=T/2−sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値は、t=T/2+sにおける輝度LとL BASE との差の絶対値より大きく、
    tは時刻を示し、Tは輝度Lの変化の周期を示し、L BASE は定数を示し、
    前記基準正弦波形は、周期Tと同一の周期を有し、かつ、最大輝度時刻t MAX において最大輝度L MAX と同一の輝度を有し、かつ、最小輝度時刻t MIN において最小輝度L MIN と同一の輝度を有し、
    最大輝度L MAX は1周期における輝度Lの最大値を示し、最小輝度L MIN は1周期における輝度Lの最小値を示す、照明制御方法。
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