JP3974254B2

JP3974254B2 - Fluid composition for power steering

Info

Publication number: JP3974254B2
Application number: JP9999598A
Authority: JP
Inventors: 弘栃木; 充宏中村; 俊夫功刀
Original assignee: Cosmo Oil Co Ltd
Current assignee: Cosmo Oil Co Ltd
Priority date: 1998-03-28
Filing date: 1998-03-28
Publication date: 2007-09-12
Anticipated expiration: 2018-03-28
Also published as: JPH11279580A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーステアリング用流体組成物に関するものであり、さらに詳しくは、エンジンまたは電動モーター等によってオイルポンプが駆動され、運転者がハンドルを操作することによりコントロールバルブ、アクチュエータとしてのパワーシリンダーを作動させ、その操舵出力を倍力化するための油圧系に使用される流体組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
パワーステアリング装置は、ハンドル操作を軽減し運転を容易にするための機構で、オイルタンク、オイルポンプ、コントロールバルブ、ステアリングギヤボックスなどで構成されている。そこにはパワーステアリング用作動流体が用いられ、パワーステアリング装置を長期に亘り円滑に作動させるために、摩耗防止性、低温流動性、熱酸化安定性、低摩擦特性、シール適合性などの種々の性能が要求される。これらの性能を満足させるために、選定された基油に酸化防止剤、粘度指数向上剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤など種々の添加剤を配合しパワーステアリング用流体組成物として供されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
パワーステアリング用流体組成物に固有の問題として油中への銅の溶解がある。パワーステアリング装置を構成するオイルタンク、オイルポンプ、ステアリングギヤボックスは、それぞれゴムホースや銅配管で連結されている。このためゴムホースの充填剤等が油中に溶出し、それが銅配管をアタックして油中銅濃度が増加する傾向があり、この油中銅がゴム材料から成るオイルシールを劣化せしめ、強度低下や油漏れの原因となる場合もある。この問題に対応するためチアジアゾール誘導体とリン酸系化合物との組み合わせで、油中への銅の溶出を抑制する方法を既に提案している（特公平６−９９７０１号公報）。しかしながら、このチアジアゾール誘導体は高価である事から、これより安価で少量の配合で銅溶出防止性に効果的な添加剤を配合したパワーステアリング用流体組成物が望まれていた。殊に最近の自動車エンジン及び周辺機器の構造は複雑化され、パワーステアリング装置で使用しているゴムホースの長さが長くなり、それだけ銅を溶解させる成分のゴムからの溶出が増加したため、ますます安価でかつ少量の使用で充分な銅溶出防止性を与え得る添加剤の開発が必要とされている。
【０００４】
パワーステアリングの油圧系には、高圧で摺動するパワーシリンダーがあり、そのリップシールはシリンダー壁に対して高圧下で繰り返し頻繁に摺動せねばならないので、従来あまり強調されてこなかったが、パワーステアリング用流体は可撓性のリップ部材とシリンダー壁との間に良好な潤滑性を与え得るものでなければならず、低摩擦係数を有するものである必要がある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、基油に、特定のリン酸系化合物と特定の２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾール化合物を添加することにより、従来のチアゾール化合物よりも作動液中への銅の溶解が抑制できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】
すなわち、本発明の要旨は、（イ）アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルリン酸系化合物、アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルチオリン酸系化合物および金属塩以外のアルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルジチオリン酸系化合物からなる群から選ばれたものの少なくとも１種、
（ロ）下記式
【化２】

（式中、Ｒ¹は、炭素数１〜１２の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表わす。）
で表わされる２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールの１種又は２種以上、および、
（ハ）鉱油およびシリコーン以外の合成油からなる群から選ばれた基油の少なくとも１種を含有することを特徴とするパワーステアリング用流体組成物に存する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する（イ）成分は、アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルリン酸系化合物、アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルチオリン酸系化合物および金属塩以外のアルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルジチオリン酸系化合物からなるものであり、そのアルキル基は、炭素数１〜１８の直鎖または分岐鎖アルキル基である。その具体例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ヘキサデシル、オクタデシル基等を挙げることができる。また、アルキル置換フェニル基のアルキル基も上記と同様である。（イ）成分のアルキル基あるいはアルキル置換フェニル基のアルキル基として好ましいのは、炭素数４〜１８のアルキル基である。
【０００８】
アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルリン酸系化合物としては、亜リン酸エステル、フォスフォン酸エステル、正リン酸エステル、ピロリン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルアミン塩などを挙げることができる。
【０００９】
アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルチオリン酸系化合物としては、チオホスフェート、酸性チオリン酸エステル等のチオリン酸エステル化合物あるいはこれら酸性チオリン酸エステルのアルキルアミン完全中和塩あるいは部分中和塩等を挙げることができる。
【００１０】
アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルジチオリン酸系化合物としては、ジチオフォスフェート、酸性ジチオリン酸エステル等のジチオリン酸エステル化合物、これら酸性ジチオリン酸エステルのアルキルアミン完全中和塩あるいは部分中和塩等を挙げることができる。本発明において、アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルジチオリン酸系化合物について金属塩を除外しているのは、これらの金属塩、通常は亜鉛塩は銅溶出を促進するという欠点を有するためである。
【００１１】
これらのリン酸系化合物は単独で使用してもよく、また、２種以上を組み合わせて使用してもよい。
【００１２】
上記（イ）成分の配合量は、リン分として、約０．００５質量％〜約０．５質量％、好ましくは約０．０２質量％〜約０．０７質量％である。配合量が多すぎても効果はそれ程上がらずコスト上昇になる。また、配合量が少なすぎると摩耗防止性能が低下する傾向があり好ましくない。
【００１３】
本発明に使用される（ロ）成分は、下記式
【化３】

（式中、Ｒ¹は、炭素数１〜１２の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表わす。）
で表わされる２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールである。
【００１４】
２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールのアルキル基（式中のＲ¹）は、好ましくは炭素数１〜１０の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくは、直鎖のアルキル基である。特に好ましいアルキル基としては、炭素数６〜１０のアルキル基であり、具体的にはｎ−ノニル基またはｎ−オクチル基を挙げることができる。炭素数が１２を越えると充分な銅溶出抑制効果が得られない。
【００１５】
（ロ）成分の配合量は、約０．０２質量％〜１質量％であり、好ましくは約０．０５〜０．５質量％である。配合量が０．０２質量％未満だと充分な銅溶出抑制効果が得られなく、１質量％を越えると摩耗防止性能が低下する傾向があり好ましくない。
【００１６】
本発明において使用される（ハ）成分である基油は、溶剤精製あるいは水素化処理などの精製を受けた鉱油ないしは以下に述べる合成油であって、適当な粘度を有するものであればよい。例えば合成油としては、ポリ−α−オレフィン類、ポリブテン類、ジエステル類、ポリエチレンプロピレン類、ポリグライコール類、ヒンダードエステル類が挙げられるが添加剤の溶解性を考慮すれば、好ましくは鉱油に類似したポリ−α−オレフィン類、ポリブテン類、ポリエチレンプロピレン類等が挙げられる。なお、合成油であってもシリコーンは体積圧縮率が高く、また、潤滑性に劣るので本発明のパワーステアリング用流体の基油としては適当ではない。
【００１７】
これらの基油は、単独で使用してもよく、また、２種以上を組み合わせて使用してもよい。
【００１８】
一般に、パワーステアリング用流体において、使用されるベーンポンプあるいはギヤーポンプに対する適正粘度は、低温時の流動性を考慮して１００℃の粘度が約５〜１０ｍｍ²／ｓ、好ましくは、約６〜８ｍｍ²／ｓ、−３０℃の粘度が約５０，０００ｍＰａ・ｓ以下、好ましくは約５，０００ｍＰａ・ｓ以下に調合するため、通常、１００℃の粘度が約２〜７ｍｍ²／ｓ、好ましくは約３〜４．５ｍｍ²／ｓの基油を使用し、必要に応じて増粘効果と流動点降下効果を得るためにポリメタクリレート系の高分子化合物あるいはポリエチレンプロピレンやポリブテンの高分子化合物とポリメタクリレート系の高分子化合物が組み合わされて使用され、適正な粘度範囲にされる。
【００１９】
本発明によるパワーステアリング用流体組成物には、更に公知の添加剤、例えば防錆剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤、摩擦調整剤ならびに消泡剤などを含有していてもよい。詳しくは、防錆剤としては、アミン系、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル等があげられる。金属不活性化剤としてはチアジアゾール誘導体、例えば２，５−ビス（アルキルジチオ）−１，３，４−チアジアゾール等やベンゾトリアゾールがあげられる。酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系の酸化防止剤等があげられる。粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマー等があげられる。金属型清浄分散剤としては、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリチレート等があげられる。無灰型清浄分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル、長鎖脂肪酸とポリアミンとのアミド（アミノアミド型）等があげられる。摩擦調整剤としては、脂肪酸、有機モリブデン化合物等があげられる。消泡剤としては、シリコン化合物、エステル系等があげられる。
【００２０】
これらの添加剤の配合量は、各約２０質量％以下、好ましくは各約１０質量％以下である。本発明組成物中、添加剤の合計配合量は、約２０質量％以下、特に、約１５質量％以下が好ましい。
【００２１】
【実施例】
次に本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
【００２２】
実施例に使用した（イ）、（ロ）、（ハ）成分を以下に示す。
・（イ）成分
▲１▼アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルリン酸系化合物として、トリクレジルフォスフェート、トリイソデシルフォスファイトを用いた。
【００２３】
▲２▼アルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルチオリン酸系化合物として、トリアルキルチオフォスフェート（アルキル基Ｃ₁₂：Ｃ₁₃＝１：１）を用いた。
【００２４】
▲３▼金属塩以外のアルキルあるいはアルキル置換または未置換フェニルジチオリン酸系化合物として、２−エチルヘキシルジチオフォスフェートを用いた。
【００２５】
・（ロ）成分
２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールとして、Ｒ¹の炭素数９の２−ノニルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールを用いた。
【００２６】
・（ハ）成分
基油として、１００℃の粘度が４．０ｍｍ²／ｓのパラフィン系高度精製鉱油を用いた。
【００２７】
・その他の添加剤として以下のものを使用した。
無灰型清浄分散剤；コハク酸イミド系分散剤
金属型清浄分散剤；Ｃａサリチレート
粘度指数向上剤；ポリメタクリレート
酸化防止剤；アルキルジフェニルアミン
消泡剤；ジメチルポリシロキサン
金属不活性化剤；２，５−ビス（オクチルジチオ）−１，３，４−チアジアゾール
【００２８】
また、実施例及び比較例の評価は、銅溶出防止性能評価と摩擦特性を評価した。以下に評価方法を示す。
【００２９】
銅溶出防止性能評価試験
下記に示す試験条件で銅溶出性試験を行った。この試験はＪＩＳＫ２５１４の４項に規定される装置と試料容器を用いて行った。この試験の後に試料油中のＣｕ濃度を測定して組成物の銅溶出防止性能を評価した。
【００３０】
試料油量：２５０ｍｌ
温度：１１０℃
ゴム板：低圧ゴムホース（アクリロニトリルブタジエンラバー）を３ｍｍ×３ｍｍ×２ｍｍに裁断したもの２０ｇ
銅板：７５ｍｍ×１８０ｍｍ×０．８ｍｍ
時間：９６ｈ
【００３１】
摩擦特性試験
パワーステアリング用流体組成物の摩擦特性の評価は、図１〜図３に示す装置を用いて試験を行った。
【００３２】
図１は用いた摩擦試験具本体の正面図、図２は図１のＩ−Ｉ線における断面図、そして図３は被試験材であるゴム板を把持する把持部の図である。
アクリロニトリルブタジエンゴム板（以下単にゴム板と記す）１０を図３に示す把持具１１の把持部１２に把持する。次いで、図２に示すように、この把持具１１の軸１３を、試験装置本体１のスリット部３に差し込み、ゴム板１０が伸び率１００％となる位置で、ゴム板１０の一方の面が固定手段２に接するように、ナット１４で固定する。
【００３３】
この状態の摩擦試験具本体１を、取り付け部１ａにて、図示省略の摩擦試験装置に取り付け、ゴム板１０の固定手段２に接している面と反対面に鋼板（ＪＩＳ−Ｇ−３１４１ＳＰＣＣ）２０を接触させる。次に、このゴム板１０と鋼板２０との間に実施例あるいは比較例で得た組成物を５０ｍｇ塗布する。そして、図示省略の荷重負荷手段によりゴム板１０と鋼板２０との間に５００ｇの荷重をかけ、かつ図示省略の電動機によりゴム板１０と鋼板２０との間に１．３ｍｍ／秒の相対速度を与える。両板１０，２０間の摩擦力の検出は、板バネ（バネ定数４０±１ｇ／ｍｍ，バネ振動数１５±１サイクル／秒）の歪みをストレンゲージで測定し、それを電磁オシログラフにより記録し、摩擦力の検出結果に基づいて摩擦係数を算出した。上記の測定は８０℃で行った。
【００３４】
なお、ここで用いた装置の詳細は特開平４−３５１９４２号公報に示されており、ここで用いた図１、図２、図３はこの公報の図３（Ａ）、図３（Ｂ）及び図２にそれぞれ対応しているので、必要があれば上記公報を参照されたい。
【００３５】
実施例１〜１０
表１、２に示される配合割合で、パワーステアリング用流体組成物を調製した。得られた組成物の性状を表中段に示し、前述した銅溶出防止性能評価及び摩擦特性試験を行い、その結果を表下段に示した。
【００３６】
【表１】

【００３７】
【表２】

【００３８】
比較例１〜４
表３に示される配合割合で、パワーステアリング用流体組成物を調製した。得られた組成物の性状を表中段に示し、前述した銅溶出防止性能評価及び摩擦特性試験を行い、その結果を表下段に示した。
【００３９】
【表３】

【００４０】
【発明の効果】
本発明のパワーステアリング用流体組成物は、特定のリン酸系化合物と２−アルキルジチオ−５−メルカプト−１，３，４−チアジアゾールを含有することにより、従来のパワーステアリング用作動流体としての他の諸性能を損うことなく、従来より銅溶出の抑制に優れ、パワーシリンダーのシール材の腐食による損傷を抑制でき、パワーステアリング装置の長期の安定使用を確保することができる。
【００４１】
なお、本発明のパワーステアリング用作動流体組成物は、自動変速機油、緩衝器油およびアクティブサスペンションフルードなどの自動車用や工業用油圧作動油として使用することができるが、特に、パワーステアリング用流体組成物として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明で用いた摩擦試験具本体の正面図である。
【図２】図１のＩ−Ｉ線における断面図である。
【図３】被試験材であるゴム板を把持する把持部の図である。
【符号の説明】
１：摩擦試験具本体
２：固定手段
３：スリット部
１０：ゴム板
１１：把持具
１２：把持部
１３：軸（把持具１１の軸）
１４：ナット
２０：鋼板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fluid composition for power steering, and more specifically, an oil pump is driven by an engine or an electric motor, etc., and a driver operates a power valve as an actuator by operating a handle. And a fluid composition used in a hydraulic system for boosting the steering output.
[0002]
[Prior art]
The power steering device is a mechanism for reducing steering operation and facilitating driving, and includes an oil tank, an oil pump, a control valve, a steering gear box, and the like. The working fluid for power steering is used there. In order to operate the power steering device smoothly over a long period of time, various types such as wear prevention property, low temperature fluidity, thermal oxidation stability, low friction property, seal compatibility, etc. Performance is required. In order to satisfy these performances, various additives such as an antioxidant, a viscosity index improver, an antiwear agent, and a friction modifier are blended with the selected base oil and used as a fluid composition for power steering. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
A problem inherent in power steering fluid compositions is the dissolution of copper in oil. The oil tank, the oil pump, and the steering gear box that constitute the power steering apparatus are connected by rubber hoses and copper pipes, respectively. For this reason, rubber hose fillers and the like are eluted in the oil, which tends to attack the copper piping and increase the copper concentration in the oil. This copper in the oil deteriorates the oil seal made of rubber material and decreases the strength. And may cause oil leakage. In order to cope with this problem, a method for suppressing elution of copper into oil with a combination of a thiadiazole derivative and a phosphoric acid compound has already been proposed (Japanese Patent Publication No. 6-99701). However, since this thiadiazole derivative is expensive, there has been a demand for a fluid composition for power steering in which an additive effective for preventing copper elution is added at a lower price and in a smaller amount. In particular, the structure of recent automobile engines and peripheral equipment has become complicated, the length of rubber hoses used in power steering systems has become longer, and the elution of copper-dissolving components from rubber has increased, making it increasingly cheaper. In addition, it is necessary to develop an additive capable of providing sufficient copper elution prevention property with a small amount of use.
[0004]
The hydraulic system of power steering has a power cylinder that slides at high pressure, and its lip seal has to be slid frequently and repeatedly against the cylinder wall under high pressure. The steering fluid must be capable of providing good lubricity between the flexible lip member and the cylinder wall, and should have a low coefficient of friction.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present inventors have conducted extensive research to solve the above problems, and as a result, the base oil contains a specific phosphate compound and a specific 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole compound. As a result, it was found that the dissolution of copper in the working fluid can be suppressed more than the conventional thiazole compound, and the present invention has been completed.
[0006]
That is, the gist of the present invention is (i) an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl phosphoric acid compound, an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenylthiophosphoric acid compound and an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl dithiophosphorus other than a metal salt. At least one selected from the group consisting of acid compounds,
(B) The following formula:

(In the formula, R ¹ represents a linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms.)
One or more of 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole represented by:
(C) A fluid composition for power steering, comprising at least one base oil selected from the group consisting of mineral oils and synthetic oils other than silicone.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
The component (a) used in the present invention is an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl phosphate compound, an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenylthiophosphate compound, and an alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl dithioline other than metal salts. It consists of an acid compound, and the alkyl group is a linear or branched alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. Specific examples thereof include methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, octyl, nonyl, hexadecyl, octadecyl group and the like. The alkyl group of the alkyl-substituted phenyl group is the same as described above. (A) Preferred as the alkyl group of the component or the alkyl-substituted phenyl group is an alkyl group having 4 to 18 carbon atoms.
[0008]
Examples of alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl phosphate compounds include phosphites, phosphonates, orthophosphates, pyrophosphates, acidic phosphates, acidic phosphate amine salts, and the like. it can.
[0009]
Examples of alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenylthiophosphate compounds include thiophosphate compounds such as thiophosphate and acidic thiophosphate esters, or alkylamine complete neutralization salts or partial neutralization salts of these acidic thiophosphate esters. Can do.
[0010]
Examples of the alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl dithiophosphate compounds include dithiophosphates, dithiophosphate esters such as acidic dithiophosphates, alkylamine fully neutralized salts or partially neutralized salts of these acidic dithiophosphates. be able to. In the present invention, the metal salts are excluded from the alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyldithiophosphate compounds because these metal salts, usually zinc salts, have the disadvantage of promoting copper elution.
[0011]
These phosphate compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0012]
The amount of component (a) is about 0.005% to about 0.5% by weight, preferably about 0.02% to about 0.07% by weight, as the phosphorus content. If the amount is too large, the effect will not increase so much and the cost will increase. Moreover, when there are too few compounding quantities, there exists a tendency for abrasion prevention performance to fall, and it is unpreferable.
[0013]
The component (b) used in the present invention has the following formula:

(In the formula, R ¹ represents a linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms.)
2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole.
[0014]
The alkyl group (R ¹ in the formula) of 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole is preferably a linear or branched alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, more preferably, It is a linear alkyl group. A particularly preferable alkyl group is an alkyl group having 6 to 10 carbon atoms, and specific examples include an n-nonyl group and an n-octyl group. If the carbon number exceeds 12, a sufficient copper elution suppression effect cannot be obtained.
[0015]
(B) The compounding quantity of a component is about 0.02 mass%-1 mass%, Preferably it is about 0.05-0.5 mass%. If the blending amount is less than 0.02% by mass, a sufficient copper elution suppression effect cannot be obtained, and if it exceeds 1% by mass, the wear prevention performance tends to decrease, such being undesirable.
[0016]
The base oil which is component (c) used in the present invention may be any mineral oil or synthetic oil described below that has been subjected to refining such as solvent refining or hydrotreating, and has any suitable viscosity. For example, synthetic oils include poly-α-olefins, polybutenes, diesters, polyethylene propylenes, polyglycols, hindered esters, but preferably in terms of the solubility of additives, Similar poly-α-olefins, polybutenes, polyethylene propylenes and the like can be mentioned. Even if it is a synthetic oil, silicone is not suitable as a base oil for the power steering fluid of the present invention because it has a high volumetric compressibility and is inferior in lubricity.
[0017]
These base oils may be used alone or in combination of two or more.
[0018]
In general, the fluid for power steering, proper viscosity for a vane pump or gear pump is used, the viscosity of 100 ° C. in consideration of the fluidity at low temperatures of about 5 to 10 mm ² / s, preferably about 6-8 mm ² / s, the viscosity at −30 ° C. is about 50,000 mPa · s or less, preferably about 5,000 mPa · s or less, so that the viscosity at 100 ° C. is usually about ^{2 to} 7 mm ² / s, preferably about 3 to Using a 4.5 mm ² / s base oil, and in order to obtain a thickening effect and a pour point depressing effect as required, a polymethacrylate polymer compound or a polymer compound of polyethylene propylene or polybutene and a polymethacrylate polymer A high molecular compound is used in combination to obtain an appropriate viscosity range.
[0019]
In the power steering fluid composition according to the present invention, further known additives such as a rust inhibitor, a metal deactivator, an antioxidant, a viscosity index improver, a cleaning dispersant, a friction modifier, an antifoaming agent, etc. May be contained. Specifically, examples of the rust inhibitor include amines, alkenyl succinimides, and alkenyl succinates. Examples of the metal deactivator include thiadiazole derivatives such as 2,5-bis (alkyldithio) -1,3,4-thiadiazole and benzotriazole. Examples of the antioxidant include amine-based and phenol-based antioxidants. Examples of the viscosity index improver include polymethacrylate and olefin copolymer. Examples of the metal detergent / dispersant include alkaline earth metal sulfonates, alkaline earth metal phenates, alkaline earth metal salicylates, and the like. Examples of the ashless detergent / dispersant include alkenyl succinimide, alkenyl succinate, amide of long chain fatty acid and polyamine (aminoamide type), and the like. Examples of the friction modifier include fatty acids and organic molybdenum compounds. Examples of the antifoaming agent include silicon compounds and ester series.
[0020]
The amount of these additives is about 20% by mass or less, preferably about 10% by mass or less. In the composition of the present invention, the total amount of additives is about 20% by mass or less, particularly about 15% by mass or less.
[0021]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. In addition, this invention is not restrict | limited at all by these examples.
[0022]
The components (a), (b) and (c) used in the examples are shown below.
Component (a) Component (1) Tricresyl phosphate and triisodecyl phosphite were used as alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl phosphate compounds.
[0023]
(2) Trialkylthiophosphate (alkyl group C ₁₂ : C ₁₃ = 1: 1) was used as the alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenylthiophosphate compound.
[0024]
(3) 2-Ethylhexyl dithiophosphate was used as the alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyldithiophosphate compound other than the metal salt.
[0025]
(B) Component 2-nonyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole having 9 carbon atoms as R ¹ was used as component 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole.
[0026]
(C) Paraffin-based highly refined mineral oil having a viscosity at 100 ° C. of 4.0 mm ² / s was used as the component base oil.
[0027]
-The following were used as other additives.
Ashless detergents; Succinimide dispersants Metal detergents; Ca salicylate viscosity index improvers; Polymethacrylate antioxidants; Alkyldiphenylamine defoamers; Dimethylpolysiloxane metal deactivators; -Bis (octyldithio) -1,3,4-thiadiazole [0028]
Moreover, evaluation of an Example and a comparative example evaluated copper elution prevention performance evaluation and a friction characteristic. The evaluation method is shown below.
[0029]
Copper elution prevention performance evaluation test A copper elution test was conducted under the test conditions shown below. This test was performed using an apparatus and a sample container specified in item 4 of JIS K2514. After this test, the Cu concentration in the sample oil was measured to evaluate the copper elution prevention performance of the composition.
[0030]
Sample oil volume: 250ml
Temperature: 110 ° C
Rubber plate: 20 g of low-pressure rubber hose (acrylonitrile butadiene rubber) cut to 3 mm x 3 mm x 2 mm
Copper plate: 75mm x 180mm x 0.8mm
Time: 96h
[0031]
Friction Characteristics Test The friction characteristics of the power steering fluid composition were evaluated using the apparatus shown in FIGS.
[0032]
1 is a front view of the main body of the friction test device used, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 1, and FIG. 3 is a view of a gripping part for gripping a rubber plate as a material to be tested.
An acrylonitrile butadiene rubber plate (hereinafter simply referred to as a rubber plate) 10 is held by the holding portion 12 of the holding tool 11 shown in FIG. Next, as shown in FIG. 2, the shaft 13 of the gripping tool 11 is inserted into the slit portion 3 of the test apparatus main body 1, and the rubber plate 10 has one surface at a position where the elongation rate is 100%. The nut 14 is fixed so as to contact the fixing means 2.
[0033]
The friction test tool body 1 in this state is attached to a friction test apparatus (not shown) at the attachment portion 1a, and a steel plate (JIS-G-3141SPCC) 20 is provided on the surface opposite to the surface in contact with the fixing means 2 of the rubber plate 10. Contact. Next, 50 mg of the composition obtained in the example or the comparative example is applied between the rubber plate 10 and the steel plate 20. A load of 500 g is applied between the rubber plate 10 and the steel plate 20 by a load loading means (not shown), and a relative speed of 1.3 mm / second is applied between the rubber plate 10 and the steel plate 20 by an electric motor (not shown). give. The frictional force between the

plates

10 and 20 is detected by measuring the strain of a leaf spring (spring constant 40 ± 1 g / mm, spring frequency 15 ± 1 cycle / second) with a strain gauge and recording it with an electromagnetic oscillograph. The friction coefficient was calculated based on the detection result of the friction force. Said measurement was performed at 80 degreeC.
[0034]
The details of the apparatus used here are disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 4-351942, and FIGS. 1, 2 and 3 used here are FIGS. 3 (A) and 3 (B). 2 and FIG. 2 respectively, refer to the above publication if necessary.
[0035]
Examples 1-10
Power steering fluid compositions were prepared at the blending ratios shown in Tables 1 and 2. The properties of the obtained composition are shown in the middle part of the table, and the copper elution prevention performance evaluation and the friction characteristic test described above were performed. The results are shown in the lower part of the table.
[0036]
[Table 1]

[0037]
[Table 2]

[0038]
Comparative Examples 1-4
A power steering fluid composition was prepared at a blending ratio shown in Table 3. The properties of the obtained composition are shown in the middle part of the table, and the copper elution prevention performance evaluation and the friction characteristic test described above were performed. The results are shown in the lower part of the table.
[0039]
[Table 3]

[0040]
【The invention's effect】
The fluid composition for power steering of the present invention contains a specific phosphoric acid compound and 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole, so that it can be used as a conventional working fluid for power steering. Without impairing the various performances of the above, the copper elution can be suppressed more than before, the damage due to the corrosion of the sealing material of the power cylinder can be suppressed, and the long-term stable use of the power steering device can be ensured.
[0041]
The working fluid composition for power steering according to the present invention can be used as an automotive or industrial hydraulic fluid such as automatic transmission fluid, shock absorber fluid and active suspension fluid. It is suitable as a product.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a friction tester main body used in the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
FIG. 3 is a diagram of a gripping part that grips a rubber plate that is a material to be tested.
[Explanation of symbols]
1 : Friction tester body 2: Fixing means 3: Slit 10: Rubber plate
11 : gripping tool 12: gripping part 13: axis (axis of gripping tool 11)
14: Nut 20: Steel plate

Claims

(I) selected from the group consisting of alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl phosphate compounds, alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenylthiophosphate compounds and alkyl or alkyl-substituted or unsubstituted phenyl dithiophosphate compounds other than metal salts At least one of the
(B) The following formula

(In the formula, R ¹ represents a linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms.)
One or more of 2-alkyldithio-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole represented by:
(C) A power steering fluid composition comprising at least one base oil selected from the group consisting of mineral oils and synthetic oils other than silicone.

The blending amount of the component (a) is 0.005% to 0.5% by weight as phosphorus, and the blending amount of the component (b) is 0.02% to 1% by weight. The fluid composition for power steering according to 1.