JP3973281B2 - Gear oil composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ギヤ油に関し、詳しくは、優れた酸化安定性、耐ピッチング性、シンクロ耐久性、およびシンクロナイザーリング(以下、SNRと記す)とギヤコーン(以下、GCと記す)間での摩耗特性を有するとともに、マルチグレード化の際のせん断安定性が大幅に向上したギヤ油であって、例えばハイポイドギヤを装着した自動車のマニュアルトランスミッションやトランスアクスルに使用する際にも極めて優れた極圧性を有するギヤ油に関する。
【0002】
【技術背景】
従来より使用されてきているギヤ油は、各種装置における金属と金属との間に油膜を形成し、摩耗、焼き付き、ピッチング、スコーリングなどの現象を抑制することを目的としている。
このギヤ油は、通常、基油として鉱油あるいは合成油を用い、これに目的に応じて各種の添加剤を配合したものである。
【0003】
自動車用のギヤ油においては、乗り心地、快適性の観点からシフト操作性をより一層向上させるギヤ油の開発が望まれている。
【0004】
このシフト操作性の改良点の1つは、SNRとGCとの引っ掛かりの解消である。この引っ掛かりは、シフトチェンジする際にシフトレバーが離れ難くなる現象であり、SNRとGCが離れる際にスティックトルクが発生し、シフトが重く感じられる現象である。
【0005】
もう1つの改良点は、SNRとGCとの同期不良の解消である。この同期不良が生じると、シフトチェンジの際にシフトレバーが入り難くなり、上記の引っ掛かりの場合と同様にシフトが重く感じられて、円滑なシフト操作性が低下する場合がある。
【0006】
上記の引っ掛かりを改良するために、これまで、種々のギヤ油が提案されている。
例えば、アルカノールアミン化合物に着目したギヤ油(特開平2−4897号公報)、硫化エステルまたは硫化エステルとアルカノールアミン化合物に着目したギヤ油(特開平2−182787号公報参照)がある。
また、操作フィーリングを良好にするギヤ油として、硫黄含有化合物と塩基価200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属系清浄分散剤と多価アルコールの部分エステルとを添加したものも知られている(特開平2−155987号公報参照)。
【0007】
さらに、本発明者らにより、優れた耐摩耗性、酸化安定性およびシンクロ特性を有するとともに、ピッチング性を大幅に改善したギヤ油として、(A)アルキルジチオリン酸亜鉛、(B)塩基価200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属型清浄分散剤、(C)平均分子量2000〜5000のポリブテニル基を有するビスタイプのアルケニルこはく酸イミドあるいはその誘導体、(D)リン酸エステルのアミン塩を添加したものが提案されている(特願平8−188908号)。この既提案のギヤ油は、自動車用ギヤ油として一定以上の性能を有する。
【0008】
ところで、例えば、ハイポイドギヤを装着したトランスアクスルに使用するギヤ油においては、極めて高い極圧性が要求されるために、上記した本発明者らによる既提案のギヤ油の性能よりさらに高い極圧性が要求される可能性がある。
また、エンジンのさらなる高出力化に伴って、ギヤへの負荷が大きくなる傾向にあり、より高性能なギヤ油開発の要求が高まると予想される。
【0009】
一方、省燃費の観点から自動車用ギヤ油においては、低粘度化する傾向にある。この低粘度化により、低温での性能、すなわち低温流動性は向上するが、高温での粘度も下がることになる。そのため、一般的な市販ギヤ油では、粘度指数向上剤を添加し、マルチグレード化が図られている。
しかし、粘度指数向上剤だけを添加すると、高せん断下での使用条件によっては、粘度低下を起こし、所定の粘度が得られなくなり、ピッチング、摩耗、焼き付きなどの現象を抑制する性能が低下する可能性がある。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、以上のような実情を考慮し、従来のギヤ油が有している優れた酸化安定性、耐ピッチング性、極圧性およびシンクロ耐久性、SNRとGCとの間の摩擦特性を有するとともに、マルチグレード化する際のせん断安定性を大幅に向上させたギヤ油を提供することを目的とする。
【0011】
【発明の概要】
上記の目的を達成するために、本発明のギヤ油は、100℃で2〜50mm2/sの粘度を有し、硫黄分が0.1質量%以下である鉱油および合成油の中から選ばれる1種以上を基油とし、これに、(A)アルキル基の炭素数が8以上のプライマリージチオリン酸亜鉛0.5〜3質量%、(B)塩基価200mgKOH/g以上を有するアルカリ土類金属型清浄分散剤1.2〜4質量%、(C)平均分子量が2000〜5000のポリブテニル基を有するビスタイプのアルケニルこはく酸イミド、その誘導体1.8〜4質量%、(D)リン酸エステルのアミン塩0.3〜3質量%、(E)炭化水素硫化物および硫化油脂(油脂と硫黄との反応物)から選ばれる1種以上の硫黄化合物0.05〜5質量%、(F)平均分子量が2000〜12000のエチレン−α−オレフィン共重合体0.5〜15質量%、(G)平均分子量が15000〜50000のポリメタアクリレート0.1〜5質量%、を含有してなることを特徴とする。
【0012】
以上の成分からなる本発明のギヤ油は、マニュアルトランスミッション油やトランスアクスル油として具備すべき特性、すなわち、
1)SNRとGC部分が離れる際の引っ掛かりを効果的に防止する、
2)SNRとGC部分が同期する時間を短縮する(言い換えれば、同期不良を効果的に解消する)、
3)SNRとGC部分で適切な摩擦係数を有する、
4)この摩擦係数を長期にわたって維持する(言い換えれば、シンクロ耐久性に優れる)、
5)耐ピッチング性に優れる、
6)極圧性、耐摩耗性に優れる、
7)酸化安定性に優れる、
8)せん断安定性に優れる、
を有している。
【0013】
本発明における基油は、100℃における粘度が2〜50mm/sの範囲、好ましくは2〜40mm/s、より好ましくは2〜30mm/s、特に好ましくは5〜20mm/sである。
また、本発明における基油は、硫黄分がなるべく少ないことが望ましく、許容される硫黄分の含有量は0.1質量%までであり、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下である。
硫黄分が0.1質量%を越えて存在すると、高温で使用されるときにスラッジの生成が促進される可能性がある。
なお、本発明における基油は、粘度指数が100以上あることが望ましく、好ましくは110以上、より好ましくは120以上である。
【0014】
本発明では、上記のような性状を有する鉱油や合成油が基油として使用され、鉱油としては、例えば、水素化精製油、触媒異性化油などの高度に精製されたパラフィン系鉱油が好適に使用される。
【0015】
上記の基油に配合される(A)成分のプライマリージチオリン酸亜鉛は、化1の一般式(1)で表される。
【0016】
【化1】

Figure 0003973281
【0017】
一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一または相異なる炭素数8以上のプライマリーアルキル基である。
炭素数8未満のプライマリーアルキル基のものは、耐摩耗性、耐酸化性が小さく、炭素数が多すぎるプライマリーアルキル基のものも、同様に、耐摩耗性、耐酸化性が小さくなるため、プライマリーアルキル基の炭素数の上限は20程度とすることが適している。好ましい炭素数は8〜18、より好ましくは11〜14であり、例えば、プライマリーのデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基などが挙げられる。
【0018】
上記のプライマリーアルキルジチオリン酸亜鉛は、単独でまたは2種以上を混合して使用でき、その配合割合は、0.5〜3質量%、好ましくは0.8〜2質量%である。
プライマリーアルキルジチオリン酸亜鉛が少なすぎると、耐ピッチング性、シンクロ耐久性の向上や、同期時間の短縮効果を得ることができないことがあり、多すぎるとスラッジ発生の原因となる可能性がある。
【0019】
(B)成分の塩基価が200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属型清浄分散剤は、従来よりエンジン油に使用されている公知のものを使用することができる。
塩基価が200mgKOH/g未満のものであると、耐ピッチング性を優れたものとすることができないことがあり、硫黄系極圧剤を配合する場合においては、シンクロ耐久性の向上効果が得られない可能性がある。
なお、塩基価の上限は、特に限定しないが、あまり高すぎると分散性に影響を及ぼすことがあるため、600mgKOH/g程度を上限とするのが好ましい。好ましい塩基価は、250〜450mgKOH/g、より好ましくは300〜450mgKOH/gである。
【0020】
このようなアルカリ土類金属型清浄分散剤の具体例としては、スルフォネート、フェネート、サリシレート、ホスフォネートなどと、Ca、Mg、Baなどとの金属塩形になっているものが挙げられる。
また、Ca、Mg、Baなどの水酸化物や炭酸塩を過剰に含有させた超塩基性清浄分散剤も使用できる。
好ましくはスルフォネートとCa、Mg、Baなどとの金属塩であり、より好ましくはMgスルフォネートであり、特に好ましくはCaスルフォネートとMgスルフォネートを重量比で1:0.8〜1:10、好ましくは1:0.9〜1:8、より好ましくは1:1〜1:6、特に好ましくは1:2〜1:6の割合で併用したものである。
【0021】
上記のアルカリ土類金属型清浄分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用でき、その配合割合は、1.2〜4質量%、好ましくは1.5〜2.5質量%である。
アルカリ土類金属型清浄分散剤が少なすぎると、耐ピッチング性および清浄性が低下する可能性があり、多すぎてもこの効果は飽和し、経済的に不利である。
【0022】
(C)成分のアルケニルこはく酸イミドまたはその誘導体は、平均分子量が2000〜5000、好ましくは2000〜3000、さらに好ましくは2300〜2500のポリブテニル基を有するビスタイプのものであり、化2の一般式(2)で表される。なお、(C)成分は、平均分子量が2000未満であると充分な耐ピッチング性が得られないことがあり、5000を超えると油への溶解性が低下する可能性がある。
【0023】
【化2】
Figure 0003973281
【0024】
一般式(2)中、R5はアルケニル基であるポリブテニル基で、上記した平均分子量のもの、R6は炭素数2〜5の2価の飽和脂肪族炭化水素基、xは0〜10の整数である。
【0025】
一般式(2)で表されるビスタイプのアルケニルこはく酸イミドまたはその誘導体は、一般には、ポリブテンと無水マレイン酸との反応で得られるポリブテニルコハク酸無水物と、ポリアミンとの反応によって合成される。
このポリアミンの例としては、単一ジアミン、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミンなど;ポリアルキレンポリアミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、ペンタペンチレンヘキサミンなど、が挙げられる。
【0026】
また、ビスタイプのアルケニルこはく酸イミドのホウ素化合物誘導体、有機ホスフォネート誘導体など、あるいはビスタイプのアルケニルこはく酸イミドをアルデヒド、ケトン、カルボン酸、スルホン酸、アルキレンオキシド、硫黄などと反応させたビスタイプのアルケニルこはく酸イミドの誘導体も使用できる。
【0027】
上記のビスタイプのアルケニルこはく酸イミド、その誘導体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができ、その配合割合は、1.8〜4質量%である。ビスタイプのアルケニルこはく酸イミド、その誘導体が少なすぎると、耐ピッチング性が低下する可能性があり、多すぎても、この効果は飽和し、経済的に不利となる。
【0028】
(D)成分のリン酸エステルのアミン塩は、化3の一般式(3)で表されるリン酸エステルのアミン塩である。
【0029】
【化3】
一般式(3)
(R7)3−aPX
【0030】
一般式(3)中、R7は1価の炭化水素基、Xは酸素原子または硫黄原子、aは1、2または3、bは0または1である。
【0031】
上記R7の1価の炭化水素基としては、炭素数5〜20の直鎖または分枝の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基)、炭素数6〜26の芳香族炭化水素基またはシクロアルキル基が挙げられる。
【0032】
上記のリン酸エステルアミン塩の具体例としては、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステル、をアルキルアミンで中和した化合物が挙げられる。
【0033】
酸性リン酸エステルとしては、ブチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、トリールアシッドホスフェートなどが挙げられる。
酸性亜リン酸エステルとしては、ジオクチルアシッドホスファイト、トリオクチルアシッドホスファイト、トリドデシルアシッドホスファイト、ジドデシルアシッドホスファイト、トリオクタデセニルアシッドホスファイト、トリ(オクチルフェニル)アシッドホスファイトなどが挙げられる。
酸性チオリン酸エステルとしては、ジオクチルチオアシッドホスフェート、トリオクチルチオアシッドホスフェート、トリドデシルチオアシッドホスフェート、トリヘキサデシルチオアシッドホスフェート、トリオクタデセニルチオアシッドホスフェート、トリ(オクチルフェニル)チオアシッドホスフェートなどが挙げられる。
酸性ジチオリン酸エステルとしては、トリデシルジチオアシッドホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオアシッドホスフェートなどが挙げられる。
【0034】
上記のリン酸エステルを中和するためのアルキルアミンは、一般式NR8R9R10(式中、R8、R9およびR10は、1価の炭化水素基または水素原子であり、少なくとも1つは炭化水素基である)で表され、具体的には、ジブチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、オレイルアミン、ココナッツアミン、牛脂アミンなどが挙げられる。
【0035】
一般式(3)で表されるリン酸エステルのアミン塩は、リン系極圧剤としても使用することができるものであるが、(A)〜(C)成分を添加せずに、このリン系極圧剤を硫黄系極圧剤と併用すると、耐ピッチング性、シンクロ耐久性、酸化安定性を低下させる可能性がある。
【0036】
リン酸エステルアミン塩の配合割合は、少なすぎると、適性な引っ掛かり防止性を得ることができないことがあり、多すぎると耐熱性が低下する可能性があるため、本発明では、0.3〜1質量%とする。なお、リン酸エステルアミン塩に代えて、上記の酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステルをそのままのかたちで使用しても、またアルキルアミン塩をそのままのかたちで使用しても、同期不良を解消することはできない。
【0037】
(E)成分の硫黄化合物は、炭化水素硫化物および硫化油脂の中から選ばれる1種以上であり、炭化水素硫化物は、化4の一般式(4)で表され、代表的なものとして、硫化オレフィン、ポリサルファイド化合物が挙げられる。
【0038】
【化4】
一般式(4)
R11−S−(R12−S−)−R13
【0039】
一般式(4)中、R11およびR13は同一または異なる一価の炭化水素基、R12は二価の炭化水素基である。xは1以上の整数、好ましくは1〜8の整数であり、繰り返し単位中において、それぞれのxは同一または異なる数であり得る。nは0または1以上の整数である。
【0040】
R11、R13としては、炭素数2〜20の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基)、炭素数2〜26の芳香族炭化水素基を挙げることができる。具体的には、エチル基、プロピル基、ブチル基、ノニル基、ドデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ヘキシルフェニル基などがある。
R12としては、炭素数2〜20の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜26の芳香族炭化水素基を挙げることができる。具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基などがある。
【0041】
硫化オレフィンは、ポリイソブチレンやテルペン類などのオレフィン類を硫黄その他の硫化剤で硫化して得られるものである。
【0042】
また、ポリサルファイド化合物は、一般式(5)で表され、具体的には、ジイソブチルジサルファイド、ジオクチルポリサルファイド、ジ−tert−ノニルポリサルファイド、ジ−tert−ブチルポリサルファイド、ジ−tert−ベンジルポリサルファイドなどがある。
【0043】
【化5】
一般式(5)
R14−S−R15
【0044】
一般式(5)中、R14、R15は、一般式(4)のR11、R13と同じであり、xは2以上の整数である。
【0045】
さらに、(E)成分の硫黄化合物中、油脂と硫黄との反応生成物である硫化油脂は、油脂としてラード、牛脂、鯨油、パーム油、ヤシ油、ナタネ油などの動植物油脂を使用し、これを硫化反応して得られるものである。
この反応生成物は、単一のものではなく、種々の物質の混合物であり、化学構造そのものは明確ではない。
【0046】
以上の各種の硫黄化合物の中でも、特に硫化オレフィンおよびポリサルファイド化合物が、本発明の(E)成分として好ましい。
(E)成分の硫黄化合物の配合割合は、0.05〜5質量%とする。0.05質量%未満であると充分な極圧性が得られないことがあり、5質量%より多いと耐熱性が低下する可能性がある。
【0047】
(F)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体は、化6の一般式(6)で表される。
【0048】
【化6】
Figure 0003973281
【0049】
一般式(6)中、R16はC2n+1、x、y、z、nは整数である。
【0050】
(F)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのコオリゴマーであって、極性基を含まない炭化水素系合成油である。
このエチレン−α−オレフィン共重合体の平均分子量は、2000未満であると所定の粘度向上効果が得られないことがあり、12000より大きいとせん断安定性の低下、貯蔵安定性の低下により、低粘度下で濁りを生じる可能性がある。
【0051】
(F)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体の配合割合は、0.5〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1.0〜4質量%である。0.5質量%未満であると粘度指数向上効果が得られないことがあり、10質量%を越えると貯蔵安定性が低下し、低温下で濁りを生じる可能性がある。
【0052】
(G)成分のポリメタアクリレートは、粘度指数向上剤あるいは流動点降下剤として一般に用いられているものである。
このポリメタアクリレートの平均分子量は、15000未満であると、流動点降下効果作用が小さくなる可能性があり、50000より大きいと所望のせん断安定性が得られない可能性がある。
【0053】
(G)成分のポリメタアクリレートの配合割合は、0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜15質量%、より好ましくは0.3〜10質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%である。0.1質量%未満であると流動点が下がらず、20質量%を越えるとせん断安定性が低下する可能性がある。
【0054】
本発明のギヤ油では、上記の(A)〜(G)成分の他に、目的に応じて、通常使用されている公知の添加剤、例えば、摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤などを配合することもできる。
この中で、摩擦調整剤としては、脂肪酸、有機モリブデン化合物などが、酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系のものなどが、腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、アルケニルこはく酸エステルなどが、粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマーなどが、流動点降下剤としては、ポリメタクリレートなどが、消泡剤としては、シリコン化合物、エステル系のものなど、がそれぞれ使用できる。
【0055】
本発明のギヤ油は、低粘度化されたマルチグレード油の中でも、特に、粘度の低いSAE粘度グレード75W80W油においても、上述のすべての性能を満足するが、SAE粘度グレード75W85Wおよび75W90油にも応用可能である。
【0056】
また、本発明のギヤ油は、(A)〜(G)成分の相互作用により、耐ピッチング性、シンクロ耐久性、酸化安定性に優れたものとなるばかりか、SNRとGCとの引っ掛かりを効果的に防止でき、SNRとGCとの同期時間を短縮できるとともに、極圧性が格段に向上する。
【0057】
【実施例】
実施例1〜8、比較例1〜1
パラフィン系基油(80ニュートラル)に、表1〜6に示す各成分を同表に示す割合(質量%)で配合して、本発明および比較のギヤ油を調製した。これらのギヤ油につき、次の性能試験を行い、結果を表1〜6に合わせて示す。
【0058】
〔低温粘度〕
−40℃におけるブルックフィールド粘度(JPI 5S−26−85に準拠)を測定した。評価は、150000mPa.s以下を合格とした。
【0059】
〔SNRとGCとの引っ掛かりおよび同期試験〕
先ず、SNRとGCを台上に設置し、GCの回転数をモーターにより600rpmに維持する。
次いで、24.5N・cm・sで慣性力を発生させたSNRを1200Nの荷重にて押し付ける。
この押し付け開始からGC回転数が0rpmになるまでの時間を同期時間とした。
【0060】
続いて、SNRの荷重を取り除き、GCからSNRを切り離す。
この切り離し時に発生するトルク(スティックトルク)を測定して、引っ掛かり防止性を評価した。すなわち、スティックトルクが小さい程、引っ掛かり防止性は優れることになる。
【0061】
それぞれの合格基準は、同期については、同期時間2.4s以下を合格とし、引っ掛かり防止については、スティックトルク2.0N・m以下を合格とした。
【0062】
〔耐ピッチング性試験〕
耐ピッチング性の評価として、四円筒試験を行った。四円筒試験の試験条件および疲労寿命の判定法は、次の通りとした。
【0063】
(試験条件)
回転数:1000rpm
滑り率:30%
接触圧力:65kg/mm
油温:80℃
【0064】
(疲労寿命の判定法)
運転開始から10万サイクル毎に試験機を停止し、肉眼で観察できる損傷(ピッチング)が発生するまでのサイクル数を疲労寿命とした。すなわち、サイクル数が多いほど疲労寿命が長く、かつ耐ピッチング性も優れることになる。
本試験では、疲労寿命70万サイクル以上を合格とした。
【0065】
〔シンクロ耐久性試験〕
先ず、SNRとGCを台上に設置し、ギヤコーンの回転数をモーターにより1200rpmに維持する。
次いで、SNRを40kgfの荷重にて押し付ける。
その後、SNRの荷重を取り除き、GCからSNRを切り離す。
このSNRの押し付けと切り離しとからなるパターンを、10000サイクル繰り返す。
【0066】
上記の繰り返しにおいて、SNRを押し付けた時に発生するトルクを測定し、摩擦係数を求めた。
この摩擦係数を、100サイクルと10000サイクルとで比較し、摩擦係数の高低で評価した。すなわち、摩擦係数が高く、かつ10000サイクル後でもこの高い摩擦係数を維持できるものをシンクロ耐久性が優れるものとした。
本試験では、10000サイクル後の摩擦係数が0.100以上を有するものを合格とした。
【0067】
〔極圧性試験〕
次の試験条件にてギヤ試験を行った。なお、IAEギヤ試験は、IP(イギリス石油協会規格)法のIP166/68に従って行い、焼き付き限界荷重を測定した。本試験では、焼き付き荷重が150ポンド以上を合格とした。
【0068】
(試験条件)
小歯車回転数:6000rpm
給油温度:110℃
給油方法:強制給油
給油量:0.56リットル/分
運転方法:5分毎のステップ荷重増加法(すなわち、10ポンドの荷重で運転を開始し、5分毎に5ポンドづつ荷重を増加させた。)
【0069】
〔酸化安定性試験〕
内燃機関用潤滑油安定度試験法(JIS K 2541)に準拠し、150℃、96hrの条件で行った。
評価は、粘度増加、全酸価増加およびスラッジの有無で行った。
【0070】
〔せん断安定性試験〕
超音波せん断安定度試験を、ASTM−D−2603に準拠し、周波数10kHz、振れ幅28μm、時間60min、油量30mlで行った。
評価は、粘度低下率(100℃)により行い、合格基準は、75W80Wおよび75W85W油において3.0質量%以下、75W90油において5.0質量%以下とした。
【0071】
なお、表1〜6中の*1〜*21は、次の意味を有する。
*1:100℃の粘度が6.0mm/s、粘度指数が123、硫黄分が0.01質量%の基油
*2:100℃の粘度が6.0mm/s、、粘度指数が96、硫黄分が0.6質量%の基油
*3:炭素数3と6の第2級アルキル基を有するアルキルジチオリン酸亜鉛(C3とC6との混合物)
*4:炭素数3と6の第1級アルキル基を有するアルキルジチオリン酸亜鉛(C3とC6との混合物)
*5:炭素数12の第1級アルキル基を有するアルキルジチオリン酸亜鉛
*6:塩基価398mgKOH/gのMgスルフォネート
*7:塩基価300mgKOH/gのCaスルフォネート
*8:塩基価29mgKOH/gのCaスルフォネート
*9:2−エチルヘキシルリン酸エステルのオレイルアミン塩
*10:炭素数4のアルキル基を有する酸性リン酸エステル
*12:ポリブテニル基の平均分子量が2400のビスタイプアルケニルこはく酸イミド
*13:ポリブテニル基の平均分子量が1900のビスタイプアルケニルこはく酸イミド
*14:ポリブテニル基の平均分子量が700のモノタイプアルケニルこはく酸イミド
*15:平均分子量3500のエチレン−α−オレフィンコポリマー
*16:平均分子量21000のポリメタアクリレート
*17:平均分子量67000のポリメタアクリレート
*18:その他の添加剤
*19:他社市販トランスミッションギヤ油(GL−4 75W80W)
*20:他社市販トランスミッションギヤ油(GL−3 75W85W)
*21:他社市販トランスミッションギヤ油(GL−4 75W90)
【0072】
【表1の1】
Figure 0003973281
【0073】
【表1の2】
Figure 0003973281
【0074】
【表2の1】
Figure 0003973281
【0075】
【表2の2】
Figure 0003973281
【0076】
【表3の1】
Figure 0003973281
【0077】
【表3の2】
Figure 0003973281
【0078】
【表4の1】
Figure 0003973281
【0079】
【表4の2】
Figure 0003973281
【0080】
【表5の1】
Figure 0003973281
【0081】
【表5の2】
Figure 0003973281
【0082】
【表6の1】
Figure 0003973281
【0083】
【表6の2】
Figure 0003973281
【0084】
【表7の1】
Figure 0003973281
【0085】
【表7の2】
Figure 0003973281
【0086】
【表8】
Figure 0003973281
【0087】
〔実際の車輛による評価試験〕
1300ccの乗用車に、実施例1および比較例1,1のギヤ油を充填して、次の条件で走行後、ギヤ油の粘度低下率(100℃)を測定し、結果を表9に示す。
なお、粘度低下率(100℃)が15以下を合格とした。
【0088】
走行条件:
市街地;比較的加減速(ギヤチェンジ)が多い条件(平均速度50km/h)で、次の距離を走行した。
走行距離;25,000km
高速;加減速(ギヤチェンジ)が少ない条件(平均速度90km/h)で、次の距離を走行した。
走行距離;35,000km
【0089】
【表9】
Figure 0003973281
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のギヤ油は、優れた酸化安定性、極圧性、耐ピッチング性、シンクロ耐久性、SNRとGCとの引っ掛かり防止性および同期不良解消性を有し、マルチグレード化する際のせん断安定性を大幅に向上させる。
したがって、本発明のギヤ油は、最近の高トルク化に伴い大きな負荷がかかるギヤ用の油に要求される一層優れた耐ピッチング性、シンクロ耐久性、極圧性、酸化安定性、せん断安定性に対応することができるとともに、自動変速機のスムーズなシフト操作性をも確保することができ、自動車のマニュアルトランスミッションやトランスアクスル用のギヤ油として好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to gear oils, and in particular, excellent oxidation stability, pitting resistance, synchro durability, and wear characteristics between a synchronizer ring (hereinafter referred to as SNR) and a gear cone (hereinafter referred to as GC). Gear oil that has significantly improved shear stability when multi-grade, and has extremely extreme pressure characteristics when used in, for example, a manual transmission or a transaxle of an automobile equipped with a hypoid gear. Regarding oil.
[0002]
[Technical background]
The gear oil that has been used conventionally has an object of forming an oil film between metals in various apparatuses to suppress phenomena such as wear, seizure, pitching, and scoring.
This gear oil is usually a mineral oil or synthetic oil used as a base oil, and various additives are blended depending on the purpose.
[0003]
In the case of gear oil for automobiles, it is desired to develop a gear oil that further improves the shift operability from the viewpoint of ride comfort and comfort.
[0004]
One of the improvements in this shift operability is to eliminate the catch between SNR and GC. This catch is a phenomenon that makes it difficult for the shift lever to be released when the shift is changed, and a stick torque is generated when the SNR and the GC are separated, and the shift is felt heavy.
[0005]
Another improvement is elimination of poor synchronization between SNR and GC. When this synchronization failure occurs, it becomes difficult for the shift lever to enter during a shift change, and the shift is felt heavy as in the case of the above-mentioned catch, and smooth shift operability may be reduced.
[0006]
In order to improve the above-mentioned catch, various gear oils have been proposed so far.
For example, there are gear oils that focus on alkanolamine compounds (JP-A-2-4897) and gear oils that focus on sulfurized esters or sulfurized esters and alkanolamine compounds (see JP-A-2-182787).
Further, gear oils that improve the operational feeling are known in which a sulfur-containing compound, an alkaline earth metal detergent / dispersant with a base number of 200 mgKOH / g or more, and a partial ester of a polyhydric alcohol are added ( (See JP-A-2-155987).
[0007]
Furthermore, the present inventors have (A) zinc alkyldithiophosphate, (B) base number 200 mgKOH / as a gear oil having excellent wear resistance, oxidation stability, and synchro characteristics and having greatly improved pitching properties. g or more alkaline earth metal detergent / dispersant, (C) a bis-type alkenyl succinimide having a polybutenyl group having an average molecular weight of 2000 to 5000 or a derivative thereof, and (D) an amine salt of a phosphate ester. It has been proposed (Japanese Patent Application No. 8-188908). This previously proposed gear oil has a certain level of performance as a gear oil for automobiles.
[0008]
By the way, for example, a gear oil used for a transaxle equipped with a hypoid gear requires extremely high extreme pressure, and therefore requires extreme pressure higher than the performance of the above-described gear oil proposed by the present inventors. There is a possibility that.
In addition, as the engine output increases further, the load on the gear tends to increase, and the demand for the development of higher performance gear oil is expected to increase.
[0009]
On the other hand, from the viewpoint of fuel saving, automotive gear oil tends to have a low viscosity. This low viscosity improves the performance at low temperature, that is, low temperature fluidity, but also decreases the viscosity at high temperature. Therefore, a general commercial gear oil is multi-grade by adding a viscosity index improver.
However, if only the viscosity index improver is added, depending on the usage conditions under high shear, the viscosity may be lowered and the predetermined viscosity cannot be obtained, and the ability to suppress phenomena such as pitching, wear, and seizure may be reduced. There is sex.
[0010]
OBJECT OF THE INVENTION
In consideration of the above circumstances, the present invention has excellent oxidation stability, pitching resistance, extreme pressure and synchro durability, and friction characteristics between SNR and GC, which conventional gear oils have. At the same time, an object of the present invention is to provide a gear oil with greatly improved shear stability when multi-grade.
[0011]
SUMMARY OF THE INVENTION
  In order to achieve the above object, the gear oil of the present invention is 2-50 mm at 100 ° C.2The base oil is one or more selected from mineral oils and synthetic oils having a viscosity of / s and a sulfur content of 0.1% by mass or less, and (A) the alkyl group has 8 or more carbon atoms Zinc primary dithiophosphate 0.5-3 mass%, (B) 1.2-4 mass% alkaline earth metal detergent having a base number of 200 mg KOH / g or more, (C) 2000-5000 average molecular weight Bis-type alkenyl succinimide having polybutenyl group and derivatives thereof1.8-40.1% by mass or more of (D) amine salt of phosphate ester, (E) one or more sulfur compounds selected from hydrocarbon sulfides and sulfurized fats and oils (reactants of fats and sulfur). 0.5 to 5% by mass, (F) 0.5 to 15% by mass of an ethylene-α-olefin copolymer having an average molecular weight of 2000 to 12000, and (G) 0.1 to 5% of polymethacrylate having an average molecular weight of 15000 to 50000 % By mass.
[0012]
The gear oil of the present invention consisting of the above components has characteristics to be provided as a manual transmission oil or a transaxle oil, that is,
1) Effectively prevent catching when the SNR and the GC part are separated.
2) Reduce the time for the SNR and the GC part to synchronize (in other words, effectively eliminate the synchronization failure),
3) have appropriate coefficient of friction in SNR and GC parts,
4) Maintain this coefficient of friction over a long period of time (in other words, excellent synchro durability)
5) Excellent pitting resistance,
6) Excellent extreme pressure and wear resistance.
7) Excellent oxidation stability
8) Excellent shear stability,
have.
[0013]
The base oil in the present invention has a viscosity at 100 ° C. of 2 to 50 mm.2/ S range, preferably 2-40mm2/ S, more preferably 2 to 30 mm2/ S, particularly preferably 5 to 20 mm2/ S.
Further, the base oil in the present invention desirably has as little sulfur as possible, and the allowable sulfur content is up to 0.1% by mass, preferably 0.05% by mass or less, more preferably 0.00%. 02% by mass or less.
If the sulfur content exceeds 0.1% by mass, sludge formation may be promoted when used at high temperatures.
The base oil in the present invention desirably has a viscosity index of 100 or more, preferably 110 or more, more preferably 120 or more.
[0014]
In the present invention, mineral oil and synthetic oil having the above properties are used as the base oil, and as the mineral oil, for example, highly refined paraffinic mineral oil such as hydrorefined oil and catalytic isomerized oil is preferably used. used.
[0015]
The component (A) zinc primary dithiophosphate compounded in the base oil is represented by the general formula (1) of Chemical Formula 1.
[0016]
[Chemical 1]
Figure 0003973281
[0017]
In general formula (1), R1, R2, R3 and R4 are the same or different primary alkyl groups having 8 or more carbon atoms.
Those having a primary alkyl group having less than 8 carbon atoms have low wear resistance and oxidation resistance, and those having a primary alkyl group having too many carbon atoms also have low wear resistance and oxidation resistance. The upper limit of the carbon number of the alkyl group is suitably about 20. The number of carbon atoms is preferably 8 to 18, more preferably 11 to 14, and examples thereof include a primary decyl group, dodecyl group, tetradecyl group, hexadecyl group and the like.
[0018]
Said primary alkyl dithiophosphate zinc can be used individually or in mixture of 2 or more types, The compounding ratio is 0.5-3 mass%, Preferably it is 0.8-2 mass%.
If the amount of primary alkyldithiophosphate zinc is too small, it may not be possible to improve the pitching resistance and synchro durability, and the effect of shortening the synchronization time. If the amount is too large, sludge may be generated.
[0019]
As the alkaline earth metal-type detergent / dispersant having a base number of component (B) of 200 mgKOH / g or more, known ones conventionally used in engine oils can be used.
When the base number is less than 200 mgKOH / g, the pitting resistance may not be excellent, and when a sulfur-based extreme pressure agent is blended, an effect of improving the synchro durability is obtained. There is no possibility.
The upper limit of the base number is not particularly limited, but if it is too high, the dispersibility may be affected, so it is preferable that the upper limit is about 600 mgKOH / g. A preferable base number is 250 to 450 mgKOH / g, more preferably 300 to 450 mgKOH / g.
[0020]
Specific examples of such alkaline earth metal detergents and dispersants include those in a metal salt form of sulfonate, phenate, salicylate, phosphonate, and the like with Ca, Mg, Ba, and the like.
In addition, a superbasic detergent / dispersant containing an excessive amount of hydroxides or carbonates such as Ca, Mg, and Ba can also be used.
Preferred is a metal salt of sulfonate and Ca, Mg, Ba, etc., more preferred is Mg sulfonate, and particularly preferred is 1: 0.8 to 1:10 by weight ratio of Ca sulfonate to Mg sulfonate, preferably 1. : 0.9 to 1: 8, more preferably 1: 1 to 1: 6, particularly preferably 1: 2 to 1: 6.
[0021]
The above alkaline earth metal detergents and dispersants can be used alone or in admixture of two or more, and the blending ratio is 1.2 to 4% by mass, preferably 1.5 to 2.5% by mass. is there.
If the amount of the alkaline earth metal type detergent / dispersant is too small, the pitting resistance and the cleanability may be lowered. If the amount is too large, this effect is saturated, which is economically disadvantageous.
[0022]
The alkenyl succinimide of component (C) or a derivative thereof is a bis type having a polybutenyl group having an average molecular weight of 2000 to 5000, preferably 2000 to 3000, and more preferably 2300 to 2500. It is represented by (2). In addition, as for (C) component, when the average molecular weight is less than 2000, sufficient pitting resistance may not be obtained, and when it exceeds 5000, the solubility in oil may be reduced.
[0023]
[Chemical 2]
Figure 0003973281
[0024]
In general formula (2), R5 is a polybutenyl group which is an alkenyl group, having the above average molecular weight, R6 is a divalent saturated aliphatic hydrocarbon group having 2 to 5 carbon atoms, and x is an integer of 0 to 10. is there.
[0025]
The bis-type alkenyl succinimide represented by the general formula (2) or a derivative thereof is generally synthesized by reacting polybutenyl succinic anhydride obtained by reaction of polybutene and maleic anhydride with polyamine. Is done.
Examples of such polyamines include single diamines such as ethylene diamine, propylene diamine, butylene diamine, pentylene diamine, and the like; polyalkylene polyamines such as diethylene triamine, triethylene tetraamine, tetraethylene pentamine, pentaethylene hexamine, di ( Methylethylene) triamine, dibutylenetriamine, tributylenetetramine, pentapentylenehexamine, and the like.
[0026]
Also, bis-type alkenyl succinimide boron compound derivatives, organic phosphonate derivatives, etc., or bis-type alkenyl succinimides reacted with aldehydes, ketones, carboxylic acids, sulfonic acids, alkylene oxides, sulfur, etc. Alkenyl succinimide derivatives can also be used.
[0027]
  The above bis-type alkenyl succinimides and their derivatives can be used alone or in admixture of two or more, and the blending ratio is1. It is 8-4 mass%. If the amount of bis-type alkenyl succinimide and its derivative is too small, the pitting resistance may be lowered. If the amount is too large, this effect is saturated, which is economically disadvantageous.
[0028]
The amine salt of the phosphoric acid ester as component (D) is an amine salt of a phosphoric acid ester represented by the general formula (3) of Chemical Formula 3.
[0029]
[Chemical 3]
General formula (3)
(R7)aH3-aX3PXb
[0030]
In the general formula (3), R7 is a monovalent hydrocarbon group, X is an oxygen atom or a sulfur atom, a is 1, 2 or 3, and b is 0 or 1.
[0031]
Examples of the monovalent hydrocarbon group represented by R7 include a linear or branched saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbon group having 5 to 20 carbon atoms (for example, an alkyl group or an alkenyl group), and an aromatic group having 6 to 26 carbon atoms. Group hydrocarbon group or cycloalkyl group.
[0032]
Specific examples of the above-mentioned phosphate ester amine salts include compounds obtained by neutralizing an acidic phosphate ester, an acidic phosphite ester, an acidic thiophosphate ester, or an acidic dithiophosphate ester with an alkylamine.
[0033]
Examples of the acidic phosphate ester include butyl acid phosphate, 2-ethylhexyl acid phosphate, octyl acid phosphate, lauryl acid phosphate, oleyl acid phosphate, tolyl acid phosphate and the like.
Examples of acidic phosphites include dioctyl acid phosphite, trioctyl acid phosphite, tridodecyl acid phosphite, didodecyl acid phosphite, trioctadecenyl acid phosphite, and tri (octylphenyl) acid phosphite. Can be mentioned.
Examples of acidic thiophosphates include dioctyl thioacid phosphate, trioctyl thioacid phosphate, tridodecyl thioacid phosphate, trihexadecyl thioacid phosphate, trioctadecenyl thioacid phosphate, tri (octylphenyl) thioacid phosphate, etc. It is done.
Examples of the acidic dithiophosphate include tridecyl dithioacid phosphate and di (2-ethylhexyl) dithioacid phosphate.
[0034]
The alkylamine for neutralizing the above phosphate ester has the general formula NR8R9R10 (wherein R8, R9 and R10 are monovalent hydrocarbon groups or hydrogen atoms, and at least one is a hydrocarbon group) Specific examples include dibutylamine, octylamine, dioctylamine, laurylamine, dilaurylamine, oleylamine, coconutamine, and beef tallow amine.
[0035]
The amine salt of the phosphoric acid ester represented by the general formula (3) can be used as a phosphorus extreme pressure agent, but without adding the components (A) to (C), When the extreme extreme pressure agent is used in combination with the sulfur extreme pressure agent, there is a possibility that the pitting resistance, the synchro durability, and the oxidation stability are lowered.
[0036]
  If the blending ratio of the phosphoric acid ester amine salt is too small, it may not be possible to obtain an appropriate catching prevention property, and if it is too large, the heat resistance may be lowered., 0. 3 to 1% by mass. In place of the phosphoric acid ester amine salt, the above acidic phosphoric acid ester, acidic phosphorous acid ester, acidic thiophosphoric acid ester, acidic dithiophosphoric acid ester may be used as they are, or the alkylamine salt may be used as it is. Even if it is used in this form, the synchronization failure cannot be resolved.
[0037]
The sulfur compound as component (E) is at least one selected from hydrocarbon sulfides and sulfurized fats and oils, and hydrocarbon sulfides are represented by the general formula (4) of Chemical Formula 4 and are representative examples. , Sulfurized olefins, and polysulfide compounds.
[0038]
[Formula 4]
General formula (4)
R11-Sx-(R12-Sx−)n-R13
[0039]
In general formula (4), R11 and R13 are the same or different monovalent hydrocarbon groups, and R12 is a divalent hydrocarbon group. x is an integer of 1 or more, preferably an integer of 1 to 8. In the repeating unit, each x may be the same or different number. n is 0 or an integer of 1 or more.
[0040]
As R11 and R13, a C2-C20 linear or branched saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbon group (for example, an alkyl group or an alkenyl group), or a C2-C26 aromatic hydrocarbon group is used. Can be mentioned. Specific examples include an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a nonyl group, a dodecyl group, a propenyl group, a butenyl group, a benzyl group, a phenyl group, a tolyl group, and a hexylphenyl group.
As R12, a C2-C20 linear or branched saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbon group and a C6-C26 aromatic hydrocarbon group can be mentioned. Specific examples include an ethylene group, a propylene group, a butylene group, and a phenylene group.
[0041]
The sulfurized olefin is obtained by sulfurizing olefins such as polyisobutylene and terpenes with sulfur or other sulfurizing agents.
[0042]
The polysulfide compound is represented by the general formula (5), and specific examples include diisobutyl disulfide, dioctyl polysulfide, di-tert-nonyl polysulfide, di-tert-butyl polysulfide, and di-tert-benzyl polysulfide. .
[0043]
[Chemical formula 5]
General formula (5)
R14-Sx-R15
[0044]
In general formula (5), R14 and R15 are the same as R11 and R13 in general formula (4), and x is an integer of 2 or more.
[0045]
Furthermore, among the sulfur compounds of component (E), sulfurized fats and oils, which are reaction products of fats and sulfur, use animal and vegetable fats and oils such as lard, beef tallow, whale oil, palm oil, coconut oil and rapeseed oil. Is obtained by sulfurization reaction.
This reaction product is not a single substance but a mixture of various substances, and the chemical structure itself is not clear.
[0046]
Among the above various sulfur compounds, sulfurized olefins and polysulfide compounds are particularly preferable as the component (E) in the present invention.
The blending ratio of the sulfur compound as the component (E) is 0.05 to 5% by mass. If it is less than 0.05% by mass, sufficient extreme pressure properties may not be obtained, and if it exceeds 5% by mass, the heat resistance may be lowered.
[0047]
The ethylene-α-olefin copolymer as the component (F) is represented by the general formula (6) of Chemical Formula 6.
[0048]
[Chemical 6]
Figure 0003973281
[0049]
In general formula (6), R16 represents C.nH2n + 1, X, y, z, and n are integers.
[0050]
Component (F), an ethylene-α-olefin copolymer, is a co-oligomer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, and is a hydrocarbon-based synthetic oil containing no polar group.
When the average molecular weight of the ethylene-α-olefin copolymer is less than 2000, a predetermined viscosity improving effect may not be obtained. When the average molecular weight is more than 12000, the shear stability is lowered and the storage stability is lowered. May cause turbidity under viscosity.
[0051]
The blending ratio of the ethylene-α-olefin copolymer as the component (F) is 0.5 to 15% by mass, preferably 0.5 to 10% by mass, more preferably 0.5 to 5% by mass, particularly preferably. 1.0 to 4% by mass. If it is less than 0.5% by mass, the effect of improving the viscosity index may not be obtained, and if it exceeds 10% by mass, the storage stability may be lowered and turbidity may occur at low temperatures.
[0052]
The polymethacrylate (G) is generally used as a viscosity index improver or pour point depressant.
If the average molecular weight of the polymethacrylate is less than 15000, the pour point depressing effect may be reduced, and if it is greater than 50000, the desired shear stability may not be obtained.
[0053]
The blending ratio of the component (G) polymethacrylate is 0.1 to 20% by mass, preferably 0.3 to 15% by mass, more preferably 0.3 to 10% by mass, and particularly preferably 0.3 to 3%. % By mass. If it is less than 0.1% by mass, the pour point does not decrease, and if it exceeds 20% by mass, the shear stability may be lowered.
[0054]
In the gear oil of the present invention, in addition to the components (A) to (G) described above, known additives that are usually used, for example, friction modifiers, antioxidants, corrosion inhibitors, Viscosity index improvers, pour point depressants, antifoaming agents, and the like can also be blended.
Among these, as the friction modifier, fatty acids, organic molybdenum compounds and the like, as the antioxidant, amine-based, phenol-based, etc., as the corrosion inhibitor, benzotriazole, alkenyl succinic acid ester, etc. As the viscosity index improver, polymethacrylate, olefin copolymer and the like can be used, as the pour point depressant, polymethacrylate and the like, and as the antifoaming agent, silicon compound and ester-based one can be used.
[0055]
The gear oil of the present invention satisfies all the above-mentioned performances even in the low-viscosity multi-grade oil, particularly in the low-viscosity SAE viscosity grade 75W80W oil, but also in the SAE viscosity grades 75W85W and 75W90 oils. Applicable.
[0056]
In addition, the gear oil of the present invention is not only excellent in pitting resistance, synchro durability and oxidation stability due to the interaction of the components (A) to (G), but also is effective in catching SNR and GC. In addition, the synchronization time between the SNR and the GC can be shortened, and the extreme pressure property is remarkably improved.
[0057]
【Example】
Examples 1-8, Comparative Examples 1-14
  The present invention and comparative gear oils were prepared by blending each component shown in Tables 1 to 6 in a ratio (mass%) shown in Table 1 in a paraffinic base oil (80 neutral). The following performance tests were conducted on these gear oils, and the results are shown in Tables 1-6.
[0058]
(Low temperature viscosity)
Brookfield viscosity at -40 ° C (based on JPI 5S-26-85) was measured. Evaluation is 150000 mPa.s. s or less was considered acceptable.
[0059]
[Hook-up and synchronization test between SNR and GC]
First, SNR and GC are installed on a table, and the rotational speed of GC is maintained at 600 rpm by a motor.
Next, 24.5 N · cm · s2The SNR that generated the inertial force is pressed with a load of 1200 N.
The time from the start of pressing until the GC rotational speed reached 0 rpm was defined as the synchronization time.
[0060]
Subsequently, the SNR load is removed, and the SNR is separated from the GC.
Torque (stick torque) generated at the time of separation was measured to evaluate the catching prevention property. That is, the smaller the stick torque, the better the catching prevention property.
[0061]
As for each acceptance criterion, for synchronization, a synchronization time of 2.4 s or less was accepted, and for prevention of catch, a stick torque of 2.0 N · m or less was accepted.
[0062]
[Pitching resistance test]
As an evaluation of pitting resistance, a four-cylinder test was performed. The test conditions for the four-cylinder test and the fatigue life judgment method were as follows.
[0063]
(Test conditions)
Rotation speed: 1000rpm
Slip rate: 30%
Contact pressure: 65 kg / mm2
Oil temperature: 80 ° C
[0064]
(Fatigue life judgment method)
The test machine was stopped every 100,000 cycles from the start of operation, and the number of cycles until damage (pitching) that could be observed with the naked eye occurred was defined as the fatigue life. That is, the greater the number of cycles, the longer the fatigue life and the better the pitting resistance.
In this test, a fatigue life of 700,000 cycles or more was considered acceptable.
[0065]
[Synchro durability test]
First, SNR and GC are set on a table, and the rotation speed of the gear cone is maintained at 1200 rpm by a motor.
Next, the SNR is pressed with a load of 40 kgf.
Thereafter, the SNR load is removed, and the SNR is separated from the GC.
This pattern of SNR pressing and separation is repeated 10,000 cycles.
[0066]
In the above repetition, the torque generated when the SNR was pressed was measured to determine the friction coefficient.
The friction coefficient was compared between 100 cycles and 10,000 cycles, and the friction coefficient was evaluated as high or low. That is, those having a high coefficient of friction and capable of maintaining this high coefficient of friction even after 10,000 cycles were considered to have excellent synchro durability.
In this test, the one having a friction coefficient after 10,000 cycles of 0.100 or more was regarded as acceptable.
[0067]
[Extreme pressure test]
The gear test was conducted under the following test conditions. The IAE gear test was conducted according to IP166 / 68 of the IP (British Petroleum Institute Standard) method, and the seizing limit load was measured. In this test, a seizure load of 150 pounds or more was considered acceptable.
[0068]
(Test conditions)
Small gear rotation speed: 6000rpm
Lubrication temperature: 110 ° C
Lubrication method: Forced lubrication
Lubrication amount: 0.56 liter / min
Driving method: Step load increasing method every 5 minutes (that is, driving was started with a load of 10 pounds, and the load was increased by 5 pounds every 5 minutes.)
[0069]
[Oxidation stability test]
In accordance with a lubricating oil stability test method for internal combustion engines (JIS K2541), the test was performed at 150 ° C. for 96 hours.
The evaluation was performed based on increase in viscosity, increase in total acid value, and presence or absence of sludge.
[0070]
[Shear stability test]
The ultrasonic shear stability test was conducted according to ASTM-D-2603 at a frequency of 10 kHz, a runout width of 28 μm, a time of 60 min, and an oil amount of 30 ml.
The evaluation was performed based on the viscosity reduction rate (100 ° C.), and the acceptance criteria were 3.0% by mass or less for 75W80W and 75W85W oils and 5.0% by mass or less for 75W90 oils.
[0071]
In Tables 1 to 6, * 1 to * 21 have the following meanings.
* 1: The viscosity at 100 ° C is 6.0 mm.2/ S, base oil having a viscosity index of 123 and a sulfur content of 0.01% by mass
* 2: The viscosity at 100 ° C is 6.0 mm.2/ S, base oil having a viscosity index of 96 and a sulfur content of 0.6% by mass
* 3: Zinc alkyldithiophosphate having a secondary alkyl group having 3 and 6 carbon atoms (mixture of C3 and C6)
* 4: Zinc alkyldithiophosphate having a primary alkyl group having 3 and 6 carbon atoms (mixture of C3 and C6)
* 5: Zinc alkyldithiophosphate having a primary alkyl group with 12 carbon atoms
* 6: Mg sulfonate with a base number of 398 mgKOH / g
* 7: Ca sulfonate with a base number of 300 mgKOH / g
* 8: Ca sulfonate with a base number of 29 mgKOH / g
* 9: 2-ethylhexyl phosphate ester oleylamine salt
* 10: Acidic phosphate ester having an alkyl group with 4 carbon atoms
* 12: Bis-type alkenyl succinimide having an average molecular weight of polybutenyl group of 2400
* 13: Bis-type alkenyl succinimide having an average molecular weight of 1,900 polybutenyl groups
* 14: Monotype alkenyl succinimide with an average molecular weight of 700 polybutenyl groups
* 15: Ethylene-α-olefin copolymer having an average molecular weight of 3500
* 16: Polymethacrylate having an average molecular weight of 21,000
* 17: Polymethacrylate having an average molecular weight of 67,000
* 18: Other additives
* 19: Other company's commercial transmission gear oil (GL-4 75W80W)
* 20: Other company's commercial transmission gear oil (GL-3 75W85W)
* 21: Other company's commercial transmission gear oil (GL-4 75W90)
[0072]
[1 in Table 1]
Figure 0003973281
[0073]
[Table 1-2]
Figure 0003973281
[0074]
[1 in Table 2]
Figure 0003973281
[0075]
[Table 2-2]
Figure 0003973281
[0076]
[Table 3-1]
Figure 0003973281
[0077]
[Table 3-2]
Figure 0003973281
[0078]
[Table 4-1]
Figure 0003973281
[0079]
[Table 4-2]
Figure 0003973281
[0080]
[Table 5-1]
Figure 0003973281
[0081]
[Table 5-2]
Figure 0003973281
[0082]
[Table 6-1]
Figure 0003973281
[0083]
[Table 6-2]
Figure 0003973281
[0084]
[Table 7-1]
Figure 0003973281
[0085]
[Table 7-2]
Figure 0003973281
[0086]
[Table 8]
Figure 0003973281
[0087]
[Evaluation test with actual vehicle]
  Example 1 and Comparative Example 1 for a 1300cc passenger car1, 12After running under the following conditions, the gear oil viscosity reduction rate (100 ° C.) was measured, and the results are shown in Table 9.
  In addition, the viscosity reduction rate (100 degreeC) made 15 or less pass.
[0088]
Driving conditions:
Urban area: The vehicle traveled the following distance under relatively high acceleration / deceleration (gear change) conditions (average speed 50 km / h).
Mileage: 25,000km
High speed: The vehicle traveled the next distance under the condition of less acceleration / deceleration (gear change) (average speed 90 km / h).
Mileage: 35,000km
[0089]
[Table 9]
Figure 0003973281
[0090]
【The invention's effect】
As described above in detail, the gear oil of the present invention has excellent oxidation stability, extreme pressure properties, pitting resistance, synchro durability, anti-snipping between SNR and GC, and elimination of synchronization failure. Greatly improves the shear stability during
Therefore, the gear oil of the present invention has further improved pitting resistance, synchro durability, extreme pressure, oxidation stability, and shear stability required for gear oils that are subjected to large loads due to recent increases in torque. In addition to being able to cope with it, it is possible to ensure smooth shift operability of the automatic transmission, and it is suitable as a gear oil for a manual transmission of an automobile or a transaxle.

Claims (1)

100℃で2〜50mm2/sの粘度を有し、硫黄分が0.1質量%以下である鉱油および合成油の中から選ばれる1種以上を基油とし、これに、
(A)アルキル基の炭素数が8以上のプライマリージチオリン酸亜鉛0.5〜3質量%、
(B)塩基価200mgKOH/g以上を有するアルカリ土類金属型清浄分散剤1.2〜4質量%、
(C)平均分子量が2000〜5000のポリブテニル基を有するビスタイプのアルケニルこはく酸イミド、その誘導体1.8〜4質量%、
(D)リン酸エステルのアミン塩0.3〜1質量%、
(E)炭化水素硫化物および硫化油脂の中から選ばれる1種以上の硫黄化合物0.05〜5質量%、
(F)平均分子量が2000〜12000のエチレン−α−オレフィン共重合体0.5〜15質量%、
(G)平均分子量が15000〜50000のポリメタアクリレート0.1〜5質量%、
を含有してなることを特徴とするギヤ油組成物。
One or more kinds selected from mineral oil and synthetic oil having a viscosity of 2 to 50 mm 2 / s at 100 ° C. and a sulfur content of 0.1% by mass or less are used as a base oil.
(A) 0.5 to 3% by mass of primary zinc dithiophosphate having 8 or more carbon atoms in the alkyl group,
(B) 1.2-4% by mass of an alkaline earth metal detergent having a base number of 200 mgKOH / g or more,
(C) Bis-type alkenyl succinimide having a polybutenyl group having an average molecular weight of 2000 to 5000, its derivative 1.8 to 4 % by mass,
(D) 0.3 to 1 % by mass of an amine salt of a phosphate ester,
(E) 0.05 to 5% by mass of one or more sulfur compounds selected from hydrocarbon sulfides and sulfurized fats and oils,
(F) 0.5 to 15% by mass of an ethylene-α-olefin copolymer having an average molecular weight of 2000 to 12000,
(G) 0.1 to 5% by mass of polymethacrylate having an average molecular weight of 15,000 to 50,000,
A gear oil composition comprising:
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