JP3973021B2 - 出力光の透過波長特性を改善したバーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(vipa)を使用した装置 - Google Patents

出力光の透過波長特性を改善したバーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(vipa)を使用した装置 Download PDF

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    • G02B6/2937In line lens-filtering-lens devices, i.e. elements arranged along a line and mountable in a cylindrical package for compactness, e.g. 3- port device with GRIN lenses sandwiching a single filter operating at normal incidence in a tubular package

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分散を生成する装置及び、光ファイバ伝送路において蓄積する波長分散を補償するために用いる装置に係り、特には、バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイを、波長分散を生成するために用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて情報を送信するための従来の光ファイバ通信システムでは、送信器は、光パルスを光ファイバを通して受光器に送出する。しかし、「色分散」ともいわれる、光ファイバの波長分散は、システムの信号の質を劣化させる。
【0003】
より具体的には、波長分散の結果、光ファイバ中の信号光の伝搬速度は、その信号光の波長に依存する。例えば、長い波長を持つ光パルス(例えば赤色を示す波長を持つ光パルス)が、短い波長を持つ光パルス(例えば青色を示す波長を持つ光パルス)よりも速く伝搬するとき、その分散は正常分散と呼ばれる。逆に、短い波長を持つ光パルス(例えば青色パルス)が、長い波長を持つパルス(例えば赤色パルス)よりも速く伝搬するとき、その分散は異常分散と呼ばれる。
【0004】
従って、信号光パルスが送信器から送出される際に赤色パルス及び青色パルスを含む場合、信号光パルスは光ファイバ内を伝搬する間に赤色パルス及び青色パルスに分離され、それぞれの光パルスが異なる時間に受光器によって受光される。
【0005】
光パルス送信の他の例として、青色から赤色へ連続する波長成分を持つ信号光パルスを送信する場合には、各成分は異なる速度で光ファイバ内を伝搬するため、信号光パルスは光ファイバ内でその時間幅が広げられ、歪みが生じる。全てのパルスは有限な波長範囲内の成分を含むため、このような波長分散は光ファイバ通信システムにおいては、きわめて一般的である。
【0006】
従って、特に高速の光ファイバ通信システムにおいては、高送信能力を得るために、波長分散を補償することが必要となる。
このような波長分散を補償するために、光ファイバ通信システムには、光ファイバにおいて発生する波長分散と逆の波長分散を光パルスに与える「逆分散コンポーネント」が必要となる。
【0007】
従来の装置の中には、この「逆分散コンポーネント」として用いることのできるものが存在する。例えば、分散補償ファイルは特定の断面屈折率分布を持ち、通常の伝送路ファイバにおいて生じるのと逆の波長分散を与え、「逆分散コンポーネント」として用いることができる。しかし、分散補償ファイバは製造するのに高価であり、また、伝送路ファイバで発生する波長分散を十分に補償するためには比較的長いものが必要である。例えば、伝送路ファイバ100kmで発生した波長分散を完全に補償するためには、20kmから30km程度の長さの分散補償ファイバが必要となる。このため、光損失が大きくなり、また、寸法が大きくなるという問題がある。
【0008】
図1は、波長分散を補償するための「逆分散コンポーネント」の機能を持つチャープ・ファイバグレーティングを示している。
図1に示すように、光ファイバ内を伝搬し、波長分散を与えられた光は、光サーキュレータ50の入力ポート48に供給される。
【0009】
サーキュレータ50は、光をチャープ・ファイバグレーティング52へ供給する。チャープ・ファイバグレーティング52は、異なる波長成分は異なる距離を伝搬し、それにより波長分散を補償することができるように、光をサーキュレータ50に戻す。
【0010】
例えば、チャープ・ファイバグレーティング52は、長い波長成分はチャープ・ファイバグレーティングによって遠い距離で反射され、それにより、短い波長成分よりも長い距離を伝搬するように設計することが可能である。サーキュレータ50は、その後、チャープ・ファイバグレーティング52から出力ポート54へ反射された光を供給する。従って、チャープファイバグレーティング52は、光パルスに逆分散を与えることができる。
【0011】
しかし、チャープ・ファイバグレーティング52は、反射する光パルスについて、大変狭い帯域しか持たない。従って、波長分割多重光のような多くの波長を含む光を補償するために十分な波長帯域を得ることができない。たくさんのチャープ・ファイバグレーティングを、波長多重信号について、カスケードさせることは可能である。しかし、この結果、システムが高価になる。このように、図1に示すような、サーキュレータと組み合わせたチャープ・ファイバグレーティングは、1つのチャネルの光ファイバ通信システムに用いるのに適している。
【0012】
図2は、波長分散を生成するために用いることができる、従来の回折格子を示す図である。図2に示すように、回折格子56は、格子面58を持つ。異なる波長を持つ平行光60は、格子面58に入射する。光は、格子面58の各段で反射され、互いに干渉する。その結果、異なる波長を持つ光62、64及び66は回折格子58から異なる角度で出力される。回折格子を用いて波長分散を補償するためには、以下でより詳しく述べる空間格子対配列で用いることができる。
【0013】
より詳しくは、図3(A)は、波長分散を補償するために、逆分散コンポーネントとして用いる空間格子対配列を示す図である。図3(A)に示すように、光67は、第一の回折格子68から回折され、短い波長についての光69及び長い波長についての光70になる。これら光67及び70は、その後、第二の回折格子71により回折され、同じ方向に伝搬する光になる。図3(A)に示すように、逆分散を加えるために、異なる波長を持つ波長成分は異なる距離を伝搬し、それにより、波長分散を補償する。(光70のような)長い波長は、(光69のような)短い波長よりも長い距離を伝搬するので、図3(A)に示す空間格子対配列は、異常分散を持つ。
【0014】
図3(B)は、色分散を補償するために、逆分散コンポーネントとして用いる他の空間格子対配列を示す図である。図3(B)に示すように、レンズ72および74は、焦点の1つを共有するように、第一及び第二の回折格子68および71の間に位置する。(光70のような)長い波長は、(光69のような)短い波長よりも短い距離を伝搬するので、図3(B)に示す空間格子対配列は、正常分散を持つ。
【0015】
図3(A)及び図3(B)に示すような空間格子対配列は、一般に、レーザ共振器で分散を制御するために用いられる。しかし、実際の空間格子対配列は、光ファイバ通信システムにおいて生じる比較的大きな量の色分散を補償するために十分大きな分散を与えることができない。より具体的には、回折格子によって生じる角分散は、普通、極端に小さく、一般に約0.05度/nmである。従って、光ファイバ通信システムにおいて生じる波長分散を補償するためには、第一及び第二の回折格子68および71は、大きな距離を隔てていなければならないことになり、このことにより、そのような空間格子対配列は、実用的ではないことになる。
【0016】
上記のような従来の装置に対して、特許出願番号 平成10年−534450及び平成11年−513133には、図4に示すような、「Virtually Imaged Phased Array(バーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ)」、すなわちVIPA1と呼ぶ部分を含む装置が提案されている。
【0017】
VIPAは、VIPAから伝搬する光を生成する。この装置には、VIPAに光を戻し、VIPA内で多重反射が発生するようにするための返光装置も含む。
上記装置は、連続する波長範囲内の波長の入力光を受け取り、対応する出力光を連続して生成する、VIPAを含む装置を備えることによって達成される。この出力光は、連続する波長範囲内の他の波長の出力光とは空間的に区別できる(例えば、異なる方向に進む)。この出力光が進行角度で区別できれば、この装置は角度分散があるということである。
【0018】
更に上記装置は、VIPAおよび返光装置2を備えることによって達成される。VIPAには、透過域および透明部材が含まれる。透過域を通ることによって光はVIPAに入出力することができる。透明部材3は、第1及び第2の表面を持つ。第2の表面は反射性を有し、入射光の一部を透過する。入力光は透過域を通ってVIPAに受光され、透明部材の第1及び第2の表面の間で何度も反射され、複数の光が第2の表面を透過する。複数の透過光が互いに干渉して出力光4が生成される。入力光は、連続する波長範囲内の波長を持ち、出力光は、その波長範囲内の他の波長を持つ光とは空間的に区別することができる。返光装置は、出力光を完全に逆方向に第2の表面へと返すことができ、第2の表面を透過してVIPAに入力され、その出力光がVIPA内を多重反射してVIPAの透過域から入力経路へ出力される。
【0019】
更に、上記装置は、入力光の波長と同じ波長を持ち、異なる干渉次数を持つ複数の出力光を生成するVIPAを備えた装置を用意することによって達成される。本装置はまた、1つの干渉次数にある出力光をVIPAに返し、その他の出力光は返さない返光装置も備えている。これによって、一つの干渉次数に対応する光のみをVIPAに返す。
【0020】
更に、上記装置は、VIPA、返光装置、及びレンズ5を含む装置を備えることによって達成される。VIPAは、入力光を受け取り、VIPAから伝搬する、対応する出力光を生成する。返光装置は、VIPAから出力光を受け取り、その出力光をVIPAに返す。レンズは、(a)出力光が、VIPAからレンズを通り、更にレンズによって返光装置に集光されることによってVIPAから返光装置に進み、(b)出力光が、返光装置からレンズへ、そしてレンズによってVIPAに方向付けされることによって返光装置からVIPAに返され、更に、(c)VIPAからレンズに進む出力光が、レンズからVIPAに返る出力光に対して平行及び逆方向に進むように位置決めされる。更に、VIPAからレンズに進む出力光は、レンズからVIPAに返される出力光とは重ならない。
【0021】
更に、上記装置は、VIPA、ミラー6、及びレンズを含む装置を備えることによって達成される。VIPAは、入力光を受け取り、対応するVIPAから伝搬する出力光を生成する。レンズは、出力光をミラーに集光させ、ミラーが出力光を反射して、反射光がレンズによってVIPAに返される。ミラーは、装置が一定の波長分散を行うように形成する。
【0022】
以上のようにVIPAは、回折格子のように角分散の機能を持ち、波長分散補償を可能とするが、特に大きな角分散を有することが特徴であり、実用的な逆分散コンポーネントを容易に提供することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
図5〜図7は、VIPAを用いた装置の特性を説明する図である。
しかし、波長分散を補償するためのVIPAを用いた装置には、波長に対する透過率の特性が平坦でなく、図5のような、各透過帯域内の中心波長付近にピークを持つ、ピークの頂上あたりが丸みを帯びてしまうラウンドトップ型になってしまうという問題がある。
【0024】
このような透過特性を持つ装置が光伝送路内に存在すると、送信器から送出された信号光パルス波形に歪みが生じ、信号を正確に伝送することができなくなってしまう。特に、大きな波長分散を補償することが必要な、長距離の光ファイバ通信システムにおいて、VIPAを用いた装置を多段に用いて波長分散補償を行う場合、上記のような望ましくない透過特性が重ね合わされるため、信号光パルスの劣化が非常に大きくなってしまう。従って、VIPAを用いた装置は、図6のような平坦な出力光の波長特性を持つことが望ましい。
【0025】
上記のような平坦でない透過特性は、以下のような理由で、VIPAを用いた装置において原理的に生じるものである。
第一に、VIPAからの出力光の進行方向は波長によって異なるが、このときVIPAに入力した光の光軸と平行な方向に進行する光の強度が最も強く、VIPAへの入力光の光軸から外れた方向に進行する光の強度は弱い。これは次のように考えられる。VIPAへの入力光は通常、図4に示されているようにレンズによって収束された光であるために、入力光には進行方向の異なる複数の平行光の成分が含まれており、かつ、各平行成分の光の強度は、入力光の光軸に平行な進行方向を持つ平行光成分において最大であり、光軸から外れた方向に進行する成分ほど小さくなる。一方、VIPA内で多重反射した複数の光が干渉し、強め合って出力される条件を満たす波長は、上記進行方向の異なる平行光成分毎に異なる。以上により、VIPAからの出力光の波長によって光の強度が異なることになる。
【0026】
このVIPAからの出力光強度の波長依存性を反映して、VIPAを用いた装置の透過特性にも透過率に波長依存性が生じる。すなわち、透過特性は平坦でなくなる。
【0027】
第二に、VIPAから出力される各波長の光は、干渉次数の異なる複数の可能な進行方向を持つため、光の強度がこれら複数の干渉次数光に分散されてしまう。VIPAを用いた装置においては、不要な干渉次数光はカットし、必要な一つの干渉次数の光のみ取り出さなければならない。従って、カットされるべき不要な干渉次数光がVIPAから出力されると、その分、光損失が発生することになる。一方、各干渉次数光がVIPAから出力されるか否かは、各干渉次数光の進行すべき方向が、レンズによってVIPAに収束される入力光に含まれる平行光成分の進行方向のなかに含まれるか否かによる。したがって、波長によって不要な干渉次数光が発生する度合いは異なることになる。不要次数光が発生しない波長の光は損失が小さく、不要次数光の発生の度合いが大きい波長の光は損失が大きい。これを反映して、VIPAを用いた装置の透過波長特性に波長依存性が生じる。すなわち、透過波長特性が平坦でなくなる。
【0028】
第三に、VIPAを用いた装置によって波長分散を補償するためには、VIPAからの出力光がミラーで反射されてVIPAに戻される際に、波長によって異なる位置に光を戻すことにより、波長によって異なる光路長を与える必要がある。波長分散が補償された光を光ファイバによって受け取り、出力光として取り出す場合には、上記のような波長によるVIPA上の戻り位置の違いにより、ファイバへの結合効率が波長によって異なることになる。通常、各透過帯域内の中心波長付近の光が最も効率よくファイバに結合するように光学系が調整されるので、中心波長から離れた波長の光の結合効率が相対的に低くなる。このために、VIPAを用いた装置によって波長分散補償を行う場合、上記のような平坦でない透過特性が得られることになる。
【0029】
VIPAを用いた装置において、このような透過特性を改善し、望ましい平坦な透過特性を実現する方法については、前記、特許出願番号 平成10年−534450及び平成11年−513133には具体的には記載されていない。
【0030】
従来のエタロンフィルタなどを用いて、VIPAからの出力光の波長特性と逆の特性を与え、出力光の波長特性をある程度平坦化することは可能である。しかし、VIPAを用いた装置の透過特性は、設計によっては、図7のようにピークの波長に対して短波長側と長波長側の幅が異なる非対称な形をしている場合があり、厳密な平坦化は不可能である。透過光の周期が異なるエタロンフィルタを多段に重ねて、非対称のフィルタを実現することは可能であるが、フィルタの数が多くなるほど透過光の損失が大きくなり、また、システムが高価になるため現実的ではない。
【0031】
したがって、本発明の課題は、波長分散を補償するための、VIPAを用いた装置において、光損失を抑え、かつ経済的な方法で、出力光の波長特性を望ましいものに改善するための手段を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置は、光を受け取り、光を出力する複数の透過域を持ち、その透過域を通じて連続する波長範囲内の各波長を有する入力光を受け取り、入力光の多重反射を行って、入力光の自己干渉を行わせることにより、前記連続する波長範囲内の各波長を有する光を、波長毎に異なる角度で分散させ、前記連続する波長範囲内の他の波長を有する入力光に対して形成されてアクセス出力光とは空間的に区別することのできる出力光を形成するバーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(VIPA)と、該VIPAによって形成された、前記波長毎に異なる出力角度を有する出力光を、波長毎に異なる位置に集束させるレンズと、集束した光を前記レンズに反射して戻し、前記レンズは、反射された出力光をVIPAに戻し、それによって反射された出力光がVIPA内で多重反射を受けて、VIPAから透過域を通じて出力されるようにするためのミラーであり、かつVIPAによる角分散方向に対して、VIPAからの出力光に波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状を有するミラーと、前記ミラーによってVIPAに戻される光の連続する波長範囲内の波長毎に、VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段を備え、出力光を波長によって異なる結合効率で光ファイバに結合させることにより、所望の透過波長特性を与えることを特徴とする。
【0033】
本発明によれば、VIPAの透過波長特性を、簡易かつ安価な方法で平坦化でき、従って、VIPAの透過帯域を通過する光信号の劣化を抑え、品質の良い光信号を伝送することのできる光ファイバ通信システムを提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、前記VIPAを含む装置において、VIPAによる角分散方向に対して、VIPAからの出力光に各波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状を有するミラーと、ミラーで反射された後にVIPAに戻る光の光路ずれの大きさを波長毎に制御することのできる手段を有する装置を提供する。
【0035】
本発明の実施形態を以下に詳細に述べる。添付の図面では、同じ機能の装置には同じ番号を付けて示す。
図8は、本発明の一実施形態で用いるVirtually Imaged PhasedArray(VIPA)を示す図である。また、以後は、「Virtually Imaged Phased Array」と「VIPA」は、互いに置き換えて使用できる用語とする。
【0036】
図8によれば、VIPA76は、薄いガラス板で作成するのが望ましい。入力光77は、半円筒レンズなどのレンズ80を使用してライン78に集光され、入力光77がVIPA76を進むようにする。ライン78は、以後、焦点ライン78と呼ぶ。入力光77は、焦点ライン78から放射状に伝搬し、VIPA76内に受け取られる。次に、VIPA76は、平行光の光束82を出力する。光束82の出射角は、入力光77の波長の変化と共に変わる。例えば、入力光77の波長がλ1の時、VIPA76は波長がλ1の光束82aを特定の方向に出力する。入力光77の波長がλ2のとき、VIPA76は波長がλ2の光束82bを異なる方向に出力する。したがって、VIPA76は、互いに空間的に区別することが可能な光束82a及び82bを生成する。
【0037】
図9は、本発明の一実施形態で用いるVIPA76の詳細図である。図9によれば、VIPA76は、例えば、ガラス製で表面に反射膜122及び124を持つプレート120を備える。反射膜122は、反射率が約95%以上であることが望ましいが、100%より小さいこととする。反射膜124は、反射率がおよそ100%であるのが望ましい。照射ウィンドウ126はプレート120上に形成され、その反射率はおよそ0%であるのが望ましい。入力光77はレンズ80によって照射ウィンドウ126を通じて焦点ライン78に集光され、反射膜122と124の間で多重反射が起こるようにする。焦点ライン78は、反射膜122が取り付けられているプレート120上にあるのが望ましい。このように、焦点ライン78は本質的には照射ウィンドウ126を通じて反射膜122上に集光させるラインである。レンズ80によって集光される焦点ライン78の幅は、入力光77のビームウエストとも呼ばれる。このように、図9に示される本発明の実施形態では、入力光77のビームウエストは、プレート120の遠い方の表面(すなわち反射膜122の面)に集光される。プレート120の遠い方の表面にビームウエストを集光させることによって、本発明の実施形態では、照射ウィンドウ126の領域(i)(例えば、以下で詳細を説明するが、図12に示す領域a)と、入力光77が反射膜124によって最初に反射されるときに入ってくる反射膜124上の領域(例えば、下記に詳細を説明する、図12に示す領域b)とが重なってしまう可能性を低くすることが望ましい。
【0038】
図9では、入力光77の光軸132にはわずかな傾き角θが見られる。反射膜122の最初の反射では、5%の光が反射膜122を透過し、ビームウエストのあとで発散する。また、95%の光が反射膜124に向かって反射する。最初に反射膜124によって反射された後、光は再度反射膜122にあたるが、今度はdだけずれている。次に、5%の光が反射膜122を透過する。同じように、図9に示すように、光は一定の間隔dを保ちながら多数の経路に分岐する。各経路での光線の形は、光がビームウエストの虚像134から広がる形となる。虚像134は、プレート120に対する垂直線にそって一定の間隔2tで配置される。ここで、tはプレート120の厚さである。虚像134におけるビームウエストの位置は、自己設定であり、それぞれの位置を調整する必要はない。虚像134からの光は互いに干渉し、入力光77の波長に従って異なる方向に伝搬する平行光136を形成する。
【0039】
光経路の間隔は、d=2tSinθであり、隣接する光線の経路長の差は、2tCosθである。角分散は、これらの2つの値の割合に正比例する。すなわち、cotθである。この結果、VIPAはかなり大きい角分散を生じる。
【0040】
図9から明らかなように、「Virtually Imaged Phased Array」という用語は、虚像134の配列の形成から生まれたものである。
図10は、本発明の実施形態による図8に示すVIPA76のIX−IXの線に沿った横断面を示す。図10によると、プレート120には反射面122、及び124がある。反射面122および124は、互いに平行でありプレート120の厚さtの間隔で配置されている。反射面122及び124は、プレート120に配置される典型的な反射膜である。上記の通り、反射面124の反射率は、照射ウィンドウ126をのぞき、およそ100%である。反射面122の反射率は、およそ95%以上である。したがって、反射面122の透過率はおよそ5%以下であるので、入射光の約5%以下が反射面122で透過し、約95%以上が反射される。反射面122及び124の反射率は、特別にVIPAを応用して使用することによって容易に変更することができる。ただし、一般には、反射面122の反射率は100%より小さくして入射光の一部が透過できるようにしなければならない。
【0041】
反射面124には照射ウィンドウ126が設けられている。照射ウィンドウ126は、光を透過させ、できれば光を反射しないか、または非常に小さい反射率であることが望ましい。照射ウィンドウ126は、入力光77を、反射面122と反射面124間で受光し、反射させる。
【0042】
図10は、図8の直線IX−IXに沿った横断面を示す、図8に示した焦点ライン78は、図10では「点」と表現されている。ここで、入力光77は、焦点ライン78から放射状に伝搬する。更に、図10に示すように、焦点ライン78は反射面122上に位置する。焦点ライン78が反射面122上にある必要はないが、焦点ライン78の位置ずれによってVIPA76の特性がわずかに変化する。
【0043】
図10に示すとおり、入力光77は照射ウィンドウ126の領域A0を通ってプレート120に入る。ここで、点P0は領域A0の周辺の点を示す。
反射面122の反射率によって、およそ95%以上の入力光77が反射面122によって反射され、反射面124の領域A1に入射する。点P1は、領域A1の周辺の点を示す。反射面124の領域A1で反射されたのち入力光77は、反射面122に進み、一部が反射面122を透過して光線R1が定義する出力光Out1となる。
【0044】
このように、図10に示すように、入力光77は反射面122と反射面124の間で多重反射される。ここで、反射面122に反射される毎に透過光が発生することになる。従って、例えば、入力光77が反射面124の領域A2、A3、A4で反射した直後に反射面122で反射され、出力光Out2、Out3、及びOut4が生成される。点P2は、領域A2の周辺の点を示し、点P3は、領域A3の周辺の点を示す、点P4は領域A4の周辺の点を示す。出力光Out2は、光線R2によって定義され、出力光Out3は、光線R3によって定義され、出力光Out4は、光線R4によって定義される。図10は、出力光Out0、Out1、Out2、Out3、Out4のみを示しているが、実際は、入力光77の強さや反射面122、124の反射率によってもっと多くの光が存在する。下記に詳細を示すが、出力光は互いに干渉して、入力光77の波長によって異なる方向を持つ光束を生成する。従って、光束を出力光Out1、Out2、Out3、Out4の干渉から生じた出力光として記述することができる。
【0045】
図11は、本発明の実施形態に用いるVIPAによる反射光の干渉を示す図である。図12によれば、焦点ライン78から進んでくる光は、反射面124によって反射される。前記の通り、反射面124の反射率はおよそ100%であり、本質的にはミラーの機能を持つ。この結果、反射面122および124が存在せず、その代わりとして、出力光Out1が焦点ラインI1から出射したものとして出力光Out1を光学的に分析することができる。同様に、出力光Out2、Out3、Out4が焦点ラインI1、I2、I3、I4から出射したものとして光学的に分析することができる。焦点ラインI2、I3、I4は、焦点ラインI0の虚像である。
【0046】
従って、図11に示すように、焦点ラインI1は焦点ラインI0から2tの距離にある。tは、反射面122と124との距離を表す。同様に、そのあとに続く各焦点ラインは、その直前の焦点ラインから2tの距離にある。したがって、焦点ラインI2は、焦点ラインI1から2tの距離にある。更に、反射面122、反射面124の間に生じる後続の多重反射によって、直前の出力光よりも弱い出力光が発生する。したがって、出力光Out2の強度は、出力光Out1よりも弱い。
【0047】
図11に示すように、焦点ラインからの出力光は、重なり、干渉し合う。更に詳しくは、焦点ラインI1、I2、I3、I4は、焦点ラインI0の虚像であるので、出力光Out0、Out1、Out2、Out3、Out4は、焦点ラインI1、I2、I3、I4で同じ光位相を持つ。したがって、干渉により、入力光77の波長によって異なる方向に進む光束が生じる。
【0048】
本発明の実施形態で用いるVIPAには、VIPAの設計上の特性である強め合いの条件が含まれている。この強め合いの条件によって、出力光の干渉が増加し、光束が形成される。VIPAの強め合いの条件は、次の数式(1)で表される。
2t×cosφ=mλ・・・・(1)
ここで、φは、形成された光束の、反射面122及び124に垂直な線から見た伝搬方向を示す。λは、入力光の波長を示す。tは、反射面122と124の間の距離を示す。mは整数を示す。
【0049】
したがって、tが定数で、mに特定の値が与えられている場合には、波長λの入力光に対して形成される光束の伝搬方向φが決定する。
更には、入力光77は、焦点ライン78から特定の角度で放射状に拡散する。したがって、同じ波長の入力光は、焦点ライン78から多くの異なる方向に進み、反射面122および124の間で反射する。VIPAの強め合いの条件によって、ある特定の方向に進む光は、出力光の干渉を通じて強め合い、入力光の波長に対する方向の光束を形成する。強め合いの条件に基づく特定の方向とは異なる方向に進む光は、出力光の干渉によって弱められる。
【0050】
図12は、図8に示すVIPAの直線IX−IXの横断面を示す図であり、本発明の一実施形態で用いる入力光の入射角または傾き角を決めるVIPAの特性を示す。
【0051】
図12によれば、入力光77は、円筒形レンズ(図示しない)によって集光され、焦点ライン78に集光される。図12に示すように入力光77は、照射ウィンドウ126の「a」に等しい幅の領域をカバーする。入力光77が反射面122に一度反射されたあと、入力光77は、反射面124に入射し、反射面124の「b」に等しい幅の領域をカバーする。更に、図12に示すように、入力光77は、反射面122の垂線に対してθ0の傾き角を持つ光軸132に沿って進む。
【0052】
傾き角θ0は、入力光77が反射面122によって一度反射されたあと、照射ウィンドウ126を通ってプレートから外れた位置に出てしまわないような値に設定しなければならない。すなわち、傾き角θ0は、入力光77が反射面122と反射面124の間に取り込まれた状態になり、照射ウィンドウ126を通ってプレートから外れないようにするためには、傾き角θ0は、次の数式(2)に従って設定する。
【0053】
光軸の傾き角θ0≧(a+b)/4t・・・・・・(2)
従って、図8〜12に示すように、本発明の実施形態では、連続する波長領域内の各波長を持つ入力光を受光するVIPAを備えている。VIPAは、入力光の多重反射によって自己干渉が行われるようにし、その結果として出力光を形成する。出力光は、連続する波長領域内の他の波長を持つ入力光とは空間的に区別できる。例えば、図10に、反射膜122と124の間で多重反射を生じる入力光77を示す。この多重反射によって、互いに干渉し、入力光77の各波長に対して空間的に区別することのできる光束を生成する、複数の出力光Out0、Out1、Out2、Out3、Out4を生成する。
【0054】
「自己干渉」とは、同じ光源から発生した複数の光または光線の間に生じる干渉である。したがって、出力光Out0、Out1、Out2、Out3、Out4は全て同じ光源(すなわち、入力光77)から発生しているので、出力光Out0、Out1、Out2、Out3、Out4の干渉は、入力光77の自己干渉と呼ばれる。
【0055】
本発明の実施形態では、入力光は連続する波長範囲内の任意の波長であって良い。このように、入力光は、不連続の値の範囲から選択した値の波長に限定されることはない。さらに、本発明の実施形態によると、連続する波長範囲内の特定の波長の入力光に対して生成される出力光は、入力光が連続する波長範囲内の異なる波長であった場合に生成される出力光とは、空間上で区別される。
【0056】
したがって、たとえば、図6に示すように、光束82の進行方向(すなわち「空間特性」)は、入力光77が連続する波長範囲内の異なる波長であった場合には異なる。
【0057】
図13(A)、図13(B)、図13(C)、図13(D)に本発明の実施形態で用いるVIPAの作成方法を示す。
図13(A)によれば、平行板164は、ガラス製であることが望ましく、優れた平行性を持つ。反射膜166、168は、真空蒸着、イオンビームアシスト蒸着、スパッタリングなどの方法により、平行板164の両面に備えられる。反射膜166、168の一つは、反射率が100%であり、他の一つは反射率が100%より小さく、80%より大きいことが望ましい。
【0058】
図13(B)によれば、反射膜166、168の一つは、一部削られて照射ウィンドウ170を形成する。図13(B)で示す反射膜166は削られ、照射ウィンドウ170が平行板164の反射膜166と同じ表面に形成されるようにする。ただし、その代わりに、反射膜168は、一部を削って照射ウィンドウが平行板164上の反射膜168と同じ面に形成されるようにする。本発明の各種の実施形態に示すように、照射ウィンドウは、平行板164のどちら側にでも形成することができる。
【0059】
反射膜は、エッチング処理で削ることができるが、機械的な切削処理を使用することもでき、費用も少ない。ただし、反射膜を機械的に切削すれば、平行板164を慎重に処理し、平行板164への損傷を最小にしなければならない。例えば、照射ウィンドウを形成する平行板164部分の損傷が大きい場合には、平行板164は受け取った入力光の分散によって過剰な損失を受けることになる。
【0060】
最初に反射膜の形成及び切削を行う代わりに、事前に平行板164の一部を照射ウィンドウに対応してマスキングし、その部分を反射膜で覆われないようにして照射ウィンドウを作成することができる。
【0061】
図13(C)によれば、透明接着剤172を反射膜166、及び反射膜166を取り除いた平行板164の一部に塗る。透明接着剤172は、照射ウィンドウを形成する平行板164の一部に塗布するので、光の損失が最小限になるものである。
【0062】
図13(D)によれば、透明保護板174は、透明接着剤172を塗布した上に載せ、反射膜166及び平行板164を保護する。
透明接着剤172は、反射膜166を取り除いて凹んだ部分に満たすように塗布するため、透明保護板174は、平行板164の上部表面に平行に備えられる。
【0063】
同様に、反射膜168を保護するため、接着剤(図示しない)を反射膜168の上部表面に塗布し、保護板(図示しない)を備えなければならない。反射膜168がおよそ100%の反射率であり、同じ平行板164の表面上に照射ウィンドウがない場合には、接着剤および保護板は透明である必要がない。
【0064】
更に、反射防止膜176を透明保護板174に塗布することもできる。例えば、透明保護板174および照射ウィンドウ170は、反射防止膜176で覆うことができる。
【0065】
本発明の前記実施例では、焦点ラインは、照射ウィンドウ上、または入力光が入る、平行板の反対側表面にあるものとされるが、焦点ラインは平行板内または照射ウィンドウの前にある。
【0066】
本発明の前期実施形態では、二つの反射膜の間にある光を反射し、その反射膜の一つの反射率はおよそ100%である。ただし、同様の効果は、それぞれ100%未満の反射率を持つ二つの反射膜によっても得られる。例えば、二つの反射膜が、反射率95%であってもよい。この場合には、それぞれの反射膜は、光を透過し、干渉を生じる。その結果、波長によって進む方向の異なる光束が、反射膜のある平行板の両面に形成される。このように、本発明の様々な実施形態の様々な反射率は、VIPAの必要な特性に従って変えることができる。
【0067】
本発明の前記実施形態に用いる導波路装置は、平行板または互いに平行な二つの反射面によって形成されるが、これらの板または反射面は必ずしも平行でなくても良い。
【0068】
本発明の前記実施形態に用いるVIPAは、多重反射を利用し、干渉光の間の一定の位相差を維持する。その結果、VIPAの特性は安定し、それによって偏光によって生じる光学的特性の変化を小さくすることができる。
【0069】
本発明の前記実施形態によれば、互いに空間的に区別可能な光束を与えることができる。「空間的に区別可能な」とは、光束が空間的に区別することができることを意味する。例えば、各種の光束は、平行であり、異なる方向に進む場合、または異なる位置に集光される場合には、空間的に区別することができるという。ただし、本発明はこれらの詳細な例に限定されることはなく、光束を互いに空間的に区別することのできる方法は他にも多数ある。
【0070】
図14に、波長分散を生じさせるために、回折格子ではなく、VIPAを角分散部として使用する従来の装置を示す。図14によれば、VIPA240は、例えば、およそ100%の反射率を持つ第1の表面242と、およそ98%の反射率を持つ第2の表面244とを持つ。VIPA240は、また照射ウィンドウも含む。VIPA240は、この構成には限定されず、ここに記述されている多くの異なる構成が可能である。
【0071】
図13に示すように、光がファイバ246から出力され、コリメートレンズ248によってコリメートされ、照射ウィンドウ247を通して筒型レンズ250によってVIPA240に線状に集光される。それから、VIPA240は、焦点レンズ252によってミラー254に集光されるコリメート光251を生成する。ミラー254は、基板258上に形成されるミラー部分256であってもよい。
【0072】
ミラー254は、光を反射し、焦点レンズ252を通してその光をVIPA240に送る。それから、その光は、VIPA240内で多重反射し、照射ウィンドウ247から出力される。照射ウィンドウ247から出力された光は、筒型レンズ250及びコリメートレンズ248を通り、ファイバ246に受光される。
【0073】
したがって、光は、VIPA240から出力され、ミラー254に反射されてVIPA240に戻る。ミラー254に反射された光は、もと進んできた経路と正反対の経路を進む。以下に詳細に記述するように、光の異なる波長成分は、ミラー254上の異なる地点に焦点を持ち、反射してVIPA240に戻る。その結果、異なる波長成分は、異なる距離を進み、波長分散を生じる。
【0074】
図15に、図14のVIPAの動作原理を更に詳細に示す。様々な波長成分を持つ光がVIPA240に受け取られるものと仮定する。図14に示すように、VIPA240はビームウエスト262の虚像260を形成し、虚像260は光を発する。図14に示すように、焦点レンズ252は、VIPA240からのコリメート光の異なる波長成分の焦点をミラー254上の異なる点に集光させる。更には、長いほうの波長264は点272に、中心波長266は点270に、短いほうの波長268は点274に、それぞれ集光する。そこで、長いほうの波長264は、中心波長266と比較して、ビームウエスト262により近い虚像260に戻る。短いほうの波長268は、中心波長266と比較して、ビームウエスト262から遠いほうの虚像260に戻る。このような配列によって、正常分散を生じる。
【0075】
ミラー254は、特定の干渉オーダの光だけを反射し、他の干渉オーダの光は、ミラー254から外に集光される。さらには、前記の通り、VIPAがコリメート光を出力する。このコリメート光は、各虚像からの経路がmλの差を持つ方向に進む。ここで、mは整数を示す。m番目の干渉オーダは、mに対応する出力光と定義する。
【0076】
例えば、図16は、VIPAの各種の干渉オーダを示す。図16によれば、VIPA240などのVIPAは、コリメート光276、278、280を発する。それぞれのコリメート光276、278、280は、異なる干渉オーダに対応している。したがって、例えば、コリメート光276は、(n+2)番目の干渉オーダのコリメート光に対応しており、コリメート光278は、(n+1)番目の干渉オーダのコリメート光に対応しており、コリメート光280は、n番目の干渉オーダのコリメート光に対応している。ここで、nは整数を示す。コリメート光276は、複数の波長成分276a、276b、276cを持つものとして示されている。同様にコリメート光278は、波長成分278a、278b、278cを持つものとして示されて、コリメート光280は、波長成分280a、280b、280cを持つものとして示される。ここで、波長成分276a、278a、280aは、同じ波長である。波長成分276b、278b、280bも同じ波長を持つ(波長成分276a、278a、280aの波長とは異なる)。波長成分276c、278c、280cも同じ波長を持つ(波長成分276a、278a、280a、および波長成分276b、278b、280bの波長とは異なる)。図16には、3つの異なる干渉オーダのコリメート光を示しているだけであるが、コリメート光は、他の干渉オーダに対しても発光される。
【0077】
異なる干渉オーダに対して同じ波長で異なる方向にコリメート光が進み、異なる位置に集光されるので、ミラー254は、単一の干渉オーダからの光のみを反射してVIPA240に戻すようにすることができる。例えば、図16に示すように、ミラー254の反射部分の長さは、比較的小さく作成してあり、単一の干渉オーダに対応する光のみが反射される。更には、図16では、コリメート光178のみがミラー254に反射される。このように、コリメート光276、278は、ミラー254から外に集光される。
【0078】
波長多重光は、普通は多数のチャネルを含んでいる。図14を再度参照すると、VIPA240の第1の表面242と第2の表面244の間の厚さtが特定の値に設定される場合には、その構成で各チャネルでの分散が同時に補償される。
【0079】
更に詳しくは、各チャネルには中心波長がある。中心波長は、普通は一定の周波数間隔で互いに離れている。VIPA240の第1の表面242と第2の表面244の間の厚さtは、中心波長に対応するすべての波長成分がVIPA240から同じ出射角で出力されるように設定し、ミラー254上で同じ焦点位置を持つようにしなければならない。これは、中心波長に対応した波長成分が進むVIPA240上の往復の光の進行距離が、各チャネルの中心波長の倍数となるように、厚さtを各チャネルに対して設定した場合に可能となる。この厚さtの大きさは、以下では「WDMマッチングフリースペクトル範囲の厚さ」または「WDMマッチングのFSRの厚さ」と呼ばれる。
【0080】
更に、この場合には、VIPA240を介した往復の光の進行距離(2ntcosθ)は、同じθで異なる整数に対する各チャネルの中心波長に整数をかけた波長に等しい。ここでnは、第1の表面242と第2の表面244の間にある部材の屈折率であり、θは各チャネルの中心波長に対応する光束伝搬方向を示す。更には、前記の通り、θは、入力光の光軸の傾き角を示す(図9を参照)。
【0081】
したがって、各チャネルでの中心波長に対応する波長成分に対して、2ntcosθが、同じθで異なる整数に対する各チャネルの中心波長の整数倍に等しくなるようにtを設定した場合には、中心波長に対応するすべての波長成分は、VIPA240から同じ出射角を持ち、ミラー254上で同じ焦点位置を持つ。
【0082】
例えば、往復で2mmの物理的長さ(VIPA240の厚さ1mmの約2倍)及び屈折率1.5であれば、100GHz間隔のすべての波長がこの条件に合う。その結果、VIPA240は、波長多重光の全てのチャネルで同時に分散を補償することができる。
【0083】
したがって、図15によると、厚さtをWDMマッチングのFSRの厚さに設定した場合、VIPA240および焦点レンズ252は、(a)各チャネルの中心波長に対応する波長成分をミラー254上の点270に集束させ、(b)各チャネルの長い波長の要素に対応する波長成分をミラー254上の点272に集束させ、(c)各チャネルの短い波長の成分に対応する波長成分をミラー254上の点274に集束させることができる。したがって、VIPA240を使用して波長多重光のすべてのチャネルで波長分散を補償することができる。
【0084】
図17は、本発明の実施形態によって、厚さtが、WDMマッチングのFSRの厚さに設定される場合の、波長多重光のいくつかのチャネルの分散量を示すグラフである。図17に示すように、すべてのチャネルに同じ分散が見られる。ただし、分散はチャネル間で連続してはいない。更に、VIPA240が分散を補償する各チャネルの波長範囲は、ミラー254のサイズを適切に設定することによって設定することができる。
【0085】
図18(A)及び図18(B)は、図15と、ビームウエスト262の虚像260によって発する光の長いほうの波長264、中心波長266、及び短いほうの波長268の進行方向を示す点で類似している。
【0086】
図18(A)によれば、ミラー254は、凸ミラーである。凸ミラーを使用すると、ビーム・シフトは拡大する。したがって、短い焦点距離、かつ、小さい間隔で、大きな色分散が得られる。ミラー254が凸型の場合には、図18(A)に示すように、その凸型は、側面からのみ見え、上から見たときには見えない。
【0087】
図18(B)によれば、ミラー254は、凹ミラーである。凹ミラーを使用すると、分散の符号は反転する。従って、短い焦点距離、かつ、小さい間隔で、異常分散が生じる。ミラー254が凹型の場合には、図18(B)に示すように、その凹型は、側面からのみ見え、上から見たときには見えない。
【0088】
従って、通常は、ミラー254は上から見ると平面に見える。ただし、ミラー254も上から見たときに凹または凸ミラーにして、それが一次元ミラーであることを示すことができる。
【0089】
図18(A)及び図18(B)では、ミラー254は焦点レンズ252の焦点または焦点に近い点に配置する。
したがって、前記の通り、例えば、図18(A)および図18(B)にそれぞれ示すように、ミラー254は側面から見て、凸型または凹型にすることができる。凸ミラーは、波長分散を進行させ、凹ミラーは波長分散を減少させるか、または負(通常)から正(異常)に反転させることができる。更に詳しくは、凸ミラーは、負の方向に大きい分散を生じ、凹ミラーは、負の方向に小さい分散を生じるか、または分散を正に反転する。これは、色分散の強さが、側面から見たミラーの曲率の関数に等しいことによって実現する。
【0090】
図19は、光束の波長に対するVIPA240からの光束の出射角を示すグラフである。図19から分かるように、出射角に対する波長は線形ではない。
波長とVIPAによって生成された光束の出射角との関係は線形ではないので、ミラー254として平面ミラー、通常の凸面ミラー、または通常の凹面ミラーを使用している限りは、波長分散は一つの波長帯域で一定にはならない。この波長分散における非線形は、上位の分散とされる。
【0091】
一般に、図18(A)及び図18(B)に示す装置について、波長分散における非線形は、次の数式(3)によって理解することができる。
(角分散)・(1−f・(1/R))∝波長分散・・・・・(3)
ここで、fは、焦点レンズ252の焦点距離を示し、Rは、ミラー254の曲率半径を表す。
【0092】
図20は、光束の波長に対するVIPA240の角分散を示すグラフである。一般に、図20の曲線284は、図19の曲線282の傾斜を表したものである。図20から分かるように、角分散は一定ではない。その代わり、角分散は、波長の変化に応じて変化する。
【0093】
図21は、波長に対して数式(3)の(1−f・(1/R))の部分を示すグラフである。更に詳しくは、直線286は、平面ミラーの場合の波長に対する(1−f・(1/R))のグラフである。(曲率半径は、“∞”(無限大))。直線288は、凹面ミラーの場合の波長に対する(1−f・(1/R))のグラフである(曲率半径は、“+”)。直線290は、凸面ミラーの場合の波長に対する(1−f・(1/R))のグラフである(曲率半径は、“−”)。図21に示したとおり、それぞれのミラーは、一定の曲率半径を持つ。
【0094】
図22は、図18(A)及び図18(B)などのような装置の波長に対する波長分散を示すグラフである。ここでは、ミラー254は、一般的な球面の凸面ミラー、平面ミラー、および球面の凹面ミラーである。更に詳しくは、曲線292は、ミラー254が凸面ミラーである場合の波長に対する波長分散を表す曲線である。曲線294は、ミラー254が平面ミラーである場合の波長に対する波長分散を表す曲線である。曲線296は、ミラー254が凹面ミラーである場合の波長に対する波長分散を表す曲線である。
【0095】
一般的に、曲線292、294、296は、前記数式(3)に表されるように、それぞれ図20に示す角分散と、図21の適当な直線との積をそれぞれ表している。さらに詳しくは、一般に、曲線294は、図20に示す曲線284と、図21に示す直線286の積を表している。一般に、曲線294は、図20に示す曲線284と、図21に示す直線290の積を表している。曲線296は、図20に示す曲線284と、図21に示す直線288の積を表している。
【0096】
図22から分かるように、ミラー254として一般的な球面の凸面ミラー、平面ミラー、または球面の凹面ミラーが使用されても、波長分散は一定ではない。このような波長分散の波長依存性は、ミラー254の曲率をチャーピングすることによって減少させるか、または取り除くことができる。
【0097】
更に詳しくは、図23は、波長に対する数式(3)の(1−f・(1/R))の曲線298を示すグラフである。一般には、図23の曲線298は、図20の曲線284を反転したものである。したがって、図24の曲線300に示すように、図23の特性を持つミラーは、一定の波長分散を生じる。
【0098】
例えば、図25は、数式(3)の値が一定で、波長分散値が2000ps/nmとなるような分散ミラーの形状(断面)の一例である。図25から分かるように、ミラーの形状は自由曲面になっている。VIPAの角分散は、この断面に平行な方向になるように、VIPAとミラーは空間的に配置される。ここで、波長分散をある特定の値(例えば、−2000ps/nm)にするためには、ミラーの形状は、図26に示すように、この断面に垂直な方向には同じ形状(すなわちシリンドリカル型)であればよい。ただし、断面に垂直な方向には光は波長によらずレンズにより焦点を結んでいるため、断面に垂直な方向にあまり長さを取る必要はない。
【0099】
以上に説明した本発明の実施形態では、角分散の大きいVIPAを用いることで、実用的な大きさで波長分散補償を行うこと、VIPAの厚さをWDMマッチングのFSRの厚さに設定することにより、波長多重光の全てのチャネルで同時に分散を補償すること、ミラーの形状を最適な自由曲面形状にすることにより、波長分散の波長依存性を低減する、すなわち、波長分散を略一定にすることが可能となる。
【0100】
しかし、本発明の上記実施形態では、VIPAを用いた装置を光が通過した際の、光の波長に対する透過率の特性は、望ましい平坦な特性になっておらず、図5に示されているような、連続する透過波長帯域内の中心波長付近にピークを持つ、ラウンドトップ型の特性となっている。
【0101】
この特性を改善するために、本発明の実施形態によるVIPAを用いた装置では、前記自由曲面ミラーによって反射された後、VIPAに戻される光に、VIPAによる角分散方向と垂直な方向に、波長によって大きさの異なる光路ずれを生じさせる手段を備える。このとき、各波長の光の光路は互いに平行である。
【0102】
図27は、図14に示されている、色分散を生じさせるVIPAを用いた装置を上から見た図である。図中の各直線は、VIPAから出射した各波長の光の光軸(反射ミラーによる反射後の)を示している。図14のような構成で、反射ミラーとして図26のようなシリンドリカル型のミラーを用いた場合は、図27(A)のように、出力ファイバ309から出力される各波長の光軸は一致しており、この光軸と出力ファイバ309の光軸を一致させることにより、出力ファイバへの結合効率は最大となる。すなわち、出力ファイバ309からコリメートレンズ308に入力される光は、コリメートレンズ308によって平行光にされ、筒型レンズ307によって線状に集光され、VIPA306に入力する。そして、VIPA306によって角度分散が与えられた各波長の光は、焦点レンズ305によってミラー304上に集束される。ミラー304上に集束された光は、ミラー304によって反射され、焦点レンズ305に戻り、VIPA306を通って、筒型レンズ307に入力される。筒型レンズ307によって、光は平行光となり、コリメートレンズ308を逆方向に進むことによって、出力ファイバ309に結合される。このとき、各波長の光は等しい結合効率で出力ファイバに結合する。これに対して、図27(B)のように何らかの手段で、上から見たときの各波長の光の光軸を、互いに平行で、波長によって光軸と垂直な方向に異なる量だけシフトさせることができれば、出力ファイバに入射する際の光軸と出力ファイバの光軸とのなす角度θ1、θ2、θ3が波長によって異なることになる。ファイバに入射する光の光軸とファイバの軸の間の角度がずれると、ファイバへの光の結合効率は劣化する。この結合効率の劣化量は、上記角度ずれが大きいほど大きい。したがって、本実施形態によるVIPAを用いた装置では、波長によって出力ファイバへの結合効率が異なることになる。すなわち、波長分散補償された光が出力ファイバに結合する際の結合損失の大きさが波長によって異なる。したがって、上記光路ずれの大きさを波長毎に制御して、上記光路ずれがないときのVIPAを用いた装置の透過特性と逆の特性を与える(VIPAを用いた装置の透過率が高い波長の光は上記結合損失が大きくなるように、透過率が低い波長の光は結合損失が小さくなるようにする)ことにより、望ましい平坦な透過特性を得ることができる。
【0103】
以下に、上記光路ずれを生じさせる具体的な手段について例を挙げて説明する。
図28は、本発明の実施形態を示す図である。本実施形態では、上記自由曲面ミラーの形状を、シリンドリカル型から、シリンドリカル型では形状変化のない方向にも形状が変化するものに変更することによって、上記光路ずれを発生させる。なお、同図においては、図27と同じ構成要素には同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0104】
図28によれば、VIPAにより異なる方向に出射された、異なる波長の光λ1、λ2、λ3は焦点レンズによって、ミラー上の異なる位置301、302、303に集光される。301、302、303は同一のミラー304上の異なる位置を表している。これら波長の異なる光が集光される点はミラー上に連続的に並んで、図28のy方向に平行な直線を形成するが、この直線に沿ったミラーの形状は、上記の波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状である。更に、この直線と垂直な方向(図28のx方向)の傾斜が、直線に沿って(y軸に沿って)変化するような形状のミラーを用いることにより、VIPAの角分散方向と垂直な方向の反射角度(図28のxz面内の反射角度)を波長によって変えることができる。この反射光は、焦点レンズを通過してVIPAに戻る際に、VIPAからの出力光の進行方向(図28のz方向)と平行で、角分散方向と垂直な方向(図28のx方向)にずれた光路を通ることになる。このように、波長によって異なる光路ずれを生じさせることができる。
【0105】
なお、同図においては、光路ずれを、光を同図の下方に生成しているが、もちろん、同図の上方に生成しても良い。また、波長毎に、1つの波長が上方への光路ずれで、次の波長は下方への光路ずれと言うように、それぞれ異なった方向に光路ずれを生成しても良い。重要なことは、光ファイバに結合する光が、適当な結合効率で光ファイバに結合するように、適切な角度を持って、光ファイバの端部に入射することである。
【0106】
図29は、光ファイバの端部への光の結合効率を説明する図である。
光ファイバからの出射光と光ファイバへの入射光がともにガウシアンビームであるとすると、光ファイバへの戻り光に角度ずれがある場合の結合効率は、次の式で表される。
η=κ・exp[−κ・π2θ2(w1 2+w2 2)/(2λ2)]
ここで、
κ=4/{(w1/w2+w1/w22
1:光ファイバからの出射光のビームウエスト経
2:光ファイバへの入射光のビームウエスト経
λ:波長
θ:角度ずれ量
である。なお、光ファイバと光の結合についての詳細は、河野健治著「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」を参照されたい。
【0107】
また、図30は、角度ずれ量と結合効率の関係を示した図である。この図によれば、結合角度が2度ずれると結合効率が2dB以上落ちることが分かる。なお、図30は、w1=w2=10μm、λ1.55μmの場合である。
【0108】
図31は、ミラーの傾きと結合効率の関係を説明する図である。
図31のような光学系で、
コリメートレンズの焦点距離fc=50mm
フォーカシングレンズの焦点距離fm=6mm
ミラーの傾き角度θm=0.1°
の場合、光軸の横ずれは、約0.17mm、光ファイバへの戻り光の角度ずれθは、約0.83°となる。従って、この場合の結合効率は、約92%(−0.38dB)となる。
【0109】
図32(A)に、本実施形態で用いられる、波長によって異なる光路ずれを生じさせる自由曲面ミラーの一例を示す。図32(A)の座標軸は、図28の座標軸に対応している。このような三次元の自由曲面ミラーを作成することは、現有の加工技術をもってすれば困難ではなく、ダイヤモンド製のバイトと精密な可動ステージを有する精密な三次元加工機でAlや真鍮などの金属を加工すればよい。このような削り加工したミラーは一般に高価となることが多いので、必要な形状とは反転した形状を有する金型を加工し、その金型を用いて、プラスチックや低融点ガラス、ゾルゲルガラスなどで転写成形した後、AuやAlなどの金属や誘電体多層膜をその上に成膜してミラーを形成すればよい。この他、イオンビームエッチングと厚さの異なるレジストを用いてこのような三次元形状を得ることもできる。
【0110】
また、図32(B)に、図32(A)に示すような形状のミラーを用いて透過帯域を平坦化した場合と、従来のシリンドリカル型のミラーを用いた場合(平坦化前)の、VIPAを用いた装置の透過特性の一例(計算結果)を示す。図32(B)に示すように、上記ミラーによって、ラウンドトップ型の透過特性を望ましい平坦な特性に改善することができる。
【0111】
上記の実施形態では、VIPAを用いた装置によって与えることのできる波長分散補償量は、図28、図32(A)のy方向のミラー形状によって決定される一つの分散補償量に限られるが、本発明の別の実施形態によれば、一台で複数の波長分散補償量を与えることができ、かつ、それぞれの分散補償量を与える際の透過特性が平坦な、VIPAを用いた装置を実現することが可能である。
【0112】
図33は、本発明の別の本実施形態を示す図である。同図においては、図27と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。図33によれば、ミラー310上には複数の領域(図33では領域A、B)が設けられている。各領域内のVIPAの角分散方向(図33のy方向)と平行な一つの直線に沿ったミラー形状は、各々異なる分散補償量を与えるような形状となっている。更に、各領域内の上記直線に沿った、直線と垂直な方向の傾斜(図33のy方向に沿ったx方向の傾斜)は、各分散補償量を与える際のVIPAの透過特性が平坦になるように決定される。また、本実施形態では、ミラー310上の使用領域を、必要な分散補償量によって切り替えることのできる機構が設けられており、これにより、複数の分散補償量を与えることができ、かつ透過特性が平坦な、VIPAを用いた装置を実現できる。なお、図33では、ミラー310上の領域はA、Bの2つとなっているが、3つ以上の領域があってもかまわない。また、図33では、ある一つの波長λの光の光軸と、この波長の光が当たる位置でのミラー形状(x方向の形状)のみを示している。
【0113】
ミラーの使用領域を切り替える機構は、例えば、ミラー310を載せるステージなどであり、機械的に、ミラー310の位置をシフトするものであればよい。このようなステージは、既知のものが多く存在するので、詳細な説明は省略する。
【0114】
更に、本発明の更に別の実施形態によれば、分散補償量をある一定範囲内の任意の値に設定でき、かつ、上記一定範囲内のいかなる分散補償量に設定した場合にも透過特性が平坦となる、VIPAを用いた装置を実現することが可能である。
【0115】
図34は本実施形態を示す図である。同図において、図33と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。図34によれば、本実施形態では上記自由曲面ミラーとしては、任意の三次元形状を形成することが可能な、可変形状ミラーを用いる。可変形状ミラーはある有限な領域内の形状を任意に変えることのできる形状可変部を持っている。ミラー形状は、以下を満たすように制御される。まず、ミラー上の、VIPAの角分散方向(図34のy方向)と平行な一つの直線に沿った形状は、所望の分散補償量を与えるような形状となるようにする。更に、この直線に沿った、直線と垂直な方向の傾斜(図34のy方向に沿ったx方向の傾斜)が、該分散補償量を与える際のVIPAの透過特性を平坦にするような形状となるようにする。以上のようなミラー形状が形成されるように制御を行うことによって、上記の任意分散補償量において平坦な出力光特性を得ることができる。
【0116】
可変形状ミラーについては、特願2001−216415号明細書あるいは、http://www.hikari-trading.com/oko.htmlなどを参照いただきたい。
また、図35は、可変形状ミラーを搭載したVIPAを用いた装置と、VIPAからの出力光の分散特性、透過特性をモニタする装置とを組み合わせたシステムの構成を示す図である。
【0117】
以上により、出力光の分散特性と透過特性とが同時に、常に最適となるようにミラー形状を制御するシステムを作ることができる。このようなシステムは、環境温度の経時的な変動などによる伝送路ファイバの分散量変動の影響が無視できないために、常時、分散補償を行う必要がある超高速の光ファイバ通信システムにおいて有用である。
【0118】
図35のシステムでは、ファイバからなる伝送路400を介して受け取った入力光を可変形状ミラーを有するVIPAを用いた装置401を介して伝送路400に送出し、後段で波長分散をモニタする装置402、403によって波長分散のモニタを行い、これをミラー形状を制御する装置404で、モニタ値を可変形状ミラーの駆動信号にして可変形状ミラーに信号を与え、VIPAの波長特性を最適化する。
【0119】
以上に説明した実施形態では、透過特性を平坦化するために必要な、VIPAに戻される光の光路ずれを、ミラーの、VIPAによる角分散方向と垂直な方向傾斜により与えることとしたが、このような光路ずれを与える手段はこれだけではなく、他の手段を用いてもよい。
【0120】
また、上記の実施形態では、VIPAに戻される光に、VIPAからの出射光の光路と平行で、波長によって異なる大きさの光路ずれを生じさせることにより、波長によって出力ファイバへの結合効率を変化させ、波長特性を平坦化したが、必ずしもVIPAからの出射光と平行な光路ずれを生じさせる必要はなく、波長によって異なる角度ずれを生じさせてもよい。角度ずれによっても出力ファイバへの結合効率は劣化し、波長特性を平坦化することができる。
【0121】
また、本実施形態では、図4のファイバの先に図1と同様のサーキュレータを挿入することにより、波長分散が補償された出力光を取り出すことができる。
また、本発明の前記実施形態では、VIPAは、光を反射するための反射膜を持つ。例えば、図8は、光を反射する反射膜122および124を持つVIPA76を示す。ただし、VIPAを、反射面を提供するための膜として使用することに限定はしない。その代わり、VIPAは適切な反射面を持っていなければならないが、膜である必要はない。
【0122】
更に、本発明の前記実施形態では、VIPAは多重反射を生じる透明のガラス板を含む。例えば、図8は、反射面を持つ透明のガラス板120を備えたVIPA76を示す。ただし、反射面を隔離するために、VIPAをガラス部材、または任意のタイプの板のみに限定はしない。その代わり、反射面は、ある種のスペーサによって互いに隔離しておかなければならない。例えば、VIPAの反射面は、ガラス板を介在させなくても“空気”によって隔離することができる。したがって、反射面を、例えば光ガラスまたは空気などの透明の部材によって隔離するものとして記述することができる。
【0123】
また、VIPAの動作は、VIPAの反射面の間にある部材の厚さと屈折率によって異なる。さらに、VIPAの動作波長は、VIPAの温度をコントロールすることによって正確に調整することができる。
【0124】
以上説明したように、本発明の前記実施形態によれば、波長によらず略一定の波長分散を生じさせ、実際に光ファイバに蓄積された波長分散を多チャネルの多波長領域において同時に分散補償する装置を提供することができ、更に、透過率の波長特性を所望のものにすることができる。このために、本発明の実施形態では、VIPAを特定の構成に限定しない。例えば、VIPAは、照射ウィンドウを持っていても良く、VIPAの各表面の反射は、特定の例に限定されることはない。
【0125】
また、ここまで説明してきた実施形態では、波長分散を積極的に与えた例を示してきたが、波長分散を略ゼロとし、多チャネルの多波長領域において、所望の透過波長特性を与えるような、多波長チャネル用の透過帯域フィルタ装置としても用いることができ、例えば、アレイ導波路型合分波器(AWG)等のような平坦ではない透過波長特性を有する装置の波長特性を改善することも可能である。特に図31に示された実施形態は、多波長チャネル用の可変透過帯域フィルタ装置として使用でき、いかなる透過波長特性を有する装置の波長特性を改善することも可能である。
【0126】
(付記1)光を受け取り、光を出力する複数の透過域を持ち、その透過域を通じて連続する波長範囲内の各波長を有する入力光を受け取り、入力光の多重反射を行って、入力光の自己干渉を行わせることにより、前記連続する波長範囲内の各波長を有する光を、波長毎に異なる角度で分散させ、前記連続する波長範囲内の他の波長を有する入力光に対して形成されてアクセス出力光とは空間的に区別することのできる出力光を形成するバーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(VIPA)と、
該VIPAによって形成された、前記波長毎に異なる出力角度を有する出力光を、波長毎に異なる位置に集束させるレンズと、
集束した光を前記レンズに反射して戻し、前記レンズは、反射された出力光をVIPAに戻し、それによって反射された出力光がVIPA内で多重反射を受けて、VIPAから透過域を通じて出力されるようにするためのミラーであり、かつVIPAによる角分散方向に対して、VIPAからの出力光に波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状を有するミラーと、
前記ミラーによってVIPAに戻される光の連続する波長範囲内の波長毎に、VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段を備え、
出力光を波長によって異なる結合効率で光ファイバに結合させることにより、所望の透過波長特性を与えることを特徴とする装置。
【0127】
(付記2)前記VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段が、前記レンズによって前記ミラー上の異なる位置に集束された異なる波長を有する光に対して、VIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与える様な形状を有しているミラーであることを特徴とする付記1に記載の装置。
【0128】
(付記3)前記ミラーが、それぞれ異なる波長分散を与える複数の領域を有すると共に、各領域毎に、異なる波長を有する光にVIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与えるような形状を有し、更に前記ミラーを空間的に移動させる手段を有し、
ミラーの異なる領域に光を反射させることにより、異なる波長分散で所望の透過波長特性を与えることを特徴とする付記2に記載の装置。
【0129】
(付記4)前記VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段が、前記レンズによって前記ミラー上の異なる位置に集束された異なる波長を有する光に対して、VIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与えるような形状を有し、かつ形状を任意に変形させることのできる部分と、形状を制御する手段を有する可変形状ミラーであって、波長分散を任意に可変すると共に、各波長分散において、光路ずれ量を可変することにより所望の透過波長特性を与えることを特徴とする付記1に記載の装置。
【0130】
(付記5)付記5に記載の装置と、出力光の分散特性と波長特性をモニタする装置とを有し、モニタ結果をミラー形状に反映させ、最適な分散特性と透過波長特性を与えるようにミラー形状を制御することを特徴とする装置。
【0131】
(付記6)集光された光を受光し、内部での多重反射を介して、各反射毎に光の一部を放出し、該放出された光の干渉によって、角度分散を生成することによって波長毎に異なる伝搬方向を有する光束を生成するバーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ(VIPA)と、
該VIPAから出力される光束を、各波長毎に、該角度分散の方向の面内で、所定の方向に反射し、該VIPAに該光束を入射して、該VIPAから出射されるときに、各波長毎に、特定の伝搬遅延を与えるミラーと、
該ミラーによって反射される光束に、波長毎に異なった光路ずれを与え、該光束が、該VIPAから出射され、光ファイバに結合する場合の結合効率を、光束の該光ファイバへの入射角度を調整することによって可変する結合効率可変手段と、
を備えることを特徴とする装置。
【0132】
(付記7)前記結合効率可変手段は、前記ミラーの反射面の形状を、ミラーに入射する光束を前記VIPAの角分散の方向の面外の方向に反射するように構成することによって実現されることを特徴とする付記6に記載の装置。
【0133】
(付記8)前記結合効率可変手段を実現するためのミラーの反射面の形状は、前記光束に与えられる伝搬遅延量の違いによって、変えられることを特徴とする付記7に記載の装置。
【0134】
(付記9)前記ミラーは、異なる反射面の形状を有する複数のミラーを一体化した構成となっていることを特徴とする付記8に記載の装置。
(付記10)前記ミラーの反射面の形状は、必要に応じて可変できることを特徴とする附記8に記載の装置。
【0135】
(付記11)前記ミラーの形状は、前記装置から出力され、光ファイバを伝搬した後の光信号への波長分散の影響をモニタした結果に基づいて、適応的に可変されることを特徴とする付記10に記載の装置。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単かつ安価な方法で、VIPAを含む分散補償器の波長特性の形状をラウンドトップ型から平坦化したものに変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長分散を補償するための「逆分散コンポーネント」の機能を持つチャープ・ファイバグレーティングを示す図である。
【図2】波長分散を生成するために用いることができる、従来の回折格子を示す図である。
【図3】波長分散を補償するために、逆分散コンポーネントとして用いる空間格子対配列を示す図である。
【図4】VIPAを用いた波長分散を補償する装置を示す図である。
【図5】VIPAを用いた装置の透過特性を示す図である。
【図6】VIPAを用いた装置の、望ましい平坦な透過特性を示す図である。
【図7】VIPAを用いた装置の、非対称な透過特性を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるVIPAを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による図8のVIPAを詳細に示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による図8に示すVIPAの直線IX−IXに沿った横断面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態によるVIPAによって行われる反射光間の干渉を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による入力光の傾き角度を決定するための、図8に示すVIPAの直線IX−IXに沿った横断面を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態によるVIPAを作成する方法を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による、色分散を生じさせるための角分散部としてVIPAを使用する装置を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態による、図14に示す装置の動作を詳細に示す図である。
【図16】本発明の一実施形態による、VIPAの干渉のさまざまな次数を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態による、波長分割多重光のいくつかのチャネルの色分散を示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態による、光を分散させるためにVIPAを使用した装置の側面を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態による、光束の波長に対するVIPAの光束の出射角を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態による、光束の波長に対するVIPAの角分散を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態による、VIPAを使用する装置の異なるミラータイプの効果を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態による、VIPAを使用する装置の波長に対する色分散を、使用する異なるミラータイプ毎に示す図である。
【図23】本発明の一実施形態による、VIPAを使用する装置のミラーの効果を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態による、VIPAを使用する装置の一定の色分散を示す図である。
【図25】本発明の実施形態による、VIPAを使用する装置のためのミラーの断面形状の一例を示す図である。
【図26】本発明の実施形態による、VIPAを使用する装置のためのミラーの三次元形状の一例を示す図である。
【図27】図14に側面図が示されているVIPAを用いた装置を上から見たときの各波長の光の光軸を示す図である。
【図28】本発明の一実施形態による、波長によって異なる大きさの光路ずれを生じさせるミラーを用いた、VIPAを用いた装置の上面図である。
【図29】角度ずれ量と結合効率の関係を説明する図である。
【図30】角度ずれ量と結合効率の関係を示すグラフである。
【図31】ミラーの傾きと結合効率の関係を示す図である。
【図32】本発明の実施形態で用いる、波長によって異なる大きさの光路ずれを生じさせるミラー形状の一例とそのミラーの効果を示す図である。
【図33】本発明の一実施形態による、図32のような形状の複数のミラー領域を持つ、VIPAを用いた装置の上面図である。
【図34】本発明の一実施形態による、可変形状ミラーを持つ、VIPAを用いた装置の上面図である。
【図35】本発明の一実施形態による、VIPAを用いた装置と、波長分散及び透過特性をモニタする装置を組み合わせたシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
304 ミラー
305 焦点レンズ
306 VIPA
307 筒型レンズ
308 コリメートレンズ

Claims (5)

  1. 光を受け取り、光を出力する複数の透過域を持ち、その透過域を通じて連続する波長範囲内の各波長を有する入力光を受け取り、入力光の多重反射を行って、入力光の自己干渉を行わせることにより、前記連続する波長範囲内の各波長を有する光を、波長毎に異なる角度で分散させ、前記連続する波長範囲内の他の波長を有する入力光に対して形成されてアクセス出力光とは空間的に区別することのできる出力光を形成するバーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(VIPA)と、
    該VIPAによって形成された、前記波長毎に異なる出力角度を有する出力光を、波長毎に異なる位置に集束させるレンズと、
    集束した光を前記レンズに反射して戻し、前記レンズは、反射された出力光をVIPAに戻し、それによって反射された出力光がVIPA内で多重反射を受けて、VIPAから透過域を通じて出力されるようにするためのミラーであり、かつVIPAによる角分散方向に対して、VIPAからの出力光に波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状を有するミラーと、
    前記ミラーによってVIPAに戻される光の連続する波長範囲内の波長毎に、VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段を備え、
    出力光を波長によって異なる結合効率で光ファイバに結合させることにより、所望の透過波長特性を与えることを特徴とする装置。
  2. 前記VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段が、前記レンズによって前記ミラー上の異なる位置に集束された異なる波長を有する光に対して、VIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与える様な形状を有しているミラーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記ミラーが、それぞれ異なる波長分散を与える複数の領域を有すると共に、各領域毎に、異なる波長を有する光にVIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与えるような形状を有し、更に前記ミラーを空間的に移動させる手段を有し、
    ミラーの異なる領域に光を反射させることにより、異なる波長分散で所望の透過波長特性を与えることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記VIPAの角分散方向と垂直な方向へ、異なる大きさの光路ずれを生じさせる手段が、前記レンズによって前記ミラー上の異なる位置に集束された異なる波長を有する光に対して、VIPAの角分散方向と垂直な方向に異なる反射方向を与えるような形状を有し、かつ形状を任意に変形させることのできる部分と、形状を制御する手段を有する可変形状ミラーであって、波長分散を任意に可変すると共に、各波長分散において、光路ずれ量を可変することにより所望の透過波長特性を与えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 請求項1に記載の装置と、出力光の分散特性と波長特性をモニタする装置とを有し、モニタ結果をミラー形状に反映させ、最適な分散特性と透過波長特性を与えるようにミラー形状を制御することを特徴とする装置。
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