JP3972260B2 - 低濃度グラウト工法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダム、トンネル、立坑等を透水性岩盤に設けた構造物において岩盤から構造物に出て来る湧水を確実に止水できる低濃度グラウト工法に関する。
一般に透水性岩盤に止水施工をするために、セメントミルクからなる止水材を注入する工法をグラウト工法と称している。以下の記述においてグラウトといった場合は、止水材を注入(岩盤の湧水圧力よりも高い圧力で注入)することをいう。
従来、岩盤の上にダムを築いた時には、図8に示すように、ダムa下部周囲の透水性の岩盤bから水が漏れるのを防止するためにグラウトカーテンcを設けるのが通常である。
このグラウトカーテンcは、難透水性(または遮水性)の岩盤dに至るまで孔(グラウト孔)eをボーリングし、その孔eからセメントミルクを透水性の岩盤b内に注入することによって図8に示す斜線の範囲のように形成している。これによって、グラウトカーテンcは、図8(b)に矢印で示す透水が流れるのを遮る。
このように止水の必要な部分にセメントミルクを注入する工法が、今日のグラウト工法の基本となっている。
グラウト工法は、岩盤の内部にトンネルや立坑等の掘削を行う場合に、岩盤から浸透して来る湧水を止めるためまたは抑制するために内壁部のライニングに適用する。
グラウト工法の例を図9に示す。図9の(a)と(b)はトンネルfと立坑gの掘削施工工事において掘削施工前に止水のためにグラウトを注入施工するプレグラウト工法のそれぞれの説明図を示し、(c)はトンネルf工事において掘削施工後に止水のためにグラウトを注入施工するポストグラウト工法の説明図をそれぞれ示す。図9においては、孔eをボーリングしてその孔eから斜線で示す領域にセメントミルクを注入して止水する。
トンネルの工事においては、トンネル内の湧水は水圧が大きいので、図9(c)に示すような、ポストグラウトによってトンネルfのライニングhの隙間から湧水が噴出してくるのを止水したのでは、その水圧によってセメントミルクが充分に岩盤内に浸透・充填できず、止水を効果的に行えない場合が多い。
そのため、図9(a)に示すように、トンネルfの掘削施工前に調査をして湧水部を確認したならばプレグラウトによって未然に湧水がトンネル内に出てくるのを防止する場合が多い。立坑においても図9(b)に示すように、同様のプレグラウト工法を行っている。
このようなグラウト工法において、注入材料(主として普通ポルトランドセメントや高炉セメントが用いられる)のセメントミルクの初期濃度は、セメント/水の比(厳密にはセメント水比というがここでは単に「濃度」という)が1/10〜1/8からスタートし、注入量が少ない場合にはその濃度で最後まで注入するが、注入量が多い場合には、次第に濃度を高めていく。
特開2002-013153号(特許文献1)や特開2003−176698号(特許文献2)には、トンネルなどの湧水が出るコンクリート構造物をグラウト工法によって止水する技術が示されている。ライニングの止水性能の向上という改良効果を狙ったものである。この特許文献1〜2においてはポストグラウトに関する技術を開示している。ただ、これらの技術では水圧によって湧水が出てくる点までは考慮していない。
特開2002-013153号 特開2003−176698号
上述のような施工を行う従来のグラウト工法では、普通ポルトランドセメントや高炉セメント等の安価で、どこでも入手できる材料が主体として使われる。
しかしながら、最近は更に注入による改良効果を上げて止水性能を上げなければならないケースが多くなっている。
そのような場合には、非常に高価であるが、より細粒の超微粒子セメント等の細粒セメントが用いられている。ただ、この種のセメントの材料は水和反応による硬化のスタートが早く、流れが止まると短時間で固化するので、グラウト孔の孔底であるいは亀裂内の狭窄部で目詰まりしてしまい、細粒ではあるが、充分な効果を得るには至っていない。
その大きな原因は、セメントミルクの濃度にある。
注入開始においてセメントミルクの濃度が1/10または1/8では、注入量が少ない場合は、そのまま終了する。多い場合には1/6、1/4、1/2と濃度を上げていくので、グラウトの孔内に沈積したり、亀裂内の幅の大きな所に沈積したりして、奥の方の狭窄部を目詰まりさせるに至っていない可能性が大きい。
さらに注入圧力は1〜2(MPa:メガパスカル)(ほぼ10〜20kgf/cm2)程度が一般的で、周辺の構造物等への影響がない場合でも、最大で5MPa程度である。
仮にセメントミルクの濃度が小さい水に近い状態であれば、亀裂内での圧力がより奥の方まで伝達されるのであるが、従来のセメントミルクはその濃度が大きすぎるために圧力低下が大きくなり、充分な遮水効果が得られなくなっている。
したがって、最終のグラウト孔の間隔を1.5mピッチとした場合でも、岩盤の透水係数の改良限界が3〜5×10-5(cm/sec)程度、高価な超微粒子セメント等を使用した場合でも1×10-5(cm/sec)まで改良するのは困難とされている。
最終の孔間隔が1.5mピッチということは、セメントミルクの到達範囲でいえば1m以内で、しかも、その範囲でも細かい亀裂が完全には充填されていないということになる。
いままでの研究は、グラウトの効果を高めるためには「セメントの粒径を細かくする」ことに主眼が置かれており、濃度や粘性の面は全く忘れられていたわけである。
それはグラウトのコストが「材料費+注入時間」で決まるので、濃度を小さくすると注入時間が大幅に増加して、コストが単純に高くなると考えられていたからである。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであって、トンネル、立坑、ダム等の透水性岩盤に設ける構造物の止水をする際に、止水材料の注入範囲を拡大し、細かい亀裂にも充填できるようにして構造物周囲の岩盤に高い止水効果を得ることができる低濃度グラウト工法を提供しようとするものである。
本発明は低濃度グラウト工法に係るものである。
請求項1に記載の発明は、ダム、トンネルまたは立坑等の構造物を透水性岩盤に設ける際に、その岩盤に止水材を注入してその岩盤から湧水等の水が浸入するのを止めるグラウト工法において、止水材には、普通ポルトランドセメントよりも細粒の高炉スラグ、またはその高炉スラグに普通ポルトランドセメントよりも細粒のフライアッシュを添加した水和反応および硬化速度がゆるやかな材料を水に混合して用い、構造物周囲の岩盤内に材料/水が1/100〜1/500の割合の懸濁物からなる止水材を注入して、当該岩盤内に止水領域を形成することを特徴とする低濃度グラウト工法である。
請求項2に記載の発明は、構造物周囲の岩盤に止水材を注入するための第1および第2の孔を含む複数の孔を形成し、その後、第1の孔に止水材を注入しかつ他の孔から余剰水を排水する工程と、第2の孔に止水材を注入しかつ止水材注入後の第1の孔および止水材未注入の孔から余剰水を排水する工程とを複数孔に対して順次行うことを特徴とする請求項1に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項3に記載の発明は、トンネル周囲の岩盤に止水材を注入するための孔をトンネル周方向に複数配列した状態に形成し、その複数配列した状態に形成した孔の組をトンネル長さ方向に複数組形成しており、隣接する各組の孔の形成位置を、トンネル長さ方向から見てトンネル周方向にずれた千鳥配置としたことを特徴とする請求項1または2に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項4に記載の発明は、隣接する複数の孔に一括して止水材を注入することを特徴とする請求項2または3に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項5に記載の発明は、止水材を注入する孔以外の孔であって止水材未注入の孔には圧力制御手段を設けて、その孔の余剰水の排水量を制御することを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項6に記載の発明は、止水材未注入の複数の孔は、レシーバを介して連結して圧力を均一化することを特徴とする請求項5に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項7に記載の発明は、止水材を注入する圧力は、3(MPa)〜10(MPa)とすることを特徴とする請求項1から6のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法である。
請求項8に記載の発明は、止水材を孔に注入するに際して、注入の進行に応じて止水材の注入圧力を大きくすることを特徴とする請求項1から7のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法である。
なお、止水材において、普通ポルトランドセメントよりも細粒の高炉スラグ、細粒のフライアッシュは、粒径がD50で8〜4(μm)好ましくは粒径がD50で略6(μm)である細粒のものである。この「細粒」には、少なくとも粒径がD50で3(μm)以下の超微粒子を含まない趣旨である。
本発明の請求項1〜記載の低濃度グラウト工法においては、従来技術との比較において、以下の優れた作用効果を奏し得る。
従来のグラウト工法においては、使用するセメントミルクのセメント/水の割合(濃度)が初期濃度で1/10である。その濃度のセメントミルクによって沈降試験を行うと、試験開始と同時に沈降が始まり、ブリージング現象によって粒子は下方に沈降・沈積し、上部には水が残る。残った水は懸濁粒子までも凝集作用によって沈降してしまうので、透明度が高くなり過ぎる。
したがって、セメントミルクを注入してグラウトする孔の上部の亀裂に対しては、粒子の少ない水が供給されて充填効果は余り期待できなくなる。一方、下部の亀裂に対しては、沈降した濃度が大きい材料が供給されて亀裂の入り口部で目詰まりするか、入り口部が完全に塞がれてしまう。
よって、グラウト孔周辺の亀裂は充分に充填されなくなる。
また、従来のセメント系の材料を用いるグラウト工法では、透水性の改良効果が3〜5×10-5(cm/sec)程度で充分な止水効果が期待できるものではなく、その改良のために、より細粒にする研究において超微粒子セメント等の材料を開発・使用できるようになっていたが、それでも改良の効果は、1×10-5(cm/sec)まで改良するのは困難であるといわれていた。
一方、本発明においては、止水材の材料/水である濃度が1/100以下の場合、沈降速度は遅くなり、その濃度が小さいので、孔(グラウト孔)内に沈積する量は大幅に低減すると同時に、上部の水は凝集作用が解消して懸濁状態が長く続くので、下部の亀裂に対しても、上部の亀裂に対しても、ほぼ均等に材料の細かい粒子が供給されるので、充分な改良効果が期待できる。
また、本発明において止水材の濃度は、1/100〜1/200とすることが好適であるが、大きな亀裂帯を処理することもあるので、本発明の対象となる止水材の濃度の範囲は1/100〜1/500としている。
濃度の小さな止水材をグラウトに用いることによって、粒子は凝集しにくくなり、懸濁状態が長時間維持できるようになると同時に孔底に沈積する量が少なくなるので、従来工法では5(m)程度と言われていた注入区間を数倍に長くし、止水の効果を落とさずに複数孔を同時に注入することが可能になる。これによって、円形トンネルの1断面同時注入ができるようになり、コストダウンと安全性の向上が可能になる。
本発明においては、低濃度の止水材を注入する工法を使用すれば、改良効果は大幅に向上し、1×10-6(cm/sec)オーダーの改良があまりコストを増やさずにむしろコストを低減して可能になる。
上述のように、注入する止水材の濃度を1/100〜1/500に設定し、3(MPa)以上の高圧で注入して、中空の未グラウト孔、既グラウト孔を有効に配置して、グラウトの止水材や水を効果的に排水する本発明の工法によって、経済性を損なわずに大きな止水の改良効果を得ることができる。
各請求項によれば上記作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
〔請求項2〕について説明する。
請求項2の発明によれば、構造物周囲の岩盤に止水材を注入するための孔を複数ボーリング等によって穿孔形成し、その後、複数孔のうちの第1の孔に止水材を注入しかつ第2の孔から余剰水を排水する工程と、第2の孔に止水材を注入しかつ第1の孔または他の孔から余剰水を排水する工程とを複数孔に対して順次行う。
ここで図1に本発明のグラウト工法の一例を示し、図2に従来のグラウト工法を示す。
従来、ボーリングした孔(「グラウト孔」、「注入孔」または「削孔」ともいう)と止水材の注入(「グラウト」ともいう)の施工順序は一般的に図2の(i)から(iii)の順になる。
すなわち、ボーリングしたグラウト孔(未グラウト孔p、既グラウト孔q)の長さが注入区間長であり、その注入区間長が長くなると、遮水効果が得られにくいので、未グラウト孔pに対して注入区間5(m)を1ステージとして、上部から下部へ向かって1ステージづつ削孔・注入を繰り返して1つのボーリング孔のグラウトを終了する。孔同士の間隔は、注入半径(注入範囲)を1(m)程度として、1.5(m)位にするのが一般的である。
これに対して、本発明の低濃度グラウト工法では、止水材の材料/水が1/100〜1/500にし、好適には1/100〜1/200とする。そして、図1に示すように、グラウト孔Aの両側にある未グラウト孔Cおよび既グラウト孔Bを排水孔として利用して、グラウト孔Aから止水材を注入する。
岩盤の亀裂幅が不ぞろいでも、止水材は水に近い状態であるから、どの亀裂についても充分に止水材が供給できるので、注入区間を40〜50(m)と長く取れるばかりでなく、前記した図9(c)の場合のように、注入区間が短い場合には、複数孔同時注入が可能である。
また、グラウトが終了した時点で孔内に残っている止水材は容易に抜水でき、水洗いしておけば、追加グラウトを行うことが可能であり、更に、排水孔、チェック孔として利用することができる。
これは、止水材を注入する孔とは別途に排水溝を岩盤に形成するのでなく、かつ、孔への無収縮材の充填(孔埋め)は最後に行うことにして、これからグラウトしようとする孔とグラウトが終了した孔を、グラウトの注入効果を高めるために止水材の誘導孔、余剰水の排水孔に利用するものである。
図1に示す例によって本発明のグラウト工法を詳しく説明する。
グラウト孔Aの両側にある未グラウト孔Cおよび既グラウト孔Bを排水孔として利用すると、グラウト孔Aから岩盤D内を浸透する(グラウトする)止水材を誘導することができるので、各グラウト孔の間の岩盤を双方向から攻めることになり、グラウト孔の間隔を3〜5(m)と大きくできるのと同時に岩盤の透水性の改良効果も大きくすることができる。
また、グラウト孔Aから既グラウト孔Bへのルートは、既グラウト孔Bから岩盤内へのグラウトがなされているので、透水度は改良されているが、グラウト孔Aから未グラウト孔Cへのルートは初めて注入がなされるので、そこへのリーク量が多くなりすぎることがある。この場合には、未グラウト孔の口元にパッカーをセットして、その未グラウト孔Cの圧力を上げて注入量を制御することができる。逆にリーク量が小さすぎる場合には、未グラウト孔の口元にバキュームをかけて吸引することも可能である。
なお、既グラウト孔で排水量が多い場合には、改良不十分ということで、再度注入することができる。
また、この既グラウト孔は、グラウトの前後の透水係数や排水量を比較するためにのチェック孔の役割も持たせることができる。
また、グラウト終了時には、安価な無収縮材でまとめて孔埋めすることになるが、場合によってはそのまま孔埋めせずに残すことも考えられる。
グラウトの完了した孔の排水量を測定していけば、グラウトを打ち切ってよい時期も自ずと判るはずであり、従来のグラウトのようにグラウトが終って掘削してみなければ効果が判らないということも無くなる。
〔請求項3〕〜〔請求項6〕について説明する。
請求項3の発明によれば、トンネル周囲の岩盤に止水材を注入するための孔をトンネル周方向に複数配列した状態に形成し、その複数配列した状態に形成した孔の組をトンネル長さ方向に複数組形成しており、隣接する各組の孔の形成位置を、トンネル長さ方向から見てトンネル周方向にずれた千鳥配置としたことによって、上記のように円形トンネル1断面同時注入をする場合に、隣接する組の孔が同時に排水孔となり効率良く余剰水を排水することができる。
また、請求項4の発明によれば、隣接する複数の孔に一括して止水材を注入することによって、工期の短縮をすることができる。
また、請求項5の発明によれば、止水材を注入する孔以外の孔であって止水材未注入の孔には圧力制御手段を設けて、その孔の余剰水の排水量を制御することによって、未注入の孔の排水量が過多になりやすいのを適切に制御することができる。
その場合に、請求項6の発明のように、止水材未注入の複数の孔は、レシーバを介して連結して圧力を均一化すれば、孔毎に圧力設定を細かく行う必要がなく、簡易な構造で余剰水の排水量を制御できる。
〔請求項7〕について説明する。
請求項7の発明においては、止水材を注入する圧力は、3〜10(Mpa)とすることが好適であり、例えば外水圧に4(MPa)を加えた値を最大圧力とする。
止水材の注入に用いる圧力は、周辺の構造物に影響を及ぼさず、注入の反力を受け止める岩盤やコンクリート壁が確保できる範囲で大きい方が良い。
従来より用いられる注入圧力は、1〜2MPaという比較的低い圧力である。この程度の圧力では、亀裂に入ってからは2次元〜3次元の方向に止水材が広がっていくこととその止水材濃度が大きなものであることとによって、亀裂の先端部では圧力が大幅に低下して、細部まで止水材を押し込むことができない。
したがって、止水材の到達範囲は狭く、充分な改良効果が得られないという欠点があった。
請求項に記載の発明のよう、この圧力をグラウトの進行につれて大きくすることにより、亀裂途中での圧力の低下を少なくすることができるので、亀裂の押し広げ効果も加味して粒子はより遠くへ送ることができるようになる。
よって、粒子の到達範囲はより広くなりより大きな改良効果が得られるようになる。具体的な圧力でいえば最大10(MPa:メガパスカル)程度である。
なお、注入に用いるポンプは、最大圧力を設定しておけば、その圧力に達するまでは自動的に送り出す定流量ポンプを使用することが望ましい。図3(a)と(b)は、そのような定流量ポンプを用いてグラウトをした場合の、累計注入量の時間変化例と流量および注入圧の時間変化例を示している。
止水材について説明する。
請求項によれば、止水材は、普通ポルトランドセメントよりも細粒の高炉スラグ、または、その高炉スラグに普通ポルトランドセメントよりも細粒のフライアッシュを添加したものであるので、水和反応および硬化速度が緩やかな材料を選定することができ、亀裂内に目詰まりした材料はゆっくりと硬化して、止水性能を適切に得ることができる。詳しくは以下に説明する。
注入に用いる材料は、圧力を上げなくても注入量が多い岩盤の場合には、1時間以内に水和反応による硬化が始まる普通ポルトランドセメントでも利用可能である。一般的には、それよりも細粒の材料が適している。
また、従来工法で用いる普通ポルトランドセメントでは、硬化が早く濃度の大きなセメントミルクになり、孔底に沈積したミルクの硬化が始まると同時に、亀裂の入り口付近の狭窄部に目詰まりしたミルクも硬化が始まってその先に送られないので、良好な改良は期待できない。
そこで、高炉スラグのように、水和反応および硬化速度がゆるやかな材料を使用すると注入継続中に硬化することが無く、亀裂内に目詰まりした材料は圧密、脱水されて数日〜数10日中には、化学的に固化することになり、安定したグラウト材料となる。なお、グラウト孔内の止水材を排水、水洗いして、既グラウト孔を排水孔等に転用することが好適である。
したがって、請求項のように細粒の材料の中でも硬化時間が遅い細粒の高炉スラグを用いることができる。硬化を早める場合は、高炉スラグに硬化促進剤(粉体と液剤がある)を添加し、一方、硬化を遅らせる場合は細粒フライアッシュを添加することが適している。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図4〜図7は本発明を実施する形態の一例であって、図中同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図4はトンネル工事において止水工事を本発明の低濃度グラウト工法の実施形態によって行うものの説明図であって(a)はトンネル横断面視図、(b)がトンネル縦断面視図である。また、図5〜図7は低濃度グラウト工法の説明であって、図5が止水材の注入が済んだ既グラウト孔列(既注入孔列)、図6は止水材を注入対象のグラウト対象孔列(注入対象孔列)、図7は止水材を注入する前の未グラウト列(未注入孔列)をそれぞれ示す。
図4に示すように、この実施形態のグラウト工法は、透水性岩盤10に円筒形状のトンネル12を掘削しそのトンネル12にその岩盤から湧水等の水が浸入することを防止するものである。そして、トンネル12周囲の岩盤10内にグラウト孔(注入孔)14を複数ボーリングして形成し、そのグラウト孔14を介してトンネル周囲の岩盤10内に材料/水が1/100〜1/500の割合の止水材を圧力を加えて注入して、当該岩盤内に止水領域16を形成する工法である。
トンネル12周囲の岩盤10にグラウト孔14をトンネル12周方向に複数本配列した状態に形成し、その複数本配列した状態に形成したグラウト孔14の組をトンネル12長さ方向に複数組(図4で実線のグラウト孔14Aと破線のグラウト孔14Bで示す)をボーリングによって穿孔して形成しており、隣接する各組のグラウト孔14の形成位置を、トンネル12長さ方向から見てトンネル周方向にずれた千鳥配置としたものである。実施形態のグラウト工法の各条件を以下に詳しく述べる
〔1〕トンネル12の1断面のグラウト孔14は周方向に12本配列した状態に掘削して形成している。
〔2〕トンネルは半径2.525(m)とする。各グラウト孔14の長さは8.575(m)とし、各グラウト孔14は周方向に30°間隔に配置されており、各グラウト孔14はその先端同士で5(m)の開きがある。
〔3〕トンネル12長さ方向に隣接する12本のグラウト孔14の組(列状をなしている)のうち、隣接する6孔または4孔に一括して止水材を同時注入する。
〔4〕各組の注入孔は、図4において、グラウト施工方向に順次掘削して形成する。止水材を注入するグラウト孔14の組(14A2)の先のグラウト孔14の組(14B1,14A1)は、グラウト施工前に掘削・形成を完了しておき、それらの組のグラウト孔(14B1,14A1)の注入施工前に透水試験または湧水量を測定しておく。
〔5〕後のグラウト孔14の組(14A2,14B2)は、止水材の注入の完了したものであって、これらについても前記グラウト孔14の組(14A1)と同様に注入施工前に、透水試験または湧水量を測定しておく。
〔6〕止水材を注入する孔以外の孔であって止水材未注入の孔には圧力制御手段を設けて、その孔の余剰水の圧力と排水量を制御する。
圧力制御手段として、実施形態では、レシーバを設けており、止水材未注入の複数の孔14に、そのレシーバを介して連結して圧力を均一化する。
〔7〕注入圧力は、実施形態では5(MPa)言い換えればほぼ外水圧+40kgf/cm2を最大とする。なお、必要に応じて10(MPa)を最大とすることができる。
〔8〕注入する止水材は、原則として濃度は変更しない。しかし、止水材の濃度(材料/水の割合)は、当初で1/100とし状況を見て1/200等に変更する。
次に、上記した実施の形態の作動を説明する。
ここで、止水材の注入圧力が高いほうが良いということは、図9の(a)や(b)に示したような、トンネルの前方を掘削前に処理するプレグラウトに適しているということである。大きな圧力をかけてもトンネルに支障が無い。
図9の(c)に示すように、トンネル掘削後の周囲岩盤の透水性を改良するグラウトにも適用可能であることを説明する。
このトンネルは、これからボーリングマシンによって拡径する既設トンネルであるが、拡径に際して、地下水位が下がらないように、予め周辺地盤の水密性を高めるために行う止水材注入(グラウト)であり、トンネル内にボーリングマシンや注入ポンプ(グラウトポンプ)を配置してトンネル内部から実施する。
1断面12本の注入孔を3(m)ピッチで配置し、グラウトは図4(b)の右から左に向かって実施する。
図7に示すように、注入対象のグラウト孔列(14A2)の1つ前の未グラウト孔12本(14B1)と、図5に示す1つ後の既グラウト孔12本(14B2)を排水並びに止水材の誘導孔にする。
後者の既グラウト孔列(14B2)は、一度グラウトされているので、圧力は伝達され難く、排水量も少なくなっている。図5に示すように、コック付きパッカー20を配置して、効果の確認観察を行う。なお、既グラウト孔は、孔を塞ぐ充填作業は行わず、コック付きパッカー20は開状態にしておく。湧水のない孔はこのパッカーを設けなくてもよい。
また、前者の未グラウト孔列(14B1)は、グラウトされていないのでそのままでは排水量は多く、圧力が高くなる可能性がある。したがって、図7に示すように、12本の未グラウト孔全部をレシーバタンク22に直結し、圧力をバランスさせると同時にタンクのコックで排水量を調整することによって、12本の未グラウト孔全部に係る圧力が大きくなりすぎないように、また、小さくなりすぎないように圧力も調整する。この場合、レシーバタンク22の圧力はコックに設けられた圧力計を見ながら上がり過ぎないように、コック開度を調整する。
出て来る湧水の水の濁りの変化と量を観察する。事前に透水量、湧水量、湧水圧等、必要な試験を実施する。
図6に示す、グラウトを行うグラウト孔列(12A1)については、12本ずつのグラウト列内で同時に注入できるのは、6〜4本である(ポンプの能力の関係)、残りの孔は同じようにレシーバタンク22に集めて圧力、排水量の管理を行うものとする。符号24はグラウトポンプであって、注入圧力に3〜10(MPa)を発生する能力のあるものである。
具体的には、注入しようとするグラウト孔列は6孔ずつ2度に分けて注入する。6孔同時注入(または4孔同時注入)する。口元にパッカーをセットできないときは間隔をおいてパッカーを縦列したダブルパッカー26を使用してグラウト孔の口元から1〜2m奥にセットする。
なお、流入孔の圧力はなるべく高くしたほうが良いので、地質状況より、口元からのダブルパッカー26の位置を調節するものとする。レシーバタンク22のコックは圧力計を見ながら、上がり過ぎないように開度調整をする。
また、既グラウト孔はなるべく最後まで、孔埋めせずに残しておいて、湧水量の観測に利用して、効果を絶えず確認しながらグラウトを進行させることにより、効率的に安価にグラウトを行うことができる。
なお、孔埋めは最後に無収縮モルタルで充填するものとする。その必要が無い場合は孔埋めは省略することも可能である。
尚、本発明の低濃度グラウト工法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のグラウト工法の一例を説明する縦断面図を示す。 (i)〜(iii)は従来のグラウト工法を順に説明する拡縦断面図を示す。 (a)と(b)は、定流量ポンプを用いてグラウトをした場合の、累計注入量の時間変化例と流量および注入圧の時間変化例の各グラフを示す。 (a)と(b)はトンネルに対する低濃度グラウト工法の説明図であって、横断面視図と縦断視図を示す。 止水材の注入が済んだ既グラウト孔列(既注入孔列)の説明図を示す。 止水材のグラウト対象孔列(注入対象孔列)の説明図を示す。 止水材を注入していない未グラウト孔列(未注入孔列)の説明図を示す。 (a)と(b)岩盤の上にダムを築いた時の、ダム下部の透水性の岩盤から水が漏れるのを防止するためにグラウトカーテンを設ける例のダムの正面断面と側面断面視の説明図を示す。 グラウト工法の例を示し、(a)と(b)はトンネルと立坑の工事においてライニング施工前に止水のためにグラウトを注入施工するプレグラウト工法のそれぞれの説明図を示し、(c)はトンネル工事においてライニング施工後に止水のためにグラウトを注入施工するポストグラウト工法の説明図を示す。
符号の説明
10 透水性岩盤
12 トンネル
14 グラウト孔
14A,14B グラウト孔列(グラウト孔の組)
20 コック付きパッカー
22 レシーバタンク
24 グラウトポンプ
26 ダブルパッカー
A グラウト孔(注入孔)
B 既グラウト孔(既注入孔)
C 未グラウト孔(未注入孔)

Claims (8)

  1. ダム、トンネルまたは立坑等の構造物を透水性岩盤に設ける際に、その岩盤に止水材を注入してその岩盤から湧水等の水が浸入するのを止めるグラウト工法において、
    止水材には、普通ポルトランドセメントよりも細粒の高炉スラグ、またはその高炉スラグに普通ポルトランドセメントよりも細粒のフライアッシュを添加した水和反応および硬化速度がゆるやかな材料を水に混合して用い
    構造物周囲の岩盤内に材料/水が1/100〜1/500の割合の懸濁物からなる止水材を注入して、当該岩盤内に止水領域を形成することを特徴とする低濃度グラウト工法。
  2. 構造物周囲の岩盤に止水材を注入するための第1および第2の孔を含む複数の孔を形成し、その後、第1の孔に止水材を注入しかつ他の孔から余剰水を排水する工程と、
    第2の孔に止水材を注入しかつ止水材注入後の第1の孔および止水材未注入の孔から余剰水を排水する工程とを複数孔に対して順次行うことを特徴とする請求項1に記載の低濃度グラウト工法。
  3. トンネル周囲の岩盤に止水材を注入するための孔をトンネル周方向に複数配列した状態に形成し、その複数配列した状態に形成した孔の組をトンネル長さ方向に複数組形成しており、
    隣接する各組の孔の形成位置を、トンネル長さ方向から見てトンネル周方向にずれた千鳥配置としたことを特徴とする請求項1または2に記載の低濃度グラウト工法。
  4. 隣接する複数の孔に一括して止水材を注入することを特徴とする請求項2または3に記載の低濃度グラウト工法。
  5. 止水材を注入する孔以外の孔であって止水材未注入の孔には圧力制御手段を設けて、その孔の余剰水の排水量を制御することを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法。
  6. 止水材未注入の複数の孔は、レシーバを介して連結して圧力を均一化することを特徴とする請求項5に記載の低濃度グラウト工法。
  7. 止水材を注入する圧力は、3(MPa)〜10(MPa)とすることを特徴とする請求項1から6のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法。
  8. 止水材を孔に注入するに際して、注入の進行に応じて止水材の注入圧力を大きくすることを特徴とする請求項1から7のうちの1項に記載の低濃度グラウト工法。
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