JP3970424B2 - 電気集塵フィルタとその電気集塵フィルタを備えた電気集塵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機,熱交換機,脱臭器等、電気集塵機能や脱臭機能を備えた電気集塵フィルタならびにその電気集塵フィルタを備えた電気集塵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に室内等の空気を清浄化して環境を高めるため、空気清浄機が多く使用されてきている。特に電気集塵フィルタを組み込んだ空気清浄機は一般家庭にも使用され始めている。
【0003】
従来、この種の電気集塵フィルタと、それを組み込んだ電気集塵装置につき、図11,図12により説明をする。電気集塵装置の本体113は大気中に含まれる大きなホコリを集塵するプレフィルタ101、大気中のホコリを帯電させる荷電部102、帯電した大気中のホコリを吸着する電気集塵部103、大気中の臭いを取る脱臭フィルタ104および大気を吸引し、清浄化された空気を吐出するファン105の順に内蔵している。そして、荷電部102は、放電線106とこれに相対向した電極板107からなり、これらの間に高電圧を加えることにより、コロナ放電が生じ、コロナ放電領域を通る小さなホコリに電荷を与えるものである。また、電気集塵部103は、正電極板108と負電極板109(アース板)とで構成され、正電極板108と負電極板109間に高電圧を印加することにより、この間に電界を生じ、この電界領域を通る小さなホコリは、荷電部102で帯電された極性と逆の極性を持つ電極板に付着し、集塵されるものである。
【0004】
上記構成において、ファン105により吸引された空気は、プレフィルタ101に導かれて大きなホコリが除去され、ここを通過した空気中の小さなホコリは荷電部102でプラスやマイナスに荷電される。そして、帯電した小さなホコリは、電気集塵部103に入り、帯電した電荷と逆の電極板に吸着し捕集される。
【0005】
その後は、脱臭フィルタ104で大気の臭いが脱臭され、清浄な空気がファン105より室内へ吐出される。
【0006】
このような装置にあって、電気集塵部103は集塵能力の向上と、本体113の小型化の両課題の解決が要求されている。しかし、集塵能力を高めるために正・負電極板の容量を増大させると、電気集塵部103の本体113内での占有容積が増大して本体の大型化につながり、反対に本体113の小型化のために正・負電極板の密度を小さくすると集塵能力が低下する関係にあり、従ってこれまでにも両課題の解決に向かって種々改良が加えられてきている。
【0007】
図11は、その電気集塵部の一例で正電極板が導電体を絶縁体で被覆したものや、導電体を絶縁体のフィルムで挟み込んだものが知られている。すなわち、正電極板108は導電素材を、これより幅広の絶縁体で覆うようにラミネートされている。負電極板109は幅方向全体にV形や波形状の加工を施してスペーサ114を設け、積層した正電極板108と負電極板109の間隔を保持している。また、正電極板108と負電極板109は、高電圧を印加する際の電極端子を2箇所に減らすため、両電極板をロール状に巻き、直方体の外枠112の中に納めている。
【0008】
このような電気集塵フィルタの特徴としては、導電素材を絶縁体で挟み被覆することにより、両電極板間の放電の防止や両電極板間隔の短縮によるコンパクト化と軽量化を図ることができる。また、正電極板108や負電極板109に堆積したホコリを強アルカリ洗剤を用い洗浄し、何度でも利用することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の電気集塵フィルタでは、本体113への取り付け上から直方体の外枠112の中に納め、正電極板108と負電極板109をロール状に巻いているため、開口部が荷電部102の形状とは異なり、かえって集塵に必要な容積より大きくなるという課題があり、外枠112に空隙(デッドスペースD)のできない正電極板と負電極板の組み合わせ構造が要求されている。
【0010】
また、一般に正電極板の導電素材と負電極板の重なる面積が大きいと集塵性能を増加させられることが知られている。しかし、両電極板間に高電圧を印加するために沿面からの放電や空気放電をするため、正電極板と負電極板との大きさを変える課題があり、正電極板中の導電素材の面と負電極板の面が効率よく重なり、さらに容積を小さくすることが要求されている。
【0011】
また、負電極板はスペーサを設けるため、幅方向の全体にV形状や波形状の加工を施しているので、スペーサの部分と他の部分とで両電極板間の電界が不均一になり、集塵性能を低下させる。そして、このスペーサのため両電極板間の流路抵抗が増えて空気の流れが悪くなる課題があり、電界を均一に保つ構造と目詰まりを防止することが要求されている。
【0012】
また、正電極板と負電極板をロール状に巻いているので、両電極板が屈曲して両電極板の間隔が不均一になる課題があり、構造の変化にも対応して電極板の間隔を均一に保つ構造が要求されている。
【0013】
また、両電極板を洗浄した際に水切りが悪くて両電極板に残った水滴により重くなり、両電極板間に引っ張り力や圧縮力がかかるので、洗浄後も電極板間隔を均一に保てる構造が要求されている。
【0014】
また、ホコリとタバコの煙に含まれるタールやニコチンが正電極板の表面に付着すると、洗浄しても簡単に落ちず正電極板の表面に残り、その表面の抵抗率の低下で集塵性能が低下する。そして、洗浄剤としてアルカリ水を使用するため作業者は手を傷めないように注意しなければならなく、正電極板表面に付着したホコリや有機物が簡単に洗浄できることが要求されている。
【0015】
また、正電極板の表面に絶縁体を使用しているため、空気が乾燥していると正電極板表面に帯電が起こり、正電極板の端子とアース間に直接触れると人体に放電するので、正電極板表面に帯電が起こらないようにする構造が要求されている。
【0016】
また、電気集塵装置を長時間運転すると、正電極板や負電極板に堆積したホコリと一緒に捕集された細菌やカビが、前記ホコリを栄養源にして増殖するので、電気集塵フィルタ内での細菌・カビの発生を抑えることが要求されている。
【0017】
また、電気集塵フィルタを長時間使用すると、ホコリにタバコの煙の臭いが付いている場合には前記ホコリから臭いが発生し、脱臭フィルタで脱臭しても空気清浄機本体の吸引口より臭いが漏れるので、ホコリを捕集した際に前記ホコリから臭いも除去することが要求されている。
【0018】
本発明は、このような従来の課題を解決する電気集塵フィルタとこの電気集塵フィルタを備えた電気集塵装置に係るものであり、集塵効率の向上と小型にすることを目的とする。
【0019】
また本発明は、帯電したホコリを付着させる第1電極板と第2電極板の間の流路間隔を均一に保って目詰まりと、第1電極板と第2電極板間の電界を均一にして集塵効率の低下をそれぞれ防止することを目的とする。
【0020】
さらに本発明は、第1電極板と第2電極板を簡単に洗浄することができるとともに、第1電極板表面の帯電を防止することを目的とする。
【0021】
さらに本発明は、第1電極板と第2電極板にホコリとともに付着した細菌・カビの繁殖とホコリからの臭いの発生をそれぞれ抑えることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気集塵フィルタは上記目的を達成するために、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板の一方に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設け、この切り込みに他方の電極板を嵌合させて相対向せしめ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0025】
また本発明の他の手段として、帯状の電気導電フィルムとこれを被覆した電気絶縁フィルムで構成した第1電極板と、帯状の導電フィルムに一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設けた第2電極板を備え、前記第2電極板の切り込みに、第1電極板を嵌合させて互いに支持し合い、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、帯電した空気中のホコリを捕集する前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0026】
これらの発明によれば、電極板の切り込みの部分で両電極板の相対的な支持のし合いにより流路を保つとともに、両電極板全体の幅の短縮化で小型にできる。
【0027】
また本発明の他の手段として、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みをそれぞれ設け、この切り込み同士を互いに電極板が相対向するように嵌合させ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0028】
この発明によれば、両電極板の切り込み部分で互いに嵌合し、相対的に支持し合うことにより流路を保つとともに、両電極板全体の幅方向の長さを、より短縮して小型にできる。
【0029】
また本発明の他の手段として、第1電極板に切り込みを設け、第1電極板の電気絶縁フィルムの切り込みに相対応した電気導電フィルムの部分に、前記切り込みより深い凹部を形成したものである。
【0030】
この発明によれば、電気導電フィルムの凹部の縁は電気絶縁フィルムの切り込みの縁で覆われ、簡単に絶縁でき電極板の加工を容易にできる。
【0031】
また本発明の他の手段として、第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部に、流路を保つスペーサを設けたものである。
【0032】
この発明によれば、スペーサによって流路を均一に保て集塵性能を安定化させ、かつ流路の目詰まりを防ぐことができる。
【0033】
また本発明の他の手段として、第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部の同一箇所の両面に、流路を保つスペーサを設けたものである。
【0034】
この発明によれば、一方の電極板の両面のスペーサにより流路を、より均一に保って集塵性能を安定化でき、かつ流路の目詰まりを防ぐことができる。
【0035】
また本発明の他の手段として、スペーサを第1電極板内の電気導電フィルムの入っていない長尺方向の両端部分に相対向する第2電極板の両端部分に形成したものである。
【0036】
この発明によれば、第1電極板と第2電極板間の電界の不均一を解消し、集塵性能を安定化できる。
【0037】
また本発明の他の手段として、スペーサに補強部を設けたものである。
この発明によれば、スペーサの強度を増大せしめて第1電極板と第2電極板の洗浄を容易にすることができる。
【0038】
また本発明の他の手段として、第1電極板と第2電極板の間には立体規則性度が98〜99%で、剛性力が2400kg/cm3 以上、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上の高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムを設けたものである。
【0039】
また本発明の他の手段として、高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムは、第1電極板か第2電極板のいずれか一方または両方に粘着によるか、高結晶ホモポリプロピレンによる浸漬処理または塗布処理により形成したものである。
【0040】
これらの発明によれば、高結晶ホモポリプロピレンにより第1電極板または第2電極板の剛性が増すので、両電極板自体の厚さを薄くして全体として電極板の積層密度を高められ集塵効率を向上できる。また、第1電極板または第2電極板にホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなり、簡単に洗浄できる。
【0041】
また本発明の他の手段として、第1電極板か第2電極板の少なくとも何れかには表面接触角を増加させるポリプロピレンまたはフッ素系樹脂によるフィルムを形成したものである。
【0042】
この発明によれば、第1電極板または第2電極板にホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなり、簡単に洗浄できる。
【0043】
また本発明の他の手段として、第1電極板の端子を接続する反対側の第1電極板の端部に、第1電極板内の電気導電フィルムと半導体フィルムを接合し、前記半導体フィルムを第2電極板の端子を接続する反対側の第2電極板の端部と接合したものである。
【0044】
この発明によれば、第1電極板に帯電した電荷を低減させ、電気集塵フィルタの交換作業時の静電気の発生を防止することができる。
【0045】
また本発明の他の手段として、抗菌剤と防カビ剤を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものである。
【0046】
この発明によれば、第1電極板や第2電極板に細菌・カビの繁殖するのを防止して、その寿命を長くすることができる。
【0047】
また本発明の他の手段として、光触媒層を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものである。
【0048】
この発明によれば、第1電極板や第2電極板の臭いによる劣化を防止して、その寿命を長くすることができる。
【0049】
さらに本発明は、上記各発明のいずれかの電気集塵フィルタを備えた電気集塵装置である。
【0050】
この発明によれば、電気集塵フィルタの能力の向上および小型化によって、電気集塵装置は本来の機能以外の機能の付加も可能となり、機器本体の小型化とその利用範囲を広くできる。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の電気集塵フィルタは、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板の一方に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設け、この切り込みに他方の電極板を嵌合させて相対向せしめ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0054】
上記構成において、取り付ける外枠内面に沿い第1電極板および第2電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層する。従って、外枠との間に生じるデッドスペースを最小限に抑えられ、その分だけ外枠に占める電極板の密度を高めることができる。また、逆に従来と同じ電極板の密度にすれば、電気集塵フィルタの全体を小型にできる。さらに、一方の電極板の切り込みに、他方の電極板が嵌合して両電極板の相対的な支持のし合いにより流路を保つとともに、切り込み部分の幅だけ両電極板全体の幅方向の長さを短縮できる。
【0055】
また本発明の請求項2に記載の電気集塵フィルタは、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みをそれぞれ設け、この切り込み同士を互いに電極板が相対向するように嵌合させ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0056】
上記構成において、取り付ける外枠内面に沿い第1電極板および第2電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層する。従って、外枠との間に生じるデッドスペースを最小限に抑えられ、その分だけ外枠に占める電極板の密度を高めることができる。また、逆に従来と同じ電極板の密度にすれば、電気集塵フィルタの全体を小型にできる。さらに、両方の電極板の切り込みにより、両電極板の互いの支持のし合いで流路を保つとともに、両方の電極板の切り込みにより両電極板が幅方向で完全に重ねることが可能となり、両電極板全体の幅方向の長さを、より短縮できる。
【0057】
また本発明の請求項3に記載の電気集塵フィルタは、帯状の電気導電フィルムと、これを被覆した電気絶縁フィルムで構成した第1電極板と、帯状の導電フィルムに一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設けた第2電極板を備え、前記第2電極板の切り込みに、第1電極板を嵌合させて互いに支持し合い、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、帯電した空気中のホコリを捕集する前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0058】
上記構成において、請求項1に記載の電気集塵フィルタと同様な作用を有する。
【0059】
また本発明の請求項4に記載の電気集塵フィルタは、請求項3に記載の電気集塵フィルタにおいて、第1電極板に切り込みを設け、第1電極板の切り込みに相対応した電気導電フィルムの部分に、前記切り込みより深い凹部を形成したものである。
【0060】
上記構成において、請求項1に記載の電気集塵フィルタと同様な作用を有するとともに、電気導電フィルムの凹部は電気絶縁フィルムの切り込みより深いので、電気絶縁フィルムの切り込みの縁で電気導電フィルムの凹部の縁を確実に覆うことができ、電極板の加工が容易にできる。
【0061】
また本発明の請求項5に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし4のいずれか1項において、第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部に、流路を保つスペーサを設けたものである。
【0062】
この発明によれば、スペーサによって流路を均一に保てるとともに、流路の目詰まりを防止できる。
【0063】
また本発明の請求項6に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし5のいずれか1項において、第1電極板または第2電極板のいずれか一方の長尺方向における両端部の同一箇所の両面に、流路を保つスペーサを設けたものである。
【0064】
上記構成において、電極板の両面にスペーサを設けたので、流路をより一層、均一に保てるとともに、流路の目詰まりを防止できる。
【0065】
また本発明の請求項7に記載の電気集塵フィルタは、請求項5または6において、スペーサを第1電極板内の電気導電フィルムの存在しない長尺方向の両端部分に相対向する第2電極板の両端部分に設けたものである。
【0066】
上記構成において、スペーサは第1電極板の電気導電フィルムの存在しない長尺方向の両端部分に相対して流路を保つことができるので、第1電極板の面積を有効に使用でき、かつ従来の技術でいう第1電極板と第2電極板間の電界の不均一を解消できる。
【0067】
また本発明の請求項8に記載の電気集塵フィルタは、請求項5ないし7のいずれか1項において、スペーサに補強部を設けたものである。
【0068】
上記構成において、スペーサの強度が増して第1電極板と第2電極板の間隔を保つ力が増して洗浄後の各電極板の間隔を均一に保つことができ、かつ洗浄回数を増加させることも可能になり、そして洗浄後も形状の変形しないものにできる。
【0069】
また本発明の請求項9に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし8のいずれか1項において、第1電極板と第2電極板の間には立体規則性度が98〜99%で、剛性力が2400kg/cm3 以上、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上の高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムを設けたものである。
【0070】
また本発明の請求項10に記載の電気集塵フィルタは、請求項9において、高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムは、第1電極板か第2電極板のいずれか一方または両方に粘着によるか、高結晶ホモポリプロピレンによる浸漬処理または塗布処理により形成したものである。
【0071】
上記各構成において、高結晶ホモポリプロピレンにより第1電極板または第2電極板の剛性が増すので、前記両電極板の取扱時における損傷がなくなり、フィルタ自体の厚さを薄くして全体として電極板の積層密度を高められる。また、第1電極板または第2電極板の表面接触角が増すため、ホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなり、水道水レベルのPH6〜8程度の洗浄水を使用できる。
【0072】
また本発明の請求項11に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし8のいずれか1項において、第1電極板か第2電極板の少なくとも何れかには表面接触角を増加させるポリプロピレンまたはフッ素系樹脂によるフィルムを形成したものである。
【0073】
上記構成において、請求項9に記載の発明と同様の作用を有するとともに、さらに第1電極板または第2電極板にホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなり、簡単に洗浄できる。
【0074】
また本発明の請求項12に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし11のいずれか1項において、第1電極板の端子を接続する反対側の第1電極板の端部に、第1電極板内の電気導電フィルムと半導体フィルムを接合し、前記半導体フィルムを第2電極板の端子を接続する反対側の第2電極板の端部と接合したものである。
【0075】
上記構成において、第1電極板に帯電した電荷を低減させ、電気集塵フィルタの交換作業時の静電気の発生を防止することができる。また、第1電極板と第2電極板とは一体成形で加工することができる。
【0076】
また本発明の請求項13に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし12のいずれか1項において、抗菌剤と防カビ剤を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものである。
【0077】
上記構成において、第1電極板や第2電極板に細菌・カビの繁殖するのを防止するとともに、細菌やカビによる分泌液で両電極板の劣化を防止して、その寿命を長くすることができる。
【0078】
また本発明の請求項14に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし13のいずれか1項において、光触媒層を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものである。
【0079】
上記構成において、第1電極板や第2電極板に堆積するホコリの臭いを分解し、臭いによる各電極板の劣化を防止して、その寿命をさらに長くすることができる。また、各電極板表面のタバコに含まれるアンモニア・タールを分解し、電極板の寿命を延ばすことができる。
【0080】
また本発明の請求項15に記載の電気集塵装置は、請求項1ないし14のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタを備えたものである。
【0081】
上記構成において、電気集塵装置は電気集塵フィルタの能力の向上および小型化によって、本来の機能以外の機能の付加も可能となり、機器本体の小型化とその利用範囲を広くすることができる。
【0082】
以下、本発明の実施例について図1〜10を参照しながら説明する。
【0083】
【実施例】
(実施例1)
図1および図2に示すように、電気集塵フィルタ1は、正電極板としての第1電極板4と、負電極板としての第2電極板5を備え、この両電極板を相対向させて一定間隔で蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記第1電極板4と第2電極板5の間に、ホコリを含んだ空気の流入する流路13を形成している。
【0084】
そして、第1電極板4は、帯状(テープ状)の電気絶縁フィルム2と、この電気絶縁フィルム2により全体が被覆され、電気絶縁フィルム2より幅が狭く、かつ長さの短い帯状の電気導電フィルム3で構成されている。電気絶縁フィルム2と電気導電フィルム3は2μm程度の接着層により密着させ、隙間なく電気絶縁フィルム2で被覆し、一部分には、電圧を印加する端子を接触させるために電気絶縁フィルム2と前記接着層を取り除いた部分14を形成している。
【0085】
また第2電極板5は、第1電極板4と同一幅と長さの導電素材を使用し、長尺方向に一定間隔(蛇行させる間隔)で端面より幅方向へ切り込み15を設けている。111は電気集塵フィルタ1を内部に取り付けた外枠で、電気集塵フィルタ1を電気集塵装置等の器具に設置する時に使用され、形状は直方体が一般的である。この外枠111には第1電極板4に接続した第1電極板の端子6と、第2電極板5に接続した第2電極板の端子7が設けられている。
【0086】
そして、上記第1電極板4と第2電極板5は、第2電極板5の切り込み15に、第1電極板4を嵌合させて両電極板を流路13となる間隔2mmを保って相対向させ、かつ切り込み15の部分で左右に蛇行させ、この蛇行間で第1電極板4と第2電極板5を上下方向において交互に配列して積層している。
【0087】
なお、電気絶縁フィルム2の素材としては、ポリプロピレン・ポリエチレンテレフタレート等の絶縁耐力が高く、空気放電を避けるため、表面抵抗10E9Ω/cm2 以上や体積抵抗が10E9Ω・cm3 以上で吸水率の低く薄い50μmの絶縁体を用いている。また、電気導電フィルム3の素材としては、アルミニウム等の導電性の高い金属シートで、薄い10μmを用いている。
【0088】
上記構成の電気集塵フィルタ1の動作とその作用効果につき、図3に示す電気集塵装置に電気集塵フィルタ1を採用した例で説明する。電気集塵装置の本体16は大気中に含まれるホコリを集塵するプレフィルタ17、大気中のホコリを帯電させる荷電部18、帯電した大気中のホコリを吸着する本発明の電気集塵フィルタ1を採用した電気集塵部19、および大気を吸引し、清浄化された空気を吐出するファン20の順に内蔵している。そして、荷電部18は、放電線18aとこれに相対向した電極板18bからなり、これらの間に高電圧を加えることにより、コロナ放電が生じ、コロナ放電領域を通る小さなホコリに電荷を与えるものである。また、電気集塵部19である電気集塵フィルタ1は、第1電極板4に第1電極板の端子6より直流の電圧(2KV)が印加され、第2電極板5は第2電極板の端子7がアースに接続されるように構成され、第1電極板4と第2電極板5の間に電界を与えることにより、この間に電界を生じ、この電界領域を通る小さなホコリを、荷電部18で帯電された極性と逆の極性を持つ電極板に付着し、集塵するものである。21は空気の吸引口、22は清浄化された空気の吐出口である。
【0089】
上記構成において、ファン20により吸引された空気は、プレフィルタ17に導かれて大きなホコリが除去され、ここを通過した空気中の小さなホコリは荷電部18でプラスやマイナスに荷電される。そして、帯電した小さなホコリは、電気集塵フィルタ1に入り、帯電した電荷と逆の電極板に吸着し捕集される。その後は、清浄化された空気がファン20により吐出口22から室内へ吐出される。
【0090】
そして、このような電気集塵フィルタ1は、第1電極板4と第2電極板5を、空気の流れる流路13を保って相対向して左右に蛇行させ、さらに前記蛇行間において第1電極板4と第2電極板5が上下方向へ交互に配列して積層しているので、外枠111の内周面に沿って各電極板4,5を積層でき、図12で説明したような外枠112のコーナ部分であるデッドスペースDを最小限に抑えることができる。従って、形状にとらわれず外枠111の容積に対し、第1電極板4と第2電極板5の占める割合(密度)を高めることができて、集塵効率を高められる。また、従来のロール状の形に巻いた電気集塵フィルタと同じ電極板の密度にすれば、フイルタ全体の大きさを遥かに小さくできるので、これを採用した器具も、従来と同じ集塵能力を保って小型化できる。
【0091】
また上記構成において、第2電極板5の長尺方向に一定間隔(蛇行させる間隔)で端面より幅方向へ切り込み15を設け、この切り込み15に第1電極板4を嵌合させて流路13を保ちつつ相対向せしめ、前記切り込み15の部分で前記両電極板4,5を蛇行させ、かつ蛇行間で上下方向へ交互に配列して積層しているので、外枠111の内周面に沿って各電極板4,5を積層でき、図12で説明したような外枠112のコーナ部分であるデッドスペースDを最小限に抑えることができる。従って、形状にとらわれず外枠111の容積に対し、第1電極板4と第2電極板5の占める割合(密度)を高めることができて、集塵効率を高められる。また、従来のロール状の形に巻いた電気集塵フィルタと同じ電極板の密度にすれば、フイルタ全体の大きさを遥かに小さくできるので、これを採用した器具も、従来と同集塵能力を保って小型化できる。
【0092】
さらに、第2電極板5の切り込み15に、第1電極板4を嵌合させて両電極板の相対的な支持のし合いにより流路13を保つとともに、切り込み15の長さだけ第1電極板4が第2電極板5と重なるので、前記長さだけ幅を短縮でき、外枠111、フィルタ全体の小型化になる。
【0093】
ここで、本発明の蛇行状型の電気集塵フィルタ1と、図12に示す従来のロール状に巻いた円渦巻き状型の電気集塵フィルタおよび短冊状の平板である第1電極板と第2電極板を平行に積層した平行平板型を、図12において示す開口面積S1,全面面積S2,デッドスペースD,電極板の端子数の4項目で比較した結果を示すと次の(表1)の通りである。
【0094】
【表1】
【0095】
この(表1)は本発明の蛇行状型,従来の円渦巻き状型,平行平板型の単位体積当たりの電極板の外枠に占める割合(密度)につき、電極板の幅(L),第1電極板と第2電極板との間隔(d),集塵面積(S)が同等の条件のもとに比較したもので、本発明の電気集塵フィルタ1は、全面面積S2が円渦巻き状型より小さいが、開口面積S1,デッドスペースD,電極板の端子数も少なく、商品設計上から、他のものより有利である。
【0096】
なお、上記実施例1では、第2電極板5に切り込み15を設けたが、これに限られるものでなく、例えば図4のように第2電極板5に、一定間隔で幅方向に細長孔15aを設けて、この細長孔15aに第1電極板4を差し込んで細長孔15aの部分で左右に蛇行させ、かつ両電極板を蛇行間で交互に配列して積層してもよい。
【0097】
なお、上記実施例1では第2電極板5に導電素材を用いたが、第2電極板5に第1電極板4と同様な電気導電フィルム3を電気絶縁フィルム2で覆った帯状のフィルムを用いてもよい。そして、この第2電極板5の導電素材としてアルミニウム等の導電性の高い金属シートを用いたが、絶縁体に導電体を蒸着や塗布で付着したものを用いてもよい。また、電気絶縁フィルム2と電気導電フィルム3を接着剤を用いて接合したが、電気絶縁フィルム2を溶かして電気導電フィルム3を覆う方法でもよい。さらに、第1電極板4と第2電極板5を蛇行させるのに、湾曲加工としたが、折曲加工でもよい。
【0098】
(実施例2)
実施例2は、第1電極板4にも第2電極板5と同様に切り込み23を設けて第1電極板8とした点が上記実施例1と異なる構成で、これ以外の構成および作用効果は実施例1と同一なので係る部分の詳細な説明は省略する。
【0099】
図5(a)は第2電極板5の平面図で、図5(b)は第1電極板8の平面図を示している。第1電極板8は、第1電極板4と同じように電気絶縁フィルム2で電気導電フィルム3を覆ったものである。そして、電気絶縁フィルム2は長尺方向に一定間隔(蛇行させる間隔)で端面より幅方向へ切り込み23を設けている。また電気導電フィルム3は、前記切り込み23の位置に対応して端面より幅方向へ、切り込み23より深い凹部24を設けている。従って、凹部24は、電気導電フィルム3が電気絶縁フィルム2で覆われると、同じように切り込み23の縁で覆われて、簡単に第1電極板8を加工できる。そして、この第1電極板8と第2電極板5は、図5(d)に示すように、切り込み15と23を互いに第1電極板8と第2電極板5が流路13を保って、電極板全体が完全に重なるように相対向させて嵌合させ、かつ切り込み15,23の部分で前記両電極板を左右に蛇行させ、この蛇行間で交互に配列して積層するものである。このように蛇行して積層した第1電極板8と第2電極板5は外枠25内に設けて電気集塵フィルタ1を構成する。
【0100】
上記構成において、第1電極板8と第2電極板5の両方に、切り込み15と23を設けて互いに嵌合させているので、電気集塵フィルタ1は第1電極板8の幅と第2電極板5の幅が同等で、両電極板が幅方向で完全に重ねることが可能となり、第1電極板8と第2電極板5の全体幅を短縮して、小型にできる。従って、電気集塵フィルタ1を外枠25から、はみ出さずに設置できるため、取り付け作業も簡単にできる。
【0101】
なお、第1電極板8は、電気導電フィルム3に凹部24を設けたが、電界を与えた時に電気導電フィルム3に第2電極板5が短絡しない方法であれば、どんな構造でもよい。
【0102】
(実施例3)
実施例3は、第2電極板5の長尺方向における両端部に、第1電極板4との間隔を保って流路13を形成するスペーサ9を設けた点が上記実施例1と異なる構成で、これ以外の構成および作用効果は実施例1と同一なので係る部分の詳細な説明は省略する。
【0103】
図6は第2電極板5の要部斜視図で、第2電極板5は、第1電極板4の電気導電フィルム3の入っていない長尺方向の両端部分に相対向してなる両端部分を交互に上下方向へ切り起こして、山形状で中空の複数のスペーサ9を設けている。そして、このスペーサ9は第1電極板4の電気導電フィルム3の入っていない長尺方向の両端部分に当接して流路13となる間隔を、電極板全体に亘って均一に形成しているものである。
【0104】
上記構成において、第2電極板5の両端部分に上下方向へ設けたスペーサ9は、第1電極板4の両端部分に接して、積層した第1電極板4と第2電極板5の間隔を均一に保つので、第1電極板4と第2電極板5の間に生じる電界が均一に形成され、集塵性能を向上させる。また、第2電極板5のスペーサ9が第1電極板4の電界を生じない電気絶縁フィルム2上に接するため、第1電極板4の面積を効率よく使用することができるのはもちろん、従来技術でいう電界の不均一も生じないものである。
【0105】
一般に、フィルタの電極板の間隔が狭くなるとホコリ等が詰まり、流路の妨げになり好ましくなく、また第2電極板をジグザグやコルゲート状に加工すると第1電極板と第2電極板との電界に均一性がなくなり、集塵性能を低下させるといわれているが、本発明ではこのような課題は解決されて、流路13の目詰まりを防止して流路を確保できるとともに、第1電極板4と第2電極板5との間隔を均一に保つことができる。
【0106】
なお、実施例3ではスペーサ9を第2電極板5に設けたが、第1電極板4の方に設けてもよい。
【0107】
(実施例4)
実施例4は、第2電極板5の長尺方向における両端部の同一箇所の外側と内側に、第1電極板4との間隔を保って流路13を形成するスペーサ10を設けた点が上記実施例1と異なる構成で、これ以外の構成および作用効果は実施例1と同一なので係る部分の詳細な説明は省略する。
【0108】
図7は、第2電極板5の要部斜視図で、第2電極板5は、第1電極板4の電気導電フィルム3の入っていない長尺方向の両端部分に相対向する両端部分における同一箇所の外側部分,内側部分を、上下方向へ切り起こして山形状で中空の複数のスペーサ10を設けている。そして、このスペーサ10は第1電極板4の電気導電フィルム3の入っていない長尺方向の両端部分に当接して流路13となる間隔を、電極板全体に亘って均一に形成しているものである。
【0109】
上記構成において、湾曲状に第1電極板4と第2電極板5を蛇行させた時、第1電極板4と、第2電極板5の蛇行部分において曲部表面に引張力と曲部裏面に圧縮力が加わるが、上下・両端ともに同間隔でスペーサ10を設けているため、第1電極板4と第2電極板5の間隔を均一に保つことができて高効率な集塵性能を維持することができ、また電界を生じない電気絶縁フィルム2の両端部分に接するため第1電極板4の面積を効率よく使用することができるのはもちろん、従来技術でいう電界の不均一も生じないものである。
【0110】
また、第1電極板5のスペーサ10が増加するため、第1電極板4と第2電極板5の間隔を、さらに均一にでき流路抵抗も低く抑えることができる。
【0111】
なお、実施例4ではスペーサ10を第2電極板5に設けたが、第1電極板4の方に設けてもよい。
【0112】
(実施例5)
実施例5は、第2電極板5に第1電極板4との間隔を保って流路13を形成する実施例3のスペーサ9または実施例4のスペーサ10に補強部11を設けた点が上記実施例1および実施例3,4と異なる構成で、これ以外の構成および作用効果は実施例1および実施例3,4と同一なので係る部分の詳細な説明は省略する。
【0113】
図8は、第2電極板5の要部斜視図で、第2電極板5は、スペーサ10の根本部分に、スペーサを形成する時、同時に三角溝等の補強部11を形成したものである。
【0114】
上記構成において、第2電極板5のスペーサ10は補強部11により補強され強度が増しているので、電気集塵フィルタ1を洗浄した際に、狭い流路13では水切りが悪いため第1電極板4と第2電極板5に水滴が残ってスペーサ10に圧力がかかっても、補強部11にも圧力が分散して電気集塵フィルタの形状が保たれる。
【0115】
本発明によれば、洗浄後も電極板間隔を均一にし、形状変化が起こらない丈夫な電気集塵フィルタ1にでき、集塵性能をさらに増加させることができる。
【0116】
(実施例6)
図には示していないが、第1電極板または第2電極板の表面に形成される電気絶縁フィルムとして高結晶のホモポリプロピレンフィルムを用いたものを実施例6とする。
【0117】
上記する第1電極板または第2電極板の表面に形成される超高結晶のホモポリプロピレンフィルムが好ましい理由は次の通りである。
【0118】
すなわち、ポリプロピレンにはプロピレンの単一重合体であるホモポリマーと、プロピレンとエチレンの共重合体であるランダムコポリマーと、ポリプロピレンとポリエチレンとゴムとをブレンドしたブロックコポリマーとがあるが、電気集塵装置のフィルタとして必要な物理特性の一つである剛性を比較すると、ホモポリプロピレンが他のランダムポリプロピレンとかブロックポリプロピレンよりも優れている。そして、ホモポリプロピレンのなかでもメチル基が同じ方向に向いている割合を示す立体規則性度(%)の高い高結晶のホモポリプロピレンが図9に示すように剛性が大きい。
【0119】
高結晶のホモポリプロピレンの分子配列は
【0120】
【化1】
【0121】
となっており、その特徴としては立体規則性度が98〜99%と高く、剛性力が2400kg/cm3 以上、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上であり、電気集塵フィルタに使用する絶縁フィルムとして好ましいことが判明している。
【0122】
また、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上で、しかも表面吸着力および耐薬品性の高いフッ素系樹脂も、第1電極板または第2電極板の表面に形成する絶縁フィルムに使用するとよい。そして、上記フッ素系樹脂の具体例としては、(C2F4)n ,(C2F4)m +(CF3CF−CF 2)m ,(C2F4)m +(ROCF−CF2)m(C2H4)n ,(C2F4)m ,(CH2 −CF2)n ,(CH2 −CHF2)m ,(CF2 −CFCl)m ,(CF2 −CFCl)m −(C2H4)n 等が挙げられる。
【0123】
そして、第1電極板または第2電極板の表面に形成される電気絶縁フィルムとして結晶度が高く立体規則性度が98〜99%の高結晶ホモポリプロピレン膜を用いた場合には、その高結晶ホモポリプロピレン膜の剛性が大きいため、電気集塵装置の組立時やフィルタの洗浄時において高結晶ホモポリプロピレン膜が破れたり損傷したりすることがなく、従って膜厚を薄くすることができる。そのため、高結晶ホモポリプロピレン膜の使用によりフィルタ自体を薄くして全体として密度が高く集塵効率の高いフィルタの構成に役立たせることができる。
【0124】
また、第1電極板と第2電極板の間の電界によって第1電極板または第2電極板に付着したタバコの煙中に含まれるタールやニコチンの表面接触角が増加するため、タールやニコチンは高結晶ホモポリプロピレンの電気絶縁フィルムから剥がれ易くなり、またタールやニコチンが混入しているホコリも電気絶縁フィルムの表面から取れ易くなる。従って、高結晶ホモポリプロピレンの電気絶縁フィルムを構成体の一つとしたフィルタは必ずしもアルカリ水を洗浄水とする必要がなく、水道水レベルのPH6〜8程度の洗浄水で充分に洗浄するこができる。
【0125】
なお、電気絶縁フィルムに高結晶ホモポリプロピレンや体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上で、しかも表面吸着力および耐薬品性の高いフッ素系樹脂フィルムを電気集塵装置の電気集塵フィルタに用いるかわりに上記物質による浸漬や塗布等、第1電極板または第2電極板の表面処理により第1電極板または第2電極板の表面に前記物質のフィルムを形成してもよく、または第1電極板と第2電極板との間にタールやニコチン等が除去し易いように表面接触角を増加する素材を積層してもよい。
【0126】
(実施例7)
第1電極板または第2電極板の表面に高結晶のホモポリプロピレンまたはフッ素系樹脂の薄膜を貼り合わせて実施例7とする。
【0127】
上記薄膜を第1電極板または第2電極板に貼り合わせることにより、第1電極板と第2電極板の間に電界を印加して表面接触角を増加することができる。従って、第1電極板または第2電極板に付着したタバコの煙に含まれるタールやニコチンは付着した電極板より剥がれ易くなり、またタールやニコチンが混入したホコリやゴミも取れ易くて洗浄し易くなる。
【0128】
実施例7の高結晶のホモポリプロピレンやフッ素系樹脂の薄膜を第1電極板または第2電極板に貼り合わせた例においても実施例6に示した例と何等異なることのない効果が発揮できる。
【0129】
(実施例8)
図10は第1電極板の端部の斜視図であり、第1電極板4は、電気導電材であるアルミニウムフィルムの電気導電フィルム3と半導体樹脂フィルム12を接合したフィルムを高結晶ホモポリプロピレンの電気絶縁フィルム2で覆って構成されている。そして、半導体樹脂フィルム12の一部分は第2電極板5に接合している。半導体樹脂フィルム12は、カーボン粉末を樹脂中に分散したカーボン性導電樹脂で構成されているものであり、電気導電フィルム3と第2電極板5の間の抵抗体として存在するものである。
【0130】
上記構成において、第1電極板4の端子より2KVの電圧が印加され、第1電極板4内の電気導電フィルム3から半導体樹脂フィルム12により第2電極板5に電流が僅かに流れる。半導体樹脂フィルム12により電流は微量となり、第2電極板5に流れて第2電極板5の端子に流れる。そして、供給電圧を止めると第1電極板4に溜まった電荷は、半導体樹脂フィルム12から第2電極板5に流れる。
【0131】
以上のように本実施例では、第1電極板4の端子を接続する反対側の第1電極板4の端部に、第1電極板4内に存在する電気導電フィルム3と半導体樹脂フィルム12とを接合して、前記半導体樹脂フィルム12を第2電極板5の端子に接続する反対側の第2電極板5の端部と接合して第1電極板4に帯電した電荷を低減することができる。そして、第1電極板4と第2電極板5とは一体成形で加工できる。
【0132】
なお、本実施例では樹脂中にカーボン粉末を分散したカーボン性導電樹脂を用いたが、樹脂中に金属粉末を分散して電流が1〜20μA程度流れるように制御したものとしてもよい。
【0133】
(実施例9)
第1電極板または第2電極板の電気絶縁フィルムの表面には銀系の抗菌剤とチアベンザゾール系の防カビ剤を混入する。そして、相対する電極板の電気導電フィルムには、銀系の抗菌剤とチアベンザゾール系防カビ剤を含浸させて実施例9とする。
【0134】
上記構成において、抗菌剤と防カビ剤を含んだ第1電極板と第2電極板の間には、ホコリとともに細菌やカビが堆積する。そして、堆積したホコリは室内の湿度もしくは、ホコリ自身の水分により、各電極板に含まれている抗菌剤や防カビ剤を介して存在し、ホコリ中の細菌やカビの増殖を防止することができる。
【0135】
本実施例によれば、第1電極板または第2電極板に繁殖する細菌やカビを防止し、細菌やカビからの分泌液による電極板の劣化をも阻止することができて、電極板の寿命を長くすることができる。
【0136】
なお、抗菌処理をしないアルミニウムの電気導電フィルムと銀塩による抗菌処理をしたアルミニウムの電気導電フィルムについて、大腸菌と黄色ブドウ状球菌の抗菌試験をしたところ、本実施例の抗菌処理電気導電フィルムは明らかに抗菌効果があり、これに反して抗菌処理をしていない電気導電フィルムは、細菌の多大な繁殖がみられた。
【0137】
また、同様にチアベンザゾール系の防カビ剤処理をした電気絶縁フィルムと防カビ剤を混入していない電気絶縁フィルムについて、コウジカビ,アカカビ,アオカビ,クロカワカビ,ススカビを対象に比較試験をしたところ、チアベンザゾールの処理をした電気絶縁フィルムは、防カビ剤の混入がない電気絶縁フィルムに対して顕著に防カビ効果のあることが判明した。
【0138】
(実施例10)
図には示していないが、第1電極板として、電気絶縁フィルム表面に酸化チタンを練り込んだものを用い、一方の第2電極板としては、導電素材に酸化チタンを溶かして混入したものを用いて実施例10とする。
【0139】
上記構成において、このような第1電極板と第2電極板を用いた電気集塵フィルタをタバコの煙の中で長時間運転した後、電気集塵フィルタに太陽光を当てると各電極板の表面が紫外線により活性化され、タバコに含まれる油分であるタールを分解し、また、ホコリに付いたアンモニア等も分解することができる。
【0140】
なお、電気絶縁フィルム表面の層の材料としては、ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレン,ABS樹脂,フッ素樹脂,塩化ビニール,シリコン樹脂等が挙げられ、空気放電を避けるため、表面抵抗が10E9Ω/cm2 以上や体積抵抗が10E9Ω・cm3 以上で吸水率の低く、厚さの薄い50μmの絶縁体に形成したものであればよい。
【0141】
なお、光触媒層としては、酸化チタンを代表としたが、アナターゼ型二酸化チタン,酸化亜鉛,酸化タングステン,硫化カドミウム,酸化銅等の半導体単体や、また、これらに白金,ロジウム,パラジウム,酸化ロジウム,酸化セリウム等の金属,金属酸化物を担持したものでもよい。
【0142】
このように本発明では、第1電極板や第2電極板に堆積するホコリの臭いを分解し、臭いによる各電極板の劣化を防止し、各電極板の寿命をさらに長くすることができる。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載の電気集塵フィルタは、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板の一方に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設け、この切り込みに他方の電極板を嵌合させて相対向せしめ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0146】
また本発明の請求項2に記載の電気集塵フィルタは、帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みをそれぞれ設け、この切り込み同士を互いに電極板が相対向するように嵌合させ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0147】
従って、取り付ける外枠内面に沿い第1電極板および第2電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層することができるから、外枠との間に生じるデッドスペースを最小限に抑えられ、その分だけ外枠に占める電極板の密度を高め集塵効率を向上できる。また、逆に従来と同じ電極板の密度にすれば、電気集塵フィルタの全体を小型にできる。
【0148】
さらに、第1電極板と第2電極板のそれぞれの切り込みに、互いに電極板が嵌合して両電極板の相対的な支持のし合いにより流路を保つとともに、切り込み部分の長さにより両電極板が幅方向で相対応して重なることも可能となり、電極板全体の幅方向の長さを短縮し、小型にできる。
【0149】
また本発明の請求項3に記載の電気集塵フィルタは、帯状の電気導電フィルムと、これを被覆した電気絶縁フィルムで構成した第1電極板と、帯状の導電フィルムに一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設けた第2電極板を備え、前記第2電極板の切り込みに、第1電極板を嵌合させて互いに支持し合い、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、帯電した空気中のホコリを捕集する前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成したものである。
【0150】
従って、取り付ける外枠内面に沿い第1電極板および第2電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層することができるから、外枠との間に生じるデッドスペースを最小限に抑えられ、その分だけ外枠に占める電極板の密度を高め集塵効率を向上できる。また、逆に従来と同じ電極板の密度にすれば、電気集塵フィルタの全体を小型にできる。
【0151】
さらに、一方の電極板の切り込みに、他方の電極板が嵌合して両電極板の相対的な支持のし合いにより流路を保つとともに、切り込み部分の長さだけ両電極板が重なり、電極板全体の幅方向の長さを短縮し、小型にできる。
【0152】
また本発明の請求項4に記載の電気集塵フィルタは、請求項3において、第1電極板に切り込みを設け、第1電極板の切り込みに相対応した電気導電フィルムの部分に、前記切り込みより深い凹部を形成したもので、請求項2に記載の電気集塵フィルタと同様な効果を期待できるとともに、電気導電フィルムの凹部は電気絶縁フィルムの切り込みより深いので、電気絶縁フィルムの切り込みの縁で電気導電フィルムの凹部の縁を確実に覆って絶縁でき、電極板の加工を容易にできる。
【0153】
また本発明の請求項5に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし4のいずれか1項において、第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部に、流路を保つスペーサを設けたもので、このスペーサによって流路を均一に保って目詰まりの防止を図るとともに、集塵性能を安定して持続できる。
【0154】
また本発明の請求項6に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし5のいずれか1項において、第1電極板または第2電極板のいずれか一方の長尺方向における両端部の同一箇所の両面に、流路を保つスペーサを設けたものであるから、一方の電極板の両面に設けたスペーサが、流路を均一に保って空気の流れを円滑にできるとともに、流路の目詰まりも防止できる。
【0155】
また本発明の請求項7に記載の電気集塵フィルタは、請求項5または6において、スペーサを第1電極板内の電気導電フィルムの存在しない長尺方向の両端部分に相対向する第2電極板の両端部分に設けたもので、スペーサは第1電極板の電気導電フィルムの存在しない長尺方向の両端部分に相対して流路を保つから、第1電極板と第2電極板間の電界の不均一を解消して安定した集塵性能を発揮できる。
【0156】
また本発明の請求項8に記載の電気集塵フィルタは、請求項5ないし7のいずれか1項において、スペーサに補強部を設けたものであるから、強くなったスペーサにより第1電極板と第2電極板の間隔を確実に保つことができるとともに、フィルタの洗浄も前記間隔を気にすることなく容易にでき、かつ洗浄後の間隔も均一に保つことができる。
【0157】
また本発明の請求項9に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし8のいずれか1項において、第1電極板と第2電極板の間には立体規則性度が98〜99%で、剛性力が2400kg/cm3 以上、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上の高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムを設けたものである。
【0158】
また本発明の請求項10に記載の電気集塵フィルタは、請求項9において、高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムは、第1電極板か第2電極板のいずれか一方または両方に粘着によるか、高結晶ホモポリプロピレンによる浸漬処理または塗布処理により形成したものである。
【0159】
従って、高結晶ホモポリプロピレンの剛性が大きいので第1電極板または第2電極板の剛性が増して、前記両電極板の取扱時における破損や損傷がなくなり、よってフィルタ自体の厚さを薄くして全体として電極板の積層密度を高めることができる。
【0160】
また、第1電極板または第2電極板の表面接触角が増すため、ホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなって、水道水レベルの洗浄水の使用も可能となり、簡単で、かつ容易にフィルタを洗浄できる。
【0161】
また本発明の請求項11に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし8のいずれか1項において、第1電極板か第2電極板の少なくとも何れかには表面接触角を増加させるポリプロピレンまたはフッ素系樹脂によるフィルムを形成したものである。
【0162】
従って、請求項9に記載の発明と同様の効果を期待できるとともに、さらに第1電極板または第2電極板にホコリとともに付着したタールやニコチン、そしてタールやニコチンの混入したホコリも取れ易くなり、簡単に洗浄できる。
【0163】
また本発明の請求項12に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし11のいずれか1項において、第1電極板の端子を接続する反対側の第1電極板の端部に、第1電極板内の電気導電フィルムと半導体フィルムを接合し、前記半導体フィルムを第2電極板の端子を接続する反対側の第1電極板の端部と接合したものである。
【0164】
従って、第1電極板に帯電した電荷を低減させ、電気集塵フィルタの交換作業時の静電気の発生を防止することができるとともに、第1電極板と第2電極板とは一体成形で加工することもできる。
【0165】
また本発明の請求項13に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし12のいずれか1項において、抗菌剤と防カビ剤を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものであるから、第1電極板や第2電極板に細菌・カビが繁殖するのを防止して細菌やカビの分泌液による電極板の劣化を防止して、その寿命を延ばすことができる。
【0166】
また本発明の請求項14に記載の電気集塵フィルタは、請求項1ないし13のいずれか1項において、光触媒層を含有する第1電極板と第2電極板を備えたものであるから、第1電極板や第2電極板に堆積するホコリの臭いを分解して各電極板の劣化を防止して、その寿命を延ばすことができるとともに、器具の使用,不使用に関係なくホコリの臭いの発生を防止できる。
【0167】
また、各電極板表面のタバコに含まれるアンモニア・タールを分解し、電極板の寿命を延ばすことができる。
【0168】
また本発明の請求項15に記載の電気集塵装置は、請求項1ないし14のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタを備えたものであるから、電気集塵フィルタの能力の向上および小型化によって、本来の機能以外の機能の付加も可能となり、装置本体の小型化とその利用価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1における電気集塵フィルタの概略斜視図
(b)同第1電極板の要部切欠の斜視図
【図2】(a)同第2電極板の平面図
(b)同第2電極板の正面図
(c)同第1電極板の平面図
(d)同第1電極板の正面図
【図3】同実施例1の電気集塵フィルタを採用した電気集塵装置の概略構成図
【図4】同実施例1における他の電気集塵フィルタの要部切欠斜視図
【図5】(a)本発明の実施例2における第2電極板の平面図
(b)同第1電極板の平面図
(c)同第1電極板の正面図
(d)同電気集塵フィルタの外観斜視図
【図6】本発明の実施例3における第2電極板のスペーサ部分の要部斜視図
【図7】本発明の実施例4における第2電極板のスペーサ部分の要部斜視図
【図8】本発明の実施例5における電極板のスペーサ部分の斜視図
【図9】本発明の実施例6における電極板の電気絶縁フィルムの剛性特性図
【図10】本発明の実施例8における第1電極板と第2電極板の端部の要部切欠斜視図
【図11】従来の電気式空気清浄機の構造を示す概略斜視図
【図12】(a)従来の電気式空気清浄機の構造を示す概略斜視図
(b)同V形状の負電極板の要部斜視図
(c)同波形状の負電極板の要部斜視図
【符号の説明】
1 電気集塵フィルタ
2 電気絶縁フィルム
3 電気導電フィルム
4,8 第1電極板(正電極板)
5 第2電極板(負電極板)
6 第1電極板の端子
7 第2電極板の端子
9,10 スペーサ
11 補強部
12 半導体樹脂フィルム
Claims (15)
- 帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板の一方に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設け、この切り込みに他方の電極板を相対向して嵌合せしめ、この切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつこの蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成してなる電気集塵フィルタ。
- 帯電した空気中のホコリを捕集する帯状の第1電極板と、第2電極板を備え、この両電極板に一定間隔で端面より幅方向へ切り込みをそれぞれ設け、この切り込み同士を互いに電極板が相対向するように嵌合せしめ、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成してなる電気集塵フィルタ。
- 帯状の電気導電フィルムと、この電気導電フィルムを被覆した電気絶縁フィルムで構成した第1電極板と、帯状の導電フィルムに一定間隔で端面より幅方向へ切り込みを設けた第2電極板を備え、前記第2電極板の切り込みに、第1電極板を嵌合させて互いに支持し合い、前記切り込みの部分で前記両電極板を蛇行させ、かつ蛇行間で交互に配列して積層するとともに、帯電した空気中のホコリを捕集する前記両電極板間に前記空気の流入する流路を形成してなる電気集塵フィルタ。
- 第1電極板に切り込みを設け、第1電極板の切り込みに相対応した電気導電フィルムの部分に、前記切り込みより深い凹部を形成した請求項3に記載の電気集塵フィルタ。
- 第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部に、流路を保つスペーサを設けた請求項1ないし4のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 第1電極板または第2電極板の少なくとも一方の長尺方向における両端部の同一箇所両面に、流路を保つスペーサを設けた請求項1ないし5のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- スペーサを、第1電極板内の電気導電フィルムの入っていない長尺方向の両端部分に相対向する第2電極板の両端部分に設けた請求項5または6記載の電気集塵フィルタ。
- スペーサに補強部を設けた請求項5ないし7のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 第1電極板と第2電極板の間には立体規則性度が98〜99%で、剛性力が2400kg/cm3 以上、体積抵抗値が1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧が30KV/mm以上の高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムを設けた請求項1ないし8のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 高結晶ホモポリプロピレン製の電気絶縁フィルムは、第1電極板か第2電極板のいずれか一方または両方に粘着によるか、高結晶ホモポリプロピレンによる浸漬処理または塗布処理により形成する請求項9に記載の電気集塵フィルタ。
- 第1電極板か第2電極板の少なくとも何れかには表面接触角を増加させるポリプロピレンまたはフッ素系樹脂によるフィルムを形成した請求項1ないし8のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 第1電極板の端子を接続する反対側の第1電極板の端部に、第1電極板内の電気導電フィルムと半導体フィルムを接合し、前記半導体フィルムを第2電極板の端子を接続する反対側の第2電極板の端部と接合した請求項1ないし11のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 抗菌剤と防カビ剤を含有する第1電極板と第2電極板を備えた請求項1ないし12のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 光触媒層を含有する第1電極板と第2電極板を備えた請求項1ないし13のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタ。
- 請求項1ないし14のいずれか1項に記載した電気集塵フィルタを備えた電気集塵装置。
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