JP3970270B2 - 非接触型シールおよび流体機械 - Google Patents
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Description
また、この非接触型シールでは、フェースプレートが、シール面のゼータ電位を上昇させるゼータ電位上昇剤料(ゼータ電位上昇元素)を含有する。かかるゼータ電位上昇剤料には、例えば、マグネシウム、カルシウム、イットリウムが該当する。かかる構成では、ゼータ電位上昇剤料により、フェースプレートに生ずるゼータ電位が上昇する。これにより、フェースプレートの変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。
上記観点から、この非接触型シール1では、フェースプレートの変形を抑制するために、フェースプレート21、31がジルコニア、炭化ホウ素、炭化珪素その他の高剛性セラミックスにより構成される(図1参照)。かかる構成では、アルミナ製もしくはシリコンナイトライド製のフェースプレート(低剛性セラミックスから成るフェースプレート)と比較して、フェースプレート21、31の剛性が高い。これにより、フェースプレート21、31の変形(湾曲)が低減されるので、シール特性の変化が効果的に抑制される利点がある。なお、フェースプレート21、31の剛性を高めるための材料変更は、フェースプレート21、31の変形に着目した課題解決手段自体が新規であるため、未だ実施されていない。この点において、この非接触型シール1は、シール特性の変化を抑制するための新規な課題解決手段を提供するものである。
また、この非接触型シール1では、フェースプレート21、31の厚みが増加されることにより、フェースプレート21、31の剛性が増加されることが好ましい(図2参照)。これにより、フェースプレート21、31の変形がさらに低減されるので、シール特性の変化がより効果的に抑制される利点がある。なお、材料の変形は、一般に厚さの2乗に比例する。したがって、例えば、フェースプレート21、31の厚みが従来の3倍となれば、その変形量が1/9に低減される。
また、上記したフェースプレートの変形は、フェースプレート表面に帯電した電荷に基づく電位(以下、ゼータ電位という。)が小さいほど電気的反発力が増大して、顕著となる。そこで、この非接触型シール1では、フェースプレート21、31がシール面のゼータ電位を上昇させるゼータ電位上昇剤料(ゼータ電位上昇元素)を含有する(図3参照)。かかるゼータ電位上昇剤料には、例えば、マグネシウム、カルシウム、イットリウムが該当する。かかる構成では、ゼータ電位上昇剤料により、フェースプレート21、31に生ずるゼータ電位が上昇する(プラスに近づく)。これにより、フェースプレート21、31の変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。
また、この非接触型シール1では、ゼータ電位を上昇させるゼータ電位上昇剤料(ゼータ電位上昇元素)がフェースプレート21、31の表面(シール面)にコーティングもしくは注入される。ここで、コーティングされるゼータ電位上昇剤料には、例えば、スピネル(MgAl2O4)、カルシウムアルメイト(CaAl2O4)等が該当する。また、ゼータ電位上昇剤料の注入は、例えば、イオンプランテーション、その他当業者公知の手法により行われる。かかる構成では、コーティングもしくは注入されたゼータ電位上昇剤料の作用により、フェースプレート21、31に生ずるゼータ電位が上昇する。これにより、フェースプレート21、31の変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。また、かかるゼータ電位上昇剤料のコーティングもしくは注入は、フェースプレート21、31自体の材質を変更することなく実施できる利点がある。
また、この非接触型シール1では、フェースプレート21、31の表面(シール面)に凹凸が形成される(図4参照)。かかる構成では、フェースプレート21、31表面の凹み部分に帯電した正の電荷が、シール水によって押し流され難い。したがって、フェースプレート表面が平滑な構成と比較して、フェースプレート21、31表面から押し流される正の電荷量が低減される。これにより、フェースプレート21、31の変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。
また、この非接触型シール1は、原子力一次系の主冷却材ポンプ100に用いられることが特に好ましい(図7参照)。かかる構成では、上記により非接触型シール1のシール特性が安定しているので、フェースプレート21,31間の隙間を流れるシール水の漏れ流量を一定にできる利点がある。
また、この非接触型シール1を有する流体機械(例えば、原子力一次系の主冷却材ポンプ100)では、非接触型シール1のシール水に、そのpH値を降下させるpH値降下剤が添加される(図5参照)。かかるpH値降下剤には、例えば、ホウ酸が該当する。かかる構成では、pH値降下剤の添加によってシール水のpH値が降下する(酸性側に変化する)。一方、ゼータ電位は、pH値が小さいほど高い。したがって、pH値が降下するほどフェースプレート21、31表面のゼータ電位が上昇してプラス側に近づく。これにより、フェースプレート21、31の変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。
また、この非接触型シール1を有する流体機械では、非接触型シール1のシール水に、その導電率を上昇させる導電率上昇剤が添加される(図6参照)。かかる導電率上昇剤には、例えば、水酸化リチウムおよびホウ酸が該当する。かかる構成では、導電率上昇剤の添加によってシール水の導電率が上昇する。具体的には、シール水中における水酸化リチウムおよびホウ酸の濃度が増加されることにより、シール水の導電率が上昇する。一方、ゼータ電位は、導電率が大きいほど高い。したがって、導電率が上昇するほどフェースプレート21、31表面のゼータ電位が上昇して、プラス側に近づく。これにより、フェースプレート21、31の変形が低減されるので、シール特性の変化が抑制される利点がある。
2 第一シール部
3 第二シール部
21、31 フェースプレート
100 主冷却材ポンプ
101 モータ
102 ポンプ軸
103 インペラ
Claims (9)
- シール水の流路となる隙間を開けつつ対向して配置された一対のフェースプレートを有すると共に、これらのフェースプレートの隙間がシール水の流路に沿って狭められて成る非接触型シールにおいて、
前記フェースプレートは、絶縁性セラミックス材料から成ると共に、シール水が流通して前記フェースプレート表面に電荷が蓄積することにより電荷同士の反発力によって生ずる前記フェースプレートの変形を抑制する変形抑制構造を有し、且つ、
前記変形抑制構造は、前記フェースプレートがシール面のゼータ電位を上昇させるゼータ電位上昇剤料を含有していることにより構成されることを特徴とする非接触型シール。 - 前記変形抑制構造は、前記フェースプレートが窒化珪素、ジルコニア、炭化ホウ素もしくは炭化珪素のうち少なくとも1つを含むセラミックスから成ることにより構成される請求項1に記載の非接触型シール。
- 前記変形抑制構造は、前記フェースプレートの厚みが増加されることにより構成される請求項1または2に記載の非接触型シール。
- 前記フェースプレートは、酸化アルミニウムもしくは窒化珪素を主成分として構成されると共に、その厚みが20[mm]より大きい請求項3に記載の非接触型シール。
- 前記変形抑制構造は、ゼータ電位を上昇させるゼータ電位上昇剤料が前記フェースプレートのシール面にコーティングもしくは注入されていることにより構成される請求項1〜4のいずれか一つに記載の非接触型シール。
- 前記変形抑制構造は、前記フェースプレートがシール面に凹凸を有することにより構成される請求項1〜5のいずれか一つに記載の非接触型シール。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載の非接触型シールにより、流体がシールされている流体機械。
- 前記非接触型シールのシール水には、そのpH値を降下させるpH値降下剤が添加されている請求項7に記載の流体機械。
- 前記非接触型シールのシール水には、その導電率を上昇させる導電率上昇剤が添加されている請求項7または8に記載の流体機械。
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