JP3968573B2 - 微小記号文字群が印刷された印刷物、印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置、微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う方法及びその装置 - Google Patents

微小記号文字群が印刷された印刷物、印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置、微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小記号文字群が印刷された印刷物、印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置、微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法及びその装置に係わり、特に銀行券、株券、債権類、旅券、各種証明書等の重要書類(以下、「印刷物」という。)に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、偽造、変造防止策は極めて重要な要素である。そこで、印刷物の印刷面は極めて細密な画線によって図柄を構成している。
【0003】
印刷物の偽造、変造防止策として、古くから用いられてきた手法には、文字角が例えば1mm以下である微小文字の集合模様を印刷物に施すものがある。
【0004】
このような微小文字における偽造、変造防止策は、模様を細密且つ複雑にすることによって偽造物における同一の模様を作製しようとするのを困難とし、さらに写真製版装置による抽出又は複写機では再現されにくい色彩を用いたりすることで偽造防止策としての効果を高めている。
【0005】
更に、印刷面に複数の微小文字から成る微小文字群を配置することによって、偽造、変造防止に有効な地紋模様を形成することができると同時に、製品として必要な文章情報を施すことができる。
【0006】
また市場流通過程において、一般人が拡大鏡等を用いた観察により、微小文字群の文言及び形状が真正なものであるか否かを簡単に識別することができる。このため、微小文字群は印刷物の分野において広く用いられており、さらに高級感を印象づけるデザインとしても重要な模様となっている。ゆえに、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、微小文字群はデザイン上欠かすことのできない模様となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷物の偽造や改ざん等には、コピー機等を用いたものが従来から行われてきた。しかし近年では、コンピュータの画像処理技術の急速な進歩と普及に伴い、印刷物の分野においても、画像処理技術を用いた偽造や改ざん等が行われるに至っており、その手法も高度化、多様化しつつある。
【0008】
その結果、コピー機等による模造や複製だけでなく、目視等により版自体を作成して模造すること行われるようになってきた。そこで、版自体を作成して模造したものに対する複製防止或いは偽造防止に優れた印刷物が切望されている。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、版自体を作成して模造することに対する複製防止或いは偽造防止に優れた、微小記号文字群が印刷された印刷物、印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置、並びに微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法及びその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷物は、複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物であって、前記微小記号文字には、第1の数学的構造を有する微小記号文字と、第2の数学的構造を有する微小記号文字とが含まれることを特徴とする。
【0011】
前記微小記号文字群は、前記微小記号文字自体が有する文字情報と、前記微小記号文字群に含まれる、前記第1の数学的構造を有する微小記号文字、又は前記第2の数学的構造を有する微小記号文字を抽出することにより得られる図形情報とを有することが望ましい。
【0012】
前記文字情報は、前記第1の数学的構造を有する微小記号文字又は前記第2の数学的構造を有する微小記号文字を抽出する前の段階で可視情報であり、前記図形情報は、前記第1の数学的構造を有する微小記号文字又は前記第2の数学的構造を有する微小記号文字を抽出する前の段階では不可視情報であるものであってよい。
【0013】
前記第1の数学的構造を有する微小記号文字と、前記第2の数学的構造を有する微小記号文字とは、同一の書体を有することが望ましい。
【0014】
前記微小記号文字は、文字角の大きさが0.4mm以上で1mm以下であってよい。
【0015】
本発明の印刷物に微小記号文字を配置する方法は、入力部が、少なくとも一つの微小記号文字を入力するステップと、解析部が、入力された前記微小記号文字の数学的構造を解析するステップと、画像処理部が、前記微小記号文字を変形し、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を生成するステップと、前記入力部が、図形を入力するステップと、前記画像処理部が、入力された前記図形が占める領域のうち、背景画像の領域に一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置し、図形画像の領域に他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置するステップとを備えることを特徴とする。
【0016】
あるいは、本発明の印刷物に微小記号文字を配置する方法は、記憶部が、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を格納するステップと、入力部が、少なくとも一つの微小記号文字を入力するステップと、演算部が、入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されているか否かを判断し、格納されている場合に前記記憶部から前記微小記号文字を読み出すステップと、入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されていない場合に、解析部が、入力された前記微小記号文字の数学的構造を解析するステップと、画像処理部が、数学的構造を解析された前記微小記号文字を変形し、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を生成するステップと、前記入力部が、図形を入力するステップと、前記画像処理部が、入力された前記図形が占める領域のうち、背景画像の領域に、前記記憶部から読み出された、あるいは前記画像処理部により生成された少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字のうち、一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置し、図形画像の領域に他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記微小記号文字に変形を行うステップでは、前記微小記号文字の書体に影響を与えない範囲で行うことが望ましい。
【0018】
本発明の印刷物に微小記号文字を配置する装置は、少なくとも一つの微小記号文字、及び図形を入力する入力部と、入力された前記微小記号文字の数学的構造を解析する解析部と、前記微小記号文字を変形して少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を生成し、入力された前記図形が占める領域のうち、背景画像の領域に一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置し、図形画像の領域に他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置する画像処理部とを備えることを特徴とする。
【0019】
あるいは、本発明の印刷物に微小記号文字を配置する装置は、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を与えられて格納する記憶部と、少なくとも一つの微小記号文字、及び図形を入力する入力部と、入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されているか否かを判断し、格納されている場合に前記記憶部から前記微小記号文字を読み出す演算部と、入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されていない場合に、入力された前記微小記号文字の数学的構造を解析する解析部と、数学的構造を解析された前記微小記号文字を変形して少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を生成し、入力された前記図形が占める領域のうち、背景画像の領域に、前記記憶部から読み出された、あるいは生成された少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字のうち、一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置し、図形画像の領域に他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を配置する画像処理部とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う方法は、読み取り部により、前記印刷物を走査して前記微小記号文字群の画像情報を取得するステップと、解析部により、前記画像情報に含まれる各々の前記微小記号文字の数学的構造を解析するステップと、画像処理部により、真正な印刷物に含まれる少なくとも2種類の数学的構造のうち、一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を削除し、他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を残すステップと、前記画像処理部により、前記他方の数学的構造を有する微小記号文字により表された図形情報を抽出するステップと、判定部により、抽出された前記図形情報と、真正な印刷物に含まれる図形情報とを比較し、前記印刷物が真正か否かを判定するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
ここで、前記画像処理部により前記図形情報を抽出するステップは、前記他方の数学的構造を有する前記微小記号文字にクロージング処理を施すステップと、クロージング処理後に存在する前記図形情報を抽出するステップとを含むことが望ましい。
【0022】
本発明の複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う装置は、前記印刷物を走査し、前記微小記号文字群の画像情報を取得する読み取り部と、前記画像情報を用いて各々の前記微小記号文字の数学的構造を解析する解析部と、真正な印刷物に含まれる少なくとも2種類の数学的構造のうち、一方の数学的構造を有する前記微小記号文字を削除し、他方の数学的構造を有する前記微小記号文字を残し、前記他方の数学的構造を有する微小記号文字により表される図形情報を抽出する画像処理部と、抽出された前記図形情報と、真正な図形情報とを比較し、前記印刷物が真正か否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【0023】
前記画像処理部は、前記他方の数学的構造を有する前記微小記号文字にクロージング処理を施し、クロージング処理後に存在する図形情報を抽出してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明で用いる微小記号文字について述べる。
(1) 微小記号文字群の評価手法
【0025】
一般に人は、文字列に対して2種類の認識を行っている。一方は言語認識であり、文字列(テキスト)を語句としてとらえることである。もう一方は図形認識であり、文字の色、形状等、文字をイメージとしてとらえることである。人はこの2種類の認識に基づいて相乗的に文字列を評価し、その性質を判断する。複数の微小記号文字を含む微小記号文字群に対する認識も例外ではなく、上述した言語認識及び図形認識が同時に作用する。
【0026】
ところが、微小記号文字群は文字角が例えば1mm以下というように微小な記号及び/又は文字(以下、記号/文字と称する)の集合模様であることから、肉眼視では微小記号文字群を容易に判別することはできず、無意識に更なる評価手法を加えて認識することになる。
【0027】
その更なる評価手法とは、「“人”の情報識別能力が介在する評価法(鑑定)」であり、印刷面全体を見て評価するマクロ的評価と、印刷面の一部を拡大して見て評価するミクロ的評価とがある。
【0028】
(1−1) 微小記号文字群のマクロ的評価
【0029】
印刷面全体を見ることにより微小記号文字群をマクロ的に評価する場合、言語認識では文字列の語句、文章を判読する。一方、図形認識では微小記号文字群の配置、濃淡、色等を評価する。
【0030】
従ってマクロ的評価においては、文章の誤り、濃度ムラ、かすれ、汚れといった印刷物の品質を容易に評価することができるという利点がある。しかし一方で、肉眼視できる解像度には限界があることから、微小記号文字群中の各々の記号/文字の形状まで識別することはできない。
【0031】
(1−2) 微小記号文字群のミクロ的評価
【0032】
印刷面を拡大して見て微小記号文字群をミクロ的評価する場合、言語認識では文字列の語句、又は1文字を判読することになる。一方、図形認識では文字の書体、形状等を評価する。
【0033】
従ってミクロ的評価においては、文字の丸み、セリフ、にじみ、ガタつきといった、文字の細部の状態を評価することができる。一方で、微小記号文字群を文字列として認識することはできず、全体の配置やバランスについて識別することはできない。
(2) 各評価法に関わる記号/文字の変形
【0034】
微小記号文字群に対するマクロ的評価では、微小記号文字群中の1つ1つの記号/文字の形状まで判別することはできない。つまり、微小記号文字群中に意図的に変形させた記号/文字を部分的に加えたとしても、マクロ的評価では文章の誤り、濃度ムラ、かすれ、汚れが確認できない限り、意図的に変形させた記号/文字の存在に気が付くことは殆どない。
【0035】
この原理を利用すると、微小記号文字群中にある文字列の語句、文章という言語認識からなる情報と、それとは別にミクロ的評価でしか識別できない、意図的に変形させた記号/文字を用いることにより、新たな情報を付与することが可能となる。
(3) 記号/文字の変形例
【0036】
例えば、微小記号文字群中のマクロ的評価に関わる内容として、銀行券や株券等の有価証券の印刷物に用いられている微小記号文字群中の文言は、固定情報である。ここで、固定情報とは定まった文字列の語句、文章とする。よって、その微小記号文字群の一部の文字に、ミクロ的評価でしか識別できない何らかの変形を加えることによって、固定情報とは異なる情報を施すことができる。
【0037】
具体的な変形例としては、微小記号文字群の一部の文字にセリフ(文字の突起)を設けることで、固定情報の中に異なる情報を潜ませることができる。即ち、文字にセリフを設けることによって、マクロ的評価では識別できないがミクロ的評価では識別することが可能な情報が施されたことになる。
(4) 第3の評価法
【0038】
上述したように、マクロ的評価及びミクロ的評価は、「“人”の情報識別能力が介在する評価法」である。従って、微小記号文字群にある一部の文字の変形によって施した情報は、これらの評価法によると、“YES”又は”NO”、あるいは“ON”又は”OFF”といった、2値的判定基準に基づく情報の識別ということになる。
【0039】
これに対し、本発明では微小記号文字群に新たな情報を付与するために、第3の評価法を導入して微小記号文字群を識別する。
【0040】
ここで第3の評価法とは、2値的判定基準を用いて、微小記号文字群が図形として有する特性(以下、数学的構造(トポロジー)という)に基づいて分類したグループを、目視以外の手段(機械読み取り等)により抽出することによって、付与されている情報を識別するものである。
(5) 記号/文字の数学的構造に基づく分類
【0041】
上述したミクロ的評価は、微小記号文字群の中にある1文字を人の記憶にある文字と比較対照し、その差異を見出すことによって評価するものである。例えば、微小記号文字群中の同じ2つの文字において、一方の文字にセリフを付けて他方の文字には付けなかった場合、ミクロ的評価ではセリフを付けた文字と付けなかった文字との違いを容易に識別することができる。
【0042】
しかし、数学的構造に基づく評価では、これらの二つの文字を同一であるとして扱うこともできる。何故なら、セリフの相違はあるにしても、ある数学的構造の性質においては同一の場合があるからである。
【0043】
例えば、アルファベットの文字において、文字は異なるにしても「A、B、D、O、P、Q、R」は同一グループに属し、また「C、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、S、T、U、V、W、X、Y、Z」は同一グループに属する。さらに、漢字の「一」と「十」は同一グループに属し、「目」と「日」は異なるグループに属する。
【0044】
これは、図形中の穴(線で囲まれた空きの部分)の有無、及びその数に着目し、このような数学的構造を識別材料に用いていることによる。前者のアルファベットの場合は、図形中に穴が有るか(閉図形である)、無いか(開図形である)で識別する。後者の漢字の場合は、穴の数が幾つ有るかで識別する。このような識別法は、一般的な文字の認識概念を用いていないため、微小記号文字群に第3の評価法をもって識別することを可能にするものである。
(6) 文字を数学的構造により分類した具体例1
【0045】
アルファベットの文字を数学的構造に基づいて分類した例では、「A、B、D、O、P、Q、R」を第1グループとし、「C、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、S、T、U、V、W、X、Y、Z」を第2グループとした。
【0046】
第1グループの文字は、図形中に1つ以上の穴を有し、閉図形としてとらえることができる。第2グループの文字は、図形中に穴を有しておらず、開図形としてとらえられるものである。
【0047】
図2に、第1グループに属する文字と、第2グループに属する文字とを配置した微小記号文字群の一例を示す。この微小記号文字群は、文字角800μmの微小記号文字群を、光学的にスキャニングして撮り込んだグレースケール画像であり、スキャニング解像は1200dpiである。
【0048】
一見して何の意味もない微小記号文字群であるが、数学的構造に基づく分類に基づいて配置されており、明確に所定の意味を成す配置となっている。この微小記号文字群に含まれる各文字は、それぞれの文字を機械読み取りにおけるセルとして用いられる。
【0049】
先ず、図3に示されたように、例えば判別分析法等の手法により2値画像化する。得られた画像において、図4に示すように1つ以上の穴を有する第1グループに属する文字を削除すると、穴を有しない第2グループに属する文字のみが残る。予めグループ分けにより施されていることにより、残った文字はバーコード状に配置されている。更に、図5に示すように、10ピクセルのクロージング処理を行うことにより、バーコード状の隠し情報が現出されることになる。ここで、クロージング処理とは、隣り合う記号/文字同士を連結するように塗りつぶす処理をいう。
(7) 文字の数学的構造による分類の変形例
【0050】
上述した分類例では、文字を数学的構造のみに基づいて分類しているため、配置した文字群が言語情報の意味を成していない。そこで、言語情報としても意味を成す分類法を以下に説明する。
【0051】
同じ文字であっても、変形の仕方によって意図的に数学的構造を利用することで、異なるグループに属するように分類することができる。例えば、閉図形の第1グループに属する文字において、閉じた部分の一部を開放することで開図形の第2グループに属するようにすることができる。
【0052】
例えば、図6に示された基本書体を有する「日本」という漢字を例にとると、図6に示された「日」と「本」という文字は、異なる漢字であっても同じグループに属するものである。
【0053】
図7に示されたように、「日」の中にある中央の横線の連結部(開(11))を開放すると、穴1(11)が1つ存在する図形(閉図形)の第1グループに属することになる。また、「本」の中にある中央の縦線の一部(開(12))を開放し、かつ下部の横線を左右の斜め線と連結(閉(12)、閉(13))することによって、穴1(12)が1つある図形(閉図形)の第1グループに属することになる。
【0054】
しかし、図8に示されたように、「日」の中にある中央の横線の連結部(開(21))を開放し、かつ下部の横線の連結部(開(22))を開放すると、穴を1つも有しない図形(開図形)の第2グループに属することになる。「本」については、図 に示された基本書体と同一の図形とすることで、下部の横線と左右の斜め線との間(開(23)、閉(24))が開放され、穴を1つも有さない図形(開図形)の第2グループに属することになる。このように、文字の一部を開放又は連結させるという変形を施すことにより、言語的に同一の文字であっても数学的構造を変化させて異なるグループに分類することが可能となる。
【0055】
さらには、同じ文字に施す変形の仕方によっては穴数が0、1又は2のいずれであるかにより3つのグループに分類することもできる。また、書体は異なっていても、数学的構造は同一であるように変形することで、同一グループに分類することも可能である。
【0056】
例えば、同じ「日本」という文字であっても、図9(a)及び(b)に示されたような穴数が0で完全な開図形のグループ、図10(a)及び(b)に示されたような穴数が1の閉図形のグループ、あるいは図11(a)及び(b)に示されたような穴数が2の閉図形のグループとに分類することができる。
【0057】
図9(a)に示された文字は、「日」の中にある中央の横線の連結部(開(21))が開放され、下の横線の連結部(開(22))も開放されており、穴が1つも存在しない。また、「本」の中にある下部の横線と左右の斜め線との連結部(開(23)、開(24))を開放することにより、穴が1つも存在しない完全開図形となる。
【0058】
図9(b)に示された文字は、「日」の中にある上部の横線の連結部(開(31))が開放され、下部の横線の連結部(開(32))が開放されており、穴が1つも存在しない。「本」の中にある下部の横線と左右の斜め線とは連結部(閉(31)、閉(32))において連結されている。しかし、上部の横線と左右の斜め線との連結部(開(33)、開(34))が開放されていることにより、穴が1つも存在しない完全開図形となる。
【0059】
このように、図9(a)及び(b)にそれぞれ示された文字は、書体は相違するが数学的構造は同一であるため、同一グループに属する。
【0060】
図10(a)に示された文字は、「日」の中にある中央の横線の連結部(開(41))が開放されており、下の横線の連結部(閉(41))が閉じていることで、穴1(41)が1つ存在する。「本」の中にある中央の縦線の中央部(開(42))が開放されており、下部の横線と左右の斜め線との連結部(閉(42)、閉(43))閉じていることにより、穴が1つ存在する。
【0061】
図10(b)に示された文字は、「日」の中にある中央部の横線の左右の連結部(開(51)、開(52))が開放され、下部の横線の連結部(閉(51))が閉じており、穴が1つ存在する。「本」の中にある下部の横線と左の斜め線とが連結部(開(53))において開放され、下部の横線と右の斜め線とが連結部(閉(52))において閉じていることにより、穴が1つ存在する。この結果、図 10(a)及び(b)にそれぞれ示された文字は、書体は相違するが数学的構造は同一であり、同一グループに属する。
【0062】
図11に示された文字は、「日」の中にある中央部の横線の左右の連結部(閉(61)、閉(62))が連結され、下部の横線の連結部(閉(63))も閉じており、2つの穴1(61)、穴2(62)が存在する。「本」の中にある中央の縦線、上部の横線、及び左右の斜め線とが連結部(閉(64))において連結され、下部の横線と左の斜め線とが連結部(閉(65))において閉じており、下部の横線と右の斜め線とが連結部(閉(66))において閉じていることにより、2つの穴1(63)、穴2(64)が存在する。
(8) 文字を数学的構造により分類した具体例2
【0063】
図12に、「日本」という漢字に対し上述した手法で変形させて、第1グループに属する文字と第2グループに属する文字とを配置した例を示す。ここで、図12に示された画像は、文字角800μmの微小記号文字群を光学的にスキャニングして撮り込んだグレースケール画像であり、スキャニング解像は1200dpiである。
【0064】
一見すると、「日本」という国名を表す言語的な意味を持った微小記号文字群であるが、数学的構造に基づいた分類上では、言語的な意味とは全く異なる情報を潜在的に含んだ配置を有している。ここで、各々の微小記号文字は、機械読み取りを行う際のセルとして用いる。
【0065】
先ず、図13に示されるように、例えば判別分析法等を用いて2値画像化する。この後、図14に示されるように、1つ以上の穴を有する図形から成る第1グループを削除すると、第2グループのみが残る。この第2グループのみを取り出すと、バーコード状の図形が得られるように、予めグループ分けが施されている。従って、図15に示されるように、例えば10ピクセルでクロージングを行うと、施されていたバーコード状の図形から成る隠し情報が抽出されることになる。
(9) 文字の数学的構造による分類を行った具体例3
【0066】
図16に、「日本」の漢字に対して上述の手法で変形を施し、第1グループと第2グループとに分類した例をさらに示す。図16に示された画像は、図14に示された画像と同様に、文字角800μmの微小記号文字群を光学的にスキャニングして撮り込んだグレースケール画像であり、スキャニング解像は1200dpiである。
【0067】
この場合も、一見すると「日本」という国名を表す言語的な意味を持った微小記号文字群であるが、数学的構造の分類を行うと、言語的な意味とは全く異なる他の情報が潜在的に含まれた配置を成している。
【0068】
図17に示されるように、例えば判別分析法等の手法を用いて2値画像化し、図18に示されるように1つ以上の空きを有する図形から成る第1グループを削除すると、第2グループのみが残存する。第2グループのみを取り出すと、予め施されていた2次元コード状の形状が描かれる。更に、図19に示されるように、10ピクセルのクロージングを行うことにより、この2次元コードを抽出することができる。
【0069】
この2次元コードは、QR(Quick Response)コード・モデル1と呼ばれる公知のデータコードである。よって、数字、英字、記号、漢字、カナ、制御コード等の様々なデータを格納することができる。ここで、 図19に示された2次元コードには、「財務省印刷局」という組織名を表す情報が格納されている。 上述した例ではQRコードを用いているが、これに限定されるものではなく、あらゆるデータコードを用いることができる。よって、微小記号文字群の中に様々な情報を格納することができる。
【0070】
以上のような、微小記号文字に対して数学的構造に基づく分類を行う本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0071】
尚、以下の実施の形態においては、印刷物の一例として商品券に本発明を適用した場合について説明するが、本発明はその他の印刷物に対しても幅広く適用することができる。
(10) 本実施の形態による印刷物
【0072】
図20に、本発明の実施の形態による印刷物として、商品券に本発明を適用した場合における構成の一例を示す。この商品券は、その表面に証券に関する必要情報を目視可能に表示する基本文字1、5や、デザイン文字2、微小記号文字3、OCRにより読み取り可能なOCR文字4、MICR文字6、無色蛍光文字7等の文字が印刷されている。また、デザイン文字2、微小記号文字3、基本文字5は、複数の文字/記号が集合して成る記号/文字群として構成される。
【0073】
微小記号文字3は、「日本」という文字が所定数を単位として規則的に繰返し配置されており、例えば65列×8行、計520個配置されている。
【0074】
そしてこの微小記号文字3には、図1に示されたように、微小記号文字3が配置された微小記号文字群21に対する肉眼視によるミクロ的評価で認識される「日本」という言語認識による文字情報と、異なる数学的構造のうちいずれか一方の文字を除いて得られた画像情報22に基づく第3の評価により認識される図形情報23とが重畳されている。そして、図形情報23から「財務省印刷局」というデータコードが取得される。
【0075】
ここで、図形情報23が示す「財務省印刷局」という情報は、QRコード・モデル1と称されるデータコードによるものである。
【0076】
このように、本実施の形態による印刷物は図21に示されるように、印刷物100の面上に複数の微小記号文字から成る微小記号文字群が配置された領域101を備え、微小記号文字群101は、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字群を有する。領域101のうち、領域102には一方の数学的構造を有する微小記号文字群が配置され、領域103には他方の数学的構造を有する微小記号文字群が配置されている。
【0077】
このような本実施の形態による印刷物は、数学的構造に基づく抽出処理を行う前の段階では視認することができない図形情報が潜在的に存在するように微小記号文字群が配置されている。各微小記号文字の数学的構造に着目すること、またそれぞれの数学的構造の相違を認識することは容易ではない。よって、このような印刷物は第三者が版自体を作成して模造することが極めて困難であり、高い複製防止或いは偽造防止効果を得ることができる。
(11) 本実施の形態による印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置
【0078】
本発明の実施の形態による、印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置について説明する。本装置は、図22に示されたように、演算部11、記憶部12、通信インタフェース(IF)13、入力部14、印刷部15、表示部16を備えている。
【0079】
演算部11は、処理に必要な演算の全てを行うもので、解析部11a、画像処理部11bを有し、記憶部12、通信IF13、入力部14、印刷部15、表示部16に接続されている。
【0080】
解析部11aは、記号/文字の数学的構造を解析する。
【0081】
画像処理部11bは、記号/文字を配置する処理を行う。
【0082】
記憶部12は、演算部11の演算に必要な各種データ及びその演算結果、さらには予め数学的構造が解析されている各記号/文字をデータベースとして保存している。このデータベースには、それぞれの記号/文字毎に、少なくとも2種類の数学的構造を有するものが登録されている。
【0083】
通信IF13は、図示されていないコンピュータ端末と演算部11とを接続し、必要に応じてコンピュータ端末と演算部11との間で情報の転送を行う。
【0084】
入力部14は、例えば操作パネル等を備えており、操作者からの入力を受け付けて操作内容を演算部11に与える。
【0085】
印刷部15は、微小記号文字が配置されたものを印刷し印刷物を出力する。
【0086】
表示部16は、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プリンタ等を少なくとも一つ有し、操作者に必要な情報を表示する。
【0087】
このような構成を備えた装置を用いて、微小記号文字を配置する方法の手順を図23のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
ステップS10に示されたように、操作者が入力部14を介して、配置しようとする記号/文字を少なくとも一つ入力する。
【0089】
ステップS12として、入力された記号/文字が記憶部12内のデータベースに格納されているものであるか否かを演算部11がアクセスして調べる。データベースに格納されている場合は、当該記号/文字は既に数学的構造が解析済みであり、ステップS16へ移行する。入力された記号/文字がデータベースに格納されていない場合は、ステップS14へ移行する。
【0090】
ステップS16において、予め登録されている2種類の数学的構造を有する記号/文字を呼び出す。
【0091】
入力された記号/文字がデータベースに登録されていない場合、ステップS14において当該記号/文字の数学的構造の解析を解析部11aが行う。
【0092】
ステップS18として、解析された当該記号/文字に対し、少なくとも2種類の数学的構造を有するようにこの記号/文字を変形する。この場合、記号/文字の書体が変化しない範囲内で変形した方が、偽造防止効果をより高めることができる。しかし、書体が変化するような変形を行って、数学的構造の異なる記号/文字を生成してもよい。
【0093】
ステップS20において、微小記号/文字を配置する領域に相当する図形を、操作者が入力部14を介して入力する。
【0094】
ステップS22として画像処理部11bが、入力された図形を複数の升目から成る画面上に描く。
【0095】
ステップS24として画像処理部11bが、図形が描かれている領域内に、ステップS16において検索された、あるいはステップS18で生成された、少なくとも2種類の数学的構造の異なる記号/文字を埋める処理を行う。ここで、図形の領域には、図形画像の領域と背景画像の領域とが存在する。図形画像の領域に一方の数学的構造を有する記号/文字を配置し、背景画像の領域に他方の数学的構造を有する記号/文字を配置する。このようにして、微小記号文字群を配置する。
【0096】
図示されていないが、必要に応じてこの後、表示部16に配置後の印刷物の表面を表示したり、印刷部15により印刷出力を行う。
【0097】
本実施の形態に従うことにより、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字を配置することで、所望の図形情報を微小記号文字群に潜在的に有する印刷物を容易に作成することができる。
(12) 本実施の形態による微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法及びその装置
【0098】
本発明の実施の形態による、微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法と、真偽判別の際に用いる装置とについて説明する。
【0099】
先ず、図24に真偽判別装置の構成を示す。本装置は、演算部21、記憶部22、通信IF13、入力部14、搬送部17、表示部16、読み取り部18を備える。
【0100】
演算部21は、図示されてないコンピュータ端末と通信IF13を介して接続されており、必要に応じて情報を送受信する。この演算部21は、解析部21a、画像処理部21b、判定部21cを有し、通信IF13、記憶部22、入力部14、搬送部17、表示部16、読み取り部18とそれぞれ接続されている。
【0101】
記憶部22は、読み取り処理に必要なデータや処理結果等を格納する。
【0102】
搬送部17は、真偽判別を行う必要のある図示されていない印刷物を与えられて搬送し、読み取り部18に供給する。
【0103】
読み取り部18は、例えばスキャナ等を内蔵する。搬送部17によって搬送されてきた印刷物の紙面上を、スキャナを用いて走査し、画像情報を取得する。
【0104】
取得された画像情報に含まれる各升目に埋められた記号/文字に対し、解析部21aがそれぞれの数学的構造を解析する。上述したように、各記号/文字を構成している複数の線で閉じられた穴に相当する部分の数を計数し、その数が0、1、2、…のいずれであるかにより、グループ分けを行う。
【0105】
画像処理部21bは、複数のグループのうち、真正な印刷物において背景画像に割り当てられている少なくとも一つのグループに属する記号/文字を削除する。そして、残ったグループに属する記号/文字に対し、クロージング処理を行う。
【0106】
判定部21cは、真正な印刷物において存在する微小記号文字群が描く図形情報と、判別対象となっている当該印刷物の図形情報とを対比して、その真偽の判別を行う。
【0107】
図22に示された装置と同一の要素には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0108】
このような構成を備えた装置を用いて、印刷物の真偽判別を行う手順について図25のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
ステップS40として、搬送されてきた印刷物の紙面上に印刷された微小記号文字群を、読み取り部18が走査して画像情報を取得する。
【0110】
ステップS42において、取得した画像情報に含まれる各記号/文字の数学的構造を、解析部21aが解析する。
【0111】
この数学的構造の解析は、具体的には次のようにして行う。例えば図26に示されたように、それぞれ200×200の画素数を有する升目200、300が存在した場合を考える。升目200に存在する200×200の各画素において、黒く塗りつぶされた画素が連続的に囲むことにより形成されている穴の数を求めると、1つである。升目300に存在する各画素において、黒く塗りつぶされた画素が連続的に囲んでいる穴の数を求めると、2つである。このようにして、各升目毎に塗りつぶされた(あるいは白抜きとなっている)画素が連続的に囲んでいる穴の数の計数を行うことで、数学的構造を解析することができる。
【0112】
ステップS44として、例えば2種類の数学的構造を有する記号/文字が存在する場合、画像処理部21bが一方の数学的構造を有する記号/文字を削除する。
【0113】
ステップS46として、画像処理部21bが他方の数学的構造を有する記号/文字に対してクロージング処理を行う。
【0114】
ステップS48において、クロージング処理を行った画像情報から、画像処理部21bが図形情報を抽出する。
【0115】
ステップS50として、抽出された図形情報が真正な図形情報と同一であるか否か、判定部21cが判定する。
【0116】
そして、両者が同一である場合ステップS52へ移行して当該印刷物は真正な物であると判定し、同一でない場合はステップS54へ移行して当該印刷物は偽造物であると判定する。
【0117】
このような本実施の形態に従い、印刷物に印刷された微小記号文字の数学的構造の解析に基づく図形情報を読み取ることで、真正な印刷物と偽造されたものとを容易に判別することができる。
【0118】
上述した実施の形態は一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、上記実施の形態では「日本」という微小文字を配置しているが、「○、△、×、☆、◎、〒」等の各種記号に対しても本発明を同様に適用することができる。
【0119】
また、図1に示された微小記号文字3では、「日本」という文字を所定数規則的に繰り返し並べた文字列として配置している。このように配置することで、数学的構造の異なる文字が隣接して配置されるため、数学的構造の特定を煩雑なものとし、より偽造或いは複製用の版の作成を困難なものとすることができる。しかし、本発明はこのように文字を繰り返し配置することには限定されず、異なる数学的構造を有する記号/文字を配置したもので有れば、その配置は自由に設定することができる。
【0120】
また、これら微小記号文字の大きさは、肉眼で文字として可読しにくい程度の大きさ、あるいは極めて小さく肉眼では可読が困難な程度の大きさであってもよい。具体的には、例えば文字角が約0.4mmより小さい文字であれば肉眼ではほぼ不可読となり、1mmより大きい文字であればほぼ肉眼で可読可能となる。このことから、1mm以下で0.4mm以上の記号/文字が、肉眼では記号/文字として可読しにくい程度の大きさとなる。
【0121】
このような、微小記号文字の大きさを肉眼では文字として可読しにくい程度の大きさ、或いは可読が極めて困難な大きさとすることで、微小記号文字が印刷されていることが偽造者等に認知され難くなるので、偽造防止効果を高めることができる。しかし、本発明はこのような大きさに限定されるものではなく、これより小、あるいはより大きい微小記号文字を用いてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では図1に示されたように、「日本」という微小文字3を縦横方向に直線的に配置させている。しかし、本発明はこのような配置に限定されるものではなく曲線的に配置してもよい。
【0123】
微小記号文字の書体には制約はなく、一般に用いられている明朝体、ゴシック体、行書体、楷書体等の他、一般的に使用されていない独自の書体を用いてもよい。
【0124】
独自書体による微小記号文字を用いた場合には、偽造や複製における版作成をより一層困難なものにすることができ、高い偽造防止効果が得られる点で好ましい。しかし、本発明はこれに限定されるものでなく、数学的構造が少なくとも2つ異なる微小記号文字を配置したものであればよく、独自書体を用いなくともよい。
【0125】
また書体に関し、数学的構造は同一であるが、書体が異なる微小記号文字を配置することにより、偽造者が数学的構造を認識し難いだけでなく、書体が異なる点に対しても気付難くくすることができるので、偽造防止の観点から好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく例えば書体が全て同一であってもよい。
【0126】
複数の書体を用いる場合、異なる書体による微小記号文字をランダムに配置することで、書体の特定作業をより困難なものにすることができる。よって、より一層、複製や偽造における版自体の作成を困難なものにすることができるので、高い偽造防止効果を得ることができる。しかし、本発明はこれに限定されず、複数の書体から成る微小記号文字を所定の規則性を有するように配置してもよい。
【0127】
微小記号文字群に潜在的に存在させる図形情報は、印刷物として必要な情報以外に、例えば発行会社のロゴ等の記号としてもよく、適宜選択することができる。また潜在的なこの図形情報は、文字、数字、あるいは文字や数字以外の図形や絵等でもよい。
【0128】
【発明の効果】
本発明の微小記号文字群が印刷された印刷物は、少なくとも2種類の数学的構造を有する微小記号文字が配置されており、これらの数学的構造の相違を認識することが第三者には困難であるので、版自体を作成する複製あるいは偽造を有効に防止することができる。
【0129】
また本発明の印刷物に微小記号文字を配置する方法及びその装置によれば、このような微小記号文字の配置を容易に行うことができる。
【0130】
さらに、本発明の微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法及びその装置によれば、本発明による真正な印刷物と複製あるいは偽造された印刷物とを容易かつ確実に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による印刷物として、商品券に本発明を適用した場合の構成例を示す平面図。
【図2】異なる数学的構造を有する文字を配置した微小記号文字群を走査して取り込んだグレースケール画像を示す説明図。
【図3】図2に示された画像に2値画像化処理を行って得られた画像を示す説明図。
【図4】図3に示された画像から一方の数学的構造を有する文字を除去して得られた画像を示す説明図。
【図5】図4に示された画像にクロージング処理を施して得られた画像を示す説明図。
【図6】基本書体を有する「日本」という漢字の一例を示す説明図。
【図7】図6に示された漢字に対し、数学的構造が異なるように変形した例を示す説明図。
【図8】図6に示された漢字に対し、さらに数学的構造が異なるように変形した例を示す説明図。
【図9】図6に示された漢字に対し、穴数が0の数学的構造が得られるように変形した例を示す説明図。
【図10】図6に示された漢字に対し、穴数が1の数学的構造が得られるように変形した例を示す説明図。
【図11】図6に示された漢字に対し、穴数が2の数学的構造が得られるように変形した例を示す説明図。
【図12】2種類の数学的構造を有する文字を配置した微小記号文字群を走査して取り込んだグレースケール画像を示す説明図。
【図13】図12に示された画像に2値画像化処理を行って得られた画像を示す説明図。
【図14】図13に示された画像から一方の数学的構造を有する文字を除去して得られた画像を示す説明図。
【図15】図14に示された画像にクロージング処理を施して得られた図形情報を含む画像を示す説明図。
【図16】2種類の数学的構造を有する文字を配置した微小記号文字群を走査して取り込んだグレースケール画像を示す説明図。
【図17】図16に示された画像に2値画像化処理を行って得られた画像を示す説明図。
【図18】図17に示された画像から一方の数学的構造を有する文字を除去して得られた画像を示す説明図。
【図19】図18に示された画像にクロージング処理を施して得られた図形情報を含む画像を示す説明図。
【図20】本発明の実施の形態による印刷物において、文字情報と図形情報とが重畳されていることを示す説明図。
【図21】本発明の実施の形態による印刷物の基本的な構成を示す説明図。
【図22】本発明の実施の形態による印刷物に微小記号文字を配置する装置の構成を示すブロック図。
【図23】本発明の実施の形態による印刷物に微小記号文字を配置する方法における処理の手順を示すフローチャート。
【図24】本発明の実施の形態による微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う装置の構成を示すブロック図。
【図25】本発明の実施の形態による微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別法における処理の手順を示すフローチャート。
【図26】同真偽判別法において数学的構造を解析するときの処理の内容を示す説明図。
【符号の説明】
1、5 基本文字
2 デザイン文字
3 微小文字
4 OCR文字
6 MICR文字
7 無色蛍光文字
11 演算部
11a 解析部
11b 画像処理部
12 記憶部
13 通信IF
14 入力部
15 印刷部
16 表示部
17 搬送部
18 読み取り部
21 演算部
21a 解析部
21b 画像処理部
21c 判定部
22 記憶部
100 印刷物
101 (微小記号文字群が配置された)領域
102 (第1の数学的構造を有する微小記号文字群が配置された)領域
103 (第2の数学的構造を有する微小記号文字群が配置された)領域

Claims (10)

  1. 複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物であって、
    前記微小記号文字群は、図形画像領域及び背景領域を有し、
    前記図形画像領域及び背景領域の一方が、穴を一つも有しない開図形の構造から成る微小記号文字群を有し、
    他方が、穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造から成る微小記号文字群を有し、
    前記図形画像領域が、バーコード又は二次元コードを形成することを特徴とする微小記号文字群が印刷された印刷物。
  2. 前記開図形の構造を有する微小記号文字と、前記閉図形の構造を有する微小記号文字とは、同一の書体を有することを特徴とする請求項1記載の微小記号文字群が印刷された印刷物。
  3. 前記微小記号文字は、文字角の大きさが0.4mm以上で1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の微小記号文字群が印刷された印刷物。
  4. 印刷物に微小記号文字を配置する方法であって、
    入力部が、少なくとも一つの微小記号文字を入力し、
    解析部が、入力された前記微小記号文字に穴を一つも有しない開図形又は穴を少なくとも一つ有する閉図形であるかの構造を解析し、
    画像処理部が、前記微小記号文字を変形し、
    少なくとも2種類の前記開図形又は前記閉図形を有する微小記号文字を生成し、
    前記入力部が、図形を入力し、
    前記画像処理部が、入力された前記図形が占める領域又は背景画像の領域の一方に穴を一つも有しない開図形から成る微小記号文字群を配置、他方に、穴を少なくとも一つ有する閉図形から成る微小記号文字群を配置することを特徴とする印刷物に微小記号文字を配置する方法。
  5. 印刷物に微小記号文字を配置する方法であって、
    記憶部が、穴を一つも有しない開図形の構造又は、穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造を有する微小記号文字を格納し、
    入力部が、少なくとも一つの微小記号文字を入力し、
    演算部が、入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されているか否かを判断し、
    格納されている場合に前記記憶部から前記微小記号文字を読み出し、
    前記入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されていない場合に、解析部が、前記入力された前記微小記号文字に穴を一つも有しない開図形の構造又は穴を少なくとも一つ有する閉図形であるかの構造を解析し、
    画像処理部が、前記微小記号文字を変形し、
    少なくとも2種類の穴を一つも有しない開図形又は、穴を少なくとも一つ有する閉図形を有する微小記号文字を生成し、
    前記入力部が、図形を入力し、
    前記画像処理部が、入力された前記図形が占める領域のうち、背景画像の領域に、前記記憶部から読み出された、あるいは前記画像処理部により生成された少なくとも2種類の穴を一つも有しない開図形の構造又は、穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造を有する微小記号文字のうち、一方の前記構造を有する前記微小記号文字を配置し、
    図形画像の領域に他方の構造を有する前記微小記号文字を配置することを特徴とする、印刷物に微小記号文字を配置する方法。
  6. 印刷物に微小記号文字を配置する装置であって、
    少なくとも2種類の穴を一つも有しない開図形の構造又は、穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造を有する微小記号文字を与えられて格納する記憶部と、
    少なくとも一つの微小記号文字及び図形を入力する入力部と、
    入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されているか否かを判断し、格納されている場合に前記記憶部から前記微小記号文字を読み出す演算部と、
    入力された前記微小記号文字が前記記憶部に格納されていない場合に、入力された前記微小記号文字が、穴を一つも有しない開図形の構造又は穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造であるかを解析する解析部と、
    前記構造を解析された前記微小記号文字を変形して少なくとも2種類の前記構造を有する微小記号文字を生成し、入力された前記図形画像が占める領域のうち、背景画像の領域に、前記記憶部から読み出された、あるいは生成された少なくとも2種類の前記構造を有する微小記号文字のうち、一方の前記構造を有する微小記号文字を配置し、図形画像の領域に他方の前記構造を有する前記微小記号文字を配置する画像処理部と、
    を備えることを特徴とする印刷物に微小記号文字を配置する装置。
  7. 複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う方法であって、
    読み取り部により、前記印刷物を走査して前記微小記号文字群の画像情報を取得し、
    解析部により、前記画像情報に含まれる各々の前記微小記号文字が、穴を一つも有しない開図形の構造又は穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造であるかを解析し、
    画像処理部により、真正な印刷物に含まれる少なくとも2種類の前記構造のうち、一方の前記構造を有する前記微小記号文字を削除し、他方の前記構造を有する微小記号文字を残し、
    前記画像処理部により、前記他方の構造を有する微小記号文字により表された図形画像領域を抽出し、
    判定部により、抽出された前記図形画像領域と、真正な印刷物に含まれる図形画像領域とを比較し、
    前記印刷物が真正か否かを判定することを特徴とする印刷物の真偽判別を行う方法。
  8. 前記画像処理部により前記図形画像領域の抽出は、前記他方の構造を有する微小記号文字にクロージング処理を施し、
    前記クロージング処理後に存在する前記図形を抽出することを特徴とする請求項7記載の印刷物の真偽判別を行う方法。
  9. 複数の微小記号文字を含む微小記号文字群が印刷された印刷物の真偽判別を行う装置であって、
    前記印刷物を走査し、前記微小記号文字群の画像情報を取得する読み取り部と、前記画像情報を用いて各々の前記微小記号文字が穴を一つも有しない開図形の構造又は穴を少なくとも一つ有する閉図形の構造であるかを解析する解析部と、
    真正な印刷物に含まれる少なくとも2種類の前記構造のうち、一方の前記構造を有する前記微小記号文字を削除し、他方の前記構造を有する前記微小記号文字を残し、前記他方の前記構造を有する微小記号文字により表される図形画像領域を抽出する画像処理部と、
    抽出された前記図形画像領域と、
    真正な図形画像領域とを比較し、前記印刷物が真正か否かを判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする印刷物の真偽判別装置。
  10. 前記画像処理部は、前記開図形の構造又は、前記閉図形の構造を有する前記微小記号文字にクロージング処理を施し、クロージング処理後に存在する図形を抽出することを特徴とする請求項9記載の印刷物の真偽判別装置。
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