JP3968411B2 - Lactic acid complex and method for producing the same - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人を含む動物の骨や歯の置換材、接合材、修復材等の生体材料、薬剤徐放性基材、医療機器用材料として有用な、成形加工性に優れ、骨誘導能ないしは骨伝導能を有する乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体とリン酸カルシウム系化合物から成る乳酸系複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
外傷や癌などによって骨などの生体が欠損した場合の修復に利用される骨伝導能(骨組織をセラミックスのある部位に入りこませる能力)や生体親和性を有する材料としては、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、チタン、アルミナ、ジルコニア等が知られている。なかでも、骨はヒドロキシアパタイトとコラーゲンからできていることから、人工骨等に使用する場合には、安全性の点でヒドロキシアパタイトやそれに近い組成を有するリン酸三カルシウムが優れ、また、骨誘導能(骨組織のない部位に骨組織を誘導し吸収されて、徐々に骨に置き換わる能力)を有する材料としては、リン酸三カルシウムのみと考えられている。
【0003】
リン酸カルシウム系化合物の焼結体の生体材料としての使用については、セラミックス,10巻,7号,469〜478頁,1975年に記載されているものをはじめ多数の報文があるが、脆く、成形加工性に乏しい欠点がある。
リン酸カルシウム系化合物に水、乳酸などの硬化剤やポリマーを混合し、これを骨欠損部に充填・固化させるリン酸カルシウム系化合物のセメントについては、特開昭61−17409号公報など、多数の特許・報文があるが、強度が低いため、強度が要求される部位に使用することはできなかった。
【0004】
ポリ乳酸とヒドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムなどとの溶融状態での複合化に関しては、特開昭63−89166号公報に開示されており、また、乳酸及び/又はグリコール酸のオリゴマーとリン酸カルシウムとの複合体に関しては特公平4−500013号公報に開示されている。
しかしながら、ポリ乳酸とヒドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムなどとの溶融状態での複合化に関しては、ポリ乳酸は概して熱安定性に劣るため、溶融時に大幅な分子量低下を起こし、得られた複合体は弾性率が低く、曲げ強度などの機械的物性に劣り、また残留ラクタイドが多く、ロット振れもあるため生体内では分解速度が早すぎ、しかも安定した分解性が得られず、応用面でかなりの制約を受ける。
【0005】
また、乳酸及び/又はグリコール酸のオリゴマーとリン酸カルシウム系化合物との複合体では、分子量が200〜10,000程度と低いため、その複合体は機械的強度が低く、弾性率も不十分で、実用性に欠ける。
特開平4−279520号公報には、薬剤と、乳酸やグリコール酸などのポリマーまたはこれらの共重合体を圧縮成形もしくは溶融後成形して得られる薬剤徐放製剤や、或いは、その薬剤徐放製剤を顆粒状に粉砕後、ヒドロキシアパタイトやβ−リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム系化合物の紛状或いは粒状物を混合し、その後、圧縮成形して得られる薬剤徐放製剤が開示されている。
【0006】
また特開平6−298639号公報には、薬剤と、乳酸、グリコール酸やラクトンなどのポリマーまたはこれらの共重合体と、ヒドロキシアパタイトやβ−リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム系化合物との複合体について、薬剤量を変えたものを層状構造に成形した球状の薬剤徐放製剤、或いは、その薬剤徐放製剤を予め発泡剤などで発泡化させたものについて開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの特許に開示されているポリ乳酸或いはその共重合体と、リン酸カルシウム系化合物との複合体による薬剤徐放製剤は、製造方法が煩雑で、生産性に劣り、また、ポリ乳酸に由来する残留ラクタイドが多く含有されているため、開環し乳酸の鎖状二量体や乳酸などになり、それがポリ乳酸やその共重合体などを分解させるため、分解速度が早く、保存安定性や熱安定性に劣り、強度的にも低い問題を抱えている。しかも、残留ラクタイドが多く、そのロット振れが大きい為に、その生体内での分解性にバラツキがあり、再現性に乏しい欠点を有している。
【0008】
また、上記のリン酸カルシウム系化合物を使用したときには、概して粒子径が大きいため、脆く、強度も低く、また骨の誘導能に乏しく、生体骨への置換は不十分で、しかも、使用中の強度低下や形状不適なども起こり、その不具合から再手術を必要とされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、生体活性のあるリン酸カルシウム系化合物の欠点である、脆さ、強度、弾性率、成形加工性などが改善され、保存安定性、熱安定性に優れ、しかも、骨誘導能、骨伝導能を有し、薬剤徐放性を持つ乳酸系複合体、及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、リン酸カルシウム系化合物を、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類などで重合触媒を失活処理した、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体と複合化することにより、該重合体の柔軟性及びリン酸カルシウム系化合物との混ざり易さを活かして、リン酸カルシウム系化合物の脆さ、強度、弾性率を改善し、しかも、生産性、再現性、保存安定性、混練・成形加工時の熱安定性の優れ、骨誘導能ないしは骨伝導能を有し、薬剤徐放性を持つ複合体を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)と、リン酸カルシウム系化合物(B)とを、その重量比(A)/(B)が99/1部〜1/99部となる範囲で含み、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、ポリ乳酸との重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部であることを特徴とする乳酸系複合体である。
【0012】
さらに、本発明は、リン酸カルシウム系化合物(B)が、平均粒子径0.1μm〜300μmのリン酸カルシウム系化合物であることを特徴とする乳酸系複合体や、さらに、リン酸カルシウム系化合物(B)がリン酸三カルシウムであることを特徴とする乳酸系複合体を含む。また、本発明は、上記の乳酸系複合体から成る生体材料、薬剤徐放性基材或いは医療機器用材料に関するものである。
【0013】
また、本発明は、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)と、リン酸カルシウム系化合物(B)とを、ポリ乳酸(A)の融点以上の温度で、(A)/(B)の重量比が99/1部〜1/99部となる範囲で、混練し、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、ポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜5重量部とする乳酸系複合体の製造方法や、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)に、該ポリ乳酸(A)の融点以上の温度で、リン酸カルシウム系化合物(B)と、薬剤(C)とを混練し、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、ポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜5重量部とすることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法である。
【0014】
さらに、本発明は、重合触媒の失活処理に、特にキレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法や、リン酸カルシウム系化合物(B)が、平均粒子径0.1μm〜300μmのリン酸カルシウム系化合物であることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法や、リン酸カルシウム系化合物(B)が特にリン酸三カルシウムであることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法を含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明に用いられる乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)は、重合の際に用いられる重合触媒が、失活剤によって失活処理されていることを特徴とするものである。重合触媒の失活処理は、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体の成形加工での重合触媒による重合体の分解やラクタイドの生成を抑制し、熱安定性を大幅に向上させる。
【0016】
特に、本発明に用いられる乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)として、重合触媒の失活処理後、残留揮発成分、とりわけ残留ラクタイドが脱揮、除去されたものは、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的特性、成形加工時の熱安定性などがさらに向上される。
【0017】
重合触媒の失活処理には種々の方法があるが、特にキレート剤や酸性リン酸エステル類による失活処理が効果的である。その失活処理は、キレート剤や酸性リン酸エステル類を重合体の重合末期や終了後に添加或いは接触させることにより、該重合体中に含有される重合触媒の金属イオンと錯体を形成し、触媒活性を失わせるものである。
【0018】
また、本発明に用いられる重合体(A)としては、ポリ乳酸の他、乳酸と、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分、例えば、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸などから選ばれた一種以上の共重合成分との共重合体が挙げられる。
【0019】
次に、本発明の重合触媒を失活処理した、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)、特にキレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類で失活処理した重合体(A)の製造方法について説明する。
重合触媒の失活処理されたポリ乳酸の製造方法としては、Polymer,20巻,1459頁(1979年)に見られるように、乳酸の環状二量体のラクタイドを開環重合触媒の存在下で開環重合した後、或いは特開平6−172502号公報に開示されているように、溶剤の共存下で、乳酸を直接脱水縮重合した後、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を反応させ、その後、残留揮発成分、とりわけ残留ラクタイドを除去して製造される。
【0020】
また、重合触媒の失活処理された、乳酸成分と乳酸成分以外のヒドロキシカルボン酸成分とのコポリマーの製造方法としては、例えば、環状エステルとしてはグリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状エステルから選ばれた一種以上の共重合成分と、ラクタイドとを開環重合触媒の存在下で共重合やエステル交換反応させた後、或いは特開平7−172425号公報に開示されているように乳酸と、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、
【0021】
4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸成分から選ばれた一種以上の共重合成分とを触媒や溶剤の共存在下で、縮重合させた後、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を反応させ、その後、残留揮発成分、とりわけ残留ラクタイドを除去して製造される。
【0022】
さらに、ラクタイドを原料として得られたポリ乳酸や、乳酸を溶剤の共存或いは非存在下に縮重合して得られたポリ乳酸と、上記のラクタイド以外の環状エステルや乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分から成るポリエステルとをエステル交換触媒の共存下でエステル交換させた後、キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を反応させ、その後、残留揮発成分、とりわけ残留ラクタイドを除去して製造される。或いはキレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類で処理したポリ乳酸と、上記のラクタイド以外の環状エステルや乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分から成るポリエステルとをエステル交換触媒の共存下でエステル交換させ、その後、残留揮発成分、とりわけ残留ラクタイドを除去して製造される。
【0023】
次に、本発明の重合体(A)の製造時に使用される乳酸成分、乳酸成分との共重合成分、キレート剤、酸性リン酸エステル類などについて説明する。本発明に用いる乳酸成分としては、乳酸及び乳酸の脱水環状二量体のラクタイドが挙げられる。乳酸は、光学異性体を有するモノマーで、L−乳酸、D−乳酸が存在する。また、ラクタイドにはL−ラクタイド、D−ラクタイド、MESO−ラクタイドの異性体がある。そのため、乳酸系ポリエステルはこれら二種の乳酸或いは三種のラクタイドを組み合わせることによって好ましいポリマー特性を実現できる。
【0024】
特に、本発明の重合体(A)では、高い耐熱性を実現するためには、乳酸として、光学活性は高い方が好ましい。具体的には乳酸として、総乳酸中、L体或いはD体が70重量%以上含まれることが好ましい。更に優れた耐熱性を得るためには、乳酸としてL体或いはD体が85重量%以上含まれることが好ましい。また、ラクタイドについてもL−ラクタイド或いはD−ラクタイドを総ラクタイド中、70重量%以上含むことが好ましい。更に優れた耐熱性を得るためには、L−ラクタイド或いはD−ラクタイドの含量は、総ラクタイド中、85重量%以上である。商業的にはL−乳酸の方が発酵合成により安価で高純度のものが得られるため、乳酸系ポリエステルの乳酸としてはL−乳酸を、ラクタイドとしてはL−ラクタイドを使用することが有利である。
【0025】
本発明の重合体(A)の製造時に使用される共重合成分として、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸などが挙げられる。
【0026】
本発明には、ラクタイド以外の環状エステルとして、グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトンなど、また、その他に酢酸ビニル、エチレンとポリビニルアルコールとの共重合体なども用いることができる。乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分、ラクタイド以外の環状エステルなどは、乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体100重量部に対して1〜80重量部、好ましくは1〜40重量部を加えることが好ましい。これらの共重合成分は、本発明の重合体(A)の柔軟性や加工性を向上させると共に、本発明の乳酸系複合体の脆さや加工性も改善させ、リン酸カルシウム系化合物をより高い比率で複合化できる。
【0027】
また本発明の重合触媒を失活させるために用いるキレート剤には、有機系キレート剤と無機系キレート剤がある。有機系キレート剤は、吸湿性が少なく、熱安定性に優れる。本発明に使用できる有機系キレート剤は、特に、限定されないが、アミノ酸、フェノール類、ヒドロキシカルボン酸、ジケトン類、アミン類、オキシム、フェナントロリン類、ピリジン化合物、ジチオ化合物、配位原子としてN含有フェノール、配位原子としてN含有カルボン酸、ジアゾ化合物、チオール類、ポルフィリン類などが挙げられる。
【0028】
具体的には、アミノ酸としてはグリシン、ロイシン、アラニン、セリン、α−アミノ酪酸、アセチルアミノ酢酸、グリシルグリシン、グルタミン酸など、フェノール類としてはアリザリン、t−ブチルカテコール、4−イソプロピルトロポロン、クロモトロープ酸、タイロン、オキシン、没食子酸プロピルなど、ヒドロキシカルボン酸としては酒石酸、蓚酸、クエン酸、クエン酸モノオクチル、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジパラトルオイル−D−酒石酸などが挙げられる。
【0029】
ジケトン類としてはアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、テノイルトリフルオロアセトン、トリフルオルアセチルアセトンなど、アミン類としてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、チオジエチルアミン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど、オキシムとしてはジメチルグリオキシム、α,α−フリルジオキシム、サリチルアルドキシムなどが挙げられる。
【0030】
フェナントロリン類としてはネオクプロイン、1,10−フェナントロリンなど、ピリジン化合物としては2,2−ビピリジン、2,2’,2”−テルピリジルなど、ジチオ化合物としてはキサントゲン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、トルエン−3,4−ジチオールなど、配位原子N含有フェノールとしてはο−アミノフェノール、オキシン、ニトロソR塩、2−ニトロソ−5−ジメチルアミノフェノール、1−ニトロソ−2−ナフトール、8−セレノキノリンなどが挙げられる。
【0031】
配位原子N含有カルボン酸としてはキナルジン酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、trans−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、アニリン二酢酸、2−スルホアニリン二酢酸、3−スルホアニリン二酢酸、4−スルホアニリン二酢酸、2−アミノ安息香酸−N,N−二酢酸、3−アミノ安息香酸−N,N−二酢酸、4−アミノ安息香酸−N,N−二酢酸、メチルアミン二酢酸、β−アラニン−N,N−二酢酸、
【0032】
β−アミノエチルスルホン酸−N,N−二酢酸、β−アミノエチルホスホン酸−N,N−二酢酸など、ジアゾ化合物としてはジフェニルカルバゾン、マグネソン、ジチゾン、エリオクロムブラックT、4−(2−チアゾリルアゾ)レゾルシン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトールなど、チオール類としてはチオオキシン、チオナリド、1,1,1−トリフルオロ−4−(2−チエニル)−4−メルカプト−3−ブテン−2−オン、3−メルカプト−p−クレゾールなど、
【0033】
ポルフィリン類としてはテトラフェニルポルフィン、テトラキス(4−N−メチルピリジル)ポルフィンなど、その他としてクペロン、ムレキシド、ポリエチレンイミン、ポリメチルアクリロイルアセトン、ポリアクリル酸など及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0034】
なかでも、効率よく乳酸系ポリエステル中に含まれる触媒の金属イオンと配位結合し、ポリマー末端の切断を抑制する有機系キレート剤としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンペンタミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、trans−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などの配位原子N含有カルボン酸、酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジパラトルオイル−D−酒石酸、クエン酸、クエン酸モノオクチルなどのヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
【0035】
特に、上記の配位原子N含有カルボン酸は熱安定性や貯蔵安定性に優れ、ヒドロキシカルボン酸は着色が少ない特徴を有している。無機系キレート剤は、吸湿性が高く、吸湿すると、効果がなくなるため、取り扱いに注意を要する。具体的には、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン酸類を挙げることができる。
【0036】
また、本発明で使用される酸性リン酸エステル類は、乳酸系ポリエステル中に含有される触媒の金属イオンと錯体を形成し、触媒活性を失わせ、ポリマー鎖の切断を抑制する効果を示す。酸性リン酸エステル類としては、酸性リン酸エステル、ホスホン酸エステル、アルキルホスホン酸など及びその混合物を指すもので、次にその一般式を示す。
【0037】
【化1】

Figure 0003968411
【0038】
(式中、R1はアルキル基又はアルコキシル基、R2はアルキル基又はアルコキシル基又はヒドロキシル基を示す。)
【0039】
具体的には、酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノペンチル、リン酸ジペンチル、リン酸モノヘキシル、リン酸ジヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、リン酸モノデシル、リン酸ジデシル、リン酸モノイソデシル、リン酸ジイソデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸ジドデシル、リン酸モノテトラデシル、リン酸ジテトラデシル、リン酸モノヘキサデシル、
【0040】
リン酸ジヘキサデシル、リン酸モノオクタデシル、リン酸ジオクタデシル、リン酸モノフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノベンジル、リン酸ジベンジルなど、ホスホン酸エステルとしては、ホスホン酸モノメチル、ホスホン酸モノエチル、ホスホン酸モノプロピル、ホスホン酸モノイソプロピル、ホスホン酸モノブチル、ホスホン酸モノペンチル、ホスホン酸モノヘキシル、ホスホン酸モノオクチル、ホスホン酸モノエチルヘキシル、ホスホン酸モノデシル、ホスホン酸モノイソデシル、ホスホン酸モノウンデシル、ホスホン酸モノドデシル、ホスホン酸モノテトラデシル、ホスホン酸モノヘキサデシル、ホスホン酸モノオクタデシル、ホスホン酸モノフェニル、ホスホン酸モノベンジルなど、
【0041】
アルキルホスホン酸としては、モノメチルホスホン酸、ジメチルホスホン酸、モノエチルホスホン酸、ジエチルホスホン酸、モノプロピルホスホン酸、ジプロピルホスホン酸、モノイソプロピルホスホン酸、ジイソプロピルホスホン酸、モノブチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸、モノペンチルホスホン酸、ジペンチルホスホン酸、モノヘキシルホスホン酸、ジヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、モノエチルヘキシルホスホン酸、ジエチルヘキシルホスホン酸、モノデシルホスホン酸、ジデシルホスホン酸、モノイソデシルホスホン酸、ジイソデシルホスホン酸、モノウンデシルホスホン酸、ジウンデシルホスホン酸、モノドデシルホスホン酸、ジドデシルホスホン酸、
【0042】
モノテトラデシルホスホン酸、ジテトラデシルホスホン酸、モノヘキサデシルホスホン酸、ジヘキサデシルホスホン酸、モノオクタデシルホスホン酸、ジオクタデシルホスホン酸などや、モノフェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸、モノベンジルホスホン酸、ジベンジルホスホン酸など、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0043】
酸性リン酸エステル類成分は有機溶剤との溶解性がよいため作業性に優れ、乳酸系ポリエステルとの反応性に優れる。なかでも酸性リン酸エステルは触媒の失活に大きな効果を示す。更に、重合触媒の失活処理に用いるキレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、その種類、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体中に含まれる触媒の種類、量によって異なるが、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部を添加することが好ましい。いずれのキレート剤、酸性リン酸エステル類もポリマー鎖の切断を最小に抑えることができ、また、有機系キレート剤、無機系キレート剤、酸性リン酸エステル類を混合して使用しても差し支えない。
【0044】
しかしキレート剤や酸性リン酸エステル類を過剰に添加すると、保存中に重合体(A)のポリヒドロキシカルボン酸鎖が切断され、低分子量化、低粘度化して、本発明の性能が得られないことがあるため、上述の適正量を添加する必要がある。
【0045】
本発明の乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)の製造時に使用される重合触媒としては、公知慣用の開環重合触媒、エステル化触媒、エステル交換触媒などの重合触媒であり、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、コバルトなどの金属及びその化合物が挙げられ、金属化合物については、特に、金属有機化合物、炭酸塩、ハロゲン化物が好ましい。
【0046】
具体的にはオクタン酸錫、塩化錫、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、ジアセトアセトキシオキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムなどが適している。その添加量は反応成分100重量部に対して0.001〜2重量部が好ましい。反応速度、着色などから、その添加量は、0.002重量部〜0.5重量部が更に好ましい。
【0047】
本発明に用いる乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)を製造するときの反応温度は、乳酸成分、共重合成分などの種類、量、組合せなどにより異なるが、通常125℃〜250℃、好ましくは140℃〜230℃、更に好ましくは150℃〜200℃である。
【0048】
また、重合工程での粘度を下げ、攪拌効率を高め、良好な品質を得るため、溶剤を使用することができる。使用できる溶剤としては、特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサノン、イソプロピルエーテル、ジフェニールエーテルなどが好ましい。その添加量は製造方法、製造条件、反応成分の種類、組成などにより異なるが、反応成分100重量部に対して通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下が工業上好ましい。
【0049】
重合体の分解、着色を抑制するため、反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で、外部大気と触れることなく、しかも使用原料は反応前に水分を除去し、乾燥させておくことが好ましい。このようにして得られた乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)は、ある程度高い分子量であることが好ましく、具体的に重量平均分子量で3万〜40万であり、更に好ましくは5万〜35万である。その値は要求される本発明の乳酸系複合体の強度、生体内での分解速度、リン酸カルシウム系化合物との混練性などによって異なる。3万未満では機械的強度が不十分であり、40万を越えると成形加工上、生産効率上問題があり好ましくない。
【0050】
本発明の乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)は、通常の反応装置を使用して製造できる。スタティックミキサーをはじめ、連続攪拌槽式反応機、いわゆるCSTRによる連続重合、CSTRとスタティックミキサーとの組合せによる連続重合、二軸押出機などによる連続反応も有効である。これらの反応も外部の大気に全く触れることなく、原料仕込みから、反応、ポリマー化まで行うことができる。
【0051】
得られた乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)中の未反応成分、溶剤、臭気成分などの揮発成分は、脱揮槽、フィルムエバポレーター、ベント付押出機などの反応工程後に取付けられた脱揮装置を用いて除去するとか、良溶剤に溶解後、貧溶剤中に析出させることによって除去するとか、アルコール、ケトン、炭化水素などの溶剤を用いて、溶解させずに、浸漬或いは分散後抽出させて除去することが、乳酸系複合体の成形加工性、耐熱性、貯蔵安定性などを向上させることから好ましい。
【0052】
これらの脱揮方法により、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)酸中の未反応成分、溶剤、臭気成分などの揮発成分を大幅に低減できる。重合体(A)中に通常2〜6重量%程度残留しているラクタイドを1.0重量%以下に、必要に応じて0.5重量%以下にすることができる。
【0053】
次に本発明に使用されるリン酸カルシウム系化合物(B)について説明する。
本発明のリン酸カルシウム系化合物とは、リン酸に由来する部分とカルシウム原子の合計が50重量%以上含まれるものを言い、具体的にはリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、マグネシウム含有アパタイト、フッ素アパタイト等がある。とりわけ、骨への置換性、成形加工性、機械的強度などからリン酸三カルシウムが好ましい。また、その結晶構造は如何なるものでもよく、非晶質であってもよい。
【0054】
本発明に用いる粉体のリン酸カルシウム系化合物は、特に、平均粒子径が0.1μm〜300μmのものが好ましく、球体におさまる大きさのリン酸カルシウム系化合物の塊の集合体をさし、塊の形状は特に制限されないが、具体的には球状、多孔質、無定形でもよく、微粉末から顆粒までを含み、粒度分布は如何なるものでもよい。また本発明に用いるヒドロキシアパタイトの製法は特に特定されないが、具体的には乾式法、水熱法、湿式法、アルコキシド法があり、熱処理を行ってもよい。またリン酸三カルシウムの製法も特に特定されないが、具体的には乾式法、水熱法、湿式法があり、熱処理を行ってもよい。
【0055】
本発明の乳酸系複合体の、好ましい乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)対リン酸カルシウム系化合物の重量比は、99/1〜1/99である。リン酸カルシウム系化合物に対する乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)の量が多くなると弾性率が低下する傾向があり、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)の量が少なくなると混練がし難くくなり、得られる乳酸系複合体が脆くなる傾向がある。
【0056】
適切な乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)対リン酸カルシウム系化合物の重量比は、それぞれの用途により必要とされる強度、弾性率、生体中での吸収速度、骨の再生速度といった性能が異なり、一概に特定できないが、通常は95/5〜5/95が好ましい。
【0057】
本発明の製造方法は、特に制限はないが、具体的には、溶剤に乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)を溶かした溶液にリン酸カルシウム系化合物を分散させた液を添加・混合して溶剤を揮発・除去する方法や、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)を溶融させた状態で混練する方法がある。溶融・混練する方法は溶剤を使用する方法に比べて一般的に生産性が高く、且つ溶剤残留の心配がないという利点がある。
【0058】
次に、本発明の乳酸系複合体の製造装置について説明する。その製造装置としては、特に、限定されないが、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)とリン酸カルシウム系化合物(B)などの混練には、押出機、リアクター、ニーダー、ロールやそれらの組合せなどを使用することができる。
【0059】
押出機としては、単軸押出機或いは二軸押出機を使用できるが、混練状態から二軸押出機が好ましい。更に、混練後、引き続いて残留揮発成分などを減圧下で除去するためにはベント口が付いているものが好ましい。リアクターとしては、通常の反応釜を使用できるが、混練物質は粘度が高く、攪拌剪断応力により生ずる攪拌熱による分子量低下や着色などから、剪断応力が小さく、しかも均一に混合できるスタテック・ミキサーの使用が好ましい。
【0060】
具体的な混練条件としては、温度を重合体(A)の融点以上とし、130〜250℃、好ましくは150〜200℃で混練する。また、乳酸又は乳酸とヒドロキシカルボン酸との重合体(A)とリン酸三カルシウム系化合物との複合体中の残留揮発成分、とりわけ、残留ラクタイドを除去するため混練しながら、或いは混練後、減圧度0.01〜50torrで行うことが好ましい。さらに混練機内は、不活性ガス雰囲気下で大気に触れることなく混練することが好ましい。
【0061】
また本発明の乳酸系複合体による薬剤徐放性基材として使用するときの薬剤(C)としては、公知慣用のものを使用することがことができる
さらに、本発明の乳酸系複合体には、その特性を損なわない範囲で公知慣用の添加剤を添加してもよく、具体的には、公知慣用の酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0062】
また本発明の乳酸系複合体は、いかなる方法で成形してもよく、具体的にはプレス成形、射出成形、押出成形等が挙げられ、また切削、研磨を行ってもよい。
更に、本発明の乳酸系複合体の耐熱性の向上としては、成形後、熱処理して結晶化させてもよい。また本発明の乳酸系複合体は、他のいかなる材料と組み合わせて使用してもよく、具体的には金属、金属酸化物、ヒドロキシアパタイト焼結体、炭素繊維と組み合わせて使用してもよい。
【0063】
本発明の乳酸系複合体は、柔軟性、機械的強度、弾性率、成形加工性などに優れるため、幅広い用途に使用することができる。その用途は、特に制限されないが、具体的には、人を含む骨の置換材・接合材・修復材などの生体材料、骨粗鬆症・骨肉腫などの薬剤徐放性基材、カテーテルなどの医療機器用材料が挙げられる。人工骨として使用する場合には、生体骨に置換されない材料は生体骨と同等の強度や弾性率が要求されるが、生体骨に置換される材料については、多くの場合、置換されるまでの期間だけ、ある程度の強度や弾性率を有していれば適用できる。皮質骨の曲げ強度の低いものの値は500kg/cm2前後で、またその弾性率の低いものの値は60000kg/cm2前後である。
【0064】
本発明の乳酸系複合体で、リン酸カルシウム系化合物を高い比率で複合化したものは、皮質骨相当の曲げ強度、曲げ弾性率が得られ、皮質骨にも適用できる優れた人工骨用材料を得ることができる。さらに、薬剤徐放性基材に要求される性能としては、薬剤の徐放性の他に、組織親和性があり、また、筋肉等に適用する場合などには柔軟性が要求される。更に、生体内に埋め込む場合、取り出す必要のないものであることが好ましい。本発明の乳酸系複合体を使用することにより、生体からの取り出しが不要で有ることはもとより、組織親和性が高く、且つ柔軟性、強度、成形加工性などに優れるため、薬剤徐放性基材としての適用が期待される。
【0065】
また抗生物質や抗癌剤などの薬剤を徐放性を有する人工骨として使用する場合には、組織親和性、薬剤の徐放性の他に、強度、弾性率、成形加工性、再現性をバランスよく有していることが好ましく、本発明の骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な乳酸系複合体により、これらの点をバランスよく有した薬剤徐放性を有する人工骨用材料に使用することができる。
【0066】
【実施例】
以下に、本発明を参考例、比較参考例、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の部は特に記載のない限り全て重量基準である。また、分子量、残留ラクタイド、融点及び熱安定性は次の方法により測定した。
【0067】
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定し、ポリスチレン換算値として示した。残留ラクタイドは高速液体クロマトグラフにより測定した。融点はセイコー社製示差走査型熱量計DSC−200型を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線から求めた。熱安定性は220℃、5torrの減圧下で10分間放置後の重量及び分子量の減少率を測定した。
【0068】
(参考例1)
L−ラクタイド95部と、DL−ラクタイド5部と、溶媒としてトルエン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、溶融混合し、オクタン酸錫を0.03部加えて、175℃で6時間反応させた後、リン酸モノヘキサデシルとリン酸ジヘキサデシルとの混合物0.1部を加え、さらに30分間反応させ、次いで200℃に昇温後、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化した。得られたペレットの重量平均分子量は189,000であった。その外観は透明で、臭いがなく、残留ラクタイドは0.1%以下であった。また、融点は161℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はいずれも1%以下であり、極めて安定性に優れていた。
【0069】
(参考例2)
L−ラクタイド76部と、D−ラクタイド2部と、グリコリド22部と、溶媒としてトルエン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、溶融混合し、オクタン酸錫を0.03部加えて、175℃で6時間反応させた後、アルミニウムイソプロポキシド0.8部、酒石酸0.1部を加え、さらに30分間反応させ、次いで200℃に昇温後、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化した。得られたペレットの重量平均分子量は183,000であった。その外観は半透明で、臭いがなく、残留ラクタイドは0.1%であった。また、融点は156℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はそれぞれ1%、1%で、かなり安定性に優れていた。
【0070】
(参考例3)
L−ラクタイド98部と、D−ラクタイド2部と、溶媒としてトルエン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、溶融混合し、オクタン酸錫を0.03部加えて、175℃で6時間反応させた後、脱揮し、ペレット化した。そのポリ乳酸のペレット70部と、ポリカプロラクトン(ダイセル製プラクセルH7)30部と、アルミニウムイソプロポキシド0.5部と、クエン酸0.1部とをブレンド後、180℃に設定のベント付二軸押出機に供給、溶融混練し、減圧度5torrで脱揮しながら押出し、ペレット化した。
得られたペレットの重量平均分子量は126,000であった。その外観は不透明で、臭いがなく、残留ラクタイドは0.1%であった。また、融点は160℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はそれぞれ1%、1%であり、かなり安定性に優れていた。
【0071】
(参考例4)
90%のL−乳酸100部を反応釜に仕込み、150℃、50torrの減圧下で、3時間脱水後、錫粉末0.2部を加え、同温度、30torrの減圧下で2時間脱水した。次いで、溶剤として、ジフェニールエーテル350部、錫粉末1部を加え、更にモレキュラーシーブを100部充填した塔に、還流により留出する溶剤が通って系内に戻るように組み立て、130℃、12torrで、55時間脱水縮合した。
【0072】
反応終了後、trans−シクロヘキサンジアミン四酢酸1.5部を加え、30分間攪拌後、得られたポリマー溶液をクロロホルムに溶解し、メタノール中に析出、ろ過後、200℃、5torrの減圧下で脱揮した。その後、180℃に設定のベント付押出機に供給、溶融し、減圧度5torrで脱揮しながら押出し、ペレット化した。得られたペレットの重量平均分子量は112,000であった。その外観は透明で、臭いがなく、残留ラクタイドは0.1%以下であった。また、融点は170℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はいずれも1%以下であり、極めて安定性に優れていた。
【0073】
(参考例5)
激しく撹拌した水酸化カルシウム懸濁液にリン酸水溶液を徐々にpHが7になるまで滴下し生成した沈殿を、800℃で3時間焼成して得たリン酸三カルシウムをさらに乳鉢で粉砕した。
【0074】
(参考例6)
激しく撹拌した水酸化カルシウム懸濁液にリン酸水溶液を徐々にpHが9になるまで滴下し生成した沈殿を、800℃で3時間焼成して得たヒドロキシアパタイトをさらに乳鉢で粉砕した。
【0075】
(比較参考例1)
リン酸モノヘキサデシルとリン酸ジヘキサデシルの混合物を除く以外は、参考例1と同様の方法で乳酸系ポリエステルのペレットを得た。その重量平均分子量は166,000であった。その外観は透明黄色で、臭いがあり、残留ラクタイドは3.9%であった。また、融点は160℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はそれぞれ12%、11%でかなり安定性に劣っていた。
【0076】
(比較参考例2)
アルミニウムイソプロポキシドとクエン酸とを除く以外は、参考例3と同様の方法で重合体のペレットを得た。そのペレットの重量平均分子量は112,000であった。その外観は不透明黄色で、臭いがあり、残留ラクタイドは3.6%であった。また、融点は158℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はそれぞれ10%、9%でかなり安定性に劣っていた。
【0077】
(比較参考例3)
trans−シクロヘキサンジアミン四酢酸を添加しない以外は、参考例4と同様の方法で重合体のペレットを得た。その重量平均分子量は74,000であった。その外観は透明な黄色で、臭いがあり、残留ラクタイドは3.6%であった。また、融点は151℃、熱安定性試験での重量及び分子量の減少率はそれぞれ14%、12%でかなり安定性に劣っていた。
【0078】
(実施例1)
参考例1で得られた重合体20部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム80部とを180℃にセットした東洋精機製ラボプラストミルミキサーで10分間混練し、取り出した。続いて、熱プレスにより温度180℃、圧力200kgf/cm2 の条件で2分間プレスした後、冷却プレスで急冷し、曲げ試験用の試験片を作製した。得られた試験片をJIS−K−7127に基づき、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。試験の結果を表1に示す。
【0079】
(実施例2)
参考例1で得られた重合体70部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム30部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0080】
(実施例3)
参考例2で得られた重合体25部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム75部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0081】
(実施例4)
参考例2で得られた重合体20部と、参考例6で得られたヒドロキシアパタイト80部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0082】
(実施例5)
参考例3で得られた重合体40部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム60部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0083】
(実施例6)
参考例3で得られた重合体80部と、参考例6で得られたヒドロキシアパタイト20部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0084】
(実施例7)
参考例4で得られた重合体25部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム75部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0085】
(実施例8)
参考例4で得られた重合体20部と、参考例6で得られたヒドロキシアパタイト80部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0086】
(実施例9)
参考例1で得られた重合体25部と、参考例6で得られたヒドロキシアパタイト75部とを180℃にセットした東洋精機製ラボプラストミルミキサーで10分間混練し、取り出した。続いて、熱プレスにより温度180℃、圧力200kgf/cm2 の条件で2分間プレスした後、冷却プレスで急冷し、曲げ試験用の試験片を作製し、100℃の乾燥機中に20分間放置して結晶化させた。得られた試験片をJIS−K−7127に基づき、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。試験の結果を表1に示す。
【0087】
(実施例10)
参考例3で得られた重合体20部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム80部とを使用し、実施例9と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0088】
(実施例11)
参考例1で得られた重合体40部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム60部とを180℃にセットした東洋精機製ラボプラストミルミキサーで10分間混練し、5−フルオロウラシル5部を添加して、更に3分間混練した後、取り出した。熱プレスで厚さ250μmのシートを成形し冷却プレスで急冷した。柔軟性試験として、10cm×10cmに切り出したシートの両端を手で持ち、上下に曲げる操作を20回繰り返したときの破損しやすさを以下の3段階の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0089】
◎:全く変化が無かった。
○:わずかにひびが入った。
×:割れた。
【0090】
徐放性試験として、作成したシートを37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に静置した場合の5−フルオロウラシルの放出率を経時的に測定した結果を表3に示す。
【0091】
(比較例1)
比較参考例1で得られた重合体20部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム80部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0092】
(比較例2)
比較参考例2で得られた重合体80部と、参考例6で得られたヒドロキシアパタイト20部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0093】
(比較例3)
比較参考例3で得られた重合体25部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム75部とを使用し、実施例1と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0094】
(比較例4)
比較参考例2で得られた重合体20部と、参考例5で得られたリン酸三カルシウム80部とを使用し、実施例9と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
Figure 0003968411
【0096】
【表2】
Figure 0003968411
【0097】
【表3】
Figure 0003968411
【0098】
【発明の効果】
本発明は、生体活性のあるリン酸カルシウム系化合物の欠点である、脆さ、強度、弾性率と成形加工性などが改善され、しかも、骨誘導能、伝導能を有する薬剤徐放可能な乳酸系複合体、及び該複合体を用いた生体材料、薬剤徐放性基材、医療機器用材料及びその製造方法を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is useful as a bone or tooth replacement material for humans, including humans, biomaterials such as a bonding material and a restoration material, a sustained-release drug base material, and a material for medical devices. The present invention also relates to a lactic acid-based composite comprising lactic acid having osteoconductivity or a polymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid and a calcium phosphate compound.
[0002]
[Prior art]
Hydroxyapatite, phosphorus, and other materials that have osteoconductivity (the ability to infiltrate bone tissue into parts with ceramics) and biocompatibility that are used to repair bones and other living bodies due to trauma and cancer Tricalcium acid, titanium, alumina, zirconia and the like are known. In particular, since bone is made of hydroxyapatite and collagen, hydroxyapatite and tricalcium phosphate having a composition close to it are superior in terms of safety when used for artificial bones, etc. As a material having the ability (the ability to induce bone tissue to be absorbed in a site without bone tissue and be gradually replaced by bone), it is considered that only tricalcium phosphate is used.
[0003]
There are many reports on the use of sintered calcium phosphate compounds as biomaterials, including those described in Ceramics, Vol. 10, No. 7, pp. 469-478, 1975. There is a disadvantage of poor processability.
There are many patents and reports such as JP-A 61-17409 regarding calcium phosphate compound cement in which a calcium phosphate compound is mixed with a hardening agent or polymer such as lactic acid or the like, and this is filled and solidified in a bone defect. There is a sentence, but because of its low strength, it could not be used for parts that require strength.
[0004]
The compounding of polylactic acid with hydroxyapatite, tricalcium phosphate and the like in a molten state is disclosed in JP-A-63-89166, and an oligomer of lactic acid and / or glycolic acid and calcium phosphate is disclosed. The composite is disclosed in Japanese Patent Publication No. 4-500013.
However, regarding the compounding of polylactic acid with hydroxyapatite, tricalcium phosphate, etc. in the molten state, polylactic acid is generally inferior in thermal stability, causing a significant decrease in molecular weight upon melting. Low elastic modulus, inferior mechanical properties such as bending strength, lots of residual lactide and lot fluctuations, so the degradation rate is too fast in vivo, and stable degradability cannot be obtained. Limited.
[0005]
In addition, a complex of an oligomer of lactic acid and / or glycolic acid and a calcium phosphate compound has a low molecular weight of about 200 to 10,000, so the complex has a low mechanical strength, an insufficient elastic modulus, and a practical use. Lack of sex.
JP-A-4-279520 discloses a drug sustained-release preparation obtained by compression-molding or melt-molding a drug and a polymer such as lactic acid or glycolic acid or a copolymer thereof, or a drug sustained-release preparation thereof Disclosed is a sustained-release pharmaceutical preparation obtained by pulverizing the powder into granules, mixing powdery or granular materials of calcium phosphate compounds such as hydroxyapatite and β-tricalcium phosphate, and then compression molding.
[0006]
JP-A-6-298639 discloses a complex of a drug, a polymer such as lactic acid, glycolic acid or lactone or a copolymer thereof and a calcium phosphate compound such as hydroxyapatite or β-tricalcium phosphate. In addition, a spherical drug sustained-release preparation in which a drug amount is changed and formed into a layered structure, or a drug sustained-release preparation previously foamed with a foaming agent or the like is disclosed.
[0007]
However, the drug sustained-release preparation using a complex of polylactic acid or a copolymer thereof disclosed in these patents and a calcium phosphate compound has a complicated manufacturing method, is inferior in productivity, and is derived from polylactic acid. Since it contains a large amount of residual lactide, it will ring-open to form a chain dimer of lactic acid or lactic acid, which degrades polylactic acid and its copolymers, etc., so the degradation rate is fast and storage stability In addition, it has poor heat stability and low strength. In addition, since there are many residual lactides and the lot fluctuation is large, there is a variation in the in vivo degradability, and there is a disadvantage that the reproducibility is poor.
[0008]
In addition, when the above calcium phosphate compounds are used, the particle size is generally large, so it is brittle, low in strength, poor in the ability to induce bone, is not sufficiently replaced with living bone, and the strength decreases during use. Inappropriate shape, etc. occur, and re-operation is required due to the problem.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The problems to be solved by the present invention are the disadvantages of the bioactive calcium phosphate compound, which is improved in brittleness, strength, elastic modulus, moldability, etc., excellent in storage stability and thermal stability, An object of the present invention is to provide a lactic acid complex having osteoinductive ability and osteoconductive ability, and having sustained drug release, and a method for producing the same.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have determined that lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid are obtained by deactivating a polymerization catalyst with a chelating agent and / or acidic phosphoric acid ester from a calcium phosphate compound. By combining with a polymer with an acid, the brittleness, strength, and elastic modulus of the calcium phosphate compound are improved by taking advantage of the flexibility of the polymer and the ease of mixing with the calcium phosphate compound, and the productivity. , Found a complex with excellent reproducibility, storage stability, heat stability during kneading / molding, osteoinductive or osteoconductive ability, and sustained drug release, leading to the completion of the present invention. .
[0011]
That is, in the present invention, the polymerization catalyst is deactivated using a chelating agent and / or an acidic phosphate ester. Polylactic acid (A) and a calcium phosphate compound (B) in a range where the weight ratio (A) / (B) is 99/1 part to 1/99 part, and the chelating agent and / or acidic phosphate ester The amount added is Polylactic acid The lactic acid complex is 0.001 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymer.
[0012]
Furthermore, the present invention provides , The calcium phosphate compound (B) is a calcium phosphate compound having an average particle size of 0.1 μm to 300 μm, and the calcium phosphate compound (B) is tricalcium phosphate. A lactic acid-based complex characterized by the above. The present invention also relates to a biomaterial, a drug sustained-release base material, or a medical device material comprising the lactic acid complex.
[0013]
In the present invention, the polymerization catalyst is deactivated using a chelating agent and / or acidic phosphate esters. Polylactic acid (A) and a calcium phosphate compound (B) Polylactic acid At a temperature equal to or higher than the melting point of (A), the weight ratio of (A) / (B) is kneaded within a range of 99/1 part to 1/99 part, and the chelating agent and / or acidic phosphate ester The amount added is Polylactic acid The polymerization catalyst was deactivated using a production method of a lactic acid complex and 0.001 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight, a chelating agent and / or an acidic phosphate ester. Polylactic acid (A) Polylactic acid The calcium phosphate compound (B) and the drug (C) are kneaded at a temperature equal to or higher than the melting point of (A), and the amount of the chelating agent and / or acidic phosphate ester added is Polylactic acid It is a manufacturing method of the lactic acid-type composite characterized by setting it as 0.001-5 weight part with respect to 100 weight part.
[0014]
Furthermore, the present invention relates to a method for producing a lactic acid composite, characterized in that a chelating agent and / or acidic phosphate ester is used for the deactivation treatment of the polymerization catalyst. , A method for producing a lactic acid complex, wherein the calcium phosphate compound (B) is a calcium phosphate compound having an average particle size of 0.1 μm to 300 μm, and the calcium phosphate compound (B) is particularly tricalcium phosphate. And a method for producing a lactic acid-based complex.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The contents of the present invention will be described in detail below.
The polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid used in the present invention is characterized in that the polymerization catalyst used in the polymerization is deactivated by a deactivator. The deactivation treatment of the polymerization catalyst suppresses the decomposition of the polymer and the production of lactide by the polymerization catalyst in the molding process of lactic acid or a polymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid, and greatly improves the thermal stability.
[0016]
In particular, as the polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid used in the present invention, after the deactivation treatment of the polymerization catalyst, residual volatile components, especially residual lactide are devolatilized and removed, bending strength Further, mechanical properties such as flexural modulus and thermal stability during molding are further improved.
[0017]
There are various methods for deactivation treatment of the polymerization catalyst, and deactivation treatment with a chelating agent or acidic phosphate ester is particularly effective. The deactivation treatment is carried out by adding or contacting a chelating agent or acidic phosphate ester after the end of polymerization or after completion of the polymer to form a complex with the metal ion of the polymerization catalyst contained in the polymer, It loses its activity.
[0018]
The polymer (A) used in the present invention includes polylactic acid, lactic acid, and hydroxycarboxylic acid components other than lactic acid, such as glycolic acid, dimethyl glycolic acid, 2-hydroxybutyric acid, 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 2-hydroxypropanoic acid, 3-hydroxypropanoic acid, 2-hydroxyvaleric acid, 3-hydroxyvaleric acid, 4-hydroxyvaleric acid, 5-hydroxyvaleric acid, 2-hydroxycaproic acid, 3-hydroxy Examples thereof include copolymers with one or more copolymerization components selected from caproic acid, 4-hydroxycaproic acid, 5-hydroxycaproic acid, 6-hydroxycaproic acid, 6-hydroxymethylcaproic acid and the like.
[0019]
Next, the polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid, in particular, the polymer (A) deactivated with a chelating agent and / or acidic phosphoric acid ester, obtained by deactivating the polymerization catalyst of the present invention. The manufacturing method will be described.
As a method for producing polylactic acid subjected to the deactivation treatment of the polymerization catalyst, as shown in Polymer, Vol. 20, page 1459 (1979), a lactide of a cyclic dimer of lactic acid is obtained in the presence of a ring-opening polymerization catalyst. After ring-opening polymerization or as disclosed in JP-A-6-172502, lactic acid is directly subjected to dehydration condensation polymerization in the presence of a solvent and then reacted with a chelating agent and / or acidic phosphate esters. Thereafter, it is produced by removing residual volatile components, particularly residual lactide.
[0020]
In addition, as a method for producing a copolymer of a lactic acid component and a hydroxycarboxylic acid component other than the lactic acid component that has been subjected to the deactivation treatment of the polymerization catalyst, for example, glycolide, β-methyl-δ-valerolactone, γ- After copolymerizing or transesterifying one or more copolymerization components selected from cyclic esters such as valerolactone, γ-undecalactone, and ε-caprolactone with lactide in the presence of a ring-opening polymerization catalyst, or As disclosed in JP-A-7-172425, lactic acid, glycolic acid, dimethyl glycolic acid, 2-hydroxybutyric acid, 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 2-hydroxypropanoic acid, 3-hydroxypropanoic acid 2-hydroxyvaleric acid, 3-hydroxyvaleric acid,
[0021]
4-hydroxyvaleric acid, 5-hydroxyvaleric acid, 2-hydroxycaproic acid, 3-hydroxycaproic acid, 4-hydroxycaproic acid, 5-hydroxycaproic acid, 6-hydroxycaproic acid, 6-hydroxymethylcaproic acid, etc. One or more copolymerization components selected from hydroxycarboxylic acid components are subjected to polycondensation in the presence of a catalyst or a solvent, and then reacted with a chelating agent and / or acidic phosphate esters, and then residual volatile components In particular, it is produced by removing residual lactide.
[0022]
Furthermore, from polylactic acid obtained by using lactide as a raw material, polylactic acid obtained by polycondensation of lactic acid in the presence or absence of a solvent, and a cyclic ester other than the above lactide or a hydroxycarboxylic acid component other than lactic acid. The polyester thus obtained is transesterified in the presence of a transesterification catalyst and then reacted with a chelating agent and / or acidic phosphates, and thereafter, residual volatile components, particularly residual lactide are removed. Alternatively, the polylactic acid treated with a chelating agent and / or acidic phosphate ester and a polyester composed of a cyclic ester other than lactide and a hydroxycarboxylic acid component other than lactic acid are transesterified in the presence of a transesterification catalyst, and then It is produced by removing residual volatile components, especially residual lactide.
[0023]
Next, the lactic acid component, the copolymer component with the lactic acid component, the chelating agent, the acidic phosphates, etc. used in the production of the polymer (A) of the present invention will be described. Examples of the lactic acid component used in the present invention include lactic acid and lactide which is a dehydrated cyclic dimer of lactic acid. Lactic acid is a monomer having an optical isomer, and L-lactic acid and D-lactic acid exist. Lactide includes isomers of L-lactide, D-lactide and MESO-lactide. Therefore, the lactic acid-based polyester can realize preferable polymer characteristics by combining these two kinds of lactic acid or three kinds of lactide.
[0024]
In particular, the polymer (A) of the present invention preferably has a higher optical activity as lactic acid in order to achieve high heat resistance. Specifically, the lactic acid preferably contains 70% by weight or more of L-form or D-form in the total lactic acid. In order to obtain further excellent heat resistance, it is preferable that 85% by weight or more of L-form or D-form is contained as lactic acid. Further, regarding lactide, it is preferable that 70% by weight or more of L-lactide or D-lactide is contained in the total lactide. In order to obtain further excellent heat resistance, the content of L-lactide or D-lactide is 85% by weight or more in the total lactide. Commercially, L-lactic acid is cheaper and more highly purified by fermentative synthesis. Therefore, it is advantageous to use L-lactic acid as the lactic acid-based polyester and L-lactide as the lactide. .
[0025]
As a copolymerization component used at the time of manufacture of the polymer (A) of the present invention, as a hydroxycarboxylic acid component other than lactic acid, glycolic acid, dimethylglycolic acid, 2-hydroxybutyric acid, 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid 2-hydroxypropanoic acid, 3-hydroxypropanoic acid, 2-hydroxyvaleric acid, 3-hydroxyvaleric acid, 4-hydroxyvaleric acid, 5-hydroxyvaleric acid, 2-hydroxycaproic acid, 3-hydroxycaproic acid, 4 -Hydroxycaproic acid, 5-hydroxycaproic acid, 6-hydroxycaproic acid, 6-hydroxymethylcaproic acid and the like.
[0026]
In the present invention, as cyclic esters other than lactide, glycolide, β-methyl-δ-valerolactone, γ-valerolactone, γ-undecalactone, ε-caprolactone, etc., and also vinyl acetate, ethylene and polyvinyl alcohol And a copolymer thereof can also be used. A hydroxycarboxylic acid component other than lactic acid, a cyclic ester other than lactide, etc. is preferably added in an amount of 1 to 80 parts by weight, preferably 1 to 40 parts by weight, based on 100 parts by weight of a copolymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid. . These copolymer components improve the flexibility and workability of the polymer (A) of the present invention, and also improve the brittleness and workability of the lactic acid composite of the present invention, so that the calcium phosphate compound is contained in a higher ratio. Can be combined.
[0027]
The chelating agents used to deactivate the polymerization catalyst of the present invention include organic chelating agents and inorganic chelating agents. Organic chelating agents have low hygroscopicity and excellent thermal stability. The organic chelating agent that can be used in the present invention is not particularly limited, but includes amino acids, phenols, hydroxycarboxylic acids, diketones, amines, oximes, phenanthrolines, pyridine compounds, dithio compounds, and N-containing phenols as coordination atoms. And N-containing carboxylic acid, diazo compound, thiols, porphyrins and the like as the coordination atom.
[0028]
Specifically, glycine, leucine, alanine, serine, α-aminobutyric acid, acetylaminoacetic acid, glycylglycine, glutamic acid and the like as amino acids, alizarin, t-butylcatechol, 4-isopropyltropolone, chromotrope as phenols Examples of hydroxycarboxylic acids such as acid, tyrone, oxine, and propyl gallate include tartaric acid, succinic acid, citric acid, monooctyl citrate, dibenzoyl-D-tartaric acid, diparatoluyl-D-tartaric acid, and the like.
[0029]
Diketones include acetylacetone, hexafluoroacetylacetone, benzoylacetone, thenoyltrifluoroacetone, trifluoroacetylacetone, and amines include ethylenediamine, diethylenetriamine, 1,2,3-triaminopropane, thiodiethylamine, triethylenetetramine, triethanol Examples of oximes such as amine, tetraethylenepentamine and pentaethylenehexamine include dimethylglyoxime, α, α-furyldioxime, salicylaldoxime and the like.
[0030]
Examples of phenanthrolines include neocuproine and 1,10-phenanthroline, examples of pyridine compounds include 2,2-bipyridine, 2,2 ′, 2 ″ -terpyridyl, and examples of dithio compounds include xanthogenic acid, diethyldithiocarbamic acid, and toluene-3,4. Examples of the coordination atom N-containing phenol such as -dithiol include o-aminophenol, oxine, nitroso R salt, 2-nitroso-5-dimethylaminophenol, 1-nitroso-2-naphthol, and 8-selenoquinoline.
[0031]
Coordinating atom N-containing carboxylic acids include quinaldic acid, nitrilotriacetic acid, ethylenediaminediacetic acid, hydroxyethylethylenediaminetriacetic acid, ethylenediaminetetraacetic acid, trans-cyclohexanediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, triethylenetetraminehexaacetic acid, anilinediacetic acid 2-sulfoaniline diacetic acid, 3-sulfoaniline diacetic acid, 4-sulfoaniline diacetic acid, 2-aminobenzoic acid-N, N-diacetic acid, 3-aminobenzoic acid-N, N-diacetic acid, 4- Aminobenzoic acid-N, N-diacetic acid, methylamine diacetic acid, β-alanine-N, N-diacetic acid,
[0032]
Examples of diazo compounds such as β-aminoethylsulfonic acid-N, N-diacetic acid and β-aminoethylphosphonic acid-N, N-diacetic acid include diphenylcarbazone, magneson, dithizone, Eriochrome Black T, 4- (2 -Thiazolylazo) resorcin, 1- (2-pyridylazo) -2-naphthol and the like as thiols, thiooxin, thionalide, 1,1,1-trifluoro-4- (2-thienyl) -4-mercapto-3-butene -2-one, 3-mercapto-p-cresol, etc.
[0033]
Examples of porphyrins include tetraphenylporphine and tetrakis (4-N-methylpyridyl) porphine, and others include cuperone, murexide, polyethyleneimine, polymethylacryloylacetone, polyacrylic acid, and the like, and mixtures thereof.
[0034]
Among them, organic chelating agents that efficiently coordinate with the metal ions of the catalyst contained in the lactic acid polyester and suppress the cleavage of the polymer terminal include nitrilotriacetic acid, ethylenediaminediacetic acid, tetraethylenepentamine, hydroxy Coordinate atom N-containing carboxylic acids such as ethylethylenediaminetriacetic acid, ethylenediaminetetraacetic acid, trans-cyclohexanediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, triethylenetetraminehexaacetic acid, tartaric acid, dibenzoyl-D-tartaric acid, diparatoluyl-D-tartaric acid And hydroxycarboxylic acids such as citric acid and monooctyl citrate.
[0035]
In particular, the above-mentioned coordination atom N-containing carboxylic acid is excellent in thermal stability and storage stability, and hydroxycarboxylic acid is characterized by little coloring. Inorganic chelating agents have high hygroscopicity, and their effects are lost when moisture is absorbed. Specific examples include phosphoric acids such as phosphoric acid, phosphorous acid, pyrophosphoric acid, and polyphosphoric acid.
[0036]
In addition, the acidic phosphate esters used in the present invention have the effect of forming a complex with the metal ion of the catalyst contained in the lactic acid-based polyester, losing the catalytic activity, and suppressing the breakage of the polymer chain. The acidic phosphoric acid esters refer to acidic phosphoric acid esters, phosphonic acid esters, alkylphosphonic acid, and the like, and mixtures thereof, and the general formula thereof is shown below.
[0037]
[Chemical 1]
Figure 0003968411
[0038]
(Wherein R 1 Is an alkyl group or an alkoxyl group, R 2 Represents an alkyl group, an alkoxyl group or a hydroxyl group. )
[0039]
Specifically, as the acidic phosphate ester, monomethyl phosphate, dimethyl phosphate, monoethyl phosphate, diethyl phosphate, monopropyl phosphate, dipropyl phosphate, monoisopropyl phosphate, diisopropyl phosphate, monobutyl phosphate, Dibutyl phosphate, monopentyl phosphate, dipentyl phosphate, monohexyl phosphate, dihexyl phosphate, monooctyl phosphate, dioctyl phosphate, mono-2-ethylhexyl phosphate, di-2-ethylhexyl phosphate, monodecyl phosphate, phosphoric acid Didecyl, monoisodecyl phosphate, diisodecyl phosphate, monoundecyl phosphate, diundecyl phosphate, monododecyl phosphate, didodecyl phosphate, monotetradecyl phosphate, ditetradecyl phosphate, monohexadecyl phosphate,
[0040]
Phosphonic acid esters such as dihexadecyl phosphate, monooctadecyl phosphate, dioctadecyl phosphate, monophenyl phosphate, diphenyl phosphate, monobenzyl phosphate, dibenzyl phosphate, phosphonate monomethyl, phosphonate monoethyl, phosphonate mono Propyl, monoisopropyl phosphonate, monobutyl phosphonate, monopentyl phosphonate, monohexyl phosphonate, monooctyl phosphonate, monoethylhexyl phosphonate, monodecyl phosphonate, monoisodecyl phosphonate, monoundecyl phosphonate, monododecyl phosphonate, monophosphonate Tetradecyl, monohexadecyl phosphonate, monooctadecyl phosphonate, monophenyl phosphonate, monobenzyl phosphonate, etc.
[0041]
Alkylphosphonic acids include monomethylphosphonic acid, dimethylphosphonic acid, monoethylphosphonic acid, diethylphosphonic acid, monopropylphosphonic acid, dipropylphosphonic acid, monoisopropylphosphonic acid, diisopropylphosphonic acid, monobutylphosphonic acid, dibutylphosphonic acid Monopentylphosphonic acid, dipentylphosphonic acid, monohexylphosphonic acid, dihexylphosphonic acid, isooctylphosphonic acid, dioctylphosphonic acid, monoethylhexylphosphonic acid, diethylhexylphosphonic acid, monodecylphosphonic acid, didecylphosphonic acid, monoiso Decylphosphonic acid, diisodecylphosphonic acid, monoundecylphosphonic acid, diundecylphosphonic acid, monododecylphosphonic acid, didodecylphosphonic acid,
[0042]
Monotetradecylphosphonic acid, ditetradecylphosphonic acid, monohexadecylphosphonic acid, dihexadecylphosphonic acid, monooctadecylphosphonic acid, dioctadecylphosphonic acid, monophenylphosphonic acid, diphenylphosphonic acid, monobenzylphosphonic acid, Mention may be made of dibenzylphosphonic acid and the like, and mixtures thereof.
[0043]
The acidic phosphoric acid ester component is excellent in workability because of its good solubility in an organic solvent, and excellent in reactivity with lactic acid polyester. Among these, acidic phosphates have a great effect on the deactivation of the catalyst. Furthermore, the addition amount of the chelating agent and / or acidic phosphoric acid ester used for the deactivation treatment of the polymerization catalyst varies depending on the type and the type and amount of the catalyst contained in the polymer of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid. However, it is preferable to add 0.001-5 weight part with respect to 100 weight part of polymers of lactic acid or lactic acid, and hydroxycarboxylic acid. Any chelating agent or acidic phosphate ester can minimize polymer chain scission, and organic chelating agents, inorganic chelating agents, and acidic phosphate esters may be used in combination. .
[0044]
However, if an excessive amount of a chelating agent or acidic phosphate ester is added, the polyhydroxycarboxylic acid chain of the polymer (A) is cleaved during storage, resulting in low molecular weight and low viscosity, and the performance of the present invention cannot be obtained. Therefore, it is necessary to add an appropriate amount as described above.
[0045]
The polymerization catalyst used in the production of the lactic acid or the polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid of the present invention is a polymerization catalyst such as a known and commonly used ring-opening polymerization catalyst, esterification catalyst, transesterification catalyst, Examples thereof include metals such as tin, zinc, lead, titanium, bismuth, zirconium, germanium, and cobalt, and compounds thereof. As the metal compounds, metal organic compounds, carbonates, and halides are particularly preferable.
[0046]
Specifically, tin octoate, tin chloride, zinc chloride, zinc acetate, lead oxide, lead carbonate, titanium chloride, diacetacetoxyoxy titanium, tetraethoxy titanium, tetrapropoxy titanium, tetrabutoxy titanium, germanium oxide, zirconium oxide, etc. Is suitable. The added amount is preferably 0.001 to 2 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the reaction component. From the reaction rate, coloring, etc., the addition amount is more preferably 0.002 to 0.5 parts by weight.
[0047]
The reaction temperature when producing the polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid used in the present invention varies depending on the type, amount, combination, etc. of the lactic acid component, copolymer component, etc., but is usually 125 ° C. to 250 ° C. ° C, preferably 140 ° C to 230 ° C, more preferably 150 ° C to 200 ° C.
[0048]
Moreover, a solvent can be used in order to lower the viscosity in the polymerization step, increase the stirring efficiency, and obtain good quality. Solvents that can be used are not particularly limited, but benzene, toluene, ethylbenzene, xylene, cyclohexanone, isopropyl ether, diphenyl ether, and the like are preferable. The amount added varies depending on the production method, production conditions, types of reaction components, composition, etc., but is usually 100 parts by weight or less, preferably 50 parts by weight or less, based on 100 parts by weight of reaction components.
[0049]
In order to suppress decomposition and coloring of the polymer, the reaction should be performed under an inert gas atmosphere such as nitrogen or argon without touching the outside air, and the raw materials used should be dried and dried before the reaction. preferable. The polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid thus obtained preferably has a somewhat high molecular weight, specifically a weight average molecular weight of 30,000 to 400,000, more preferably It is 50,000-350,000. The value varies depending on the required strength of the lactic acid complex of the present invention, the degradation rate in vivo, kneadability with a calcium phosphate compound, and the like. If it is less than 30,000, the mechanical strength is insufficient, and if it exceeds 400,000, there is a problem in terms of molding and production efficiency.
[0050]
The lactic acid or the polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid of the present invention can be produced using an ordinary reaction apparatus. In addition to static mixers, continuous stirring tank reactors, so-called continuous polymerization using CSTR, continuous polymerization using a combination of CSTR and static mixer, and continuous reaction using a twin screw extruder are also effective. These reactions can be carried out from raw material charging to reaction and polymerization without touching the outside atmosphere at all.
[0051]
Volatile components such as unreacted components, solvents and odor components in the polymer (A) of the obtained lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid are attached after the reaction step such as a devolatilization tank, film evaporator, vented extruder, etc. Removed using a devolatilizer, or dissolved in a good solvent and then precipitated by precipitation in a poor solvent, or by using a solvent such as alcohol, ketone, or hydrocarbon, without being dissolved, Extraction and removal after dispersion are preferred because the processability, heat resistance, storage stability, and the like of the lactic acid composite are improved.
[0052]
By these devolatilization methods, volatile components such as unreacted components, solvents, and odor components in the lactic acid or polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid can be greatly reduced. The lactide normally remaining in the polymer (A) in an amount of about 2 to 6% by weight can be reduced to 1.0% by weight or less and, if necessary, 0.5% by weight or less.
[0053]
Next, the calcium phosphate compound (B) used in the present invention will be described.
The calcium phosphate-based compound of the present invention refers to a compound containing a portion derived from phosphoric acid and a total of 50% by weight or more of calcium atoms, specifically, tricalcium phosphate, hydroxyapatite, carbonate apatite, magnesium-containing apatite, There are fluorine apatite and the like. In particular, tricalcium phosphate is preferable from the viewpoint of bone replacement, molding processability, mechanical strength, and the like. Further, the crystal structure thereof may be any and may be amorphous.
[0054]
The powdered calcium phosphate compound used in the present invention preferably has an average particle size of 0.1 μm to 300 μm, and refers to an aggregate of calcium phosphate compound lumps that fit within a sphere. Although not particularly limited, specifically, it may be spherical, porous or amorphous, and may be any particle size distribution including fine powder to granule. Moreover, the production method of hydroxyapatite used in the present invention is not particularly specified, but specifically, there are a dry method, a hydrothermal method, a wet method, and an alkoxide method, and heat treatment may be performed. Further, although the production method of tricalcium phosphate is not particularly specified, there are specifically a dry method, a hydrothermal method, and a wet method, and heat treatment may be performed.
[0055]
The weight ratio of the preferable polymer of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid (A) to the calcium phosphate compound in the lactic acid complex of the present invention is 99/1 to 1/99. When the amount of lactic acid or the polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid relative to the calcium phosphate compound increases, the elastic modulus tends to decrease, and the amount of lactic acid or the polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid decreases. When it becomes, it will become difficult to knead | mix and there exists a tendency for the lactic acid-type complex obtained to become weak.
[0056]
Appropriate weight ratio of lactic acid or polymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid (A) to calcium phosphate compound is required for each application, such as strength, elastic modulus, absorption rate in vivo, bone regeneration rate, etc. Although the performance is different and cannot be specified in general, 95/5 to 5/95 is usually preferable.
[0057]
The production method of the present invention is not particularly limited. Specifically, a solution in which a calcium phosphate compound is dispersed in a solution of lactic acid or a polymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid (A) in a solvent is added. There are a method of volatilizing and removing the solvent by mixing, and a method of kneading in a melted state of lactic acid or a polymer (A) of lactic acid and hydroxycarboxylic acid. The method of melting and kneading has the advantages that the productivity is generally higher than the method using a solvent and there is no fear of residual solvent.
[0058]
Next, an apparatus for producing a lactic acid complex of the present invention will be described. The production apparatus is not particularly limited, but for kneading the polymer (A) of lactic acid or lactic acid and hydroxycarboxylic acid and the calcium phosphate compound (B), an extruder, a reactor, a kneader, a roll or their Combinations and the like can be used.
[0059]
As the extruder, a single screw extruder or a twin screw extruder can be used, but a twin screw extruder is preferable from the kneaded state. Furthermore, in order to remove residual volatile components and the like under reduced pressure after kneading, those having a vent port are preferable. As a reactor, a normal reaction kettle can be used, but the kneaded material has a high viscosity, and a static mixer that has low shear stress and can be mixed uniformly due to a decrease in molecular weight and coloring caused by stirring heat generated by stirring shear stress. Is preferred.
[0060]
As specific kneading conditions, the temperature is set to be equal to or higher than the melting point of the polymer (A), and kneading is performed at 130 to 250 ° C, preferably 150 to 200 ° C. In addition, in order to remove residual volatile components in the complex of lactic acid or a polymer of lactic acid and hydroxycarboxylic acid (A) and a tricalcium phosphate compound, in particular, residual lactide, or after kneading, The degree is preferably 0.01 to 50 torr. Furthermore, the inside of the kneader is preferably kneaded without being exposed to the air in an inert gas atmosphere.
[0061]
Moreover, a well-known and usual thing can be used as a chemical | medical agent (C) when using it as a chemical | medical agent sustained release base material by the lactic acid-type complex of this invention.
Furthermore, known and commonly used additives may be added to the lactic acid complex of the present invention as long as the properties are not impaired. Specifically, known and commonly used antioxidants, plasticizers, antistatic agents, etc. May be added.
[0062]
In addition, the lactic acid composite of the present invention may be molded by any method, specifically, press molding, injection molding, extrusion molding, etc., and may be cut and polished.
Further, for improving the heat resistance of the lactic acid-based composite of the present invention, it may be crystallized by heat treatment after molding. The lactic acid composite of the present invention may be used in combination with any other material, specifically, in combination with metal, metal oxide, hydroxyapatite sintered body, or carbon fiber.
[0063]
The lactic acid-based composite of the present invention is excellent in flexibility, mechanical strength, elastic modulus, moldability, and the like, and can be used for a wide range of applications. Although its use is not particularly limited, specifically, biomaterials such as bone replacement materials, joint materials, and restoration materials including humans, sustained-release drug base materials such as osteoporosis and osteosarcoma, and medical devices such as catheters Materials. When used as an artificial bone, a material that cannot be replaced with a living bone is required to have the same strength and elastic modulus as a living bone. It can be applied if it has a certain degree of strength and elastic modulus only for the period. The value of cortical bone with low bending strength is 500 kg / cm 2 Before and after, the value of the low elastic modulus is 60000 kg / cm 2 Before and after.
[0064]
The lactic acid complex of the present invention, in which a calcium phosphate compound is compounded at a high ratio, provides a bending strength and bending elastic modulus equivalent to cortical bone, and an excellent artificial bone material that can be applied to cortical bone. be able to. Furthermore, the performance required for the drug sustained-release base material is tissue compatibility in addition to the drug sustained-release property, and flexibility is required when applied to muscles and the like. Furthermore, when it is embedded in the living body, it is preferable that it is not necessary to take it out. By using the lactic acid-based complex of the present invention, it is not necessary to take out from a living body, it has high tissue affinity and is excellent in flexibility, strength, moldability, etc. Application as a material is expected.
[0065]
When using drugs such as antibiotics and anticancer drugs as artificial bones with sustained release, in addition to tissue affinity and sustained release of drugs, strength, elastic modulus, moldability, and reproducibility are balanced. It is preferable to have a lactic acid complex capable of sustained release of a drug having osteoinductive or conductive ability according to the present invention, and used for an artificial bone material having a sustained release of the drug having a good balance of these points. can do.
[0066]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference examples, comparative reference examples, examples and comparative examples. However, the present invention is not limited to these examples. All parts in the examples are based on weight unless otherwise specified. The molecular weight, residual lactide, melting point and thermal stability were measured by the following methods.
[0067]
The molecular weight was measured by gel permeation chromatograph (GPC) and indicated as a polystyrene equivalent value. Residual lactide was measured by high performance liquid chromatography. The melting point was measured by using a differential scanning calorimeter DSC-200 manufactured by Seiko Co., Ltd. under the condition of a heating rate of 10 ° C./min, and obtained from the obtained melting endothermic curve. The thermal stability was measured by decreasing the weight and molecular weight after standing for 10 minutes at 220 ° C. under a reduced pressure of 5 torr.
[0068]
(Reference Example 1)
95 parts of L-lactide, 5 parts of DL-lactide, and 15 parts of toluene as a solvent were charged in a reaction kettle, melted and mixed at 170 ° C. for 1 hour in an inert gas atmosphere, and 0.03 part of tin octoate was added. In addition, after reacting at 175 ° C. for 6 hours, 0.1 part of a mixture of monohexadecyl phosphate and dihexadecyl phosphate was added, reacted for another 30 minutes, then heated to 200 ° C. and then reduced in pressure to 5 torr. Was devolatilized and pelletized. The weight average molecular weight of the obtained pellet was 189,000. The appearance was transparent, odorless, and residual lactide was 0.1% or less. Further, the melting point was 161 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were both 1% or less, and the stability was extremely excellent.
[0069]
(Reference Example 2)
76 parts of L-lactide, 2 parts of D-lactide, 22 parts of glycolide and 15 parts of toluene as a solvent were charged in a reaction kettle and melt-mixed at 170 ° C. for 1 hour in an inert gas atmosphere. 0.03 part was added and reacted at 175 ° C. for 6 hours, then 0.8 parts of aluminum isopropoxide and 0.1 part of tartaric acid were added, reacted for another 30 minutes, then heated to 200 ° C. and then 5 torr. Was devolatilized under reduced pressure and pelletized. The weight average molecular weight of the obtained pellet was 183,000. The appearance was translucent, odorless, and the residual lactide was 0.1%. The melting point was 156 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were 1% and 1%, respectively, and the stability was quite excellent.
[0070]
(Reference Example 3)
98 parts of L-lactide, 2 parts of D-lactide and 15 parts of toluene as a solvent were charged into a reaction kettle, melted and mixed at 170 ° C. for 1 hour in an inert gas atmosphere, and 0.03 part of tin octoate was added. In addition, after reacting at 175 ° C. for 6 hours, it was devolatilized and pelletized. 70 parts of polylactic acid pellets, 30 parts of polycaprolactone (Dacel Plaxel H7), 0.5 parts of aluminum isopropoxide, and 0.1 parts of citric acid were blended, and then vented. The mixture was supplied to a shaft extruder, melt-kneaded, extruded while being devolatilized at a reduced pressure of 5 torr, and pelletized.
The weight average molecular weight of the obtained pellet was 126,000. Its appearance was opaque, odorless and residual lactide was 0.1%. The melting point was 160 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were 1% and 1%, respectively.
[0071]
(Reference Example 4)
100 parts of 90% L-lactic acid was charged into a reaction kettle, dehydrated at 150 ° C. under a reduced pressure of 50 torr for 3 hours, 0.2 parts of tin powder was added, and dehydrated at the same temperature under a reduced pressure of 30 torr for 2 hours. Next, as a solvent, 350 parts of diphenyl ether and 1 part of tin powder were added, and a column packed with 100 parts of molecular sieve was further assembled so that the solvent distilled by reflux could pass through and return to the system at 130 ° C., 12 torr. And dehydration condensation for 55 hours.
[0072]
After completion of the reaction, 1.5 parts of trans-cyclohexanediaminetetraacetic acid was added, and after stirring for 30 minutes, the obtained polymer solution was dissolved in chloroform, precipitated in methanol, filtered, and depressurized at 200 ° C. under a reduced pressure of 5 torr. Devoured. Then, it was supplied to an extruder with a vent set to 180 ° C., melted, extruded while being devolatilized at a reduced pressure of 5 torr, and pelletized. The weight average molecular weight of the obtained pellet was 112,000. The appearance was transparent, odorless, and residual lactide was 0.1% or less. The melting point was 170 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were both 1% or less, and the stability was extremely excellent.
[0073]
(Reference Example 5)
Tricalcium phosphate obtained by slowly dropping a phosphoric acid aqueous solution into a vigorously stirred calcium hydroxide suspension until the pH reached 7 and calcining at 800 ° C. for 3 hours was further pulverized in a mortar.
[0074]
(Reference Example 6)
A hydroxyapatite obtained by adding a phosphoric acid aqueous solution dropwise to a vigorously stirred calcium hydroxide suspension until the pH was 9 was baked at 800 ° C. for 3 hours, and further pulverized in a mortar.
[0075]
(Comparative Reference Example 1)
Lactic acid-based polyester pellets were obtained in the same manner as in Reference Example 1 except that the mixture of monohexadecyl phosphate and dihexadecyl phosphate was removed. Its weight average molecular weight was 166,000. The appearance was clear yellow, smelled and residual lactide was 3.9%. The melting point was 160 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were 12% and 11%, respectively.
[0076]
(Comparative Reference Example 2)
Polymer pellets were obtained in the same manner as in Reference Example 3 except that aluminum isopropoxide and citric acid were removed. The weight average molecular weight of the pellet was 112,000. The appearance was opaque yellow, smelled and residual lactide was 3.6%. The melting point was 158 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were 10% and 9%, respectively.
[0077]
(Comparative Reference Example 3)
Polymer pellets were obtained in the same manner as in Reference Example 4 except that trans-cyclohexanediaminetetraacetic acid was not added. Its weight average molecular weight was 74,000. The appearance was clear yellow, smelled and residual lactide was 3.6%. The melting point was 151 ° C., and the weight and molecular weight reduction rates in the thermal stability test were 14% and 12%, respectively.
[0078]
Example 1
20 parts of the polymer obtained in Reference Example 1 and 80 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5 were kneaded for 10 minutes with a Toyo Seiki Lab Plast Mill mixer set at 180 ° C. and taken out. Subsequently, the temperature is 180 ° C. and the pressure is 200 kgf / cm by hot pressing. 2 After pressing for 2 minutes under the above conditions, it was quenched with a cooling press to prepare a test piece for a bending test. The obtained test piece was measured for bending strength and bending elastic modulus based on JIS-K-7127. The test results are shown in Table 1.
[0079]
(Example 2)
Using 70 parts of the polymer obtained in Reference Example 1 and 30 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5, the same operations and tests as in Example 1 were performed. The test results are shown in Table 1.
[0080]
(Example 3)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 25 parts of the polymer obtained in Reference Example 2 and 75 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0081]
Example 4
Using 20 parts of the polymer obtained in Reference Example 2 and 80 parts of hydroxyapatite obtained in Reference Example 6, the same operations and tests as in Example 1 were performed. The test results are shown in Table 1.
[0082]
(Example 5)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 40 parts of the polymer obtained in Reference Example 3 and 60 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0083]
(Example 6)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 80 parts of the polymer obtained in Reference Example 3 and 20 parts of hydroxyapatite obtained in Reference Example 6. The test results are shown in Table 1.
[0084]
(Example 7)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 25 parts of the polymer obtained in Reference Example 4 and 75 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0085]
(Example 8)
Using 20 parts of the polymer obtained in Reference Example 4 and 80 parts of hydroxyapatite obtained in Reference Example 6, the same operations and tests as in Example 1 were performed. The test results are shown in Table 1.
[0086]
Example 9
25 parts of the polymer obtained in Reference Example 1 and 75 parts of the hydroxyapatite obtained in Reference Example 6 were kneaded for 10 minutes using a Toyo Seiki Laboplast Mill mixer set at 180 ° C. and taken out. Subsequently, the temperature is 180 ° C. and the pressure is 200 kgf / cm by hot pressing. 2 After pressing for 2 minutes under the above conditions, the specimen was rapidly cooled with a cooling press to prepare a test piece for a bending test, and allowed to crystallize in a dryer at 100 ° C. for 20 minutes. The obtained test piece was measured for bending strength and bending elastic modulus based on JIS-K-7127. The test results are shown in Table 1.
[0087]
(Example 10)
The same operations and tests as in Example 9 were performed using 20 parts of the polymer obtained in Reference Example 3 and 80 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0088]
(Example 11)
40 parts of the polymer obtained in Reference Example 1 and 60 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5 were kneaded for 10 minutes using a Toyo Seiki Lab Plast Mill mixer set at 180 ° C., and 5-fluorouracil 5 Part was added, kneaded for another 3 minutes, and then taken out. A sheet having a thickness of 250 μm was formed by hot pressing and rapidly cooled by a cooling press. As a flexibility test, the ease of breakage when an operation of holding both ends of a sheet cut into 10 cm × 10 cm and bending it up and down 20 times was evaluated according to the following three-stage criteria. The results are shown in Table 2.
[0089]
A: There was no change at all.
○: Slightly cracked.
X: It broke.
[0090]
Table 3 shows the results of measuring the release rate of 5-fluorouracil over time when the prepared sheet was left in a phosphate buffer solution at 37 ° C. and pH 7.4 as a sustained release test.
[0091]
(Comparative Example 1)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 20 parts of the polymer obtained in Comparative Reference Example 1 and 80 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0092]
(Comparative Example 2)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 80 parts of the polymer obtained in Comparative Reference Example 2 and 20 parts of hydroxyapatite obtained in Reference Example 6. The test results are shown in Table 1.
[0093]
(Comparative Example 3)
The same operations and tests as in Example 1 were performed using 25 parts of the polymer obtained in Comparative Reference Example 3 and 75 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0094]
(Comparative Example 4)
The same operations and tests as in Example 9 were performed using 20 parts of the polymer obtained in Comparative Reference Example 2 and 80 parts of tricalcium phosphate obtained in Reference Example 5. The test results are shown in Table 1.
[0095]
[Table 1]
Figure 0003968411
[0096]
[Table 2]
Figure 0003968411
[0097]
[Table 3]
Figure 0003968411
[0098]
【The invention's effect】
The present invention improves the brittleness, strength, elastic modulus, molding processability, etc., which are disadvantages of a bioactive calcium phosphate compound, and is a lactic acid composite capable of sustained release of a drug having osteoinductive ability and conductive ability. Body, a biomaterial using the complex, a drug sustained-release base, a medical device material, and a method for producing the same.

Claims (10)

キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)と、リン酸カルシウム系化合物(B)とを、その重量比(A)/(B)が99/1部〜1/99部となる範囲で含み、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、前記ポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜5重量部であることを特徴とする乳酸系複合体。The weight ratio (A) / (B) of polylactic acid (A) obtained by deactivating the polymerization catalyst using a chelating agent and / or acidic phosphate ester and calcium phosphate compound (B) is 99/1. The amount of the chelating agent and / or acidic phosphate ester added is 0.001 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polylactic acid. A lactic acid complex. リン酸カルシウム系化合物(B)が、平均粒子径0.1μm〜300μmのリン酸カルシウム系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の乳酸系複合体。The lactic acid complex according to claim 1, wherein the calcium phosphate compound (B) is a calcium phosphate compound having an average particle size of 0.1 µm to 300 µm. リン酸カルシウム系化合物(B)がリン酸三カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の乳酸系複合体。The lactic acid complex according to claim 1 or 2 , wherein the calcium phosphate compound (B) is tricalcium phosphate. 請求項1〜のいずれか一つに記載の乳酸系複合体から成る生体材料。A biomaterial comprising the lactic acid complex according to any one of claims 1 to 3 . 請求項1〜のいずれか一つに記載の乳酸系複合体から成る薬剤徐放性基材。A drug sustained-release base material comprising the lactic acid complex according to any one of claims 1 to 3 . 請求項1〜のいずれか一つに記載の乳酸系複合体から成る医療機器用材料。A medical device material comprising the lactic acid-based composite according to any one of claims 1 to 3 . キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)と、リン酸カルシウム系化合物(B)とを、ポリ乳酸(A)の融点以上の温度で、(A)/(B)の重量比が99/1部〜1/99部となる範囲で、混練し、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、前記ポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜5重量部とすることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法。A polylactic acid (A) obtained by inactivating a polymerization catalyst using a chelating agent and / or an acidic phosphate ester, and a calcium phosphate compound (B) at a temperature equal to or higher than the melting point of the polylactic acid (A) (A ) / (B) is kneaded so that the weight ratio is 99/1 part to 1/99 part, and the addition amount of the chelating agent and / or acidic phosphate is 100 parts by weight of the polylactic acid. And 0.001 to 5 parts by weight of the lactic acid complex. キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類を用いて重合触媒を失活処理したポリ乳酸(A)に、該ポリ乳酸(A)の融点以上の温度で、リン酸カルシウム系化合物(B)と、薬剤(C)とを混練し、前記キレート剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、前記ポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜5重量部とすることを特徴とする乳酸系複合体の製造方法。To the polylactic acid (A) obtained by deactivating the polymerization catalyst using a chelating agent and / or acidic phosphate ester, at a temperature equal to or higher than the melting point of the polylactic acid (A), the calcium phosphate compound (B) and the drug ( C) and the amount of the chelating agent and / or acidic phosphate ester added is 0.001 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polylactic acid. Body manufacturing method. リン酸カルシウム系化合物(B)が、平均粒子径0.1μm〜300μmのリン酸カルシウム系化合物であることを特徴とする請求項7または8に記載の乳酸系複合体の製造方法。  The method for producing a lactic acid complex according to claim 7 or 8, wherein the calcium phosphate compound (B) is a calcium phosphate compound having an average particle diameter of 0.1 µm to 300 µm. リン酸カルシウム系化合物(B)がリン酸三カルシウムであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の乳酸系複合体の製造方法。  The method for producing a lactic acid complex according to any one of claims 7 to 9, wherein the calcium phosphate compound (B) is tricalcium phosphate.
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