JP3967545B2 - Method for producing propylene chlorohydrin - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水、塩素及びプロピレンを原料としてプロピレンクロルヒドリンを製造する新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレンクロルヒドリンは、プロピレンオキサイド製造原料等として重要な化合物である。
【0003】
上記プロピレンクロルヒドリンは、一般に、プロピレンと塩素とを水中で反応させることによって製造される。
【0004】
但し、上記反応においては、塩素がプロピレンの二重結合に付加してプロピレンジクロライドを生成したり、逐次反応によるエーテル類が生成する等の副反応を防止するため、反応系における塩素濃度を低くし、かつ、プロピレンクロルヒドリン濃度を低く抑えて反応を行う反応条件が一般に採用されている。(MM.P.Ferreoら、Industrie Chmique Beige 19巻 113頁 1954年)。
【0005】
従来、上記反応条件は、所謂、クロルヒドリン塔と呼ばれる反応器を使用することにより実現されていた。即ち、排ガス抜出口およびプロピレンクロルヒドリン取出口を備えた気液分離器を有し、該気液分離器の下部にU字管を連結した環状反応器の下方より、プロピレンおよび排ガス抜出口から抜出した排ガスの少なくとも一部を供給し、その気泡によるガスリフトを駆動力として反応液を循環させながら、下降流の領域において塩素を少量ずつ供給し、反応液に水を補給しながらプロピレンクロルヒドリンを取出す形式の反応器で、塩素およびプロピレンクロルヒドリン濃度を低く抑えながらプロピレンクロルヒドリンを製造する方法が広く実施されている。(日刊工業新聞社発行;日刊工業技術選書14プロピレン系石油化学106〜110頁等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、石油資源の減少や、それに伴う石油の高騰などから、石油資源の有効利用がますます重要視されている。
【0007】
そのため、石油精製における接触分解において、副生ガスからプロピレン含量70〜96体積%のプロピレン含有ガスを回収することが盛んとなってきており、こうしたプロピレン含量のガスも直接使用することが望まれる。
【0008】
さらに、前記の従来のプロピレンクロルヒドリン製造技術をはじめ、多くのプロピレンを原料とする化学反応プロセスにおいて、反応器を通過したプロピレンを含む気体は、一部は反応器で循環使用されているものの、他は排ガスとして焼却処理されることが多い。こうした排ガス中には一般にプロピレンを10〜70体積%程度含んでいる。
【0009】
従って、それらの排ガスを有効利用できれば産業上、極めて有意義である。
【0010】
しかしながら、それらの排ガスは、極めて低プロピレン含量であったり、その供給源によって様々な含量であるため、燃料とする以外にそれらの排ガスを資源として活用するためには、濃縮、精製等の手段を施すことが必要とされる。しかし、係る手段を施すことは、コストを要するため、通常産業的に成り立たない。
【0011】
そこで、種々の含量の、特に低含量のプロピレンを含有するガスを、何等濃縮することなく、原料として有効に使用し得るプロセスの開発が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々のプロピレン含量に対応でき、高いプロピレン利用率を得る、しかも高い選択率でプロピレンクロルヒドリンを製造し得るプロピレンクロルヒドリンの製造プロセスの開発を目的とし、種々研究を重ねたその結果、まず管型反応領域の流路に塩素溶解水溶液を流通せしめ、該流路において、塩素溶解水溶液にプロピレン含有ガスを供給して静止型混合装置で混合する操作を少なくとも1回以上行い、管型反応領域後端開口部を、水媒体が循環するように成し、順次塩素供給口、水媒体供給口、プロピレン含有ガス供給口およびプロピレンクロルヒドリン水溶液取出口を供えた反応液循環系を有する反応器の塩素供給口の下流に位置する水媒体供給口に接続し、管型反応領域後端開口部より得られるプロピレンクロルヒドリンを含む流体を、反応液循環系を有する反応器の水媒体として供給し、プロピレンクロルヒドリン水溶液取出口よりプロピレンクロルヒドリン水溶液を取出すことにより、広い範囲から選ばれる任意のプロピレン含量のプロピレン含有ガスを用いて、簡便な方法で、高い目的物選択性、かつ高いプロピレン利用率でプロピレンクロルヒドリンを製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、一方向流を形成し、且つ循環流路を持たない管型反応領域とその下流先端部に上昇流及び下降流を伴う循環流を形成する環状反応領域とを有し、該環状反応領域は気液分離域を有する複合型反応器を用い、管型反応領域の元端側に塩素溶解水溶液を供給し、その下流域にプロピレン含有ガスを供給し反応を行い、その後環状反応領域において、反応を完結せしめると共に前記気液分離域から未反応ガス及び生成物を含有する水溶液をそれぞれ排出せしめることを特徴とするプロピレンクロルヒドリンの製造方法である。
【0014】
本発明の最大の特徴は、一方向に流れる、所謂管型のワンパス型の反応領域と循環型の反応領域とを組合せた複合反応器を用いることにある。
【0015】
本発明において、より好ましくは、管型の反応領域において、プロピレン含有ガスの供給を行う場所又はその下流で、プロピレンが速やかに塩素溶解水溶液に分散・吸収されるように十分混合される必要がある。 そのためには、供給されたプロピレン含有ガスを速やかに細分し、可及的に細かい気泡に分散させ、該混合後の流体を十分乱流とすることが好ましく、例えば、プロピレン含有ガスを多孔板を介して供給するとか、該混合後の流体の流速を大きくする等も有効な手段であるが、一般には混合装置を設けるのが好ましい態様となる。
【0016】
更に、塩素溶解水溶液中の塩素濃度(より好ましくは次亜塩素酸濃度)を高くすることも、プロセス水量を少なくし且つ高い目的物選択性が得られること、ひいては、反応器を小型化し得るので有効であり、本発明者ら及びその共同研究者らの知見によれば、水性媒体に塩素を溶解させつつ、又は塩素を溶解させた後、該水溶液にアルカリを添加して、pHをアルカリ性にならない範囲で中性側に近付けるよう調製すること、特にpHを1〜7、より好ましくは3〜6の範囲に調製してプロピレンと反応させることによって、より高濃度で且つ高い目的物選択性でプロピレンクロルヒドリンを得ることが可能となる。
【0017】
なお、pHの調製は、酸性側から上記pH範囲に調製すべきであって、アルカリ性水溶液に塩素を導入するなどアルカリ性側からpHを調製する場合にはクロレートの生成が起こり塩素が無駄に消費されることになるので好ましくない。また、pHは7を越えると反応速度が極端に減ずるので同様に好ましくない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を工程ごとに詳細に説明する。
【0019】
(管型反応領域)
本発明において、水媒体中での塩素とプロピレンとの反応は、まず管型反応領域で行われる。即ち、本発明の方法は、塩素溶解水溶液の流路にプロピレン含有ガスを1個所又は数個所に分けて順次供給し、該プロピレン含有ガス混合後の液が前の液と混合する現象を防止しながら、該流路内の生成物であるプロピレンクロルヒドリン濃度を段階的に上昇せしめ、得られる流体を、環状反応領域に導入する。
【0020】
管型反応領域は、循環流路を持たない管状の流路を構成するものであれば特に制限されない。
【0021】
(混合装置)
本発明において、上記管型反応領域において、流路を流れる水溶液中にプロピレン含有ガス、或いは必要に応じて塩素を混合するために、該流路ライン内に、混合装置を設けるのが好ましい。該混合装置としては、静止型混合装置を使用することが、これらガスの水溶液への迅速な溶解を促進し、選択性よく目的物を得ることができるので特に好適である。
【0022】
静止型混合装置としては、公知のものが何ら制限されることなく使用可能である。具体的には、エジェクター、板状またはカップ状の衝突板型の静止型混合装置、およびKenics型、Sulzer型、Etoflo型、Tray Hi-mixer型、Bran & Lubbe型、N-form型、Komax型、Lightnin型、Ross ISG型、Prematechnik PMR型の静止型混合装置等を挙げることができるが、塩素又はプロピレン含有ガスを水溶液中に微細気泡として分散し、下流配管でのガスの溶解を早めることができるため、気液分散性能の良いものが好ましい。このような混合装置として、エジェクター、板状またはカップ状の衝突板型の静止型混合装置、Kenics型、Sulzer型等の静止型混合装置が挙げられる。
【0023】
更に、静止型混合装置としては、混合後における流体の流動状態が気泡流、プラグ流、またはスラグ流のいずれか、特に気泡流となり易いものを選択するのが好ましく、エジェクター、板状またはカップ状の衝突板型の静止型混合装置、Sulzer型等の静止型混合装置が特に好ましい。
【0024】
また、塩素およびプロピレン含有ガスの供給圧力を低くするために、入口と出口の差圧が小さいものが好ましい。
【0025】
(塩素溶解水溶液および塩素)
本発明において、管型反応領域の流路に流通せしめる塩素溶解水溶液は、プロピレンとの反応において必要な濃度に調整されていれば、その調製方法は特に制限されない。例えば、管型反応器に供給される前に、溶解槽を設け、該槽中で水に塩素を吹き込むなど、公知のガス吸収装置を用いて調製しても良いが、工業的には、上記管型反応領域に水を供給すると共に、塩素を供給することにより混合して調製する方法が好ましい。この場合、塩素の水への速やかな吸収を達成するため、塩素の供給場所又はその近辺の下流域において、管型反応領域内に気液混合装置を設けるのが好ましい。
【0026】
また、調製された塩素溶解水溶液は、管型反応領域内を流通する間に、供給されるプロピレンとの反応により塩素濃度が減少する。そこで、塩素は、管型反応器の流路の途中で補給し、塩素溶解水溶液中の塩素濃度を調整することもできる。この場合も、塩素を供給後、ライン内に混合装置を設けて混合することにより、該塩素溶解水溶液中に塩素を効率的に溶解することができるため好ましい。
【0027】
管型反応器への塩素の供給は、混合装置としてエジェクターを用いる場合を除いて混合装置の上流で行われるが、エジェクターの場合は、プロセス用の水をエジェクターの駆動用流体として用い、塩素を軸気ガスとして吸引させて供給する方法を用い得るので、エジェクター内部に供給口を設ける。このことは、後述するプロピレン含有ガスを供給する場合も同様である。
【0028】
また、後段の環状反応領域において塩素を供給する場合、直接反応領域内にガス状で供給し、循環させる反応液の循環量で塩素溶解水溶液中の塩素濃度を調整するのが一般的である。なお、後述する如く、環状反応領域においても、プロピレン含有ガスを供給する場合には、その上流で塩素を供給して塩素溶解水溶液を調整しておく必要がある。
【0029】
本発明において、塩素は一旦液化して気化させたガス状の精製塩素でもよいが、電解によって生ずる、酸素や水分を含む純度99%程度の未精製ガス状塩素を使用することが経済的であり好ましい。
【0030】
塩素の供給圧は流路内を流れる液の圧力に打ち勝ち、ガス状の塩素を供給できるだけの圧力があれば十分である。通常、1Kパスカルゲージ〜700Kパスカルゲージの範囲である。
【0031】
塩素の供給量は、圧力、温度で決まる塩素の溶解度以下であれば特に制限されないが、あまりに多いと副生成物が多くなる傾向にあり、あまりに少ないと、目的濃度とするための時間が増大し、反応器の大型化のみならず、副反応を誘発する傾向がある。
【0032】
従って、通常、反応器の流路内部の塩素濃度が500〜20000ppmwの範囲、特に800〜15000ppmwの範囲となるように塩素を供給するのが好ましい。
【0033】
管型反応領域は、1つの管型反応器中に上述した塩素及びプロピレンガスの供給、混合箇所を複数組設けて構成しても良いし、塩素及びプロピレンガスの供給、混合箇所を単数で有する管型反応領域の複数本を直列に接続して構成しても良い。
【0034】
なお、管型反応領域に複数本の管型反応器を直列に接続する場合、該接続部にポンプを設けて液の供給圧を回復させることも好ましい態様となる。
【0035】
また、管型反応領域の流体流れ方向は、水平、傾斜、鉛直方向いずれであってもよいが、水平または傾斜させて設置すると層状流、波状流となりやすくガス吸収効率が悪くなり、ガス吸収のための配管の長さを長くする必要を生じるので、可能な限り鉛直方向で下降流となるように設置することが、気泡流となる範囲が広く、装置全体の長さが短くでき、スケールアップも容易であることから特に好ましい。
【0036】
(水)
本発明において、管型反応領域に供給する水又は塩素溶解水溶液の供給圧は特に制限されるものではないが、液の通液を保証するため、高低差による圧力の回復と後述する混合装置の圧力損失の合計が大気圧以上あればよく、通常1Kパスカルゲージ〜500Kパスカルゲージの範囲であることが好ましい。
【0037】
また、供給水を、混合装置であるエジェクターの駆動力として利用する場合は、完全なガス吸収を保証するためエジェクターの駆動に必要な圧力以上であることが好ましい。
【0038】
本発明において、管型反応領域に供給する水又は塩素溶解水溶液の流速は、ガス混合性能を十分に引き出し、かつ、ガス混合後における流体の流動状態が気泡流、プラグ流、またはスラグ流のいずれか、特に気泡流となるように調整することが好ましい。
【0039】
上記好適な流速は、一概に限定できないが、通常、静止型混合装置を用いる場合、該混合装置に導入される液の流速が0.3〜4m/秒、好ましくは0.7〜3m/秒の範囲である。
【0040】
かかる流速の調整は、一般には、管型反応領域に供給する水又は塩素溶解水溶液の流量と管型反応領域の配管の直径とによって行うことができる(化学工学便覧 第5版 272〜276頁 化学工学会編)。
【0041】
(プロピレン含有ガス)
本発明において、プロピレン含有ガスは、プロピレンを含むものであれば特に制限されないが、一般に、5〜100体積%の範囲、好ましくは10〜100体積%の範囲、さらには12〜100体積%の範囲である。また、プロピレン含量の低い排ガス等と含量の高いガスを混合して、プロピレン含量を任意の含量に調整したものを用いても何等差し支えない。
【0042】
こうしたプロピレン含有ガスを具体的に例示すると、プロピレンクロルヒドリンを製造する際に排出されるプロピレン含量10〜70体積%程度の排ガス、石油精製における接触分解において、副生ガスから回収されるプロピレン含量70〜96体積%程度のFCC回収プロピレン含有ガス、ナフサ分解より製造されるプロピレン含量92〜100体積%のプロピレン含有ガス、イソプロピルアルコール、クメン、アセトン、アクロレイン、アクリル酸、アセトニトリル、アリルクロライド、ポリプロピレン等の製造時に排出されるプロピレン含量10〜70体積%の排ガス等を挙げることができ、特に、プロピレンクロルヒドリンを製造する際に排出されるプロピレン含量10〜70体積%程度の排ガス、石油精製における接触分解において、副生ガスから回収されるプロピレン含量70〜96体積%程度のFCC回収プロピレン含有ガス、ナフサ分解より製造されるプロピレン含量92〜100体積%のプロピレン含有ガスが好ましい。
【0043】
プロピレン以外の成分については、プロピレンクロルヒドリン製造時の反応に関与しない不活性ガスであることが、目的物から引き続き製造されるプロピレンオキサイドの精製の容易さ等の面で好ましい。具体的には、ブタン、イソブタン、プロパン、シクロプロパン、エタン、メタン等の炭化水素、窒素、水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素を例示することができる。なお、酸素を含む場合は、後述する管型反応領域の後段に接続する反応液循環系を有する反応領域から排出される排ガスが爆発範囲に入らないようにプロパン、窒素等を追加することが安全上好ましい。
【0044】
上記プロピレン含有ガスの供給圧は、管型反応領域および反応液循環系を流れる流体の圧力に打ち勝って供給できるだけの圧力があれば十分である。通常、1Kパスカルゲージ〜700Kパスカルゲージの範囲である。
【0045】
また、プロピレン含有ガスの供給量は、あまりに多いと未反応物が多くなり、あまりに少ないと副生成物が多くなる傾向にあるため、通常、前段で供給した塩素のモル数1モルに対するプロピレン純分のモル数の割合で0.9〜2の範囲、特に1〜1.5の範囲が推奨される。
【0046】
プロピレン含有ガスの供給位置は、前段の管型反応領域の流路において塩素を供給する場合、および後段の環状反応領域のいずれの場合も、供給した塩素が十分溶解した位置とすることが好ましい。かかる位置は、予め実験によって決定すればよいが、通常、塩素の完全溶解を確保するために塩素を混合後、4秒以上の滞在時間を確保することが好ましい。
【0047】
一方、プロピレン含有ガスを混合した後は、溶解塩素とプロピレンの反応率を高めるため、10秒以上の滞在時間を確保することが好ましい。
【0048】
(塩素溶解水溶液のpH調整)
本発明において、管型反応領域の流路を流れる塩素溶解水溶液にpHが7以上とならない範囲でアルカリを添加する態様は、得られるプロピレンクロルヒドリンの選択率が高くなるために好ましい。
【0049】
即ち、塩素を水に溶解させると、塩素が水と反応して次亜塩素酸と塩酸とを発生する可逆反応が起こる。本発明の方法において、水に溶解した塩素にアルカリが供給されるために、生成した塩酸はその解離乗数の大きさ(次亜塩素酸4×10-8、塩酸1×10-1)から選択的に中和され、塩が生成する。その結果前記可逆反応は次亜塩素酸が生成する反応が促進され、塩素濃度が極めて低く、次亜塩素酸濃度の高い水溶液を得ることができる。本発明において、こうした溶液流にプロピレンを供給する形態とすることにより、塩素がプロピレンの二重結合に付加することによって生じる副生物の生成をも抑えることが可能となり、目的物であるプロピレンクロルヒドリン選択率がさらに高くなるものと思われる。
【0050】
上記pH調整のために供給されるアルカリの種類は特に制限されないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩などが好適であり、入手の容易さから、水酸化カルシウムが特に好ましい。
【0051】
また、アルカリの添加量は、前記したように塩素溶解水溶液のpHが7を超えない範囲で行うことが必要であり、好ましくはpH1〜7、特にpH3〜6の範囲になるようにアルカリの供給量を制御することが、塩素濃度が低く次亜塩素酸濃度の高い溶液を得ることができるために好適である。
【0052】
上記アルカリの供給方法は特に制限を受けないが、通常、1〜40重量%の水溶液またはスラリーとして連続的に供給するのが好ましい。その際、管型反応領域内の流体のpH検出部とその信号に基づきアルカリ流量を調節するバルブで構成されるpH制御装置を使用してpH制御することが好ましい。
【0053】
また、アルカリの添加は、前記ガスと同様な静止型混合装置を使用して行うことが好ましい。
【0054】
アルカリの添加により、塩素は極めて短時間で水に溶解するため、前記塩素混合後の好適な滞在時間を短縮することが可能であり、通常、かかる滞在時間は、2秒以上で十分となる。
【0055】
(管型反応領域と環状反応領域との接続)
本発明において、重要な要件の一つは、塩素溶解水溶液の流路において、該塩素溶解水溶液にプロピレン含有ガスを供給して、ワンパスで反応を行わせ、次いで、該反応混合流体を、管型反応領域の後端部に接続された環状反応領域に導入し、環状反応領域内で該反応混合流体が循環されつつ目的とする反応を完結させること、及び、未反応ガスと反応生成物水溶液を気液分離後、それぞれ取出すことにある。
【0056】
本発明にあっては、管型反応領域と環状反応領域での各反応領域における反応割合は特に限定されないが、一般に管型反応領域で供給されるプロピレン純分の50%以上は該管型反応領域内で反応する如く構成するのが好ましい。特に、使用するプロピレン含有ガス中のプロピレン含量が高い程、該反応領域でのプロピレンの反応率を高く保つことが、最終的により高濃度、高選択率でプロピレンクロルヒドリンを得ることを可能にするので好ましい。また、管型反応領域で供給した塩素は、該管型反応領域後端部で完全に消費させておく必要は全くない。
【0057】
勿論、必要に応じて環状反応領域においても、プロピレン含有ガス及び(又は)塩素ガス(或いは塩素を溶解した水溶液)を新たに供給することが可能である。
【0058】
一般にプロピレン含有ガスは、環状反応領域における流体の循環を助けるための駆動作用をもたらす位置に供給すべきであり、塩素はプロピレン含有ガス供給口よりも上流に供給すべきである。環状反応領域に塩素及びプロピレン含有ガスの両方を供給する場合には、循環流体の流れ方向において、上流側から順次、塩素の供給、管型反応領域からの流体の導入、プロピレン含有ガスの供給の順とするのが好ましい。かくすることによって、環状反応領域での塩素の溶解をスムーズとし、副反応を抑制することができる。
【0059】
即ち、より具体的には、後述するガスリフトを利用した反応器を選択する場合、環状反応領域において、循環液の下降流域に塩素を供給し、下部近辺で管型反応領域からの流体を合流させ、上昇流に転じる部分の近辺にプロピレン含有ガスを供給するのが好ましい。
【0060】
また、前記流体の合流角度は特に制限されないが、循環流体の流れを妨げない接続角度が好ましく、好適には相互の流体流れ方向に対して90゜以内である。特に60゜以内、更には45゜以内であることが好ましい。
【0061】
また本発明において、好適な環状反応領域を形成させる反応器の例としては、前記従来技術の方法、即ち、所謂クロルヒドリン塔とよばれる排ガス抜出口およびプロピレンクロルヒドリン取出口を備えた気液分離器を有し、該気液分離器の下部にU字管を連結した反応器の下方より、プロピレン含有ガスおよび排ガス抜出口から抜出した排ガスの少なくとも一部を供給し、その気泡によるガスリフトを駆動力として反応液を循環させながら、下降流の領域において塩素を少量ずつ供給し、反応液に水を補給しながらプロピレンクロルヒドリンを取出す形式の反応器、および流路に塩素の供給口とプロピレンの供給口とを順次有し、該供給口の下流位置にそれぞれ混合装置を設けた管型反応器と気液分離器とよりなり、該管型反応器の後端開口部を気液分離器に連結し、該気液分離器で分離された反応液を、循環ポンプを介して管型反応器の前端開口部に供給することにより循環系を形成した反応器を例示することができるが、特にクロルヒドリン塔とよばれる前者の反応器であることが、プロピレン利用率を安定して向上させることができるために好ましい。
【0062】
また、該クロルヒドリン塔の設置数は1ないし3塔直列に設置して排ガスを向流接触させてプロピレンの利用率を高め、プロピレンクロルヒドリンの選択性を上げて濃度を高めることができるために好ましい。
【0063】
(管型反応領域と環状反応領域における負荷量)
本発明において、管型反応領域および環状反応領域への塩素およびプロピレンの供給量の割合は、任意の割合が選択可能であり、主にどちらの反応器をメインに使用するかによって決定すればよい。
【0064】
一般に、選択率を向上したい場合は前段管型反応領域に供給する原料の量を増やせばよいし、プロピレンの利用率を向上したい場合は後段環状反応領域へ供給する原料の量を増やせばよい。
【0065】
なお、後段の環状反応領域から排出される排ガスは、その一部はパージガスとして排出するが、一部は該反応器のプロピレン含有ガス供給口、および管型反応領域へ供給するプロピレン含有ガスとして循環使用してプロピレンクロルヒドリンを製造し、プロピレン利用率をさらに高めることができる。
【0066】
また、系外に排出するパージガス中に少量残存するプロピレンは、既に提案した特願2000−347514号明細書に記載されている方法等によって、さらにプロピレンクロルヒドリン水溶液として取出すことができる。
【0067】
(反応温度等)
本発明において、反応温度としては、あまりに高いと目的物であるプロピレンクロルヒドリンの選択性が低くなる傾向にあるため、得られるプロピレンクロルヒドリン水溶液の温度を80℃以下に調整することが好ましい。かかる調整方法は特に制限されないが、管型反応領域に供給する水又は塩素溶解水溶液の温度を調整する方法が好ましい。即ち、管型反応領域に供給する水又は塩素溶解水溶液の温度は、プロピレンクロルヒドリンの生成反応熱を勘案して70℃以下であることが好ましく、特に、0〜60℃の範囲であることが好ましい。
【0068】
こうして、塩素、広い範囲から選ばれる任意のプロピレン含量のプロピレン含有ガスおよび水を、管型反応領域および環状反応領域を通過させることによって、簡便な方法で、安定して、高い目的物選択性、かつ高いプロピレン利用率でクロルヒドリンを製造することができる。
【0069】
本発明の複合反応器を構成する材料は、塩素供給口のノズル部を除いて、腐食などの問題が生じなければ特に制限されるものではない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料によるライニングによるもの、Ti等の耐食金属材料等を例示することができる。塩素供給口のノズル部はTiを用いると塩素と反応するため、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料であることが好ましい。
【0070】
本発明の方法によって得られたプロピレンクロルヒドリン水溶液はプロピレンオキサイド製造用原料としてそのまま使用することが可能である。
【0071】
以下に、上記方法の代表的な態様を、図1〜2に従って説明する。
【0072】
図1に本発明の代表的態様を示す。
【0073】
即ち、図1に示す態様は、水Cは供給口2より装置内に供給され、塩素ガス供給口12より供給された塩素と混合装置13にて混合され、塩素Aが微細気泡として水に分散される。
【0074】
次いで、上記塩素Aを混合された水は、管型反応領域の流路14において塩素の溶解が進み、プロピレン含有ガス供給口15に到達するまでに溶解が完了して塩素溶解水溶液が調製される。
【0075】
その後、プロピレン含有ガスBがガス供給口15から流路に供給され、該流路を通過する塩素溶解水溶液に供給される。
【0076】
そして、供給されたプロピレン含有ガスは、混合装置16にて塩素溶解水溶液と混合され、プロピレン含有ガスが微細気泡として塩素溶解水溶液に分散される。
【0077】
該混合装置に続く流路17では、プロピレン、塩素および水の反応が進行し、プロピレンクロルヒドリンおよび塩化水素の生成が進行し、プロピレンクロルヒドリンを含む水溶液、プロピレン含有ガス中に含まれるプロピレン以外の成分、および未反応プロピレンよりなる気液が混在したプロピレンクロルヒドリンを含む流体となる。
【0078】
一方、環状反応領域21は、ガス供給口22より塩素Aが供給され、循環している反応液の作用で塩素ガスの溶解が進み、水媒体供給口31に至るまでにほとんどの塩素が反応液に溶解する。
【0079】
次いで、この塩素溶解水溶液と前記管型反応領域からライン1によって導かれた流体と水媒体供給口31の位置でプロピレン含有ガス中に含まれるプロピレン以外の成分、および未反応プロピレンよりなる気液が混在したプロピレンクロルヒドリンを含む流体が合流する。
【0080】
この時、両流体の合流角度は60゜以内とすることによって、循環流の流れが一層スムーズとなる。
【0081】
そうして、環状反応領域21の下方のガス供給口23からプロピレン含有ガスおよび、環状反応領域21の上部に存在する気液分離器の気相部の排ガス抜出口25より抜き出された排ガスの一部がライン26を経て昇圧ポンプ27にて昇圧され反応液循環駆動源として供給される。
【0082】
新たに追加されたプロピレン含有ガスと、前記プロピレン含有ガス中に含まれるプロピレン以外の成分および未反応プロピレンよりなる気液が混在したプロピレンクロルヒドリンを含む流体は、環状反応領域21内部を上昇する間にプロピレン成分は塩素溶解水溶液と反応し、プロピレンクロルヒドリンがさらに生成し、反応液中のプロピレンクロルヒドリンの濃度が高まる。
【0083】
なお、排ガス抜出口25より抜き出された排ガスの一部はパージガス取出口28よりパージガスとして排出される。このパージガスは、このまま焼却することも可能であり、後段にさらにプロピレン回収設備を取り付けることも可能である。
【0084】
生成したプロピレンクロルヒドリンは、プロピレンクロルヒドリン水溶液取出口24を経て、プロピレンクロルヒドリン水溶液Dとして取出される。
【0085】
図2は、別の代表的態様を示す。
【0086】
図2に示す装置は、本発明の別の代表的態様を示す複合反応器である。即ち、塩素溶解水溶液のpHをアルカリの添加により調整するための態様を示すものである。
【0087】
図2の装置は、塩素溶解水溶液を調製する流路14の直後の流路にアルカリ水溶液EをpHの制御を行いながら添加するための、制御バルブ41を有するアルカリ供給口42を設け、その下流側に、混合装置43、pH検出部45、およびpH検出部45の信号を制御バルブ41を制御するための信号に変換する演算部44を設けて制御バルブ41を制御する。
【0088】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明によれば、塩素とプロピレンとを水中で反応せしめてプロピレンクロルヒドリンを製造する方法において、広い範囲から選ばれる任意のプロピレン含量のプロピレン含有ガスを用いて、高い目的物選択性、かつ高いプロピレン利用率でプロピレンクロルヒドリンを工業的に有利に製造することが可能である。
【0089】
従って、本発明の工業的価値は極めて高いものである。
【0090】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するため実施例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0091】
実施例1
図1に示す装置、即ち、一方向流を形成する管型反応領域として配管内径27.6mm、プロピレン含有ガス混合後の配管長20mであり、塩素供給口およびプロピレン含有ガス供給口を備え、塩素およびプロピレン含有ガス混合用として混合装置を備えた管型反応領域の下流先端部に、上部が拡大されて気液分離域が形成され、上昇流及び下降流を伴う循環流を形成する環状反応領域とを有する液循環型反応器よりなる複合反応器を使用し、管型反応領域から環状反応領域に供給される流体を環状反応領域内を流れる流体の流れ方向に対し30゜の鋭角で合流するように接続した。
【0092】
水を管型反応領域の配管の元端部より3.2m3/Hrの速度で供給し、塩素を5.25Nm3/Hrの速度で供給し、プロピレン含量95%のプロピレン含有ガスを5.80Nm3/Hrの速度で供給し第1段のクロルヒドリン化反応を行い、反応液流を得た。
【0093】
次いで、プロピレン含有ガスのガスリフトにより反応液が循環している環状反応領域の反応液に、塩素供給口より塩素を12.5Nm3/Hrの速度で供給し、前記管型反応液流と合流させ、プロピレン混合ガス供給口よりプロピレン含量95%のプロピレン含有ガス、及び、気液分離域の排出ガス抜出口より抜出した排ガスの内、8.8Nm3/Hrの循環ガスを供給し、第2段のクロルヒドリン化反応を行った。
【0094】
該反応系の取出口から3.3m3/Hrの速度でプロピレンクロルヒドリン水溶液、及び1.0Nm3/Hrの速度でパージガスを得た。
【0095】
得られた水溶液及びガスを分析したところ、プロピレンクロルヒドリン選択率は95.5%、プロピレン反応率は99.5%であった。操作条件及び結果を表1に示す。
【0096】
実施例2〜3
表1に示す含量及び供給量で塩素及びプロピレン含有ガスを供給したこと以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0097】
実施例4〜6
図2に示す装置、即ち、管型反応領域の塩素供給口の下流に、塩素溶解水溶液のpHをアルカリの添加により調整するための装置を付加した装置に、アルカリとして17%石灰乳を使用してアルカリ供給口より供給してpHを4に制御し、表1に示す条件でクロルヒドリン化反応を行ったこと以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0098】
比較例1〜2
図3に示す装置、即ち、環状反応領域のみよりなる装置の塩素供給口の上部より水を供給し、表1に示す条件でクロルヒドリン化反応を行った。(図3参照)。その結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する代表的な装置の態様を示す概念図
【図2】本発明方法に使用する他の代表的な装置の態様を示す概念図
【図3】比較例に使用する代表的な装置の態様を示す概念図
【符号の説明】
1 管型反応器
2、51 水供給口
12、22 塩素供給口
13 塩素混合用の静止型混合装置
14 塩素溶解のための流路
15、23 プロピレン含有ガス供給口
16 プロピレン混合用の静止型混合装置
17 反応のための流路
21 液循環型反応器
24 プロピレンクロルヒドリン水溶液取出口
25 排ガス抜出口
26 循環ガス用配管
27 昇圧ポンプ
28 パージガス取出口
31 水媒体供給口
41 制御バルブ
42 アルカリ供給口
43 アルカリ混合用の静止型混合装置
44 演算部
45 pH検出部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel method for producing propylene chlorohydrin from water, chlorine and propylene as raw materials.
[0002]
[Prior art]
Propire Nk Lorhydrin is an important compound as a raw material for producing propylene oxide.
[0003]
The propylene chlorohydrin is generally produced by reacting propylene and chlorine in water.
[0004]
However, in the above reaction, chlorine is added to the double bond of propylene to produce propylene dichloride, and side reactions such as the formation of ethers by successive reactions are prevented. In addition, reaction conditions for carrying out the reaction while keeping the propylene chlorohydrin concentration low are generally employed. (MM P. Ferreo et al., Industry Chemibe Beige 19: 113, 1954).
[0005]
Conventionally, the above reaction conditions have been realized by using a so-called reactor called a chlorohydrin tower. That is, from the lower part of the annular reactor having a gas-liquid separator provided with an exhaust gas outlet and a propylene chlorohydrin outlet, and having a U-shaped tube connected to the lower part of the gas-liquid separator, from the propylene and exhaust gas outlet Supply at least part of the extracted exhaust gas, circulate the reaction liquid using the gas lift caused by the bubbles as a driving force, supply chlorine little by little in the downward flow region, and replenish the reaction liquid with propylene chlorohydrin In general, a method of producing propylene chlorohydrin while keeping the chlorine and propylene chlorohydrin concentrations low is widely practiced. (Published by Nikkan Kogyo Shimbun; Nikkan Kogyo Kogyo Chosen 14 Propylene-based petrochemicals 106-110 pages, etc.).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
On the other hand, the effective use of petroleum resources is becoming more and more important due to the decrease in petroleum resources and the accompanying rise in oil prices.
[0007]
Therefore, in the catalytic cracking in petroleum refining, it has become popular to recover a propylene-containing gas having a propylene content of 70 to 96% by volume from a by-product gas, and it is desirable to directly use such a propylene-containing gas.
[0008]
Furthermore, in the chemical reaction process using many propylene as raw materials, including the conventional propylene chlorohydrin production technology described above, the gas containing propylene that has passed through the reactor is partly circulated in the reactor. Others are often incinerated as exhaust gas. Such exhaust gas generally contains about 10 to 70% by volume of propylene.
[0009]
Therefore, if these exhaust gases can be used effectively, it is extremely meaningful in industry.
[0010]
However, since these exhaust gases have a very low propylene content or various contents depending on their supply sources, in order to use these exhaust gases as resources in addition to fuel, means such as concentration and purification must be used. It is necessary to apply. However, applying such means is costly and usually not industrially feasible.
[0011]
Accordingly, it has been desired to develop a process that can effectively use various contents of a gas containing propylene, particularly a low content, as a raw material without any concentration.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted various studies with the aim of developing a process for producing propylene chlorohydrin that can cope with various propylene contents, obtain a high propylene utilization rate, and can produce propylene chlorohydrin with a high selectivity. As a result, the chlorine-dissolved aqueous solution is first circulated through the flow path in the tubular reaction region, and the operation of supplying the propylene-containing gas to the chlorine-dissolved aqueous solution and mixing in the static-type mixing device at least once in the flow path. And a reaction liquid provided with a chlorine supply port, an aqueous medium supply port, a propylene-containing gas supply port, and a propylene chlorohydrin aqueous solution outlet in order so that the aqueous medium circulates in the rear end opening of the tubular reaction region Connected to an aqueous medium supply port located downstream of the chlorine supply port of a reactor having a circulation system, the propylene chlorohydride obtained from the rear end opening of the tubular reaction region Is supplied as an aqueous medium of a reactor having a reaction liquid circulation system, and a propylene chlorohydrin aqueous solution is taken out from a propylene chlorohydrin aqueous solution outlet, thereby containing a propylene having an arbitrary propylene content selected from a wide range. The inventors have found that propylene chlorohydrin can be produced with a high target selectivity and a high propylene utilization rate by a simple method using gas, and the present invention has been completed.
[0013]
That is, the present invention forms a unidirectional flow And no circulation channel A tubular reaction region and an annular reaction region that forms a circulating flow with an upward flow and a downward flow at its downstream tip, and the annular reaction region uses a combined reactor having a gas-liquid separation region, A chlorine-dissolved aqueous solution is supplied to the former end side of the reaction zone, and a propylene-containing gas is supplied to the downstream zone to carry out the reaction. Thereafter, in the cyclic reaction zone, the reaction is completed and unreacted gas and generated from the gas-liquid separation zone A method for producing propylene chlorohydrin, comprising discharging each aqueous solution containing a product.
[0014]
The greatest feature of the present invention is to use a combined reactor in which a so-called tube-type one-pass reaction region and a circulation reaction region that flow in one direction are combined.
[0015]
In the present invention, more preferably, in the tubular reaction zone, the propylene-containing gas needs to be sufficiently mixed so that propylene is quickly dispersed and absorbed in the chlorine-dissolved aqueous solution at the location where the propylene-containing gas is supplied or downstream thereof. . For this purpose, it is preferable to quickly subdivide the supplied propylene-containing gas and disperse it into fine bubbles as much as possible to make the mixed fluid sufficiently turbulent. However, it is preferable to provide a mixing device in general.
[0016]
Furthermore, increasing the chlorine concentration (more preferably the hypochlorous acid concentration) in the chlorine-dissolved aqueous solution can reduce the amount of process water and achieve high object selectivity, and thus can downsize the reactor. According to the knowledge of the present inventors and their collaborators, the pH is made alkaline by adding alkali to the aqueous solution while dissolving chlorine in the aqueous medium or after dissolving chlorine. By preparing to approach the neutral side within a range that does not become a problem, especially by adjusting the pH to a range of 1 to 7, more preferably 3 to 6 and reacting with propylene, it is possible to achieve a higher concentration and a higher target selectivity. Propylene chlorohydrin can be obtained.
[0017]
The pH should be adjusted within the above pH range from the acidic side, and when pH is adjusted from the alkaline side, such as by introducing chlorine into the alkaline aqueous solution, chlorate is generated and chlorine is consumed wastefully. This is not preferable. On the other hand, if the pH exceeds 7, the reaction rate is extremely decreased, which is not preferable.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, this invention is demonstrated in detail for every process.
[0019]
(Tube type reaction zone)
In the present invention, the reaction between chlorine and propylene in an aqueous medium is first performed in a tubular reaction zone. That is, the method of the present invention prevents the phenomenon that the propylene-containing gas is sequentially supplied to the flow path of the chlorine-dissolved aqueous solution in one place or several places and the liquid after mixing the propylene-containing gas is mixed with the previous liquid. However, the concentration of propylene chlorohydrin, which is a product in the flow path, is increased stepwise, and the resulting fluid is introduced into the annular reaction region.
[0020]
The tubular reaction region is not particularly limited as long as it constitutes a tubular flow channel having no circulation flow channel.
[0021]
(Mixing device)
In the present invention, it is preferable to provide a mixing device in the flow path line in order to mix the propylene-containing gas or chlorine as required in the aqueous solution flowing through the flow path in the tubular reaction region. As the mixing device, it is particularly preferable to use a static mixing device because it can accelerate the rapid dissolution of these gases in an aqueous solution and obtain the desired product with good selectivity.
[0022]
As the static mixing device, a known device can be used without any limitation. Specifically, ejector, plate-type or cup-type collision plate type static mixing device, Kenics type, Sulzer type, Etoflo type, Tray Hi-mixer type, Bran & Lubbe type, N-form type, Komax type , Lightnin type, Ross ISG type, Prematechnik PMR type static mixing device, etc., but chlorine or propylene containing gas can be dispersed as fine bubbles in aqueous solution to accelerate gas dissolution in downstream piping Therefore, those having good gas-liquid dispersion performance are preferable. Examples of such a mixing apparatus include an ejector, a plate-shaped or cup-shaped collision plate-type static mixing apparatus, a static mixing apparatus such as a Kenics type, a Sulzer type, and the like.
[0023]
Further, as the static mixing device, it is preferable to select one in which the fluid state after mixing is a bubble flow, a plug flow, or a slag flow, particularly those that are likely to become a bubble flow. Ejector, plate shape or cup shape Especially, a stationary mixing device such as a collision plate type static mixing device or a Sulzer type stationary mixing device is preferred.
[0024]
Moreover, in order to lower the supply pressure of the chlorine and propylene-containing gas, those having a small differential pressure between the inlet and the outlet are preferable.
[0025]
(Chlorine-dissolved aqueous solution and chlorine)
In the present invention, the preparation method of the chlorine-dissolved aqueous solution flowing through the flow path in the tubular reaction region is not particularly limited as long as it is adjusted to a concentration necessary for the reaction with propylene. For example, it may be prepared using a known gas absorption device such as providing a dissolution tank and blowing chlorine into water in the tank before being supplied to the tubular reactor. A method of preparing by mixing water by supplying water to the tubular reaction zone and supplying chlorine is preferable. In this case, in order to achieve rapid absorption of chlorine into water, it is preferable to provide a gas-liquid mixing device in the tubular reaction region at the chlorine supply site or in the downstream region in the vicinity thereof.
[0026]
In addition, the prepared chlorine-dissolved aqueous solution decreases in chlorine concentration due to the reaction with the supplied propylene while circulating in the tubular reaction zone. Therefore, chlorine can be replenished in the middle of the flow path of the tubular reactor to adjust the chlorine concentration in the chlorine-dissolved aqueous solution. Also in this case, it is preferable to provide a mixing device in the line after the chlorine is supplied, and to mix the chlorine in the chlorine-dissolved aqueous solution.
[0027]
The supply of chlorine to the tubular reactor is performed upstream of the mixing apparatus except when an ejector is used as the mixing apparatus. In the case of an ejector, the process water is used as the driving fluid for the ejector, and chlorine is used. Since a method of supplying the gas by sucking it as axial air gas can be used, a supply port is provided inside the ejector. The same applies to the case of supplying a propylene-containing gas described later.
[0028]
When chlorine is supplied in the subsequent annular reaction region, it is generally supplied in the gaseous state directly in the reaction region, and the chlorine concentration in the chlorine-dissolved aqueous solution is adjusted by the circulation amount of the reaction liquid to be circulated. As will be described later, also in the cyclic reaction region, when the propylene-containing gas is supplied, it is necessary to supply chlorine upstream to adjust the chlorine-dissolved aqueous solution.
[0029]
In the present invention, the chlorine may be gaseous purified chlorine once liquefied and vaporized, but it is economical to use unpurified gaseous chlorine having a purity of about 99% containing oxygen and moisture generated by electrolysis. preferable.
[0030]
It is sufficient that the supply pressure of chlorine overcomes the pressure of the liquid flowing in the flow path and has a pressure sufficient to supply gaseous chlorine. Usually, it is in the range of 1K Pascal gauge to 700K Pascal gauge.
[0031]
The supply amount of chlorine is not particularly limited as long as it is less than the solubility of chlorine determined by pressure and temperature. However, if it is too much, there is a tendency for by-products to increase. There is a tendency not only to increase the size of the reactor, but also to induce side reactions.
[0032]
Therefore, it is usually preferable to supply chlorine so that the chlorine concentration inside the flow path of the reactor is in the range of 500 to 20000 ppmw, particularly in the range of 800 to 15000 ppmw.
[0033]
The tubular reaction zone may be configured by providing a plurality of the above-described chlorine and propylene gas supply / mixing locations in one tubular reactor, or a single chlorine / propylene gas supply / mixing location. A plurality of tubular reaction regions may be connected in series.
[0034]
In the case where a plurality of tubular reactors are connected in series to the tubular reaction region, it is also preferable to provide a pump at the connecting portion to restore the liquid supply pressure.
[0035]
In addition, the fluid flow direction in the tubular reaction region may be any of horizontal, inclined, and vertical directions, but if installed horizontally or inclined, a laminar flow or a wave flow is likely to occur, resulting in poor gas absorption efficiency. Therefore, it is necessary to increase the length of the piping for the vertical flow as much as possible, so that it can be installed in the vertical direction as much as possible, so that the range of bubble flow is wide, the overall length of the device can be shortened, and the scale up Is also preferable because it is easy.
[0036]
(water)
In the present invention, the supply pressure of water or a chlorine-dissolved aqueous solution supplied to the tubular reaction region is not particularly limited, but in order to guarantee the liquid flow, the pressure recovery due to the difference in height and the mixing apparatus described later The total pressure loss may be at least atmospheric pressure, and is usually preferably in the range of 1 K Pascal gauge to 500 K Pascal gauge.
[0037]
Moreover, when using supply water as a drive force of the ejector which is a mixing apparatus, it is preferable that it is more than the pressure required for the drive of an ejector in order to ensure complete gas absorption.
[0038]
In the present invention, the flow rate of the water or the chlorine-dissolved aqueous solution supplied to the tubular reaction region sufficiently draws out the gas mixing performance, and the flow state of the fluid after gas mixing is any of a bubble flow, a plug flow, or a slag flow. In particular, it is preferable to adjust so as to obtain a bubble flow.
[0039]
The preferred flow rate is not limited in general, but usually when a static mixing device is used, the flow rate of the liquid introduced into the mixing device is 0.3 to 4 m / second, preferably 0.7 to 3 m / second. Range.
[0040]
In general, the flow rate can be adjusted by adjusting the flow rate of water or a chlorine-dissolved aqueous solution supplied to the tubular reaction region and the diameter of the piping in the tubular reaction region (Chemical Engineering Handbook 5th Edition, pages 272-276) Engineering Society).
[0041]
(Propylene-containing gas)
In the present invention, the propylene-containing gas is not particularly limited as long as it contains propylene, but is generally in the range of 5 to 100% by volume, preferably in the range of 10 to 100% by volume, and further in the range of 12 to 100% by volume. It is. In addition, it is possible to use a mixture in which an exhaust gas having a low propylene content and a gas having a high content are mixed to adjust the propylene content to an arbitrary content.
[0042]
Specific examples of such a propylene-containing gas include an exhaust gas having a propylene content of about 10 to 70% by volume discharged when producing propylene chlorohydrin, and a propylene content recovered from a by-product gas in catalytic cracking in petroleum refining. 70-96 volume% FCC recovered propylene-containing gas, propylene-containing gas produced by naphtha cracking with a propylene content of 92-100 volume%, isopropyl alcohol, cumene, acetone, acrolein, acrylic acid, acetonitrile, allyl chloride, polypropylene, etc. Exhaust gas having a propylene content of 10 to 70% by volume discharged at the time of production of the propylene chlorohydrin, particularly in exhaust gas having a propylene content of about 10 to 70% by volume discharged in the production of propylene chlorohydrin. Odor in catalytic cracking , FCC recovered propylene-containing gas propylene content of about 70 to 96 vol% recovered from by-product gases, propylene content 92 to 100% by volume of propylene containing gas produced from naphtha cracking are preferred.
[0043]
The components other than propylene are preferably inert gases that do not participate in the reaction during the production of propylene chlorohydrin from the standpoint of easiness of purification of propylene oxide produced from the target product. Specific examples include hydrocarbons such as butane, isobutane, propane, cyclopropane, ethane, and methane, nitrogen, hydrogen, oxygen, carbon monoxide, and carbon dioxide. When oxygen is included, it is safe to add propane, nitrogen, etc. so that the exhaust gas discharged from the reaction zone having a reaction liquid circulation system connected to the latter stage of the tubular reaction zone described later does not enter the explosion range. Above preferred.
[0044]
The supply pressure of the propylene-containing gas is sufficient if it is sufficient to overcome the pressure of the fluid flowing through the tubular reaction region and the reaction liquid circulation system. Usually, it is in the range of 1K Pascal gauge to 700K Pascal gauge.
[0045]
In addition, if the supply amount of propylene-containing gas is too large, the amount of unreacted substances tends to increase, and if it is too small, the amount of by-products tends to increase. A range of 0.9 to 2 in particular in the range of 1 to 1.5 is recommended.
[0046]
The supply position of the propylene-containing gas is preferably a position where the supplied chlorine is sufficiently dissolved both in the case of supplying chlorine in the flow path of the preceding tubular reaction region and in the case of the subsequent annular reaction region. Such a position may be determined in advance by experiments, but it is usually preferable to ensure a residence time of 4 seconds or more after mixing chlorine in order to ensure complete dissolution of chlorine.
[0047]
On the other hand, after mixing the propylene-containing gas, it is preferable to ensure a residence time of 10 seconds or longer in order to increase the reaction rate between dissolved chlorine and propylene.
[0048]
(PH adjustment of chlorine-dissolved aqueous solution)
In the present invention, an embodiment in which alkali is added to a chlorine-dissolved aqueous solution flowing through the flow path of the tubular reaction region in a range where the pH does not become 7 or higher is preferable because the selectivity of the resulting propylene chlorohydrin is increased.
[0049]
That is, when chlorine is dissolved in water, a reversible reaction occurs in which chlorine reacts with water to generate hypochlorous acid and hydrochloric acid. In the method of the present invention, since alkali is supplied to chlorine dissolved in water, the generated hydrochloric acid has a magnitude of its dissociation multiplier (hypochlorous acid 4 × 10 4 -8 ,
[0050]
The type of alkali supplied for pH adjustment is not particularly limited, but alkali metal hydroxides such as lithium hydroxide, sodium hydroxide, and potassium hydroxide, magnesium hydroxide, calcium hydroxide, barium hydroxide, etc. Alkaline earth metal hydroxides, alkali metal carbonates such as sodium carbonate, sodium hydrogen carbonate, and potassium carbonate, and alkaline earth metal carbonates such as magnesium carbonate and calcium carbonate are preferred. Calcium oxide is particularly preferred.
[0051]
Further, as described above, the amount of alkali added must be within the range where the pH of the chlorine-dissolved aqueous solution does not exceed 7, preferably pH 1-7, particularly alkali supply so as to be in the range of pH 3-6. Controlling the amount is preferable because a solution having a low chlorine concentration and a high hypochlorous acid concentration can be obtained.
[0052]
The method for supplying the alkali is not particularly limited, but it is usually preferable to supply it continuously as a 1 to 40% by weight aqueous solution or slurry. At that time, it is preferable to control the pH by using a pH control device constituted by a pH detection unit for the fluid in the tubular reaction region and a valve for adjusting the alkali flow rate based on the signal.
[0053]
Moreover, it is preferable to perform addition of an alkali using the same static mixing apparatus as the said gas.
[0054]
By adding an alkali, chlorine dissolves in water in a very short time. Therefore, it is possible to shorten a suitable residence time after mixing the chlorine, and usually the residence time is 2 seconds or more.
[0055]
(Connection between tubular reaction zone and annular reaction zone)
In the present invention, one of the important requirements is that a propylene-containing gas is supplied to the chlorine-dissolved aqueous solution in the flow path of the chlorine-dissolved aqueous solution to perform the reaction in a single pass. The reaction mixture is introduced into an annular reaction region connected to the rear end of the reaction region, and the reaction mixture fluid is circulated in the annular reaction region to complete the intended reaction, and the unreacted gas and the reaction product aqueous solution are It is to be taken out after gas-liquid separation.
[0056]
In the present invention, the reaction rate in each reaction region in the tubular reaction region and the cyclic reaction region is not particularly limited, but generally 50% or more of the pure propylene supplied in the tubular reaction region is the tubular reaction region. It is preferable to configure the reaction within the region. In particular, the higher the propylene content in the propylene-containing gas to be used, the higher the propylene reaction rate in the reaction region, and finally it is possible to obtain propylene chlorohydrin at a higher concentration and higher selectivity. Therefore, it is preferable. Further, the chlorine supplied in the tubular reaction zone does not need to be completely consumed at the rear end of the tubular reaction zone.
[0057]
Of course, a propylene-containing gas and / or a chlorine gas (or an aqueous solution in which chlorine is dissolved) can be newly supplied in the cyclic reaction region as necessary.
[0058]
In general, the propylene-containing gas should be supplied to a position that provides a driving action to assist the circulation of fluid in the annular reaction zone, and chlorine should be supplied upstream of the propylene-containing gas supply port. When supplying both chlorine and propylene-containing gas to the annular reaction zone, in the flow direction of the circulating fluid, sequentially supply chlorine from the upstream side, introduce fluid from the tubular reaction zone, and supply propylene-containing gas. The order is preferable. By doing so, it is possible to smoothly dissolve chlorine in the cyclic reaction region and to suppress side reactions.
[0059]
That is, more specifically, when a reactor using a gas lift described later is selected, chlorine is supplied to the downward flow region of the circulating liquid in the annular reaction region, and the fluid from the tubular reaction region is joined near the lower part. The propylene-containing gas is preferably supplied in the vicinity of the portion that turns into an upward flow.
[0060]
Further, the merging angle of the fluid is not particularly limited, but a connection angle that does not hinder the flow of the circulating fluid is preferable, and is preferably within 90 ° with respect to the mutual fluid flow direction. In particular, it is preferably within 60 °, more preferably within 45 °.
[0061]
In the present invention, examples of a reactor for forming a suitable cyclic reaction zone include the above-mentioned conventional method, that is, a gas-liquid separation equipped with an exhaust gas outlet and a propylene chlorohydrin outlet called a so-called chlorohydrin tower. A propylene-containing gas and at least part of the exhaust gas extracted from the exhaust gas outlet are supplied from below the reactor having a U-tube connected to the lower part of the gas-liquid separator, and the gas lift caused by the bubbles is driven Reactor is circulated as a force, chlorine is supplied little by little in the downward flow region, propylene chlorohydrin is taken out while replenishing water to the reaction solution, and a chlorine supply port and propylene in the flow path And a gas-liquid separator each having a mixing device at a downstream position of the supply port, and a rear end opening of the tubular reactor. Is connected to a gas-liquid separator, and a reactor in which a circulation system is formed by supplying the reaction liquid separated by the gas-liquid separator to the front end opening of the tubular reactor via a circulation pump is illustrated. In particular, the former reactor called a chlorohydrin tower is preferable because the propylene utilization rate can be stably improved.
[0062]
In addition, the number of chlorohydrin towers to be installed is one to three in series, and the exhaust gas is brought into counter-current contact to increase the utilization rate of propylene, and the selectivity of propylene chlorohydrin can be increased to increase the concentration. preferable.
[0063]
(Loads in the tubular reaction zone and the annular reaction zone)
In the present invention, the ratio of the supply amount of chlorine and propylene to the tubular reaction zone and the cyclic reaction zone can be selected arbitrarily, and may be determined mainly depending on which reactor is mainly used. .
[0064]
In general, when it is desired to improve the selectivity, the amount of the raw material supplied to the upstream tubular reaction region may be increased, and when the utilization rate of propylene is to be improved, the amount of the raw material supplied to the subsequent annular reaction region may be increased.
[0065]
A part of the exhaust gas discharged from the subsequent annular reaction region is discharged as a purge gas, but a part is circulated as a propylene-containing gas supplied to the propylene-containing gas supply port of the reactor and the tubular reaction region. It can be used to produce propylene chlorohydrin to further increase propylene utilization.
[0066]
Further, a small amount of propylene remaining in the purge gas discharged out of the system can be further taken out as an aqueous solution of propylene chlorohydrin by the method described in Japanese Patent Application No. 2000-347514.
[0067]
(Reaction temperature, etc.)
In the present invention, if the reaction temperature is too high, the selectivity of the target propylene chlorohydrin tends to be low, so it is preferable to adjust the temperature of the resulting propylene chlorohydrin aqueous solution to 80 ° C. or lower. . Such an adjustment method is not particularly limited, but a method of adjusting the temperature of water or a chlorine-dissolved aqueous solution supplied to the tubular reaction region is preferable. That is, the temperature of the water or chlorine-dissolved aqueous solution supplied to the tubular reaction zone is preferably 70 ° C. or less in consideration of the heat of reaction for formation of propylene chlorohydrin, and is particularly in the range of 0 to 60 ° C. Is preferred.
[0068]
Thus, by passing chlorine, a propylene-containing gas having any propylene content selected from a wide range, and water through the tubular reaction zone and the cyclic reaction zone, the target selectivity can be stably increased in a simple manner. In addition, chlorohydrin can be produced with a high propylene utilization rate.
[0069]
The material constituting the composite reactor of the present invention is not particularly limited as long as no problem such as corrosion occurs except for the nozzle portion of the chlorine supply port. For example, a lining made of a polymer material such as polytetrafluoroethylene, and a corrosion-resistant metal material such as Ti can be exemplified. Since the nozzle of the chlorine supply port reacts with chlorine when Ti is used, it is preferably a polymer material such as polytetrafluoroethylene.
[0070]
The aqueous propylene chlorohydrin solution obtained by the method of the present invention can be used as it is as a raw material for producing propylene oxide.
[0071]
Below, the typical aspect of the said method is demonstrated according to FIGS.
[0072]
FIG. 1 shows a typical embodiment of the present invention.
[0073]
That is, in the embodiment shown in FIG. 1, water C is supplied into the apparatus from the
[0074]
Next, the water mixed with the chlorine A advances in the dissolution of the chlorine in the
[0075]
Thereafter, propylene-containing gas B is supplied from the
[0076]
The supplied propylene-containing gas is mixed with the chlorine-dissolved aqueous solution by the mixing
[0077]
In the
[0078]
On the other hand, in the
[0079]
Subsequently, the chlorine-dissolved aqueous solution, the fluid led by the
[0080]
At this time, the flow of the circulating flow becomes smoother by setting the merging angle of both fluids to be within 60 °.
[0081]
Thus, the propylene-containing gas from the
[0082]
A fluid containing propylene chlorohydrin in which a newly added propylene-containing gas and a component other than propylene contained in the propylene-containing gas and a gas-liquid composed of unreacted propylene are mixed up inside the
[0083]
A part of the exhaust gas extracted from the
[0084]
The produced propylene chlorohydrin is taken out as a propylene chlorohydrin aqueous solution D through a propylene chlorohydrin
[0085]
FIG. 2 shows another exemplary embodiment.
[0086]
The apparatus shown in FIG. 2 is a combined reactor showing another exemplary embodiment of the present invention. That is, an embodiment for adjusting the pH of the chlorine-dissolved aqueous solution by adding an alkali is shown.
[0087]
The apparatus of FIG. 2 is provided with an
[0088]
【The invention's effect】
As can be understood from the above description, according to the present invention, in a method for producing propylene chlorohydrin by reacting chlorine and propylene in water, a propylene-containing gas having an arbitrary propylene content selected from a wide range is used. It is possible to industrially advantageously produce propylene chlorohydrin with high object selectivity and high propylene utilization.
[0089]
Therefore, the industrial value of the present invention is extremely high.
[0090]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, examples will be shown to describe the present invention more specifically, but the present invention is not limited to the following examples.
[0091]
Example 1
The apparatus shown in FIG. 1, that is, a tubular reaction region that forms a unidirectional flow, has a pipe inner diameter of 27.6 mm, a pipe length of 20 m after mixing with propylene-containing gas, a chlorine supply port and a propylene-containing gas supply port, And an annular reaction region in which a gas-liquid separation region is formed at the downstream end of a tubular reaction region equipped with a mixing device for mixing a propylene-containing gas and a gas-liquid separation region is formed to form a circulating flow with an upward flow and a downward flow The fluid supplied from the tubular reaction zone to the annular reaction zone is joined at an acute angle of 30 ° with respect to the flow direction of the fluid flowing in the annular reaction zone. So connected.
[0092]
3.2m from the original end of the pipe in the tubular reaction zone Three / Hr at a rate of 5.25 Nm of chlorine Three / Hr at a rate of 5.80 Nm of propylene-containing gas with a propylene content of 95% Three The first stage chlorohydrination reaction was carried out at a rate of / Hr to obtain a reaction liquid stream.
[0093]
Next, 12.5 Nm of chlorine is supplied from the chlorine supply port to the reaction solution in the annular reaction region where the reaction solution is circulated by the gas lift of the propylene-containing gas Three Of propylene-containing gas having a propylene content of 95% from the propylene mixed gas supply port and exhaust gas extracted from the exhaust gas outlet of the gas-liquid separation zone. 8.8 Nm Three The second stage chlorohydrination reaction was performed by supplying a circulating gas of / Hr.
[0094]
3.3 m from the outlet of the reaction system Three / Hr speed propylene chlorohydrin aqueous solution, and 1.0 Nm Three A purge gas was obtained at a rate of / Hr.
[0095]
When the obtained aqueous solution and gas were analyzed, the propylene chlorohydrin selectivity was 95.5%, and the propylene reaction rate was 99.5%. The operating conditions and results are shown in Table 1.
[0096]
Examples 2-3
It carried out like Example 1 except having supplied chlorine and a propylene containing gas with the content and supply amount which are shown in Table 1. The results are shown in Table 1.
[0097]
Examples 4-6
In the apparatus shown in FIG. 2, that is, an apparatus for adjusting the pH of the chlorine-dissolved aqueous solution by adding alkali downstream of the chlorine supply port in the tubular reaction zone, 17% lime milk is used as alkali. Then, the same procedure as in Example 1 was performed except that the pH was controlled to 4 by supplying from the alkali supply port and the chlorohydrination reaction was performed under the conditions shown in Table 1. The results are shown in Table 1.
[0098]
Comparative Examples 1-2
Water was supplied from the upper part of the chlorine supply port of the apparatus shown in FIG. 3, that is, the apparatus consisting only of the cyclic reaction region, and the chlorohydrin reaction was performed under the conditions shown in Table 1. (See FIG. 3). The results are shown in Table 1.
[0099]
[Table 1]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an embodiment of a typical apparatus used in the method of the present invention.
FIG. 2 is a conceptual diagram showing an embodiment of another typical apparatus used in the method of the present invention.
FIG. 3 is a conceptual diagram showing an aspect of a typical apparatus used in a comparative example.
[Explanation of symbols]
1 Tube reactor
2,51 Water supply port
12, 22 Chlorine supply port
13 Static mixer for mixing chlorine
14 Channel for chlorine dissolution
15, 23 Propylene-containing gas supply port
16 Static mixer for propylene mixing
17 Flow path for reaction
21 Liquid circulation reactor
24 Propylene chlorohydrin aqueous solution outlet
25 Exhaust gas outlet
26 Piping for circulating gas
27 Booster pump
28 Purge gas outlet
31 Water supply port
41 Control valve
42 Alkali supply port
43 Static mixer for alkali mixing
44 Calculation unit
45 pH detector
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