JP3965264B2 - Hydropower plant hydraulic machine with surge tank - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上流または下流側にサージタンクを備えた水力プラントに設置され、水量制御手段と水量制御手段を制御するガバナを備えた水力機械に係わり、特に当該サージタンクの容量合理化を計るに好適な水力機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電力系統に接続される水力発電機械においては、系統に連繋されて運転されている時は系統から強力な回転速度安定化作用が期待できるので、回転速度を制御するガバナの設定値は安定性より速応性を重視して比較的高いゲインに設定され、系統から分離された時や系統から事実上分離され系統側から回転速度安定化作用があまり期待できない場合には速応性より回転速度の安定性を重視して比較的低いゲインに設定される。そこで、従来は、ガバナのゲインは連繋運転中で考えられる最高のゲインを想定し、かつ、水量制御手段を考えられる最大振幅で、しかも、サージタンク固有振動相当周期で、考えられる最多回数開閉するような信号がガバナに与えられたと仮定して、それでも上下流のサージタンクはオーバーフローしないよう十分な容量に設計していた。
【0003】
又、水力発電所の水路系の解析をしたものに、日立評論 VOL.56 No.12(1974−12) p1155〜1160に記載のものがある。この文献には、非線形性を考慮して水路系の水撃作用を解析している。
【0004】
又、従来の装置である電力系統に接続された発電機、これに直結された水車からなる水力プラントでは、一般に、回転速度検出器を備え該回転速度検出器の出力信号に応答して水車の流量制御手段(例えばガイドベーン)を制御して水車出力を上げて発電機負荷と比較してより大きくして回転速度を上げて、あるいは水車出力を下げて発電機負荷と比較してより小さくして回転速度を下げて回転速度を所定値に制御する回転速度ガバナを設けているが、回転速度→回転速度検出器→回転速度ガバナ演算部→回転速度ガバナ増幅部→流量制御手段→水車出力→発電機負荷との差修正→回転速度修正となって一巡する回転速度制御系に対して、一種のバイアス調整をする部分を回転速度ガバナの演算部に設けている。水力プラントが大電力系統から切り離され、特定の小負荷だけに電力を供給するような実質的に単独送電や完全な無負荷運転になった場合には、発電機負荷は一定と考えられるので、このバイアスの調整は結果的に速度調整の役割を果たす。すなわち、発電機負荷に見合う水車出力は変わらないので、バイアス調整分を相殺できるのは回転速度Nの変化であるためである。
【0005】
これに対して水力プラントが大電力の系統に同期接続されている場合には、回転速度が電力系統相当値で固定されるので、バイアスの調整は出力調整の役割を果たす。すなわち、バイアスの調整によって流量制御手段の開度が変わり水車出力は変わるが回転速度は変われないので、発電機負荷が水車出力に直ちに追従する。この場合には、バイアスは水車出力調整→電力調整の役割を果たすことになる。
【0006】
ところで、水力プラントが大電力系統に連繋されている場合に、電力系統全体の電力需給調整制御やAFC等の周波数調整制御のために、管轄下の各プラントに対して配分指令が出され、水力プラントに対して遠方の中央制御所から電力の要求値である出力調整指令が出される場合がある。しかし、従来の水力発電プラントでは、この遠方指令に対する応答が極めて遅く、系統制御という観点では水力発電プラントの貢献度は低過ぎるという問題があった。
【0007】
従来の技術では、ガバナ側で遠方指令と別途検出した実際の発電機電力を比較して偏差信号を算出し、その偏差信号を積分演算した結果を回転速度制御系へ一種のバイアス信号として与えていた。バイアス信号は、具体的には65Pと称する出力調整部に与えていた。しかし、発明者らの解析結果では、積分演算のゲインを許容限界まで上げてみても遠方指令→実電力との偏差導出→偏差の積分演算(以下電力偏差積分と呼ぶ)→ガバナ演算部へのバイアス調整(即ち65P調整)→流量制御手段の開度調整→水車出力調整→発電機の実電力調整と一巡する制御回路に致命的な問題があり、抜本的な応答改善は望めないことが判明した。
【0008】
その理由の一つにガバナ演算部のPID演算ゲインが低すぎる問題がある。しかし、ガバナ演算部のPID演算ゲインは、水力発電プラントが大電力系統から切り離されて実質的に単独送電状態になる可能性があれば、単独送電状態になっても回転速度制御系の安定性が損なわれないようにする必要があるため、任意に上げることはできないという事情がある。これを解決する方法として、ガバナ演算部のPID演算ゲインを大電力系統と連繋運転中は所望の高さに設定しておいて、単独送電へ移行した時は低い値に自動切換する方法が考えられるが、電力系統の構成が複雑であることを考慮すると、単独送電への移行が充分な信頼性をもって検出できない限り(実際には困難)採用できない。又、遠方指令に対する一巡制御回路において流量制御手段の開度調整→水車出力調整間の伝達関数は線形近似では(1−Tw・S)/(1+0.5Tw・S)と表現されるように、水撃による出力の逆向き応答成分が含まれているため、遠方指令に対する一巡制御回路にも直接の悪影響を与える。ここで、Tw=ΣLi・Vi/(g・H)で、Liは上下流水路の長さ、Vi は上下流水路内の平均流速、gは重力の加速度、Hは有効落差、Sはラプラス演算子である。
【0009】
ところで、ガバナ演算部のPIDゲインは、回転速度→回転速度検出器→回転速度ガバナ演算部→回転速度ガバナ増幅部→流量制御手段→水車出力→発電機負荷との差修正→回転速度修正と一巡する回転速度制御系の安定性や速応性を考慮して設定され、遠方指令に対する電力制御の一巡制御回路専用の演算部としては単に電力偏差積分演算があるだけで適正な設定ができる構成になっていない。まして、電力の手動操作のための上げ、下げ指令も電力偏差積分演算器で受けるのが一般的で、この場合には目視確認しながら調整するすることになるので電力偏差積分のゲインは自ずと低くならざるを得ず自由に上げられない。
【0010】
電力系統と連繋運転中は、事実上一定速度で運転される従来の水力発電プラントでは、回転速度制御系と遠方指令に応答する電力制御系の両方が最終的には同一の操作端を制御する。このように従来の技術には、遠方指令に対する電力の一巡制御系についても回転速度制御系の低いPID演算ゲインの影響や水撃の逆応答等の阻害要因にも拘わらず適正な遅れ補償やゲイン補償を行うことのできる演算部を設けた例はない。
【0011】
特開平7−279814 号公報に記載の装置では、遠方指令自体を一時的に拡大してから回転速度制御系の一つのバイアス信号として入力する方法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置は、サージタンク容量を低減することには配慮されておらず、サージタンク容量増加は地下発電所の場合であれば岩盤の掘削ボリュームの増大を意味し、土木コストの上昇は大きな負担になっている。例えば、サージタンクの高さを僅か1m上げるにしても、サージタンクの横断面積が各水車の水路断面積の何十倍にもなるため掘削ボリュームでは膨大になるためである。
【0013】
又、特開平7−279814号公報に記載の装置のように、遠方からの電力指令の受信部で指令自体を一時的に拡大する対策を講じれば、その後の一巡制御系の応答低下をある程度は補償できる可能性がある。しかし、この方法は、一巡制御系でゲインが1/10になるなら予め10倍にしておき10×(1/10)=1とゲインを1とする考え方であるが、一巡制御系の周波数特性は複雑で信号の周波数に応じて応答ゲインは大きく変化し、1/100のところもあれば1に近いところもあるのでこのような単純にはいかない。結局、一巡制御系の外だけで補償するやり方には限界があり、少なくとも精度低下や非効率性は避けられないため、効率的ではなく、実用的ではないものであった。
【0014】
又、従来の技術では、たとえ電力指令に対する一巡制御系の応答性改善に成功したとしても、水力機械の建設条件によっては上下流水路のサージタンクのサージング等特定の周波数帯での異常加振が生じるという新たな問題を引き起こす場合も少なくなかった。この対策としては、サージタンクの容量を増すという高価な対策か一巡制御系の応答性改善を諦めるかしか対策がなかった。
【0015】
本発明の第1の目的は、サージタンクの設計条件となっているガバナ印加信号が同じでも、ガバナ自身をインテリジェント化し過大なサージングを自動的に防止できるようにして、安価な対策でサージタンクの設計合理化という大きな経済効果を達成し、水力プラントの建設コスト低減に貢献できるサージタンクを備えた水力プラントの水力機械を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、サージタンクの固有振動相当周期で加振されても、ガバナの出力である水量制御手段の振動振幅は自動的に所望のレベルに抑制されるようガバナをインテリジェント化したサージタンクを備えた水力プラントの水力機械を提供することにある。
【0017】
本発明の第3の目的は、回転速度制御系と遠方指令に応答する電力制御系の両方が最終的には同一の操作端を制御するような場合でも、遠方指令に応答する電力制御系の応答性を回転速度制御系の応答性能、特に安定性を損なうことなく合理的に適正化でき、応答ゲインを大幅に改善した水力機械を提供することにある。
【0018】
本発明の第4の目的は、電力の手動操作のための上げ,下げ指令も電力偏差積分演算器で受ける場合のように、電力偏差積分のゲインが充分高くない場合でも、遠方指令に対する電力制御系の応答性を自在に上げられる水力機械を提供することにある。
【0019】
本発明の第5の目的は、上下流水路のサージタンクのサージング等特定の周波数帯での異常加振現象を合理的に防止し、その他の周波数帯では一巡制御系の応答性を最大限に保持することのできる水力機械を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械は、可動の流量制御手段と前記流量制御手段を制御するガバナと、上流または下流管路にサージタンクを備えた水力プラントに設置される水力機械であって、前記ガバナが前記サージタンクの固有振動数近辺の周波数帯域の入力信号に対しては低い周波数応答特性を与えるための低応答設定と、その他の周波数領域の入力信号に対してはより高い周波数応答特性を与えるための高応答設定を具備したことを特徴とする。
【0021】
又、過大なサージングまたはその前兆現象を検出するサージングセンサーを備え、前記サージングセンサーが動作したことを条件に前記ガバナが低応答設定を自動選択するものである。
【0022】
又、可動の流量制御手段と前記流量制御手段を制御するガバナと、上流または下流管路にサージタンクと、過大なサージングまたはその前兆現象を検出するサージングセンサーを備えた水力プラントに設置される水力機械であって、前記ガバナの演算部が積分要素ゲインを高低切換可能に構成され、前記サージングセンサーが動作した時には低ゲイン側を自動選択することを特徴とする。
【0023】
又、可動の流量制御手段と前記流量制御手段を制御するガバナと、上流または下流管路にサージタンクと、前記ガバナの周波数応答特性を設定したバンドフィルター回路を備えた水力プラントに設置される水力機械であって、前記バンドフィルター回路の周波数応答特性が前記サージタンクのサージング固有振動数に近い周波数帯域の入力に対しては、その他の周波数帯域の入力に比べて前記ガバナの周波数応答特性が低くなるように設定されていることを特徴とする。
【0024】
又、上記目的を達成するために、本発明の水力機械は、電力指令に対する一巡制御系の電力偏差積分演算器と並列に配置されてその出力で電力偏差積分演算器の出力を補正するようにした並列演算手段を設け、該並列演算手段は電力偏差積分演算器と同じ電力偏差信号を入力とするものの、電力偏差がある過渡時には電力偏差積分演算器の応答を高めるような信号を出力し、定常状態に戻ればその出力をゼロまたは略ゼロに戻すように構成したものである。
【0025】
又、並列演算手段には比例演算をさせ、電力偏差積分演算器の代わりにP+I(比例+積分)演算要素を入れるものである。このP+I演算要素を使って、電力指令に対する電力制御系の応答を適正化するものである。
【0026】
又、並列演算手段には比例演算+微分演算をさせ、電力偏差積分演算器の代わりにP+I+D(比例+積分+微分)演算要素を入れるものである。このP+I+D演算要素を使って、電力指令に対する電力制御系の応答を適正化することである。
【0027】
又、遠方指令受信部には特定の周波数帯の変動入力に対しては応答ゲインが他の周波数帯の変動入力に比べて低下するバンドフィルターを設けるものである。又、上記の電力偏差積分演算器をP+I演算要素で置換またはP+I+D演算要素で置換した上で遠方指令受信部に設けるバンドフィルターを組み合わせるものである。
【0028】
又、バンドフィルターの例としては、伝達関数を[(1+T2・S)*(1+T3 ・S)]/[(1+T1・S)*(1+T4・S)]または同等(但し、T1 からT4 は所定の時定数、Sはラプラス演算子でT1<T2<T3<T4)とし、サージング共振周波数等制御対象側で共振が予想される特定の周波数帯が1/(2π・T1)と1/(2π・T4)の間に入るようにT1 ,T4 を調整することである。より好ましくは1/(2π・T2)と1/(2π・T3)の間に入るようにT2 ,T3 を調整するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
図2は上下水路の両方にサージタンクを有する水力プラントの水路構成を示す。105は上池、101は上池105の導水路、106は導水路101に設けられた上流側サージタンク、102は上流側サージタンク106に接続された水圧鉄管、100は水圧鉄管102に接続されたポンプ水車、103はポンプ水車100に接続された吸出管、107は吸出管103に設けられた下流側サージタンク、104は下流側サージタンク107に接続された放水路を示す。図2中で、Hfuはポンプ水車100中心を基準に測った上流側サージタンク水位、HfLはポンプ水車100中心を基準に測った下流側サージタンク水位、△Hfuは上流側サージタンク106の水位と上池105の水位の差、△HfLは下流側サージタンク107の水位と下池108の水位の差、Afuは上流側サージタンク106の断面積、AfLは下流側サージタンク107の断面積、L1 ,A1 ,V1 は、それぞれ導水路101の長さ,管路断面積,流速、L2 ,A2 ,V2 はそれぞれ水圧鉄管102の長さ,管路断面積,流速、L3 ,A3 ,V3 はそれぞれ吸出管103の長さ,管路断面積,流速、L4 ,A4 ,V4 はそれぞれ放水路104の長さ,管路断面積,流速を示す。
【0030】
図2のように構成された水力プラントの水撃を含む水車の挙動、すなわち、ガバナの出力であるガイドベーン(水量制御手段ともいう)の開度Yを入力とするガバナの制御対象の挙動を模擬する模擬式の例を次に説明する。以下の説明では、水柱は非圧縮性流体であると仮定し、剛性理論に基づき近似する。又、説明を簡単にするためこの水柱には摩擦損失はないと仮定する。
【0031】
先ず、導水路101と上流側サージタンク106について検討すると、上池
105から上流側サージタンク106までの管路内水柱は、断面積A1x 長さ
L1 であり、サージタンク水位上昇により水柱に作用する力は水柱を押し戻す方向に作用するので、運動方程式は数1となる。
【0032】
【数1】
−γ・ΔHfu・A1=[(A1・L1・γ)/g]×(dV1/dt) …(1)
ここで、γは水の比重であり、数1を変形すると数2となる。
【0033】
【数2】
−ΔHfu=(L1/g)×(dV1/dt) …(2)
一方、連続の式から、サージタンクへの流入水量と流出水量の差がサージタンク水位を変化させるから、数3が成り立つ。
【0034】
【数3】
(A1・V1−A2・V2)=Afu・(dΔHfu/dt) …(3)
次に、102水圧鉄管について検討する。水圧鉄管内の水柱は断面積A2x 長さL2 であり、管路左端の水圧力変動分は、γ・△Hfu・A2 、他方管路右端の水圧変動分は、γ・△Hu・A2なので、数4が成り立つ。すなわち、数5となる。
【0035】
【数4】
γ(ΔHfu−ΔHu)・A2=[(A2・L2・γ)/g]×(dV2/dt) …(4)
【0036】
【数5】
ΔHfu−ΔHu=(L2/g)×(dV2/dt) …(5)
従って、数8となる。
【0037】
次に、ポンプ水車100について検討する。水車の出力Pt は数6で表すことができる。
【0038】
【数6】
Pt =9.8η・H・Q …(6)
ここで、ηは効率を、Hは有効落差を示す。有効落差Hの変動分は上流側変動△Hu と下流側変動△HL の差で数7のように表される。
【0039】
【数7】
ΔH=ΔHu−△HL …(7)
また、流量Qは数8にて近似する。
【0040】
【数8】
Q=K・Y・√H …(8)
ここでYはガイドベーン開度を示す。さらに、連続の方程式から数9が得られる。
【0041】
【数9】
Q=A2・V2=A3・V3 …(9)
次に、吸出管103について検討する。吸出管の管路内水柱は断面積A3x 長さL3 であり、管路左端の水圧力変動分は、γ・△HL・A3、他方管路右端の水圧変動分は、γ・△HfL・A3なので、数10が成り立つ。
【0042】
【数10】
γ(△HL−△HfL)・A3=[(A3・L3・γ)/g]×(dV3/dt) …(10)
すなわち、数11が得られる。
【0043】
【数11】
△HL−△HfL=(L3/g)×(dV3/dt) …(11)
次に、放水路104と下流側サージタンクについて検討する。まず、下サージタンクから下池までの管路内水柱は断面積A4x 長さL4 であり、この水柱に作用する力は下サージタンク水位上昇により、水柱を加速する方向に作用するので、数12が成り立つ。
【0044】
【数12】
γ・△HfL・A4=[(A4・L4・γ)/g]×(dV4/dt) …(12)
すなわち、数13が得られる。
【0045】
【数13】
△HfL=(L4/g)×(dV4/dt) …(13)
他方、連続の方程式から下サージタンクへの流入水量と流出水量の差が下サージタンク水位を変化させるので、数14が得られる。
【0046】
【数14】
(A3・V3−A4・V4)=AfL・(dΔHfL/dt) …(14)
ここで、各係数を数15に示すように無次元化して数2,数3,数5,数6,数7,数8,数9,数11,数13,数14の線形近似式を求めると数16から数25が得られる。
【0047】
【数15】
【0048】
これらの式は、無次元変数v1,v2,v3,v4,hfu,hfL,hu,hL,pt ,q,yを変数とする線形近似式であり、これら変数の高次項はnegligible smallとして省略している。
【0049】
【数16】
v1=−g・H0・hfu/(L1・V10・S) …(16)
【0050】
【数17】
hfu=(A1・V10・v1−A2・V20・v2)/(H0・Afu・S) …(17)
【0051】
【数18】
v2=g(H0・hfu−Hu0・hu)/(L2・V20・S) …(18)
【0052】
【数19】
pt=h+q …(19)
【0053】
【数20】
h=(Hu0hu−HL0hL)/(Hu0・HL0)=(Hu0hu−HL0hL)/H0
…(20)
【0054】
【数21】
q=y+0.5h …(21)
【0055】
【数22】
q=v2=v3 …(22)
【0056】
【数23】
v3=g(HL0・hL−H0・hfL)/(L3・V30・S) …(23)
【0057】
【数24】
v4=g・H0・hfL/(L4・V40・S) …(24)
【0058】
【数25】
hfL=(A3・V30・v3−A4・V40・v4)/(H0・AfL・S) …(25)
このことから、図2に示す水力プラントのガバナの制御対象の線形化モデルは、図3のように示すことができる。すなわち、ガイドベーン(水量制御手段)の無次元化された開度yによって無次元化された流量変化qが発生し、これにより無次元化された上流側サージタンクの水位hfu,無次元化された下流側サージタンクの水位hfLが応動することが解る。図3に示す上サージングブロック図,下サージングブロック図は、それぞれ図4,図5に示すように構成されている。なお、流量変化に対する上流側サージタンク水位,下流側サージタンク水位の応答はいずれも典型的な正弦波発生回路になっており、上流側サージタンクサージングの周期,下流側サージタンクサージングの周期はそれぞれ2π√(Afu・L1/A1・g),2π√(AfL・L4/A4・g)となる。
【0059】
図1は本実施例のガバナの制御ブロック線図である。1はポンプ水車100の回転速度Nを検出する速度検出部、Xn は速度検出部1で検出された速度検出信号、2は回転速度の基準値を設定する速度調整部、x0 は速度調整部2から出力される設定値、3は設定値x0 と速度検出信号Xn と後述する速度調定率設定部からの復元信号Xσとの加算器、Xεは加算器3で算出された信号ですぐ下流のPID演算回路の入力信号、20は上流側サージタンク用サージングセンサー、4aは通常使用する比例演算要素(P要素)、4bはサージングセンサーが動作した時、すなわち、サージング抑制を行う場合に使用する比例演算要素(P要素)を示す。なお、前者の比例演算要素のゲインKpa<後者の比例演算要素のゲインKpbとなっている。5aは通常使用する積分演算要素(I要素)、5bはサージングセンサーが動作した時、すなわち、サージング抑制を行う場合に使用する積分演算要素(I要素)を示し、前者の積分ゲインKiaと後者の積分ゲインKibとはKia<Kibとなっている。19a,19bはそれぞれ比例演算要素4a,4b,積分演算要素5a,5bの前段に設けられたサージングセンサー20の接点で、サージングセンサー20が動作した時にスイング動作して、比例演算要素4aを開き比例演算要素4bを閉じ、積分演算要素5aを開き積分演算要素5bを閉じ、比例演算要素,積分演算要素共に切換える。
【0060】
6は微分演算要素(D要素)を示し、その出力信号Zd ,比例演算要素の出力信号Zp ,積分演算要素の出力信号Zi は、加算部7で加算される。この比例演算要素の出力信号Zp ,積分演算要素の出力信号Zi ,微分演算要素の出力信号Zd を総合した信号は、ガイドベーン開度指令Zであり、このガイドベーン開度指令Zに実際のガイドベーン開度Yがフィードバックされ、加算部8で偏差がとられる。この偏差信号Yε 1 は、リミッター9を介して油圧サーボモータ10に入力される。リミッター9のθR はガイドベーンの開速度をθR・Cyに、θL は閉速度をθl・Cy に制限するためのものであり、リミッター9の出力信号Yε 2は偏差信号Yε 1 を上記開閉速度制限を考慮して制限した信号となっている。油圧サーボモータ10は一種の油圧増幅器になっており、伝達関数では一次遅れ要素を構成し、ガイドベーン開度指令zを増幅して充分なストロークと操作力をもつガイドベーン開度Yに変換し、水量制御手段であるガイドベーンを直接操作する。
【0061】
実際のガイドベーン開度Yはフィードバックされ、加算部11で、出力調整部13からのガイドベーン開度設定信号Ya との偏差が与えられる。もし実際のガイドベーン開度Yがガイドベーン開度設定信号Ya に達していない場合、すなわち、Y<Ya の場合にはその差がゼロになるまでガバナのPID演算部に開信号σ(Ya −Y)が送り続けられるので、やがてはY=Ya となりその段階で落ち着く。開信号σは速度調定率設定部12で設定され、復元信号Xσを出力する。この開信号σは速度検出信号Xn の変化に対するガイドベーン開度Yの変化の割合を決めるゲインで、一般には電力系統の中でのプラントの役割を考慮して一度決めたら変更されないものである。
【0062】
14は図3に示すブロック線図全体を示し、実際のガイドベーン開度Yがフィードバックされている。このブロック線図14は、前述したように、簡単に表現すると水路系を含むポンプ水車の制御ブロック線図を示す。ブロック線図14の出力である水車の出力Pt と後述する総合負荷LΣとの偏差がとられ、この偏差は回転部慣性効果の算出部16に入力され、回転速度Nを算出する。この回転速度Nは、自己制御性の演算部17a,電力系統からの同期化作用の演算部17bにフィードバックされる。
【0063】
演算部17bでは、回転速度Nが定格速度(同期速度)N0 から外れない様に電力系統が連れ戻す同期化作用を示す負荷電力RL を算出する。Lは水車軸に直結された発電機に与えられる外部負荷であり、この外部負荷Lと負荷電力RL が加算され、発電機負荷Pg が算出される。ポンプ水車100の自己制御性の演算部17aでは、回転速度上昇に伴い増加する機械損や効率低下等を総合した特性を演算しており、回転速度変化に伴う自己制御性による水車出力のロスRT を算出している。
【0064】
水車からみれば発電負荷Pg だけでなくロスRT も一種の負荷のようにみなすことができ、水車の出力Pt を消費する総合負荷LΣ=Pg +RT とみなすことができる。発電負荷Pg とロスRT が加算されて総合負荷LΣを算出し、さらに水車の出力Pt との偏差がとられて、(Pt −LΣ)が回転部慣性効果の算出部16に入力され、回転部慣性効果の算出部16の出力として回転速度Nが算出される。
【0065】
ところで図1に示すガバナには外部から与えられる信号として、発電機に与えられる外部負荷Lと出力調整部13から与えられるガイドベーン開度設定信号Ya の2つの信号がある。外部負荷Lは、その変動によって回転速度Xn の速度変動を生じさせる。一方、出力調整部13に入力される信号の代表的なものがAFC(自動周波数制御)であり、AFCの場合には専ら電力系統の周波数制御の観点で出される指令であるので、サージング異常加振等の水力プラントの特殊事情は感知せずに出され、図示してない遠方の中央制御所から遠隔操作で与えられる。従って、回転速度Xn ,ガイドベーン開度設定信号Ya いずれの信号によっても上流側,下流側いずれのサージタンクも異常加振される可能性があるので、サージングセンサーは両信号の総合効果を監視できるように両信号の合流点である加算器3より下流側に配置している。
【0066】
図6は、図1に示すガバナのPID演算部への入力信号Xεを入力しているサージングセンサー20の一例を示す図である。20Aは絶対値演算部、20Bは入力が0.004(pu)以上の時には1をそれ以下の時には0を出力するスイッチである。20Cは、スイッチ20Bの出力が1の時は0を選択し、スイッチ20Bの出力が0の時は0.2 を選択する信号選択要素、20Dはスイッチ20Bの出力と信号選択要素20Cの出力との偏差をとる加算部、20Fは加算部20Dの出力信号を積分する積分要素、20Eは積分要素20Fの前段に設けられ、積分要素20Fの上限が25を超えない様に、下限が0を超えない様に積分要素20Fへ送る信号の通過/阻止を司るリミッター、20Gは積分要素20Fの出力が設定値の10以上の場合にサージングセンサーをONし、10未満の場合にサージングセンサーをOFFするサージングセンサー作動部である。
【0067】
次に、図6に示すサージングセンサーの動作について図7,図8のサージングセンサーの動作説明図を用いて説明する。図7に示すレコード1はガバナのPID演算部への入力信号Xεを、レコード2はガバナのPID演算部の出力信号Zを、レコード3は積分要素20Fの出力信号を、レコード4はサージングセンサー作動部20Gの出力信号を夫々示す。又、図8に示すレコード1は回転速度Nを、レコード2はガイドベーン開度設定信号Ya を、レコード3はガイドベーン開度Yを示す。なお、この場合、図8に示すレコード2のように出力調整部13から与えられるガイドベーン開度設定信号Ya がサージング加振信号となっている。
【0068】
時点taでPID演算部の入力Xε>0.004となるとスイッチ20Bは1を出力する。すると信号選択要素20Cは0を出力する。この結果、加算部20Dの出力は1となり、積分要素20Fが積分を開始し、レコード3で示す積分要素20Fの出力値は直線的に上昇する。時点tb になると、積分要素20Fの出力が10を超えるのでこの段階でサージングセンサーがONする。なお時点tc になると積分要素20Fの出力が25に達すると、リミッター20Eの作用で直ちに上昇が止む。時点tdになるとPID演算部の入力Xε<0.004となり、スイッチ20Bは0を出力し、信号選択要素20Cは0.2 を出力するので加算部20Dの出力は−0.2 となり、積分要素20Fの出力は上昇時の1/5勾配で降下し始める。時点teになると再びPID演算部の入力Xε>0.004となり、積分要素20Fの出力が上昇を始める。
【0069】
絶対値演算部20Aで絶対値を採っている理由は、PID演算部の入力Xεが正(水量制御手段を開く場合)の場合でも、負(水量制御手段を閉じる場合)の場合でも最終的な水量変化が同じであれば、水位上昇から始まるか、下降から始まるかの差はあれ同じ振幅のサージングになるためである。もちろん前述したように、精度が多少悪くなってもサージングセンサーをできるだけ簡単化できるためである。
【0070】
スイッチ20Bで|Xε|の振幅を考慮している理由は正負に関係なく振幅が大きければ大きいほどサージングも大きくなるためである。また信号選択要素20Cの設定値0.2 を大きくすると積分要素20Fの出力の下降を速くすることになり、サージングセンサーのリセットを早めることになる。サージング固有振動周期よりはるかに長い周期で繰り返されるPID演算部の入力Xεの振動ならサージングの異常加振の危険性はかなり小さくなるので、過去の加振歴の影響はほとんど無視してよくなるが、信号選択要素20Cの設定値0.2 はこの種の判断をさせるものである。リミッター20Eの上限設定値25を下げると、信号選択要素20Cの設定値が同じでもサージングセンサーがリセットしやすくなるので正確には信号選択要素20Cとリミッター20Eの設定はセットで検討する。なお、PID演算部の入力Xεが同じ振幅で加振周期がサージング固有振動相当周期よりはるかに短くなってもサージングは減衰するので、サージングセンサーはOFFしてもよいが、図4に示すサージングセンサーでもそのように調整することができる。なお、サージングセンサーの精度は図3を参照しながらより理論に忠実に模擬して作ればかなり高い精度が期待でき、サージングセンサーの動作範囲を必要最小限にし、ガバナの周波数応答性能の犠牲も必要最小限にできる。
【0071】
以上述べたように、図7の時点tb においてサージングセンサーがONし、図1に示すサージングセンサーの接点19a,19bが切換り、比例要素4b(ゲインKpb),積分要素5b(ゲインKib)が選択され、図6に示すレコード3のようにガイドベーン(Y)の動作が急に抑制され、サージングが許容レベルに自動的に抑えられる。なお、図7,図8に示すシミュレーション解析では、図8に示すレコード1のように回転速度Nは終始一定と仮定している。
【0072】
なお、発明者らは上述のサージングセンサーが実機でどれほど有効に作動するかを確認するためにあるプラントを対象に非線形項を加味してシミュレーション解析を行った。その結果を要約したのが図9である。この場合、出力調整部13からのガイドベーン開度設定信号Ya として正弦波を与えることとし、パラメータとして3種類の振幅,5種類の周期の合計12ケースで検証している。ここで、サージングセンサーの要否の判定については、サージングセンサーを設けない無対策では予め決めた対象サージタンクの許容最高水位を超える場合を「要」,超えない場合を「不要」とした。ガイドベーン開度設定信号Yaの振幅±0.49で周期が100sec,400secの2ケースを除いて、シミュレーション解析結果が「要」の場合はサージングセンサーは実際にONし、「不要」の場合には実際にOFFしている。例外の2ケースはサージングセンサーの簡略化による誤差であるが、誤差は安全サイドに出ており充分許容できるレベルと判断できる。なお、上述の対象のサージタンクの許容最高水位はこのプラントが電力系統と連繋運転中の値で、負荷遮断によって上乗せされる追加変動分を考慮してもサージタンクがオーバーフローしない値に設定している。
【0073】
以上述べたように、ガバナに低い周波数応答特性を与えるための低応答設定と、より高い周波数応答特性を与えるための高応答設定を用意しておいて、サージタンクの固有振動数近辺の周波数帯域での運転では、低応答設定を使うようにしているので、水量制御手段までのガバナ自身の総合応答ゲインが低下し、水量制御手段の振幅を所望のレベルに低下できるので、ガバナへの印加信号がサージングの固有振動数相当の周波数で本来なら過大サージングが避けられそうにない振幅で加振したとしても、過大なサージングには至らない。
【0074】
又、サージングセンサーを備えているので、過大サージングが懸念される運転条件を的確に検出できるので、低応答設定の使用範囲も必要最小限に止めることができる。すなわち、ガバナの周波数応答特性を高く維持して、速応性を重視する通常の設定を最大限に利用することができる。
【0075】
ガバナ演算部の積分要素のゲインは、低い方のゲインは負荷遮断後の回転速度Nの安定性確保のための設定になっているが、このゲインを過大サージング抑制も可能なレベルに設定しておき、サージングセンサーが動作した時も負荷遮断時と同様に低い方のゲインを自動選択するようにすれば好都合である。なお、積分要素の場合には何時ゲイン切換えを行っても出力側が飛ぶことがないので切換対象としては好ましい。
【0076】
ガバナの演算部の積分要素,比例要素の両方のゲインを高低切換可能とし、サージングセンサーが動作した時に両要素共に低ゲイン側を自動選択するようにした場合には、切換前においても、切換後においても比例要素がある分だけ自由度が高いので各状態でより好適な設定が可能になる。但し、比例要素の場合は、過渡時に切換えが行われると、出力側が飛ぶ可能性があるのでこの点を配慮して切換えを行う。
【0077】
サージングセンサーとしては幾つかのロジックが考えられるが、あまり複雑にするのは好ましくない。そこで、速度検出信号と出力調整信号の合流点より下流側で前記流量制御手段の変位を含むガバナの状態量から簡単に演算できて、サージングの大小との相関を確認できる所定の指標を予めシミュレーション等によって見つけておく。その上で、この指標の値を刻々のガバナ状態量から計算して過大サージングを予測/検出する方法が考えられる。なお、指標を計算するには速度検出信号と出力調整信号の総合効果が問題になるので、両信号の合流点より下流側のガバナ状態量をデータとして取り込む。
【0078】
なお、サージングセンサー用の指標を算出するためのガバナ状態量としては、定常時にゼロまたはそれに近い値に復帰する状態量を選ぶとよい。ガバナがある信号によって加振されている時を考えると、サージング(サージタンクの水位変動)に関係するのは、いずれのガバナ状態量についても変化幅で、絶対値ではないからである。
【0079】
ガバナの状態量自身は定常時にはゼロまたはそれに近い値に復帰しないとしても、微分等所定の演算を加えて定常時にはゼロまたはそれに近い値に復帰する状態量に変換した上で指標算出に使うのは上述した点を配慮していることによる。又、サージングセンサーを適用する場合において、指標の算出のために、刻々の状態量の瞬時値だけでなく、それ以前の状態量の経歴も反映されるように、積分演算または記憶演算も含むと効果的である。同じ水量制御手段の変位、例えば、80%開度から60%開度への変位、を考えても、サージングの固有振動の1周期前にも100%開度から80%開度への変位があった場合には、前の変位によるサージングと今回の変位によるサージングが重なってサージングの変動幅は約2倍になる。また別の例で、サージングの固有振動の1/2周期前に100%開度から80%開度への水量制御手段の変位があった場合には、前の変位によるサージングと今回の変位によるサージングが打ち消し合ってサージングの変動幅はほとんどゼロになる。
【0080】
別の例では、サージングの固有振動の1周期前に水量制御手段が60%開度から80%開度へ変位していた場合には、前の変位によるサージングと今回の変位によるサージングが打ち消し合ってサージングの変動幅はごく小さくなる。別の例では、サージングの固有振動の1/2周期前に水量制御手段が60%開度から80%開度へ変位していた場合には、前の変位によるサージングと今回の変位によるサージングが重なってサージング変動幅は約2倍になる。このように過去の水量制御手段の変位幅,方向,タイミングによってサージングの増幅,減衰が大きく変わるため、前述のようにサージングセンサーの指標演算ロジックに過去のデータを反映する積分要素等の記憶要素を入れた方が精度を上げることができる。しかし、精度を追求し過ぎると指標演算ロジックが難しくなり過ぎるので、実際的には、ある程度の妥協が必要である。妥協の例としては、水量制御手段に与えられる変位の方向は無視して変動幅の絶対値と頻度だけに応答するタイプの指標演算ロジックを作ってもよい。しかし、この場合、サージングセンサーが働かない方向に精度が低下するのは危険であるので、無用でも働く方向に設計するべきである。前述の例の変動幅の絶対値と頻度だけに応答するタイプの指標演算ロジックにはこのような配慮が働いている。結果としてサージングセンサーは必要以上に動作することになり、その度にガバナゲインが下げられ、周波数応答特性が低下するがこの程度は一般に充分許容できるものである。
【0081】
なお、指標の演算に使う積分または記憶演算の効果は、入力信号のサージング加振レベルが低下すれば時間と共に減衰していくようにする。この理由は、過去の水量制御手段の変位によるサージングは時間の経過と共に減衰していくためである。
【0082】
バンドフィルター回路を配置するのは出力調整信号回路に限られるものではなく、最終的に前記流量制御手段を制御する印加信号であれば必要に応じて同様に配置する。一般に負荷制限装置と呼ばれている一種の水量制御手段の開度上限制限装置が遠方信号で繰り返し操作される構成の場合には、負荷制限装置も対象になる。
【0083】
図10は本発明の別の実施例でAFC(系統の自動周波数制御)運転中のサージング抑制制御に関するものである。13Aはガバナの出力調整部の演算部、13Bはガバナ13Aの前段に設けられた加算部、13Cは加算部13Bの前段に設けられ、電力系統全体のAFCを司る遠方の制御所から当プラントに指令されるAFC指令信号Pafc が入力されるバンドフィルターであり、後述するバンドフィルター13Cの出力と発電機の発電機電力Pg との偏差がとられる。50は回転速度Nを入力するガバナ、100はガバナ50に接続されたポンプ水車、200はポンプ水車100に接続された発電機を示す。Pxはバンドフィルター13Cの出力、Pg は発電機の実際の発電機電力を示す。
【0084】
本実施例の説明に入る前に、プラント側で行う従来のAFC対応制御の説明を行う。ガバナ50のは図1に示す構成からサージングセンサー20,比例要素4b,積分要素5b,サージングセンサー接点19a,19bを削除した構成となっている。AFC指令信号Pafc は、直接加算部13Bに入力され、これに発電機電力Pg が追従するよう発電機電力Pg が加算部13Bに負帰還され、演算部13AはAFC指令信号Pafc と発電機電力Pg の偏差が小さくなり、最終的にゼロになるように積分等の演算を行い、ガイドベーン開度設定信号Ya を出力する。ガイドベーン開度設定信号Ya に追従してガイドベーン開度Yが制御され、ポンプ水車100の出力pt が制御され、機械的出力pt は発電機200によって発電機電力Pg に変換されて電力系統に送り出される。なお、ガバナ50にはガイドベーン開度設定信号Ya の他に回転速度信号Nも入力されるが、回転速度信号Nについてはサージング異常加振の心配はないと想定する。
【0085】
当然ながらAFCの観点では、AFC指令信号Pafc から発電機電力Pg までのプラント側の周波数応答特性が高い方が望ましい。他方、プラント側には周波数応答特性を上げ過ぎるとガイドベーン開度設定信号Ya の振れが大きくなり過ぎてサージングが過大になるという問題がある。そこで、本実施例では、特にバンドフィルター13Cの作用について説明する。図10に示すバンドフィルター13Cの伝達関数は[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/[(1+T1・S)* (1+T4・S)]である。ここで、T1からT4は所定の時定数、Sはラプラス演算子である。このバンドフィルターの周波数応答特性をボード線図で示すと図11となる。図11で、横軸は周波数(HZ)、縦軸はゲイン(db)を示す。周波数1/(2πT1)はサージング共振周波数より低くなるように時定数T1 を設定し、また、周波数1/(2πT4)はサージング共振周波数より高くなるように時定数T4を設定する。より好ましくは、周波数1/(2πT2)はサージング共振周波数より低くなるように時定数T2を設定し、また、周波数1/(2πT3)はサージング共振周波数より高くなるように時定数T3 を設定する。このように時定数T1,T2,T3,T4を設定すれば、サージング共振周波数近辺の周波数帯域においてAFC指令信号Pafc に対するバンドフィルターPx の出力の周波数応答ゲインを何十分の一にすることができる。なお、サージング異常加振はサージング共振周波数1点のみで起こるわけではなく上下にある程度の危険バンドを想定しておく必要がある。このためにはT1,T2,T3,T4をサージング共振周波数から所定の余裕を付けて離す必要がある。他方、このバンドフィルター13Cを付ければ、1/(2πT1)より低い周波数や1/(2πT4)より高い周波数帯域ではサージング異常加振問題には囚われずに存分に高いゲインを設定してもよいことになる。すなわち、この帯域ではAFC応答性能を随意に上げることができる。図8に示す例では線形化モデルのバンドフィルターが示されているが、AFC応答とサージング抑制が両立できるものであれば線形,非線形いかなるタイプでも構わない。
【0086】
以上述べたように、本実施例では、サージタンクのサージング固有振動数に近い周波数帯域の入力に対しては、その他の周波数帯域の入力に比べてガバナの周波数応答特性が低くなるように設定したバンドフィルター回路を備えているので、サージングセンサーのような特別の判断要素を必要としない。過大サージングを引き起こす可能性のあるような信号が与えられても、ガバナの出口である水量制御手段は過度には振られないようバンドフィルターの低い方の周波数応答特性を設定するだけでよい。
【0087】
バンドフィルター回路をガバナの出力調整信号の印加回路上で、速度検出信号との合流点より手前に配置しておけば、バンドフィルターを出力調整信号だけに作用させ、ガバナ本来の速度制御動作には支障を与えない様にすることができる。この場合には、過大サージングを引き起こす可能性のある信号を出力調整信号に限定できる場合を想定している。このような、出力調整信号の例としては、遠方制御で与えられるAFC(自動周波数制御)信号等がある。
【0088】
バンドフィルターの具体例として、伝達関数で[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/[(1+T1・S)*(1+T4・S)](但し、T1からT4は所定の時定数、Sはラプラス演算子)を例として挙げたがもちろんこれに限定されるものではない。ある周波数帯域fa から周波数帯域fb の間で通常より低い周波数応答特性をもたせるようにして、サージングの固有振動数がこの周波数帯域fa と周波数帯域fb の間に入るようにしたものであれば何でもよい。
【0089】
上述において、水量制御手段は水車やポンプ水車の発電モードではガイドベーンに相当するが、可変速揚水発電機械の揚水運転モードを考えれば、ポンプのガイドベーンというより回転速度制御手段に相当する。揚水量は回転速度を変えれば大きく変化するがガイドベーン開度を変えてもあまり変わらないためである。又、上記説明では、サージングセンサーとバンドフィルターの2つの実施例を単独使用するケースにつき説明したが、両者を併用することも可能である。
【0090】
なお、本実施例は、次のように構成することを特徴とすることができる。すなわち、前記ガバナの演算部がゲインを高低切換可能な比例要素を備えるものであって、前記サージングセンサーが動作した時には積分要素ゲイン及び比例要素ゲインを低ゲインに自動選択する請求項3に記載のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0091】
前記バンドフィルター回路をガバナの出力調整信号の印加回路上で、速度検出信号との合流点より手前に配置した請求項4に記載のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0092】
前記サージングセンサーが、速度検出信号と出力調整信号の合流点より下流側で前記流量制御手段の変位を含むガバナの状態量のうちの特定の状態量を連続監視し、サージングの大小との相関を予め確認してある所定の指標の刻々の値を前記特定状態量から算出し、この刻々の指標の大小で過大サージングを検出するものである請求項2に記載のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0093】
前記特定の状態量が、定常時にはゼロまたはそれに近い値に復帰するガバナの状態量、又は定常時にはゼロまたはそれに近い値に復帰しないとしても、微分等所定の演算を加えて定常時にはゼロまたはそれに近い値に復帰する状態量に変換した上で特定の状態量の代わりに使用するものであるサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0094】
前記演算部が、前記指標の算出に刻々の状態量の値の他それ以前の状態量の経歴も反映するための積分演算または記憶演算を含むものであるサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0095】
前記積分または記憶演算を、入力信号のサージング加振レベルが低下した時に時間と共に減衰していくようにしたサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0096】
前記バンドフィルター回路を最終的に前記流量制御手段を制御するガバナへの特定の印加信号の回路上に配置した請求項4に記載のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0097】
前記バンドフィルターの伝達関数を[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/[(1+T1・S)*(1+T4・S)]または同等としサージング抑制の対象となるサージタンクの固有振動数が1/(2π・T1)と1/(2π・T4)の間に入るようにT1,T2を調整した請求項4に記載のサージタンクを備えた水力プラントの水力機械。
【0098】
次に、特に電力系統の自動周波数制御(AFC)等の系統制御に関係して遠方から発電機または電動機の電力の設定値を高速で調整する場合に好適な水力機械に関する実施例について説明する。
【0099】
図2に示すように構成された水路構成では、図2に示す水力プラントの水撃を含む水車の挙動、すなわち、ガバナの出力であるガイドベーン(水量制御手段)開度Yを入力とするガバナの制御対象の線形化モデルは図3に示す100Fをg/(0.2・V20+L3・V30)・Sに置き換えたようになる。ここで、各変数は無次元化したものであり、数15で表すことができる。
【0100】
ガイドベーン(水量制御手段)の開度変化y→加算部100A→水撃の模擬項100B→(pu )単位の水撃を(m)単位に変換する係数100D→加算部100E→管路内水柱の加速を模擬する項100F→水車流量変化qと一巡する回路の総合伝達関数は時定数は(L2・V20+L3.V30)/(2g・H0)であり、ゲイン1.0 の一次遅れ要素となる。ガイドベーン(水量制御手段)開度変化y→加算部100A→水撃の模擬項100B→有効落差変化hの総合伝達関数は時定数が(L2・V20+L3・V30)/(2g・H0)でゲイン2.0の不完全微分要素となる。このことから、ガイドベーン(水量制御手段)開度変化yから水車出力変化pt までの総合伝達関数は(1−Tw・S)/(1+0.5Tw・S)となる。ここで、Tw=(L2・V20+L3.V30)/(g・H0)としている。
【0101】
すなわち、ガイドベーンを開けた時には水車出力pt は最終的にはy相当値に増加するものの一時的には逆に減少し、反対にガイドベーンを閉じた時には水車出力pt は最終的にはy相当値に減少するものの一時的には逆に増加することを示している。この水車出力pt の一時的な逆応答の影響は回転速度Nの変化にも現れ、これがまた回転速度ガバナの入力側へと復元されてくる。従って、水力プラントが大電力系統から分離され、実質的に単独送電状態になった場合や、完全に負荷遮断された後の無負荷運転の場合には、この逆応答があっても回転速度制御系の安定性は、回転速度ガバナだけで確保する必要があり、後述する回転速度ガバナの比例ゲインP,積分ゲインIを充分小さく設定する必要がある。又、回転速度ガバナの微分ゲインDはある程度までは大きくした方が回転速度制御系の安定化に貢献するが、それを超えると逆に安定性を損なう関係になっている。
【0102】
図12は、本実施例のガバナの制御ブロック図である。図12において、50は回転速度を入力するガバナ(電力制御部あるいは電力制御手段ともいう)、
100はガバナ50に接続されたポンプ水車、200はポンプ水車100に接続された発電機または電動機を示す。
【0103】
回転速度ガバナ50のブロック線図は図15に示すようになっている。1はポンプ水車100の回転速度Nを検出する速度検出部、Xn は速度検出部1で検出された速度検出信号、2は回転速度の基準値を設定する速度調整部、x0 は速度調整部2から出力される設定値、3は設定値x0 と速度検出信号Xn と後述する速度調定率設定部からの復元信号Xσとの加算器、Xεは加算器3で算出された信号ですぐ下流のPID演算回路の入力信号、20は上流側サージタンク用サージングセンサー、4は比例演算要素(P要素)、5は積分演算要素(I要素)、6は微分演算要素(D要素)を示し、その出力信号Zd ,比例演算要素の出力信号Zp ,積分演算要素の出力信号Zi は、加算部7で加算される。この比例演算要素の出力信号Zp ,積分演算要素の出力信号Zi ,微分演算要素の出力信号Zd を総合した信号は、ガイドベーン開度指令Zであり、このガイドベーン開度指令Zに実際のガイドベーン開度Yがフィードバックされ、加算部8で偏差がとられる。この偏差信号Yε 1 は、リミッター9を介して油圧サーボモータ10に入力される。リミッター9のθR はガイドベーンの開速度をθR・Cyに、θL は閉速度をθl・Cy に制限するためのものであり、リミッター9の出力信号Yε 2は偏差信号Yε 1 を上記開閉速度制限を考慮して制限した信号となっている。油圧サーボモータ10は一種の油圧増幅器になっており、伝達関数では一次遅れ要素を構成し、ガイドベーン開度指令zを増幅して充分なストロークと操作力をもつガイドベーン開度Yに変換し、水量制御手段であるガイドベーンを直接操作する。
【0104】
実際のガイドベーン開度Yはフィードバックされ、加算部11で、出力調整部13からのガイドベーン開度設定信号Ya との偏差が与えられる。もし実際のガイドベーン開度Yがガイドベーン開度設定信号Ya に達していない場合、すなわち、Y<Ya の場合にはその差がゼロになるまでガバナのPID演算部に開信号σ(Ya−Y)が送り続けられるので、やがてはY=Ya となりその段階で落ち着く。開信号σは速度調定率設定部12で設定され、復元信号Xσを出力する。この開信号σは速度検出信号Xn の変化に対するガイドベーン開度Yの変化の割合を決めるゲインで、一般には電力系統の中でのプラントの役割を考慮して一度決めたら変更されないものである。
【0105】
ところで図15に示すガバナには外部から与えられる信号として、発電機に与えられる外部負荷Lと出力調整部13から与えられるガイドベーン開度設定信号Ya の2つの信号がある。外部負荷Lは、その変動によって回転速度Xn の速度変動を生じさせる。一方、出力調整部13に入力される信号の代表的なものが
AFC(自動周波数制御)であり、AFCの場合には専ら電力系統の周波数制御の観点で出される指令であるので、サージング異常加振等の水力プラントの特殊事情は感知せずに出され、図示してない遠方の中央制御所から遠隔操作で与えられる。
【0106】
図12に示すAFC制御系の構成は次のようになっている。出力調整部13がAFCによって遠方から制御されるが、ここでは、電力の手動操作のための上げ,下げ指令も受けられる例を示す。Pafc はAFC指令信号でAFCが要求する電力値を、Pg は実際の発電機電力を示し、13Cは両者の偏差、すなわち電力偏差Pε 1を求める比較部を示す。電力偏差Pε 1は加算部13Bで手動操作のための上げ,下げ指令と加算され合成入力信号Pε 1 となり、電力偏差積分器13A(積分演算手段ともいう)に入力される。ここで、電力偏差積分器13Aは純粋の積分としているが近似的に積分とみなせるものも含んでいる。例えば、電力偏差Pε 1 に応じて+1/OFF/−1パルス列を作りこれを積分演算するタイプとし、パルス列のOFF時間を電力偏差Pε 1 に応じて調整するものもある。電力偏差積分器13Aと並列に比例要素13D(並列演算器ともいう)が設けられており、この比例要素13Dの出力を電力偏差積分器13Aの出力に加算部13Eで加算する。このようにすることにより、電力偏差Pε 1 の演算がI演算からPI演算となり応答性が大きく改善できる。加算部13Eの出力Ya は図8で詳細に説明した回転速度ガバナ50に入力される。なお、ポンプ水車100は入力であるガイドベーン開度Yに応じて水車出力Pt を発生させる。200は電力系統と連繋運転中の同期発電機を示し、ここで機械的な水車出力Pt が電気的出力すなわち発電機の発電機電力Pg 変換される。
【0107】
電力偏差積分器13Aは手動操作のための上げパルス信号がある間はガイドベーン開度設定信号Yaを毎秒Ki θ の速度で上げ続け、下げパルス信号がある間はガイドベーン開度設定信号Ya を毎秒Ki θ の速度でYa を下げ続ける。パルス信号がなくなればガイドベーン開度設定信号Ya の上げ下げを停止する。ところで速度Ki θが大き過ぎるとガイドベーン開度設定信号Yaが速く走行し過ぎて所望の値に正確に止められず手動調整が難しくなるので、速度Ki θ は一般に1(pu)/50sec〜1(pu)/60secに設定される。
【0108】
回転速度N,ガイドベーン開度設定信号Ya いずれの変化によっても水車の上流側,下流側いずれのサージタンクも異常加振される可能性があるが、ここでは上流側サージタンクを中心に説明する。
【0109】
図16,図17は図15において出力調整部13の出力、すなわちガイドベーン開度設定信号Ya を正弦波状に変化させた場合の上流側サージタンクの応答例を示すボード線図である。図16は回転速度ガバナの比例ゲインKp ,積分ゲインKi を比較的大きく設定したケース、図17は回転速度ガバナの比例ゲインKp,積分ゲインKiを比較的小さく設定したケースを示す。この場合、上流側サージタンクの固有振動数は0.00474Hzで、いずれのケースも0.00474Hz付近で上流側サージタンク水位hfuの応答ゲインが急激に立ち上がっている。なお、上流側サージタンクの固有振動数における応答ゲインのピーク値は、図16の方が24.4(db)で、図17の7.6(db)より高く、この差16.8(db)は6.9 倍に相当する。図16の設定でも上サージタンクがオーバーフローしなければ問題ないが、オーバーフローの可能性があればピーク値を下げるため対策が必要である。すなわち、入力であるガイドベーン開度設定信号Ya の振幅を制限するか、比例ゲインKp 、積分ゲインKi を下げる対策が必要になる。
【0110】
以下の説明では、上流側サージタンクの固有振動数における応答ゲインのピーク値の許容最大値は図17に示す7.6(db)相当と仮定する。図18は、比例要素13Dを設けない場合のAFCの周波数応答特性、すなわち、AFC指令Pafc に対する水車出力Pt の応答性能を示す。なお、水車出力Pt と発電機電力Pg の間にはほとんど遅れがないので、AFC指令Pafc に対する発電機電力Pgの応答性能としてもよい。なお、この場合回転速度ガバナの比例ゲインKp,積分ゲインKi は図17に示すものと同じに設定している。このように比例要素13Dを設けない場合には、約0.01Hz 以上ではAFC応答ゲインは1/100以下に大きく低下してしまい、約0.01Hz 以上でAFC応答は期待できない。
【0111】
図20は本実施例のAFC運転時の電力の周波数応答特性を示す。並列回路として比例要素13Dを設け、ゲインKp θを1.0にしているので、図18に示す周波数応答特性に対し、特に0.01Hz 以上の周波数帯における特性が大きく改善されることが解る。
【0112】
図19は本実施例のAFC運転時の上流側サージタンク水位応答のボード線図である。条件は図20に示すものと同じである。図19から分かるように、AFC応答の改善に伴って上流側サージタンクのサージングも拡大している。
【0113】
以上説明したように、電力指令に対する一巡制御系の電力偏差積分演算器と並列に電力偏差積分演算器と同じ電力偏差信号を入力とする並列演算手段を設け、電力偏差がある過渡時に限って電力偏差積分演算器の応答を高めるような信号を出力させるようにしているので、定常的には(遠方からの電力指令=実際の電力)の関係を保持しながらも過渡的には応答の遅れを的確に補償することができる。特に、電力偏差積分演算器の出力と並列演算手段の出力を加算した和信号を回転速度制御系の回転速度ガバナ演算部に一種のバイアス信号として印加する構成の場合には、並列演算手段が回転速度制御ループの外にあるので、回転速度制御系の一巡伝達関数に影響を与えることなく遠方からの電力指令に対する電力応答を自由に改善することができる。また、電力偏差積分演算器が電力の手動操作のための上げ,下げ指令も受けられるように充分低いゲインになっていたとしても、電力偏差積分演算器をバイパスして遠方からの電力指令に対する電力応答ゲインを自由に上げることができる。
【0114】
又、並列演算手段として比例演算を設けることによって電力偏差積分器だけの単純なI演算からP+I(比例+積分)演算に置き換えることができ、周波数応答で言えばゲイン低下や位相遅れの補償が自在にできるようになり、遠方からの電力指令に対する電力制御系の応答をより的確に適正化することが可能になる。又、並列演算手段に比例演算+微分演算を設けることによって電力偏差積分器だけの単純なI演算からP+I+D(比例+積分+微分)演算に置き換えることができ、遠方からの電力指令に対する電力制御の周波数応答特性を一層的確に改善することができ適正化が可能になる。回転速度ガバナ演算部より下流の回転速度制御系側の特殊事情、例えば回転速度ガバナのPIDゲインを自由に上げることはできない等の事情にも拘わらずより的確に適正化が可能になる。
【0115】
図13は本発明の他の実施例のAFC制御系を示す。本実施例は図12に示す実施例と同様に構成されているが、本実施例では、AFC入力の受信部にバンドフィルター13Fを設けている。なお、図14は図13に示すバンドフィルター部の周波数応答特性を示す。すなわち、バンドフィルター13F単独の周波数応答特性を示すボード線図である。このバンドフィルターでは、応答ゲインが1/(2πT1)(Hz)から低下し始め、1/(2πT2)(Hz)〜1/(2πT3)(Hz)の範囲で最低になり、1/(2πT3)(Hz)から再び上昇を始め、1/(2πT4)(Hz)で元のレベルに戻るようになっている。そして、上流側サージタンクの固有振動数0.00474(Hz)が1/(2πT2)(Hz)〜1/(2πT3)(Hz)の周波数帯に入るように時定数T2 ,T3 を設定している。なお、上流側サージタンクの固有振動数がバンドフィルターの低ゲイン部に正確に入らなくても1/ (2πT1)(Hz)から1/(2πT4)(Hz)の間に入るようにしておけば効率的ではないが効果が期待できる。
【0116】
図22は本実施例のAFC運転時の電力応答のボード線図である。条件は0.00474Hzが1/(2πT2)(Hz)〜1/(2πT3)(Hz)の周波数帯に入るように設定したバンドフィルターを設けたこととKi θを1/10 に下げた以外は、図20に示すものと変わらない設定としている。この結果、0.00474Hz 前後の電力応答が若干低下したが0.1Hz以上では全く影響が出ていない。
【0117】
図19は本実施例のAFC運転時の上サージタンク水位応答のボード線図で、条件は図20のものと同じ設定である。上流側サージタンクの固有振動数 0.00474Hzにおけるピーク値は0.89(db)で、図19に示す24.2(db)より大幅に低下している。また、上述したオーバーフロー判定レベルである7.6 (db)を大幅に下回っている。上述した例では、バンドフィルターとして線形モデル[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/[(1+T1・S)*(1+T4・S)]を例にして説明したが、最終的にサージング共振周波数近傍でサージングの周波数応答ゲインを下げる効果を発揮するものであれば何でもよい。
【0118】
又、上流側,下流側サージタンクの水位変動だけを共振のポテンシャルとして説明してきたが、回転速度ガバナ自身及びその制御対象について同様の共振ポテンシャルがある場合にはその個々について同様の対策を講じればよい。
【0119】
以上説明したように、本実施例によれば、遠方指令受信部にバンドフィルターを設けているので、たとえ前述の電力制御応答対策の結果、サージタンクのサージング共振等特定の周波数帯での異常加振の可能性が出てきてもその特定周波数帯だけの電力制御応答を的確に下げ問題を回避することができ、その他の危険性のない周波数帯では電力制御応答を一杯に上げることが可能になる。
【0120】
遠方電力制御用にP+I+D演算を採用し、遠方指令受信部にバンドフィルターを採用した場合は、遠方電力制御用にP+I演算を採用し、遠方指令受信部にバンドフィルターを採用した場合より、より木目細かな調整ができる。
【0121】
なお、バンドフィルターの伝達関数を[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/ [(1+T1・S)*(1+T4・S)](但し、T1 からT4 は所定の時定数、Sはラプラス演算子でT1 <T2 <T3 <T4 )とすれば、周波数応答特性を1/ (2π・T1)から1/(2π・T4)の周波数帯に限って下げることができるのでサージング共振周波数等制御対象側の共振が予想される特定の周波数帯がこの範囲に入るようにT1,T4を調整すれば共振を的確に防止できる。
【0122】
又、このフィルターの周波数応答特性は1/(2π・T2)と1/(2π・T3)の間で底になるので共振が予想される特定の周波数帯がこの間に入るようにT2 ,T3 を調整すれば一層好ましい。
【0123】
バンドフィルターは上記した例に限定されるものではなく、ある周波数帯域fa からfb の間で通常より低い周波数応答特性をもたせるようにし、共振が予想される特定の周波数帯がこの周波数fa と周波数fb の間に入るようにしたものであればよい。
【0124】
なお、本実施例では、次のように構成することを特徴とすることができる。すなわち、ランナーを有する水車と、該ランナーに機械的に直結され電力系統と電気的に接続された発電機または電動機と、該発電機の出力または該電動機の入力を制御する電力制御手段と、電力の上げ,下げ操作指令を手動で与える手動操作指令手段と、遠方からの電力の要求値を与える遠方指令手段と、実際の電力値を復元する電力復元手段と、該遠方指令手段からの要求値と電力復元手段からの実際の電力値の偏差を求める偏差導出手段と、該偏差導出手段から出力される電力偏差信号と前記手動操作指令手段からの指令に応じて目視確認に好適な速度で走行し該電力制御手段に対して電力の上げ,下げ指令信号とを入力する積分または同等の演算を行う積分形電力指令演算手段を備え、遠方からの電力制御の場合には、前記偏差導出手段→積分形電力指令演算手段→水車および発電機/電動機→電力復元手段の負帰還回路が構成されるようにしたものであって、前記電力偏差信号を入力し、前記積分形電力指令演算手段と並列に配置されその出力で前記積分形電力指令演算手段の出力を補正するようにした並列演算手段を設け、該並列演算手段は電力偏差がある過渡時には該積分形電力指令演算手段の応答を高めるような信号を出力し、定常状態に戻ればその出力をゼロまたは略ゼロに戻すようにしたことを特徴とする水力機械。
【0125】
前記並列演算器が比例演算要素と微分演算要素を直列に接続されたものである請求項5から8のいずれかに記載の水力機械。
【0126】
前記演算部が目視確認に好適な速度で走行し手動で与える電力の上げ,下げ指令信号を入力するものである請求項5から8のいずれかに記載の水力機械。
【0127】
前記演算器が前記比較部から出力される電力偏差信号がある間は、前記電力制御部に対し前記該電力偏差を減少させるように作用する出力信号を増やし続けるものである請求項5から8のいずれかに記載の水力機械。
【0128】
前記比較部もしくは偏差導出手段の前段に設けられ、前記遠方からの電力の要求値を入力するバンドフィルターを備えたものであって、該バンドフィルターの応答ゲインが特定の周波数帯の変動入力に対しては他の周波数帯の変動入力に比べて低下するものである請求項5から8のいずれかに記載の水力機械。
【0129】
前記演算器の特性が電力偏差がある過渡時には応答を高めるような信号を出力し、定常状態に戻ればその出力をゼロまたは略ゼロに戻すものである請求項5、又は8に記載の水力機械。
【0130】
T1,T2,T3,T4を所定の時定数でT1<T2<T3<T4、Sをラプラス演算子とした時、前記バンドフィルターの伝達関数を[(1+T2・S)*(1+T3・S)]/[(1+T1・S)*(1+T4・S)]または同等とし、共振の可能性のある特定の周波数帯が1/(2π・T1)と1/(2π・T4)の間に入るようにT1,T4を設定した水力機械。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、サージングの異常加振を自動的に防止できるという保証ができるので、安全を損なうことなく、上下流水路に設置されるサージタンクの容量(具体的には横断面積や高さ)を大幅に低減し土木コスト低減を計ることができる。しかも、サージングセンサー方式にしても、バンドフィルター方式にしてもガバナを大幅に変更することなく達成でき、このためのコストアップは効果から比べれば無視できるものである。バンドフィルターを活用することによってサージングと矛盾しない形でAFC等のガバナ応答特性を大幅に改善することができる。
【0132】
又、回転速度制御系と遠方指令に応答する電力制御系の両方が最終的には同一の操作端を制御するケースでも、遠方指令に応答する電力制御系の応答性を回転速度制御系の応答性能、特に安定性を損なうことなく合理的に適正化でき、特に応答ゲインを大幅に改善することができる。
【0133】
また、電力の手動操作のための上げ,下げ指令も電力偏差積分演算器で受ける場合のように電力偏差積分のゲインが充分高くできない場合でも、遠方指令に対する電力制御系の応答性を自在に上げることができる。
【0134】
また、上下流水路のサージタンクのサージング等特定の周波数帯での異常加振現象を合理的に防止することができ、その他の周波数帯では一巡制御系の応答性を最大限に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるガバナのブロック線図である。
【図2】上下水路の両方にサージタンクを有する水力プラントの水路構成図である。
【図3】ガバナの制御対象の線形化モデルを示すブロック図である。
【図4】図3に示す上サージングタンクのブロック図である。
【図5】図3に示す下サージングタンクのブロック図である。
【図6】サージングセンサーの一例を示す構成図である。
【図7】サージングセンサーの動作を説明する図である。
【図8】サージングセンサーの動作を説明する図である。
【図9】サージングセンサーの検出精度の評価の解析例を示す図である。
【図10】バンドフィルターの例を示すブロック図である。
【図11】図10に示すバンドフィルターの周波数応答特性を示すボード線図である。
【図12】本発明の他の実施例のAFC制御系の構成を示す図である。
【図13】本発明の他の実施例のAFC制御系の構成を示す図である。
【図14】図13のバンドフィルター部の周波数応答特性を示す図である。
【図15】回転速度ガバナのブロック線図である。
【図16】図15においてYa を正弦波状に変化させた場合のサージタンクの応答を示すボード線図である。
【図17】図15においてYa を正弦波状に変化させた場合のサージタンクの応答を示すボード線図である。
【図18】図15の並列回路を設けない場合のAFCの周波数応答特性を示す図である。
【図19】図12の実施例のAFC運転時の上サージタンク水位応答のボード線図である。
【図20】図12の実施例のAFC運転時の電力の周波数応答特性を示す図である。
【図21】図13の実施例のAFC運転時の上サージタンク水位応答のボード線図である。
【図22】図13の実施例のAFC運転時の電力応答のボード線図である。
【符号の説明】
1…速度検出部、2…速度調整部、3…加算器、4,4a,4b…比例演算要素、5,5a,5b…積分演算要素、6…微分演算要素、7,8,11…加算部、9…リミッタ−、10…油圧サーボモータ、12…速度調定率設定部、13…出力調整部、14…ブロック線図、16…算出部、17a,17b…演算部、
20…サージングセンサ、100…ポンプ水車、101…導水路、102…水圧鉄管、103…吸出管、104…放水路、105…上池、106…上流側サージタンク、107…下流側サージタンク、108…下池。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydraulic machine installed in a hydraulic plant having a surge tank upstream or downstream and having a water amount control means and a governor for controlling the water amount control means, and particularly suitable for rationalizing the capacity of the surge tank. Related to a hydraulic machine.
[0002]
[Prior art]
In conventional hydroelectric power generators connected to the power grid, a strong rotational speed stabilization effect can be expected from the grid when operating in conjunction with the grid, so the set value of the governor that controls the rotational speed is stable. If the speed is set to a relatively high gain with emphasis on speed response rather than performance, and if it is separated from the system or is practically separated from the system and rotation speed stabilization cannot be expected from the system side, the rotational speed is A relatively low gain is set with emphasis on stability. Therefore, conventionally, the gain of the governor is assumed to be the highest possible gain during continuous operation, and the water volume control means is opened and closed as many times as possible with a possible maximum amplitude and a period equivalent to the surge tank natural vibration. Assuming that such a signal was given to the governor, the upstream and downstream surge tanks were still designed with sufficient capacity so as not to overflow.
[0003]
Moreover, what analyzed the waterway system of a hydroelectric power station has a thing of Hitachi review VOL.56 No.12 (1974-12) p1155-1160. This document analyzes the water hammer effect of a water channel system in consideration of nonlinearity.
[0004]
Further, in a hydropower plant comprising a generator connected to an electric power system, which is a conventional device, and a turbine connected directly thereto, the turbine is generally equipped with a rotation speed detector in response to the output signal of the rotation speed detector. Control the flow rate control means (eg guide vanes) to increase the turbine output and increase it compared to the generator load to increase the rotational speed, or decrease the turbine output to reduce it compared to the generator load. The rotation speed governor is provided to reduce the rotation speed and control the rotation speed to a predetermined value, but the rotation speed → rotation speed detector → rotation speed governor calculation unit → rotation speed governor amplification unit → flow rate control means → turbine output → For a rotational speed control system that makes a round of correction with a difference from the generator load → rotational speed correction, a part for performing a kind of bias adjustment is provided in the arithmetic section of the rotational speed governor. When the hydropower plant is disconnected from the large power system and becomes substantially single transmission or complete no-load operation that supplies power only to a specific small load, the generator load is considered constant, This adjustment of the bias results in a role of speed adjustment. That is, since the turbine output corresponding to the generator load does not change, the bias adjustment can be offset by the change in the rotational speed N.
[0005]
On the other hand, when the hydropower plant is synchronously connected to the high power system, the rotation speed is fixed at the power system equivalent value, so that the bias adjustment plays a role of output adjustment. That is, the adjustment of the bias changes the opening of the flow rate control means and the turbine output, but the rotational speed does not change, so the generator load immediately follows the turbine output. In this case, the bias plays the role of adjusting the output of the turbine wheel → adjusting the power.
[0006]
By the way, when a hydropower plant is connected to a large power system, a distribution command is issued to each plant under jurisdiction for power supply and demand adjustment control of the entire power system and frequency adjustment control such as AFC. An output adjustment command that is a required value of electric power may be issued from a central control station far from the plant. However, the conventional hydroelectric power plant has a problem that the response to the remote command is extremely slow, and the contribution of the hydroelectric power plant is too low in terms of system control.
[0007]
In the prior art, the deviation signal is calculated by comparing the remote command and the actual generator power separately detected on the governor side, and the result of integrating the deviation signal is given to the rotational speed control system as a kind of bias signal. It was. More specifically, the bias signal is supplied to an output adjusting unit called 65P. However, according to the analysis results of the inventors, even if the gain of the integral calculation is increased to the allowable limit, the distance command → deviation derivation with the actual power → deviation integral calculation (hereinafter referred to as power deviation integration) → governor calculation unit Bias adjustment (ie, 65P adjustment) → Opening adjustment of flow control means → Adjustment of turbine output → Adjustment of actual power of generator There is a fatal problem and it turns out that drastic response improvement cannot be expected did.
[0008]
One reason is that the PID calculation gain of the governor calculation unit is too low. However, the PID calculation gain of the governor calculation unit is not limited to the stability of the rotational speed control system even if the hydropower plant is disconnected from the large power system and is substantially in a single power transmission state. Since there is a need to prevent damage, it cannot be raised arbitrarily. As a method for solving this, a method is considered in which the PID calculation gain of the governor calculation unit is set to a desired height during operation linked to the large power system, and is automatically switched to a low value when shifting to single power transmission. However, considering the complexity of the configuration of the power system, it cannot be adopted unless it can be detected with sufficient reliability (in practice). Further, in the one-round control circuit for the remote command, the transfer function between the opening degree adjustment of the flow rate control means and the turbine output adjustment is (1-Tw・ S) / (1 + 0.5TwSince the backward response component of the output due to water hammer is included as expressed by S), it also has a direct adverse effect on the one-round control circuit for the remote command. Where Tw= ΣLi・ Vi/ (G · H), LiIs the length of the upstream and downstream channels, ViIs the average flow velocity in the upstream and downstream channels, g is the acceleration of gravity, H is the effective head, and S is the Laplace operator.
[0009]
By the way, the PID gain of the governor calculation unit is: rotation speed → rotation speed detector → rotation speed governor calculation unit → rotation speed governor amplification unit → flow rate control means → turbine output → correction of difference with generator load → rotation speed correction and one cycle. It is set in consideration of the stability and speed response of the rotational speed control system, and the operation unit dedicated to the one-round control circuit for power control with respect to a remote command is configured so that it can be set appropriately simply by having power deviation integration calculation. Not. In addition, it is common for the power deviation integration calculator to receive an increase / decrease command for manual operation of power, and in this case, adjustment is made while visually checking, so the power deviation integral gain is naturally low. I cannot help raising it.
[0010]
In a conventional hydropower plant operating at a substantially constant speed during operation linked to the power system, both the rotational speed control system and the power control system responding to the remote command ultimately control the same operating end. . As described above, in the conventional technology, even for the one-round control system of the power for the remote command, appropriate delay compensation and gain regardless of the influence of the low PID calculation gain of the rotational speed control system and the obstruction factors such as the reverse response of water hammer. There is no example of providing a calculation unit capable of performing compensation.
[0011]
In the apparatus described in Japanese Patent Laid-Open No. 7-279814, a method is disclosed in which the far command itself is temporarily expanded and then input as one bias signal of the rotational speed control system.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
Conventional equipment does not consider reducing the capacity of the surge tank. Increasing the capacity of the surge tank means an increase in the excavation volume of the rock mass in the case of an underground power plant, and an increase in civil engineering costs is a heavy burden. It has become. For example, even if the height of the surge tank is increased by only 1 m, the cross-sectional area of the surge tank is tens of times the cross-sectional area of each water turbine, and the excavation volume becomes enormous.
[0013]
Moreover, if measures are taken to temporarily expand the command itself at the power command receiving unit from a distance, as in the device described in Japanese Patent Laid-Open No. 7-279814, the response of the one-round control system will be reduced to some extent. There is a possibility of compensation. However, this method is based on the idea that if the gain becomes 1/10 in the one-round control system, the gain is set to 10 × (1/10) = 1 and the gain is 1, but the frequency characteristic of the one-round control system. The response gain varies greatly according to the frequency of the signal, and there are some 1/100 and some close to 1, so this is not as simple as this. After all, there is a limit to how to compensate only outside the one-round control system, and at least accuracy degradation and inefficiency are unavoidable, so they are not efficient and impractical.
[0014]
In addition, even if the conventional technology succeeds in improving the responsiveness of the one-round control system to the power command, abnormal excitation in a specific frequency band such as surging of surge tanks in the upstream and downstream waterways may occur depending on the construction conditions of the hydraulic machine. It often caused new problems to occur. As countermeasures, there were only measures to increase the capacity of the surge tank or to give up improving the response of the one-round control system.
[0015]
The first object of the present invention is to make the governor itself intelligent and prevent excessive surging automatically even if the governor applied signal that is the design condition of the surge tank is the same. The purpose is to provide a hydraulic machine for a hydraulic power plant equipped with a surge tank that achieves a great economic effect of rationalization of design and contributes to reducing the construction cost of the hydraulic power plant.
[0016]
The second object of the present invention is to make the governor intelligent so that the vibration amplitude of the water amount control means, which is the output of the governor, is automatically suppressed to a desired level even when the surge tank is vibrated at a period equivalent to the natural vibration of the surge tank. Another object of the present invention is to provide a hydraulic machine for a hydraulic power plant equipped with a surge tank.
[0017]
A third object of the present invention is to provide a power control system that responds to a remote command even when both the rotational speed control system and the power control system that responds to a remote command ultimately control the same operating end. An object of the present invention is to provide a hydraulic machine capable of rationally optimizing the responsiveness without impairing the response performance of the rotational speed control system, in particular the stability, and greatly improving the response gain.
[0018]
The fourth object of the present invention is to control the power for the far command even when the power deviation integral gain is not sufficiently high, as in the case where the power deviation integral calculator also receives an increase / decrease command for manual operation of power. The object is to provide a hydraulic machine that can freely increase the responsiveness of the system.
[0019]
The fifth object of the present invention is to rationally prevent abnormal vibration phenomena in specific frequency bands such as surging of surge tanks in upstream and downstream water channels, and to maximize the response of the loop control system in other frequency bands. It is to provide a hydraulic machine that can be held.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a hydraulic power plant of a hydraulic plant equipped with a surge tank of the present invention comprises a movable flow rate control means, a governor for controlling the flow rate control means, and a surge tank in an upstream or downstream pipe line. A hydraulic machine installed in a hydropower plant, wherein the governor has a low response setting for giving a low frequency response characteristic to an input signal in a frequency band near the natural frequency of the surge tank, and other frequency regions It is characterized by having a high response setting for giving a higher frequency response characteristic to the input signal.
[0021]
Further, a surging sensor for detecting excessive surging or a precursor thereof is provided, and the governor automatically selects the low response setting on the condition that the surging sensor is operated.
[0022]
Hydropower installed in a hydropower plant equipped with a movable flow rate control means, a governor for controlling the flow rate control means, a surge tank in the upstream or downstream pipeline, and a surging sensor for detecting excessive surging or a precursor phenomenon thereof The governor is configured such that the calculation unit of the governor is configured so that the integral element gain can be switched between high and low, and the low gain side is automatically selected when the surging sensor operates.
[0023]
Hydropower installed in a hydropower plant having a movable flow rate control means, a governor for controlling the flow rate control means, a surge tank in the upstream or downstream pipeline, and a band filter circuit in which the frequency response characteristics of the governor are set. The frequency response characteristic of the governor is lower than the input of other frequency bands for the input of the frequency band where the frequency response characteristic of the band filter circuit is close to the surging natural frequency of the surge tank. It is set so that it may become.
[0024]
In order to achieve the above object, the hydraulic machine of the present invention is arranged in parallel with the power deviation integration calculator of the one-round control system for the power command, and corrects the output of the power deviation integration calculator with the output. The parallel calculation means inputs the same power deviation signal as the power deviation integration calculator, but outputs a signal that enhances the response of the power deviation integration calculator when there is a power deviation, When the steady state is restored, the output is set to zero or substantially zero.
[0025]
Further, the parallel calculation means performs a proportional calculation, and a P + I (proportional + integral) calculation element is inserted instead of the power deviation integration calculator. This P + I calculation element is used to optimize the response of the power control system to the power command.
[0026]
Further, the parallel calculation means performs proportional calculation + differential calculation, and puts a P + I + D (proportional + integral + differential) calculation element in place of the power deviation integration calculator. This P + I + D computing element is used to optimize the response of the power control system to the power command.
[0027]
In addition, the remote command receiving unit is provided with a band filter that reduces the response gain with respect to the fluctuation input in a specific frequency band as compared with the fluctuation input in another frequency band. In addition, the power deviation integration calculator is replaced with a P + I calculation element or a P + I + D calculation element, and a band filter provided in a remote command receiving unit is combined.
[0028]
As an example of a band filter, a transfer function [[1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFour・ S)] or equivalent (however, T1To TFourIs a predetermined time constant, S is a Laplace operator, and T1<T2<TThree<TFour) And the specific frequency band that is expected to resonate on the controlled object side such as the surging resonance frequency is1) And 1 / (2π · TFour) T1, TFourIs to adjust. More preferably 1 / (2π · T2) And 1 / (2π · TThree) T2, TThreeIs to adjust.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 2 shows a water channel configuration of a hydropower plant having surge tanks in both the upper and lower water channels. 105 is an upper pond, 101 is a water conduit of the
[0030]
The behavior of the water wheel including the water hammer of the hydropower plant configured as shown in FIG. 2, that is, the behavior of the control object of the governor that receives the opening degree Y of the guide vane (also referred to as water amount control means) that is the output of the governor. Next, an example of a simulation formula to be simulated will be described. In the following description, the water column is assumed to be an incompressible fluid, and is approximated based on the theory of stiffness. For the sake of simplicity, it is assumed that this water column has no friction loss.
[0031]
First, considering the
The water column in the pipe line from 105 to the
L1The force acting on the water column due to the surge tank water level rise acts in the direction of pushing back the water column, so the equation of motion is expressed by Equation (1).
[0032]
[Expression 1]
-Γ ・ ΔHfu・ A1= [(A1・ L1・ Γ) / g] × (dV1/ Dt) (1)
Here, γ is the specific gravity of water, and when
[0033]
[Expression 2]
-ΔHfu= (L1/ G) x (dV1/ Dt) (2)
On the other hand, since the difference between the inflow water amount and the outflow water amount to the surge tank changes the surge tank water level from the continuous equation,
[0034]
[Equation 3]
(A1・ V1-A2・ V2) = Afu・ (DΔHfu/ Dt) (3)
Next, 102 hydraulic iron pipes will be examined. The water column in the hydraulic iron pipe has a cross-sectional area A2x Length L2And the water pressure fluctuation at the left end of the pipe is γ ・ △ Hfu・ A2The water pressure fluctuation at the right end of the other pipe is γ ・ △ Hu・ A2Therefore, Equation 4 holds. That is,
[0035]
[Expression 4]
γ (ΔHfu-ΔHu) ・ A2= [(A2・ L2・ Γ) / g] × (dV2/ Dt) (4)
[0036]
[Equation 5]
ΔHfu-ΔHu= (L2/ G) x (dV2/ Dt) (5)
Therefore, Equation 8 is obtained.
[0037]
Next, the
[0038]
[Formula 6]
Pt= 9.8η · H · Q (6)
Here, η indicates the efficiency, and H indicates the effective head. The fluctuation of the effective head H is the upstream fluctuation △ HuAnd downstream fluctuation △ HLThe difference is expressed as in Expression 7.
[0039]
[Expression 7]
ΔH = ΔHu-△ HL ... (7)
Further, the flow rate Q is approximated by Formula 8.
[0040]
[Equation 8]
Q = K ・ Y ・ √H (8)
Here, Y indicates the guide vane opening. Furthermore,
[0041]
[Equation 9]
Q = A2・ V2= AThree・ VThree ... (9)
Next, the
[0042]
[Expression 10]
γ (△ HL-△ HfL) ・ AThree= [(AThree・ LThree・ Γ) / g] × (dVThree/ Dt) (10)
That is,
[0043]
## EQU11 ##
△ HL-△ HfL= (LThree/ G) x (dVThree/ Dt) (11)
Next, the
[0044]
[Expression 12]
γ ・ △ HfL・ AFour= [(AFour・ LFour・ Γ) / g] × (dVFour/ Dt) (12)
That is,
[0045]
[Formula 13]
△ HfL= (LFour/ G) x (dVFour/ Dt) (13)
On the other hand, since the difference between the inflow water amount and the outflow water amount to the lower surge tank from the continuous equation changes the lower surge tank water level,
[0046]
[Expression 14]
(AThree・ VThree-AFour・ VFour) = AfL・ (DΔHfL/ Dt) (14)
Here, each coefficient is made dimensionless as shown in
[0047]
[Expression 15]
[0048]
These expressions are dimensionless variables v1, V2, VThree, VFour, Hfu, HfL, Hu, HL, Pt, Q and y are linear approximation formulas, and the higher order terms of these variables are omitted as negligible small.
[0049]
[Expression 16]
v1= -G · H0・ Hfu/ (L1・ VTen・ S)… (16)
[0050]
[Expression 17]
hfu= (A1・ VTen・ V1-A2・ V20・ V2) / (H0・ Afu・ S)… (17)
[0051]
[Formula 18]
v2= G (H0・ Hfu-Hu0・ Hu) / (L2・ V20・ S)… (18)
[0052]
[Equation 19]
pt= H + q (19)
[0053]
[Expression 20]
h = (Hu0hu-HL0hL) / (Hu0・ HL0) = (Hu0hu-HL0hL) / H0
... (20)
[0054]
[Expression 21]
q = y + 0.5h (21)
[0055]
[Expression 22]
q = v2= VThree ... (22)
[0056]
[Expression 23]
vThree= G (HL0・ HL-H0・ HfL) / (LThree・ V30・ S) ... (23)
[0057]
[Expression 24]
vFour= G · H0・ HfL/ (LFour・ V40・ S) (24)
[0058]
[Expression 25]
hfL= (AThree・ V30・ VThree-AFour・ V40・ VFour) / (H0・ AfL・ S) (25)
From this, the linearization model of the control object of the governor of the hydropower plant shown in FIG. 2 can be shown as in FIG. That is, a non-dimensional flow rate change q is generated by the non-dimensional opening degree y of the guide vane (water amount control means), and the water level h of the upstream surge tank made non-dimensional thereby.fu, Water level h of dimensionless downstream surge tankfLCan be seen to respond. The upper surging block diagram and the lower surging block diagram shown in FIG. 3 are configured as shown in FIGS. 4 and 5, respectively. The response of the upstream surge tank water level and downstream surge tank water level to the flow rate change is a typical sine wave generation circuit. The upstream surge tank surging cycle and downstream surge tank surging cycle are respectively 2π√ (Afu・ L1/ A1・ G), 2π√ (AfL・ LFour/ AFour-G).
[0059]
FIG. 1 is a control block diagram of the governor of the present embodiment. 1 is a speed detector for detecting the rotational speed N of the
[0060]
6 indicates a differential operation element (D element), and its output signal Zd, Proportional element output signal Zp, Output signal Z of the integral calculation elementiAre added by the adder 7. Output signal Z of this proportional calculation elementp, Output signal Z of the integral calculation elementi, Differential operation element output signal ZdIs a guide vane opening command Z. The actual guide vane opening Y is fed back to the guide vane opening command Z, and the adding unit 8 takes a deviation. This deviation signal Yε 1Is input to the
[0061]
The actual guide vane opening Y is fed back, and the
[0062]
14 shows the entire block diagram shown in FIG. 3, and the actual guide vane opening Y is fed back. As described above, this block diagram 14 is a control block diagram of a pump turbine including a water channel system when simply expressed. The output P of the water turbine, which is the output of the block diagram 14tAnd a total load LΣ, which will be described later, are taken, and this deviation is input to the rotation unit inertia
[0063]
In the
[0064]
From the perspective of the water turbine, the power generation load PgNot just loss RTCan be regarded as a kind of load, and the output P of the water turbinetLoad LΣ = Pg+ RTCan be considered. Power generation load PgAnd Ross RTIs added to calculate the total load LΣ, and the turbine output PtAnd the deviation (Pt-LΣ) is input to the rotation unit inertia
[0065]
Incidentally, the governor shown in FIG. 1 has an external load L given to the generator and a guide vane opening setting signal Y given from the
[0066]
6 shows an input signal X to the PID calculation unit of the governor shown in FIG.εIt is a figure which shows an example of the surging
[0067]
Next, the operation of the surging sensor shown in FIG. 6 will be described with reference to the operation explanatory diagrams of the surging sensor shown in FIGS. The
[0068]
Time taThe input X of the PID calculation unitεThe switch 20B
[0069]
The reason why the absolute
[0070]
| X at switch 20BεThe reason for considering the amplitude of | is that the greater the amplitude, the greater the surging, regardless of whether it is positive or negative. Further, if the set value 0.2 of the signal selection element 20C is increased, the output of the
[0071]
As described above, time t in FIG.bIn FIG. 1, the surging sensor is turned on, and the
[0072]
The inventors conducted a simulation analysis with a nonlinear term added to a certain plant in order to confirm how effectively the above-described surging sensor operates in an actual machine. The results are summarized in FIG. In this case, the guide vane opening setting signal Y from the
[0073]
As described above, a low response setting to give the governor a low frequency response characteristic and a high response setting to give a higher frequency response characteristic are prepared, and the frequency band near the natural frequency of the surge tank is prepared. Since the low response setting is used in the operation at, the overall response gain of the governor itself up to the water amount control means is lowered, and the amplitude of the water amount control means can be lowered to a desired level. However, even if a vibration is applied at a frequency corresponding to the natural frequency of surging, with an amplitude that would otherwise prevent excessive surging, excessive surging will not occur.
[0074]
Further, since the surging sensor is provided, it is possible to accurately detect an operating condition in which excessive surging is a concern, so that the use range of the low response setting can be minimized. That is, it is possible to make the most of the normal setting that emphasizes the quick response while keeping the frequency response characteristic of the governor high.
[0075]
The gain of the integral element of the governor calculation unit is set to ensure the stability of the rotational speed N after the load is interrupted. The gain is set to a level that can suppress excessive surging. When the surging sensor operates, it is convenient to automatically select the lower gain as in the case of load interruption. In the case of an integral element, the output side does not fly no matter what time gain switching is performed, so that it is preferable as a switching target.
[0076]
If the gains of both the integral and proportional elements of the governor's computation section can be switched between high and low, and when the surging sensor is activated, the low gain side is automatically selected for both elements before and after switching. Since the degree of freedom is high as much as there is a proportional element, more suitable settings are possible in each state. However, in the case of a proportional element, if switching is performed during a transition, there is a possibility that the output side will fly, so switching is performed in consideration of this point.
[0077]
Although some logic can be considered as a surging sensor, it is not preferable to make it too complicated. Therefore, a predetermined index that can be easily calculated from the state quantity of the governor including the displacement of the flow rate control means downstream from the junction of the speed detection signal and the output adjustment signal and can be correlated with the magnitude of surging is simulated in advance. Find it by etc. Then, a method of predicting / detecting excessive surging by calculating the value of this index from the momentary governor state quantity can be considered. Note that since the total effect of the speed detection signal and the output adjustment signal becomes a problem in calculating the index, the governor state quantity downstream from the merging point of both signals is captured as data.
[0078]
As the governor state quantity for calculating the index for the surging sensor, it is preferable to select a state quantity that returns to zero or a value close thereto at the steady state. Considering when the governor is vibrated by a certain signal, surging (fluctuation in the water level of the surge tank) is related to the amount of change in any governor state quantity and not an absolute value.
[0079]
Even if the governor's state quantity itself does not return to zero or a value close to it at steady state, it is used to calculate an index after adding a predetermined operation such as differentiation and converting it to a state quantity that returns to zero or a value close to it at steady state. This is because the above points are taken into consideration. In addition, when applying a surging sensor, the calculation of the index includes not only the instantaneous value of the state quantity but also the history of the previous state quantity, so that the integration or storage operation is included. It is effective. Considering the displacement of the same water amount control means, for example, the displacement from 80% opening to 60% opening, the displacement from 100% opening to 80% opening is one cycle before the natural vibration of surging. If so, the surging due to the previous displacement overlaps with the surging due to the current displacement, and the fluctuation range of the surging is approximately doubled. In another example, when there is a displacement of the water amount control means from 100% opening to 80% opening before 1/2 period of the natural vibration of surging, the surging by the previous displacement and the current displacement Surging cancels out, and the fluctuation range of surging becomes almost zero.
[0080]
In another example, if the water flow control means has been displaced from 60% opening to 80% opening one cycle before the natural vibration of surging, the surging due to the previous displacement and the surging due to the current displacement cancel each other. Therefore, the fluctuation range of surging is very small. In another example, if the water flow control means has been displaced from 60% opening to 80% opening half a cycle before the natural vibration of surging, surging due to the previous displacement and surging due to the current displacement will occur. Overlapping, the surging fluctuation range is approximately doubled. As described above, since the amplification and attenuation of surging vary greatly depending on the displacement width, direction, and timing of the past water amount control means, as described above, a storage element such as an integral element that reflects past data is added to the index calculation logic of the surging sensor. The accuracy can be improved by inserting it. However, if too much accuracy is pursued, the index calculation logic becomes too difficult, so in practice, a certain degree of compromise is required. As an example of a compromise, an indicator calculation logic of a type that responds only to the absolute value and frequency of the fluctuation range, ignoring the direction of displacement given to the water amount control means, may be created. However, in this case, since it is dangerous that the accuracy is lowered in a direction where the surging sensor does not work, it should be designed so that it works even if it is not used. This consideration is applied to the index calculation logic that responds only to the absolute value and frequency of the fluctuation range in the above example. As a result, the surging sensor operates more than necessary, and each time the governor gain is lowered and the frequency response characteristic is lowered, but this degree is generally sufficiently acceptable.
[0081]
Note that the effect of integration or storage calculation used for calculating the index is attenuated with time if the surging excitation level of the input signal decreases. This is because surging due to the displacement of the past water amount control means attenuates with time.
[0082]
Arrangement of the band filter circuit is not limited to the output adjustment signal circuit, and it is similarly arranged if necessary as long as it is an application signal for finally controlling the flow rate control means. In the case of a configuration in which an opening degree upper limit device of a kind of water amount control means, generally called a load limit device, is repeatedly operated with a remote signal, the load limit device is also a target.
[0083]
FIG. 10 relates to surging suppression control during AFC (system automatic frequency control) operation in another embodiment of the present invention. 13A is a calculation unit of the output adjustment unit of the governor, 13B is an addition unit provided in the previous stage of the
[0084]
Prior to the description of this embodiment, conventional AFC-compatible control performed on the plant side will be described. The
[0085]
Of course, from the AFC perspective, the AFC command signal PafcTo generator power PgIt is desirable that the frequency response characteristic on the plant side is high. On the other hand, if the frequency response characteristic is increased too much on the plant side, the guide vane opening setting signal YaThere is a problem that the surging becomes excessive due to excessive vibration. Therefore, in this embodiment, the operation of the
[0086]
As described above, in this embodiment, the frequency response characteristics of the governor are set lower for the input in the frequency band close to the surging natural frequency of the surge tank than in the input in the other frequency band. Since it has a band filter circuit, it does not require special judgment elements such as a surging sensor. Even if a signal that may cause excessive surging is given, the water volume control means that is the exit of the governor need only set the lower frequency response characteristic of the band filter so as not to be excessively shaken.
[0087]
If the band filter circuit is placed in front of the junction with the speed detection signal on the governor output adjustment signal application circuit, the band filter acts only on the output adjustment signal, and governor's original speed control operation It can be made not to interfere. In this case, it is assumed that a signal that may cause excessive surging can be limited to the output adjustment signal. An example of such an output adjustment signal is an AFC (automatic frequency control) signal given by remote control.
[0088]
As a specific example of a band filter, [(1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFour・ S)] (However, T1To TFourIs a predetermined time constant, and S is a Laplace operator). However, the present invention is not limited to this. A certain frequency band faTo frequency band fbSo that the natural frequency of surging is in this frequency band f.aAnd frequency band fbAnything can be used as long as it is in between.
[0089]
In the above description, the water amount control means corresponds to the guide vane in the power generation mode of the water turbine or the pump turbine, but considering the pumping operation mode of the variable speed pumping power generation machine, it corresponds to the rotation speed control means rather than the pump guide vane. This is because the amount of pumped water changes greatly if the rotational speed is changed, but does not change much even if the guide vane opening is changed. In the above description, the case where the two embodiments of the surging sensor and the band filter are used alone has been described, but both can be used together.
[0090]
In addition, a present Example can be characterized by comprising as follows. That is, the calculation unit of the governor includes a proportional element whose gain can be switched between high and low, and when the surging sensor operates, the integral element gain and the proportional element gain are automatically selected to a low gain. Hydropower machine of a hydropower plant with a surge tank.
[0091]
The hydraulic machine of the hydraulic plant provided with the surge tank according to claim 4, wherein the band filter circuit is arranged on the governor output adjustment signal application circuit and before the junction with the speed detection signal.
[0092]
The surging sensor continuously monitors a specific state quantity of the governor including the displacement of the flow rate control means downstream from the junction of the speed detection signal and the output adjustment signal, and correlates with the magnitude of the surging. The value of a predetermined index that has been confirmed in advance is calculated from the specific state quantity, and an excessive surging is detected based on the magnitude of the index. The hydropower plant having a surge tank according to
[0093]
The state quantity of the governor in which the specific state quantity returns to zero or a value close to it in a steady state, or even if it does not return to zero or a value close to it in a steady state, a predetermined calculation such as differentiation is applied to zero or close to it in a steady state A hydraulic power plant of a hydropower plant equipped with a surge tank that is used in place of a specific state quantity after being converted to a state quantity that returns to a value.
[0094]
The hydraulic machine of the hydraulic power plant provided with the surge tank in which the said calculating part includes the integral calculation or memory | storage calculation for reflecting the history of the state quantity before that in addition to the value of a state quantity for every calculation of the said index.
[0095]
A hydraulic power plant of a hydraulic power plant having a surge tank in which the integration or storage operation is attenuated with time when the surging excitation level of the input signal decreases.
[0096]
The hydraulic machine of the hydraulic plant provided with the surge tank according to claim 4, wherein the band filter circuit is arranged on a circuit of a specific application signal to a governor that finally controls the flow rate control means.
[0097]
The transfer function of the band filter is [(1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFourS)] or equivalent, and the natural frequency of the surge tank subject to surging suppression is 1 / (2π · T1) And 1 / (2π · TFourThe hydraulic machine for a hydraulic power plant having a surge tank according to claim 4, wherein T1 and T2 are adjusted so as to fall within the range of
[0098]
Next, an embodiment relating to a hydraulic machine suitable for adjusting the set value of the power of the generator or the motor at a high speed from a distance in relation to system control such as automatic frequency control (AFC) of the power system will be described.
[0099]
In the channel configuration configured as shown in FIG. 2, the behavior of the water turbine including the water hammer of the hydropower plant shown in FIG. 2, that is, the guide vane (water amount control means) opening degree Y which is the output of the governor is input. The linearization model of the controlled object of 100F shown in FIG.20+ LThree・ V30) ・ It seems to be replaced with S. Here, each variable is made dimensionless and can be expressed by
[0100]
Opening change y of guide vane (water amount control means) →
[0101]
That is, when the guide vane is opened, the turbine output ptWill eventually increase to a value corresponding to y, but will temporarily decrease, and conversely, when the guide vane is closed, the turbine output ptIndicates that although it eventually decreases to a value corresponding to y, it temporarily increases conversely. This turbine output ptThe effect of this temporary reverse response also appears in the change in the rotational speed N, which is also restored to the input side of the rotational speed governor. Therefore, when the hydropower plant is separated from the large power system and is substantially in a single power transmission state, or in the case of no-load operation after the load is completely cut off, the rotational speed control is performed even if there is this reverse response. The stability of the system must be ensured only by the rotational speed governor, and the proportional gain P and integral gain I of the rotational speed governor described later must be set sufficiently small. Further, increasing the differential gain D of the rotational speed governor to a certain extent contributes to stabilization of the rotational speed control system, but if it exceeds that, the stability is adversely affected.
[0102]
FIG. 12 is a control block diagram of the governor of the present embodiment. In FIG. 12,
[0103]
A block diagram of the
[0104]
The actual guide vane opening Y is fed back, and the
[0105]
Incidentally, the governor shown in FIG. 15 has an external load L given to the generator and a guide vane opening setting signal Y given from the
AFC (automatic frequency control), and in the case of AFC, it is a command issued exclusively from the viewpoint of frequency control of the electric power system. Therefore, special circumstances of the hydropower plant such as surging abnormal vibration are issued without being detected. Provided remotely from a remote central control station not shown.
[0106]
The configuration of the AFC control system shown in FIG. 12 is as follows. Although the
[0107]
While the
[0108]
Rotation speed N, guide vane opening setting signal YaAny change may cause both the upstream and downstream surge tanks of the turbine to be abnormally vibrated, but here, the explanation will focus on the upstream surge tank.
[0109]
16 and 17 show the output of the
[0110]
In the following description, it is assumed that the allowable maximum value of the peak value of the response gain at the natural frequency of the upstream surge tank is equivalent to 7.6 (db) shown in FIG. FIG. 18 shows the frequency response characteristics of AFC when the proportional element 13D is not provided, that is, the AFC command PafcTurbine output fortThe response performance is shown. The turbine output PtAnd generator power PgSince there is almost no delay betweenafcGenerator power P againstgThe response performance may be good. In this case, the proportional gain K of the rotation speed governorp, Integral gain KiAre set the same as those shown in FIG. Thus, when the proportional element 13D is not provided, the AFC response gain is greatly reduced to 1/100 or less at about 0.01 Hz or more, and an AFC response cannot be expected at about 0.01 Hz or more.
[0111]
FIG. 20 shows the frequency response characteristics of power during AFC operation of this embodiment. Proportional element 13D is provided as a parallel circuit, and gain Kp θSince 1.0 is set to 1.0, it can be seen that the characteristics in the frequency band of 0.01 Hz or higher are greatly improved with respect to the frequency response characteristics shown in FIG.
[0112]
FIG. 19 is a Bode diagram of the upstream surge tank water level response during AFC operation of the present embodiment. The conditions are the same as those shown in FIG. As can be seen from FIG. 19, the surging of the upstream surge tank is also expanded with the improvement of the AFC response.
[0113]
As explained above, parallel computing means that inputs the same power deviation signal as the power deviation integral computing unit is provided in parallel with the power deviation integrating computing unit of the one-round control system for the power command, and power is supplied only when there is a transient with power deviation. Since a signal that enhances the response of the deviation integration calculator is output, the response delay is transiently maintained while maintaining the relationship (power command from a distance = actual power). It can be compensated accurately. In particular, when the sum signal obtained by adding the output of the power deviation integration calculator and the output of the parallel calculation means is applied as a kind of bias signal to the rotation speed governor calculation section of the rotation speed control system, the parallel calculation means rotates. Since it is outside the speed control loop, it is possible to freely improve the power response to a power command from a distance without affecting the circular transfer function of the rotational speed control system. Even if the power deviation integration calculator has a sufficiently low gain so that it can receive an increase / decrease command for manual operation of power, the power deviation integration calculator is bypassed and the power for the power command from a distance is bypassed. The response gain can be increased freely.
[0114]
In addition, by providing a proportional calculation as a parallel calculation means, it is possible to replace a simple I calculation using only a power deviation integrator with a P + I (proportional + integral) calculation, and in terms of frequency response, gain reduction and phase delay compensation are free. Thus, the response of the power control system to a power command from a distance can be more appropriately optimized. Further, by providing a proportional calculation + differential calculation in the parallel calculation means, a simple I calculation using only a power deviation integrator can be replaced with a P + I + D (proportional + integration + differentiation) calculation, and power control for a power command from a distance can be achieved. The frequency response characteristic can be improved more accurately and can be optimized. Regardless of special circumstances on the side of the rotational speed control system downstream of the rotational speed governor calculation unit, for example, the situation where the PID gain of the rotational speed governor cannot be increased freely, it is possible to optimize more accurately.
[0115]
FIG. 13 shows an AFC control system according to another embodiment of the present invention. This embodiment is configured in the same manner as the embodiment shown in FIG. 12, but in this embodiment, a
[0116]
FIG. 22 is a Bode diagram of the power response during the AFC operation of this embodiment. The condition is 0.00474 Hz is 1 / (2πT2) (Hz) ~ 1 / (2πTThree) A band filter set to be in the frequency band of (Hz) and Ki θThe setting is the same as that shown in FIG. 20 except that is reduced to 1/10. As a result, the power response around 0.00474 Hz was slightly reduced, but there was no effect at 0.1 Hz or higher.
[0117]
FIG. 19 is a Bode diagram of the upper surge tank water level response during the AFC operation of this embodiment, and the conditions are the same as those in FIG. The peak value at the natural frequency 0.00474 Hz of the upstream surge tank is 0.89 (db), which is significantly lower than 24.2 (db) shown in FIG. Moreover, it is significantly lower than the above-described overflow determination level of 7.6 (db). In the above example, the linear model [(1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFourAlthough S)] has been described as an example, anything may be used as long as the effect of lowering the frequency response gain of surging is finally obtained in the vicinity of the surging resonance frequency.
[0118]
Although only the fluctuation of the water level in the upstream and downstream surge tanks has been described as the resonance potential, if there are similar resonance potentials for the rotational speed governor itself and its controlled object, the same countermeasures should be taken for each of them. Good.
[0119]
As described above, according to the present embodiment, a band filter is provided in the remote command receiving unit. Therefore, as a result of the power control response measures described above, abnormal addition in a specific frequency band such as surging resonance of a surge tank is performed. Even if there is a possibility of oscillation, the power control response of that specific frequency band can be accurately lowered to avoid the problem, and the power control response can be fully increased in other non-hazardous frequency bands Become.
[0120]
When P + I + D calculation is used for remote power control and a band filter is used for the remote command receiver, P + I calculation is used for remote power control and a band filter is used for the remote command receiver. Fine adjustment is possible.
[0121]
Note that the transfer function of the band filter is [(1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFour・ S)] (However, T1To TFourIs a predetermined time constant, S is a Laplace operator, and T1<T2<TThree<TFour), The frequency response characteristic is 1 / (2π · T1) To 1 / (2π · TFour) So that the specific frequency band in which the resonance on the controlled object side such as the surging resonance frequency is expected falls within this range.1, TFourResonance can be accurately prevented by adjusting.
[0122]
The frequency response characteristic of this filter is 1 / (2π · T2) And 1 / (2π · TThree) So that a specific frequency band in which resonance is expected falls within this range.2, TThreeIt is more preferable to adjust.
[0123]
The band filter is not limited to the above example, but a certain frequency band faTo fbThe frequency response characteristic is lower than usual, and the specific frequency band in which resonance is expected is the frequency f.aAnd frequency fbAnything that can be put in between.
[0124]
The present embodiment can be characterized as having the following configuration. That is, a water wheel having a runner, a generator or an electric motor that is mechanically directly connected to the runner and electrically connected to an electric power system, an electric power control unit that controls an output of the electric generator or an input of the electric motor, and electric power Manual operation command means for manually giving up / down operation commands, remote command means for giving a required value of power from a distance, power restoring means for restoring an actual power value, and requested values from the remote command means And a deviation deriving unit for obtaining a deviation of the actual power value from the power restoring unit, a power deviation signal output from the deviation deriving unit, and a speed suitable for visual confirmation according to a command from the manual operation command unit And an integral type power command calculation means for performing an integration or equivalent calculation for inputting a power increase / decrease command signal to the power control means, and in the case of power control from a distance, the deviation derivation is performed. Stage → integral type power command calculating means → water wheel and generator / motor → power restoring means negative feedback circuit is configured, and the power deviation signal is input and the integral type power command calculating means The parallel computing means is arranged in parallel with the output to correct the output of the integral power command computing means, and the parallel computing means returns the response of the integral power command computing means when there is a transient power deviation. A hydraulic machine characterized by outputting a signal to increase and returning the output to zero or substantially zero when returning to a steady state.
[0125]
The hydraulic machine according to any one of
[0126]
The hydraulic machine according to any one of
[0127]
9. The output signal acting on the power control unit to reduce the power deviation is continuously increased while the arithmetic unit has a power deviation signal output from the comparison unit. A hydraulic machine according to any one of the above.
[0128]
A band filter is provided in front of the comparison unit or deviation deriving means and inputs a required value of power from a distant place, and the response gain of the band filter corresponds to a fluctuation input in a specific frequency band. The hydraulic machine according to any one of
[0129]
The hydraulic machine according to
[0130]
T1, T2, TThree, TFourT with a predetermined time constant1<T2<TThree<TFour, S is the Laplace operator, and the transfer function of the band filter is [(1 + T2・ S) * (1 + TThree・ S)] / [(1 + T1・ S) * (1 + TFourS)] or equivalent, and the specific frequency band that may cause resonance is 1 / (2π · T1) And 1 / (2π · TFour) T1, TFourSet hydraulic machine.
[0131]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to guarantee that abnormal vibration of surging can be automatically prevented. Therefore, without sacrificing safety, the capacity of the surge tank installed in the upstream / downstream waterway (specifically, the cross-sectional area and height) ) Can be significantly reduced and civil engineering costs can be reduced. Moreover, the surging sensor method or the band filter method can be achieved without drastically changing the governor, and the cost increase for this is negligible in terms of effect. By using a band filter, governor response characteristics such as AFC can be greatly improved in a manner consistent with surging.
[0132]
In addition, even when both the rotational speed control system and the power control system that responds to the remote command ultimately control the same operating end, the response of the power control system that responds to the remote command is the response of the rotational speed control system. It can be rationally optimized without impairing performance, particularly stability, and particularly the response gain can be greatly improved.
[0133]
In addition, even when the power deviation integral gain is not sufficiently high, as in the case where the power deviation integral calculator also receives an increase / decrease command for manual operation of power, the responsiveness of the power control system to the remote command can be increased freely. be able to.
[0134]
In addition, abnormal vibration phenomena in specific frequency bands such as surge tank surging of upstream and downstream water channels can be reasonably prevented, and the response of the one-round control system can be maintained to the maximum in other frequency bands. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram of a governor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a water channel configuration diagram of a hydropower plant having surge tanks in both upper and lower water channels.
FIG. 3 is a block diagram illustrating a linearization model of a governor to be controlled.
FIG. 4 is a block diagram of the upper surging tank shown in FIG.
FIG. 5 is a block diagram of the lower surging tank shown in FIG. 3;
FIG. 6 is a configuration diagram illustrating an example of a surging sensor.
FIG. 7 is a diagram illustrating the operation of a surging sensor.
FIG. 8 is a diagram illustrating the operation of a surging sensor.
FIG. 9 is a diagram illustrating an analysis example of evaluation of detection accuracy of a surging sensor.
FIG. 10 is a block diagram illustrating an example of a band filter.
11 is a Bode diagram showing frequency response characteristics of the band filter shown in FIG. 10;
FIG. 12 is a diagram showing a configuration of an AFC control system according to another embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a diagram showing a configuration of an AFC control system according to another embodiment of the present invention.
14 is a diagram illustrating frequency response characteristics of the band filter unit of FIG. 13;
FIG. 15 is a block diagram of a rotation speed governor.
FIG. 16 shows Y in FIG.aIt is a Bode diagram which shows the response of the surge tank when changing to a sine wave shape.
FIG. 17 shows Y in FIG.aIt is a Bode diagram which shows the response of the surge tank when changing to a sine wave shape.
18 is a diagram showing frequency response characteristics of AFC when the parallel circuit of FIG. 15 is not provided.
FIG. 19 is a Bode diagram of an upper surge tank water level response during AFC operation of the embodiment of FIG. 12;
20 is a diagram showing frequency response characteristics of electric power during AFC operation of the embodiment of FIG.
FIG. 21 is a Bode diagram of an upper surge tank water level response during AFC operation of the embodiment of FIG. 13;
22 is a Bode diagram of power response during AFC operation of the embodiment of FIG. 13;
[Explanation of symbols]
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