JP3963628B2

JP3963628B2 - Coating composition, coating film structure thereof, and coating method thereof

Info

Publication number: JP3963628B2
Application number: JP2000036562A
Authority: JP
Inventors: 秀樹山内; 和紀倉知
Original assignee: Kikusui Kagaku Kogyo KK
Current assignee: Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date: 2000-02-15
Filing date: 2000-02-15
Publication date: 2007-08-22
Anticipated expiration: 2020-02-15
Also published as: JP2001226636A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築物などの構造物の塗装などの仕上げに使われる塗料及び、その塗料を用いた表装材であり、塗料に廃棄物などを焼却処分した後に出る焼却灰を利用した塗料組成物及びその塗膜構造並びにその塗装方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、廃棄物焼却灰の処理方法については数々の提案がされ、また、廃棄物焼却灰の利用についても提案がされている。例えば、セメントと混練してブロック、プレートにすることが特開平７−１５５７３２号公報に開示され、又水ガラスと混練し成型物にすることが特開平８−３５６４０号公報に開示されている。また、固化方法としては、消石灰と混練して加圧成形することが特開平７−１５５７２４号公報に開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の廃棄物焼却灰の利用方法としては、セメント、水ガラス、消石灰などの無機系結合材にのみ固化させたものである。その固化されたものは、硬質であり、厚みがあり、重量物である。そのために、建築物などの構造物の化粧に用いることが困難であった。つまり、薄膜での耐衝撃性が劣り、厚みがあり、重量物であることとなり、構造物のに負荷がかかることになる。これらは、無機結合材により固化されたためである。
【０００４】
また、廃棄物焼却灰は、有害物を含むことがあるために、それら有害物の漏出してしまうことがある。さらに、廃棄物焼却灰を用いて固化させたものは、濃赤色や黒色の焼却灰固有の色調になる。
【０００５】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、廃棄物焼却灰を建築等の仕上げ材に用いることにより有効な利用ができ、その塗膜が薄膜での耐衝撃性があり、軽量となる塗料組成物であって、その塗膜から有害物の漏出がなく、自由な色調になる塗膜構造並びにその塗装方法を提供することにある。
【０００６】
上記の目的を達成するために、請求項１に記載の発明の塗料組成物は、無機質結合材を含まず、合成樹脂エマルションを有機質結合材とする有機質結合材の固形分に対して、廃棄物焼却灰が３〜３０重量％を含有することを特徴とするものである。
【０００７】
請求項２に記載の発明の塗膜構造は、被塗布物の表面に被塗布物側から請求項１に記載の塗料組成物より形成される塗料組成物層と、上塗り塗料により形成される塗料層とが積層されているものである。
【０００８】
請求項３に記載の発明の塗膜構造は、請求項１に記載の塗料組成物を所定の形状に賦形し、硬化乾燥した後に、上塗り塗料により形成される塗料層を積層するものである。
【０００９】
請求項４に記載の発明の塗装方法は、被塗布物の表面に被塗布物側から請求項１に記載の塗料組成物を塗布して硬化乾燥させ塗料組成物層を形成した後、その表面に上塗り塗料を塗布して硬化乾燥させ塗料層を形成することを特徴とすることである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
塗料組成物は、有機質結合材の固形分に対して、廃棄物焼却灰を３〜３０重量％を含有することを特徴とするものである。
【００１１】
まず、産業廃棄物焼却灰は、塗料組成物の主成分の１つである。ゴミなどとして排出される廃棄物の処理方法の１つである焼却により発生する焼却灰のことである。主な成分としては、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどの金属類である。微量成分として、カドミウム、鉛、ヒ素、シアンなどの有害物を含む場合がある。
【００１２】
また、産業廃棄物焼却灰の成分は、焼却灰の採取する場所、採取する時期により変動することがある。このことは、産業廃棄物の排出量、種類、地域の産業により影響することが多い。
【００１３】
有機質結合材は、塗料組成物の必須成分であり、熱可塑性樹脂又は熱硬化樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂などがあり、熱硬化樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ、これらを単独又は共重合したものを用いることができる。
【００１４】
また、前記樹脂を溶液に溶解させたものや溶液に分散させたものが使用される。塗料組成物の使いやすさ、製造の容易さ、入手の容易さ及び無機質結合材との混和性より、樹脂を水に分散させた合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。
【００１５】
合成樹脂エマルションは、乳化重合のような通常の重合技術で製造できる一般的なものでよい。例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂より製造された合成樹脂エマルションなどがある。
【００１６】
塗料適性、塗膜の物性、入手の容易性などからアクリル樹脂、スチレン樹脂より製造されたアクリル系合成樹脂エマルションやアクリルスチレン系合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。この合成樹脂エマルションは、塗料組成物の用途、性能に応じて適宜選択して使用される。また、必要により感熱ゲル化剤を加えたものも用いることができる。
【００１７】
感熱ゲル化剤を用いた合成樹脂エマルションは、ある温度に達すると合成樹脂エマルションがゲル化して、その合成樹脂エマルションの流動性を喪失するものである。ゲル化する温度は、感熱ゲル化剤の添加量や種類に応じて変化させることができる。そのため、必要とする温度に設定することができる。
【００１８】
合成樹脂エマルションに使われる樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−４０〜５０℃の範囲であるが、塗料組成物の用途に応じて、適したガラス転移温度の合成樹脂を選択することができる。
【００１９】
この塗料組成物は、有機質結合材の固形分に対して、廃棄物焼却灰が３〜６０重量％を含有することものである。産業廃棄物焼却灰が３重量％より少ない場合には、硬化乾燥後の塗料組成物が燃えやすくなる。産業廃棄物焼却灰が６０重量％より多い場合には、産業廃棄物焼却灰に含有されている有害物の漏出が起る場合があり、また、硬化後の塗料組成物の耐久性が損なわれる。産業廃棄物焼却灰３〜３０重量％の範囲がより好ましく、焼却灰に含有されている有害物の漏出がより起こりにくく、硬化乾燥後の塗料組成物の耐久性もより向上する。
【００２０】
さらに、塗料組成物には、無機質結合材を含有することができる。無機質結合材は、無機系の被塗布面に対する接着力向上や、塗膜の有機分の含有量を少なくすることができるため、耐熱性及び難燃性を付与することができ、セメント、シリカゾル、リチウムシリケート、アルミナゾル、焼石膏、石灰、高炉スラグなどが挙げられる。
【００２１】
前記無機質結合材の中でも、セメントが入手の容易さ、コスト面からより好ましく用いられる。セメントは、水と反応して硬化する鉱物質の粉末であり、ポルトランドセメント、白色セメント、混合セメント及び特殊セメントなどに大別することができ、ポルトランドセメントの中でも普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメントがある。
【００２２】
この発明では、任意の種類のセメントを用いることができる。容易に入手できる普通ポルトランドセメント又は白色セメントがが好ましく用いられる。
この無機質結合材は、有機質結合材の固形分に対して、無機質結合材の固形分で５〜７０重量％含有することが好ましい。５重量％より少ない場合には、無機系の被塗布面に対する接着力向上や耐熱性及び難燃性を付与することができない。７０重量％より多い場合には、塗膜の重量が増加してしまうことになる。５〜５０重量％の範囲がより好ましい。
【００２３】
この発明の塗料組成物は、その他の添加剤として、低沸点アルコール、高沸点溶剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、着色顔料、充填材、軽量骨材、難燃剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤等のような一般に塗料製造に配合されている成分を使用することができる。高沸点溶剤は造膜助剤、防凍剤として用いられ、界面活性剤は消泡剤、分散剤、湿潤剤などとして用いられる。増粘剤は、粘度及び粘性調整のために用いられる。また、充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、珪砂、繊維等が挙げられる。軽量骨材としては、発砲クレー、軽石、パーライト、発泡スチロール粉、シラスバルーン、ヒル石、ガラス粉の発泡体等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系、リン系、三酸化アンチモン系化合物などがある。
【００２４】
上塗り塗料としては、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーンアクリル樹脂系等の水系塗料又は溶剤系塗料が用いられる。この上塗り塗料は、用途や性能に応じて適宜選択することができる。
【００２５】
上塗り塗料を塗布することにより、焼却灰に含有されている有害物の漏出がより起こらなくなり、塗料組成物の塗布面の耐候性を向上させ、汚れ防止を図ることなど塗料組成物の塗布面の保護をすることができ、また、塗料組成物の塗布面の色調を自由に変えることができる。さらに、上塗り塗料の種類を変えることによって、艶を与えたり、逆に艶を消すことができる。
【００２６】
被塗布物とは、塗料組成物が塗布されるものであり、建築物などの構造物の壁面などである。また、可とう性のあるものや板状で可とう性のないものが挙げられる。可とう性のあるものでは、不織布、織布、ガラスクロス、紙などがあり、板状で可とう性のないものでは、合板、窯業用サイディング、金属サイディング、ＡＬＣ版、押し出し成型板、ケイ酸カルシウム板、ＧＲＣ板、ＰＣ板などが挙げられる。
【００２７】
建築物などの構造物の壁面には、壁面の下地調整材や模様付けの主材などとして建築仕上げ用の材料として塗料組成物を直接用いることができる。塗料組成物を塗布し、硬化乾燥した後に、上塗り塗料を塗布するものである。
【００２８】
不織布、織布、ガラスクロス、紙などの可とう性のあるものや合板、窯業用サイディング、金属サイディング、ＡＬＣ版、押し出し成型板、ケイ酸カルシウム板、ＧＲＣ板、ＰＣ板などの板状のものには、塗料組成物を塗布し、硬化乾燥した後に、上塗り塗料を塗布することにより、前もって塗装された被塗布物を建築物などの構造物の壁面等に貼り付けることができる表装材とするものである。
【００２９】
さらに、塗料組成物を所定の形状に賦形し、硬化乾燥した後に、上塗り塗料により形成される塗料層を積層するものでは、自由な形状にすることができ、タイル状、レンガ状、ブロック状などの形状に賦型することにより、建築物などの構造物の壁面等に貼り付ける表装材とするものである。
【００３０】
次に、前記のように構成された塗料組成物による塗膜構造を得るための塗装方法について説明する。
さて、塗料組成物は、被塗布面に対して刷毛、ローラー、スプレー、鏝、へらなどの通常の塗布方法により塗布することにより塗料組成物層を形成することができ、その塗布方法は、必要に応じて適宜選択し、特に限定されるものではない。また、塗料組成物を所定の形状に賦形する賦形方法としては、鋳込み成形法、プレス成形法などの成形方法があるが、どの成形方法も使用可能であり、必要に応じて適宜選択し、特にその方法は限定されるものではない。
【００３１】
塗料組成物より形成される塗料組成物層又は賦形された塗料組成物を硬化乾燥した後、上塗り塗料を塗布する。その塗布方法としては、刷毛、ローラー、スプレー、鏝、へらなどの通常の塗布方法に塗布することができる。また、賦形された塗料組成物は上塗り塗料の中に漬け込むことにより上塗り塗料層を形成することができる。
【００３２】
以上のように、この実施形態によれば次のような効果が発揮される。
・有機質結合材の固形分に対して、産業廃棄物焼却灰が３〜６０重量％を含有しているものであり、産業廃棄物焼却灰３〜３０重量％がより好ましい範囲であることにより、硬化後の塗料組成物が燃えにくく、焼却灰に含有されている有害物の漏出が起こらない、耐久性のよいものが得られる。
【００３３】
・無機質結合材を含有することであり、好ましくはセメントを含有することにより、無機系の被塗布面に対する接着力向上や、塗膜の有機分の含有量を少なくすることができるため、耐熱性及び難燃性を付与することができものである。
【００３４】
・被塗布物の表面に被塗布物側から塗料組成物より形成される塗料組成物層と、上塗り塗料により形成される塗料層とが積層されているものであることにより、有害物の漏出がなく、自由な色調になるとなるものを得ることができる。
【００３５】
・塗料組成物を所定の形状に賦形し、硬化乾燥した後に、上塗り塗料により形成される塗料層を積層されているものであることにより、有害物の漏出がなく、自由な色調になるものが得られる。
【００３６】
・有機質結合材が合成樹脂エマルションであり、好ましくはアクリル系合成樹脂エマルションであることにより、塗料適性、硬化後の塗膜の物性がよいものを容易に得ることができ、さらに無機結合材との混和性に優れたものを得ることができる。
【００３７】
・有機質結合材の固形分に対して、無機質結合材の固形分で５〜５０重量％含有することにより、無機系の被塗布面に対する接着力向上や耐熱性及び難燃性を付与することができ、塗膜の重量が増加を抑制するものができる。
【００３８】
【実施例】
以下、前記実施形態を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
廃棄物焼却灰に下水処理汚泥の焼却灰を用いた。その焼却灰は、濃赤色である。その他の成分として、消泡剤、湿潤剤、増粘剤などを用いた。また、必要に応じて増膜助剤を含有させ、配合水を用いた。
【００３９】
有機質結合材としては、固形分が５０％のアクリル系合成樹脂エマルションを用い、無機質結合材を含有させる場合には固形分が５０％のエチレン−酢酸ビニル系合成樹脂エマルションを用いた。
【００４０】
無機質結合材には、普通ポルトランドセメントを用い、充填材としてシラスバルーンを用いた。以下、実施例及び比較例の配合を表１に示す。有機質結合材及びその他の成分の含有量は、固形分である。
【００４１】
【表１】

実施例１、実施例２及び参考例、比較例１〜比較例３についての塗料組成物を離型性のあるシリコーンゴム製の型に流し込み硬化乾燥させて試験片を作る。その試験片は、縦６０ｍｍ横２００ｍｍ厚み５ｍｍである。その試験片の全面に溶剤型のアクリル系樹脂の上塗り塗料を塗布し、試験体を得た。それらの試験体の重量を測定した後、有害物の漏出の確認及び、耐衝撃性についての確認を行った。
【００４２】
溶剤型のアクリル系樹脂の上塗り塗料が白色であるために赤色でできた試験片が白色な試験体となった。
この漏出試験は、試験体（単位ｇ）と初期ｐHが４．０である脱イオン水（単位ｍｌ）とを重量体積比で１：１０の割合で混合する。その混合された試料液を常温常圧で２４時間攪拌し、その後、３０分間静置する。その試料液を３０００ｒｐｍで２０分間遠心分離した後、その上澄み液を孔径０．４５μｍのメンブランフィルターでろ過してろ液をとり、それを検液とした。この検液に漏出したものを検証する。
【００４３】
耐衝撃性は、試験体を５０ｃｍの高さからアスファルト舗装された床面に自由落下させ、試験体の破損の程度を検証した。
試験体の重量と漏出試験の結果と表２に示す。
【００４４】
【表２】

実施例１、参考例及び比較例１の試験体の燃焼試験を行った。この燃焼試験は、試験体にライターの炎を近づけ、試験体に着火する時間を測定した。実施例１の試験体の着火時間は、３０秒であり、参考例の試験体では、６０秒であった。一方、比較例１の試験体の着火時間は、１５秒であった。比較例１は、樹脂量多いため燃えやすいことがわかる。参考例では、無機結合材としてセメントを含有していることにより、実施例１と比較してより燃えにくいことがわかる。
【００４５】
比較例２については、無機質結合材の含有率が多いため、参考例に比べても重量が重くなる。また、耐衝撃性については、無機結合材が多いため試験体が硬くなるため、試験体の角の割れが起きた。
【００４６】
比較例３では、焼却灰の含有率が多いため漏出試験の結果、漏出物があった。実施例２の塗料組成物をタイル状に成形し、上塗り塗料を塗布し、表装材として用いた。成形方法は、シリコーン樹脂の成形型に塗料組成物を流し込み、５０℃で加熱乾燥を７２時間し、硬化乾燥後に成形型から脱形した。その後、上塗り塗料を刷毛で塗布し、常温で自然乾燥し、表装材を得た。この上塗り塗料は、白色であり、水系のシリコーンアクリルのものを用いた。
【００４７】
参考例の塗料組成物に充填材として炭酸カルシウムを有機質結合材の固形分に対して、１０倍量添加して、配合水を適当量添加してＡＬＣ下地の下地調整材として用いた。その下地調整をリシンガンでスプレーとした。下地調整をした後上塗り塗料として溶剤型のアクリル樹脂からなる白色のエナメル塗料をスプレーガンで塗布した。
【００４８】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・前記無機質結合材がセメントであることを特徴とする塗料組成物。このことにより無機系の被塗布面に対する接着力向上や、塗膜の有機分の含有量を少なくすることができるため、耐熱性及び難燃性を付与することが容易にできる。
【００４９】
・前記有機質結合材が合成樹脂エマルションであり、好ましくはアクリル系合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項１に記載の塗料組成物。この構成により、製造及び入手が容易で、さらに無機結合材との混和性に優れたものを得ることができる。
【００５０】
・塗料組成物の固形分に対して、無機質結合材の固形分で５〜５０重量％含有することを特徴とする塗料組成物。このことにより無機系の被塗布面に対する接着力向上や耐熱性及び難燃性を付与することができ、塗膜の重量が増加を抑制するものができる。
【００５１】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項１に記載の発明の塗料組成物によれば、廃棄物焼却灰を建築等の仕上げ材に用いることにより有効な利用ができ、その塗膜が薄膜での耐衝撃性があり、軽量となるものである。
【００５３】
請求項２又は請求項３に記載の発明の塗膜構造によれば、その塗膜から有害物の漏出がなく、自由な色調になるものである。
【００５４】
請求項４に記載の発明の塗装方法によれば、その塗膜から有害物の漏出がなく、自由な色調とすることである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a paint used for finishing a structure such as a building, and a surface material using the paint, and a paint composition using incineration ash generated after incineration of wastes in the paint And its coating film structure and its coating method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a number of proposals have been made regarding a method for treating waste incineration ash, and the use of waste incineration ash has also been proposed. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 7-155732 discloses kneading with cement to form blocks and plates, and Japanese Patent Laid-Open No. 8-35640 discloses kneading with water glass to form a molded product. Moreover, as a solidification method, it is disclosed by Unexamined-Japanese-Patent No. 7-155724 that it knead | mixes with slaked lime and press-molds.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, as a conventional method of using the waste incineration ash, it is solidified only in an inorganic binder such as cement, water glass, slaked lime. The solidified material is hard, thick, and heavy. Therefore, it has been difficult to use it for makeup of structures such as buildings. That is, the impact resistance of the thin film is inferior, the thickness is high, and the structure is heavy, and a load is applied to the structure. This is because these are solidified by the inorganic binder.
[0004]
In addition, since waste incineration ash may contain harmful substances, the harmful substances may leak out. Furthermore, what was solidified using the waste incineration ash has a unique color tone of dark red or black incineration ash.
[0005]
The present invention has been made paying attention to the problems existing in the prior art as described above. The purpose of this is a paint composition that can be effectively used by using waste incineration ash as a finishing material for buildings, etc., and its coating film has impact resistance in a thin film and is lightweight, It is an object of the present invention to provide a coating film structure and a coating method thereof in which a harmful color does not leak from the coating film and can be freely colored.
[0006]
In order to achieve the above object, the coating composition of the invention described in claim 1 does not include an inorganic binder, and is a waste with respect to the solid content of the organic binder using a synthetic resin emulsion as an organic binder . Incinerated ash contains 3 to 30% by weight.
[0007]
The coating film structure of the invention described in claim 2 is a coating composition formed on the surface of the coating object from the coating object side by the coating composition layer formed from the coating composition of claim 1 and a top coating. The layers are laminated.
[0008]
The coating film structure of the invention described in claim 3 is one in which the coating composition according to claim 1 is shaped into a predetermined shape, cured and dried, and then a coating layer formed by a top coating is laminated. .
[0009]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a coating method comprising: applying the coating composition according to the first aspect to a surface of an object to be coated, curing and drying the coating composition layer; It is characterized in that a top coat is applied to the film and cured and dried to form a paint layer.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The coating composition is characterized by containing 3 to 30 % by weight of waste incineration ash with respect to the solid content of the organic binder.
[0011]
First, industrial waste incineration ash is one of the main components of the coating composition. It is incineration ash generated by incineration, which is one of the methods for treating waste discharged as trash. The main components are metals such as iron, zinc, copper and manganese. As a trace component, harmful substances such as cadmium, lead, arsenic, and cyan may be contained.
[0012]
In addition, the components of industrial waste incineration ash may vary depending on the location and timing of incineration ash collection. This is often influenced by the amount, type, and industry of industrial waste.
[0013]
The organic binder is an essential component of the coating composition, and a thermoplastic resin or a thermosetting resin can be used. Examples of thermoplastic resins include acrylic resin, vinyl acetate resin, vinyl chloride resin, urethane resin, alkyd resin, and examples of thermosetting resin include epoxy resin, polyester resin, phenol resin, melamine resin, and silicone resin. These can be used singly or copolymerized.
[0014]
Further, a resin in which the resin is dissolved in a solution or a resin in which the resin is dispersed is used. A synthetic resin emulsion in which a resin is dispersed in water is preferably used because of ease of use of the coating composition, ease of production, availability, and miscibility with an inorganic binder.
[0015]
The synthetic resin emulsion may be a general one that can be produced by a usual polymerization technique such as emulsion polymerization. For example, there are synthetic resin emulsions manufactured from resins such as acrylic resins, styrene resins, urethane resins, silicone resins, fluororesins, and epoxy resins.
[0016]
An acrylic synthetic resin emulsion or an acrylic styrene synthetic resin emulsion produced from an acrylic resin or a styrene resin is preferably used from the viewpoints of paint suitability, physical properties of the coating film, and availability. This synthetic resin emulsion is appropriately selected and used according to the application and performance of the coating composition. Moreover, what added the heat-sensitive gelling agent if necessary can also be used.
[0017]
A synthetic resin emulsion using a heat-sensitive gelling agent is one in which the synthetic resin emulsion gels when it reaches a certain temperature and loses the fluidity of the synthetic resin emulsion. The temperature at which gelation occurs can be changed according to the amount and type of heat-sensitive gelling agent. Therefore, it can be set to the required temperature.
[0018]
The glass transition temperature of the resin used in the synthetic resin emulsion is preferably in the range of −40 to 50 ° C., but a synthetic resin having a suitable glass transition temperature can be selected according to the application of the coating composition.
[0019]
In this coating composition, the waste incineration ash contains 3 to 60% by weight based on the solid content of the organic binder. If the industrial waste incineration ash is less than 3% by weight, the coating composition after curing and drying tends to burn. When the amount of industrial waste incineration ash is more than 60% by weight, leakage of harmful substances contained in the industrial waste incineration ash may occur, and the durability of the cured coating composition is impaired. . The range of 3 to 30% by weight of industrial waste incineration ash is more preferable, leakage of harmful substances contained in incineration ash is less likely to occur, and the durability of the coating composition after curing and drying is further improved.
[0020]
Furthermore, the coating composition can contain an inorganic binder. Since the inorganic binder can improve the adhesion to inorganic coated surfaces and reduce the organic content of the coating film, it can impart heat resistance and flame retardancy, cement, silica sol, Examples include lithium silicate, alumina sol, calcined gypsum, lime, and blast furnace slag.
[0021]
Among the inorganic binders, cement is more preferably used from the viewpoint of availability and cost. Cement is a mineral powder that hardens when it reacts with water, and can be broadly divided into Portland cement, white cement, mixed cement and special cement. There are super early strength Portland cement, moderately hot Portland cement and sulfate resistant Portland cement.
[0022]
In this invention, any kind of cement can be used. Commonly available Portland cement or white cement is preferably used.
The inorganic binder is preferably contained in an amount of 5 to 70% by weight based on the solid content of the inorganic binder with respect to the solid content of the organic binder. When the amount is less than 5% by weight, it is not possible to impart improved adhesion, heat resistance and flame retardancy to the inorganic coated surface. When it is more than 70% by weight, the weight of the coating film increases. A range of 5 to 50% by weight is more preferable.
[0023]
The coating composition of the present invention includes, as other additives, low boiling alcohol, high boiling solvent, surfactant, thickener, white pigment, coloring pigment, filler, lightweight aggregate, flame retardant, preservative, Ingredients generally blended in paint production such as glazes, anti-algae and the like can be used. High-boiling solvents are used as film-forming aids and anti-freezing agents, and surfactants are used as antifoaming agents, dispersing agents, wetting agents and the like. A thickener is used for viscosity and viscosity adjustment. Examples of the filler include calcium carbonate, aluminum hydroxide, alumina, silica sand, and fibers. Examples of lightweight aggregates include foamed clay, pumice, perlite, expanded polystyrene powder, shirasu balloon, leech stone, and foamed glass powder. Examples of the flame retardant include halogen-based, phosphorus-based, and antimony trioxide-based compounds.
[0024]
As the top coating, water-based or solvent-based paints such as acrylic resin, silicone resin, urethane resin, and silicone acrylic resin are used. This top coat can be appropriately selected according to the application and performance.
[0025]
By applying the top coating, the leakage of harmful substances contained in the incineration ash is less likely to occur, improving the weather resistance of the coated surface of the coating composition, and preventing the contamination of the coated surface of the coating composition. Protection can be provided, and the color tone of the coated surface of the coating composition can be freely changed. Further, by changing the type of the top coat, it is possible to give gloss or reverse the gloss.
[0026]
An object to be coated is one to which a coating composition is applied, such as a wall surface of a structure such as a building. Moreover, a flexible thing and a plate-like thing without flexibility are mentioned. Flexible materials include non-woven fabrics, woven fabrics, glass cloths, papers, etc. Plates that are not flexible include plywood, ceramic siding, metal siding, ALC plates, extruded plates, silicic acid A calcium plate, a GRC plate, a PC plate, etc. are mentioned.
[0027]
The coating composition can be used directly on the wall surface of a structure such as a building as a material for building finishing as a base material for the wall surface or a main material for patterning. The top coating composition is applied after the coating composition is applied and cured and dried.
[0028]
Flexible materials such as non-woven fabrics, woven fabrics, glass cloths, papers, and plywood, ceramic siding, metal siding, ALC plates, extruded plates, calcium silicate plates, GRC plates, PC plates, etc. In this case, after applying the coating composition, curing and drying, and then applying a top coating, it is possible to apply a pre-coated object to a wall surface of a structure such as a building. Is.
[0029]
Furthermore, after the coating composition is shaped into a predetermined shape, cured and dried, and then laminated with a coating layer formed by a top coating, it can be made into a free shape, tile, brick, block By forming into a shape such as, a cover material to be attached to a wall surface of a structure such as a building is used.
[0030]
Next, the coating method for obtaining the coating film structure by the coating composition comprised as mentioned above is demonstrated.
The coating composition can be applied to the surface to be coated by a normal coating method such as brush, roller, spray, wrinkle, spatula, etc., and the coating method is necessary. Depending on the case, it is appropriately selected and is not particularly limited. In addition, as a shaping method for shaping the coating composition into a predetermined shape, there are molding methods such as a casting method and a press molding method. Any molding method can be used, and it can be selected as appropriate. In particular, the method is not limited.
[0031]
After the coating composition layer formed from the coating composition or the shaped coating composition is cured and dried, a top coating is applied. As the application method, it can apply to normal application methods, such as a brush, a roller, a spray, a wrinkle, and a spatula. Further, the shaped coating composition can be dipped into the top coating composition to form a top coating layer.
[0032]
As described above, according to this embodiment, the following effects are exhibited.
-With respect to the solid content of the organic binder, industrial waste incineration ash contains 3 to 60% by weight, and industrial waste incineration ash 3 to 30% by weight is a more preferable range, The cured coating composition is difficult to burn and does not cause leakage of harmful substances contained in the incineration ash.
[0033]
・ Contains an inorganic binder, and preferably contains cement to improve adhesion to inorganic coated surfaces and to reduce the organic content of the coating film. And flame retardancy can be imparted.
[0034]
・ Since the coating composition layer formed from the coating composition on the surface of the coating object and the coating layer formed from the top coating are laminated, the leakage of harmful substances is prevented. And a free color tone can be obtained.
[0035]
・ Because the paint composition is formed into a predetermined shape, cured and dried, and then the paint layer formed by the top coat is laminated, it does not leak harmful substances and has a free color tone Is obtained.
[0036]
-The organic binder is a synthetic resin emulsion, preferably an acrylic synthetic resin emulsion, so that it is possible to easily obtain a paint having good coating properties and good physical properties of the coating film after curing. A product having excellent miscibility can be obtained.
[0037]
-By containing 5 to 50 wt% of the solid content of the organic binder with respect to the solid content of the organic binder, it is possible to impart improved adhesion, heat resistance and flame retardancy to the inorganic coated surface. It is possible to suppress the increase in the weight of the coating film.
[0038]
【Example】
Hereinafter, the embodiment will be described more specifically based on examples.
Sewage treatment sludge incineration ash was used as waste incineration ash. The incineration ash is dark red. As other components, antifoaming agents, wetting agents, thickeners and the like were used. Moreover, the film-forming auxiliary | assistant was contained as needed and the mixing | blending water was used.
[0039]
As the organic binder, an acrylic synthetic resin emulsion having a solid content of 50% was used. When an inorganic binder was contained, an ethylene-vinyl acetate synthetic resin emulsion having a solid content of 50% was used.
[0040]
Ordinary Portland cement was used as the inorganic binder, and Shirasu balloon was used as the filler. The composition of Examples and Comparative Examples is shown in Table 1 below. The content of the organic binder and other components is a solid content.
[0041]
[Table 1]

The coating compositions of Example 1 , Example 2, Reference Example , and Comparative Examples 1 to 3 were poured into a mold made of silicone rubber having releasability and cured and dried to prepare test pieces. The test piece is 60 mm long, 200 mm wide, and 5 mm thick. A solvent-type acrylic resin topcoat was applied to the entire surface of the test piece to obtain a test specimen. After measuring the weights of these test specimens, the leakage of harmful substances was confirmed and the impact resistance was confirmed.
[0042]
Since the top coat of the solvent type acrylic resin was white, the red test piece was a white test piece.
In this leakage test, a test specimen (unit: g) and deionized water (unit: ml) having an initial pH of 4.0 are mixed at a weight / volume ratio of 1:10. The mixed sample solution is stirred at normal temperature and pressure for 24 hours, and then allowed to stand for 30 minutes. The sample solution was centrifuged at 3000 rpm for 20 minutes, and then the supernatant was filtered through a membrane filter having a pore size of 0.45 μm to obtain a filtrate, which was used as a test solution. Verify what leaked into this test solution.
[0043]
For impact resistance, the specimen was freely dropped from a height of 50 cm onto an asphalt-paved floor, and the degree of breakage of the specimen was verified.
Table 2 shows the weight of the specimen and the results of the leakage test.
[0044]
[Table 2]

A combustion test was conducted on the specimens of Example 1, Reference Example, and Comparative Example 1. In this combustion test, a lighter flame was brought close to the test specimen, and the time required to ignite the test specimen was measured. The ignition time of the test body of Example 1 was 30 seconds, and the test body of the reference example was 60 seconds. On the other hand, the ignition time of the test body of Comparative Example 1 was 15 seconds. It can be seen that Comparative Example 1 is flammable because of the large amount of resin. In a reference example , it turns out that it is hard to burn compared with Example 1 by containing cement as an inorganic binder.
[0045]
About Comparative example 2, since there is much content rate of an inorganic binder, weight becomes heavy also compared with a reference example . As for the impact resistance, the specimen was hard because there were many inorganic binders, and the corners of the specimen were cracked.
[0046]
In Comparative Example 3, there was a leakage as a result of the leakage test because the content of incinerated ash was large. The coating composition of Example 2 was formed into a tile shape, and a top coating was applied to be used as a covering material. The molding method was such that the coating composition was poured into a silicone resin mold, heat-dried at 50 ° C. for 72 hours, and demolded from the mold after curing and drying. Then, the top coat was applied with a brush and dried naturally at room temperature to obtain a cover material. This top coat was white and used water-based silicone acrylic.
[0047]
In the coating composition of the reference example , calcium carbonate as a filler was added in an amount 10 times the solid content of the organic binder, and an appropriate amount of blended water was added and used as a base preparation for an ALC base. The groundwork was sprayed with a lysing gun. After adjusting the groundwork, a white enamel paint made of a solvent-type acrylic resin was applied as a top coat with a spray gun.
[0048]
Next, the technical idea that can be grasped from the embodiment will be described below.
· Paint composition wherein the inorganic binder you being a cement. As a result, it is possible to improve adhesion to an inorganic coated surface and to reduce the organic content of the coating film, so that heat resistance and flame retardancy can be easily imparted.
[0049]
- the organic binder is a synthetic resin emulsion, preferably coating composition according to claim 1, characterized in that the acrylic synthetic resin emulsion. With this configuration, it is easy to manufacture and obtain, and it is possible to obtain a material having excellent miscibility with the inorganic binder.
[0050]
- based on the solids content of the coating composition, paint composition you, characterized in that it contains 5 to 50% by weight solids of the mineral binder. By this, the adhesive force improvement with respect to an inorganic to-be-coated surface, heat resistance, and a flame retardance can be provided, and what suppresses the increase in the weight of a coating film can be performed.
[0051]
【The invention's effect】
Since this invention is comprised as mentioned above, there exist the following effects.
According to the coating composition of the invention of claim 1, the waste incineration ash can be effectively used by using it as a finishing material for buildings, etc., and the coating film has impact resistance in a thin film, and is lightweight. It will be.
[0053]
According to the coating film structure of the invention described in claim 2 or 3, there is no leakage of harmful substances from the coating film, and a free color tone is obtained.
[0054]
According to the coating method of the invention as set forth in claim 4, there is no leakage of harmful substances from the coating film, and a free color tone is obtained.

Claims

A coating composition characterized in that the waste incineration ash contains 3 to 30% by weight with respect to the solid content of the organic binder having no inorganic binder and using a synthetic resin emulsion as the organic binder .

A coating composition layer formed from the coating composition according to claim 1 and a coating layer formed from a top coating are laminated on the surface of the coating object from the coating object side. Membrane structure.

The coating composition according to claim 1 is applied to the surface of the coating object from the coating object side, and is cured and dried to form a coating composition layer. The coating method characterized by forming.

A coating film structure, wherein a coating layer formed by a top coating is laminated on the entire surface of the coating composition according to claim 1 shaped into a predetermined shape.