JP3963203B2 - 在宅健康管理システム - Google Patents

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勝敏 石川
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康管理委託者の自宅に設置された入力装置と、契約医療機関に設置されたサーバーを公衆回線、専用線、CATV回線等の通信回線を介して接続した在宅健康管理システムにおいて、特に委託者が毎日感じる日々の体調データを基礎とした在宅健康管理システムを構築しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
血圧・脈拍・体温・体脂肪・体重などを医療機関に送信し、それらのデータから疾病を監視する在宅健康管理システムはあるが、本来、体調が体の変調を逸早く知る上で不可欠な要素である。
【0003】
体調は、医師が診察時に患者の有訴から病状を判断する場合に重要であるが、在宅で、健康管理委託者が体調を入力するには、キーボードを叩いて言葉で入力しなければならない。この方法で体調が入力されてもデータベースとして活用するには、人間の判断で再度病状別に分類し、入力し直す必要が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
人間は、本来「がまん」することが自然と身に付き、それが元で発病に至ったり、重大な病状に至ることもあり得る。早期発見、早期治療とは云うが、ほとんどの人は、医者に掛かる時は、自分で我慢ができない状態になってからの受診がほとんどである。自分が感じる体の状況を素直に、自然にいつでも伝えることができることが重要である。また、この有訴の状況がどんな病気に基づくものか、病気種別の疑いに結び付くことができれば、早期に病気を発見する可能性が高くなる。
【0005】
そこで、本発明の目的とするところは、在宅健康管理システムにおいて、体調の有訴(体調の不良な状態を訴えること)に基づく在宅健康管理を達成し、在宅のまま、日々の自分が感じる体のわずかな変化でも、容易に毎日データーとして入力できるようになし、在宅健康管理委託を希望する者の日々の健康状態をチェックするとともに、適宜、健康・医療アドバイスを行い得る様になし、また、有訴の内容と疾病とのつながりを逸早く判断し、早期に治療を行い重大な病状を引き起こさないようにする在宅健康管理システムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、健康管理委託者の自宅に設置された入力装置と、契約医療機関に設置されたサーバーを、公衆回線、専用線、CATV回線等の通信回線を介して接続した在宅健康管理システムにおいて、委託者が感じる日々の体調有訴のデータを健康管理のチェックデータとして、入力・送信させ、医療機関の端末機において監視するとともに、個別のデーターベースとして蓄積するようにした体調有訴のデータを対象とする在宅健康管理システムを構築した。
【0007】
また、高齢者を始めとするコンピュータを操作することができない人や、コンピュータの苦手な人でも容易に入力できる様に、有訴の部位が分かりやすいようにした在宅健康管理システムを提供した。すなわち、請求項2記載の通り、上記請求項1記載の在宅健康管理システムにおいて、健康管理委託者の入力装置が、予め複数の有訴部位を人型上に表した部位名と入力ボタンからなる入力手段を有する在宅健康管理システムとした。
【0008】
さらにまた、請求項2記載の入力手段を有する在宅健康管理システムにおいて、入力するための操作能力に応じ、入力方式を2形式準備している。その1は、請求項3記載のように、有訴部位を人型上に表して設けた入力ボタンがプッシュ式或いはタッチ式であり、押圧或いはタッチ回数によって有訴の度合いも表示及び送信可能とした在宅健康管理システムであり、その2は、請求項4記載のように、有訴部位を人型上に表して設けた入力ボタンの操作に連動して、有訴部位の詳細症状項目をディスプレー上に表示するとともに、選択した詳細症状項目を送信可能とした在宅健康管理システムである。
【0009】
請求項3の方式は、装置そのものを単独で機能するような装置とし、人型の有訴したい部位ボタンが、通電状態の体調普通の状態から、ボタンを押す回数によって不快な有訴の度合を表現する仕組みとするような「簡易独立方式」である。
【0010】
請求項4の方式は、有訴の部位ボタンを押した場合に、有訴したい症状の内容がより詳細に表示され、その項目を選択できる様に、コンピュータと連動させ、家庭のテレビやコンピュータのモニターなどのディスプレーに内容を表示させる「項目選択方式」である。例えば、頭が痛いとき、人型の入力装置の頭を触るかボタンを押すと、テレビやコンピュータのディスプレー上に、頭の痛い内容が項目別に列挙される。そこで例えば、入力装置のカーソルを動かし、一番自分の症状に近い項目のところで入力ボタンを押すと、その症状が公衆回線、専用線、CATV回線などを通じて医療機関のサーバーに送信される方式である。
【0011】
これらの体調有訴データを、毎日、データーベース化して蓄積し、日々入力・送信されてくる体調データを分析して逐次健康・医療アドバイスを遂行するようにする。これにより、健康管理委託者が自宅に設置された体調データ入力装置を利用して入力した体調データは、医療機関の端末器において監視され、適宜健康・医療アドバイスを行うことができる。既往症と有訴内容との関係で、重要な有訴内容のデータが入信した場合、異常を知らせる敷居値を設定し、監視体制に遺漏がないような仕組とすることもできる。
【0012】
有訴の内容に拠っては、(1)緊急な対応の必要がある有訴内容、(2)早急な対応が必要と思われる重要な要素を含んでいる複合有訴データ、(3)繰り返し入力される有訴体調データが、健康管理委託者の健康状態の推移を知る上で重要な要素となる。また、体調有訴の内容が罹病していると思われる疾病の早期発見につながる重要なシグナルとしての位置付けで利用することも可能である。
【0013】
「簡易独立方式」は、慢性的疾患で、医師がその病状の推移を見守るような状況の時に極めて有効であり、「項目選択方式」の場合は、健康管理の総合的判断を行い、以下のように、有訴の状況から病気の早期発見に役立つ。
【0014】
(1)早急な対応が必要と思われる重要な要素を含んでいる複合有訴データ
「頭痛+ものが霞んで見えにくい+吐き気」
「後頭部が痛い+吐き気がする」
「目が充血している+視力や視野に変化がある」
「せきやたんが続く+呼吸するたびにゼーゼー音がする+息苦しい」
「胸が痛い+息苦しい」
「腹が射すように痛い+吐き気がする+腹から背中に抜けるような痛みがある」
「便秘+腹から背中へ抜けるような痛みがある+吐き気がある」
「疲れやすい+尿の回数が少ない+吐き気がする」
(2)繰り返し入力される有訴体調
頭痛・めまい・吐き気・同一部分に繰り返される痛みなど、普段我慢されるものでも在宅で簡便的に入力できる体調有訴の状況は、重大な病状に陥る前に、早期に発見し治療するためには、在宅健康管理においては必要欠くべからざるものである。
【0015】
(3)有訴の状況と疾病との関連
Figure 0003963203
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る在宅健康管理システムの一例を示す概要図で、健康管理委託者の自宅に設置された入力装置1と、契約医療機関に設置されたサーバー2を、モデム3及び公衆回線、専用線、CATV回線等の通信回線4を介して接続し、在宅健康管理のためのコンピュータネットワークシステムが構築されている。
【0017】
入力装置1の形態は、図2に詳細を示す通り、入力装置の表面部分に表示したマスコット的人型の各々の部位に、「頭」「目」「鼻」「耳」「歯・口」「喉・首」「背中」「右腕」「右手」「左腕」「左手」「胸」「腹」「腰」「右もも」「右ひざ」「右足」「左もも」「左ひざ」「左足」「尿」「便」並びに「全般」の23項目の部位名5と入力ボタン6を見易く配置した入力手段を有している。
【0018】
入力ボタン6はタッチセンサー式、液晶タッチパネル式、押ボタンスイッチ式等を問わない。入力者が、体調有訴の部位の入力ボタン6を押すか触って、委託者が医師に有訴したい部位が明らかにできるようにする。
【0019】
有訴内容の通知方式としては、次の2通りを採用することができる。
1.簡易独立方式
人型の有訴したい部位の入力ボタン6が、通電状態の体調普通の状態から、入力ボタン6を押す回数によって不快な有訴の度合を表現する方式で、有訴対象22の部位は、通電された待機の状態では、薄緑に点灯している。有訴したい部位を選び、ボタンを「一度」押した場合は、ボタンの点灯している色が薄緑色から黄色に変る様にする。黄色は「少し具合が悪い」の信号としてモデムを介して送信される。一度押して黄色く変ったボタンを再度、即ち「二度」押した場合は赤く変るようにする。赤色は「すごく調子が悪い」の信号として送信される。
【0020】
この簡易方式は、健康管理委託者の健康状態を継続的に医師が診療しており、普段の病状を充分知っている場合や、高齢等で、なるべく簡易な方法が必要な委託者に適している。
【0021】
調子の悪い部位が分かることと、悪い度合も分かりやすく、通常、健康管理委託者の健康状態をホームドクター的に継続して診療している医師は、この情報だけで充分その委託者の病状を知ることができる。
【0022】
システム的にソフトと組にして運用することもなく、モデムから先の運用に関しては、各々のシステム開発者の工夫に任せることができる簡便さがある。
【0023】
2.項目選択方式
23の部位の有訴したい入力ボタン6を押した時、表1及び表2に示すようにその部位の有訴の内容がモニターに表示され、自分の感じる体調に一番近い有訴の症状の項目にカーソルを合わせ、OKボタン(○ボタン)を押して入力する。
【0024】
委託者は、これらの体調有訴の状況を毎日入力する。この有訴の状態を医師に伝えることが容易にできれば、医師の判断で手遅れにより重大な病状に陥ることを防げるケースが非常に多くなる。普段の健康管理は大変重要なサインである。
【0025】
本発明の「項目選択方式」は選択項目の内容や、いくつかの項目の組み合わせによって、委託者の病気の早期発見や、病状の進行状況の判断に用いるため、入力された項目のデータは、直ちに一般回線、専用線、CATV回線等の通信回線4を通じて契約医療機関のサーバー2に送信される。
【0026】
医療機関側には委託会員から送られてくる項目データを監視する端末器、有訴項目をデータベース化して蓄えるサーバー、複数の有訴データを解析して異常の有無を判断する演算処理装置が設置されている。医療機関が異常を察知した場合や、状況を確認する目的で、医療機関と委託者との間は、電話もしくはテレビ電話等を用いて一次的確認作業を行う。場合によれば、図1に示す通り、解析したデータに基づく健康管理情報を天気予報と関連付けながら週刊情報として委託者にフィードバックすることもできる。
【0027】
【表1】
Figure 0003963203
【0028】
【表 2】
Figure 0003963203
【0029】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、健康委託者と医療機関は常時通話の状態で、委託者は自分の体調有訴の状況を医師に伝えることができ、医師は、継続的に委託者の病状を知ることができるため、早期発見、早期治療を行えることにより、重大な健康状態に陥ることを防ぐことができる。
【0030】
また、一方、3時間待ちの3分診療と云われる無駄な労力を双方が減らすことができる。委託者側からすれば、3時間待ちの労力が嫌さにがまんをしてしまうケースが重大な結果を招く様なことを無くすることができる。
【0031】
委託者から継続的に送信されてくる体調有訴のデータを時系列的に蓄積し、時間の経過と有訴の内容の変化、傾向が分かり、委託者の体調の変化や傾向がつかめるようになる。これを診療で得た血圧や血液検査、尿検査などの医療データと統合し判断すれば、今までにデーターベースにされなかった、本人のからだの感じ方をデータとして扱うことができるようになる。
【0032】
慢性的患者は、定期的に、医師が自己の病院へ患者を呼んで診療し、経過を確認しているが、患者側では、煩わしさから早めに病院へ行くのを止めてしまう場合が多いが、この在宅健康管理システムによれば、継続して状況を医師に見てもらうことができ、大きな安心感につながる。流行性の疾病(例えばインフルエンザなど)が流行っている場合など、多くは病院内での感染が多いが、在宅で、有訴の状況を医師に知ってもらえれば、待合で感染することも防くことができる。
【0033】
また、入力装置には、予め複数の有訴部位を人型上に表した部位名と入力ボタンからなる入力手段を設けたので、高齢者等においても簡単に入力することができ、入力方式も、ボタンを押す回数によって不快な有訴の度合を表現できる簡易独立方式と、有訴の部位ボタンを押した場合に、有訴したい症状の内容がより詳細に表示され、その項目を選択できる項目選択方式の2形式を用意したので、在宅管理委託者に応じて最適の管理システムを構築することができる。
【0034】
高齢化社会では、病気に罹る確立が飛躍的に高くなるので、在宅で体調有訴の状態から、健康の状態を管理できることはきわめて大きな利点をもっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る在宅健康管理システムの一例を示す概要図。
【図2】同在宅健康管理システムにおいて使用する入力装置の詳細図。
【符号の説明】
1…入力装置 2…サーバー 3…モデム 4…通信回線
5…部位名 6…入力ボタン

Claims (2)

  1. 健康管理委託者の自宅に設置された入力装置と、契約医療機関に設置されたサーバーを公衆回線、専用線、CATV回線等の通信回線を介して接続した在宅健康管理システムにおいて、委託者が感じる日々の体調有訴のデータを健康管理のチェックデータとして、入力・送信させ、医療機関の端末機において監視するとともに個別のデーターベースとして蓄積するようにした体調有訴のデータを対象とする在宅健康管理システムであり、健康管理委託者の入力装置が、予め複数の有訴部位を人型上に表した部位名と入力ボタンからなる入力手段を有し、当該入力ボタンがプッシュ式或いはタッチ式であり、押圧或いはタッチ回数によって有訴の度合いも表示及び送信可能とした在宅健康管理システム。
  2. 有訴部位を人型上に表して設けた入力ボタンの操作に連動して有訴部位の詳細症状項目をディスプレー上に表示するとともに、選択した詳細症状項目を送信可能とした請求項1記載の在宅健康管理システム。
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